(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
(21)【出願番号】P 2019211307
(22)【出願日】2019-11-22
【審査請求日】2022-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】筒井 隆介
【審査官】小河 俊弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-049013(JP,A)
【文献】特開2017-113483(JP,A)
【文献】特開2016-077378(JP,A)
【文献】特開2009-034179(JP,A)
【文献】特開2013-022275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の発射強度に応じて打ち分け可能な第1流下領域及び第2流下領域と、
前記第1流下領域を流下する遊技球のみ進入可能な第1始動領域と、
前記第2流下領域を流下する遊技球のみ進入可能な第2始動領域と、
前記第1始動領域又は前記第2始動領域への遊技球の進入により取得される抽選情報に基づいて、遊技者に有利な有利遊技の実行の可否を決定可能な決定手段と、
前記決定の結果に対応付けられた図柄を決定可能な図柄決定手段と、
前記図柄の変動表示を実行可能な変動表示手段と、
複数の遊技状態のいずれかを設定可能な遊技状態設定手段と、を備え、
遊技状態として、
主に前記第1流下領域で遊技を行わせる非時短遊技状態と、
主に前記第1流下領域で遊技を行わせ、前記第2始動領域への遊技球の進入の発生頻度が前記非時短遊技状態と異なり、かつ変動表示が所定回数実行されると終了する第1の時短遊技状態と、
主に前記第2流下領域で遊技を行わせ、前記第2始動領域への遊技球の進入の発生頻度が前記非時短遊技状態及び前記第1の時短遊技状態よりも高く、かつ変動表示が所定回数実行されると終了する第2の時短遊技状態と、を有し、
前記遊技状態設定手段は、
前記非時短遊技状態中における前記第1始動領域への遊技球の進入に基づき、前記有利遊技を実行しない旨が決定され
、かつ前記第1の時短遊技状態の設定が対応付けられた特定の図柄が決定された場合に、前記
第1の時短遊技状態を設定可能である遊技機であって、
前記有利遊技の実行
が対応付けられた図柄の決定に係る抽選情報と同一の抽選情報に基づいて前記
第1の時短遊技状態
の設定
が対応付けられた特定の図柄を決定可能であ
り、
主に前記第1流下領域で遊技を行わせる遊技状態としては、前記非時短遊技状態よりも前記第1の時短遊技状態に滞在しやすいことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遊技領域に設けられた始動入賞口への遊技球の入球を契機として特別図柄の実行の可否を決定する当否抽選及び当該当否抽選の結果を示す特別図柄の決定が行われるとともに、特別図柄の変動表示が実行され、上述の当否抽選の結果が特別図柄を実行する旨(大当たりの当選)であることを示す大当たり図柄の停止表示が行われることにより多くの賞球を獲得可能な特別遊技が実行されるものが知られている。このような遊技機においては、決定された大当たり図柄の種別に応じて、遊技者に付与される遊技利益の有利度が異なるように設定されるのが一般的である。たとえば、遊技状態として、相対的に所定の始動入賞口へ遊技球が入球し難い非時短遊技状態、及び、相対的に所定の始動入賞口へ遊技球が入球し易い時短遊技状態が設けられ、特定の大当たり図柄が決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定されるような遊技機が知られている(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-107139号公報
【文献】特開2008-253554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のような遊技機においては、特別遊技の実行後に設定される遊技状態は大当たり図柄の種別に対応付けられており、特別遊技を実行する旨の決定(大当たりの当選)及び特別遊技の実行を介さなければ、非時短遊技状態を時短遊技状態に変更することができない。そのため、異なる遊技状態への変更に対する制限が大きいことから、自由度の高い遊技仕様の設計が困難であり、遊技者の興趣を高めることが可能な斬新な遊技性を付与できないとの問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、遊技者の興趣を高めることが可能な斬新な遊技性を付与可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
【0007】
(1)本発明は、遊技球の発射強度に応じて打ち分け可能な第1流下領域及び第2流下領域と、前記第1流下領域を流下する遊技球のみ進入可能な第1始動領域と、前記第2流下領域を流下する遊技球のみ進入可能な第2始動領域と、前記第1始動領域又は前記第2始動領域への遊技球の進入により取得される抽選情報に基づいて、遊技者に有利な有利遊技の実行の可否を決定可能な決定手段と、前記決定の結果に対応付けられた図柄を決定可能な図柄決定手段と、前記図柄の変動表示を実行可能な変動表示手段と、複数の遊技状態のいずれかを設定可能な遊技状態設定手段と、を備え、遊技状態として、主に前記第1流下領域で遊技を行わせる非時短遊技状態と、主に前記第1流下領域で遊技を行わせ、前記第2始動領域への遊技球の進入の発生頻度が前記非時短遊技状態と異なり、かつ変動表示が所定回数実行されると終了する第1の時短遊技状態と、主に前記第2流下領域で遊技を行わせ、前記第2始動領域への遊技球の進入の発生頻度が前記非時短遊技状態及び前記第1の時短遊技状態よりも高く、かつ変動表示が所定回数実行されると終了する第2の時短遊技状態と、を有し、前記遊技状態設定手段は、前記非時短遊技状態中における前記第1始動領域への遊技球の進入に基づき、前記有利遊技を実行しない旨が決定され、かつ前記第1の時短遊技状態の設定が対応付けられた特定の図柄が決定された場合に、前記第1の時短遊技状態を設定可能である遊技機であって、前記有利遊技の実行が対応付けられた図柄の決定に係る抽選情報と同一の抽選情報に基づいて前記第1の時短遊技状態の設定が対応付けられた特定の図柄を決定可能であり、主に前記第1流下領域で遊技を行わせる遊技状態としては、前記非時短遊技状態よりも前記第1の時短遊技状態に滞在しやすいことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る遊技機においては、遊技者に有利な有利遊技を実行しない旨が決定され、かつ特定の図柄が決定された場合に、所定の設定確率で、第1の時短遊技状態を設定可能となっている。したがって、有利遊技の実行の決定及び有利遊技の実行を介することなく時短遊技状態を設定することができるため、自由度の高い遊技仕様の設計が可能となり、遊技者の興趣を高めることが可能な斬新な遊技性を付与可能となる。
また、有利遊技の実行が対応付けられた図柄の決定に係る抽選情報(たとえば、乱数)と同一の抽選情報に基づいて第1の時短遊技状態の設定が対応付けられた特定の図柄を決定可能となっている。したがって、有利遊技の実行の可否、及び、時短遊技状態の設定の可否が対応付けられた図柄を決定するために用いる抽選情報の種類を抑えることができ、CPUやRAM等のハードウェア資源にかかる負荷を軽減することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遊技者の興趣を高めることが可能な斬新な遊技性を付与可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
【
図4】パチンコ機のアタッカー装置内部の正面概略図である。
【
図5】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。
【
図7】パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。
【
図8】パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。
【
図9】パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。
【
図10】パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。
【
図11】パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。
【
図12】パチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。
【
図13】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図14】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
【
図15】パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
【
図16】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図17】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
【
図18】パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
【
図19】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図20】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図21】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図22】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図23】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図24】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図25】パチンコ機の主制御基板における事前判定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図26】パチンコ機の主制御基板における特定領域検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図27】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図28】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図29】パチンコ機の主制御基板における当否判定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図30】パチンコ機の主制御基板における変動パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図31】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図32】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図33】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図34】パチンコ機の主制御基板における小当たり遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図35】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図36】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図37】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図38】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図39】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図40】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図41】パチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
【
図42】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図43】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図44】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図45】パチンコ機の予告演出の実行割合の一例を示す図である。
【
図46】パチンコ機の先読み演出の実行割合の一例を示す図である。
【
図47】変形例(2)に係るパチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。
【
図48】変形例(36)に係るパチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
【
図49】変形例(36)に係るパチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
【
図50】他の適用例1に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
【
図51】他の適用例3に係るパチンコ機の各種設定内容の説明図である。
【
図52】他の適用例3に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
【
図53】他の適用例4に係るパチンコ機の各種設定内容の説明図である。
【
図54】他の適用例4に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
【
図55】他の適用例5に係るパチンコ機の遊技盤の正面概略図である。
【
図56】他の適用例5に係るパチンコ機の各種設定内容の説明図である。
【
図57】他の適用例5に係るパチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0012】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0013】
機枠1の左下部には、
図1に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
【0014】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0015】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0016】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0017】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0018】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21とが設けられている。なお、
図3においては、一部の釘のみを示しており、他の釘については省略している。
【0019】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の下部中央からやや左寄りの位置に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0020】
第1始動入賞口15は、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられており、第2始動入賞口16は、
図3に示すように、遊技領域12の右部中央からやや上寄りの位置に設けられている。そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。また、第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
【0021】
また、第2始動入賞口16には、
図3に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、遊技盤11と水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0022】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、後述する大当たりの当選か否か(以下、大当たりの当否ともいう)、後述する小当たりの当選か否か(以下、小当たりの当否ともいう)、後述する時短遊技状態を付与するか否か(以下、時短付与の当否ともいう)を判定するための当否抽選が行われ、当該当否抽選の結果に応じて、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。決定され得る特別図柄には複数の種別が設けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、小当たり遊技の実行、時短遊技状態の付与(後述する第1時短遊技状態の設定)等の遊技利益が付与されるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は4個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
【0023】
ゲート20は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該普通図柄の抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0024】
アタッカー装置17は、
図3に示すように、遊技領域12の右下部(第2始動入賞口16の下方)に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技又は小当たり遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されることにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。具体的には、上述の特別遊技中には大入賞口18が開放されるラウンド遊技が複数回実行されるようになっており、上述の小当たり遊技中には大入賞口18の開放が1回行われるようになっている。大入賞口18へ遊技球が1個入球すると、所定個数(本形態では10個)の賞球が払い出される。
また、
図3に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。また、特に図示していないが、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、第2始動入賞口16へ入球したものを除いてほぼ全て大入賞口18へ到達可能となるように、釘や風車等が配置されている。したがって、大入賞口18が開状態となっている限りにおいて遊技球を打ち出し続けていれば、遊技球は大入賞口18へ入球するようになっている。
【0025】
さらに、
図4(a)及び(b)に示すように、アタッカー装置17内部には、大入賞口18へ入球した遊技球が左方へ向けて転動可能な転道路51が設けられている。この転道路51は、転動方向の所定位置において上側通路52と下側通路53とに分岐しており、上側通路52の末端には大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な一般領域58が設けられ、下側通路53の末端には大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な特定領域57が設けられている(
図4(a)及び(b)参照)。
【0026】
また、
図4(a)及び(b)に示すように、上側通路52と下側通路53とに分岐する位置には、遊技球を上側通路52又は下側通路53のいずれかに振り分ける振り分け部材59が設けられている。この振り分け部材59は、遊技盤11に直交する軸を中心に回動可能であって、上側通路52への進路を開放し下側通路53への進路を塞ぐ第1位置と、上側通路52への進路を塞ぎ下側通路53への進路を開放する第2位置との間を変位可能となっている。そして、大入賞口18へ入球した遊技球は、振り分け部材59が第1位置に位置しているときには上側通路52へ進み一般領域58へ進入し、振り分け部材59が第2位置に位置しているときには下側通路53へ進み特定領域57へ進入する。
【0027】
また、特に図示していないが、アタッカー装置17には、特定領域57へ進入した遊技球を大入賞口18外(遊技盤11の背面側)へ排出するための特定領域排出口と、一般領域58へ進入した遊技球を大入賞口18外(遊技盤11の背面側)へ排出するための一般領域排出口と、が設けられている。
【0028】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選時に決定された特別図柄の種別ごとに、上述の特別遊技中に実行されるラウンド遊技における開閉扉18bの開閉の態様(開閉パターン)及び振り分け部材59の作動の態様(作動パターン)が設定されている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、特定のラウンド遊技中に所定数(本形態では1個)の遊技球が特定領域57へ進入した場合、特別遊技の終了後の遊技状態が、遊技者にとって有利な遊技状態である高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定されるようになっている。これに対して、特定のラウンド遊技中に所定数の遊技球が特定領域57へ進入しなかった場合(すなわち、大入賞口18へ入球した遊技球がすべて一般領域58へ進入した場合)、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(通常遊技状態)に設定されるようになっている。
開閉扉18bの開閉パターン、振り分け部材59の作動パターン、遊技状態の設定に関しては、後程詳述する。
【0029】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0030】
演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により、当否抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0031】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(
図1参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
【0032】
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21により所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、変動演出等の各種演出が進行したり、異なる表示に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
【0033】
また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0034】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0035】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、
図5に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
【0036】
また、
図5に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0037】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0038】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技(当否抽選、特別図柄の決定、特別図柄の変動表示(以下、特別図柄の変動ともいう))、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技(普通図柄の抽選、普通図柄の変動表示(以下、普通図柄の変動ともいう)等)、遊技者にとって有利な特別遊技、小当たり遊技等を制御する。
この主制御基板100は、
図5に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0039】
また、
図5に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、特定領域57へ遊技球が進入したことを検出する特定領域検出センサ57aと、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
なお、主制御基板100に接続されるセンサはこれらに限定されるものではなく、たとえば、一般領域58へ遊技球が進入したことを検出する一般領域検出センサ等を設けてもよい。
【0040】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、振り分け部材59を変位させる振り分け部材ソレノイド59cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16、大入賞口18の開閉制御や振り分け部材59の変位制御が行われ、また、各表示装置の表示制御が行われるようになっている。
【0041】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、出玉に関する設定として、設定値1から設定値6までの複数段階が定められており、この設定値の違いにより、後述する当否抽選における大当たりの当選の確率が異なるようになっている。たとえば、設定値1よりも設定値6の方が、大当たりの当選の確率が大きくなるように設定されており、大当たりの当選の確率が高ければ、賞球を獲得できる可能性も高くなるので、設定値を変更することにより、そのパチンコ機Pにおいて想定される賞球の払い出し量が変化する。また、後述する当否抽選において用いられる当否乱数判定テーブル110は、設定値1~6のそれぞれに対応して設けられており、設定値が変更されたときには、設定値ごとに設けられた当否乱数判定テーブル110がまるごと変更されることとなる。
主制御基板100には、特に図示していないが、上述の設定値の変更に用いられるRAMクリアスイッチ及び設定スイッチが設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、前扉3が開放されており、かつRAMクリアスイッチ及び設定スイッチの両方をオンにした状態で電源を投入すると、設定値を変更可能な設定変更状態へ移行する。そして、この設定変更状態中において、RAMクリアスイッチを操作することにより設定値を変更できるようになっている。
【0042】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0043】
図5に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0044】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。また、球送りソレノイド60及び発射モータ61が通電されている間は、0.6秒間隔(すなわち、1分間に100球の発射ペース)で遊技球が連続して発射されるようになっている。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0045】
また、発射払出制御基板200には、
図5に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0046】
さらに、発射払出制御基板200には、
図5に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0047】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
【0048】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
【0049】
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。
図5に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0050】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理が行われるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御が行われる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
【0051】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図5に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0052】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。さらに、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
【0053】
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM、画像RAM等を備えている。この画像制御基板の画像ROMには、演出表示装置21に表示される演出図柄50、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0054】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0055】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0056】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、時短遊技状態として、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態の2つが設けられており、いずれかの時短遊技状態が設定されるようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、第1低確率時短遊技状態という)、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、第2低確率時短遊技状態という)、又は、高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0057】
ここで、低確率遊技状態及び高確率遊技状態は、後述する当否抽選によって大当たりに当選する確率がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、高確率遊技状態においては、当否抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定されている。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、当否抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
【0058】
また、非時短遊技状態及び時短遊技状態は、第2始動入賞口16への遊技球の入球の難易度がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも、可動片16bが開いた状態に維持されやすい(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすい)ように設定されている。すなわち、非時短遊技状態中よりも時短遊技状態中のほうが、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすくなっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、時短遊技状態として、第1時短遊技状態及び第2時短遊技状態の2つが設けられているが、第2時短遊技状態においては、第1時短遊技状態よりも、可動片16bが開いた状態に維持されやすいように設定されている。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2時短遊技状態中が最も第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすく、次に、第1時短遊技状態中が第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすく、非時短遊技状態中が最も第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくいようになっている。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0059】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、当否抽選が行われ、当該当否抽選の結果に基づく遊技利益が対応付けられた特別図柄が決定される。本形態における当否抽選では、まず、大当たりの当否の判定が行われ、大当たりに当選していない(以下、大当たりの非当選ともいう)との判定結果が導出された場合、次に、小当たりの当否の判定が行われ、小当たりに当選していないとの判定結果(以下、小当たりの非当選ともいう)が導出された場合、次に、時短付与の当否(時短遊技状態を付与するか否か、換言すれば、時短遊技状態を設定するか否か)の判定が行われ、時短遊技状態を付与しないとの判定結果(以下、時短付与の非当選ともいう)が導出された場合にハズレとなる。
そして、この当否抽選によって大当たりの当選との判定結果が導出されると(すなわち、大当たりに当選すると)、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、通常遊技状態、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態のいずれかに設定されるようになっている。すなわち、当該特別遊技の終了後は、通常遊技状態、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態のいずれかへ移行するようになっている。
【0060】
また、上述の当否抽選によって小当たりの当選との判定結果が導出されると(すなわち、小当たりに当選すると)、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球可能な小当たり遊技が実行される。そして、この小当たり遊技において、遊技球が大入賞口18へ入球すると、上述のように所定個数の遊技球が払い出される。なお、小当たり遊技の終了後の遊技状態は、当該小当たり遊技の開始前の遊技状態のままである。すなわち、小当たり遊技が実行された場合には、遊技状態は変わることがないようになっている。
【0061】
また、上述の当否抽選によって時短遊技状態を付与するとの判定結果(以下、時短付与の当選ともいう)が導出されると、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態が設定されるようになっている。すなわち、上述の当否抽選によって時短付与の当選となると、遊技状態が、通常遊技状態から第1低確率時短遊技状態へ移行するようになっている。これに対して、上述の当否抽選によって時短付与の非当選となると、遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中の当否抽選においてのみ時短付与の当否の判定が行われ、他の遊技状態中の当否抽選においては時短付与の当否の判定は行われない。したがって、他の遊技状態中には、時短付与の当選との判定結果が導出されることはないため、大当たりの当選及び特別遊技の実行を経由することなく遊技状態が変化することはないように設定されている。
【0062】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
そして、通常遊技状態中及び第1低確率時短遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態中及び第1低確率時短遊技状態中は、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
【0063】
当否抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数として、当否抽選の結果(大当たり、小当たり、時短遊技状態の付与又はハズレ)の判定に用いられる当否乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数、及び、後述する変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の当否乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当否乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動パターンコマンドは、当否抽選の結果を報知可能な変動演出のパターン(変動時間、態様)を決定するためのものである。変動パターンコマンドの決定に用いられる乱数は上述のものに限定されず、たとえば、この乱数に加えて他の乱数を用いてもよい。
【0064】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数の各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数の各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0065】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0066】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1保留数という)は、第1保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2保留数という)は、第2保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1保留数や第2保留数を単に「保留数」ともいう。
【0067】
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、当否抽選の結果を判定するための当否乱数判定テーブル110、特別図柄の種別を決定するための特別図柄乱数判定テーブル111、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技及び小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を制御するための特別電動役物作動テーブル112、時短遊技状態を付与する旨の判定結果が導出された後(後述する第1時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄が決定された後)又は特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブル113、及び、変動パターンコマンドを決定するための変動パターンテーブル114を有している。
なお、当否抽選等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0068】
当否乱数判定テーブル110は、当否抽選の結果(大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選又はハズレ)を判定するためのものであって、大別して、低確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110(以下、テーブルAという)と、高確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110(以下、テーブルBという)と、を備えている。また、
図6~
図11に示すように、テーブルA及びテーブルBにはそれぞれ、設定中の設定値に応じた6種類ずつが設けられている。
【0069】
具体的には、テーブルAには、設定値が「1」である場合に参照されるテーブルA1、設定値が「2」である場合に参照されるテーブルA2、設定値が「3」である場合に参照されるテーブルA3、設定値が「4」である場合に参照されるテーブルA4、設定値が「5」である場合に参照されるテーブルA5、及び、設定値が「6」である場合に参照されるテーブルA6が設けられている。
テーブルBには、設定値が「1」である場合に参照されるB1、設定値が「2」である場合に参照されるテーブルB2、設定値が「3」である場合に参照されるテーブルB3、設定値が「4」である場合に参照されるテーブルB4、設定値が「5」である場合に参照されるテーブルB5、及び、設定値が「6」である場合に参照されるテーブルB6が設けられている。
【0070】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の当否乱数が取得される。そして、パチンコ機Pに設定されている設定値、及び、当否抽選を行う時点の遊技状態に応じて、上述のいずれかの当否乱数判定テーブル110が選択され、取得された当否乱数と選択された当否乱数判定テーブル110とに基づいて当否抽選の結果が判定される。
【0071】
図6(a)に示すように、テーブルA1によれば、当否乱数が1000~1373であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1374~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA1における大当たりの当選の確率はおよそ1/175、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
【0072】
図7(a)に示すように、テーブルA2によれば、当否乱数が1000~1384であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1385~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA2における大当たりの当選の確率はおよそ1/170、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
【0073】
図8(a)に示すように、テーブルA3によれば、当否乱数が1000~1396であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1397~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA3における大当たりの当選の確率はおよそ1/165、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
【0074】
図9(a)に示すように、テーブルA4によれば、当否乱数が1000~1408であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1409~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA4における大当たりの当選の確率はおよそ1/160、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
