(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】複数のナットプレートの回転研磨ツール
(51)【国際特許分類】
B24B 7/16 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
B24B7/16 Z
(21)【出願番号】P 2018118805
(22)【出願日】2018-06-22
【審査請求日】2021-05-24
(32)【優先日】2017-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504242618
【氏名又は名称】ロッキード マーティン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LOCKHEED MARTIN CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100123607
【氏名又は名称】渡邊 徹
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン アーロン コッフィー
(72)【発明者】
【氏名】ディヴィッド ヘインズ コールマン
(72)【発明者】
【氏名】スチュワート シー ストリート
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン イー トウェイドル
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-524820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
研磨アセンブリと、ベースと、を有し、
前記研磨アセンブリは、ナットプレートの接合面をクリーニングするように構成された研磨パッドと、前記研磨パッドに取付けられた第1のシャフトを含み、
前記第1のシャフトは、前記ナットプレートのクリーニング中、前記研磨パッドを回転させるように構成され、前記ナットプレートをクリーニングすることは、前記研磨パッドを用いて前記接合面を研磨することを含み、
前記ベースは、第1の結合要素を有し、前記第1の結合要素を介して加圧器に取付けられるように構成され、
前記加圧器は、前記ベースの第1の結合要素を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の結合要素と、ナットプレートホルダを含み、前記ナットプレートホルダは、直線的な窪みを含み、前記直線的な窪みは、前記ナットプレートの接合面が前記研磨パッドによって研磨されるように、前記ナットプレートの一部分を着座させるように構成され、
前記加圧器は、前記第2の結合要素を介して前記ベースに取付けたりそれから取外したりするように構成され、
前記加圧器は、前記ナットプレートのクリーニング中、前記ナットプレートが前記研磨パッドに接触できるように、前記ナットプレートに圧力を付与するように構成され、
前記研磨パッドは、前記ベースの第1の結合要素の表面を少なくとも部分的に貫通するように突出し、
前記研磨アセンブリは、前記ナットプレートのクリーニング中、前記ベース及び前記加圧器の少なくとも一方の内部で前記研磨パッドが回転するように構成され、
前記
研磨パッド及び前記第1のシャフトは各々、開口を含み、前記開口は、前記ナットプレートのクリーニング中、前記ナットプレートに取付けられた突出部分を受入れるように構成される、システム。
【請求項2】
前記加圧器は、開口を含み、前記開口は、前記ナットプレートのクリーニング中、前記ナットプレートに取付けられた突出部分を受入れるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記研磨パッドは、前記第1のシャフトから取外し可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記加圧器は、更に、ハンドルを含み、前記ハンドルは、前記ナットプレートのクリーニング中、前記ナットプレートホルダに圧力を付与するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記研磨アセンブリは、更に、第2の研磨パッドに取付けられた第2のシャフトを含み、
前記第2のシャフトは、前記ナットプレートのクリーニング中、前記第2の研磨パッドを回転させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記研磨アセンブリは、更に、歯車を含み、前記歯車は、前記ナットプレートのクリーニング中、回転運動を前記第1のシャフトから前記第2のシャフトに伝達するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
システムであって、
ナットプレートの接合面をクリーニングするように構成された研磨パッドと、
ベースと、を有し、
前記ベースは、第1の結合要素を有し、前記第1の結合要素を介して加圧器に取付けられるように構成され、前記ナットプレートのクリーニング中、前記研磨パッドを前記ベース及び前記加圧器の少なくとも一方の内部に保持するように構成され、前記ナットプレートをクリーニングすることは、前記研磨パッドを用いて前記接合面を研磨することを含み、
前記加圧器は、前記ベースの第1の結合要素を少なくとも部分的に包囲するように構成された第2の結合要素と、ナットプレートホルダを含み、前記ナットプレートホルダは、直線的な窪みを含み、前記直線的な窪みは、前記ナットプレートの接合面が前記研磨パッドによって研磨されるように、前記ナットプレートの一部分を着座させるように構成され、
前記加圧器は、前記第2の結合要素を介して前記ベースに取付けたりそれから取外したりするように構成され、
前記加圧器は、前記ナットプレートのクリーニング中、前記ナットプレートが前記研磨パッドに接触できるように、前記ナットプレートに圧力を付与するように構成され、
前記研磨パッドは、前記ベースの第1の結合要素の表面を少なくとも部分的に貫通するように突出し、
前記
研磨パッド及び前記研磨パッドに結合された
シャフトは各々、開口を含み、前記開口は、前記ナットプレートのクリーニング中、前記ナットプレートに取り付けられた突出部分を受入れるように構成される、システム。
【請求項8】
前記第1の結合要素又は前記第2の結合要素は、前記研磨アセンブリと前記加圧器との間の動き低減させるように構成された突出部を含む、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般には、ナットプレートの準備に関し、具体的には、ナットプレートを準備するための研磨システムに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機、船等の表面上に結合箇所を形成するために、しばしばナットプレートが使用される。ナットプレートの例は、プレートに結合されたナットを含み、プレートは、表面に取付けられ、ナットは、表面を貫通するボルトを受入れる箇所(結合箇所)を構成する。ナットプレートは、航空機の機体又は船の船体の内面等の表面の内側でときどきみられ、この場合、表面を機体又は船体上に組立てたり配置したりした後、損傷を生じさせることなしにナットを配置することは困難又は不可能である。しばしば、ナットプレートのプレートは、表面に接着剤で取付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かくして、いくつかの例では、ナットプレートのプレートがきれいであればあるほど、プレートと表面との間の結合が、より信頼できるものとなり、強くなる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施形態によれば、システムが、複数のナットプレートの各々の接合面をクリーニングするように構成された1又は2以上の研磨パッドと、1又は2以上の研磨パッドのうちの少なくとも1つに取付けられた第1のシャフトとを含む研磨アセンブリを含み、第1のシャフトは、1又は2以上の研磨パッドのうちの少なくとも1つを用いて接合面の各々を研磨することを含むナットプレートのクリーニング中、1又は2以上の研磨パッドのうちの少なくとも1つを回転させるように構成される。システムは、加圧器と、加圧器に取付けられるように構成されたベースとをさらに含み、加圧器は、ベースに取付けられ、ナットプレートのクリーニング中、各ナットプレートの接合面が1又は2以上の研磨パッドのうちの少なくとも1つに接触できるように複数のナットプレートを保持し、ナットプレートのクリーニング中、ナットプレートの各々が1又は2以上の研磨パッドのうちの少なくとも1つに接触するように複数のナットプレートに圧力を付与する、ように構成される。さらに、研磨アセンブリは、ナットプレートのクリーニング中、ベース及び加圧器の少なくとも一方の内部で1又は2以上の研磨パッドを回転させるように構成される。
