(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】ユーザー端末、制御方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20231019BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20231019BHJP
G06F 3/04847 20220101ALI20231019BHJP
G06T 11/60 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
G06Q30/0601 340
G06F3/04845
G06F3/04847
G06T11/60 100A
(21)【出願番号】P 2019208249
(22)【出願日】2019-11-18
【審査請求日】2022-08-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 開催日:令和1年9月6日 集会名:ハッカソン、開催場所:東京都千代田区大手町二丁目3番1号 大手町プレイスウエストタワー28階
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 康平
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 進矢
(72)【発明者】
【氏名】長井 玲音
(72)【発明者】
【氏名】山口 博史
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-061518(JP,A)
【文献】特開2019-061453(JP,A)
【文献】国際公開第2013/145394(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 3/04845
G06F 3/04847
G06T 11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を示す商品識別情報と、前記商品の大きさを示す大きさ指定値と、を取得する情報提供部と、
前記商品識別情報に対応付けられている予め所定の大きさの商品の画像として生成された初期画像の画像データを、前記大きさ指定値に基づいて変形することで、前記大きさ指定値が示す大きさに変形された変更画像の画像データを生成するサイズ変更部と、
を備え、前記情報提供部は、前記変更画像を画面に表示
し、
前記情報提供部は、前記大きさ指定値に対応付けられている文字列であって、前記大きさ指定値に最も近いサイズを示す文字列をさらに表示する、ユーザー端末。
【請求項2】
撮像装置をさらに備え、
前記情報提供部は、前記初期画像及び変更画像を、前記撮像装置によって撮像された実世界の映像に重畳させて前記画面に表示する、請求項1に記載のユーザー端末。
【請求項3】
前記情報提供部は、前記実世界の映像において撮影されている物体と比較した場合に、前記画面に表示された前記初期画像及び前記変更画像の大きさがほぼ実際の大きさとなるように表示する、請求項2に記載のユーザー端末。
【請求項4】
コンピューターが、商品を示す商品識別情報と、前記商品の大きさを示す大きさ指定値と、を取得するステップと、
コンピューターが、前記商品識別情報に対応付けられている予め所定の大きさの商品の画像として生成された初期画像の画像データを、前記大きさ指定値に基づいて変形することで、前記大きさ指定値が示す大きさに変形された変更画像の画像データを生成するステップと、
コンピューターが、前記変更画像を画面に表示するステップと、
コンピューターが、前記大きさ指定値に対応付けられている文字列であって、前記大きさ指定値に最も近いサイズを示す文字列をさらに表示するステップと、
を有する制御方法。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載のユーザー端末としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品に関する情報をユーザーに伝えるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店向けの電子メニュー装置として、メニューの商品の三次元画像を画面に立体視で表示する技術が提案されている。例えば特許文献1に開示された技術では、同一の商品について異なるサイズの商品の三次元画像を半透明化して表示することができる。このような技術によって、ユーザーはメニューのボリューム感を比較することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置では、商品の三次元画像を複数のメニュー毎に予め作成しておき、データベースに登録しておく必要があった。このような三次元画像を作成するために要する労力は決して軽くはない。そのため、商品の三次元画像を予め用意してデータベースで管理するための時間や作業のコストが増大してしまっていた。このような問題は、必ずしも飲食店の商品のみに関する問題ではなく、複数のサイズの商品が存在する様々な業種に共通の問題であった。
