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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】受信分離を伴うマトリックスセンサ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0346 20130101AFI20231019BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
G06F3/0346 421
G06F3/0346 424
G06F3/01 514
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020539738
(86)(22)【出願日】2019-01-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 US2019014265
(87)【国際公開番号】W WO2019143986
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】62/619,656
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/621,117
(32)【優先日】2018-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/657,120
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/657,270
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518033495
【氏名又は名称】タクチュアル ラブズ シーオー.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ホルマン,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ウィルキンソン,デイヴィッド クラーク
(72)【発明者】
【氏名】ジョタ コスタ,リカルド ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】デ アラウホ,ブルーノ ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】ランダ,アダム
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-540302(JP,A)
【文献】国際公開第2016/127117(WO,A1)
【文献】特開2013-143152(JP,A)
【文献】国際公開第2017/029860(WO,A1)
【文献】特開2015-041272(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/0346
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサシステムであって、前記システムは
複数の第1のアンテナと
前記複数の第1のアンテナと共にマトリックスアレイに配置された複数の第2のアンテナと
前記複数の第1のアンテナに動作可能に接続された信号発生器であって、前記信号発生器は複数の信号を生成するように適合され、前記複数の信号は前記複数の第1のアンテナの各々からさらに送信され、ここで、前記複数の第1のアンテナの各々から送信された前記複数の信号の各々は、前記複数の第1のアンテナの各々から送信された互いの信号に対して周波数直交である、信号発生器と
前記複数の第2のアンテナに動作可能に接続された信号プロセッサであって、前記信号プロセッサは、前記複数の第2のアンテナによって受信された信号を処理するように適合され、ここで、前記複数の第2のアンテナによって受信された信号の処理測定値は、タッチ事象を決定するために使用される、信号プロセッサと、
を備える、センサシステムであって、
前記マトリックスアレイは変形可能な基板に取り付けられ、
前記変形可能な基板の変形により、前記複数の第1のアンテナの少なくとも1つが、前記複数の第2のアンテナの少なくとも1つに対して移動する、センサシステム。
【請求項2】
前記複数の第1のアンテナがドットアンテナである、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項3】
前記複数の第1のアンテナおよび前記複数の第2のアンテナに動作可能に接続されたスイッチャーをさらに備え、ここで、前記スイッチャーは、前記複数の第1のアンテナを前記信号プロセッサに動作可能に接続し、前記複数の第2のアンテナを前記信号発生器に動作可能に接続する、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項4】
前記変形可能な基板は第1の層および第2の層を有し、ここで、前記第1の層は前記複数の第1のアンテナの少なくともいくつかを有し、前記第2の層は前記複数の第2のアンテナの少なくともいくつかを有する、請求項に記載のセンサシステム。
【請求項5】
デバイスであって、前記デバイスは
複数の第1のアンテナと
前記複数の第1のアンテナに近接して配置された複数の第2のアンテナであって、ここで、前記複数の第2のアンテナおよび前記複数の第1のアンテナは、フレキシブル基板に動作可能に接続される、複数の第2のアンテナと
前記複数の第1のアンテナに動作可能に接続された信号発生器であって、前記信号発生器は複数の信号を生成するように適合され、前記複数の信号は、前記複数の第1のアンテナの各々からさらに送信され、ここで、前記複数の第1のアンテナの各々から送信された前記複数の信号の各々は、前記複数の第1のアンテナの各々から送信された互いの信号に対して周波数直交である、信号発生器と
前記複数の第2のアンテナに動作可能に接続された信号プロセッサであって、前記信号プロセッサは、前記複数の第2のアンテナによって受信された信号を処理するように適合され、ここで、前記複数の第2のアンテナによって受信された信号の処理測定値は、タッチ事象を決定するために使用される、信号プロセッサと、
を備える、デバイスであって、
前記複数の第1のアンテナおよび前記複数の第2のアンテナは、マトリックスアレイとして配置され、
前記フレキシブル基板の変形により、前記複数の第1のアンテナの少なくとも1つが、前記複数の第2のアンテナの少なくとも1つに対して移動する、デバイス。
【請求項6】
前記複数の第1のアンテナおよび前記複数の第2のアンテナに動作可能に接続されたスイッチャーをさらに含み、ここで、前記スイッチャーは、前記複数の第1のアンテナを前記信号プロセッサに動作可能に接続し、前記複数の第2のアンテナを前記信号発生器に動作可能に接続する、請求項5に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年1月19日に出願された米国仮特許出願第62/619,656号の利益を主張し;本出願は、2018年1月24日に出願された米国仮特許出願第62/621,117号、2018年4月13日に出願された米国仮特許出願第62/657,120号、および2018年4月13日に出願された米国仮特許出願第62/657,270号の利益をさらに主張し、前述の出願すべての内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
開示されたシステムおよび方法は、一般に、ヒューマンコンピュータインタラクションの分野に関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本開示の前述および他の目的、特徴、および利点は、添付の図面で例証されるような実施形態の以下の特定の説明から明白になり、図中、参照文字は様々な図面全体にわたって同一の部品を指す。図面は必ずしも同一縮尺である必要はなく、その代わりに開示された実施形態の原則を例証することに重点が置かれている。
【0004】
図1】ハンドヘルドコントローラを保持している手の動作および位置をモデル化するために使用することができる、ハンドヘルドコントローラの図を示す。
図2図1に示されるハンドヘルドコントローラに関連して使用することができる、フレキシブルセンサシートを例示する高レベルの図である。
図3】線分離の実施形態を示す。
図4】L分離の実施形態を示す。
図5】ボックス分離(box isolation)の実施形態を示す。
図6】ボックス分離の別の実施形態を示す。
図7】分離のないセンサ上の指の影響を実証する試験構成を示す。
図8】アイソレータを備えたセンサ上の指からの分離の影響を実証する試験構成を示す。
図9】アイソレータを備えたセンサ上の指からの分離の影響を実証する試験構成についての別の図を示す。
図10】本開示の一実施形態によるセンサ素子のアレイを示す。
図11】本開示の別の実施形態によるセンサ素子のアレイを示す。
図12】本開示のさらに別の実施形態によるセンサ素子を示す。
図13】本開示のさらなる実施形態によるセンサ素子のアレイを示す。
図14】本開示のさらなる実施形態によるセンサ素子のアレイを示す。
図15】本開示のさらなる実施形態によるセンサ素子のアレイを示す。
図16】本開示のさらなる実施形態によるセンサ素子のアレイを示す。
図17】本開示のさらなる実施形態によるセンサ素子のアレイを示す。
図18】本開示の実施形態によるホバーセンサの典型的な実施形態を示す。
図19】本開示のさらなる実施形態による、ホバーセンサアレイを備えるOLEDパネルの典型的な実施形態を示す。
図20】本開示のさらに別の実施形態による、ホバーセンサアレイを備えるOLEDパネルの別の典型的な実施形態を示す。
図21】本開示の実施形態によるセンサ素子を有するバンドを例示する。
図22】本開示の一実施形態による、センサ構成の高レベルの概略図である。
図23】本開示の一実施形態による、センサを組み込むバンドの図を示す。
図24】本開示の実施形態による、センサを組み込むバンドの別の図を示す。
図25】本開示の実施形態による、センサを組み込むバンドの別の図を示す。
図26】指の運動面に垂直な線で構成された複数の受信線を示す。
図27】複数の受信線および注入源(infusion source)を示す。
図28】送信アンテナが配置された手を示す。
図29】送信アンテナが配置された手を示す。
図30】本開示に従って作られた、手の上に配置されたアンテナの実施形態を示す。
