(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】軸方向磁束機械内の磁石/ステータ間隙の制御のための予歪ロータ
(51)【国際特許分類】
H02K 1/2798 20220101AFI20231019BHJP
H02K 21/24 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
H02K1/2798
H02K21/24 M
H02K21/24 G
(21)【出願番号】P 2019566761
(86)(22)【出願日】2018-05-25
(86)【国際出願番号】 US2018034569
(87)【国際公開番号】W WO2018226434
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-05-25
(32)【優先日】2017-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518109826
【氏名又は名称】イー-サーキット モーターズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミルハイム, ジョージ ハーダー
【審査官】一ノ瀬 薫
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-033946(JP,A)
【文献】特開2006-006003(JP,A)
【文献】特許第4639632(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/27
H02K 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向磁束モータまたは発電機であって、
回転軸を中心として回転するロータシャフト(408)と、
前記ロータシャフト(408)と係合される第1のロータプレート(406b)と、
前記第1のロータプレート(406b)に取り付けられる第1の磁石(102b)であって、前記第1の磁石(102b)は、前記第1の磁石(102b)の磁化方向に対して直交する第1の表面を有する、第1の磁石(102b)と
を備え、
前記第1のロータプレート(406b)および第1の磁石(102b)は、第1の平面が、前記第1の表面上の第1の点(702)にインターセプトし、前記第1の平面に対して前記回転軸が法線方向にあり、第2の平面が、前記第1の表面上の第2の点(704)にインターセプトし、前記第2の平面に対して前記回転軸が法線方向にあるように構成および配列され、
前記軸方向磁束モータまたは発電機は、
前記ロータシャフト(408)と係合される第2のロータプレート(406a)と、
第2の磁石(102a)であって、前記第2の磁石(102a)は、第1の磁束が、前記第1の磁石(102b)と前記第2の磁石(102a)との間の間隙(1002)の中に生成されるように、前記第2のロータプレート(406a)に取り付けられる、第2の磁石(102a)と
をさらに備え、
前記第1のロータプレート(406b)および前記第2のロータプレート(406a)は、前記第1の磁束が、前記第1の平面と前記第2の平面との間の距離を実質的にゼロに等しくさせるように、位置付けられ、
前記第1のロータプレート(406b)および前記第1の磁石(102b)が前記第1の磁束による作用を受けない場合、前記第1の平面と前記第2の平面との間の前記距離は、実質的にゼロを上回り、
前記軸方向磁束モータまたは発電機は、前記間隙(1002)の中に配置されるステータ(104)をさらに備え、
前記ステータ(104)は、前記ロータシャフト(408)、前記第1のロータプレート(406b)、および前記第1の磁石(102b)を連動して回転させるように、前記第1の磁束と相互作用する第2の磁束を選択的に生成するように構成され
、
前記第1の磁石(102b)は、前記第1の点(702)に配置される内縁を有し、
前記第1の磁石(102b)は、外縁を有し、前記外縁は、前記内縁の反対側にあり、前記第2の点(704)に配置される、軸方向磁束モータまたは発電機。
【請求項2】
前記第1の磁石(102b)が取り付けられる前記第1のロータプレート(406b)の一部は、直円錐台の形状を有する、請求項1に記載の軸方向磁束モータまたは発電機。
【請求項3】
前記第1の磁石(102b)は、交互の磁極を伴うリング磁石を含む、請求項1または請求項2に記載の軸方向磁束モータまたは発電機。
【請求項4】
前記第1の磁石(102b)は、前記回転軸を中心とする個別の角度位置において前記第1のロータプレート(406b)上に配置される複数の個々の磁石のうちの1つである、請求項1または請求項2に記載の軸方向磁束モータまたは発電機。
【請求項5】
前記第1のロータプレート(406b)は、第1の材料で作製され、
前記複数の個々の磁石は、前記第1の材料と異なる第2の材料を使用して分離され、位置する、請求項4に記載の軸方向磁束モータまたは発電機。
【請求項6】
前記第2の点(704)は、前記第1の点(702)よりも、前記回転軸から大きい半径方向距離にあり、
前記第1の点(702)および前記第2の点(704)は、それぞれ、第1の場所および第2の場所において、前記第1のロータプレート(406b)の第2の表面に接触し、
前記第1のロータプレート(406b)および前記第1の磁石(102b)は、前記第1のロータプレート(406b)および前記第1の磁石(102b)が前記第1の磁束による作用を受けない場合、前記第2の表面から離れるように延在し、前記第2の場所において前記第2の表面に対して法線方向にある線が、前記第1の平面上の点にインターセプトするようにさらに構成および配列される、請求項1~5のいずれか1項に記載の軸方向磁束モータまたは発電機。
【請求項7】
前記第1のロータプレート(406b)および前記第1の磁石(102b)は、前記第1のロータプレート(406b)および前記第1の磁石(102b)が前記第1の磁束による作用を受けない場合、前記線と前記第1の平面との間の角度が、実質的に90度未満であるようにさらに構成および配列される、請求項6に記載の軸方向磁束モータまたは発電機。
【請求項8】
ケーシング(110)であって、前記ケーシング(110)は、前記第1のロータプレート(406b)、前記第1の磁石(102b)、前記ステータ(104)、前記第2のロータプレート(406a)、前記第2の磁石(102a)、および前記ロータシャフト(408)の一部を少なくとも部分的に封入する、ケーシング(110)
をさらに備え、
前記第1のロータプレート(406b)、前記第1の磁石(102b)、前記第2のロータプレート(406a)、前記第2の磁石(102a)、および前記ロータシャフト(408)は、前記ケーシング(110)に対して移動可能であり、
前記ステータ(104)は、前記ケーシング(110)に対して固定される、請求項1に記載の軸方向磁束モータまたは発電機。
【請求項9】
前記第1のロータプレート(406b)、前記第1の磁石(102b)、前記第2のロータプレート(406a)、および前記第2の磁石(102a)は、前記第1の平面と前記第2の平面との間の前記距離と、前記第1の点(702)と前記第2の点(704)との間の距離との比が、第1の値であるように構成および配列され、