【0005】
別の実施形態によれば、システムが、複数のナットプレートの各々の接合面をクリーニングするように構成された1又は2以上の研磨パッドと、ベースとを含み、ベースは、加圧器に取付けられて、1又は2以上の研磨パッドのうちの少なくとも1つを用いて接合面の各々を研磨することを含むナットプレートのクリーニング中、ベース及び加圧器の少なくとも一方の内部に1又は2以上の研磨パッドを保持するように構成される。システムは、ベースに取付けられ、ナットプレートのクリーニング中、各ナットプレートの接合面が1又は2以上の研磨パッドのうちの少なくとも1つに接触できるように複数のナットプレートを保持し、ナットプレートのクリーニング中、ナットプレートの各々が1又は2以上の研磨パッドのうちの少なくとも1つに接触するように複数のナットプレートに圧力を付与するように構成された加圧器も含む。
【0006】
いくつかの実施形態の技術的利点は、よりきれいなナットプレートを、具体的にはナットプレート上のよりきれいな接合面を取得するシステム及び方法を含むことができる。よりきれいな接合面を取得することにより、特に接合面に接着剤を塗布した時に、ナットプレートをより確実に表面に取付けることができる。さらに、いくつかの実施形態は、研磨によるナットプレートクリーニングの効率又は有効性を高めて、一貫性の高いクリーニング体験及びクリーニング結果を提供する。同様に、いくつかの実施形態は、従来の研磨技術よりも素早くナットプレートをクリーニングする。また、いくつかの実施形態は、オペレータにとって安全性が高く負傷するリスクが低い研磨技術を用いたナットプレートクリーニング方法も提供する。また、本開示のシステム及び方法は、他のシステム及び方法に比べて、研磨技術を用いてより効率的に及び/又は素早く複数のナットプレートを同時にクリーニングすることができる。さらに、本開示のいくつかの実施形態は、ナットプレートの高価な特殊包装を使用する必要性を低減し、従ってナットプレートのコストを抑えることができる。いくつかの実施形態は、床の上に落ちた又は別様に汚染されたナットプレートのクリーニングを実現可能にすることにより、無駄なナットプレートを減らして大幅にコストを抑えることもできる。
【0007】
当業者であれば、以下の図、説明及び特許請求の範囲から他の技術的利点が容易に明らかになるであろう。さらに、上記では特定の利点を列挙したが、様々な実施形態は、列挙した利点の全部又は一部を含むことも、或いは全く含まないこともある。
【0008】
以下、本開示及びその利点をさらに完全に理解できるように、添付図面と共に以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】特定の実施形態による例示のナットプレート及び表面を示す図である。
【
図1B】特定の実施形態による例示のナットプレートを示す図である。
【
図2A】本発明の例示の実施形態による回転研磨ツールの分解図である。
【
図2B】本発明の例示の実施形態による回転研磨ツールの分解図である。
【
図3】本発明の例示の実施形態による回転研磨ツールの組立図である。
【
図4A】本発明の例示の実施形態による多ユニット回転研磨ツール(MURAT)を示す図である。
【
図4B】本発明の例示の実施形態による
図4Aの加圧器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
日常生活では、航空機、船等の表面上に結合箇所を形成するために、しばしばナットプレートが使用される。例示のナットプレートは、プレートに連結されたナットを含み、プレートは、表面に取付けられ、ナットは、表面を貫通するボルトを受入れる箇所(結合箇所)を構成する。ナットプレートは、表面の内側、例えば、航空機の機体又は船の船体の内面で時々見られ、この場合、表面を機体又は船体上に組立て又は配置した後でナットを配置することは困難又は不可能である。ナットプレートのプレートは、時々、接着剤を用いて表面に取付けられ、従って、いくつかの例では、ナットプレートのプレートがきれいであればあるほど、プレートと表面との間の結合は、より信頼性があり又はより強い。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態は、ナットプレート接合面等のナットプレートの面をクリーニングするシステム及び方法について説明する。ナットプレートの接合面は、一般には、別の表面に対する接合部又は取付け部の一部を構成する面である。例えば、接着剤をナットプレートの接合面上に配置し、次いで、接合面を表面に押付けて、ナットプレートを結合させる。
【0012】
接合面をクリーニングするための1つの方法は、研磨面(例えば、研磨パッド)を用いてナットプレート接合面から汚染物質を物理的に取除く研磨クリーニングである。本開示のいくつかの実施形態は、研磨クリーニングを用いて一度に1つのナットプレートをクリーニングするシステム及び方法を開示する。例えば、かかる実施形態に回転ツールを採用し、研磨パッドをナットプレートの接合面に押付けながら回転させる。
【0013】
加えて、本開示のいくつかの実施形態は、研磨クリーニングを用いて一度に複数のナットプレートをクリーニングするシステム及び方法を開示する。例えば、かかる実施形態に回転ツールを採用し、回転ツールは、1又は2以上の研磨パッドを複数のナットプレートに押付けながら同時に回転させる。
【0014】
いくつかの実施形態の技術的利点は、よりきれいなナットプレート、特に、ナットプレート上のよりきれいな接合面を取得するシステム及び方法を含む。よりきれいな接合面を取得することによって、特に接合面に接着剤を塗布するとき、ナットプレートをより確実に表面に取付けることができる。さらに、いくつかの実施形態は、研磨によるナットプレートクリーニングの効率又は有効性を高めて、一貫性の高いクリーニングの経験及び結果を提供する。同様に、いくつかの実施形態は、従来の研磨技術よりも素早くナットプレートをクリーニングする。また、いくつかの実施形態は、オペレータにとって安全性が高く負傷するリスクが低い研磨技術を用いたナットプレートクリーニング方法も提供する。また、本開示のシステム及び方法は、他のシステム及び方法に比べて、研磨技術を用いてより効率的に及び/又は素早く複数のナットプレートを同時にクリーニングすることができる。さらに、本開示のいくつかの実施形態は、ナットプレートの高価な特殊包装を使用する必要性を低減し、従ってナットプレートのコストを抑えることができる。いくつかの実施形態は、床の上に落ちた又は別様に汚染されたナットプレートのクリーニングを実現可能にすることにより、無駄なナットプレートを減らして大幅にコストを抑えることもできる。当業者であれば、以下の図、説明及び特許請求の範囲から他の技術的利点が容易に明らかになるであろう。さらに、上記では特定の利点を列挙したが、様々な実施形態は、列挙した利点の全部又は一部を含んでいてもよいし、全く含まなくてもよい。
【0015】
図1A及び