図31】本開示に従って作られた、手の上に配置されたアンテナの別の実施形態を示す。
図32】本開示に従って作られた、手の上に配置されたアンテナの別の実施形態を示す。
図33】本開示に従って作られた、手の上に配置されたアンテナの別の実施形態を示す。
図34】本開示に従って作られた、手の上に配置されたアンテナの別の実施形態を示す。
図35】本開示に従って作られた、手の上に配置されたアンテナの別の実施形態を示す。
図36】本開示に従って作られた、手の上に配置されたアンテナの別の実施形態を示す。
図37】本開示に従って作られた、手の上に配置されたアンテナの別の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
センサ表面のさらに上方の距離でホバリングを検出することができるタッチセンサを開発する様々な試みがあった。1つの手法は、Signal Injection to Enhance Appendage Detection and Characterizationと題される、2016年12月1日に出願された米国特許出願62/428,862に記載され、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。その明細書によれば、明細書中の発明は、タッチおよび空中センシティブ入力装置(in-air sensitive input devices)に関する。その書類には、アペンデージ検出を向上させるための信号導入(signal injection )(信号注入(signal infusion)としても知られる)の使用が記載されている。ホバリング探索技術に関するさらなる開示は、Heterogenous Sensing Apparatus and Methodと題される、2017年4月22日に出願の米国仮特許出願62/488,753で見つるけることができ、その内容は、参照により本明細書に組み込まれ、とりわけ、ハンドヘルドセンサ上で使用される特定の注入技術を開示している。その後、Sensing Controllerと題される、2017年11月17日に出願された米国仮特許出願62/588,267においてさらなる開示が行われ、その内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0006】
センサに対する手の位置を理解してモデル化しようとすることは、いくつかの課題(とりわけ干渉)を提示する。例えば、注入システムでは、近くの指からの信号は、別の指からの信号と混同される場合がある。Apparatus and Methods for Enhancing Digit Separation and Reproductionと題される、2017年7月17日に出願された米国仮特許出願62/533,405は、指分離について記載し、その内容は参照によって本明細書に組み込まれる。既存のセンサデータを使用するために、指分離のより良い方法が開発され得るが、必要とされるものは、例えば、近くの指からの干渉を低減することができるセンサである。
【0007】
この出願は、“Hand Sensing Controller”と題された米国仮特許出願62/473,908;“Heterogenous Sensing Apparatus and Methods”と題された米国仮特許出願62/488,753;“Apparatus and Methods for Enhancing Digit Separation and Reproduction”と題された米国仮特許出願第62/533,405;および、“Sensing Controller”と題された米国仮特許出願62/588,267に開示される概念に関連し、それを実行し、これら内容のすべてが参照によって本明細書に組み込まれる。
【0008】
本明細書に開示されているシステムおよび方法は、静電容量タッチセンサ、特に、限定されないが、周波数分割多重化(FDM)、符号分割多重化(CDM)、またはFDMおよびCDMの方法の両方を組み合わせるハイブリッド変調技術などの、直交信号に基づく多重化機構を利用する静電容量タッチセンサの設計、製造、および使用を提供する。本明細書における周波数への言及は、他の直交信号ベースも指し得る。そのため、本出願は、“Low-Latency Touch Sensitive Device”という表題の出願人の以前の米国特許第9,019,224号と、“Fast Multi-Touch Post Processing”という表題の米国特許第9,158,411号を参照により組み込む。これらの出願は、本開示のセンサと関連して使用され得るFDM、CDM、またはFDM/CDMのハイブリッドタッチセンサを企図している。こうしたセンサでは、行からの信号が列に結合される(増加する)か、列から分断される(減少する)ときに、タッチが感知され、その結果がその列で受信される。行を連続して励起して、その列の励起信号のカップリングを測定することによって、静電容量の変化、したがって、近接性を反映するヒートマップが作成され得る。
【0009】
この出願は、下記の中で開示される高速マルチタッチセンサおよび他のインターフェースにおいて使用される原則も使用する:米国特許第9,933,880号;第9,019,224号;第9,811,214号;第9,804,721号;第9,710,113号;および第9,158,411号。これらの特許内における開示、概念、および命名法については精通していることを前提とする。こうした特許およびその中で参照により組み込まれる出願のすべての開示は、参照により本明細書に組み込まれる。この出願は、米国特許出願第15/162,240号;第15/690,234号;第15/195,675号;第15/200,642号;第15/821,677号;第15/904,953号;第15/905,465号;第15/943,221号;第62/540,458号、第62/575,005号、第62/621,117号、第62/619,656号、およびPCT出願第PCT/US2017/050547号で開示される高速マルチタッチセンサおよび他のインターフェースにおいて使用される原則も使用し、その中の開示、概念、ならびに命名法については精通していることを前提とする。こうした出願および参照により組み込まれる出願のすべての開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
本開示全体にわたって、用語「タッチ(touch)」、「タッチ(touches)」、「タッチ事象(touch event)」、「接触(contact)、「接触(contacts)」、「ホバリング(hover)あるいは(hovers)」、「ジェスチャー(gesture)」、「ポーズ(pose」)、または他の記載は、ユーザーの指、スタイラス、オブジェクト、または本体部分がセンサによって検出される事象もしくは期間を説明するために使用され得る。いくつかのセンサでは、ユーザーが、センサ、あるいはそのセンサが埋め込まれたデバイスと物理的に接触しているときのみ、検出が生じる。いくつかの実施形態において、および、「接触」という単語によって通常示されるように、こうした検出は、センサ、あるいはそのセンサが埋め込まれたデバイスと物理的に接触した結果として生じる。他の実施形態において、および、「ホバリング(hover)」、「ジェスチャー(gesture)」、あるいは「ポーズ(pose」)という用語によってしばしば言及されるように、センサは、タッチ面の上方で一定の距離にあるか、そうでなければセンサデバイスから離れている「タッチ事象」の検出を可能にするために調整することができ、導電性あるいは静電容量性のオブジェクト、例えば、スタイラスまたはペンがタッチ面と実際に物理的に接触していないという事実にもかかわらず、認識し得る変化を引き起こす。したがって、感知された物理的な接触への依存を示唆する本説明内の言葉の使用は、記載された技術がそれらの実施形態にのみ適用されることを意味すると解釈されてはならない;実際に、本明細書に記載されるもののすべてではないにせよ、ほとんどすべては、「接触」、「ホバリング」、「ポーズ」、および「ジェスチャー」に等しく適用され、その各々はタッチあるいはタッチ事象である。通常、本明細書で使用されるように、「ホバリング」という単語は、非タッチ事象またはタッチを指し、本明細書で使用されるように、「ホバリング」、「ポーズ」、および「ジェスチャー」という用語は、「タッチ」が本明細書で意図されているという意味での「タッチ」の一種である。したがって、本明細書で使用されるように、「タッチ事象」という成句と「タッチ」という単語は、名詞として使用されるときには、近くのタッチと近くのタッチ事象、あるいはセンサを使用して識別され得る他のジェスチャーを含む。「圧力」は、オブジェクトの表面に対するユーザーの接触(例えば、ユーザーの指あるいは手で押すこと)によって与えられる単位面積当たりの力を指す。「圧力」の量は同様に、「接触」、すなわち、「タッチ」の尺度である。「タッチ」は、「ホバリング」、「接触」、「ジェスチャー」、「ポーズ」、「圧力」、あるいは「グリップ」の状態を指すが、「タッチ」の不足は、センサによる正確な測定のための閾値より下の信号によって一般的に識別される。一実施形態に従って、タッチ事象は、非常に低いレイテンシ、例えば、約10ミリ秒以下、あるいは約1ミリ秒未満で、検出され、処理され、および、ダウンストリームの計算プロセスに供給され得る。
【0011】
本明細書で使用されるように、および、特に特許請求の範囲内において、第1の(first)および第2の(second)などの順序の用語は、それら自体では、順番、時間、または一意性を示唆するとは意図されず、むしろ、1つの主題の構築物を別の構築物と区別するために使用される。文脈が規定するいくつかの使用において、これらの用語は、第1の(first)と第2の(second)が一意的であることを示唆し得る。例えば、ある事象が第1の時間に生じ、別の事象が第2の時間に生じる場合、第1の時間が、第2の時間の前に、第2の時間の後に、あるいは、第2の時間と同時に生じるという意図された示唆はない。しかし、第2の時間が第1の時間の後であるというさらなる制限が請求項に示されている場合、その文脈は、第1の時間と第2の時間が一意の時間(unique times)であると読み取ることを必要とする。同様に、文脈がそのように規定するか、あるいは可能にする場合には、順序の用語は、2つの識別された請求項の構成が同じ特徴あるいは異なる特徴のものであり得るように、広く解釈されることを意図している。したがって、例えば、第1および第2の周波数は、さらなる限定なく、同じ周波数であり得(例えば、第1の周波数は10Mhzであり、および第2の周波数は10Mhzであり得る)、あるいは、異なる周波数であり得る(例えば、第1の周波数が10Mhzであり、および第2の周波数が11Mhzであり得る)。文脈は、それ以外の方法で規定されてもよく(例えば、第1および第2の周波数はさらに、互いに周波数直交(frequency orthogonal)であると限定される)、その場合、これらは同じ周波数ではない。