前記第1のロータプレート(406b)および第1の磁石(102b)は、前記第1のロータプレート(406b)および前記第1の磁石(102b)が前記第1の磁束による作用を受けない場合、前記第1の平面と前記第2の平面との間の前記距離と、前記第1の点(702)と前記第2の点(704)との間の前記距離との比が、前記第1の値の少なくとも2倍である第2の値であるようにさらに構成および配列される、請求項1~
8のいずれか1項に記載の軸方向磁束モータまたは発電機。
【請求項10】
前記第1のロータプレート(406b)および第1の磁石(102b)は、前記第1のロータプレート(406b)および前記第1の磁石(102b)が前記第1の磁束による作用を受けない場合、前記第1の平面と前記第2の平面との間の前記距離と、前記第1の点(702)と前記第2の点(704)との間の距離との比が、0.002を上回るようにさらに構成および配列される、請求項1~
9のいずれか1項に記載の軸方向磁束モータまたは発電機。
【請求項11】
軸方向磁束モータまたは発電機を形成するための方法であって、
第1のロータプレート(406b)に第1の磁石(102b)を取り付けることであって、前記第1の磁石(102b)は、前記第1の磁石(102b)の磁化方向に対して直交する第1の表面を有する、ことと、
前記第1のロータプレート(406b)を、回転軸を中心として回転するロータシャフト(408)と係合させることであって、前記第1の磁石(102b)が前記第1のロータプレート(406b)に取り付けられた後、第1の平面と第2の平面との間の距離が、実質的にゼロを上回るように構成され、前記第1の平面は、前記第1の表面上の第1の点(702)にインターセプトし、前記第1の平面に対して前記回転軸が法線方向にあり、前記第2の平面は、前記第1の表面上の第2の点(704)にインターセプトし、前記第2の平面に対して前記回転軸が法線方向にある、ことと
を含み、
前記方法は、第2のロータプレート(406a)を前記ロータシャフト(408)と係合させることをさらに含み、第2の磁石(102a)が、前記第2のロータプレート(406a)に取り付けられ、第1の磁束が、前記第1の磁石(102b)と前記第2の磁石(102a)との間の間隙(1002)の中に生成され、
前記第1のロータプレート(406b)および前記第2のロータプレート(406a)は、前記第1の磁束が、前記第1の平面と第2の平面との間の前記距離を実質的にゼロに等しくさせるように、前記ロータシャフト(408)と係合され、
前記方法は、ステータ(104)が前記間隙(1002)の中に配置されるように、前記第2のロータプレート(406a)を前記ロータシャフト(408)と係合させることをさらに含み、前記ステータ(104)は、前記ロータシャフト(408)、前記第1のロータプレート(406b)、および前記第1の磁石(102b)を連動して回転させるように前記第1の磁束と相互作用する第2の磁束を選択的に生成するように構成され
、
前記第1の磁石(102b)は、前記第1の点(702)に配置される内縁を有し、
前記第1の磁石(102b)は、外縁を有し、前記外縁は、前記内縁の反対側にあり、前記第2の点(704)に配置される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、(A)米国出願第15/983,985号、発明の名称PRE-WARPED ROTORS FOR CONTROL OF MAGNET-STATOR GAP IN AXIAL FLUX MACHINES、出願日2018年5月18日,(B)米国仮特許出願第62/515,251号、発明の名称PRE-WARPED ROTORS FOR CONTROL OF MAGNET-STATOR GAP IN AXIAL FLUX MACHINES、出願日2017年6月5日、および(C)米国仮特許出願第62/515,256号、発明の名称AIR CIRCULATION IN AXIAL FLUX MACHINES、出願日2017年6月5日の各々に対する優先権を主張するものである。上記出願の各々の内容は、あらゆる目的のために、参照により本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
軸方向磁束モータおよび発電機は、一般的には、磁束を生成する、対向する磁石の対の間に形成される間隙の中に位置付けられる、ステータ、および磁石を支持し、それらがステータに対して連動して回転することを可能にする、ロータを採用する。そのような軸方向磁束モータまたは発電機100の実施例が、
図1および2に示される。示されるように、モータまたは発電機100は、ステータ104の両側に位置付けられる、環状の磁石102a、102bの対を含む。磁石102a、102bは、シャフト108に固定して取り付けられる個別のロータプレート106a、106bによって支持される。磁石102a、102b、ステータ104、およびロータプレート106a、106bは全て、ケーシング110の中に含有される。ステータ104の周辺部は、ケーシング110の2つの部分110a、110bの間に添着され、そのため、ステータ104は、ケーシング110に対して静止したままである。
【0003】
磁石102a、102b、ロータプレート106a、106b、およびシャフト108は、ともに、ステータ104およびケーシング110に対して回転し得る、「ロータアセンブリ」を形成する。
図2に示されるように、ロータプレート106aの上面と上側ケーシング半分110aの内面との間のわずかなクリアランス112a、およびロータプレート106の底部と下側ケーシング半分110bの内面との間のわずかなクリアランス112bが、ロータアセンブリがケーシング110に対して回転することを可能にする。同様に、磁石102aの底部とステータ104の上面との間の(およびロータプレート106aの暴露される底部とステータ104の上面との間の)わずかなクリアランス114a、および磁石102bの上面とステータ104の底部との間の(およびロータプレート106bの暴露される上部とステータ104の底部との間の)わずかなクリアランス114bが、ロータアセンブリがステータ104に対して回転することを可能にする。シャフト108とケーシング110との間の支持軸受116a、116bが、ロータアセンブリが制御される方式でステータ104およびケーシング110に対して自由に回転することを可能にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態では、軸方向磁束モータまたは発電機内での使用のためのアセンブリが、ロータプレートと、磁石とを含み、磁石は、磁石の磁化方向に対して直交する表面を有する。ロータプレートは、回転軸を中心として回転するロータシャフトに係合するように適合され、磁石は、ロータプレートに取り付けられる。ロータプレートおよび磁石は、ロータプレートおよび磁石が、他の磁場発生構成要素全てから分離される場合、第1の平面と第2の平面との間の距離が、実質的にゼロを上回るように構成および配列され、該第1の平面は、表面上の第1の点にインターセプトし、それに対して回転軸が法線方向にあり、該第2の平面は、表面上の第2の点にインターセプトし、それに対して回転軸が法線方向にある。
【0005】
