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特許7369282生産設備の稼働状況を表示する表示装置及び基板生産システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】生産設備の稼働状況を表示する表示装置及び基板生産システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20231018BHJP
   H05K 13/00 20060101ALI20231018BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
H05K13/00 Z
G05B23/02 301P
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022518581
(86)(22)【出願日】2020-05-01
(86)【国際出願番号】 JP2020018475
(87)【国際公開番号】W WO2021220519
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 崚
【審査官】牧 初
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-339225(JP,A)
【文献】特開昭61-136333(JP,A)
【文献】特開2005-346444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G05B 23/00-23/02
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を生産する少なくとも1つの生産ラインを備える生産設備の稼働状況を表示する表示装置であって、
表示部と、
ユーザによって操作可能であり、予め設定される複数の表示レベルのいずれかを選択する指示を入力可能な表示レベル選択部であって、前記複数の表示レベルは、前記生産ラインの稼働を停止すべきエラー状態を表示する表示レベルを少なくとも含んでいる、表示レベル選択部と、
前記生産ラインの稼働状況を示す複数の検出項目を取得可能な取得部と、
前記表示レベル選択部から前記複数の表示レベルのいずれかを選択する指示が入力されたときに、前記取得部で取得される複数の検出項目のうち、前記選択された表示レベルに予め対応付けられた1又は複数の検出項目を表示する表示画面を前記表示部に表示する制御部と、
を備える、表示装置。
【請求項2】
前記複数の検出項目は、前記検出項目毎に、当該検出項目を表示する部分画像に対応付けられており、
前記表示画面は、表示する1又は複数の検出項目に対応付けられた1又は複数の前記部分画像によって構成される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
ユーザによって操作可能であり、前記表示画面を構成する1又は複数の前記部分画像のレイアウトを設定する指示を入力可能なレイアウト設定部をさらに備えており、
前記制御部は、前記レイアウト設定部で設定されたレイアウトで前記部分画像が配置された前記表示画面を前記表示部に表示する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
ユーザによって操作可能であり、前記表示レベル毎に、当該表示レベルに対応付ける1又は複数の検出項目を設定する指示を入力可能な表示項目設定部をさらに備えており、
前記制御部は、前記表示レベル選択部から特定の表示レベルを選択する指示が入力されたときは、前記表示項目設定部で設定された当該特定の表示レベルに対応付けられた1又は複数の検出項目を表示する表示画面を前記表示部に表示する、請求項1~3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記生産設備は、複数の生産ラインを備えており、
ユーザによって操作可能であり、前記複数の生産ラインのいずれかを選択する指示を入力可能な生産ライン選択部をさらに備えており、
前記取得部は、前記複数の生産ラインのそれぞれについて、当該生産ラインの稼働状況を示す複数の検出項目を取得可能であり、
前記表示レベル選択部は、前記生産ライン選択部で選択された生産ラインについて前記表示レベルを選択し、
前記制御部は、前記表示レベル選択部で前記表示レベルが選択されたときは、前記生産ライン選択部で選択された生産ラインについて前記表示画面を前記表示部に表示する、請求項1~4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示部は、ユーザの入力が可能なタッチパネルであり、