【0075】
図10(a)に示すように、テーブルA5によれば、当否乱数が1000~1421であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1422~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA5における大当たりの当選の確率はおよそ1/155、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
【0076】
図11(a)に示すように、テーブルA6によれば、当否乱数が1000~1434であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、当否乱数が3310~3964であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1435~1999、3965~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA6における大当たりの当選の確率はおよそ1/150、小当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/100となる。
【0077】
また、
図6(b)に示すように、テーブルB1によれば、当否乱数が1000~1484であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1485~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB1における大当たりの当選の確率はおよそ1/135、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
【0078】
図7(b)に示すように、テーブルB2によれば、当否乱数が1000~1503であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1504~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB2における大当たりの当選の確率はおよそ1/130、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
【0079】
図8(b)に示すように、テーブルB3によれば、当否乱数が1000~1523であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1524~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB3における大当たりの当選の確率はおよそ1/125、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
【0080】
図9(b)に示すように、テーブルB4によれば、当否乱数が1000~1545であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1546~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB4における大当たりの当選の確率はおよそ1/120、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
【0081】
図10(b)に示すように、テーブルB5によれば、当否乱数が1000~1568であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1569~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB5における大当たりの当選の確率はおよそ1/115、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
【0082】
図11(b)に示すように、テーブルB6によれば、当否乱数が1000~1594であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が2000~3309であった場合に小当たりの当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1595~1999、3310~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB6における大当たりの当選の確率はおよそ1/110、小当たりの当選の確率はおよそ1/50となる。
【0083】
以上のように、対応付けられた設定値が同一の、高確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110及び低確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110(たとえば、テーブルA1及びテーブルB1等)を比較すると、高確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110は、低確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110に比べて、大当たりの当選の確率が高くなるように設定されている。
また、低確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110で大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲は、当該当否乱数判定テーブル110と同一の設定値が対応付けられた、高確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110で大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲に含まれる(具体的には、大当たりの当選と判定される数値範囲における下限値が同一であり、かつ上限値が異なる)ように設定されている。すなわち、低確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110で大当たりの当選と判定される当否乱数は、同一の設定値が対応付けられた、高確率遊技状態において参照される当否乱数判定テーブル110でも大当たりの当選と判定されることとなる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように、大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲における下限値が同一であり、かつ上限値が異なるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、上限値が同一であり、かつ下限値が異なるように設定してもよい。
【0084】
また、いずれのテーブルにおいても、小当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲は、大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲外であって、数値範囲の上限値及び下限値が同一となるように設定されており、これにより、小当たりの当選の確率は同一となるように設定されている。すなわち、設定されている設定値及び遊技状態(高確率遊技状態、低確率遊技状態)にかかわらず、同一の確率で小当たりの当選と判定されるようになっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数及び第2特図乱数のいずれに基づく当否抽選においても小当たりに当選可能となっているが、これに限定されるものではなく、第1特図乱数に基づく当否抽選においてのみ小当たりに当選可能となるように設定してもよいし、第2特図乱数に基づく当否抽選においてのみ小当たりに当選可能となるように設定してもよい。
【0085】
また、低確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110(テーブルA1、テーブルA2、テーブルA3、テーブルA4、テーブルA5、テーブルA6)はいずれも、時短付与の当選と判定される当否乱数の数値範囲は、大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲外であって、数値範囲の上限値及び下限値が同一となるように設定されており、これにより、時短付与の当選の確率は同一となるように設定されている。したがって、通常遊技状態中においては、設定されている設定値にかかわらず、同一の確率で時短付与の当選と判定されることとなる。
なお、上述の如く、通常遊技状態以外の遊技状態における当否抽選では時短付与の当否の判定は行われないことから、高確率遊技状態で参照される当否乱数判定テーブル110(テーブルB1、テーブルB2、テーブルB3、テーブルB4、テーブルB5、テーブルB6)にはいずれも、時短付与の当選が判定される数値領域が設けられていない。したがって、高確率遊技状態中においては、時短付与の当選と判定されることはない。
【0086】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選と判定される数値範囲、小当たりの当選と判定される数値範囲、及び、時短付与の当選と判定される数値範囲はいずれも、連続する数値の範囲により構成されるものとなっていたが、これに限定されるものではなく、間にハズレとなる数値を含む不連続な数値の範囲により構成してもよい。
【0087】
特別図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図12(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の当否抽選が行われると、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0088】
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選となった場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄ともいう)として4種類の大当たり図柄(X1、X2、X3、X4)が設けられており、また、小当たりの当選となった場合に決定される特別図柄(以下、小当たり図柄ともいう)として2種類の小当たり図柄(Y1、Y2)が設けられており、また、時短付与の当選となった場合に決定される特別図柄(以下、時短図柄ともいう)として3種類の時短図柄(J1、J2、J3)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄ともいう)として2種類のハズレ図柄(Z1、Z2)が設けられている。
【0089】
図12(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、大当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~1であったときに大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が2~139であったときに大当たり図柄X2が決定され、特別図柄乱数が140~199であったときに大当たり図柄X3が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、大当たりの当選となった場合に、大当たり図柄X1が決定される確率は1%、大当たり図柄X2が決定される確率は69%、大当たり図柄X3が決定される確率は30%となっている。
また、小当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~99であったときに小当たり図柄Y1が決定され、特別図柄乱数が100~199であったときに小当たり図柄Y2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、小当たりの当選となった場合に、小当たり図柄Y1が決定される確率及び小当たり図柄Y2が決定される確率はいずれも50%となっている。
また、時短付与の当選となった場合において、特別図柄乱数が0~99であったときに時短図柄J1が決定され、特別図柄乱数が100~199であったときに時短図柄J2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、時短付与の当選となった場合に、時短図柄J1が決定される確率及び時短図柄J2が決定される確率はいずれも50%となっている。
また、ハズレの場合において、特別図柄乱数が0~19であったときにハズレ図柄Z1が決定され、特別図柄乱数が20~199であったときにハズレ図柄Z2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、ハズレの場合に、ハズレ図柄Z1が決定される確率は10%、ハズレ図柄Z2が決定される確率はいずれも90%となっている。
【0090】
図12(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、大当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~139であった場合に大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が140~199であった場合に大当たり図柄X4が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、大当たりの当選となった場合に、大当たり図柄X1が決定される確率は70%、大当たり図柄X4が決定される確率は30%となっている。
また、時短付与の当選となった場合において、特別図柄乱数が0~199であったときに(すなわち、特別図柄乱数がいかなる値であっても)時短図柄J3が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、時短付与の当選となった場合に、時短図柄J3が決定される確率は100%となっている。
なお、
図12(b)に示すように、小当たりの当選となった場合に決定される小当たり図柄の種別及び当該種別の決定確率、並びに、ハズレの場合に決定されるハズレ図柄の種別及び当該種別の決定確率は、第1始動入賞口判定テーブル111aと同様の内容に設定されている。
【0091】
特別電動役物作動テーブル112は、大当たりの当選となった場合に実行される特別遊技及び小当たりの当選となった場合に実行される小当たり遊技を制御するためのものであり、特別遊技及び小当たり遊技の実行中に、大入賞口ソレノイド18cや振り分け部材ソレノイド59cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図13(a)~(d)に示すように、特別電動役物作動テーブル112として、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル112aと、大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル112bと、大当たりに当選し大当たり図柄X3又はX4が決定された場合に参照される第3作動テーブル112cと、小当たりに当選し小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合に参照される第4作動テーブル112dと、が設けられている。
【0092】
具体的には、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、
図13(a)に示す第1作動テーブル112aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル112aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が1ラウンド~10ラウンドまで計10回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、開閉扉18bが閉位置から開位置に変位して開位置に29.0秒位置した後、開位置から閉位置へ変位するという態様(開閉パターン)で作動することにより大入賞口18が1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
さらに、
図13(a)に示すように、大当たり図柄X1が決定された場合には、1ラウンド、2ラウンド、4ラウンド~10ラウンドの各ラウンド遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留する(位置する)という態様(作動パターン)で作動するようになっている。これに対して、3ラウンドのラウンド遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留するという態様で作動するようになっている。
【0093】
また、大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合には、
図13(b)に示す第2作動テーブル112bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル112bによれば、上述の第1作動テーブル112aと同一の条件で終了するラウンド遊技が1ラウンド~10ラウンドまで計10回実行される。開閉扉18bの開閉パターン、インターバル時間も、第1作動テーブル112aと同一の内容に設定されている。
また、
図13(b)に示すように、大当たり図柄X2が決定された場合には、1ラウンド、2ラウンド、4ラウンド~10ラウンドの各ラウンド遊技中は、大当たり図柄X1が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっており、さらに、3ラウンドのラウンド遊技中も、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっている。
【0094】
また、大当たりに当選し大当たり図柄X3又はX4が決定された場合には、
図13(c)に示す第3作動テーブル112cを参照して特別遊技が実行される。この第3作動テーブル112cによれば、上述の第1作動テーブル112a及び第2作動テーブル112bと同一の条件で終了するラウンド遊技が1ラウンド~4ラウンドまで計4回実行される。開閉扉18bの開閉パターン、インターバル時間は、第1作動テーブル112a及び第2作動テーブル112bと同一の内容に設定されている。
また、
図13(c)に示すように、大当たり図柄X3又はX4が決定された場合には、1ラウンド、2ラウンド、4ラウンドの各ラウンド遊技中は、大当たり図柄X1及び大当たり図柄X2が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっており、さらに、3ラウンドのラウンド遊技中は、大当たり図柄X2が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっている。
【0095】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄X1が決定された場合には、3ラウンドのラウンド遊技(特定のラウンド遊技)において、大入賞口18が29.0秒連続して開放され、かつ振り分け部材59が第2位置に停留するため、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、大入賞口18へ遊技球が入球し確実に所定数の遊技球を特定領域57へ進入させることができるようになっている。
これに対して、大当たり図柄X2、X3又はX4が決定された場合には、3ラウンドのラウンド遊技において、大入賞口18は29.0秒連続して開放されるものの振り分け部材59が第1位置に停留するため、大入賞口18へ遊技球が入球しても当該遊技球は全て一般領域58へ進入してしまい、遊技球を特定領域57へ進入させることは不可能となっている。
【0096】
また、小当たりに当選し小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合には、
図13(d)に示す第4作動テーブル112dを参照して小当たり遊技が実行される。この第4作動テーブル112dによれば、大入賞口18の0.05秒の開放が1回行われ、第1大入賞口18の開放中に10個の遊技球が入球すると大入賞口18が閉鎖する。
また、
図13(d)に示すように、小当たり遊技中は、振り分け部材59が第1に停留するという態様で作動するようになっている。
このように、小当たり遊技においては、大入賞口18が0.05秒しか開放しないため、大入賞口18へ遊技球を入球させることはほぼ不可能となっている。また、小当たり遊技中は振り分け部材50が第1位置に停留するため、万が一、大入賞口18へ遊技球が入球したとしても当該遊技球は一般領域58へ進入し、遊技球を特定領域57へ進入させることは不可能となっている。
【0097】
遊技状態設定テーブル113は、特別遊技が実行された場合における当該特別遊技の終了後の遊技状態、及び、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J1、J2又はJ3が決定された後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技の実行契機となった大当たり時に決定された大当たり図柄の種別、及び、当該特別遊技中に特定領域57へ所定数(本形態では1個)の遊技球が進入したか否かに応じて、特別遊技の終了後の遊技状態が設定されるようになっている。また、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J1、J2又はJ3が決定された場合には、各時短付与図柄に定められた遊技状態が設定されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述するように、決定された大当たり図柄の種別に対応して特定領域57への遊技球の進入の可否が設定されており、実質的に、決定された大当たり図柄によって、当該決定に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態へ移行するか否かが定まっている。
【0098】
なおここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態において大当たりに当選して高確率遊技状態へ移行した後、低確率遊技状態へ移行することなく連続して高確率遊技状態の設定が対応付けられた大当たり図柄が決定され、連続して当該大当たり図柄が決定された回数(以下、連続高確設定回数という)が予め定められた上限回数(本形態では10000回)に到達したときには、当該大当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後には、強制的に低確率遊技状態が設定されるようになっている。すなわち、特別遊技の実行を介しつつ、低確率遊技状態へ移行することなく上述の大当たり図柄が上限回数まで連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後には、高確率遊技状態が設定される条件を満たしていたときであっても強制的に低確率遊技状態が設定される。
また、同様に、非時短遊技状態において大当たりに当選して時短遊技状態(本形態では第2時短遊技状態)へ移行した後、非時短遊技状態へ移行することなく連続して時短遊技状態の設定が対応付けられた大当たり図柄が決定され、連続して当該大当たり図柄が決定された回数(以下、連続時短設定回数という)が予め定められた上限回数(本形態では10000回)に到達したときには、当該大当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後には、強制的に非時短遊技状態が設定されるようになっている。すなわち、特別遊技の実行を介しつつ、非時短遊技状態へ移行することなく上述の大当たり図柄が上限回数まで連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後には、時短遊技状態が設定される条件を満たしていたときであっても強制的に非時短遊技状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、設定されている大当たりの当選の確率や各大当たり図柄の決定確率からすると、連続高確設定回数や連続時短設定回数が10000回に到達することはあり得ず、実質的には、低確率遊技状態が設定される条件や非時短遊技状態が設定される条件を満たすまで、高確率遊技状態や時短遊技状態が継続することとなる。
【0099】
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図14(a)~(f)に示すように、遊技状態設定テーブル113として、大当たり図柄X1が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合に参照される第1遊技状態設定テーブル113aと、大当たり図柄X2又はX3が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合に参照される第2遊技状態設定テーブル113bと、大当たり図柄X4が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合に参照される第3遊技状態設定テーブル113cと、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J1が決定された場合に参照される第4遊技状態設定テーブル113dと、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J2が決定された場合に参照される第5遊技状態設定テーブル113eと、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J3が決定された場合に参照される第6遊技状態設定テーブル113fと、が設けられている。
【0100】
具体的には、
図14(a)に示すように、大当たり図柄X1が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合において、連続高確設定回数が予め定められた上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)は10000回に設定される。これに伴って、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が第2時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。
すなわち、上述の場合において、連続高確設定回数及び連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで、高確率遊技状態及び第2時短遊技状態(すなわち、高確率時短遊技状態)が継続する。なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/110~1/135となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、高確率時短遊技状態が継続することとなる。
【0101】
これに対して、上述の場合において、連続高確設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときには、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定され、また、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。
【0102】
なお、上述の如く、大当たり図柄X1が決定された場合には、特別遊技における3ラウンド中に振り分け部材59が第2位置に停留するため、第2遊技領域12bへ遊技球を打ち出している限りにおいては必ず、特定領域57へ所定数の遊技球が進入する。すなわち、大当たり図柄X1が決定された場合には、第2遊技領域12bへ遊技球を打ち出している限り、確実に高確率時短遊技状態が設定されることとなる。
また、特に図示していないが、大当たり図柄X1が決定されたにもかかわらず、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率時短遊技状態及び非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)に設定される。
【0103】
図14(b)に示すように、大当たり図柄X2又はX3が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態に設定される。これに伴って、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達しておらず、かつ大当たりに当選した時点の遊技状態が時短遊技状態(すなわち、第1時短遊技状態)であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が第2時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。
すなわち、上述の場合において、連続時短設定回数が上限回数に到達しておらず、かつ大当たりに当選した時点の遊技状態が時短遊技状態であったときには、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態(すなわち、第2低確率時短遊技状態)が継続する。なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/150~1/175となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、第2低確率時短遊技状態が継続することとなる。
【0104】
これに対して、上述の場合において、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達しておらず、かつ大当たりに当選した時点の遊技状態が非時短遊技状態であったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。また、同様に、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときにも、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。すなわち、いずれのときにも、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)に設定される。
【0105】
なお、上述の如く、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、特別遊技における3ラウンド中に振り分け部材59が第1位置に停留するため、特定領域57へ所定数の遊技球が進入することはない。すなわち、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には必ず、第2低確率時短遊技状態又は通常遊技状態のいずれかが設定されることとなる。
【0106】
図14(c)に示すように、大当たり図柄X4が決定され特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態に設定される。これに伴って、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していなかったときには、特別遊技の終了後の遊技状態が第2時短遊技状態に設定され、時短回数は100回に設定される。
すなわち、上述の場合において、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が100回導出されるまで、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態(すなわち、第2低確率時短遊技状態)が継続する。
【0107】
これに対して、上述の場合において、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達していたときには、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。すなわち、このときには、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)に設定される。
【0108】
なお、上述の如く、大当たり図柄X4が決定された場合には、特別遊技における3ラウンド中に振り分け部材59が第1位置に停留するため、特定領域57へ所定数の遊技球が進入することはない。すなわち、大当たり図柄X4が決定された場合には必ず、第2低確率時短遊技状態又は通常遊技状態のいずれかが設定されることとなる。
【0109】
図14(d)に示すように、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J1が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態に設定され、時短回数が10回に設定される。すなわち、この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10回導出されるまで、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(すなわち、第1低確率時短遊技状態)が継続する。
【0110】
図14(e)に示すように、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J2が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態に設定され、時短回数が20回に設定される。すなわち、この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が20回導出されるまで、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(すなわち、第1低確率時短遊技状態)が継続する。
【0111】
図14(f)に示すように、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当選となり時短図柄J3が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が、低確率遊技状態は変わることなく第1時短遊技状態に設定され、時短回数が1回に設定される。すなわち、この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が1回導出されるまで、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(すなわち、第1低確率時短遊技状態)が継続する。
【0112】
なお、上述のように時短図柄J1、J2又はJ3が決定された場合には、当該特別図柄(時短図柄)の変動が停止した後に(次の特別図柄の変動開始時に)、上述の第1低確率時短遊技状態が設定される。
【0113】
変動パターンテーブル114は、上述の如く、変動パターンコマンドを決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動パターンコマンドが決定される。変動パターンコマンドは、上述の如く、変動演出の変動パターンを決定するためのものであり、変動パターンコマンドにより、変動演出の態様及び変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)が決定される。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられており、変動演出の前半部分の態様及び変動時間、並びに、変動演出の後半部分の態様及び変動時間はいずれも、変動パターンコマンドにより決定されるようになっている。
具体的には、決定された変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の具体的な態様(たとえば、表示部21aに表示する画像等)を決定する。
【0114】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドは複数種類設けられており、各変動パターンコマンドは変動パターンテーブル114に対応付けられている。そして、変動パターンテーブル114ごとに、決定される変動パターンコマンドの種類及び決定割合が設定されている。
【0115】
本形態に係るパチンコ機Pは、変動パターンテーブル114として、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中であって(すなわち、左打ち中であって)第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルA、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中であって(すなわち、右打ち中であって)第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルB及びテーブルCを備えている(
図15参照)。
【0116】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選して少なくとも第2時短遊技状態又は高確率遊技状態のいずれか一方へ移行してから、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態へ移行することなく連続して当選した大当たり(いわゆる初当たりから、少なくとも第2時短遊技状態又は高確率遊技状態のいずれか一方が継続している間に連続して当選した大当たり、以下、連続大当たりという)の回数が所定回数(たとえば、3回等)に達するという連続大当たり回数条件が成立していない場合にテーブルBが参照され、当該連続大当たり回数条件が成立している場合にテーブルCが参照される。
【0117】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得され、この取得された変動パターン乱数と、上述のように決定された特別図柄と、現時点の保留数(第1保留数又は第2保留数)と、現時点の遊技状態や上述の連続大当たり回数条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立の成否に応じた変動パターンテーブル114とに基づいて、変動パターンコマンドが決定される。
【0118】
なお、特に図示していないが、変動パターンテーブル114としては、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中であって第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合や、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中であって第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルも備えている。しかし、演出表示装置21における遊技球の打ち出しの指示の表示に従っている限りにおいては、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中は第1始動入賞口15へのみ遊技球が入球し、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へのみ遊技球が入球する。したがって、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中の第2始動入賞口16への遊技球の入球や、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中の第1始動入賞口15への遊技球の入球はイレギュラーなものであり、以下では、このようなイレギュラーな入球については考慮せず、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中は第1始動入賞口15へ遊技球が入球し、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へ遊技球が入球するものとして説明を行う。
【0119】
そして、テーブルAを参照して変動パターンコマンドを決定する場合(第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合)には、当該時点における第1保留数が参照される。これに対して、テーブルB又はテーブルCを参照して変動パターンコマンドを決定する場合(第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合)には、当該時点における第2保留数が参照される。
【0120】
図15(a)に示すように、テーブルAによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され(すなわち、当否抽選の結果がハズレであり)、かつ現時点の第1保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「13秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が13秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「00H」が決定され、変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が13秒、後半部分の変動時間が7秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「45秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が20秒、後半部分の変動時間が25秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が20秒、後半部分の変動時間が40秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
【0121】
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の第1保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「3秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「04H」が決定され、変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
【0122】
また、時短図柄J1又はJ2が決定されると(すなわち、当否抽選の結果が時短付与の当選であると)、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「12H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「13H」が決定される。
【0123】
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されると(すなわち、当否抽選の結果が小当たりの当選であると)、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「22H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「23H」が決定される。
【0124】
また、大当たり図柄X1、X2又はX3が決定されると(すなわち、当否抽選の結果が大当たりの当選であると)、現時点の第1保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A2H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A3H」が決定される。
