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特許7369317不適切使用抑制システムおよび不適切使用抑制プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-17
(45)【発行日】2023-10-25
(54)【発明の名称】不適切使用抑制システムおよび不適切使用抑制プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20231018BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20231018BHJP
   H04M 1/72463 20210101ALI20231018BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/02
H04M1/72463
H04M11/00 301
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023036784
(22)【出願日】2023-03-09
(62)【分割の表示】P 2022079981の分割
【原出願日】2021-07-30
(65)【公開番号】P2023060891
(43)【公開日】2023-04-28
【審査請求日】2023-03-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520154438
【氏名又は名称】末次 功憲
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】末次 功憲
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-199754(JP,A)
【文献】特開2013-239208(JP,A)
【文献】特開2009-140165(JP,A)
【文献】特開2017-183783(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00-11/00
G06F 3/02、3/048
G06F 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が携帯して使用する電子機器の、前記使用者による不適切な使用を抑制するための動作としての抑制動作を決定する抑制動作決定部と、
前記抑制動作決定部によって決定された前記抑制動作を実行する抑制動作実行部と
を備え、
前記抑制動作決定部は、前記抑制動作を決定するための条件としての動作決定条件の少なくとも1つに現在の状況が該当する場合に、現在の状況が該当する前記動作決定条件に応じた前記抑制動作を決定し、
前記動作決定条件としては、前記使用者による前記電子機器の誤操作の状況に関するものが存在し、
前記抑制動作決定部は、前記使用者による前記電子機器の誤操作の状況の判定の基準の回数を、記使用者にとって安全な環境で取得された、前記使用者による前記電子機器の誤操作の回数に基づいて決定し、
前記抑制動作決定部は、前記使用者による前記電子機器の誤操作の回数が前記基準の回数以上である場合に、前記使用者による前記電子機器の誤操作の状況として、前記使用者による前記電子機器の誤操作が多いと判定することを特徴とする不適切使用抑制システム。
【請求項2】
使用者が携帯して使用する電子機器の、前記使用者による不適切な使用を抑制するための動作としての抑制動作を決定する抑制動作決定部と、
前記抑制動作決定部によって決定された前記抑制動作を実行する抑制動作実行部と
を前記電子機器に実現させ、
前記抑制動作決定部は、前記抑制動作を決定するための条件としての動作決定条件の少なくとも1つに現在の状況が該当する場合に、現在の状況が該当する前記動作決定条件に応じた前記抑制動作を決定し、
前記動作決定条件としては、前記使用者による前記電子機器の誤操作の状況に関するものが存在し、
前記抑制動作決定部は、前記使用者による前記電子機器の誤操作の状況の判定の基準の回数を、記使用者にとって安全な環境で取得された、前記使用者による前記電子機器の誤操作の回数に基づいて決定し、
前記抑制動作決定部は、前記使用者による前記電子機器の誤操作の回数が前記基準の回数以上である場合に、前記使用者による前記電子機器の誤操作の状況として、前記使用者による前記電子機器の誤操作が多いと判定することを特徴とする不適切使用抑制プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が携帯して使用する電子機器の、使用者による不適切な使用を抑制する不適切使用抑制システムおよび不適切使用抑制プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者が携帯して使用する電子機器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-198605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電子機器においては、使用者による、いわゆる「歩きスマホ」などの不適切な使用が実行されるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、電子機器の使用者による、電子機器の不適切な使用を抑制することができる不適切使用抑制システムおよび不適切使用抑制プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の不適切使用抑制システムは、使用者が携帯して使用する電子機器の、前記使用者による不適切な使用を抑制するための動作としての抑制動作を決定する抑制動作決定部と、前記抑制動作決定部によって決定された前記抑制動作を実行する抑制動作実行部とを備え、前記抑制動作決定部は、前記抑制動作を決定するための条件としての動作決定条件の少なくとも1つに現在の状況が該当する場合に、現在の状況が該当する前記動作決定条件に応じた前記抑制動作を決定することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の不適切使用抑制システムは、動作決定条件の少なくとも1つに現在の状況が該当する場合に、現在の状況が該当する動作決定条件に応じた抑制動作を決定するので、電子機器の使用者による、電子機器の不適切な使用を抑制することができる。
【0008】
本発明の不適切使用抑制システムにおいて、前記抑制動作は、前記使用者に対する通知を含んでも良い。
【0009】
この構成により、本発明の不適切使用抑制システムは、電子機器の使用者による、電子機器の不適切な使用を、電子機器の使用者に対する通知によって抑制するので、電子機器の不適切な使用をしないように電子機器の使用者に意識させることができる。
【0010】
本発明の不適切使用抑制システムにおいて、前記抑制動作は、前記電子機器の使用制限を含んでも良い。
【0011】
この構成により、本発明の不適切使用抑制システムは、電子機器の使用者による、電子機器の不適切な使用を、電子機器の使用制限によって抑制するので、電子機器の使用者による、電子機器の不適切な使用を効果的に抑制することができる。
【0012】
本発明の不適切使用抑制システムにおいて、前記動作決定条件としては、前記使用者の姿勢の状態に関するものと、前記使用者の移動の状況に関するものと、前記使用者による前記電子機器の操作の集中の度合いに関するものと、前記使用者による前記電子機器の誤操作の状況に関するものと、前記使用者の場所に関するものと、前記使用者が存在する場所の天気に関するものと、前記使用者の移動の目的の有無に関するものと、前記使用者が前記電子機器の操作に集中するモードに前記電子機器が設定されているか否かに関するものとの少なくとも1つが存在しても良い。
【0013】
この構成により、本発明の不適切使用抑制システムは、適切な抑制動作を実行することができるので、電子機器の使用者による、電子機器の不適切な使用を適切に抑制することができる。
【0014】
本発明の不適切使用抑制システムにおいて、前記抑制動作実行部は、前記抑制動作を実行する場合に、特定の状況において前記電子機器の特定の機能の例外的な使用を許可しても良い。
【0015】
この構成により、本発明の不適切使用抑制システムは、抑制動作を実行する場合に、特定の状況において電子機器の特定の機能の例外的な使用を許可するので、電子機器の使用者による、電子機器の不適切な使用を抑制することに伴う弊害を低減することができる。
【0016】
