(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】インクジェット記録装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/17 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
B41J2/17 103
(21)【出願番号】P 2019140315
(22)【出願日】2019-07-30
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000107907
【氏名又は名称】セーレン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135448
【氏名又は名称】北川 泰隆
(72)【発明者】
【氏名】松宮 雄太
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-14227(JP,A)
【文献】特開2010-194877(JP,A)
【文献】特開2017-132192(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0001648(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0266305(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向の第一側から第二側に向けてインクを吐出する複数のノズルが
前記第一方向に直交する第二方向に配列されたインクジェットヘッドと、
前記第一方向及び前記第二方向の両方向に直交する第三方向に前記インクジェットヘッドと並べて設けられ、インクミストを回収する回収器と、を備え、
前記回収器は、
内部に収容室を有する収容器と、
前記インクミストを捕捉する捕捉体と、
前記収容器の前記第二方向の第三側から第四側への移動と、前記収容器の前記第二方向の第四側から第三側への移動と、を案内するガイドと、
前記収容室の前記第一方向の第一側を覆うカバーと、を備え、
前記収容器は、前記第一方向の第二側に前記インクミストを含むエアを吸い込む吸込口を有し、
前記吸込口は、前記収容室に通じ、
前記捕捉体は、前記収容室で前記吸込口の前記第一方向の第一側に設けられ、
前記カバーは、前記収容室で前記捕捉体より前記第一方向の第一側に設けられ、
前記ガイドは、
排気口を有し、
前記収容室に前記捕捉体を含む前記収容器を前記インクジェットヘッドより前記第二方向の第四側の位置へと案内する、インクジェット記録装置。
【請求項2】
前記収容室は、
前記吸込口に通じる第一収容室と、
前記第一収容室より前記第一方向の第
一側に設けられる第二収容室と、を含み、
前記収容器は、前記収容室を前記第一収容室と前記第二収容室とに区画する区画壁を備え、
前記区画壁は、前記第一収容室と前記第二収容室とを繋ぐ連結口を有し、
前記捕捉体は、前記第一収容室で前記吸込口の前記第一方向の第一側に設けられ、
前記カバーは、前記第二収容室で前記区画壁上に設けられる、請求項
1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記区画壁は、
第一プレートと、
前記第一方向に前記第一プレートと積層され、前記第一プレートに対して前記第二方向に相対移動自在に設けられる第二プレートと、を備え、
前記第一プレートは、前記第一プレートを前記第一方向に貫通する第一開口を有し、
前記第二プレートは、前記第二プレートを前記第一方向に貫通する第二開口を有し、
前記第二開口は、前記第二プレートが前記第一プレートと積層された状態で前記第一開口と前記第一方向に繋がり、
前記第一開口及び前記第二開口は、前記連結口となり、
前記連結口では、
前記第一プレートに対する前記第二プレートの前記第二方向の位置が第一位置である場合、前記第二開口が前記第一開口と重なり合う前記連結口の開口領域は、第一値となり、
前記第一プレートに対する前記第二プレートの前記第二方向の位置が前記第一位置とは異なる第二位置である場合、前記連結口の開口領域は、前記第一値とは異なる第二値となる、請求項
2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記収容器は、
前記第一方向の第二側に設けられ、前記吸込口を有する第一側壁と、
前記吸込口より前記第三方向の第五側となる前記第一側壁の第一領域の前記第三方向の第六側端と連続し、先端が前記収容室の側を向く第一吸込壁と、
前記吸込口より前記第三方向の第六側となる前記第一側壁の第二領域の前記第三方向の第五側端と連続し、先端が前記収容室の側を向く第二吸込壁と、を備え、
前記捕捉体は、前記収容室で前記第一領域と前記第二領域との間を架け渡される、請求項1から請求項
3の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記捕捉体は、前記第一方向の第一側に凸状の湾曲面又は屈曲面を前記第一方向の第二側に有する、請求項1から請求項
4の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置に関する技術が提案されている。例えば、特許文献1は、液体を吐出する装置を開示する。液体を吐出する装置は、インクジェットプリンタである。インクジェットプリンタでは、キャリッジが主走査方向に移動走査される。装置本体の内部には、上部に吸引ファンが取り付けられる。吸引ファンは、次の向きの気流を発生させる。前述の向きは、装置本体の内部の空気を外部に排出させる向きである。吸引ファンの上流側には、フィルタ、排気ダクト、ミスト吸引チューブ及び流路接続部材を介してミスト吸引ダクトが接続される。液体ミストは、気流によってミスト吸引ダクト、流路接続部材、ミスト吸引チューブ、排気ダクトを介してフィルタで捕集される。液体ミストは、ヘッドからの液体吐出によって生じる。ミスト吸引ダクトは、キャリッジの主走査方向の両側面に備えられる。ミスト吸引ダクトは、ヘッドのノズル近傍に設けられる。この装置では、ミスト吸引ダクトの開口面及びノズル面は、同一の高さにするとよい。ミスト吸引ダクトの開口は、略矩形状であり、ヘッドの記録幅よりも長く開口する。ミスト吸引ダクトの内部に液体ミストが堆積した場合、吸引性能が低下し、また、ミスト堆積物の被記録媒体への落下は、画像不良の原因となり、画像品質を低下させる。ミスト吸引ダクトは、ダクト本体及びカバー部材によって構成される。カバー部材には、液体吸収部材がダクト本体側の面に配設される。液体吸収部材は、多孔質体である。液体吸収部材によって液体ミストを拡散させ、局所的な液体ミストの堆積を防止することができる。
【0003】
