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特許7369231積層型電池の製造方法、積層型電池の製造装置及び積層型電池
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】積層型電池の製造方法、積層型電池の製造装置及び積層型電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20231018BHJP
   H01M 10/0583 20100101ALI20231018BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/0583
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022058304
(22)【出願日】2022-03-31
(65)【公開番号】P2023149637
(43)【公開日】2023-10-13
【審査請求日】2023-06-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000231361
【氏名又は名称】NISSHA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149216
【弁理士】
【氏名又は名称】浅津 治司
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】眞田 雄矢
【審査官】松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-165055(JP,A)
【文献】特開2017-016946(JP,A)
【文献】国際公開第2008/139561(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04-39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ状のセパレータ部材をつづら折りしつつ正極板と負極板とを交互に前記セパレータ部材に載置して前記セパレータ部材を前記正極板と前記負極板との間に挟むことで、複数の前記正極板と複数の前記負極板とつづら折りされた前記セパレータ部材の分離部とが積層された積層部分を形成する積層ステップと、
前記セパレータ部材の前記分離部から連続的に続いている結束代のうちの主部を畳むかまたは巻きつけ、前記セパレータ部材を切することで前記結束代を形成する切断ステップと、
前記結束代の主部を畳むかまたは巻きつけた状態で、前記積層部分および前記結束代移動させる移動ステップと、
前記結束代を、前記積層部分の周囲に少なくとも一回りさせて前記結束代により前記積層部分を結束する結束ステップとを備えた一連のステップが複数行われる積層型電池の製造方法であって
前記主部は、前記積層部分の幅広の側面2つ分以上の長さを持ち、
一連のステップの前記積層ステップの少なくとも一部と、他の一連のステップにおける前記結束ステップとは、並行して行われる、積層型電池の製造方法。
【請求項2】
前記切断ステップは、前記主部をつづら折りする空つづら折りステップを含み、
前記移動ステップでは、空つづら折りされた状態の前記主部と前記積層部分が把持されて、前記積層部分と前記結束代とが移動される、請求項1に記載の積層型電池の製造方法。
【請求項3】
前記切断ステップでは、前記結束代の端辺が前記積層部分の側部に配置される長さになるように前記セパレータ部材を切断する、請求項1または請求項2に記載の積層型電池の製造方法。
【請求項4】
複数の前記積層ステップおよび前記切断ステップは、互いにタイミングをずらして並行して行われ、
前記移動ステップおよび前記結束ステップは、複数の前記積層ステップおよび前記切断ステップにより形成された複数の前記積層部分および前記結束代が、順次移動して結束されるように行われる、請求項1から3のいずれか一項に記載の積層型電池の製造方法。
【請求項5】
積層装置と移動装置と結束装置とを備える積層型電池の製造装置であって、
前記積層装置は、テープ状のセパレータ部材をつづら折りしつつ正極板と負極板を前記セパレータ部材に載置して前記セパレータ部材を前記正極板と前記負極板の間に挟み、複数の前記正極板と複数の前記負極板とつづら折りされた分離部を含む積層部分とを形成するように構成され、
前記積層装置は、前記セパレータ部材の前記分離部から連続的に続いている結束代のうちの前記積層部分の幅広の側面2つ分以上の長さを持つ主部を畳むかまたは巻きつけるように構成され、
前記積層装置は、前記セパレータ部材を切って前記結束代を形成するように構成され、
前記移動装置は、少なくとも前記主部を畳むかまたは巻きつけた状態で、前記積層装置から前記結束装置に、前記積層部分と前記結束代とを移動するように構成され、
前記結束装置は、前記結束代を、前記積層部分の周囲に少なくとも一回りさせて前記結束代により前記積層部分を結束するように構成され、
前記結束装置は、前記積層装置における前記積層部分及び前記結束代の形成のうちの少なくとも一部と並行して、他の前記積層部分を結束する、積層型電池の製造装置。
