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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】コンテナ移載装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 59/06 20060101AFI20231019BHJP
   B62B 5/00 20060101ALI20231019BHJP
   B65G 47/90 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
B65G59/06 102
B62B5/00 F
B65G47/90 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019147649
(22)【出願日】2019-08-09
(65)【公開番号】P2021028262
(43)【公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 亮民
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-034522(JP,A)
【文献】特開2003-020119(JP,A)
【文献】特開平05-238558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 59/06
B62B 5/00
B65G 47/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナを載せる載置部とコンテナの側方に位置する側壁部とを有し開口が形成されている台車から、前記コンテナを別の場所に移す、コンテナ移載装置であって、
リフターと、
前記リフターを上昇させる第1駆動部と、
を備え、
前記リフターは、
前記台車の前記載置部に載せられた前記コンテナに、前記開口を通って下から接触する第1接触部、
を有し、
前記台車及び前記コンテナは、
上昇する前には、前記コンテナの下面の第1部が前記台車の前記側壁部の上端よりも低い位置、にある第1状態、となっており、
上昇した後には、前記第1接触部によって、前記コンテナの下面の第1部が前記台車の前記側壁部の上端と同じ高さ位置、あるいは、前記コンテナの下面の第1部が前記台車の前記側壁部の上端よりも高い位置、にある第2状態、となり、
前記リフターは、前記台車に接触する第2接触部、をさらに有し、
前記リフターによる前記台車及び前記コンテナの上昇前における、前記第2接触部に対する前記第1接触部の相対的な高さ位置と、前記リフターによる前記台車及び前記コンテナの上昇後における、前記第2接触部に対する前記第1接触部の相対的な高さ位置とは、異なる、
コンテナ移載装置。
【請求項2】
前記第2接触部に対する前記第1接触部の相対的な高さ位置が、前記リフターによる前記台車及び前記コンテナの上昇終了のタイミングよりも前記リフターによる前記台車及び前記コンテナの上昇開始のタイミングに近いタイミング、において変わる、
請求項1に記載のコンテナ移載装置。
【請求項3】
前記リフターは、
前記台車及び前記コンテナの上昇開始前に、床面に接触しており、前記台車及び前記コンテナの上昇開始後に、前記床面から受ける力が減少する或いは無くなる、床面接触部材、
をさらに有し、
前記床面接触部材が前記床面から受ける力が減少した或いは無くなったことによって、前記第2接触部に対する前記第1接触部の相対的な高さ位置が上がる、
請求項2に記載のコンテナ移載装置。
【請求項4】
前記リフターは、
前記第1駆動部による前記台車及び前記コンテナの上昇時に、前記第2接触部に対する前記第1接触部の相対的な高さ位置を上げる、第2駆動部、
をさらに有する、
請求項2に記載のコンテナ移載装置。
【請求項5】
前記リフターによる前記台車及び前記コンテナの上昇前における、前記第2接触部の高さ位置と前記第1接触部の高さ位置との差は、前記リフターによる前記台車及び前記コンテナの上昇後における、前記第2接触部の高さ位置と前記第1接触部の高さ位置との差よりも、小さい、
請求項1から4のいずれか1項に記載のコンテナ移載装置。
【請求項6】
前記台車の前記載置部の周縁は、長方形であり、
前記台車の前記側壁部は、前記載置部の周縁の4辺のうち3辺あるいは4辺から上に立ち上がっている、
請求項1から5のいずれか1項に記載のコンテナ移載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台車からコンテナを別の場所に移すコンテナ移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2017-95282号公報)に開示されているように、商品の配送で一般に利用されている運搬容器(以下、コンテナという。)は、商品を出し入れする際に、商品出し入れのための装置にセットされる。その装置において、コンテナが載せられている台車が持ち上げられ、その後に、台車の上から所定の位置までコンテナが移される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
