(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】製品入り外袋
(51)【国際特許分類】
B65D 30/10 20060101AFI20231018BHJP
B65D 33/25 20060101ALI20231018BHJP
B65D 30/22 20060101ALI20231018BHJP
B65D 77/30 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
B65D30/10 M
B65D33/25 A
B65D30/22 F
B65D30/10 R
B65D77/30 C
(21)【出願番号】P 2022201090
(22)【出願日】2022-12-16
(62)【分割の表示】P 2018168280の分割
【原出願日】2018-09-07
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000147316
【氏名又は名称】株式会社生産日本社
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【氏名又は名称】岡田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】野口 ▲隆▼之
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-122939(JP,A)
【文献】特開2004-001807(JP,A)
【文献】特開2014-097812(JP,A)
【文献】特開2016-108034(JP,A)
【文献】特開2005-014924(JP,A)
【文献】特開2014-189311(JP,A)
【文献】特開2015-006896(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00688725(EP,A1)
【文献】登録実用新案第3041585(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/10
B65D 33/25
B65D 30/22
B65D 77/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠
で二列に積み重ねられた複数個の袋体
13を、外包装用の嵌合具付き筒状外袋
11で包み込んで、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋
200であって、
前記嵌合具付き筒状外袋は、樹脂フィルムを基材
15として筒の長さ方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしており、前記筒の長さ方向に沿って開口する開口部
16を
一つ有し、かつ、該開口部の縁
16aに沿って前記基材の内壁側に前記嵌合具
14を有し、かつ、前記基材の向かい合う内壁面同士を前記筒の長さ方向Xに沿って線状に固定する仕切り46をさらに有し、
前記嵌合具は
、前記袋体の左右いずれか一方の側端側に位置して、咬合されており、
前記仕切りによって、前記嵌合具付き筒状外袋が
二つの内部空間に仕切られ、前記内部空間一つにつき、前記積み重ねられた複数個の袋体の一列が収容されて
おり、
前記仕切りは、向かい合う前記基材同士の剥離可能なシール部又は仕切り用嵌合具であり、前記筒状外袋の幅方向の中央部に配置され、かつ、
前記製品入り外袋が、横断面が扁平状態でロール巻き、カセ巻き又はつづら折りされていることを特徴とする製品入り外袋。
【請求項2】
前記仕切りを設けた箇所に、切り離し用のミシン目をさらに有することを特徴とする請求項
1に記載の
製品入り外袋。
【請求項3】
前記嵌合具付き筒状外袋は、前記基材の内壁面にエンボス加工領域部を有することを特徴とする請求項
1又は2に記載の
製品入り外袋。
【請求項4】
前記嵌合具付き筒状外袋は、前記筒の長さ方向Xに沿って切れ目を形成するための開封補助手段を前記内部空間一つにつき少なくとも一つ有することを特徴とする請求項
1~3のいずれか一つに記載の製品入り外袋。
【請求項5】
前記嵌合具付き筒状外袋は、前記筒の長さ方向Xに沿った所定の間隔毎に第二仕切りを有し、かつ、前記第二仕切りによって、前記複数個の袋体は所定枚数毎に区切られていることを特徴とする請求項
1~4のいずれか一つに記載の製品入り外袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、筒状外袋に関し、特に、複数の製品について製品同士の相対的位置関係を固定したまま包み込んで、ひとまとまりとする筒状外袋に関する。また本開示は、筒状外袋によって製品が包まれた製品入り外袋、さらにその製品入り外袋を横断面が扁平状態でロール巻き、カセ巻き又はつづら折りした製品入り外袋の巻き取り品又はつづら折り品に関する。さらに本開示はそれらの製造方法及び製品入り外袋から製品である袋体を取り出す袋体の供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、販売の目的とされる商品を直接包装する形態を一次包装という。一次包装の形態とされた商品を決められた数量に従い、さらに箱又は袋に包装する形態を二次包装という。商品は一次包装又は二次包装の形態にて消費者に渡される。さらに、二次包装の形態の商品を決められた数量に従い、バルクハンドリング、倉庫保管及び輸送等の目的のために梱包箱等に入れる形態を三次包装という。また、一次包装の形態にされた商品を、二次包装の形態とせずに、三次包装の形態とすることもある。
【0003】
例えば、円筒状の小巻ロール(「商品」に相当する。)の円筒側面を包装用フィルムに巻き付けたのち、包装フィルムの側面を熱融着し、さらに円筒の上面側と下面側に位置する包装用フィルムをそれぞれ閉じて熱融着して、小巻ロールを一次包装する技術がある(例えば、特許文献1の
図24~
図29を参照。)。
【0004】
なお、製袋メーカーにとっては、販売の目的とされる商品が包装資材となる袋体であるため(例えば、特許文献2を参照。)、本明細書では、包装資材としての袋体が販売の目的とされる商品である場合、包装資材ではない商品(通常の商品のことであり、以降、非包装資材商品ともいう。)との区別のために、当該袋体を「製品」と称することがある。また、袋体を包む包装を外袋と称することがある。
【0005】
非包装資材商品が入った嵌合具付き袋が小売店に陳列されるまでは、まず、(1)製袋工程:製袋メーカーが袋体を製造してさらに外袋に収容し、(2)運送工程1:袋体を非包装資材商品のメーカーに納入し、(3)給袋工程:外袋から袋体を取り出し、(4)充填工程:非包装資材商品を袋体に充填し、(5)運送工程2:袋体に充填された非包装資材商品を小売店に搬送して一般消費者へと渡る、というルートが通常である。
【0006】
従来の製袋工程は次のような手順で行われていた。すなわち、製袋機によって製袋された製品である嵌合具付き袋は、トレーなどの容器にいったんストックされ、人の手によって一定枚数を束にする結束作業が行われていた。その一定枚数ずつ束にされた、製品である嵌合具付き袋は、輪ゴム等の結束手段で固定され、続いて嵌合具付きの外袋に入れられたのち、外袋の嵌合具が閉じられる。さらに複数個の嵌合具付き外袋は箱に詰められる。その箱は、埃や汚れの付着防止又は浸水防止のために防水フィルムによって覆われた後、出荷される。これらの工程はすべて人の手が必要であった。
【0007】
また、従来の給袋工程は次のような手順で行われていた。すなわち、非包装資材商品のメーカーが非包装資材商品を嵌合具付き袋に充填するために、防水フィルムを剥がして箱から外袋を取り出し、その外袋の嵌合具を外し、束ねられた嵌合具付き袋を取り出し、束ねてある輪ゴム等の結束手段を外して、嵌合具付き袋を個々の状態に戻す。これらの工程もすべて人の手が必要であった。
【0008】
さらに従来の充填工程は次のような手順で行われていた。すなわち、個々の嵌合具付き袋を、充填機の袋体供給部に供給する。この工程も人の手が必要であった。充填機の袋体供給部から一つ一つ取り出された嵌合具付き袋は、開口され、非包装資材商品が充填される。この工程は、充填機によってなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2003‐267602号公報
【文献】特開2018‐8728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、製袋工程では、袋詰めのときの作業スピードや精度がそれを行う個々の人の能力に依存していたため、個々の人の処理能力に合わせて包装袋の製造ラインのスピードを調整し、また休憩が必要である。その結果として、生産性が低下し、また生産性が不安定となりやすく、生産効率が悪かった。また、トレーにストックされた袋体は、ストック場所や積み重ねの不安定さによってストック枚数に限りがあり、広いスペースを必要としていた。そして、結束された袋体を外袋に入れるときの輪ゴム留めや外袋に入れるときの嵌合具の開口、閉口、箱詰め、防水フィルム施工に至る作業には時間がかかり、また手間であった。
【0011】
また、給袋工程では、防水フィルム付きの箱詰めされた外袋を取り出し、嵌合具を外し、輪ゴム等を取り除いて嵌合具付き袋を個々の状態に戻していたが、すべて人の手が必要であった。特に輪ゴム等により嵌合具付き袋が湾曲して癖がついてしまい、平状に戻す作業を余儀なくされていたが、これらの作業もすべて人の手によって行われていた。さらに、輪ゴム等と接触していた嵌合具付き袋にはシワが発生していたり、ときには穴が開いてしまうことがあった。このように作業ミスや製品ロスが頻繁に発生しやすかった。さらに、充填機に嵌合具付き袋をセットし終えるたびに、次なる外袋について嵌合具開口工程に戻って同様に人の手で繰り返して作業を行う必要があり、時間と手間がかかっていた。よって、人件費が嵩み、コスト高になっていたほか、作業ミスなども不可避であった。加えて人手不足によって人材確保が難しく、一層費用が嵩んでいた。
【0012】
さらに、外袋については、それ自体を製袋する必要があり、袋製品と同じ手間とコストがかかっていた。また、様々な種類の外袋を防水フィルムと共に保管しなければならず、倉庫による管理を強いられるため、非常にコスト高であると共に手間もかかっていた。
【0013】
また、防水フィルム、出荷箱、外袋は充填工程を経た後に廃棄されるため、大量の資源が無駄に消費されていた。
【0014】
また、結束、外袋詰め、箱詰め、箱開け及び外袋明けを人の手で行っていたため、人に起因する汚れが付着するおそれもあった。
【0015】
そこで本開示は、(1)人的作業の省力化を図ることで、包装袋の製造ラインの高速化を実現し、また、その生産速度の安定化を図り、人的作業のミスによる製造ロスの低減と袋体の品質低下を抑制すること、及び、(2)外袋の製袋及び保管によるコスト上昇を防ぐと共にその管理の手間を省くこと、を実現する、省人・省資源・省スペース・低コスト及び良好な衛生性を兼ね備えた嵌合具付き筒状外袋、筒状外袋、製品入り外袋、製品入り外袋の巻き取り品、それらの製造方法及び袋体の供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者は、鋭意検討したところ、外包装用の外袋を嵌合具付き筒状外袋又は筒状外袋の形態とし、また、製品である袋体の一部が重なるように連続して少なくとも二列に積み重ねられた複数個の袋体を、外装用の嵌合具付き筒状外袋又は外装用の筒状外袋で包み込み、袋体の積み重ね状態を保持したままで一体化させることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0017】
本発明に係る製品入り外袋は、製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で二列に積み重ねられた複数個の袋体13を、外包装用の嵌合具付き筒状外袋11で包み込んで、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋200であって、