【0125】
図15(b)に示すように、テーブルBによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の第2保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「00H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
【0126】
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の第2保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「04H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
【0127】
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「22H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「23H」が決定される。
【0128】
また、大当たり図柄X1又はX4が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A2H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A3H」が決定される。
【0129】
図15(c)に示すように、テーブルCによれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の第2保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「26秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が26秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「05H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「90秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が30秒、後半部分の変動時間が60秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「06H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「120秒変動」の変動パターン(前半部分の変動時間が30秒、後半部分の変動時間が90秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「07H」が決定される。
【0130】
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の第2保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「6秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が6秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「08H」が決定され、変動パターン乱数が210~239であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「06H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「07H」が決定される。
【0131】
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「26H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「27H」が決定される。
【0132】
また、大当たり図柄X1又はX4が決定されると、現時点の第2保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A6H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A7H」が決定される。
【0133】
このように、テーブルCで決定される変動パターンに対応付けられた変動時間は、テーブルBで決定される変動パターンに対応付けられた変動時間よりも長くなるように設定されている。すなわち、第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態において、上述の連続大当たり回数条件が成立する前(連続大当たりの回数が所定回数に達する前)よりも、上述の連続大当たり回数条件が成立した後(連続大当たりの回数が所定回数に達した後)の方が、長い変動時間の決定割合が高くなっている。
これにより、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の連続大当たり回数条件が成立した後は、上述の連続大当たり回数条件が成立する前よりも、大当たりに当選してから次の大当たりに当選するまでの間隔を空けることができ、ひいては、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させることができる。したがって、短期間の間に多数回の特別遊技が実行され、遊技者が獲得する賞球数が急激に増加する等、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
【0134】
以上のように決定された変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の具体的な態様及び変動演出の後半部分の具体的な態様が決定される。そして、このように決定された具体的な態様により変動演出が実行されるが、変動パターンコマンドに設定されている前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計が、変動演出(特別図柄の変動表示)の開始から終了までの時間となる。
たとえば、決定された変動パターンコマンドが「02H」(前半部分の変動時間は20秒、後半部分の変動時間は25秒)であった場合には、前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計値45秒(=20秒+25秒)が、変動演出全体(特別図柄の変動表示全体)の変動時間となる。
なお、「00H」、「04H」、「05H」及び「08H」の変動パターンコマンドには、前半部分の変動時間として「0秒」が定められている。これらの変動パターンコマンドが決定された場合には、対応する後半部分の変動時間の間、当該変動パターンコマンドに応じて定められた態様により、変動演出全体が実行されるようになっている。
【0135】
また、上述の変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。
具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、上述の変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、上述の変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0136】
なお、変動演出の態様については、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の態様及び変動演出の後半部分の態様のいずれをも決定するのではなく、変動パターンコマンド以外に他のコマンドを決定するとともに、いずれかのコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、他のコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、対応するコマンドに基づいてそれぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
【0137】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、所定時間の間、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル116に基づいて、行われる。
【0138】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0139】
当たり決定乱数判定テーブル116は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図16(a)~(c)に示すように、非時短遊技状態中(すなわち、通常遊技状態中)、特別遊技中、小当たり遊技中に参照される第1判定テーブル116aと、第1時短遊技状態中(すなわち、第1低確率時短遊技状態中)に参照される第2判定テーブル116bと、第2時短遊技状態中(すなわち、第2低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中)に参照される第3判定テーブル116cと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であるか、或いは、普通図柄の抽選を行う時点が特別遊技中又は小当たり遊技中であれば、第1判定テーブル116aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第1判定テーブル116aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が第1時短遊技状態であれば、第2判定テーブル116bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第2判定テーブル116bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が第2時短遊技状態であれば、第3判定テーブル116cが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第3判定テーブル116cとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0140】
図16(a)に示すように、第1判定テーブル116aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1判定テーブル116aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、
図16(b)に示すように、第2判定テーブル116bによれば、当たり決定乱数が1~5であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、6~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2判定テーブル116bにおいて当たりとなる確率は5/65536となる。
また、
図16(c)に示すように、第3判定テーブル116cによれば、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3判定テーブル116cにおいて当たりとなる確率はおよそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0141】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル117、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル118を備えている。
【0142】
普通図柄変動パターン決定テーブル117は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル117に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図17に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合、或いは、特別遊技中又は小当たり遊技中には、3秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が第1時短遊技状態の場合には、2秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が第2時短遊技状態の場合には、0.5秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。そして、普通図柄の変動パターンが決定されると、この普通図柄の変動パターンに設定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という。
【0143】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル118は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル118に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合、或いは、特別遊技中又は小当たり遊技中には、
図18に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.05秒(=0.05秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.05秒開放される。また、遊技状態が第1時短遊技状態の場合には、
図18に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が第2時短遊技状態の場合には、
図18に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが1.8秒(=0.9秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計1.8秒開放される。
【0144】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、第2始動入賞口16が開状態に維持されやすいため、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすくなっている。
また、時短遊技状態のうちの第1時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16が開状態に維持されやすいものの、時短遊技状態のうちの第2時短遊技状態よりも第2始動入賞口16が開状態に維持されにくい。すなわち、第1時短遊技状態中は、非時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16へ入球しやすく、第2時短遊技状態中は、第1時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16へ入球しやすいようになっている。したがって、第2時短遊技状態中は非時短遊技状態及び第1時短遊技状態中よりも、また、第1時短遊技状態中は非時短遊技状態よりも、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら当否抽選の機会を獲得できることとなる。
【0145】
なお、遊技状態が時短遊技状態の場合には、上述のように、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理として、第2判定テーブル116bや第3判定テーブル116c(非時短遊技状態よりも当たりとなる確率が高く設定された当たり決定乱数判定テーブル116)による普通図柄の抽選、第1時短遊技状態用の変動時間や第2時短遊技状態用の変動時間(非時短遊技状態よりも短い変動時間)の決定、及び、第1時短遊技状態用の開放パターンや第2時短遊技状態用の開放パターン(非時短遊技状態よりも総開放時間が長い開放パターン)による開放制御の全てが行われていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、上述の処理の少なくともいずれか1つが行われるようにしてもよい。
【0146】
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図19のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0147】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0148】
ステップ102において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0149】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図20のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0150】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0151】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、特定領域検出センサ57aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技、特別遊技及び小当たり遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0152】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放コマンド、受皿満タンコマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖コマンド、満タン解除コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0153】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0154】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0155】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、
図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球したことに基づいて当否抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0156】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球したことに基づいて当否抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が特定領域57へ進入したことに基づいて所定の処理を行うための特定領域検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0157】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0158】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0159】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0160】
ステップ502において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、当否乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0161】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で当否乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で当否乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ506に進む。
【0162】
ステップ506において、メインCPU101は、第1特図乱数及び第1時短図柄乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態又は第1時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、非時短遊技状態及び第1時短遊技状態のいずれでない(すなわち、第2時短遊技状態である)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、非時短遊技状態又は第1時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ508に進む。
【0163】
ステップ508において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数について、当該第1特図乱数に基づく変動開始前に(第1特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)当否抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0164】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0165】
ステップ602において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、当否乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0166】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で当否乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で当否乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ606に進む。
【0167】
ステップ606において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が第2時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、第2時短遊技状態でない(すなわち、非時短遊技状態又は第1時短遊技状態である)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ608に進む。
【0168】
ステップ608において、メインCPU101は、記憶された第2特図乱数について、当該第2特図乱数に基づく変動開始前に(第2特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)当否抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0169】
次に、上述したステップ508及びステップ608の事前判定処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。なお、上述したステップ508の事前判定処理においては、第1保留記憶領域の記憶部に記憶された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに、第1保留数に基づいて下記の処理が実行され、上述したステップ608の事前判定処理においては、第2保留記憶領域の記憶部に記憶された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに、第2保留数に基づいて下記の処理が実行される。
ステップ650において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)、保留数(第1保留数、第2保留数)、及び、遊技状態(通常遊技状態、第1低確率時短遊技状態、第2低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態)を確認する。そして、次のステップ651に進む。
【0170】
ステップ651において、メインCPU101は、当否乱数判定テーブル110のうち、設定されている設定値、及び、上述のステップ650で確認した遊技状態に対応するいずれか(テーブルA1~A6、テーブルB1~B6のいずれか)を取得し、取得したテーブルと、記憶された当否乱数とに基づいて、当否抽選の結果を判定する当否判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ652に進む。
ステップ652において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、時短図柄の種別(時短図柄J1、J2)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X4)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、時短図柄の種別(時短図柄J3)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を判定する。そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ653に進む。
【0171】
ステップ653において、メインCPU101は、上述のステップ650で確認した遊技状態、遊技球が入球した始動入賞口の種別、及び、上述の連続大当たり回数条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立の可否に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ654に進む。
ステップ654において、メインCPU101は、上述のステップ652で判定された特別図柄の種別、保留数、上述のステップ653で取得された変動パターンテーブル114及び記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンコマンドを判定する変動パターンコマンド判定処理を実行する。そして、次のステップ655に進む。
【0172】
ステップ655において、メインCPU101は、上述のステップ612で判定された当否抽選の結果、上述のステップ652で判定された特別図柄の種別、上述のステップ654で判定された変動パターンコマンドを含む事前判定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、保留として記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数について、特別図柄の変動開始時に決定される当否抽選の結果、特別図柄の種別及び変動パターンコマンドが、事前判定コマンドによって、当該乱数の取得時点で事前に(すなわち、変動開始前に)副制御基板300に伝達される。
【0173】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の事前判定処理において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第1保留記憶領域)に記憶された第1特図乱数、又は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第2保留記憶領域)に記憶された第2特図乱数を判定するようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、事前判定処理においては、保留記憶領域に記憶された乱数を直接判定するのではなく、他の記憶領域(たとえば、レジスタ等)に記憶された乱数を判定するようにしてもよい。
【0174】
次に、上述したステップ303の特定領域検出時処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ670において、メインCPU101は、特別遊技中であるか否かを判定する。そして、特別遊技中でないと判定した場合、特定領域検出時処理を終了する。一方、特別遊技中であると判定した場合、次のステップ671に進む。
ステップ671において、メインCPU101は、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数(本形態では、1回)入力されたか否かを判定する。そして、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数入力されていないと判定した場合、特定領域検出時処理を終了する。一方、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数入力されたと判定した場合、次のステップ672に進む。
ステップ672において、メインCPU101は、特定領域57へ所定数の遊技球が進入したことを示す進入フラグをオンにする。そして、特定領域検出時処理を終了する。
【0175】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「04」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)、小当たり遊技制御処理(ステップ705)又は特別遊技終了処理(ステップ706)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0176】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。一方、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0177】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ812に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当否判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0178】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当否判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、当否抽選の実行回数(特別図柄の変動回数)をカウントするための変動回数カウンタのカウント値を「1」インクリメントする。また、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値を含む変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ806に進む。
【0179】
ステップ806において、メインCPU101は、当否抽選の結果を導出する当否判定処理を実行する。そして、次のステップ807に進む。
ステップ807において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ806で判定された当否抽選の結果(大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選、ハズレ)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、時短図柄の種別(時短図柄J1、J2)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を決定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ806で判定された当否抽選の結果(大当たりの当選、小当たりの当選、時短付与の当選、ハズレ)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X4)、小当たり図柄の種別(小当たり図柄Y1、Y2)、時短図柄の種別(時短図柄J3)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1、Z2)を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ808に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0180】
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ809に進む。
ステップ809において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ810に進む。
【0181】
ステップ810において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ811に進む。
【0182】
ステップ811において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ812において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21において客待ち表示を行うための客待ち判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定の客待ち時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、客待ち状態となったものとして、演出表示装置21に客待ち画面を表示するための客待ちコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0183】
次に、上述したステップ806の当否判定処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ850において、メインCPU101は、当否乱数判定テーブル110のうち、設定されている設定値、及び、現時点の遊技状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804の所定の処理領域に記憶された当否乱数とに基づいて、大当たりの当選となるか否かを判定する(すなわち、大当たりの当否の判定を行う)大当たり当否判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述のテーブルから大当たりの当選となる数値範囲の情報を取得し、この取得した数値範囲内に上述の当否乱数が属するか否かを判定する。そして、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属する場合に大当たりの当選と判定され、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属しない場合に大当たりの非当選と判定される。そして、次のステップ851に進む。
ステップ851において、メインCPU101は、上述のステップ850で実行された大当たり当否判定処理の結果が大当たりの当選であったか否か(すなわち、大当たりに当選したか否か)を判定する。そして、大当たりの当選でない(大当たりの非当選)と判定した場合、ステップ853に進む。一方、大当たりの当選と判定した場合、次のステップ852に進む。
【0184】
ステップ852において、メイン101は、メインRAM103の所定の記憶領域に大当たりの当選である旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
また、上述のステップ851で大当たりの当選でないと判定した場合に進むステップ853において、メインCPU101は、上述のステップ850で選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804の所定の処理領域に記憶された当否乱数(すなわち、上述のステップ850で判定の対象となった当否乱数と同一の当否乱数)とに基づいて、小当たりの当選となるか否かを判定する(すなわち、小当たりの当否の判定を行う)小当たり当否判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述のテーブルから小当たりの当選となる数値範囲の情報を取得し、この取得した数値範囲内に上述の当否乱数が属するか否かを判定する。そして、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属する場合に小当たりの当選と判定され、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属しない場合に小当たりの非当選と判定される。そして、次のステップ854に進む。
【0185】
ステップ854において、メインCPU101は、上述のステップ853で実行された小当たり当否判定処理の結果が小当たりの当選であったか否か(すなわち、小当たりに当選したか否か)を判定する。そして、小当たりの当選でない(小当たりの非当選)と判定した場合、ステップ856に進む。一方、小当たりの当選と判定した場合、次のステップ855に進む。
ステップ855において、メイン101は、メインRAM103の所定の記憶領域に小当たりの当選である旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
【0186】
また、上述のステップ854で小当たりの当選でないと判定した場合に進むステップ856において、メインCPU101は、現時点で設定されている遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。そして、通常遊技状態でない(すなわち、第1低確率時短遊技状態、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態である)と判定した場合、ステップ860に進む。一方、通常遊技状態であると判定した場合、次のステップ857に進む。
ステップ857において、メインCPU101は、上述のステップ850で選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804の所定の処理領域に記憶された当否乱数(すなわち、上述のステップ850及びステップ853で判定の対象となった当否乱数と同一の当否乱数)とに基づいて、時短付与の当選となるか否かを判定する(すなわち、時短付与の当否の判定を行う)時短付与判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述のテーブルから時短付与の当選となる数値範囲の情報を取得し、この取得した数値範囲内に上述の当否乱数が属するか否かを判定する。そして、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属する場合に時短付与の当選と判定され、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属しない場合に時短付与の非当選と判定される。そして、次のステップ858に進む。
【0187】
ステップ858において、メインCPU101は、上述のステップ857で実行された時短付与当否判定処理の結果が時短付与の当選であったか否か(すなわち、時短付与に当選したか否か)を判定する。そして、時短付与の当選でない(小当たりの非当選)と判定した場合、ステップ860に進む。一方、時短付与の当選と判定した場合、次のステップ859に進む。
ステップ859において、メイン101は、メインRAM103の所定の記憶領域に時短付与の当選である旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
【0188】
また、上述のステップ856で通常遊技状態でないと判定した場合、又は、上述のステップ858で時短付与に当選していないと判定した場合に進むステップ860において、メインCPU101は、メインRAM103の所定の記憶領域にハズレである旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり当否判定処理、小当たり当否判定処理、及び、時短付与当否判定処理はいずれも、設定されている設定値及び遊技状態に対応する当否乱数判定テーブル110の選択、判定の対象となる数値範囲の情報の取得、及び、当該数値範囲に当否乱数が属するか否かの判定を実行するための共通化された処理プログラム(同一のモジュール)により実行されるようになっている。
【0189】
次に、上述したステップ809の変動パターン決定処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)、保留数(第1保留数、第2保留数)、遊技状態(通常遊技状態、第1低確率時短遊技状態、第2低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態)を確認する。そして、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ900で確認した遊技状態、遊技球が入球した始動入賞口の種別、及び、上述の連続大当たり回数条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立の可否に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ902に進む。
【0190】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で取得した変動パターンテーブル114と、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別と、上述のステップ900で確認した保留数と、上述のステップ803又は804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを決定し、この決定された変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ903に進む。
ステップ903において、メインCPU101は、上述のステップ902で決定された変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ904に進む。
【0191】
ステップ904において、メインCPU101は、変動パターンテーブル114に基づいて、変動パターンコマンドに対応付けられた変動時間を決定する。そして、決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、変動パターン決定処理を終了する。
【0192】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0193】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ904で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0194】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0195】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0196】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0197】