コンテナを載せる台車には幾つかの種類がある。台車には、コンテナが横にずれることを防止するための側壁が設けられていることが多いが、高さの低い側壁であっても、台車から別の場所にコンテナを移す際に側壁が邪魔になることがある。
【0004】
本発明の課題は、台車からコンテナを移載する装置において、移載をスムーズに行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点に係るコンテナ移載装置は、台車からコンテナを別の場所に移す装置である。台車は、コンテナを載せる載置部と、コンテナの側方に位置する側壁部とを有する。また、台車には、開口が形成されている。コンテナ移載装置は、リフターと、そのリフターを上昇させる第1駆動部と、を備える。リフターは、第1接触部を有する。第1接触部は、台車の載置部に載せられたコンテナに、開口を通って下から接触する。台車及びコンテナは、上昇する前には、第1状態となっている。第1状態では、コンテナの下面の第1部が、台車の側壁部の上端よりも低い位置にある。また、台車及びコンテナは、上昇した後には、第1接触部によって、第2状態となる。第2状態では、コンテナの下面の第1部が台車の側壁部の上端と同じ高さ位置、あるいは、コンテナの下面の第1部が台車の側壁部の上端よりも高い位置、にある。
【0006】
このコンテナ移載装置では、リフターによって台車及びコンテナが上昇した後には、第1状態から第2状態に変わり、コンテナの下面の第1部が、台車の側壁部の上端よりも低い位置から高い位置(あるいは同じ高さ位置)まで相対的に上がっている。これにより、コンテナを台車から別の場所に移し易くなる。
【0007】
第2観点に係るコンテナ移載装置は、第1観点に係るコンテナ移載装置であって、リフターが第2接触部をさらに有している。第2接触部は、台車に接触する。
【0008】
第3観点に係るコンテナ移載装置は、第2観点に係るコンテナ移載装置であって、リフターによる台車及びコンテナの上昇前における、第2接触部に対する第1接触部の相対的な高さ位置と、リフターによる台車及びコンテナの上昇後における、第2接触部に対する第1接触部の相対的な高さ位置とは、同じである。
【0009】
ここでは、リフターにおいて第1接触部と第2接触部との相対的な高さ位置を変更する機構を設ける必要がなくなり、装置の製造コストを下げることができる。
【0010】
第4観点に係るコンテナ移載装置は、第2観点に係るコンテナ移載装置であって、リフターによる台車及びコンテナの上昇前における、第2接触部に対する第1接触部の相対的な高さ位置と、リフターによる台車及び前記コンテナの上昇後における、第2接触部に対する第1接触部の相対的な高さ位置とは、異なる。
【0011】
ここでは、第1接触部と第2接触部との相対的な高さ位置を変更する機構を設ける必要があるけれども、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0012】
第5観点に係るコンテナ移載装置は、第4観点に係るコンテナ移載装置であって、第2接触部に対する第1接触部の相対的な高さ位置が、リフターによる台車及びコンテナの上昇終了のタイミングよりも、リフターによる台車及びコンテナの上昇開始のタイミングに近いタイミング、において変わる。
【0013】
ここでは、台車及びコンテナの上昇開始のタイミングに近いタイミングで、第2接触部に対する第1接触部の相対的な高さ位置が変わる。このため、コンテナ移載のスピードを上げることができる。
【0014】
第6観点に係るコンテナ移載装置は、第5観点に係るコンテナ移載装置であって、リフターは、床面接触部材をさらに有する。床面接触部材は、台車及びコンテナの上昇開始前に、床面に接触している。また、床面接触部材は、台車及びコンテナの上昇開始後に、床面から受ける力が減少する或いは無くなる。そして、床面接触部材が床面から受ける力が減少した或いは無くなったことによって、第2接触部に対する第1接触部の相対的な高さ位置が上がる。
【0015】
ここでは、床面接触部材が床面から受ける力の変化を利用して、第2接触部に対する第1接触部の相対的な高さ位置を変えている。このため、リフターの機構を簡易化することができる。
【0016】
第7観点に係るコンテナ移載装置は、第5観点に係るコンテナ移載装置であって、リフターは、第2駆動部をさらに有する。第2駆動部は、第1駆動部による台車及びコンテナの上昇時に、第2接触部に対する第1接触部の相対的な高さ位置を上げる。
【0017】
ここでは、第2接触部に対する第1接触部の相対的な高さ位置を上げるための第2駆動部を設けているため、第2接触部を第1接触部に対して上げるタイミングを適切なタイミングにすることが可能である。
【0018】
なお、第1駆動部による台車及びコンテナの上昇時とは、上昇開始前後のタイミングや、上昇終了前後のタイミングを含む。
【0019】
第8観点に係るコンテナ移載装置は、第4観点から第7観点のいずれかに係るコンテナ移載装置であって、リフターによる台車及びコンテナの上昇前における、第2接触部の高さ位置と第1接触部の高さ位置との差は、リフターによる台車及びコンテナの上昇後における、第2接触部の高さ位置と第1接触部の高さ位置との差よりも、小さい。
【0020】
ここでは、上昇前における第2接触部の高さ位置と第1接触部の高さ位置との差を小さくすることができるので、装置のコンパクト性を向上させることができる。
【0021】
