(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】鎖骨固定装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/80 20060101AFI20231019BHJP
A61B 17/86 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
A61B17/80
A61B17/86
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018042740
(22)【出願日】2018-03-09
【審査請求日】2021-01-14
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-13
(32)【優先日】2017-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ピーター,コベイ
(72)【発明者】
【氏名】ステファニー,ウルフ
(72)【発明者】
【氏名】アンドルー,デーヴィソン
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】佐々木 正章
【審判官】村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0310185(US,A1)
【文献】特開2007-289698(JP,A)
【文献】中国実用新案第202821575(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0059424(US,A1)
【文献】特表2008-531078(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0073486(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/80 17/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鎖骨固定装置であって、
上側表面と、下側表面と、第1の側面と、第2の側面とを有し、第1の端部と第2の端部との間に延び、中央部分と、前記中央部分と前記第1の端部との間の第1の端部部分と、前記中央部分と前記第2の端部との間の第2の端部部分と、を画定する細長いプレートを備え、前記細長いプレートが、複数の離間されたねじ孔を画定し、
少なくとも1対のレリーフカットが前記細長いプレート内に延び、第1のレリーフカットが前記第1の側面の中へ延び、第2のレリーフカットが前記第2の側面の中へ延び、前記少なくとも1対のレリーフカットが、前記離間された1対のねじ孔の間に位置付けされ、
少なくとも1対の縫合孔が前記細長いプレート
の側面に位置付けされ、互いに離間され、縫合孔の対のうちの一方が前記第1の側面に沿って位置付けされ、縫合孔の対のうちの他方が前記第2の側面に沿って位置付けされ、
前記縫合孔のそれぞれは、前記細長いプレートの側面側に辺があり前記細長いプレートの中央側に頂点のある丸みを帯びた三角形の形状であり、前記少なくとも1対の縫合孔が、前記離間された1対の隣接したねじ孔の間に位置付けされ、
前記下側表面は、前記第1の側面から前記第2の側面まで凹形に湾曲している、鎖骨固定装置。
【請求項2】
前記細長いプレートの
前記下側表面のアンダーカットが、各々の縫合孔と整列している、請求項1に記載の鎖骨固定装置。
【請求項3】
前記アンダーカットの少なくとも一部が、対応する縫合孔の幅よりも大きい幅を有する、請求項2に記載の鎖骨固定装置。
【請求項4】
少なくとも1対のレリーフカットが、1対の縫合孔
に隣接して
形成されて、前記細長いプレートの
両方の側面に、前記レリーフカットおよび前記縫合孔から結合孔
が構成される、請求項1に記載の鎖骨固定装置。
【請求項5】
対の複数の結合孔が、前記細長いプレートに沿って画定される、請求項
4に記載の鎖骨固定装置。
【請求項6】
前記細長いプレートが、鎖骨の前方または上方面の輪郭を補完する初期輪郭を有する、請求項1に記載の鎖骨固定装置。
【請求項7】
前記細長いプレートが、初期の曲がっていない平坦な輪郭を有する、請求項1に記載の鎖骨固定装置。
【請求項8】
前記第2の端部部分が、前記中央部分から前記第2の端部へ狭く変化する、請求項1に記載の鎖骨固定装置。
【請求項9】
前記第1の端部部分が、少なくとも2つの異なる角度で狭くなり、前記中央部分により近い第1の副部分が、前記第1の端部により近い第2の副部分よりも急な角度で狭くなる、請求項1に記載の鎖骨固定装置。
【請求項10】
前記端部部分の各々が、前記中央部分に隣接する最大厚さから前記それぞれの端部に隣接する減少した厚さへと先細になる、請求項1に記載の鎖骨固定装置。
【請求項11】
前記細長いプレートが、
上側表面及び
下側表面を画定し、少なくとも前記
下側表面が、丸みを帯びた形状を有する、請求項1に記載の鎖骨固定装置。
【請求項12】
少なくとも1つの細長いアンダーカットが、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる前記
下側表面に沿って
形成され、前記細長いアンダーカット
の半径が、前記
下側表面の
半径よりも小さ
い、請求項11に記載の鎖骨固定装置。
【請求項13】
少なくとも2つの細長いアンダーカットが、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる前記
下側表面に沿って
形成され、各々の細長いアンダーカット
の半径が、前記
下側表面の
半径よりも小さ
い、請求項11に記載の鎖骨固定装置。
【請求項14】
前記ねじ孔が、多軸孔及び動的圧迫締結溝を含む、請求項1に記載の鎖骨固定装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2017年9月29日に出願された米国特許出願第15/719、633号の一部継続出願であり、2017年3月10日に出願された米国仮出願第62/469、813号の優先権を主張し、それらの各々は、すべての目的のためにその全体が本明細書に援用される。