前記嵌合具付き筒状外袋は、樹脂フィルムを基材15として筒の長さ方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしており、前記筒の長さ方向に沿って開口する開口部16を一つ有し、かつ、該開口部の縁16aに沿って前記基材の内壁側に前記嵌合具14を有し、かつ、前記基材の向かい合う内壁面同士を前記筒の長さ方向Xに沿って線状に固定する仕切り46をさらに有し、前記嵌合具は、前記袋体の左右いずれか一方の側端側に位置して、咬合されており、前記仕切りによって、前記嵌合具付き筒状外袋が二つの内部空間に仕切られ、前記内部空間一つにつき、前記積み重ねられた複数個の袋体の一列が収容されており、前記仕切りは、向かい合う前記基材同士の剥離可能なシール部又は仕切り用嵌合具であり、前記筒状外袋の幅方向の中央部に配置され、かつ、前記製品入り外袋が、横断面が扁平状態でロール巻き、カセ巻き又はつづら折りされていることを特徴とする。重力を利用して袋体をきれいに整列させることが出来るため、製品入り外袋内で、袋体がより整然と整列している。
【0018】
本発明に係る製品入り外袋では、前記仕切りを設けた箇所に、切り離し用のミシン目をさらに有することが好ましい。2列以上に収納された製品である外袋を列毎に分離して、別々に取り扱うことが可能となる。
【0019】
本発明に係る製品入り外袋では、前記嵌合具付き筒状外袋は、前記基材の内壁面にエンボス加工領域部を有することが好ましい。製品である袋体が筒状外袋の内部で移動しにくくなるため、袋体の積み重ね状態をより一層保持しやすくなる。
【0020】
本発明に係る製品入り外袋では、前記嵌合具付き筒状外袋は、前記筒の長さ方向Xに沿って切れ目を形成するための開封補助手段を前記内部空間一つにつき少なくとも一つ有することが好ましい。嵌合具付き筒状外袋の開封を容易に行うことができる。
【0021】
本発明に係る製品入り外袋では、前記嵌合具付き筒状外袋は、前記筒の長さ方向Xに沿った所定の間隔毎に第二仕切りを有し、かつ、前記第二仕切りによって、前記複数個の袋体は所定枚数毎に区切られていることが好ましい。製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に積み重ねられた複数個の袋体について、所定枚数、例えば100枚単位で管理したい場合がある。このような場合に、第二仕切りとその隣の第二仕切りとの間に所定枚数の袋体を配置することが容易となる。
【0022】
本発明に係る製品入り外袋では、前記嵌合具付き筒状外袋は、筒形状の長さ方向の両端が熱溶着封止部又は剥離可能なシール部であり、かつ、所定枚数の製品が入っていることが好ましい。製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に積み重ねられた複数個の袋体について、所定枚数、例えば100枚単位で管理したい場合がある。このような場合に、外袋の筒形状の長さ方向の両端を溶断かつ溶断箇所を封止することで熱溶着封止部45を形成し、所定枚数の袋体を製品入り外袋内に配置することが容易となる。剥離可能なシール部を設けることでも所定枚数の袋体を製品入り外袋内に配置することが容易となる。
【0023】
本発明に係る製品入り外袋の箱詰め品は、本発明に係る製品入り外袋であって、筒の長さ方向Xの長さが揃っている複数の製品入り外袋が、整列して箱詰めされていることを特徴とする。所定枚数が入った製品入り外袋が揃えられて箱詰めされているので、箱から製品入り外袋を取り出しやすく、また、製品である袋体の枚数管理が容易となる。
【0024】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法は、製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に積み重ねられた複数個の袋体を、外包装用の嵌合具付き筒状外袋で包み込んで、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋の製造方法であって、前記嵌合具付き筒状外袋は、樹脂フィルムを基材として筒の長さ方向に沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしており、前記筒の長さ方向に沿って開口する開口部を少なくとも一つ有し、かつ、該開口部の縁に沿って前記基材の内壁側に前記嵌合具を有し、かつ、前記基材の向かい合う内壁面同士を前記筒の長さ方向Xに沿って線状に固定する仕切りをさらに有し、前記開口部は前記嵌合具が咬合することによって閉じられる構造を有し、かつ、前記製造方法は、前記嵌合具付き筒状外袋を準備する第1工程と、前記嵌合具の咬合が外れていてかつ前記嵌合具付き筒状外袋が広げられた状態とする第2工程と、前記基材の上に、該基材の長手方向に沿って、前記袋体の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に該袋体を積み重ねていく第3工程と、前記複数個の袋体を載せた前記基材を該基材の長手方向に移動させながら、前記基材で前記複数個の袋体を包み込むとともに、前記仕切りによって、前記嵌合具付き筒状外袋を複数の内部空間に仕切り、前記内部空間一つにつき、前記積み重ねられた複数個の袋体の一列を収容し、かつ、前記嵌合具を咬合して前記製品入り外袋を得る第4工程と、を有することを特徴とする。
【0025】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記嵌合具付き筒状外袋は、前記嵌合具を一つ有し、前記第2工程において、前記基材を水平に広げ、前記第3工程において、前記基材をフラットのシート状として前記袋体を載せ、前記第4工程において、前記嵌合具を前記袋体の積み重ね面の上に配置して、さらに咬合することが好ましい。袋体を外袋で合掌貼りの形態で容易に包むことができ、また、嵌合具を咬合させやすい。このため、簡易な構造の装置で製造しやすい。また、嵌合具の咬合を外すときは観音開きの形態で行うことができる。
【0026】
また、本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記嵌合具付き筒状外袋は、前記嵌合具を二つ有し、前記第2工程において、前記嵌合具の咬合が外れることによって2つに分かれた基材の一方を水平に広げ、基材の他方を、前記基材の一方の上方で水平に広げ、
前記第3工程において、前記基材の一方をフラットのシート状とすると共に、前記基材の一方の幅方向の両端側に位置する嵌合具が前記袋体の左の側端側及び右の側端側にそれぞれ位置するように、該袋体を前記基材の一方の上に載せ、前記第4工程において、前記基材の他方を前記袋体に被せて前記嵌合具を咬合することが好ましい。外袋を上下に分割し、その間に袋体を配置して、元通りに閉じるという簡易な動作で、外袋の中に袋体を入れることが出来る。
【0027】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法は、製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に積み重ねられた複数個の袋体を、外包装用の筒状外袋で包み込んで、前記袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋の製造方法であって、基材として等幅の帯状の樹脂フィルムを準備する工程Aと、前記基材を広げた状態とする工程Bと、前記基材の上に、該基材の長手方向に沿って、前記袋体の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に該袋体を複数積み重ねていく工程Cと、前記複数個の袋体を載せた前記基材を該基材の長手方向に移動させながら、前記基材で前記複数個の袋体を包み込むとともに、前記基材の向かい合う内壁面同士を前記筒の長さ方向Xに沿って線状に固定する仕切りを設けることによって、前記筒状外袋を複数の内部空間に仕切り、前記内部空間一つにつき、前記積み重ねられた複数個の袋体の一列を収容し、かつ、前記基材の幅方向の両端の縁に沿って前記基材の内壁同士又は内壁と外壁とを剥離可能なシール、接着又は熱溶着することで、前記基材を筒状に成形して前記製品入り外袋を得る工程Dと、を有することを特徴とする。
【0028】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記工程Aにおいて、前記基材を1つ準備し、前記工程Bにおいて、前記基材を水平に広げ、前記工程Cにおいて、前記基材をフラットのシート状として前記袋体を載せ、前記工程Dにおいて、前記基材の幅方向の両端の縁を前記袋体の積み重ね面の上に配置して、剥離可能なシール、接着又は熱溶着することが好ましい。袋体を外袋で合掌貼りの形態で容易に包むことができ、また、剥離可能なシール、接着又は熱溶着を行いやすい。このため、簡易な構造の装置で製造しやすい。
【0029】
また、本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記工程Aにおいて、前記基材を2つ準備し、前記工程Bにおいて、前記基材の一方を水平に広げ、前記基材の他方を、前記基材の一方の上方で水平に広げ、前記工程Cにおいて、前記基材の一方をフラットのシート状とすると共に、前記基材の一方の幅方向の両端が前記袋体の左の側端側及び右の側端側にそれぞれ位置するように、該袋体を前記基材の一方の上に載せ、前記工程Dにおいて、前記基材の他方を前記袋体に被せて、前記基材の一方と前記基材の他方とを接合することが好ましい。2つの基材を上下に配置し、その間に袋体を配置して閉じるという簡易な動作で、外袋の中に袋体を入れることが出来る。
【0030】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記仕切りは、仕切り用嵌合具であることが好ましい。仕切りとして着脱自在の嵌合具にすることで、簡単に仕切りを形成し又は仕切りを無くすことができる。
【0031】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記仕切りは、向かい合う前記基材同士の剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部であることが好ましい。確実に製品である袋体を仕切ることができる。また、仕切りの形成も容易である。仕切りは、向かい合う基材同士を熱溶着するが、溶断まではしない温度範囲で温度設定された熱シール器を用いて熱溶着部を形成することによって得られる。
【0032】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記仕切りを分割するようにカットすることで、一列の積み重ねられた複数個の袋体が収容された製品入り外袋を得る工程をさらに有することが好ましい。2列以上に収納された製品である外袋を列毎に分離して、別々に取り扱うことが可能となる。
【0033】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記第3工程又は前記C工程において、前記基材の上に、該基材の長手方向に沿って、前記袋体の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に該袋体を積み重ねていき、かつ、前記袋体が所定枚数積み重ねられる毎に該袋体を配置しない非配置部を所定の間隔毎に設け、前記第4工程又は前記D工程の後に、前記製品入り外袋に対して、前記非配置部に相当する箇所に第二仕切りを設ける仕切り形成工程をさらに有することが好ましい。製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に積み重ねられた複数個の袋体について、所定枚数、例えば100枚単位で管理したい場合がある。このような場合に、第二仕切りとその隣の第二仕切りとの間に所定枚数の袋体を配置することが容易となる。
