(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 19/00 20060101AFI20231019BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20231019BHJP
F25D 21/14 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
F25D19/00 550Z
F25D11/00 101A
F25D21/14 U
F25D21/14 V
F25D21/14 S
F25D19/00 560A
F25D19/00 530D
F25D19/00 532D
F25D19/00 540Z
(21)【出願番号】P 2019165685
(22)【出願日】2019-09-11
【審査請求日】2022-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】塚原 紘也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悠太
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-084073(JP,A)
【文献】中国実用新案第205138037(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 19/00
F25D 11/00
F25D 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室が形成された断熱箱体と、
圧縮機、マイクロチャンネルコンデンサ、膨張手段および蒸発器から成る冷凍サイクルと、
前記断熱箱体の後方下部に形成される機械室と、
前記機械室の内部で送風する送風機と、
前記蒸発器を除霜することで発生する除霜水が貯留される蒸発皿と、
前記機械室の一端側に形成され、外部から空気が取り入れられる空気取入口と、
前記機械室の他端側に形成され、前記送風機により送風された前記空気が外部に排出される空気排出口と、を備える冷蔵庫であって、
前記圧縮機、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機および前記蒸発皿は、前記機械室に収納され、
前記蒸発皿の上面側には、前記送風機で送風される前記空気の流れの上流側から、第1開口領域、閉鎖領域および第2開口領域が形成され、
前記送風機が前記空気を送風することで、空気通過経路と、空気循環経路が形成され、
前記空気通過経路は、前記空気が、前記空気取入口、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機、前記圧縮機および前記空気排出口を通過する経路であり、
前記空気循環経路は、前記空気が、前記第2開口領域、前記閉鎖領域、前記第1開口領域、前記マイクロチャンネルコンデンサおよび前記送風機を循環する経路であ
り、
前記閉鎖領域は、遮蔽板で前記蒸発皿を上方から塞ぐことで形成されることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記送風機の下流側に、前記蒸発皿の側壁部を配置することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
貯蔵室が形成された断熱箱体と、
圧縮機、マイクロチャンネルコンデンサ、膨張手段および蒸発器から成る冷凍サイクルと、
前記断熱箱体の後方下部に形成される機械室と、
前記機械室の内部で送風する送風機と、
前記蒸発器を除霜することで発生する除霜水が貯留される蒸発皿と、
前記機械室の一端側に形成され、外部から空気が取り入れられる空気取入口と、
前記機械室の他端側に形成され、前記送風機により送風された前記空気が外部に排出される空気排出口と、を備える冷蔵庫であって、
前記圧縮機、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機および前記蒸発皿は、前記機械室に収納され、
前記蒸発皿の上面側には、前記送風機で送風される前記空気の流れの上流側から、第1開口領域、閉鎖領域および第2開口領域が形成され、
前記送風機が前記空気を送風することで、空気通過経路と、空気循環経路が形成され、
前記空気通過経路は、前記空気が、前記空気取入口、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機、前記圧縮機および前記空気排出口を通過する経路であり、
前記空気循環経路は、前記空気が、前記第2開口領域、前記閉鎖領域、前記第1開口領域、前記マイクロチャンネルコンデンサおよび前記送風機を循環する経路であり、
前記圧縮機と前記マイクロチャンネルコンデンサとを繋ぐ冷媒配管は、前記第2開口領域、前記蒸発皿の底面近傍および前記第1開口領域を経由することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項4】
貯蔵室が形成された断熱箱体と、
圧縮機、マイクロチャンネルコンデンサ、膨張手段および蒸発器から成る冷凍サイクルと、
前記断熱箱体の後方下部に形成される機械室と、
前記機械室の内部で送風する送風機と、
前記蒸発器を除霜することで発生する除霜水が貯留される蒸発皿と、
前記機械室の一端側に形成され、外部から空気が取り入れられる空気取入口と、
前記機械室の他端側に形成され、前記送風機により送風された前記空気が外部に排出される空気排出口と、を備える冷蔵庫であって、
前記圧縮機、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機および前記蒸発皿は、前記機械室に収納され、