第9観点に係るコンテナ移載装置は、第1観点から第8観点のいずれかに係るコンテナ移載装置であって、台車の載置部の周縁は、長方形である。台車の側壁部は、載置部の周縁の4辺のうち3辺あるいは4辺から、上に立ち上がっている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、コンテナを台車から別の場所に移し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】正面側斜め上から見た、物品移載装置の斜視図。
図2】背面側斜め上から見た、物品移載装置の斜視図。
図3】上から見た、物品移載装置の各部の配置を示す図。
図4A】台車の正面図。
図4B】台車の平面図。
図5A】背面側斜め上から見た、コンテナ移載装置の主要部品を示す斜視図。
図5B図5Aのコンテナ移載装置に台車が入った状態を示す斜視図。
図6A】台車がコンテナ移載装置に入る前の状態を示す図。
図6B】台車がコンテナ移載装置に入った直後の状態を示す図。
図6C】コンテナ群だけが上昇し始めた時の状態を示す図。
図6D】台車及びコンテナ群が上昇を終えた状態を示す図。
図6E】コンテナ群が台車の上から供給部へと水平移動した状態を示す図。
図6F】コンテナ群の移載後のプッシャー及び台車の動きを示す図。
図7A】台車が入る前の、リフターの各部の状態を示す図。
図7B】入ってきた台車とリフターの各部との位置関係を示す図。
図7C】コンテナ群にリフターの第1接触部が当たった状態を示す図。
図7D】台車にリフターの第2接触部が当たった状態を示す図。
図7E】台車及びコンテナが床面から離れて上昇しているときの状態を示す図。
図8A】コンテナ群が排出部からリフターに載せられる前の状態を示す図。
図8B】コンテナ群が排出部からリフター上に移った状態を示す図。
図8C】リフターによって台車及びコンテナ群が下降し終えた状態を示す図。
図8D】台車及びコンテナ群がコンテナ移載装置から引き出された状態を示す図。
図9A】変形例Aのコンテナ移載装置のリフターの両接触部の一状態を示す図。
図9B】変形例Aのコンテナ移載装置のリフターの両接触部の他の状態を示す図。
図10A】変形例Bのコンテナ移載装置のリフターの両接触部の一状態を示す図。
図10B】変形例Bのコンテナ移載装置のリフターの両接触部の他の状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の一実施形態に係るコンテナ移載装置5Aを含む物品移載装置10について、以下に説明する。
【0025】
(1)物品移載装置の概要
物品移載装置10を、図1図3に示す。物品移載装置10は、物品を作業エリアEに送り込む搬送部1と、コンテナC(図6Fなどを参照)を作業エリアEに供給する供給部2と、ロボット3と、コンテナCを作業エリアEから排出する排出部4と、コンテナ移載装置5A,5Bとを備えている。ロボット3は、作業エリアEに送り込まれた物品を、作業エリアEに供給されたコンテナCに収納する。ロボット3によって物品が収納されたコンテナCは、排出部4によって作業エリアEから排出される。
【0026】
ここで扱う物品は、例えば、容器に詰められた弁当や惣菜等である。搬送部1の上流側には、弁当等の盛り付けラインが接続される。作業エリアEは、ロボット3が搬送部1上の物品を持ち上げ、それをコンテナCに収納する領域である。したがって、作業エリアEには、ロボット3が配置され、そこに向けて物品を送り込む搬送部1と、コンテナCを送り込む供給部2と、そこからコンテナCを排出する排出部4とが接続されている。これらの搬送部1、供給部2及び排出部4は、それぞれコンベアで構成される。
【0027】
作業エリアEは、図3に示すように、第一作業エリアE1と第二作業エリアE2とに分けられている。ロボット3が、一方の作業エリアE1(又はE2)でコンテナCに物品を収納している間に、排出部4が、他方の作業エリアE2(又はE1)から物品の収納されたコンテナCを排出させる。その後、その作業エリアE2(又はE1)には、供給部2によって新たなコンテナCが供給される。これにより、空のコンテナCへ物品を収納する作業と、物品が収納されたコンテナCと空コンテナCとの入れ替え作業を、二つの作業エリアE1,E2で交互に切り替えて処理している。
【0028】
供給部2及び排出部4は、第一作業エリアE1及び第二作業エリアE2の背面側(図3の下側)に配置されている。第一作業エリアE1の背面側のコンベアも、第二作業エリアE2の背面側のコンベアも、あるときには供給部2として機能し、あるときには排出部4として機能する。
【0029】
コンテナ移載装置5A,5Bは、台車80に段積みされたコンテナC群(図6Aなどを参照)を、供給部2に移載する装置である。また、コンテナ移載装置5A,5Bは、物品が収納されたコンテナCを、排出部4から台車80の上に移載する装置でもある。ユーザーは、操作ボタンによって物品移載装置10の背面側に配置される扉51を開け、コンテナ移載装置5A,5Bへと台車80を入れたり、コンテナ移載装置5A,5Bから台車80を取り出したりする。
【0030】
(2)コンテナ移載装置の構成
コンテナ移載装置5A,5Bは、台車80からコンテナCを別の場所(供給部2)に移す装置であり、排出部4からコンテナCを台車80に移載する装置である。以下、コンテナ移載装置5Aを例にとり、特に台車80上のコンテナCの供給部2への移載機能を中心に説明する。