特許文献2は、インクジェットプリント装置を開示する。インクジェットプリント装置は、搬送部と、プリント部と、インクミスト回収機構とを備える。搬送部は、媒体を搬送する。プリント部は、フルライン方式の複数のヘッドを備える。インクミスト回収機構は、ヘッドの媒体搬送方向の下流に設けられる。インクミスト回収機構は、ヘッド周辺の空間からインクミストを含む空気を取り除く。ミスト回収機構は、吸引口と、排出口と、空気流路とを備える。空気流路は、吸引口と排出口とを接続する。排出口には、吸引手段が接続される。吸引口は、媒体に面する。吸引口は、設計上の最大プリント幅の全体に亘って開口する。空気流路は、吸引口と排出口との間の仕切りによって第一空間領域と第二空間領域とに区分される。第一空間領域と第二空間領域との間の境界には、連通口が形成される。連通口は、第一空間領域と第二空間領域とを流体的に連通する。連通口は、仕切りに形成された貫通孔又は次の空間である。前述の空間は、仕切りの端部と空気流路の側壁との間又は仕切りの端部間に形成された空間である。連通口の開口面積は、吸引口の開口面積より小さくされる。複数の連通口が設けられる場合、複数の連通口の総開口面積は、吸引口の開口面積より小さくされる。排出口は、空気流路の側壁でプリント幅より外側の位置に設けられる。排出口の外側には、吸引手段がフィルタを介して接続される。フィルタは、第二空間領域から排出口を通って外部に排出される空気中のインクミストを捕捉する。吸引手段が作動すると、ヘッド周辺の空気は、吸引口から第一空間領域に流入する。その後、この空気は、連通口を通って第二空間領域に流入し、排出口を通ってミスト回収機構の外部に排出される。インクミスト回収機構には、返しが設けられる。返しは、空気流路の内壁にインクミストが付着した場合、内壁を下方に流れる液滴が吸引口の開口面よりも下方に滴下することを阻止する。返しには、次の態様の緩やかな傾斜が液体受容部の内部底面に付けられる。前述の態様は、ミスト回収機構の長手方向の中央部が高く両端部が低くなる態様である。液体受容部に受容されたインクミストの廃液は、重力によって長手方向の両端に導かれる。
【0004】
特許文献3は、インクジェット記録装置を開示する。インクジェット記録装置は、印字部を備える。印字部は、フルライン型の複数のインクジェットヘッドを有する。複数のインクジェットヘッドの記録紙搬送方向の両側には、ダクトが設けられる。ダクトは、記録紙の幅方向に沿って設けられる。ダクトは、記録紙の全幅より長い中空の直方体柱構造を有する。ダクトの両端部には、排気ファンが設けられる。排気ファンは、ダクト内部を排気する。排気ファンの内側には、フィルタが設けられる。ダクトのインクジェットヘッドと対向する面は、開口面とされる。インクミストは、ダクト内のエアフローによってダクトの内部に導かれてフィルタに集められる。インクジェット記録装置には、受け皿が設けられる。受け皿は、記録紙の搬送路の両側に搬送路に沿って設けられる。更に、受け皿は、ダクトの両端部の真下に配置される。フィルタに集められたインクミストは、受け皿に落下する。
【0005】
特許文献4は、インクジェット記録装置を開示する。インクジェット記録装置は、記録ヘッドと、ミスト回収部とを有する。ミスト回収部は、記録ヘッドから放出されたインクミストを回収する。ミスト回収部は、ダクトと、ファンと、フィルタとを有する。ファンは、ダクト内にインクミストを吸入する。フィルタは、インクミストを捕集する。ダクトは、吸引部と、排出部とを有する。吸引部には、吸引口が形成される。排出部には、ファン及びフィルタが配置される。吸引部は、記録ヘッドの下流側壁面に隣接し、この壁面に沿って配置される。吸引口は、重力方向の下向きに開口し、吸引部は、重力方向に延びた形状を有する。排出部は、水平方向に延びるように配置される。ダクトの吸引口は、記録ヘッドに隣接し、記録ヘッドの吐出口が形成された面と同等の位置に配置される。吸引部の内壁面には、吸引口の近傍に返しが形成される。返しは、吸引部の内壁面を吸引口に向けて垂れてくるインク滴を受容する。吸引部の内壁面には、返しの上方に吸収体が設けられる。吸収体は、インクを含浸し保持する。
【0006】
特許文献5は、液体吐出装置を開示する。液体吐出装置は、記録装置である。記録装置は、キャリッジの往復走査と被記録媒体の搬送とを交互に行う。キャリッジは、遮蔽部と、回収部とを備える。遮蔽部は、ノズル列間を遮蔽する。ノズル列は、複数のノズルを搬送方向に並べて構成される。回収部は、ミストを回収する。ミストは、インクがノズルから吐出されることに伴い発生する。遮蔽部は、傾斜部を有する。遮蔽部に付着したミストは、傾斜部の傾斜に沿って移動し、回収部に集められる。回収部は、溝部を有する。溝部は、搬送方向の上流側から下流側に向かって低くなる。インクは、搬送方向の下流側に集められる。回収部は、溝部に吸収部材を有する。吸収部材は、インクを吸収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-226104号公報
【文献】特開2016-34702号公報
【文献】特開2009-220499号公報
【文献】特開2005-271314号公報
【文献】特開2016-182723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
インクジェット記録装置では、画像の記録時、インクミストがインクの吐出に伴い発生する。従って、インクジェット記録装置では、回収器が設けられることがある。回収器は、インクミストを回収する。発明者は、インクジェットヘッドと並べて回収器を設けることで、インクミストを効果的に回収することができると考えた。但し、回収器は、回収したインクミストによって汚染される。そこで、発明者は、回収器のメンテナンス性について検討した。回収器が汚染された場合、回収器をメンテナンスすることで、回収性能を回復することができる。
【0009】
本発明は、インクジェット記録装置でインクミストを回収する回収器のメンテナンス性を向上させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面は、第一方向の第一側から第二側に向けてインクを吐出する複数のノズルが前記第一方向に直交する第二方向に配列されたインクジェットヘッドと、前記第一方向及び前記第二方向の両方向に直交する第三方向に前記インクジェットヘッドと並べて設けられ、インクミストを回収する回収器と、を備え、前記回収器は、内部に収容室を有する収容器と、前記インクミストを捕捉する捕捉体と、前記収容器の前記第二方向の第三側から第四側への移動と、前記収容器の前記第二方向の第四側から第三側への移動と、を案内するガイドと、前記収容室の前記第一方向の第一側を覆うカバーと、を備え、前記収容器は、前記第一方向の第二側に前記インクミストを含むエアを吸い込む吸込口を有し、前記吸込口は、前記収容室に通じ、前記捕捉体は、前記収容室で前記吸込口の前記第一方向の第一側に設けられ、前記カバーは、前記収容室で前記捕捉体より前記第一方向の第一側に設けられ、前記ガイドは、排気口を有し、前記収容室に前記捕捉体を含む前記収容器を前記インクジェットヘッドより前記第二方向の第四側の位置へと案内する、インクジェット記録装置である。
【0011】
このインクジェット記録装置によれば、捕捉体によってインクミストを捕捉することができる。収容器をインクジェットヘッドより第二方向の第四側の位置に引き出すことができる。インクジェット記録装置が記録動作状態である場合、回収器は、第三方向にインクジェットヘッドと並んだ位置でインクミストを回収する。これに対して、回収器でメンテナンスが必要である場合、収容器が第二方向の第四側に引き出される。
【0012】
更に、カバーによって収容室とガイドとを隔てることができる。回収器に吸い込まれ捕捉体を通過したエアを第一方向の第一側から排気することができる。エアが排気口から流出する場合、このエアに含まれるインクミストがガイドに付着することを抑制することができる。
【0013】
前記収容室は、前記吸込口に通じる第一収容室と、前記第一収容室より前記第一方向の第一側に設けられる第二収容室と、を含み、前記収容器は、前記収容室を前記第一収容室と前記第二収容室とに区画する区画壁を備え、前記区画壁は、前記第一収容室と前記第二収容室とを繋ぐ連結口を有し、前記捕捉体は、前記第一収容室で前記吸込口の前記第一方向の第一側に設けられ、前記カバーは、前記第二収容室で前記区画壁上に設けられる、ようにしてもよい。この構成によれば、捕捉体を通過したエアを連結口を介して第二収容室に流入させることができる。
【0014】
