(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】情報同期システム、情報同期プログラム及び情報同期方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20231018BHJP
G06Q 30/0251 20230101ALI20231018BHJP
G06Q 30/0272 20230101ALI20231018BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20231018BHJP
【FI】
G06Q30/0241 446
G06Q30/0251
G06Q30/0272
G06F3/0484
(21)【出願番号】P 2022153818
(22)【出願日】2022-09-27
【審査請求日】2022-10-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515022320
【氏名又は名称】高尾 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高尾 雅史
(72)【発明者】
【氏名】岡田 恋平
(72)【発明者】
【氏名】タン カレイ
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-067700(JP,A)
【文献】特開2019-159461(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0059783(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0029534(KR,A)
【文献】国際公開第2018/116377(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間と、現実空間における情報の同期を可能にする情報同期システムであって、
前記情報同期システムは、生成手段、記憶部、
解析手段、登録手段、及び表示手段を備え、
前記生成手段は、現実空間において、現実空間における座標を示す現実座標情報を取得し、
前記記憶部は、仮想空間における座標を示す仮想座標情報を、前記現実座標情報、及び現実空間における住所を示す住所情報を対応付けた位置識別情報と紐づけて格納し、
前記解析手段は、収集対象であるウェブサイトより、現実空間における場所に紐づけられた広告コンテンツに関する広告コンテンツ情報、及び前記位置識別情報を取得し、
前記登録手段は、該広告コンテンツ情報を該位置識別情報と紐づけて、前記記憶部に登録し、
前記表示手段は、前記現実座標情報又は前記仮想座標情報を取得し、該現実座標情報又は該仮想座標情報と、前記広告コンテンツ情報に紐づく前記位置識別情報と、に基づいて前記広告コンテンツを表示処理し、ユーザが利用するユーザ端末に前記広告コンテンツを含む仮想空間を表示させる、情報同期システム。
【請求項2】
前記表示手段は、
ユーザの前記
仮想座標情報又は前記現実座標情報に対応する位置識別情報の示す位置と、前記広告コンテンツ情報に紐づく前記位置識別情報の示す位置と、に基づいて前記広告コンテンツを表示処理する、請求項1に記載の情報同期システム。
【請求項3】
前記解析手段は、前記広告コンテンツ情報、及び前記広告コンテンツを表示する期間を示す広告公開期間情報を取得し、
前記登録手段は、前記広告公開期間情報と紐づけて前記広告コンテンツ情報を記憶部に前記登録し、
前記表示手段は、前記広告公開期間
情報に基づいて、前記広告コンテンツを表示処理する、請求項
1に記載の情報同期システム。
【請求項4】
前記解析手段は、前記ウェブサイトを解析処理することにより、前記広告コンテンツ情報に含まれる情報の種別の度合いを示す種別スコア、及び/又は前記広告コンテンツ情報に含まれる情報の分野の度合いを示す分野スコアを取得し、
前記登録手段は、種別スコア及び/又は分野スコアを前記広告コンテンツ情報毎に紐づけて前記記憶部に登録する、請求項
1に記載の情報同期システム。
【請求項5】
前記表示手段は、前記仮想座標情報及び、前記仮想座標情報から該仮想座標情報に紐づく前記住所情報を取得する関数を用いて、前記仮想座標情報に対応する前記住所情報を取得し、該住所情報に対応する位置識別情報が紐づいた前記広告コンテンツ情報を表示処理する、請求項1又は請求項2に記載の情報同期システム。
【請求項6】
前記記憶部は、複数の前記仮想空間を表示する為の仮想空間データを仮想空間毎に格納し、更に前記仮想空間毎に前記関数を格納し、
前記表示手段は、仮想空間に対応する前記関数を用いて、該仮想空間に紐づく前記仮想座標情報に対応する前記住所情報を取得する、請求項
5に記載の情報同期システム。
【請求項7】
仮想空間と、現実空間における情報の同期を可能にする情報同期プログラムであって、
前記情報同期プログラムは、コンピュータを、生成手段、記憶部、
解析手段、登録手段、及び表示手段として機能させ、
前記生成手段は、現実空間において、現実空間における座標を示す現実座標情報
を取得し、
前記記憶部は、仮想空間における位置を一意に特定する仮想座標情報を、前記現実座標情報、及び現実空間における住所を示す住所情報を対応付けた位置識別情報と紐づけて格納し、
前記解析手段は、収集対象であるウェブサイトより、現実空間における場所に紐づけられた広告コンテンツに関する広告コンテンツ情報、及び前記位置識別情報を取得し、
前記登録手段は、該広告コンテンツ情報を該位置識別情報と紐づけて、前記記憶部に登録し、
前記表示手段は、前記現実座標情報又は前記仮想座標情報を取得し、該現実座標情報又は該仮想座標情報と、前記広告コンテンツ情報に紐づく前記位置識別情報と、に基づいて前記広告コンテンツを表示処理し、ユーザが利用するユーザ端末に前記広告コンテンツを含む仮想空間を表示させる、情報同期プログラム。
【請求項8】
仮想空間と、現実空間における情報の同期を可能にするコンピュータを用いた情報同期方法であって、
前記コンピュータが、
現実空間において、現実空間における座標を示す現実座標情報を取得し、
仮想空間における座標を示す仮想座標情報を、前記現実座標情報、及び現実空間における住所を示す住所情報を対応付けた位置識別情報と紐づけて格納し、
収集対象であるウェブサイトより、現実空間における場所に紐づけられた広告コンテンツに関する広告コンテンツ情報、及び前記位置識別情報を取得し、