【0031】
コンテナ移載装置5Aは、主として、リフター60と、そのリフター60を上昇させる第1駆動部54と、プッシャー71と、第1駆動部54及びプッシャー71を制御する制御部9とを備えている。
【0032】
(2-1)台車
コンテナ移載装置5Aの詳細説明を行う前に、まず台車80について説明する。台車80は、番重とも称されるコンテナCを載せて運搬するための台車である。コンテナCは、主に食品業界で使用されている、薄型の運搬容器である。コンテナCは、図6Aに示すように、積み重ねることができ、積み重ねた状態で台車80に載せられることが多い。
【0033】
台車80は、図4A図4Bに示すように、長方形の薄型の台車である。台車80は、金属製の4つのアングル材84,85と、樹脂製の4つのコーナー部材82と、4つのキャスター88とを備えている。アングル材84が長方形の短辺、アングル材85が長方形の長辺に配置され、それぞれコーナー部材82にネジで固定されている。キャスター88は、それぞれコーナー部材82の下面に固定されている。
【0034】
各キャスター88が床面に設置している使用状態において、アングル材84,85は、内側に位置し水平方向に延びる水平部84a、85aと、外側に位置し鉛直方向に延びる側壁部84b,85bと、を有する。また、使用状態において、コーナー部材82は、内側に位置し水平方向に延びる水平部82aと、外側に位置し鉛直方向に延びる側壁部82bとを有する。アングル材84,85の側壁部84b,85bの上端と、コーナー部材82の側壁部82bの上端とは、使用状態において概ね同じ高さ位置となる。これらの側壁部84b,85b及び側壁部82bが、使用状態における台車80の側壁部80bである。この台車80では、長方形の四辺それぞれに、側壁部80bが存在する。台車80の側壁部80bの上端80b1の高さ位置は、アングル材84,85の側壁部84b,85bの上端と、コーナー部材82の側壁部82bの上端とのうち、高いほうの位置を指す。
【0035】
図4Bに示すように、長方形の台車80の中央には、開口OPが形成されている。この開口OPの周りに位置することになるアングル材84,85の水平部84a、85aの上面及びコーナー部材82の水平部82aの上面の少なくとも一方が、コンテナCを支える台車80の載置部80aとなる。アングル材84,85の水平部84a、85aの上面と、コーナー部材82の水平部82aの上面とが、概ね同じ高さ位置であれば、両方が台車80の載置部80aとなる。コーナー部材82の水平部82aの上面の高さ位置が、アングル材84,85の水平部84a、85aの上面の高さ位置よりも高い場合には、コーナー部材82の水平部82aの上面が台車80の載置部80aとなる。
【0036】
(2-2)リフター
リフター60は、図6A図6Dに示すように、台車80及びコンテナCを床面FLから持ち上げる構造体である。リフター60は、図5A図5Bに示すように、主として、本体フレーム62と、第1接触部66と、第2接触部64と、ローラー67と、を備えている。
【0037】
本体フレーム62は、後述する第1駆動部54によって上昇、下降する。
【0038】
第1接触部66は、本体フレーム62に固定されている。第1接触部66は、台車80が所定位置に入ってきたときに、台車80の開口OPの真下に位置する(図5B図7Bなどを参照)。
【0039】
第2接触部64は、本体フレーム62に固定されている。第2接触部64の上面64aは、図7Aに示すように、第1接触部66の上面66aよりも低い位置にある。第2接触部64の一部は、台車80が所定位置に入ってきたときに、台車80の下面の真上に位置する。より詳細に説明すると、第2接触部64の一部は、台車80が所定位置に入ってきたときに、台車80のアングル材85の水平部85aの下面85a2の真下に位置する(図5B図7Bなどを参照)。
【0040】
ローラー67は、リフター60に載ったコンテナCを後述するプッシャー71で横に押すときに、抵抗が少なくなるように設けられている。ローラー67の上面の高さ位置と、第1接触部66の上面66aの高さ位置とは、同じである。
【0041】
(2-3)第1駆動部
第1駆動部54は、リフター60を上昇、下降させる昇降機構である。ここでは、第1駆動部54が、モータ、減速機、スプロケット、チェーンなどによって構成されている。第1駆動部54は、リフター60の高さ位置を、図6A図6Bに示す床面FLの近傍の高さ位置と、図6D図6Eに示す供給部2の近傍の高さ位置との間で変更させる。
【0042】
なお、第1駆動部54は、電動の昇降機構に限らず、油圧シリンダーや空気圧シリンダーを用いて構成することもできる。また、第1駆動部54を、電動ボールネジを使って構成してもよい。
【0043】
(2-4)プッシャー
プッシャー71は、リフター60によって上昇したコンテナCを横に押して、供給部2へとコンテナC群をスライドさせる機構である。供給部2は、リフター60や台車80の正面側(図6D図6Eの左側)に位置しており、その供給部2の上面の高さ位置は、上昇を終えたリフター60上のコンテナCの下面の高さ位置と同じである。
【0044】
なお、プッシャー71は、電気、油圧、又は空気圧のいずれの駆動源によって動くものでもよい。ここでは、エアシリンダー(図示せず)によって、鉛直方向に延びる板部材を水平方向に沿って往復移動させる機構を採用している。
【0045】