【0012】
高速マルチタッチ(FMT)センサの特定の原則は、当該技術分野において既知であり、および/または、この出願の日付より前に出願された特許出願において開示されている。一実施形態では、直交信号は、複数の駆動導体に送信され、および、複数のセンス導体に取り付けられた受信機によって受信された情報は、タッチを識別するために信号プロセッサによって分析される。駆動導体とセンス導体(時々、行と列とも呼ばれる)は、例えば、交差点がノードを形成するマトリックスを含む、様々な構成で組織することができ、タッチ相互作用は列またはセンス信号の処理によりそのノードで検知される。直交信号が周波数直交である実施形態では、直交周波数間の間隔(Δf)は、少なくとも測定期間τの逆数であり、測定期間τは列がサンプリングされる期間と等しい。したがって、一実施形態では、列は、1キロヘルツの周波数間隔(Δf)を使用して、1ミリ秒(τ)にわたって測定され得る(つまり、Δf=1/τ)。
【0013】
一実施形態では、混合信号集積回路(あるいは、下流のコンポーネントまたはソフトウェア)の信号プロセッサは、行に送信された各周波数直交信号を表す少なくとも1つの値を決定するように適合される。一実施形態では、混合信号集積回路(あるいは下流のコンポーネントまたはソフトウェア)の信号プロセッサは、受信信号へのフーリエ変換を実行する。一実施形態では、混合信号集積回路は、受信信号をデジタル化するように適合される。一実施形態では、混合信号集積回路(あるいは下流のコンポーネントまたはソフトウェア)は、受信信号をデジタル化し、かつ、デジタル化された情報について離散的フーリエ変換(DFT)を行うのに適合される。一実施形態では、混合信号集積回路(あるいは下流のコンポーネントまたはソフトウェア)は、受信信号をデジタル化し、かつデジタル化された情報について高速フーリエ変換(FFT)-FFTは離散的フーリエ変換の一種である-を行うように適合される。
【0014】
DFTが本質的に、サンプリング周期(例えば、積分期間)中に得られたデジタルサンプル(例えば、ウィンドウ)のシーケンスを、あたかもそれが繰り返すように扱うことは、本開示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。結果として、中心周波数ではない(つまり、積分期間(最小限の周波数間隔を相互規定する)の逆数の整数倍ではない)信号は、比較的わずかであるが、小さな値を他のDFTビンへ寄与するという、意図しない結果をもたらす可能性がある。したがって、本明細書で使用される直交という用語は、そのような小さな寄与により「破られない(violated)」ことが、本開示を考慮して当業者には明白となるであろう。言い換えれば、我々が本明細書で周波数直交という用語を使用する際、DFTビンへの1つの信号の寄与の実質的にすべてが、他の信号の寄与の実質的にすべてとは異なるDFTビンに対して行われる場合には、2つの信号は周波数直交であると考えられる。
【0015】
一実施形態では、受信信号は少なくとも1MHzでサンプリングされる。一実施形態では、受信信号は少なくとも2MHzでサンプリングされる。一実施形態では、受信信号は4Mhzでサンプリングされる。一実施形態では、受信信号は4.096Mhzでサンプリングされる。一実施形態では、受信信号は4を超えるMHzでサンプリングされる。
【0016】
kHzのサンプリングを達成するために、例えば、4096のサンプルが4.096MHzで得られ得る。そのような実施形態では、積分期間は1ミリ秒であり、これは、周波数間隔が積分期間の逆数以上でなければならないという制約によって、1kHzの最小周波数間隔を提供する。(例えば、4MHzで4096のサンプルをとることで、1ミリ秒よりもわずかに長い積分期間が得られ、kHzのサンプリングは達成されず、および976.5625Hzの最小周波数間隔になることは、本開示を考慮すれば当業者には明白であろう。)一実施形態では、周波数間隔は積分期間の逆数と等しい。そのような実施形態では、周波数直交信号範囲の最大周波数は2MHz未満でなければならない。そのような実施形態では、周波数直交信号範囲の実際的な最大周波数は、サンプリングレートの約40%、すなわち、約1.6MHz未満でなければならない。一実施形態では、DFT(FFTであり得る)は、デジタル化された受信信号を情報のビンに転換するために使用され、それぞれは、送信アンテナ(130)によって送信された可能性のある、送信された周波数直交信号の周波数を反映している。一実施形態では、2048のビンは1kHz~約2MHzの周波数に対応する。これらの例が単に典型的なものであることは、本開示を考慮すれば当業者には明白であろう。システムのニーズに応じて、および、上に記載された制約を受けて、サンプリングレートが増減してもよく、積分期間が調節されてもよく、周波数範囲が調節されるなどしてもよい。
【0017】
一実施形態では、DFT(FFTであり得る)出力は、送信される各々の周波数直交信号のビンを含む。一実施形態では、各々のDFT(FFTであり得る)ビンは、同相(I)と直角位相(Q)のコンポーネントを含む。一実施形態では、IとQのコンポーネントの正方形の和は、そのビンの信号強度に対応する尺度として使用される。一実施形態では、IとQのコンポーネントの正方形の平方根は、そのビンの信号強度に対応する尺度として使用される。ビンの信号強度に対応する尺度はタッチに関連付けられる尺度として使用され得ることは、本開示を考慮すれば当業者には明白になるであろう。言いかえれば、任意のビンにおける信号強度に対応する尺度はタッチ事象の結果、変化することになる。
【0018】
通常、この用語が本明細書で使用される場合、導入または注入とは、ユーザーの身体に信号を送信するプロセスを指し、身体(あるいは身体の一部)が信号のアクティブな送信源になることを有効的に可能にする。一実施形態では、電気信号は手(あるいは、身体の他の部分)に導入され、この信号は、手(あるいは指または身体の他の部分)がセンサのタッチ面と直接的に接触していない場合でも、センサによって検出され得る。ある程度は、これより、表面に対する、手(あるいは指または身体の他の部分)の近接および配向を決定することができる。一実施形態では、信号は身体によって運ばれ(例えば、伝導され)、関係する周波数に応じて、表面の近くに、あるいは表面よりも下にも運ばれ得る。一実施形態では、少なくともkHzの範囲の周波数は、周波数注入で使用され得る。一実施形態では、MHz範囲の周波数は周波数注入で使用され得る。上記のようにFMTと関連して注入を使用するためには、一実施形態では、注入信号は、駆動信号に直交となるように選択可能であり、したがって、センスライン上で他の信号に加えてそれを見ることができる。
【0019】
様々な実施形態では、本開示は、ホバリング、接触、圧力、ジェスチャー、および、身体の姿勢に敏感なシステム(例えば、オブジェクト、コントローラ、パネル、あるいはキーボード)、ならびに現実世界、人工現実、仮想現実、および拡張現実の設定におけるその適用に関する。本開示は一般的に、ホバリング、接触、圧力、ジェスチャー、および、身体の姿勢を検出するために、高速マルチタッチを使用するすべてのタイプのシステムに適用されることが、当業者によって理解されよう。
【0020】
本明細書に使用されるように、「コントローラ」という用語は、人間と機械のインターフェースの機能を提供する物理的なオブジェクトを指すように意図されている。一実施形態では、コントローラは、オートバイなどの車両のハンドルであり得る。一実施形態では、コントローラは、自動車またはボートなどの車両のステアリングホイールであり得る。一実施形態では、コントローラは、手の動作を直接感知することによりそのような動作を検出することができる。一実施形態では、コントローラはビデオゲームシステムと共に使用されるインターフェースであり得る。一実施形態では、コントローラは手の位置を提供し得る。一実施形態では、コントローラは、身体部分および/または機能に近接するおよび/または関連する動き、例えば、骨、関節、および筋肉の結合、ならびに、それがどのように手または足の位置および/または動きに変換されるかを判定することにより、他の身体部分のポーズ、位置、および/または動きを提供することができる。
【0021】
本明細書で議論されるコントローラは、送信アンテナおよび受信アンテナとして機能するアンテナを使用する。しかし、そのアンテナが、送信アンテナ、受信アンテナ、あるいはその両方であるかどうかについては、文脈および実施形態に依存することを理解されたい。送信に使用される際、導体は信号発生器に動作可能に接続される。受信に使用される際、導体は信号受信機に動作可能に接続される。一実施形態では、パターンのすべてあるいは任意の組み合わせのための送信アンテナおよび受信アンテナは、必要な信号を送受信することができる単一の集積回路に動作可能に接続される。一実施形態では、送信アンテナおよび受信アンテナは各々、必要な信号をそれぞれ送受信することができる異なる集積回路に動作可能に接続される。一実施形態では、パターンのすべてあるいは任意の組み合わせのための送信アンテナおよび受信アンテナは、一群の集積回路に動作可能に接続され得、各々は必要な信号を送受信することができ、かつそのような倍数IC構成に必要な情報を共有することができる。一実施形態では、集積回路の容量(つまり、送信および受信チャネルの数)とパターンの要件(つまり、送信および受信チャネルの数)が許容する場合、コントローラにより使用される複数のパターンのすべての送信アンテナならびに受信アンテナはすべて、共通の集積回路によって、あるいは、相互に通信する一群の集積回路によって動作される。一実施形態では、送信および受信チャネルの数が、複数の集積回路の使用を必要とする場合、各回路からの情報は別のシステムで組み合わされる。一実施形態では、別のシステムはGPUおよび信号処理のためのソフトウェアを含む。