前記蒸発皿の上面側には、前記送風機で送風される前記空気の流れの上流側から、第1開口領域、閉鎖領域および第2開口領域が形成され、
前記送風機が前記空気を送風することで、空気通過経路と、空気循環経路が形成され、
前記空気通過経路は、前記空気が、前記空気取入口、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機、前記圧縮機および前記空気排出口を通過する経路であり、
前記空気循環経路は、前記空気が、前記第2開口領域、前記閉鎖領域、前記第1開口領域、前記マイクロチャンネルコンデンサおよび前記送風機を循環する経路であり、
前記閉鎖領域は、遮蔽板で前記蒸発皿を上方から塞ぐことで形成され、
前記マイクロチャンネルコンデンサおよび前記送風機は前記遮蔽板の上面に配置されることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項5】
前記空気取入口の開口面積は、前記送風機の空洞の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記空気排出口の開口面積は、前記送風機の空洞の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関し、特に、冷凍サイクルを構成する構成機器が機械室に集約された冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な冷蔵庫では、断熱箱体の内部に冷蔵室等の貯蔵室が形成され、この貯蔵室は、貯蔵される被貯蔵物を冷却保存するために好適な温度帯域となるように、冷凍サイクルにより冷却される。
【0003】
冷凍サイクルは、圧縮機、凝縮器、膨張手段および蒸発器から成る。この中でも凝縮器は、高圧高温状態の冷媒と外部雰囲気とを熱交換するため、比較的大型に形成される機器であり、断熱箱体の後面近傍や底面近傍に冷媒配管を蛇行形成して成る。
【0004】
以下の特許文献1では、断熱箱体の機械室に圧縮機および凝縮器を配置する冷蔵庫が記載されている。具体的には、断熱箱体の後側最下部に機械室を形成し、この機械室の内部に圧縮機および凝縮器を配置している。また、圧縮機と凝縮器との間には、送風機が配置されている。冷凍サイクルが運転される際に、送風機が凝縮器に送風することで、凝縮器に於ける熱交換を積極的に行うことができ、冷凍サイクルを効果的に運転することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した冷蔵庫では、一般的なフィンアンドチューブ方式の大型の凝縮器を備えていたため、冷蔵庫の更なる小型化が簡単ではなかった。冷蔵庫全体の小型化を達成する構成として、冷凍サイクルを構成する各構成機器を、断熱箱体の後方下部に形成される機械室に集約することが考えられる。ところが、冷凍サイクルを構成する凝縮器および圧縮機は、冷凍サイクルが運転される際に大きな熱エネルギを発生するので、矮小な空間である機械室に凝縮器および圧縮機を収納した場合、これらの構成機器から発生する熱を良好に外部に放出させることは簡単ではなかった。
【0007】
更に、機械室には、冷凍サイクルを構成する凝縮器および圧縮機の他にも、蒸発皿等も収納する必要があり、これらの各構成機器を機械室にコンパクトに収納することも容易ではなかった。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷凍サイクルを構成する各構成機器を機械室にコンパクトに収納し、更に、これらの構成機器が運転時に発する熱を効果的に外部に放出することができる冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
貯蔵室が形成された断熱箱体と、圧縮機、マイクロチャンネルコンデンサ、膨張手段および蒸発器から成る冷凍サイクルと、前記断熱箱体の後方下部に形成される機械室と、前記機械室の内部で送風する送風機と、前記蒸発器を除霜することで発生する除霜水が貯留される蒸発皿と、前記機械室の一端側に形成され、外部から空気が取り入れられる空気取入口と、前記機械室の他端側に形成され、前記送風機により送風された前記空気が外部に排出される空気排出口と、を備える冷蔵庫であって、前記圧縮機、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機および前記蒸発皿は、前記機械室に収納され、前記蒸発皿の上面側には、前記送風機で送風される前記空気の流れの上流側から、第1開口領域、閉鎖領域および第2開口領域が形成され、前記送風機が前記空気を送風することで、空気通過経路と、空気循環経路が形成され、前記空気通過経路は、前記空気が、前記空気取入口、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機、前記圧縮機および前記空気排出口を通過する経路であり、前記空気循環経路は、前記空気が、前記第2開口領域、前記閉鎖領域、前記第1開口領域、前記マイクロチャンネルコンデンサおよび前記送風機を循環する経路であり、前記閉鎖領域は、遮蔽板で前記蒸発皿を上方から塞ぐことで形成されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の冷蔵庫では、前記送風機の下流側に、前記蒸発皿の側壁部を配置することを特徴とする。
【0011】
