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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】誘導システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231019BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20231019BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07B15/00 L
G08G1/14 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019037172
(22)【出願日】2019-03-01
(65)【公開番号】P2020140595
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅原 佑允
(72)【発明者】
【氏名】内山 勇司
(72)【発明者】
【氏名】大串 寧
【審査官】藤澤 美穂
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-194926(JP,A)
【文献】特開2014-137804(JP,A)
【文献】特開2000-082199(JP,A)
【文献】特開2006-172114(JP,A)
【文献】特開2011-216016(JP,A)
【文献】特開平10-275299(JP,A)
【文献】特開2017-072921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07B 15/00
G08G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスを予約した利用者の端末と、誘導装置と、を有する誘導システムであって、
前記端末は、前記予約を一意に識別する予約IDを含むビーコンを送信し、
前記誘導装置は、前記端末から前記ビーコンを受信した場合に、音を発して、前記サービスが提供されるエリアへ前記利用者を導くための情報を該利用者へ提供する誘導を開始し、
前記端末は、前記誘導装置が発した前記音に応答して信号を発し、
前記誘導装置は、前記端末が発した前記信号に基づいて該端末を検知する誘導システム。
【請求項2】
前記誘導装置が発した前記音に応答して前記端末が発した前記信号は、応答音であり、
前記誘導装置は、前記応答音を拾って該応答音に基づいて前記端末を検知する
請求項1に記載の誘導システム。
【請求項3】
前記誘導装置は、前記端末を前記エリアで検知した場合に、前記誘導を停止する請求項1又は2に記載の誘導システム。
【請求項4】
前記誘導装置は、所定の条件下で前記端末を前記エリアに含まれない位置で検知した場合に、前記利用者に警告する請求項1から3のいずれか1項に記載の誘導システム。
【請求項5】
前記誘導装置は、非可聴域の音、狭指向性のスピーカにより前記エリアに向けて放音し、
前記端末は、前記非可聴域の音を収音すると、前記誘導の停止を指示する停止指示を前記誘導装置へ送信し、
前記誘導装置は、前記停止指示を受信すると、前記利用者の誘導を停止する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の誘導システム。
【請求項6】
前記誘導装置は、前記エリアに設けた報知機器により前記誘導を行う請求項1から5のいずれか1項に記載の誘導システム。
【請求項7】
前記誘導は、前記利用者を前記エリアへ誘導するための情報を前記端末に送信すること
を含む請求項1から6のいずれか1項に記載の誘導システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導システムに関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場の予約に係るシステムとして、特許文献1に開示された駐車管理システムがある。このシステムのユーザは、携帯端末からサーバ装置へアクセスし、駐車場と駐車区画を指定して駐車の予約を行い、サーバ装置は、ユーザ情報、ユーザに指定された駐車場、駐車区画、駐車開始の予約日時、駐車終了の予約日時などを記憶する。予約を終えて駐車場へ着いたユーザは、携帯端末のカメラを起動し、駐車区画に設置された二次元コードを撮影する。