前記表示レベル選択部は、前記表示部に前記複数の表示レベルのそれぞれに対応する複数のアイコンを表示し、ユーザが前記表示部に表示される複数のアイコンのいずれかをタッチして選択することで表示レベルが選択され、
前記表示画面には、選択されていない表示レベルのアイコンが含まれており、
前記制御部は、ユーザが前記表示画面内で前記選択されていない表示レベルのアイコンをタッチして選択すると、当該タッチして選択された表示レベルに対応付けられた表示画面に切り替えて前記表示部に表示する、請求項1~5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
基板を生産する少なくとも1つの生産ラインを備えた生産設備と、
前記生産ラインに設けられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の表示装置と、
を備える、基板生産システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、表示装置に関する。特に、基板を生産する生産ラインを備える生産設備の稼働状況を表示する表示装置に関する。また、本明細書に開示の技術は、当該表示装置を備える基板生産システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2011-118493号には、プラント監視制御システムが開示されている。このシステムでは、プラントに関する複数の表示画面(グラフィック画面、トレンド画面等)の一覧から、ユーザが必要とする表示画面を選択し、選択した表示画面を任意のレイアウトで表示部に配置する。そして、当該レイアウトを記憶部に記憶させておくことにより、ユーザが所望するレイアウト(すなわち、記憶部に記憶させたレイアウト)に応じた監視制御画面を表示させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特開2011-118493号の技術では、所望の画面を表示させるためには、予め複数の表示画面の一覧からユーザが必要とする表示画面を選択して表示部に配置しておくことになる。ここで、基板を生産する生産ラインを備える生産設備では、ユーザが確認したい稼働状況が細分化されて多数存在し、これら多数の稼働状況を確認するために必要となる表示画面も多数存在し得る。このため、特開2011-118493号の技術をこのような生産設備の稼働状況を表示する表示装置に採用すると、表示させたい多数の稼働状況のそれぞれに応じた多数のレイアウトが作成される。多数のレイアウトが作成されると、特定の稼働状況を表示させたいときに、作成した多数のレイアウトから特定の稼働状況に対応するレイアウトを選択して表示させるための操作が煩わしいという問題がある。本明細書では、基板を生産する生産ラインを備える生産設備の稼働状況を表示する技術において、ユーザが生産設備の稼働状況に応じた表示画面を容易に表示させ得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に開示する表示装置は、基板を生産する少なくとも1つの生産ラインを備える生産設備の稼働状況を表示する。前記表示装置は、表示部と、表示レベル選択部と、取得部と、制御部と、を備える。前記表示レベル選択部は、ユーザによって操作可能であり、予め設定される複数の表示レベルのいずれかを選択する指示を入力可能である。前記複数の表示レベルは、前記生産ラインの稼働を停止すべきエラー状態を表示する表示レベルを少なくとも含んでいる。前記取得部は、前記生産ラインの稼働状況を示す複数の検出項目を取得可能である。前記制御部は、前記表示レベル選択部から前記複数の表示レベルのいずれかを選択する指示が入力されたときに、前記取得部で取得される複数の検出項目のうち、前記選択された表示レベルに予め対応付けられた1又は複数の検出項目を表示する表示画面を前記表示部に表示する。
【0005】