【請求項6】
前記積層装置は、前記セパレータ部材を切る前に、前記主部を空つづら折りし、
前記移動装置は、空つづら折りされた前記主部と前記積層部分を把持して、前記積層装置から前記結束装置に、前記積層部分と前記結束代とを移動する、請求項5に記載の積層型電池の製造装置。
【請求項7】
前記積層装置は、前記結束代の端辺が前記積層部分の側部に配置される長さになるように前記セパレータ部材を切断する、請求項5または請求項6に記載の積層型電池の製造装置。
【請求項8】
前記積層装置は、第1積層装置及び第2積層装置を含み、
前記第1積層装置と前記第2積層装置は、タイミングをずらして、別々に前記積層部分と前記結束代を形成し、
前記移動装置及び前記結束装置は、前記第1積層装置で形成した前記積層部分及び前記結束代と前記第2積層装置で形成した前記積層部分及び前記結束代を順次移動して結束する、請求項5から7のいずれか一項に記載の積層型電池の製造装置。
【請求項9】
交互に積層されている複数の正極板及び複数の負極板と、
互いに隣接する前記正極板と前記負極板との間を縫うようにつづら折りされている分離部及び前記分離部から連続的に続いている結束代を有するテープ状のセパレータ部材と、を備え、
前記セパレータ部材は、前記複数の正極板と前記複数の負極板とつづら折りされた前記分離部を含む積層部分を、前記積層部分の周囲を少なくとも一回りした前記結束代で結束されており、
前記結束代は、つづら折りされた折り目を有することを特徴とする、積層型電池。
【請求項10】
前記結束代の端辺が前記積層部分の側部に配置されている、請求項9に記載の積層型電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電池の製造方法及び積層型電池の製造装置並びに積層型電池に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特許第6632823号公報)には、隣接する正極板と負極板との間にセパレータを有する積層体にセパレータ部材を巻き付けて固定する積層型電池の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6632823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているように、1台の製造装置の中で電極とセパレータ部材の積層とセパレータ部材の巻き付けとを行う場合には、積層工程と巻付け工程を順次行うことになる。特許文献1に記載されている積層型電池の製造方法には、1つの積層型電池を製造するのに時間が掛かるという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、積層型電池を製造するのに掛かる時間を短縮することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る積層型電池の製造方法は、積層ステップと、切断ステップと、移動ステップと、結束ステップとを備えている。積層ステップでは、テープ状のセパレータ部材をつづら折りしつつ正極板と負極板とを交互にセパレータ部材に載置してセパレータ部材を正極板と負極板との間に挟み、複数の正極板と複数の負極板とつづら折りされたセパレータ部材の分離部を積層した積層部分を形成する。切断ステップでは、セパレータ部材の分離部から連続的に続いている結束代のうちの主部を畳むかまたは巻きつけ、セパレータ部材を切って結束代を形成する。移動ステップでは、主部を畳むかまたは巻きつけた状態で、積層部分と結束代とを移動する。結束ステップでは、結束代を、積層部分の周囲に少なくとも一回りさせて結束代により積層部分を結束する。主部は、積層部分の幅広の側面2つ分以上の長さを持ち、積層ステップの少なくとも一部は、結束ステップと並行して行われる。
このような構成を有する積層型電池の製造方法は、積層部分の幅広の側面2つ分以上の長さを持つ主部が、畳まれてまたは巻きつけた状態で移動されるので、結束ステップにスムーズに移行できる。また、積層ステップの少なくとも一部が、結束ステップと並行して行われることで、製造時間を短縮することができる。
【0007】
上述の積層型電池の製造方法は、切断ステップが、主部をつづら折りする空つづら折りステップを含み、移動ステップでは、空つづら折りされた状態の結束代のうちの主部と積層部分が把持されて、積層部分と結束代とが移動されるように構成されてもよい。このように構成された積層型電池の製造方法は、製造装置に更なる部品を追加したり複雑にしたりすることなく、積層ステップから結束ステップにスムーズに移行させることができる。
【0008】
上述の積層型電池の製造方法は、切断ステップでは、結束代の端辺が積層部分の側部に配置される長さになるようにセパレータ部材を切断する構成としてもよい。このように構成された積層型電池の製造方法は、セパレータ部材の端辺を積層部分の側部に配置し易くなり、故障の少ない積層型電池を製造し易くなる。
【0009】