図1Bは、特定の実施形態による例示のナットプレート102及び表面112を示す。いくつかの実施形態では、ナットプレート102は、表面112に接合され、1又は2以上のボルト、ねじ、リベット又はその他の締結具が、表面112とナットプレート102の両方を貫通して、ナットプレート102のナット104に取付けられ、かくして、表面112を適所に或いは別の表面又は要素に、取付け、固定し、又は別様に取付けることができる。特定の実施形態では、ナットプレート102は、ナット104と、プレート106を含み、プレート106は、接合面108を有する。加えて、いくつかの実施形態では、ナットプレート102は、ナット104及びプレート106を貫通するウォーム110を有する。
【0016】
ナットプレート102は、一般には、ナット104等のナットを、表面112等の表面の上又はその近くに位置決めすることを可能にする要素である。いくつかの実施形態では、ナットプレート102は、プレート106と、ナット104を含み、接合面108におけるプレート106と表面112との間の連結部を介して、表面112等の表面に取付けられる。例えば、接着剤が、プレート106と表面112の間に配置され、プレート106(従って、ナットプレート102)を表面112に結合させる。任意適当な仕方態の任意適当なナットプレートが検討される。例示として、6/16”、5/16”、4/16”、3/16”等のボルトを受入れるナットを有するナットプレートが使用される。さらなる例は、開放型のナットプレート及びドーム型のナットプレートを含む。
【0017】
ナット104は、一般には、ボルト、ねじ、リベット等の締結具が取付けられる/締結される箇所として作用する。本出願において使用される用語「ナット」は、締結具に適した任意の箇所、例えば、円筒形/円形、矩形又は六角形の開口を有する要素であり、締結具がこれらの開口を少なくとも部分的に貫通してナットに取付けられることを可能にする。例えば、ナット104は、その内面(
図1では、この領域がウォーム110で塞がれている)にボルト又はねじのためのねじ山を有する。例示のナットプレート102では、ナット104が、溶接、圧入、接着剤の使用等のいずれかの好適な手段によってプレート106に取付けられる。いくつかの実施形態では、ナット104が、自由に動けるようにプレート106に結合される(例えば、ナット104は、特定の許容差に対応する限られた量だけ回転又は傾斜することができる)。いくつかの実施形態では、ナット104の表面又は一部が(例えば、ナット104の表面がプレート106と同一平面に来るように)プレート106の一部を貫通して広がることにより、ナット104の面又は一部が接合面又は(接合面108等の)さらに大きな接合面の一部になる。ナット104は、鋼、アルミニウム、又はその他の金属、金属合金、ポリマー、セラミック等の任意適当な材料で形成される。
【0018】
プレート106は、一般には、ナット104が取付けられる面と、表面(例えば、表面112)がナットプレート102に取付けられる面を有する。実施形態例では、プレート106は、ナット104の開口と(すなわち、それを覆うように)中心合わせされた開口を有し、それにより、締結具がプレート106を貫通してナット104に接触することを可能にする。プレート106は、鋼、アルミニウム、又はその他の金属、金属合金、ポリマー、セラミック等の任意適当な材料で形成される。
【0019】
接合面108は、一般には、表面112等の別の表面に取付けられるプレート106の面である。接合面108は、接着剤、溶接、圧入等の任意適当な手段を介して、表面112に取付けられる。いくつかの実施形態では、(例えば、接着剤の使用を通じて)プレート106と表面112との間に強固な接合部を形成できるように、接合面108をクリーニング(例えば、その表面上に汚染物質ほとんど有さないように)すべきである。いくつかの実施形態では、接合面108が、プレート106の一部を貫いて突出するナット104の表面等のナット104の一部を含むことができる。いくつかの実施形態では、接合面108がきれいであればあるほど、プレート106を介したナットプレート102と表面112との間の接合が強くなる。
【0020】
ウォーム110は、一般には、ナットプレート102を操作する能力を提供するとともに、ナット104の内面(例えば、締結具がナット104に締結するところ)をきれいに且つデブリ又はその他の汚染物質がない状態に保つ。例えば、ウォーム110は、プレート106を越えて延びて表面112の開口を貫通し、オペレータ又は装置は、ウォーム110を把持して、それを表面112の開口の中に引くことにより、接合面108を表面112上に着座させ、表面112、プレート106、及びナット104の開口を整列させる。いくつかの実施形態では、ウォーム110は、ナット104の下方に延びてもよい。いくつかの実施形態では、ナットプレート102を表面112に取付けたら、ウォーム110をナットプレート102から取外し、かくして、ナット104の内面を露出させ、締結具がナット104に締結することを可能にする。加えて、いくつかの実施形態では、ウォーム110は、デブリ、油及びその他の汚染物質をナット104の内面に近付けないようにすることによって、ナット104の内面(例えば、ボルト用のねじ山)をきれいに保つ。ウォーム110は、シリコーン、ゴム、ポリマー、ワックス等の任意適当な材料で作られる。
【0021】
表面112は、一般には、ナットプレート102が取付けられる任意の表面である。いくつかの実施形態では、表面112は、締結具が貫通できる開口を有し、ナットプレート102は、プレート106及びナット104の開口が表面112の開口と整列するように表面112に取付けられる。かかる実施形態では、締結具は、表面112及びプレート106を貫通し且つナット104の中を少なくとも部分的に通り、ナット104に締結される。ある実施形態例では、表面112は、航空機の翼の外側パネルであり、且つ、ボルト用の開口を含み、ナットプレート102は、航空機の翼の内側に取付けられ、ボルトは、翼の外側から表面112を貫通して、ナットプレートにねじ込まれたりそれから取外されたりする。
【0022】
図2A及び
図2Bは、本開示の実施形態例による、2つの異なる角度から見た回転研磨ツール200の分解図である。
図2A及び
図2Bには同じ回転研磨ツール200を示しているが、明確にするために異なる視点を提供する。一般には、回転研磨ツール200は、ナットプレート(例えば、
図1のナットプレート102)のナットプレート接合面(例えば、
図1の接合面108)などをクリーニングする。いくつかの実施形態では、ナットプレートを、回転研磨ツール200の内部(例えば、研磨パッド208とナットプレートホルダ220との間)に配置した後、研磨によってクリーニングする。回転研磨ツール200は、研磨要素202と、ベース204と、加圧器206の3つの主要部分を含む。研磨要素202は、研磨パッド208と、シャフト210を含む。ベース204は、プラットホーム212と、ベアリング214と、ワッシャ216を含む。加圧器206は、ハウジング218と、ナットプレートホルダ220と、ばね222と、キャップ224を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、互いに連結されたベース204と加圧器206の内部で、(研磨クリーニング作用をもたらすように)研磨要素202が回転する。加えて、いくつかの実施形態では、加圧器206が、ナットプレートを適所に保持し、ベース204を加圧器206に取付けたとき、研磨要素202は、ナットプレートの少なくとも一部をクリーニングできる。特定の実施形態では、研磨要素202は、ナットプレートのクリーニング中、ベース及び加圧器の少なくとも一方の内部で研磨パッド208を回転させるように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、回転研磨ツール200の要素の一部又は全部は、中心軸線226に沿った開口を有する。いくつかの実施形態では、かかる開口は、様々な種類のナットプレートの突出部分、例えば、