該広告コンテンツ情報を該位置識別情報と紐づけて登録し、
前記現実座標情報又は前記仮想座標情報を取得し、該仮想座標情報又は該仮想座標情報と、前記広告コンテンツ情報に紐づく前記位置識別情報と、に基づいて前記広告コンテンツを表示処理し、ユーザが利用するユーザ端末に前記広告コンテンツを含む仮想空間を表示させる、情報同期方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報同期システム、情報同期プログラム及び情報同期方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンピュータやコンピュータネットワークの中に構築された仮想空間において、ユーザ間の交流が行われている。そして、仮想空間内における活動において、ユーザ間で情報共有を可能にするサービスを提供する技術の一例が、例えば特許文献1において提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1として、仮想空間において定められた複数の区画のうち、現実の位置情報に対応する仮想空間上の区画と、ユーザのアバターを紐づけて表示し、ユーザのライフログ情報に基づいて、仮想空間に何らかの変化を生じさせる技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術は、仮想空間において定められた複数の区間と、現実世界の空間(現実空間)における位置情報が対応付いている為に、少なくとも仮想空間と現実空間の関係性が乖離してしまうという問題があった。そして、そのような問題から現実味が薄れ、仮想空間における活動が味気ないものになってしまっていた。
【0006】
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであり、現実空間と仮想空間における情報を同期できる新規な技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、
仮想空間と、現実空間における情報の同期を可能にする情報同期システムであって、
前記情報同期システムは、生成手段、記憶部、及び表示手段を備え、
前記生成手段は、現実空間において、現実空間における座標を示す現実座標情報を取得し、
前記記憶部は、仮想空間における座標を示す仮想座標情報を、前記現実座標情報、及び現実空間における住所を示す住所情報を対応付けた位置識別情報と紐づけて格納し、
更に現実空間における場所に紐づけられた広告コンテンツに関する情報であって、前記位置識別情報に紐づく広告コンテンツ情報を格納し、
前記表示手段は、前記現実座標情報又は前記仮想座標情報を取得し、該現実座標情報又は仮想座標情報と、前記広告コンテンツ情報に紐づく前記位置識別情報と、に基づいて前記広告コンテンツを表示処理し、ユーザが利用するユーザ端末に前記広告コンテンツを含む仮想空間を表示させる。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、仮想空間と、現実空間における情報の同期を可能にする情報同期プログラムであって、
前記情報同期プログラムは、コンピュータを、生成手段、記憶部、及び表示手段として機能させ、
前記生成手段は、現実空間において、現実空間における座標を示す現実座標情報を取得し、
前記記憶部は、仮想空間における座標を示す仮想座標情報を、前記現実座標情報、及び現実空間における住所を示す住所情報を対応付けた位置識別情報と紐づけて格納し、
更に現実空間における場所に紐づけられた広告コンテンツに関する情報であって、前記位置識別情報に紐づく広告コンテンツ情報を格納し、
前記表示手段は、前記現実座標情報又は前記仮想座標情報を取得し、該現実座標情報又は仮想座標情報と、前記広告コンテンツ情報に紐づく前記位置識別情報と、に基づいて前記広告コンテンツを表示処理し、ユーザが利用するユーザ端末に前記広告コンテンツを含む仮想空間を表示させる。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、仮想空間と、現実空間における情報の同期を可能にするコンピュータを用いた情報同期方法であって、
前記コンピュータが、
現実空間において、現実空間における座標を示す現実座標情報を取得し、
仮想空間における座標を示す仮想座標情報を、前記現実座標情報、及び現実空間における住所を示す住所情報を対応付けた位置識別情報と紐づけて格納
し、
更に現実空間における場所に紐づけられた広告コンテンツに関する情報であって、前記位置識別情報に紐づく広告コンテンツ情報を格納し、
前記表示手段は、前記現実座標情報又は前記仮想座標情報を取得し、該現実座標情報又は仮想座標情報と、前記広告コンテンツ情報に紐づく前記位置識別情報と、に基づいて前記広告コンテンツを表示処理し、ユーザが利用するユーザ端末に前記広告コンテンツを含む仮想空間を表示させる。
このような構成とすることで、現実空間の位置に関する情報と、仮想空間の位置に関する情報を対応付けることができ、広告コンテンツに紐づく現実空間の位置に対応する仮想空間の位置に、広告コンテンツに関する情報を表示させることができる。これにより、仮想空間においても、現実世界に関係する広告を表示させることができる。
【0010】
より好ましい形態では、前記算出手段は、前記位置識別情報の示す位置と、前記広告コンテンツ情報に紐づく前記位置識別情報の示す位置と、に基づいて前記広告コンテンツを表示処理する。
このような構成とすることで、仮想空間における位置又は現実空間における位置と、広告コンテンツに紐づく位置と、に応じて広告コンテンツを表示することができる。これにより、表示される広告コンテンツの数が増えすぎないようにできる。
【0011】
より好ましい形態では、前記情報同期システムは、解析手段、及び登録手段を更に備え、
前記解析手段は、収集対象であるウェブサイトより、前記広告コンテンツ情報、及び前記位置識別情報を取得し、
前記登録手段は、該広告コンテンツ情報を該位置識別情報と紐づけて、前記記憶部に登録する。
このような構成とすることで、ウェブサイトに公開されている広告コンテンツを収集し、収集された情報を仮想空間に表示させることができる。
【0012】
より好ましい形態では、前記解析手段は、前記広告コンテンツ情報、及び前記広告コンテンツを表示する期間を示す広告公開期間情報を取得し、
前記登録手段は、前記広告公開期間情報と紐づけて前記広告コンテンツ情報を前記記憶部に登録し、