上記事情に鑑み、本発明は、複数のサイズの商品についてユーザーに大きさをより容易に把握させるための準備を、より簡易な作業で完了することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、商品を示す商品識別情報と、前記商品の大きさを示す大きさ指定値と、を取得する情報提供部と、予め所定の大きさの商品の画像として生成された初期画像の画像データを、前記大きさ指定値に基づいて変形することで、前記大きさ指定値が示す大きさに変形された変更画像の画像データを生成するサイズ変更部と、を備え、前記情報提供部は、前記変更画像を画面に表示する、ユーザー端末。
【0006】
本発明の一態様は、上記のユーザー端末であって、撮像装置をさらに備え、前記情報提供部は、前記初期画像及び変更画像を、前記撮像装置によって撮像された実世界の映像に重畳させて前記画面に表示する。
【0007】
本発明の一態様は、上記のユーザー端末であって、前記情報提供部は、前記実世界の映像において撮影されている物体と比較した場合に、前記画面に表示された前記初期画像及び前記変更画像の大きさがほぼ実際の大きさとなるように表示する。
【0008】
本発明の一態様は、商品を示す商品識別情報と、前記商品の大きさを示す大きさ指定値と、を取得するステップと、予め所定の大きさの商品の画像として生成された初期画像の画像データを、前記大きさ指定値に基づいて変形することで、前記大きさ指定値が示す大きさに変形された変更画像の画像データを生成するステップと、前記変更画像を画面に表示するステップと、を有する制御方法である。
【0009】
本発明の一態様は、上記のユーザー端末としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、複数のサイズの商品についてユーザーに大きさをより容易に把握させるための準備を、より簡易な作業で完了することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の情報提供システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】ユーザー端末10の機能構成の具体例を示す図である。
【
図3】商品情報管理サーバー30の機能構成の具体例を示す図である。
【
図6】ユーザー端末10の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】ユーザー端末10の画面の具体例を示す図である。
【
図8】ユーザー端末10の画面の具体例を示す図である。
【
図9】ユーザー端末10の画面の具体例を示す図である。
【
図10】ユーザー端末10の画面の具体例を示す図である。
【
図11】ユーザー端末10の画面の具体例を示す図である。
【
図12】ユーザー端末10の画面の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の情報提供システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。情報提供システム100は、ユーザー端末10、管理者端末20及び商品情報管理サーバー30を備える。ユーザー端末10、管理者端末20及び商品情報管理サーバー30は、ネットワーク50に接続されている。ネットワーク50は、例えばインターネットや移動体通信網である。
【0013】
ユーザー端末10は、商品のサイズを知ることを望むユーザーによって使用される。ユーザー端末10において、画像を表示するモード(例えばAR(Augmented Reality)モード)に設定して所望の商品の画像を表示するための操作が行われると、ユーザー端末10の画面に予め設定されている大きさの商品の画像(以下「初期画像」という。)が表示される。初期画像の大きさは、実際の商品の大きさを再現できるように表示される。このような再現技術は、従来からあるAR技術を適用することで実現されてもよい。この場合、初期画像の画像データは、ARの画像のデータとして生成され蓄積される。
【0014】
その後に、ユーザーが大きさを指定するとともに画像の大きさを変更するための操作を行うと、表示される商品の画像が、ユーザーによって指定された大きさの画像(以下「変更画像」という。)に変更される。大きさの指定は、大きさを示す値(以下「大きさ指定値」という。)が入力されることによって行われる。変更画像の大きさは、ユーザーによって指定された大きさの実際の商品の大きさとなるように、初期画像のデータに対して加工処理が行われて表示される。