[技術分野]
【0002】
本開示は、概して、外科用装置及び方法に関する。より詳細には、本開示は、鎖骨などの骨折、非合併症、及び靱帯損傷を固定するように設計された外傷プレート、締結具、髄内釘、システム、及び方法に関する。
[背景技術]
【0003】
鎖骨または襟骨は、体内で最も一般的に壊れる骨の1つである。一部の鎖骨骨折は非手術管理で治癒するが、より最近の研究では、特定の骨折パターン及び部位の場合、すべての鎖骨骨折が同じように振る舞うわけではないことが分かった。
【0004】
変位中軸鎖骨骨折の術中処置を支持する根拠はあるものの、中1/3骨折の治療の焦点は非手術のままである。変位した遠位1/3骨折の偽関節の発生率は高く、現在の推奨は、これらの外傷を外科的に修正することである。
【0005】
例えば、以下のような怪我をした患者は、しばしば術中介入とみなされる:完全な破壊変位、穿刺の危険を伴う皮膚の張りを引き起こす重度の変位、有意な短縮を伴う骨折、変位された横断方向のZ状断片を有する粉砕骨折、神経血管傷害を伴う骨折、リスクのある縦隔構造を伴う変位内側鎖骨状骨折、複数の骨折を伴う多発外傷、開放骨折、閉鎖処置に耐えられない患者の骨折、介在筋を有する骨折、確立型症候性偽関節または付随関節窩頸部骨折。
【0006】
代替的に、変位中軸鎖骨骨折の手術処置を支持する根拠が得られ、これらの傷害に対する手術修復が非手術処置よりも良好な結果をもたらすことが判明した。いくつかの研究では、骨結合の成功率、機能的転帰、患者が日常活動を再開するのに必要な時間、及び全般的患者満足度に関する結果は、手術群では非手術の患者よりも優れていた。外科手術群では外傷後の鎖骨短縮も有意に少なかった。
【0007】
手術修復の増加した検討により、改良された鎖骨固定システムが望まれている。
[発明の概要]
【0008】
鎖骨プレート、髄内鎖骨釘、システム、及び処置方法が提供される。システム及び装置は鎖骨の固定に特に好適である。鎖骨に関して一般的に説明されているが、システム及び装置は、任意の長骨、短骨、扁平骨などと共に使用するように適合されてもよいことは理解されよう。
【0009】
少なくとも1つの実施形態では、本開示は、第1の端部と第2の端部との間に延び、中央部分と、中央部分と第1の端部との間の第1の端部部分と、中央部分と前記第2の端部との間の第2の端部部分と、を画定する細長いプレートを備える鎖骨固定装置を提供する。細長いプレートは、複数の離間されたねじ孔を画定する。少なくとも1対のレリーフカットが、その反対側上で細長いプレート内に延び、1対の離間されたねじ孔の間に軸方向に位置付けされる。少なくとも1対の縫合孔が、その反対側に沿って細長いプレート内に延び、1対の離間したねじ孔の間に軸方向に位置付けされる。
【0010】
少なくとも1つの実施形態では、本開示は、鎖骨固定装置が、第1の端部と第2の端部との間に延びる細長いプレートを含み、細長いプレートは、複数の離間されたねじ孔を画定する。少なくとも1対のレリーフカットが、その反対側で細長いプレート内に延び、少なくとも1対のレリーフカットが、離間された1対のねじ孔と、細長いプレートの反対側に沿う少なくとも1対の縫合孔との間に軸方向に位置付けされ、少なくとも1対の縫合孔が、離間された1対のねじ孔の間に軸方向に位置付けされる。少なくとも1対のレリーフカットが、1対の縫合孔と軸方向に整列して、細長いプレートの反対側に結合孔を画定する。
【0011】
少なくとも1つの実施形態では、本開示は、第1の端部と第2の端部との間に延びる細長いプレートを備える鎖骨固定装置を作製する方法を提供し、細長いプレートが、複数の離間されたねじ孔を画定し、少なくとも1対のレリーフカットが、その反対側の細長いプレート内に延び、少なくとも1対のレリーフカットが、離間された1対のねじ孔と、細長いプレートの反対側に沿った少なくとも1対の縫合孔との間に軸方向に位置付けされ、少なくとも1対の縫合孔が、離間された1対のねじ孔の間に軸方向に位置付けされ、少なくとも1対のレリーフカットが、1対の縫合孔と軸方向に整列して、細長いプレートの反対側に結合孔を画定する。本方法は、細長いプレートが、鎖骨の前方または上方面の輪郭を補完する輪郭を有するように、細長いプレートを、前方/後方方向及び/または後側/頭側方向に少なくとも1つの結合孔対で曲げるステップを含む。
【0012】
様々な形状及びサイズの骨プレートならびに/または髄内釘、骨アンカー、締結具、挿入ツール、ならびにそれを取り付けるための他の構成要素を含む処置及びキットの方法もまた提供される。
[図面の簡単な説明]
【0013】
本開示のさらなる理解を提供するために含まれる添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本開示の態様を説明し、詳細な説明と共に、本開示の原理を説明する役割を果たす。本開示の基本的な理解及びそれが実行され得る様々な方法のために必要である場合よりも、本開示の構造的詳細をより詳細に示す試みはなされていない。
【0014】
[
図1A及び1B]本開示の実施形態による前方固定プレートの斜視図であり、各々が鎖骨に沿って位置付けされて示されている。
[
図2A~2D]異なる輪郭を示す、本開示の実施形態による前方固定プレートの側面図である。
[
図3A及び3B]それぞれ、
図1A及び
図1Bの前方固定プレートの上面図である。
[
図4A及び4B]それぞれ、
図1A及び
図1Bの前方固定プレートの正面図である。
[
図5A及び5B]本開示の実施形態による前方固定プレートの端部の平面図である。
[
図6]本開示の一実施形態による前方固定プレートの端部先端の斜視図である。
[
図7]本開示の一実施形態による前方固定プレートの丸みを帯びた上部及び下側を示す斜視図である。
[
図8]本開示の一実施形態による前方固定プレートの中央部分の下側の斜視図である。
[
図9]
図8の前方固定プレートの端部部分の下側の斜視図である。
[
図10]本開示の一実施形態による固定プレートの断面外形を示す上面斜視図である。
[
図11]