前記区画壁は、第一プレートと、前記第一方向に前記第一プレートと積層され、前記第一プレートに対して前記第二方向に相対移動自在に設けられる第二プレートと、を備え、前記第一プレートは、前記第一プレートを前記第一方向に貫通する第一開口を有し、前記第二プレートは、前記第二プレートを前記第一方向に貫通する第二開口を有し、前記第二開口は、前記第二プレートが前記第一プレートと積層された状態で前記第一開口と前記第一方向に繋がり、前記第一開口及び前記第二開口は、前記連結口となり、前記連結口では、前記第一プレートに対する前記第二プレートの前記第二方向の位置が第一位置である場合、前記第二開口が前記第一開口と重なり合う前記連結口の開口領域は、第一値となり、前記第一プレートに対する前記第二プレートの前記第二方向の位置が前記第一位置とは異なる第二位置である場合、前記連結口の開口領域は、前記第一値とは異なる第二値となる、ようにしてもよい。この構成によれば、連結口の開口領域を変化させることができる。第二収容室に流入するエアの流量を調整することができる。
【0015】
前記収容器は、前記第一方向の第二側に設けられ、前記吸込口を有する第一側壁と、前記吸込口より前記第三方向の第五側となる前記第一側壁の第一領域の前記第三方向の第六側端と連続し、先端が前記収容室の側を向く第一吸込壁と、前記吸込口より前記第三方向の第六側となる前記第一側壁の第二領域の前記第三方向の第五側端と連続し、先端が前記収容室の側を向く第二吸込壁と、を備え、前記捕捉体は、前記収容室で前記第一領域と前記第二領域との間を架け渡される、ようにしてもよい。この構成によれば、捕捉体を吸込口に対向させた状態で収容室に設けることができる。捕捉体に回収器に吸い込まれたエアを通過させることができる。
【0016】
前記捕捉体は、前記第一方向の第一側に凸状の湾曲面又は屈曲面を前記第一方向の第二側に有する、ようにしてもよい。この構成によれば、捕捉体の表面積を広くすることができる。これに伴い、捕捉体でインクミストを捕捉する領域を広くすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、インクジェット記録装置でインクミストを回収する回収器のメンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】インクジェット記録装置の概略構成の一例を示す斜視図である。
【
図2】インクジェットヘッド及び回収器を示す底面図である。
【
図3】回収器の一例を示す断面図である。回収器の内部構造を示す。切断位置は、
図1のA-A線に対応する。
【
図4】回収器の一例を示す断面図である。回収器の内部構造を示す。切断位置は、
図1のB-B線に対応する。
【
図5】区画壁の概略構成の一例を示す図である。上段は、区画壁の斜視図を示す。中段及び下段は、区画壁の切断面を示す。切断位置は、上段のD-D線に対応する。中段は、連結口が全開である状態を示す。下段は、連結口が半開である状態を示す。
【
図6】第一収容室の一部に対応する収容器の部分を中間部を省略して示す斜視図である。
【
図7】回収器の他の例を示す断面図である。回収器の内部構造を示す。切断位置は、
図1のA-A線に対応する。
【
図8】回収器の更に他の例を示す断面図である。凹凸の嵌め合わせによる第一係合部及び第二係合部を示す。第一係合部及び第二係合部に対応する回収器の一部を示す。切断位置は、
図1のA-A線に対応する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。他の構成を含むようにしてもよい。実施形態の各図は、所定の構成を模式的に示したものである。従って、実施形態の各図では、以下に示す複数の構成間の対応は、正確ではない場合がある。実施形態の各図でハッチングは、切断面を示す。一点鎖線は、中心線である。二点鎖線は、想像線である。
【0020】
<インクジェット記録装置>
インクジェット記録装置10について、
図1,2を参照して説明する。インクジェット記録装置10は、各種の記録媒体15を搬送し、記録媒体15に柄を記録する。
図1で記録媒体15の次の部分に付した模様は、記録媒体15に記録された柄に対応する。前述の部分は、後述する回収器45より搬送方向の下流側となる記録媒体15の部分である。搬送方向は、インクジェット記録装置10で記録媒体15が搬送される方向である。記録媒体15としては、建築用資材又は布帛が例示される。実施形態では、記録媒体15として、短尺の記録媒体を例示する。但し、記録媒体は、長尺であってもよい。柄の記録に用いるインクとして、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色を例示する。但し、柄の記録には、これら各色のインクとは異なる色のインクを用いてもよい。インク色数は、3色以下又は5色以上としてもよい。
【0021】
インクジェット記録装置10は、搬送機20と、インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kと、回収器41,42,43,44,45とを備える。搬送機20は、記録媒体15を搬送方向に搬送する。記録媒体15は、搬送面21に載せ置かれる。インクジェット記録装置10では、搬送機20による記録媒体15の搬送は、連続的に行われる。搬送機20は、ベルトコンベアである。搬送機20は、公知のインクジェット記録装置の搬送機と同様である。従って、搬送機20に関するこの他の説明は、省略する。
【0022】
インクジェットヘッド30Yは、イエローインクによって記録媒体15に柄を記録する。インクジェットヘッド30Yは、第一方向の第一側から第二側に向けてイエローインクを吐出する。インクジェットヘッド30Mは、マゼンタインクによって記録媒体15に柄を記録する。インクジェットヘッド30Mは、第一方向の第一側から第二側に向けてマゼンタインクを吐出する。インクジェットヘッド30Cは、シアンインクによって記録媒体15に柄を記録する。インクジェットヘッド30Cは、第一方向の第一側から第二側に向けてシアンインクを吐出する。インクジェットヘッド30Kは、ブラックインクによって記録媒体15に柄を記録する。インクジェットヘッド30Kは、第一方向の第一側から第二側に向けてブラックインクを吐出する。
【0023】
実施形態では、第一方向を鉛直方向とする。第一方向の第一側を鉛直方向の上側とし、第一方向の第二側を鉛直方向の下側とする。第一方向に直交する方向を第二方向という。第二方向の一方側を「第三側」といい、第二方向の他方側を「第四側」という。第一方向及び第二方向の両方向に直交する方向を「第三方向」という。第三方向の一方側を「第五側」といい、第三方向の他方側を「第六側」という。第三方向は、搬送方向に沿った方向とする。第三方向の第五側を搬送方向の上流側とし、第三方向の第六側を搬送方向の下流側とする。
【0024】
インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kは、ライン型のインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kは、同様の構成を有する。インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kは、複数のノズル31を有する(
図2参照)。複数のノズル31は、第二方向に配列される。複数のノズル31は、次の態様で吐出面34に配置される。前述の態様は、ノズル列を第三方向に2列設けた態様である。1列のノズル列は、半数のノズル31を第二方向に配列させて形成される。吐出面34は、インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kの第一方向の第二側の面である。吐出面34は、記録媒体15と対向する。2本のノズル列は、第二方向に所定量だけずれた状態で第三方向に隣り合って設けられる。但し、このような複数のノズル31の配置は、例示である。複数のノズル31は、前述の態様(
