(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】内装変速機のクラッチ駆動装置
(51)【国際特許分類】
B62M 11/16 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
B62M11/16 G
B62M11/16 A
(21)【出願番号】P 2022081468
(22)【出願日】2022-05-18
【審査請求日】2022-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】513286166
【氏名又は名称】介▲隆▼興齒輪股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 仁 熾
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-142541(JP,A)
【文献】特開昭61-189163(JP,A)
【文献】特開2009-106143(JP,A)
【文献】特開2012-086654(JP,A)
【文献】特開2000-053066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 11/16
H02K 33/16
H02K 41/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車軸と、クロースライダーと、レバーと、電気スライダーと、レバースリーブと、電気ブッシングと、コントロールリングと、を備えている内装変速機のクラッチ駆動装置であって、
前記コントロールリングの内周面にはN極またはS極の永久磁石または電磁石が設置され、前記コントロールリングの外部には外力を受けて回転するギアが設置され、
前記レバーが軸方向に変位する駆動は、前記コントロールリングの磁場による吸着力または反発力により前記電気スライダーを押動して回転させ、前記レバーを前進または後退するように軸方向に変位するように連動させ、前記レバーにある前記クロースライダーが変速機のギアクラッチ構造のクラッチの切り換えを制御することを特徴とする内装変速機のクラッチ駆動装置。
【請求項2】
前記車軸には前記レバーを装入するための凹型ガイド溝が設けられ、前記レバーの前端には突出状クロースライダーが設置され、前記レバーの後段にはラックが設けられ、前記レバーの後段は前記レバースリーブに設けられている溝部中に貫入され、前記溝部と前記レバースリーブの外部との間は貫通して相互に連通している組み立て口であり、前記組み立て口中には前記レバーの後段の前記ラックに噛合されている前記電気スライダーが設置されていることを特徴とする請求項1に記載の内装変速機のクラッチ駆動装置。
【請求項3】
前記電気スライダーには前記レバーの後段のラックに噛合されている歯面が設けられ、且つ前記電気スライダーにはN極またはS極の永久磁石が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の内装変速機のクラッチ駆動装置。
【請求項4】
前記レバースリーブの外部には前記電気ブッシングが設置され、前記レバースリーブは位置決めするように回転する前記コントロールリング中に覆設されていることを特徴とする請求項1に記載の内装変速機のクラッチ駆動装置。
【請求項5】
車軸と、クロースライダーと、レバーと、電気スライダーと、レバースリーブと、電気ブッシングと、コントロールリングと、を備えている内装変速機のクラッチ駆動装置であって、
前記コントロールリングの内周面にはN極またはS極の永久磁石または電磁石が設置され、前記コントロールリングの外部には外力を受けて回転するギアが設置され、
前記レバーが軸方向に変位する駆動は、前記コントロールリングの磁場による吸着力または反発力により前記電気スライダーを横移動するように押動して前記レバーが前進または後退するように軸方向に変位するように連動させ、前記レバーにある前記クロースライダーが変速機のギアクラッチ構造のクラッチの切り換えを制御することを特徴とする内装変速機のクラッチ駆動装置。
【請求項6】
前記車軸には前記レバーを装入するための凹型ガイド溝が設けられ、前記レバーの前端には突出状クロースライダーが設置され、前記レバーの後段は前記レバースリーブに設けられている溝部中に貫入され、前記溝部と前記レバースリーブの外部との間は貫通して相互に連通している組み立て口であり、前記組み立て口中には前記レバーの後段の棒体に固定されている前記電気スライダーが設置されていることを特徴とする請求項
5に記載の内装変速機のクラッチ駆動装置。
【請求項7】
前記電気スライダーにはN極またはS極の永久磁石が設置されていることを特徴とする請求項