【0022】
本明細書で議論される送信アンテナおよび受信アンテナの目的は、ホバリング、近接、手の位置、ジェスチャー、ポーズなどのタッチ事象、運動、動き、およびジェスチャーを、3D位置忠実度(3D positional fidelity)で検出することである。送信信号は特定の方向に送信可能である。一実施形態では、混合信号集積回路が使用される。混合信号集積回路は信号発生器、送信機、受信機、および信号プロセッサを含む。一実施形態では、混合信号集積回路は、1つ以上の信号を生成し、上記信号を送信するように適合される。一実施形態では、混合信号集積回路は、複数の周波数直交信号を生成し、上記複数の周波数直交信号を送信アンテナへ送信するように適合される。一実施形態では、周波数直交信号はDCから最大約2.5GHzまでの範囲にある。一実施形態では、周波数直交信号はDCから最大約1.6MHzまでの範囲にある。一実施形態では、周波数直交信号は50kHzから最大200kHzまでの範囲にある。周波数直交信号間の周波数間隔は典型的に、積分期間(つまり、サンプリング周期)の逆数以上である。一実施形態では、信号の周波数は変更されず、その代わりに、信号の振幅が変調される。
【0023】
様々な身体部分の位置、ジェスチャー、運動、姿勢、タッチ事象などに関する意味のある情報を得るために、信号送信の他の特徴に加えて、上で議論された原則が使用される。一実施形態では、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、この情報を処理して手の位置とジェスチャーの正確な描写を提供するために、送信信号の様々な特性を使用する。
【0024】
図1は、コントローラ(10)を保持している手の動作および位置をモデル化するために使用され得る、ハンドヘルドコントローラ(10)の図を示す。受信および送信アンテナはハンドヘルドコントローラ(10)のまわりに配置される。一実施形態では、受信および送信アンテナは、ハンドヘルドコントローラ(10)のまわりに1層に配置される。一実施形態では、受信および送信アンテナは、ハンドヘルドコントローラ(10)のまわりに多層に配置される。
【0025】
受信および送信アンテナは、ハンドヘルドコントローラ(10)の必要に応じて、送信アンテナまたは受信アンテナのいずれかとして選択的に動作することができる。マトリックスならびに他のアレイにおける送信アンテナと受信アンテナの動作は、以下で詳細に議論される。本明細書で議論されるハンドヘルドコントローラ(10)は、送信された互いの信号に対して直交である信号を送信する送信アンテナの使用により、動作する。特に、本明細書で議論される実施形態では、信号は互いに対して周波数直交である。さらに、ハンドヘルドコントローラ(10)は、ハンドヘルドコントローラ(10)のユーザーの手に信号を注入する(導入する)ことができる信号注入器をその中に組み込んでいてもよい。信号注入器は、ユーザーがハンドヘルドコントローラ(10)のまわりの受信アンテナによって検出される信号のキャリアになるように、ユーザーに信号を送信する送信アンテナである。注入された信号は、ハンドヘルドコントローラ(10)のまわりに位置する受信アンテナで受信することができる。さらに、ハンドヘルドコントローラ(10)上で使用される複数の注入点があってもよい。
【0026】
図2は、図1に示されるハンドヘルドコントローラ(10)の実施形態と関連して使用することができる、フレキシブルセンサシート(20)の典型的な実施形態である。それぞれ3つの受信アンテナ(21)からなる5つの行が示されるが、これらの数は、以下で議論される考慮事項に従って任意であり、それより多くても少なくてもよい。一実施形態では、15の受信アンテナ(21)は、ヒトの手に注入された注入信号を受信するように適合される。注入信号は、様々な位置で、様々な手段によって、例えば、リストバンドを介して、シートを介して、あるいはコントローラのほかの場所に位置する電極さえも介して、注入されてもよい。注入信号がどこで、どのように生成されるかにかかわらず、手の上に信号が注入されると、信号は手のすべての点から放出される。(同じ場所あるいは異なる場所からの複数の注入信号も使用され得る。)
【0027】
一実施形態では、手がコントローラのまわりを移動し、および/または包む際に、1本以上の個々の指は、受信アンテナ(21)からの相対的な距離を変化させる。注入信号が指と受信アンテナ(21)の間の距離とともに減少するため、一実施形態では、受信アンテナ(21)に近い指は、離れている指よりも強く寄与する。例示された実施形態では、3つの受信アンテナ(21)を有する5つの行が使用され、受信アンテナ(21)の隣接する行の各対は、コントローラのまわりに巻き付けられた指の位置に対応し、および、受信アンテナ(21)の各々は、コントローラのまわりに巻き付けられた指のセグメントの1つの位置に対応する。一実施形態では、3つの受信アンテナ(21)を有する4つの行が使用され、受信アンテナ(21)の行の各々は、コントローラのまわりに巻きつけられた指の位置に対応し、および、受信アンテナ(21)の各々は、コントローラのまわりに巻き付けられた指のセグメントの1つの位置に対応する。一実施形態では、3つの受信アンテナ(21)を有する3つの行が使用され、受信アンテナ(21)の行は、コントローラのまわりに巻き付けられた手の指間に対応し、および、受信アンテナ(21)の各々は、コントローラのまわりに巻き付けられた指のセグメントの1つの位置に対応する。
【0028】
受信アンテナ(21)は感知の際に全方向性であるため、受信アンテナ(21)の容積(volume)内でプローブ(例えば、指)の位置を識別するのが困難な場合がある。したがって、プローブの位置をより簡単に識別するために、受信アンテナ(21)の容積を抑制するか、あるいは誘導することが望ましい。手を再構成する場合、例えば、人差し指に近い制約のない受信アンテナは、中指、薬指、および小指からの寄与を受け取る可能性がある。この動作は信号を混乱させ、指の動きの再構成をさらに困難にする。
【0029】
一実施形態では、分離アンテナ(分離導体、分離トレースとしても知られる)を受信アンテナ(21)の近くに配置して、その感知容積を抑制することができる。
【0030】
図3に目を向けると、典型的な実施形態が示され、それは、それぞれ3つの受信アンテナ(31)を有する3つの行を使用するセンサ(30)上で分離アンテナ(32)を使用する。分離アンテナ(32)(標識された分離ストリップ)は、3つの行センサ上の3つの受信アンテナ(31)の第1列と、3つの受信アンテナ(31)の第2列との間に配される。信号は、PCB上の信号源を介して生成され、リード線によって接点へと伝導される。接点にオーミック接続された2つの導体は信号を伝導し、1つは身体に伝導し、もう1つは分離アンテナ(32)へと伝導する。例示的な実施形態では、分離された行(つまり、分離アンテナ(32)の片側の行のみ)における3つの受信アンテナ(31)のみが、リード線を介して受信アンテナ(31)および信号プロセッサに接続されている。注入信号が分離アンテナ(32)および身体に接続される場合、分離アンテナの反対側に対する指の影響は実質的に軽減される。一実施形態では、分離アンテナ(32)の両側の受信アンテナ(31)は、それ自体のリード線を介して信号プロセッサに接続される。一実施形態では、分離アンテナ(32)は受信アンテナ(31)の各行の間に配置される。
【0031】
図4に目を向けると、複数の分離アンテナ(42)を使用するセンサ(40)の典型的な実施形態が示される。分離アンテナ(42)は、それぞれ3つの受信アンテナ(41)の3つの行を使用するセンサ(40)上に配置される。本実施形態では、1つの分離アンテナ(42)は受信アンテナ(41)の第1と第2の行の間を走り、別の分離アンテナ(42)が第1の行とオーミック接触し、各行の第1と第2の受信アンテナ(41)間を走る。この試験構成を使用すると、注入信号がアイソレータおよび身体に接続される場合、分離アンテナ(42)の一方側にあるプローブ(例えば、指)の影響は、分離アンテナ(42)の他方側の受信アンテナに対して軽減される。
【0032】
次に図5および6に目を向けると、長方形の形状の分離アンテナ(52)の実施形態が示される。図5および6において、受信アンテナ(51)は、長方形を形成している分離アンテナ(52)に囲まれている。受信アンテナ(51)、分離アンテナ(52)の構成およびサイズ、および受信アンテナと分離アンテナの間の間隔が変更可能であることは、本開示を考慮して当業者には明白だろう。上記のように、分離アンテナ(52)を超える指に起因する分離された受信アンテナ(51)の信号は、分離アンテナ(52)によって実質的に軽減および/またはマスクされるが、受信アンテナ(51)に近い指は依然として受信信号の動作に変化をもたらす。
【0033】
一実施形態では、注入信号は使用されない。例えば、それぞれ3つの受信アンテナ(31)を有する3つの行を使用するセンサ(30)上に分離アンテナ(32)がある図3に目を向ける。注入信号が身体ではなく分離アンテナ(32)に接続される場合、分離アンテナ(32)の反対側に対する指の影響は、実質的に軽減される。応答の大きさは減少されるが、分離アンテナ(32)の影響は依然として存在し、測定可能である。
【0034】
図3~6それぞれは、線、L字型、および長方形の形状などの分離アンテナに使用される様々な幾何学的形状を示しているが、本開示を考慮して、さらに多くの幾何学的形状が当業者に明白となるだろう。なぜなら、例示された送信/分離アンテナの幾何学的形状が3つの設計パラメーター:幅、囲い(closure)、および受信アンテナに対する隣接性の変化を実証するためである。囲いのパラメーターは、分離アンテナが長方形の形状の分離アンテナなどの受信アンテナを十分に囲むかどうか、あるいは線形状およびL字型などの受信アンテナのエッジのサブセットのアンテナのみを囲むかどうかを説明する。分離アンテナの幅が増大し、および受信アンテナにより隣接するにつれ、より多くの信号強度を受信アンテナにもたらす。これらの設計パラメーターを調節することにより、分離のレベルを変化させて、所望の結果を達成することができる。
【0035】