本発明の冷蔵庫は、貯蔵室が形成された断熱箱体と、圧縮機、マイクロチャンネルコンデンサ、膨張手段および蒸発器から成る冷凍サイクルと、前記断熱箱体の後方下部に形成される機械室と、前記機械室の内部で送風する送風機と、前記蒸発器を除霜することで発生する除霜水が貯留される蒸発皿と、前記機械室の一端側に形成され、外部から空気が取り入れられる空気取入口と、前記機械室の他端側に形成され、前記送風機により送風された前記空気が外部に排出される空気排出口と、を備える冷蔵庫であって、前記圧縮機、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機および前記蒸発皿は、前記機械室に収納され、前記蒸発皿の上面側には、前記送風機で送風される前記空気の流れの上流側から、第1開口領域、閉鎖領域および第2開口領域が形成され、前記送風機が前記空気を送風することで、空気通過経路と、空気循環経路が形成され、前記空気通過経路は、前記空気が、前記空気取入口、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機、前記圧縮機および前記空気排出口を通過する経路であり、前記空気循環経路は、前記空気が、前記第2開口領域、前記閉鎖領域、前記第1開口領域、前記マイクロチャンネルコンデンサおよび前記送風機を循環する経路であり、前記圧縮機と前記マイクロチャンネルコンデンサとを繋ぐ冷媒配管は、前記第2開口領域、前記蒸発皿の底面近傍および前記第1開口領域を経由することを特徴とする。
【0012】
本発明の冷蔵庫は、貯蔵室が形成された断熱箱体と、圧縮機、マイクロチャンネルコンデンサ、膨張手段および蒸発器から成る冷凍サイクルと、前記断熱箱体の後方下部に形成される機械室と、前記機械室の内部で送風する送風機と、前記蒸発器を除霜することで発生する除霜水が貯留される蒸発皿と、前記機械室の一端側に形成され、外部から空気が取り入れられる空気取入口と、前記機械室の他端側に形成され、前記送風機により送風された前記空気が外部に排出される空気排出口と、を備える冷蔵庫であって、前記圧縮機、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機および前記蒸発皿は、前記機械室に収納され、前記蒸発皿の上面側には、前記送風機で送風される前記空気の流れの上流側から、第1開口領域、閉鎖領域および第2開口領域が形成され、前記送風機が前記空気を送風することで、空気通過経路と、空気循環経路が形成され、前記空気通過経路は、前記空気が、前記空気取入口、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機、前記圧縮機および前記空気排出口を通過する経路であり、前記空気循環経路は、前記空気が、前記第2開口領域、前記閉鎖領域、前記第1開口領域、前記マイクロチャンネルコンデンサおよび前記送風機を循環する経路であり、前記閉鎖領域は、遮蔽板で前記蒸発皿を上方から塞ぐことで形成され、前記マイクロチャンネルコンデンサおよび前記送風機は前記遮蔽板の上面に配置されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の冷蔵庫では、前記空気取入口の開口面積は、前記送風機の空洞の面積よりも大きいことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の冷蔵庫では、前記空気排出口の開口面積は、前記送風機の空洞の面積よりも大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
貯蔵室が形成された断熱箱体と、圧縮機、マイクロチャンネルコンデンサ、膨張手段および蒸発器から成る冷凍サイクルと、前記断熱箱体の後方下部に形成される機械室と、前記機械室の内部で送風する送風機と、前記蒸発器を除霜することで発生する除霜水が貯留される蒸発皿と、前記機械室の一端側に形成され、外部から空気が取り入れられる空気取入口と、前記機械室の他端側に形成され、前記送風機により送風された前記空気が外部に排出される空気排出口と、を備える冷蔵庫であって、前記圧縮機、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機および前記蒸発皿は、前記機械室に収納され、前記蒸発皿の上面側には、前記送風機で送風される前記空気の流れの上流側から、第1開口領域、閉鎖領域および第2開口領域が形成され、前記送風機が前記空気を送風することで、空気通過経路と、空気循環経路が形成され、前記空気通過経路は、前記空気が、前記空気取入口、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機、前記圧縮機および前記空気排出口を通過する経路であり、前記空気循環経路は、前記空気が、前記第2開口領域、前記閉鎖領域、前記第1開口領域、前記マイクロチャンネルコンデンサおよび前記送風機を循環する経路であり、前記閉鎖領域は、遮蔽板で前記蒸発皿を上方から塞ぐことで形成されることを特徴とする。本発明の冷蔵庫によれば、冷凍サイクルを構成する圧縮機およびマイクロチャンネルコンデンサを機械室にコンパクトに収納することができる。よって、貯蔵室を大きく確保して容積効率を向上することができる。また、機械室の内部で送風機により送風することで、冷蔵庫運転時に圧縮機およびマイクロチャンネルコンデンサから発生する熱を、効果的に外部に放出することができる。更に、機械室の室内に、空気通過経路に加えて空気循環経路を形成することで、マイクロチャンネルコンデンサと熱交換することで昇温した空気を、蒸発皿に貯留された除霜水の上方に流通させ、除霜水を効果的に蒸発させることができる。更に、除霜水を蒸発させることで冷却された空気をマイクロチャンネルコンデンサの側に循環させるので、マイクロチャンネルコンデンサにより冷媒を効果的に凝縮することができる。
【0016】