本発明の不適切使用抑制プログラムは、使用者が携帯して使用する電子機器の、前記使用者による不適切な使用を抑制するための動作としての抑制動作を決定する抑制動作決定部と、前記抑制動作決定部によって決定された前記抑制動作を実行する抑制動作実行部とを前記電子機器に実現させ、前記抑制動作決定部は、前記抑制動作を決定するための条件としての動作決定条件の少なくとも1つに現在の状況が該当する場合に、現在の状況が該当する前記動作決定条件に応じた前記抑制動作を決定することを特徴とする。
【0017】
この構成により、本発明の不適切使用抑制プログラムを実行する電子機器は、動作決定条件の少なくとも1つに現在の状況が該当する場合に、現在の状況が該当する動作決定条件に応じた抑制動作を決定するので、電子機器自身の使用者による、電子機器自身の不適切な使用を抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の不適切使用抑制システムおよび不適切使用抑制プログラムは、電子機器の使用者による、電子機器の不適切な使用を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】(a)本発明の一実施の形態に係るスマートフォンの正面図である。 (b)図1(a)に示すスマートフォンの背面図である。
図2図1に示すスマートフォンの構成を示すブロック図である。
図3図2に示す動作決定条件テーブルの一例を示す図である。
図4図2に示す抑制動作テーブルの一例を示す図である。
図5】取得履歴情報を更新する場合の図2に示すスマートフォンの動作の一例のフローチャートである。
図6】姿勢判定用相対位置情報を登録する場合の図2に示すスマートフォンの動作のフローチャートである。
図7】操作集中モードに設定される場合の図2に示すスマートフォンの動作の一例のフローチャートである。
図8】実行する抑制動作を決定する場合の図2に示すスマートフォンの動作の一例のフローチャートである。
図9】抑制動作を実行する場合の図2に示すスマートフォンの動作の一例のフローチャートである。
図10】緊急時の例外的な使用に関する、図2に示すスマートフォンの動作の一例のフローチャートである。
図11】乗り物に固定されている場合の例外的な使用に関する、図2に示すスマートフォンの動作の一例のフローチャートである。
図12】表示部に表示されている画像が視認されていない場合の例外的な使用に関する、図2に示すスマートフォンの動作の一例のフローチャートである。
図13】本発明の一実施の形態に係る不適切使用抑制システムの、図2に示す例とは異なる例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0021】
まず、本発明の一実施の形態に係る電子機器としてのスマートフォンの構成について説明する。
【0022】
図1(a)は、本実施の形態に係る電子機器としてのスマートフォン10の正面図である。図1(b)は、スマートフォン10の背面図である。図2は、スマートフォン10の構成を示すブロック図である。
【0023】
図1および図2に示すように、スマートフォン10は、種々の操作が入力される操作部11と、種々の情報を表示する例えば有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示デバイスである表示部12と、音を出力するスピーカー13と、音を入力するマイク14と、スマートフォン10の背面側を撮影するためのアウトカメラ15aと、スマートフォン10の正面側を撮影するためのインカメラ15bと、バイブレーション機能を実現するための振動モーター16と、種々の情報を検出するセンサー部17と、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部18と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリーなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部19と、スマートフォン10全体を制御する制御部20とを備えている。
【0024】
操作部11は、各種の操作デバイスを備えている。例えば、操作部11は、スマートフォン10の電源を入れるための電源ボタン11aと、スピーカー13から出力される音の音量を調整するための音量ボタン11bと、例えばホーム画面を表示部12に表示するためのホームボタン11cと、表示部12とともにタッチパネルを構成する位置入力装置11dとを操作デバイスとして備えている。
【0025】
センサー部17は、各種のセンサーを備えている。例えば、センサー部17は、加速度を検出する加速度センサー17aと、角速度を検出するジャイロセンサー17bと、磁場の大きさおよび方向を検出する磁気センサー17cと、現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)ユニット17dと、スマートフォン10の使用者(以下、単に「使用者」という。)の顔の凹凸を検出するための赤外線センサー17eとをセンサーとして備えている。
【0026】
記憶部19は、使用者によるスマートフォン10の不適切な使用を抑制するための不適切使用抑制プログラム19aを記憶している。不適切使用抑制プログラム19aは、例えば、スマートフォン10の製造段階でスマートフォン10にインストールされていても良いし、ネットワーク上からスマートフォン10に追加でインストールされても良い。
【0027】
記憶部19は、操作部11の各種の操作デバイスの出力と、センサー部17の各種のセンサーの出力との履歴を示す取得履歴情報19bを記憶可能である。
【0028】
記憶部19は、使用者の姿勢の状態、すなわち、使用者が座っているか、立っているかの状態を判定するために、立っている使用者に携帯されているスマートフォン10の位置に対する、座っている使用者に携帯されているスマートフォン10の相対位置を示す姿勢判定用相対位置情報19cを記憶可能である。
【0029】
記憶部19は、使用者によるスマートフォン10の不適切な使用を抑制するための動作(以下「抑制動作」という。)を決定するための条件(以下「動作決定条件」という。)を示す動作決定条件テーブル19dを記憶可能である。
【0030】
図3は、動作決定条件テーブル19dの一例を示す図である。
【0031】
図3に示すように、動作決定条件テーブル19dには、様々な動作決定条件と、これらの動作決定条件毎に対応付けられている数値とが含まれている。例えば、動作決定条件の種類には、「使用者の姿勢の状態」と、「使用者の移動の状況」と、使用者によるスマートフォン10の操作の集中の度合いを示す「操作の集中の度合い」と、使用者によるスマートフォン10の誤操作の状況を示す「誤操作の状況」と、「使用者の場所」と、使用者が存在する場所の天気を示す「天気」と、使用者の移動の目的の有無を示す「移動の目的」と、使用者がスマートフォン10の操作に集中するモードとしての操作集中モードにスマートフォン10が設定されているか否かを示す「操作集中モード」とが含まれている。図3に示す動作決定条件テーブル19dにおける各情報は、あくまで例示である。例えば、後述の抑制動作決定部20aは、操作部11からの指示に応じて動作決定条件テーブル19dにおける各情報を変更しても良い。
【0032】
動作決定条件テーブル19dにおける「使用者の姿勢の状態」には、例えば、「座っている」という動作決定条件と、「立っている」という動作決定条件とが含まれている。
【0033】
動作決定条件テーブル19dにおける「使用者の移動の状況」には、例えば、足で低速移動していることを示す「歩いている」、足で高速移動していることを示す「走っている」など、様々な動作決定条件が含まれている。
【0034】
動作決定条件テーブル19dにおける「操作の集中の度合い」には、例えば、「少し集中している」、「かなり集中している」など、様々な動作決定条件が含まれている。
【0035】
動作決定条件テーブル19dにおける「誤操作の状況」には、例えば、「誤操作が多い」など、様々な動作決定条件が含まれている。
【0036】