例えば、5mmの幅(例えば、図5を参照)、および1mmあるいは5mmの隣接性を有する長方形の幾何学的形状は、信号を十分に分離する。しかし、1mmの幅(例えば、図6を参照)および5mmの隣接性を有する長方形の幾何学的形状は、指が長方形の形状の分離アンテナの外側に置かれる場合に、およそ15%の信号増加が見られる。一実施形態では、3mmの隣接性および3mmの幅は、物理センサ空間に関する要求のバランスをとりながら、信号応答を分離するのに有用である。任意のサイズの受信アンテナが使用されてもよい。一実施形態では、受信アンテナは、1mmのほど小さい長方形、あるいはそれより小さい、またはそれよいはるかに大きい長方形であってもよい。36mmの角表面を有する受信アンテナは、たった9mmの角表面を有する受信アンテナと同様に適切に機能することができる。以下にさらに議論されるように、受信アンテナは、効果を増大させるために一まとめにされてもよい。囲いは、分離を改善するために増加されてもよく、例えば、長方形の幾何学的形状は、線形の分離アンテナよりも大きな分離をもたらす。
【0036】
図7は、分離アンテナが使用されない場合、図3に示される試験セットアップで生じる干渉を例示する。図3に示されるものと同様の試験セットアップでは、受信アンテナの1つの行のみが使用され、その行は、図7に示されるセンサ(70)の上方の手の人差し指に対応する。さらに、例示された試験セットアップでは、人差し指のみがセンサ(70)からの入力に基づいて再構成されている。人差し指はセンサ(70)の上方の実際の手において実質的に直線であるが、スクリーン(76)上の再構成された人差し指(75)は、それが曲がっていることを示す。指の位置の不完全な再現は、それ自体の行の上ではあるが、センサ(70)へと向かう中指の動きによって引き起こされた干渉の結果である。
【0037】
図8および9の場合、試験セットアップは、身体(したがって、手)によって使用されるのと同じ周波数で分離アンテナに注入されることを除いて、図7において使用されるものと同じままである。分離アンテナの右側の指は、分離アンテナの左側の指の指再構成に影響しない。このように、スクリーン(76)上に示される再構成された人差し指(75)は、人差し指の実際の位置により近い。
【0038】
アンテナは静特性をしばしば有する。例えば、アンテナは、固定された表面積を有していてもよい。アンテナは、固定された機能的役割(つまり、送信、受信、接地)も有していてもよい。しかし、センサの動作を動的に調節するために、リアルタイムにアンテナの特性を変えることができる。
【0039】
表面積に加えて、各アンテナの動作をリアルタイムに変更して、センサ設計をプログラムによって変更することができる。例えば、NxMアンテナのマトリックス(各アンテナが5x5mmの正方形の幾何学的形状を有する)を考慮すると、各アンテナの動作は、送信アンテナまたは受信アンテナとして動的に指定することができる。さらに、以前に議論された受信アンテナの分離方法を考慮すると、一部のアンテナは、注入送信アンテナ(例えば、アイソレーター)として指定され、所与の受信アンテナの応答容積を分離することができる。同様に、近くの受信アンテナの応答を低減するために、一部のアンテナを接地することができる。
【0040】
機能の同一性を越えて、センサの表面積をプログラムすることもできる。例えば、平行板コンデンサ型は、板の表面積が増加するにつれて静電容量が増加するということを実証する。例えば、各々が5x5mmの表面積の正方形のアンテナのマトリックス、および各アンテナ間の物理的なスイッチの1セットを考慮すると、アンテナの機能表面積を動的に変更することが可能である。これらの正方形のアンテナの組み合わせは、それらのスイッチを使用して接続することができる。例えば、一実施形態では、2つのアンテナの群を接続して、50mm(つまり、5x10mm)の表面積を生成することができる。一実施形態では、4つのアンテナの群を接続して、100mmの領域(つまり、10x10mm)などを形成することができる。もちろん、5x5サイズは単なる例示であり、この原則は、アンテナのより小さなアレイあるいはより大きなアレイにも等しく適用可能である。
【0041】
例えば、一実施形態において、グリップコントローラを使用する場合、各アンテナの役割は、手あるいは指の新たな位置を反映するために更新することができる。手の位置がコントローラの表面に対して変化する場合、以前は送信アンテナであったアンテナを受信アンテナとして指定して、指のより局所的な見方(localized view)を確実にすることができる。
【0042】
上で議論された設計パラメーターの分離応答を特徴づけるために、初期の試験が行なわれた。条件のサブセットを以下の独立変数によって試験した:隣接性(1mm、5mm)X囲い(短い線、長い線、長方形)X幅(1mm、5mm)X指_接触(未接続、離れている、近い、接触)。信号の動作の差が初期の試験で観察されたが、関心対象ではなかったため、分離(つまり、有効あるいは無効のストリップ)の存在がこの実験では無視されたことに留意されたい。
【0043】
従属変数は、指_接触 離れている(finger_contact distant)、および指_接触 近く(finger_contact nearby)の平均の信号強度間のパーセンタイルの差である。この式は、指が分離ストリップを越え、かつ受信アンテナから「離れている」場合、完全に分離されている受信アンテナでは、指からの寄与が認知されないはずであることを意味する。受信アンテナが分離される場合、パーセンタイルの差は0%であるべきである。
【0044】
囲いが増加すると分離が増加し;幅が増加すると分離が増加し;隣接性が増加すると分離が増加すると考えられる。予備の実験データは、仮説を支持し、以下の表において要約される。一実施形態では、隣接性は、分離を増加させる有用なパラメーターであるが、分離アンテナ(つまり、送信アンテナ)を配置することは、受信アンテナの感度に影響を与える。1mmの隣接性を有する分離アンテナは、5mm離れているアンテナと比較して、近くの受信アンテナ上でより大きな寄与をもたらす。
【0045】
【表1】
【0046】
図10では、センサアレイは、3つのアンテナ(101)の4列および各列の間の1つのアイソレータアンテナ(102)アレイの実例を持って示される。図10の下において、4本の指が尺度のために示される。一実施形態において、指は、受信アンテナとしてアンテナ(101)を、およびアイソレータとしてアイソレータアンテナ(102)を、使用することにより、それらの長さに沿って追跡され得る。一実施形態において、アイソレータアンテナ(102)は、身体に適用される注入信号と共通の信号を共有する。一実施形態において、アイソレータアンテナ(102)は、身体に適用される注入信号と共通の信号を共有し、および、付加的に、各々が、受信アンテナで受信した情報を解読することにより検知可能である別の直交信号を持つ。一実施形態において、別の直交信号の各々は、各々の送信アンテナが1つのユニークな信号、および、すべてに共通である1つの別の信号(例えば分離信号)を送信するように、互いに異なる。
【0047】
図11では、それぞれに6つのアンテナがある5つの列の例示的なアレイ、第1のアンテナ(1101)、および第2のアンテナ(1102)を有するセンサが示される。3列の下に、尺度のために示された3本の指がある。一実施形態において、受信アンテナとして第1のアンテナ(1101)を、およびアイソレータとして第2のアンテナ(1102)を、使用することにより、指は、それらの長さに沿って追跡され得る。一実施形態において、第2のアンテナ(1102)は、身体に適用される注入信号と共通の信号を共有する。一実施形態において、第2のアンテナ(1102)は、身体に適用される注入信号と共通の信号を共有し、および、付加的に、各々が、受信アンテナで受信した情報を解読することにより検知可能である別の直交信号を持つ。一実施形態において、別の直交信号の各々は、各々の送信アンテナが1つのユニークな信号、および、すべてに共通である1つの別の信号(例えば分離信号)を送信するように、互いに異なる。一実施形態において、他の信号は隣接した送信アンテナによって送信されるのではないが、しかし、複数の送信アンテナ、例えば、1つおきの、または、各3つ目のものに共通の場合がある。
【0048】
図12では、他の実例となるセンサアレイが示される。再び、指先は尺度ために示される。一実施形態において、第1のアンテナ(1201)は受信アンテナであり、第2のアンテナ(1202)は送信アンテナであり、および、従って、受信アンテナ間の分離を提供することができる。一実施形態において、第1のアンテナ(1201)および第2のアンテナ(1202)の各々は、受信アンテナまたは送信アンテナのいずれかとして作動する場合がある。上記のように、一実施形態において、第2のアンテナ(1202)の各々は、分離信号を伝える送信アンテナである。一実施形態において、第2のアンテナ(1202)の各々は、分離信号から直交の1つ以上の付加的な信号を伝える場合がある、送信アンテナである。一実施形態において、分離信号は使用されず、および、第2のアンテナ(1202)の各々は、送信アンテナであり、アレイにおいて送信アンテナとして機能する1つおきの第2のアンテナ(1202)により伝えられる各々の信号に対して直交の1つ以上の信号を伝える。受信アンテナとして機能する各々の第1のアンテナ(1201)(または第2のアンテナ(1202))は、それらにおいて受信された信号を処理するために、信号プロセッサに動作可能に結合される。上に説明されたように、第1のアンテナ(1201)および第2のアンテナ(1202)の各々が送信アンテナまたは受信アンテナとして作用し得るため、一実施形態において、アレイは、効果的により大きい受信アンテナまたは送信アンテナをエミュレートするのを支援するよう再構成することができる。一実施形態において、プログラム可能な物理接続(例えば、スイッチ)は、一体として作用するように多数の要素を一緒に接続することによって要素の表面積(従ってその感度)を効果的に変化させるために、使用され得る。
【0049】
図13では、他の実例となるセンサアレイが示される。再び、指先は尺度のために示される。一実施形態において、第1のアンテナ(1301)は受信アンテナであり、および、第2のアンテナ(1302)は送信アンテナであり、および従って、受信アンテナとして機能する第1のアンテナ(1301)間の分離を提供することができる。一実施形態において、第1のアンテナ(1301)および第2のアンテナ(1302)の各々は、受信アンテナまたは送信アンテナのいずれかとして作動する場合がある。上記のように、一実施形態において、送信アンテナとして機能する各々の第2のアンテナ(1302)は、分離信号を伝える。一実施形態において、送信アンテナとして機能する第2のアンテナ(1302)の各々は、分離信号から直交の1つ以上の付加的な信号を伝える場合があるある。一実施形態において、分離信号は使用されず、および、送信アンテナとして機能する第2のアンテナ(1302)の各々は、アレイにおいて送信アンテナとして機能する1つおきの第2のアンテナ(1302)により伝えられる各々の信号に対して直交の1つ以上の信号を送信する。受信アンテナとして機能する各々の第1のアンテナ(1301)は、それらにおいて受信された信号を処理するために、信号プロセッサに動作可能に結合される。上に説明されたように、一実施形態において、アレイは効果的により大きな受信アンテナまたは送信アンテナを有するように再構成することができる。