携帯端末は、撮影した二次元コードから駐車区画の識別情報を読み取り、読み取った識別情報、識別情報を読み取った日時、携帯端末のユーザ情報をサーバ装置へ送信する。サーバ装置は、送信された情報と記憶している情報とに基づいて、駐車場所および駐車時間が予約内容に従っているか判断する。サーバ装置は、駐車区画が異なっている場合、予約内容に従っていないと判断し、予約に従っていないことをユーザに通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-160190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが携帯端末で駐車区画に設置されたコードを撮影する構成であると、携帯端末のカメラを起動してコードを撮影する必要があり、手間がかかる。また、駐車区画を間違えていた場合には、駐車場内を移動してコードを再度撮影することとなり、手間がかかることとなる。
【0005】
本発明は、予約したエリアへ利用者が間違えずに移動できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、サービスを予約した利用者の端末と、誘導装置と、を有する誘導システムであって、前記端末は、前記予約を一意に識別する予約IDを含むビーコンを送信し、前記誘導装置は、前記端末から前記ビーコンを受信した場合に、音を発して、前記サービスが提供されるエリアへ前記利用者を導くため情報を該利用者へ提供する誘導を開始し、前記端末は、前記誘導装置が発した前記音に応答して信号を発し、前記誘導装置は、前記端末が発した前記信号に基づいて該端末を検知する誘導システムを、第1の態様として提供する。
【0007】
第1の態様の誘導システムによれば、予約したエリアへ利用者が間違えずに移動できる。また、第1の態様の誘導システムによれば、誘導装置は、音を用いて端末に応答信号を発信させるとともに、その音で利用者を誘導する情報を提供することができる。
第1の態様の誘導システムにおいて、前記誘導装置が発した前記音に応答して前記端末が発した前記信号は、応答音であり、前記誘導装置は、前記応答音を拾って該応答音に基づいて前記端末を検知する、という構成を第2の態様として採用してもよい。
第2の態様の誘導システムによれば、誘導装置は、端末が発した応答音を収音することにより端末を検知することができる。
【0008】
第1又は第2の態様の誘導システムにおいて、前記誘導装置は、前記端末を前記エリアで検知した場合に、前記誘導を停止する、という構成を第の態様として採用してもよい。
【0009】
の態様の誘導システムによれば、予約したエリアに移動した利用者へ誘導が続くのを防ぐことができる。
【0010】
また、本発明は、第1から第3のいずれか一の態様の誘導システムにおいて、前記誘導装置は、所定の条件下で前記端末を前記エリアに含まれない位置で検知した場合に、前記利用者に警告する、という構成を第の態様として採用してもよい。
【0011】
の態様の誘導システムによれば、利用者が居る位置が予約したエリアでないことを利用者へ知らせることができる。
【0012】
また、本発明は、第1から第4のいずれか一の態様の誘導システムにおいて、前記
音は、非可聴域の音であり、狭指向性のスピーカにより前記エリアに向けて放音される、という構成を第の態様として採用してもよい。
【0013】
の態様の誘導システムによれば、利用者の位置を詳細に知ることができる。
【0018】
また、本発明は、第1から第のいずれか一の態様の誘導システムにおいて、前記誘導装置は、前記エリアに設けた報知機器により前記誘導を行う、という構成を第の態様として採用してもよい。
【0019】
の態様の誘導システムによれば、エリアに報知機器を設けない場合と比較して、予約されていないエリアに利用者が移動するのを防ぐことができる。
【0020】
また、本発明は、第1の態様から第6の態様のいずれか一の態様において、前記誘導は、前記利用者を前記エリアへ誘導するための情報を前記端末に送信することを含む、という構成を第の態様として採用してもよい。
【0021】
の態様の誘導システムによれば、端末で利用者を誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る誘導システム1の一例を示した図。
図2】サーバ装置20の構成を示したブロック図。