(2-5)制御部
制御部9は、図6Dに示すように、第1駆動部54及びプッシャー71に接続され、これらを制御する。また、制御部9は、物品移載装置10の供給部2や排出部4を構成するコンベア、ロボット3、扉51などの機器も制御する。
【0046】
制御部9は、コンピュータにより実現されるものである。制御部9は、制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0047】
(3)コンテナ移載装置の動作
次に、コンテナ移載装置5AによるコンテナCの移載動作について説明する。
【0048】
(3-1)台車から供給部へのコンテナの移載動作
図6A図6Fを参照して、台車80に載置されたコンテナC群(積み重ねられた多数のコンテナC)を供給部2へと移す動作について説明する。
【0049】
まず、上述の扉51を開け、台車80及びコンテナC群を、ユーザーが手HAで押してコンテナ移載装置5Aに押し入れる(図6A及び図6B参照)。図6Bは、台車80及びコンテナC群がコンテナ移載装置5Aに入り、所定位置にセットされた状態である(図5Bも参照)。
【0050】
次に、ユーザーが扉51を閉めて操作ボタンを押すと、図6C図6Dに示すように、まずリフター60の第1接触部66がコンテナC群に下から接触し、その後、リフター60が台車80及びコンテナC群を支持した状態で上昇していく。
【0051】
リフター60は、図6Dに示す高さ位置まで上昇して止まる。図6Dに示す高さ位置では、リフター60に支持されたコンテナC群の下面と、供給部2の上面とが同じ位置となる。この状態で、プッシャー71を動かすと、コンテナC群が台車80の上方空間から正面側(図6Eの右側)に水平移動して、供給部2の上面の上方空間に移る。これにより、台車80から供給部2へのコンテナC群の移載動作が完了する(図6E参照)。
【0052】
その後、図6Fに示すように、プッシャー71が元の位置に戻され、同時にリフター60が床面FLに近い元の位置に戻される。
【0053】
(3-2)リフターによる台車及びコンテナの上昇動作
図7A図7Eを参照して、上記の図6Aから図6Dの状態に至るまでのリフター60の各部、台車80及びコンテナC群の相対位置関係について説明する。
【0054】
図7Aは、図6Aの一部拡大図である。具体的には、図7Aは、図6Aに示すリフター60の各部の高さ位置を示す図である。図7Aに示すリフター60は、最も低いリフター60のポジションであり、本体フレーム62が床面FLから少しだけ上に位置するような高さ位置にある。上述のとおり、第2接触部64の上面64aは、第1接触部66の上面66aよりも低い位置にある。第1接触部66も第2接触部64も本体フレーム62に固定されているため、第1接触部66と第2接触部64との高さ位置の関係は不変である。
【0055】
図7Bは、図6Bの一部拡大図である。具体的には、図7Bは、図6Bに示すリフター60の各部,台車80及びコンテナC群のうち最下段のコンテナCの各高さ位置を示す図である。図7B図7Eでは、下から2段目以上のコンテナCの図示は省略している。図7Bから明らかなように、台車80のキャスター88は、床面FLに接している。台車80及びコンテナCがコンテナ移載装置5Aに入ってきた図7Bに示す状態では、まだ、リフター60の各部と台車80及びコンテナCとは接しておらず、離れている。コンテナCの下面の第1部CBは、台車80の載置部80aに接しており、リフター60の第1接触部66の上面66aよりも少しだけ高い位置にある。また、台車80の下面であるアングル材85の水平部85aの下面85a2は、リフター60の第2接触部64の上面64aよりも、かなり高い位置にある。なお、コンテナCの下面の第1部CBは、コンテナCの下面のうち、上面視においてリフター60の第1接触部66の上面66aと重なる部分である。
【0056】
図7Bに示す状態から、リフター60が少しだけ上昇すると、図7Cに示す状態に移る。図7Cは、リフター60の第1接触部66の上面66aがコンテナCの下面の第1部CBに当たった直後の状態を示している。このときには、依然として、台車80の下面であるアングル材85の水平部85aの下面85a2は、リフター60の第2接触部64の上面64aよりも高い位置にある。
【0057】
図7Cに示す状態から更にリフター60が上昇して図7Dに示す状態に移行する間に、コンテナCは、台車80に載った状態から台車80から離れた状態へと移行する。具体的には、コンテナCがリフター60の第1接触部66によって押し上げられ、台車80に対して相対的に上に上がる。すなわち、コンテナCと台車80との相対的な高さ位置が変わっていく。この現象は、リフター60の第1接触部66の上面66aがコンテナCの下面の第1部CBに当たった直後から、リフター60の第2接触部64の上面64aが台車80の下面に当たるまでの間、継続する。図7Dに示す状態までリフター60が上昇すると、台車80の下面であるアングル材85の水平部85aの下面85a2が、リフター60の第2接触部64の上面64aに当たり、台車80がリフター60に支持された状態となる。図7Dは、図6Cの一部拡大図である。この後、台車80及びコンテナCは、リフター60に支持された状態でリフター60とともに上昇し、床面FLから離れていく(図7E参照)。
【0058】