5に記載の内装変速機のクラッチ駆動装置。
【請求項8】
前記レバースリーブの外部には前記電気ブッシングが設置され、前記レバースリーブは位置決めするように回転する前記コントロールリング中に覆設されていることを特徴とする請求項
5に記載の内装変速機のクラッチ駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の内装変速機のシフトレバーによるクラッチ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自転車の変速機は、伝統的な外部露出型変速機と、ハブ中に内蔵する構成の内装変速機とに分けられる。変速機の変速操作方式には、手動操作の方式と電動操作の方式とがある。
【0003】
関連技術の開発では、産業上の実際の利用性及び経済効果に見合う理想的な技術製品を研究開発するために、産業界では変速機の電動制御に対し大量に投資を投入している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は変速の電動制御作用を備えているが、創作思想及び技術思想の違いによる方向性の相違及び制限があり、関連技術の研究開発では構造が複雑になり、部材が多く、コストが高く、体積及び重量が簡略にならず、産業上の利用性及び経済効果が理想的とは言えない。
【0005】
そこで、更に精力的に研究開発を進め、構造を簡単にし、部材を少なくし、コストを低くし、体積及び重量を簡略化し、且つ産業上の利用性及び経済効果が優れた技術を創造することが、関連業界が突破を目指す技術開発の目標となっている。
【0006】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、内装変速機のクラッチ駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様の内装変速機のクラッチ駆動装置は、主に車軸と、クロースライダーと、レバーと、電気スライダーと、レバースリーブと、電気ブッシングと、コントロールリングと、を備え、前記レバーが軸方向に変位する駆動は、前記コントロールリングの磁場による吸着力または反発力により前記電気スライダーを回転するように押動し、前記レバーを軸方向に変位するように連動させ、前記レバーにある前記クロースライダーが変速機のギアクラッチ構造のクラッチの切り換えを制御する。前記車軸には前記レバーを装入するための凹型ガイド溝が設けられ、前記レバーの前端には突出状クロースライダーが設置され、前記レバーの後段にはラックが設けられ、前記レバーの後段は前記レバースリーブに設けられている溝部中に貫入され、前記溝部と前記レバースリーブの外部との間は貫通して相互に連通している組み立て口であり、前記組み立て口中には前記レバーの後段の前記ラックに噛合されている前記電気スライダーが設置される。前記電気スライダーには前記レバーの後段のラックに噛合されている歯面が設けられ、且つ前記電気スライダーにはN極またはS極の永久磁石が設置される。前記レバースリーブの外部には前記電気ブッシングが設置され、前記レバースリーブは位置決めするように回転する前記コントロールリング中に覆設されている。前記コントロールリングの内周面には永久磁石または電磁石が設置され、前記コントロールリングの外部には外力を受けて回転するギアが設置されている。前記レバーが軸方向に変位する駆動は、前記コントロールリングの磁場による吸着力または反発力により前記電気スライダーを横移動するように押動して前記レバーが軸方向に変位するように連動させ、前記レバーにある前記クロースライダーが変速機のクラッチ構造のクラッチの切り換えを制御する。前記車軸には前記レバーを装入するための凹型ガイド溝が設けられ、前記レバーの前端には突出状クロースライダーが設置され、前記レバーの後段にはN極またはS極の永久磁石の前記電気スライダーが設置され、前記レバーの後段は前記レバースリーブに設けられている溝部中に貫入され、前記レバーの後段の前記電気スライダーは溝部とレバースリーブの外部との間に貫通して相互に連通している組み立て口中に位置している。レバースリーブの外部には電気ブッシングが設置され、前記レバースリーブは位置決めするように回転する前記コントロールリング中に覆設されている。コントロールリングの内周面には永久磁石または電磁石が設置され、コントロールリングの外部には外力を受けて回転するギアが設置されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の内装変速機による変速クラッチの駆動装置について下述する。
(1)構造が簡略で、部材が少なく、コストが低く、体積が小さく、且つ実用性が高い内装変速機による変速クラッチの駆動装置である。
