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特許7369275光学式手ぶれ補正モジュール及び電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】光学式手ぶれ補正モジュール及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20231018BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20231018BHJP
   H02K 33/16 20060101ALI20231018BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20231018BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20231018BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B30/00
H02K33/16 B
H04N23/50
H04N23/68
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022510939
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-01
(86)【国際出願番号】 CN2020083671
(87)【国際公開番号】W WO2021031577
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】201921349981.5
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】クオ,リー‐トーァ
(72)【発明者】
【氏名】リー,クゥニー
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ホーンボー
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ジエンウエン
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-140285(JP,A)
【文献】特開2015-106104(JP,A)
【文献】特開2014-167603(JP,A)
【文献】中国実用新案第204536703(CN,U)
【文献】特開2015-080253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00 - 5/08
H04N 5/222 - 5/257
H04N 23/40 - 23/76
H04N 23/90 - 23/959
G03B 17/56 - 17/58
G02B 7/02 - 7/16
G03B 29/00 - 30/00
H02K 33/00 - 33/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学式手ぶれ補正モジュールであって、当該光学式手ぶれ補正モジュールは、
環状構造であり且つ中空のキャビティを形成する第1のブラケットと、
前記キャビティ内に配置され且つ前記第1のブラケットに固定された光学レンズモジュールであって、該光学レンズモジュールの光軸が前記キャビティの中心軸線に対して平行である、前記光学レンズモジュールと、
前記第1のブラケットの外側に入れ子にされる第2のブラケットと、
前記第1のブラケットと前記第2のブラケットとの間に配置された第1の接続アセンブリであって、前記第1のブラケット及び前記第2のブラケットは、前記第1の接続アセンブリを使用して第1の回転軸線の周りに回転接続を形成し、前記第1の回転軸線は前記光軸に直交する、前記第1の接続アセンブリと、
前記第2のブラケットの外側に入れ子にされる第3のブラケットと、
前記第2のブラケットと前記第3のブラケットとの間に配置された第2の接続アセンブリであって、前記第2のブラケット及び前記第3のブラケットは、前記第2の接続アセンブリを使用して第2の回転軸線の周りに回転接続を形成し、前記第2の回転軸線は前記光軸及び前記第1の回転軸線に直交する、前記第2の接続アセンブリと、を含
当該光学式手ぶれ補正モジュールは、
前記第1のブラケットと前記第2のブラケットとの間に配置された第1の駆動アセンブリと、
前記第2のブラケットと前記第3のブラケットとの間に配置された第2の駆動アセンブリと、をさらに含み、
前記第1の駆動アセンブリは、前記第1の回転軸線からオフセットされており、且つ前記第2の回転軸線に直交する面において該第2の回転軸線からオフセットして配置されており、前記第1の駆動アセンブリは、前記第1のブラケット及び前記第2のブラケットを駆動して前記第1の回転軸線の周りに相対回転を発生させるように構成され、
前記第2の駆動アセンブリは、前記第2の回転軸線からオフセットされており、且つ前記第1の回転軸線に直交する面において該第1の回転軸線からオフセットして配置されており、前記第2の駆動アセンブリは、前記第2のブラケット及び前記第3のブラケットを駆動して前記第2の回転軸線の周りに相対回転を発生させるように構成される、
光学式手ぶれ補正モジュール。
【請求項2】
当該光学式手ぶれ補正モジュールは2つの第1の接続アセンブリを含み、該2つの第1の接続アセンブリは、前記第1の回転軸線に沿って通過し、且つ前記第1のブラケットと前記第2のブラケットとの間で前記第2の回転軸線に対して対称的に配置される、請求項1に記載の光学式手ぶれ補正モジュール。
【請求項3】
当該光学式手ぶれ補正モジュールは2つの第2の接続アセンブリを含み、該2つの第2の接続アセンブリは、前記第2の回転軸線に沿って通過し、且つ前記第2のブラケットと前記第3のブラケットとの間で前記第1の回転軸線に対して対称的に配置される、請求項1に記載の光学式手ぶれ補正モジュール。
【請求項4】
少なくとも2つの第1の駆動アセンブリがあり、前記第1の駆動アセンブリは、前記第1のブラケットと前記第2のブラケットとの間で前記第1の回転軸線に対して対称的に配置される、請求項に記載の光学式手ぶれ補正モジュール。
【請求項5】
少なくとも2つの第2の駆動アセンブリがあり、前記第2の駆動アセンブリは、前記第2のブラケットと前記第3のブラケットとの間で前記第2の回転軸線に対して対称的に配置される、請求項に記載の光学式手ぶれ補正モジュール。
【請求項6】
電子装置であって、当該電子装置は、
少なくとも1つのカメラホールを含むハウジングと、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の少なくとも1つの光学式手ぶれ補正モジュールであって、前記カメラホールに配置される光学式手ぶれ補正モジュールと、
