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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231018BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022029953
(22)【出願日】2022-02-28
(62)【分割の表示】P 2017140684の分割
【原出願日】2017-07-20
(65)【公開番号】P2022060597
(43)【公開日】2022-04-14
【審査請求日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】P 2016143391
(32)【優先日】2016-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】300092334
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(72)【発明者】
【氏名】正林 真之
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-185376(JP,A)
【文献】特表2008-519366(JP,A)
【文献】特開2003-345932(JP,A)
【文献】特開2001-338166(JP,A)
【文献】特開2002-230467(JP,A)
【文献】国際公開第2014/041761(WO,A1)
【文献】特開2006-113626(JP,A)
【文献】特開2008-243022(JP,A)
【文献】特開2004-227385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定種類の契約を取り交わす第1ユーザと第2ユーザとのうち、少なくとも一方が保有する1以上のユーザ端末と、
前記1以上のユーザ端末と通信をするサーバと、
を含む情報処理システムであって、
前記1以上のユーザ端末は、
前記第1ユーザと前記第2ユーザのうち少なくとも一方の操作者による操作に基づいて、前記所定種類の契約をする際の条件として、複数種類の契約条件を、前記操作者により夫々設定された重要度と共に受付ける受付手段と、
前記複数種類の契約条件を前記サーバに送信する制御を実行する第1送信制御手段と、
を備え、
前記サーバは、
n種類(nは1以上の整数値)の契約条件のうちのm種類(mはn以下の整数値)の契約条件に対応する前記所定種類の契約のサンプルデータ又は当該サンプルデータを作成するために必要なデータを、全通りの夫々について管理する管理手段と、
前記1以上のユーザ端末から、前記第1ユーザの操作に基づく前記複数種類の契約条件及び前記第2ユーザの操作に基づく前記複数種類の契約条件、並びに前記第1ユーザの操作により設定された前記重要度及び前記第2ユーザの操作により設定された前記重要度を取得する取得手段と、
前記管理手段の管理内容に基づいて、取得された前記第1ユーザ及び前記第2ユーザの夫々についての前記複数種類の契約条件に対応する、前記所定種類の契約のサンプルデータとして、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザの夫々についての前記重要度に応じた度合いで、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザの夫々についての前記複数種類の契約条件の夫々の内容を反映させたサンプルデータを生成する生成手段と、
前記所定種類の契約のサンプルデータを前記1以上のユーザ端末に送信する制御を実行する第2送信制御手段と、
を備え、
前記1以上のユーザ端末は、さらに、
前記サーバから送信された前記所定種類の契約のサンプルデータを受信する制御を実行する受信制御手段と、
前記所定種類の契約のサンプルデータを保持する制御を実行する保持制御手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記1以上のユーザ端末の受付手段は、
前記n種類の契約条件のうち所定条件を特定可能な特定情報を入力する操作に対して、
当該所定条件として、前記特定情報を受付け、
前記サーバは、
前記特定情報に基づいて、前記n種類の契約条件のうち前記所定条件を認識する認識手段をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、契約書を自動で作成する装置は存在する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4324369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術を含め従来の技術は、ビジネス上多数取り交わされる契約書を効率良く作成するためにはどうするかという課題を解決することが前提としてある。