上述の積層型電池の製造方法は、積層部分と結束代が、第1積層部分と第1結束代及び第2積層部分と第2結束代を含み、積層ステップでは、第1積層部分と第1結束代及び第2積層部分と第2結束代を、タイミングをずらして並行して形成し、移動ステップ及び結束ステップでは、第1積層部分と第1結束代及び第2積層部分と第2結束代を順次移動して結束するように構成されてもよい。このように構成された積層型電池の製造方法は、結束ステップで、第1積層部分と第1結束代及び第2積層部分と第2結束代の結束を行え、積層型電池を効率良く製造することができる。
【0010】
本発明の一見地に係る積層型電池の製造装置は、積層装置と移動装置と結束装置とを備える。積層装置は、テープ状のセパレータ部材をつづら折りしつつ正極板と負極板をセパレータ部材に載置してセパレータ部材を正極板と負極板の間に挟み、複数の正極板と複数の負極板とつづら折りされた分離部を含む積層部分とを形成するように構成されている。積層装置は、セパレータ部材の分離部から連続的に続いている結束代のうちの積層部分の幅広の側面2つ分以上の長さを持つ主部を畳むかまたは巻きつけるように構成されている。積層装置は、セパレータ部材を切って結束代を形成するように構成されている。移動装置は、前記主部を畳むかまたは巻きつけた状態で、積層装置から結束装置に、積層部分と結束代とを移動するように構成されている。結束装置は、結束代を、積層部分の周囲を少なくとも一回りさせて結束代により積層部分を結束するように構成されている。結束装置が、積層装置における積層部分及び結束代の形成のうちの少なくとも一部と並行して、他の積層部分を結束する。
このような構成を有する積層型電池の製造装置は、移動装置が、積層部分の幅広の側面2つ分以上の長さを持つ主部を畳むかまたは巻きつけた状態で移動させるので、結束装置にスムーズに移行できる。また、積層装置における積層部分及び結束代の形成のうちの少なくとも一部と並行して、結束装置が他の積層部分を結束することで、製造時間を短縮することができる。
【0011】
上述の積層型電池の製造装置は、積層装置が、セパレータ部材を切る前に、主部を空つづら折りし、移動装置が、空つづら折りされた主部と積層部分を把持して、積層装置から結束装置に、積層部分と結束代とを移動するように構成されてもよい。このように構成された積層型電池の製造装置では、製造装置に更なる部品を追加したり複雑にしたりすることなく、積層部分と結束代とを積層装置から結束装置における結束の操作にスムーズに移行させることができる。
【0012】
上述の積層型電池の製造装置は、積層装置が、結束代の端辺が積層部分の側部に配置される長さになるようにセパレータ部材を切断するように構成されてもよい。このように構成された積層型電池の製造装置では、セパレータ部材の端辺を積層部分の側部に配置し易くなり、故障の少ない積層型電池を製造し易くなる。
【0013】
上述の積層型電池の製造装置は、積層装置が、第1積層装置及び第2積層装置を含み、
第1積層装置と第2積層装置が、タイミングをずらして、別々に積層部分と結束代を形成し、移動装置及び結束装置が、第1積層装置で形成した積層部分及び結束代と第2積層装置で形成した積層部分及び結束代を順次移動して結束するように構成されてもよい。このように構成された積層型電池の製造装置は、第1積層装置と第2積層装置の動作と並行して、結束装置が、第1積層装置が形成した積層部分と結束代及び第2積層装置が形成した積層部分と結束代の結束を行え、積層型電池を効率良く製造することができる。
【0014】
本発明の一見地に係る積層型電池は、交互に積層されている複数の正極板及び複数の負極板と、互いに隣接する正極板と負極板との間を縫うようにつづら折りされている分離部及び分離部から連続的に続いている結束代を有するテープ状のセパレータ部材と、を備える。セパレータ部材は、複数の正極板と複数の負極板とつづら折りされた分離部を含む積層部分を、積層部分の周囲を少なくとも一回りした結束代で結束されている。結束代は、つづら折りされた折り目を有する。
【0015】
上述の積層型電池は、結束代の端辺が積層部分の側部に配置されているように構成されてもよい。このように構成された積層型電池は、セパレータ部材の段差で積層体の側面がダメージを受けるのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の積層型電池の製造方法または製造装置によれば、積層型電池を製造するのに掛かる時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る積層型電池の一例を示す斜視図である。
図2】積層体の一例を示す斜視図である。
図3】積層体の一例を示す分解斜視図である。
図4図2の積層体の結束代を説明するための斜視図である。
図5】積層型電池の製造装置の一例を示すブロック図である。
図6】積層ステージにセパレータ部材をセットした状態を示す模式的な断面図である。
図7】セパレータ部材への正極板の載置を説明するための模式的な断面図である。
図8】セパレータ部材のつづら折りを説明するための模式的な断面図である。
図9】セパレータ部材への負極板の載置を説明するための模式的な断面図である。
図10】空つづら折りを説明するための模式的な断面図である。
図11】空つづら折りを説明するための模式的な断面図である。
図12】空つづら折りを説明するための模式的な断面図である。