上記の表示装置では、生産ラインの稼働状況を示す複数の検出項目が取得される。そして、ユーザがいずれかの表示レベルを選択する指示を入力すると、取得した検出項目の中から、当該表示レベルに予め対応付けられた1又は複数の検出項目を表示する表示画面が表示部に表示される。すなわち、ユーザが表示させたい稼働状況(検出項目)が複数の表示レベルに階層分けされ、複数の表示レベルのそれぞれに1又は複数の検出項目が対応付けられる。したがって、ユーザは表示レベルを選択するだけで、選択された表示レベルに対応付けられた検出項目に絞り込まれ、ユーザは所望の稼働状況を容易に把握することができる。例えば、エラー状態を表示する表示レベルを選択する指示が入力されると、エラー状態に対応する検出項目が表示される。このように、この表示装置では、選択された表示レベルに応じて予め分類された検出項目が表示部に表示される。すなわち、ユーザは、予め設定された表示レベルを選択する指示を入力するだけで、当該表示レベルに対応した検出項目を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】基板生産システムの構成を示す図。
図2】表示装置の構成を示すブロック図。
図3】表示装置が生産ラインの稼働状況を表示する表示処理を示すフローチャート。
図4】表示レベルに対応するアイコンの表示態様の一例を示す図。
図5】生産ラインの稼働状況を表示する表示画面の一例を示す図。
図6】部分画像のレイアウトの設定を説明するための図。
図7】生産ラインを選択するための画面の一例を示す図。
図8】表示レベルに対応するアイコンの表示態様の一例を示す図。
図9】表示画面とともに表示される他の表示レベルに対応するアイコンの表示態様の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術の一実施形態では、前記複数の検出項目は、前記検出項目毎に、当該検出項目を表示する部分画像に対応付けられてもよい。前記表示画面は、表示する1又は複数の検出項目に対応付けられた1又は複数の前記部分画像によって構成されてもよい。
【0008】
このような構成では、表示すべき検出項目を表示する部分画像により構成された表示画面が表示される。したがって、視認性が向上する。
【0009】
本技術の一実施形態では、前記表示装置は、ユーザによって操作可能であり、前記表示画面を構成する1又は複数の前記部分画像のレイアウトを設定する指示を入力可能なレイアウト設定部をさらに備えてもよい。前記制御部は、前記レイアウト設定部で設定されたレイアウトで前記部分画像が配置された前記表示画面を前記表示部に表示してもよい。
【0010】
このような構成によれば、或る表示レベルに対応する表示画面のレイアウトを設定する指示をユーザが入力することができる。例えば、予め設定された表示画面のレイアウトを、部分画像の配置を変更する指示をユーザが入力することにより、表示部に表示される表示画面をユーザが所望するレイアウトに設定することができる。
【0011】
本技術の一実施形態では、前記表示装置は、ユーザによって操作可能であり、前記表示レベル毎に、当該表示レベルに対応付ける1又は複数の検出項目を設定する指示を入力可能な表示項目設定部をさらに備えてもよい。前記制御部は、前記表示レベル選択部から特定の表示レベルを選択する指示が入力されたときは、前記表示項目設定部で設定された当該特定の表示レベルに対応付けられた1又は複数の検出項目を表示する表示画面を前記表示部に表示してもよい。
【0012】
このような構成によれば、或る表示レベルに対応付ける検出項目を設定する指示をユーザが入力することができる。例えば、或る表示レベルに予め対応付けられた検出項目のうち、ユーザにとって重要度が低い検出項目を表示画面から削除したり、予め対応付けられていないが、ユーザにとって重要度が高い検出項目を当該表示レベルに新たに対応付けたりすることができる。すなわち、表示部に表示すべき検出項目の設定の自由度が高い。
【0013】
本技術の一実施形態では、前記生産設備は、複数の生産ラインを備えてもよい。前記表示装置は、ユーザによって操作可能であり、前記複数の生産ラインのいずれかを選択する指示を入力可能な生産ライン選択部をさらに備えてもよい。前記取得部は、前記複数の生産ラインのそれぞれについて、当該生産ラインの稼働状況を示す複数の検出項目を取得可能であってもよい。前記表示レベル選択部は、前記生産ライン選択部で選択された生産ラインについて前記表示レベルを選択してもよい。前記制御部は、前記表示レベル選択部で前記表示レベルが選択されたときは、前記生産ライン選択部で選択された生産ラインについて前記表示画面を前記表示部に表示してもよい。
【0014】
このような構成によれば、複数の生産ラインを備える生産設備において、稼働状況を確認すべき生産ラインについて表示レベルを選択することができる。したがって、確認すべき生産ラインの稼働状況を容易に表示させることができるとともに、選択した生産ラインの表示レベルに応じた表示画面のみが表示部に表示されるため、視認性が向上する。
【0015】