いくつかの実施形態では、軸方向磁束モータまたは発電機における使用のためのアセンブリを形成するための方法は、ロータプレートに磁石を取り付けるステップを含み、磁石は、第1の磁石の磁化方向に対して直交する表面を有する。ロータプレートは、回転軸を中心として回転する、ロータシャフトに係合するように適合され、磁石がロータプレートに取り付けられた後、第1の平面と第2の平面との間の距離が、実質的にゼロを上回るように構成され、該第1の平面は、表面上の第1の点にインターセプトし、それに対して回転軸が法線方向にあり、該第2の平面は、表面上の第2の点にインターセプトし、それに対して回転軸が法線方向にある。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
軸方向磁束モータまたは発電機内での使用のためのアセンブリであって、
回転軸を中心として回転するロータシャフトに係合するように適合される第1のロータプレートと、
前記第1のロータプレートに取り付けられる第1の磁石であって、前記第1の磁石は、前記第1の磁石の磁化方向に対して直交する第1の表面を有する、第1の磁石と
を備え、
前記第1のロータプレートおよび第1の磁石は、前記第1のロータプレートおよび前記第1の磁石が、他の磁場発生構成要素全てから分離される場合、第1の平面と第2の平面との間の距離が、実質的にゼロを上回るように構成および配列され、前記第1の平面は、前記第1の表面上の第1の点にインターセプトし、それに対して回転軸が法線方向にあり、前記第2の平面は、前記第1の表面上の第2の点にインターセプトし、それに対して前記回転軸が法線方向にある、アセンブリ。
(項目2)
前記第1のロータプレートは、その中心に開口部を伴う環状形状を有し、前記開口部は、前記ロータシャフトを受容するように適合される、項目1に記載のアセンブリ。
(項目3)
前記第1の磁石が取り付けられる前記第1のロータプレートの一部は、直円錐台の形状を有する、項目1または項目2に記載のアセンブリ。
(項目4)
前記第1の磁石は、交互の磁極を伴うリング磁石を含む、項目1-3のいずれか1項に記載のアセンブリ。
(項目5)
前記第1の磁石は、前記回転軸を中心とする個別の角度位置において前記第1のロータプレート上に配置される複数の個々の磁石のうちの1つである、項目1-3のいずれか1項に記載のアセンブリ。
(項目6)
前記第1のロータプレートは、第1の材料で作製され、
前記複数の個々の磁石は、前記第1の材料と異なる第2の材料を使用して分離され、位置する、
項目5に記載のアセンブリ。
(項目7)
前記第2の点は、前記第1の点よりも、前記第1の磁石の中心から大きい距離にあり、
前記第1および第2の点は、それぞれ、第1および第2の場所において、前記第1のロータプレートの第2の表面に接触し、
前記第1のロータプレートおよび前記第1の磁石はさらに、前記第1のロータプレートおよび前記第1の磁石が、他の磁場発生構成要素全てから分離される場合、前記第2の場所から離れるように延在し、そこにおいて前記第2の表面に対して法線方向にある光線が、前記第1の平面にインターセプトするように構成および配列される、
項目1-6のいずれか1項に記載のアセンブリ。
(項目8)
前記第1のロータプレートおよび前記第1の磁石はさらに、前記第1のロータプレートおよび前記第1の磁石が、他の磁場発生構成要素全てから分離される場合、前記光線と前記第1の平面との間の角度が、実質的に90度未満であるように構成および配列される、項目7に記載のアセンブリ。
(項目9)
前記ロータシャフトであって、前記第1のロータプレートが、前記ロータシャフトと係合される、前記ロータシャフトと、
前記ロータシャフトと係合される第2のロータプレートと、
第2の磁石であって、第1の磁束が、前記第1の磁石と第2の磁石との間の間隙の中に生成されるように、前記第2のロータプレートに取り付けられる、第2の磁石と
をさらに備える、項目1-8のいずれか1項に記載のアセンブリ。
(項目10)
前記第2の点は、前記第1の点よりも、前記第1の磁石の中心から大きい距離にあり、
前記第1および第2の点は、それぞれ、第1および第2の場所において、前記第1のロータプレートの第2の表面に接触し、
前記第1および第2のロータプレートは、前記第2の平面が、前記第1の平面の第1の側上にあるように位置付けられ、
前記第1のロータプレートおよび前記第1の磁石はさらに、前記第1のロータプレートおよび前記第1の磁石が、他の磁場発生構成要素全てから分離された場合、
前記第2の場所から離れるように延在し、そこにおいて前記第2の表面に対して法線方向にある光線が、前記第1の平面にインターセプトし、
前記第2の平面が、前記第1の平面の第1の側上に留まる
ように構成および配列される、項目9に記載のアセンブリ。
(項目11)
前記第1および第2のロータプレートは、前記第1の磁束が、前記第1の平面と第2の平面との間の前記距離を実質的にゼロに等しくさせるように位置付けられる、項目9に記載のアセンブリ。
(項目12)
前記間隙の中に配置されるステータであって、前記ステータは、前記ロータシャフト、前記第1のロータプレート、および前記第1の磁石を連動して回転させるように、前記第1の磁束と相互作用する第2の磁束を選択的に生成するように構成される、ステータ
をさらに備える、項目9-11のいずれか1項に記載のアセンブリ。
(項目13)
ケーシングであって、前記ケーシングは、少なくとも部分的に、前記第1のロータプレート、前記第1の磁石、前記ステータ、前記第2のロータプレート、前記第2の磁石、および前記ロータシャフトの一部を封入する、ケーシング
をさらに備え、
前記第1のロータプレート、前記第1の磁石、前記第2のロータプレート、前記第2の磁石、および前記ロータシャフトは、前記ケーシングに対して移動可能であり、
前記ステータは、前記ケーシングに対して固定される、項目12に記載のアセンブリ。
(項目14)
少なくとも1つの軸受であって、前記少なくとも1つの軸受は、前記ケーシングと前記ロータシャフトとの間に配置され、前記ケーシングと前記ロータシャフトとの間の相対移動を可能にする、少なくとも1つの軸受
をさらに備える、項目13に記載のアセンブリ。
(項目15)
前記第1のロータプレート、前記第1の磁石、前記第2のロータプレート、および前記第2の磁石は、前記第1の平面と第2の平面との間の前記距離と、前記第1の点と第2の点との間の距離との比が、第1の値であるように構成および配列され、
前記第1のロータプレートおよび第1の磁石はさらに、前記第1のロータプレートおよび前記第1の磁石が、他の磁場発生構成要素全てから分離される場合、前記第1の平面と第2の平面との間の前記距離と、前記第1の点と第2の点との間の前記距離との比が、前記第1の値の少なくとも2倍である第2の値であるように構成および配列される、
項目9-14のいずれか1項に記載のアセンブリ。
(項目16)
前記第1の磁石は、前記第1の点に配置される内縁を有し、
前記第1の磁石は、外縁を有し、前記外縁は、前記内縁の反対側にあり、前記第2の点に配置され、
前記第1のロータプレートおよび第1の磁石はさらに、前記第1のロータプレートおよび前記第1の磁石が、他の磁場発生構成要素全てから分離される場合、前記第1の平面と第2の平面との間の前記距離と、前記第1の点と第2の点との間の距離との比が、0.002を上回るように構成および配列される、
項目1-15のいずれか1項に記載のアセンブリ。