図1のウォーム110又はドーム型ナットプレートのキャップが回転研磨ツール200の一部又は全部の中を通ることができるように構成される。回転研磨ツール200の一部又は全部の中を通ることにより、回転研磨ツール200は、接合面108等のナットプレートの面をクリーニングしているとき、かかる突出部分にそれほど又は全く圧力を付与しない。クリーニングすることは、研磨パッド208とナットプレートなどとの間に圧力を付与することを伴い、従って、いくつかの実施形態では、中心軸線226に沿う開口は、ナットプレートの接合面にかかる圧力が付与されることを許すが、ウォーム又はドーム型キャップ等のナットプレートの他の部分にはそのことを許さない。
【0025】
いくつかの実施形態では、研磨要素202は、研磨パッド208と、シャフト210を含む。一般には、研磨パッド208は、接合面等のナットプレートの1又は2以上の面をクリーニングする研磨面である。いくつかの実施形態では、研磨パッド208を、例えば1回使用した後、又は、使用により研磨特性が衰えた後、又は、汚れた/汚染された後、廃棄してもよいし、交換してもよい。例えば、研磨パッド208は、シャフト210に対してねじ式に脱着させることによってシャフト210に取付けられるように、ねじ山を有するのがよい。他の実施形態では、研磨パッド208は、シャフト210に取付けられていて取外し不可能であるが、シャフト210と研磨パッド208の組合せを使い捨てとしてもよい。研磨パッド208は、金属、ファイバ、サンドグリト、サンドペーパー、石、セラミック、ポリマー等の任意適当な研磨材である。研磨パッド208は、多層構造であってもよく、1又は2以上の異なる材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、研磨パッド208は、シャフト210に取付けられ、シャフト210と共に回転して、研磨クリーニング作用を行ってもよい。
【0026】
シャフト210は、一般には、研磨パッド208に取付けられ、回転する。いくつかの実施形態では、シャフト210は、回転運動を付与してシャフト210を回転させる電動工具、手動クランク、ラチェットツール、又はその他の工具に(例えば、研磨パッド208が位置決めされているところと反対側の端部のところに)取付けられる。かかる実施形態では、シャフト210は、研磨パッド208を回転させて、クリーニング作用を生じさせる。シャフト210は、任意適当な仕方で研磨パッド208に取付けられ、(例えば、結合スロットを介して)任意適当な仕方で電動工具又は手動クランクに取付けられる。いくつかの実施形態では、シャフト210の一部又は全部が中空であり、ナットプレートに連結された物体又はナットプレートの一部がシャフト210の中を通ることを可能にする。例えば、シャフト210は、円筒形の開口を有し、それにより、ウォーム(例えば、
図1のウォーム110)の一部がシャフト210の中を通ることを可能にし、その結果、研磨パッド208は、ナットプレートの接合面に接触できる。シャフト210は、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、ベース204は、プラットホーム212と、ベアリング214と、ワッシャ216を含む。プラットホーム212は、一般には、ベース204の他の要素及び/又は加圧器206の要素のいくつか又は全てのための構造的ベース又は取付け箇所を構成する。例えば、いくつかの実施形態では、ベース204の他の要素は、プラットホーム212内に静止していてもよいし、プラットホーム212に連結されてもよいし、プラットホーム212によって適所に保持されてもよい。いくつかの実施形態では、ワッシャ216は、例えばボルト孔228を介してプラットホーム212内にボルト固定又はねじ固定されることによって、プラットホーム212に連結される。いくつかの実施形態では、ワッシャ216は、プラットホーム212とワッシャ216との間にベアリング214が配置されて適所に係止されるように、プラットホーム212に連結される。かかる実施形態では、ワッシャ216は、プラットホーム212に連結されることによって、ベアリング214を適所に取付けられる。いくつかの実施形態では、プラットホーム212は、ナットプレートのクリーニング中、ベース204及び加圧器206の一方の内部に研磨パッド208(シャフト210に連結されていてもよいし、そうでなくてもよい)を保持する。
【0028】
さらに、プラットホーム212は、(加圧器206の1又は2以上の要素を含めて)加圧器206に結合され/取付けられる。例えば、プラットホーム212は、任意適当な連結を用いてハウジング218に結合され/取付けられる。ある実施形態例では、プラットホーム212は、ハウジング218の突出部232に連結されるように構成された溝230を有する。いくつかの実施形態では、プラットホーム212又はハウジング218は、それらを回転させて突出部232を溝230内に係止/着座させるように構成され、かくして、ベース204を加圧器206に連結させる。特定の実施形態では、プラットホーム212は、複数組の溝230を有し、異なる溝の各組が、異なるサイズ及び形状のナットプレートと共に使用されるように意図される。例えば、クリーニングすべき第1のタイプのナットプレートが比較的薄い場合、プラットホーム212上で加圧器206の近くに位置する第1の溝230の組が使用される。又は、クリーニングすべき第2のタイプのナットプレートが比較的厚い場合、プラットホーム212上で加圧器206から離れて位置する第2の溝230の組が使用される。同様に、ハウジング218は、異なる形状及びサイズのナットプレートを収容するために、ハウジング218の異なる部分に位置する異なる突出部232の組を有していてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、プラットホーム212は、開口234を有し、開口234は、例えば中心軸線226に沿って中心に位置し、シャフト210のいくらかが通過することを可能にする。いくつかの実施形態では、シャフト210のうちの研磨パッド208に連結された方の端部と反対側の端部は、電動工具又は手動クランクに連結され、回転運動を行うためにプラットホーム212の開口234を通る。いくつかの実施形態では、例えばプラットホーム212の代わりにベアリング214がシャフト210に接触することにより、シャフト210の回転時にプラットホーム212が回転しない。プラットホーム212は、任意適当な形状を有し、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0030】
実施形態例では、ベアリング214は、一般には、回転シャフト210とプラットホーム212の間の摩擦を低減し、又はプラットホーム212の回転を伴わずにシャフト210を回転可能である。いくつかの実施形態では、シャフト210は、プラットホーム212を貫通して、回転する。いくつかの実施形態では、シャフト210とプラットホーム212との間の摩擦を防ぐために、又はプラットホーム212が回転するのを防ぐために、ベアリング214が、プラットホーム212内に位置してシャフト210に接触するように構成される。いくつかの実施形態では、ベアリング214は、高回転速度(RPM)で回転できるシャフト210に接触することによって、回転研磨ツール200の他のいくつかの部分(例えば、ワッシャ216、プラットホーム212など)がシャフト210に接触しないようにする。ベアリング214は、任意適当なベアリングであり、例えばボールベアリング又はその他のベアリング材料を含む。いくつかの実施形態では、ベアリング214は、プラットホーム212に連結されるワッシャ216によって適所に取付けられる。ベアリング214及びワッシャ216は、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、ベース204は、ナットプレートのクリーニング中、その任意の要素を含めて、ベース204及び加圧器206の少なくとも一方の内部に研磨パッド208を保持する。
【0032】