前記表示手段は、前記広告公開期間に基づいて、前記広告コンテンツを表示処理する。
このような構成とすることで、公開時期に応じて広告コンテンツを表示させることができる。これにより、リアルタイムな広告コンテンツを仮想空間に表示させることができる。
【0013】
より好ましい形態では、前記解析手段は、前記広告コンテンツ情報に対して解析処理することにより、前記広告コンテンツ情報に含まれる情報の種別の度合いを示す種別スコア、及び/又は前記広告コンテンツ情報に含まれる情報の分野の度合いを示す分野スコアを取得し、
前記登録手段は、種別スコア及び/又は分野スコアを前記広告コンテンツ情報毎に紐づけて前記記憶部に登録する。
このような構成とすることで、広告コンテンツ情報毎に、どの程度の種別や分野に関する情報が含まれているのかを把握することができる。
【0014】
より好ましい形態では、前記表示手段は、前記仮想座標情報から該仮想座標情報に紐づく前記住所情報を取得する関数を用いて、前記仮想座標情報に対応する前記住所情報を取得し、該住所情報に対応する位置識別情報が紐づいた前記広告コンテンツ情報を表示処理する。
このような構成とすることで、仮想空間の位置から現実空間の位置を特定することができる。
【0015】
より好ましい形態では、前記記憶部は、複数の前記仮想空間を表示する為の仮想空間データを仮想空間毎に格納し、更に前記仮想空間毎に前記関数を格納し、
前記表示手段は、仮想空間に対応する前記関数を用いて、該仮想空間に紐づく前記仮想座標情報に対応する前記住所情報を取得する。
このような構成とすることで、仮想空間毎に、仮想空間の位置から現実空間の位置を特定することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、現実空間と仮想空間における情報を同期できる新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る発明のシステム構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るハードウェア構成図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る位置情報の同期に係る処理フローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態に係る処理フローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態に係る情報処理に係る処理フローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態に係るウェブサイトの分類結果データの一例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る分類処理及び表示処理に係る処理フローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態に係る広告コンテンツ情報の分類結果データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に関する情報同期システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0019】
例えば、本実施形態では情報同期システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができ、これにより情報同期装置、情報同期システムを構成することができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0020】
本発明は、現実空間の位置に関する情報を、現実空間と同じ環境を再現した仮想空間に同期することで、現実空間及び仮想空間の位置情報に基づいて、仮想空間上において、現実空間の広告コンテンツに関する情報を表示するシステムに関する。本発明における、仮想空間とは、コンピュータやネットワーク上に構築された3次元の仮想的な空間である。本実施形態において仮想空間は、拡張現実(AR;Augumented Reality)、及び仮想現実(VR;Virtual Reality)であるが、複合現実(MR;Mixed Reality)であってもよい。また本発明において同じ環境を再現した仮想空間とは、現実世界の物体や環境から収集したデータを使い、現実世界と同じ街並みや景観等を再現した仮想空間を指す(いわゆるデジタルツイン)。
【0021】
本発明において、現実空間の位置に関する情報は、現実空間の座標を示す現実座標情報、現実空間の住所を示す住所情報を用いる。なお、本実施形態において現実座標情報は、緯度経度座標系(球形座標系)であるが、XY座標系(平面直角座標系、UTM座標系等)であってもよい。また本発明において、仮想空間の位置に関する情報は、仮想空間内の座標を示す仮想座標情報を用いる。なお、本実施形態において仮想座標情報は、仮想空間のワールド座標系の座標であるが、ローカル座標系であってもよい。ここで、ワールド座標系とは、コンピュータ上の仮想空間全体を定義する為の座標系のことである。またローカル座標系とは、仮想空間上のオブジェクトが持つ座標系のことであり、本実施形態においては、ユーザがVR空間上で操作するユーザのアバター毎の座標系である。
【0022】
また、本実施形態において現実空間の広告コンテンツは、ウェブサイトに公開されている情報であり、例えば、個々の催しの広告、イベント等に関する情報等である。本発明に係るシステムは、解析対象のウェブサイトからこれら広告コンテンツに関する広告コンテンツ情報を収集し、分類及び解析を行う。そして解析結果を含む仮想空間を表示する。以下、詳細な機能について説明する。
【0023】
本実施形態においては、現実空間の位置に関する情報と同期したひとつの仮想空間において広告コンテンツに関する情報を表示するが、より好ましい形態では、複数の仮想空間毎に別々の現実空間の位置に関する情報が同期され、それぞれの仮想空間において対応する広告コンテンツに関する情報を表示することができる。即ち、ユーザは、複数の仮想空間をまたいで広告コンテンツを閲覧することができる。
【0024】
<システム構成>
図1は、一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、情報同期システム0は、情報同期装置1、端末装置2、ウェブサーバ3、及びユーザ端末4を備える。