図10の断面外形の下側を示す下面斜視図である。
[
図12]その側面レリーフカットを示す本開示の一実施形態による前方固定プレートの一部分の側面斜視図である。
[
図13]
図12の側面レリーフカットを示す平面図である。
[
図14A及び14B]それぞれ、
図1A及び
図1Bの前方側方固定プレートの斜視図である。
[
図15A]本開示の一実施形態による前方中軸固定プレートの斜視図である。
[
図15B、15C、及び15D]本開示の一実施形態による別の前方中軸固定プレートのそれぞれ、上面図、側面図、及び斜視図である。
[
図16]本開示の一実施形態による前方固定プレートの中央部の平面図である。
[
図17]
図16の前方固定プレートの側面斜視図である。
[
図18]本発明の一実施形態による前方固定プレートの一部の断面図であり、その動的圧迫締結溝を通って延びるねじを示している。
[
図19]その多軸孔を通って延びるねじを示す本発明の一実施形態による前方固定プレートの一部の断面図である。
[
図20A、20B、及び20C]各々が鎖骨に沿って位置付けされた、本開示の実施形態による上方固定プレートの斜視図である。
[
図21A及び21B]異なる輪郭を示す、本開示の実施形態による上方固定プレートの上面図及び側面図である。
[
図21C、21D、及び21E]追加の輪郭を示す、本開示の実施形態による上方固定プレートの上面図である。
[
図21F]異なる輪郭を示す、本開示の一実施形態による上方固定プレートの側面図及び斜視図である。
[
図22]
図20の上方固定プレートの斜視図である。
[
図23]本開示の一実施形態による別の上方固定プレートの斜視図である。
[
図24A、24B、及び24C]本開示の一実施形態による別の上方固定プレートの斜視図、上面図、及び下面斜視図である。
[
図25A、25B、26A、及び26B]その多軸孔を貫通する複数のねじを示す本開示の実施形態による上方固定プレートの端部部分の上面斜視図及び側面斜視図である。
[
図27A、27B、28A、及び28B]kワイヤ/縫合孔を示す本開示の実施形態による上方固定プレートの端部の一部の上面図及び下面斜視図である。
[
図29及び30]鎖骨及び肩鎖関節を透過的に示す、
図30の鎖骨及び肩鎖関節に対して位置付けされた本開示の一実施形態によるフックプレートの正面斜視図である。
[
図31A及び32A]
図29のフックプレートの上面斜視図であり、
図32Aは鎖骨及び肩鎖関節を透過的に示しており、また、
図31B及び
図32Bは、本開示の別の実施形態によるフックプレートを示す
図31A及び
図32Aと同様の上面斜視図である。
[
図33A、33B、及び33C]
図31B及び
図32Bのフックプレートの斜視図、上面図、及び側面図である。
[
図34A及び34B]本開示の実施形態によるフックプレートのフック部分の斜視図である。
[
図35]本発明の一実施形態による直線固定プレートの斜視図である。
[
図36]
図35の直線固定プレートの上面図である。
[
図37]
図35の直線固定プレートの側面図である。
[
図38]
図35の直線固定プレートの一部分の下面斜視図である。
[
図39]
図35の直線固定プレートの拡大上面図である。
[
図40A、40B、40C、40D、及び40E]鎖骨共通骨折領域の位置と、本開示の実施形態によるプレートのそれに対する位置決めを示している。
[
図41]本発明の一実施形態による髄内鎖骨釘の側面図である。
[
図42]
図41の髄内鎖骨釘の先端部分の左側面斜視図である。
[
図43]
図41の髄内鎖骨釘の先端部分の右側斜視図である。
[
図44]
図41の髄内鎖骨釘の先端部分の下面斜視図である。
[
図45]鎖骨の骨髄内に位置付けされた
図41の髄内鎖骨釘の側面図である。
[発明を実施するための形態]
【0015】
本開示の態様及びその様々な特徴及びその有利な詳細は、添付の図面に記載及び/または図示され、以下の説明において詳述される非限定的な態様及び実施例を参照してより完全に説明される。図面に示された特徴は必ずしも正確な縮尺で描かれておらず、一態様の特徴は、本明細書に明示的に述べられていなくても当業者が認識するであろう他の態様と共に用いられ得ることに留意されたい。周知の構成要素及び処置技術の説明は、本開示の態様を不必要に不明瞭にしないように省略されてもよい。本明細書で使用される例は、単に本開示が実施され得る方法の理解を容易にし、さらに当業者が本開示の態様を実施することを可能にすることを意図している。したがって、本明細書の実施例及び態様は、添付の特許請求の範囲及び適用法によってのみ定義される本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。さらに、同様の参照番号は、図面のいくつかの図を通じて類似の部分を表すことに留意されたい。
【0016】
整形外科用骨プレート、髄内釘、システム、及び処置方法が提供される。骨プレート及び釘は、鎖骨の修復に有用であり得る。鎖骨の処置を参照してさらに説明するが、システム及び装置は、大腿骨、脛骨、上腕骨、腓骨、尺骨、橈骨、足の骨、手の骨、または同様のものを含むがこれらに限定されない任意の骨と共に使用するように適合されてもよいことが理解されよう。
【0017】
図1~
図19を参照すると、本開示の様々な実施形態による前方固定プレート100a~100dについて説明する。
図1a、
図1b、
図3a、
図3b、
図4a、及び
図4bは、鎖骨10の前面に沿って位置付けされた前方固定プレート100a、100bを示す。各々の前方固定プレート100a、100bは、外面105と内側の骨接触面107とを有する対向端部101、103の間に延びる細長い本体102を含む。
【0018】
図2A~
図2Dを参照すると、前方プレート100a、100a’、100b、100b’は、前方鎖骨の湾曲した解剖学的構造に沿って嵌合するように解剖学的に輪郭が描かれている。前方プレート100a、100a’、100b、100b’は、左側及び右側の鎖骨のために交換可能である。骨の湾曲が個体間で変化するので、前部プレート100a、100a’、100b、100b’は複数の輪郭で提供され、例示的な輪郭は