図13】セパレータ部材の切断を説明するための模式的な断面図である。
図14】移動装置による積層部分と結束代の把持を説明するための模式的な断面図である。
図15】移動装置による積層部分と結束代の移動を説明するための模式的な断面図である。
図16】移動装置による積層部分と結束代の結束装置へのセットを説明するための模式的な断面図である。
図17】結束装置によるセパレータ部材の保持を説明するための模式的な断面図である。
図18】結束装置における空つづら折りを解く動作を示す模式的な断面図である。
図19】結束の開始状態を示す模式的な断面図である。
図20】積層部分にセパレータ部材を半周巻き付けた状態を示す模式的な断面図である。
図21】積層部分にセパレータ部材を1周巻き付けた状態を示す模式的な断面図である。
図22】結束が完了した積層体の一例を示す模式的な断面図である。
図23】積層装置が2台の場合の積層型電池の製造装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図24】積層装置が3台の場合の積層型電池の製造装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図25】変形例Cの切断ステップの状態を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(1)積層型電池の構成の概要
図1には、積層型電池の外観の一例が示されている。図1に示されている積層型電池1は、ケーシング2を備えている。ケーシング2の中には、図2に示されている積層体10が収容されている。積層型電池1は、例えば、リチウムイオン電池である。ケーシング2の中には、電解液(図示せず)も封入されている。ケーシング2は、積層体10及び電解液を収容する容器3と、電解液を封入するための蓋材4とを備えている。積層型電池1は、正極5と負極6とを備えている。
ケーシング2からは、正極タブ5aと負極タブ6aが突出している。正極タブ5aと負極タブ6aが積層型電池1の正極5と負極6になる。この積層型電池1では、積層体10が正極タブ5aと負極タブ6aを有している。しかし、他の形式の積層型電池の構成は、積層体10の正極タブ5aと負極タブ6aが積層型電池のタブに用いられない構成であってもよい。例えば、他の形式の積層型電池は、電池のタブが積層体10の正極タブ5aと負極タブ6aとは別の部材で構成され、電池のタブと積層体10の正極タブ5aと負極タブ6aとが、電池内部で電気的に接続される構造を持っていてもよい。
図3には、積層体10を分解したものが示されている。積層体10は、複数の正極板11と複数の負極板12とセパレータ部材13とを組み合わせて構成されている。正極板11は、積層型電池1の正極5を構成するための正極活性物質を含む板状の部材である。負極板12は、積層型電池1の負極6を構成するための負極活性物質を含む板状の部材である。セパレータ部材13は、イオンを透過するための孔を有する部材であり、例えば、合成樹脂による多孔膜(多孔質膜)または不織布である。合成樹脂には、例えば、ポリオレフィン系樹脂を用いることができる。セパレータ部材13は、つづら折りされている。つづら折りとは、ジグザグに折りたたむ折り方である。セパレータ部材13では、一つの折り目CRで折り返されて互いに対向する2つの長方形領域13a,13bが形成されている。また、次の折り目CRで折り返されて互いに対向する2つの長方形領域13b,13cが形成されている。セパレータ部材13の2つの長方形領域13a,13bの間に、1枚の負極板12が挟み込まれる。セパレータ部材13の2つの長方形領域13b,13cの間に、1枚の正極板11が挟み込まれる。その結果、一枚の正極板11と一枚の負極板12の間に、セパレータ部材13の長方形領域13bが挟み込まれる。さらに、次の折り目CRで折り返されて互いに対向する2つの長方形領域13c,13dの間に、1枚の負極板12が挟み込まれる。その結果、一枚の正極板11と一枚の負極板12の間に、セパレータ部材13の長方形領域13cが挟み込まれる。このように、セパレータ部材13は、つづら折りにより、ジグザグに折られることで、連続した一枚の帯状の部材で、交互に積層される正極板11と負極板12の間に挟み込まれる。言い換えると、積層体10では、セパレータ部材13、負極板12、セパレータ部材13、正極板11、セパレータ部材13、負極板12、・・・のように、(セパレータ部材13、正極板11、セパレータ部材13、負極板12)の並びが繰り返される。ただし、積層体10の最上層と最下層には負極板12が配置される。
【0019】
積層体10は、(セパレータ部材13、正極板11、セパレータ部材13、負極板12)の並びを繰り返す積層部分10Lの周囲に、連続する帯状のセパレータ部材13の結束代13zが巻き付けられることで結束されている。そのため、積層体10では、図2に示されているように、積層体10の外周では、巻付いたセパレータ部材13が露出される。積層体10は、正極タブ5aと負極タブ6aの部分を除くと、直方体の形状を呈する。この直方体状の積層部分10Lには、幅広の二つの側面10aと、幅狭の二つの側部10bがある。セパレータ部材13の結束代13zは、2つの側面10aと2つの側部10bを少なくとも1周する。そして、結束代13zの端辺13sは、側部10bに配置される。ケーシング2の容器3に積層体10が収容された場合には、幅広の側面10aに端辺13sが配置される場合に比べて、幅狭の側部10bに端辺13sが配置される方が、容器3に押されて端辺13sの段差で積層体10が受けるダメージを小さくすることができる。