いくつかの実施形態では、加圧器206は、ハウジング218と、ナットプレートホルダ220と、ばね222と、キャップ224を含む。いくつかの実施形態では、一般には、ハウジング218は、加圧器206の要素の一部又は全部を含み、プラットホーム212、又はベース204の別の部分に取付けられる。特定の実施形態では、ハウジング218は、ベース204と加圧器206との間の取付け箇所としての役割を果たす(例えば、突出部232又は他のいずれかの好適な手段を介してベース204に連結される)。
図2A及び
図2Bの実施形態では、ハウジング218の突出部232とプラットホーム212の溝230とを示しているが、他の実施形態では、プラットホーム212が突出部を有し、ハウジング218が溝を有していてもよい。ハウジング218は、例えばハウジング218の溝とナットプレートホルダ220の突出部とによって、又は、ハウジング218の突出部とナットプレートホルダ220の溝とによって、ナットプレートホルダ220に取付けられ、又はナットプレートホルダ220を保持する。ハウジング218は、任意適当な形状を有し、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0033】
ナットプレートホルダ220は、一般には、クリーニング中にナットプレート又はナットプレートの一部を保持する。例えば、ナットプレートホルダ220は、ナットプレートの一部を物理的に着座させる(保持する)ように成形、形成又は構成される。いくつかの実施形態では、ナットプレートの着座部分は、クリーニングされる面(例えば、接合面)ではない。例示として、
図2Bには、ナットプレートの第1の部分を着座させることによって研磨パッド208がナットプレートの第2の部分に接触してクリーニングできるように構成された、開口を含む直線的な窪み221を示す。ナットプレートホルダ220は、例えば溝及び突出部を介してハウジング218に連結され、ハウジング218全体を通じて摺動できるようにされてもよいし、そうでなくてもよい。特定の実施形態では、ナットプレートホルダ220は、ハウジング218の一方の端部からハウジング218との連結又はハウジング218内への摺動を行い、ハウジング218のもう一方の端部からは行われないように構成される。いくつかの実施形態では、ナットプレートホルダ220は、特定のナットプレートタイプ又は様式を保持するようにカスタマイズ又は別様に構成されてもよく、ツール200の使用時に、クリーニングされるナットプレートが正しく位置決めされ、及び/又は研磨パッド208に対する十分な力を付与することを確実にするために、異なるナットプレートでは、ナットプレートホルダ220の寸法(例えば、中心軸線226に沿った高さ/長さ、及び直線的な窪み221の寸法)が異なっていてもよい。ナットプレートホルダ220は、任意適当な形状を有し、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0034】
ばね222は、一般には、回転研磨ツール200の1又は2以上の要素に対して圧力を付与する。例えば、いくつかの実施形態では、ばね222が、圧縮時にナットプレートホルダ220及びキャップ224を押す。これに応答して、ナットプレートホルダ220は研磨パッド208に向かって下向きにハウジング218内で押され、かくして、ナットプレートホルダ220内に着座したナットプレートに圧力を付与して研磨パッド208に押し付けるのに役立つ。このように、いくつかの実施形態では、ばね222により、ツール200内でナットプレートホルダ220によって保持されたナットプレートに研磨パッド208が十分に接触する(従って、ナットプレートをクリーニングする)ことが確実になる。いくつかの実施形態では、ばね222を使用しなくてもよいし、ナットプレートを研磨パッド208に押し付けるような圧力を与える他の要素と共に使用されてもよい。例えば、突出部232を溝230にねじ込むと加圧器206がベース204の近くに引き寄せられて、ナットプレートホルダ220によって保持されたナットプレートを研磨パッド208に押し付ける圧力を与えるように、溝230及び突出部232が構成されてもよい。ばね222は、任意適当な形状を有し、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0035】
いくつかの実施形態では、キャップ224は、一般には、回転研磨ツール200の一部又は全部の要素を固定する。例えば、加圧器206をプラットホーム212内に係止/着座させることによって生じる、及び/又はばね222によって生じる圧力は、いくつかの要素(例えば、ナットプレートホルダ220又はばね222)をツール200(又は加圧器206)から押し出す傾向を有する。従って、特定の実施形態では、キャップ224は、動作中にこのような要素をツール200内に収容するように構成される。例えば、ばね222は、圧縮時にナットプレートホルダ220及びキャップ224を押す。いくつかの実施形態では、キャップ224は、任意適当な方法でハウジング218に取付けられる。例えば、キャップ224をハウジング218の一部として溶接、圧入又は成形してもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング218は、キャップ224がハウジング218を越えて特定の方向に移動するのを防ぐリップ部又はロック機構を有する。かかる実施形態では、キャップ224をハウジング218の一方の端部からしか挿入できないようにして、ハウジング218のもう一方の端部上のリップ部又はロック機構に押し付けてもよい。他の実施形態では、キャップ224をハウジング218の一方の端部に挿入した後にロック機構又はリップ部を適所に導入して、ロック機構又はリップ部が除去されるまでキャップ224を除去できないようにしてもよい。いくつかの実施形態では、キャップ224をハウジング218の一部としてもよい。キャップ224は、任意適当な形状を有し、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0036】
回転研磨ツール200の要素の一部又は全部は、3Dプリンタ、一体成形等の任意適当な手段によって形成される。
【0037】
図2A及び
図2Bには、特定の要素を有する回転研磨ツール200の特定の実施形態を示しているが、本開示では、説明している要素の一部又は全部、及び説明していないさらなる要素を有する回転研磨ツールも検討される。本開示の要素は、任意適当な形状とすることができ、任意適当な構成とすることができる。
【0038】
図3は、本開示の実施形態例による回転研磨ツール200の組立図である。具体的に言えば、
図3には、ハウジング218内の加圧器206の要素と、ベース204と加圧器206との間に研磨パッド208が存在するようにベース204を貫いて延びる研磨要素202の要素と、共に組立てられたベース204の要素とを示す。
【0039】
図示の加圧器206は、ハウジング218及びキャップ224しか示していないが、いくつかの実施形態では、ハウジング218内に
図2のナットプレートホルダ220及びばね222を収容することができる。
【0040】
図示のベース204では、ワッシャ216がプラットホーム212にボルトで固定されている。いくつかの実施形態では、ワッシャ216とプラットホーム212との間に
図2のベアリング214が位置してシャフト210に接触することができる。
【0041】
図示の研磨要素202では、シャフト210が
図2の開口234を通ってベース204を貫いて延びて、ベース204と加圧器206との間に位置する研磨パッド208に連結される。
【0042】
いくつかの実施形態では、加圧器206とベース204とが互いに取付けられることにより、加圧器206によって保持された、加圧器206上に着座した、又は加圧器206内に存在するナットプレートに研磨パッド208を押し付ける。いくつかの実施形態では、シャフト210が電動工具又は手動クランクに取付けられ、或いは別様に回転することにより、研磨パッド208が回転研磨ツール200内のナットプレートの一部をクリーニングする(研磨する)。
【0043】
図4Aには、本開示の実施形態例による複合回転研磨ツール(multi-unit rotary abrasion tool:MURAT)400を示す。一般には、複合回転研磨ツール400は、複数のナットプレート(例えば、