(2)安全で、実用的で、高い産業上の利用性及び経済効果を有している内装変速機による変速クラッチの駆動装置である。
【0009】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施例に係る内装変速機のクラッチの駆動装置の組み立ての概略構成を示す分解斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施例に係る内装変速機のクラッチの駆動装置の組み立てた後を示す断面図である。
【
図3】本発明の第1実施例のレバーが後方に変位する前の動作を示す概略図である。
【
図4】本発明の第1実施例のレバーが前方に変位する前の動作を示す概略図である。
【
図5】本発明の第2実施例のレバーが後方に変位する前の動作を示す概略図である。
【
図6】本発明の第2実施例のレバーが前方に変位する前の動作を示す概略図である。
【
図7】本発明の第3実施例のレバーが後方に変位する前の動作を示す概略図である。
【
図8】本発明の第3実施例のレバーが前方に変位する前の動作を示す概略図である。
【
図9】本発明の第4実施例のレバーが後方に変位する前の動作を示す概略図である。
【
図10】本発明の第4実施例のレバーが前方に変位する前の動作を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例による内装変速機のクラッチ駆動装置を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施例において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0012】
図1から
図4には本発明の内装変速機のクラッチ駆動装置の第1実施例を示し、
図5及び
図6には本発明の第2実施例を示し、
図7及び
図8には本発明の第3実施例を示し、
図9及び
図10には本発明の第4実施例を示す。図には4種類の実施例を示す。
但し全て同じ技術の範囲及び効果に属する運用であり、且つその主な創作構成部材は共に車軸1と、クロースライダー2と、レバー3と、電気スライダー4と、レバースリーブ5と、電気ブッシング6と、コントロールリング7と、を備えている。
レバー3が軸方向に変位する駆動は、コントロールリング7の磁場の吸着力または反発力により電気スライダー4を回転(スイング式)または横移動(直押し式)するように押動し、レバー3を軸方向に変位するように連動し、レバー3にあるクロースライダー2が変速機のクラッチ構造のクラッチの切り換えを制御する。
本発明は、内装変速機による変速クラッチの駆動機構を有する。
【0013】
(第1実施例)
図1から
図4に示すように、第1実施例のスイング式によると、車軸1にはレバー3を装入するための凹型ガイド溝11が設けられ、レバー3の前端には突出状クロースライダー2が設置され、レバー3の後段にはラック31が設けられている。
レバー3の後段はレバースリーブ5に設けられている溝部51中に貫入され、溝部51とレバースリーブ5の外部との間は貫通して相互に連通している組み立て口52であり、組み立て口52中にはレバー3の後段のラック31に噛合されている電気スライダー4が設置されている。
図示するように、電気スライダー4にはレバー3の後段のラック31に噛合されている歯面41が設けられ、且つ電気スライダー4にはN極及びS極の永久磁石が設置されている。
レバースリーブ5の外部には電気ブッシング6が設置され、レバースリーブ5は位置決めするように回転するコントロールリング7中に覆設され、コントロールリング7の内周面にはN極及びS極の永久磁石または電磁石71が設置されている。
コントロールリング7の外部には外力を受けて回転するギア72が設けられ、ギア72が外力を受けて所定の角度回転すると、コントロールリング7が同期で所定の角度回転し、その内周面に設置されているN極またはS極の永久磁石または電磁石71が、電気スライダー4のN極またはS極に対応するように異なる磁極に切り換えられる。
【0014】
図3に示す第1実施例によると、コントロールリング7が所定の角度回転し、その内周面に設置されているS極の永久磁石または電磁石71が電気スライダー4に対応すると、磁場による吸着力または反発力により電気スライダー4が反時計回りに回転し、その歯面41がレバー3のラック31に噛合してレバー3が後退するように軸方向に横移動する。
【0015】
図4に示す第1実施例によると、コントロールリング7が再度所定の角度回転し、その内周面に設置されているN極の永久磁石または電磁石71が電気スライダー4に対応すると、磁場による吸着力または反発力により電気スライダー4が時計回りに回転し、その歯面41がレバー3のラック31に噛合してレバー3が前進するように軸方向に横移動する。
【0016】
(第2実施例)