図2参照)とは異なる配置としてもよい。
【0025】
各色のインクは、色毎のインクタンクに貯留される。各色のインクは、対応する色用のインク流路を流れて、インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kに供給される。インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kは、キャリッジに搭載される。インクジェット記録装置10は、インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kと同数のキャリッジを備えるとよい。この場合、インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kは、独立したキャリッジにそれぞれ搭載される。
図1では、インクタンク、インク流路及びキャリッジの図示は、省略されている。
図1では、インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kの図示は、簡略化されている。
【0026】
インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kは、搬送面21の第一方向の第一側に次の状態で設けられる。前述の状態は、吐出面34が搬送面21から離間した状態である。インクジェット記録装置10では、次の第一間隔、第二間隔、第三間隔及び第四間隔は、等しく設定される。第一間隔は、インクジェットヘッド30Yの吐出面34と搬送面21との第一方向の間隔である。第二間隔は、インクジェットヘッド30Mの吐出面34と搬送面21との第一方向の間隔である。第三間隔は、インクジェットヘッド30Cの吐出面34と搬送面21との第一方向の間隔である。第四間隔は、インクジェットヘッド30Kの吐出面34と搬送面21との第一方向の間隔である。
【0027】
回収器41,42,43,44,45は、インクミストを回収する。回収器41,42,43,44,45は、第三方向にインクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kと並べて設けられる。実施形態では、回収器41,42,43,44,45は、インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kの第三方向の第五側及び第六側に設けられる。つまり、インクジェット記録装置10では、回収器41,42,43,44,45及びインクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kは、第三方向の第五側から第六側に向けて、回収器41、インクジェットヘッド30Y、回収器42、インクジェットヘッド30M、回収器43、インクジェットヘッド30C、回収器44、インクジェットヘッド30K及び回収器45の順で設けられる。但し、第三方向におけるインクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kの配列順序は、前述の順序とは異なる順序としてもよい。インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kの配列順序は、諸条件を考慮して適宜決定される。
【0028】
インクジェット記録装置10で記録媒体15に柄が記録される場合、搬送機20は、記録媒体15を搬送方向に連続的に搬送する。インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kは、所定のタイミングで対応する色のインクを第一方向の第一側から第二側に向けて吐出する。インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kから吐出された各色のインクは、記録媒体15の表面に着弾する。着弾した各色のインクによって記録媒体15の表面に柄が記録される。
【0029】
<回収器>
回収器40について、
図1~6を参照して説明する。回収器41,42,43,44,45は、同様の構成を有する。従って、実施形態では、回収器41,42,43,44,45を区別しない場合、又はこれらを総称する場合、「回収器40」という。
【0030】
回収器40は、収容器50と、捕捉体75と、ガイド85と、カバー90とを備える(
図3,4参照)。収容器50は、第一方向の第二側に吸込口51を有する。回収器40は、インクミストを含むエアを吸込口51から吸い込む(
図3参照)。吸込口51は、第二方向に沿って形成される(
図3,4参照)。回収器40では、吸込口51は、収容器50の第一方向の第二側の側壁に形成されたスリットである。実施形態では、収容器50の第一方向の第二側の側壁を「第一側壁55」という。第一側壁55は、回収器40の第一方向の第二側の側壁でもある。第一方向の第二側が鉛直方向の下側である場合、第一側壁55は、収容器50(回収器40)の底壁ということもできる。収容器50の第二方向の第三側の側壁を「第二側壁56」といい、収容器50の第二方向の第四側の側壁を「第三側壁57」という。収容器50の第三方向の第五側の側壁を「第四側壁58」といい、収容器50の第三方向の第六側の側壁を「第五側壁59」という。
【0031】
吸込口51の第二方向の寸法W1は、次の寸法W2以上にするとよい(
図2参照)。寸法W2は、第一ノズル32の第二方向の第三側端と、第二ノズル33の第二方向の第四側端との間の寸法である。第一ノズル32は、複数のノズル31で最も第二方向の第三側に設けられるノズル31である。第二ノズル33は、複数のノズル31で最も第二方向の第四側に設けられるノズル31である。吸込口51は、収容室52に通じる(
図3,4参照)。収容室52は、収容器50の内部に形成される空間である。
【0032】
収容室52は、第一収容室53と、第二収容室54とを含む。第一収容室53は、第一方向の第二側に設けられる。第二収容室54は、第一収容室53より第一方向の第
一側に設けられる。第一収容室53は、収容室52の第一方向の第二側の空間部分を形成する。第二収容室54は、第一収容室53より第一方向の第一側となる収容室52の空間部分を形成する。第二収容室54は、第一収容室53を除く収容室52の空間部分であるともいえる。吸込口51は、第一収容室53へと繋がる(
図3,4,6参照)。
【0033】
収容器50は、収容室52に区画壁60を備える(
図3,4参照)。区画壁60は、収容室52を第一収容室53と第二収容室54とに区画する。区画壁60は、連結口61を有する(
図3~5参照)。連結口61は、第一収容室53と第二収容室54とを繋ぐ(
図3,4参照)。第二収容室54は、連結口61を介して第一収容室53と通じる。区画壁60は、第一プレート62と、第二プレート64とを備える(
図3~5参照)。第一プレート62及び第二プレート64は、第一方向に積層される。区画壁60では、第一プレート62及び第二プレート64のうち、一方のプレートは、他方のプレートに対して第二方向に相対移動自在に設けられる(
図5中段及び下段参照)。
【0034】
実施形態では、第二プレート64は、第一プレート62の第一方向の第一側に設けられる。第二プレート64は、第一プレート62に対して第二方向に相対移動自在に設けられる。第一プレート62は、ステー72,73上に支持される(
図3,4参照)。ステー72は、第四側壁58の内面に設けられる(
図3参照)。ステー73は、第五側壁59の内面に設けられる(