動作決定条件テーブル19dにおける「使用者の場所」には、例えば、「自宅」、「職場」、「自宅の近所」、「職場の近所」、「道が悪い地域」、「乗り物が多い地域」、「動物が多い地域」、「静止物が多い地域」など、様々な動作決定条件が含まれている。ここで、「自宅の近所」とは、「自宅」から特定の距離の範囲内の地域を示している。同様に、「職場の近所」とは、「職場」から特定の距離の範囲内の地域を示している。「道が悪い地域」とは、例えば、凸凹道や細い道などの悪路が多い地域である。「乗り物が多い地域」における「乗り物」など、本実施の形態における「乗り物」とは、例えば、自動車、自転車、車椅子、ベビーカーなど、使用者にとって衝突などの危険が生じる乗り物である。「動物が多い地域」における「動物」など、本実施の形態における「動物」とは、例えば、犬、猫、カラス、スズメ、ねずみなど、使用者にとって衝突、躓きなどの危険が生じる動物である。「静止物が多い地域」における「静止物」など、本実施の形態における「静止物」とは、例えば、電柱、スタンド看板、郵便ポスト、ガードレール、段差、溝など、使用者にとって衝突、躓き、落下などの危険が生じる静止物である。
【0037】
図3に示す「使用者の場所」の動作決定条件は、あくまで例示である。例えば、「使用者の場所」には、「学校」が含まれていても良い。また、図3に示す「使用者の場所」には、「建物内」、「公園」、「商業地」、「イベント会場」、「ターミナル駅」、「郊外」などの包括的な動作決定条件が含まれているが、より具体的な動作決定条件が含まれても良い。例えば、「使用者の場所」には、「公園」ではなく、「代々木公園」などの具体的な動作決定条件が含まれても良い。
【0038】
動作決定条件テーブル19dにおいて、「自宅」に対応付けられる数値は、階段が多い、通路が入り組んでいるなど、構造的に危険な場所であるか否か、単位面積当たりに存在する人の数が多い場所であるか否か、使用者が慣れている場所であるか否かなど、「自宅」に対する種々の情報が使用者によって登録されることによって、登録された情報に基づいて後述の抑制動作決定部20aによって設定されても良い。「職場」に対応付けられる数値についても同様である。「代々木公園」などの具体的な動作決定条件に対応付けられる数値についても同様に、具体的な動作決定条件に対する種々の情報が使用者によって登録されることによって、登録された情報に基づいて後述の抑制動作決定部20aによって設定されても良い。なお、構造的に危険な場所である場合や、単位面積当たりに存在する人の数が多い場所である場合や、使用者が慣れている場所ではない場合には、対応付けられる数値は大きくなる。
【0039】
動作決定条件テーブル19dにおける「天気」には、例えば、「雨」、「強風」など、様々な動作決定条件が含まれている。図3に示す「天気」の動作決定条件は、あくまで例示である。例えば、図3に示す「天気」には、「雨」という包括的な動作決定条件が含まれているが、雨の強さ毎に動作決定条件が含まれていても良い。
【0040】
図2に示すように、記憶部19は、使用者によるスマートフォン10の不適切な使用の抑制の度合い(以下「抑制レベル」という。)毎に抑制動作を示す抑制動作テーブル19eを記憶可能である。
【0041】
図4は、抑制動作テーブル19eの一例を示す図である。
【0042】
図4に示すように、抑制動作テーブル19eは、抑制レベルと、抑制動作の内容と、数値の範囲とが対応付けられている。図4に示す抑制動作テーブル19eにおける各情報は、あくまで例示である。例えば、後述の抑制動作決定部20aは、操作部11からの指示に応じて抑制動作テーブル19eにおける各情報を変更しても良い。
【0043】
図4に示す「レベル1用の通知」、「レベル2用の通知」、「レベル3用の通知」は、それぞれ、表示部12による表示と、スピーカー13による音声の出力と、振動モーター16による振動との少なくとも1つによって実現される、使用者に対する通知である。
【0044】
図4に示す「画像の操作の一部の禁止」、「画像の操作の禁止」、「一部の画像の表示の禁止」、「音声の出力の一部の禁止」および「音声の入力の禁止」は、スマートフォン10の使用制限である。「画像の操作の一部の禁止」は、表示部12に表示される、例えば特定のボタンなどの、特定の一部の画像に対する操作を禁止することを意味している。「画像の操作の禁止」は、表示部12に表示される画像に対する一切の操作を禁止することを意味している。「一部の画像の表示の禁止」は、例えば動画アプリケーションにおける動画など、特定の一部の画像を表示部12に表示することを禁止することを意味している。「音声の出力の一部の禁止」は、特定の一部の音声をスピーカー13によって出力することを禁止することを意味している。「音声の入力の禁止」は、音声をマイク14から入力することを禁止することを意味している。
【0045】
図2に示すように、記憶部19は、地図情報19fを記憶可能である。
【0046】
記憶部19は、道が悪い地域を示す悪路地域データベース19gを記憶可能である。
【0047】
記憶部19は、人が多い地域を時間帯毎に示す人多地域データベース19hを記憶可能である。例えば、人多地域データベース19hには、特定のイベント会場、特定のターミナル駅などの地域が含まれている。
【0048】
記憶部19は、乗り物が多い地域を時間帯毎に示す乗り物多地域データベース19iを記憶可能である。
【0049】
記憶部19は、動物が多い地域を時間帯毎に示す動物多地域データベース19jを記憶可能である。例えば、動物多地域データベース19jには、特定のドッグラン、犬を散歩させる場所として有名な特定の場所などの地域が含まれている。
【0050】
記憶部19は、静止物が多い地域を時間帯毎に示す静止物多地域データベース19kを記憶可能である。
【0051】
制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部20のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。制御部20のCPUは、記憶部19または制御部20のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0052】
制御部20は、不適切使用抑制プログラム19aを実行することによって、抑制動作を決定する抑制動作決定部20aと、抑制動作決定部20aによって決定された抑制動作を実行する抑制動作実行部20bとを実現する。すなわち、スマートフォン10は、不適切使用抑制システムを構成している。
【0053】
次に、スマートフォン10の動作について説明する。
【0054】
まず、取得履歴情報19bを更新する場合のスマートフォン10の動作の一例について説明する。
【0055】
図5は、取得履歴情報19bを更新する場合のスマートフォン10の動作の一例のフローチャートである。
【0056】
抑制動作決定部20aは、使用者がスマートフォン10にログインした場合に、図5に示す動作を実行する。例えば、制御部20は、インカメラ15bによって撮影された画像における使用者の顔と、赤外線センサー17eによる検出結果における使用者の顔との少なくとも1つに基づいた顔認証によって、使用者をスマートフォン10にログインさせることが可能である。
【0057】
図5に示すように、抑制動作決定部20aは、特定のタイミングに到達したと判断するまで、特定のタイミングに到達したか否かを判断する(S101)。ここで、S101における特定のタイミングとは、例えば0.1秒毎のタイミングである。
【0058】
抑制動作決定部20aは、特定のタイミングに到達したとS101において判断すると、操作部11の各種の操作デバイスの出力と、センサー部17の各種のセンサーの出力とを取得履歴情報19bに追加して(S102)、S101の処理を実行する。
【0059】
なお、図5に示す動作の開始の直後に取得履歴情報19bに追加された、加速度センサー17a、ジャイロセンサー17bおよび磁気センサー17cの出力に基づいたスマートフォン10の位置は、加速度センサー17a、ジャイロセンサー17bおよび磁気センサー17cの出力に基づいて算出されるスマートフォン10の位置の原点となる。
【0060】
次に、姿勢判定用相対位置情報19cを登録する場合のスマートフォン10の動作の一例について説明する。
【0061】
図6は、姿勢判定用相対位置情報19cを登録する場合のスマートフォン10の動作のフローチャートである。
【0062】
抑制動作決定部20aは、使用者が初めてスマートフォン10にログインした場合に図6に示す動作を実行しても良いし、使用者による指示に応じて図6に示す動作を実行しても良い。
【0063】
図6に示すように、抑制動作決定部20aは、使用者が立っている状態で特定の位置にスマートフォン10を配置する指示を、表示部12による表示と、スピーカー13による音声の出力との少なくとも1つによって通知する(S121)。したがって、S121における通知を確認した使用者は、立つとともに、使用者にとっての特定の位置にスマートフォン10を配置することができる。ここで、特定の位置とは、例えば、使用者が真っ直ぐ前を向いた状態で、表示部12によって表示される画像が使用者の顔の向きに対して正面になるようにスマートフォン10が地面に対して垂直に配置されるとともに、表示部12によって表示される画像が使用者の顔から30cm離されている位置である。