【0025】
本実施形態において、情報同期装置1、端末装置2、ウェブサーバ3、及びユーザ端末4は、通信ネットワークNWを介して通信可能に構成されている。通信ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0026】
情報同期装置1は、端末装置2と通信ネットワークNWを介して連携し、端末装置2を介して、情報収集の為の設定の登録や、データ入力、収集した情報の閲覧等が可能に構成される。そして、収集した情報を解析し、解析結果をユーザ端末4に送信する。なお、本実施形態では、情報同期装置1は、ひとつのコンピュータを用いて構成されるが、複数のコンピュータを用いて構成することも可能である。
【0027】
また、情報同期装置1は、ウェブサーバ3と通信ネットワークNWを介して連携する。ウェブサーバ3は、1又は複数のウェブページからなるウェブサイトについて、例えば、html(HyperText Markup Language)やpdf(Portable Document Format)等の電子文章を格納しており、情報同期装置1は、ウェブサーバ3に対して所定のウェブページに係るリソースの送信リクエストを行い、リクエストしたウェブページに関する電子文章を、解析対象として受け取る。
【0028】
本実施形態において端末装置2は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等の一般的なコンピュータを利用することができる。
【0029】
本実施形態においてユーザ端末4は、本発明に係るアプリを起動することによって、仮想空間上において、情報同期装置1によって解析された情報を表示する。ユーザ端末4としては、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等の一般的なコンピュータを利用することができる。
【0030】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態におけるハードウェア構成である。
図2(a)は、サーバ100(情報同期装置1、ウェブサーバ3)のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ100は、ハードウェア構成として、処理部101と、記憶部102と、通信部103と、を備える。
【0031】
処理部101は、CPU(Cental Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含み、本発明に係る情報同期プログラム、OSやブラウザソフト、その他のアプリケーションを実行することで、サーバ100の動作処理全体を制御する。
【0032】
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等であって、本発明に係る情報同期プログラムを処理部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。処理部101が、記憶部102に記憶されている情報同期プログラム等に基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0033】
通信部103は、通信ネットワークNWとの通信制御を実行して、サーバ100を動作させる為に必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0034】
図2(b)は、端末9(端末装置2の端末、ユーザ端末4)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末9も同様に、ハードウェア構成として、処理部91と、記憶部92と、通信部93と、入力部94と、出力部95と、を備える。
【0035】
端末9の処理部91は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末9の動作処理全体を制御する。端末9の記憶部92は、HDD、ROM、RAM等であって、情報同期装置1を操作する為のアプリケーション等を記憶する。端末9の通信部93は、通信ネットワークNWとの通信を制御する。端末9の入力部94は、タッチパネル、カメラ、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を処理部91に入力する。端末9の出力部95は、ディスプレイ等であって、処理部91の処理の結果等を表示する。なお、以下不明にならない範囲で、これら端末9のハードウェア構成は省略する。
【0036】
<システム機能構成>
図3は、本実施形態の情報同期装置1の機能構成を示す図である。本実施形態の情報同期装置1は、有線又は通信ネットワーク等の無線を介して通信可能に、装置内部又は外部においてデータベース10を備える。また情報同期装置1は、生成手段11、設定手段12、収集手段13、収集対象判断手段14、解析手段15、分類手段16、登録手段17、表示手段18、及び算出手段19を更に備える。また、データベース20は、位置情報DB201、ウェブサイトDB202、解析結果DB203、分類結果DB204、及び学習用DB205を備える。また、表示手段18は、AR表示手段181及びVR表示手段182を備える。なお、情報同期装置1を構成する1つのコンピュータがAR表示手段181及びVR表示手段182を備えていてもよく、情報同期装置1を構成する別々のコンピュータに備えられていてもよい。
【0037】
以下、
図4~10を用いて、現実空間の位置に関する情報を、現実空間と同じ環境を再現した仮想空間に同期し、現実空間及び仮想空間の位置情報に基づいて、仮想空間上において、現実空間の広告コンテンツに関する情報を表示する処理について説明する。
【0038】
<位置情報の同期>
まず、本実施形態における情報同期装置1は、現実空間の位置に関する情報と、仮想空間の位置に関する情報と、の紐づけを行うことで、それぞれの情報の同期を行う。
【0039】
図4は、現実空間及び仮想空間の位置情報の同期に係る処理フローチャートである。まず、ステップS1(以下、「ステップSXX」を単に「SXX」と省略する)において、生成手段11は、現実空間における座標を示す現実座標情報、及び現実空間における住所を示す住所情報を取得する。本実施形態において生成手段11は、現実空間の座標として緯度経度を取得し、住所情報として該緯度経度に対応する住所を取得する。具体的には、生成手段11は、緯度経度及び住所情報(テキストデータ)を仮想空間毎に紐づけて格納するデータベース(不図示)にアクセスすることで、緯度経度及び住所情報を取得する。