【0050】
図14では、第1のアンテナ(1401)および第2のアンテナが密なアレイの実例となる部分が示される。一実施形態において、第1のアンテナ(1401)および第2のアンテナ(1402)は、受信アンテナ、送信アンテナ、および/または接地として使用されてもよい。
【0051】
図15から図17は、アンテナの様々なセンサアレイを示す。図15には、第1のアンテナ(1501)および第2のアンテナ(1502)のアレイがある。第1のアンテナ(1501)および第2のアンテナ(1502)は、送信アンテナおよび受信アンテナとして機能する場合がある。送信アンテナとして機能する時、第2のアンテナ(1502)は分離送信アンテナの場合があり、そのことによって受信アンテナとして機能する第1のアンテナで生じる干渉を低減させる。
【0052】
図16には、第1のアンテナ(1601)および第2のアンテナ(1602)のアレイがある。第1のアンテナ(1601)および第2のアンテナ(1602)は、送信アンテナおよび受信アンテナとして機能する場合がある。送信アンテナとして機能する時、第2のアンテナ(1502)は分離送信アンテナの場合があり、そのことによって受信アンテナとして機能する第1のアンテナで生じる干渉を低減させる。
【0053】
図17には、第1のアンテナ(1701)および第2のアンテナ(1702)のアレイがある。第1のアンテナ(1701)および第2のアンテナ(1702)は、送信アンテナおよび受信アンテナとして機能する場合がある。送信アンテナとして機能する時、第2のアンテナ(1702)は分離送信アンテナの場合があり、そのことによって受信アンテナとして機能する第1のアンテナで生じる干渉を低減させる。
【0054】
図18は、第1のアンテナ(1801)および第2のアンテナ(1802)などのアンテナの密なアレイを含む、実施形態を示し、アンテナの各々は、あらゆる入力をいずれの出力にも切り替えられるNxMスイッチャー(1815)に個々に接続される場合がある。NxMスイッチャー(1815)は、その後、タッチセンサ・チップ上の信号プロセッサ(1820)に動作可能に接続された、アナログ/デジタル入力(ADC)(1816)、およびデジタル/アナログ出力(DAC)(1818)に接続される場合があり、プロセッサは、必要な直交信号を生成および送信し、および、入力信号を受信および処理するように構成される。この構造において、第1のアンテナ(1801)および第2のアンテナ(1802)などのアンテナのうちのいずれも、個々に使用することができるか、または他のもの組み合わせることができる。同様に、第1のアンテナ(1801)および第2のアンテナ(1802)などの各々のアンテナは、受信アンテナ、または送信アンテナとして作用することができる。一実施形態において、要素の群は、弱い、または遠方からの信号を検知するために、より大きな受信アンテナを形成するように、一緒に使用され、および、要素群は、より近くの信号を検知するために、表面積を(最終的には1つの要素まで)縮小される。一実施形態において、第1のアンテナ(1801)および第2のアンテナ(1802)などのアンテナの各々は、受信アンテナ、送信アンテナ、または接地として使用されてもよい。
【0055】
図19は、各々が、あらゆる入力をいずれの出力にも切り替えられるNxMスイッチャー(1915)に個々に接続された、第1のアンテナ(1901)および第2のアンテナ(1902)などのアンテナのアレイを含む実施形態を示す。図19において、第1のアンテナ(1901)および第2のアンテナ(1902)などのアンテナには、他の構成要素が点在する。一実施形態において、第1のアンテナ(1901)および第2のアンテナ(1902)などのアンテナには、OLED表示装置上のOLED構成要素が点在する。上記のように、NxMスイッチャー(1915)は、その後、必要とされる直交信号を生成および送信し、および入力信号を受信するよう構成された信号プロセッサ(1920)に動作可能に接続された、アナログ/デジタル入力(ADC)(1916)、およびデジタル/アナログ出力(DAC)(1918)に接続される。この構造において、アンテナのうちのいずれも個々に使用することができるか、または他のものと組み合わせることができる。
【0056】
OLEDの縮尺が、小さすぎるか或いは非能率的であることにより実用になりえないアンテナを必要とする場合があるため、一実施形態において、アンテナはより大きい場合がある。図20では、各々があらゆる入力をいずれの出力にも切り替えられるNxMスイッチャー(2015)に個々に接続される、第1のアンテナ(2001)、および第2のアンテナ(2002)、などのアンテナのアレイを含む実施形態が示される。図20において、第1のアンテナ(2001)および第2のアンテナ(2002)などのアンテナには、他の構成要素が点在する。一実施形態において、第1のアンテナ(2001)および第2のアンテナ(2002)などのアンテナには、OLED表示装置上のOLED構成要素が点在する。上記のように、NxMスイッチャー(2015)は、その後、必要とされる直交信号を生成および送信し、および入力信号を受信するよう構成された信号プロセッサ(2020)に動作可能に接続された、アナログ/デジタル入力(ADC)(2016)、およびデジタル/アナログ出力(DAC)(2018)に接続される。この構造において、アンテナのうちのいずれも個々に使用することができるか、または他のものと組み合わせることができる。第1のアンテナ(2001)および第2のアンテナ(2002)で作られた、有意により大きなアンテナは、類似したOLED構成におい提供される。
【0057】
一実施形態において、アンテナは、単独層、例えば、柔軟性材料の層の上に敷設される場合がある。一実施形態において、アンテナは、複数の層、例えば、1以上の柔軟性材料の片側または両側の上に敷設される場合がある。一実施形態において、いくつかの、またはすべてのアンテナ、およびいくつかの導体は、同じ層の上に敷設される場合があり、一方、他の導体および残りのアンテナのどれもが、分離した層(例えば同じ基板の分離した側面または分離した基板)の上にある。一実施形態において、アンテナまたは導体(アンテナ、導体という用語は交換可能に使用されてもよい)は、基板(例えばプラスチック、クロス、ゴム)に埋め込まれる場合がある。一実施形態において、アンテナまたは導体は、基板(例えばプラスチック、クロス、ゴム)の表面に配置される場合がある。一実施形態において、アンテナまたは導体は、基板に埋め込まれるものもあれば、一方、基板の表面上にあるものもある。一実施形態において、アンテナまたは導体はフレキシブル基板上に展開される。一実施形態において、アンテナまたは導体は、基板の相対的な方向づけにおける、変形および変化を検知することができるように、フレキシブル基板の上に展開する。
【0058】
図21では、バンド(2100)が一実施形態に従って示される。一実施形態において、バンド(2100)は柔軟性がある。一実施形態において、バンド(2100)は、身体の上に着用されるよう設計されている。一実施形態において、バンド(2100)は、手首または手のひらのまわりで着用されるように設計されている。一実施形態において、バンド(2100)は、頚部、脚体、くるぶし、腕、胸、または他の身体各部のまわりで着用されるように設計されている。一実施形態において、バンド(2100)は、着用可能な品物(例えば、シャツ、ズボン、下着、手袋)の中へ組み込まれる。一実施形態において、バンド(2100)には内側部および外側部がある。一実施形態において、バンド(2100)には内側部、外側部、および端部がある。
【0059】
一実施形態において、第1のアンテナ(2111)および第2の要素(2112)などのアンテナは、バンド(2100)の内側部に配置される。一実施形態において、第1のアンテナ(2111)および第2のアンテナ(2112)などのアンテナは、内側表面の上に配置され、送信アンテナまたは受信アンテナとして構成される場合がある。一実施形態において、アイソレータは、それはアイソレータとして機能している長方形のアンテナの場合があるが、他のアンテナの1つ以上の群の間に展開される。一実施形態において、アンテナおよびアイソレータとして機能するアンテナは、バンドの内側部の上に位置付けられ、バンド(2100)が着用される時、皮膚とオーム接触中であるように構成される。一実施形態において、アアンテナおよびイソレータとして機能するアンテナは、バンド(2100)の内側部に位置付けられ、バンド(2100)が着用される時、皮膚とオーム接触中ではないが、皮膚にやや近いように構成される。一実施形態において、アンテナおよびアイソレータとして機能するアンテナは、バンド(2100)の内側部に位置付けられ、バンド(2100)が着用される時、皮膚から離れているように構成される。実施形態において、誘電材料が、皮膚とアンテナおよびアイソレータとして機能するアンテナの間にある。
【0060】
一実施形態において、第1のアンテナ(2111)および第2のアンテナ(2112)などのアンテナは、外側表面(図示せず)および/または端部の上に配置される。端部および/または外側表面の上に配置されたアンテナは、受信アンテナとして構成され、および、信号注入受信アンテナとして利用される場合がある。端部および/または外側表面の上に配置されたアンテナは、送信アンテナ及びとして構成される場合があり、および、本明細書で説明されるように、分離のために、または、送信アンテナと受信アンテナの間にタッチ/ホバリングを検知するために使用されるフィールドを作るために、使用される場合がある。
【0061】