【0015】
このように動作するため、情報提供システム100では、ユーザーは実際の商品のサイズを、複数のサイズに関して容易に把握することが可能となる。また、サイズが変更された画像(変更画像)を表示する際には、初期画像のデータに対して加工処理を行うことによって、変更画像のデータが生成される。そのため、複数のサイズの商品それぞれについて事前に画像データを生成しておく必要がない。したがって、複数のサイズの商品についてユーザーに大きさをより容易に把握させるための準備を、より簡易な作業で完了することが可能となる。以下、情報提供システム100について詳細に説明する。
【0016】
ユーザー端末10は、タブレット機器、携帯電話装置、スマートフォン、ゲーム機器、カメラ、ウェアラブル端末(例えばスマートウォッチ)等の情報機器である。ユーザー端末10は、特定の用途(例えば特定の商品に関する情報を取得することや、特定の商品に関する注文を行うこと)のための専用機器として構成された装置であってもよい。ユーザー端末10には、予め所定のアプリケーション(以下「商品閲覧アプリ」という。)がインストールされている。
図2は、ユーザー端末10の機能構成の具体例を示す図である。ユーザー端末10は、通信部11、記憶部12、入力部13、表示部14、撮像装置15及び制御部16を備える。
【0017】
通信部11は、ネットワークインターフェース装置を用いて構成される。通信部11は、ネットワーク50を介して他の情報機器と通信する。通信部11は、不図示のローカルネットワーク(例えばLAN(Local Area Network))を介してネットワーク50に接続してもよい。
【0018】
記憶部12は、磁気ハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部12は、商品情報記憶部121として機能する。商品情報記憶部121は、商品情報を記憶する。商品情報とは、ユーザー端末10において表示部14に表示される商品の画像データを含む情報である。商品情報は、表示される対象となった商品に関するものが他の情報機器からダウンロードされて商品情報記憶部121に記録されてもよいし、ユーザーが位置する店舗で取り扱われている商品に関するものが他の情報機器からダウンロードされて商品情報記憶部121に記録されてもよいし、ユーザーが位置する地域で取り扱われている商品に関するものが他の情報機器からダウンロードされて商品情報記憶部121に記録されてもよい。また、ユーザー端末10が、特定の店舗で使用されることが予め想定されている場合には、その店舗において取り扱われている商品に関する商品情報が商品情報記憶部121に記録されてもよい。ユーザー端末10の商品情報記憶部121に記録される商品情報は、商品情報管理サーバー30によって生成された商品情報である。
【0019】
入力部13は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部13は、ユーザーの指示をユーザー端末10に入力する際にユーザーによって操作される。入力部13は、入力装置をユーザー端末10に接続するためのインタフェースであっても良い。この場合、入力部13は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号をユーザー端末10に入力する。入力部13は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部13はユーザーによって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報をユーザー端末10に入力する。入力部13は、ユーザーの指示をユーザー端末10に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0020】
表示部14は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。表示部14は、商品情報に含まれる画像データを表示する。表示部14は、画像表示装置をユーザー端末10に接続するためのインタフェースであっても良い。この場合、表示部14は、画像データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。
【0021】
撮像装置15は、撮像素子や光学系(レンズ)を用いて構成されるカメラである。撮像装置15は、制御部16の制御に応じて画像を撮像し、撮像することによって得られた画像データを制御部16に出力する。
【0022】