【0034】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記第二仕切りは、向かい合う前記基材同士を剥離可能なシール、接着又は熱溶着することによって形成することが好ましい。確実に製品である袋体を仕切ることができる。また、仕切りの形成も容易である。
図21を参照して、例示的な熱シール器43を用いて第二仕切り(熱溶着部)41を形成する方法を説明する。熱シール器43は向かい合う基材同士を熱溶着するが、溶断まではしない温度範囲で温度設定される。筒状の長さ方向への流れによって袋体の非配置部40がきたタイミングで熱シール器43を基材に当接し、第二仕切り(熱溶着部)41を形成する。
【0035】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記第二仕切りを設けた箇所に、切り離し用のミシン目をさらに設けることが好ましい。筒状外袋には、製品である袋体が所定枚数収容されており、ミシン目を切り離すことにより、小分け管理がしやすくなる。
【0036】
本発明に係る製品入り外袋の巻き取り品又はつづら折り品の製造方法は、本発明に係る製品入り外袋を横断面が扁平状態でロール巻き、カセ巻き又はつづら折りする第5A工程を有することを特徴とする。
【0037】
本発明に係る製品入り外袋の製造方法では、前記第3工程又は前記C工程において、前記袋体が所定枚数積み重ねられる毎に該袋体を配置しない非配置部を所定の間隔毎に設け、かつ、前記第4工程又は前記D工程の後に、前記非配置部に相当する箇所を溶断するとともに、溶断した端部に熱溶着封止部を形成して、所定枚数が入っている製品入り外袋を得る溶断工程と、を有することが好ましい。製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に積み重ねられた複数個の袋体について、所定枚数、例えば100枚単位で管理したい場合がある。このような場合に、外袋の筒形状の長さ方向の両端を溶断かつ溶断箇所を封止することで熱溶着封止部45を形成し、所定枚数の袋体を製品入り外袋内に配置することが容易となる。そして、この製品入り外袋は、長さが揃っているため、整列して収容することができる。
【0038】
本発明に係る製品入り外袋の箱詰め品の製造方法では、本発明に係る所定枚数が入っている製品入り外袋を、整列して箱詰めして、製品入り外袋の箱詰め品を得る第5B工程を有することを特徴とする。
【0039】
本発明に係る袋体の供給方法は、本発明に係る製品入り外袋又は本発明に係る製品入り外袋の巻き取り品又はつづら折り品の外袋を引き出しながら咬合部分若しくは接合部又は外袋のうちこれら以外の箇所を開口する第6A工程と、開口された外袋の中の前記袋体を順々に充填機に供給する第7A工程と、を有することを特徴とする。
【0040】
本発明に係る袋体の供給方法は、本発明に係る製品入り外袋の箱詰め品の外袋を順次取り出し、咬合部分若しくは接合部又は外袋のうちこれら以外の箇所を開口する第6B工程と、開口された外袋の中の前記袋体を順々に充填機に供給する第7B工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0041】
本開示によれば、(1)人的作業の省力化を図ることで、包装袋の製造ラインの高速化を実現し、また、その生産速度の安定化を図り、人的作業のミスによる製造ロスの低減と袋体の品質低下を抑制すること、及び、(2)外袋の製袋及び保管によるコスト上昇を防ぐと共にその管理の手間を省くこと、を実現する、省人・省資源・省スペース・低コスト及び良好な衛生性を兼ね備えた嵌合具付き筒状外袋、筒状外袋、製品入り外袋、製品入り外袋の巻き取り品、それらの製造方法及び袋体の供給方法を提供することが出来る。
【0042】
さらに、製袋機と充填機とをインラインで一体化すると生産効率が高まるところ、充填を行う者が製袋機のメンテナンスも行う必要が生じる。しかし、本発明によれば、設備のインライン化をしなくても、製品入り外袋が、実質的に製袋機を再現することが出来るため、袋体を充填機に高速で供給することが可能となる。よって、充填する者からすれば、製袋機のメンテナンスが不要であり、かつ、実質的にインライン化を再現することが出来る。さらに、製袋を行う者からすれば、袋体の結束作業が不要となり、また、それに伴う検品工程も不要とすることが出来る。
【0043】
さらに製品入り外袋の巻き取り品では、巻取りによって外袋内の空気が脱気されるため、外袋の内壁と袋体との接触状態及び袋体同士の接触状態が運送時においてもずれないため、開封して袋体を取り出すときに、袋体を詰めた状態をそのまま再現することが出来る。
【0044】
仕切りを設けて袋体を少なくとも二列とすることで、袋体が別の列に混ざってしまうことを防止できる。また、袋体を供給するときに、一列のタイプの製品入り外袋と比較して、列の多さに応じて、倍数以上の供給速度を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本実施形態に係る製品入り外袋の第一例を示す正面概略図である。
【
図5】本実施形態に係る製品入り外袋に収容される袋体の一形態を示す正面概略図である。
【
図7】本実施形態に係る製品入り外袋の第二例を示す正面概略図である。
【
図9】本実施形態に係る製品入り外袋の第三例を示す正面概略図である。
【
図11】本実施形態に係る製品入り外袋の第四例を示す正面概略図であって、外袋が剥離可能なシール、接着又は熱溶着によって閉められている形態を示す図である。
【
図13】本実施形態に係る製品入り外袋の第五例を示す正面概略図であって、外袋の量側端部が剥離可能なシール、接着又は熱溶着によって閉められている形態を示す図である。
【
図15】本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品の第一例を示す概略図である。
【
図17】本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品の第一の製造方法を説明するための概略図であり、製品入り外袋が、
図1に示す製品入り外袋である形態を示す図である。
【
図18】本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品の第三の製造方法を説明するための概略図であり、製品入り外袋が、
図9に示す製品入り外袋である形態を示す図である。
【
図19】本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品の第四の製造方法を説明するための概略図であり、製品入り外袋が、
図11に示す製品入り外袋である形態を示す図である。
【
図20】本実施形態に係る袋体の供給方法の一形態を説明するための概略図であり、製品入り外袋の巻き取り品が、第一の製造方法で得られた製品入り外袋の巻き取り品である形態を示す図である。
【
図21】例示的な熱シール器を用いて熱溶着部を形成する方法を説明する概略図である。
【
図22】例示的な熱溶断・シール器を用いて熱溶着封止部を形成する方法を説明する概略図である。
【
図23】開封補助手段としてカットライン付フィルムの形態を説明するための断面概略図である。
【
図24】開封補助手段として基材に薄肉部を設けた形態を説明するための断面概略図である。
【
図25】開封補助手段としてガイドテープ式開口の形態を説明するための断面概略図であり、(a)は、ガイドテープの両側に盛り上り部のない形態、(b)はガイドテープの両側に盛り上り部のある形態、を示した。
【発明を実施するための形態】
【0046】
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
また、[発明を実施するための形態]において、製品入り外袋の具体例として、第一例(図1に図示)、第二例(図7、図8に図示)、第三例(図9、図10に図示)、第四例(図11、図12に図示)及び第五例(図13、図14に図示)の記載があるが、本発明は第二例として説明されており、第一例、第三例、第四例及び第五例は参考例である。
【0047】
(嵌合具付き筒状外袋)
図1~
図4を参照して本実施形態に係る嵌合具付き筒状外袋について説明する。本実施形態に係る嵌合具付き筒状外袋1は、外包装用の嵌合具付き筒状外袋であって、嵌合具付き筒状外袋1は、樹脂フィルムを基材5として筒の長さ方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしており、筒の長さ方向Xに沿って開口する開口部6を少なくとも一つ有し、かつ、開口部6の縁6aに沿って内壁側に嵌合具4を有し、かつ、基材5の向かい合う内壁面同士を筒の長さ方向Xに沿って線状に固定する仕切り46をさらに有し、開口部6は嵌合具4が咬合することによって閉じられ、かつ、嵌合具付き筒状外袋1は横断面が平坦状態でロール巻き、カセ巻き又はつづら折りされている。
【0048】
外包装とは、販売の目的とされる商品(商品のみならず、個別に一次包装された商品を含む。)を複数個の単位で、ひとまとまりに包装する形態(二次包装及び三次包装の両方を包含する。)をいう。また、外袋とは、外包装が特に袋体であることをいう。したがって、実施形態において筒状外袋とは、筒形状を有し、外包装に用いられる袋体をいう。
【0049】
基材5としての樹脂フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂であり、下記<1>~<29>に例示するもののうちから任意のものが採用されるが、本実施形態では特に限定されない。
<1> 高密度ポリエチレン(HDPE)
<2> 中密度ポリエチレン(MDPE)
<3> 低密度ポリエチレン(LDPE)
<4> ポリプロピレン(PP)
<5> ポリ塩化ビニリデン(PVDC)
<6> ポリ塩化ビニル(PVC)
<7> ポリスチレン(PS)
<8> ポリ酢酸ビニル(PVAc)
<9> ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
<10> ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)
<11> AS樹脂(SAN)
<12> アクリル樹脂(PMMA)
<13> ポリアミド(PA)/商品名ナイロン
<14> ポリアセタール(POM)
<15> ポリカーボネート(PC)
<16> 変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE、変性PPE、PPO)
<17> ポリブチレンテレフタレート(PBT)
<18> ポリエチレンテレフタレート(PET)
<19> 環状ポリオレフィン(COP)
<20> ポリフェニレンスルファイド(PPS)
<21> ポリサルフォン(PSF)
<22> ポリエーテルサルフォン(PES)
<23> 非晶ポリアリレート(PAR)
<24> 液晶ポリマー(LCP)
<25> ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
<26> 熱可塑性ポリイミド(PI)
<27> ポリアミドイミド(PAI)
<28> 熱可塑性ポリウレタン(TPU)
<29> フッ素樹脂(PTFE)
また、単層フィルムからなる基材5の厚さは0.2mm~1.5mm程度のものが望ましく、複層フィルムからなる基材5の厚さは0.4~2.0mm程度が望ましい。また、嵌合具付き筒状外袋1は、筒内を広げたときに筒の長さ方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状を有する。内径(直径)は、例えば1.5~65cmであるが、この範囲に限定されない。また、筒形状の上端部及び下端部は、開放されていてもよく、また、剥離可能なシール、接着若しくは熱溶着又は結束されて閉じていてもよい。
【0050】