本技術の一実施形態では、前記表示部は、ユーザの入力が可能なタッチパネルであってもよい。前記表示レベル選択部は、前記表示部に前記複数の表示レベルのそれぞれに対応する複数のアイコンを表示し、ユーザが前記表示部に表示される複数のアイコンのいずれかをタッチして選択することで表示レベルが選択されてもよい。前記表示画面には、選択されていない表示レベルのアイコンが含まれてもよい。前記制御部は、ユーザが前記表示画面内で前記選択されていない表示レベルのアイコンをタッチして選択すると、当該タッチして選択された表示レベルに対応付けられた表示画面に切り替えて前記表示部に表示してもよい。
【0016】
上記の構成では、選択された表示レベルに応じて表示される表示画面内に、選択されていない表示レベルのそれぞれに対応する複数のアイコンが含まれている。このため、当該複数のアイコンのいずれかをタッチして選択するだけで、他の表示レベルに応じた表示画面へ容易に遷移することができる。
【0017】
また、本技術の一実施形態では、上記したいずれかの表示装置が、基板生産システムに備えられてもよい。前記基板生産システムは、基板を生産する少なくとも1つの生産ラインを備えた生産設備と、前記生産ラインに設けられる、上記したいずれかの表示装置と、を備えてもよい。
【0018】
(実施例1)
以下、図面を参照して、実施例1の基板生産システム10について説明する。図1に示すように、基板生産システム10は、複数の生産ライン20a、20b、20cを有する生産設備12と、当該生産設備12の稼働状況を表示する表示装置14とを備える。図示していないが、表示装置14は、各生産ライン20a~20cを構成する実装関連機22、24に接続されている。各生産ライン20a~20cは、部品実装機22、印刷機24等により構成されており、搬送される基板に部品を実装することにより回路基板26a~26cを生産する。なお、生産設備12は、複数の生産ラインを有していなくてもよく、単一の生産ラインのみを有していてもよい。
【0019】
図2に示すように、表示装置14は、表示部30と、操作部32と、取得部34と、制御部36を備えている。表示部30は、各種情報や、表示レベルに対応するアイコン(後述)、当該表示レベルに対応する表示画面(後述)等を表示するためのディスプレイである。表示レベルは、各生産ライン20a~20cの稼働状況(例えば、各生産ライン20a~20cの稼働が正常であるのか異常であるのか等)を示すための情報であり、当該稼働状況に応じて複数の表示レベルが予め設定されている。本実施例では、表示レベルは、Errorレベル、Warningレベル、Infoレベル、及びSuccessレベルのいずれかを示す。
【0020】
Errorレベルは、生産ライン20a~20cの稼働が停止している事象が生じていることを示す。当該事象としては、例えば、生産ライン20a~20c全ての動作を制御するサーバ(不図示)との通信エラーにより、生産設備12が停止している状況等が挙げられる。Warningレベルは、生産ライン20a~20cの生産性が大きく低下する事象が生じていることを示す。当該事象としては、例えば、部品実装機22の部品実装ユニット(例えば、実装ヘッド、吸着ノズル等)による回路基板への部品の実装ミスが、所定頻度以上で発生していること等により、総合設備効率(overall equipment efficiency、OEE)が大きく低下している状況等が挙げられる。Infoレベルは、生産ライン20a~20cの生産性に大きな影響を与えるものではないが、軽微な不良等の事象が生じていることを示す。当該事象としては、例えば、部品供給ユニット(部品フィーダ等)に部品切れが生じていること等により、OEEが微小に低下している状況等が挙げられる。Successレベルは、生産ライン20a~20cが正常に稼働していることを示す。このように、本実施例では、生産ライン20a~20cの稼働状況が、上記した4つのうちのいずれかのレベルに分類され、後述する表示処理において、分類された表示レベルに予め対応付けられた情報が表示部30に表示される。
【0021】
操作部32は、ユーザからの指示の入力を受け付ける。ユーザは、操作部32を操作することによって、様々な指示を表示装置14に入力することができる。表示部30及び操作部32は、いわゆるタッチパネルとして、一体となって機能する。ただし、操作部32は、キーボード、ポインティングデバイス等により構成されてもよく、表示部30と別体として設けられてもよい。
【0022】