前記光学式手ぶれ補正モジュールの光出口側に配置されたイメージセンサと、
モジュール式フレキシブルプリント回路基板(FPC)であって、該モジュール式FPCは前記イメージセンサに電気的に結合され、前記モジュール式FPCにはさらに導電性端子が設けられる、前記モジュール式FPCと、
前記ハウジング内に配置されたプリント回路基板(PCB)であって、該PCBには導電性ソケットが設けられ、前記導電性端子は前記導電性ソケットにプラグ接続される、前記PCBと、を含む、
電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、光学式手ぶれ補正技術の分野、特に、光学式手ぶれ補正モジュール及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ショート(短い)ビデオ、ビデオウェブログ(VLOG)、及びライブビデオストリーミング等の新しいメディアモード及び新しいソーシャルインタラクションパターンの人気に伴い、ビデオを撮ることによって人生(life:生活)の瞬間を記録し又は他の人と一緒に共有することを好むユーザの数が増加している。ユーザが高品質のビデオを撮影できるようにするために、ハードウェアメーカは、光学式手ぶれ補正モジュールと、光学式手ぶれ補正(OIS)機能を有する電子装置とを提供している。
【0003】
現在、光学式手ぶれ補正機能を有する光学式手ぶれ補正モジュールには、レンズ及びボイスコイルモータが含まれている。図1に示されるように、レンズ010は、ボイスコイルモータ(VCM)020を使用して水平に移動することができ、それにより、振動によって引き起こされる変位を相殺して、光学式手ぶれ補正を実現する。ボイスコイルモータ020は、レンズ010及びレンズ010の下に配置されたコイル022を支持するように構成された4本の吊り下げワイヤ021を含む。コイル022に通電することによって発生した磁場によって、光学式手ぶれ補正モジュールが、水平方向に移動して揺れを相殺して、手ぶれ補正を実現する。しかしながら、吊り下げワイヤ構造ではレンズの水平変位しかできないため、レンズの手ぶれ補正角度が比較的小さく、ケラレ及び光軸オフセット等の問題が発生し易くなっている。また、レンズの光学特性に対する電子装置の要求が高まるにつれ、レンズのサイズ及び重量も大きくなっている。しかしながら、比較的強度が低いため、吊り下げワイヤ構造は、比較的小さいサイズ及び比較的軽いレンズしか担持することができず、比較的大きいサイズ及び比較的重いレンズを担持することができない。また、電子装置が落下したり、ぶつかったりすると、吊り下げワイヤ構造が破損し易くなり、これにより、光学式手ぶれ補正モジュールが機能しなくなり、さらには光学式手ぶれ補正モジュールが正常に動作しなくなる。
【発明の概要】
【0004】
本願は、光学式手ぶれ補正モジュール及び電子式装置を提供し、光学式手ぶれ補正モジュール及び光学式手ぶれ補正モジュールを備えた電子装置が小さい手ぶれ補正角度及び強度の弱い構造を有するという従来技術の問題を解決する。
【0005】
第1の態様では、本願は、光学式手ぶれ補正モジュールを提供する。光学式手ぶれ補正モジュールは、環状構造であり且つ中空のキャビティを形成する第1のブラケットと;キャビティ内に配置され且つ第1のブラケットに固定された光学レンズモジュールであって、光学レンズモジュールの光軸がキャビティの中心軸線に対して平行である、光学レンズモジュールと;第1のブラケットの外側に入れ子にされる第2のブラケットと;第1のブラケットと第2のブラケットとの間に配置された第1の接続アセンブリであって、第1のブラケット及び第2のブラケットは、第1の接続アセンブリを使用して第1の回転軸線の周りに回転接続を形成し、第1の回転軸線は光軸に直交する、第1の接続アセンブリと;第2のブラケットの外側に入れ子にされる第3のブラケットと;第2のブラケットと第3のブラケットとの間に配置された第2の接続アセンブリであって、第2のブラケット及び第3のブラケットは、第2の接続アセンブリを使用して第2の回転軸線の周りに回転接続を形成し、第2の回転軸線は光軸及び第1の回転軸線に直交する、第2の接続アセンブリと;を含む。
【0006】
本願で提供する光学式手ぶれ補正モジュールは、様々な電子装置、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、航空写真撮影用航空機、パン・チルト・ズーム装置、及びモーションカメラに適用することができる。電子装置は、写真又はビデオを撮影する際に、ジャイロスコープ等のセンサによって測定した電子装置の姿勢データ(例えば、角加速度)を取得し、姿勢データに基づいて電子装置の第1の回転軸線及び第2の回転軸線に対応する角度変化量を生成する。光学式手ぶれ補正モジュールの第1の駆動アセンブリは、第1の回転軸線の角度変化量に基づいて、第1のブラケット及び光学レンズモジュールを第2のブラケットに対して回転させるように駆動し、そして光学式手ぶれ補正モジュールの第2の駆動アセンブリは、第2の回転軸線の角度変化量に基づいて、第2のブラケットを第3のブラケットに対して回転させるように駆動する。このようにして、電子装置の揺れによって引き起こされる光学レンズモジュールの角度変化が補償されるので、光学レンズモジュールは元の視野を維持し、それにより、大角度の光学式手ぶれ補正を実現する。さらに、光学レンズモジュールの2つの回転軸線は、互いに影響を受けることなく独立して分離されるため、手ぶれ補正プロセスで発生する可能性のある姿勢の変化を排除する。
【0007】
オプションで、本願で提供する光学式手ぶれ補正モジュールは、2つの第1の接続アセンブリを含み、2つの第1の接続アセンブリは、第1の回転軸線に沿って通過(passed through by)し、且つ第1のブラケットと第2のブラケットとの間で第2の回転軸線に対して対称的に配置される。
【0008】
オプションで、本願で提供する光学式手ぶれ補正モジュールは、2つの第2の接続アセンブリを含み、2つの第2の接続アセンブリは、第2の回転軸線に沿って通過し、第2のブラケットと第3のブラケットとの間で第1の回転軸線に対して対称的に配置される。
【0009】
オプションで、本願で提供する光学式手ぶれ補正モジュールは、第1のブラケットと第2のブラケットとの間に配置された第1の駆動アセンブリをさらに含み、第1の駆動アセンブリは、第1の回転軸線からオフセットされており、且つ第1のブラケット及び第2のブラケットを駆動して第1の回転軸線の周りに相対回転を発生させるように構成される。
【0010】