図1に示すように、開口部6は、筒の長さ方向Xに沿って基材5に設けられている。本実施形態では、嵌合具付き筒状外袋1は開口部6を少なくとも一つ有する。開口部6が1つである場合、基材は開口部を広げることで、1つの帯状のフィルムとなる。
図1~
図6に示した嵌合具付き筒状外袋1は、開口部6を一つ有している。開口部6が2つである場合、基材は開口部を広げることで、2つの帯状のフィルムとなる。ここでこの2つの帯状フィルムの幅が同じ幅を持つように開口部を設けることが好ましい。なお、開口部6は、筒形状の両端にわたって、形成されていることが好ましい。
【0051】
図1に示すように、嵌合具4は、開口部6の縁6aに沿って内壁側に設けられている。嵌合具4は、咬合することによって閉となり、また咬合を外すことで開となる開閉自在の構造を有する限り、いかなる構造であってもよい。例えば、
図3に示すように、嵌合具4は、筒の長さ方向Xに延びる帯状の雌基部4b1と雌部4b2とを有する雌部材4bと、筒の長さ方向Xに延びる帯状の雄基部4a1と雄部4a2とを有する雄部材4aとを有し、雌部4b2に雄部4a2が咬合することによって閉となるチャック構造を有することが好ましい。
図3に示した嵌合具4の雄基部4a1及び雌基部4b1は、基材5の内壁面に接着されている。また、
図4に示すように、嵌合具4は、筒の長さ方向Xに延びる雌部4dと筒の長さ方向Xに延びる雄部4cとを有し、雌部4dに雄部4cが咬合することによって閉となるチャック構造を有していてもよい。
図4に示した嵌合具4の雄部4c及び雌部4dは、基材5と一体に成形されている。本実施形態では、嵌合具4は、
図3及び
図4に示したチャック構造に限定されず、例えば、雌部同士が咬合する構造を有していてもよい。
【0052】
嵌合具付き筒状外袋1は、横断面が平坦状態でロール巻き、カセ巻き又はつづら折りされている。横断面が平坦状態とは、筒形状の内壁面同士が向かい合って接触し合っている状態をいう。ロール巻きされるとは、ボビン巻き、芯巻き及び無芯巻きを包含する。ロール巻き及びカセ巻きされる形態では、嵌合具付き筒状外袋1は、横断面が平坦状態となることで筒内の空間が脱気された状態となるため帯状のような形状となるところ、平らな外壁面同士が接触し合うように巻かれることが好ましい。巻かれた嵌合具付き筒状外袋の嵩を小さくすることが出来る。また、つづら折りされる形態、すなわち、ジグザグ状に畳まれる形態においても、嵌合具付き筒状外袋1は、横断面が平坦状態となることで筒内の空間が脱気された状態となるため帯状のような形状となるところ、平らな外壁面同士が接触し合うように折られて畳まれることが好ましい。つづら折りされた嵌合具付き筒状外袋の嵩を小さくすることが出来る。
【0053】
仕切り46は、少なくとも二列の複数の袋体3,3’を相互に混ざらないことを目的として、外袋内を少なくとも2室に区切る。仕切り46の数を増やすことで外袋内の部屋数を増やすことができる。仕切り46は、外袋の長さ方向Xに延びて設けられる。仕切り46は、例えば、嵌合具タイプの仕切りと熱溶着タイプの仕切りがある。嵌合具タイプの仕切りとは、
図3又は
図4に示した嵌合具とすることができる。着脱自在に仕切りを形成し、また、解消することができる。熱溶着タイプの仕切りは、例えば、仕切り46が向かい合う基材5同士の剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部に相当する形態がある。
図1において仕切り46は、嵌合具4の両脇に、筒の長さ方向Xに延びる2本の直線状の熱溶着部として示されている。仕切り46は、線状の剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部、丸状(ドット状)が複数並べて配置された剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部の形態としてもよい。
【0054】
(製品入り外袋:第一例)
次に
図1~
図6を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋100(第一例)を説明する。本実施形態に係る製品入り外袋100は、製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に積み重ねられた複数個の袋体3,3’を、外包装用の嵌合具付き筒状外袋1で包み込んで、袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋であって、嵌合具付き筒状外袋1は、樹脂フィルムを基材5として筒の長さ方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしており、筒の長さ方向Xに沿って開口する開口部6を少なくとも一つ有し、かつ、開口部6の縁6aに沿って基材5の内壁側に嵌合具4を有し、基材5の向かい合う内壁面同士を筒の長さ方向Xに沿って線状に固定する仕切り46をさらに有し、かつ、嵌合具4は咬合されており、仕切り46によって、嵌合具付き筒状外袋1が複数の内部空間に仕切られ、内部空間一つにつき、積み重ねられた複数個の袋体3,3’の一列が収容されている。
【0055】
本実施形態に係る製品入り外袋100(第一例)では、製品入り外袋100は、フラットのシート状嵌合具付き外包装用の樹脂フィルムとした基材5に製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に積み重ねられた複数個の袋体3,3’を載せ、複数個の袋体3,3’を基材5で包み込んで嵌合具付き筒状外袋1とし、袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化していることが好ましい。
【0056】
本実施形態に係る製品入り外袋100は、外包装用の嵌合具付き筒状外袋1の筒内部に製品である袋体が複数個収容されている。
図5及び
図6に示すように、製品である袋体p1は、開口部8と収容部7を有するプラスチック樹脂製の袋体であり、開口部8の端に沿って、チャック9が設けられている。チャック9は、嵌合構造を有し、例えば、嵌合具付き筒状外袋1の嵌合具4と同様の構造を有していて、開閉自在である。製品である袋体p2,p3,p4,・・・,pn及びp1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’は袋体p1と同じ構造を有する袋体である。製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)は、平坦な構造を有するため、
図2に示すように、一部が重なるように少なくとも二列に積み重ねられた複数個の袋体3,3’の状態とすることが可能である。ここで、複数個の袋体3,3’は、嵌合具付き筒状外袋1において、筒の長さ方向Xに沿って連続でつながっている配列としてもよく、また、間欠で配列、すなわち途中で途切れた箇所を有する配列としてもよい。間欠の配列には、例えば、所定枚数の袋体を一部が重なるように少なくとも二列に積み重ねたのち、隙間を設け、続けて同枚数の袋体を一部が重なるように少なくとも二列に積み重ねたのち、再度隙間を設け、これを繰り返す配列が好ましい。袋体の枚数の確認が容易となる。本実施形態では、一部が重なるように少なくとも二列に積み重ねられた複数個の袋体3,3’は、製品入り外袋100の形態とすることで、一体化されるため、単に「複数個の袋体3,3’」又は「袋体3,3’」と表現することがある。
【0057】
製品入り外袋100は、複数個の袋体3,3’を嵌合具付き筒状外袋1で包み込む。ここで、複数個の袋体3,3’を収容したときの嵌合具付き筒状外袋1の幅は、複数個の袋体3,3’の幅よりもわずかに大きいことが好ましく、例えば、1~10mm大きいことが好ましく、このとき、嵌合具付き筒状外袋1は、嵌合具4を閉じたとき、複数個の袋体3,3’の配列が崩れない程度の保持力を持つことが好ましい。袋体3,3’の積み重ねの状態を保持したままでより一体化できると共に、筒内部に余分な空気が入り込まないので、嵩の増加を抑制することができる。嵌合具付き筒状外袋1は、嵌合具4が咬合されることにより、袋体3,3’を含んだ状態で、一体化する。仕切り46が熱溶着部である形態を示したが、剥離可能なシール部、接着部又は仕切り用嵌合具であってもよい。
【0058】
製品入り外袋100は、複数個の袋体3,3’を運搬若しくは保管またはそれら両方を行うときにバルクとして取り扱うことを可能とするのみならず、製袋機から順次製造される袋体の配列状態を固定化することが可能であるので製袋機と充填機とが異なる場所になったとしても実質的にインライン化の再現をすることを可能とする。
【0059】
嵌合具付き筒状外袋1は、嵌合具4を一つ有し、嵌合具4は、袋体3,3’の積み重ね面の上に位置して、咬合されていることが好ましい。袋体3を外袋で合掌貼りの形態で容易に包むことができ、また、嵌合具4を咬合させやすい。このため、簡易な構造の装置で製造しやすい。また、嵌合具4の咬合を外すときは観音開きの形態で行うことができる。嵌合具4は、袋体3,3’の積み重ね面の中央部に位置していることがより好ましい。咬合させる作業及び咬合を外す作業をより安定して行うことができ、また、ロール巻き、カセ巻き又はつづら折りをより安定して行うことができる。ここで、袋体3,3’の積み重ね面とは、袋体3の積み重ね面、袋体3’の積み重ね面のそれぞれの面のことを指すのではなく、袋体3,3’が少なくとも2列に並んだときに全体で形成する面を指す。袋体3,3’との間の空間も積み重ね面を形成する。
【0060】
(製品入り外袋:第二例)
次に
図7及び
図8を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋200(第二例)を説明する。本実施形態に係る製品入り外袋200では、嵌合具付き筒状外袋11は、嵌合具14を一つ有し、嵌合具14は、袋体13,13’の左右いずれか一方の側端側に位置して、咬合されていることが好ましい。
図8に示すように製品入り外袋200は、嵌合具14の位置が異なり、仕切り46が一つである以外は製品入り外袋100と同様である。すなわち、製品入り外袋200は、複数個の袋体13,13’を嵌合具付き筒状外袋11で包み込み、嵌合具14が咬合されることにより、嵌合具付き筒状外袋11は、袋体13,13’を含んだ状態で、一体化する。製品入り外袋200では、袋体13,13’に対して基材15の密着性がより高まる。製品入り外袋200においても、製品入り外袋100の場合と同様に、複数個の袋体13,13’を収容したときの嵌合具付き筒状外袋11の各内部空間の幅は、複数個の袋体13,13’のそれぞれの幅よりもわずかに大きいことが好ましく、例えば、1~10mm大きいことが好ましい。
図8では嵌合具14が嵌合具付き筒状外袋11の左の側端側に位置していることによって、開口部16は左の側端部に設けられることとなり、左側の縁が開口部16の端部16aとなる。
図8では嵌合具14は嵌合具付き筒状外袋11の左の側端側に位置している形態を示したが、右の側端側に位置させてもよい。仕切り46が熱溶着部である形態を示したが、剥離可能なシール部、接着部又は仕切り用嵌合具であってもよい。
【0061】
(製品入り外袋:第三例)
次に
図9及び
図10を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋300(第三例)を説明する。本実施形態に係る製品入り外袋300では、嵌合具付き筒状外袋21は、嵌合具24a,24bを二つ有し、嵌合具24a,24bは、袋体23,23’の左の側端側及び右の側端側にそれぞれ位置して、咬合されていることが好ましい。