ステップ1102において、メインCPU101は、停止表示時間が経過した旨を示す停止表示終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、停止表示時間が経過した旨が副制御基板300に伝達される。また、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が第1時短遊技状態であることを示す第1時短遊技フラグ、又は、現時点の遊技状態が第2時短遊技状態であることを示す第2時短遊技フラグのいずれかがオンとなっているか否かを判定する。そして、第1時短遊技フラグ又は第2時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、オンとなっていた第1時短遊技フラグ又は第2時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグがいずれもオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0198】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
【0199】
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、小当たり図柄、時短図柄、又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3、X4)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
【0200】
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
【0201】
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄がX1又はX2であれば、ラウンド数として「10」をセットし、停止表示されている大当たり図柄がX3又はX4であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0202】
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でない(すなわち、時短図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1114に進む。一方、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1112に進む。
ステップ1112において、メインCPU101は、小当たり遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1113に進む。
【0203】
ステップ1113において、メインCPU101は、特図関連制御処理において小当たり遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0204】
また、上述のステップ1111で停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1114において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が時短図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が時短図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1116に進む。一方、停止表示されている特別図柄が時短図柄であると判定した場合、次のステップ1115に進む。
ステップ1115において、メインCPU101は、遊技状態を第1低確率時短遊技状態に設定する第1低確率時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第1時短遊技フラグをオンにするとともに、停止表示された時短図柄がJ1であった場合には時短回数に「10」をセットし、停止表示された時短図柄がJ2であった場合には時短回数に「20」をセットし、停止表示された時短図柄がJ3であった場合には時短回数に「1」をセットする。そして、次のステップ1116に進む。
【0205】
ステップ1116において、メインCPU101は、設定されている遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1117に進む。
ステップ1117において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0206】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0207】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル112に基づいて、大入賞口18の開閉及び振り分け部材59の作動を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0208】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0209】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0210】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0211】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0212】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「05」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0213】
次に、上述したステップ705の小当たり遊技制御処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1250において、メインCPU101は、実行フェーズデータが小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1251に進む。
ステップ1251において、メインCPU101は、上述のステップ1112でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1252に進む。
【0214】
ステップ1252において、メインCPU101は、この小当たり遊技制御処理において大入賞口18の開閉が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1256に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1253に進む。
ステップ1253において、メインCPU101は、特別電動役物作動テーブル112における第4作動テーブル112dに基づいて、大入賞口18の開閉を行う小当たり遊技実行処理を行う。そして、次のステップ1254に進む。
【0215】
ステップ1254において、メインCPU101は、大入賞口18の開閉が終了したか否かを判定する。そして、大入賞口18の開閉が終了していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、大入賞口18の開閉が終了したと判定した場合、次のステップ1255に進む。
ステップ1255において、メインCPU101は、小当たり遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0216】
また、上述のステップ1252でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1256において、メインCPU101は、上述のステップ1255でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1257に進む。
ステップ1257において、メインCPU101は、小当たり遊技が終了したことを示す小当たり遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1258に進む。
【0217】
ステップ1258において、メインCPU101は、設定されている遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0218】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「05」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「05」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、進入フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ1309に進む。一方、進入フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1302に進む。
【0219】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述の連続確変設定回数をカウントするための連続確変設定回数カウンタの値を1デクリメントするとともに、上述の連続時短設定回数をカウントするための連続時短設定回数カウンタの値を1デクリメントする。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、連続確変設定回数カウンタの値が0に到達したか否か、すなわち、連続確変設定回数が予め定められた上限回数に到達したか否かを判定する。そして、連続確変設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合、ステップ1305に進む。一方、連続確変設定回数カウンタの値が0に到達したと判定した場合、次のステップ1304に進む。
【0220】
ステップ1304において、メインCPU101は、遊技状態を低確率遊技状態に設定する低確率遊技状態設定処理を実行する。具体的には、高確遊技フラグをオフにする。また、メインCPU101は、連続確変設定回数カウンタに予め定められた上限回数である「10000」をセットする。そして、ステップ1306に進む。
また、上述のステップ1303で連続確変設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合に進むステップ1305において、遊技状態を高確率遊技状態に設定する高確率遊技状態設定処理を実行する。具体的には、高確遊技フラグをオンにするとともに、高確回数に「10000」をセットする。そして、次のステップ1306に進む。
【0221】
ステップ1306において、メインCPU101は、連続時短設定回数カウンタの値が0に到達したか否か、すなわち、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に到達したか否かを判定する。そして、連続時短設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合、ステップ1308に進む。一方、連続時短設定回数カウンタの値が0に到達したと判定した場合、次のステップ1307に進む。
ステップ1307において、メインCPU101は、遊技状態を非時短遊技状態に設定する非時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグをオフにする。また、メインCPU101は、連続時短設定回数カウンタに予め定められた上限回数である「10000」をセットする。そして、ステップ1311に進む。
【0222】
また、上述のステップ1306で連続時短設定回数カウンタの値が0に到達していないと判定した場合に進むステップ1308において、メインCPU101は、遊技状態を第2時短遊技状態に設定する第2時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「10000」をセットする。そして、ステップ1311に進む。
また、上述のステップ1301で進入フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ1309において、メインCPU101は、上述のステップ1304と同様の低確率時短遊技状態設定処理を実行するとともに、連続確変設定回数カウンタに予め定められた上限回数である「10000」をセットする。そして、次のステップ1310に進む。
【0223】
ステップ1310において、メインCPU101は、遊技状態を非時短遊技状態又は第2時短遊技状態に設定する時短・非時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、大当たり当選時に決定された大当たり図柄がX2又はX3の場合において、当該大当たり当選時の遊技状態が時短遊技状態(第1時短遊技状態)であったときには、第2時短遊技状態を設定すべく、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「10000」をセットする。これに対して、当該大当たり当選時の遊技状態が非時短遊技状態であったときには、非時短遊技状態を設定すべく、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグをオフにする。また、大当たり当選時に決定された大当たり図柄がX4の場合には、第2時短遊技状態を設定すべく、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「100」をセットする。そして、ステップ1311に進む。
ステップ1311において、メインCPU101は、設定された遊技状態が高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態)又は第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態)のいずれかであるか否かを判定する。そして、いずれでもないと判定した場合、ステップ1313に進む。一方、いずれかであると判定した場合、次のステップ1312に進む。
【0224】
ステップ1312において、メインCPU101は、連続大当たり回数をカウントするための連続大当たり回数カウンタの値を1インクリメントする。なお、この連続大当たり回数カウンタの値が所定回数(本形態では3回)に対応する値に到達すると、上述の連続大当たり回数条件が成立したこととなる。そして、ステップ1314に進む。
また、上述のステップ1311で設定された遊技状態が高確率時短遊技状態及び第2低確率時短遊技状態のいずれでもないと判定した場合に進むステップ1313において、メインCPU101は、連続大当たり回数カウンタの値をリセット(ゼロクリア)する。そして、次のステップ1314に進む。
【0225】
ステップ1314において、メインCPU101は、進入フラグをオフにする。そして、次のステップ1315に進む。
ステップ1315において、メインCPU101は、上述のように設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のように設定された、高確遊技フラグのオン又はオフの情報、第1時短遊技フラグのオン又はオフの情報、第2時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1316に進む。
【0226】
ステップ1316において、メインCPU101は、特図関連制御処理において変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0227】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、
図36のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0228】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図37のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0229】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
【0230】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の状態(非時短遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、特別遊技中、小当たり遊技中)に対応する当たり決定乱数判定テーブル116(第1判定テーブル116a、第2判定テーブル116b又は第3判定テーブル116cのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、非時短遊技状態中、特別遊技中又小当たり遊技中である場合には、第1判定テーブル116aを参照し、第1時短遊技状態中である場合には、第2判定テーブル116bを参照し、第2時短遊技状態中である場合には、第3判定テーブル116cを参照し、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
【0231】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0232】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点のパチンコ機Pの状態が非時短遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、特別遊技中又は小当たり遊技中のいずれであるかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル117を参照して、現時点のパチンコ機Pの状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、非時短遊技状態中、特別遊技中又は小当たり遊技中である場合には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、第1時短遊技状態中である場合には、普図変動時間カウンタに「2秒」をセットし、第2時短遊技状態中である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0233】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点のパチンコ機Pの状態を変動開始時のパチンコ機Pの状態として遊技機状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0234】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図38のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0235】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する変動停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0236】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0237】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図39のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた変動停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該変動停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0238】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0239】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0240】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図40のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0241】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時のパチンコ機Pの状態が、非時短遊技状態中、第1時短遊技状態中、第2時短遊技状態中、特別遊技中又は小当たり遊技中のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル118を参照し、上述のステップ1802で確認したパチンコ機Pの状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0242】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0243】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0244】
(本形態に係るパチンコ機Pの遊技性)
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
【0245】
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多い。この通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へ入球する可能性があり、第2始動入賞口16へ入球することはない。すると、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1、X2又はX3が決定される(
図12(a)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される(
図14(a)、
図41参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中に指示通り左打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより通常遊技状態又は高確率時短遊技状態へ移行することとなる(
図41参照)。しかし、大当たり図柄X1が決定されるのは、大当たりに当選した場合の1%となっているため(
図12(a)参照)、通常遊技状態中には、大当たりに当選しても高確率時短遊技状態へは極めて移行し難い。
【0246】
ここで、通常遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、当否抽選において時短付与の当否の判定が行われ時短付与の当選が約1/100の確率で決定され得る(
図6(a)、
図7(a)、
図8(a)、
図9(a)、
図10(a)、
図11(a)参照)。そして、時短図柄J1、J2又はJ3が決定された場合にはいずれも、大当たり及び特別遊技を経由することなく遊技状態が第1低確率時短遊技状態に設定されるとともに、時短図柄J1が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10回導出されるまで継続し、時短図柄J2が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が20回導出されるまで継続し、時短図柄J3が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が大当たりに当選することなく当否抽選の結果が1回導出されるまで継続する。
【0247】
また、この第1低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、通常遊技状態中と同様に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われる。すると、この第1低確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合には、通常遊技状態中と同様に大当たり図柄X1、X2又はX3が決定され、各大当たり図柄の決定確率(大当たり図柄X1の決定確率が1%、大当たり図柄X2又はX3の決定確率が99%)も通常遊技状態中と同様であるため、第1低確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合にはほぼ、大当たり図柄X2又はX3が決定される(
図12(a)参照)。そして、第1低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、大当たり当選時の遊技状態が時短遊技状態であることから、特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される(
図14(b)、
図41参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1低確率時短遊技状態中(時短図柄J1が決定された場合には当否抽選の結果が10回導出されるまでの間、時短図柄J2が決定された場合には当否抽選の結果が20回導出されるまでの間、時短図柄J3が決定された場合には当否抽選の結果が1回導出されるまでの間)に大当たりに当選すれば、ほぼ第2低確率時短遊技状態へ移行することとなる(
図41参照)。
【0248】
第2低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へ入球する可能性があり、第1始動入賞口15へ入球することはない。すると、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1又はX4が決定される(
図12(b)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、上述と同様に、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。また、大当たり図柄X4が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が、再度、第2低確率時短遊技状態に設定され、時短回数は100回に設定される(
図14(c)、
図41参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第2低確率時短遊技状態中に指示通り右打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより第2低確率時短遊技状態が再設定されるか、又は、高確率時短遊技状態へ移行することとなる(
図41参照)。ここで、第1低確率時短遊技状態から第2低確率時短遊技状態へ移行したときには時短回数が10000回に設定され、第2低確率時短遊技状態中は、通常遊技状態中や第1低確率時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16が開状態へ極めて維持されやすくなっているため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得できる。そして、大当たり図柄X1が決定されるのは、大当たりに当選した場合の70%となっているため(
図12(b)参照)、第2低確率時短遊技状態中は、大当たりに当選した場合に高確率時短遊技状態へ移行し易い。
【0249】
高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1又はX4が決定される(
図12(b)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が、再度、高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。また、大当たり図柄X4が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定され、時短回数は100回に設定される(
図12(c)、
図41参照)。
高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得できる。
【0250】
また、第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態において大当たり図柄X4が決定された場合には、時短回数100回の第2低確率時短遊技状態が設定されるが(
図12(c)、
図41参照)、当否抽選が100回行われるまでの間に大当たりに当選すれば、再度、高確率時短遊技状態への移行に期待することができる。
【0251】
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中は、当否抽選に基づく時短付与の当選(時短図柄J1、J2又はJ3)の決定による第1低確率時短遊技状態への移行を目指し、第1低確率時短遊技状態中(当否抽選の結果が10回、20回又は1回導出されるまでの間)に大当たりに当選することで第2低確率時短遊技状態への移行を目指し、その後、第2低確率時短遊技状態及び高確率時短遊技状態を継続させることで多くの遊技球の獲得を目指すという斬新な遊技性が付与される。すなわち、通常遊技状態中から大当たりの当選及び特別遊技を経ることなく移行可能な第1低確率時短遊技状態が、遊技者にとって有利な第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態へ移行するためのチャンスゾーンとなるような遊技性が付与され、遊技者の興趣を高めることができる。
【0252】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pによれば、通常遊技状態中の当否抽選において時短付与の当否の判定が行われ、当該当否抽選により時短付与の当選となり時短図柄J1、J2又はJ3が決定された場合には、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに、時短遊技状態への移行が可能となっているため、時短遊技状態の移行に関し遊技者に斬新な印象を与えることができるとともに、時短遊技状態への移行のバリエーションが豊富となり、今までにない遊技性を提供することができる。
また、本形態に係るパチンコ機Pによれば、当否抽選において、当否乱数に基づき大当たりの当否の判定が行われ大当たりの当選でない旨が判定された場合、通常遊技状態中には、同一の当否乱数に基づき時短付与の当否の判定が行われるようになっているため、各種判定を行うために用いる乱数の種類を抑えることができ、メインCPU101やメインRAM103等のハードウェア資源にかかる負荷を軽減することができる。
また、本形態に係るパチンコ機Pによれば、いずれの設定値であっても時短付与の当選となる確率が同一となっているため、大当たりの当選を介さない時短遊技状態の設定により設定値ごとの有利度が変化し、所定の設定値が設定されている場合に射幸性が高まり過ぎるような事態を防止することができる。
【0253】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技、特別遊技及び小当たり遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、当否抽選の結果を報知し得る変動演出について説明する。
【0254】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により当否抽選の結果を報知し得る変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、当否抽選の結果を遊技者に報知し得るようになっている。
【0255】
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される(
図42(a)及び(b)、
図43(a)及び(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(
図42(c)~(e)、
図43(c)~(e)参照)。
【0256】
そして、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(
図43(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、当否抽選の結果が大当たりの当選であることが報知される。
【0257】
また、当否抽選の結果が小当たりの当選又はハズレであった場合には、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(
図42(e)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、当否抽選の結果がハズレ又は小当たりの当選であることが示される。なお、上述の停止表示態様は、当否抽選の結果がハズレ又は小当たりの当選であることを積極的に報知するものではなく、ハズレ又は小当たりの当選であること(大当たりの当選でないこと)を遊技者に単に認識させるものである。そして、当否抽選の結果がハズレ及び小当たりの当選のいずれの場合であっても、同様の態様で停止表示されるため、遊技者は、この演出図柄50の停止表示態様によって、当否抽選の結果がハズレであるか、又は、小当たりの当選であるかを把握することができないようになっている。
なお、小当たりの当選の場合における演出図柄50の停止表示態様はこれに限定されるものではなく、小当たりの当選を示す特定の態様(ハズレの場合に停止表示される演出図柄50の組み合わせとは異なる特定の演出図柄50の組み合わせ(たとえば、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄がすべて異なる偶数図柄となる組み合わせ等))で演出図柄50が停止表示されるようにしてもよい。
【0258】
また、当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合には、その旨を示す特殊な態様(たとえば、第1停止図柄及び第2停止図柄が「7」以外の同一の奇数図柄となり、第3停止図柄が「7」となる組み合わせ等)で演出図柄50が停止表示されるとともに、第1低確率時短遊技状態が設定される旨を示す設定画像(たとえば、「CHANCE ZONE 突入!!」の文字画像等)が表示される(
図44(f)参照)。すなわち、特殊な態様で演出図柄50が停止表示され、かつ上述の設定画像が表示されることにより、当否抽選の結果が時短付与の当選であることが報知される。
【0259】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31における特別図柄の停止表示とほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で当否抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0260】
また、本形態に係るパチンコ機Pには、通常遊技状態中の変動演出の態様として、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。これらの変動演出の態様はそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
【0261】
たとえば、リーチ変動パターンには、変動の仕方や演出図柄50の表示内容に特段の変化が生じることなく単に第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるノーマルリーチパターン(
図43参照)、すべての演出図柄50が所定の停止表示態様で仮停止した後に変動表示を再開するという態様の表示が所定回数行われ(いわゆる擬似連演出が行われ)、その後にリーチ表示が行われる擬似連リーチパターン(特に図示しておらず)、リーチ表示後に所定の発展演出画像を表示するリーチ発展演出が実行される発展ありパターン(
図44参照)、リーチ発展演出が実行されない発展なしパターン(
図43参照)等が設けられている。
上述のリーチ発展演出は、一の発展演出画像が継続して表示されるものであってもよいし、所定の発展演出画像が表示された後に、当該発展演出画像よりも大当たりの当選の期待度や時短付与の当選の期待度が高く設定された他の発展演出画像の表示に切り替わるものであってもよい。
また、変動演出中には、演出図柄50の変動表示とともに、大当たりの当選の期待度や時短付与の当選の期待度を示す種々の予告画像が表示される予告演出等の実行されるようになっている。
【0262】
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のリーチ変動パターンや予告演出について、大当たりに当選した場合や時短付与の当選となった場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行されるリーチ変動パターンや予告演出に応じて、大当たりの当選や時短付与の当選に対する遊技者の期待感を変化させることができるようになっている。具体的には、擬似連リーチパターン、発展ありパターン及び特定の予告演出は、大当たりに当選した場合や時短付与の当選となった場合に実行される可能性が高く設定されているため、大当たりの当選や時短付与の当選に対する遊技者の期待感を高めることとなる。
【0263】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中においては、大当たりに当選した場合よりも、時短付与の当選となった場合の方が、擬似連リーチパターンや特定の予告演出の実行される可能性が高く設定されている。
【0264】
たとえば、本形態に係るパチンコ機Pでは、
図45に示すように、変動演出中におけるリーチ表示前に実行される予告演出として、所定のキャラクターによるセリフが表示されるセリフ予告を実行可能となっている。セリフ予告の態様としては、セリフ予告A、セリフ予告B及びセリフ予告Cの3パターンが設けられている。
また、変動演出中におけるリーチ表示後に実行される予告演出として、所定のカットイン画像が表示されるカットイン予告を実行可能となっている。カットイン予告の態様としては、青色のカットイン画像が表示される青カットイン予告、赤色のカットイン画像が表示される赤カットイン予告及び紫色のカットイン画像が表示される紫カットイン予告の3パターンが設けられている。
【0265】
そして、当否抽選により時短付与の当選となった場合には、セリフ予告として、セリフ予告A及びセリフ予告Bを実行可能であり、上述の場合における、セリフ予告Aが実行される割合は15%、セリフ予告Bが実行される割合は10%となっている。また、カットイン予告として、青カットイン予告、赤カットイン予告及び紫カットイン予告を実行可能であり、上述の場合における、青カットイン予告が実行される割合は10%、赤カットイン予告が実行される割合は40%、紫カットイン予告が実行される割合は55%となっている。
【0266】
また、当否抽選により大当たりの当選となった場合には、セリフ予告として、セリフ予告A、セリフ予告B及びセリフ予告Cを実行可能となっており、この場合における、セリフ予告Aが実行される割合は15%、セリフ予告Bが実行される割合は20%、セリフ予告Cが実行される割合は25%となっている。また、カットイン予告として、青カットイン予告及び赤カットイン予告を実行可能であり、上述の場合における、青カットイン予告が実行される割合は10%、赤カットイン予告が実行される割合は25%となっている。
【0267】
また、当否抽選によりハズレ又は小当たりの当選となった場合には、セリフ予告として、セリフ予告A及びセリフ予告Bを実行可能となっており、この場合における、セリフ予告Aが実行される割合は3%、セリフ予告Bが実行される割合は5%となっている。また、カットイン予告として、青カットイン予告及び赤カットイン予告を実行可能であり、上述の場合における、青カットイン予告が実行される割合は5%、赤カットイン予告が実行される割合は10%となっている。
【0268】
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短付与の当選となった場合は、大当たりの当選となった場合と比較して、セリフ予告Aが実行される割合は同一、セリフ予告Bが実行される割合及びセリフ予告Cが実行される割合はいずれも小さいため、セリフ予告Bやセリフ予告Cが実行された場合には、大当たりの当選に対する期待感を遊技者に抱かせることができるようになっている。なお、セリフ予告Cは、大当たりに当選した場合にのみ実行可能であるため、セリフ予告Cが実行された場合には、大当たりの当選が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
【0269】
これに対して、時短付与の当選となった場合は、大当たりの当選となった場合と比較して、青カットイン予告が実行される割合は同一、赤カットイン予告が実行される割合及び紫カットイン予告が実行される割合はいずれも大きいため、赤カットイン予告や紫カットイン予告が実行された場合には、時短付与の当選に対する期待感を遊技者に抱かせることができるようになっている。なお、紫カットイン予告は、時短付与の当選となった場合にのみ実行可能であるため、紫カットイン予告が実行された場合には、時短付与の当選が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
これにより、高確率時短遊技状態への移行が極めて困難な大当たりの当選よりも、高確率時短遊技状態への移行の可能性が高い時短付与の当選に対する遊技者の期待感を高めることができるようになっている。
【0270】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出の態様を決定するための種々の変動演出決定テーブルが記憶されている。副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から送信された変動パターンコマンドを受信することにより、所定の条件に応じた変動演出決定テーブルを選択するとともに、所定の数値範囲内(たとえば、0~249)で演出乱数(変動演出乱数)を取得する。そして、選択された変動演出決定テーブル、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動パターンコマンド、及び取得された演出乱数(変動演出乱数)に基づいて、変動演出の態様を決定する。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の態様(リーチ発展演出の有無、予告演出の実行の有無等)が決定されるようになっている。これにより、決定された態様に基づいた変動演出が演出表示装置21において実行されることとなる。
【0271】
なお、本形態に係るパチンコ機Pで実行可能な演出としては、上述の変動演出に限定されるものではなく、たとえば、保留記憶領域に記憶された保留に係る変動演出の実行前から当該記憶された保留に関する示唆を行う先読み演出を設けてもよい。
具体的には、先読み演出としては、新たな保留の記憶が行われた場合に、通常態様、及び、通常態様よりも大当たりの当選や時短付与の当選の期待度が高い特殊態様等を含む複数の態様のうちのいずれかで保留表示を行う保留先読み演出、保留の記憶が行われた時点から当該保留に基づく変動演出が終了するまでのいずれかのタイミングで、所定態様で表示中の保留表示を、より大当たりの当選や時短付与の当選の期待度が高い態様に変化させる保留変化先読み演出、新たな保留の記憶が行われた場合に、当該保留に基づく変動演出中、又は、当該保留よりも先に記憶された保留に基づく変動演出から当該保留に基づく変動演出までの複数回の変動演出に跨って、大当たりの当選や時短付与の当選の期待度が高い旨を示唆する高期待度示唆画像(たとえば、背景画像等)を表示する先読みゾーン演出等を設けてもよい。
【0272】
そして、通常遊技状態中においては、大当たりに当選した場合よりも、時短付与の当選となった場合の方が、上述の特殊態様で保留表示が行われる保留先読み演出、保留変化先読み演出、先読みゾーン演出等の実行される可能性が高くなるように設定してもよい。
【0273】
たとえば、
図46に示すように、保留変化先読み演出として、白色による保留表示が青色による保留表示に変化する青保留変化、白色による保留表示が赤色による保留表示に変化する赤保留変化、及び、白色による保留表示が紫色による保留表示に変化する紫保留変化の3パターンが設けられるとともに、先読みゾーン演出として、第1の高期待度示唆画像が表示されるゾーンA、第2の高期待度示唆画像が表示されるゾーンB、及び、第3の高期待度示唆画像が表示されるゾーンCの3パターンが設けられているものとする。