【0040】
次いでS2において生成手段11は、現実座標情報に基づいて、現実空間の領域を特定する現実領域識別情報を生成する。本実施形態において生成手段11は、取得した現実座標情報の示す緯度経度を入力としてエンコードすることによって、現実領域識別情報としてハッシュ値を生成する。なお、本実施形態におけるハッシュ値は、ジオハッシュ関数によって生成されるハッシュ値であって、ハッシュ値と入力情報は可換である。即ち、ハッシュ値を入力として、デコードすることによって、現実座標情報及び住所情報を出力として得ることもできる。
【0041】
そしてS3において生成手段11は、仮想空間における座標を示す仮想座標情報を、現実座標情報及び住所情報を対応付けた位置識別情報と紐づけて位置情報DB201に格納する。本実施形態において生成手段11は、仮想空間のワールド座標を示す仮想座標情報と、住所情報、及びS2において生成した現実領域識別情報を対応付けた位置識別情報と、を位置情報DB201に格納する。
【0042】
具体的には、生成手段11は、仮想空間における少なくとも3つの座標によって指定される領域と、現実領域識別情報と、住所情報と、を紐づけて格納する。例えば、仮想空間における座標(0,0)、(0,1)、(1,1)、(1,0)によって指定される領域と、現実領域識別情報として「xn76urx」、住所情報として「東京駅千代田区丸の内1丁目」が紐づいて格納される。即ち、仮想空間上の座標と、現実空間上の領域及び住所と、が一対一に対応づけられ、現実空間の位置情報と対応する位置情報を有し、領域(メッシュ)毎に区切られた仮想空間が構築される。なお、本実施形態においては、仮想空間の座標によって指定される領域と、現実領域識別情報と、住所情報を紐づけることによって、現実空間の位置に関する情報を仮想空間に同期する。一方、仮想空間の座標からジオハッシュを算出し、当該ジオハッシュと、現実領域識別情報と、住所情報と、を紐づけることによって同期を行ってもよい。
【0043】
なお、本実施形態においては、仮想座標情報のワールド座標が予め設定されており、生成手段11は、該仮想座標情報と対応付けて位置識別情報を位置情報DB201に格納することによって、位置に関する情報の同期を行う。一方、生成手段11は、現実座標情報の示す座標を仮想空間のワールド座標に変換する関数を用いて、現実座標情報から仮想座標情報を生成することで、位置に関する情報の同期を行ってもよい。また、現実座標情報の示す座標(緯度経度)と同じ座標を持つ仮想座標情報を用いることによって、位置に関する情報の同期を行ってもよい。
【0044】
またなお、生成手段11は、仮想座標情報に対応する座標に変換した現実座標情報と、仮想座標情報と、住所情報と、を紐づけて格納することによって、仮想空間と現実空間の座標情報と住所情報を対応付けてもよい。また更に、生成手段11は、現実座標情報に基づいて現実領域識別情報として生成したハッシュと、現実座標情報に対応する座標に変換した仮想座標情報と、住所情報と、を紐づけることによって仮想空間と現実空間の位置に関する情報と住所情報を対応付けてもよい。
【0045】
以上S1~S3によって、現実空間と仮想空間の位置に関する情報が同期される。一方、本実施形態においては、仮想空間上に表示する為の情報であって、収集対象に設定されたウェブサイトに公開されている情報を収集する。そして、収集した情報を解析し、分類することによって、ユーザ端末4において指定された種類・分野に対応する情報が表示される。
【0046】
<現実空間の広告コンテンツの表示処理フロー>
図5~6、8は、現実空間の広告コンテンツを表示する表示処理フローチャートである。本実施形態において、表示処理フローチャートには、大きく分けて、SAとしてウェブサイトに公開されている情報を収集する情報収集段階(
図6)、SBとして収集した情報を分類する情報分類段階(
図8(a))、SCとしてユーザ端末4からの要求に応じて情報を表示する情報表示段階(
図8(b))を有する。
【0047】
<情報収集段階SA>
まず、情報収集段階SAのSA1では、特定の情報について収集を希望する利用者は、まず、情報収集の為に必要となる条件を、設定情報として登録する。
【0048】
<設定情報の登録>
設定手段12は、端末装置2を介して、利用者からの設定情報の登録を受け付ける。本実施形態では設定手段12は、解析対象となり得るウェブページの発行元に関する情報として、所望の情報が公開され得る1又は複数のウェブサイトのドメインを、設定情報として登録する。また、ドメインと合わせて、収集の対象として希望する都道府県、市区町村についても設定登録を受け付ける。即ち、解析対象となるウェブサイトに関する情報の設定を受け付ける。
【0049】
<解析対象の取得>
次いでSA2において、収集手段13は、解析対象に関するアドレスを収集する。本実施形態において収集手段13は、検索条件及び設定手段12で登録された設定情報を用いて、解析対象をキーワード検索し、解析対象としての電子文章をダウンロードする為のアドレスを収集する。ここで検索条件とは、ウェブサーバ3より情報を収集する為の条件であって、収集対象として、個々のイベントに関する情報を収集する場合には、例えば「フェスティバル」、「フリーマーケット」、「ライブ」といった情報が、検索条件として設定される。
【0050】
SA3におけるアドレスの収集は、定期的に実行される。ここで、新しいアドレスが発見された場合(SA3でYES)、発見したアドレスについてのアドレスデータを、ウェブサイトDB202のアドレスリストに格納し、SA4に進む。新しいアドレスが発見されなかった場合(SA3でNO)、処理を終了する。
【0051】
SA4において、収集手段13は、収集したアドレスリストに含まれたアドレスデータを用いて、解析対象をダウンロードする。
【0052】
なお、本実施形態では、ステップSA3において新しいアドレスが発見された場合にアドレスデータをアドレスリストに格納しているが、既知のアドレスの一部又は全部について、アドレスリストに格納する構成としてもよい。既知のアドレスの一部とは、例えば、既知のアドレスであって、更新されたと推定される解析対象等である。
【0053】
<解析対象の分類処理>