図7Dに示す状態になって以降、コンテナCも台車80もリフター60に支持された状態となる。図7D図7Eに示すとおり、リフター60に支持されたコンテナC及び台車80は、互いに離れた状態となる。コンテナCは、リフター60の第1接触部66の上面66aに支持され、台車80は、リフター60の第2接触部64の上面64aに支持される。この状態において、コンテナCの下面の第1部CBの高さ位置は、台車80の側壁部80bの上端80b1の高さ位置よりも高い。側面視において、コンテナCの下面の第1部CBと台車80の側壁部80bとの間には、図7D図7Eに示す隙間(寸法G)が空く。
【0059】
図7D図7Eに示す、コンテナCの下面の第1部CBと台車80の側壁部80bとの間に隙間が空いた状態で、リフター60が上昇を続け、所定高さ位置で上昇を終える(図6D参照)。図6Dに示す所定高さ位置までリフター60が上昇して止まると、上述のとおり、リフター60に支持されたコンテナCの下面の第1部CBと、供給部2の上面とが、同じ位置となる。この状態で、プッシャー71を動かすため、コンテナCは、台車80の側壁部80bの上端80b1よりも高い空間において、供給部2へと水平移動していくことになる。したがって、台車80の側壁部80bは、コンテナCの供給部2への水平移動を阻害しない。
【0060】
(3-3)排出部から台車へのコンテナの移載動作
図8A図8Dを参照して、排出部4からコンテナCを台車80に移載する動作について説明する。基本的に、この動作は、上記(3-1)及び(3-2)で説明した台車80から供給部2へのコンテナCの移載動作の逆の動作である。
【0061】
図8Aに示すように、排出部4に、物品が収納されたコンテナCが積み重ねられ、且つ、空の台車80がリフター60に支持されて所定高さ位置まで上がってくると、プッシャー72が、コンテナCを背面側(図7Aの左側)に押して、コンテナCを水平移動させる。
【0062】
図8Bに示すように、台車80の上方空間にコンテナCが移動し、コンテナCがリフター60に支持された状態になると、リフター60が下降し始め、プッシャー72は元の位置に戻っていく。
【0063】
台車80及びコンテナCを支持したリフター60が、図8Cに示すように、下限位置まで下降して止まると、下降途中まではリフター60に支持されていたコンテナCが、台車80に載った(支持された)状態に変わる。この状態は、上述の図6C及び図7Bに示す状態と同じである。また、リフター60が下限位置まで下降する少し前に、台車のキャスター88が床面FLに接触し、その後は、リフター60に台車80が支持されている状態から床面FLに台車80が支持されている状態に変わる。すなわち、リフター60が下限位置まで下降して止まったときには、台車80及びコンテナCは、既にリフター60から離れており、床面FLに台車80が支持され、その台車80にコンテナCが支持された状態になっている。このとき、コンテナCの周囲には、台車80の側壁部80bが位置し、台車80からコンテナCが横にずれない状態となっている。
【0064】
その後、扉51を開けてコンテナCをユーザーが手HAで引くと、台車80及びコンテナCが外に引き出される(図8D参照)。
【0065】
(4)コンテナ移載装置の特徴
(4-1)
コンテナ移載装置5Aは、台車80からコンテナCを別の場所(供給部2)に移す装置である。台車80は、コンテナCを載せる載置部80aと、コンテナCの側方に位置する側壁部80bとを有する。また、台車80には、開口OPが形成されている。コンテナ移載装置5Aは、リフター60と、そのリフター60を上昇させる第1駆動部54と、を備える。リフター60は、第1接触部66を有する。第1接触部66は、台車80の載置部80aに載せられたコンテナCに、開口OPを通って下から接触する。台車80及びコンテナCは、上昇する前には、図7Bに示す第1状態となっている。第1状態では、コンテナCの下面の第1部CBが、台車80の側壁部80bの上端80b1よりも低い位置にある。また、台車80及びコンテナCは、上昇した後には、第1接触部66によって、図7D及び図7Eに示す第2状態となる。第2状態では、コンテナCの下面の第1部CBが台車80の側壁部80bの上端80b1と同じ高さ位置、あるいは、コンテナCの下面の第1部CBが台車80の側壁部80bの上端80b1よりも高い位置、にある。ここでは、図7D及び図7Eに示すように、第2状態において、コンテナCの下面の第1部CBが、台車80の側壁部80bの上端80b1よりも、寸法Gだけ高い位置にある。
【0066】
このコンテナ移載装置5Aでは、リフター60によって台車80及びコンテナCが上昇した後には、図7Cに示す第1状態から図7D及び図7Eに示す第2状態に変わり、コンテナCの下面の第1部CBが、台車80の側壁部80bの上端80b1よりも低い位置から高い位置(あるいは同じ高さ位置)まで相対的に上がってくる。これにより、図6Dに示すリフター60の上昇終了後に、コンテナCを台車80から供給部2に移し易くなっている。具体的には、図6Dに示す状態において、プッシャー71を動かすと、コンテナCは、台車80の側壁部80bの上端80b1よりも高い空間において、供給部2へと水平移動していくことになる。このため、台車80の側壁部80bは、コンテナCの供給部2への水平移動を阻害しない。
【0067】
(4-2)