また、本発明の冷蔵庫では、前記送風機の下流側に、前記蒸発皿の側壁部を配置することを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、送風機で送風された空気の一部が、蒸発皿の側壁部に当たることで、空気循環経路を形成することができる。
【0017】
本発明の冷蔵庫は、貯蔵室が形成された断熱箱体と、圧縮機、マイクロチャンネルコンデンサ、膨張手段および蒸発器から成る冷凍サイクルと、前記断熱箱体の後方下部に形成される機械室と、前記機械室の内部で送風する送風機と、前記蒸発器を除霜することで発生する除霜水が貯留される蒸発皿と、前記機械室の一端側に形成され、外部から空気が取り入れられる空気取入口と、前記機械室の他端側に形成され、前記送風機により送風された前記空気が外部に排出される空気排出口と、を備える冷蔵庫であって、前記圧縮機、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機および前記蒸発皿は、前記機械室に収納され、前記蒸発皿の上面側には、前記送風機で送風される前記空気の流れの上流側から、第1開口領域、閉鎖領域および第2開口領域が形成され、前記送風機が前記空気を送風することで、空気通過経路と、空気循環経路が形成され、前記空気通過経路は、前記空気が、前記空気取入口、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機、前記圧縮機および前記空気排出口を通過する経路であり、前記空気循環経路は、前記空気が、前記第2開口領域、前記閉鎖領域、前記第1開口領域、前記マイクロチャンネルコンデンサおよび前記送風機を循環する経路であり、前記圧縮機と前記マイクロチャンネルコンデンサとを繋ぐ冷媒配管は、前記第2開口領域、前記蒸発皿の底面近傍および前記第1開口領域を経由することを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、冷媒配管を流通する圧縮冷媒の熱により蒸発皿に貯留する除霜水を蒸発させることができ、更に、圧縮冷媒の熱交換を促進することができる。
【0018】
本発明の冷蔵庫は、貯蔵室が形成された断熱箱体と、圧縮機、マイクロチャンネルコンデンサ、膨張手段および蒸発器から成る冷凍サイクルと、前記断熱箱体の後方下部に形成される機械室と、前記機械室の内部で送風する送風機と、前記蒸発器を除霜することで発生する除霜水が貯留される蒸発皿と、前記機械室の一端側に形成され、外部から空気が取り入れられる空気取入口と、前記機械室の他端側に形成され、前記送風機により送風された前記空気が外部に排出される空気排出口と、を備える冷蔵庫であって、前記圧縮機、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機および前記蒸発皿は、前記機械室に収納され、前記蒸発皿の上面側には、前記送風機で送風される前記空気の流れの上流側から、第1開口領域、閉鎖領域および第2開口領域が形成され、前記送風機が前記空気を送風することで、空気通過経路と、空気循環経路が形成され、前記空気通過経路は、前記空気が、前記空気取入口、前記マイクロチャンネルコンデンサ、前記送風機、前記圧縮機および前記空気排出口を通過する経路であり、前記空気循環経路は、前記空気が、前記第2開口領域、前記閉鎖領域、前記第1開口領域、前記マイクロチャンネルコンデンサおよび前記送風機を循環する経路であり、前記閉鎖領域は、遮蔽板で前記蒸発皿を上方から塞ぐことで形成され、前記マイクロチャンネルコンデンサおよび前記送風機は前記遮蔽板の上面に配置されることを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、マイクロチャンネルコンデンサおよび送風機を蒸発皿の上方に配設することで、機械室の限られた空間に冷凍サイクルを構成する機器等をコンパクトに収納することができる。
【0019】
また、本発明の冷蔵庫では、前記空気取入口の開口面積は、前記送風機の空洞の面積よりも大きいことを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、空気取入口の開口面積を大きくすることで送風機の送風量を大きく確保して、マイクロチャンネルコンデンサおよび圧縮機との熱交換を大きくし、更に、蒸発皿に貯留された除霜水を効果的に蒸発させることができる。
【0020】
また、本発明の冷蔵庫では、前記空気排出口の開口面積は、前記送風機の空洞の面積よりも大きいことを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、空気排出口の開口面積を大きくすることで、送風機の送風量を大きく確保して、マイクロチャンネルコンデンサおよび圧縮機との熱交換を大きくし、更に、蒸発皿に貯留された除霜水を効果的に蒸発させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、冷蔵庫を後側上方から見た斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す側方断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、機械室を後側上方から見た斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、機械室に収納される各種構成機器を後側上方から見た斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、(A)は機械室に収納される各種構成機器を上方から見た図であり、(B)は機械室に収納される各種構成機器を後方から見た図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、蒸発皿と冷媒配管との関連構成を示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、(A)は機械室を後方左側から見た斜視図であり、(B)は機械室を後方右側から見た斜視図であり、(C)は送風機を右側上方から見た斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、各構成機器の接続構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る冷蔵庫10を図面に基づき詳細に説明する。