一実施形態において、送信アンテナと受信アンテナのNxMマトリックスとして機能する変形可能な基板に付けられたアンテナのマトリックスを使用して、基板の形は、これらの送信アンテナと受信アンテナの間の相対的な距離および/または方向付けの関数としてモデル化される場合がある。一実施形態において、圧縮、伸展、またはその他の表面の変形は、アンテナ間の方向付けに変化を起こす。一実施形態において、圧縮、伸展、またはその他の表面の変形は、アンテナ間の距離に変化を起こす。一実施形態において、アンテナ間の距離および/または方向付けは、基板に導入された歪力または他の力により変わる場合がある。
【0062】
図12図13、および図14では、例えば、水平軸に沿った全体的な伸展が、第1のアンテナ(1211)、(1311)、(1411)と第2のアンテナ(1212)、(1312)、(1412)の間の距離および/または方向付けを変化させる。同様に、局部変形(すなわち突出)は、第1のアンテナ(1211)、(1311)、(1411)と第2のアンテナ(1212)、(1312)、(1412)の間の方向付けに変化をもたらす。一実施形態において、局部変形は、アンテナの方向付けに変化を生じさせる。一実施形態において、アンテナ・パターンの配置および基板特性(例えば弾性係数)が既知である(または評価することができる)ところで、様々なアンテナ方向付けにより生成された信号変化は、表面の変形および形をモデル化する測定法のための基礎として役立つことができる。
【0063】
一実施形態において、指関節と手が動く間の皮膚の変形における変化は、手首または手のひら上に着用されたバンドにおいてアンテナ間の相互的な方向づけの変化として感知することができる。一実施形態において、アンテナは積層にすることが可能であり、皮膚に対して、受信アンテナと送信アンテナの変形可能な表面の基準方位を変えながら、皮膚の様々なレベルの変形をモデル化することを可能にし、結果として手と指の運動の特徴づけとなる。
【0064】
図22では、本発明の一実施形態に従ったセンサ構成の、高レベルの概略図が示される。示されているのは、複数の行導体(2211)および複数の列導体(2212)であり、複数の行導体(2211)と複数の列導体(2212)の間にはアンテナ(2213)が点在している。一実施形態において、シールドされる場合がある複数のアンテナ(2213)は、複数の行導体(2211)と複数の列導体(2212)のマトリックスの中に点在する。一実施形態において、シールドされる場合があるアンテナ(2213)の各々は、送信アンテナ、受信アンテナ、または接地として使用されてもよい。一実施形態において、シールドは、それが使用される場合、平面であるか、例えば、図5で示されるように、長方形の分離アンテナによってボックス化される場合がある。一実施形態において、導体のマトリックスの直交する群は、それぞれ受信アンテナおよび送信アンテナとして使用される。一実施形態において、送信する導体は、分離のために使用される場合があり(例えば、注入信号に関して受信アンテナを分離するため)、および幅が異なる場合がある。一実施形態において、導体のマトリックスは、受信導体を1つの軸上に、および、受信と送信の両方の導体を他の軸上に含む。一実施形態において、導体のマトリックスは、それぞれの軸上に、受信導体および送信導体を含む。
【0065】
図23から図25は、一実施形態に従ってセンサを組み込んだバンド(2300)を様々な視点から見せる。一実施形態において、例示されたように、様々な検出領域が存在し得る。例えば、図24において、バンド(2300)の蓋部(2310)は受信または送信アンテナを含む場合がある。図25において、内側部(2320)は、受信または送信アンテナを含む場合がある。一実施形態において、内側部(2320)および蓋部(2310)の両方は、受信または送信アンテナを含む場合がある。一実施形態において、内側部(2320)は、注入送信アンテナを含む場合がある。
【0066】
図26は、アンテナ間の幾何学的な分離を使用する実施形態を例示する。その実施形態において示されるように、(側面図に)アンテナのドームがあり、それらのアンテナは第1のアンテナ(2611)であり、その第1のアンテナは、1以上のアンテナの上で受信アンテナとして機能しており、その1以上のアンテナは、第2のアンテナ(2612)であり、送信アンテナとして機能している。従来の静電容量センサにおいて、マトリックスは、信号を送信する行導体および信号を受信する列導体から形成され、および、「タッチ」はノード(すなわち行導体と列導体が横断するところで)での相互作用から検知される。一実施形態において、第1のアンテナ(2611)と第2のアンテナ(2612)は、受信アンテナおよび送信アンテナとして機能し、および平行に走る。受信アンテナとして機能する複数の第1のアンテナ(2611)は、送信アンテナとして機能する第2のアンテナ(2612)の各々と相互作用する。図26に示される実施形態において、第1のアンテナは、第2のアンテナ(2612)の上でドームを形成する。一実施形態において、第1のアンテナは第2のアンテナを囲む。一実施形態において、第1のアンテナと第2のアンテナは、互いに対してランダムに分配される。
【0067】
図27を参照すると、一実施形態において、第1のアンテナ(2711)および第2のアンテナ(2712)であるアンテナは、受信アンテナおよび送信アンテナとして機能し、および、平行に走る(図27は、第1のアンテナ(2711)と第2のアンテナ(2712)の側面図を示している)。受信アンテナとして機能する複数の第1のアンテナ(2711)は、送信アンテナとして機能する第2のアンテナ(2712)と相互作用する。一実施形態において、第1のアンテナは第2のアンテナを囲む。一実施形態において、第1のアンテナと第2のアンテナは、互いに対してランダムに分配される。
【0068】
一実施形態において、第1のアンテナおよび第2のアンテナなどのアンテナは、受信アンテナとして機能し、および分散したドットを送信する。一実施形態において、1つの分散ドット受信アンテナであるアンテナは、複数のドット送信アンテナであるアンテナと相互作用する。一実施形態において、複数の分散ドット受信アンテナであるアンテナは、1つのドット送信アンテナであるアンテナと相互作用する。一実施形態において、複数の分散ドット受信アンテナであるアンテナは、複数の分散したドット送信アンテナであるアンテナを相互作用する。一実施形態において、ドット受信アンテナであるアンテナは、送信導体であるアンテナと共に使用され;および、一実施形態において、ドット送信アンテナであるアンテナは、受信導体であるアンテナと共に使用される。
【0069】
図28は、送信アンテナ(2812)が配置された手を示す。送信アンテナ(2812)から送信された信号を受信可能である受信アンテナは、どこか他の場所に配置されもよい。一実施形態において、受信アンテナは同じ手に配置される。一実施形態において、受信アンテナは他方の手に配置される。一実施形態において、受信アンテナは身体のどこか他の場所に配置される。一実施形態において、受信アンテナは、身体から離れた場所に配置されてもよい。
【0070】
図29は、送信アンテナ(2912)が配置された手を示す。送信アンテナ(2912)から送信された信号を受信可能である受信アンテナは、どこか他の場所に配置されもよい。一実施形態において、受信アンテナは同じ手に配置される。一実施形態において、受信アンテナは他方の手に配置される。一実施形態において、受信アンテナは身体のどこか他の場所に配置される。一実施形態において、受信アンテナは、身体から離れた場所に配置されてもよい。
【0071】
図30は、手に配置された、第1のアンテナ(3011)と第2のアンテナ(3012)の実施形態を示す。第1のアンテナ(3011)および第2のアンテナ(3012)は、手の様々な位置に配置される。第1のアンテナ(3011)は受信アンテナとして機能する場合があり、および、第2のアンテナ(3012)は送信アンテナとして機能する場合がある。一実施形態において、アンテナの役割は、システムの必要性に応じて変化する(例えば、異なる時間枠において、第1のアンテナ(3011)は、受信アンテナまたは送信アンテナとして機能する)。
【0072】
図31は、受信アンテナ(3111)が配置された手を示す。受信アンテナ(3111)によって受信可能な信号を送信できる送信アンテナは、他のところに配置されてもよい。一実施形態において、送信アンテナは同じ手に配置される。一実施形態において、送信アンテナは他方の手に配置される。一実施形態において、送信アンテナは身体のどこか他の場所に配置される。一実施形態において、送信アンテナは、身体から離れた場所に配置されてもよい。
【0073】
図32は、手に配置された、送信アンテナ(3212)の別の実施形態を示す。送信アンテナ(3212)から送信された信号を受信可能である受信アンテナは、どこか他の場所に配置されもよい。一実施形態において、受信アンテナは同じ手に配置される。一実施形態において、受信アンテナは他方の手に配置される。一実施形態において、受信アンテナは身体のどこか他の場所に配置される。一実施形態において、受信アンテナは、身体から離れた場所に配置されてもよい。
【0074】
図33は、手に配置された、送信アンテナ(3312)の別の実施形態を示す。送信アンテナ(3312)から送信された信号を受信可能である受信アンテナは、どこか他の場所に配置されもよい。一実施形態において、受信アンテナは同じ手に配置される。一実施形態において、受信アンテナは他方の手に配置される。一実施形態において、受信アンテナは身体のどこか他の場所に配置される。一実施形態において、受信アンテナは、身体から離れた場所に配置されてもよい。
【0075】
図34は、バンド(3400)の別の実施形態を示しており、それは、少なくとも1つの送信アンテナ(3412)がある領域、および、少なくとも1つの受信アンテナ(311)がある領域、を有する。一実施形態において、前記領域は、バンド(3400)の他の領域に配置される。
【0076】
図35は、バンド(3500)の別の実施形態を示しており、それは、手のひら領域内に配置された受信アンテナ(3511)がある領域を有する。一実施形態において、前記受信アンテナは、バンド(3500)の他の領域に配置される。
【0077】
図36は、受信アンテナ(3611)が配置された手を示す。受信アンテナ(3611)によって受信可能な信号を送信できる送信アンテナは、他のところに配置されてもよい。一実施形態において、送信アンテナは同じ手に配置される。一実施形態において、送信アンテナは他方の手に配置される。一実施形態において、送信アンテナは身体のどこか他の場所に配置される。一実施形態において、送信アンテナは、身体から離れた場所に配置されてもよい。