(項目17)
軸方向磁束モータまたは発電機における使用のためのアセンブリを形成するための方法であって、
第1のロータプレートに第1の磁石を取り付けるステップであって、前記第1の磁石は、前記第1の磁石の磁化方向に対して直交する第1の表面を有し、前記第1のロータプレートは、回転軸を中心として回転するロータシャフトに係合するように適合され、前記第1の磁石が前記第1のロータプレートに取り付けられた後、第1の平面と、第2の平面との間の距離が、実質的にゼロを上回るように構成され、前記第1の平面は、前記第1の表面上の第1の点にインターセプトし、それに対して前記回転軸が法線方向にあり、前記第2の平面は、前記第1の表面上の第2の点にインターセプトし、それに対して前記回転軸が法線方向にある、ステップ
を含む、方法。
(項目18)
前記第1のロータプレートは、その中心に開口部を伴う環状形状を有し、前記開口部は、前記ロータシャフトを受容するように適合される、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記第1の磁石が取り付けられる前記第1のロータプレートの一部は、直円錐台の形状を有する、項目17または項目18に記載の方法。
(項目20)
前記第1の磁石は、交互の磁極を伴うリング磁石を含む、項目17-19のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記第1の磁石は、前記回転軸を中心とする個別の角度位置において前記第1のロータプレート上に配置される複数の個々の磁石のうちの1つである、項目17-19のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
前記第2の点は、前記第1の点よりも、前記第1の磁石の中心から大きい距離にあり、
前記第1および第2の点は、それぞれ、第1および第2の場所において、前記第1のロータプレートの第2の表面に接触し、
前記第1の磁石が前記第1のロータプレートに取り付けられた後、前記第2の場所から離れるように延在し、そこにおいて前記第2の表面に対して法線方向にある光線が、前記第1の平面にインターセプトする、
項目17-21のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記第1の磁石が前記第1のロータプレートに取り付けられた後、前記光線と前記第1の平面との間の角度が、実質的に90度未満である、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記第1のロータプレートを前記ロータシャフトと係合させるステップと、
第2のロータプレートを前記ロータシャフトと係合させるステップとをさらに含み、第2の磁石が、前記第2のロータプレートに取り付けられ、第1の磁束が、前記第1の磁石と第2の磁石との間の間隙の中に生成される、
項目17-23のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
前記第2の点は、前記第1の点よりも、前記第1のロータプレートの中心から大きい距離にあり、
前記第1および第2の点は、それぞれ、第1および第2の場所において、前記第1のロータプレートの第2の表面に接触し、
前記第2のロータプレートを前記ロータシャフトに係合させるステップに先立って、前記第2の場所から離れるように延在し、そこにおいて前記第2の表面に対して法線方向にある光線が、前記第1の平面にインターセプトし、前記第2の平面は、前記第1の平面の第1の側上にあり、
前記第2のロータプレートを前記ロータシャフトに係合させるステップの後、前記第2の平面は、前記第1の平面の第1の側上にある、
項目24に記載の方法。
(項目26)
前記第1および第2のロータプレートは、前記第1の磁束が、前記第1の平面と第2の平面との間の前記距離を実質的にゼロに等しくさせるように、前記ロータシャフトと係合される、項目24に記載の方法。
(項目27)
前記第2のロータプレートを前記ロータシャフトと係合させるステップはさらに、
ステータが前記間隙の中に配置されるように、前記第2のロータプレートを前記ロータシャフトと係合させるステップであって、前記ステータは、前記ロータシャフト、前記第1のロータプレート、および前記第1の磁石を連動して回転させるように前記第1の磁束と相互作用する第2の磁束を選択的に生成するように構成される、ステップ
を含む、項目24-26のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
前記第2のロータプレートを前記ロータシャフトと係合させるステップに先立って、前記第1の平面と第2の平面との間の前記距離と、前記第1の点と第2の点との間の距離との比が、第1の値であり、
前記第2のロータプレートを前記ロータシャフトと係合させるステップの後、前記第1の平面と第2の平面との間の前記距離と、前記第1の点と第2の点との間の前記距離との比は、第2の値であり、前記第1の値は、前記第2の値の少なくとも2倍である、
項目24-27のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記第1の磁石は、前記第1の点に配置される内縁を有し、
前記第1の磁石は、外縁を有し、前記外縁は、前記内縁の反対側にあり、前記第2の点に配置され、
前記第1の磁石が前記第1のロータプレートに取り付けられた後、および前記第2のロータプレートが前記ロータシャフトと係合される前に、前記第1の平面と第2の平面との間の前記距離と、前記第1の点と第2の点との間の距離との比が、0.002を上回る、
項目24-28のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
前記第1の磁石が、前記第1のロータプレートに取り付けられた後、
前記第1の磁石は、前記第1の点に配置される内縁を有し、
前記第1の磁石は、外縁を有し、前記外縁は、前記内縁の反対側にあり、前記第2の点に配置され、
前記第1の平面と第2の平面との間の前記距離と、前記第1の点と第2の点との間の距離との比が、0.002を上回る、
項目17-28のいずれか1項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、軸方向磁束モータまたは発電機の断面斜視図を示す。
【
図2】
図2は、
図1に示される軸方向磁束モータまたは発電機の断面側面図を示す。
【
図3】
図3は、誇張される間隙およびロータ偏向を伴う、
図1および2に示されるもののような軸方向磁束モータまたは発電機の一部の断面側面図を示す。
【
図4】
図4は、本明細書に開示されるような予歪ロータ要素の実施例を採用する、軸方向磁束モータまたは発電機の断面側面図を示す。
【
図5A】
図5Aは、
図4に示されるモータまたは発電機の構成要素に加え、コントローラを含む、システムの斜視図を示す。
【
図6】
図6は、本明細書に開示されるような予歪ロータ要素の形成を可能にするためのテーパ状領域を有する、ロータプレートの実施例の断面側面図を示す。
【
図7】
図7は、本明細書に開示されるような予歪ロータ要素の実施例の断面側面図を示す。
【
図8】
図8は、
図6に示されるもの等のロータプレートの実施例の上面図を示す。
【
図9】
図9は、いくつかの実施形態において採用され得る環状磁石の上面図を示す。