セパレータ部材13のうちのつづら折りされて正極板11と負極板12の間に挟み込まれる部分が、分離部13pである(図3参照)。この分離部13pと複数の正極板11と複数の負極板12を含む部分が、積層部分10Lである。言い換えると、積層体10から結束代13zを除いた部分が積層部分10Lである(図4参照)。
図4に示されている結束代13zの主部13Mは、折り畳まれる部分(空つづら折りされる部分)である。主部13Mは、積層部分10Lの幅広の側面10aの2つ分以上の長さを持っている。結束代13zの端辺13sの近傍を掴みやすくするために、主部13Mの長さは、結束代13zの全長の3分の2以上であることが好ましい。
【0020】
(2)積層型電池の製造方法
(2-1)製造の概要
以下で説明する積層型電池1の製造方法は、積層ステップと、切断ステップと、移動ステップと、結束ステップとを備えている。積層型電池1は、例えば、図5に示されている積層型電池製造装置1000を使って製造される。積層型電池製造装置1000は、第1積層装置100と、第2積層装置200と、移動装置300と、結束装置400とを備えている。
積層ステップにおいて、第1積層装置100及び第2積層装置200は、それぞれ独立して、テープ状のセパレータ部材13をつづら折りしつつ正極板11と負極板12とを交互にセパレータ部材13に載置してセパレータ部材13を正極板11と負極板12との間に挟む。言い換えると、第1積層装置100及び第2積層装置200は、それぞれ独立して、テープ状のセパレータ部材13をジグザグに蛇行させ、交互に積層する正極板11と負極板12との間をセパレータ部材13が縫うように、セパレータ部材13を正極板11と負極板12の間に挟む。それにより、積層ステップで、第1積層装置100及び第2積層装置200は、それぞれ、複数の正極板11と複数の負極板12とつづら折りされた分離部13pを積層した積層部分10Lを形成する。
次に、切断ステップにおいて、第1積層装置100及び第2積層装置200は、それぞれ、結束代13zのうちの主部13M(図4参照)を空つづら折りし(折り畳み)、セパレータ部材13を切って結束代13zを形成する。
【0021】
次の移動ステップでは、主部13Mが空つづら折りされた状態で、積層部分10Lと結束代13zとを、移動装置300により第1積層装置100及び第2積層装置200から結束装置400に移動する。結束装置400には、第1積層装置100と第2積層装置200から交互に、移動装置300が、積層部分10Lと結束代13zを移動する。
次の結束ステップでは、結束装置400は、結束代13zの端辺13sの近傍を保持し、積層部分の周囲を少なくとも一回りさせて結束代13zにより積層部分10Lを結束する。
第1積層装置100及び第2積層装置200における積層ステップの少なくとも一部は、結束装置400における結束ステップと並行して行われる。言い換えると、第1積層装置100で積層部分10Lを作成中に、結束装置400で結束が行われる状況があり、また別の場面では、第2積層装置200で積層部分10Lを作成中に、結束装置400で結束が行われる状況がある。
【0022】
(2-2)積層ステップ
第1積層装置100と第2積層装置200での積層動作は同じであるため、ここでは、第1積層装置100の積層動作を説明し、第2積層装置200の積層動作の説明を省略する。ただし、第1積層装置100と第2積層装置200の積層動作を異ならせてもよい。例えば、第1積層装置100で積層する正極板11と負極板12の数と、第2積層装置200で積層する正極板11と負極板12の数とを異ならせてもよい。なお、図6以降にセパレータ部材13,正極板11及び負極板12の断面が示されているが、図示し易くするために、これらは厚みなどについてデフォルメして描かれており、それらの寸法については実際の物とは異なっている。
図6に示されているように、第1積層装置100は、2つの第1爪131で、セパレータ部材13の一方の端辺13sの近傍を、積層ステージ110に固定する。第1積層装置100は、ガイドローラ120により、積層ステージ110の上にセパレータ部材13を広げる。第1爪131は、セパレータ部材13の端辺13sに沿う方向に2つ並べて配置されている。
図7に示されているように、第1積層装置100は、第1爪131から離れた2つの第2爪132で、広げたセパレータ部材13を積層ステージ110に固定する。2つの第2爪132は、セパレータ部材13の折り目CRに沿って並べて配置されている。第1積層装置100は、第2爪132でセパレータ部材13を固定した後、第1フィーダアーム140で負極板12を吸着して、積層ステージ110に広げられたセパレータ部材13の上に負極板12を載置する。負極板12は、第1積層装置100の第1ストック部(図示せず)に多数貯えられている。