オプションで、本願で提供する光学式手ぶれ補正モジュールは、第2のブラケットと第3のブラケットとの間に配置された第2の駆動アセンブリをさらに含み、第2の駆動アセンブリは、第2の回転軸線からオフセットされており、且つ第2のブラケット及び第3のブラケットを駆動して第2の回転軸線の周りに相対回転を発生させるように構成される。
【0011】
オプションで、本願で提供する光学式手ぶれ補正モジュールは、少なくとも2つの第1の駆動アセンブリを含み、第1の駆動アセンブリは、第1のブラケットと第2のブラケットとの間で第1の回転軸線に対して対称的に配置される。
【0012】
オプションで、本願で提供する光学式手ぶれ補正モジュールは、少なくとも2つの第2の駆動アセンブリを含み、第2の駆動アセンブリは、第2のブラケットと第3のブラケットとの間で第2の回転軸線に対して対称的に配置される。
【0013】
第2の態様では、電子装置が提供され、この電子装置は、少なくとも1つのカメラホールを含むハウジングと;本願で提供する少なくとも1つの光学式手ぶれ補正モジュールであって、カメラホールに配置される光学式手ぶれ補正モジュールと;光学式手ぶれ補正モジュールの光出口側(light outlet side)に配置されたイメージセンサと;モジュール式フレキシブルプリント回路基板(FPC)であって、モジュール式FPCはイメージセンサに電気的に結合され、モジュール式FPCにはさらに導電性端子が設けられる、モジュール式FPCと;ハウジング内に配置されたプリント回路基板(PCB)であって、PCBには導電性ソケットが設けられ、導電性端子は導電性ソケットにプラグ接続される、PCBと;を含む。
【0014】
本願で提供する電子装置は、携帯電話、タブレットコンピュータ、航空写真撮影用航空機、パン・チルト・ズーム装置、及びモーションカメラであり得る。電子装置は、写真又はビデオを撮影する際に、ジャイロスコープ等のセンサによって測定した電子装置の姿勢データ(例えば、角加速度)を取得し、姿勢データ(例えば、角加速度)に基づいて電子装置の第1の回転軸線及び第2の回転軸線に対応する角度変化量を生成する。光学式手ぶれ補正モジュールの第1の駆動アセンブリは、第1の回転軸線の角度変化量に基づいて、第1のブラケット及び光学レンズモジュールを第2のブラケットに対して回転させるように駆動し、そして光学式手ぶれ補正モジュールの第2の駆動アセンブリは、第2の回転軸線の角度変化量に基づいて、第2のブラケットを第3のブラケットに対して回転させるように駆動する。このようにして、電子装置の揺れによって引き起こされる光学レンズモジュールの角度変化が補償されるので、光学レンズモジュールは元の視野を維持し、それにより、大角度の光学式手ぶれ補正を実現する。さらに、光学レンズモジュールの2つの回転軸線は、互いに影響を受けることなく独立して分離されるため、手ぶれ補正プロセスで発生する可能性のあるクロストーク(crosstalk)及び姿勢の変化を排除する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】現在のボイスコイルモータの解決策における光学式手ぶれ補正モジュールの概略図である。
図2】本願の第1の実施形態による光学式手ぶれ補正モジュールの分解構造図である。
図3】本願の第1の実施形態による光学レンズモジュールと第1のブラケットとの間の接続の概略図である。
図4】本願の第1の実施形態による第1のブラケットと第2のブラケットとの間の接続の概略図である。
図5】本願の第1の実施形態による第2のブラケットと第3のブラケットとの間の接続の概略図である。
図6】本願の第1の実施形態による、第2のブラケット、第3のブラケット、及びフレキシブルプリント回路基板の概略構造整合図である。
図7】本願の第1の実施形態による、第1の接続アセンブリと、第1のブラケット及び第2のブラケットの両方との間の別の接続方法の概略図である。
図8】本願の第1の実施形態による、第2の接続アセンブリと、第2のブラケット及び第3のブラケットの両方との間の別の接続方法の概略図である。
図9】本願の第2の実施形態による第1のブラケットと第2のブラケットとの間の接続の概略図である。
図10】本願の第2の実施形態による第2のブラケットと第3のブラケットとの間の接続の概略図である。
図11】本願の一実施形態による電子装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本願は、光学式手ぶれ補正モジュール及び電子式装置を提供し、光学式手ぶれ補正モジュール及び光学式手ぶれ補正モジュールを備えた電子装置が小さい手ぶれ補正角度及び強度の弱い構造を有するという従来技術の問題を解決する。
【0017】
以下は、本願の第1の実施形態である。
【0018】
本願の第1の実施形態は、光学式手ぶれ補正モジュールを提供する。図2は、本願の第1の実施形態による光学式手ぶれ補正モジュールの分解構造図である。図2に示されるように、光学式手ぶれ補正モジュールは、第1のブラケット100と、第2のブラケット200と、第3のブラケット300と、光学レンズモジュール400と、第1のブラケット100及び第2のブラケット200が第1の回転軸線L1の周り回転するのを可能にするように構成された第1の接続アセンブリ500と、第2のブラケット200及び第3のブラケット300が第2の回転軸線L2の周りを回転するのを可能にするように構成された第2の接続アセンブリ600とを含む。以下では、添付の図面をさらに多く参照して、本願の第1の実施形態による光学式手ぶれ補正モジュールの構造について具体的に説明する。
【0019】
図3は、本願の第1の実施形態による、光学レンズモジュール400と第1のブラケット100との間の接続の概略図である。図3に示されるように、第1のブラケット100は、環状構造であり、且つ中空のキャビティを有する。第1のブラケット100は、キャビティの中心軸線C2の方向に沿って特定の幅を有し、側壁を形成する。
【0020】
さらに、図3に示されるように、第1のブラケット100は、長方形(rectangular:矩形)の構造であり得る。第1のブラケット100が長方形の構造である場合に、第1のブラケット100は、2対の相互に平行な側壁を接続することによって形成されると見なすことができる。説明を容易にするために、相互に平行な側壁の一方の対が第1の側壁110と呼ばれ得、相互に平行な側壁の他方の対が第2の側壁120と呼ばれ得る。光学レンズモジュール400は、第1のブラケット100のキャビティ内に配置され、且つ第1のブラケット100と入れ子状の接続を形成し、第1のブラケット100に固定される。光学レンズモジュール400の光軸C1が、第1のブラケット100のキャビティの中心軸線C2に対して平行である。