また、契約書を取り交わすことが一般的でない分野や、契約当事者に契約に慣れていない人が含まれる場合には、契約内容がどのような内容になるのかを想像することが難しく、また契約当事者のうち契約書のドラフトを先に作成した側に有利な契約内容となる事も多い。さらに、契約書の内容の摺り合わせのために当事者間で何度もやり取りを行うことは時間的なコストとなる。
このため、そもそも契約書を取り交わすことが一般的でない分野においても、契約に慣れていない人でも容易に契約内容を想像でき、容易に契約書を作成することができ、かつ、当該契約書には契約当事者の所望の条件を最大限反映させ、契約当事者間の公平を確保できる方法が求められている。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、契約書を取り交わすことが一般的でない分野においても、契約に慣れていない人でも容易に契約内容を想像でき、容易に契約書を作成することができ、かつ、当該契約書には契約当事者の所望の条件を最大限反映させ、契約当事者間の公平を確保できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理システムは、
所定種類の契約を取り交わす第1ユーザと第2ユーザとのうち、少なくとも一方が保有するユーザ端末と、
前記ユーザ端末と通信をするサーバと、
を含む情報処理システムであって、
前記ユーザ端末は、
前記第1ユーザと前記第2ユーザのうち少なくとも一方の操作に基づいて、前記所定種類の契約をする際の所定条件を受付ける受付手段と、
1種類以上の前記所定条件を前記サーバに送信する制御を実行する第1送信制御手段と、
を備え、
前記サーバは、
n種類(nは1以上の整数値)の条件のうちのm種類(mはn以下の整数値)の条件に対応する前記所定種類の契約のサンプルデータ又は当該サンプルデータを作成するために必要なデータを、全通りの夫々について管理する管理手段と、
前記ユーザ端末からの前記1種類以上の所定条件を取得する取得手段と、
前記管理手段の管理内容に基づいて、取得された前記1種類以上の所定条件に対応する、前記所定種類の契約のサンプルデータを生成する生成手段と、
前記所定種類の契約のサンプルデータを前記端末に送信する制御を実行する第2送信制御手段と、
を備え、
前記ユーザ端末は、さらに、
前記サーバから送信された前記所定種類の契約のサンプルデータを受信する制御を実行する受信制御手段と、
前記所定種類の契約のサンプルデータを保持する制御を実行する保持制御手段と、
を備える。
【0007】
また、前記ユーザ端末の前記受付手段は、
前記n種類の条件のうち所定条件を特定可能な特定情報を入力する操作に対して、
当該所定条件として、前記特定情報を受付け、
前記サーバは、
前記特定情報に基づいて、前記n種類の条件のうち前記所定条件を認識する認識手段をさらに備えることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、契約書の取り交わしが一般的でない分野においても、契約に慣れていない人でも容易に契約内容を想像でき、容易に契約書を作成することができ、かつ、当該契約書には契約当事者の所望の条件を最大限反映させ、契約当事者間の公平を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システム全体の構成図である。
図2図1の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図1の情報処理システムのうちサーバ及びユーザ端末の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4図1の情報処理システムにより実現される各種サービスのうち、婚前契約書自動作成サービスの概要を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムS全体の構成図である。
【0011】
図1に示す情報処理システムSは、サーバ1と、第1ユーザ端末2Mと、第2ユーザ端末2Fとを含むように構成されている。
サーバ1と第1ユーザ端末2Mと、第2ユーザ端末2Fとは、インターネット等の所定のネットワークNを介して各種情報を送受信する。
【0012】
サーバ1は、第1ユーザ端末2M及び第2ユーザ端末2Fの各動作を管理すべく、各種処理を実行する。
第1ユーザ端末2Mは、第1ユーザUM(男性)が操作する情報処理装置であって、例えば本実施形態では、スマートフォンで構成される。
第2ユーザ端末2Fは、第2ユーザUF(女性)が操作する情報処理装置であって、例えば本実施形態では、スマートフォンで構成される。
なお、以下、第1ユーザUM及び第2ユーザUFを個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「ユーザU」と呼ぶ。また、ユーザUと呼んでいる場合には、第1ユーザ端末2M及び第2ユーザ端末2Fをまとめて「ユーザ端末2」と呼ぶ。
【0013】