制御部16は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部16は、プロセッサーが商品閲覧アプリのプログラムを実行することによって、情報提供部161及びサイズ変更部162として機能する。なお、制御部16の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記の商品閲覧アプリのプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記の商品閲覧アプリのプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0023】
情報提供部161は、商品情報管理サーバー30によって生成された商品情報を取得し、商品情報記憶部121に記録する。情報提供部161は、商品を示す識別情報(以下「商品識別情報」という。)を取得する。商品識別情報は、例えばユーザーがユーザー端末10を操作して商品識別情報や商品名等の情報を入力することによって取得されてもよい。商品識別情報は、例えば情報提供部161が表示部14に複数の候補を表示し、その候補の中からユーザーが入力部13を操作して選択することで取得されてもよい。表示される候補は、商品情報記憶部121に記憶されている商品情報に登録されている商品識別情報であってもよい。商品識別情報は、例えば、ユーザー端末10に備えられている撮像装置15を起動し、撮像装置15によって撮影された特定のマーカーの画像に基づいて取得されてもよい。具体的には、マーカーの画像(例えばバーコードの画像)に示される情報を復号することによって商品識別情報が取得されてもよい。マーカーの画像に対する復号処理は、情報提供部161によって行われてもよいし、予めユーザー端末10にインストールされている復号プログラムによって行われてもよい。商品識別情報は、その他どのような方法によって取得されてもよい。
【0024】
情報提供部161は、取得された商品識別情報に対応付けられている画像データを商品情報記憶部121から読み出す。情報提供部161は、読みだされた画像データを表示部14に表示する。このときに表示される画像は、予め設定されている大きさの商品の画像(初期画像)である。情報提供部161は、入力部13を介してユーザーから大きさを指定するとともに画像の大きさを変更するための指示を受けると、指示された大きさに応じた画像(変更画像)の生成をサイズ変更部162に指示する。そして、情報提供部161は、サイズ変更部162によって生成された変更画像を表示部14に表示する。
【0025】
サイズ変更部162は、情報提供部161から受ける指示に応じて、初期画像の画像データから変更画像の画像データを生成する。サイズ変更部162は、ユーザーによって指定された大きさとなるように、初期画像の画像データに対して変形処理(拡大処理又は縮小処理)を行う。例えば、サイズ変更部162は、情報提供部161によって行われる画像の表示がARによる表示である場合には、ARで表示される変更画像の大きさが実際の商品の大きさとなるように、初期画像のデータに対して変形処理を行う。このような処理は、例えば以下のように行われてもよい。
【0026】
マーカー等の特定の物体を撮像装置15によって撮像することに応じて初期画像又は変更画像が表示される場合には、撮像されている特定の物体の画像の大きさに基づいて、初期画像の縮尺が決定される。すなわち、特定の物体の画像の大きさが小さいほど、初期画像の表示サイズが小さく決定され、特定の物体の画像の大きさが大きいほど、初期画像の表示サイズが大きく決定される。次に、ユーザーによって指定された大きさに応じて、初期画像の表示サイズをどのように変更するかが決定される。例えば、ユーザーによって指定される大きさが体積の倍率を示す場合には、その倍率に従って、縦の倍率、横の倍率、高さの倍率が決定される。具体的には、800%と指定された場合には、縦の倍率、横の倍率、高さの倍率それぞれが2倍として決定される。この場合、サイズ変更部162は、初期画像の表示サイズについて、縦の倍率、横の倍率、高さの倍率を乗算することによって、変更画像の表示サイズを決定する。サイズ変更部162は、決定されたサイズとなるように初期画像の画像データに対し変形処理を行う。変形処理は、例えばアフィン変換であってもよいし、他の画像処理であってもよい。
【0027】
なお、ユーザーによる大きさの指定は、自由な値を指定できるようにユーザー端末10が構成されてもよいし、予め定められた候補の大きさの中から指定できるようにユーザー端末10が構成されてもよい。予め定められた候補は、例えば商品情報記憶部121に予め登録されていてもよい。例えば、商品情報記憶部121の属性情報として予め登録されていてもよい。
【0028】
次に、管理者端末20について説明する。管理者端末20は、タブレット機器、携帯電話装置、スマートフォン、ゲーム機器、パーソナルコンピューター、カメラ等の情報機器である。管理者端末20は、撮像装置を備える。管理者端末20は、商品の撮像データを作成する際に使用される。管理者端末20には、予め所定のアプリケーション(以下「管理者アプリ」という。)がインストールされている。