図1のナットプレート102)を、例えば(
図1の接合面108等の)ナットプレート接合面をクリーニングする。いくつかの実施形態では、MURAT400内(例えば、研磨パッド408と加圧器406との間)にナットプレートを配置した後に研磨によってクリーニングする。MURAT400は、研磨アセンブリ402と、ベース404と、加圧器406という3つの主要部分を含む。研磨アセンブリ402は、1又は2以上の研磨パッド408と、一次シャフト410と、二次シャフト412と、歯車414と、ドライブシャフト416と、シャフト歯車418を含む。ベース404は、プラットホーム420と、ベース結合要素422を含む。加圧器406は、加圧器結合要素424と、ナットプレートホルダ426と、ハンドル428を含む。
【0044】
図4Bには、本開示の実施形態例による、異なる角度から見た
図4Aの加圧器406を示す。
【0045】
いくつかの実施形態では、研磨アセンブリ402は、互いに連結されたベース404及び加圧器406の内部で(研磨クリーニング作用をもたらすように)回転する。また、いくつかの実施形態では、ベース404を加圧器406に取付け又は接触させると、研磨アセンブリ402が複数のナットプレートの少なくとも一部をクリーニングできるように、加圧器406は、ナットプレートを適所に保持する。特定の実施形態では、研磨アセンブリ402は、ナットプレートのクリーニング中、ベース404及び加圧器406の少なくとも一方の内部で1又は2以上の研磨パッド408を回転させるように構成される。
【0046】
いくつかの実施形態では、MURAT400の要素の一部又は全部は、開口を有し、かかる開口は、様々な種類のナットプレートの突出部分、例えば、
図1のウォーム110又はドーム型ナットプレートのキャップがMURAT400の一部又は全部を通ることができるように構成される。MURAT400の一部又は全部を通ることにより、MURAT400は、接合面108等のナットプレートの面をクリーニングしているとき、かかる突出部分にそれほど又は全く圧力を付与しない。クリーニングすることは、研磨パッド408とナットプレートなどとの間に圧力を付与することを伴い、かくして、いくつかの実施形態では、開口は、ナットプレートの接合面にはかかる圧力が付与されることを許すが、ウォーム又はドーム型キャップ等のナットプレートの他の部分にはそのことを許さない。例示として、ナットプレートホルダ426の開口430及び研磨パッド408の開口は、クリーニングされるナットプレートの一部の中を通ってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、研磨アセンブリ402は、1又は2以上の研磨パッド408と、一次シャフト410と、二次シャフト412と、歯車414と、ドライブシャフト416と、シャフト歯車418を含む。研磨パッド208は、一般には、複数のナットプレートの1又は2以上の面(例えば、ナットプレート接合面)をクリーニングする研磨面(又は単一の研磨面)である。いくつかの実施形態では、研磨パッド408は、例えば1回使用した後、使用により研磨特性が衰えた後、又は汚れた/汚染された後、廃棄してもよいし、交換してもよい。例えば、研磨パッド408は、一次シャフト410又は二次シャフト412に対してねじ式に脱着させることによってシャフトに取付けられるように、ねじ山を有するのがよい。他の実施形態では、研磨パッド408は、一次シャフト410又は二次シャフト412に取付けられていて取外し不可能であるが、シャフト410及び412と研磨パッド408との組み合わせを使い捨てとしてもよい。研磨パッド208は、金属、ファイバ、サンドグリット、サンドペーパー、石、セラミック、ポリマー等の任意適当な研磨材である。研磨パッド408は多層構造であってもよく、1又は2以上の異なる材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、研磨パッド408は、シャフト410又は412に取付けられ、シャフトと共に回転して、研磨クリーニング作用を行ってもよい。
【0048】
一次シャフト410は、一般には、研磨パッド408に取付けられ及び/又は回転する。いくつかの実施形態では、一次シャフト410は、回転運動を付与して一次シャフト410を回転させる電動工具又は手動クランクに(例えば、研磨パッド408が位置決めされているところと反対側の端部のところに)取付けられる。特定の実施形態では、一次シャフト410は、回転運動を付与して一次シャフト410を回転させるドライブシャフト416に(例えば、シャフト歯車418を介して)(例えば、研磨パッド408が位置決めされているところと反対側の端部のところに)取付けられる。かかる実施形態では、一次シャフト410は、1又は2以上の研磨パッド408を回転させて、クリーニング作用を生じさせる。一次シャフト410は、任意適当な仕方で研磨パッド408に取付けられ、(例えば、結合スロット又はシャフト歯車418を介して)任意適当な仕方で電動工具、手動クランク又はドライブシャフト416に取付けられる。いくつかの実施形態では、一次シャフト410の一部又は全部が中空であり、ナットプレートに連結された物体又はナットプレートの一部が一次シャフト410の中を通ることを可能にする。例えば、一次シャフト410は、円筒形開口を有し、それにより、ウォーム(例えば、
図1のウォーム110)の一部が一次シャフト410の中を通ることを可能にし、その結果、研磨パッド408は、クリーニングすべきナットプレートの接合面に接触できる。一次シャフト410は、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0049】
いくつかの実施形態では、一次シャフト410は、二次シャフト412を直接的又は間接的に回転させる。例えば、
図4Aに示すように、一次シャフト410は、歯車414を介して4つの二次シャフト412を回転させる。一次シャフト410は、任意適当な数(ゼロを含む)の二次シャフトを、任意適当な手段(例えば、歯車、一次シャフト410自体及び/又は二次シャフト412上の歯、滑車など)を介して任意適当な構成(例えば、5つが直線になった構成、「+」構成など)で回転させることができる。いくつかの実施形態では、一次シャフト410は、研磨パッド408に結合せずに歯車の組及び/又は1又は2以上の二次シャフトに結合し、これらが1又は2以上の研磨パッド408に連結されてもよいは。いくつかの実施形態では、一次シャフト410は、複数のナットプレートを同時にクリーニングするのに十分な大きさの単一の研磨パッド410に連結されてもよい。
【0050】
二次シャフト412は、一般には、1つ又は複数の研磨パッド408に取付けられ及び/又は回転する。いくつかの実施形態では、二次シャフト412は、回転運動を付与して二次シャフト412を回転させる電動工具又は手動クランクに(例えば、研磨パッド408が位置決めされているところと反対側の端部のところに)取付けられる。特定の実施形態では、二次シャフト412は、回転運動を付与して二次シャフト412を回転させる一次シャフト410又はドライブシャフト416に(例えば、それぞれ歯車414又はシャフト歯車418を介して)取付けられる。かかる実施形態では、二次シャフト412は、1又は2以上の研磨パッド408を回転させて、クリーニング作用を生じさせる。二次シャフト412は、任意適当な仕方で研磨パッド408に取付けられ、(例えば、結合スロット又はシャフト歯車を介して)任意適当な仕方で電動工具、手動クランク又はドライブシャフト416に取付けられる。いくつかの実施形態では、二次シャフト412の一部又は全部は、中空であり、ナットプレートに連結された物体又はナットプレートの一部は、二次シャフト412の中を通ることができる。例えば、二次シャフト412は、円筒形開口を有し、それにより、ウォーム(例えば、