図2A~
図2Dに示されている。各々のプレート100a、100a’、100b、100b’は、端部部分106、108の間に延びる中央部分104を含む。先ず、
図2A及び
図2Bを参照すると、プレート100a、100a’の輪郭は、中央部分104に対する各々の端部部分106、108の角度α、βならびに各々の端部部分106、108の曲率R
1、R
2、R
3、R
4によって画定される。プレート100aの角度αは、例えば、約20~30°、約20~25°、約23~25°、または約24°の範囲であり得る。プレート100’の角度βは、例えば、約30~40°、約30~35°、約33~35°、または約34°の範囲であり得る。半径R
1は、例えば、約100~200mm、約120~160mm、または約140mmの範囲であり得る。半径R
2は、例えば、約10~100mm、約60~100mm、または約80mmの範囲であり得る。半径R
3は、例えば、約50~150mm、約90~130mm、または約110mmの範囲であり得る。半径R
4は、例えば、約10~100mm、約30~70mm、または約50mmの範囲であり得る。図示した実施形態では、プレート100の角度α(例えば24°)はプレート100’の角度β(例えば34°)より小さく、半径R
1、R
2(例えば140mm、80mm)は、半径R
3、R
4(例えば、110mm、50mm)より大きい。図示の構成では、
図2Aのプレート100aは浅い構成を有すると言われ、
図2Bのプレート100a’は深い構成を有すると言われる。
図2C及び
図2Dを参照すると、プレート100b、100b’は、より長い弓状の長さにわたって延びる端部106、108を有するより長い長さを有する。各々の弓状長さは、それぞれの楕円の弧によって定義される。前の実施形態と同様に、プレート100b、100b’は、プレート100bのように浅い構成またはプレート100b’のような深い構成を達成するために、様々な半径を有することができる。プレート100a、100a’、100b、100b’は、様々な角度及び半径または楕円形の寸法を有してもよく、例示的な例に限定されない。骨の輪郭に密接に合致する輪郭付けされたプレート100a、100a’、100b、100b’を選択することにより、軟部組織の下でのプレートの隆起及び刺激が最小限に抑えられる。
【0019】
図3A~
図6を参照すると、前方固定プレート100a、100bは、幅及び断面の両方の厚さでさらに輪郭を描かれている。図示の実施形態では、プレート100a、100bは、中央部分104において最大の断面厚さT
1を有し、次いで、各々の端部部分106、108において、より小さい断面厚さT
2、T
3に向かって先細になる。端部部分106、108の厚さT
2、T
3は、互いに同じでもよく、または異なっていてもよい。
図5A、
図5B、及び
図6に示すように、プレート100a、100bは、最後の孔を越えてプレート端101、103に追加のテーパ部109を含むことができる。追加のテーパ部109は、最小侵襲処置のためのプレートの筋肉内挿入を補助する。
【0020】
プレート100a、100bはまた、中央部分104において最大の幅W
1を有し、次いで、各端部部分106、108においてより小さい幅W
2、W
3に狭まる。端部部分106、108の幅W
2、W
3は、互いに同じであってもよく、または異なっていてもよい。
図5Aを参照すると、プレート100aにおいて、端部部分108は異なる比率で狭くなり、中央部104に最も近い部分108aは、端部103に向かう部分108bよりも急峻に狭くなる。
図5Bを参照すると、プレート100bでは、端部部分108が一定の比率で狭くなっている。
【0021】
プレート100a、100bの厚さ及び幅は、プレート100a、100bが共通の鎖骨骨領域に最適に広がるように選択される。最も一般的な骨折領域を特定するために、鎖骨骨折の画像調査研究が用いられる。例えば、
図40A、
図40B、及び
図40Dを参照すると、画像研究は、共通の骨折領域12が骨10の長さの約42%の場所に生じることを示すことができる。したがって、プレート100は、プレート100が骨10に取り付けられたときに、骨10の長さの約42%の領域を中央部分104が覆うように構成される。また、
図40C及び
図40Eは、研究が、骨10に沿った異なる位置、すなわち骨の長さの35%及び骨の長さの50%それぞれに共通の骨折領域12を示す例を示す。したがって、プレート100は、骨10の長さの約35%の領域、またはプレート100が骨10に取り付けられたときの骨の長さの50%の領域に、中央部分104が覆うように構成される。各々のプレート部分104、106、108の長さ、厚さ、及び幅は、最適なスパンが、破壊領域の範囲に適した距離に対してより厚い断面積及びより大きな慣性モーメントを含むように選択される。強度があまり重要ではない最適スパンのいずれかの端部において、プレート100は幅が狭くなり、厚さがより小さくなる。この狭くて先細になることにより、プレート100は小外形となり、柔組織の下で隆起及び刺激を最小にすることが可能になる。
【0022】
図7~
図11に示すように、プレート100a、100bはまた、丸みを帯びた外面105及び丸みを帯びた内面107を含むことができる。丸みを帯びた面105、107は、プレートの隆起を最小限に抑えるのを助ける。内面107は、プレート100の長さを掃引する円筒形または楕円形のアンダーカット112、114をさらに含むことができる。アンダーカット112、114は、プレート100a、100bの鎖骨骨10に対する接触面を減少させる。これにより、骨膜の損傷を軽減し、血液供給を維持し、骨壊死を軽減し、骨折の統合を早めることができる。
【0023】
図10及び
図11を参照すると、例示的なアンダーカットパターンが示されている。プレート内面107は、半径R
Aの曲率を有し、骨接触面を画定する。半径R
Aは、鎖骨の骨面の半径に類似している。アンダーカット112、114の各々は、プレート100の長さに延び、半径R
B、R
Cをそれぞれ有する。半径R
B、R