図10に示すように製品入り外袋300は、嵌合具24a,24bが2つあり、かつ、それらの位置が異なり、仕切り46が一つである以外は製品入り外袋100と同様である。すなわち、製品入り外袋300は、複数個の袋体23,23’を嵌合具付き筒状外袋21で包み込み、嵌合具24a,24bが咬合されることにより、嵌合具付き筒状外袋21は、袋体23,23’を含んだ状態で、一体化する。製品入り外袋300では、製品入り外袋200と同様に、袋体23,23’に対して基材25の密着性がより高まる。製品入り外袋300においても、製品入り外袋100の場合と同様に、複数個の袋体23,23’を収容したときの嵌合具付き筒状外袋21の各内部空間の幅は、複数個の袋体23,23’のそれぞれの幅よりもわずかに大きいことが好ましく、例えば、1~10mm大きいことが好ましい。
図10では嵌合具24aが嵌合具付き筒状外袋21の左の側端側に位置していることによって、開口部26は左の側端部に設けられることとなり、左側の縁が開口部26の端部26aとなる。また、嵌合具24bが嵌合具付き筒状外袋21の右の側端側に位置していることによって、開口部27は右の側端部に設けられることとなり、右側の縁が開口部27の端部27aとなる。本実施形態に係る製品入り外袋300は、嵌合具24aと嵌合具24bの咬合をそれぞれ外すことによって、嵌合具付き筒状外袋21の基材25を基材25a(基材の他方25aともいう。)と基材25b(基材の一方25bともいう。)とに、上下に分割して開くので、袋体13を容易に取り出すことができる。仕切り46が熱溶着部である形態を示したが、剥離可能なシール部、接着部又は仕切り用嵌合具であってもよい。
【0062】
(製品入り外袋:第四例)
次に
図11及び
図12を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋400(第四例)を説明する。本実施形態に係る製品入り外袋400は、外袋が剥離可能なシール、接着又は熱溶着によって閉められている。本実施形態に係る製品入り外袋400は、製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に積み重ねられた複数個の袋体33,33’を、外包装用の筒状外袋31で包み込んで、袋体の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋であって、筒状外袋31は、樹脂フィルムを基材35として筒の長さ方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしており、筒の長さ方向Xに沿って切り込み部36を少なくとも一つ有し、かつ、基材35の向かい合う内壁面同士を筒の長さ方向Xに沿って線状に固定した仕切り46をさらに有し、切り込み部36の縁36aに沿って基材35の内壁同士又は内壁と外壁とが剥離可能なシール、接着又は熱溶着されており、仕切り46によって、嵌合具付き筒状外袋31が複数の内部空間に仕切られ、内部空間一つにつき、積み重ねられた複数個の袋体の一列が収容されている。
【0063】
本実施形態に係る製品入り外袋400は、外包装用の筒状外袋31の筒内部に製品である袋体が複数個収容されている。製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)は、製品入り外袋100において説明した袋体(
図5及び
図6に示した袋体p1)と同じである。また、複数個の袋体33,33’の状態は、製品入り外袋100における複数個の袋体3,3’の状態と同じである。
【0064】
製品入り外袋400は、
図12に示すように、複数個の袋体33,33’を筒状外袋31で包み込む。このとき、筒状外袋31は、基材35の内壁38a,38b同士が剥離可能なシール、接着又は熱溶着されていて接合部39を有する。ここで、複数個の袋体33,33’を収容したときの筒状外袋31の各内部空間の幅は、複数個の袋体33,33’のそれぞれの幅よりもわずかに大きいことが好ましく、例えば、1~10mm大きいことが好ましい。筒状外袋31による複数個の袋体33,33’の締め付けの程度は、複数個の袋体33,33’の配列が崩れない程度の保持力を持つようにすることが好ましい。袋体33,33’の積み重ねの状態を保持したままでより一体化できると共に、筒内部に余分な空気が入り込まないので、嵩の増加を抑制することができる。筒状外袋31は、基材35の内壁38a,38b同士が剥離可能なシール、接着又は熱溶着されていることにより、袋体33,33’を含んだ状態で、一体化する。あるいは、筒状外袋31は、基材35の内壁38aと基材の35の外壁38d同士が剥離可能なシール、接着又は熱溶着されていることにより、袋体33,33’を含んだ状態で、一体化してもよい(不図示)。
図12では、仕切り46が熱溶着部である形態を示したが、剥離可能なシール部、接着部又は仕切り用嵌合具であってもよい。本実施形態において、剥離可能なシールとは、イージーピールシールを含む弱粘着性、弱接着性の剥がすことができるシールによる接合であり、接着とは、例えば、糊やテープを含む接着剤による接合であり、熱溶着とは、ヒートシール、超音波、高周波、スポットシール、インパルスシーラーやレーザーによる接合である。なお、剥離可能なシールの場合は、給袋の際に人の手によって作業するときに製品袋体の取り出しや管理がしやすくなる。切り込み部36とは、閉じられた筒状外袋31において接合部39の箇所にある、基材35の胴周り方向における不連続部分を意味している。切り込み部36において、フィルムの接合部39よりも外側において対向するフィルム同士を非接着とした部分を設けてもよく、また、設けなくてもよい。切り込み部36は、筒状外袋31において、
図12に示した1本である形態のみならず、二本以上あってもよい。例えば、
図10における嵌合具24a,24bの位置に相当する箇所にそれぞれ切り込み部を設け、合計二本切り込み部を設ける形態であってもよい(不図示)。なお、第二仕切り41として剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部を設ける場合、上記の剥離可能なシール、接着又は熱溶着と同様である。
【0065】
製品入り外袋400においても、製品入り外袋100,200,300と同様に、複数個の袋体33,33’を運搬若しくは保管またはそれら両方を行うときにバルクとして取り扱うことを可能とするのみならず、製袋機から順次製造される袋体の配列状態を固定化することが可能であるので製袋機と充填機とが異なる場所になったとしても実質的にインライン化の再現をすることを可能とする。
【0066】
筒状外袋31は、基材35を、筒の長さ方向Xに沿ってカットすることにより、袋体33,33’を順次取り出すことが可能となる。カットする箇所は、切り込み部36であることが好ましい。筒状外袋31の開封には、
図12のように接着部39を剥離して開封する方法の他に、例えば、筒状外袋31のフィルムに傷加工又はハーフカット加工などの脆弱部を設け、脆弱部から開封する方法としてもよい。
【0067】
(製品入り外袋:第五例)
次に
図13及び
図14を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋500(第五例)を説明する。本実施形態に係る製品入り外袋500は、製品入り外袋300における仕切り46を仕切り用嵌合具とし、製品入り外袋300における嵌合具24a,24bを切り込み部136,136’に変更した形態である。すなわち、切り込み部136,136’は2つあり、切り込み部136,136’が筒状外袋の側面両端側にそれぞれ配置している。2枚の基材を合わせて、両側端を剥離可能なシール、接着又は熱溶着した形態である。本実施形態に係る製品入り外袋500においても本実施形態に係る製品入り外袋400と同様に、基材を、筒の長さ方向Xに沿ってカットすることにより、袋体を順次取り出すことが可能となる。カットする箇所は、切り込み部136,136’であることが好ましい。筒状外袋の開封には、接着部139,139’を剥離して開封する方法の他に、例えば、筒状外袋のフィルムに傷加工又はハーフカット加工などの脆弱部を設け、脆弱部から開封する方法としてもよい。仕切り46が仕切り用嵌合具である形態を示したが、剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部であってもよい。
【0068】
製品入り外袋の第一例、第二例、第三例、第四例及び第五例において、筒の長さ方向Xに沿って切れ目を形成するための開封補助手段を外袋の内部空間一つにつき少なくとも一つ有することが好ましい。
図23に、開封補助手段96として、カットライン付フィルムの形態を説明するための断面概略図を示す。基材35に開封予定線78となる位置に基材35とは別の第二樹脂領域を設け、第二樹脂領域に薄肉部を設け、第二樹脂領域内の両脇に、玉縁79(79a,79b)を設ける。開封補助手段96を間に挟んだ両側の箇所から基材35を引っ張ることで、開封予定線78が容易に裂けて、開封することができる。
図24に、開封補助手段96として、薄肉部の形態を説明するための断面概略図を示す。基材35に開封予定線78となる薄肉部を設ける。開封補助手段96を間に挟んだ両側の箇所から基材35を引っ張ることで、開封予定線78が容易に裂けて、開封することができる。
図25に、開封補助手段96として、ガイドテープ式開口の形態を説明するための断面概略図を示す。
図25中の(a)は、基材35に1.5~2.5mm幅で、等幅のガイドテープ97を貼り付けた形態(外袋の内壁面側に貼り付ける。)を示し、(b)は、基材35に、1~3mm幅で、等幅のガイドテープ97を貼り付け(外袋の内壁面側に貼り付ける。)、ガイドテープ97の両側の位置に基材35の盛り上り部を設けた形態を示した。ガイドテープ97の末端は、外袋の外側に出されていることが好ましい。ガイドテープ97を外袋の外壁面から遠ざかる方向に引っ張ることで、ガイドテープ97が基材35を破き、外袋を開封することができる。(b)の形態では、盛り上り部を設けたため、より確実且つスムーズに開封することができる。ガイドテープ97は、1本設けられる形態があるが、外袋の収容空間内に2本設けてもよい。この場合、収容空間の両サイドに最大幅で配置することが好ましく、開口幅を最大化することができ、袋体を取り出しやすい。さらに開封補助手段96として、基材15に、開封予定線78となる位置にミシン目を設けてもよい。
【0069】
製品入り外袋の第一例、第二例、第三例、第四例及び第五例において、筒の長さ方向Xに沿った所定の間隔毎に第二仕切りを有し、かつ、第二仕切りによって、複数個の袋体は所定枚数毎に区切られていることが好ましい。第二仕切りを設ける場合には、複数の袋体を非連続として、袋体の非配置部を外袋の収容空間内に配置する。非配置部は、筒の長さ方向Xに沿った所定の間隔毎に設けることが好ましい。非配置部それぞれに第二仕切りを設けることで、第二仕切りが筒の長さ方向Xに等間隔で配置されることとなる。第二仕切りとその隣の第二仕切りとで挟まれる収容空間に収容される複数の袋体は、等枚数であることが好ましい。製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体について、所定枚数、例えば100枚単位で管理したい場合がある。このような場合に、第二仕切りとその隣の第二仕切りとの間に所定枚数の袋体を配置することが容易となる。第二仕切りは、向かい合う基材同士の剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部であることが好ましい。例えば、第二仕切りは、筒の長さ方向Xに直行する方向に延びる直線状の剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部であることが好ましい。第二仕切りは、筒の長さ方向Xに傾いて交差する線状の剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部、丸状(ドット状)の剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部、丸状(ドット状)が複数並べて配置された剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部の形態としてもよい。
【0070】