ここで、第1ユーザUM及び第2ユーザUFは、説明の便宜上図1には1人ずつしか描画されていないが、実際には複数人の場合がある。第1ユーザUM又は第2ユーザUFが複数人となる場合には、複数の第1ユーザUM又は複数の第2ユーザUFの夫々が操作すべく、第1ユーザ端末2Mや第2ユーザ端末2Fもまた複数台になり得る。
【0014】
このような情報処理システムSは、例えば本実施形態では、次のような動作(処理)を実行する。
即ち、本実施形態における情報処理システムSは、所定種類の契約(本実施形態では婚前契約)を取り交わす第1ユーザUMと第2ユーザUFとのうち、少なくとも一方が保有するユーザ端末2(第1ユーザ端末2M又は第2ユーザ端末2F)と、ユーザ端末2と通信をするサーバ1とを含む。
【0015】
ユーザ端末2は、第1ユーザUMと第2ユーザUFとのうち少なくとも一方の操作に基づいて、婚前契約を取り交わす際の所定条件を受付ける受付部201(図3参照)と、1種類以上の所定条件をサーバ1に送信する制御を実行する第1送信制御部202(図3参照)とを備える。
サーバ1は、n種類(nは1以上の整数値)の条件のうちのm種類(mはn以下の整数値)の条件に対応する婚前契約書のサンプルデータ又は当該サンプルデータを作成するために必要なデータを、全通りの夫々について管理する管理部301(図3参照)と、ユーザ端末2からの1種類以上の所定条件を取得する取得部302(図3参照)と、管理手段の管理内容に基づいて、取得された前記1種類以上の所定条件に対応する、婚前契約書のサンプルデータを生成する生成部303(図3参照)と、婚前契約書のサンプルデータをユーザ端末2に送信する制御を実行する第2送信制御部304(図3参照)とを備える。
また、ユーザ端末2は、さらに、サーバ1から送信された婚前契約書のサンプルデータを受信する制御を実行する受信制御部203(図3参照)と、婚前契約書のサンプルデータを保持する制御を実行する保持制御部204(図3参照)とを備える。
これにより、契約書の取り交わしが一般的でないにおいても、契約に慣れていない人でも容易に契約内容を想像でき、容易に契約書を作成することができ、かつ、当該契約書には契約当事者の所望の条件を最大限反映させ、契約当事者間の公平を確保することができる。
なお、図1の情報処理システムSのうちサーバ1及びユーザ端末2の機能的構成の詳細については、図3を参照して後述する。
また、本発明の一実施形態に係る情報処理システムS全体の構成図における他の特徴としては、図1に示すとおりである。
【0016】
図2は、図1の情報処理システムSのうちサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0017】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、バス104と、入出力インターフェース105と、出力部106と、入力部107と、記憶部108と、通信部109と、ドライブ110と、を備えている。
【0018】
CPU101は、ROM102に記録されているプログラム、又は、記憶部108からRAM103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM103には、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0019】
CPU101、ROM102及びRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104にはまた、入出力インターフェース105も接続されている。入出力インターフェース105には、出力部106、入力部107、記憶部108、通信部109及びドライブ110が接続されている。
【0020】
出力部106は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
入力部107は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
【0021】
記憶部108は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部109は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(図1の例ではユーザ端末2M及びユーザ端末2F)との間で通信を行う。
【0022】
ドライブ110には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア120が適宜装着される。ドライブ110によってリムーバブルメディア120から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部108にインストールされる。
また、リムーバブルメディア120は、記憶部108に記憶されている各種データも、記憶部108と同様に記憶することができる。
【0023】
また、図示はしないが、図1の情報処理システムSの第1ユーザ端末2M及び第2ユーザ端末2Fも、図2に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有している。