収集対象判断手段14は、解析対象について分類処理を行い、収集対象とするか判断する。収集対象判断手段14は、収集手段13がダウンロードした解析対象(電子文章)に対する分類処理を実行し、収集対象か、収集対象でないか、分類不能(分類不能データ)か、を判断する(ステップSA6)。
【0054】
分類処理は、例えばニューラルネットワーク、ディープラーニングなどの機械学習を用いて行う。より具体的には、解析対象について教師なし分類器モデルによる分類ステップを実行し、分類不能だった解析対象について、更に、教師有分類器モデルによる分類ステップを実行し、分類結果を出力する。
【0055】
ここで、収集対象判断手段14は、分類手段として、1又は複数のファイル形式ごとに分類の手段を備えており、本実施形態では、htmlファイル用の分類手段として、教師なし分類手段(教師なし分類器モデル)及び教師有分類手段(教師有分類器モデル)を含み、更にpdfファイル用の分類手段として、教師なし分類手段(教師なし分類器モデル)及び教師有分類手段(教師有分類器モデル)を含む。
【0056】
機械学習の入力値や教師データとしては、例えば、解析対象について形態素解析を行って、分類目的に則ったコーパスを生成しておき、自然言語処理を行って解析した解析対象中の単語の出現数、出現頻度等を利用する。
【0057】
収集対象判断手段14による分類が成功した場合(SA6でYES)、すなわち収集対象であると判断した場合若しくは、収集対象でないと判断した場合、分類結果データを、ウェブサイトDB202の分類結果リストに格納される(SA7)。また、分類不能と判断した場合(ステップSA6でNO)、分類不能データを、学習用DB205の分類不能リストに追加する(SA8)。
【0058】
図7は、分類結果データの一例を示す図である。分類結果データには、解析対象をダウンロードする為のアドレス(図示例における「URL」)と、その分類結果(図示例における「分類番号」)が格納されている。分類結果として、「フェスティバル」や「ライブ」に関する情報が含まれている可能性が高いと推定されるURLに対しては分類番号1を付与し、収集対象でない可能性が高いと推定されるURLに対しては分類番号0を付与している。
【0059】
<分類不能データの利用>
表示手段18は、利用者が操作する端末装置2からの表示処理要求に基づいて、分類不能データ(分類不能リスト)を表示処理し、表示処理結果を端末装置2に返送することで、分類不能データ(分類不能リスト)が端末装置2において表示される。また、分類不能データ(分類不能リスト)に関する解析対象が、収集対象か否かに係る分類結果の入力を、端末装置2より受け付ける。
【0060】
なお、本実施形態では、分類不能と判断された解析対象について、端末装置2からの分類結果の入力を受け付ける構成としているが、収集対象と判断した解析対象や、収集対象ではないと判断した解析対象についても、分類結果の入力を受け付けてよい。
【0061】
分類結果を設定された分類不能データのアドレスは、分類結果が対応付けられた分類結果データとして、学習用DB205に格納される。ここで、分類結果が設定されたアドレスにより得られる解析対象及びその分類結果の組み合わせを、収集対象判断手段14における分類手段(教師有分類手段(教師有分類器モデル))の教師データとして学習に利用してよい。ここで、解析対象及びその分類結果の組み合わせのデータは、解析対象のファイルの拡張子に基づいて、htmlファイル用の教師有分類手段(教師有分類器モデル)又は、pdfファイル用の教師有分類手段(教師有分類器モデル)の学習データとして利用される。
【0062】
<情報分類段階SB>
情報収集段階SAが終わると、次いで情報分類段階SBでは、情報収集段階SAで収集された解析対象のウェブサイトに含まれる広告コンテンツ情報を取得し、分類処理を実行する。
【0063】
<解析対象のアドレスの取得>
まず、SB1において、解析手段15は、分類結果データとして、分類番号1が付与されたアドレスを取得する。
【0064】
取得したアドレスが有効に存在する場合(SB2でYES)、SB3に進み、解析手段15は、当該アドレスを用いて解析対象をダウンロードする。取得したアドレスよりエラーが返送される場合等、アドレスが無効な場合(SB2でNO)、処理を終了する。
【0065】
<解析処理>
そして、解析手段15は、SB3にてダウンロードした解析対象に、解析処理を実行する(SB4)。本実施形態において解析手段15は、解析対象を解析処理し、設定項目に該当する複数の項目に対応する広告コンテンツ情報の特徴量を取得する。具体的に解析手段15は、自然言語処理として、例えば、解析対象毎に文字列を解析処理し、取得した各単語に対して複数の特徴量を付与することによって数値化する(いわゆる分散表現)。また、解析手段15は、条件として、取得した単語のうち事前に設定された複数の設定項目a0~aiに該当しない単語(例えば、助詞や間投詞)を破棄して、処理を終了する(SB5でNO)。そして、取得された単語が設定項目に該当する場合(SB5でYES)には、次のステップ(SB6)に進む。
【0066】
収集対象として、イベントや催しに関する情報(広告コンテンツ情報)を収集する場合には、例えば、イベント日程及びイベント時間(広告コンテンツ期間)と、イベント情報の公開者IDと、イベントの開催位置(広告コンテンツ位置情報)と、イベント主催者IDと、イベントの内容と、イベントの参加費用に関する情報等と、が設定項目として設定される。
【0067】
なお、本実施形態において解析手段15は、ウェブサイトのURLに含まれる広告コンテンツ位置情報(位置識別情報)を取得することによって、広告コンテンツ位置情報を取得するが、解析対象のウェブサイト内に含まれるhtml等に対して解析処理を実行することによって、広告コンテンツ位置情報を取得してもよい。
【0068】
またなお、本実施形態では自然言語処理として、分散表現を用いて設定項目に該当する単語の数値化を行ったが、自然言語処理はこれに限定されない。
【0069】
<広告コンテンツ情報の分類処理>
SB6において分類手段16は、設定項目に該当する単語について分類処理を実行する。分類手段16は、解析手段15によって取得された特徴量に基づいて、広告コンテンツ情報の分類を行う。具体的に分類手段16は、広告コンテンツ情報の広告種別及び広告分野の特徴量に基づいて、広告コンテンツ情報の分類を行う。ここで、広告種別とは広告コンテンツの種別を示す情報であって、例えば「コンサート」や「百貨店・モール」等が含まれる。一方、広告分野は広告種別よりも広いカテゴリを示し、上記広告種別の例に対して例えば「イベント」や「セール情報」等が含まれる。