図3】誘導装置30の構成を示したブロック図。
図4】車室4を予約する動作を説明するためのシーケンス図。
図5】利用者を車室4へ誘導する動作を説明するためのシーケンス図。
図6】変形例に係る誘導システム1Aを示した図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[実施形態]
(実施形態の構成)
図1は、本発明に係る誘導システム1の一例を示した図である。誘導システム1は、駐車場3の車室4の利用予約を行った利用者を、予約した車室4へ誘導するシステムである。
【0026】
駐車場3は、車両を駐車する場所を提供するサービスを提供する時間貸しの駐車場であり、複数の車室4を有する。車室4は、本発明に係るエリアの一例である。駐車場3においては、車室4毎に車両を誘導する誘導装置30が設置されている。なお、図面においては、駐車料金の支払いを行うための設備や車室4からの不正な出庫を防ぐためのロック装置などの図示を省略し、その説明を省略する。通信網2は、音声通信やデータ通信などの通信サービスを提供する通信網である。通信網2は、インターネットや固定電話網、移動体通信網などを含む。
【0027】
携帯端末10は、通信網2を介して通信を行うコンピュータ装置である。携帯端末10は、本発明に係る利用者の端末の一例である。携帯端末10は、例えばスマートフォンであり、駐車場3を利用する利用者が使用する。携帯端末10は、スマートフォンに限定されるものではなく、通信網2を介して通信を行うタブレット端末やフィーチャフォン、データ通信に特化したコンピュータ装置などであってもよい。携帯端末10は、通信網2の無線基地局と通信を行い、音声通信やデータ通信を行う。また、携帯端末10は、近距離無線通信の機能を備えており、例えば、例えばBluetooth(登録商標)の拡張仕様の一つであるBLE(Bluetooth Low Energy)の通信を行う。
【0028】
サーバ装置20は、車室4の利用予約を受け付ける装置である。サーバ装置20は、車室4について携帯端末10のユーザから利用の予約を受け付け、車室4を予約した利用者、予約された利用期間、予約された車室4などの情報を管理する。
【0029】
誘導装置30は、車室4を予約した利用者を車室4に誘導する装置である。誘導装置30は、本発明に係る報知機器の一例である。誘導装置30は車室4毎に設置される。誘導装置30は、例えば所定の高さの柱状の装置であり、利用者を誘導する画面を表示するディスプレイや、利用者を誘導する音を放音するスピーカを有する。
【0030】
図2は、サーバ装置20の構成を示したブロック図である。通信部205は、通信網2を介したデータ通信を行う通信インターフェースである。記憶部202は、ハードディスク装置を有し、車室4の予約に係る情報を記憶する。記憶部202は、例えば車室4の予約に係る予約情報として、車室4を予約した利用者の氏名、予約された利用期間、予約された車室4の識別子である車室ID、利用者が行った予約の識別子である予約IDを記憶する。また、記憶部202は、車室4の利用の予約を行う機能を実現するプログラムを記憶する。
【0031】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)を有し、記憶部202に記憶されているプログラムを実行する。CPUがプログラムを実行することにより、車室4の利用予約を受け付ける機能が実現する。
【0032】
図3は、誘導装置30の構成を示したブロック図である。通信部305は、通信網2を介した通信を行う通信インターフェースである。記憶部302は、不揮発性メモリであり、予約IDと、誘導装置30が設置されている車室4が予約された利用期間の情報を記憶する。近距離通信部306は、近距離無線通信を行う通信モジュールである。近距離通信部306は、例えばBluetoothの拡張仕様の一つであるBLEの通信を行い、携帯端末10と近距離無線通信を行う。ディスプレイ303は、液晶ディスプレイであり、各種情報を表示する。スピーカ307は、制御部301から出力される信号に対応した音を出力する。制御部301は、CPUを有し、予め記憶したプログラムを実行して各部を制御する。
【0033】
(実施形態の動作例)