【0021】
図4は、本願の第1の実施形態による、第1のブラケット100と第2のブラケット200との間の接続の概略図である。第1のブラケット100と第2のブラケット200との間の接続関係の説明を容易にするために、図4では、第2のブラケット200は切り取られた状態であり(truncated)、第2のブラケット200の構造は、第1の回転軸線L1の方向及び第2の回転軸線L2の方向に沿って分解される。図4に示されるように、第2のブラケット200は、第1のブラケット100の形状と同じ形状であり且つ第1のブラケット100のサイズよりも大きいサイズを有する環状構造を有し、第2のブラケット200を第1のブラケット100の外側に入れ子にすることができる。
【0022】
さらに、図4に示されるように、第2のブラケット200が長方形構造である場合に、第2のブラケット200は、2対の相互に平行な側壁を接続することによって形成されると見なすことができる。説明を容易にするために、相互に平行な側壁の一方の対が、第3の側壁230と呼ばれ得、相互に平行な側壁の他方の対が、第4の側壁240と呼ばれ得る。図4の説明の態様では、第3の側壁230は、第1の側壁110の外側に配置され、第4の側壁240は、第2の側壁120の外側に配置される。
【0023】
さらに、図4に示されるように、第1のブラケット100の各第1の側壁110には、1つの第1の軸受け/シャフト接続孔111が設けられ、第1の軸受け/シャフト接続孔111は、第1の側壁110の中央位置に配置され、そして2つの第1の軸受け/シャフト接続孔111は、第1の回転軸線L1と同軸である。第1の回転軸線L1は、光学レンズモジュール400の光軸に直交する。第2のブラケット200の各第3の側壁230には、1つの第2の軸受け/シャフト接続孔232が設けられ、第2の軸受け/シャフト接続孔232は、第1の軸受け/シャフト接続孔111と同軸である。第2のブラケット200の各第4の側壁240には、1つの第3の軸受け/シャフト接続孔243が設けられ、2つの第3の軸受け/シャフト接続孔243は、第2の回転軸線L2と同軸である。第2の回転軸線L2は、光学レンズモジュール400の光軸に直交しており、第2の回転軸線L2も、第1の回転軸線L1に直交している。第1の接続アセンブリ500は、第1のブラケット100と第2のブラケット200との間に配置される。第1の接続アセンブリ500は、第1の軸受け510及び第1のシャフト520を含む。第1のシャフト520の一端が、第1の軸受け510の内側リングを貫通して(penetrate through)、第1の軸受け510の内側リングと軸受け/シャフト接続を形成するように構成される。第1のシャフト520の他端が、第1の軸受け/シャフト接続孔111を貫通して、第1の軸受け/シャフト接続孔111と軸受け/シャフト接続を形成するように構成される。第1の軸受けシャフト520と嵌合した後の第1の軸受け510は、第2の軸受け/シャフト接続孔232に配置され、それによって、第1の軸受け510の外側リングが、第2の軸受け/シャフト接続孔232との軸受け/シャフト接続を形成する。このようにして、図4に示される構造に基づいて、第1のブラケット100及び第2のブラケット200は、第1の接続アセンブリ500を使用して、第1の回転軸線L1の周りに回転接続を形成する。
【0024】
図4に示されるように、第1のブラケット100の2つの第1の軸受け/シャフト接続孔111及び第2のブラケット200の2つの第2の軸受け/シャフト接続孔232に対応して、本願の第1の実施形態は、2つの第1の接続アセンブリ500を含み得ることに留意されたい。
【0025】
さらに、図4に示されるように、少なくとも1つの第1の駆動アセンブリ700は、第1のブラケット100と第2のブラケット200との間にさらに配置される。各第1の駆動アセンブリ700は、第1のブラケット100の第2の側壁120及び第2のブラケット200の第4の側壁240にそれぞれ配置される1つの第1の磁石710及び1つの第1のコイル720を含む。第1の駆動アセンブリ700は、第1の回転軸線L1からオフセットされており、それによって、第1のブラケット100及び第2のブラケット200を駆動して、第1の回転軸線L1の周りに相対回転を発生させることができる。
【0026】
一実施形態では、図4に示されるように、第1のブラケット100及び第2のブラケット200が長方形構造である場合に、4つの第1の駆動アセンブリ700が、第1のブラケット100と第2のブラケット200との間に配置され、4つの第1の駆動アセンブリ700のうちの各2つが、1つのグループとして機能し、且つ第1の回転軸線L1の両側に対称的に配置される(distributed)。例えば、2つの第1の磁石710が、第1のブラケット100の各第2の側壁120に配置される。2つの第1のコイル720が、第2のブラケット200の各第4の側壁240に配置される。第1のブラケット100が第2のブラケット200と入れ子にされるときに、各第1の駆動アセンブリ700において、第1のコイル720及び第1の磁石710は平行に配置されており、それによって、第1のコイル720は、第1の磁石710が発生させる磁場内に配置される。第1のコイル720に通電すると、フレミングの左手規則に従って、第1のコイル720は、磁場の方向及び電流の方向に直交する(具体的には、光軸C1の方向に平行)アンペールの力F1を生成する。従って、第1のコイル720の電流方向を第1の回転軸線L1の両側に設定することにより、第1の回転軸線L1の両側にあるアンペールの力F1の方向を逆にし、それにより、第1の回転軸線L1をアームの力(arm of force:梃子における支点から力点に下ろした垂線の距離)の中心として回転トルクを形成し、第1のブラケット100及び第2のブラケット200を駆動して第1の回転軸線L1の周りの相対回転を発生させることができる。
【0027】
図5は、本願の第1の実施形態による、第2のブラケット200と第3のブラケット300との間の接続の概略図である。第2のブラケット200と第3のブラケット300との間の接続関係の説明を容易にするために、図5では、第3のブラケット300の構造は、第1の回転軸線L1の方向及び第2の回転軸線L2の方向に沿って分解される。図5に示されるように、第3のブラケット300は、第2のブラケット200の形状と同じ環状形状を有し且つ第2のブラケット200のサイズよりも大きいサイズを有する環状構造を有し、第3のブラケット300を第2のブラケット200の外側に入れ子にすることができる。第3のブラケット300は、側壁を形成するために、キャビティの中心軸線の方向に沿って特定の幅を有する。さらに、図5に示されるように、第3のブラケット300が長方形の構造である場合に、第3のブラケット300は、2対の相互に平行な側壁を接続することによって形成されると見なすことができる。説明を容易にするために、相互に平行な側壁の一方の対が、第5の側壁350と呼ばれ得、相互に平行な側壁の他方の対が、第6の側壁360と呼ばれ得る。