【0070】
分類処理は、例えばニューラルネットワーク、ディープラーニングなどの機械学習を用いて行う。より具体的には、算出した特徴量を分類器モデル、例えば、LSTM(或いはBERT)を使いクラスタリングを行う事で広告コンテンツ情報の広告種別、広告分野を推定することで、広告コンテンツ情報の分類を行う。
【0071】
そして、SB7において登録手段17は、分類結果に基づいて、取得した複数の設定項目を対応付けて、分類結果データとして、分類結果DB204に広告コンテンツ情報を格納する。本実施形態において登録手段17は、分類手段16によって広告種別毎及び/又は広告分野毎に、広告コンテンツ情報を分類結果DB204に格納する。
【0072】
図9は、端末装置2において広告コンテンツ情報の分類結果を表示する分類結果画面の図示例である。分類結果画面は広告コンテンツ毎に、分類手段16によって推定された広告コンテンツの種別、及び広告コンテンツの分野と、解析手段15が算出した広告種別の特徴量(図示例では種別スコア)、及び広告分野の特徴量(図示例では分野スコア)と、広告コンテンツ情報が公開済みであるかを示す公開情報を含む。例えば、
図9は対象情報として「本日のディナー情報」に関して、広告コンテンツ情報の分類結果を表示する。
【0073】
より好ましい形態では、登録手段17は、解析手段15によって算出された種別の特徴量の示す種別毎の種別度合い、及び/又は分野の特徴量の示す分野毎の分野度合いと、分類手段16によって分類された広告種別、及び/又は広告分野と、に基づいて広告コンテンツ情報を分類結果DB204に登録する。本実施形態において登録手段17は、ある広告コンテンツ情報において、条件として、分類された広告種別に対応する種別の種別度合いが所定値以上である場合であって、分類された広告分野に対応する分野の分野度合いが所定値以上である場合に、分類結果DB204に該広告コンテンツ情報を登録する。そして、登録手段17は、ある広告コンテンツ情報が該条件を満たさない場合には、学習用DB205に該広告コンテンツを登録する。
【0074】
なお、本実施形態において登録手段17は、種別度合い及び分野度合いに関する条件を満たす場合に、広告コンテンツ情報を登録するが、種別度合い及び分野度合の何れかに関する条件を満たす場合に、広告コンテンツ情報を登録してもよい。
【0075】
<情報表示段階SC>
情報分類段階SBが終了すると、次いで情報表示段階SCでは、情報分類段階SBで分類結果DB204に格納された広告コンテンツ情報をユーザ端末4に表示する処理を実行する。
【0076】
<仮想空間の表示処理>
SC1において表示手段18は、ユーザ端末4から、仮想空間の表示処理要求を受け付けると、仮想空間を表示処理し、ユーザ端末4に仮想空間を表示させる。本実施形態において表示手段18は、仮想空間の座標を示す仮想座標情報と、仮想空間又は現実空間におけるユーザの位置情報(仮想座標情報又は現実座標情報)と、に基づいて仮想空間を表示処理する。
【0077】
具体的に本実施形態においてデータベース(不図示)には、仮想空間を表示する為の仮想空間データが格納されている。ここで仮想空間データとは、仮想座標情報の座標と、該座標に配置するオブジェクトが紐づいた情報と、仮想空間の背景として使用される現実空間の静止画や動画に関する情報を含む。そして、表示手段18(AR表示手段181)は、ARを利用するユーザ端末4に対しては、現実座標情報の座標に対応する仮想座標情報の座標に配置されたオブジェクトがユーザ端末4のカメラの視野に入った場合に、現実空間の風景を背景として該オブジェクトを表示処理し、ユーザ端末4に仮想空間を表示させる。また表示手段18(VR表示手段182)は、VRを利用するユーザ端末4に対しては、オブジェクトと、該オブジェクトを配置する仮想座標情報の座標に対応する現実座標情報に紐づく現実空間の風景の静止画又は動画と、を表示処理し、ユーザ端末4に仮想空間を表示させる。
【0078】
<検索処理>
そして、仮想空間がユーザ端末4において表示されると、ユーザは仮想空間上に表示する広告コンテンツ情報の絞り込みを行う為に、条件検索を行う。
【0079】
SC2において表示手段18は、広告コンテンツ情報の検索条件を受け付ける。本実施形態において表示手段18は、検索条件として、広告コンテンツ期間、仮想空間における位置情報(住所情報、現実座標情報、位置識別情報、又は仮想座標情報)、及び広告コンテンツの内容、広告コンテンツに関するキーワードの1又は複数を受け付ける。
【0080】
なお、本実施形態では表示手段18は、ユーザ端末4から検索条件の入力を受け付けることによって、広告コンテンツ情報の絞り込みを行うが、検索条件の入力を受け付けずに、事前に登録された検索条件に基づいて、広告コンテンツ情報の絞り込みを行ってもよい。
【0081】
そしてSC3において表示手段18は、SC2において受け付けた検索条件と一致する広告コンテンツ情報の示す広告コンテンツを表示処理し、該広告コンテンツを含む仮想空間を該ユーザ端末4に表示させる。本実施形態において表示手段18は、現実座標情報又は仮想座標情報を取得し、該現実座標情報又は該仮想座標情報に紐づく位置識別情報と、広告コンテンツ情報に紐づく位置識別情報と、に基づいて広告コンテンツを表示処理し、ユーザ端末4に広告コンテンツを含む仮想空間を表示させる。
【0082】
なお、本実施形態において表示手段18は、ジオハッシュ関数を用いて、仮想座標情報を取得し、該仮想座標情報に紐づく住所情報を取得し、該住所情報が紐づいた広告コンテンツ情報を表示処理する。一方、表示手段18は、ジオハッシュ関数を用いて、広告コンテンツ情報に紐づく位置識別情報から、住所情報を取得し、該住所情報と、仮想座標情報に紐づく位置識別情報の住所情報と、が一致する広告コンテンツ情報を表示処理してもよい。またなお、ジオハッシュ関数を用いて仮想座標情報の座標からジオハッシュを生成する場合には、表示手段18は、仮想空間の座標から生成したジオハッシュを現実空間の座標から生成したジオハッシュ(現実領域識別情報)に変換する関数を用いて、仮想空間の座標から現実領域識別情報を取得し、該現実領域識別情報と、広告コンテンツ情報に紐づく位置識別情報の現実領域識別情報と、が一致する広告コンテンツ情報を表示処理してもよい。
【0083】