【
図10】
図10は、ロータ要素がロータアセンブリの中に組み込まれると、それらが所望される構成に屈曲し得る方法を図示する、予歪ロータ要素の対の断面側面図を示す。
【
図11】
図11は、個別の磁石間に誇張される間隙を含む、
図7に示されるもの等の予歪ロータ要素を組み込む、モータまたは発電機アセンブリの実施例の断面側面図を示す。
【
図12】
図12は、本明細書に開示されるような予歪ロータ要素を組み込むモータまたは発電機アセンブリの別の実施例の断面側面図を示す。
【
図13】
図13は、本明細書に説明されるように構成される予歪ロータ要素の上面を示す、写真である。
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
米国特許第7,109,625号(「第’625号特許」)(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)を含むいくつかの特許によって説明される、軸方向磁束モータおよび発電機は、交互の南北極を用いて磁化される磁石の間に挿入される、略平面状のプリント回路基板ステータアセンブリを特徴とする。これらの磁石は、機械的負荷(または発電機のための源)への接続のための「地鉄」を介してシャフトに添着される。そのような地鉄は、磁束帰還経路を提供し、例えば、
図1および2に示される、ロータプレート106a、106bに対応し得る。間隙内の磁束密度は、主として、2つの磁石の間の間隔に依存する。より小さい間隙が、同一の束密度に関してより小さく、より軽い磁石の使用を可能にする。ステータから両側上の磁石までの0.02インチと同程度に小さい間隙サイズが、使用されている。本発明者は、磁石が本構成内に設置されると、円形のロータ要素が、それらの間の磁気吸引力に起因して屈曲することを認識および理解している。この屈曲は、磁石の外径における間隙サイズを低減させ、面積は、すでに、他所の寸法変動に起因して摩擦を生じやすい。これは、モータ動作の間の磁石/ステータ接触につながり得る。
【0009】
開示されるものは、モータまたは発電機の全体的質量または厚さを増大させることなく、軸方向磁束モータまたは発電機内のロータとステータとの間に一貫した間隙を維持するための、装置および技法である。いくつかの実装では、ロータプレート(例えば、地鉄)上の機械面が、組み立てられると、磁力がロータプレートを所望される間隙をもたらす位置の中に屈曲させるように、予歪状態を達成するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、円形、円錐形状のテーパ状部が、前述の平坦なロータプレート表面の表面上に機械加工され、それによって、モータまたは発電機の中に組み立てられ、磁力によって作用されると、略平行または他の所望される状態に屈曲される、歪んだ表面を生成する。代替として、テーパ状のロータプレートが、ロータプレートを所望されるテーパ状構成に成型することによって形成されることができる。
【0010】
記載されるように、軸方向磁束モータまたは発電機内の磁石間の間隙は、機械における重要な設計パラメータであり得る。ステータ内の所与の電流密度に関して、生産され得るトルクの量は、間隙内の磁場に比例する。本間隙のサイズは、磁場の強度に大きい影響を及ぼし、概して、間隙サイズを可能な限り多く低減させることを望ましくすることができる。これは、間隙サイズが低減されるにつれて、同一の磁場増加がロータプレート上により多くの力を及ぼし、プレートを屈曲させるという点で問題をもたらす。
図3は、
図1および2に示されるもののような単純化された軸方向磁束モータまたは発電機の一部の断面側面図を示すが、間隙のサイズおよび偏向の量は、問題の性質を例証するために誇張されている。可能な限りロータ/ステータ間隙を低減させることを求める機械では、このタイプの屈曲は、ステータ上の磁石の非均一な磁場強度および均一な摩擦をもたらし得る。本摩擦は、ステータを損傷させ、可聴の掻爬雑音を生産し、低減された効率をもたらし得る。
【0011】
以前の解決策は、間隙のサイズを増大させることまたはロータプレートの屈曲強度を増大させることである。これらの解決策はそれぞれ、望ましくない結果を有する。第1の従来の解決策、すなわち、間隙サイズを増大させることは、上記に記載される理由のために、所与の磁石サイズに関して磁場強度の低減をもたらす。第2の従来の解決策、すなわち、ロータ屈曲強度を増大させることは、ロータの厚さの増加を必要とし、これは、機械の全体的質量を増加させ、望ましい薄型の形状因子を低減させる。これはまた、より複雑な製造プロセスの使用を必要とし、全体的コストを増大させ得る。
図2に示されるモータまたは発電機100では、例えば、ロータプレート106a、106bはそれぞれ、縁115と、ロータプレート106a、106bの中心近傍の増加された厚さの領域118とを具備する。これらの方法は、依然として、半径の関数として減少する幅を伴う間隙をもたらし、不均一な間隙の問題ではない症状に対処する。
【0012】
図1および2に示されるように、いくつかの軸方向磁束機械では、軸受116a、116bが、ロータプレート106a、106bおよび取り付けられた磁石102a、102bを支持するために利用される。これらの軸受116a、116bは、一体化し、かつステータ104をその周囲でクランプする、個別のケーシング部分110a、110bによって支持される。ロータ/ステータの整合が、シャフト108と軸受116a、116bの整合によって決定される。軸受116a、116bは、半径方向の振れのある量を有し、これは、軸受が摩耗するにつれて増加する。加えて、多くの場合、ケーシング110内の公差に起因して、2つの軸受116a、116bの間にある程度の不整合が、存在するであろう。薄型モータまたは発電機の中に組み立てられると、これらの設計が、典型的にそうであるように、振れおよび不整合の影響が、ステータ/磁石間隙の外径において拡大され、上記に記載される摩擦につながり得る。本開示は、少なくともいくつかの実施形態では、磁場の低減または質量の増大を伴わない、本問題に直接対処するための方法を提供する。
【0013】
図4は、本開示による、予歪ロータ要素を組み込むモータまたは発電機400の例示的実施形態の断面側面図である。見られ得るように、モータまたは発電機400は、
図1および2に示されるモータまたは発電機100と共通していくつかの構成要素を有するだけではなく、いくつかの顕著な差異も有する。2つの設計の間の一差異は、モータまたは発電機400におけるハブ422の構成に関連する。示されるように、ハブ422は、ロータプレート406a、406bをハブ422に、そして相互に固定するために使用されているピン424a、424bを用いて、およびハブ422をシャフト408に固定するために使用されているピン426を用いて、ロータプレート406a、406bおよびシャフト408をともに結合させるために使用されてもよい。加えて、(下記により詳細に議論されるような)組立に先立ったロータ要素の予歪処理は、モータまたは発電機400内のロータプレート406a、406bが、モータまたは発電機100内のロータプレート106a、106bほど大型ではなく、および/またはあまり複雑ではなくなることを可能にし、したがって、モータまたは発電機400が、より薄型の形状因子を達成し、および/または製造するためにあまり困難および/または高価ではなくなることを可能にする。