コンテナ移載装置5Aでは、リフター60によって台車80及びコンテナCを上昇させる際、図7Cに示すように、まず第1接触部66がコンテナCに当たり、コンテナCが少し持ち上がった後、図7Dに示すように、第2接触部64が台車80に当たって台車80を上昇させ始める。
【0068】
このように時間差で両接触部66,64がコンテナC及び台車80に当たるコンテナ移載装置5Aでは、リフター60による台車80及びコンテナCの上昇前における、第2接触部64に対する第1接触部66の相対的な高さ位置と、リフター60による台車80及びコンテナCの上昇後における、第2接触部64に対する第1接触部66の相対的な高さ位置とは、同じである。すなわち、リフター60において、第1接触部66と第2接触部64との相対的な高さ位置を変更する機構を設けていない。これにより、コンテナ移載装置5Aの製造コストを下げている。
【0069】
(5)変形例
以下に、上記実施形態の変形例を示す。なお、各変形例の内容の一部又は全部は、互いに矛盾しない範囲で上記実施形態の内容や他の変形例の内容と組み合わされてもよい。
【0070】
(5-1)変形例A
上記実施形態のコンテナ移載装置5Aでは、リフター60において、第1接触部66と第2接触部64との相対的な高さ位置を変更する機構を設けていない。
【0071】
しかし、開口OPを通ってコンテナCに下から接触する第1接触部と、台車80に接触する第2接触部と、の相対的な高さ位置、を変更する機構を設けても良い。この場合、製造コストが上がるけれども、装置のコンパクト化など有利な点も生じる。
【0072】
例えば、図9A図9Bに示すように、上記のリフター60の第1接触部66に相当する第1接触部166と、第2接触部64に相当する第2接触部164と、をリンク機構151,151で連結してもよい。すると、第1接触部166は、第2接触部164に対して、図9Aに示す状態と、図9Bに示す状態の2つの状態が切り替わるようになる。ここでは、電動ボールネジあるいはエアシリンダーである第2駆動部155によって、2つの状態が切り替わるように構成している。第2接触部164は、リフターの本体フレームに固定されており、第1接触部166は、リフターの本体フレームに固定されていない。第1接触部166は、リンク機構151,151によって、相対移動可能に第2接触部164に支持されている。
【0073】
なお、図9Aに示す状態における第1接触部166の上面166aの高さ位置と第2接触部164の上面164aとの高さ位置の関係は、図7Bに示す台車80に載ったコンテナCの下面の第1部CBの高さ位置と台車80の下面85a2の高さ位置の関係に等しい。すなわち、図9Aに示す第1接触部166及び第2接触部164の上にコンテナC及び台車80が載ると、コンテナCの下面の第1部CBが台車80の側壁部80bの上端80b1よりも低い位置にある状態を維持しつつ、第1接触部166がコンテナCを下から支持し且つ第2接触部164が台車80を下から支持した状態となる。
【0074】
また、図9Bに示す状態における第1接触部166の上面166aの高さ位置と第2接触部164の上面164aとの高さ位置の関係は、図7Dなどに示すコンテナCの下面の第1部CBの高さ位置と台車80の下面85a2の高さ位置の関係に等しい。すなわち、図9Aに示す状態から図9Bに示す状態に移行すると、第1接触部166がコンテナCを下から支持し且つ第2接触部164が台車80を下から支持した状態は変わらないけれども、第1接触部166と第2接触部164との相対高さ位置が変わり、コンテナCが台車80から離れて、コンテナCの下面の第1部CBが台車80の側壁部80bの上端80b1と概ね同じ高さ位置に移る。
【0075】
この第2駆動部155による2つの状態の切り替えを、制御部9によって制御することで、コンテナCを台車80から上に持ち上げてコンテナCを台車80から別の場所に移し易い状態に変えるタイミングを、自由に設定することが可能になる。例えば、台車80及びコンテナCを上昇させ始めるタイミングではなく、台車80及びコンテナCを上昇させ終えたタイミングで、図9Aに示す近接状態から図9Bに示す離反状態への切り替えを行うように制御すると、それまでの上昇している間は、コンテナCが台車80から離れていない状態(浮いていない状態)が保たれる。この状態では、台車80の側壁部80bがコンテナCの側方に位置しており、上昇過程においてコンテナCが台車80の上方空間から横にずれてしまう恐れが殆ど無くなる。
【0076】
別の観点から説明すると、変形例Aのコンテナ移載装置では、リフターによる台車80及びコンテナCの上昇前における、第2接触部164の上面164aの高さ位置と第1接触部166の上面166aの高さ位置との差H1は、リフターによる台車80及びコンテナCの上昇後における、第2接触部164の上面164aの高さ位置と第1接触部166の上面166aの高さ位置との差H2よりも、小さい(図9A図9B参照)。そして、この2つの状態の切り替えのタイミングを制御部9で任意に設定することができるので、上昇中のコンテナCの姿勢の安定性を優先して台車80の上昇後に切り替えを行うこともできるし、処理スピードを優先して台車80が上昇を終える前に切り替えを行うこともできる。
【0077】
なお、装置のコンパクト性については、図9Bに示す状態よりも図9Aに示す状態のほうがコンパクトであるのは明白である。床面FLに接している台車80の下の空間にあるときには、第1接触部166及び第2接触部164を、図9Bに示す状態ではなく、図9Aに示す状態にしておくことが好ましい。