【0023】
負極板12が載置された後、図8に示されているように、第1積層装置100は、ガイドローラ120を、図7のガイドローラ120の配置位置から積層ステージ110の反対側に移動する。ガイドローラ120の移動により、セパレータ部材13が、第2爪132で折り返されて、載置された負極板12の上に広げられる。負極板12の上に広がったセパレータ部材13は、第1爪131で固定される。第1積層装置100は、負極板12を固定していた2つの第1爪131を、端辺13sに沿う方向に引き抜いて、セパレータ部材13の上から負極板12を押さえる状態に切り換える。
第1積層装置100は、図9に示されているように、第2フィーダアーム150で正極板11を吸着して、第1爪131で固定されたセパレータ部材13の上に正極板11を載置する。正極板11は、第2積層装置200の第2ストック部(図示せず)に多数貯えられている。
図7乃至図9で説明した動作を繰り返し、第1積層装置100は、セパレータ部材13、負極板12、セパレータ部材13、正極板11の順に、積層ステージ110の上に、セパレータ部材13と負極板12と正極板11を積んでいく。
ここでは、積層体10に正極板11が3枚と負極板12が4枚、合計7枚の板が含まれている場合について説明している。従って、図10に示されている正極板11が3枚と負極板12が4枚積み上がった状態は、既に、正極板11と負極板12の積層が完了した後の状態である。図6に示されている積層ステージ110にセパレータ部材13を固定する動作から、図10に示されている正極板11と負極板12の積層が完了するまでが、積層ステップである。
【0024】
(2-3)切断ステップ
図10に示されている状態は、正極板11をセパレータ部材13の上に載せずに、セパレータ部材13が第2爪132によって折り返されている。この状態では、折り返されたセパレータ部材13同士が接触する。図11には、第1積層装置100が、図10の状態からセパレータ部材13の上にセパレータ部材13を重ねるように、さらにセパレータ部材13を第2爪132で固定して折り返した状態が示されている。図12には、第1積層装置100が、図11の状態からセパレータ部材13の上にセパレータ部材13を重ねるように、さらにセパレータ部材13を第1爪131で固定して折り返した状態が示されている。図10から図12に示されているつづら折りは、ここでは、正極板11と負極板12を挟まずに行われるつづら折りであって、「空つづら折り」と呼ぶ。この空つづら折りが、セパレータ部材13の分離部13pから連続的に続いている結束代13zのうちの主部13Mを折り畳む処置である。この「空つづら折り」を行うステップが、空つづら折りステップである。
図13には、「空つづら折り」が終わって、つづら折りされた結束代13zが第1爪131と第2爪132で積層部分10Lに固定されている状態が示されている。第1積層装置100は、カッター160によりセパレータ部材13を切断する。切断されるときに結束代13zの長さは、積層部分10Lを1周して側部10bに端辺13sが配置される長さである。積層部分10Lの側面10aの幅w1、側部10bの幅w2とすると、結束代13zの長さLbは、(2×w1+2×w2)<Lb<(2×w1+3×w2)に設定されている。例えば、Lb=2×w1+2.5×w2の条件を満たすように結束代13zの長さLbが設定される。
図10から図12に示されている空つづら折りと図13に示されているカッター160によるカットを合わせたステップが切断ステップである。
【0025】
(2-4)移動ステップ
図14には、移動装置300は、結束代13zの主部13Mが空つづら折りされた状態を、移動ハンドラ部310で積層部分10Lと主部13Mを掴むことにより維持していることが示されている。例えば、移動ハンドラ部310は、下から積層部分10Lを支える複数本の棒状の下側フォーク311と、上から主部13Mを押さえる複数本の棒状の上側フォーク312とを有する。そのため、積層ステージ110には、下側フォーク311が入る溝111が設けられている。
移動装置300は、図5に示されているように、移動ハンドラ部310を指示する支持部320と、移動ハンドラ部310と支持部320をスライドさせるスライド部330とを有している。移動装置300は、例えば、移動ハンドラ部310で積層部分10Lと結束代13zを掴み(図15参照)、移動ハンドラ部310を支持部320で持ち上げて、スライド部330で移動ハンドラ部310と支持部320を第1積層装置100の位置から結束装置400の位置までスライドさせる。スライド部330は、例えば、レール340の上を移動する。移動装置300は、例えば、支持部320により、移動ハンドラ部310と積層部分10Lと結束代13zを、結束装置400の支持台410の上に置く。結束装置400が2つの第1爪431及び2つの第2爪432により積層部分10Lと結束代13zの主部13Mを支持台410に固定すると(図16参照)、移動装置300は、積層部分10Lと主部13Mから移動ハンドラ部310を外す。
【0026】
(2-5)結束ステップ