なお、図1の情報処理システムSのうちサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図における他の特徴としては、図2に示すとおりである。
【0024】
図3は、図1の情報処理システムSのうちサーバ1及びユーザ端末2の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、ユーザ端末2においては、受付部201と、第1送信制御部202と、受信制御部203と、保持制御部204とが機能する。
サーバ1のCPU101においては、管理部301と、取得部302と、生成部303と、第2送信制御部304とが機能する。
記憶部108の一領域には、サンプルデータDB401が設けられている。
【0025】
まず、ユーザ端末2において、受付部201は、第1ユーザUMと第2ユーザUFのうち少なくとも一方の操作に基づいて、婚前契約を取り交わす際の所定条件を受付ける。具体的には、第1ユーザ端末2Mは、第1ユーザUMにおける、婚前契約を取り交わす際の所望の条件としての第1ユーザ側所定条件Aを受付ける。また、第2ユーザ端末2Fは、第2ユーザUFにおける、婚前契約を取り交わす際の所望の条件としての第2ユーザ側所定条件Bを受付ける。
第1送信制御部202は、1種類以上の、婚前契約を取り交わす際の所定条件を、サーバ1に送信する制御を実行する。具体的には、第1ユーザ端末2Mは、第1ユーザ側所定条件Aをサーバ1に送信する制御を実行する。また、第2ユーザ端末2Fは、第2ユーザ側所定条件Bをサーバ1に送信する制御を実行する。
【0026】
次に、サーバ1において、管理部301は、n種類(nは1以上の整数値)の条件のうちのm種類(mはn以下の整数値)の条件に対応する婚前契約書のサンプルデータα又はサンプルデータαを作成するために必要なデータを、全通りの夫々について、サンプルデータDB401に記憶させ管理する。
取得部302は、ユーザ端末2からの1種類以上の所定条件(第1ユーザ側所定条件A及び第2ユーザ側所定条件B)を取得する。
生成部303は、管理部301の管理内容に基づいて、取得部302によって取得された1種類以上の所定条件(第1ユーザ側所定条件A及び第2ユーザ側所定条件B)に対応する、婚前契約書のサンプルデータαを生成する。なお、サンプルデータαの生成手段は特に限定されない。AI(人工知能)、所定のアルゴリズムに基づく計算等を用いてサンプルデータαの生成することができる。
これにより、契約書作成について契約に慣れていない人でも、所定の条件をユーザ端末2に入力するだけで、複数当事者の所望の条件に基づいた公平な契約書を容易に作成することができる。
第2送信制御部304は、婚前契約書のサンプルデータαをユーザ端末2に送信する制御を実行する。
具体的には、例えば契約当事者となるユーザUの一方が、所定条件として「不倫」というキーワードをユーザ端末2に入力(あるいは選択)し、当該所定条件をサーバ1に送信した場合、サーバ1は、サンプルデータDB401から不倫に関係がある契約書の条文を抽出し、これをサンプルデータとしてユーザ端末2に送信する制御を実行する。
【0027】
そして、ユーザ端末2において、受信制御部203は、サーバ1から送信された婚前契約書のサンプルデータαを受信する制御を実行する。
これにより、ユーザUは、所定条件が条文に反映された契約書のサンプルを取得することができる。
保持制御部204は、婚前契約書のサンプルデータαを保持する制御を実行する。
なお、図1の情報処理システムSのうちサーバ1及びユーザ端末2の機能的構成の一例を示す機能ブロック図における他の特徴としては、図3に示すとおりである。
【0028】
次に、図4を参照して、図1の情報処理システムSにより実現される各種サービスのうち、婚前契約書自動作成サービスについて説明する。
図4は、図1の情報処理システムSにより実現される婚前契約書自動作成サービスの概要を示すイメージ図である。
【0029】
婚前契約書自動作成サービスは、これから婚約をしようとする男女が、結婚前の段階で取り交わす婚前契約に係る契約書を自動で作成するサービスである。婚前契約書自動作成サービスでは、婚前契約書に盛り込まれる条項の内容に、これから婚約をしようとする男女夫々の自由な意思を反映させるべく、情報処理システムSに以下のような処理を実行させる。
即ち、情報処理システムSのうちユーザ端末2は、これから婚約をしようとする男女夫々に対する複数種類の質問を表示し、これら質問に対する回答を受付ける。具体的には、第1ユーザ端末2Mは、これから婚約をしようとする男女のうち男性(第1ユーザUM)の操作に基づいて、男性側の条件(第1ユーザ側所定条件)として、質問に対する男性の回答を受付ける。また、第2ユーザ端末2Fは、女性(第2ユーザUF)の操作に基づいて、女性側の条件(第2ユーザ側所定条件)として、質問に対する女性の回答を受付ける。
【0030】