尚、本実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。本実施形態は、上下前後左右の各方向を用いて説明するが、左右とは冷蔵庫10を後方から見た場合の左右である。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫10を、後方上方から見た斜視図である。冷蔵庫10は、断熱箱体11と、断熱箱体11の内部に形成された貯蔵室とを有している。貯蔵室として、冷蔵室12、野菜室114および冷凍室13を有している。冷蔵室12の前方開口は、回転式の断熱扉18で閉鎖され、野菜室114の前方開口は引出式の断熱扉19で閉鎖され、冷凍室13の前面開口は引出式の断熱扉20で閉鎖されている。冷蔵庫10の外箱111は、上方を向く天板151、左方を向く側面板152、右方を向く側面板153、および、後方を向く背面板154から構成されている。
【0024】
冷蔵庫10の後側最下部には、空洞としての機械室14が形成されている。機械室14は、断熱箱体11の左端から右端まで連続して形成されている。また、機械室14の後方開口は機械室蓋部155で塞がれている。
【0025】
機械室14の右方側には、機械室14に外気を取り入れるための空気取入口26が形成されている。空気取入口26は、側面板153および機械室蓋部155に複数の開口を設けることで形成されている。また、機械室14の左方側には、機械室14から外部に放出される空気が通過する空気排出口27が形成されている。空気排出口27は、側面板152および機械室蓋部155に複数の開口を設けることで形成されている。空気取入口26および空気排出口27は、
図7を参照して詳述する。空気取入口26および空気排出口27は、外部から異物が機械室14に侵入することを防止するために、スリット状に形成されている。
【0026】
図2は、冷蔵庫10の側方断面図である。この図を参照して、断熱箱体11は、所定形状に曲折加工された鋼板からなる外箱111と、外箱111と離間した内側に配置された合成樹脂板から成る内箱112と、外箱111と内箱112との間に充填された断熱材113とから構成されている。
【0027】
冷凍室13の奥側には冷却室115が区画形成され、冷却室115には蒸発器116が収納されている。冷却室115の上方には送風路118が形成されている。冷却室115において蒸発器116で冷却された空気は、ここでは図示しない冷気送風用ファンにより、送風路118に送風される。蒸発器116が冷却した空気は、冷凍室13にも送風される。
【0028】
冷却室115の内部であって蒸発器116の下方には除霜ヒータ117が配置される。除霜ヒータ117は通電により発熱するヒータであり、除霜行程に於いて通電されることで発熱し、発生した熱により蒸発器116の霜が溶融される。除霜により発生した除霜水は、
図4に示す導水管31を経由して蒸発皿25に至り、高温な圧縮冷媒と熱交換することで蒸発する。
【0029】
図3は、機械室14の内部を後側上方から見た斜視図である。ここでは、上記した機械室蓋部155を冷蔵庫10から取り外した状況を示している。
【0030】
機械室14には、右方から、マイクロチャンネルコンデンサ23、送風機21、蒸発皿25、圧縮機22が内蔵されている。また、機械室14には、マイクロチャンネルコンデンサ23および圧縮機22を含む蒸気圧縮型冷凍サイクルを構成する各機器を相互に接続するための冷媒配管も内蔵される。
【0031】
このように、冷凍サイクルを構成する各構成機器を、蒸発皿25と共に機械室14に収納することで、冷蔵庫10の運転に必要とされる構成機器を収容するために必要とされる容積を小さくすることができる。よって、冷蔵庫10全体に対して貯蔵室が占める有効容積を大きくすることできる。これにより、より多くの被収納物を冷蔵庫10に収納することができ、更には、冷蔵庫10の外形寸法を小さくすることができる。
【0032】
図4および
図5を参照して、上記した機械室14に収納される各構成機器を説明しつつ、機械室14の内部に形成される気流を説明する。
図4は、機械室14に収納される各構成機器を示す斜視図であり、
図5(A)はこの各構成機器を上方から見た上面図であり、
図5(B)はこの各構成機器を後方から見た後面図である。
【0033】
図4を参照して、機械室14の内部に於いて、左方側に圧縮機22が配置され、右方側に蒸発皿25が配置される。圧縮機22および蒸発皿25は、機械室14に収納される構成機器の中でも大型のものである。本実施形態では、大型の構成機器である圧縮機22および蒸発皿25を左右に並べて配設することで、機械室14のスペースを有効に活用することができる。
【0034】