図4に示される例示的実施形態では、例えば、ロータプレート406a、406bは、
図2に示されるロータプレート106a、106bの縁115または中心近傍の増加された厚さの領域118を含まない。
【0014】
本明細書に説明されるような予歪ロータ要素を含むアセンブリは、第’625号特許に説明される軸方向磁束モータ/発電機および米国特許第9,673,684号および米国特許第9,800,109号(そのそれぞれの内容全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるモータおよび発電機を含む、任意の公知のまたは将来開発されるモータまたは発電機において採用されることができる。
【0015】
図5Aは、
図4に示されるもののようなモータまたは発電機アセンブリ420に加えてコントローラ532を含む、システム500の実施例を示す。モータまたは発電機アセンブリ420の構成要素およびそれらが組み立てられ得る様式を示す拡大図が、
図5Bに示される。示されるように、ステータ104は、それぞれが個別のロータプレート406a、406bに取り付けられる磁石102a、102bを含む、2つの予歪ロータ要素534aおよび534bの間の間隙の中に配置されてもよい。磁石102a、102b内の磁極のパターンもまた、
図5Bの拡大図内で明白である。ねじまたは他の締結具528が、ロータ要素534a、534bをハブ422に固着させるために使用されてもよく、ピン424a、424bおよび426が、上記で議論されるように、ロータ要素およびシャフトを固定するために使用されてもよい。
【0016】
図示される実施形態では、電気接続530が、ステータ104の外径においてとられ、ステータが、外周においてフレームまたはケーシングに搭載される。別の有用である構成、すなわち、「アウトランナ」構成は、内径においてステータ104を搭載し、内径において電気接続530を作製し、シャフト408をロータを半分に分離する環状リング(図示せず)に置換することを含む。1つの磁石のみ、すなわち、102aまたは102bのいずれか一方を伴うシステムを構成すること、または連続する磁石アセンブリ間に複数のステータを挿入することもまた、可能性として考えられる。ワイヤ530はまた、ステータ上に搭載されるホール効果または類似するセンサ(図示せず)の読取値に基づくロータの位置に関する情報を伝達してもよい。加えて、または代替として、エンコーダ(図示せず)が、シャフト408に取り付けられ、コントローラ532に位置情報を提供してもよい。
【0017】
図5Aおよび5Bのシステム500は、コントローラ532の動作およびシャフト408に接続される構成要素に応じて、モータまたは発電機のいずれか一方として機能することができる。モータシステムとして、コントローラ532は、ステータ104内の電流が、シャフト408に接続される磁石102a、102bに由来する、間隙内の磁束に起因してシャフト408を中心としてトルクを生成するように、スイッチを動作させてもよい。コントローラ532の設計に応じて、間隙および/またはロータの位置内の磁束が、測定または推定され、シャフト408におけるトルク出力を達成するようにスイッチを動作させてもよい。発電機システムとして、シャフト408に接続される機械回転電力源が、ステータの端子に電圧波形を生成する。これらの電圧は、負荷に直接印加されるか、またはそれらがコントローラ532内で3相(または多相)整流器を用いて整流されるかのいずれか一方であることができる。整流器の実装は、例えば、発電機モードのダイオートを使用して「自己整流」してもよい、またはモータコントローラの制御されるスイッチを使用して構成されるが、シャフトトルクが機械源によって提供されるトルクと対向し、機械エネルギーが電気エネルギーに転換されるように動作されてもよい。したがって、
図5A内の同じ構成が、コントローラ532が動作される方法に応じて、発電機およびモータの両方として機能し得る。加えて、いくつかの実施形態では、コントローラ532は、スイッチング効果を軽減させ、ワイヤ530からのEMI/RFIを低減させ、損失を低減させ、コントローラ532に供給されるまたはそれから送達される電力における付加的な柔軟性を提供する、フィルタ構成要素を含んでもよい。
【0018】
図6および7は、ロータプレート406bと、磁石102bとを含む、予歪ロータ要素534bを形成するための例示的方法を図示する。類似する技法が、ステータが配置される間隙の他側上に位置する予歪ロータ要素534aを形成するために採用されてもよい(例えば、
図10-12参照)。組立の間に磁石102a、102bとロータプレート406a、406bを整合させるための技法の実施例が、例えば、米国特許第9,673,688号(その内容全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明される。
【0019】
図6に見られるように、ロータプレート406bは、それに対してロータシャフトの回転軸602が法線方向にある平面に対してテーパ状である、表面領域604、およびそのような平面に平行である略平坦な表面を有する、中心領域606を含むように形成されてもよい。テーパ状の表面領域604と、中心領域606とを含む、ロータプレート406bの上面図が、
図8に示される。ロータプレート406bは、加えて、ピン424a、424bを受容するための孔802と、ねじ528を受容するための孔804と、シャフト408を受容するための孔806とを全て、中心領域606の中に含んでもよい。テーパ状の表面領域604は、多数の形態のうちのいずれかを呈してもよく、本発明は、テーパの任意の特定の構成またはタイプに限定されるものではない。示される例証的実施形態では、ロータプレート406の上側部分は、中心領域606の上部が錐台の上側基部を形成する、直円錐台の形状にある。しかしながら、他の構成もまた、可能性として考えられ、検討される。
【0020】
図7に図示されるように、磁石102bは、これがテーパ状の表面領域604の少なくとも一部に接触するように、ロータプレート406bの上側表面に取り付けられてもよい。図示される実施形態では、磁石102bは、テーパ状の(例えば、円錐形の)領域604の実質的に全てを被覆する、環状形状を有する。環状磁石102bの上面図が、
図9に示される。示されるように、磁石102b内の円形の孔902は、中心点904から測定される半径R1を有し、磁石102bの円形の外周906は、半径R2を有する。
図7に示されるようにテーパ状領域604に環状磁石102bを取り付けるステップは、磁石102bを歪ませ、少なくとも部分的に、円錐形のテーパ状領域604の形状に共形化させるであろう。磁石のこの歪みを印加するステップは、ロータプレート406bの本体に応力を印加し、それを歪ませるであろう。
【0021】