【0064】
抑制動作決定部20aは、S121の処理の後、使用者が立っている状態で特定の位置にスマートフォン10が配置されたことが操作部11を介して通知されたと判断するまで、使用者が立っている状態で特定の位置にスマートフォン10が配置されたことが操作部11を介して通知されたか否かを判断する(S122)。
【0065】
抑制動作決定部20aは、使用者が立っている状態で特定の位置にスマートフォン10が配置されたことが操作部11を介して通知されたとS122において判断すると、センサー部17の各種のセンサーによって検出された、スマートフォン10の現在の位置を取得する(S123)。なお、抑制動作決定部20aは、例えば、加速度センサー17a、ジャイロセンサー17bおよび磁気センサー17cのそれぞれの出力に基づいて、スマートフォン10の現在の位置を算出しても良い。
【0066】
抑制動作決定部20aは、S123の処理の後、使用者が座っている状態で特定の位置にスマートフォン10を配置する指示を、表示部12による表示と、スピーカー13による音声の出力との少なくとも1つによって通知する(S124)。したがって、S124における通知を確認した使用者は、座るとともに、使用者にとっての特定の位置にスマートフォン10を配置することができる。ここで、特定の位置とは、例えば、使用者が真っ直ぐ前を向いた状態で、表示部12によって表示される画像が使用者の顔の向きに対して正面になるようにスマートフォン10が地面に対して垂直に配置されるとともに、表示部12によって表示される画像が使用者の顔から30cm離されている位置である。
【0067】
抑制動作決定部20aは、S124の処理の後、使用者が座っている状態で特定の位置にスマートフォン10が配置されたことが操作部11を介して通知されたと判断するまで、使用者が座っている状態で特定の位置にスマートフォン10が配置されたことが操作部11を介して通知されたか否かを判断する(S125)。
【0068】
抑制動作決定部20aは、使用者が座っている状態で特定の位置にスマートフォン10が配置されたことが操作部11を介して通知されたとS125において判断すると、センサー部17の各種のセンサーによって検出された、スマートフォン10の現在の位置を取得する(S126)。なお、抑制動作決定部20aは、例えば、加速度センサー17a、ジャイロセンサー17bおよび磁気センサー17cのそれぞれの出力に基づいて、スマートフォン10の現在の位置を算出しても良い。
【0069】
抑制動作決定部20aは、S126の処理の後、S123によって取得された位置に対する、S126によって取得された位置である相対位置を、姿勢判定用相対位置情報19cに登録し(S127)、図6の動作を終了する。
【0070】
次に、操作集中モードに設定される場合のスマートフォン10の動作の一例について説明する。
【0071】
図7は、操作集中モードに設定される場合のスマートフォン10の動作の一例のフローチャートである。
【0072】
抑制動作決定部20aは、操作集中モードへの設定が操作部11を介して指示されると、図7に示す動作を実行する。
【0073】
図7に示すように、抑制動作決定部20aは、使用者が特定の激しい移動を実行しているか否かを判断する(S141)。ここで、特定の激しい移動には、例えば「走っている」が含まれても良い。
【0074】
抑制動作決定部20aは、使用者が特定の激しい移動を実行しているとS141において判断すると、操作集中モードへの設定の失敗を、表示部12による表示と、スピーカー13による音声の出力との少なくとも1つによって通知して(S142)、図7に示す動作を終了する。
【0075】
抑制動作決定部20aは、使用者が特定の激しい移動を実行していないとS141において判断すると、スマートフォン10を操作集中モードに設定する(S143)。
【0076】
次いで、抑制動作決定部20aは、操作集中モードへの設定の成功を、表示部12による表示と、スピーカー13による音声の出力との少なくとも1つによって通知して(S144)、図7に示す動作を終了する。
【0077】
なお、スマートフォン10には、スマートフォン10が操作集中モードに設定されている場合にのみ操作されることが可能であるアプリケーションプログラムがインストールされていても良い。
【0078】
次に、実行する抑制動作を決定する場合のスマートフォン10の動作の一例について説明する。
【0079】
図8は、実行する抑制動作を決定する場合のスマートフォン10の動作の一例のフローチャートである。
【0080】
抑制動作決定部20aは、スマートフォン10が起動済みである場合に、図8に示す動作を実行する。
【0081】
図8に示すように、抑制動作決定部20aは、動作決定条件テーブル19dに示される動作決定条件のうち、現在の状況が該当する動作決定条件を特定する(S161)。ここで、抑制動作決定部20aは、同一の種類の動作決定条件のうち複数の動作決定条件に該当する場合であっても、同一の種類の動作決定条件のうち、現在の状況が該当する全ての動作決定条件を特定する。例えば、抑制動作決定部20aは、「使用者の場所」の動作決定条件のうち複数の動作決定条件に該当する場合には、「使用者の場所」の動作決定条件のうち、現在の状況が該当する全ての動作決定条件を特定する。
【0082】
抑制動作決定部20aは、「使用者の姿勢の状態」を、例えば、取得履歴情報19bに含まれる、加速度センサー17aの出力と、ジャイロセンサー17bの出力と、磁気センサー17cの出力との少なくとも1つに基づいて特定しても良い。例えば、抑制動作決定部20aは、「使用者の移動の状況」が「歩いている」または「走っている」という状況である場合に、「使用者の姿勢の状態」を「立っている」と判断しても良い。抑制動作決定部20aは、「使用者の姿勢の状態」が「座っている」という状態である場合に、スマートフォン10の位置が上昇し、上昇後のスマートフォン10の位置に対する、上昇前のスマートフォン10の相対位置が特定の下限値から特定の上限値までの間に含まれるとき、「使用者の姿勢の状態」を「立っている」と判断しても良い。抑制動作決定部20aは、「使用者の移動の状況」が「歩いている」または「走っている」という状況から「停止している」という状況に変化した後、特定の時間以上、「停止している」という状況に維持されているとともに、「使用者の移動の状況」が「歩いている」または「走っている」という状況におけるスマートフォン10の位置に対する、現在のスマートフォン10の相対位置が特定の下限値から特定の上限値までの間に含まれる場合に、「使用者の姿勢の状態」を「座っている」と判断しても良い。一方、抑制動作決定部20aは、「使用者の移動の状況」が「歩いている」または「走っている」という状況から「停止している」という状況に変化した後、特定の時間以上、「停止している」という状況に維持されていたとしても、「使用者の移動の状況」が「歩いている」または「走っている」という状況におけるスマートフォン10の位置に対する、現在のスマートフォン10の相対位置が特定の下限値から特定の上限値までの間に含まれない場合に、例えば使用者が座っておらず屈んでいるだけかもしれないので、「使用者の姿勢の状態」を「座っている」と判断しなくても良い。ここで、抑制動作決定部20aは、姿勢判定用相対位置情報19cが記憶部19に記憶されていない場合には、特定の下限値および特定の上限値としてデフォルトの値を使用する。一方、抑制動作決定部20aは、姿勢判定用相対位置情報19cが記憶部19に記憶されている場合には、姿勢判定用相対位置情報19cに示される相対位置に基づいて特定の下限値および特定の上限値を設定することによって、使用者に応じた特定の下限値および特定の上限値を設定することができ、その結果、「立っている」か、「座っている」かの判定の精度を向上することができる。
【0083】