さらに製品入り外袋の第一例、第二例、第三例、第四例及び第五例において、第二仕切りを設けた箇所に、切り離し用のミシン目をさらに有することが好ましい。第二仕切りとその隣の第二仕切りとの間には所定枚数の袋体を配置することができる。ミシン目で筒状外袋を切り離せば、袋体を所定枚数毎に管理を容易とすることができる。ミシン目は、隣り合うミシン目同士の距離も所定の間隔、すなわち等間隔に設けられることが好ましい。
【0071】
製品入り外袋において、仕切り46を設けた箇所に、切り離し用のミシン目をさらに有することが好ましい。2列以上に収納された製品である外袋を列毎に分離して、別々に取り扱うことが可能となる。切り離し用のミシン目を設ける場合、仕切り46が剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部である場合は、剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部の中央部にミシン目が設けられる、又は、仕切り46を2本平行に設け、その間にミシン目を設けることが好ましい。また、仕切り46が仕切り用嵌合具である場合は、仕切り46を2本平行に設け、その間にミシン目を設けることが好ましい。いずれの場合においても、ミシン目で切り離したとしても、外袋の収容空間を開封することがない。
【0072】
製品入り外袋の第一例、第二例、第三例、第四例及び第五例において、基材5,15,25,35,135の内壁面にはエンボス加工領域部を有することが好ましい。エンボス加工領域部を有することによって、基材と袋体とのズレを抑制することができる。エンボス加工領域部の形態としては、内壁面の全面にエンボス加工がされている形態、内壁面に、筒の長さ方向Xに沿って、少なくとも2列の帯状にエンボス加工がされている形態がある。
【0073】
(製品入り外袋の巻き取り品)
本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品50は、
図15及び
図16に示すように、本実施形態に係る製品入り外袋100,200,300,400,500が、横断面が扁平状態でロール巻きされている。
図15では、ロール巻きの一形態として、ボビン51に製品入り外袋100,200,300,400,500が巻かれている形態を示した。
図15及び
図16において、ボビンは回転軸95を中心として回転させられることで、巻取りが行われる。ボビン51の代わりに円筒状の芯に芯巻きする形態としてもよく(不図示)、また、ボビン51を用いずに、無芯巻きとしてもよい(不図示)。また、製品入り外袋100,200,300,400,500は、横断面が扁平状態でロール巻きする代わりに、横断面が扁平状態でカセ巻き又はつづら折りされていてもよい(不図示)。ここで横断面が扁平状態とは、製品入り外袋100,200,300,400,500に収容された複数個の袋体3,3’,13,13’,23,23’,33,33’,133,133’の平坦面と、筒形状の基材5,15,25,35,135の内壁面とが接触し合っていて、複数個の袋体3,3’,13,13’,23,23’,33,33’,133,133’の断面形状を反映して断面が細長形状となっている状態を言う。
図16では製品入り外袋100,200,300,400,500の横断面が扁平状態、例えばほぼ矩形状態にされている形態が示されている。嵌合具4を有する製品入り外袋100では、ロール巻きされると、嵌合具4が横に倒れた状態、すなわち、基材5に開口部6が横たわるように折れ曲がった状態となる。製品入り外袋100,200,300,400,500は、横断面が扁平状態となることで筒内の空間が脱気された状態となるため帯状のような形状となるところ、製品入り外袋100,200,300,400,500の外壁面同士が接触し合うように巻かれることが好ましい。巻かれた製品入り外袋100,200,300,400,500の嵩を小さくすることが出来る。また、つづら折りされる形態、すなわち、ジグザグ状に畳まれる形態においても、製品入り外袋100,200,300,400,500は、横断面が扁平状態となることで筒内の空間が脱気された状態となるため帯状のような形状となるところ、製品入り外袋100,200,300,400,500の外壁面同士が接触し合うように折られて畳まれることが好ましい。つづら折りされた製品入り外袋100,200,300,400,500の嵩を小さくすることが出来る。
【0074】
(製品入り外袋:第六例)
本実施形態に係る製品入り外袋では、嵌合具付き筒状外袋は、筒形状の長さ方向の両端が熱溶着封止部又は剥離可能なシール部であり、かつ、所定枚数の製品が入っていることが好ましい。熱溶着封止部を設ける場合には、複数の袋体を非連続として、袋体の非配置部を外袋の収容空間内に配置する。非配置部は、筒の長さ方向Xに沿った所定の間隔毎に設けることが好ましい。非配置部それぞれに対して、熱溶断・シール器を用いて溶断し、かつ溶断した縁部を熱溶着封止部とする。溶断された製品入り外袋は、筒の長さ方向Xの長さが揃っている。また、各製品入り外袋に収容される複数の袋体は、等枚数であることが好ましい。各製品入り外袋に収容された袋体の枚数が同数であるため、枚数管理が容易となる。非配置部とその隣の非配置部との間隔には特に制限はないが、例えば10~300cmであり、一定間隔であることが好ましい。袋体の非配置部を設けることで、袋体が誤って外袋とともに溶断されたり、或いは、熱溶着されたりすることを防止することができる。所定の間隔毎に袋体の非配置部を設け、かつ、所定の間隔毎に熱溶着封止部を設けることで、製品入り外袋の長さ(筒形状の長さ方向Xの長さ)が揃うこととなる。溶断前の非配置部の筒形状の長さ方向Xの長さは、2~20cmが好ましく、5~15cmがより好ましい。溶断後の非配置部の筒形状の長さ方向Xの長さは、0.5~10cmが好ましく、1~5cmがより好ましい。本形態における製品入り外袋においても、筒の長さ方向Xに沿って切れ目を形成するための開封補助手段を有することが好ましい。また、本実施形態では、熱溶着封止部45を設ける代わりに、剥離可能なシール部を設けても良い。この場合、まず、剥離可能なシールを、幅をもたせて行なった後、当該剥離可能なシールを切断して、切断した端部に剥離可能なシール部を設ける。
【0075】
熱溶着封止部45は、溶断されていることが必要であるが、封止の形態は、例えば、筒形状の長さ方向Xに直交するように直線状に封止する形態、又は、熱溶着を丸状(ドット状)に形成し、ドットを点線状に並べて封止する形態がある。
【0076】
(製品入り外袋の箱詰め品)
本発明に係る製品入り外袋の箱詰め品は、本発明に係る製品入り外袋であって、筒の長さ方向Xの長さが揃っている複数の製品入り外袋が、整列して箱詰めされていることを特徴とする。所定枚数が入った製品入り外袋が揃えられて箱詰めされているので、箱から製品入り外袋を取り出しやすく、また、製品である袋体の枚数管理が容易となる。箱詰め品とされる製品入り外袋は熱溶着封止部又は剥離可能なシール部を有するタイプの製品入り外袋であることが好ましい。
【0077】
(製品入り外袋の巻き取り品の製造方法)
次に
図17を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品の製造方法について説明する。本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法は、製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に積み重ねられた複数個の袋体3,3’を、外包装用の嵌合具付き筒状外袋1で包み込んで、袋体3,3’の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋の製造方法であって、嵌合具付き筒状外袋は、樹脂フィルムを基材5として筒の長さ方向Xに沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしており、筒の長さ方向Xに沿って開口する開口部6を少なくとも一つ有し、かつ、開口部の縁6aに沿って基材5の内壁側に嵌合具4を有し、かつ、基材5の向かい合う内壁面同士を筒の長さ方向Xに沿って線状に固定する仕切り46をさらに有し、開口部6は嵌合具4が咬合することによって閉じられる構造を有し、かつ、製造方法は、嵌合具付き筒状外袋1を準備する第1工程と、嵌合具4の咬合が外れていてかつ嵌合具付き筒状外袋1が広げられた状態とする第2工程と、基材5の上に、基材5の長手方向Yに沿って、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に袋体を積み重ねていく第3工程と、複数個の袋体3,3’を載せた基材5を基材5の長手方向Yに移動させながら、基材5で複数個の袋体3,3’を包み込むとともに、仕切り46によって、嵌合具付き筒状外袋1を複数の内部空間に仕切り、内部空間一つにつき、積み重ねられた複数個の袋体の一列を収容し、かつ、嵌合具4を咬合して製品入り外袋100を得る第4工程と、を有する。
【0078】
(第一の製造方法)
第一の製造方法において、外包装用の嵌合具付き筒状外袋及び製品入り外袋は、
図1~
図4に示した嵌合具付き筒状外袋1及び製品入り外袋100であり、袋体は、
図5及び
図6に示した袋体p1であり、製品入り外袋100は
図15及び
図16に示したボビン51と同じボビンに巻き取られる。さらに、基材5の長手方向Yは、基材5を基準として、筒の長さ方向Xと同方向である。
【0079】
(第1工程)
ボビン52に巻き取られた外包装用の嵌合具付き筒状外袋1の外袋巻き取り品53を準備する。外包装用の嵌合具付き筒状外袋1は、嵌合具4が咬合していて、嵌合具4が側端に位置するように筒が潰された平坦状態でボビン52に巻き取られている。外包装用の嵌合具付き筒状外袋1を筒の長さ方向Xの方向に繰り出して、ダンスロール61a、ピンチロール62aに送り出す。なお、嵌合具4が基材5と別体の場合は、第1工程は、嵌合具4が接着されていない筒状フィルム又は半切フィルムを準備する工程1Aと筒状フィルム又は半切フィルムに嵌合具テープを取り付ける工程1Bとを含む。
【0080】
(第2工程)
嵌合具4の咬合が外れていてかつ嵌合具付き筒状外袋1が広げられた状態とする。すなわち、ピンチロール62aを通過した外包装用の嵌合具付き筒状外袋1は、爪ガイドロール63によって、嵌合具4の咬合が外され、嵌合具付き筒状外袋1が広げられ、基材5の重なりを無くした状態でピンチロール62bに送られる。
【0081】
(第3工程)
基材5をフラットのシート状として袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)を載せる。具体的には、嵌合具付き筒状外袋1が広げられて、基材5の重なりがない状態とされた基材5の上に、基材5の長手方向Yに沿って、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に袋体を積み重ねていく。
図17では、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)が連続で二列に袋体を積み重ねられていく形態を示した。ここで、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)は、製袋機(不図示)の下流側に位置する搬送コンベア65,65’に1枚ごとに載せられて送られてくる。搬送コンベア65,65’上にある袋体、例えば、袋体(p4、p5、p6、p7),(p4’、p5’、p6’、p7’)を順次、基材5の上に載せていく。
【0082】
(第4工程)
複数個の袋体3,3’を載せた基材5を基材5の長手方向Yに移動させながら、爪ガイドロール63bによって、基材5で複数個の袋体3,3’を包み込むとともに、仕切り46によって、嵌合具付き筒状外袋1を複数の内部空間に仕切り(