【0274】
そして、記憶されているいずれかの保留について、当否抽選により時短付与の当選と判定される場合には、上述の保留を対象とする保留変化先読み演出として、青保留変化、赤保留変化及び紫保留変化を実行可能であり、上述の場合における、青保留変化が実行される割合は10%、赤保留変化が実行される割合は40%、紫保留変化が実行される割合は55%としてもよい。また、上述の保留を対象とする先読みゾーン演出として、ゾーンA及びゾーンBを実行可能であり、上述の場合における、ゾーンAが実行される割合は15%、ゾーンBが実行される割合は10%としてもよい。
【0275】
また、記憶されているいずれかの保留について、当否抽選により大当たりの当選と判定される場合には、上述の保留を対象とする保留変化先読み演出として、青保留変化及び赤保留変化を実行可能であり、上述の場合における、青保留変化が実行される割合は10%、赤保留変化が実行される割合は25%としてもよい。また、上述の保留を対象とする先読みゾーン演出として、ゾーンA、ゾーンB及びゾーンCを実行可能となっており、この場合における、ゾーンAが実行される割合は15%、ゾーンBが実行される割合は20%、ゾーンCが実行される割合は25%としてもよい。
【0276】
また、記憶されているいずれかの保留について、当否抽選によりハズレ又は小当たりの当選と判定される場合には、上述の保留を対象とする保留変化先読み演出として、青保留変化及び赤保留変化を実行可能であり、上述の場合における、青保留変化が実行される割合は5%、赤保留変化が実行される割合は10%としてもよい。また、上述の保留を対象とする先読みゾーン演出として、ゾーンA及びゾーンBを実行可能となっており、この場合における、ゾーンAが実行される割合は3%、ゾーンBが実行される割合は5%としてもよい。
【0277】
すなわち、上述のように設定したときには、時短付与の当選と判定される場合は、大当たりの当選と判定される場合と比較して、青保留変化が実行される割合は同一、赤保留変化が実行される割合及び紫保留変化が実行される割合はいずれも大きいため、赤保留変化や紫保留変化が実行された場合には、時短付与の当選に対する期待感を遊技者に抱かせることができる。なお、紫保留変化は、時短付与の当選と判定される場合にのみ実行可能であるため、紫保留変化が実行された場合には、時短付与の決定が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
このように設定した場合にも、大当たりの当選よりも時短付与の当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0278】
なお、上述のように設定したときには、時短付与の当選と判定される場合は、大当たりの当選と判定される場合と比較して、ゾーンAが実行される割合は同一、ゾーンBが実行される割合及びゾーンCが実行される割合はいずれも小さいため、ゾーンBやゾーンCが実行された場合には、大当たりの当選に対する期待感を遊技者に抱かせることができるようになっている。なお、ゾーンCは、大当たりの当選と判定される場合にのみ実行可能であるため、ゾーンCが実行された場合には、大当たりの当選が確定し、遊技者の興趣を高めることができるようになっている。
【0279】
(変形例)
(1)上述の実施の形態では、大当たりの当選の確率が相対的に低い低確率遊技状態、及び、第2始動入賞口16が相対的に開状態に維持されにくい非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態中の当否抽選においてのみ、時短付与の当否の判定を行い、他の遊技状態中(大当たりの当選の確率が相対的に高い高確率遊技状態中や第2始動入賞口16が相対的に開状態に維持され易い時短遊技状態中(すなわち、第1低確率時短遊技状態中、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中))の当否抽選では、時短付与の当否の判定を行わないことで、通常遊技状態中にのみ時短付与の当選となり、他の遊技状態中には時短付与の当選となり得ないようになっていたが、このような当否抽選の結果を導出するための制御としては、これに限定されるものではない。
【0280】
たとえば、高確率遊技状態中や時短遊技状態中に参照される当否乱数判定テーブル110として、時短付与の当選となる当否乱数の数値範囲が設けられていないテーブル(
図6(b)、
図7(b)、
図8(b)、
図9(b)、
図10(b)、
図11(b))を設け、高確率遊技状態中や時短遊技状態中の当否抽選では、上述のテーブルに基づいて時短付与の当否の判定を行うようにしてもよい。このようにした場合には、高確率遊技状態中や時短遊技状態中は、時短付与の当選と判定されることのない当否乱数判定テーブル110に基づいて時短付与の判定が行われるため、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態以外の遊技状態中には時短付与の当選となり得ないようになる。
また、たとえば、高確率遊技状態中や時短遊技状態中に参照される当否乱数判定テーブル110にも時短付与の当選となる当否乱数の数値範囲を設け、高確率遊技状態中や時短遊技状態中の当否抽選では、当該テーブルに基づいて時短付与の当否の判定を行うものの、時短付与の当選となった場合には、当該時短付与の当選の判定結果を、強制的に時短付与の非当選に書き換えたり、当該時短付与の当選の判定結果を破棄したりしてもよい。このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態以外の遊技状態中には時短付与の当選となり得ないようになる。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、通常遊技状態以外の遊技状態においても通常遊技状態と同様に当否抽選における判定を実行することができるため、当否抽選における判定の共通化が図られ、メインCPU101等のハードウェア資源に対する処理負荷を軽減することができる。
また、上述の実施の形態では、いずれの設定値が設定されている場合であっても、時短付与の当選の確率は同一となるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、設定値に応じて時短付与の当選の確率が異なるように設定してもよい。また、上述の実施の形態では、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に時短付与の当選となる確率、及び、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に時短付与の当選となる確率はいずれも同一となるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合と第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合とでは、時短付与の当選となる確率が異なるように設定してもよい。また、設定されている遊技状態、及び、時短付与の当選となった場合に決定される時短図柄の種類に応じて、時短回数が異なるように設定してもよい。
このように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態の性能のバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣を高めることができる。
【0281】
(2)上述の実施の形態では、当否乱数を用いた当否抽選における時短付与の当否の判定により時短付与の当選となった場合に、当否乱数と異なる特別図柄乱数を用いた当該当否抽選と異なる特別図柄の決定の処理により時短図柄が決定され、決定された時短図柄の種別(J1、J2、J3)に応じて時短回数が定まるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、当否乱数を用いた当否抽選により、時短付与の当選及び時短回数の決定の両方が決定され得るように設定してもよい。すなわち、時短付与の当選及び時短回数の決定を、別個の乱数及び別個の処理により行うのではなく、同一の乱数及び同一の処理により行ってもよい。
具体的には、当否乱数判定テーブル110において、時短付与の当選と判定され、かつ所定の時短図柄が対応付けられた数値範囲を設定し、取得された当否乱数が当該数値範囲に属する場合に、時短付与の当選及び当該数値範囲に対応する時短図柄に定められた時短回数が決定されるように設定することができる。たとえば、設定されている設定値が1であり、かつ低確率遊技状態中に第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選において参照される当否乱数判定テーブル110として、当否乱数が3310~3637であった場合に時短図柄J1(時短回数10回)が対応付けられた時短付与の当選と判定され、当否乱数が3638~3964であった場合に時短図柄J2(時短回数20回)が対応付けられた時短付与の当選と判定されるテーブルA1aを設けることができる(
図47参照)。このテーブルA1aによれば、当否乱数が3310~3637であった場合には、時短付与の当選と判定されるとともに、時短図柄J1が決定されることにより時短回数が10回に決定されることとなる。また、当否乱数が3638~3964であった場合には、時短付与の当選と判定されるとともに、時短図柄J2が決定されることにより時短回数が20回に決定されることとなる。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、当否抽選における時短付与の当否の判定の処理のみで時短付与の当選及び時短回数が決定されることとなるため、当否抽選における処理の負荷が軽減されることとなる。
【0282】
(3)上述の実施の形態では、通常遊技状態中の当否抽選における時短付与の当否の判定を行った後、当該判定の結果が時短付与の当選であった場合に時短回数が対応付けられた時短図柄が決定されるようになっていたが、処理の順番はこれに限定されるものではない。
たとえば、時短図柄を決定した後に、当否抽選を行って時短付与の当否の判定を行うようにしてもよい。そして、時短付与の当選が決定された場合に、時短遊技状態(第1時短遊技状態)を設定するとともに、先に決定されていた時短図柄に対付けられた時短回数をセットするようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0283】
(4)上述の実施の形態では、大当たりの当否の判定、小当たりの当否の判定、及び、時短付与の当否の判定のいずれも、同一の当否乱数判定テーブル110を参照して実行されるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、時短付与の当否の判定は、大当たりの当否の判定及び小当たりの当否の判定に用いられる当否乱数判定テーブル110とは異なるテーブルであって、時短付与の当否の判定にのみ用いられる特定のテーブルを参照して、実行するようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0284】
(5)上述の実施の形態では、時短回数が対応付けられた複数種類の時短図柄が設けられており、決定された時短図柄に応じて時短回数が決定されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、時短付与の当選のみが対応付けられ、かつ時短回数は対応付けられていない1種類の時短図柄Jを設けおき、当否抽選により時短付与の当選となった場合には当該時短図柄Jを決定するとともに、時短回数については、当否抽選とは別個の特定の抽選により決定するようにしてもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、メインROM102における特別図柄の記憶容量を減少させ、他の情報を記憶するためのスペースを増加させることができる。
【0285】
(6)上述の実施の形態では、大当たりの当選の確率が相対的に低い低確率遊技状態、及び、第2始動入賞口16が相対的に開状態に維持されにくい非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態中の当否抽選においてのみ、時短付与の当否の判定が行われ、時短付与の当選(時短図柄J1、J2、J3の決定)となり得るようになっており、大当たりの当選の確率が相対的に高い高確率遊技状態中や第2始動入賞口16が相対的に開状態に維持され易い時短遊技状態中(すなわち、第1低確率時短遊技状態中、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中)の当否抽選では、時短付与の当否の判定が行われず、時短付与の当選となり得ないようになっていたが、これに限定されるものではなく、時短遊技状態中であっても、当否抽選において時短付与の当否の判定が行われるようにしてもよい。
【0286】
具体的には、たとえば、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた第1低確率時短遊技状態中(すなわち、時短遊技状態が設定された遊技状態中)の当否抽選においても、時短付与の当否の判定が行われ、時短付与の当選(時短図柄J1、J2、J3)となり得るように設定してもよい。そして、第1低確率時短遊技状態中の当否抽選において、時短付与の当否の判定が行われることにより時短付与の当選となり、時短図柄が決定された場合には、第1時短遊技状態を再設定するとともに、決定された時短図柄に対応付けられた時短回数(時短図柄J1であれば時短回数10回、時短図柄J2であれば時短回数20回、時短図柄J3であれば時短回数1回)を再度セット(現時点の時短回数を上書き)するようにしてもよい。たとえば、第1低確率時短遊技状態中における残りの時短回数が5回のときに、時短付与の当選となり時短図柄J2(時短回数20回)が決定された場合には、第1時短遊技状態が再設定されるとともに、時短回数として「20回」が再度セットされるようにしてもよい。この場合には、再度、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が20回導出されるまで、第1低確率時短遊技状態が継続することとなる。
また、上述の場合においては、時短図柄に対応付けられた時短回数を再度セットするのではなく、時短図柄に対応付けられた時短回数を当該時点の残りの時短回数に加算してもよい。たとえば、第1低確率時短遊技状態中における残りの時短回数が5回のときに、時短付与の当選となり時短図柄J2(時短回数20回)が決定された場合には、第1時短遊技状態が再設定されるとともに、残りの時短回数を「25回(=残りの時短回数5回+時短図柄J2に定められた時短回数20回)」に更新してもよい。この場合には、再度、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が25回導出されるまで、第1低確率時短遊技状態が継続することとなる。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに時短遊技状態が設定される機会が増加するため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
【0287】
(7)上述の実施の形態では、時短付与の当選となった場合に決定され得る時短図柄として、時短回数が10回に定められた時短図柄J1、時短回数が20回に定められた時短図柄J2、時短回数が1回に定められた時短図柄J3の3種類が設けられていたが、これに限定されるものではなく、異なる時短回数が定められた他の時短図柄を設けてもよい。
具体的には、これらの時短図柄の他、時短回数が30回に定められた時短図柄J4、時短回数が50回に定められた時短図柄J5、時短回数が10000回に定められた時短図柄J6等を設けてもよい。また、時短付与の当選となった場合に決定され得る時短図柄として、所定の時短回数が定められた1種類の時短図柄のみを設けてもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに設定される時短遊技状態のバリエーションを豊富にすることができるため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
【0288】
(8)上述の実施の形態では、当否抽選における判定の結果として時短付与の当選が導出可能となっており、時短付与の当選となった場合に時短遊技状態(第1時短遊技状態)が設定されるようになっていたが、当否抽選における判定の結果として時短付与の当選を導出せず、当否抽選における大当たりの当選以外の判定結果(すなわち、小当たりの当選又はハズレ)に基づいて決定され得る特別図柄(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄)を時短図柄として代用し、決定された上述の特別図柄の種別に応じて、時短遊技状態の設定の可否(時短付与の当否)を決定してもよい。
【0289】
たとえば、当否乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合において、特別図柄乱数によりハズレ図柄Z1が決定されたときには、20回の時短回数が定められた第1時短遊技状態が設定され、特別図柄乱数によりハズレ図柄Z2が決定されたときには、第1時短遊技状態が設定されないようにしてもよい。また、特別図柄乱数により決定され得るハズレ図柄としては、これらに限定されるものではなく、ハズレ図柄Z1と異なる時短回数の第1時短遊技状態が設定されるハズレ図柄(たとえば、時短回数50回の第1時短遊技状態が設定されるハズレ図柄Z3、時短回数10000回の第1時短遊技状態が設定されるハズレ図柄Z4等)を設けてもよい。
なお、当否抽選及び特別図柄の決定の処理によりハズレ図柄を決定するのではなく、上述の変形例(2)のように、当否乱数に基づく当否抽選において、たとえば、第1時短遊技状態の設定及び時短回数20回が定められたハズレ図柄Z1に対応するハズレ、及び、第1時短遊技状態を設定しない旨が定められたハズレ図柄Z2に対応するハズレを導出可能に設定し、当否抽選によりハズレ図柄Z1に対応するハズレとなった場合には時短回数20回の第1時短遊技状態が設定され、当否抽選によりハズレ図柄Z2に対応するハズレとなった場合には第1時短遊技状態が設定されないようにしてもよい。
【0290】
また、たとえば、当否乱数に基づく当否抽選により小当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数により小当たり図柄Y1が決定されたときには、時短回数が50回に設定された第1時短遊技状態が設定され、特別図柄乱数により小当たり図柄Y1が決定されたときには、第1時短遊技状態が設定されないようにしてもよい。また、特別図柄乱数により決定され得る小当たり図柄としては、これらに限定されるものではなく、小当たり図柄Y1と異なる時短回数の第1時短遊技状態が設定される小当たり図柄(たとえば、時短回数80回の第1時短遊技状態が設定される小当たり図柄Y3、時短回数10000回の第1時短遊技状態が設定される小当たり図柄Z4等)を設けてもよい。
なお、当否抽選及び特別図柄の決定の処理により小当たり図柄を決定するのではなく、上述の変形例(2)のように、当否乱数に基づく当否抽選において、たとえば、第1時短遊技状態の設定及び時短回数50回が定められた小当たり図柄Y1に対応する小当たりの当選、及び、第1時短遊技状態を設定しない旨が定められた小当たり図柄Y2に対応する小当たりの当選を導出可能に設定し、当否抽選により小当たり図柄Y1に対応する小当たりの当選となった場合には時短回数50回の第1時短遊技状態が設定され、当否抽選により小当たり図柄Y2に対応する小当たりの当選となった場合には第1時短遊技状態が設定されないようにしてもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、特別図柄として新たに時短図柄を設けることなく、従来から採用されていた小当たり図柄やハズレ図柄等の特別図柄を用いて、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さない時短遊技状態を設定することができ、パチンコ機の開発工程を簡易化することが可能となる。
【0291】
(9)上述の実施の形態では、当否乱数に基づく当否抽選における時短付与の当否の判定結果により時短遊技状態の設定の可否が決定されるようになっていたが、時短遊技状態の設定の可否の決定の制御はこれに限定されるものではない。
たとえば、当否乱数や特別図柄乱数とは別個に、時短遊技状態の設定の可否を決定するための専用の乱数である時短図柄乱数を設け、当否抽選や特別図柄の決定とは別個に、当該時短図柄乱数に基づいて時短遊技状態(第1時短遊技状態)の設定の可否を決定する時短図柄抽選を行うように設定し、当該時短図柄抽選の結果に基づいて、時短遊技状態(第1時短遊技状態)の設定の可否や時短遊技状態を設定する場合の時短回数を決定するようにしてもよい。
すなわち、当否乱数に基づいて当否抽選を行い、かつ当該当否抽選の結果に基づいて特別図柄を決定するとともに、時短図柄乱数に基づいて時短図柄抽選を行って時短遊技状態の設定の可否(後述する時短図柄)を決定するように設定することができる。
【0292】
具体的には、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の第1特図乱数や第2特図乱数とともに、上述の時短図柄抽選専用の乱数である時短図柄乱数が所定の数値範囲内(たとえば、0~65535)で1個取得され、取得された時短図柄乱数に基づき、時短遊技状態の設定の可否が定められた時短図柄の種別を決定する時短図柄抽選を行うように設定する。
より具体的には、時短図柄抽選において時短図柄の種別を決定するための時短図柄乱数判定テーブルを設ける。この時短図柄乱数判定テーブルは、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)ごとに設けてもよい。そして、設定されている遊技状態が通常遊技状態であった場合に、所定の時短図柄乱数判定テーブルを参照して上述の時短図柄抽選を行い、時短図柄の種別を決定する。
【0293】
時短図柄としては、時短付与の当選(すなわち、時短遊技状態を設定する旨)が定められた時短当選図柄、時短付与の非当選(すなわち、時短遊技状態を設定しない旨)が定められた時短非当選図柄を設けることができる。また、時短当選図柄としては、異なる時短回数が定められた複数種類の時短当選図柄(たとえば、時短回数10回が定められた時短当選図柄JA1、時短回数20が定められた時短当選図柄JA2等)を設けることができる。
そして、時短図柄抽選によりいずれかの時短当選図柄が決定された場合には、たとえば、第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が設定されるとともに、決定された時短当選図柄に応じた時短回数がセットされる。これにより、大当たりに当選することなく、セットされた時短回数だけ当否抽選の結果が導出されるまで第1低確率時短遊技状態が継続することとなる。これに対して、時短非当選図柄が決定された場合には、通常遊技状態のままとなる。
また、設定されている遊技状態が通常遊技状態以外(第1低確率時短遊技状態、第2低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態)であった場合には、上述の時短図柄抽選を行わず、強制的に、時短非当選図柄を決定するように設定してもよい。これにより、通常遊技状態以外の他の遊技状態においては、新たに時短遊技状態が設定されることはないこととなる。
【0294】
なお、上述の如く、時短図柄乱数に基づく時短図柄抽選により時短図柄の種別を決定するように設定した場合には、時短図柄抽選や時短図柄について、上述の実施の形態における当否抽選や特別図柄等に関する制御と同様の制御を行うように設定してもよい。
たとえば、取得された時短図柄乱数は、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16への遊技球の入球を契機として取得された第1特図乱数や第2特図乱数と同一の保留記憶領域に記憶し、第1特図乱数や第2特図乱数と同様に、所定の上限数(たとえば、4個)まで保留可能となるように設定してもよい。
また、上述のように時短図柄が決定された場合には、特別図柄と同様に、第1特別図柄表示装置30及び第2特別図柄表示装置31とは異なる所定の表示装置(時短図柄表示装置)において時短図柄の変動表示(以下、時短図柄の変動ともいう)が行われるように設定してもよい。時短図柄の変動表示については、特別図柄の変動表示と同じタイミングで開始するように設定してもよいし、特別図柄の変動表示と同一の変動時間となるように設定してもよい。また、特別図柄の変動表示及び時短図柄の変動表示を同じタイミングで開始する場合には、当該変動表示の開始時に時短図柄抽選を行うように設定してもよい。
【0295】
また、上述の時短図柄抽選において時短当選図柄が決定された場合において、当該時短図柄抽選に伴って実行される当否抽選においてハズレとなったときには、当該当否抽選に基づく特別図柄の変動が停止した後に(次の特別図柄の変動開始時に)、時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が設定されるようにしてもよい。また、当該時短図柄抽選に伴って実行される当否抽選において小当たりの当選となったときには、当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技が終了した後に(小当たり遊技が終了した後の最初の特別図柄の変動開始時に)、時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
【0296】
これに対して、上述の時短図柄抽選において時短当選図柄が決定された場合であって、当該時短図柄抽選に伴って実行される当否抽選において大当たりの当選となったときには、時短当選図柄の決定に基づく時短遊技状態の設定は行われず、当該大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に(特別遊技が終了した後の最初の特別図柄の変動開始時に)、当該大当たりの当選に基づいて決定された大当たり図柄の種別に応じた遊技状態の設定が行われるようにしてもよい。すなわち、時短当選図柄の決定と大当たり図柄の決定(大当たりの当選)とが重複した場合には、時短当選図柄の決定を無効とし、大当たり図柄の決定に基づく遊技状態が設定されるようにしてもよい。時短当選図柄の決定に基づく遊技状態の設定が特別遊技よりも優先的に行われると、大当たりの当選時の遊技状態が変化する可能性があり、当該変化の有無も確認した上で特別遊技終了後の遊技状態を設定しなければならず、当該遊技状態の設定処理が煩雑となるおそれがあるが、上述のようにしたことで、このような事態の発生を適切に防止することができる。
【0297】
また、変動パターンコマンド、変動演出の態様、先読み演出の態様等は、特別図柄の決定及び時短図柄の決定の結果に基づいて、決定してもよい。
具体的には、当否抽選の結果が小当たりの当選又はハズレであって、かつ時短当選図柄が決定された場合、当否抽選の結果が小当たりの当選又はハズレであって、かつ時短非当選図柄が決定された場合、及び、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合(時短非当選図柄が決定された場合)のそれぞれに対応した変動パターンコマンドや変動演出の態様を決定するようにしてもよい。そして、たとえば、当否抽選の結果が小当たりの当選又はハズレであって、かつ時短当選図柄が決定された場合や当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、当否抽選の結果が小当たりの当選又はハズレであって、かつ時短非当選図柄が決定された場合よりも、長い変動時間が対応付けられた変動パターンコマンドの決定割合が高くなるように設定してもよいし、大当たりの当選や時短付与の当選の期待度が高く設定された変動演出の態様や先読み演出の態様の決定割合が高くなるように設定してもよい。
【0298】
また、時短図柄乱数に基づく時短図柄抽選により時短図柄の種別を決定するように設定した場合にも、通常遊技状態中以外の遊技状態において時短図柄抽選を行って、時短遊技状態を設定するか否かを決定するようにしてもよい。この場合の各種制御については、上述の(6)と同様のため、説明を割愛する。
また、時短図柄乱数に基づく時短図柄抽選において時短遊技状態を設定の可否及び時短回数の両方を決定するのではなく、時短図柄乱数に基づく時短図柄抽選においては時短遊技状態の設定の可否のみを決定し、時短遊技状態を設定する旨が決定された場合に、上述の時短図柄乱数と異なる他の乱数(時短回数決定乱数)に基づいて時短回数を決定する旨の抽選を行うようにしてもよい。
【0299】
また、上述の時短図柄抽選は、時短図柄乱数を用いて行うのではなく、他の乱数を用いて行うように設定してもよい。
たとえば、上述の実施の形態のように、1の当否乱数により、大当たりの当否の判定、及び、小当たりの当否の判定の両方を行うのではなく、大当たりの当選となるか否かの判定にのみ用いられる大当たり判定乱数、小当たりの当選となるか否かの判定にのみ用いられる小当たり判定乱数、ハズレとなるか否かの判定にのみ用いられるハズレ判定乱数をそれぞれ別個に設け、各乱数ごとに判定を行うことで、大当たりの当選、小当たりの当選又はハズレの判定結果を導出するようにするとともに、これらの乱数のうちのいずれかに基づいて上述の時短図柄抽選を行って、時短遊技状態の設定の可否や時短回数を決定するようにしてもよい。
【0300】
また、上述の実施の形態のように、1の特別図柄乱数により大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄を決定するのではなく、大当たりに当選した場合における大当たり図柄の種別の決定にのみ用いられる大当たり図柄決定乱数、小当たりに当選した場合における小当たり図柄の種別の決定にのみ用いられる小当たり図柄決定乱数、ハズレの場合におけるハズレ図柄の種別の決定にのみ用いられるハズレ図柄決定乱数をそれぞれ別個に設け、大当たりの当選、小当たりの当選又はハズレの判定結果に応じたいずれかの乱数に基づいて、大当たり図柄の種別、小当たり図柄の種別、ハズレ図柄の種別を決定するとともに、これらの乱数のうちのいずれかに基づいて時短図柄抽選を行って、時短遊技状態の設定の可否や時短回数を決定するようにしてもよい。
【0301】
また、上述の実施の形態のように、出玉に関する設定が対応付けられた複数段階の設定値が設けられたパチンコ機Pにおいては、設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選で用いられる乱数(たとえば、当否乱数、大当たり判定乱数、小当たり判定乱数、ハズレ判定乱数等)、又は、いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選で用いられる乱数(たとえば、特別図柄乱数等)のいずれかに基づいて時短図柄抽選を行って、時短遊技状態の設定の可否や時短回数を決定するようにしてもよい。また、設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選で用いられる乱数に基づいては時短図柄抽選を行わず、いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選で用いられる乱数のみに基づいて時短図柄抽選を行って、時短遊技状態の設定の可否や時短回数を決定してもよい。
【0302】
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態を設定するための制御方法が豊富となり、パチンコ機の仕様に応じた時短遊技状態の設定が可能となる。
【0303】
(10)上述の実施の形態において高確率遊技状態が設定された場合には、その後に大当たりに当選し低確率遊技状態の設定が定められた特別図柄(大当たり図柄X4)が決定されることにより、当該高確率遊技状態が終了し低確率遊技状態が設定されるようになっていたが、低確率遊技状態への移行の制御については、これに限定されるものではない。
たとえば、高確率遊技状態が設定された後、大当たりに当選することなく予め定められた高確回数(たとえば、80回等)の当否抽選が行われた場合に、当該高確率遊技状態が終了するように(いわゆるSTタイプのパチンコ機として構成)してもよい。そして、このように設定されたパチンコ機において、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態が設定され得るようになっていた場合には、当該遊技状態中に、上述の実施の形態のように当否抽選により時短付与の当選が決定され時短図柄が決定されたとき、上述の変形例(8)のように時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄又はハズレ図柄が決定されたとき、或いは、上述の変形例(9)のように時短図柄抽選により時短当選図柄が決定されたときには、当該決定に基づいて時短遊技状態を設定するようにしてもよい。
また、たとえば、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定するか否かを決定する転落抽選に用いる転落抽選乱数を設け、この転落抽選乱数に基づく転落抽選により、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定する旨が決定された場合に、高確率遊技状態が終了するようにしてもよい。そして、転落抽選乱数を設けた場合には、当該転落抽選乱数に基づいて、上述の変形例(9)のような時短図柄抽選を行って、時短遊技状態の設定の可否を決定してもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態を設定するための制御方法が豊富となり、パチンコ機の仕様に応じた時短遊技状態の設定が可能となる。
【0304】
(11)上述の実施の形態では、大当たりの当否の判定→小当たりの当否の判定→時短付与の当否の判定という順番で、当否抽選の結果を判定する処理が行われていたが、当該判定の順番についてはこれに限定されるものではない。
たとえば、大当たりの当否の判定→時短付与の当否の判定→小当たりの当否の判定という順番で判定を行ってもよい。
また、上述の変形例(8)のように、当否抽選において、時短付与の当選の判定結果を導出するのではなく、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄に対応する小当たり(以下、時短付き小当たりともいう)の当選、時短遊技状態を設定しない旨が定められた小当たり図柄に対応する小当たり(以下、時短無し小当たりともいう)の当選を導出可能とし、時短付き小当たりの当選となった場合に時短遊技状態が設定され、時短無し小当たりの当選となった場合には時短遊技状態が設定されないようなパチンコ機においては、たとえば、大当たりの当否の判定→時短付き小当たりの当否の判定→時短無し小当たりの当否の判定という順番、大当たりの当否の判定→時短無し小当たりの当否の判定→時短付き小当たりの当否の判定という順番で判定を行ってもよい。
また、上述の変形例(8)のように、当否抽選において、時短付与の当選の判定結果を導出するのではなく、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄に対応するハズレ(以下、時短付きハズレともいう)、時短遊技状態を設定しない旨が定められたハズレ図柄に対応するハズレ(以下、時短無しハズレともいう)を導出可能とし、時短付きハズレとなった場合に時短遊技状態が設定され、時短無しハズレとなった場合には時短遊技状態が設定されないようなパチンコ機においては、たとえば、大当たりの当否の判定→小当たりの当否の判定→時短付きハズレの判定という順番、大当たりの当否の判定→時短付きハズレの判定→小当たりの当否の判定という順番で判定を行ってもよい。
また、転落抽選により高確率遊技状態の終了の可否を決定するように設定されたパチンコ機においては、転落抽選→当否抽選(大当たりの当否の判定、小当たりの当否の判定、時短付与の当否の判定)という順番で抽選の処理を行ってもよい。
【0305】
また、上述の変形例(9)のように、時短図柄抽選により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定され、複数段階の設定値が定められていないパチンコ機においては、時短図柄抽選→当否抽選という順番で抽選の処理を行ってもよいし、当否抽選→時短図柄抽選という順番で抽選の処理を行ってもよい。また、時短図柄抽選により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定され、複数段階の設定値が定められているパチンコ機においては、時短図柄抽選(いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選)→当否抽選(設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選)という順番で抽選の処理を行ってもよい。
また、時短図柄抽選により時短遊技状態の設定の可否を決定し、転落抽選により高確率遊技状態の終了の可否を決定するように設定され、かつ複数段階の設定値が定められていないパチンコ機においては、転落抽選→時短図柄抽選→当否抽選という順番で抽選の処理を行ってもよいし、転落抽選→当否抽選→時短図柄抽選という順番で抽選の処理を行ってもよい。また、時短図柄抽選により時短遊技状態の設定の可否を決定し、転落抽選により高確率遊技状態の終了の可否を決定するように設定され、かつ複数段階の設定値が定められているパチンコ機おいては、転落抽選(いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選)→時短図柄抽選(いずれの設定値であっても抽選確率が同一となるように設定された抽選)→当否抽選(設定値に応じて抽選確率が異なるように設定された抽選)という順番で抽選の処理を行ってもよい。
【0306】
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、パチンコ機の仕様に応じたタイミングで、時短遊技状態の設定の可否を決定する抽選が可能となる。
【0307】
(12)上述の実施の形態では、当否抽選の結果が大当たりの当選となった場合に特別遊技が実行されるようになっていたが、特別遊技の実行契機は、これに限定されるものではない。
たとえば、当否抽選の結果が大当たりの当選となった場合のみならず、当否抽選の結果が所定の小当たりの当選であった場合(所定の小当たり図柄が決定された場合)に実行される小当たり遊技において、遊技球が進入可能な特別領域を備えた特定大入賞口が開放されるようになっており、当該小当たり遊技中に特定大入賞口へ入球した遊技球が特別領域へ進入した場合にも特別遊技が実行されるように設定(いわゆる1種2種混合のパチンコ機として構成)してもよい。また、上述の小当たりの当選に基づいて実行される特別遊技の終了後には、上述の小当たりの当選時に決定された小当たり図柄に応じた遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)へ移行するように設定してもよい。
【0308】
そして、上述のように設定されたパチンコ機(いわゆる1種2種混合のパチンコ機)においても、上述の実施の形態や変形例と同様に、時短付与の当否の判定(上述の実施の形態や上述の変形例(2)の当否抽選)、時短遊技状態の設定の可否が定められた小当たり図柄やハズレ図柄の決定(上述の変形例(8)の当否抽選や特別図柄の決定の処理)、時短当選図柄又は時短非当選図柄の決定(上述の変形例(9)の時短図柄抽選)等(以下、これらの判定や決定を総称して、時短付与決定処理ともいう)を行うように設定し、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
なお、たとえば、いわゆる1種2種混合のパチンコ機で上述の時短図柄抽選を行う場合において、当該時短図柄抽選により時短遊技状態を設定する旨(時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄(時短当選図柄))が決定され、かつ当否抽選によりハズレとなった(ハズレ図柄が決定された)ときには、当該当否抽選に基づく特別図柄の変動が停止した後に、上述の時短図柄抽選の結果に応じた時短遊技状態を設定し、上述の時短図柄抽選により時短遊技状態を設定する旨が決定され、かつ当否抽選により小当たりの当選となった(小当たり図柄が決定された)ときには、上述の時短図柄抽選の結果に応じた時短遊技状態の設定は行わず、小当たりの当選に基づく小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、当該小当たりの当選に基づいて決定された小当たり図柄の種別に対応する遊技状態を設定するようにしてもよい。
具体的には、上述の時短図柄抽選により第1時短遊技状態(時短回数は20回)を設定する旨が対応付けられた時短図柄(時短当選図柄)が決定され、かつ、当否抽選において小当たりに当選し、小当たり遊技及び特別遊技の終了後に第2時短遊技状態(時短回数は100回)を設定する旨が対応付けられた小当たり図柄が決定された場合には、小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、第1時短遊技状態は設定されず、第2時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏する他、種々の仕様のパチンコ機において、時短遊技状態の設定の可否を決定する抽選機能を搭載可能としつつ、小当たりの当選と時短遊技状態の設定の決定とが重複した場合において、時短遊技状態の設定処理が煩雑となるような事態の発生を適切に防止することができる。
【0309】
(13)上述の時短付与決定処理によって決定され得る決定結果として、複数種類の決定結果を設けた場合には、決定結果ごとに、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理内容が異なる時短遊技状態を設定してもよい。
たとえば、上述の実施の形態のように、当否抽選及び特別図柄の決定の処理により時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄を決定するように設定した場合や、上述の変形例(9)のように、時短図柄抽選により時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄(時短当選図柄)を決定するように設定した場合には、決定され得る時短図柄(時短当選図柄)の種別として、上述の第1時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄、普通図柄の抽選において当たりとなる確率は非時短遊技状態よりも高くなるものの、普通図柄の変動時間及び第2始動入賞口16の開放時間は非時短遊技状態と同一である第3時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄、普通図柄の変動時間は非時短遊技状態よりも長くなるものの、普通図柄の抽選において当たりとなる確率及び第2始動入賞口16の開放時間は非時短遊技状態と同一である第4時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄、第2始動入賞口16の開放時間は非時短遊技状態よりも長くなるものの、普通図柄の抽選において当たりとなる確率及び普通図柄の変動時間は非時短遊技状態と同一である第5時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄等を設けてもよい。また、これら以外に、普通図柄の抽選における当たりとなる確率、普通図柄の変動時間及び第2始動入賞口16の開放時間のうち、いずれか2つが非時短遊技状態よりも高く(又は長く)なるものの、他の1つは非時短遊技状態と同一である時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄を設けてもよい。