抑制動作決定部20aは、「使用者の移動の状況」を、例えば、取得履歴情報19bに含まれる、加速度センサー17aの出力と、ジャイロセンサー17bの出力と、磁気センサー17cの出力と、GPSユニット17dの出力との少なくとも1つに基づいて判定しても良い。例えば、抑制動作決定部20aは、取得履歴情報19bに含まれる、加速度センサー17aの出力と、ジャイロセンサー17bの出力と、磁気センサー17cの出力とに基づいたスマートフォン10の移動のパターンが、使用者が歩いている場合のパターンと同類であるとき、「使用者の移動の状況」として「歩いている」と判定しても良い。また、抑制動作決定部20aは、「使用者の移動の状況」を、例えば、取得履歴情報19bに含まれる、GPSユニット17dの出力と、地図情報19fとに基づいて判定しても良い。例えば、抑制動作決定部20aは、取得履歴情報19bに含まれる、GPSユニット17dの出力に基づいたスマートフォン10の移動のパターンが、使用者が電車で移動している場合のパターンと同類であって、GPSユニット17dの出力に基づいたスマートフォン10の移動の軌跡が、地図情報19fにおける線路に沿っているとき、「使用者の移動の状況」として「電車で移動している」と判定しても良い。なお、抑制動作決定部20aは、「足でジグザグに移動している」、「足で移動中に急停止を多用している」、「足で移動中に横移動を多用している」、「足で移動中に跳ねている」、「足で移動中に停止を多用している」、「足で移動中に行ったり来たりしている」などの「使用者の移動の状況」を判定する場合に、使用者の普段の移動のパターンを基準にして判定しても良い。
【0084】
抑制動作決定部20aは、「操作の集中の度合い」を、例えば、表示部12によって表示される画像に対する使用者の顔の向きに応じて判定しても良い。例えば、抑制動作決定部20aは、「操作の集中の度合い」が高いほど、表示部12によって表示される画像に対する使用者の顔の向きが正面向きに近くなるように判定しても良い。ここで、抑制動作決定部20aは、表示部12によって表示される画像に対する使用者の顔の向きを、例えば、インカメラ15bによって撮影された画像における使用者の顔の向きと、赤外線センサー17eによる検出結果における使用者の顔の向きとの少なくとも1つに基づいて特定しても良い。
【0085】
抑制動作決定部20aは、「操作の集中の度合い」を、例えば、表示部12によって表示される画像と、使用者の顔との距離に応じて判定しても良い。例えば、抑制動作決定部20aは、「操作の集中の度合い」が高いほど、表示部12によって表示される画像と、使用者の顔との距離が例えば30cmなどの特定の距離に近くなるように判定しても良い。ここで、抑制動作決定部20aは、表示部12によって表示される画像と、使用者の顔との距離を、例えば、インカメラ15bによって撮影された画像における使用者の顔の大きさと、赤外線センサー17eによる検出結果における使用者の顔の大きさとの少なくとも1つに基づいて特定しても良い。
【0086】
抑制動作決定部20aは、「操作の集中の度合い」を、例えば、使用者によるスマートフォン10のプログラムの操作の状況に応じて判定しても良い。ここで、スマートフォン10のプログラムには、例えば、OS(Operating System)、アプリケーションプログラムなどが含まれる。例えば、抑制動作決定部20aは、特定の時間内に入力された文字の数が特定の数以上である場合に、「操作の集中の度合い」として「かなり集中している」と判定しても良い。なお、抑制動作決定部20aは、「操作の集中の度合い」を判定するための「特定の時間内に入力された文字の数」の基準となる「特定の数」を、特定の時間内に使用者が普段入力する文字の数を基準にして設定しても良い。
【0087】
抑制動作決定部20aは、「操作の集中の度合い」を、例えば、取得履歴情報19bに含まれる、操作部11の各種の操作デバイスの出力に基づいて判定しても良い。例えば、抑制動作決定部20aは、特定の時間内に電源ボタン11a、音量ボタン11b、ホームボタン11cまたは位置入力装置11dが操作された回数が特定の数以上である場合に、「操作の集中の度合い」として「かなり集中している」と判定しても良い。なお、抑制動作決定部20aは、「操作の集中の度合い」を判定するための「特定の時間内に電源ボタン11a、音量ボタン11b、ホームボタン11cまたは位置入力装置11dが操作された回数」の基準となる「特定の数」を、特定の時間内に電源ボタン11a、音量ボタン11b、ホームボタン11cまたは位置入力装置11dを使用者が普段操作する回数を基準にして設定しても良い。
【0088】
抑制動作決定部20aは、「誤操作の状況」を、例えば、取得履歴情報19bに含まれる、操作部11の各種の操作デバイスの出力に基づいて判定しても良い。例えば、抑制動作決定部20aは、取得履歴情報19bに含まれる、操作部11の各種の操作デバイスの出力に基づいた誤操作の回数が、例えば1分間に3回などの特定の回数以上である場合に、「誤操作の状況」として「誤操作が多い」と判定しても良い。ここで、特定の回数は、使用者の心身が安定していて、使用者にとって安全な環境で抑制動作決定部20aによって取得された誤操作の回数に基づいて、抑制動作決定部20aによって決定されても良い。なお、使用者にとって安全な環境とは、例えば、道が悪くなく、人、乗り物、動物、静止物などの障害物が少ない地域でも良い。誤操作は、例えば、文字入力やウィンドウに対する操作に関するものでも良い。
【0089】
抑制動作決定部20aは、「使用者の場所」を、例えば、取得履歴情報19bに含まれる、GPSユニット17dの出力と、地図情報19fとに基づいて判定しても良い。例えば、抑制動作決定部20aは、取得履歴情報19bに含まれる、GPSユニット17dの出力に基づいたスマートフォン10の位置が、地図情報19fにおける「自宅」内に存在するとき、「使用者の場所」として「自宅」と判定しても良い。抑制動作決定部20aは、使用者が現在存在する場所が「道が悪い地域」に該当するか否かを、例えば、取得履歴情報19bに含まれる、GPSユニット17dの出力と、地図情報19fと、悪路地域データベース19gとに基づいて判定しても良い。抑制動作決定部20aは、使用者が現在存在する場所が「人が多い地域」に該当するか否かを、例えば、取得履歴情報19bに含まれる、GPSユニット17dの出力と、地図情報19fと、人多地域データベース19hと、スマートフォン10の外部からリアルタイムに取得する混雑情報とに基づいて判定しても良い。抑制動作決定部20aは、使用者が現在存在する場所が「乗り物が多い地域」に該当するか否かを、例えば、取得履歴情報19bに含まれる、GPSユニット17dの出力と、地図情報19fと、乗り物多地域データベース19iと、スマートフォン10の外部からリアルタイムに取得する渋滞情報とに基づいて判定しても良い。抑制動作決定部20aは、使用者が現在存在する場所が「動物が多い地域」に該当するか否かを、例えば、取得履歴情報19bに含まれる、GPSユニット17dの出力と、地図情報19fと、動物多地域データベース19jとに基づいて判定しても良い。抑制動作決定部20aは、使用者が現在存在する場所が「静止物が多い地域」に該当するか否かを、例えば、取得履歴情報19bに含まれる、GPSユニット17dの出力と、地図情報19fと、静止物多地域データベース19kとに基づいて判定しても良い。
【0090】
抑制動作決定部20aは、「天気」を、例えば、取得履歴情報19bに含まれる、GPSユニット17dの出力と、地図情報19fと、スマートフォン10の外部からリアルタイムに取得する天気情報とに基づいて判定しても良い。
【0091】
抑制動作決定部20aは、使用者が特定のアプリケーションプログラムに入力した情報に基づいて、使用者の移動の目的が有ると判定しても良い。例えば、抑制動作決定部20aは、カーナビゲーションプログラムなどのナビゲーションプログラムによる経路案内が開始された場合や、使用者によって指定された地域を、使用者によって指定された時間だけ散歩するなど、使用者の移動の目的が入力されるアプリケーションプログラムに、使用者の移動の目的が入力された場合に、使用者の移動の目的が有ると判定しても良い。また、使用者の普段の移動の傾向から、使用者が現在通勤中であるか否かを判定する機能をスマートフォン10が有する場合には、抑制動作決定部20aは、使用者が現在通勤中であると判定されたとき、使用者の移動の目的が有ると判定しても良い。
【0092】
抑制動作決定部20aは、S161の処理の後、S161において特定した動作決定条件に動作決定条件テーブル19dにおいて対応付けられている数値を取得する(S162)。
【0093】
次いで、抑制動作決定部20aは、S162において取得した全ての数値を合計する(S163)。
【0094】
次いで、抑制動作決定部20aは、S163において算出した数値に応じた抑制レベルおよび抑制動作を、抑制動作テーブル19eに基づいて決定する(S164)。
【0095】
次いで、抑制動作決定部20aは、現在実行中の抑制動作の抑制レベルが、S164において決定した抑制レベルと同一であるか否かを判断する(S165)。
【0096】