図17では2つ)、内部空間一つにつき、積み重ねられた複数個の袋体3,3’の一列を収容し、かつ、嵌合具4を咬合して製品入り外袋100を得る。嵌合具4が咬合された製品入り外袋100は、嵌合具4の根元付近で開口部6を横に寝かせた状態で、タッチロール64、ピンチロール62c、ダンスロール61bに送られることが好ましい。製品入り外袋100の内部が脱気されて、嵩が小さくなる。第4工程では、嵌合具4の両脇にそれぞれ仕切り46を設ける。
【0083】
(第5A工程)
製品入り外袋100は横断面が扁平状態でボビン51に巻き取られて、製品入り外袋の巻き取り品50が得られる。
図17では、ロール巻きの形態を示したが、製品入り外袋100を横断面が扁平状態でカセ巻き又はつづら折りすることとしてもよい。
【0084】
第一の製造方法では、嵌合具付き筒状外袋1は、嵌合具4を一つ有し、第2工程において、基材5を水平に広げ、第4工程において、嵌合具4を袋体3,3’の積み重ね面の上に配置して、さらに咬合している。第一の製造方法によれば、袋体3,3’を外袋1で合掌貼りの形態で容易に包むことができ、また、嵌合具4を咬合させやすい。このため、簡易な構造の装置で製造しやすい。また、嵌合具4の咬合を外すときは観音開きの形態で行うことができる。
【0085】
(第二の製造方法)
次に
図18を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品の第二の製造方法について説明する。ここで外包装用の嵌合具付き筒状外袋及び製品入り外袋は、
図9及び
図10に示した嵌合具付き筒状外袋21及び製品入り外袋300であり、袋体は、
図5及び
図6に示した袋体p1であり、製品入り外袋300は
図15及び
図16に示したボビン51と同じボビンに巻き取られる。さらに、基材25の長手方向Yは、基材25を基準として、筒の長さ方向Xと同方向である。
【0086】
(第1工程)
ボビン56に巻き取られた外包装用の嵌合具付き筒状外袋21の外袋巻き取り品55を準備する。外包装用の嵌合具付き筒状外袋21は、嵌合具を二つ有し、嵌合具4a,4bが咬合していて、嵌合具4a,4bが両側端にそれぞれ位置するように筒が潰された平坦状態でボビン56に巻き取られている。外包装用の嵌合具付き筒状外袋21を筒の長さ方向Xの方向に繰り出して、爪開き66に送り出す。なお、嵌合具4a,4bが基材25と別体の場合は、第1工程は、嵌合具4a,4bが接着されていない筒状フィルム又は半切フィルムを準備する工程1Aと筒状フィルム又は半切フィルムに嵌合具テープを取り付ける工程1Bとを含む。
【0087】
(第2工程)
爪開き66を通過した外包装用の嵌合具付き筒状外袋21について、嵌合具4a,4bの咬合が外れることによって2つに分かれた基材25の一方25bを水平に広げ、基材の他方25aを、基材の一方25bの上方で水平に広げる。基材の一方25bはピンチロール62aに送られる。基材の他方25aもピンチロール(不図示)に送られる。
【0088】
(第3工程)
基材の一方25bをフラットのシート状とすると共に、基材の一方25bの幅方向の両端側に位置する嵌合具24a,24bが袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)の左の側端側及び右の側端側にそれぞれ位置するように、袋体を基材の一方25bの上に載せることが好ましい。すなわち、基材の一方25bが広げられて、長手方向Yに沿って、位置合せ装置68によって、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に袋体を積み重ねていく。
図18では、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)が連続で二列に袋体を積み重ねられていく形態を示した。ここで、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)は、製袋機(不図示)の下流側に位置する搬送コンベア65に1枚ごとに載せられて送られてくる。搬送コンベア65上にある袋体、例えば、袋体(p4、p5、p6、p7),(p4’、p5’、p6’、p7’)を順次、基材の一方25bの上に載せていく。
【0089】
(第4工程)
複数個の袋体23,23’を基材の一方25bに載せた状態で長手方向Yに移動させながら、同時に長手方向Yに移動させてきた基材の一方25bを被せるとともに、仕切り46によって、嵌合具付き筒状外袋21を複数の内部空間に仕切り(
図18では2つ)、内部空間一つにつき、積み重ねられた複数個の袋体23,23’の一列を収容し、かつ、爪掛け67によって嵌合具24a,24bを咬合することが好ましい。嵌合具24a,24bの咬合によって、製品入り外袋300を得る。嵌合具24a,24bが咬合された製品入り外袋300は、ピンチロール62b,62cを通過する際に、製品入り外袋300の内部が脱気されて、嵩が小さくなる。外包装用の嵌合具付き筒状外袋21を、基材の一方25bと基材の他方25aとして、上下に分割し、その間に袋体23を配置して、元通りに閉じるという簡易な動作で、筒状外袋21の中に袋体23,23’を入れることが出来る。第4工程では、
図10に示すように、筒状外袋21の幅方向の中心部に仕切り46を設ける。
【0090】
(第5A工程)
製品入り外袋300は横断面が扁平状態でボビン51に巻き取られて、製品入り外袋の巻き取り品57が得られる。
図18では、ロール巻きの形態を示したが、製品入り外袋300を横断面が扁平状態でカセ巻き又はつづら折りすることとしてもよい。
【0091】
次に
図19を参照して、本実施形態に係る製品入り外袋であって、外袋が嵌合具を有さないタイプの筒状外袋を用いる製品入り外袋の巻き取り品の製造方法について説明する。本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法は、製品である袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に積み重ねられた複数個の袋体33,33’を、外包装用の筒状外袋31で包み込んで、袋体33,33’の積み重ねの状態を保持したままで一体化した製品入り外袋の製造方法であって、基材35として等幅の帯状の樹脂フィルムを準備する工程Aと、基材35を広げた状態とする工程Bと、基材35の上に、基材35の長手方向Yに沿って、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に袋体を複数積み重ねていく工程Cと、複数個の袋体33,33’を載せた基材35を基材35の長手方向Yに移動させながら、基材35で複数個の袋体33,33’を包み込むとともに、基材35の向かい合う内壁面同士を筒の長さ方向Xに沿って線状に固定する仕切り46を設けることによって、筒状外袋31を複数の内部空間に仕切り、内部空間一つにつき、積み重ねられた複数個の袋体33,33’の一列を収容し、かつ、基材35の幅方向の両端の縁35a,35bに沿って基材35の内壁同士38a,38b又は内壁38aと外壁38dとが剥離可能なシール、接着又は熱溶着することで、基材35を筒状に成形して製品入り外袋400を得る工程Dと、を有する。
【0092】
(第三の製造方法)
(工程A)
引き続き
図19を参照して、第三の製造方法についてさらに詳細に説明する。基材35として等幅の帯状の樹脂フィルムを準備する。
図19においては、インフレーションフィルム成形によって製造された筒状の樹脂フィルムであって、筒の長さ方向に沿って同一内径で連続して延びた筒形状をなしている筒状外袋31がボビン59に巻かれた筒状外袋31の巻取り品58を一つ準備する。
図19においては、筒状外袋31を筒の長さ方向Xの方向に繰り出して、ダンスロール61a、ピンチロール62aに送り出す。
【0093】
(工程B)
基材35を広げた状態とする。筒の長さ方向に沿って胴部の一箇所に切れ目を入れることで、等幅の帯状の樹脂フィルムが得られる。すなわち、ピンチロール62aを通過した筒状外袋31は、ガイドロール74を通過した後、カッター72によって、筒の長さ方向に沿って胴部の一箇所に切れ目を入れられ、ガイドロール73によって基材35を水平に広げた状態とし、基材35の重なりを無くした状態でピンチロール62bに送られる。或いは、工程Aにおいて、切断後の等幅の帯状の樹脂フィルムをボビンに巻いた巻き取り品を準備して、工程Bにおいて、カッターを使用せずに、そのまま水平に広げた状態で、ピンチロール62bに送ってもよい。
【0094】
(工程C)
基材35をフラットのシート状として袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)を載せる。具体的には、広げられた基材35の上に、基材35の長手方向Yに沿って、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)の一部が重なるように連続又は間欠で少なくとも二列に袋体を複数積み重ねていく。
図19では、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)が連続で二列に袋体を積み重ねられていく形態を示した。ここで、袋体(p1,p2,p3,p4,・・・,pn),(p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’)は、製袋機(不図示)の下流側に位置する搬送コンベア65,65’上に1枚ごとに載せられて送られてくる。搬送コンベア65,65’上にある袋体、例えば、袋体(p4、p5、p6、p7),(p4’、p5’、p6’、p7’)を順次、基材35の上に載せていく。
【0095】
(工程D)
複数個の袋体33,33’を載せた基材35を基材35の長手方向Yに移動させながら、ガイドロール63bによって、基材35で複数個の袋体33,33’を包み込むとともに、基材35の向かい合う内壁面同士を筒の長さ方向Xに沿って線状に固定する仕切り46を設けることによって、筒状外袋31を複数の内部空間に仕切り、内部空間一つにつき、積み重ねられた複数個の袋体33,33’の一列を収容し、かつ、基材35の幅方向の両端の縁35a,35bに沿って、ヒートシール機69によって、基材35の内壁同士38a,38bとを剥離可能なシール、接着又は熱溶着することで接合部39を形成し、基材35を筒状に成形して製品入り外袋400を得る。ここで、基材35の幅方向の両端の縁を袋体33,33’の積み重ね面の上に配置して、剥離可能なシール、接着又は熱溶着することが好ましい。袋体33,33’を外袋で合掌貼りの形態で容易に包むことができ、また、剥離可能なシール、接着又は熱溶着を行いやすい。このため、簡易な構造の装置で製造しやすい。製品入り外袋400において、複数個の袋体33,33’は、外包装用の筒状外袋31によって包み込まれた状態となっている。ヒートシールされた製品入り外袋400は、タッチロール64、ピンチロール62c、ダンスロール61bに送られることが好ましい。このとき、接合部39は横に寝かされた状態とされて送られる。製品入り外袋400の内部が脱気されて、嵩が小さくなる。
図19では、基材35の内壁同士38a,38bを剥離可能なシール、接着又は熱溶着する形態を示したが、内壁38aと外壁38dとを剥離可能なシール、接着又は熱溶着する形態、又は、内壁38bと外壁38cとを剥離可能なシール、接着又は熱溶着する形態としてもよい。
図19では、ヒートシール機69によって、ヒートシールする形態を示したが、糊付けによる接着を行ってもよい。工程Aにおいて、筒状外袋31の巻取り品58を用いる形態、及び、切断後の等幅の帯状の樹脂フィルムをボビンに巻いた巻き取り品を用いる形態のいずれの形態であっても、接合部39を形成したあとは、複数個の袋体33,33’は外包装用の筒状外袋31によって包み込まれた状態とすることができる。第4工程では、
図12に示すように、接合部39の両脇にそれぞれ仕切り46を設けることが好ましい。
【0096】
(第5A工程)
製品入り外袋400は横断面が扁平状態でボビン51に巻き取られて、製品入り外袋の巻き取り品70が得られる。
図19では、ロール巻きの形態を示したが、製品入り外袋400を横断面が扁平状態でカセ巻き又はつづら折りすることとしてもよい。