また表示手段18は、ユーザの位置情報と、広告コンテンツ情報の位置情報と、に基づいてユーザの位置情報の周辺に配置される広告コンテンツを表示処理し、ユーザ端末4に表示させる。本実施形態において表示手段18は、算出手段19によって算出される、ユーザの位置情報と広告コンテンツ情報の位置情報との距離に基づいて、広告コンテンツを表示処理し、ユーザ端末4に表示させる。
【0084】
本実施形態において算出手段19は、現実座標情報又は仮想座標情報の示す位置と、及び広告コンテンツ情報に紐づく位置識別情報の示す位置と、の距離を算出する。具体的に算出手段19は、ARを用いるユーザ端末4に対しては、ユーザ端末4の現実座標情報に対応する位置識別情報の住所情報と、広告コンテンツ情報に紐づく位置識別情報の住所情報から距離を算出する。また算出手段19は、VRを用いるユーザ端末4に対しては、ユーザのアバターが配置された仮想座標情報に紐づく住所情報と、広告コンテンツ情報に紐づく住所情報から距離を算出する。
【0085】
なお、本実施形態において表示手段18は、算出手段19によって算出された距離に基づいて、広告コンテンツを含む仮想空間を表示処理する。一方、表示手段18は、ユーザから近い場所(領域)にある広告コンテンツを表示する為の検索条件を受け付けた場合には、ユーザの位置情報と、広告コンテンツ情報の位置情報と、距離に関係なく広告コンテンツを表示処理してもよい。
【0086】
なお、本実施形態において算出手段19は、ユーザの位置する住所情報と、広告コンテンツ情報に紐づく住所情報に基づいて距離を算出するが、ユーザの位置する現実座標情報と、広告コンテンツ情報に紐づく位置識別情報の現実座標情報を用いて距離を算出してもよい。またなお、算出手段19は、広告コンテンツ情報に紐づく仮想座標情報と、ユーザが位置する仮想座標情報から距離を算出してもよい。
【0087】
そして表示手段18は、算出手段19によって算出された距離が所定値以内である場合に、広告コンテンツ情報に紐づく位置識別情報に基づいて、広告コンテンツを表示処理する。
【0088】
また、表示手段18は、データベース20に格納される広告コンテンツを表示する期間を示す広告公開期間情報に基づいて、広告コンテンツを表示処理する。本実施形態において表示手段18は、広告コンテンツ情報毎に紐づく広告公開期間情報の示す期間内に、それぞれの広告コンテンツを表示処理し、ユーザ端末4に表示させる。これにより、広告コンテンツ毎に、広告コンテンツ期間前の所定の期間から広告コンテンツ期間までの間に広告コンテンツを表示し、表示期間が過ぎた広告コンテンツは表示しないようにすることができる。
【0089】
以上、SA~SCの処理により、現実空間の位置情報に対応する仮想空間の位置に、ウェブサイトで公開されている広告コンテンツを表示することができる。これにより、仮想空間を利用することで、ウェブサイトを閲覧することなく様々な広告コンテンツの情報を確認することができる。
【0090】
より好ましい形態では、表示手段18は、複数の仮想空間を切り替えて表示処理し、仮想空間、及び該仮想空間の位置情報に対応する広告コンテンツをユーザ端末4に表示させることができる。即ち、仮想空間毎に仮想座標情報と紐づけて位置識別情報が格納されており、ある仮想空間では、該仮想空間に紐づく位置識別情報に対応付いた広告コンテンツが表示される。そして、ユーザの要求に応じて、表示させる仮想空間を切り替えることで、仮想空間毎に対応する広告コンテンツが表示される。
【0091】
本実施形態においては、仮想座標情報から住所情報を取得する関数が仮想空間毎にデータベース(不図示)に格納されている。そして、表示手段18は、該関数を用いて、仮想空間毎に対応する広告コンテンツを表示する。
【0092】
本実施形態において表示手段18は、表示処理する仮想空間を絞り込む検索条件を受け付ける。具体的に表示手段18は、検索条件として、広告コンテンツの内容、仮想空間を識別する情報(仮想空間名、住所等)、広告コンテンツ期間、広告コンテンツに関するキーワードの1又は複数を受け付ける。
【0093】
表示手段18は、受け付けた検索条件に基づいて、仮想空間を特定する。そして表示手段18は、特定した仮想空間に紐づく仮想座標情報と、該仮想空間に紐づく関数と、を用いて、仮想座標情報から住所情報を取得する。そして表示手段18は、該住所情報が紐づいた広告コンテンツ情報を表示処理し、該広告コンテンツ情報を含む該仮想空間をユーザ端末4に表示させる。
【0094】
以上により、各仮想空間に対応する広告コンテンツを表示することができる。これにより、広い仮想空間を構築することなく、様々な現実空間の位置に対応する広告コンテンツを表示することができる。即ち、仮想空間を構築する処理にかかる負担を軽減することができる。
【符号の説明】
【0095】
0 :情報同期システム
1 :情報同期装置
2 :端末装置
3 :ウェブサーバ
4 :ユーザ端末
100 :サーバ
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
91 :処理部
92 :記憶部
93 :通信部
94 :入力部
95 :出力部
NW :通信ネットワーク
11 :生成手段
12 :設定手段
13 :収集手段
14 :収集対象判断手段
15 :解析手段
16 :分類手段
17 :登録手段
18 :表示手段
181 :AR表示手段
182 :VR表示手段
19 :算出手段
20 :データベース
201 :位置情報DB
202 :ウェブサイトDB
203 :解析結果DB
204 :分類結果DB
205 :学習用DB
a0~ai :設定項目
【要約】 (修正有)
【課題】現実空間と仮想空間における情報を同期する情報同期システム、プログラム及び方法を提供する。
【解決手段】情報同期装置、端末装置、ウェブサーバ及びユーザ端末がネットワークを介して通信可能な情報同期システムにおいて、情報同期装置1の生成手段11は、現実空間において、現実空間における座標を示す現実座標情報を取得し、仮想空間における位置を一意に特定する仮想座標情報を、現実座標情報及び現実空間における住所を示す住所情報を対応付けた位置識別情報と紐づけてデータベース20に格納し、更に現実空間における場所の位置識別情報に紐づけられた広告コンテンツ情報を格納する。表示手段18は、現実座標情報又は仮想座標情報を取得し、該現実座標情報又は該仮想座標情報と、広告コンテンツ情報に紐づく位置識別情報と、に基づいて広告コンテンツを表示処理し、ユーザが利用するユーザ端末に広告コンテンツを含む仮想空間を表示させる。
【選択図】
図3