図17に示されているように、2つの第1爪431及び2つの第2爪432により積層部分10Lと結束代13zの主部13Mを支持台410の上に固定した状態で、吸着部421で結束代13zの端辺13sの近傍を固定し、クランプ422により端辺13s近傍を保持する。
なお、第1爪431及び第2爪432で押さえなくても積層部分10Lの形状が崩れない場合には、第1爪431及び第2爪432で押さえるのを省いてもよい。
図18に示されているように、クランプ422を積層部分10Lから遠ざけることで、空つづら折りした結束代13zを解く。空つづら折りした結束代13zを解くときに、例えば、第1爪431と第2爪432の押さえを交互に外しながら解く。第1爪431と第2爪432で押さえなくても、積層部分10Lの形状が崩れない場合には、第1爪431と第2爪432で押さえる操作を省いてもよい。
図19に示されているように、積層部分10Lを回転させても積層部分10Lの構造が崩れないように、第1爪431、第2爪432、第3爪433及び第4爪434で、直方体状の積層部分10Lの4辺近傍を固定する。そして、クランプ422でセパレータ部材13の端辺13sの近傍を引っ張ってテンションを結束代13zに掛ける。図19に示されているセパレータ部材13の端辺13sから積層部分10Lまでの長さL1は、側部10bにセパレータ部材13が巻付いているので、側面10aの幅w1の2倍と、側部10bの幅w2の2倍と、側部10bの途中までの長さαの合計(2×w1+2×w2+α)になる。例えば、側面10aの幅w1が120mm、側部10bの幅w2が30mm、αが15mmの場合、長さL1は325mmになる。
図20には、図19の状態から積層部分10Lを時計回りに180度回転して、1つの側面10aと1つの側部10bに巻付いた状態が示されている。図20の状態の残りの長さL2は、上述の例では、175mmになる。
図21には、図20の状態から積層部分10Lを時計回りに180度回転して、2つの側面10aと2つの側部10bに巻付いた状態が示されている。図21の状態の残りの長さL3は、上述の例では、25mmになる。
図22に示されているように、残りのセパレータ部材13を積層部分10Lの側部10bに、例えば粘着テープで貼り付けることで、積層体10が完成する。粘着テープ以外に、セパレータ部材13の端部の固定については、例えば、熱による溶着、または接着剤による接着がある。
【0027】
本明細書では、第1積層装置100で形成する積層部分10Lと結束代13zを第1積層部分と第1結束代と呼び、第2積層装置200で形成する積層部分10Lと結束代13zを第2積層部分と第2結束代と呼ぶものとする。
積層型電池製造装置1000は、第1積層装置100が第1積層部分と第1結束代を形成するタイミングと、第2積層装置200が第2積層部分と第2結束代を形成するタイミングとをずらすように構成されている。図23は、第1積層装置100と第2積層装置200の2台の積層装置を用いる場合の一例を示すタイミングチャートである。例えば、第1積層装置100と第2積層装置200で、それぞれ積層部分10Lと結束代13zを形成するのに2分を要し、結束装置400で、積層体10の結束に30秒を要するとする。その場合、第1積層装置100が第1積層部分と第1結束代の形成を開始した1分後に、第2積層装置200が第2積層部分と第2結束代の形成を開始する。そうすると、結束装置400は、第1積層装置100が第1積層部分と第1結束代の形成を完了した後に結束を開始して、第2積層装置200が第2積層部分と第2結束代の形成を終了する前に、第1積層部分と第1結束代による積層体10の形成を完了することができる。同様に、結束装置400は、第2積層装置200が第2積層部分と第2結束代の形成を完了した後に結束を開始して、第1積層装置100が第1積層部分と第1結束代の形成を終了する前に、第2積層部分と第2結束代による積層体10の形成を完了することができる。
このように構成された積層型電池製造装置1000は、2台の積層装置100,200に対して、1台の結束装置400を設ければよい。また、積層型電池製造装置は、2分で、1つの積層体10を製造でき、結束に必要な時間を省いて積層体10の一つ当たりの製造時間を短縮することができる。
【0028】
(3)特徴
(3-1)
上述の積層型電池1の製造方法及び積層型電池製造装置1000では、移動ステップにおいて、移動装置300が、積層部分の幅広の側面2つ分以上の長さを持つ主部13Mを、空つづら折りされた状態で移動させる。その結果、結束装置400は、積層部分10Lと結束代13zを受け取って、結束ステップにスムーズに移行できる。また、第1積層装置100及び第2積層装置200における積層ステップの少なくとも一部が、結束装置400において、結束ステップと並行して行われることで、製造時間を短縮することができる。
(3-2)
切断ステップの空つづら折りステップでは、第1積層装置100及び第2積層装置200が、セパレータ部材13の主部13Mをつづら折りする。そして、移動ステップでは、移動装置300が、空つづら折りされた状態の結束代のうちの主部13Mと積層部分10Lを把持して、積層部分10Lと結束代13zとを移動する。その結果、積層型電池製造装置1000に更なる部品を追加したり複雑にしたりすることなく、第1積層装置100及び第2積層装置200における積層ステップから結束装置400における結束ステップにスムーズに移行させることができる。