取得部34は、生産ライン20a~20cの稼働状況を示す複数の検出項目を取得する。検出項目としては、例えば、上述したサーバの動作状況や、各生産設備12の動作状況、部品実装ユニットや部品供給ユニットの動作状況、また回路基板の生産状況等が挙げられる。各検出項目は、取得された際の状況に応じて、上記した表示レベルに予め対応付けられている。例えば、検出項目として生産設備12が停止している状況を取得したときに、サーバの通信エラーが生じている場合には当該検出項目がErrorレベルに対応付けられる。また例えば、検出項目として部品実装ユニットの動作状況を取得したときに、部品の実装ミスが所定頻度以上で発生している場合には当該検出項目がWarningレベルに対応付けられ、部品の実装ミスが所定頻度未満である場合には当該検出項目がSuccessレベルに対応付けられる。また例えば、検出項目として部品供給ユニットの動作状況を取得したときに、部品切れが生じている場合には当該検出項目がInfoレベルに対応付けられ、部品が正常にセットされている場合には当該検出項目がSuccessレベルに対応付けられる。このように、表示装置14では、取得部34が取得した検出項目の状態に応じて、当該検出項目が、いずれかの表示レベルに予め対応付けられている。
【0023】
制御部36は、コンピュータによって構成されている。制御部36は、各部30、32、34の処理を制御する。例えば、制御部36は、表示部30に所定の表示画面を表示させ、取得部34に各生産ライン20a~20cの稼働状況を取得させる。
【0024】
次に、図3を参照して、表示装置14が各生産ライン20a~20cの稼働状況を表示部30に表示する処理について説明する。図3の処理は、生産設備12の稼働が開始されると(すなわち、回路基板の生産が開始されると)、生産ライン20a~20cのそれぞれに対して個別に実行される。図3の処理は、生産ライン20a~20cのそれぞれについて同様に実行されるので、以下では、生産ライン20aに対して図3の処理を実行する場合について説明する。
【0025】
生産設備12の稼働が開始されると、S10において、制御部36は、生産ライン20aの稼働状況を取得する。具体的には、上述したように、生産ライン20aの全ての動作を制御するサーバの動作状況や、各生産設備12の動作状況、各部品実装機22等の稼働状況(すなわち、部品実装ユニットや部品供給ユニットの稼働状況)、また回路基板の生産状況等を取得する。
【0026】
S12以降では、制御部36は、取得した検出項目が、いずれの表示レベルに対応付けられているのかを判断する。S12では、制御部36は、取得した検出項目の中に、Errorレベルに対応付けられている検出項目が存在するのか否かを判断する。例えば、検出項目の中に、サーバの通信エラーが生じていることを示す検出項目が含まれている場合、制御部36は、当該検出項目がErrorレベルに対応付けられていると判断し、S14へ進む。そして、図4に示すように、制御部36は、S14において、生産ライン20aを示す画像B1とともに、Errorレベルに対応するアイコンI1を表示部30に表示する。一方、Errorレベルに対応付けられている検出項目が含まれていない場合には、S16へ進む。
【0027】
S16では、制御部36は、取得した検出項目の中に、warningレベルに対応付けられている検出項目が存在するのか否かを判断する。例えば、検出項目の中に、部品実装ユニットの実装ミスが所定頻度以上で発生していることを示す検出項目が含まれている場合、制御部36は、当該検出項目がwarningレベルに対応付けられていると判断し、S18へ進む。そして、制御部36は、S18において、warningレベルに対応するアイコンを表示部30に表示する。一方、warningレベルに対応付けられた検出項目が含まれていない場合には、S20へ進む。
【0028】
S20では、制御部36は、取得した検出項目の中に、infoレベルに対応付けられている検出項目が存在するのか否かを判断する。例えば、検出項目の中に、部品供給ユニットに部品切れが生じていることを示す検出項目が含まれている場合、制御部36は、当該項目がinfoレベルに対応付けられていると判断し、S22へ進む。そして、制御部36は、S22において、infoレベルに対応するアイコンを表示部30に表示する。一方、infoレベルに対応付けられた検出項目が含まれていない場合には、制御部36は、S24において、successレベルに対応するアイコンを表示部30に表示する。
【0029】