図4(A)は、ユーザ端末2に表示される複数種類の質問の具体例を示す図である。
男性(第1ユーザUM)又は女性(第2ユーザUF)に対する質問は、ユーザ端末2の表示領域H1乃至H3に表示される。
表示領域H1には、男性(第1ユーザUM)又は女性(第2ユーザUF)の「氏名」及び「住所」を入力する欄が表示される。
表示領域H2には、男性(第1ユーザUM)及び女性(第2ユーザUF)に対する結婚に関する質問が表示される。具体的には例えば、「Q1」として「夫婦間について共感できるものを選択してください」といったような質問が表示される。また、これに対して男性(第1ユーザUM)及び女性(第2ユーザUF)に回答させるために、例えば「相互に助け合い、感謝し合う関係」、「相互に貞操を守る関係」、「相互に努力を惜しまない関係」といった選択肢が表示される。これにより、男性(第1ユーザUM)及び女性(第2ユーザUF)の夫々の結婚に対する考え方を漏らさず婚前契約書に反映させることができる。また、男性(第1ユーザUM)及び女性(第2ユーザUF)の夫々の結婚に対する考え方のうち方向性が合致する部分(合意部分)を契約書に的確に反映させることが可能となる。
【0031】
また、表示領域H2には、選択肢以外に男性(第1ユーザUM)及び女性(第2ユーザUF)が自由入力することができるフリーワード入力欄Fを設けてもよい。これにより、男性(第1ユーザUM)と女性(第2ユーザUF)との間の個別具体的な合意内容を婚前契約書に反映させることが可能となる。
【0032】
また、各質問毎に、回答結果を婚前契約書に反映させる度合を「重要度」として任意に設定できるようにしてもよい。例えば表示領域H3に示すように、重要度を5段階(1乃至5)に分け、質問毎の重要度を男性(第1ユーザUM)及び女性(第2ユーザUF)に設定させるための重要度設定バーIを設けてもよい。これにより、男性(第1ユーザUM)及び女性(第2ユーザUF)の夫々の結婚に対する考え方に応じて、婚前契約書に反映させるべき複数の項目の夫々に濃淡をつけることができる。このため、内容にメリハリがある婚前契約書を自動作成させることが可能となる。
このように、男性(第1ユーザUM)及び女性(第2ユーザUF)の夫々は、自身の結婚に対する考え方に基づいて、表示領域H1乃至H3に表示された各種入力欄に、各々の内容を入力する操作を行う。これにより、第1ユーザ端末2Mと第2ユーザ端末2Fとの夫々は、第1ユーザ側所定条件Aと第2ユーザ側所定条件Bとの夫々を受付け、これら所定条件をサーバ1に送信する。
【0033】
サーバ1は、第1ユーザ側所定条件Aと第2ユーザ側所定条件Bとの夫々を受信すると、これら所定条件に対応する婚前契約書のサンプルデータを生成する。具体的には例えば、図4(B)に示すような婚前契約書のサンプルデータα1が生成される。
上述したように、婚前契約書のサンプルデータα1には、男性(第1ユーザUM)及び女性(第2ユーザUF)への質問に対する回答の内容が反映される。例えば図4(A)の例では、「Q2」として、「家事について共感できるものを選択してください」という質問があり、これに回答するための選択肢として、「夫婦平等とし、各自分担して行う」、「妻が主として行う」、「夫が主として行う」といった選択肢が表示されている。このとき、男性(第1ユーザUM)及び女性(第2ユーザUF)のいずれもが、これら選択肢のうち「夫婦平等とし、各自分担して行う」という選択肢を選択した場合を想定する。すると、サーバ1は、男性(第1ユーザUM)及び女性(第2ユーザUF)との間で、家事は「夫婦平等とし、各自分担して行う」という合意がなされたと判断し、この合意内容を婚前契約書のサンプルデータα1の条項に反映させる。具体的には、図4(B)の婚前契約書のサンプルデータα1に示すように、「第2条(家事分担) 家事は甲及び乙が平等に負担し、各自分担して行うものとする。」という条項が設けられる。
このように、男性(第1ユーザUM)及び女性(第2ユーザUF)の夫々は、婚前契約書自動作成サービスを利用することにより、簡単な質問に回答するだけで、両者の結婚に対する考え方の合意部分に沿った内容の婚前契約書を作成することができる。
【0034】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0035】
例えば、ユーザ端末2において、受付部201は、n種類の条件のうち所定条件を特定可能な特定情報を入力する操作に対して、当該所定条件として、当該特定情報を受付けることができる。そして、サーバ1は、当該特定情報に基づいて、n種類の条件のうち所定条件を認識する認識手段をさらに備えることができる。
これにより、第1ユーザUMや第2ユーザUFにとっては、条件自体を知らなくても、所望の要望、例えば、「彼の浮気を防止したい」といった要望を入力するだけで、所定種類の契約のサンプル(例えば婚前契約書)のイメージを容易に把握して、契約内容をチェックすることができる。
【0036】