図3,4参照)。収容器50では、合計4個のステー72,73が第四側壁58の内面及び第五側壁59の内面にそれぞれ2個設けられる。第四側壁58及び第五側壁59では、ステー72,73は、第一方向の同じ位置に設けられ、更に、第二方向の同じ位置に設けられる。即ち、第四側壁58の内面に設けられるステー72は、第五側壁59の内面に設けられるステー73と第三方向に対向配置される。
【0035】
第一プレート62は、第一開口63を有し、第二プレート64は、第二開口65を有する(
図3~5参照)。第一開口63は、第一プレート62を第一方向に貫通する。第二開口65は、第二プレート64を第一方向に貫通する。実施形態では、第二開口65は、第一開口63と同じ形状である。第二開口65は、第二プレート64が第一プレート62と積層された状態で第一開口63と第一方向に繋がる。即ち、第一開口63及び第二開口65は、連結口61を形成する。
【0036】
第一プレート62に対して第二プレート64を第二方向に相対移動させることで、第二開口65が第一開口63と重なり合う領域を変化させることができる(
図5中段及び下段参照)。即ち、第一プレート62に対して第二プレート64を第二方向に相対移動させることで、連結口61の開口領域(開口面積)を変化させることができる。第一開口63及び第二開口65の第二方向の寸法を「L」とする(
図5上段参照)。第二プレート64を、第二開口65が第一開口63と一致する位置(
図5中段参照)から第二方向の第三側に「L/2」ずれた位置へと移動させたとする(
図5下段参照)。この場合、連結口61の開口領域は、全開状態から半開状態へと変化する。
【0037】
収容器50は、第一吸込壁66と、第二吸込壁67とを備える(
図3,4,6参照)。第一吸込壁66は、第一側壁55の第一領域R1の第三方向の第六側端と連続し、先端が収容室52の側を向く(
図3,6参照)。第二吸込壁67は、第一側壁55の第二領域R2の第三方向の第五側端と連続し、先端が収容室52の側を向く(
図3,6参照)。第一領域R1は、吸込口51より第三方向の第五側となる第一側壁55の部分であり、第二領域R2は、吸込口51より第三方向の第六側となる第一側壁55の部分である(
図3,4,6参照)。実施形態では、第一吸込壁66及び第二吸込壁67は、第一方向に沿った壁である(
図3,6参照)。従って、第一吸込壁66の先端及び第二吸込壁67の先端は、第一方向の第一側を向く。
【0038】
収容器50は、収容室52の第一方向の第二側に、第一受容室68と、第二受容室69とを含む(
図3,6参照)。換言すれば、収容器50は、第一収容室53の第一方向の第二側に、第一受容室68と、第二受容室69とを含む。第一受容室68は、吸込口51の第三方向の第五側に設けられ、第二受容室69は、吸込口51の第三方向の第六側に設けられる。第一受容室68は、第一側壁55の第一領域R1、第二側壁56、第三側壁57、第四側壁58及び第一吸込壁66によって囲まれた空間である(
図6参照)。第二受容室69は、第一側壁55の第二領域R2、第二側壁56、第三側壁57、第五側壁59及び第二吸込壁67によって囲まれた空間である(
図6参照)。第一受容室68及び第二受容室69は、次の廃液を受容する。前述の廃液は、インクミストが集合した液体である。
【0039】
捕捉体75は、第一方向の第一側に凸状の湾曲面又は屈曲面を第一方向の第二側に有する。インクジェット記録装置10では、捕捉体75は、第一方向の第一側に凸状となる湾曲面を第一方向の第二側に有する(
図3参照)。捕捉体75では、第一方向の第二側の面を第一方向の第一側に凸状の屈曲面とする場合、第一方向の第二側の面は、三角形状の屈曲面としてもよい。この場合、前述の屈曲面は、正三角形状又は二等辺三角形状(後述する
図7参照)とするとよい。捕捉体75は、シート状の部材によって形成される。例えば、捕捉体75は、金属製メッシュとするとよい(
図4参照)。好ましくは、捕捉体75は、ステンレス製メッシュとするとよい。但し、捕捉体75の形状及び材質は、諸条件を考慮して適宜決定される。例えば、捕捉体75の材質の決定には、インクの成分が考慮される。
図4で捕捉体75を示す格子は、捕捉体75がメッシュであることを示す。インクジェット記録装置10では、捕捉体75がシート状であるため、捕捉体75の第一方向の第一側の面は、捕捉体75の第一方向の第二側の面に沿った面となる(
図3参照)。
【0040】
捕捉体75は、収容室52に設けられる(
図3,4参照)。捕捉体75は、第一収容室53で吸込口51の第一方向の第一側に設けられる。捕捉体75では、第三方向の第五側の第一端部76は、第一受容室68に収容され、第三方向の第六側の第二端部77は、第二受容室69に収容される(
図3参照)。捕捉体75は、収容室52で第一側壁55の第一領域R1と第一側壁55の第二領域R2との間を架け渡される。捕捉体75は、吸込口51から吸い込まれたエアに含まれるインクミストを捕捉する。吸込口51から吸い込まれたエアは、収容室52内を後述する排気口86の側に向かって第一方向の第一側に流れる。その際、エアは、捕捉体75を通過する。捕捉体75は、このエアに含まれるインクミストを捕捉する。インクミストは、捕捉体75に付着した後、捕捉体75の表面に沿って第一受容室68及び第二受容室69の何れか一方側に流れる。捕捉体75の表面は、捕捉体75の第一方向の第一側の面と、捕捉体75の第一方向の第二側の面とを含む。
【0041】
ガイド85は、排気口86を有する。排気口86は、排気ダクト98を介して吸引装置99と繋がる(
図1参照)。吸引装置99は、吸込口51から吸い込まれたエアを吸引する。換言すれば、回収器40は、吸引装置99の動作に伴い吸込口51からエアを吸い込む。
図1,3,4では、排気ダクト98は、排気口86側の一部を示す。
【0042】
回収器41,42,43,44,45では、ガイド85は、搬送面21の第一方向の第一側に設けられる。更に、回収器41では、ガイド85は、インクジェットヘッド30Yの第三方向の第五側でインクジェットヘッド30Yと並べて設けられる。回収器42では、ガイド85は、インクジェットヘッド30Y,30Mの間でインクジェットヘッド30Y,30Mと第三方向に並べて設けられる。回収器43では、ガイド85は、インクジェットヘッド30M,30Cの間でインクジェットヘッド30M,30Cと第三方向に並べて設けられる。回収器44では、ガイド85は、インクジェットヘッド30C,30Kの間でインクジェットヘッド30C,30Kと第三方向に並べて設けられる。回収器45では、ガイド85は、インクジェットヘッド30Kの第三方向の第六側でインクジェットヘッド30Kと並べて設けられる。回収器41,42,43,44,45の全ての回収器40でガイド85は、前述の位置に固定配置される。
【0043】
ガイド85には、収容器50が第一方向の第二側に懸架される(
図3参照)。収容器50は、第一係合部70,71を含む。第一係合部70は、収容器50の第一方向の第一側で且つ第三方向の第五側に設けられる。第一係合部71は、収容器50の第一方向の第一側で且つ第三方向の第六側に設けられる。ガイド85は、第二係合部87,88を含む。第二係合部87は、ガイド85の第一方向の第二側で且つ第三方向の第五側に設けられる。第二係合部88は、収容器50の第一方向の第二側で且つ第三方向の第六側に設けられる。第一係合部70,71及び第二係合部87,88は、第二方向及び第三方向に沿った平板状の形状を有する。第一係合部70は、第三方向の第五側で第二係合部87と次の第一状態で第一方向に重なり合う。第一状態は、第一係合部70が第一方向の第一側となり、且つ第二係合部87が第二方向の第二側となる状態である。第一係合部71は、第三方向の第六側で第二係合部88と次の第二状態で第一方向に重なり合う。第二状態は、第一係合部71が第一方向の第一側となり、且つ第二係合部88が第二方向の第二側となる状態である。