【0029】
管理者は、管理者端末20を操作して管理者アプリを起動させる。管理者アプリは、管理者の操作に応じて撮像装置を起動させる。撮像装置の起動によって、管理者端末20は、商品を撮像可能な状態になる。管理者は、管理者端末20を操作することによって、商品情報を生成する対象となる商品を撮像する。管理者端末20は、管理者による撮像動作に応じて、画像データを生成する。
【0030】
例えば、管理者は、撮像装置が起動している状態で管理者端末20を移動させることによって、商品を撮影してもよい。この場合、例えば管理者は、管理者端末20の撮像装置のレンズを商品に向けた状態で商品の周囲を360度移動してもよい。このように管理者が動作することによって、管理者端末20は、360度分の情報を有した撮像データを生成してもよい。その後、管理者端末20は、管理者の操作に応じて、生成された撮像データに基づいて初期画像の画像データを生成する。初期画像や変更画像がARの画像として表示される場合には、管理者端末20は、撮像データに基づいてARの画像データを生成する。管理者端末20は、生成された画像データを、商品情報管理サーバー30に送信する。
【0031】
次に、商品情報管理サーバー30について説明する。商品情報管理サーバー30は、パーソナルコンピューター、サーバー装置等の情報処理装置である。
図3は、商品情報管理サーバー30の機能構成の具体例を示す図である。商品情報管理サーバー30は、通信部31、記憶部32及び制御部33を備える。
【0032】
通信部31は、ネットワークインターフェース装置を用いて構成される。通信部31は、ネットワーク50を介して他の情報機器と通信する。通信部31は、不図示のローカルネットワーク(例えばLAN)を介してネットワーク50に接続してもよい。
【0033】
記憶部32は、磁気ハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部32は、商品情報記憶部321として機能する。商品情報記憶部321は、商品情報を記憶する。商品情報は、制御部33によって生成される。
【0034】
図4及び
図5は、商品情報の具体例を示す図である。商品情報は、例えば
図4及び
図5に示されるような商品情報テーブルとして構成されてもよい。商品情報テーブルは、複数の商品情報レコード91を有する。各商品情報レコード91は、商品毎の情報を有する。商品情報レコード91は、例えば、商品識別情報、商品画像データ、サイズ情報、商品名、価格及び属性情報の各値を有する。商品識別情報は、商品情報レコード91に登録されている商品の商品識別情報を表す。商品画像データは、商品情報レコード91に登録されている商品の画像データを表す。サイズ情報は、商品情報レコード91に登録されている商品のサイズ情報を表す。このサイズ情報は、商品画像データに基づいて表示される画像(初期画像)の商品のサイズを示す。商品名は、商品情報レコード91に登録されている商品の名称を表す。価格は、商品情報レコード91に登録されている商品の価格を表す。この価格は、商品画像データに基づいて表示される画像(初期画像)の商品の価格を示す。属性情報は、商品情報レコード91に登録されている商品の属性情報を表す。属性情報にはどのような情報が登録されてもよい。例えば、商品に使用されている原材料や、商品に付されているトッピングや、商品の種類などを示す情報が属性情報として登録されてもよい。
【0035】
制御部33は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部33は、プロセッサーが商品情報管理用のプログラムを実行することによって、データ管理部331として機能する。なお、制御部33の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記の商品情報管理用のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記の商品情報管理用のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0036】
データ管理部331は、商品情報記憶部321に記憶される商品情報を管理する。例えば、データ管理部331は、管理者端末20によって生成された画像データを受信すると、受信された画像データに応じた商品識別情報を発行する。データ管理部331は、商品情報記憶部321に新たな商品データとして画像データと商品識別情報とを対応付けて登録する。例えば、データ管理部331は、商品情報テーブルに新たな商品情報レコード91を生成し、新たな商品情報レコード91に対して新たな画像データ及び新たな商品識別情報を登録する。