図7に示されるように、表面領域604のテーパの程度は、磁石の下側表面720に接触するロータプレート406bの表面上の2つの点702、704を識別し、2つの平面706および708(それらに対して回転軸602が法線方向にあり、それぞれ、第1の点702および第2の点704にインターセプトする)の間の距離D1を決定することによって測定され得る。示される実施例では、円錐形のテーパ状領域604に接触する磁石の下側表面は、磁石102bの磁化方向に対して直交する。いくつかの実施形態では、それらに関する距離D1が実質的にゼロを上回る2つの磁石接触点702、704が、(磁石の内径R1および外径R2または他所に)見出され得る。本文脈における用語「実質的に」は、許容可能な公差内の処理および/または材料の不完全性に起因するわずかな変動を除外することが意図される。いくつかの実装では、距離D1は、例えば、0.003インチを上回ってもよい、または0.01インチを上回ってもよい、またはさらに0.02インチを上回ってもよい。加えて、または代替として、いくつかの実施形態では、距離D1対2つの点間の距離の比、および/または、距離D1対磁石の内径R1と外径R2との間の差異の比が、実質的にゼロを上回るような、2つの磁石接触点702、704が、見出され得る。いくつかの実装では、そのような比は、例えば、0.002を上回ってもよい、または0.005を上回ってもよい、またはさらに0.01を上回ってもよい。
【0022】
また、
図7に図示されるように、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの点710が、磁石102bに接触するロータプレート106bの表面上に見出され得、それに対し、該表面から離れるように延在し、該表面に対して法線方向にある光線712が、平面(それに対して回転軸602が法線方向にある)に対して実質的に90度未満である角度α1を形成する。いくつかの実装では、角度α1は、例えば、89.9度未満であってもよい、89.7度未満であってもよい、またはさらに89.5度未満であってもよい。点710は、磁石102bの内径R1、磁石102bの外径R2、またはそれらの2つの半径間のある点に位置し得る。
【0023】
加えて、または代替として、また
図7に示されるように、磁石102bのテーパの度合は、ロータプレート406bに取り付けられるとき、磁石102bの磁化方向に対して直交する磁石102bの表面(例えば、
図7に示される磁石102bの上側表面718)上の2つの点714、716を識別し、2つの平面726および728(それらに対して回転軸602が法線方向にあり、それぞれ、第1の点714および第2の点716にインターセプトする)の間の距離D2を決定することによって測定され得る。示される実施例では、円錐形のテーパ状領域604に接触する磁石の下側表面720はまた、磁石102bの磁化方向に対して直交する。いくつかの実施形態では、それらに関する距離D2が実質的にゼロを上回る2つの磁石表面点714、716が、(磁石の内径R1および外径R2または他所に)見出され得る。いくつかの実装では、距離D2は、例えば、0.002インチを上回ってもよい、または0.005インチを上回ってもよい、またはさらに0.01インチを上回ってもよい。加えて、または代替として、いくつかの実施形態では、距離D2対2つの点間の距離の比、および/または、距離D2対磁石の内径R1と外径R2との間の差異の比が、実質的にゼロを上回るような、2つの磁石表面点714、716が、見出され得る。いくつかの実装では、そのような比は、例えば、0.002を上回ってもよい、または0.005を上回ってもよい、またはさらに0.01を上回ってもよい。
【0024】
また、
図7に図示されるように、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの点722が、磁石102b(例えば、上側表面718)の磁化方向に対して直交する磁石102bの表面上に見出され得、それに対し、磁石の表面から離れるように延在し、該表面に対して法線方向にある光線724が、平面(それに対して回転軸602が法線方向にある)に対して実質的に90度未満である角度α2を形成する。いくつかの実装では、角度α2は、例えば、89.9度未満であってもよい、89.7度未満であってもよい、またはさらに89.5度未満であってもよい。点722は、磁石102bの内径R1、磁石102bの外径R2、またはそれらの2つの半径間のある点に位置し得る。
【0025】
図10に図示されるように、2つのロータ要素534a、534bが、シャフト408およびハブ422(
図10に図示せず)に取り付けられると、磁石102a、102bの磁束は、磁石の間の間隙1002内に、ロータ要素534a、534bの端部が相互に向かって移動するようにロータ要素534a、534bを歪ませる吸引力を生成する。
図10の破線は、ロータ要素534a、534bが、
図4、5A、および5Bに示されるもの等のモータまたは発電機の中に組み立てられた後、成形され得る方法を図示する。いくつかの実施形態では、ロータ要素534a、534bは、相互に面する2つの磁石102a、102bの表面が組み立てられたモータまたは発電機400内で略平行であり、したがって、間隙1002の幅を全体を通して実質的に均一にするように、組立に先立って予歪される。他の実装では、ロータ要素534a、534bは、いったん組み立てられると、半径の関数として増加するテーパが得られるように、わずかに「過大に歪んだ状態に」されてもよい。これは、より大きい半径において間隙を低減させる望ましくない影響を及ぼし得るが、これは、より小さい平均間隙幅Gの使用を可能にし、したがって、平均磁場強度を増大させ、磁石102a、102bの外径にクリアランスを保定する。
【0026】
図10に図示されるように、組立に応じてロータ要素534bが被る歪み量は、磁石102bの外径R2に位置する点1004を識別し、点が組立に応じて回転軸602と一致する方向に移動する距離D3を決定することによって測定され得る。距離D3は、例えば、点1044にインターセプトし、かつそれに対して回転軸602が法線方向にある平面を識別し、ロータ要素534bの中心またはその近傍の点に交差し、かつそれに対して回転軸602がまた法線方向にある別の平面に対してそのような平面が移動する距離を決定することによって測定され得る。いくつかの実施形態では、距離D3は、0.001インチを上回る、または0.005インチを上回る、またはさらに0.01インチを上回る。加えて、または代替として、いくつかの実施形態では、距離D3対間隙1002の平均幅Gの比は、0.01を上回る、または0.05を上回る、またはさらに0.1を上回る。加えて、または代替として、距離D3対磁石102bとステータ104の表面(
図10に図示せず)との間の平均クリアランス距離の比は、0.25を上回ってもよい、0.5を上回ってもよい、またはさらに1を上回ってもよい。故に、いくつかの実施形態では、ロータ要素534bは、可能な限りまたは平均磁石/ステータクリアランス距離より多く偏向してもよい。
【0027】
図10と併せて
図7を参照すると、いくつかの実施形態では、ロータ要素534a、534bが、ロータ要素毎に、以下の値、すなわち、(1)平面706と708との間の距離D1、(2)距離D1対点702および704の間の距離の比、および/または、距離D1対磁石の内径R1と外半径外径R2との間の差異の比、(3)平面726および728の間の距離D2、(4)距離D2対点714および716の間の距離の比、および/または、距離D2対磁石の内径R1と外径R2との間の差異との比のうちの1つ以上のものが、ロータ要素534a、534bがシャフト408に取り付けられ、