Cは、同じであってもよく、または互いに異なっていてもよい。アンダーカット112、114の半径R
B、R
Cは、プレート/骨接触面R
Aを含む半径よりも小さい。アンダーカット112、114は、骨面とプレートの接触を減少させながら、断面の強度を最小限にしか減少させない。2つのアンダーカットが図示されているが、より多くまたはより少ないアンダーカット(円形または楕円形)が利用されてもよい。
【0024】
図12及び
図13を参照すると、側面レリーフカット116は、プレート100a、100bの本体102の側面に沿って延びている。図示の実施形態では、レリーフカット116は、本体102の各々の側面の対向する対に設けられているが、他の構成を利用してもよい。レリーフカット116は、ねじ孔の間に位置付けされ、ねじ孔の間の優先的曲げを可能にするねじ孔間の慣性モーメントを減少させ、ねじ孔の変形を最小にするのを助ける。図示されたレリーフカット116は、ねじれまたは骨折の危険性を最小限に抑えるために、丸みを帯びた、または滑らかな形状を有する。
図1A、
図4A、及び
図14Aに示すように、プレート100aのレリーフカット116は、曲げによる輪郭のカスタマイズが最も望ましいと思われるプレート100aの端部部分106、108の近くに存在するが、他の構成を利用することもできる。例えば、プレート100bにおいては、
図1B、
図4B、及び
図14Bに示すように、レリーフカット116は、プレート100bの中央部部分104及び端部部分106、108の近くに存在する。
【0025】
図14A~
図19を参照すると、プレート100a~100dには、長方形の縫合孔120、円形Kワイヤ孔126、動的圧迫締結(DCP)溝130、及び多軸孔136を含む様々な貫通孔が設けられてもよい。細長い縫合孔120は、プレート本体102の側面縁部に沿って、その内側に位置付けされる。円形のKワイヤ孔126は、
図14Aに示すように、プレート100、100’’の各々の端部101、103に設けられ、他のより多くの中央領域に設けられてもよい。楕円形の縫合孔120及び円形のKワイヤ孔126は、Kワイヤを用いてプレート100、100’’を仮固定するためのKワイヤ孔として使用することができる。付加的に、矩形の縫合孔120を縫合に使用し、アンダーカット122を各々の矩形の縫合孔120と整列させてプレート100a~100dの内面107内に延ばす。アンダーカット122は、対応する縫合孔120の幅よりも広い幅を有する。アンダーカット122は、プレート/骨の界面で干渉することなく、プレート100、100’’の下の縫合糸の自由な通過を可能にする。アンダーカット122は、ねじ孔間の慣性モーメントを減少させ、ねじ孔の優先的曲げを可能にし、ねじ孔の変形を最小にするのに役立つ。これは、プレート輪郭のカスタマイズに役立つ。アンダーカット122はまた、プレート100a~100dの内面107の接触面をさらに減少させる働きをする。アンダーカット122は、レリーフカット116及び縫合孔120と同じ場所に配置することができる。
【0026】
図示の実施形態では、長方形の縫合孔120は、丸い三角形の形状を有し、ねじ孔130、136の間に位置付けされる。この構成では、長方形の縫合孔120は、ねじ孔の間の慣性モーメントを低減し、孔間の優先的曲げを可能にし、ねじ孔の変形を最小にするのを助ける。これは、プレート輪郭のカスタマイズに役立つ。楕円形の縫合孔120は、丸みを帯びた三角形の構成で図示されているが、他の構成、例えば楕円形、円形、楕円形を利用してもよい。
【0027】
細長い縫合孔120はまた、術後軟組織の治癒を助けることができる手術中に損傷した軟組織の再付着及び再位置付けに有用なアンカーポイントとして役立つ縫合糸/針の通過を容易にする。楕円形の縫合孔120はまた、骨断片、特に骨の下側の「バタフライ」断片の縮小及び固定を助け得る縫合技術のための縫合糸/針の通過を容易にする。図示された実施形態では、プレート100a~100dの両側の対向する縫合孔120は、プレートの一方の側から、骨の下側に、反対側の縫合孔まで、潜在的に連続したループのために元の孔に再び横切って、締め込みを可能にする。これらの対向する孔120はまた、プレートの軌道に垂直な拘束を助ける。これは、プレートに向かってフラグメントを減少させる力を加えるための最適な角度である。
【0028】
図16及び
図18を参照すると、各々のDCP溝130は、先細の端部壁132及び中央中立頭部受容領域134を有する長方形の構成を有する。ねじ頭133を先細の端部壁132に接触させると、骨に対するプレート100a~100dの内側-外側運動が生じ、骨折を圧縮することができる。中央中立頭部受容領域134にねじ頭を位置付けすることにより、標準中立配置を達成することもできる。圧縮または中立配置は、典型的には、非固定ねじ131、例えば3.5mmの非固定ねじを使用して達成される。DCP溝130はまた、非固定ねじを使用して、溝の平面内の軸外または斜めのねじ軌道を可能にする。変形可能なねじは、DCP溝130を通る斜めまたは中立のねじ軌道を可能にし、破砕線を横切る断片捕捉または負荷中和に有用である。
【0029】
多軸孔136は、
図18に示すように、共に円錐角形成内に挿入された固定用及び非固定用のねじを受け入れる。多軸孔136は、プレート100の中軸端部101に異なるサイズのねじ、例えば3.5mmねじを受け入れ、プレート100の遠側端部103に2.5mmねじを受け入れるように構成することができる。遠側端部の孔の公称軌跡は、
図19に示すように、ねじを良好な品質の骨へ及び肩甲骨関節の空間から遠ざけるのに役立つ。
【0030】
図14A~
図15Cに示すように、DCP溝130及び多軸孔136は、様々な構成で配置することができる。
図14Aに示された前方側方プレート100aにおいて、DCPス溝130及び多軸孔136は、中央部分104及び端部部分106において交互に配置され、一方、端部部分108は、連続多軸孔136を含む。
図14Bに示す前方側方プレート100bは、端部部分108が連続する多軸孔136を含むが、端部部分108は、前の実施形態と比較して追加の多軸孔136を含む一方で、DCP溝130及び多軸孔136が中央部分104及び端部部分106において交互になるプレート100aに類似している。