圧縮機22は、マイクロチャンネルコンデンサ23、図示しない膨張手段、上記した蒸発器116と共に蒸気圧縮型冷凍サイクルを構成している。冷凍サイクルを用いた冷却運転に伴い、蒸発器116の表面には着霜が発生する。蒸発器116の表面に多量の着霜が生じると伝熱および送風が阻害されるので、除霜ヒータ17を用いて蒸発器116を加熱することで定期的に除霜を行っている。蒸発器116を除霜することで発生する除霜水は、導水管31を経由して蒸発皿25に貯留され、冷媒から発せられる熱を利用して蒸発する。
【0035】
送風機21およびマイクロチャンネルコンデンサ23は、蒸発皿25の上方に配置されている。このようにすることで、扁平な部材である蒸発皿25の上方のスペースを有効に活用することができる。
【0036】
送風機21は、後述する遮蔽板28の上面に配置されている。送風機21の内部に配置されたファンが回転することで、送風機21は空気を右方から左方に向かって送風する。
【0037】
マイクロチャンネルコンデンサ23は、小型の凝縮器であり、遮蔽板28の上面に配置されている。マイクロチャンネルコンデンサ23はマイクロチャンネル化された凝縮器であり、ここでは図示しない伝熱管と、放熱フィンと、から構成されている。マイクロチャンネルコンデンサ23は、一般的な凝縮器と比較すると、小さなサイズで大きな熱交換量を得ることができる。マイクロチャンネルコンデンサ23は、遮蔽板28の上面において、送風機21よりも右方側(上流側)に配置されている。
【0038】
蒸発皿25は、上記した除霜水を暫定的に受け止めるための皿形状の部材であり、一体成型された合成樹脂から成る。具体的には、蒸発皿25は、底面部251と、前方側面部252と、後方側壁部253と、左方側壁部254と右方側壁部255と、を有している。また、導水管31の下端は、蒸発皿25の底面部251の近傍に配置されている。導水管31は、上記した蒸発器116を除霜することで発生する除霜水を蒸発皿25まで導く導管である。
【0039】
蒸発皿25の上面には、右方側から、第1開口領域256、閉鎖領域257および第2開口領域258が形成されている。第1開口領域256は、右方側に於いて蒸発皿25の上面が塞がれることなく、上方に解放される領域である。閉鎖領域257は、蒸発皿25の上面が遮蔽板28により塞がれる領域である。第2開口領域258は、左方側に於いて蒸発皿25の上面が塞がれることなく、上方に解放される領域である。このように、蒸発皿25の上面に、第1開口領域256、閉鎖領域257および第2開口領域258が形成することで、後述するように、蒸発皿25に貯留した除霜水を好適に蒸発させるために空気が循環する経路を形成することができる。
【0040】
蒸発皿25の上面には遮蔽板28が配置される。遮蔽板28は金属板または樹脂板から成り、左右方向に於ける蒸発皿25の中央部分を上方から覆っている。遮蔽板28の後端側は後方側壁部253の上端に固定され、遮蔽板28の前端側は前方側面部252の上端に固定される。
【0041】
遮蔽板28の上面には、右方側からマイクロチャンネルコンデンサ23と送風機21が配置される。遮蔽板28は、蒸発皿25の上方を部分的に塞ぎ、送風機21およびマイクロチャンネルコンデンサ23が載置される載置台としても機能している。マイクロチャンネルコンデンサ23の下面には金属板から成る支持板29が固定されている。支持板29の左端は遮蔽板28の上面に固定されている。また、支持板29の右端は、蒸発皿25の底面部251から上方に突出する突出支持部30に固定されている。
【0042】
冷蔵庫10の運転時に送風機21を回転させると、
図3に示した空気取入口26から外気が導入され、導入された空気は機械室14で、マイクロチャンネルコンデンサ23、送風機21、圧縮機22を通過する。この後、
図3に示す空気排出口27を経由して空気は外部に放出される。
【0043】
圧縮機22とマイクロチャンネルコンデンサ23とは冷媒配管37で相互に接続されており、圧縮機22で圧縮されることで高温化された圧縮冷媒は、冷媒配管37を経由してマイクロチャンネルコンデンサ23に送られる。冷媒配管37は、第2開口領域258から蒸発皿25の底面部251の近傍を引き回され、第1開口領域256から上方に引き出され、マイクロチャンネルコンデンサ23に接続している。蒸発皿25の内部を冷媒配管37が引き回されることで、蒸発皿25に貯留される除霜水により圧縮冷媒を冷却し、除霜水の蒸発を促進することができる。冷媒配管37に関しては、
図6を参照して後述する。
【0044】
図5を参照して、機械室14の内部に形成される空気の経路を説明する。
図5(A)は機械室14に内蔵される各構成機器を上方から見た上面図であり、
図5(B)はこれらの各機器を後方から見た後面図である。
【0045】
図5(A)および
図5(B)を参照して、送風機21による送風を行うと、機械室14の内部では、空気通過経路35と空気循環経路36が形成される。
【0046】
空気通過経路35は、機械室14の内部で空気が右方から左方に向かって吹き抜ける経路である。具体的には、空気通過経路35は、
図3に示した空気取入口26から取り入れられた空気が、マイクロチャンネルコンデンサ23、送風機21、圧縮機22の順番で通過し、
図3に示した空気排出口27から外部に放出される経路である。空気通過経路35が形成されることで、マイクロチャンネルコンデンサ23および圧縮機22における熱交換が促進され、マイクロチャンネルコンデンサ23において冷媒が良好に凝縮し、圧縮機22が良好に冷却される。
【0047】
空気循環経路36は、機械室14の内部で空気が循環する経路である。具体的には、空気循環経路36は、先ず、マイクロチャンネルコンデンサ23および送風機21の順番で空気が通過する。次に、送風機21を通過した空気の一部は、蒸発皿25の左方側壁部254で遮られ、第2開口領域258から蒸発皿25の内部に進入する。蒸発皿25の内部に進入した空気は、遮蔽板28の下方に於いて除霜水の液面付近に沿って右方に向かって進行する。この際に除霜水の蒸発が促進される。