抑制動作決定部20aは、現在実行中の抑制動作の抑制レベルが、S164において決定した抑制レベルと同一ではないとS165において判断すると、S164において決定した抑制動作の実行を開始する(S166)。
【0097】
抑制動作決定部20aは、現在実行中の抑制動作の抑制レベルが、S164において決定した抑制レベルと同一であるとS165において判断するか、S166の処理が終了すると、S161の処理を実行する。
【0098】
次に、抑制動作を実行する場合のスマートフォン10の動作の一例について説明する。
【0099】
図9は、抑制動作を実行する場合のスマートフォン10の動作の一例のフローチャートである。
【0100】
抑制動作実行部20bは、S166において抑制動作の実行を開始する場合、図9に示す動作を実行する。
【0101】
図9に示すように、抑制動作実行部20bは、S164において決定した抑制動作(以下、図9に示す動作において「対象抑制動作」という。)に通知が含まれるか否かを判断する(S181)。
【0102】
抑制動作実行部20bは、対象抑制動作に通知が含まれるとS181において判断すると、対象抑制動作に含まれる通知を実行する(S182)。
【0103】
抑制動作実行部20bは、対象抑制動作に通知が含まれないとS181において判断するか、S182の処理が終了すると、対象抑制動作に使用制限が含まれるか否かを判断する(S183)。
【0104】
抑制動作実行部20bは、対象抑制動作に使用制限が含まれるとS183において判断すると、対象抑制動作に含まれる使用制限の実行を開始する(S184)。
【0105】
抑制動作実行部20bは、対象抑制動作に使用制限が含まれないとS183において判断するか、S184の処理が終了すると、図9に示す動作を終了する。
【0106】
次に、緊急時の例外的な使用に関する、スマートフォン10の動作の一例について説明する。
【0107】
図10は、緊急時の例外的な使用に関する、スマートフォン10の動作の一例のフローチャートである。
【0108】
抑制動作実行部20bは、使用制限を実行する場合、図10に示す動作を実行する。
【0109】
図10に示すように、抑制動作実行部20bは、緊急時であるか否かを判断する(S201)。例えば、抑制動作実行部20bは、スマートフォン10の外部から配信されてきた緊急情報の対象の地域にスマートフォン10の現在の位置が存在する場合に、緊急時であると判断しても良い。ここで、緊急情報には、例えば、災害情報や事故情報が含まれる。また、抑制動作実行部20bは、緊急時であることが操作部11を介して入力された場合に、緊急時であると判断しても良い。
【0110】
抑制動作実行部20bは、緊急時であるとS201において判断すると、スマートフォン10の特定の機能の、緊急時の例外的な使用を許可しているか否かを判断する(S202)。
【0111】
抑制動作実行部20bは、スマートフォン10の特定の機能の、緊急時の例外的な使用を許可していないとS202において判断すると、スマートフォン10の特定の機能の、緊急時の例外的な使用を許可する(S203)。例えば、抑制動作実行部20bは、電話、チャット、インターネット上の情報の閲覧などの特定の機能の使用を許可しても良い。したがって、使用者は、例えばスマートフォン10による緊急通報など、スマートフォン10の緊急使用を実行することができる。
【0112】
抑制動作実行部20bは、スマートフォン10の特定の機能の、緊急時の例外的な使用を許可しているとS202において判断するか、S203の処理が終了すると、S201の処理を実行する。
【0113】
抑制動作実行部20bは、緊急時ではないとS201において判断すると、スマートフォン10の特定の機能の、緊急時の例外的な使用を許可しているか否かを判断する(S204)。
【0114】
抑制動作実行部20bは、スマートフォン10の特定の機能の、緊急時の例外的な使用を許可しているとS204において判断すると、スマートフォン10の特定の機能の、緊急時の例外的な使用の許可を取り消す(S205)。
【0115】
抑制動作実行部20bは、スマートフォン10の特定の機能の、緊急時の例外的な使用を許可していないとS204において判断するか、S205の処理が終了すると、S201の処理を実行する。
【0116】
次に、乗り物に固定されている場合の例外的な使用に関する、スマートフォン10の動作の一例について説明する。
【0117】
図11は、乗り物に固定されている場合の例外的な使用に関する、スマートフォン10の動作の一例のフローチャートである。
【0118】
抑制動作実行部20bは、使用制限を実行する場合、図11に示す動作を実行する。
【0119】
図11に示すように、抑制動作実行部20bは、スマートフォン10が乗り物に固定されているか否かを判断する(S221)。なお、S221における乗り物は、使用者にとって衝突などの危険が生じる乗り物ではなく、スマートフォン10が固定される乗り物であり、例えば、自動車、自転車、車椅子、ベビーカー、船が含まれる。例えば、抑制動作実行部20bは、スマートフォン10が固定されるためのデバイス(以下「固定用デバイス」という。)が乗り物に設置されている場合に、スマートフォン10が固定用デバイスに固定されたという情報を固定用デバイスから受信したとき、スマートフォン10が乗り物に固定されていると判断しても良い。また、抑制動作実行部20bは、スマートフォン10が乗り物に固定されていることが操作部11を介して入力された場合に、スマートフォン10が乗り物に固定されていると判断しても良い。
【0120】
抑制動作実行部20bは、スマートフォン10が乗り物に固定されているとS221において判断すると、スマートフォン10の特定の機能の、スマートフォン10が乗り物に固定されている場合の例外的な使用を許可しているか否かを判断する(S222)。
【0121】
抑制動作実行部20bは、スマートフォン10の特定の機能の、スマートフォン10が乗り物に固定されている場合の例外的な使用を許可していないとS222において判断すると、スマートフォン10の特定の機能の、スマートフォン10が乗り物に固定されている場合の例外的な使用を許可する(S223)。例えば、抑制動作実行部20bは、カーナビゲーション機能、ハンズフリー通話機能など、表示部12に表示される画像が視認されたり、操作部11が操作されたりせずに利用されることが可能である特定の機能の使用を許可しても良い。
【0122】
抑制動作実行部20bは、スマートフォン10の特定の機能の、スマートフォン10が乗り物に固定されている場合の例外的な使用を許可しているとS222において判断するか、S223の処理が終了すると、S221の処理を実行する。
【0123】
抑制動作実行部20bは、スマートフォン10が乗り物に固定されていないとS221において判断すると、スマートフォン10の特定の機能の、スマートフォン10が乗り物に固定されている場合の例外的な使用を許可しているか否かを判断する(S224)。
【0124】
抑制動作実行部20bは、スマートフォン10の特定の機能の、スマートフォン10が乗り物に固定されている場合の例外的な使用を許可しているとS224において判断すると、スマートフォン10の特定の機能の、スマートフォン10が乗り物に固定されている場合の例外的な使用の許可を取り消す(S225)。
【0125】
抑制動作実行部20bは、スマートフォン10の特定の機能の、スマートフォン10が乗り物に固定されている場合の例外的な使用を許可していないとS224において判断するか、S225の処理が終了すると、S221の処理を実行する。
【0126】
次に、表示部12に表示されている画像が視認されていない場合の例外的な使用に関する、スマートフォン10の動作の一例について説明する。
【0127】
図12は、表示部12に表示されている画像が視認されていない場合の例外的な使用に関する、スマートフォン10の動作の一例のフローチャートである。
【0128】
抑制動作実行部20bは、使用制限を実行する場合、図12に示す動作を実行する。
【0129】
図12に示すように、抑制動作実行部20bは、表示部12に表示されている画像が使用者に視認されているか否かを判断する(S241)。抑制動作実行部20bは、表示部12に表示されている画像が使用者に視認されているか否かを、例えば、表示部12によって表示される画像に対する使用者の顔の向きに応じて判定しても良い。ここで、抑制動作実行部20bは、表示部12によって表示される画像に対する使用者の顔の向きを、例えば、インカメラ15bによって撮影された画像における使用者の顔の向きと、赤外線センサー17eによる検出結果における使用者の顔の向きとの少なくとも1つに基づいて算出しても良い。
【0130】