【0044】
回収器40では、上述したように第一係合部70,71が第二係合部87,88と重なり合うことで、第一係合部70,71が第二係合部87,88に引っ掛かり、収容器50がガイド85の第一方向の第二側に吊り下げられる。回収器40では、収容器50を第二方向の第三側から第四側に引っ張り、又は収容器50を第二方向の第四側から第三側に押すことで、第一係合部70,71は、第二係合部87,88上を収容器50に作用する力の方向に滑る。これに伴い、収容器50は、第二方向の第三側から第四側に移動し、又は第二方向の第四側から第三側に移動する。この場合、ガイド85は、収容器50の第二方向の第三側から第四側への移動と、収容器50の第二方向の第四側から第三側への移動とを案内する。
【0045】
記録媒体15に柄を記録する場合、回収器41,42,43,44,45では、収容器50は、次の第三状態とされる(
図1参照)。第三状態は、収容器50が第二方向の第三側の移動端に配置された状態である。収容器50が第三状態である場合、吸込口51は、搬送面21の第一方向の第一側に配置され、搬送面21(記録媒体15)に対向する。例えば、回収器40のメンテナンスが必要である場合、作業者は、メンテナンス対象の回収器40で第三状態の収容器50を第二方向の第四側に引き出す。これに伴い、第三状態の収容器50は、第二方向の第三側から第四側に移動して第四状態となる。第四状態は、収容器50が第二方向の第四側の移動端に配置された状態である。第四状態での第二方向の第四側の移動端は、収容器50がインクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kより第二方向の第四側となる位置である。即ち、ガイド85は、収容器50を第三方向に並ぶインクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kより第二方向の第四側の位置へと案内する。第四状態での第二方向の第四側の移動端は、捕捉体75の全体がインクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kより第二方向の第四側となる位置としてもよい。
図1では、第三状態の収容器50を実線で示し、第四状態の収容器50を二点鎖線で示す。
【0046】
カバー90は、収容室52に設けられ
る(図3,4参照)。更に、カバー90は、第二収容室54で第一プレート62上に設けられる。従って、カバー90は、収容室52で捕捉体75より第一方向の第
一側に設けられる。カバー90は、収容室52の第一方向の第一側を覆う。換言すれば、カバー90は、ガイド85の第一方向の第二側の面(ガイド85の内面)を収容室52から隔てる。カバー90は、ガイド85の内面のうち、少なくとも次の領域を収容室52から隔てるようにするとよい。前述の領域は、収容器50を上述の第四状態とした場合に露出することとなるガイド85の内面の領域である。カバー90には、第一方向の第一側の側壁の次の位置にこの側壁を第一方向に貫通する貫通孔91が設けられる。前述の位置は、カバー90が収容室52に設置された状態で第一方向に排気口86と重なり合う位置である(
図4の「中心線L」参照)。換言すれば、前述の位置は、前述の状態で第二方向及び第三方向において排気口86と一致する位置である。
【0047】
<実施形態の効果>
実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
【0048】
(1)インクジェット記録装置10では、回収器41,42,43,44,45が第三方向にインクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kと交互に並べて設けられる(
図1参照)。回収器40は、インクミストを回収する。回収器40は、収容器50と、捕捉体75と、ガイド85とを備える(
図3,4参照)。収容器50は、内部に収容室52を有する。捕捉体75は、インクミストを捕捉する。ガイド85は、収容器50の第二方向の第三側から第四側への移動と、収容器50の第二方向の第四側から第三側への移動とを案内する(
図1参照)。収容器50は、第一方向の第二側に吸込口51を有する(
図3,4,6参照)。吸込口51は、収容室52に通じる。捕捉体75は、収容室52で吸込口51の第一方向の第一側に設けられる(
図3,4参照)。ガイド85は、収容器50をインクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kより第二方向の第四側の位置へと案内する(
図1参照)。
【0049】
そのため、捕捉体75によってインクミストを捕捉することができる。収容器50をインクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kより第二方向の第四側の位置に引き出すことができる。インクジェット記録装置10が記録動作状態である場合、回収器41,42,43,44,45は、第三方向にインクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kと並んだ位置でインクミストを回収する。これに対して、回収器41,42,43,44,45の一部又は全部の回収器40でメンテナンスが必要である場合、メンテナンスが必要である回収器40では、収容器50が第二方向の第四側に引き出される。インクジェット記録装置10で回収器40のメンテナンス性を向上させることができる。
【0050】
(2)回収器40は、カバー90を備える(
図3,4参照)。カバー90は、収容室52(第二収容室54)の第一方向の第一側を覆う。カバー90は、収容室52で捕捉体75より第一方向の第
一側に設けられる。ガイド85は、排気口86を有する。そのため、カバー90によって収容室52とガイド85とを隔てることができる。回収器40に吸い込まれ捕捉体75を通過したエアを第一方向の第一側から排気することができる。エアが排気口86から排気ダクト98に流出する場合、このエアに含まれるインクミストがガイド85に付着することを抑制することができる。収容器50を第三方向の第四側に引き出した状態で、例えば、次の事象を防止することができる。前述の事象は、インクがガイド85から落下し、記録媒体15及び搬送機20(搬送面21)の一方又は両方を汚染することである。収容器50の第二方向への移動に関わらず、排気口86を一定の位置に配置することができる。排気ダクト98の構成を簡略化することができる。例えば、排気ダクト98に伸縮機能を持たせる必要がない。
【0051】
(3)収容室52は、第一収容室53と、第二収容室54とを含む(
図3,4参照)。収容器50は、区画壁60を備える。区画壁60は、収容室52を第一収容室53と第二収容室54とに区画する。区画壁60は、連結口61を有する。連結口61は、第一収容室53と第二収容室54とを繋ぐ。捕捉体75は、第一収容室53で吸込口51の第一方向の第一側に設けられる。カバー90は、第二収容室54で区画壁60上に設けられる。そのため、捕捉体75を通過したエアを連結口61を介して第二収容室54に流入させることができる。
【0052】
(4)区画壁60は、第一プレート62と、第二プレート64とを備える(
図3~5参照)。第二プレート64は、第一方向に第一プレート62と積層される。第二プレート64は、第一プレート62に対して第二方向に相対移動自在に設けられる。第一プレート62は、第一開口63を有する。第一開口63は、第一プレート62を第一方向に貫通する。第二プレート64は、第二開口65を有する。第二開口65は、第二プレート64を第一方向に貫通する。第二開口65は、第二プレート64が第一プレート62と積層された状態で第一開口63と第一方向に繋がる。第一開口63及び第二開口65は、連結口61となる。連結口61では、第一プレート62に対する第二プレート64の第二方向の位置が