S26において、制御部36は、表示レベルを選択する指示が入力されたのか否かを判断する。例えば、図4に示すErrorレベルに対応するアイコンI1がユーザによってタッチされると、S28へ進む。制御部36は、表示レベルを選択する指示が入力されていない場合には、S10に戻る。すなわち、制御部36は、ユーザによる指示の入力を受け付けるまで、生産ライン20aの稼働状況の取得(S10)及び表示すべき表示レベルの判断(S12~S24)の処理を繰り返す。なお、S26の処理が「表示レベル選択部」によって実行される処理の一例である。
【0030】
制御部36は、表示レベルを選択する指示の入力を受け付けると、S28において、表示画面を表示部30に表示する。具体的には、制御部36は、アイコンI1を選択する入力を受け付けると、図5に示すように、Errorレベルに対応付けられた検出項目を表示する表示画面S1を表示部30に表示する。表示画面S1では、Errorレベルに対応付けられている検出項目であるサーバの動作状況(通信エラーが生じている状況)が、当該検出項目を表示する部分画像P1として表示される。また、サーバの通信エラー以外にもErrorレベルに対応付けられた検出項目が存在する場合には、当該検出項目毎に、当該検出項目に対応する部分画像P2、P3が表示される。すなわち、制御部36は、複数の部分画像P1~P3により構成される表示画面S1を、生産ライン20aの稼働状況を示す画面として表示部30に表示する。図5に示すように、部分画像P1~P3には、動作状況を示すグラフや表などが含まれる。このようにして、生産ライン20aの稼働状況が表示部30に表示される。制御部36は、S28を実行すると、一連の処理を終了する。
【0031】
なお、上述したように、図3の表示処理は、生産ライン20a~20cのそれぞれに対して個別に実行される。このため、図4に示すように、生産ライン20b、20cについても、生産ライン20b、20cを示す画像B2、B3とともに、取得された検出項目の状況に応じた表示レベルに対応するアイコンI2、I3が表示部30に表示される。ユーザは、アイコンIb、Icをタッチすることで、生産ライン20aの表示画面S1と同様に、生産ライン20b、20cの稼働状況を示す表示画面を表示させることができる。
【0032】
上述したように、本実施例では、生産設備12が稼働を開始すると、制御部36が、生産ライン20a~20cの稼働状況を示す複数の検出項目を取得部34に取得させる。そして、制御部36は、当該複数の検出項目のそれぞれが対応付けられている表示レベルを判断し、表示レベルに対応するアイコンを表示部30に表示させる。ユーザが表示されたアイコンのいずれかを選択する指示を入力すると、当該表示レベルに対応する検出項目を示す表示画面が表示される。このように、本実施例では、選択された表示レベルに応じて予め分類された検出項目が表示される。すなわち、ユーザは、予め設定された複数の表示レベルのうちから、表示された表示レベルを選択する指示を入力するだけで、当該表示レベルに対応した検出項目(稼働状況)を確認することができる。
【0033】
(実施例2)
上述した実施例1では、或る表示レベルに対応するアイコンを選択すると、当該表示レベルに予め対応付けられた検出項目を示す表示画面が表示部30に表示されるように構成されていた。これに対して、実施例2では、表示レベル毎に、当該表示レベルに対応付ける検出項目をユーザにより設定可能に構成されている。すなわち、ユーザは、操作部32を操作することにより、或る表示レベルに対応付ける検出項目を設定可能である。当該設定は、図3に示す表示処理とは別に実施される。
【0034】
例えば、実施例1では、部品実装ユニットによる実装ミスが所定頻度以上で発生していることを示す検出項目が、Warningレベルに対応付けられていたが、ユーザによっては当該検出項目の重要度が比較的低い場合があり得る。本実施例では、このような場合、ユーザは、実装ミスが所定頻度以上で発生していることを示す検出項目を、Warningレベルから除外することができる。この場合、ユーザによって、当該検出項目を、Infoレベル又はSuccessレベルに対応付ける指示を入力可能であってもよい。このように設定することで、実装ミスが所定頻度以上で発生している場合であっても、Warningレベルに対応するアイコンではなく、Infoレベル又はSuccessレベルに対応するアイコンが表示部30に表示される。また例えば、実施例1では、部品供給ユニットに部品切れが生じていることを示す検出項目が、Infoレベルに対応付けられていたが、ユーザによっては当該検出項目の重要度が比較的高い場合があり得る。本実施例では、このような場合、ユーザは、部品切れが生じていることを示す検出項目に対応する表示レベルを、例えば、InfoレベルからErrorレベルに変更する指示を入力することができる。このように設定することで、部品切れが生じた場合には、Errorレベルに対応するアイコンが表示部30に表示される。このように、本実施例では、表示レベルと検出項目との間に予め設定されている対応関係を変更することができる。すなわち、或る表示レベルを選択した際に表示すべき検出項目をユーザにより自由に設定することができる。