【0078】
図37は、手に配置された、送信アンテナ(3712)の別の実施形態を示す。送信アンテナ(3712)から送信された信号を受信可能である受信アンテナは、どこか他の場所に配置されもよい。一実施形態において、受信アンテナは同じ手に配置される。一実施形態において、受信アンテナは他方の手に配置される。一実施形態において、受信アンテナは身体のどこか他の場所に配置される。一実施形態において、受信アンテナは、身体から離れた場所に配置されてもよい。
【0079】
本開示の実施形態は、センサシステムである。センサシステムは、第1のアンテナ上で第1の信号を生成するように適合される第1の信号源であって、生成された第1の信号が被験体にさらに注入される、第1の信号源と;複数の第2のアンテナであって、ここで、前記複数の第2のアンテナの各々は、前記第1の信号源から生成された前記第1の信号を受信するように適合される、複数の第2のアンテナと;タッチ事象を決定するために、前記複数の第2のアンテナの各々で受信された前記第1の信号を測定するように適合される信号プロセッサと、を備え、ここで、前記第1のアンテナは前記複数の第2のアンテナに近接して配置され、ここで、前記第1のアンテナは、前記複数の第2のアンテナの少なくとも2つの間に配置され、前記第1のアンテナは、前記第1のアンテナ上で前記第1の信号を生成する間に、および、前記第1の信号が被験体へさらに注入される時に、被験体によるタッチ事象の干渉を軽減するように適合される。
【0080】
本開示の一実施形態において、前記第1の信号源は前記第1のアンテナに動作可能に接続され、前記第1の信号源は前記第1の信号を被験体に注入するように適合される。本開示の一実施形態において、センサシステムは第3のアンテナをさらに含み、そこで、第3のアンテナは、接地源に動作可能に接続される。本開示の一実施形態において、第1のアンテナは、接地源に動作可能に接続される。本開示の一実施形態において、第1のアンテナは、複数の第2のアンテナの間に延在するストリップとして形成される。本開示の一実施形態において、第1のアンテナは、複数の第2のアンテナの間に延在するL字型として形成される。本開示の一実施形態において、前記第1のアンテナは、前記複数の第2のアンテナの少なくとも1つから前記複数の第2のアンテナの少なくとも他の1つを囲む長方形を形成する。本開示の一実施形態において、前記複数の第2のアンテナの各々はドットアンテナである。本開示の一実施形態において、前記第1のアンテナは複数の第1のアンテナのうちの1つであり、ここで、複数の第1のアンテナの各々は複数の第2のアンテナのうちの少なくとも2つの間に配置される。本開示の実施形態において、各々の複数の第1のアンテナはドットアンテナである。本開示の実施形態において、各々の複数の第1のアンテナは複数の1ペア以上の第2のアンテナの間に位置する。
【0081】
本開示のさらに別の実施形態はセンサシステムである。前記センサシステムは、第1の信号を生成するように適合された第1の信号源と;第1のアンテナであって、ここで、前記第1の信号源によって生成された前記第1の信号は、前記第1のアンテナによって送信される、第1のアンテナと;複数の第2のアンテナであって、ここで、前記複数の第2のアンテナの各々は、前記第1の信号から生成された前記第1の感触器を受信するように適合される、複数の第2のアンテナと;タッチ事象を決定するために、前記複数の第2のアンテナの各々で受信された前記第1の信号を測定するように適合される信号プロセッサ、を備え、前記第1のアンテナは、前記複数の第2のアンテナに近接して配置され、前記第1のアンテナは、前記複数の第2のアンテナの少なくとも2つの間に配置され、前記第1のアンテナは、前記第1の信号源からの前記第1の信号の送信中に、前記複数の第2のアンテナの少なくとも2つのうちの1つにおける、前記複数の第2のアンテナの少なくとも2つのうちのもう1つに対する前記第1の信号の測定の影響を低減するように適合される。
【0082】
本開示の一実施形態において、前記第1の信号源は前記第1のアンテナに動作可能に接続され、ここで、前記第1の信号源は前記第1の信号を被験体に注入するようにさらに適合される。本開示の一実施形態において、センサシステムは第3のアンテナを含み、ここで、第3のアンテナは接地源に動作可能に接続される。本開示の一実施形態において、第1のアンテナは、接地源に動作可能に接続される。本開示の一実施形態において、第1のアンテナは、複数の第2のアンテナの間に延在するストリップとして形成される。本開示の一実施形態において、第1のアンテナは、複数の第2のアンテナの間に延在するL字型として形成される。本開示の一実施形態において、前記第1のアンテナは、前記複数の第2のアンテナの少なくとも1つから前記複数の第2のアンテナの少なくとも他の1つを囲む長方形を形成する。本開示の一実施形態において、複数の第2のアンテナの各々はドットアンテナである。本開示の一実施形態において、第1のアンテナは複数の第1のアンテナのうちの1つであり、ここで、複数の第1のアンテナの各々は、複数の第2のアンテナのうちの少なくとも2つの間に配置される。
【0083】
本開示のさらに別の実施形態もまた、センサシステムであり得る。前記センサシステムは、複数の第1のアンテナと;前記複数の第1のアンテナと共にマトリックスアレイに配置された複数の第2のアンテナと;前記複数の第1のアンテナに動作可能に接続された信号発生器であって、前記信号発生器は複数の信号を生成するように適合され、前記複数の信号は前記複数の第1のアンテナの各々からさらに送信され、ここで、前記複数の第1のアンテナの各々から送信された前記複数の信号の各々は、前記複数の第1のアンテナの各々から送信された互いの信号に対して周波数直交である、信号発生器と;複数の第2のアンテナに動作可能に接続された信号プロセッサであって、前記信号プロセッサは、前記複数の第2のアンテナによって受信される信号を処理するように適合され、ここで、前記複数の第2のアンテナによって受信された信号の処理測定値は、タッチ事象を決定するために使用される、信号プロセッサと、を含む場合がある。
【0084】
本開示の一実施形態において、複数の第1のアンテナはドットアンテナである。一実施形態において、前記システムは、前記複数の第1のアンテナおよび前記複数の第2のアンテナに動作可能に接続されたマルチプレクサを含み、ここで、前記マルチプレクサは、前記複数の第1のアンテナを前記信号プロセッサに動作可能に接続し、前記複数の第2のアンテナを前記信号発生器に動作可能に接続する。一実施形態において、システムは、被験体の中に信号を注入するように適合されるアンテナをさらに含む。一実施形態において、マトリックスアレイは、複数の第1のアンテナの各々の位置が複数の第2のアンテナの各々の位置と交互するように配置される。一実施形態において、マトリックスアレイは変形可能な基板に取り付けられる。一実施形態において、変形可能な基板の変形は、複数の第2のアンテナの少なくとも1つに対して、複数の第1のアンテナの少なくとも1つを移動させる。実施形態において、変形可能な基板には第1の層および第2の層があり、ここで、第1の層は、複数の第1のアンテナのうちの少なくともいくつかを有し、および、第2の層は、複数の第2のアンテナのうちの少なくともいくつかを有する。一実施形態において、変形可能な基板は被験体によって着用されるデバイスの一部である。一実施形態において、デバイスは被験体の手に近接して着用されるように適合される。
【0085】
本開示のさらに別の実施形態はデバイスである。前記デバイスは、複数の第1のアンテナと;前記複数の第1のアンテナに近接して配置された複数の第2のアンテナであって、ここで、前記複数の第2のアンテナおよび前記複数の第1のアンテナは、フレキシブル基板に動作可能に接続される、複数の第2のアンテナと;前記複数の第1のアンテナに動作可能に接続された信号発生器であって、前記信号発生器は複数の信号を生成するように適合され、前記複数の信号は前記複数の第1のアンテナの各々からさらに送信され、ここで、前記複数の第1のアンテナの各々から送信された前記複数の信号の各々は、前記複数の第1のアンテナの各々から送信された互いの信号に対して周波数直交である、信号発生器と;複数の第2のアンテナに動作可能に接続された信号プロセッサであって、前記信号プロセッサは、前記複数の第2のアンテナによって受信される信号を処理するように適合され、ここで、前記複数の第2のアンテナによって受信された信号の処理測定値は、タッチ事象を決定するために使用される、信号プロセッサとを含む。
【0086】
一実施形態において、前記複数の第1のアンテナはドットアンテナである。一実施形態において、システムは、前記複数の第1のアンテナおよび前記複数の第2のアンテナに動作可能に接続されたマルチプレクサをさらに含み、ここで、前記マルチプレクサは、前記複数の第1のアンテナを前記信号プロセッサに動作可能に接続し、前記複数の第2のアンテナを前記信号発生器に動作可能に接続する。一実施形態において、システムは、被験体の中に信号を注入するように適合されるアンテナをさらに含む。一実施形態において、複数の第1のアンテナおよび複数の第2のアンテナは、マトリックスアレイとして配置される。一実施形態において、マトリックスアレイは、複数の第1のアンテナの各々の位置が複数の第2のアンテナの各々の位置と交互するように配置される。一実施形態において、変形可能な基板の変形は、複数の第2のアンテナの少なくとも1つに対して、複数の第1のアンテナの少なくとも1つを移動させる。一実施形態において、変形可能な基板には第1の層および第2の層があり、ここで、第1の層は、複数の第1のアンテナのうちの少なくともいくつかを有し、および、第2の層は、複数の第2のアンテナのうちの少なくともいくつかを有する。一実施形態において、変形可能な基板は、被験体によって着用されるバンドの部分を形成する。一実施形態において、バンドは被験体の手に近接して着用されるように適合される。
【0087】
具体例が添付図面に関して完全に説明されたが、様々な変更および改良が当業者に明白になるであろうことに留意されたい。そのような変更および改良は、添付された請求項によって定義されるような様々な具体例の範囲内に含まれているものと理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図10
図11
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