なお、上述の変形例(2)のように、当否抽選において、所定の時短図柄に対応する時短付与の当選との結果を導出可能とした場合にも、同様の設定を行うことができる。たとえば、当否抽選において、上述の第3時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄に対応する時短付与の当選、上述の第4時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄に対応する時短付与の当選等の結果を導出可能となるように設定してもよい。
【0310】
また、上述の変形例(8)のように、当否抽選及び特別図柄の決定の処理において決定される小当たり図柄又はハズレ図柄により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、上述の第1時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)、上述の第3時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y3(又はハズレ図柄Z3)、上述の第4時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y4(又はハズレ図柄Z4)、上述の第5時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y5(又はハズレ図柄Z5)等を設けてもよい。また、これら以外に、普通図柄の抽選における当たりとなる確率、普通図柄の変動時間及び第2始動入賞口16の開放時間のうち、いずれか2つが非時短遊技状態よりも高く(又は長く)なるものの、他の1つは非時短遊技状態と同一である時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄(又はハズレ図柄)を設けてもよい。
なお、上述の変形例(8)のように、当否抽選において、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄に対応する小当たりの当選や、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄に対応するハズレとの結果を導出可能とした場合にも、同様の設定を行うことができる。たとえば、当否抽選において、上述の第3時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y3に対応する小当たりの当選(又はハズレ図柄Z3に対応するハズレ)、上述の第4時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y4に対応する小当たりの当選(又はハズレ図柄Z4に対応するハズレ)等の結果を導出可能となるように設定してもよい。
【0311】
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに設定される時短遊技状態において、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理のバリエーションを豊富にすることができるため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
【0312】
(14)上述の時短付与決定処理によって決定可能な時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄等)の種類や数は、遊技状態ごとに異なるように設定してもよい。
たとえば、時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄等)が所定種類(たとえば、5種類)設けられていた場合において、通常遊技状態では全種類を決定可能であるものの、低確率時短遊技状態ではいずれか1又は複数の種類を決定可能であるように設定してもよいし、低確率時短遊技状態では全種類を決定可能であるものの、通常遊技状態ではいずれか1又は複数の種類を決定可能であるように設定してもよい。
また、たとえば、特定の時短遊技状態(たとえば、第1時短遊技状態)では全種類を決定可能であるものの、当該特定以外の時短遊技状態(たとえば、第3時短遊技状態)ではいずれか1又は複数の種類を決定可能であるように設定してもよい。
以上のように設定した場合には、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、遊技状態ごとに、時短遊技状態が設定される割合や設定され得る時短遊技状態の種類を変化させることができるため、より斬新な遊技性の付与が可能となり遊技者の興趣を高めることができる。
【0313】
(15)小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、決定された小当たり図柄又はハズレ図柄の種別に応じて変動パターンが決定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに時短遊技状態が設定された場合に、バリエーションに富んだ変動演出を実行することができる。
【0314】
(16)小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、所定期間内(たとえば、所定の開始時点から当否抽選が100回行われるまでの間等)に、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄の決定回数や、時短遊技状態を設定する旨が定められたハズレ図柄の決定回数に応じて、時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
たとえば、上述の所定期間内に小当たり図柄Y1(時短回数20回の第1時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄)が所定回数(たとえば、2回等)決定された場合に、当該小当たり図柄Y1に定められた時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。また、たとえば、上述の所定期間内にハズレ図柄Z1(時短回数50回の第1時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄)が所定回数(たとえば、3回等)決定された場合に、当該ハズレ図柄Z1に定められた時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態が設定される条件のバリエーションが豊富となり、より斬新な遊技性を付与可能となる。
【0315】
(17)いわゆる1種2種混合のパチンコ機において、小当たり図柄の種別に基づいて時短遊技状態を設定するようにした場合には、時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特定大入賞口に設けられた特別領域に進入したときと、当該小当たり遊技中に遊技球が特定大入賞口に設けられた特別領域に進入しなかったときとでは、当該小当たり遊技後に設定される時短遊技状態の時短回数が同一となるようにしてもよいし、異なるようにしてもよい。
たとえば、時短回数20回の第1時短遊技状態を設定する旨が定められた小当たり図柄Y1が決定された場合、当該小当たり図柄Y1の決定に基づく小当たり遊技中において、遊技球が特別領域に進入したときには小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、時短回数20回の第1時短遊技状態が設定され、遊技球が特別領域に進入しなかったときにも小当たり遊技の終了後に、時短回数20回の第1時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、たとえば、上述の小当たり図柄Y1が決定された場合、当該小当たり図柄Y1の決定に基づく小当たり遊技中において、遊技球が特別領域に進入したときには小当たり遊技及び特別遊技の終了後に、時短回数20回の第1時短遊技状態が設定され、遊技球が特別領域に進入しなかったときには小当たり遊技の終了後に、時短回数5回の第1時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、特別領域への遊技球の可否に応じて異なる時短遊技状態を設定することができ、遊技性のバリエーションを豊富にすることができる。
【0316】
(18)当否抽選において小当たりの当選となったときに(小当たり図柄が決定されたときに)時短遊技状態を設定する場合には、当該小当たりの当選(小当たり図柄の決定)から当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技の終了までのいずれかのタイミング(たとえば、小当たりの当選時、小当たり図柄の変動開始時、当該小当たり図柄の変動終了時、当該小当たり図柄に基づく小当たり遊技の開始時、当該小当たり遊技中、当該小当たり遊技の終了時(小当たり遊技終了後の最初の特別図柄の変動開始時)等)に時短遊技状態を設定してもよい。
同様に、当否抽選においてハズレとなったときに(ハズレ図柄が決定されたときに)時短遊技状態を設定する場合には、ハズレとなった(ハズレ図柄が決定された)時点から当該ハズレに基づく変動の終了までのいずれかのタイミング(たとえば、ハズレの抽選結果が導出された時点、ハズレ図柄の変動開始時、当該ハズレ図柄の変動終了時(次の特別図柄の変動開始時)等)で時短遊技状態を設定してもよい。
このように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態への移行のバリエーションを豊富にすることができ、遊技性のバリエーションを豊富にすることができる。
【0317】
(19)小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、時短遊技状態における時短回数としては、小当たり図柄やハズレ図柄の種別に対応して予め定められた時短回数を設定してもよいし、時短遊技状態への移行時に時短回数を決定するための抽選を行い当該抽選で決定された時短回数を設定してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短回数の決定方法のバリエーションを豊富にすることができ、パチンコ機の仕様に応じた時短回数の決定が可能となる。
【0318】
(20)小当たり図柄又はハズレ図柄の種別により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定した場合には、決定された小当たり図柄又はハズレ図柄の種別に応じて、設定される時短遊技状態の性能(第2始動入賞口16が開状態に維持される難易度)が異なるようにしてもよい。
たとえば、小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)が決定された場合には、通常遊技状態よりも第2始動入賞口16が開状態に維持されやすい(普通図柄の抽選において当たりとなる確率が高い設定、普通図柄の変動時間が長い設定、第2始動入賞口16の開放時間が長い設定のうち1又は複数の設定が行われた)時短遊技状態Aが設定され、小当たり図柄Y3(又はハズレ図柄Z3)が決定された場合には、時短遊技状態Aよりも第2始動入賞口16が開状態に維持されやすい時短遊技状態Bが設定されるようにしてもよい。
また、小当たり図柄又はハズレ図柄の種別、及び、設定されている遊技状態に応じて、設定される時短遊技状態の性能が異なるようにしてもよい。
たとえば、通常遊技状態において小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)が決定された場合には、上述の時短遊技状態Aが設定されるものの、当該時短遊技状態において小当たり図柄Y1(又はハズレ図柄Z1)が決定された場合には、上述の時短遊技状態Bが設定されるようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、設定される時短遊技状態の性能のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
【0319】
(21)時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定に基づいて時短遊技状態が設定された場合には、時短回数の上限を設定することなく(すなわち、時短回数を無限とし)、大当たりの当選を条件として当該時短遊技状態を終了させてもよいし、時短遊技状態を終了する旨が定められた時短終了図柄を決定するための抽選(時短終了図柄の抽選)を行い、当該抽選により時短終了図柄が決定されたことを条件として当該時短遊技状態を終了させてもよい。また、時短遊技状態を設定する旨及び時短回数が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定を条件として時短遊技状態を終了し、新たに、当該決定に基づく時短遊技状態及び時短回数を設定(上書き)してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態の終了条件のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
【0320】
(22)連続時短設定回数が予め定められた上限回数に達した場合、次の遊技状態として時短遊技状態を設定することができない(強制的に非時短遊技状態が設定される)ように定められたパチンコ機(以下、時短リミッタ搭載のパチンコ機という)では、通常遊技状態において、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が停止表示された場合には、当該停止表示に基づいて、上述の連続時短設定回数を更新してもよいし、更新しなくてもよい。
また、時短遊技状態において、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が停止表示された場合にも、当該停止表示に基づいて、上述の連続時短設定回数を更新してもよいし、更新しなくてもよい。
また、通常遊技状態中に決定された場合には時短遊技状態を設定するものの、時短遊技状態中に決定された場合には時短遊技状態を設定しないように定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が、時短遊技状態中に停止表示された場合にも、当該停止表示に基づいて、上述の連続時短設定回数を更新してもよいし、更新しなくてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、連続時短設定回数が上限回数に達する難易度を変化させることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
【0321】
(23)時短リミッタ搭載のパチンコ機においては、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定に基づいて設定される時短遊技状態の性能(普通図柄の当選確率、普通図柄の変動時間、第2始動入賞口16の開放時間及び時短回数のうちの1又は複数)を、連続時短設定回数が予め定められた上限回数に達するまでの残り回数に応じて異ならせてもよいし、当該残り回数にかかわらず同一となるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短リミッタ搭載のパチンコ機において設定される時短遊技状態のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
【0322】
(24)転落抽選が行われるとともに、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定により時短遊技状態が設定されるように構成されたパチンコ機において、転落抽選により高確率遊技状態を終了する旨が決定され、かつ時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定されたときには、当該図柄の決定に基づき設定される時短遊技状態の時短回数として、転落抽選による上述の決定が行われる前の遊技状態、及び、決定された図柄の種別に応じて定められた時短回数を設定してもよいし、転落抽選による上述の決定が行われる前の遊技状態、及び、決定された図柄の種別に応じて定められた時短回数を設定してもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態において設定される時短回数のバリエーションを豊富にすることができ、より斬新な遊技性を付与可能となる。
【0323】
(25)当否抽選の結果を報知する先読み演出が実行されているときに、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定された場合には、実行中の先読み演出を継続してもよいし、当該先読み演出を継続せずに中止してもよい。
また、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄が決定される保留が記憶されているときには、他の保留を対象とした特定の演出(先読み演出、当該他の保留に基づく変動演出中に実行される所定の演出等)の実行を制限してもよいし、既に当該他の保留を対象とした特定の演出が実行されている場合には、実行中の当該特定の演出を継続してもよいし、継続せずに中止してもよい。
なお、上述の時短図柄抽選により時短遊技状態の設定の可否を決定するように設定され、当該時短図柄抽選の結果を報知する先読み演出を実行するように設定されたパチンコ機においても、上述と同様の制御を行うようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏するとともに、時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定の状況に応じた適切な演出の実行が可能となる。
【0324】
(26)大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態を高確率遊技状態に設定可能なパチンコ機において、低確率遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されることとなる確率A1、及び、高確率遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されることとなる確率A2は、同一の値となるように設定してもよいし、異なる値となるように設定してもよい。
また、上述の確率A1及びA2は、当否抽選に用いられる特図乱数の種類(第1特図乱数、第2特図乱数)がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特図乱数の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、上述の確率A1及びA2は、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄の種類がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特別図柄の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、当否抽選に用いられる特図乱数の種類及び大当たりに当選した場合に決定される特別図柄の種類に応じて、異なる値となるように設定してもよい。
このように設定した場合には、低確率遊技状態から特別遊技の実行を介して高確率遊技状態が設定される確率、高確率遊技状態から特別遊技の実行を介して、再度、高確率遊技状態が設定される確率のバリエーションが豊富となり、遊技者に提供可能な遊技性もバリエーションに富んだものにすることができる。
【0325】
(27)転落抽選により、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定可能なパチンコ機において、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定する旨の決定確率Bとして、一の値のみを設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。
そして、一の値のみを設けた場合には、常に当該値により転落抽選を行い、複数の値を設けた場合には、状況に応じて(たとえば、高確率遊技状態が設定されてからの特別図柄の変動回数、遊技球が入球した始動入賞口の種別等に応じて)いずれかの値により転落抽選を行ってもよい。
また、決定確率Bは、設定されている遊技状態(高確率時短遊技状態、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた高確率非時短遊技状態)がいずれであっても同一の値となるように設定してもよい。また、決定確率Bは、当否抽選に用いられる特図乱数の種類(第1特図乱数、第2特図乱数)がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特図乱数の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、決定確率Bは、ハズレの場合に決定される特別図柄(ハズレ図柄)の種類がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特別図柄の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、設定されている遊技状態、当否抽選に用いられる特図乱数の種類及びハズレの場合に決定される特別図柄の種類に応じて、異なる値となるように設定してもよい。
このように設定した場合には、高確率遊技状態が終了して低確率遊技状態が設定される確率のバリエーションが豊富となり、遊技者に提供可能な遊技性もバリエーションに富んだものにすることができる。
【0326】
(28)連続高確設定回数が予め定められた上限回数に達した場合、特別遊技の終了後に強制的に低確率遊技状態が設定されるように定められたパチンコ機(以下、確変リミッタ搭載のパチンコ機という)のパチンコ機において、上限回数として、一の値のみを設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。そして、一の値のみを設けた場合には、連続高確設定回数が当該値に到達したことで上述の設定を行い、複数の値を設けた場合には、連続高確設定回数が、状況に応じた(たとえば、低確率遊技状態から高確率遊技状態へ移行した回数等に応じた)いずれかの値に到達したことで上述の設定を行ってもよい。
同様に、時短リミッタ搭載のパチンコ機においても、上限回数として、一の値のみを設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。そして、一の値のみを設けた場合には、連続時短設定回数が当該値に到達したことで上述の設定を行い、複数の値を設けた場合には、連続時短設定回数が、状況に応じた(たとえば、非時短遊技状態から時短遊技状態へ移行した回数等に応じた)いずれかの値に到達したことで上述の設定を行ってもよい。
このように設定した場合には、連続高確設定回数や連続時短設定回数の上限回数のバリエーションが豊富となり、遊技者に提供可能な遊技性もバリエーションに富んだものにすることができる。
【0327】
(29)上述の実施の形態では、通常遊技状態中に当否抽選における時短付与の当否の判定により時短付与の当選となった場合に、時短遊技状態が設定されるようになっていたが、時短遊技状態が設定される契機としては、これに限定されるものではない。
たとえば、特別図柄の変動回数(当否抽選における抽選結果の導出回数)をカウントし、当該カウント値が予め定められた時短発動回数LNに到達したときの遊技状態が時短遊技状態以外(通常遊技状態や高確率非時短遊技状態)であった場合には、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく、時短回数が特定時短回数TNとなる時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このように設定した場合には、大当たりに当選しない場合であっても特別図柄の変動回数が時短発動回数LNに到達すれば時短遊技状態が設定されるため、時短遊技状態が設定され得るバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣を高めることができる。
【0328】
(30)上述の変形例(29)のように設定したパチンコ機では、上述のカウント値は、(a)電源投入時点(RAMクリア時点)、(b)通常遊技状態中の特別図柄の変動回数が時短発動回数LNに到達した時点、又は、通常遊技状態中の特別図柄の変動回数が時短発動回数LNに到達し、その後大当たりの当選となることなく特定時短回数TNの当否抽選が行われた時点(時短発動回数LNに到達したことで設定された時短遊技状態が終了した時点)、(c)大当たりの当選時点、(d)時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄の決定により時短遊技状態を設定するパチンコ機では当該時短遊技状態が設定された時点、においてクリアするようにしてもよい。すなわち、(a)~(d)の時点から、上述のカウント値のカウントを開始するようにしてもよい。
また、(a)~(d)とは異なる他の時点において、上述のカウント値をクリアするようにしてもよい。
また、上述のカウント値は、設定されている遊技状態がいずれの遊技状態であっても常にカウントするようにしてもよいし、遊技者にとって有利な状態中(たとえば、高確率遊技状態中、時短遊技状態中等)においてはカウントしないようにしてもよい。
また、上述のカウント値をカウントするタイミングとしては、当否抽選においてハズレとなったとき(ハズレ図柄が決定されたとき)には、ハズレとなった(ハズレ図柄が決定された)時点から当該ハズレに基づく変動の終了までのいずれかのタイミング(たとえば、ハズレの抽選結果が導出された時点、ハズレ図柄の変動開始時、当該ハズレ図柄の変動終了時、当該ハズレ図柄の変動が終了してから停止表示時間が経過した時点(次の特別図柄の変動開始時)等)としてもよいし、当否抽選において大当たりの当選となったとき(大当たり図柄が決定されたとき)には、上述のいずれかの時点又は大当たりの当選に基づく特別遊技の終了時点等としてもよい。
また、時短遊技状態が設定されるタイミングは、上述のカウント値をカウントするタイミングと同一となるように設定してもよい。
また、上述のカウント値は、たとえば、通常遊技状態中であれば、当該通常遊技状態中に主に取得される第1特図乱数に基づく特別図柄の変動を対象としてカウントするようにしてもよいし、第1特図乱数に基づく特別図柄の変動のみならず第2特図乱数に基づく特別図柄の変動も対象としてカウントするようにしてもよい。
このように設定した場合には、時短遊技状態が設定されるタイミングのバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣を高めることができる。
【0329】
(31)上述の変形例(29)のように設定したパチンコ機においては、時短発動回数LNを、当否抽選における大当たりの当選の確率との関係で定まり、かつ射幸性が高くなりすぎない範囲の値(たとえば、当否抽選における大当たりの当選の確率が1/Pであった場合には、P×発動下限係数(たとえば、2.5等)≦時短発動回数LN≦P×発動上限係数(たとえば、3.0等))となるようにしてもよい。また、大当たりの当選の確率によることなく、パチンコ機の遊技仕様に応じた適切な値としてもよい。また、時短発動回数LNとして、一の値のみ設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。
出玉に関する設定が対応付けられた複数段階の設定値を設けた場合には、設定値ごとに異なる時短発動回数LNを設定してもよいし、いずれの設定値であっても同一の時短発動回数LN(いずれかの設定値における大当たりの当選の確率(たとえば、最も低い大当たりの当選の確率)に基づいて定まる時短発動回数LN)を設定してもよい。
このように設定した場合には、時短遊技状態の設定に基づく射幸性が高くなり過ぎるのを防止可能であるとともに、時短遊技状態が設定されるタイミングのバリエーションを豊富にすることができる。
【0330】
(32)上述の変形例(29)のように設定したパチンコ機においては、特定時短回数TNを、当否抽選における大当たりの当選の確率との関係で定まり、かつ射幸性が高くなりすぎない範囲の値(たとえば、当否抽選における大当たりの当選の確率が1/Pであった場合には、P×特定下限係数(たとえば、0.4等)≦特定時短回数TN≦P×特定上限係数(たとえば、3.8等))となるようにしてもよい。また、大当たりの当選の確率によることなく、パチンコ機の遊技仕様に応じた適切な値としてもよい。また、特定時短回数LNとして、一の値のみ設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。
なお、大当たりの当選に基づいて設定される時短遊技状態の時短回数や、大当たりの当選によることなく、時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の決定に基づいて設定される時短遊技状態の時短回数も、上述の範囲の値となるように設定してもよい。
また、出玉に関する設定が対応付けられた複数段階の設定値を設けた場合には、設定値ごとに異なる特定時短回数TNを設定してもよいし、いずれの設定値であっても同一の特定時短回数TN(いずれかの設定値における大当たりの当選の確率(たとえば、最も低い大当たりの当選の確率)に基づいて定まる特定時短回数TN)を設定してもよい。
また、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づいて設定される時短遊技状態は、大当たりの当選や時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の決定に基づいて設定される時短遊技状態と同様の時短終了条件を満たすことにより、終了するように設定してもよい。たとえば、大当たりの当選となったことや、大当たりの当選となることなく当否抽選が特定時短回数TN行われたことにより、上述の時短遊技状態を終了するように設定してもよい。
また、時短遊技状態が終了する条件として、たとえば、第1特図乱数に基づく特別図柄の変動回数及び第2特図乱数に基づく特別図柄の変動回数の合計が特定時短回数TN1に到達すること、及び、第2特図乱数に基づく特別図柄の変動回数が特定時短回数TN2に到達することという複数パターンを設けた場合には、特定時短回数TN1及びTN2のいずれについても上述の範囲内に属するようにしてもよいし、特定時短回数TN1又はTN2のいずれかのみ上述の範囲内に属するようにしてもよい。
このように設定した場合には、時短遊技状態の設定に基づく射幸性が高くなり過ぎるのを防止可能であるとともに、設定された時短遊技状態が終了するタイミングのバリエーションを豊富にすることができる。
【0331】
(33)上述の変形例(29)のように設定したパチンコ機において、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づいて設定される時短遊技状態としては、第2始動入賞口16を開状態に維持しやすいようにするための処理内容が異なる時短遊技状態を複数設け、状況に応じていずれかの時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
具体的には、上述の実施の形態における第1時短遊技状態、上述の変形例(13)における第3時短遊技状態、第4時短遊技状態、第5時短遊技状態等を設け、たとえば、時短発動回数LNに到達する前に最後に大当たりの当選となったときの大当たり図柄の種別、時短発動回数LNに到達する前に最後に小当たりの当選となったときの小当たり図柄の種別、時短発動回数LNに到達する前に時短遊技状態が設定されたときの大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄、時短図柄、時短当選図柄の種別に応じて、いずれかの時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このように設定した場合には、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づいて設定される時短遊技状態のバリエーションが豊富となり、遊技者の興趣を高めることができる。
【0332】
(34)上述の変形例(29)のように特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づき時短遊技状態が設定されるようにしたパチンコ機においては、通常遊技状態中(低確率遊技状態中)に時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄(時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)の決定に基づいても時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
そして、このように設定したパチンコ機においては、時短遊技状態中には時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の決定は行わず、非時短遊技状態中にのみ時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の決定を行うようにしてもよいし、時短遊技状態中も時短遊技状態を設定する旨が定められた図柄の決定を行うようにしてもよい。
また、通常遊技状態中(低確率遊技状態中)に上述のカウント値が時短発動回数LNに到達すると同時に、通常遊技状態中(低確率遊技状態中)に上述の図柄が決定された場合(すなわち、複数の時短遊技状態の設定条件を同時に満たした場合)には、いずれかの時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、通常遊技状態中のみならず、低確率時短遊技状態中や高確率時短遊技状態中にも上述のカウント値のカウントを行うように設定し、低確率時短遊技状態中や高確率時短遊技状態中に当該カウント値が時短発動回数LNに到達した場合に、時短遊技状態が再設定されるように設定してもよい。このように設定した場合において、時短遊技状態が再設定されたときには、時短回数として、当該再設定された時短遊技状態に対応する時短回数(すなわち、特定時短回数TN)が再度セットされるようにしてもよいし、当該再設定された時短遊技状態に対応する時短回数を当該時点の残りの時短回数に加算してもよい。また、上述のカウント値が時短発動回数LNに到達した場合には、当該時点で設定されている時短遊技状態が終了した後に、当該到達に基づく時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合には、設定される時短遊技状態のバリエーションを豊富にすることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【0333】
(35)いわゆる1種2種混合のパチンコ機においても、上述の変形例(29)のように、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づき時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、上述のカウント値は、小当たりの当選に基づいてはクリアされないようにしてもよい。
また、上述のように設定したいわゆる1種2種混合のパチンコ機において、当否抽選の結果が大当たりの当選となったときに特別遊技が実行されるとともに、当否抽選の結果が所定の小当たりの当選となったときに実行される小当たり遊技において特定大入賞口の特別領域へ遊技球が入球することで特別遊技が実行されるように設定した場合、上述の変形例(31)や(32)のように時短発動回数LNや特定時短回数TNを決定するために用いる確率Pとしては、上述の大当たりの当選の確率、上述の所定の小当たりの当選の確率(非時短遊技状態中に主に取得される特図乱数に基づく当否抽選における小当たりの当選の確率)、又は、上述の大当たりの当選の確率及び上述の所定の小当たりの当選の確率の合算確率のいずれかを用いてもよい。
また、上述のように設定したいわゆる1種2種混合のパチンコ機において、当否抽選の結果として大当たりの当選は設けられておらず、当否抽選の結果が所定の小当たりの当選となったときに実行される小当たり遊技において特定大入賞口の特別領域へ遊技球が入球することのみをもって特別遊技が実行されるように設定した場合、上述の変形例(31)や(32)のように時短発動回数LNや特定時短回数TNを決定するために用いる確率Pとしては、上述の所定の小当たりの当選の確率(非時短遊技状態中に主に取得される特図乱数に基づく当否抽選における小当たりの当選の確率)、又は、所定の小当たりに当選し特別領域へ遊技球が入球する確率(所定の小当たりの当選を経由して特別遊技が実行される確率)のいずれかを用いてもよい。
また、小当たりの当選となった場合、当該当選に基づいて決定される小当たりの図柄の種別に応じて時短発動回数LNが更新されるようにしてもよいし、更新されないようにしてもよい。
また、いわゆる1種2種混合のパチンコ機において、特別図柄の変動回数のカウント値が時短発動回数LNに到達したことに基づき時短遊技状態が設定されるとともに、通常遊技状態中(低確率遊技状態中)に時短遊技状態を設定する旨が定められた時短図柄、時短当選図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄の決定に基づいても時短遊技状態が設定されるようにした場合、上述のカウント値が時短発動回数LNに到達すると同時に、上述の図柄が決定された場合(すなわち、複数の時短遊技状態の設定条件を同時に満たした場合)には、いずれかの時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合には、1種2種混合のパチンコ機において設定される時短遊技状態のバリエーションを豊富にすることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【0334】
(36)上述の実施の形態では、上述の連続大当たり回数条件(連続大当たりの回数が所定回数に達すること)の成立後は、当該連続大当たり回数条件の成立前よりも長い変動時間の決定割合を高くすることで、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させるようにしていたが、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数を減少させるためのメインCPU101による制御方法としては、これに限定されるものではない。以下、具体例を挙げて説明する。
なお、上述の如く、連続大当たりとは、通常遊技状態において大当たりに当選して少なくとも時短遊技状態又は高確率遊技状態のいずれか一方へ移行してから、通常遊技状態へ移行することなく連続して当選した大当たりをいうものとする。
【0335】
(具体例1)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達した場合に、これ以降に実行される変動において、(A)これ以前に実行されていた特別図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定してもよい。また、これ以降に実行される特別遊技において、(B)これ以前に実行されていた特別遊技におけるオープニング時間よりも長いオープニング時間が設定されるようにしてもよいし、(C)これ以前に実行されていた特別遊技におけるエンディング時間よりも長いエンディング時間が設定されるようにしてもよいし、(D)これ以前に実行されていた特別遊技におけるインターバル時間よりも長いインターバル時間が設定されるようにしてもよいし、(E)これ以前に実行されていた特別遊技における大入賞口18の開放時間よりも長い開放時間が設定されるようにしてもよい。
【0336】
(具体例2)
たとえば、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数(たとえば、20回等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例3)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数(たとえば、20回等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
【0337】
(具体例4)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ所定回数に達した際又は所定回数に達した後の大当たりにおいて決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例5)
たとえば、連続大当たり中において、実行された総ラウンド数が所定数(たとえば、20回等)に達し、かつ所定数に達した後の大当たり当選時に決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
【0338】
(具体例6)
たとえば、連続大当たり中において所定の特別遊技が終了してから次の大当たりに当選するまでの変動回数が特定回数(たとえば、10回)以下であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例7)
たとえば、連続大当たり中において所定の特別遊技が終了してから次の大当たりに当選するまでの変動回数が特定回数(たとえば、10回等)以下であり、かつ当該次の大当たりに当選した際に決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
【0339】
(具体例8)
たとえば、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数(たとえば、3000個等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例9)
たとえば、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数(たとえば、3000個等)に達し、かつ所定個数に達した後の大当たりにおいて決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
【0340】
(具体例10)
たとえば、連続大当たり中に払い出された賞球数と発射球数との差分が所定個数(たとえば、1500個等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例11)
たとえば、連続大当たり中に払い出された賞球数と発射球数との差分が所定個数(たとえば、1500個等)に達し、かつ所定個数に達した後の大当たりにおいて決定された大当たり図柄が特定の図柄(特別遊技中に実行されるラウンド数が相対的に多く(10ラウンド、15ラウンド等)設定された大当たり図柄等)であった場合に、当該大当たりの当選に係る変動やこれ以降に実行される変動において、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
【0341】
(具体例12)
たとえば、連続大当たり中における所定の大当たりの当選時に決定された変動パターンが特定の変動パターン(たとえば、相対的に短い変動時間(3秒、6秒等)が設定された変動パターン等)であった場合に、これ以降に実行される変動において、上述の(A)のように設定してもよいし、また、当該大当たりの当選に基づく特別遊技やこれ以降に実行される特別遊技において、上述の(B)~(E)のように設定してもよい。
(具体例13)
たとえば、第1特図乱数や第2特図乱数が記憶されると、当該第1特図乱数や当該第2特図乱数に基づく変動開始前に、当該第1特図乱数や当該第2特図乱数について当否抽選や特別図柄の決定に関する各種判定(大当たりに当選するか否かの判定、決定される特別図柄の種類の判定等)を行う事前判定処理が実行されるように設定するとともに、連続大当たり中において、当該事前判定処理による判定結果が所定の内容(たとえば、特別遊技終了時点で記憶されている保留の中に大当たりに当選するものが含まれている等)であった場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
【0342】
(具体例14)