抑制動作実行部20bは、表示部12に表示されている画像が使用者に視認されていないとS241において判断すると、スマートフォン10の特定の機能の、表示部12に表示されている画像が使用者に視認されていない場合の例外的な使用を許可しているか否かを判断する(S242)。
【0131】
抑制動作実行部20bは、スマートフォン10の特定の機能の、表示部12に表示されている画像が使用者に視認されていない場合の例外的な使用を許可していないとS242において判断すると、スマートフォン10の特定の機能の、表示部12に表示されている画像が使用者に視認されていない場合の例外的な使用を許可する(S243)。例えば、抑制動作実行部20bは、通話機能、音声再生アプリケーション、録音アプリケーションなど、表示部12に表示される画像が視認されずに利用されることが可能である特定の機能の使用を許可しても良い。
【0132】
抑制動作実行部20bは、スマートフォン10の特定の機能の、表示部12に表示されている画像が使用者に視認されていない場合の例外的な使用を許可しているとS242において判断するか、S243の処理が終了すると、S241の処理を実行する。
【0133】
抑制動作実行部20bは、表示部12に表示されている画像が使用者に視認されているとS241において判断すると、スマートフォン10の特定の機能の、表示部12に表示されている画像が使用者に視認されていない場合の例外的な使用を許可しているか否かを判断する(S244)。
【0134】
抑制動作実行部20bは、スマートフォン10の特定の機能の、表示部12に表示されている画像が使用者に視認されていない場合の例外的な使用を許可しているとS244において判断すると、スマートフォン10の特定の機能の、表示部12に表示されている画像が使用者に視認されていない場合の例外的な使用の許可を取り消す(S245)。
【0135】
抑制動作実行部20bは、スマートフォン10の特定の機能の、表示部12に表示されている画像が使用者に視認されていない場合の例外的な使用を許可していないとS244において判断するか、S245の処理が終了すると、S241の処理を実行する。
【0136】
以上においては、スマートフォン10の特定の機能の、緊急時の例外的な使用と、スマートフォン10の特定の機能の、スマートフォン10が乗り物に固定されている場合の例外的な使用と、スマートフォン10の特定の機能の、表示部12に表示されている画像が使用者に視認されていない場合の例外的な使用とについて説明している。しかしながら、抑制動作実行部20bは、スマートフォン10の特定の機能の例外的な使用を、使用者からの指示に応じた内容で設定することが可能である。例えば、使用者は、スマートフォン10の音声の出力の機能が、電車での使用者の移動中に例外的に使用可能になるようにスマートフォン10に指示しても良い。
【0137】
以上においては、S164において決定した抑制動作に通知および使用制限の両方が含まれる場合、抑制動作実行部20bは、この通知の実行と、この使用制限の実行の開始とをほぼ同時に実行する(S181~S184)。しかしながら、抑制動作実行部20bは、S164において決定した抑制動作に含まれる通知を実行した後、S164において決定した抑制レベルが変化することなく、使用者がスマートフォン10の特定の機能を使用し続けた場合にのみ、S164において決定した抑制動作に含まれる使用制限の実行を開始しても良い。
【0138】
以上に説明したように、スマートフォン10は、動作決定条件の少なくとも1つに現在の状況が該当する場合に、現在の状況が該当する動作決定条件に応じた抑制動作を決定する(S161~S164)ので、使用者によるスマートフォン10の不適切な使用を抑制することができる。
【0139】
スマートフォン10は、使用者によるスマートフォン10の不適切な使用を、使用者に対する通知(S182)によって抑制するので、スマートフォン10の不適切な使用をしないように使用者に意識させることができる。
【0140】
スマートフォン10は、使用者によるスマートフォン10の不適切な使用を、スマートフォン10の使用制限(S184)によって抑制するので、使用者によるスマートフォン10の不適切な使用を効果的に抑制することができる。
【0141】
スマートフォン10は、図3に示すように、使用者の姿勢の状態に関する動作決定条件と、使用者の移動の状況に関する動作決定条件と、使用者によるスマートフォン10の操作の集中の度合いに関する動作決定条件と、使用者によるスマートフォン10の誤操作の状況に関する動作決定条件と、使用者の場所に関する動作決定条件と、使用者が存在する場所の天気に関する動作決定条件と、使用者の移動の目的の有無に関する動作決定条件と、スマートフォン10が操作集中モードに設定されているか否かに関する動作決定条件とが存在するので、適切な抑制動作を実行することができる。したがって、スマートフォン10は、使用者によるスマートフォン10の不適切な使用を適切に抑制することができる。
【0142】
使用者がスマートフォン10を使用しながら座っている場合には、使用者がスマートフォン10を使用しながら立っている場合と比較して、使用者にとって、例えば転倒する可能性がないなど、危険性が低い。したがって、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、使用者が座っている場合に抑制レベルが必ずレベル0になるように設定されても良い。
【0143】
使用者がスマートフォン10を使用しながら歩いたり、走ったりする場合には、使用者がスマートフォン10を使用しながら座っていたり、立ち止まっていたりする場合と比較して、使用者にとって、例えば何かに衝突し易いなど、危険性が高い。したがって、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、使用者が座っていたり、立ち止まっていたりする場合に、使用者が歩いたり、走ったりする場合と比較して、抑制レベルが低くなるように設定されても良い。例えば、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、使用者が座っていたり、立ち止まっていたりする場合のみに抑制レベルがレベル0になるように設定されても良い。例えば、使用者が現在通勤中であるか否かを判定する機能をスマートフォン10が有する場合に、使用者が現在通勤中であるとき、使用者が座っていたり、立ち止まっていたりするときのみに抑制レベルがレベル0になるように、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値が設定されても良い。
【0144】
使用者が足でジグザグに移動したり、足で移動中に急停止を多用したり、足で移動中に横移動を多用したり、足で移動中に跳ねたりなどの特定の移動を実行する場合には、使用者が障害物を避けながら足で移動している可能性が高いので、使用者が障害物に衝突する可能性が高く、危険性が高い。したがって、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、使用者が足でジグザグに移動したり、足で移動中に急停止を多用したり、足で移動中に横移動を多用したり、足で移動中に跳ねたりなどの特定の移動を実行する場合に、使用者が足でジグザグに移動したり、足で移動中に急停止を多用したり、足で移動中に横移動を多用したり、足で移動中に跳ねたりなどの特定の移動を実行しない場合と比較して、抑制レベルが高くなるように設定されても良い。
【0145】
使用者が足で移動中に停止を多用したり、足で移動中に行ったり来たりしたりなどの特定の移動を実行する場合には、使用者が慣れていない地域に存在している可能性が高いので、使用者が例えば障害物に衝突する可能性が高く、危険性が高い。したがって、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、使用者が足で移動中に停止を多用したり、足で移動中に行ったり来たりしたりなどの特定の移動を実行する場合に、使用者が足で移動中に停止を多用したり、足で移動中に行ったり来たりしたりなどの特定の移動を実行しない場合と比較して、抑制レベルが高くなるように設定されても良い。
【0146】
使用者によるスマートフォン10の操作の集中の度合いが高い場合には、使用者によるスマートフォン10の操作の集中の度合いが低い場合と比較して、使用者がスマートフォン10を使用しながら移動するときに、使用者にとって、例えば何かに衝突し易いなど、危険性が高い。したがって、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、使用者によるスマートフォン10の操作の集中の度合いが高い場合に、使用者によるスマートフォン10の操作の集中の度合いが低い場合と比較して、抑制レベルが高くなるように設定されても良い。