【0097】
(第四の製造方法)
次に第六の製造方法について説明する。第六の製造方法は、第二の製造方法において、嵌合具を咬合して製品入り外袋を得る代わりに、基材を剥離可能なシール、接着又は熱溶着して製品入り外袋を得ること以外は同様の製造方法である。すなわち、工程Aにおいて、基材を2つ準備し、工程Bにおいて、基材の一方を水平に広げ、基材の他方を、基材の一方の上方で水平に広げ、工程Cにおいて、基材の一方の幅方向の両端が袋体の左の側端側及び右の側端側にそれぞれ位置するように、基材の一方をフラットのシート状とすると共に、袋体を基材の一方の上に載せ、工程Dにおいて、基材の他方を袋体に被せて、基材の一方と基材の他方とを接合する。2つの基材を上下に配置し、その間に袋体を配置して閉じるという簡易な動作で、外袋の中に袋体を入れることが出来る。この形態では、基材の接合部は、袋体33,33’の両側の側端側に位置することとなる。
【0098】
(第五の製造方法)
製品入り外袋500(第五例)の製造方法は次のように行う。第四の製造方法のA工程において、基材の幅方向の中心部に仕切り46として仕切り用嵌合具を有し、基材の幅方向の両端には嵌合具を有さない基材を用い、D工程において、仕切り用嵌合具を嵌合させることで仕切りを完成させ、かつ、基材の幅方向の両端をそれぞれ剥離可能なシール、接着又は熱溶着する。
【0099】
本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法では、仕切り46は、仕切り用嵌合具である形態、向かい合う基材同士の剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部である形態の両方を含む。
【0100】
本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法では、仕切り46を分割するようにカットすることで、一列の積み重ねられた複数個の袋体が収容された製品入り外袋を得る工程をさらに有する形態を含む。分割する具体的形態としては、例えば、剥離可能なシール部、接着部又は熱溶着部の中央部でカットして分割する形態、仕切り用嵌合具を2本平行に設け、その間をカットする形態がある。
【0101】
(第二仕切りを設けた製品入り外袋の製造方法)
本実施形態に係る製品入り外袋の製造方法では、第3工程又はC工程において、基材の上に、基材の長手方向に沿って、袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に該袋体を積み重ねていき、かつ、袋体が所定枚数積み重ねられる毎に袋体を配置しない非配置部を所定の間隔毎に設け、第4工程又はD工程の後に、製品入り外袋に対して、非配置部に相当する箇所に第二仕切りを設ける仕切り形成工程をさらに有することとしても良い。製品である袋体の一部が重なるように連続又は間欠で一列に積み重ねられた複数個の袋体について、所定枚数、例えば100枚単位で管理したい場合がある。このような場合に、第二仕切りとその隣の第二仕切りとの間に所定枚数の袋体を配置することが容易となる。第二仕切りは、非配置部に相当する箇所に熱シール器を押し付けながら、向かい合う基材の内壁面同士を熱溶着することで形成することが好ましい。或いは、向かい合う基材の内壁面同士を接着させることによって仕切りを形成してもよい。そして、仕切りの両脇に非配置部が配置されるようにすることがより好ましい。
【0102】
第二仕切りを設けた箇所に、切り離し用のミシン目をさらに設けてもよい。筒状外袋には、製品である袋体が所定枚数収容されており、ミシン目を切り離すことにより、小分け管理がしやすくなる。切り離し用のミシン目は、第二仕切りを設けた後に形成することが好ましい。切り離し用のミシン目が第二仕切りを熱溶着によって形成する際に消失することを防止することができる。
【0103】
(熱溶着封止部を有する製品入り外袋の製造方法)
例えば第六例の製品入り外袋の製造方法では、第3工程又はC工程において、袋体が所定枚数積み重ねられる毎に該袋体を配置しない非配置部を所定の間隔毎に設け、かつ、第4工程又は前記D工程の後に、非配置部に相当する箇所を溶断するとともに、溶断した端部に熱溶着封止部を形成して、所定枚数が入っている製品入り外袋を得る溶断工程と、を有することとしてもよい。熱溶着封止部を形成するための工程を、
図22を参照して説明する。熱溶断・シール器98は、例えば、筒状の長さ方向Xに沿って、低温部98a、高温部98b、低温部98aの順に温度の異なる3領域を有する。高温部98bによって、基材の熱溶断を行い(溶断箇所を符号19で示した。)、低温部98aによって向かい合う基材の内壁面同士を熱溶着し、封止する(熱溶着封止部を符号45で示した。)。溶断箇所の隣には熱溶着封止部が配置されることとなる。熱溶着封止部の隣には非配置部40が配置されるようにすることがより好ましい。さらに、この製造方法において、非配置部に相当する箇所に目印を印字する工程を更に有し、かつ、熱溶着封止部を形成する工程において、目印の箇所を検知すると、基材を溶断すると共に熱溶着封止部を形成する工程を開始することが好ましい。目印を検知すると、溶断・熱溶着封止部形成の工程を開始するため、目印から10~15mmずれて熱溶着封止部が形成される。本実施形態において「封止」とは、筒状外袋の長さ方向の両端をそれぞれ完全密閉することのみならず、外袋から袋体が飛び出てしまうことを防止する程度に塞がれていることを含む。熱溶着封止部45を設ける代わりに、剥離可能なシール部を設けても良い。剥離可能なシール部の形成工程では、非配置部に相当する箇所に剥離可能なシールを行い、続いて切断をすることによって端部に剥離可能なシール部を形成して、製品入り外袋を得る。
【0104】
(袋体の供給方法)
図20を参照して、本実施形態に係る袋体の供給方法について説明する。本実施形態に係る袋体の供給方法は、本実施形態に係る製品入り外袋100又は本実施形態に係る製品入り外袋の巻き取り品50の外袋を引き出しながら咬合部分又は外袋のうち咬合部分以外の箇所を開口する第6A工程と、開口された外袋の中の袋体3,3’を順々に充填機に供給する第7A工程と、を有する。製品入り外袋として、製品入り外袋200,300,400,500を用いてもよい。また、製品入り外袋の巻き取り品として、製品入り外袋の巻き取り品54,57,70を用いてもよい。製品入り外袋400又は製品入り外袋の巻き取り品70を用いた場合には、外袋を引き出しながら接合部又は外袋のうち接合部以外の箇所を開口する。さらに製品入り外袋のつづら折り品を用いてもよい。外袋のうち咬合部分以外の箇所、接合部、又は外袋のうち接合部以外の箇所を開口する場合には、カッターを用いて開口することが好ましい。また、外袋のうち咬合部分以外の箇所、接合部、又は外袋のうち接合部以外の箇所に脆弱部を設けた場合には、脆弱部から開封してもよい。熱溶着封止部の代わりに弱粘着性、弱接着性の剥離可能なシール部を設けた場合、当該シール部を容易に開封することができる。人の手によって開封作業を行なう場合には、作業効率が向上する。
【0105】
外袋は、開封補助手段96を用いて開封してもよい。第二仕切り41は開封する際に剥がしてもよい。
【0106】
(第6A工程)
図20に示すように、製品入り外袋100又は製品入り外袋の巻き取り品50の外袋の製造工程とは逆の工程を進める。すなわち、製品入り外袋の巻き取り品50をダンスロール80、ピンチロール81、タッチロール82に送り、続いて、ガイドロール83によって、横に寝かせられている嵌合具4を起こす。続いて爪ガイドロール84に雌部材4bと雄部材4aとをそれぞれガイドさせて、嵌合具4の咬合部分又は外袋のうち咬合部分以外の箇所を外して開口する。なお、製品入り外袋400又は製品入り外袋の巻き取り品70を用いる場合には外袋を引き出しながら接合部又は外袋のうち接合部以外の箇所を開口する。第6A工程では、袋体3,3’を詰めた状態をそのまま再現することができている。なお、外袋1は、ピンチロール87、タッチロール93に送られ、さらに、ボビン91で巻き取られ、外袋1の巻き取り品90となる。外袋1の巻き取り品90に巻かれた使用後の外袋1は廃棄される。
【0107】
(第7A工程)
開口された外袋1の中の袋体3,3’を順々に充填機に供給する。ここで、基材5に載せられた袋体3,3’の先頭の袋体p4,p4’を袋検知具86で検知し、吸着具85によって取り出し、位置決め装置92の一端側に載せられて袋体p3,p3’となる。位置決め装置92の一端側に載せられた袋体p3,3’は、吸着具88で位置決め装置92の他端側に移動させられ袋体p2となる。袋体p2,p2’の位置に袋体が存在するかどうかは袋検知具89によって検知する。そして、袋体p2,p2’は、充填機(不図示)に、袋体p1,p1’として供給される。
【0108】
第6A工程及び第7A工程において、製品入り外袋100又は製品入り外袋の巻き取り品50が、実質的に製袋機を再現することが出来ていて、袋体3,3’を充填機に高速で供給することが可能となる。すなわち、充填機において、実質的に製袋機のインライン化を再現出来ているといえる。そして、袋体の結束作業が不要となり、また、それに伴う検品工程も不要であることがわかる。
【0109】
本実施形態は、複数の形態があり、本発明の効果を奏する範囲において、各実施形態の一部を適宜入れ替えして、変形することが可能である。
【0110】
本実施形態においては、嵌合具付き筒状外袋を用いて、複数個の袋体を包むことによって製品入り外袋とした形態を説明したが、製品として
図7及び
図8に示した袋体に限定されず、例えば、カード形状の製品にも適用することができ、また、カード形状を有していない製品を等間隔で少なくとも二列に配列させて、その状態を保持するように嵌合具付き筒状外袋又は筒状外袋で包むことも可能である。
【符号の説明】
【0111】
100,200,300,400,500 製品入り外袋
1,11,21 嵌合具付き筒状外袋
(p1,p2,p3,p4,・・・,pn) (p1’,p2’,p3’,p4’,・・・,pn’) 袋体
3,13,23,33,133,3’,13’,23’,33’,133’ 複数個の袋体(袋体)
4,14,24a,24b嵌合具
4a1 雄基部
4a2,4c 雄部
4a 雄部材
4b1 雌基部
4b2,4d 雌部
4b 雌部材
5,15,25,35 基材
25b 基材の一方
25a基材の他方
6,16,26,27 外袋の開口部
6a,16a,26a,27a 外袋の開口部の縁
7 収容部
8 袋体の開口部
9 チャック
19 溶断箇所
20 領域
31 筒状外袋(嵌合具なし)
35a,35b 基材の幅方向の両端の縁
36,36’ 切り込み部
36a 切り込み部の縁
38a,38b 内壁
38c,38d 外壁
39 接合部
40 袋体の非配置部
41 第二仕切り
43 熱シール器
45 熱溶着封止部
46 仕切り
50,54,57,70 製品入り外袋の巻き取り品
58 筒状外袋の巻取り品
51,56,59,91 ボビン
61a,61b,80 ダンスロール
62a,62b,62c,81,87 ピンチロール
63,63b,84 爪ガイドロール
64,82,93 タッチロール
65,65’ 搬送コンベア
66 爪開き
67 爪掛け
68 位置合せ装置
69 ヒートシール機
72 カッター
73,74,84 ガイドロール
77 箱
78 開封予定線(薄肉部)
79(79a,79b) 玉縁
85 吸着具
86 袋検知具
89 袋検知具
90 外袋の巻き取り品
92 位置決め装置
95 ボビンの回転軸
96 開封補助手段
97 ガイドテープ
98 熱溶断・シール器
98a 低温部
98b 高温部
99 箱詰め品
135a,135b 基材の幅方向の両端の縁
136,136’ 切り込み部
136a,136a’ 切り込み部の縁
138a,138b,138a’,138b’ 内壁
138c,138d,138c’,138d’ 外壁
139,139’ 接合部
X 筒の長さ方向
Y 基材の長手方向