図5(B)では、除霜水の液面を一点鎖線で示している。その後、更に右方に向かって進行した空気は、右方側壁部255に遮られ、第1開口領域256を経由して上方に向かって進行した後に、マイクロチャンネルコンデンサ23および送風機21に帰還する。
【0048】
空気循環経路36で空気が循環することで、マイクロチャンネルコンデンサ23と熱交換することで高温となった空気が、蒸発皿25に貯留された除霜水の上面を通過して熱交換し、除霜水の蒸発を促進することができる。更に、蒸発皿25の内部にて除霜水を蒸発させることで冷却された空気は、第1開口領域256から帰還し、マイクロチャンネルコンデンサ23を通過する。これによって、マイクロチャンネルコンデンサ23に於ける熱交換が促進され、冷媒を効果的に凝縮させることができる。また、空気循環経路36を循環する空気の一部は、空気通過経路35を経由して外部に放出されることから、蒸発した除霜水が機械室14の内部に籠もることはない。
【0049】
また、空気通過経路35を形成することで、空気取入口26から外部から乾燥した低温の空気を常に機械室14に導入することができるので、マイクロチャンネルコンデンサ23の熱交換および除霜水の蒸発を促進することができる。空気通過経路35を形成することで、空気排出口27を経由して常に外部に空気を放出できることから、マイクロチャンネルコンデンサ23および圧縮機22と熱交換することにより加熱された空気が機械室14に籠もることを抑止できる。
【0050】
ここで、空気通過経路35と空気循環経路36とは完全に分離された経路ではなく、空気通過経路35と空気循環経路36とでは空気が混じり合っている。即ち、空気通過経路35を構成する空気が空気循環経路36に導入されることで、外部から供給される乾燥した空気を用いて除霜水を良好に蒸発させることができる。更に、空気循環経路36を構成する空気が空気通過経路35に導入されることで、マイクロチャンネルコンデンサ23から発生する熱および除霜水を蒸発させることで発生する水分を機械室14から外部に良好に放出することができる。
【0051】
ここで、上記した空気循環経路36における空気の流れを良好にするための構成を説明する。
【0052】
図5(A)を参照して、第1開口領域256、閉鎖領域257および第2開口領域258の相対的な大きさは、空気循環経路36を形成するために好適な範囲にすることができる。例えば、第1開口領域256および第2開口領域258の各々の開口面積を、閉鎖領域257よりも大きくすることが出来る。このようにすることで、第1開口領域256および第2開口領域258を通過する空気の流量を大きくし、マイクロチャンネルコンデンサ23の熱交換および除霜水の蒸発を促進することができる。
【0053】
図5(B)を参照して、蒸発皿25の左方側壁部254の上端P2を、送風機21の下端P1の下方に配置している。このようにすることで、送風機21で送風される空気の一部を遮ることで空気通過経路35を形成すると共に、蒸発皿25に貯留される除霜水が送風機21に到達することを防止することができる。
【0054】
図6を参照して、蒸発皿25と冷媒配管37の関連構成を説明する。
図6は上記した機械室14に収納される各構成機器を上方から見た斜視図である。
【0055】
上記したように、蒸発皿25は圧縮機22の右方に隣接されている。また、圧縮機22からは、圧縮後の冷媒が流通する冷媒配管37が導出している。冷媒配管37は、蒸発皿25の左方側壁部254の上方を越え、底面部251に沿って蛇行形成されている。更に、底面部251の上面で蛇行形成される冷媒配管37の複数箇所には、スペーサ38が配置されている。スペーサ38が配置されることで、冷媒配管37と底面部251とを所定距離で離間させることができる。よって、蒸発皿25に貯留される除霜水と冷媒配管37との接触面積を大きく確保し、冷媒配管37の内部を流通する高温冷媒と除霜水とを効果的に熱交換させ、除霜水を良好に蒸発させることができる。
【0056】
図7を参照して、空気取入口26および空気排出口27の開口面積に関して説明する。
図7(A)は冷蔵庫10の下端部を左方から見た斜視図であり、
図7(B)は冷蔵庫10の下端部を右方から見た斜視図であり、
図7(C)は送風機21を詳細に示す斜視図である。
【0057】
図7(A)を参照して、空気排出口27は、機械室14の左端側に形成され、機械室14から外部に放出される空気が通過する開口である。空気排出口27は、第1空気排出口271、第2空気排出口272および第3空気排出口273から構成されている。第1空気排出口271は、側面板152の後方下端の近傍を開口した部位である。第2空気排出口272は、機械室蓋部155の左端部分を開口した部位である。第3空気排出口273は、機械室蓋部155の上部左方側を開口した部位である。第1空気排出口271、第2空気排出口272および第3空気排出口273は、行列状または列状に配置された複数の開口から構成されている。
【0058】
図7(B)を参照して、空気取入口26は、機械室14の右端側に形成された開口であり、機械室14に導入される空気が通過する。空気取入口26は、第1空気取入口261と、第2空気取入口262とを有する。第1空気取入口261は、側面板153の下端後方の部分を開口して形成されている。第2空気取入口262は、機械室蓋部155の右端側を開口して形成されている。第1空気取入口261および第2空気取入口262は、行列状または列状に配置された複数の開口から構成されている。
【0059】