また、
図5及び
図6に示すように、第2実施例の直押し式単極型制御リング及び双極型電気可変スライダーによると、レバー3が軸方向に変位する駆動は、コントロールリング7の磁場による吸着力または反発力により電気スライダー4を横移動するように押動してレバー3が軸方向に変位するように連動させ、レバー3にあるクロースライダーが変速機のクラッチ構造のクラッチの切り換えを制御することを達成する。
【0017】
図5に示すように、第2実施例では、第2実施例の直押し式は第1実施例と同様に車軸1にレバー3を装入するための凹型ガイド溝11が設けられ、レバー3の前端には突出状クロースライダー2が設置され、レバー3の後段はレバースリーブ5に設けられている溝部51中に貫入され、溝部51とレバースリーブ5の外部との間は貫通して相互に連通している組み立て口52である。第2実施例の第1実施例との相違点について、組み立て口52中にレバー3の後段の棒体に固定されている電気スライダー4が設置されている点のみである。コントロールリング7が所定の角度回転し、その内周面に設置されているS極の永久磁石または電磁石71が電気スライダー4に対応すると、磁場による吸着力または反発力により電気スライダー4が後方に向けて横移動し、レバー3が後退するように軸方向に横移動する。
【0018】
図6に示す第2実施例によると、コントロールリング7が再度所定の角度回転し、その内周面に設置されているN極の永久磁石または電磁石71が電気スライダー4に対応すると、磁場による吸着力または反発力により電気スライダー4が前方に向けて横移動し、レバー3が前進するように軸方向に横移動する。
【0019】
第2実施例の他の基本的構成は、第1実施例と同様である。
【0020】
(第3実施例)
図7及び
図8に示す第3実施例の直押し式双極型コントロールリング及び単極型電気スライダーによると、コントロールリング7が所定の角度回転し、その内周面に設置されているN極またはS極の永久磁石または電磁石71が電気スライダー4に対応すると、磁場による吸着力または反発力により電気スライダー4が前方または後方に向けて横移動し、レバー3が前進または後退するように軸方向に横移動する。
【0021】
第3実施例の他の基本的構成は、第1実施例と同様である。
【0022】
(第4実施例)
図9及び
図10に示す第4実施例の直押し式双極型コントロールリング及び双極型電気スライダーでは、コントロールリング7が所定の角度回転し、その内周面に設置されているN極またはS極の永久磁石または電磁石71が電気スライダー4に対応すると、磁場による吸着力または反発力により電気スライダー4が前方または後方に向けて横移動し、レバー3が前進または後退するように軸方向に横移動する。
【0023】
第4実施例の他の基本的構成は、第1実施例と同様である。
【0024】
このように、本発明の第1実施例から第4実施例に係るレバー3の軸方向に変位する駆動は、全てコントロールリング7の磁場による吸着力または反発力により電気スライダー4を回転(スイング式)または横移動(直押し式)するように押動し、レバー3を前進または後退するように軸方向に変位するように連動させ、レバー3にあるクロースライダー2が変速機のクラッチ構造のクラッチの切り換えを制御することを達成する。
【0025】
上述の本発明を総合すると、確実且つ効果的に以下の実用的な効果を発生させている。
(1)構造が簡略であり、部材が少なく、コストが低く、体積が小さく、且つ実用性に優れている内装変速機による変速クラッチの駆動装置である。
(2)安全であり、実用的であり、且つ産業上の利用性及び経済効果が高い内装変速機による変速クラッチの駆動装置である。
【0026】
以上、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 車軸
11 凹型ガイド溝
2 クロースライダー
3 レバー
31 ラック
4 電気スライダー
41 歯面
5 レバースリーブ
51 溝部
52 組み立て口
6 電気ブッシング
7 コントロールリング
71 永久磁石または電磁石
72 ギア
【要約】
【課題】内装変速機のクラッチ駆動装置を提供する。
【解決手段】自転車の内装変速機のドライブシフトレバーは軸方向に変位させ、内装変速機のクラッチ駆動装置を実施し、主に車軸と、クロースライダーと、レバーと、電気スライダーと、レバースリーブと、電気ブッシングと、コントロールリングと、を備えている。レバーが軸方向に変位して内装変速機のクラッチ駆動装置は、コントロールリングの磁石の磁場による吸着力または反発力により電気スライダーを押動して回転または横移動させてレバーを軸方向に変位するように連動させ、レバーにあるクロースライダーが変速機のギアクラッチ構造のクラッチの切り換えを制御する。
【選択図】
図2