図1のウォーム110)の一部が二次シャフト412の中を通ることを可能にし、その結果、研磨パッド408は、クリーニングすべきナットプレートの接合面に接触できる。二次シャフト412は、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0051】
歯車414は、一般には、1つのシャフトの回転運動が1又は2以上の他のシャフトに伝わるように、一次シャフト410を1又は2以上の二次シャフト412に連結し、又は複数の二次シャフトを互いに連結する。例えば、(例えば、一次シャフト410が電動工具又はドライブシャフト416に連結されていることによって)一次シャフト410が回転するとき、歯車414は、一次シャフトを直接的又は間接的に1又は2以上の二次シャフト412に結合する。歯車414は、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0052】
いくつかの実施形態では、ドライブシャフト416は、一般には、一次シャフト410に回転運動を付与する。例えば、ドライブシャフト416は、ドライブシャフト416上の結合スロットを介して電動工具又は手動クランクに結合される。また、ドライブシャフト416は、一次シャフト410とは異なる軸に沿って位置きめされてもよく、従って回転運動の方向の変化を可能にする。例えば、ドライブシャフト416は、水平方向に位置決めされ、垂直方向に位置決めされた一次シャフト410にシャフト歯車418を介して結合されてもよい。従って、水平方向のドライブシャフト416を回転させると、その回転運動は、垂直方向の一次シャフト410に伝達される。ドライブシャフト416は、一次シャフト410の配向に対して適している任意の軸線に沿って位置決めされ、歯車(シャフト歯車418)、滑車、それぞれのシャフト上の歯等の任意適当な方法で一次シャフト410に結合される。ドライブシャフト416は、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0053】
シャフト歯車418は、一般には、1つのシャフトを別のシャフトに連結すると同時に両シャフトの回転を可能にする。例えば、シャフト歯車418は、ドライブシャフト416を一次シャフト410に結合して、ドライブシャフト416が回転するとき、ドライブシャフト416と同じ配向を有していてもよいしそうでなくてもよい一次シャフト410を回転させる。シャフト歯車418は、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0054】
いくつかの実施形態では、ベース404は、プラットホーム420と、ベース結合要素422を含む。プラットホーム420は、一般には、ベース404の他の要素、研磨アセンブリ402の要素の一部又は全部、及び/又は加圧器406の要素の一部又は全部のための構造的ベース、容器及び/又は取付け箇所を構成する。例えば、いくつかの実施形態では、ベース404の他の要素(例えば、結合要素422)がプラットホーム420内に静止していてもよいし、プラットホーム420に連結されてもよいし、プラットホーム420によって適所に保持されてもよい。いくつかの実施形態では、プラットホーム420は、ドライブシャフト416、一次シャフト410、二次シャフト412、歯車414及びシャフト歯車416の一部又は全部等の、研磨アセンブリ402の一部又は全部を内部に収容する。プラットホーム420は、MURAT400の動作中、研磨パッド408が水平方向に回転するように、テーブル等の表面上に載置されるように構成される。さらに、プラットホーム420は、任意適当な連結を用いて(加圧器406の1又は2以上の要素を含めて)加圧器406、例えば加圧器結合要素424に結合され/取付けられる。
【0055】
いくつかの実施形態では、プラットホーム420は、開口を有し、開口の中を、一次シャフト410又はドライブシャフト416の一部が通ってもよい。いくつかの実施形態では、一次シャフト410のうちの研磨パッド408に連結された方の端部と反対側の端部は、電動工具又は手動クランクに連結して回転運動を行うためにプラットホーム420の開口の中を通る。いくつかの実施形態では、ドライブシャフト416の端部は、電動工具又は手動クランクに連結され、回転運動を行うためにプラットホーム420の開口の中を通る。いくつかの実施形態では、例えばプラットホーム420及び/又は結合要素422は、研磨アセンブリ402の要素がベース404に接触しないように又はベース404と低摩擦接触するように、研磨アセンブリ402を保持し、それにより、一次シャフト410の回転時にプラットホーム420が回転しない。プラットホーム420は、任意適当な形状を有し、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0056】
結合要素422は、一般には、いずれかの好適な連結を用いて(加圧器406の1又は2以上の要素を含めて)加圧器406、例えば加圧器結合要素424に結合され/取付けられる。ある実施形態例では、結合要素422は、加圧器結合要素424上の溝に連結するように構成された突出部、或いは加圧器結合要素424上の突出部に連結するように構成された溝を有する。いくつかの実施形態では、結合要素422は、任意適当な連結(例えば、溶接、スナップ又は他の締結具、圧入、ヒンジなど)を介してプラットホーム420に連結される。いくつかの実施形態では、結合要素422及びプラットホーム420を単一の材料片としてもよいし、別様に恒久的に取付けられてもよい(例えば、一緒に成形する、接着剤を用いて接合する)。
【0057】
いくつかの実施形態では、結合要素422又は加圧器結合要素424を、(例えば、
図2及び
図3に関して説明したように)回転させて、突出部を溝内に係止/着座させ、かくして、ベース404(例えば、結合要素422及びプラットホーム420)を加圧器406に連結するように構成することができる。特定の実施形態では、結合要素422は、複数組の溝(又は突出部)を有し、異なる溝の各組が、異なるサイズ及び形状のナットプレートと共に使用されるように意図される。例えば、クリーニングすべき第1のタイプのナットプレートが比較的薄い場合、プラットホーム420上で加圧器406の近くに位置する第1の溝の組が使用される。同様に、クリーニングすべき第1のタイプのナットプレートが比較的薄い場合、加圧器結合要素424上でベース404の近くに位置する第1の溝の組が使用される。或いは、クリーニングすべき第2のタイプのナットプレートが比較的厚い場合、プラットホーム420上で加圧器406から離れて位置する第2の溝の組が使用される。同様に、クリーニングすべき第2のタイプのナットプレートが比較的厚い場合、加圧器結合要素424上でベース404から離れて位置する第2の溝の組が使用される。さらに、加圧器結合要素424は、加圧器結合要素424の異なる部分に位置する異なる突出部の組を有し、異なる形状及びサイズのナットプレートを収容してもよい。結合要素422は、任意適当な形状を有し、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0058】
いくつかの実施形態では、ベース404は、ナットプレートのクリーニング中、その任意の要素を含めて、ベース404及び加圧器406の少なくとも一方の内部に研磨パッド408を保持する。
【0059】
いくつかの実施形態では、加圧器406は、加圧器結合要素424と、ナットプレートホルダ426と、ハンドル428を含む。いくつかの実施形態では、一般には、加圧器結合要素424は、ベース404、例えば結合要素422又はプラットホーム420などに取付けられる。特定の実施形態では、加圧器結合要素424は、ベース404と加圧器406との間の取付け箇所としての役割を果たす(例えば、突出部、溝、又は他の任意の好適な手段を介してベース404に連結される)。