また、サーバ1は、ユーザU夫々の所定条件に基づき、ユーザU夫々毎にサンプルデータを作成することができるようにしてもよい。即ち、ユーザU1人毎に当該ユーザUの所定条件のみが反映されたサンプルデータを作成することができるようにすることにより、特定のユーザUの考えや価値観が反映されたサンプルデータをマッチングデータとして利用することができる。
これにより、例えば結婚相談所における登録者情報として、表面的な情報(例えば性別、年齢、年収、趣味、職業、住所、親、兄弟、学歴等)に加えて、よりパーソナルな情報としてサンプルデータ(例えば結婚にあたって相手に望むもの等)を活用することができるので、従来より精度の高いマッチング結果を期待することができる。
【0037】
また、本実施形態では、結婚前の男女間における婚前契約書の作成が例に挙げられているが、あらゆる場面における契約書の作成に本発明を適用することができる。具体的には例えば、金銭の貸し借りに関する契約書の作成や、業務上の請負契約等における契約書の作成に本発明を適用することができる。
【0038】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理システム(例えば図1の情報処理システムS)は、
所定種類の契約を取り交わす第1ユーザ(例えば図1の第1ユーザUM)と第2ユーザ(例えば図1の第2ユーザUF)とのうち、少なくとも一方が保有するユーザ端末(例えば図1の第1ユーザ端末2Mあるいは第2ユーザ端末2F)と、
前記ユーザ端末と通信をするサーバ(例えば図1のサーバ1)と、
を含む情報処理システムであって、
前記ユーザ端末は、
前記第1ユーザと前記第2ユーザのうち少なくとも一方の操作に基づいて、前記所定種類の契約(例えば婚前契約)をする際の所定条件(例えば図3の第1ユーザ側所定条件A又は第2ユーザ側所定条件B)を受付ける受付手段(例えば図3の受付部201)と、
1種類以上の前記所定条件を前記サーバに送信する制御を実行する第1送信制御手段(例えば図3の第1送信制御部202)と、
を備え、
前記サーバは、
n種類(nは1以上の整数値)の条件のうちのm種類(mはn以下の整数値)の条件に対応する前記所定種類の契約のサンプルデータ(例えば婚前契約書のサンプルデータ)又は当該サンプルデータを作成するために必要なデータを、全通りの夫々について管理する管理手段(例えば図3の管理部301)と、
前記ユーザ端末からの前記1種類以上の所定条件を取得する取得手段(例えば図3の取得部302)と、
前記管理手段の管理内容に基づいて、取得された前記1種類以上の所定条件に対応する、前記所定種類の契約のサンプルデータを生成する生成手段(例えば図3の生成部303)と、
前記所定種類の契約のサンプルデータを前記端末に送信する制御を実行する第2送信制御手段(例えば図3の第2送信制御部304)と、
を備え、
前記ユーザ端末は、さらに、
前記サーバから送信された前記所定種類の契約のサンプルデータを受信する制御を実行する受信制御手段(例えば図3の受信制御部203)と、
前記所定種類の契約のサンプルデータを保持する制御を実行する保持制御手段(例えば図3の保持制御部204)と、
を備える。
これにより、契約書を取り交わすことが一般的でない分野においても、契約に慣れていない人でも容易に契約内容を想像でき、容易に契約書を作成することができ、かつ、当該契約書には契約当事者の所望の条件を最大限反映させ、契約当事者間の公平を確保できるシステムを提供することができる。
【0039】
また、前記ユーザ端末の受付手段は、
前記n種類の条件のうち所定条件を特定可能な特定情報を入力する操作に対して、
当該所定条件として、前記特定情報を受付け、
前記サーバは、
前記特定情報に基づいて、前記n種類の条件のうち前記所定条件を認識する認識手段をさらに備えることができる。
【0040】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0041】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものである。
【符号の説明】
【0042】
1・・・ サーバ
2・・・ ユーザ端末
2M・・・ 第1ユーザ端末
2F・・・ 第2ユーザ端末
101・・・ CPU
102・・・ ROM
103・・・ RAM
104・・・ バス
105・・・ 入出力インターフェース
106・・・ 出力部
107・・・ 入力部
108・・・ 記憶部
109・・・ 通信部
110・・・ ドライブ
120・・・ リムーバブルメディア
201・・・ 受付部
202・・・ 第1送信制御部
203・・・ 受信制御部
204・・・ 保持制御部
301・・・ 管理部
302・・・ 取得部
303・・・ 生成部
304・・・ 第2送信制御部
401・・・ サンプルデータDB
N・・・ ネットワーク
S・・・ 情報処理システム
U・・・ ユーザ
UM・・・ 第1ユーザ
UF・・・ 第2ユーザ
α1・・・ 婚前契約書のサンプルデータ
F・・・フリーワード入力欄
I・・・重要度設定バー
H1,H2,H3・・・ 表示領域
図1
図2
図3
図4