次に実施形態の動作例について説明する。図4は、車室4を予約する動作を説明するためのシーケンス図である。車室4の利用者である携帯端末10のユーザは、車室4を予約する場合、車室4を予約するアプリケーションプログラムを起動する(ステップSA1)。アプリケーションプログラムを起動した携帯端末10は、サーバ装置20にアクセスする(ステップSA2)。携帯端末10からアクセスされたサーバ装置20は、駐車場3の各車室4の予約状況を示すWebページを携帯端末10へ送信する(ステップSA3)。携帯端末10は、サーバ装置20から送信されたWebページを表示する(ステップSA4)。ユーザは、表示されたWebページにおいて予約を希望する期間において予約がされていない車室4を探す。ユーザは、予約を希望する期間において予約がされていない車室4を見つけると、表示されているWebページ上で利用する車室4と利用期間とを指定し、車室4を予約する操作を行う(ステップSA5)。携帯端末10は、車室4を予約する操作が行われると、ユーザの氏名、指定された利用期間、ユーザが指定した車室4の識別子である車室IDを含む予約情報をサーバ装置20へ送信する(ステップSA6)。
【0034】
サーバ装置20は、携帯端末10から送信された予約情報を受信する。予約情報を受信したサーバ装置20は、ユーザが行った予約を一意に識別する予約IDを生成し(ステップSA7)、生成した予約IDと受信した予約情報を対応付けて記憶部202に記憶する(ステップSA8)。
【0035】
次にサーバ装置20は、生成した予約IDを携帯端末10へ送信する(ステップSA9)。またサーバ装置20は、生成した予約IDと、受信した予約情報に含まれている利用期間を示す利用期間情報を、受信した予約情報に含まれている車室IDに対応した誘導装置30へ送信する(ステップSA10)。
【0036】
携帯端末10は、サーバ装置20から送信された予約IDを受信して記憶し、予約が完了したこと知らせるメッセージを表示する(ステップSA11)。誘導装置30は、サーバ装置20から送信された予約IDと利用期間情報を受信し、受信した予約IDと利用期間情報を記憶部302に記憶する(ステップSA12)。なお、車室4を予約する方法は、上述の方法に限定されるものではなく、車室4の予約に公知の技術を用い、サーバ装置20は、公知の方法で車室の予約が完了すると、予約IDを生成して携帯端末10へ送信してもよい。
【0037】
次に車室4を予約した利用者を車室4へ誘導する動作例について図5を用いて説明する。図5は、利用者を車室4へ誘導する動作を説明するためのシーケンス図である。携帯端末10を所持したユーザは、車両を運転して駐車場3へ移動する。ユーザが所持する携帯端末10は、ステップSA12で記憶した予約IDを表示し、ステップSA12で記憶した予約IDを含むビーコンをBLEに従った通信で送信する(ステップSB1)。
【0038】
駐車場3に設置されている誘導装置30は、携帯端末10が送信したビーコンを受信する。ビーコンを受信した誘導装置30は、受信したビーコンに含まれている予約IDを記憶しているか判断する(ステップSB2)。誘導装置30は、受信したビーコンに含まれている予約IDを記憶している場合、現在の日時が受信した予約IDに対応付けて記憶している利用期間情報が示す期間内であるか判断する(ステップSB3)。誘導装置30は、現在の日時が受信した予約IDに対応付けて記憶している利用期間情報が示す期間内である場合、ビーコンを送信した携帯端末10との無線通信による接続を確立する(ステップSB4)。
【0039】
誘導装置30は、携帯端末10との無線通信による接続を確立すると、受信したビーコンに含まれている予約IDと、入庫を促すメッセージをディスプレイ303に表示する(ステップSB5)。また、誘導装置30は、入庫を促す音声をスピーカ307から放音する(ステップSB6)。つまり、誘導装置30は、駐車を予約した利用者の携帯端末10からビーコンを受信した場合に、予約した車室4への、利用者の誘導を開始する。
【0040】
ユーザは、携帯端末10が表示している予約IDを表示している誘導装置30を駐車場3内において探す。ユーザは、携帯端末10が表示している予約IDを表示している誘導装置30を見つけると、携帯端末10が表示している予約IDを表示している誘導装置30が設置されている車室4へ車両を駐車する。
【0041】
[変形例]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態および以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。