図5中段の位置である場合、連結口61の開口領域は、全開状態となる。これに対して、第一プレート62に対する第二プレート64の第二方向の位置が
図5下段の位置である場合、連結口61の開口領域は、半開状態となる。そのため、連結口61の開口領域を変化させることができる。第二収容室54に流入するエアの流量を調整することができる。
【0053】
(5)収容器50は、第一側壁55と、第一吸込壁66と、第二吸込壁67とを備える(
図3,6参照)。第一側壁55は、収容器50の第一方向の第二側に設けられる。第一側壁55は、吸込口51を有する。第一吸込壁66は、第一側壁55の第一領域R1の第三方向の第六側端と連続し、先端が収容室52の側を向く。第二吸込壁67は、第一側壁55の第二領域R2の第三方向の第五側端と連続し、先端が収容室52の側を向く。捕捉体75は、収容室52(第一収容室53)で第一側壁55の第一領域R1と第一側壁55の第二領域R2との間を架け渡される(
図3参照)。そのため、捕捉体75を吸込口51に対向させた状態で収容室52に設けることができる。捕捉体75に回収器40に吸い込まれたエアを通過させることができる。
【0054】
(6)捕捉体75は、第一方向の第一側に凸状の湾曲面又は屈曲面を第一方向の第二側に有する(
図4及び後述する
図7参照)。そのため、捕捉体75の表面積を広くすることができる。これに伴い、捕捉体75でインクミストを捕捉する領域を広くすることができる。
【0055】
<変形例>
実施形態(
図1~6参照)は、次のようにすることもできる。以下に示す変形例のうちの幾つかの構成は、適宜組み合わせて採用することもできる。以下では、上記とは異なる点を説明することとし、同様の点についての説明は、適宜省略する。
【0056】
(1)第一受容室68及び第二受容室69は、第二方向の第三側及び第四側の一方又は両方に傾斜する形状としてもよい。例えば、第一受容室68及び第二受容室69は、次の態様とするとよい。前述の態様は、第一受容室68の第二方向の第三側端を第一方向の第一側とし、第二方向の第四側に向けて第一方向の第二側へと傾斜する態様である。更に、前述の態様は、第二受容室69の第二方向の第三側端を第一方向の第一側とし、第二方向の第四側に向けて第一方向の第二側へと傾斜する態様である。この場合、第一側壁55の第一領域R1では、第二方向の第四側に第一ドレインを設けるとよい。第一側壁55の第二領域R2では、第二方向の第四側に第二ドレインを設けるとよい。第一受容室68内の廃液を第一ドレインを介して第一受容室68から排出することができる。第二受容室69内の廃液を第二ドレインを介して第二受容室69から排出することができる。第一受容室68及び第二受容室69を前述の態様とすることで、次の事象が生じない。前述の事象は、収容器50を第二方向の第三側及び第四側の一方から他方に移動させた場合、第一ドレイン及び第二ドレインが搬送面21上を通過することである。記録媒体15及び搬送機20(搬送面21)の一方又は両方の汚染を防止することができる。
【0057】
(2)回収器40では、捕捉体75は、次の状態で収容室52(第一収容室53)に設けられる。前述の状態は、捕捉体75の第一端部76が第一受容室68に収容された状態である。更に、前述の状態は、捕捉体75の第二端部77が第二受容室69に収容された状態である。捕捉体75は、
図7に示す態様で収容室52に設けられてもよい。
図7では、
図2~6の回収器40との対応を明らかにするため、各部に対する符号は、上記と同様としている。
【0058】
図7の回収器40では、収容器50は、上述した各部の他、第一保持部78と、第二保持部80とを備える。第一保持部78は、第四側壁58の内面に設けられる。第二保持部80は、第五側壁59の内面に設けられる。更に、第一保持部78及び第二保持部80は、第一収容室53に設けられる。第一保持部78及び第二保持部80は、第一受容室68及び第二受容室69と同様、第二方向に連続的に設けるようにしてもよく、又はステー72,73と同様、第二方向に所定の間隔で複数設けるようにしてもよい。
【0059】
第一保持部78には、第二方向の第六側端に第一片79を設けるようにしてもよい。第一片79は、第一方向の第一側に突出する。第二保持部80には、第二方向の第五側端に第二片81を設けるようにしてもよい。第二片81は、第一方向の第一側に突出する。実施形態では、第一片79及び第二片81は、第一方向に沿った凸片である。従って、第一片79の先端及び第二片81の先端は、第一方向の第一側を向く。第一保持部78及び第二保持部80が捕捉体75を保持した状態で、第一片79は、捕捉体75の第一端部76の脱落を防止し、第二片81は、捕捉体75の第二端部77の脱落を防止する。
【0060】
第一保持部78に第一片79を設ける場合、第一片79は、第一吸込壁66より第三方向の第五側に設けるとよい。この場合、次の間隔W3は、1mm以上とするとよい。間隔W3は、第一吸込壁66と第一片79との第二方向の間隔である。第二保持部80に第二片81を設ける場合、第二片81は、第二吸込壁67より第三方向の第六側に設けるとよい。この場合、次の間隔W4は、1mm以上とするとよい。間隔W4は、第二吸込壁67と第二片81との第二方向の間隔である。間隔W3,W4を1mm以上とすることで、次の事象を防止することができる。前述の事象は、第一片79を越えた廃液が第一受容室68へと流出する場合、この廃液が第一吸込壁66の第三方向の第六側の面に沿って吸込口51から第一方向の第二側に漏れ出ることである。更に、前述の事象は、第二片81を越えた廃液が第二受容室69へと流出する場合、この廃液が第二吸込壁67の第三方向の第五側の面に沿って吸込口51から第一方向の第二側に漏れ出ることである。
【0061】
第一保持部78に第一片79を設ける場合、第一片79は、先端の位置が第一吸込壁66の先端と同じ第一方向の位置となる形状、又は先端の位置が第一吸込壁66の先端より第一方向の第二側となる形状とするとよい。第二保持部80に第二片81を設ける場合、第二片81は、先端の位置が第二吸込壁67の先端と同じ第一方向の位置となる形状、又は先端の位置が第二吸込壁67の先端より第一方向の第二側となる形状とするとよい。第一片79によって被覆される捕捉体75の第一端部76の範囲を狭くすることができる。第二片81によって被覆される捕捉体75の第二端部77の範囲を狭くすることができる。吸込口51から吸い込まれたエアに対して露出する捕捉体75の範囲を広くすることができる。
【0062】
(3)収容器50では、第一角部C1及び第二角部C2は、直角に形成される(
図3参照)。第一角部C1は、第一側壁55の第一領域R1と第一吸込壁66とが交差する部分である。第一角部C1は、吸込口51の第三方向の第五側を形成する。第二角部C2は、第一側壁55の第二領域R2と第二吸込壁67とが交差する部分である。第二角部C2は、吸込口51の第三方向の第六側を形成する。収容器では、第一角部C1及び第二角部C2は、R形状としてもよい。第一角部C1及び第二角部C2の形状は、諸条件を考慮して適宜決定される。
【0063】
(4)回収器40では、収容器50は、第一係合部70,71を備え、ガイド85は、第二係合部87,88を備える。(
図3参照)。第一係合部70,71及び第二係合部87,88は、平板状の形状を有する。回収器40では、第一係合部70,71が第二係合部87,88と第一方向に重なり合うことで、第一係合部70,71が第二係合部87,88に引っ掛かり、収容器50がガイド85の第一方向の第二側に吊り下げられる。第一係合部70,71及び第二係合部87,88は、