図10に図示されるように偏向されると、50パーセント以上だけ減少し得るように構成および配列され得ることを理解されたい。
【0028】
図11は、ロータ要素534a、534bが、組立に応じて、相互に面する2つの磁石102a、102bの表面1102、1104が略平行であるように組立に先立って予歪された、磁石102aと102bとの間に誇張される間隙を伴う、モータまたは発電機アセンブリ420を示す。
【0029】
図12は、それぞれが全体を通してより均一な幅を有する予歪ロータプレート406a、406bが採用される、モータまたは発電機アセンブリ420を図示する。そのような実装では、磁石102a、102bが取り付けられるテーパ状の表面は、それぞれ、
図6および7に示される実施例に類似する形状を有してもよいが、ロータプレート406a、406bの厚さは、半径方向に実質的に一定であってもよい。他の実施形態では、予歪が、採用されながら、ロータプレート406a、406bの厚さを、ロータプレート406a、406bの磁気抵抗を最適化し、モータまたは発電機400の性能を最大限にするため等の種々の理由のために、他の方法でロータプレート406a、406bの厚さを変動させることができる。
【0030】
本明細書に説明される予歪技法の使用は、上記に説明および示されるようなリング磁石に限定されない。これはまた、例えば、各ロータ要素が、それぞれが単一の磁極を形成する複数の磁石を備える、区画化された磁石を利用する方法に適用され得る。軸方向磁束機械におけるそのような設計は、一般的であり、同一の偏向問題を被る。円錐形のテーパ状部を伴う円形のロータプレートが、使用され得る、またはそれぞれが、モータまたは発電機の中に組み立てられると、間隙サイズが外径において低減されないように個々にテーパ状である、各磁石が、それ自体のポケット内に設置され得る。この場合では、例えば、単一の円錐表面ではなく、個々の平坦な表面が、実装され得る。
【0031】
図13および14は、本明細書に説明されるように組み立ておよび構成されるロータ要素534の写真である。示される実施例では、テーパ量(すなわち、
図7に関連して説明される値D1)は、平坦からの逸脱が、外径において0.005インチのみである、非常にわずかなものであり、これは、画像内で知覚不可能である。この場合では、有限要素解析(FEA)を組み込むコンピュータモデルが、磁気吸引の強度および結果として生じるロータ要素435の屈曲の両方を決定するために使用された。結果として生じる偏向は、0.002インチであると計算された。付加的な0.003インチのテーパが、追加され、軸受116a、116bのある半径方向の振れと不整合を可能にした。本適用のために機械加工された冶具が、ロータを、これがモータまたは発電機400内で被るであろう反対方向の0.005インチの偏向状態に屈曲させるために使用された。この状態にある間、ロータプレート406の磁石軸受表面は、治具から取り外されたとき、それが所望されるテーパ状部を有するであろうように、平坦に機械加工された。平坦なリング磁石102が、次いで、ロータプレート406上に組み立てられた。ロータプレート406が磁石102に接近すると、磁気吸引力は、磁石406にロータプレート406の偏向形状をとらせた。鋼と比較してはるかにより低い磁石の弾性係数に起因して、ロータプレート406は、有意に偏向せず、磁石内に誘発された応力は、降伏応力よりはるかに低いものであった。
【0032】
上記の実施例におけるように、FEA等のコンピュータベースの方法が、磁場に起因するロータプレート406に作用する力および結果として生じる偏向プロファイルの両方を正確に決定するために使用されることができる。典型的には、一定の厚さのロータの単純な幾何学形状は、磁石搭載部の領域内に半径の関数として線形の偏向曲線をもたらし、所望されるテーパ状部を上記に議論される実施例に見られるような半径の線形関数にする。本テーパ状部は、ある材料が除去されるにつれて、ロータプレート406の屈曲強度を低減させる。変化する物性を構成するために反復的な方法を使用することが、可能であるであろうが、テーパ状部は、これが必要ではないほど十分にわずかに作製され得る。コンピュータモデルは、種々の材料の単純および複雑な幾何学形状に関する屈曲量の予測を可能にする。
【0033】
上記に説明される機械加工治具は、単に平坦面を機械加工する機械加工道具の使用を用いてロータ上にテーパ状部を機械加工する、繰り返し可能かつ予測可能な方法を提供する。将来のテーパ状ロータは、特に、非線形テーパ状部が所望される場合、他の方法を用いて生成されてもよい。軸方向磁束機械の最適化プロセスの一部として使用され得る、近代的な道具が、正確な設計が開発され、複雑な幾何学形状が機械加工されることを可能にする。
【0034】
本明細書に説明されるタイプのテーパ状ロータ要素が、モータを起動するステップにおいて使用され、軸方向磁束機械内の磁石/ステータ間隙のサイズを制御する、繰り返し可能かつ効果的な方法として実証されている。測定値が、
図13および14に示されるもの等の生産されたロータ要素内のテーパ部が、正確であることを示し、アセンブリが、磁石102が、ロータプレート406に取り付けられると、テーパ状部と整合することを確認している。
【0035】
したがって、本発明の少なくとも一実施形態のいくつかの側面を説明しているため、種々の改変、修正、および改良が、当業者に容易に想起されるであろうことを理解されたい。そのような改変、修正、および改良は、本開示の一部であることが意図され、本発明の精神および範囲内であることが意図される。故に、前述の説明および図面は、実施例にすぎない。
【0036】
本発明の種々の側面は、単独で、または組み合わせ、または前述に説明される実施形態内で具体的に議論されていない種々の配列で使用され得、したがって、本願では、前述の説明に記載または図面内に図示される構成要素の詳細および配列に限定されない。例えば、一実施形態において説明される側面は、他の実施形態において説明される側面と任意の様式で組み合わせられ得る。
【0037】
また、本発明は、その実施例が提供されている方法として具現化され得る。方法の一部として実施される行為は、任意の好適な方法で順序付けられてもよい。故に、例証的実施形態では順次行為として示されたとしても、ある行為を同時に実施することを含み得る、図示されるものと異なる順序で行為が実施される、実施形態が構築されてもよい。
【0038】
請求項要素を修飾するための請求項内での「第1の」、「第2の」、「第3の」等の序数用語の使用は、それ自体が一請求項要素の、別のものに優るいかなる優先順位、優先権、または順序、または方法の作用が実施される時間的順序も暗示せず、単に、ある名称を有する1つの請求される要素を(序数用語の使用がなければ)同一の名称を有する別の要素から区別し、請求項要素を区別するための標識として使用される。
【0039】
また、本明細書に使用される語法および専門用語は、説明の目的のために使用され、限定するものとして見なされるべきではない。「including(~を含む)」、「comprising(~を備える)」、または「having(~を有する)」、「containing(~を含有する)」、「involving(~を伴う)」、およびそれらの変形例の使用は、本明細書では、その後に列挙される物品と、その均等物、および付加的な物品を包含することを意味する。