【0078】
(5-2)変形例B
上記変形例Aでは、リンク機構151,151及び第2駆動部155によって、図9Aに示す第1接触部166及び第2接触部164の状態と、図9Bに示す第1接触部166及び第2接触部164の状態の2つの状態を切り替えている。
【0079】
この構造に代えて、変形例Bのコンテナ移載装置では、図10A及び図10Bに示す構造を採用し、電気や空気圧といった駆動源を使わずに2つの状態の切り替えを行う。
【0080】
図10A及び図10Bに示すように、変形例Bのコンテナ移載装置では、上記変形例Aの第1接触部166に相当する第1接触部266と、第2接触部164に相当する第2接触部264と、をリンク部材251,252で連結している。すると、第1接触部266は、第2接触部264に対して、図10Aに示す状態と、図10Bに示す状態の2つの状態が切り替わるようになる。ここでは、リンク部材251の下部に、ウレタン製のローラーである床面接触部材256を軸支させ、また、バネ部材257によってリンク部材251の上部を一方向に引っ張っている。これによって、2つの状態が切り替わる。
【0081】
床面接触部材256は、台車80及びコンテナCの上昇開始前に、床面FLに接触していることが好ましい。床面接触部材256は、台車80及びコンテナCの上昇開始後に、床面FLから受ける力が減少する或いは無くなる。そして、床面接触部材256が床面FLから受ける力が減少した或いは無くなったことによって、第2接触部264に対する第1接触部266の相対的な高さ位置が上がる。
【0082】
図10Aに示すように、床面接触部材256が床面FLに接している状態では、バネ部材257が伸びた状態となり、第2接触部264の上面264aの高さ位置と第1接触部266の上面266aの高さ位置との差は、小さくなる(寸法H1)。図10Aに示す状態から第2接触部264が上昇すると、床面接触部材256が床面FLから受ける力が無くなり、バネ部材257の力によって第1接触部266が第2接触部264に対して上に上がる。これによって、図10Bに示す状態になると、第2接触部264の上面264aの高さ位置と第1接触部266の上面266aの高さ位置との差が大きくなる(寸法H2)。
【0083】
このような床面接触部材256やバネ部材257を用いた構造を採用すれば、変形例Aのコンテナ移載装置のように第2駆動部155(電動ボールネジあるいはエアシリンダー)を使う必要がない。
【0084】
但し、変形例Bのコンテナ移載装置では、変形例Aのコンテナ移載装置とは違って、コンテナCを台車80から上に持ち上げてコンテナCを台車80から別の場所に移し易い状態に変えるタイミングを自由に設定することは出来ない。変形例Bのコンテナ移載装置では、例えば、図10Aに示す床面FL近くに第1接触部266及び第2接触部264が位置する状態で、台車80及びコンテナCが第1接触部266及び第2接触部264の上方に入ってきて、第2接触部264が上昇し始めて第1接触部266及び第2接触部264の相対高さ位置が変わり始めたタイミングで、まずコンテナCが第1接触部266に支持され、その後に台車80が第2接触部264に支持される。すなわち、変形例Bのコンテナ移載装置では、台車80及びコンテナCが上昇し始めるタイミングあるいはそれに近いタイミングで、コンテナCが台車80から離れて、コンテナCの下面の第1部CBが台車80の側壁部80bの上端80b1と概ね同じ高さ位置に移る。
【0085】
(5-3)変形例C
上記実施形態のコンテナ移載装置5Aでは、図6Dに示す、プッシャー71がコンテナC群を押し始める前のコンテナC群の姿勢は、水平状態である。コンテナC群は、水平状態で台車80によってコンテナ移載装置5Aに運ばれてきて、リフター60によって水平状態で上昇し、プッシャー71によって水平状態のまま供給部2へとスライドする。
【0086】
これに代えて、リフター60によって水平状態で上昇してきたコンテナC群を、プッシャー71によって押す前に、水平状態に対して1°~3°程度傾けてもよい。これによって、もしコンテナCが少し撓んでいるような場合にも、コンテナC群が供給部2へとスライド移動する際に台車80の側壁部80bの上端80b1と接してしまう確率が、更にゼロに近づく。
【0087】
(5-4)変形例D
上記実施形態の台車80では、図4Bに示すように、長方形の四辺それぞれに、側壁部80b(側壁部84b,85b及び側壁部82b)が存在している。しかし、長方形の3辺のみに側壁部が存在する台車も周知である。このような、側壁部が載置部の周縁の4辺のうち3辺のみから上に立ち上がっている台車であっても、上記のコンテナ移載装置5Aは有効に機能する。
【符号の説明】
【0088】
5A コンテナ移載装置
54 第1駆動部
60 リフター
64 リフターの第2接触部
66 リフターの第1接触部
80 台車
80a 台車の載置部
80b 台車の側壁部
80b1 台車の側壁部の上端
155 第2駆動部
256 床面接触部材
C コンテナ
CB コンテナの下面の第1部
FL 床面
OP 台車の開口
【先行技術文献】
【特許文献】
【0089】
【文献】特開2017-95282号公報
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10A
図10B