図8に示すような凹凸の嵌め合わせとしてもよい。
図8では、
図2~6の回収器40との対応を明らかにするため、各部に対する符号は、上記と同様としている。
【0064】
図8の回収器40では、第一係合部70,71及び第二係合部87,88は、次の形状を有する。即ち、第一係合部70は、第三方向の第六側に突出した凸形状を有する。第一係合部71は、第三方向の第五側に突出した凸形状を有する。第二係合部87は、第三方向の第六側に窪んだ凹形状を有する。第二係合部88は、第三方向の第五側に窪んだ凹形状を有する。回収器40では、第一係合部70が第二係合部87に嵌まり込み、第一係合部71が第二係合部88に嵌まり込むことで、第一係合部70,71が第二係合部87,88に引っ掛かり、収容器50がガイド85の第一方向の第二側に吊り下げられる。
【0065】
第一係合部及び第二係合部を凹凸の嵌め合わせとする場合、第一係合部及び第二係合部は、次の形状としてもよい。即ち、第一係合部は、凹形状としてもよい。第二係合部は、凸形状としてもよい。この場合、第三方向の第五側及び第六側では、凹形状の第一係合部に凸形状の第二係合部が嵌まり込む。これに伴い、
図8と同様、第一係合部が第二係合部に引っ掛かり、収容器がガイドの第一方向の第二側に吊り下げられる。
【0066】
(5)インクジェット記録装置10では、回収器41,42,43,44,45が第三方向にインクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kと交互に並べて設けられる(
図1参照)。回収器41,42,43,44,45の一部の回収器40は、省略してもよい。例えば、回収器41,45の一部又は全部の回収器40は、省略してもよい。回収器42,43,44の一部又は全部の回収器40は、省略してもよい。インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kに対する回収器40の数及び配置は、諸条件を考慮して適宜決定される。
【0067】
(6)収容器50は、区画壁60を備える(
図3,4参照)。収容器では、区画壁60は、省略してもよい。この場合、上記同様、第四側壁58の内面にステー72を設け、第五側壁59の内面にステー73を設けるとよい(
図3,4参照)。カバー90をステー72,73上に支持することができる。
【0068】
(7)インクジェット記録装置を、ライン型のインクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kを備えるインクジェット記録装置10とした(
図1参照)。インクジェット記録装置としては、インクジェット記録装置10とは異なるタイプの装置が実用化されている。この説明では、この異なるタイプのインクジェット記録装置を「シリアル型」という。回収器40(41,42,43,44,45)をインクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kと並べて設ける構成は、インクジェット記録装置10と同様、シリアル型のインクジェット記録装置に採用することもできる。
【0069】
但し、インクジェット記録装置がシリアル型である場合、複数のノズルが配列される第二方向は、実施形態で第三方向とした方向となる。また、インクジェット記録装置がシリアル型である場合、インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kと回収器40(41,42,43,44,45)とが並ぶ第三方向は、実施形態で第二方向とした方向となる。この場合、第二方向の第三側は、実施形態の第三方向の第五側及び第六側の一方側となり、第二方向の第四側は、実施形態の第三方向の第五側及び第六側の他方側となる。第三方向の第五側は、実施形態の第二方向の第三側及び第四側の一方側となり、第三方向の第六側は、実施形態の第二方向の第三側及び第四側の他方側となる。
【0070】
シリアル型のインクジェット記録装置では、柄の記録は、インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kを第三方向に往復移動させながら行われる。搬送機20は、インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kの第三方向の第五側から第六側への移動と、インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kの第三方向の第六側から第五側への移動に対応させて、記録媒体15を搬送方向に搬送する。搬送方向は、第二方向に沿った方向となる。即ち、搬送機20による記録媒体15の搬送は、インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kが第三方向の第五側又は第六側の移動端に到達したタイミングで間欠的に行われる。
【0071】
例えば、収容器50の第二方向への移動は、インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kを第三方向の第五側又は第六側の移動端に移動させて行うとよい。インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kの第三方向の第五側又は第六側の移動端は、インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kが搬送機20より第三方向の第五側又は第六側に配置される位置とするとよい。即ち、シリアル型のインクジェット記録装置は、インクジェットヘッド30Y,30M,30C,30Kが搬送面21上にない状態にするとよい。シリアル型のインクジェット記録装置は、既に実用化された公知の装置である。従って、これに関するこの他の説明は、省略する。
【0072】
(8)第二方向の第三側及び第四側は、上記とは反対であってもよい。即ち、上記で第二方向の第三側とした第二方向の一方側は、第二方向の第四側としてもよく、上記で第二方向の第四側とした第二方向の他方側は、第二方向の第三側としてもよい。第三方向の第五側及び第六側は、上記とは反対であってもよい。即ち、上記で第三方向の第五側とした第三方向の一方側は、第三方向の第六側としてもよく、上記で第三方向の第六側とした第三方向の他方側は、第三方向の第五側としてもよい。この場合、
図1のインクジェット記録装置10では、第三方向の第五側は、搬送方向の下流側となり、第三方向の第六側は、搬送方向の上流側となる。
【符号の説明】
【0073】
10 インクジェット記録装置、 15 記録媒体、 20 搬送機、 21 搬送面
30Y,30M,30C,30K インクジェットヘッド、 31 ノズル
32 第一ノズル、 33 第二ノズル、 34 吐出面
40,41,42,43,44,45 回収器、 50 収容器、 51 吸込口
52 収容室、 53 第一収容室、 54 第二収容室、 55 第一側壁
56 第二側壁、 57 第三側壁、 58 第四側壁、 59 第五側壁
60 区画壁、 61 連結口、 62 第一プレート、 63 第一開口
64 第二プレート、 65 第二開口、 66 第一吸込壁、 67 第二吸込壁
68 第一受容室、 69 第二受容室、 70,71 第一係合部
72,73 ステー、 75 捕捉体、 76 第一端部、 77 第二端部
78 第一保持部、 79 第一片、 80 第二保持部、 81 第二片
85 ガイド、 86 排気口、 87,88 第二係合部、 90 カバー
91 貫通孔、 98 排気ダクト、 99 吸引装置、 C1 第一角部
C2 第二角部、L 中心線、R1 第一領域、 R2 第二領域
W1,W2 寸法、 W3,W4 間隔