図4は、このように新たな商品情報レコード91が登録されたタイミングの商品情報テーブルの具体例を示す図である。
【0037】
データ管理部331は、管理者端末20から、商品識別情報に対応付けてサイズ情報、商品名、価格又は属性情報の登録の要求を受信すると、受信された情報を、商品識別情報が示す商品情報レコード91に登録する。
図5は、このように商品情報レコード91が登録された後に各情報がさらに登録されたタイミングの商品情報テーブルの具体例を示す図である。属性情報として“直径26cm:75%”及び“直径36cm:144%”と登録されている値は、ユーザーによる大きさの指定の際に候補として使用される。この場合、変更可能な大きさの候補として、直径の値がユーザー端末10の表示部14に表示されてもよいし、大きさのパーセンテージがユーザー端末10の表示部14に表示されてもよい。このように予め大きさの候補が設定されている場合には、商品を提供する者にとって提供可能な商品を絞り込んでおくことが可能であることから、商品の提供が容易になり品質を保ちやすくなるという効果が得られる。例えば商品が料理である場合には、予め定められた候補の大きさについてレシピを作っておくことができるため、料理の品質の維持と提供のしやすさという効果が得られる。
【0038】
図6は、ユーザー端末10の動作例を示すフローチャートである。
図7~
図12は、ユーザー端末10の画面の具体例を示す図である。以下、ユーザー端末10の動作例について画面の具体例を示しながら説明する。まず、ユーザーがユーザー端末10を操作して商品閲覧アプリを起動する(ステップS101)。商品閲覧アプリが起動されると、情報提供部161はユーザー端末10の撮像装置15を起動する(ステップS102)。撮像装置15が起動されると、情報提供部161は撮像装置15によって撮像された映像を表示部14に表示する。情報提供部161は、撮像された画像から商品識別情報が取得されないか定期的に監視する。
【0039】
ユーザーがユーザー端末10の位置や向きを変更することによって、予めメニュー等に印刷されているマーカーが撮像装置15の撮像範囲に入ると、情報提供部161は、マーカーに応じた商品識別情報を取得する(ステップS103)。
図7に示される画面例では、撮像装置15によって撮像された映像に、マーカー51と携帯電話機52とが映っている。また、画面の下方には、変更後の大きさを示す値を入力するための入力欄101と、決定ボタン102とが表示されている。このような映像が得られた場合、情報提供部161は、画面に映っているマーカー51の画像を復号することで商品識別情報を取得する。復号処理は、上述したように、他のプログラムによって実行されてもよい。
【0040】
情報提供部161は、取得された商品識別情報に対応付けられて商品情報記憶部121に記憶されている画像データを読み出す。情報提供部161は、読み出された画像データを表示部14に表示することによって、初期画像を画面に表示する(ステップS104)。
図8に示される画面例では、撮像装置15によって撮像されたマーカー51の映像に対して初期画像103の映像が重畳して表示される。
図8の例では、ユーザーによって選択された商品はカレーライスである。カレーライスの初期画像103の大きさは、撮像装置15によって撮像されている実世界のマーカー51や携帯電話機52の大きさと比較したときに、実際の商品(カレーライス)の大きさと略同じになるように表示される。このような表示は、例えばマーカー51の大きさに基づいて初期画像103の大きさが変更されることで実現されてもよい。また、このような表示は、ユーザーが所持するユーザー端末10の位置(特に高さ)とテーブルとの間の距離が予め想定され、その想定された距離に応じて初期画像の画像データの大きさが設定されることで実現されてもよい。
【0041】
その後、ユーザーによって大きさ変更の指示が行われると(ステップS105-YES)、情報提供部161は、変更後の大きさの変更画像を生成することをサイズ変更部162に要求する。
図9に示される画面例では、入力欄101に対し、ユーザーによって“60%”という大きさを示す値が入力されている。そして、ユーザーによって決定ボタン102が押下される。サイズ変更部162は、ユーザーによって指示された商品(この場合はカレーライス)の初期画像の画像データに対して変形処理を行うことで変更画像を生成する(ステップS106)。サイズ変更部162は、生成された変更画像を表示部14に表示する(ステップS107)。
図10に示される画面例では、撮像装置15によって撮像されたマーカー51の映像に対して変更画像14の映像が重畳して表示される。カレーライスの変更画像104の大きさは、撮像装置15によって撮像されている実世界のマーカー51や携帯電話機52の大きさと比較したときに、実際の商品(カレーライス)の大きさの60%の量の大きさと略同じになるように表示される。