【0028】
さらに、図5に示されるように、第3のブラケット300の2つの第5の側壁350は、第2のブラケット200の2つの第3の側壁230の外側に配置され、第3のブラケット300の2つの第6の側壁360は、第2のブラケット200の2つの第4の側壁240の外側に配置される。第3のブラケット300の各第6の側壁360には、1つの第4の軸受け/シャフト接続孔364が設けられ、第4の軸受け/シャフト接続孔364は、第3の軸受け/シャフト接続孔243と同軸である。第2の接続アセンブリ600は、第2のブラケット200と第3のブラケット300との間に配置される。第2の接続アセンブリ600は、第2の軸受け610及び第2のシャフト620を含む。第2のシャフト620の一端が、第2の軸受け610の内側リングを貫通して、第2の軸受け610の内側リングと軸受け/シャフト接続を形成するように構成される。第2のシャフト620の他端は、第3の軸受け/シャフト接続孔243を貫通して、第3の軸受け/シャフト接続孔243と軸受け/シャフト接続を形成するように構成される。第2のシャフト620と嵌合した後の第2の軸受け610は、第4の軸受け/シャフト接続孔364に配置され、それによって、第2の軸受け610の外側リングは、第4の軸受け/シャフト接続孔364と軸受け/シャフト接続を形成する。このようにして、図5に示される構造に基づいて、第2のブラケット200及び第3のブラケット300は、第2の接続アセンブリ600を使用して、第2の回転軸線L2の周りに回転接続を形成する。
【0029】
図5に示されるように、第2のブラケット200の2つの第3の軸受け/シャフト接続孔243及び第3のブラケット300の2つの第4の軸受け/シャフト接続孔364に対応して、本願の第1の実施形態は、2つの第2の接続アセンブリ600を含み得ることに留意されたい。
【0030】
さらに、図5に示されるように、少なくとも1つの第2の駆動アセンブリ800は、第2のブラケット200と第3のブラケット300との間にさらに配置される。各第2の駆動アセンブリ800は、第2のブラケット200の第3の側壁230及び第3のブラケット300の第4の側壁350にそれぞれ配置される1つの第2の磁石810及び1つの第2のコイル820を含む。第2の駆動アセンブリ800は、第2の回転軸線L2からオフセットされており、それによって、第2のブラケット200及び第3のブラケット300を駆動して第2の回転軸線L2の周りに相対回転を発生させることができる。
【0031】
一実施形態では、図5に示されるように、第2のブラケット200及び第3のブラケット300が長方形構造である場合に、4つの第2の駆動アセンブリ800が、第2のブラケット200と第3のブラケット300との間に配置され、4つの第2の駆動アセンブリ800のうちの各2つが、1つのグループとして機能し、且つ第2の回転軸線L2の両側に対称的に配置される。例えば、2つの第2のコイル820が、第2のブラケット200の各第3の側壁230に配置される。2つの第2の磁石810が、第3のブラケット300の各第5の側壁350に配置される。第2のブラケット200が第3のブラケット300と入れ子にされる場合に、各第2の駆動アセンブリ800において、第2のコイル820及び第2の磁石810は、第1の回転軸線L1の方向に沿って平行に配置されており、第2のコイル820は、第2の磁石810が発生させる磁場内に配置される。第2のコイル820に通電すると、フレミングの左手規則に従って、第2のコイル820は、磁場の方向及び電流の方向に直交する(具体的には、光軸C1の方向に平行)アンペールの力F2を生成する。従って、第2のコイル820の電流方向を第2の回転軸線L2の両側に設定することにより、第2の回転軸線L2の両側にあるアンペールの力F2の方向を逆にし、それにより、第2の回転軸線L2をアームの力(arm of force)の中心として回転トルクを形成し、第2のブラケット200及び第3のブラケット300を駆動して第2の回転軸線L2の周りの相対回転を発生させることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、フレキシブル回路基板900が、第2のブラケット200と第3のブラケット300との間にさらに配置される。図6は、本願の第1の実施形態による、第2のブラケット200、第3のブラケット300、及びフレキシブル回路基板900の概略構造整合図である。第2のブラケット200、第3のブラケット300、フレキシブル回路基板900、及び別の構成要素との間の整合関係の説明を容易にするために、図6では、フレキシブル回路基板900及び第3のブラケット300の構造は、第1の回転軸線L1の方向及び第2の回転軸線L2の方向に沿って分解される。図6に示されるように、フレキシブル回路基板900は、第2のブラケット200の形状に一致する環状構造を有する。例えば、第2のブラケット200が長方形構造である場合に、フレキシブル回路基板900もまた長方形構造である。フレキシブル回路基板900は、少なくとも1つの駆動IC930をさらに含む。フレキシブル回路基板900は、第1のコイル720及び第2のコイル820に結合され、少なくとも1つの駆動IC930を使用して第1のコイル720及び第2のコイル820に駆動電流を供給するように構成される。
【0033】
さらに、図6に示されるように、フレキシブル回路基板900が長方形の構造である場合に、フレキシブル回路基板900は、2対の相互に平行な基板表面を含むものと見なすことができる。説明を容易にするために、相互に平行な基板表面の一方の対が、第1の基板表面910と呼ばれ得、相互に平行な基板表面の他方の対が、第2の基板表面920と呼ばれ得る。図6の説明の態様では、第1の基板表面910は、第4の側壁240の外側に配置され、第2の基板表面920は、第3の側壁230の外側に配置される。
【0034】
さらに、図6に示されるように、第1のコイル720及び第2のコイル820は、フレキシブル回路基板900に固定され得、第1のコイル720は、フレキシブル回路基板900の内側に固定され、第2のコイル820は、フレキシブル回路基板900の外側に固定される。フレキシブル回路基板900が長方形である場合に、第1のコイル720は、第1の基板表面910の内側に固定され得、ここで、2つの第1のコイル720は、各第1の基板表面910に固定される。第2のコイル820は、第2の基板表面920の外側に固定され得、ここで、2つの第2のコイル820は、各第2の基板表面920に固定される。