図15Aに示される前方中軸プレート100cにおいて、DCP溝130及び多軸孔136は、プレート100cの長さにわたって交互に配置される。
図15B~
図15Dに示す前方中軸プレート100dでは、DCP溝130及び多軸孔136は、端部108に近い追加のDCP溝を除いて、プレート100dの全長にわたって概ね交互に配置される。図示のもの以外の他の構成を利用することもできる。
【0031】
図20A~
図28Bを参照して、本開示の様々な実施形態による上方固定プレート200a~200dについて説明する。
図20A~
図20Cは、それぞれの鎖骨10の上方面に沿って位置付けされた上方固定プレート200a、200bを示す。上方固定プレート200a~200dは、上述の上方固定プレートと同様であり、各々は、外面205と内側の骨接触面207とを有する対向端201、203の間に延びる細長い本体202を含む。上方固定プレート200a~200dは、丸みを帯びた外面及び内面205、207、内面207上のアンダーカット112、114と、側面レリーフカット116と、長方形の縫合孔120と、アンダーカット122と、円形のKワイヤ孔126と、DCP溝130と、多軸孔136とを含む前方プレートに関して説明した特徴うちのいずれかを含むことができる。
【0032】
図21A~
図21Fを参照すると、上方プレート200a~200cは、上方鎖骨の湾曲した解剖学的構造に沿って嵌合するように解剖学的に輪郭が描かれている。上方プレート200a~200cは、左側及び右側の鎖骨について交換可能ではなく、代わりに左側または右側の鎖骨のいずれかに構成されている。骨の曲率が個体間で変化するので、上方プレート200a~200cは複数の等高線で提供され、例示的な等高線は、
図21A~
図21Fに示されている。各々のプレート200a~200c’は、A/P方向に「S」曲率を有し、後側/頭側方向にわずかに弓形である。より少ない(
図21A及び
図21C)またはより多い(
図21Bまたは
図21D)「S」曲率を有する輪郭に続くプレート200a-200c’は、それぞれ「浅い」または「深い」輪郭プレートと呼ぶことができる。図示されているように、プレート200a~200c’は、様々な角度及び半径または楕円形の寸法を有することができるが、構成は例示的な例に限定されない。骨の輪郭に密接に合致する輪郭付きプレート200a~200c’を選択することにより、軟部組織の下でのプレートの隆起及び刺激が最小限に抑えられる。
【0033】
さらに、
図22~
図24Cに示されているように、プレート200a~200dは、様々な孔構成を有する様々な長さを有することができる。また、
図22及び
図23は、
図24A~
図24Cに示した上方中間軸プレート200dの長さよりも長い長さを有する上方側横側プレート200a、200cを示している。プレート200a~200dの各々は、一般に交互のDCP溝130及び多軸孔136を含むが、他の孔構成を利用することもできる。上方固定プレート200a、200bは、追加の孔、すなわち摺動溝240を含む。
図25A~
図25Bを参照すると、摺動溝240は、長方形の形状を有し、広がった頭242を有する摺動溝ねじ241を受けるように構成される。ねじ241の軸は、溝240の幅よりも小さい直径を有し、頭242は、溝240の幅よりも大きい直径を有する。溝240は、暫定的な配置を維持しながら、プレート200の良好な双方向調整を可能にする。ねじ241はまた、永久固定のために利用されてもよい。摺動溝ねじ及びセット内の他のすべてのねじは、スタンドアロンのフラグメント捕捉/ラグねじとしても使用できる。
【0034】
図22及び
図25A~
図28Bを参照すると、側部上方固定プレート200a、200bは、側方延長部210を含む。このようなプレート200a、200bは、例えば、鎖骨10の遠側端部に生じる骨折を固定するために使用され得る。側方延長部210は、
図26A~Bに示すように、この薄い骨幹端骨領域に多数の発散ねじ軌道がプレートを固定することを可能にする複数の多軸孔136を含む。多軸孔136は、固定ねじ及び非固定ねじを受け入れる。外科的計画を容易にするために、公称、発散及び収束の軌道は、高密度の骨の領域において、及び肩甲骨関節腔から離れて確保されることが意図されている。
【0035】
側方延長部210はまた、プレート200a、200bの軸におけるものと同様の複数の長方形の縫合孔120を画定する。側方延長縫合孔120はアンダーカット122’を有し、縫合糸がプレート200の下を自由に通過できるようにするが、これらのアンダーカット122’の幅は縫合孔120の幅に制限される。
【0036】
図29~
図34Bを参照して、上方フックプレート200e、200fについて説明する。上方フックプレート200e、200fの本体202は、フック部材250がプレート200e、200fの端部201’から延びることを除いて、先の実施形態と同様である。そのようなフックプレート200e、200fは、例えば、鎖骨変位を伴う肩鎖(AC)関節分離の治癒を助けるために利用され得る。フック部材250は、プレート200e、200fの端部201’から肩鎖関節12の後外側に延びる延長部分251を含む。下降アーム252は、延長部分251から下側に所定の深さまで延在し、そこから側方アーム254が横方向に角度をなして肩先14の下に引っ掛けられる。これは、鎖骨10の上方変位を制限する。フックプレートは、様々な肩及び傷害解剖学的構造に適応するために様々な下降アーム252の長さで提供される。
【0037】
図示した各々の実施形態では、横アーム254は、フック部材250と隆起部14の下側との間の接触面積を増加させる広がった頭部256、256’に扇状に広がっている。広がった頭部256、256’は、様々な形状を有することができる。例示的な形状が
図34A及び
図34Bに示される。
図34Aの広がった頭部256は、湾曲したスパチュラ形状を有し、