【0042】
上述した実施形態においては、携帯端末10が送信したビーコンを誘導装置30が受信すると誘導装置30が予約IDとメッセージとを表示し、利用者である携帯端末10のユーザを誘導しているが、利用者を誘導する構成は実施形態の構成に限定されるものではない。例えば誘導装置30は、現在時刻が記憶した利用期間情報が示す期間内になると、利用期間情報に対応付けて記憶している予約IDを含むビーコンを送信する。携帯端末10は、受信したビーコンに含まれている予約IDと、記憶している予約IDが一致すると、ビーコンを送信した誘導装置30と無線通信による接続を確立する。誘導装置30は、携帯端末10との無線通信による接続を確立すると、送信したビーコンに含めた予約IDと、入庫を促すメッセージとをディスプレイ303に表示し、入庫を促す音声をスピーカ307から放音する。本変形例でも、誘導装置30で利用者を誘導し、予約された車室4へ利用者を誘導することができる。
【0043】
上述した実施形態においては、誘導装置30は車室4毎に設置されているが、車室4毎に設置する構成に限定されるものではない。図6は、変形例に係る誘導システム1Aを示した図である。誘導システム1Aは、車室4毎に設置された誘導装置30に替えて誘導装置30Aを有する点が異なる。誘導装置30Aは、本発明に係る報知機器の一例である。誘導システム1Aにおいては、複数の車室4につき一台の誘導装置30Aを設置し、図6に示した例では五つの車室4に対して一台の誘導装置30Aを設置している。誘導装置30Aは、ディスプレイ303の構成が異なり、例えば電子看板のように広い面積のディスプレイを有し、他の構成は誘導装置30と同じである。誘導システム1Aにおいては、サーバ装置20は、予約IDと利用期間情報に加えて利用者が予約した車室4の車室IDをステップSA10で誘導装置30Aへ送信し、誘導装置30Aは、サーバ装置から送信された予約ID、利用期間情報および車室IDをステップSA12で対応付けて記憶する。
【0044】
誘導装置30Aは、携帯端末10が送信した予約IDを含むビーコンを受信する。ビーコンを受信した誘導装置30Aは、受信したビーコンに含まれている予約IDを記憶しているか判断する。誘導装置30Aは、受信したビーコンに含まれている予約IDを記憶している場合、現在の日時が予約IDに対応付けて記憶している利用期間情報が示す期間内であるか判断する。誘導装置30Aは、現在の日時が受信した予約IDに対応付けて記憶している利用期間情報が示す期間内である場合、ビーコンを送信した携帯端末10との無線通信による接続を確立する。誘導装置30Aは、携帯端末10との無線通信による接続を確立すると、受信したビーコンに含まれている予約IDに対応付けて記憶している車室IDを記憶部302から取得する。誘導装置30Aは、取得した車室IDに対応した車室4の位置を強調表示した駐車場3のマップを表示し、受信したビーコンに含まれている予約IDと入庫を促すメッセージを強調表示している位置に表示する。本変形例によれば、駐車場に設置する装置の数を抑えて利用者を誘導することができる。
【0045】
本発明においては、誘導装置30は、BLEのビーコンの信号の強さ(TxPower)とビーコンの電波強度(RSSI)から携帯端末10と誘導装置30との間の距離を求め、この距離によって、携帯端末10を検知してもよい。つまり、この誘導装置30は、携帯端末10から受信したビーコンに基づいてこの携帯端末10を、誘導装置30が設置されている車室4で検知する。また、誘導装置30は、求めた距離が予め定められた閾値以下となった場合、予約IDおよびメッセージの表示を終了して利用者の誘導を停止してもよい。例えば、誘導装置30は、閾値を誘導装置30から車室4の入り口までの距離とする。誘導装置30は、利用者が運転する車両が車室4に入り、携帯端末10が送信するビーコンから求めた携帯端末10までの距離が閾値未満となると、予約IDおよびメッセージの表示を終了して利用者の誘導を停止する。すなわち、この誘導装置30は、携帯端末10から受信したビーコンに基づいてこの携帯端末10の位置を特定し、その位置を用いて誘導を行う。
【0046】
本発明においては、携帯端末10は、ビーコンを用いて位置を測位する公知の技術を用いて、複数の誘導装置30が送信するビーコンから携帯端末10の位置を測位してもよい。携帯端末10は、測位した位置を示す位置情報を無線通信で接続した誘導装置30へ送信し、誘導装置30は、送信された位置情報が示す位置が自身から予め定められた範囲内である場合、予約IDおよびメッセージの表示を終了して利用者の誘導を停止してもよい。つまり、この誘導装置30は、携帯端末10を誘導装置30自身から予め定められた範囲内で検知した場合に、上述した誘導を停止する。