たとえば、連続大当たり中における経過時間の合計が所定時間(たとえば、15分等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例15)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ連続大当たり中における経過時間の合計が所定時間(たとえば、5分等)以下であった場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
【0343】
(具体例16)
たとえば、連続大当たり中における特別遊技の実行時間の合計が所定時間(たとえば、5分等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
(具体例17)
たとえば、連続大当たりの回数が所定回数(たとえば、3回等)に達し、かつ連続大当たり中における特別遊技の実行時間の合計が所定時間(たとえば、5分等)に達した場合に、これ以降に実行される変動や特別遊技において、上述の(A)~(E)のように設定してもよい。
【0344】
以上のように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様に、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させることができる。これにより、短期間の間に集中して多数回の特別遊技が実行され、遊技者が獲得する賞球数が急激に増加する等、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
【0345】
また、上述の具体例1~17における各種条件については、矛盾が生じない範囲で互いに組み合わせて設定することもできる。また、各種条件を満たした場合における上述の(A)~(E)の設定については、いずれか1つのみ設定してもよいし、複数設定してもよい。
【0346】
また、主制御基板100に、連続大当たりの回数をカウントするためのカウンタ(メインRAM103の所定の記憶領域により構成)を設け、当該カウンタのカウント値に基づいて連続大当たりの回数が所定回数に達したか否かを判定してもよい。そして、上述の具体例1~17における各種条件を満たした場合に、上述の(A)~(E)の設定のうちのいずれか1又は複数を設定してもよい。
また、高確率時短遊技状態中は第2始動入賞口16へ遊技球が入球するため、連続大当たりは、主に第2特図乱数に基づいて当選した大当たりとなる。そこで、上述のカウンタは、第2特図乱数に基づいて連続して当選した大当たりの回数をカウントし、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合には当該カウンタのカウント値をリセットするように設定し、第2特図乱数に基づいて連続して当選した大当たりの回数が所定回数に達した場合に、上述の具体例1~17における連続大当たりの回数に関する条件を満たしたものと判定するようにしてもよい。すなわち、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合には、連続大当たりが途切れたものとして取り扱い、連続して第2特図乱数に基づいて大当たりに当選しないと、上述の具体例1~17における連続大当たりの回数に関する条件を満たさないように設定してもよい。
第2特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合には、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選した場合よりも、獲得可能な遊技球の数が相対的に多い特別遊技の実行が決定されやすく、短期間の間に遊技者が獲得する賞球数が急激に増加する可能性が高い。上述のように設定した場合には、第2特図乱数に基づく大当たりのみを連続大当たりの回数に関する条件の対象とするため、上述の(A)~(E)の設定が過度に行われてしまう事態を防止することができる。
【0347】
また、具体例1~17における各種条件を満たした場合に、変動時間に関する(A)と、特別遊技中の各種時間に関する(B)~(E)の少なくともいずれか一とを、組み合わせて設定したときには、各種条件を満たした後は、各種条件を満たす前よりも変動時間及び特別遊技中の各種時間のいずれもが長くなるものの、特別遊技中の各種時間の変化率よりも変動時間の変化率の方が大きくなるように設定してもよい。
たとえば、具体例1における条件を満たした場合に、(A)と(B)とを組み合わせて設定したときには、連続大当たりの回数が所定回数に達する前は、特別図柄の変動の変動時間として3秒や6秒が決定されやすく、連続大当たりの回数が所定回数に達した後は、特別図柄の変動時間として13秒や15秒(所定回数に達する前の変動時間の2.5倍~5倍に変化)が決定されやすいように設定するとともに、連続大当たりの回数が所定回数に達する前は、特別遊技中のオープニング時間が10秒であり、連続大当たりの回数が所定回数に達した後は、特別遊技中のオープニング時間が15秒(所定回数に達する前のオープニング時間の1.5倍に変化)であるように設定してもよい。
【0348】
また、具体例1~17における各種条件を満たした場合に、変動時間に関する(A)を設定したときには、各種条件を満たした後は、各種条件を満たす前よりもリーチなし変動パターンとなる変動の変動時間及びリーチ変動パターンとなる変動の変動時間のいずれもが長くなるものの、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間の変化率よりもリーチ変動パターンとなる変動の変動時間の変化率の方が大きくなるように設定してもよいし、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間の変化率よりもリーチなし変動パターンとなる変動の変動時間の変化率の方が大きくなるように設定してもよい。
たとえば、具体例2における条件を満たした場合に(A)を設定したときには、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達する前は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として3秒や6秒が決定されやすく、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達した後は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として13秒や15秒(所定数に達する前の変動時間の2.5倍~5倍に変化)が決定されやすいように設定するとともに、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達する前は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として20秒や30秒が決定されやすく、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達した後は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として180秒や240秒(所定数に達する前の変動時間の6倍~12倍に変化)が決定されやすいように設定してもよい。
また、具体例8における条件を満たした場合に(A)を設定したときには、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数に達する前は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として3秒や6秒が決定されやすく、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数に達した後は、リーチなし変動パターンとなる変動の変動時間として13秒や15秒(所定数に達する前の変動時間の2.5倍~5倍に変化)が決定されやすいように設定するとともに、連続大当たり中に払い出された総賞球数が所定個数に達する前は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として20秒や30秒が決定されやすく、連続大当たり中に実行された総ラウンド数が所定数に達した後は、リーチ変動パターンとなる変動の変動時間として40秒や45秒(所定数に達する前の変動時間の約1.3倍~2.25倍に変化)が決定されやすいように設定してもよい。
また、具体例1~17における各種条件を満たした場合には、変動時間に関する(A)を設定することなく、特別遊技中の各種時間に関する(B)~(E)の少なくともいずれか一を設定することで、各種条件を満たした後は、変動時間は変化しないものの、特別遊技の実行時間(オープニング時間、エンディング時間、インターバル時間、大入賞口18の開放時間)が長くなるようにしてもよい。また、このようにした場合には、たとえば、各種条件を満たした後のオープニング時間が、当該条件を満たした後の他の時間(エンディング時間、インターバル時間、大入賞口18の開放時間)よりも長くなるように設定してもよいし、各種条件を満たす前後におけるオープニング時間の変化率が、他の時間の変化率よりも大きくなるように設定してもよい。
【0349】
また、上述の具体例1~17における各種条件を満たした場合には、上述の(A)~(E)のように設定するのではなく、他の設定を行ってもよい。たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降に実行される普図遊技において、(F)これ以前に実行されていた普通図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定してもよいし、(G)これ以前における第2始動入賞口16の可動片16bの開放時間よりも短い開放時間となるように設定してもよい。
また、たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降の特別遊技の終了後において、(H)これ以前の特別遊技の終了後に設定されていた時短回数よりも少ない時短回数を設定するようにしてもよい。
このように設定することで、第2始動入賞口16への遊技球の入球頻度が減少し、当否抽選の機会も減少するため、単位時間あたりに実行される特別遊技の回数(単位時間あたりの大当たりの当選回数)を減少させることができる。
【0350】
また、たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降に実行される特別遊技において、(I)これ以前の特別遊技中よりも遊技球が入球困難な態様(たとえば、0.5秒の開放と1.0秒の閉鎖を所定回数繰り返す態様等)で大入賞口18が開閉するように設定してもよい。
このように設定した場合には、特別遊技中に獲得可能な賞球数が減少し、単位時間あたりの総賞球数を減少させることができる。これにより、短期間の間に集中して多数回の特別遊技が実行された場合であっても、遊技者が獲得する賞球数を抑えることができるため、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
【0351】
また、たとえば、各種条件を満たした場合には、これ以降の特別図柄の変動に際し、(J)第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されているときに、第2特図乱数に優先して第1特図乱数が処理されるように設定してもよい。
このように設定した場合、第2特図乱数に基づいて大当たりに当選したときよりも第1特図乱数に基づいて大当たりに当選したときの方が、少ないラウンド数の特別遊技の実行が決定される割合が高くなっているため、特別遊技中に獲得可能な賞球数の期待値が減少し、単位時間あたりの総賞球数の期待値を減少させることができる。これにより、短期間の間に集中して多数回の特別遊技が実行された場合であっても、遊技者が獲得する賞球数を抑えることができるため、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止することができる。
【0352】
また、(F)~(J)の設定については、(A)~(E)と同様に、いずれか1つのみ設定してもよいし、複数設定してもよい。また、(A)~(E)の少なくともいずれか一と組み合わせて設定してもよい。
また、(A)~(G)の設定においては、具体例1~17の各種条件を満たした場合には、各種時間が長くなるようになっていたが、所定の時間は長くなるようにしつつ、他の時間は短くなるように設定してもよい。たとえば、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、これ以前に実行されていた特別図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定しつつ((A)の設定)、これ以前に実行されていた特別遊技におけるエンディング時間よりも短いエンディング時間が設定される((C)の設定)ようにしてもよい。
このようにした場合には、具体例1~17の各種条件を満たした後、変動が開始されてから特別遊技が終了するまでの時間が長くなり過ぎてしまい、遊技者の利益が極端に阻害されるような事態を防止することができる。
【0353】
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、(A)~(E)の設定がなされ、各種時間が長くなるようにしたときには、長くなった期間内において、特定の演出の実行頻度が高くなるように設定してもよい。
たとえば、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、これ以前に実行されていた特別図柄の変動の変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高くなるように設定((A)の設定)したときには、長い変動時間が決定された際に、当該変動における大当たりの当選の期待度を示す示唆演出(特定の演出)の実行頻度が高くなるように設定してもよい。また、当否抽選の結果とは無関係な内容を示す特殊演出(特定の演出)の実行頻度が高くなるように設定してもよい。
【0354】
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、これ以前に実行されていた特別遊技におけるオープニング時間よりも長いオープニング時間が設定((B)の設定)されるようにしたときや、これ以前に実行されていた特別遊技におけるエンディング時間よりも長いエンディング時間が設定((C)の設定)されるようにしたときには、オープニング時間やエンディング時間が経過するまでの間に、当該時点で記憶されている保留の中に大当たりの当選と判定され得るものがある旨を示唆する先読み演出(特定の演出)の実行頻度が高くなるように設定してもよい。
なお、特定の演出の実行頻度の変化度合いについては、特に限定されるものではない。たとえば、上述の各種条件を満たす以前には特定の演出は実行されていなかったものの、上述の各種条件を満たした後には、特定の演出が実行されるように設定してもよいし、上述の各種条件を満たす以前には所定の実行割合で特定の演出が実行されるようになっていたものの、上述の各種条件を満たした後は、上述の所定の実行割合よりも高い割合で特定の演出が実行されるように設定してもよい。
このようにした場合には、上述と同様に、極端に射幸性が高くなってしまうような事態の発生を適切に防止しつつも、各種時間が長くなることにより遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
【0355】
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われるようにしたときには、所定の終了条件を満たした場合に、当該設定が解除されるように(すなわち、上述の各種条件を満たす前の設定に戻すように)してもよい。
なお、所定の終了条件としては、たとえば、上述の各種条件を満たした後に行われた設定により、所定回数(たとえば、30回)の変動が行われたこと、上述の各種条件を満たした後に行われた設定により、所定回数(たとえば、3回)の特別遊技が行われたこと(大当たりに所定回数当選したこと)、連続大当たりが途切れたと判定されたこと(たとえば、特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定されることとなる大当たり図柄が決定されたこと、通常遊技状態が設定されたこと、通常遊技状態が設定されてから所定回数の変動が行われたこと等)を設定することができる。
このようにした場合には、射幸性が高くなる事態を防止するための設定が長く続き、遊技者の興趣が低下してしまうのを防止することができる。
【0356】
なお、具体例1~17の各種条件を満たし、(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われた場合において、少なくとも時短遊技状態又は高確率時短遊技状態のいずれか一方が継続していたとき(すなわち、連続大当たり中であったとき)であっても、特定条件を満たした場合には、(たとえば、獲得可能な遊技球の数が相対的に多い特別遊技の実行が対応付けられた大当たり図柄X2が所定回数(たとえば、2回等)連続して決定された場合等)には、上述の設定が解除されるように(すなわち、上述の各種条件を満たす前の設定に戻すように)してもよい。
このようにした場合には、射幸性が高くなる事態を防止するための設定が長く続き、遊技者の興趣が低下してしまうのを防止することができる。
【0357】
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合には、これに基づいて行われた設定を伝達するために、特定の外部情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、ホールコンピュータ等のパチンコ機Pの外部に設けられた機器)に送信するようにしてもよいし、上述の設定が行われた旨を報知するために、演出表示装置21の表示部21aに所定の表示(たとえば、特定のマーク画像の表示や、「遊技進行時間変更中」等の注意表示)を行ったり、所定態様でランプを点灯させたりするようにしてもよい。
また、具体例1~17の各種条件を満たした場合に、その旨を示す履歴情報を、主制御基板100のメインRAM103や副制御基板300のサブRAM303に記憶するようにしてもよい。このようにした場合には、射幸性が高くなる事態を防止するための設定が行われる頻度や期間を把握することができ、射幸性が高くなる事態が生じにくいパチンコ機の開発に役立てることができる。
【0358】
また、パチンコ機Pが、決定され得る変動時間の長さや変動時間の決定割合が異なるように設定された変動パターンテーブル114を複数備え、具体例1~17の各種条件を満たしていない状態で大当たりに当選した場合に、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後に、当該大当たりの当選時に決定された大当たり図柄に基づいた異なる変動パターンテーブル114を参照して変動パターン(変動時間)が決定されるように設定されていたものとする。
そして、このように設定されていたときであっても、上述の各種条件を満たし(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われた状態で大当たりに当選した場合には、当該大当たりの当選時にいずれの大当たり図柄が決定されたとしても、共通の変動パターンテーブル114を参照して変動パターン(変動時間)を決定するようにしてもよい。
具体的には、たとえば、上述の各種条件を満たしていない状態で大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後には、相対的に長い変動時間の決定割合が高く設定された第1の変動パターンテーブル114を参照して変動パターン(変動時間)が決定され、上述の各種条件を満たしていない状態で大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合には、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後には、相対的に短い変動時間の決定割合が高く設定された第2の変動パターンテーブル114を参照して変動パターン(変動時間)が決定されるように設定されていたものとする。そして、このように設定されていたときには、上述の各種条件を満たした状態で大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2のいずれが決定されたときであっても、当該大当たりに基づく特別遊技の終了後には、第1の変動パターンテーブル114で決定され得る変動時間よりも長い変動時間の決定割合が高く設定された第3の変動パターンテーブル114を参照して変動パターン(変動時間)を決定するようにしてもよい。
【0359】
また、パチンコ機Pは下記のような変動パターンテーブル114を備えるようにしてもよい。以下、変動パターンテーブル114について具体的に説明する。なおここでは、時短付与の当選(時短図柄の決定)については考慮せず、また、当否抽選において小当たりの当選は決定されず、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に決定される大当たり図柄はX1及びX2の2種類、ハズレ図柄はY2の1種類である例で説明を行う。
たとえば、
図48~
図49に示すように、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たしていないときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルC、及び高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たし上述の(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われているときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照されるテーブルD1、D2、D3を設けてもよい。
【0360】
図48に示すように、テーブルCによれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに、「3秒変動」の変動パターン(変動時間全体が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C0H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに、「5秒変動」の変動パターン(変動時間全体が5秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C1H」が決定され、変動パターン乱数が125~224であったときに、「10秒変動」の変動パターン(変動時間全体が10秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C2H」が決定され、変動パターン乱数が225~249であったときに、「15秒変動」の変動パターン(変動時間全体が15秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C3H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「30秒変動」の変動パターン(変動時間全体が30秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D0H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「60秒変動」の変動パターン(変動時間全体が60秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「100秒変動」の変動パターン(変動時間全体が100秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「120秒変動」の変動パターン(変動時間全体が120秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D3H」が決定される。
【0361】
図49(a)に示すように、テーブルD1によれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~12であったときに「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C0H」が決定され、変動パターン乱数が13~25であったときに「5秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C1H」が決定され、変動パターン乱数が26~50であったときに「50秒変動」の変動パターン(変動時間全体が50秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C4H」が決定され、変動パターン乱数が51~150であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C5H」が決定され、変動パターン乱数が225~249であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C6H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「150秒変動」の変動パターン(変動時間全体が150秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D4H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「200秒変動」の変動パターン(変動時間全体が200秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「D5H」が決定される。
【0362】
図49(b)に示すように、テーブルD2によれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~24であったときに「50秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C4H」が決定され、変動パターン乱数が25~74であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C5H」が決定され、変動パターン乱数が75~149であったときに「70秒変動」の変動パターン(変動時間全体が70秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「C7H」が決定され、変動パターン乱数が150~249であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C6H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「150秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D4H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「200秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D5H」が決定される。
【0363】
図49(c)に示すように、テーブルD3によれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「C5H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~49であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D1H」が決定され、変動パターン乱数が50~124であったときに「100秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D2H」が決定され、変動パターン乱数が125~174であったときに「150秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D4H」が決定され、変動パターン乱数が175~249であったときに「200秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「D5H」が決定される。
【0364】
そして、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たしていないときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、テーブルCを参照して変動パターン(すなわち、変動時間)を決定するとともに、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たし上述の(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われているときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、テーブルD1、テーブルD2又はテーブルD3のいずれかの変動パターンテーブル114を参照して変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、高確率時短遊技状態中において具体例1~17の各種条件を満たし上述の(A)~(J)のうちの1又は複数の設定が行われているときに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、所定の切り替え条件を満たすことにより、参照する変動パターンテーブル114を切り替えるようにしてもよい。具体的には、連続大当たりの回数に応じて、参照する変動パターンテーブル115をテーブルD1→テーブルD2→テーブルD3と切り替えるようにしてもよい。また、変動回数に応じて、参照する変動パターンテーブル114をテーブルD3→テーブルD2→テーブルD1と切り替えるようにしてもよい。
【0365】
(時短遊技状態の設定を適用した他の遊技性)
次に、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介さずに時短遊技状態を設定するという制御を適用した他の遊技性の例を説明する。なお、以下では、上述の実施の形態と異なる構成や制御を中心に説明を行い、同様の構成や制御については、必要な場合を除き、説明を割愛する。
(他の適用例1)
(構成及び制御の概要)
特に図示していないが、他の適用例1に係るパチンコ機Pの遊技盤11(遊技領域12)の構成、設置されている装置や部材は、上述の実施の形態とほぼ同一となっている。
【0366】
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態と同様の、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
そして、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態中は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となる。一方、第2低確率時短遊技状態中、高確率時短遊技状態中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となる(
図3参照)。
【0367】
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合に、大当たり図柄X1が決定されるようになっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X2が決定されようになっている。なお、通常遊技状態中における大当たりの当選の確率はおよそ1/150、高確率時短遊技状態中における大当たりの当選の確率はおよそ1/110に設定されている。
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に4回のラウンド遊技が実行され、特定のラウンド遊技(たとえば、3ラウンド)において所定数(たとえば、1個)の遊技球が特定領域57へ進入できず当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定されるようになっている。また、当該特別遊技中には約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
これに対して、大当たり図柄X2が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、特定のラウンド遊技において所定数の遊技球が特定領域57へ進入し当該特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態(時短回数は10000回)が設定されるようになっている。また、当該特別遊技中には約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
【0368】
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態のような、当否抽選における時短付与の当否の判定及び時短付与の当選となった場合における時短図柄の決定は行われない。この代わりに、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選の結果がハズレとなった場合に決定され得るハズレ図柄として、第2時短遊技状態(設定される時短回数は所定回数(本適用例では10000回))が設定される旨が定められたハズレ図柄Z1と、時短遊技状態を設定しない旨が定められたハズレ図柄Z2とが設けられている。そして、通常遊技状態において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合、上述の第2時短遊技状態が設定される。すなわち、通常遊技状態中に第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されると、その後の遊技状態が、通常遊技状態から第2低確率時短遊技状態へ移行するようになっている。これに対して、ハズレ図柄Z2が決定されると、遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合にハズレ図柄Z1が決定される確率はおよそ1/500に設定されている。
【0369】
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいてハズレとなった場合にはハズレ図柄Z1は決定されないようになっている。また、通常遊技状態以外の遊技状態(第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態)中に、第1始動入賞口15へ遊技球が入球してハズレ図柄Z1が決定されたとしても、第2時短遊技状態の設定が行われないようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態において、第1始動入賞口15の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されたとしても、当該時点の遊技状態は変更されることはなく、時短回数10000回が再設定されることはない。なお、当該時点の残りの時短回数は更新される(すなわち、1減算される)。
【0370】
また、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、連続確変設定回数の上限回数が5回に設定されている。当該パチンコ機Pでは、上述の如く、大当たり図柄X2が決定された場合、当該決定に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定されるため、大当たり図柄X2が5回連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は、強制的に通常遊技状態が設定される。
【0371】
(他の適用例1に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例1に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
【0372】
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多い。この通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へ入球する可能性があり、第2始動入賞口16へ入球することはない。すると、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1が決定される。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入せず特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される(
図50参照)。すなわち、他の適用例1に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中は、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介して高確率時短遊技状態が設定されることはない。
【0373】
ここで、通常遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合、当否抽選の結果がハズレとなりハズレ図柄Z1が決定され得る(決定確率はおよそ1/500)ようになっている。ハズレ図柄Z1が決定された場合には、大当たりの当選及び特別遊技を経由することなく遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定され、この第2低確率時短遊技状態は、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで継続する。
【0374】
第2低確率時短遊技状態中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へ入球する可能性があり、第1始動入賞口15へ入球することはない。すると、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X2が決定される。大当たり図柄X2が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。すなわち、他の適用例1に係るパチンコ機Pにおいては、第2低確率時短遊技状態中に指示通り右打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより高確率時短遊技状態へ移行することとなる(
図50参照)。ここで、第2低確率時短遊技状態中は、通常遊技状態中よりも第2始動入賞口16が開状態へ極めて維持されやすくなっているため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得でき高確率時短遊技状態へ移行する。
【0375】
高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき当否抽選が行われ、大当たりに当選した場合には大当たり図柄X2が決定される。そして、大当たり図柄X2が決定された場合には、特定領域57へ所定数の遊技球が進入し特別遊技の終了後の遊技状態が、再度、高確率時短遊技状態に設定され、時短回数は10000回に設定される。高確率時短遊技状態中は、第2低確率時短遊技状態中と同様に、遊技球の減少を抑えつつ、ほぼ確実に次の大当たりの当選を獲得でき、再度、高確率時短遊技状態が設定される。
【0376】
このように、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態が設定されると、実質的に、当該遊技状態中に再度大当たりに当選し、かつ再度高確率時短遊技状態が設定される。したがって、一旦、高確率時短遊技状態が設定された後は、大当たり図柄X2が連続して決定可能となり、大当たり図柄X2が5回連続して決定されるまで(連続確変設定回数が上限回数に到達するまで)高確率時短遊技状態が継続する。そして、大当たり図柄X2が5回連続して決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される。すなわち、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態が設定されると、通常遊技状態へ移行することなく、大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技が5回連続して実行される。
【0377】
ここで、たとえば、パチンコ機Pが、大当たり図柄X1(特別遊技中に獲得可能な遊技球が400個)の決定に基づいて高確率時短遊技状態が設定されるように構成されていたものとする。すると、通常遊技状態中に大当たり図柄X1が決定されると高確率時短遊技状態が設定され、上述と同様に、高確率時短遊技状態が設定されると、通常遊技状態へ移行することなく、大当たり図柄X2が連続して決定可能となる。
しかし、このように構成されたパチンコ機Pでは、大当たり図柄X1の決定に基づいて高確率時短遊技状態が設定されることから、この大当たり図柄X1の決定も連続確変設定回数としてカウントされることとなる。すると、大当たり図柄X1の決定に基づく高確率時短遊技状態の設定後、大当たり図柄X2が連続して4回決定されると、連続確変設定回数が上限回数に到達し、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定される。したがって、大当たり図柄X1が決定されて(高確率時短遊技状態への移行が決定されて)から通常遊技状態が設定されるまでの間に獲得できる遊技球は4400個(=大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技1回で獲得可能な遊技球400個×1回+大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技1回で獲得可能な遊技球1000個×4回)となる。
【0378】
これに対して、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、通常遊技状態中のハズレ図柄Z1の決定に基づき設定される第2低確率時短遊技状態を介し、当該第1低確率時短遊技状態中の大当たり図柄X2の決定に基づき高確率時短遊技状態が設定されるため、大当たり図柄X2が決定されて(高確率時短遊技状態への移行が決定されて)から通常遊技状態が設定されるまでの間に獲得できる遊技球は5000個(=大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技1回で獲得可能な遊技球1000個×5回)となる。
【0379】
またここで、たとえば、パチンコ機において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選した場合には第1の大当たり図柄及び第2の大当たり図柄のいずれかが決定されるように設定され、いずれの大当たり図柄が決定されたときにも、連続確変設定回数が上限回数に到達していないことを条件として、必ず高確率遊技状態が設定されるものの、第1の大当たり図柄が決定されたときには特別遊技終了後に時短遊技状態が設定され、第2の大当たり図柄が決定されたときには特別遊技終了後に非時短遊技状態が設定されるようになっていたものとする。また、このパチンコ機Pにおいて、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選して大当たり図柄が決定された場合には、連続確変設定回数が上限回数に到達していないことを条件として、必ず高確率遊技状態に設定され、第2始動入賞口16への遊技球の入球により大当たりとなった場合の特別遊技中に獲得可能な遊技球の数は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により大当たりとなった場合の特別遊技中に獲得可能な遊技球の数よりも多くなるように設定されていたものとする。さらに、このパチンコ機Pにおいて、非時短遊技状態中は、第1始動入賞口15へ遊技球を入球させるべく第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが行われ、時短遊技状態中は、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させるべく第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが行われるようになっていたものとする。