図7(C)を参照して、送風機21は、ケーシング211の内部に風洞212が形成されている軸流ファンである。風洞212の内部で、ここでは図示しないファンが回転することで、送風機21は空気を右方から左方に向かって送風する。
【0060】
本実施形態では、空気排出口27の開口面積A1を、送風機21の風洞212の開口面積A3によりも大きく形成している。具体的には、
図7(A)に示す空気排出口27の開口面積A1は、第1空気排出口271の開口面積A11と、第2空気排出口272の開口面積A12と、第3空気排出口273の開口面積A13との和で算出される。ここで、空気排出口27の開口面積A1は、
図7(C)に示す風洞212の開口面積A3よりも大きくされている。このようにすることで、空気排出口27を経由して良好に機械室14から外部に空気が放出され、機械室14に収納されたマイクロチャンネルコンデンサ23および圧縮機22を良好に冷却することができる。
【0061】
本実施形態では、空気取入口26の開口面積A2を、送風機21の風洞212の開口面積A3によりも大きく形成している。具体的には、
図7(B)に示す空気取入口26の開口面積A2は、第1空気取入口261の開口面積A21と、第2空気取入口262の開口面積A22との和で算出される。空気取入口26の開口面積A2は、
図7(C)に示す風洞212の開口面積A3よりも大きく設定されている。このようにすることで、空気取入口26を経由して良好に機械室14に空気を導入することができ、機械室14に収納されたマイクロチャンネルコンデンサ23および圧縮機22を好適に冷却することができる。
【0062】
図8のブロック図を参照して、上記した構成を有する冷蔵庫10の接続構成を説明する。冷蔵庫10は、演算制御部24、温度センサ32、タイマ33、圧縮機22、送風機21および除霜ヒータ34を備えている。
【0063】
演算制御部24は、例えばCPUから構成され、各種センサからの入力を受けて所定の演算処理を行い、その処理結果に基づいて圧縮機22等の各種構成機器の動作を制御する。また、演算制御部24は、冷却運転を行うための各種定数やプログラムを記憶する半導体記憶装置を備えても良い。演算制御部24により、各貯蔵室は被貯蔵物を保存するために適した室内温度帯域とされ、適宜なタイミングで除霜行程が行われる。
【0064】
演算制御部24の入力側端子には、温度センサ32およびタイマ33が接続されている。温度センサ32は、上記した各貯蔵室に取り付けられており、これらの庫内温度を計測する。タイマ33は、各貯蔵室を冷却する冷却時間や除霜ヒータ34の運転時間等を計測する。
【0065】
演算制御部24の出力側端子には、圧縮機22、送風機21および除霜ヒータ34が接続されている。圧縮機22等の各種機器は、演算制御部24から出力される出力信号に基づいて動作する。
【0066】
冷蔵庫10を冷却運転する際には、演算制御部24は、温度センサ32で計測される各貯蔵庫の温度が所定の温度帯域となるように、圧縮機22および送風機21を運転する。圧縮機22を含む蒸気圧縮型冷凍サイクルで冷却された空気が各貯蔵室に送風されることで、各貯蔵室は所定の温度帯域に冷却される。また、圧縮機22が運転されている間は、送風機21の送風により、マイクロチャンネルコンデンサ23および圧縮機22が冷却される。
【0067】
本実施形態では、
図5を参照して上記したように、機械室14の内部に空気通過経路35および空気循環経路36を形成することで、マイクロチャンネルコンデンサ23等に於ける熱交換を促進し、除霜水を良好に蒸発させることができる。
【0068】
また、蒸発器116における着霜が一定以上に達したら、蒸発器116に成長した霜を溶融する除霜行程を行う。蒸発器116における着霜は、例えば、タイマ33で計測した冷却時間が一定に達することで検知する。また、霜を溶融することで発生する除霜水は、
図4に示した導水管31を経由して蒸発皿25に貯留される。本実施形態では、
図5を参照して上記したように、蒸発皿25とマイクロチャンネルコンデンサ23との間で空気を循環する空気循環経路36を形成しているので、マイクロチャンネルコンデンサ23からの放熱を利用して除霜水を効果的に蒸発させることが出来る。
【0069】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
【0070】
例えば、
図4を参照して、本実施形態では右方からマイクロチャンネルコンデンサ23および送風機21の順番で配設されたが、この順番を逆にして、右方から送風機21およびマイクロチャンネルコンデンサ23の順番で配設することもできる。
【符号の説明】
【0071】
10 冷蔵庫
11 断熱箱体
111 外箱
112 内箱
113 断熱材
114 野菜室
115 冷却室
116 蒸発器
117 除霜ヒータ
118 送風路
12 冷蔵室
13 冷凍室
14 機械室
151 天板
152 側面板
153 側面板
154 背面板
155 機械室蓋部
17 除霜ヒータ
18 断熱扉
19 断熱扉
20 断熱扉
21 送風機
211 ケーシング
212 風洞
22 圧縮機
23 マイクロチャンネルコンデンサ
24 演算制御部
25 蒸発皿
251 底面部
252 前方側面部
253 後方側壁部
254 左方側壁部
255 右方側壁部
256 第1開口領域
257 閉鎖領域
258 第2開口領域
26 空気取入口
261 第1空気取入口
262 第2空気取入口
27 空気排出口
271 第1空気排出口
272 第2空気排出口
273 第3空気排出口
28 遮蔽板
29 支持板
30 突出支持部
31 導水管
32 温度センサ
33 タイマ
34 除霜ヒータ
35 空気通過経路
36 空気循環経路
37 冷媒配管
38 スペーサ