図34Bの広がった頭部256’は、各々が平滑化縁部を有する湾曲したスプーン形状を有する。広がった頭部256、256’は、負荷をより広い領域に分配することによって、痛みを伴う刺激、骨の浸食、及び肩甲骨14の下側における偶発的な骨折を軽減するのに役立つ。広がった頭部256、256’の平滑化縁部はまた、この軟組織空間への挿入及び最終的な除去を容易にし、所定の位置で回転カフ及び他の軟組織に対する刺激を最小にする。
【0038】
図35~
図39を参照すると、本開示の様々な実施形態による直線固定プレート300を説明する。直線固定プレート300は、上述した前方及び上方固定プレートと同様であり、外側面305及び内側の骨接触面307を有する対向する端部301、303の間に延びる細長い本体302を含む。直線固定プレート300は、直線固定プレート300が予め曲げられていないが、代わりに、取り付けられる骨の曲率を補う適切な湾曲形状に曲がるように構成されている点で、前述のプレートとは異なる。言い換えれば、直線固定プレート300は、より広い及び/またはより厚い中央部分304、丸みを帯びた外面及び内面305、307、内面307上のアンダーカット112、114と、側面レリーフカット116と、長方形の縫合孔120と、アンダーカット122と、円形のKワイヤ孔126と、DCP溝130と、多軸孔136とを含む前方及び上方プレートに関して説明した特徴うちのいずれかを含むことができる。直線固定プレート300は、様々な孔構成を有する様々な長さを有することができる。プレート300は、一般に、交互のDCP溝130と多軸孔136とを含み、図示された実施形態は、中心領域に追加のDCP溝130を有する。しかし、他の孔構成を利用してもよい。
【0039】
直線固定プレート300は、先の実施形態と同様に、交互のレリーフカット及び縫合孔を有していないが、代わりに、孔は、アンダーカットと結合されたレリーフカット及び縫合孔を提供する。
図38及び
図39に示すように、各々の結合孔325は、楕円形の縫合孔320と整列して本体302内に入るレリーフカット316及びアンダーカット322を含む。前述の実施形態の場合と同様に、レリーフカット部分316はねじ孔の間に位置付けされ、ねじ孔の間の優先曲げを可能にするねじ孔間の慣性モーメントを低減し、ねじ孔の変形を最小にする。図示されたレリーフカット316は、ねじれまたは骨折の危険性を最小限にするために、丸みを帯びたまたは滑らかな構成を有する。先の実施形態と同様に、アンダーカット322はまた、ねじ孔の間の優先曲げを可能にするねじ孔間の慣性モーメントを減少させ、ねじ孔の変形を最小にするのを助ける。
【0040】
さらに、結合孔325は、曲げをさらに助ける。より詳細には、
図40に示すように、後側/頭側方向への曲げによるプレート300bの外科的輪郭形成中に、圧縮側の結合孔325の側部レリーフカット316(
図40の下側)が変形する、またはさらに「クリンプ」することができる。引張側(
図40の上側)の縫合孔320の外縁部には、このスパンに必要な材料よりも多くの材料が含まれている。この引張側は外側にネッキングすることによって「アンクリンプ」または変形し、より真っ直ぐな外側プレート縁部をもたらす。引張側のネッキングされた材料の明らかな破損への曲げは、プレート300の過度の曲げの指標として働き、使用不能になるように較正することができる。結合孔325によって形成される曲げ中の意図的な変形領域は、ねじ孔の望ましくない領域での曲げを減少させる可能性がある。
【0041】
図41~
図45を参照すると、本開示の一実施形態による髄内鎖骨釘400を説明する。例えば、3.0、3.5、4.0、4.5、及び5.0mmの直径を有する複数の異なるサイズの釘400を1セットとして提供することができる。釘400は、選択された鎖骨骨折の最小侵襲的処置を可能にする。この技術の利点は、切開及び瘢痕化がより少なく、しばしば軟部組織の隆起を排除することである。
【0042】
各々の釘400は、後端部401から内側の先端部403に延びる細長い本体402を含む。釘本体402は、内側の先端部403に解剖学的に適切な半径R
Mを有する予め輪郭付けされた構成を有する。本体402は、後端部401において直線領域に移行する。
図45に示すように、挿入時に、釘400の後端401が鎖骨10の後外側を出る。次いで、釘400を長さに切断し、骨面の下に突き刺す。
【0043】
図42~
図44を参照すると、釘400の先端部403は、丸みのある先端部407の両側に平坦部405を有する尖った形状を有する。丸みを帯びた先端部407は、幅広の下側409まで延びている。尖った形状は、髄腔内の釘400を最小限の事前穿孔で前進させるのに役立ち、一方、先端の広い下側409は、管壁に対してある程度の幅を提供する。このような抵抗は、復元された前方の骨の湾曲を有する予め湾曲した釘の向きを維持するためにいくらかの回転安定性を提供するのに役立つ。
【0044】
整形外科用骨プレート、髄内釘及びシステムは、鎖骨の処置において特に有用であり得る。装置は、鎖骨の異なる領域での固定に好適な解剖学的形状を備えることができる。しかしながら、一実施形態の特徴を別の実施形態の特徴と組み合わせることができ、本開示及び関連技術は、本明細書に明示的に図示または記載していない他の実施形態を包含することができる。鎖骨に関して一般的に記載されているが、本システム及び装置は、任意の長骨、短骨、扁平骨などと共に使用するように適合されてもよいことも理解されよう。
【0045】
本開示は、例示的な態様に関して記載されているが、当業者であれば、本開示が、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内の変更を伴って実行され得ることを認識するであろう。上に与えられたこれらの例は単なる例示であり、本開示のすべての可能な設計、態様、適用または修正の網羅的なリストであることを意味しない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1A】本開示の実施形態による前方固定プレートの斜視図であり、各々が鎖骨に沿って位置付けされて示されている。
【
図1B】本開示の実施形態による前方固定プレートの斜視図であり、各々が鎖骨に沿って位置付けされて示されている。