【0035】
さらに、図6に示されるように、フレキシブル回路基板900は、少なくとも2つの駆動IC930を含み、ここで、少なくとも1つの駆動IC930は、第1のコイル720に駆動電流を供給するように構成され、少なくとも1つの駆動IC930は、第2のコイル820に駆動電流を供給するように構成される。駆動IC930は、任意の1つ又は複数の第1のコイル720の中央位置に、及び任意の1つ又は複数の第2のコイル820の中央位置に配置され得る。駆動IC930が第1のコイル720の中央位置に配置される場合であって、第1のブラケット100及び第2のブラケット200が相対回転を発生させる場合に、駆動IC930は、相対回転によって引き起こされる磁場の変化を感知して、磁場の変化を使用して第1のブラケット100及び第2のブラケット200の相対位置情報をフィードバックすることができる。駆動IC930が第2のコイル820の中央位置に配置される場合であって、第2のブラケット200及び第3のブラケット300が相対回転を発生させる場合に、駆動IC930は、磁場の感知した変化を使用して、第2のブラケット200及び第3のブラケット300の相対位置情報をフィードバックすることができる。
【0036】
さらに、図6に示されるように、フレキシブル回路基板900は、第2のブラケット200の外側で、第2のブラケット200の第3の側壁230及び第4の側壁240の周りに配置される。フレキシブル回路基板900の第1のコイル720が配置される2つの第1の基板表面910は、第2のブラケット200の2つの第4の側壁240の外側に配置される。フレキシブル回路基板900の第2のコイル820が配置される2つの第2の基板表面920は、第2のブラケット200の2つの第3の側壁230の外側に取り付けられる。第3のブラケット300は、フレキシブル回路基板900の外側に入れ子にされる。第3のブラケット300の第5の側壁350は、フレキシブル回路基板900の第2の基板表面920の外側に配置され、第3のブラケット300の第6の側壁360は、フレキシブル回路基板900の第1の基板表面910の外側に配置される。
【0037】
図7は、本願の第1の実施形態による、第1の接続アセンブリ500と、第1のブラケット100及び第2のブラケット200の両方との間の別の接続方法の概略図である。図4に示される接続方法と比較して、図7に示される接続方法では、第1の接続アセンブリ500の接続方向が回転している。第1のシャフト520の一端が、第1の軸受け510の内側リングを貫通して、第1の軸受け510の内側リングと軸受け/シャフト接続を形成するように構成される。第1のシャフト520の他端が、第2の軸受け/シャフト接続孔232を貫通して、第2の軸受け/シャフト接続孔232と軸受け/シャフト接続を形成するように構成される。第1のシャフト520と嵌合した後の第1の軸受け510は、第1の軸受け/シャフト接続孔111に配置され、それによって、第1の軸受510の外側リングは、第1の軸受け/シャフト接続孔111と軸受け/シャフト接続を形成する。このようにして、図7に示される構造に基づいて、第1の接続アセンブリ500を使用して、第1のブラケット100及び第2のブラケット200が、第1の回転軸線L1の周りに回転接続を形成するのを可能にすることもできる。
【0038】
図8は、本願の第1の実施形態による、第2の接続アセンブリ600と、第2のブラケット200及び第3のブラケット300の両方との間の別の接続方法の概略図である。図5に示される接続方法と比較して、図8に示される接続方法では、第2の接続アセンブリ600の接続方向が回転している。第2のシャフト620の一端が、第2の軸受け610の内側リングを貫通して、第2の軸受け610の内側リングと軸受け/シャフト接続を形成するように構成される。第2のシャフト620の他端が、第4の軸受け/シャフト接続孔364を貫通して、第4の軸受け/シャフト接続孔364と軸受け/シャフト接続を形成するように構成される。第2のシャフト620と嵌合した後の第2の軸受け610は、第3の軸受け/シャフト接続孔243に配置され、それによって、第2の軸受610の外側リングは、第3の軸受け/シャフト接続孔243と軸受け/シャフト接続を形成する。このようにして、図8に示される構造に基づいて、第2の接続アセンブリ600を使用して、第2のブラケット200及び第3のブラケット300が、第2の回転軸線L2の周りに回転接続を形成するのを可能にすることもできる。
【0039】
図4及び図5を参照すると、以下では、本願の第1の実施形態の光学式手ぶれ補正モジュールを使用して大角度の光学式手ぶれ補正を実現する原理について具体的に説明する。本願の第1の実施形態の光学式手ぶれ補正モジュールは、様々な電子装置、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、航空写真撮影用航空機、パン・チルト・ズーム装置、及びモーションカメラに適用することができる。電子装置は、ジャイロスコープ等の、電子装置の姿勢変化を感知するために使用される様々なセンサをさらに含む。電子装置は、写真又はビデオを撮影する際に、ジャイロスコープ等のセンサによって測定した電子装置の姿勢データ(例えば、角加速度)を取得し、姿勢データに基づいて、光学式手ぶれ補正モジュールの第1の回転軸線L1及び第2の回転軸線L2に対応する角度変化量を生成する。光学式手ぶれ補正モジュール内の駆動IC930は、第1の回転軸線L1及び第2の回転軸線L2の角度変化量に基づいて、第1のコイル720及び第2のコイル820の駆動電流を発生させる。駆動電流の大きさは、第1の回転軸線L1及び第2の回転軸線L2の角度変化量に基づいて決定される。このようにして、通電された第1のコイル720は、第1の磁石710の磁場においてアンペールの力F1を受け、第1のブラケット100及び光学レンズモジュール400を第2のブラケット200に対して第1の回転軸線L1の周りに回転させるように駆動し、電子装置が第1の回転軸線L1の周りに発生させる角度変動を補償し、それにより、光学レンズモジュール400の第1の回転軸線L1の周りの手ぶれ補正を実現する。通電された第2のコイル820は、第2の磁石810の磁場においてアンペールの力F2を受け、第2のブラケット200を第3のブラケット300に対して第2の回転軸線L2の周りに回転させるように駆動する。第2のブラケット200及び第1のブラケット100の相対位置は、第2の回転軸線L2に沿って固定される。