【0047】
本発明においては、誘導装置30は、BLEのビーコンから携帯端末10との距離を求め、求めた距離が閾値以下となった場合、距離が閾値以下となった携帯端末10から予約IDを取得してもよい。予約IDを取得した誘導装置30は、取得した予約IDを記憶部302において検索する。誘導装置30は、検索の結果、検索した予約IDが記憶部302に記憶されていない、という警告を行う所定の条件に合致した場合、予約した車室4ではないことを警告し、車両の移動を促すメッセージをディスプレイ303で表示してもよい。つまり、この誘導装置30は、所定の条件下で利用者の携帯端末10を、その利用者が予約した車室4ではない位置で検知した場合に、利用者に警告する。
【0048】
本発明においては、音響通信を用いることにより利用者の誘導を停止してもよい。具体的には、誘導装置30は、スピーカ307から非可聴域の音を放音する。なお、非可聴域の音を放音するスピーカ307は、狭指向性であって車室4に向けて放音するのが好ましい。携帯端末10は、非可聴域の音をマイクロホンで収音すると、誘導の停止を指示する停止指示を無線通信で誘導装置30へ送信する。誘導装置30は、停止指示を受信すると、予約IDおよびメッセージの表示を終了して利用者の誘導を停止する。なお、この誘導装置30は、音を発して、その音に応答して携帯端末10が発する信号に基づいて携帯端末10を車室4で検知する。
【0049】
また、携帯端末10から予約IDを示す非可聴域の音を放音してもよい。この場合、誘導装置30は、非可聴域の音をマイクロホンで収音すると、収音した音が示す予約IDを記憶しているか判断する。誘導装置30は、収音した音が示す予約IDを記憶している場合、携帯端末10が車室4内にあることを検知し、予約IDおよびメッセージの表示を終了して利用者の誘導を停止する。つまり、この誘導装置30は、携帯端末10が発する音を拾って、その音に基づいて携帯端末10を車室4で検知する。
【0050】
上述した実施形態においては、携帯端末10と誘導装置30は、近距離無線通信としてBLEの通信を行うがBLEの通信に限定されるものではない。例えば、携帯端末10と誘導装置30は、IEEE802.11規格に準拠したデバイス間の通信で通信を行ってもよい。また、携帯端末10と誘導装置30は、音響通信で通信を行ってもよい。
【0051】
上述した実施形態においては、車室4を予約して予約IDを受信し、予約IDをビーコンに含めて送信する装置は、スマートフォンである携帯端末10であるが、携帯端末10に替えて、車両に搭載されたカーナビゲーション装置が車室4の予約と予約IDの受信し、予約IDをビーコンに含めて送信してもよい。
【0052】
本発明においては、誘導装置30に回転灯を設け、誘導装置30は、予約IDとメッセージをディスプレイ303で表示すると共に回転灯を点灯させるようにしてもよい。
【0053】
本発明においては、携帯端末10と誘導装置30が無線通信で接続した場合、利用者を車室4へ誘導するための情報を携帯端末10へ送信してもよい。例えば、誘導装置30は、予約された車室4の位置を強調表示した駐車場3のマップの情報を、利用者を車室4へ誘導するための情報として携帯端末10へ送信、携帯端末10は、送信されたマップを表示してもよい。
【0054】
上述した実施形態においては、ユーザにより予約されて誘導装置30が設置されるエリアは車室4であるが、例えば誘導システム1においては、サーバ装置20は、時間貸しされるカラオケルーム、ネットカフェの個室、レンタルルームの予約を受け付け、本発明のエリアの一例であるこれらの部屋に誘導装置30を設置する構成とし、部屋を予約したユーザを誘導する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1、1A…誘導システム、2…通信網、3…駐車場、4…車室、10…携帯端末、20…サーバ装置、30、30A…誘導装置、201…制御部、202…記憶部、205…通信部、301…制御部、302…記憶部、303…ディスプレイ、305…通信部、306…近距離通信部、307…スピーカ
図1
図2
図3
図4
図5
図6