【
図2A】異なる輪郭を示す、本開示の実施形態による前方固定プレートの側面図である。
【
図2B】異なる輪郭を示す、本開示の実施形態による前方固定プレートの側面図である。
【
図2C】異なる輪郭を示す、本開示の実施形態による前方固定プレートの側面図である。
【
図2D】異なる輪郭を示す、本開示の実施形態による前方固定プレートの側面図である。
【
図5A】本開示の実施形態による前方固定プレートの端部の平面図である。
【
図5B】本開示の実施形態による前方固定プレートの端部の平面図である。
【
図6】本開示の一実施形態による前方固定プレートの端部先端の斜視図である。
【
図7】本開示の一実施形態による前方固定プレートの丸みを帯びた上部及び下側を示す斜視図である。
【
図8】本開示の一実施形態による前方固定プレートの中央部分の下側の斜視図である。
【
図9】
図8の前方固定プレートの端部部分の下側の斜視図である。
【
図10】本開示の一実施形態による固定プレートの断面外形を示す上面斜視図である。
【
図12】その側面レリーフカットを示す本開示の一実施形態による前方固定プレートの一部分の側面斜視図である。
【
図15A】本開示の一実施形態による前方中軸固定プレートの斜視図である。
【
図15B】本開示の一実施形態による別の前方中軸固定プレートのそれぞれ、上面図、側面図、及び斜視図である。
【
図15C】本開示の一実施形態による別の前方中軸固定プレートのそれぞれ、上面図、側面図、及び斜視図である。
【
図15D】本開示の一実施形態による別の前方中軸固定プレートのそれぞれ、上面図、側面図、及び斜視図である。
【
図16】本開示の一実施形態による前方固定プレートの中央部の平面図である。
【
図18】本発明の一実施形態による前方固定プレートの一部の断面図であり、その動的圧迫締結溝を通って延びるねじを示している。
【
図19】その多軸孔を通って延びるねじを示す本発明の一実施形態による前方固定プレートの一部の断面図である。
【
図20A】各々が鎖骨に沿って位置付けされた、本開示の実施形態による上方固定プレートの斜視図である。
【
図20B】各々が鎖骨に沿って位置付けされた、本開示の実施形態による上方固定プレートの斜視図である。
【
図20C】各々が鎖骨に沿って位置付けされた、本開示の実施形態による上方固定プレートの斜視図である。
【
図21A】異なる輪郭を示す、本開示の実施形態による上方固定プレートの上面図及び側面図である。
【
図21B】異なる輪郭を示す、本開示の実施形態による上方固定プレートの上面図及び側面図である。
【
図21C】追加の輪郭を示す、本開示の実施形態による上方固定プレートの上面図である。
【
図21D】追加の輪郭を示す、本開示の実施形態による上方固定プレートの上面図である。
【
図21E】追加の輪郭を示す、本開示の実施形態による上方固定プレートの上面図である。
【
図21F】異なる輪郭を示す、本開示の一実施形態による上方固定プレートの側面図及び斜視図である。
【
図23】本開示の一実施形態による別の上方固定プレートの斜視図である。
【
図24A】本開示の一実施形態による別の上方固定プレートの斜視図、上面図、及び下面斜視図である。
【
図24B】本開示の一実施形態による別の上方固定プレートの斜視図、上面図、及び下面斜視図である。
【
図24C】本開示の一実施形態による別の上方固定プレートの斜視図、上面図、及び下面斜視図である。
【
図25A】その多軸孔を貫通する複数のねじを示す本開示の実施形態による上方固定プレートの端部部分の上面斜視図及び側面斜視図である。
【
図25B】その多軸孔を貫通する複数のねじを示す本開示の実施形態による上方固定プレートの端部部分の上面斜視図及び側面斜視図である。
【
図26A】その多軸孔を貫通する複数のねじを示す本開示の実施形態による上方固定プレートの端部部分の上面斜視図及び側面斜視図である。
【
図26B】その多軸孔を貫通する複数のねじを示す本開示の実施形態による上方固定プレートの端部部分の上面斜視図及び側面斜視図である。
【
図27A】kワイヤ/縫合孔を示す本開示の実施形態による上方固定プレートの端部の一部の上面図及び下面斜視図である。
【
図27B】kワイヤ/縫合孔を示す本開示の実施形態による上方固定プレートの端部の一部の上面図及び下面斜視図である。
【
図28A】kワイヤ/縫合孔を示す本開示の実施形態による上方固定プレートの端部の一部の上面図及び下面斜視図である。
【
図28B】kワイヤ/縫合孔を示す本開示の実施形態による上方固定プレートの端部の一部の上面図及び下面斜視図である。
【
図29】鎖骨及び肩鎖関節を透過的に示す、
図30の鎖骨及び肩鎖関節に対して位置付けされた本開示の一実施形態によるフックプレートの正面斜視図である。
【
図30】鎖骨及び肩鎖関節を透過的に示す、
図30の鎖骨及び肩鎖関節に対して位置付けされた本開示の一実施形態によるフックプレートの正面斜視図である。
【
図34A】本開示の実施形態によるフックプレートのフック部分の斜視図である。
【
図34B】本開示の実施形態によるフックプレートのフック部分の斜視図である。
【
図35】本発明の一実施形態による直線固定プレートの斜視図である。
【
図38】
図35の直線固定プレートの一部分の下面斜視図である。
【
図40A】鎖骨共通骨折領域の位置と、本開示の実施形態によるプレートのそれに対する位置決めを示している。
【
図40B】鎖骨共通骨折領域の位置と、本開示の実施形態によるプレートのそれに対する位置決めを示している。
【
図40C】鎖骨共通骨折領域の位置と、本開示の実施形態によるプレートのそれに対する位置決めを示している。
【
図40D】鎖骨共通骨折領域の位置と、本開示の実施形態によるプレートのそれに対する位置決めを示している。
【
図40E】鎖骨共通骨折領域の位置と、本開示の実施形態によるプレートのそれに対する位置決めを示している。
【
図41】本発明の一実施形態による髄内鎖骨釘の側面図である。
【
図42】
図41の髄内鎖骨釘の先端部分の左側面斜視図である。
【
図45】鎖骨の骨髄内に位置付けされた
図41の髄内鎖骨釘の側面図である。