従って、第2のブラケット200の第2の回転軸線L2の周りの回転によって、第1のブラケット100及び光学レンズモジュール400を第2の回転軸線L2の周りに回転させるように駆動し、電子装置が第2の回転軸線L2の周りに発生させる角度変動を補償し、それにより、光学レンズモジュール400の第2の回転軸線L2の周りの手ぶれ補正を実現する。光学式手ぶれ補正モジュールが図1に示される水平変位による手ぶれ補正を実施する構造と比較して、本願の第1の実施形態の光学式手ぶれ補正モジュールは、光学レンズモジュール400が、互いに直交する第1の回転軸線L1及び第2の回転軸線L2の周りに回転するのを可能にし得、それによって、光学レンズモジュール400は元の視野維持し、それにより、大角度の光学式手ぶれ補正を実現することが分かり得る。さらに、本願の第1の実施形態では、相互に独立した構造を使用して、光学レンズモジュール400の第1の回転軸線L1の周りの回転及び光学レンズモジュール400の第2の回転軸線L2の周りの回転を実現し、それによって、光学レンズモジュール400の第1の回転軸線L1の周りの回転及び光学レンズモジュール400の第2の回転軸線L2の周りの回転は、互いに影響を受けることなく独立して切り離され、それにより、手ぶれ補正プロセスで生じる可能性のある姿勢変動を排除する。さらに、本願の第1の実施形態では、可動部(例えば、第1のブラケット100及び第2のブラケット200)の支持体として軸受け及びシャフトを使用するので、構造的強度が強くなり、電子装置が落下したり、ぶつかったりしても、損傷が発生しにくいため、装置の信頼性が向上する。
【0040】
以下は、本願の第2の実施形態である。
【0041】
本願の第2の実施形態は、光学式手ぶれ補正モジュールを提供する。第2の実施形態と第1の実施形態との間の差は、駆動アセンブリ(第1の駆動アセンブリ700及び第2の駆動アセンブリ800を含む)及び接続アセンブリ(第1の接続アセンブリ500及び第2の接続アセンブリ600を含む)の相対位置が異なることである。
【0042】
図9は、本願の第2の実施形態による第1のブラケット100と第2のブラケット200との間の接続の概略図である。図1の第1のブラケット100と第2のブラケット200との間の接続関係の説明を容易にするために、図9では、第2のブラケット200は切り取られた状態であり、第2のブラケット200の構造は、第1の回転軸線L1の方向に沿って分解される(第2のブラケット200の第3の側壁230は図9に完全には示されていない)。図9に示されるように、第1の実施形態(図4を参照)とは異なり、第1の駆動アセンブリ700は、第1のブラケット100の第1の側壁110及び第2のブラケット200の第3の側壁230に配置される。具体的には、2つの第1の磁石710は、第1のブラケット100の各第1の側壁110に配置され、2つの第1の磁石710は、第1の回転軸線L1の両側に対称的に配置される。2つの第1のコイル720は、第2のブラケット200の各第3の側壁230に配置され、2つの第1のコイル720は、第1の回転軸線L1の両側に対称的に配置される。第1のブラケット100が第2のブラケット200と入れ子にされる場合に、各第1の駆動アセンブリ700において、第1のコイル720及び第1の磁石710は平行に配置されており、それによって、第1のコイル720は、第1の磁石710が発生させる磁場内に配置される。第1のコイル720に通電すると、フレミングの左手規則に従って、第1のコイル720は、磁場の方向及び電流方向に直交する(具体的には、光軸C1の方向に平行)アンペールの力F1を生成する。従って、第1の回転軸線L1の両側にある第1のコイル720の電流方向を逆にした場合に、第1の回転軸線L1の両側にあるアンペールの力F1の方向も逆になり、それにより、第1の回転軸線L1をアームの力(arm of force)の中心として回転トルクを生成し、第1のブラケット100及び第2のブラケット200を駆動して第1の回転軸線L1の周りの相対回転を発生させる。
【0043】
図10は、本願の第2の実施形態による第2のブラケット200と第3のブラケット300との間の接続の概略図である。第2のブラケット200と第3のブラケット300との間の接続関係の説明を容易にするために、図10では、第3のブラケット300は切り取られた状態であり、第3のブラケット300の構造は、第2の回転軸線L2の方向に沿って分解される(第3のブラケット300の第5の側壁350は図10には示されていない)。図10に示されるように、第1の実施形態(図5を参照)とは異なり、第2の駆動アセンブリ800は、第2のブラケット200の第4の側壁240及び第3のブラケット300の第6の側壁360に配置される。具体的には、2つの第2の磁石810は、第3のブラケット300の各第6の側壁360に配置され、2つの第2の磁石810は、第2の回転軸線L2の両側に対称的に配置される。2つの第2のコイル820は、第2のブラケット200の各第4の側壁240に配置され、2つの第2のコイル820は、第2の回転軸線L2の両側に対称的に配置される。第2のブラケット200が第3のブラケット300と入れ子にされる場合に、各第2の駆動アセンブリ800において、第2のコイル820及び第2の磁石810は平行に配置され、それによって、第2のコイル820は、第2の磁石810が発生させる磁場内に配置される。第2のコイル820に通電すると、フレミングの左手規則に従って、第2のコイル820は、磁場の方向及び電流方向に直交する(具体的には、光軸C1の方向に平行)アンペールの力F2を生成する。従って、第2の回転軸線L2の両側にある第2のコイル820の電流方向が反対である場合に、第2の回転軸線L2の両側にあるアンペールの力F2の方向も反対であり、それにより、第2の回転軸線L2をアームの力の中心として回転トルクを形成し、第2のブラケット200及び第3のブラケット300を駆動して、第2の回転軸線L2の周りの相対回転を発生させる。
【0044】
従って、本願の第2の実施形態は、本願の第1の実施形態と同じ技術的効果を達成することができる。
【0045】
本願の第2の実施形態において、コイル(第1のコイル720及び第2のコイル820を含む)に通電するときに発生する回転トルクの大きさは、コイルが発生させるアンペールの力の大きさ、アンペールの力のアームの力(arm of force)の長さに関連することを理解するのは容易である。コイルが発生させるアンペールの力の大きさは、コイルを流れる電流の大きさ、コイルの巻数、及び磁場の強度によって決定され、アームの力(arm of force)の長さは、コイルと回転軸線との間の距離によって決定される。従って、適切な回転トルクを得るために、コイルと回転軸線との間の距離(第1のコイル720と第1の回転軸線L1との間の距離、及び第2のコイル820と第2の回転軸線L2との間の距離を含む)は、可変であり、つまり、コイル及び回転軸線は、固定位置に限定されない。