【0147】
使用者によるスマートフォン10の誤操作が多い場合には、使用者によるスマートフォン10の誤操作が少ない場合と比較して、例えば、使用者の精神および身体の少なくとも1つの調子が悪かったり、使用者が存在している場所において雨および風の少なくとも1つが強かったりする可能性が高いので、使用者がスマートフォン10を使用しながら移動する場合には、使用者にとって、例えば何かに衝突する可能性が高いなど、危険性が高い。したがって、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、使用者によるスマートフォン10の誤操作が多い場合に、使用者によるスマートフォン10の誤操作が少ない場合と比較して、抑制レベルが高くなるように設定されても良い。
【0148】
自宅、職場、自宅の近所、職場の近所などの使用者が慣れている場所や地域に使用者が存在する場合には、使用者が慣れていない場所や地域に使用者が存在する場合と比較して、使用者にとって、例えば何かに衝突する可能性が低いなど、危険性が低い。したがって、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、使用者が慣れている場所や地域に使用者が存在する場合に、使用者が慣れていない場所や地域に使用者が存在する場合と比較して、抑制レベルが低くなるように設定されても良い。
【0149】
商業地、イベント会場、ターミナル駅などの人が多い場所や地域に使用者が存在する場合には、公園、郊外などの人が少ない場所や地域に使用者が存在する場合と比較して、使用者にとって、例えば人に衝突し易いなど、危険性が高い。したがって、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、人が多い場所や地域に使用者が存在する場合に、人が少ない場所や地域に使用者が存在する場合と比較して、抑制レベルが高くなるように設定されても良い。
【0150】
同様に、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、乗り物が多い地域に使用者が存在する場合に、乗り物が少ない地域に使用者が存在する場合と比較して、抑制レベルが高くなるように設定されても良い。また、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、動物が多い地域に使用者が存在する場合に、動物が少ない地域に使用者が存在する場合と比較して、抑制レベルが高くなるように設定されても良い。
【0151】
静止物が多い地域に使用者が存在する場合には、静止物が少ない地域に使用者が存在する場合と比較して、使用者がスマートフォン10を使用しながら移動するときに、使用者にとって、例えば静止物に衝突し易いなど、危険性が高い。したがって、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、静止物が多い地域に使用者が存在する場合に、静止物が少ない地域に使用者が存在する場合と比較して、抑制レベルが高くなるように設定されても良い。
【0152】
道が悪い地域に使用者が存在する場合には、道が良い地域に使用者が存在する場合と比較して、使用者がスマートフォン10を使用しながら移動するときに、使用者にとって、例えば転倒し易いなど、危険性が高い。したがって、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、道が悪い地域に使用者が存在する場合に、道が良い地域に使用者が存在する場合と比較して、抑制レベルが高くなるように設定されても良い。
【0153】
雨が降っていたり、強風が吹いていたりする場合に使用者がスマートフォン10を使用しながら外出するときは、天気が良い場合に使用者がスマートフォン10を使用しながら外出するときと比較して、使用者にとって、例えば転倒し易いなど、危険性が高い。したがって、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、雨が降っていたり、強風が吹いていたりなどの天気が悪い場合に使用者が外出するときに、天気が良い場合に使用者が外出するときと比較して、抑制レベルが高くなるように設定されても良い。
【0154】
使用者による移動の目的が有る場合には、使用者が目的の達成のために移動に集中すべきであるので、使用者による移動の目的が無い場合と比較して、使用者がスマートフォン10を使用しながら移動することが適切ではない。したがって、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、使用者による移動の目的が有る場合に、使用者による移動の目的が無い場合と比較して、抑制レベルが高くなるように設定されても良い。
【0155】
スマートフォン10が操作集中モードに設定されている場合には、使用者がスマートフォン10の操作に集中するので、使用者がスマートフォン10を使用しながら移動する可能性が低く、スマートフォン10が操作集中モードに設定されていない場合と比較して、例えば使用者が何かに衝突し難いなど、使用者にとって危険性が低い。したがって、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値は、スマートフォン10が操作集中モードに設定されている場合に、スマートフォン10が操作集中モードに設定されていない場合と比較して、抑制レベルが低くなるように設定されても良い。なお、スマートフォン10が操作集中モードに設定されている場合であっても、例えば使用者が走り始めた場合には、抑制レベルが上がるように、動作決定条件テーブル19dおよび抑制動作テーブル19eにおける各値が設定されても良い。
【0156】
スマートフォン10は、抑制動作を実行する場合に、特定の状況においてスマートフォン10の特定の機能の例外的な使用を許可する(S203、S223およびS243)ので、使用者による、スマートフォン10の不適切な使用を抑制することに伴う弊害を低減することができる。
【0157】
抑制動作決定部20aは、本実施の形態において、現在の状況が該当する動作決定条件を特定し(S161)、S161において特定した動作決定条件に動作決定条件テーブル19dにおいて対応付けられている数値を合計し(S163)、S163において算出した数値に応じた抑制動作を、抑制動作テーブル19eに基づいて決定する(S164)。しかしながら、抑制動作決定部20aは、動作決定条件の少なくとも1つに現在の状況が該当する場合に、現在の状況が該当する動作決定条件に応じた抑制動作を決定することができれば、他の方法によって抑制動作を決定しても良い。例えば、抑制動作決定部20aは、現在の状況が該当する動作決定条件に応じた抑制動作を、ニューラルネットワークを利用して決定しても良い。
【0158】
図13は、本実施の形態に係る不適切使用抑制システムの、図2に示す例とは異なる例を示すブロック図である。
【0159】
以上においては、本発明の不適切使用抑制システムが本発明の電子機器のみで構成されている例を説明している。しかしながら、本発明の不適切使用抑制システムは、本発明の電子機器と、この電子機器の外部の少なくとも1つの電子機器とによって構成されても良い。例えば、図13に示す不適切使用抑制システム70は、本発明の電子機器としてのスマートフォン71と、スマートフォン71がネットワーク70aを介して通信可能であるクラウドサービス72とによって構成されている。クラウドサービス72は、スマートフォン10(図2参照。)が実現していた機能のいずれか一部をスマートフォン71の代わりに実現するものである。
【0160】
以上においては、本発明の電子機器として、スマートフォンの例を説明している。しかしながら、本発明の電子機器は、使用者に携帯されて使用されるものであれば、スマートフォン以外のものでも良い。例えば、本発明の電子機器は、スマートフォン以外の携帯電話、タブレット、ウェアラブル端末でも良い。ここで、ウェアラブル端末としては、例えば、スマートウォッチ、指輪型の活動量計などが考えられる。
【符号の説明】
【0161】
10 スマートフォン(不適切使用抑制システム、電子機器)
19a 不適切使用抑制プログラム
20a 抑制動作決定部
20b 抑制動作実行部
70 不適切使用抑制システム
71 スマートフォン(電子機器)
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