(3-3)
第1積層装置100及び第2積層装置200の切断ステップでは、結束代13zの端辺13sが積層部分10Lの側部10bに配置される長さになるようにセパレータ部材13を切断するように構成されている。その結果、セパレータ部材13の端辺13sを積層部分10Lの側部10bに配置し易くなり、故障の少ない積層型電池1を製造し易くなる。
(3-4)
第1積層装置100が第1積層部分と第1結束代を形成するタイミングと、第2積層装置200が第2積層部分と第2結束代を形成するタイミングとをずらして、第1積層部分と第1結束代の形成と並行して及び第2積層部分と第2結束代を形成する。それにより、結束装置400は、第1積層部分と第1結束代及び第2積層部分と第2結束代を順次結束することができる。この場合、第1積層装置100と第2積層装置200がそれぞれ第1積層部分と第1結束代及び第2積層部分と第2結束代を形成している時間に結束装置400が結束でき、積層体10の製造において結束に必要な時間を省くことができ、積層型電池を効率良く製造することができる。
【0029】
(4)変形例
(4-1)変形例A
上述の積層型電池1の製造方法及び積層型電池製造装置1000において、積層装置として第1積層装置100と第2積層装置200の2台が設けられている場合について説明した。しかし、積層型電池製造装置1000に含まれる積層装置の台数は、上記実施形態の例に限られるものではない。積層型電池製造装置1000に含まれる積層装置は、1台であってもよく、3台以上であってもよい。図24は、第1積層装置と第2積層装置と第3積層装置の3台の積層装置を用いる場合の一例を示すタイミングチャートである。図24に示されているように、1台の移動装置が、第1積層装置、第2積層装置及び第3積層装置から結束装置に順次移動するように構成されている。第1積層装置、第2積層装置及び第3積層装置は、積層部分と結束代とを移動する移動するために次の積層ステップの開始を待つことはない。また、1台の結束装置が、第1積層装置、第2積層装置及び第3積層装置で作成した積層部分を順次結束するように構成されている。第1積層装置、第2積層装置及び第3積層装置並びに移動装置は、結束のために、積層ステップの開始及び移動を待つことはない。
(4-2)変形例B
上述の積層型電池1の製造方法及び積層型電池製造装置1000において、結束装置400が、第1積層装置100と第2積層装置200の2台に対して1台設けられる場合について説明した。しかし、結束装置400と積層装置の台数の比率は、上記実施形態の例に限られるものではない。例えば、結束装置の台数と積層装置の台数の比率が、1対1でもよく、1対3、1対4などであってもよい。
(4-3)変形例C
上述の積層型電池1の製造方法及び積層型電池製造装置1000においては、主部13Mと積層部分10Lとの位置関係を維持させる処置として、空つづら折りステップを設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、主部13Mと積層部分10Lとの位置関係を維持させる処置は、上記実施形態の例に限られるものではない。例えば、切断ステップにおいて、セパレータ部材の分離部から連続的に続いている結束代のうちの主部を巻きつけ、セパレータ部材を切って結束代を形成してもよい。例えば、図25に示されているように、結束代13zを棒状部材170に巻き付けて棒状部材170と積層部分10Lとの位置関係を特定し易いように構成してもよい。そして、主部13Mを巻きつけた状態で、積層部分10Lと結束代13zとを移動するように構成してもよい。
(4-4)変形例D
上述の積層型電池1の製造方法及び積層型電池製造装置1000においては、セパレータ部材13の結束代13zが、2つの側面10aと2つの側部10b(積層部分10L)を1周する場合について説明した。しかし、セパレータ部材13の結束代13zは、2つの側面10aと2つの側部10b(積層部分10L)に1周以上巻きつけられれば良い。1周以上とする場合には、結束代13Zの端辺13sが側部10bに配置されるように巻きつけられる例えば1.5周、2周のような周回数が好ましい。
(4-5)変形例E
上述の積層型電池1の製造方法の移動ステップでは、移動ハンドラ部310を有する移動装置300で、積層部分10Lと結束代13zを掴んで移動する場合について説明した。しかし、移動ステップに用いられる装置は移動装置300には限られない。例えば、移動装置300の代わりにロボットアームを用いることができる。移動ステップは、ロボットアームによる挿入動作のような形態でもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 積層型電池
10 積層体
10L 積層部分
11 正極板
12 負極板
13 セパレータ部材
13M 主部
13s 端辺
100 第1積層装置
200 第2積層装置
300 移動装置
400 結束装置
1000 積層型電池製造装置
図1
図2
図3
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