【0046】
以下は、本願の第3の実施形態である。
【0047】
本願の第3の実施形態は、電子装置を提供する。電子装置は、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、航空写真撮影用航空機、パン・チルト・ズーム装置、及びモーションカメラであり得る。
【0048】
図11は、電子装置の概略構造図である。図11に示されるように、電子装置は、少なくとも1つのカメラホール11を含むハウジング10と;本願の第1の実施形態又は第2の実施形態による光学式手ぶれ補正モジュール20であって、光学式手ぶれ補正モジュール20は、カメラホール11に配置され、カメラホール11を使用して光学画像を収集するように構成される、光学式手ぶれ補正モジュール20と;光学式手ぶれ補正モジュール20の光出口側に配置され、光学式手ぶれ補正モジュール20によって収集した光学画像を受け取り、光学画像をデジタル電気信号に変換するように構成されたイメージセンサ30と;モジュール式フレキシブルプリント回路基板(FPC)31であって、モジュール式FPC31はイメージセンサ30に電気的に結合され、モジュール式FPC31にはさらに導電性端子32が設けられる、FPC31と;光学式手ぶれ補正モジュール20とイメージセンサ30との間にさらに配置された1つ又は複数のばね50と;ハウジング10に配置されたプリント回路基板(PCB)40であって、PCB40には導電性ソケット41が設けられ、イメージセンサ30及びPCB40は、モジュール式FPC31の導電性端子32及びPCB40の導電性ソケット41のプラグ接続によって電気的に結合される、PCB40と;を含む。本願のこの実施形態では、光学式手ぶれ補正モジュール20内のフレキシブル回路基板900は、1つ又は複数のばね50を使用してイメージセンサ30に電気的に結合され、それにより、モジュール式FPC31を共有することにより、フレキシブル回路基板900及びイメージセンサ30がプリント回路基板(PCB)40に接続されることを実現する。従って、光学式手ぶれ補正モジュール20には、別のFPCを追加で提供する必要はない。これは、光学式手ぶれ補正モジュール20のボリュームを減らすのに役立つ。
【0049】
本願のこの実施形態における電子装置は、ジャイロスコープ等の電子装置の姿勢変化を感知するために使用される様々なセンサをさらに含む。電子装置は、写真又はビデオを撮影する際に、ジャイロスコープ等のセンサによって測定した電子装置の姿勢データ(例えば、角加速度)を取得し、姿勢データに基づいて、電子装置の第1の回転軸線L1及び第2の回転軸線L2に対応する角度変化量を生成する。電子装置は、第1の回転軸線L1及び第2の回転軸線L2の角度変化量に基づいて、光学式手ぶれ補正モジュールの駆動IC930を使用して、第1のコイル720及び第2のコイル820の駆動電流を発生させる。駆動電流の大きさは、第1の回転軸線L1及び第2の回転軸線L2の角度変化量に基づいて決定される。このようにして、通電された第1のコイル720は、第1の磁石710の磁場においてアンペールの力F1を受け、第1のブラケット100及び光学レンズモジュール400を第2のブラケット200に対して第1の回転軸線L1の周りに回転させるように駆動して、電子装置が発生させる第1の回転軸線L1の周りの角度変動を補償し、それにより、光学レンズモジュール400の第1の回転軸線L1の周りの手ぶれ補正を実現する。通電された第2のコイル820は、第2の磁石810の磁場においてアンペールの力F2を受け、第2のブラケット200を第3のブラケット300に対して第2の回転軸線L2の周りに回転させるように駆動する。第2のブラケット200及び第1のブラケット100の相対位置は、第2の回転軸線L2に沿って固定される。従って、第2のブラケット200の第2の回転軸線L2の周りの回転によっても、第1のブラケット100及び光学レンズモジュール400を第2の回転軸線L2の周りに回転させるように駆動し、電子装置が発生させる第2の回転軸線L2の周りの角度変動を補償し、それにより、光学レンズモジュール400の第2の回転軸線L2の周りの手ぶれ補正を実現する。このようにして、本願の第3の実施形態による電子装置において、光学式手ぶれ補正モジュールは、光学レンズモジュール400が、互いに直交する第1の回転軸線L1及び第2の回転軸線L2の周りに回転するのを可能にすることができ、それによって、光学レンズモジュール400は元の視野を維持し、それにより大角度の光学式手ぶれ補正を実現する。さらに、光学レンズモジュールは、相互に独立した構造を使用して、光学レンズモジュール400の第1の回転軸線L1の周りの回転及び光学レンズモジュール400の第2の回転軸線L2の周りの回転を実現し、それによって、光学レンズモジュール400の第1の回転軸線L1の周りの回転及び光学レンズモジュール400の第2の回転軸線L2の周りの回転は、互いに影響を受けることなく独立して分離され、それにより、手ぶれ補正プロセスで発生する可能性のある姿勢変動を排除する。さらに、光学レンズモジュールは、可動部(例えば、第1ブラケット100及び第2のブラケット200)の支持体として軸受け及びシャフトを使用しているため、構造強度が強く、電子装置が落下したり、ぶつかったりしても、損傷が発生しにくいため、装置の信頼性が向上する。
【符号の説明】
【0050】
010-レンズ、020-ボイスコイルモータ、021-吊り下げワイヤ、022-コイル、100-第1のブラケット、110-第1の側壁、111-第1の軸受け/シャフト接続孔、120-第2の側壁、200-第2のブラケット、232-第2の軸受け/シャフト接続孔、230-第3の側壁、240-第4の側壁、243-第3の軸受け/シャフト接続孔、300-第3のブラケット、350-第5の側壁、360-第6の側壁、364-第4の軸受け/シャフト接続孔、400-光学レンズモジュール、500-第1の接続アセンブリ、510-第1の軸受け、520-第1のシャフト、600-第2の接続アセンブリ、610-第2の軸受け、620-第2のシャフト、700-第1の駆動アセンブリ、710-第1の磁石、720-第1のコイル、800-第2の駆動アセンブリ、810-第2の磁石、820-第2のコイル、900-フレキシブル回路基板、910-第1の基板表面、920-第2の基板表面、930-駆動IC、10-ハウジング、20-光学式手ぶれ補正モジュール、11-カメラホール、30-イメージセンサ、31-モジュール式FPC、32-導電性端子、40-プリント回路基板、41-導電性ソケット、及び50-ばね
図1
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図11