図4Aの実施形態には、結合要素422の突出部と加圧器結合要素424の溝を示しているが、他の実施形態では、加圧器結合要素424が突出部を有し、結合要素422が溝を有していてもよい。また、溝と突出部(又は他のタイプの連結)を使用すると、クリーニング中、加圧器406とベース404との間の動きを低減することができるので、加圧器結合要素424は、クリーニング中、安定性をもたらすことができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、加圧器結合要素424は、例えば、溶接、一体成形又は他の任意の好適な手段を介してナットプレートホルダ426に取付けられる。いくつかの実施形態では、加圧器結合要素424及びナットプレートホルダ426は、(例えば、3Dプリンタによって堆積された)金属又はポリマー等の単一の材料片である。さらに、加圧器結合要素424は、加圧器結合要素424の溝とナットプレートホルダ426の突出部とによって、或いは、加圧器結合要素424の突出部とナットプレートホルダ426の溝とによって、ナットプレートホルダ426に取付けられてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、加圧器結合要素424は、加圧器406(具体的には、ナットプレートホルダ426)を研磨パッド408からの特定の距離に配置して特定のナットプレートタイプ又は様式に対応するようにカスタマイズ又別様に構成されてもよく、MURAT400の使用時に、クリーニングされるナットプレートが正しく位置決めされ、及び/又は研磨パッド408に対する十分な力を付与することを確実にするために、異なるナットプレートでは、加圧器結合要素424の寸法(例えば、加圧器結合要素の高さ/長さ)が異なっていてもよい。加圧器結合要素424は、任意適当な形状を有し、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0062】
ナットプレートホルダ426は、一般には、クリーニング中に複数のナットプレート又は複数のナットプレートの一部を保持する。例えば、ナットプレートホルダ426は、複数のナットプレートの一部を物理的に着座させる(保持する)ように成形、形成又は構成される。いくつかの実施形態では、ナットプレートの着座部分は、クリーニングされる面(例えば、接合面)ではない。例示として、
図4Bには、5つの直線的な窪みを示し、窪みの各々は、ナットプレートの第1の部分を着座させることによって研磨パッド408がナットプレートの第2の部分に接触してクリーニングできるように構成され、開口430を含む。いくつかの実施形態では、ナットプレートホルダ426は、任意適当な方法で加圧器結合要素424に連結される。また、いくつか実施形態では、ナットプレートホルダ426は、任意適当な方法(例えば、ねじ、ボルト、溶接、一体成形など)でハンドル428に連結される。いくつかの実施形態では、ナットプレートホルダ426は、特定のナットプレートタイプ又は様式を保持するようにカスタマイズ又は別様に構成されてもよく、MURAT400の使用時に、クリーニングされるナットプレートが正しく位置決めされ、及び/又は研磨パッド408に対する十分な力を付与することを確実にするために、異なるナットプレートでは、ナットプレートホルダ426の寸法(例えば、ナットプレートホルダの高さ/長さ、又は直線的な窪みの寸法)が異なっていてもよい。
【0063】
加えて、いくつかの実施形態では、ナットプレートホルダ426は、クリーニング中にナットプレートの突出部分(例えば、シリコーンウォーム又はドーム型キャップ)が収まるための1又は2以上の開口(孔)430を有する。クリーニングされるナットプレートの突出部分は、ナットプレートホルダ426内に延びてもよく、中空のキャビティを有していてもよいし、中実であってもよい。ナットプレートホルダ426は、任意適当な形状を有し、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0064】
ハンドル428は、一般には、オペレータ(人間又は機械)が加圧器406を把持するための箇所を構成する。例えば、オペレータは、クリーニング前、ハンドル428を把持して加圧器406をベース404上に配置することができる。別の例として、ハンドル428は、クリーニング中、オペレータが研磨パッド408に対する圧力をナットプレートに付与することができ、これによって、MURAT400の使用時、さらに完全なクリーニング作用を生じさせる。いくつかの実施形態では、ハンドル428を介して付与される圧力によって、ナットプレートホルダ426が研磨パッド408に向かって下向きに押され、かくして、ナットプレートホルダ426内に着座したナットプレートに、研磨パッド408に対する圧力を付与するのに役立つ。このように、いくつかの実施形態では、ハンドル428により、MURAT400内でナットプレートホルダ426によって保持されたナットプレートに、研磨パッド208が十分に接触する(従って、クリーニングする)ことを確保する。いくつかの実施形態では、クリーニング中の圧力を、結合要素422と加圧器結合要素424との間の結合/ロック機構によって付与してもよい。ハンドル428は、任意適当な形状を有し、金属(鋼、アルミニウムなど)、ポリマー等の任意適当な材料で形成される。
【0065】
MURAT400の要素の一部又は全部は、3Dプリンタ、一体成形等の任意適当な手段によって形成される。
【0066】
図4A及び
図4Bには、特定の要素を有するMURAT400の特定の実施形態を示しているが、本開示では、説明している要素の一部又は全部、及び説明していないさらなる要素を有する複合回転研磨ツールも検討される。本開示の要素は、任意適当な形状とすることができ、任意適当な構成とすることができる。
【0067】
本明細書で使用する「各(each)」という用語は、集合の各要素、又は集合の部分集合の各要素を意味する。さらに、本明細書で使用する「又は(or)」という用語は、必ずしも排他的なものではなく、別途明確に示していない限り、いくつかの実施形態では包括的なものとすることができ、「及び/又は(and/or)」を意味するものであると理解することができる。同様に、本明細書で使用する「及び(and)」という用語は、必ずしも包括的なものではなく、別途明確に示していない限り、いくつかの実施形態では包括的なものとすることができ、「及び/又は」を意味するものであると理解することができる。
【0068】
本開示の範囲は、本明細書において説明又は図示した実施形態例に対する、当業者が理解する全ての変更、置換、変形、改変及び修正を含む。本開示は、本明細書において説明又は図示した実施形態例に限定されるものではない。さらに、本開示では、本明細書におけるそれぞれの実施形態を、特定の構成要素、要素、機能、動作又はステップを含むものとして説明し図示したが、これらの実施形態は、いずれも本明細書のあらゆる箇所で説明又は図示した構成要素、要素、機能、動作又はステップの、当業者が理解するあらゆる組み合わせ又は置換を含むことができる。さらに、添付の特許請求の範囲における、特定の機能を実行するように適合された(adapted to)、するように構成された(arranged to)、することができる(capable of)、するように構成された(configured to)、することができる(enabled to)、又はするように動作する(operative to)装置、システム、或いは装置又はシステムの構成要素についての言及は、これらの装置、システム又は構成要素がそのように適合され、構成され、行うことができ、構成され、行うことができ、又は動作できる限り、これらの装置、システム又は構成要素、或いはその特定の機能が作動するか否か、オンになっているか否か、又はロック解除されているか否かに関わらず、これらの装置、システム又は構成要素を含む。
【符号の説明】
【0069】
102 ナットプレート
108 接合面
400 回転研磨ツール(システム)
402 研磨アセンブリ
404 ベース
406 加圧器
408 研磨パッド
410 一次シャフト(第1のシャフト)
412 二次シャフト(第2のシャフト)
414 歯車
422 ベース結合要素(第1の結合要素)
424 加圧器結合要素(第2の結合要素)
426 ナットプレートホルダ
428 ハンドル
430 ナットプレートホルダの開口