【0042】
このように構成された情報提供システム100では、ユーザーは、ユーザー端末10を操作することによって、複数のサイズの商品の画像を見ることが可能である。ユーザー端末10に表示される商品の画像は、初期画像の画像データに基づいて生成される。初期画像の画像データは、管理者端末20の撮像装置を用いて撮像することによって得られる撮像データに基づいて生成されるが、変更画像の画像データは、撮像データではなく初期画像の画像データに基づいて生成される。そのため、管理者は複数のサイズの画像(複数の変更画像)を生成するために撮像を行う必要がない。一般的に、商品の画像データを生成するための撮像作業には多くの労力を要してしまう。その理由は、各大きさの実際の商品を準備する必要があり、その準備に多大な労力を要してしまうためである。また、より良い画像データを生成しようとすると、撮像環境を整えたり、撮像装置の動きに配慮したり、撮像作業においても多くの労力を要してしまう。このように労力を要してしまう変更画像の撮像作業を行う必要がないため、複数のサイズの商品についてユーザーに大きさをより容易に把握させるための準備を、より簡易な作業で完了することが可能となる。
【0043】
<変形例>
情報提供部161は、以下のように商品情報を取得してもよい。
まず、第一の取得方法について説明する。商品閲覧アプリが起動されると、情報提供部161は、商品の取り扱い店舗を特定するための情報(以下「店舗情報」という。)を取得する。店舗情報は、例えばユーザー端末10の現在位置を示す情報であってもよい。現在位置を示す情報は、例えばユーザー端末10に備えられたGPS(Global Positioning System)によって取得されてもよい。店舗情報は、例えばユーザーがユーザー端末10を操作して店名を入力することで取得されてもよい。店舗情報は、例えば商品閲覧アプリによってユーザーに提示される候補の中からユーザーがユーザー端末10を操作して選択することで取得されてもよい。店舗情報は、その他どのような方法によって取得されてもよい。店舗情報が取得されると、情報提供部161は、取得された店舗情報に応じた商品情報を商品情報管理サーバー30からダウンロードする。情報提供部161は、ダウンロードされた商品情報を商品情報記憶部121に記録する。
【0044】
次に、第二の取得方法について説明する。商品閲覧アプリが使用される店舗が予め固定されている場合には、商品情報管理サーバー30によって生成された商品情報が商品閲覧アプリのデータの一部として予め設定されていてもよい。この場合、商品閲覧アプリをインストールする際に、商品情報記憶部121に商品情報が登録されてもよい。
【0045】
図11及び
図12は、変形例における画面の表示例を示す図である。
図11に示される画面例では、変更画像104が表示されている場合に、サイズ情報105が表示されている。サイズ情報105は、例えば商品情報レコード91の属性情報に登録されていてもよい。
図5に示される属性情報の例では、大きさが1%~75%である場合には“Sサイズが最も近いです”というサイズ情報105が登録されている。そのため、ユーザーによって指定されている大きさが“60%”である場合には、この大きさと属性情報とに基づいて、“Sサイズが最も近いです”という文字列が表示されている。このように構成されることによって、実際には60%の量の商品が存在しない場合にも、ユーザーは自身が閲覧している変更画像に最も近いサイズの商品を容易に知ることが可能となる。
【0046】
図12に示される画面例では、入力欄101に代えて、候補表示ボタン106と候補表示欄107とが表示されている。候補表示ボタン106がユーザーによって押下されると、選択可能な大きさの候補が、候補表示欄107に並んで表示される。大きさの候補を示す情報は、例えば商品情報レコード91の属性情報に登録されていてもよい。このように構成されることによって、実際には存在しない量がユーザーによって選択されてしまうことを防止できる。そのため、ユーザーは実際に存在する大きさの商品の画像のみを閲覧することが可能となる。
【0047】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0048】
100…情報提供システム, 10…ユーザー端末, 20…管理者端末, 30…商品情報管理サーバー, 11…通信部, 12…記憶部, 121…商品情報記憶部, 13…入力部, 14…表示部, 15…撮像装置, 16…制御部, 161…情報提供部, 162…サイズ変更部, 31…通信部, 32…記憶部, 321…商品情報記憶部, 33…制御部, 331…データ管理部, 101…入力欄, 102…決定ボタン, 103…初期画像, 104…変更画像, 105…サイズ情報, 106…候補表示ボタン, 107…候補表示欄, 91…商品情報レコード