【0035】
また、実施例1では、或る表示レベルに対応する表示画面が、予め設定された複数の部分画像により構成されていた。これに対して、本実施例では、表示部30に表示される表示画面を構成する部分画像のレイアウト(部分画像の数、種類、配置、サイズ等)を、ユーザにより設定可能に構成されている。すなわち、ユーザは、操作部32を操作することにより、表示画面を構成する部分画像のレイアウトを設定可能である。当該設定は、図3に示す表示処理とは別に実施される。
【0036】
例えば、検出項目が回路基板の生産状況である場合、当該検出項目を表示する部分画像として、回路基板の生産速度、生産計画の進行割合、生産された回路基板の歩留まり率等、複数の部分画像が存在し得る。したがって、検出項目として回路基板の生産状況を取得した場合には、当該検出項目が複数の部分画像に対応付けられ得る。本実施例では、このような場合に、ユーザが、回路基板の生産状況を表示する部分画像のレイアウト(すなわち、表示画面のレイアウト)を設定することができる。例えば、図6に示すように、ユーザは、複数の部分画像P4~P8を含む候補群Gから、回路基板の生産状況を表示する表示画面S2に表示させたい部分画像を選択して自由に配置することができる。図6では、一例として部分画像P4を配置する態様(例えば、ドラッグアンドドロップ)を示している。このように、本実施例では、回路基板の生産状況を表示する複数の部分画像P4~P8から、所望の部分画像を選択し、表示画面S2のレイアウトを自由に設定することができる。
【0037】
(変形例)
なお、上述した各実施例において、生産設備12が有する生産ラインの数が比較的多い場合、稼働状況を表示すべき生産ラインを選択する操作を入力するための画面を表示してもよい。例えば、図3のS10の後に、図7に示すように、生産ライン20a~20hを示す画像Ba~Bhとともに、生産ライン20a~20hのそれぞれを選択するための選択画像Ca~Chを表示して、いずれかの生産ラインを選択する操作を入力可能に構成してもよい。そして、例えば、制御部36が生産ライン20aを選択する操作の入力(ユーザによる選択画像Caのタッチ)を受け付けた場合に、図4に示す画像B1のみを表示部30に表示してもよい。このような構成では、生産ラインの数が多数である場合に、各生産ラインを一覧表示することができるため、視認性が向上する。
【0038】
また、上述した実施例の図4では、各生産ライン20a~20cについて、1つの表示レベルに対応するアイコンのみが表示された。しかしながら、すべての表示レベルに対応するアイコンが表示されてもよいし、一部の表示レベルに対応するアイコンが表示されてもよい。例えば、生産ライン20aにおいて、Warningレベル、Infoレベル、Successレベルのそれぞれに対応付けられた検出項目が取得された場合、図8に示すように、Warningレベルに対応するアイコンI2を表示するとともに、より緊急度が低いInfoレベル及びSuccessレベルに対応するアイコンI3、I4を表示部30に併せて表示してもよい。
【0039】
また、上述した実施例において、図9に示すように、表示画面S1が表示されている状態で、選択してない表示レベルに対応するアイコン(図9では、Errorレベル以外の各表示レベルに対応するアイコンI2、I3、I4)が表示されてもよい。このような構成では、他の表示レベルに応じた表示画面へ容易に遷移することができる。
【0040】
また、表示装置14は、単一の装置に限られず、複数の装置により構成されてもよい。例えば、別個の複数の装置が、表示部30、操作部32、取得部34、制御部36のそれぞれとして機能してもよい。
【0041】
また、表示部30は、複数設けられてもよい。例えば、表示装置14は、作業者毎に割り当てられる複数の表示部30を有してもよい。このような構成では、異なる表示レベルに対応する表示画面のそれぞれを同時に確認することができる。また、各表示レベルに対応する表示画面の表示を作業者毎に設定にすることができる。
【0042】
図4~9に示した表示部30への表示態様は一例であり、他の表示態様を用いてもよい。
【0043】
以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9