【0380】
以上のように構成されたパチンコ機では、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて第2の大当たり図柄が決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は、高確率遊技状態、かつ非時短遊技状態へ移行するため、連続確変設定回数は増加するものの、その後も引き続き第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。すると、その後、第1の大当たり図柄が決定され時短遊技状態へ移行した場合に、既に連続確変設定回数が増加しており、連続確変設定回数が上限回数に到達するまでに、遊技者にとって有利な第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの当選を獲得できる回数が減少してしまうため、遊技者にとって不利となる。
【0381】
これに対して、他の適用例1に係るパチンコ機のように、大当たり図柄でない特定のハズレ図柄や小当たり図柄の決定に基づいて時短遊技状態へ移行するように設定した場合には、時短遊技状態へ移行する前に連続確変設定回数が増加することがなく、連続確変設定回数が0の状態で時短遊技状態へ移行するため、上述のような不利な状況が発生しないこととなる。
【0382】
以上のように、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球による所定の大当たり図柄の決定に基づいて、直接、第2始動入賞口16へ遊技球が入球する高確率時短遊技状態へ移行するのではなく、通常遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球による特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)の決定に基づいて、第2始動入賞口16へ遊技球が入球する低確率時短遊技状態(第2低確率時短遊技状態)を介し、第2始動入賞口16への遊技球の入球による所定の大当たり図柄の決定に基づいて高確率時短遊技状態へ移行するようになっている。
そのため、高確率時短遊技状態への移行が定められた大当たり図柄が決定されてから当該高確率時短遊技状態が終了するまでの間、全て、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき付与可能な遊技利益(たとえば、大当たりの当選に基づき実行される特別遊技中のラウンド数等)を獲得できることとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
【0383】
なお、他の適用例1に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中における特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)の決定により時短遊技状態が設定されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、通常遊技状態中における特定の小当たり図柄の決定により時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態において、時短遊技状態の設定が定められたハズレ図柄Z1が決定される場合には、大当たり図柄X1が決定される場合よりも、特定の演出(先読み演出、変動演出中における遊技者の期待感の大きいリーチ発展演出等)の実行割合が高くなるように設定してもよい。
【0384】
(他の適用例2)
他の適用例2に係るパチンコ機Pは、他の適用例1に係るパチンコ機Pとほぼ同一の構成及び制御となっている。
ただし、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球し大当たり図柄X2が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に時短回数が100回の高確率時短遊技状態が設定されるようになっている。大当たり図柄X2の決定確率は、他の適用例1と同様のおよそ1/110に設定されているため、高確率時短遊技状態中に必ずしも次の大当たりに当選するとは限らず、大当たりに当選することなく当否抽選が100回行われると、通常遊技状態が設定されるようになっている。
また、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、連続確変設定回数の上限回数は特に設定されておらず、低確率時短遊技状態が設定される条件(高確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく当否抽選が100回行われること)を満たすまで、高確率時短遊技状態が継続するようになっている。
【0385】
さらに、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15のみならず、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選の結果がハズレとなった場合にも、第2時短遊技状態(設定される時短回数は所定回数(本適用例では10000回))が設定される旨が定められたハズレ図柄Z1、又は、時短遊技状態を設定しない旨が定められたハズレ図柄Z2が決定され得るようになっている。そして、通常遊技状態において、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合にも、上述の第2時短遊技状態が設定される。すなわち、通常遊技状態中に第2始動入賞口16の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されると、その後の遊技状態が、通常遊技状態から第2低確率時短遊技状態へ移行するようになっている。これに対して、通常遊技状態においてハズレ図柄Z2が決定されると、遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
なお、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合にハズレ図柄Z1が決定される確率はおよそ1/7に設定されている。
【0386】
また、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態以外の遊技状態(第2低確率時短遊技状態や高確率時短遊技状態)において、第2始動入賞口16の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されたとしても、第2時短遊技状態が再設定されないようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態において、第2始動入賞口16の遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されたとしても、当該時点の遊技状態は変更されることはなく、時短回数10000回が再設定されることはない。なお、当該時点の残りの時短回数は更新される(すなわち、1減算される)。
【0387】
(他の適用例2に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例2に係るパチンコ機Pにおける通常遊技状態、第2低確率時短遊技状態を経て、高確率時短遊技状態へ至るまでの遊技の流れについては、他の適用例1に係るパチンコ機Pと同一である。
他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、高確率時短遊技状態における時短回数は100回に設定されるため、大当たりに当選することなく当否抽選が100回行われると、当該高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定される。
ここで、高確率時短遊技状態中は常時、第2遊技領域12bへ遊技球が打ち出され、当該遊技球はゲート20を通過可能となっている。すると、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された時点では、第2保留数は上限数である4となっている(すなわち、第2特図乱数が上限数の4つ保留記憶されている)可能性が高い。また、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態と同様に、第1特図乱数よりも第2特図乱数が優先的に処理されるようになっているため、上述の通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されている第1特図乱数よりも先に、当該時点で保留記憶されている最大4個の第2特図乱数について、当否抽選の処理が行われる。
【0388】
通常遊技状態が設定された後は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しを再開し、第1始動入賞口15への遊技球の入球を狙って、高確率時短遊技状態への移行を再度目指すこととなる。
しかし、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、上述の通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されている最大4個の第2特図乱数に基づく当否抽選においてハズレ図柄Z1が決定されると、時短回数10000回の第2低確率時短遊技状態が設定され、これを経て、高確率時短遊技状態が再設定されることとなる。すなわち、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定されても、この時点で保留されている第2特図乱数に基づきハズレ図柄Z1が決定されることにより第2低確率時短遊技状態へ移行することで、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となり、当該入球に基づいて大当たり図柄X2が決定されると、高確率時短遊技状態へ再移行する。
【0389】
以上のように、他の適用例2に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中において、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づいて特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されると、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく、第2低確率時短遊技状態へ移行し、その後、高確率時短遊技状態へ移行可能となっている。
これにより、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されている第2特図乱数に基づき、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく、高確率時短遊技状態へ再移行させ得ることができることとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
【0390】
なお、他の適用例2に係るパチンコ機Pにおいても、他の適用例1と同様に、通常遊技状態中における特定の小当たり図柄の決定により時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
【0391】
(他の適用例3)
(構成及び制御の概要)
他の適用例3に係るパチンコ機Pは、いわゆる1種2種混合のパチンコ機であって、大当たりに当選するか、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に後述する特別領域へ遊技球が進入したことを契機として、特別遊技が実行されるように構成されたものである。
【0392】
他の適用例3に係るパチンコ機Pの遊技盤11の構成、及び、当該遊技盤11に設置されている装置や部材は、アタッカー装置17以外、他の適用例1及び他の適用例2と同一となっている。
特に図示していないが、アタッカー装置17は、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2に設けられていた特定領域57の代わりに、当該特定領域57と同一の構造ではあるものの機能が異なる特別領域を備えている以外、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2と同一の内部構造となっている。
【0393】
そして、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2と同様に、大当たりの当選に基づく特別遊技中、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に、大入賞口18が開放し、遊技球が当該大入賞口18へ入球可能となる。しかし、特別遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が特別領域へ進入することはなく、全て一般領域58へ進入する。これに対して、小当たり遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留しており、大入賞口18へ入球した遊技球が一般領域58へ進入することはなく、全て特別領域へ進入するようになっている。
すなわち、特別領域へは、小当たり遊技中のみに遊技球が進入可能となっており、これにより、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域へ進入し、特別遊技が実行されるようになっている。
【0394】
なお、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、上述の実施の形態、他の適用例1及び他の適用例2のように、特別遊技中において大入賞口18の所定領域(特定領域57)へ所定数の遊技球が進入したか否かにより、当該特別遊技終了後の遊技状態が設定されるのではなく、大当たりの当選時に決定された大当たり図柄や小当たりの当選時に決定された小当たり図柄に応じて、上述の遊技状態が設定されるようになっている。
【0395】
また、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた通常遊技状態、低確率遊技状態及び第1時短遊技状態(普通図柄の当選確率、普通図柄の変動時間、第2始動入賞口16の開放時間は上述の実施の形態と同一内容)を組み合わせた第1低確率時短遊技状態、又は、低確率遊技状態及び第2時短遊技状態(普通図柄の当選確率、普通図柄の変動時間、第2始動入賞口16の開放時間は上述の実施の形態と同一内容)を組み合わせた第2低確率時短遊技状態のいずれかの遊技状態が設定される。
そして、上述の実施の形態と同様に、通常遊技状態中及び第1低確率時短遊技状態中は、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となる。一方、第2低確率時短遊技状態中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが遊技者に指示されるため、この指示に従って遊技球が打ち出されている限りにおいて、遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となる(
図3参照)。
【0396】
また、
図51に示すように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には大当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定されるようになっている。すなわち、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中(左打ち中)は、大当たりの当選(大当たり図柄X1の決定)に基づいて特別遊技が実行される。
なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されている。また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第1特図乱数の保留の上限数(第1保留数の上限数)は2個に設定されている。なお、第1特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
【0397】
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、
図51に示すように、大当たり図柄X1が決定された際、後述する連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
【0398】
また、
図51に示すように、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選においてハズレとなった場合にはハズレ図柄Z1が決定されるようになっている。そして、ハズレ図柄Z1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定後に第1低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該決定後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第1低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
【0399】
また、
図51に示すように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には大当たり又は小当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X2が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1が決定されるようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態中(右打ち中)は、大当たりに当選するか(大当たり図柄X2が決定されるか)、又は、小当たりの当選(小当たり図柄Y1の決定)に基づいて実行される小当たり遊技を介して、特別遊技が実行される。
なお、
図51に示すように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されており、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における小当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ299/300に設定されている。すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、当否抽選において大当たりの当選又は小当たりの当選のいずれかが決定され、ハズレが決定されることはない。したがって、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、必ず特別遊技が実行されることとなる。
また、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は1個に設定されている。なお、第2特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
【0400】
そして、大当たり図柄X2が決定された場合、及び、小当たり図柄Y1が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、
図51に示すように、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定され、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
【0401】
また、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数の上限回数が3回に設定されている。当該パチンコ機Pでは、上述の如く、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定されると第1低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定されることから、これらいずれかの決定が連続時短設定回数としてカウントされることとなる。そして、これらの決定が3回連続して行われると、連続時短設定回数は上限回数に到達することとなるため、上述の大当たり図柄又は小当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後、上述のハズレ図柄の決定後は、強制的に通常遊技状態が設定される。
【0402】
(他の適用例3に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例3に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
【0403】
(1)通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多く、通常遊技状態においては連続時短設定回数が0回(すなわち、上限回数に到達するまでの残りが3回)となっている。
通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定される(
図51、
図52参照)。
【0404】
ここで、上述のように通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定されると、第2低確率時短遊技状態が設定されるため、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
また、第2低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。当該当否抽選では、上述の如く、大当たりの当選(大当たり図柄X2の決定)又は小当たりの当選(小当たり図柄Y1の決定)のいずれかの抽選結果が導出される。そして、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2が決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後には第2低確率時短遊技状態が再設定され(
図51、
図52参照)、連続時短設定回数が1回増える(上限回数に到達するまでの残りが1回減る)。したがって、第2低確率時短遊技状態が設定された後は、連続時短設定回数が上限回数に至るまで連続して特別遊技が実行されることとなる。
【0405】
すると、上述のように、通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、当該大当たり図柄X1の決定に基づき連続時短設定回数が1回となるため、その後、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が2回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。
なお、上述の如く、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は1個に設定されており、大当たり図柄X2や小当たり図柄Y1の決定に基づく変動中には第2始動入賞口16へ遊技球が入球して第2特図乱数が1個保留記憶される。そのため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が2回決定され、強制的に通常遊技状態が設定されても、この時点で保留記憶されている1個の第2特図乱数に基づきさらに1回大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、当該決定に基づく特別遊技が実行されることとなる。なお、通常遊技状態において大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態に設定されるため(
図51、
図52参照)、上述の特別遊技の終了後は、特別遊技の実行前と変わらずそのまま通常遊技状態となる。
【0406】
このように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数が0回である通常遊技状態において大当たりに当選した場合には、再度、通常遊技状態が設定されるまでの間に計2回(保留記憶されていた第2特図乱数による大当たり又は小当たりに基づいて実行される特別遊技を含めると計3回)の特別遊技が実行されることとなる。
【0407】
(2)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
(1)に対して、通常遊技状態における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選においてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が第1低確率時短遊技状態に設定される(
図51、
図52参照)。すると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
この第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)では引き続き、第1遊技領域12aへ遊技球が打ち出される。そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定されるため(
図51、
図52参照)、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
【0408】
すると、第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、その後、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が1回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。
すなわち、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数が1回となっている第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選した場合には、再度、通常遊技状態が設定されるまでの間に1回(保留記憶されていた第2特図乱数による大当たり又は小当たりに基づいて実行される特別遊技を含めると計2回)の特別遊技が実行されることとなる。
【0409】
(3)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
また、通常遊技状態中のハズレ図柄Z1の決定に基づき第1低確率時短遊技状態(連億時短設定回数が1回)が設定された場合、当該第1低確率時短遊技状態においてさらにハズレ図柄Z1が決定されると、当該決定後の遊技状態が第1低確率時短遊技状態に再設定される(
図51、
図52参照)。すると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
そして、この第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回のとき)に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X1が決定されると、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が3回(上限回数に到達するまでの残りが0回)となる。
すると、大当たり図柄X1が決定されたにもかかわらず、連続時短設定回数が上限回数である3回に到達したため、当該決定に基づく特別遊技の終了後は第2低確率時短遊技状態が設定されることなく、強制的に通常遊技状態が設定される。
すなわち、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数が2回となっている第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選した場合には、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別遊技が実行されることなく、再度、通常遊技状態が設定されることとなる。
【0410】
なお、上述の第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回のとき)に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定されると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が3回(上限回数に到達するまでの残りが0回)となるため、当該決定後は、強制的に通常遊技状態が設定される(
図51、
図52参照)。そして、上述の(1)~(3)が繰り返されることとなる。
【0411】
このように、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態において、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されることに基づいて、第1低確率時短遊技状態が設定され、連続時短設定回数が更新される。すると、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態で第1低確率時短遊技状態が設定された回数に応じ、第2低確率時短遊技状態が設定された時点において、連続時短設定回数の上限回数に到達するまでの残りの回数が変化する。これにより、第2低確率時短遊技状態中(再度、通常遊技状態が設定されるまでの間)において、連続して特別遊技が実行される回数が変化することとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
【0412】
なお、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に必ず、大当たり又は小当たりの当選となるように設定する必要はなく、所定の決定確率でハズレとなるように設定してもよい。
【0413】
(他の適用例4)
(構成及び制御の概要)
他の適用例4に係るパチンコ機Pも、いわゆる1種2種混合のパチンコ機であって、遊技盤11の構成、当該遊技盤11に設置されている装置や部材、設定される遊技状態、及び、各遊技状態中に遊技球を打ち出す遊技領域12は全て、他の適用例3と同一となっている。
【0414】
また、
図53に示すように、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、他の適用例3と同様に、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には大当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定されるようになっている。すなわち、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中(左打ち中)は、大当たりの当選(大当たり図柄X1の決定)に基づいて特別遊技が実行される。
なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されている。また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第1特図乱数の保留の上限数(第1保留数の上限数)は2個に設定されている。なお、第1特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
【0415】
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に4回のラウンド遊技が実行され、約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
また、
図53に示すように、大当たり図柄X1が決定された際、後述する連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
【0416】
また、
図53に示すように、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選においてハズレとなった場合には、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されるようになっている。ハズレ図柄Z1の決定確率はおよそ1/50、ハズレ図柄Z2の決定確率はおよそ49/50に設定されている。
そして、ハズレ図柄Z1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定後に第1低確率時短遊技状態(時短回数は10000回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該決定後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第1低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
【0417】
これに対して、ハズレ図柄Z2が決定された際には、時短遊技状態が設定されないようになっている。すなわち、通常遊技状態中にハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も通常遊技状態が継続し、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も第1低確率時短遊技状態が継続する。
【0418】
また、
図53に示すように、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には大当たり又は小当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X2又はX3が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1又はY2が決定されるようになっている。すなわち、第2低確率時短遊技状態中(右打ち中)は、大当たりに当選するか(大当たり図柄X2又はX3が決定されるか)、又は、小当たりの当選(小当たり図柄Y1又はY2の決定)に基づいて実行される小当たり遊技を介して、特別遊技が実行される。
【0419】
なお、
図53に示すように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されており、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における小当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ299/300に設定されている。すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、当否抽選において大当たりの当選又は小当たりの当選のいずれかが決定され、ハズレが決定されることはない。したがって、他の適用例3に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、必ず特別遊技が実行されることとなる。
【0420】
また、
図53に示すように、大当たりの当選時における大当たり図柄X2の決定確率及び大当たり図柄X3の決定確率はいずれも、1/2となっている。同様に、小当たりの当選時における小当たり図柄Y1の決定確率及び小当たり図柄Y2の決定確率はいずれも、1/2となっている。
また、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は2個に設定されている。なお、第2特図乱数の保留の上限数はこれに限定されるものではない。
【0421】
そして、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合、及び、小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく特別遊技中に4回のラウンド遊技が実行され、約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
【0422】
また、
図53に示すように、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び第2低確率時短遊技状態のいずれであったときも、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が設定(第2低確率時短遊技状態中においては再設定)されることとなる。
【0423】
これに対して、
図53に示すように、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された際、連続時短設定回数が上限回数に到達していない場合には、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定され、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。一方、連続時短設定回数が上限回数に到達していた場合には、当該特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
すなわち、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定され、連続時短設定回数が上限回数に到達していなかったときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が再設定されることとなる。
【0424】
また、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、連続時短設定回数の上限回数が3回に設定されている。当該パチンコ機Pでは、上述の如く、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定されると第1低確率時短遊技状態が設定され、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定され、第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されると第2低確率時短遊技状態が設定されることから、これらいずれかの決定が連続時短設定回数としてカウントされることとなる。そして、これらの決定が3回連続して行われると、連続時短設定回数は上限回数に到達することとなるため、上述の大当たり図柄又は小当たり図柄の決定に基づく特別遊技の終了後、上述のハズレ図柄の決定後は、強制的に通常遊技状態が設定される。
【0425】
また、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、普図保留数の上限値は0個に設定されており、遊技球がゲート20を通過することにより普図保留が行われることはない。そして、上述のように設定された第2低確率時短遊技状態は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく変動開始時に終了し、その後、通常遊技状態が設定されるようになっている。
ここで、たとえば、通常遊技状態や第1低確率時短遊技状態から特別遊技の実行を経て第2低確率時短遊技状態へ移行した際等、第2特図乱数が保留記憶されていない状態で第2低確率時短遊技状態が設定されることがある。この場合には、遊技球がゲート20を通過することで第2始動入賞口16が開放され、この開放中の第2始動入賞口16へ1個目の遊技球が入球し当該入球に基づいて変動が開始されると、当該第2低確率時短遊技状態が終了する。ただし、変動開始時にはまだ第2始動入賞口16が開放されているため、この間に第2始動入賞口16へ遊技球が入球することで、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶されることとなる。
【0426】
また、上述の如く、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいては必ず大当たり又は小当たりの当選となるため、当該当選に基づく特別遊技の終了後は、第2特図乱数が保留記憶された状態で第2低確率時短遊技状態が設定されることがある。この場合には、第2低確率時短遊技状態が設定されると直ちに、保留記憶されていた第2特図乱数に基づく統治抽選(抽選結果は大当たり又は小当たり)が行われて変動が開始されるため、当該第2低確率時短遊技状態の設定後、すぐに当該第2低確率時短遊技状態が終了する。したがって、上述の特別遊技の終了後に遊技球がゲート20を通過しても、既に第2低確率時短遊技状態が終了していることから、第2始動入賞口16は開状態に極めて維持されにくく、第2始動入賞口16へ遊技球が入球することはないようになっている。
【0427】
なお、保留記憶されていた最後の第2特図乱数に基づいて当否抽選が行われると、再度、第2特図乱数が保留記憶されていない状態で第2低確率時短遊技状態が設定される。この場合は、上述と同様の処理が行われることとなる。
【0428】
(他の適用例4に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例4に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
【0429】
(1)通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多く、通常遊技状態においては連続時短設定回数が0回(すなわち、上限回数に到達するまでの残りが3回)となっている。
通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定される(
図53、
図54参照)。
【0430】
ここで、上述のように通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定されると、第2低確率時短遊技状態が設定されるため、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
また、第2低確率時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第2始動入賞口16へのみ入球する可能性があるため、当該遊技状態中には第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。
なお、上述のように第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、第2特図乱数は保留記憶されていない。そのため、当該第2低確率時短遊技状態が設定された後に第2始動入賞口16が開放され、当該開放中の第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球に基づく当否抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶される。
【0431】
そして、上述の当否抽選では、上述の如く、大当たりの当選に基づく大当たり図柄X2の決定、大当たりの当選に基づく大当たり図柄X3の決定、小当たりの当選に基づく小当たり図柄Y1の決定、又は、小当たりの当選に基づく小当たり図柄Y2の決定のいずれかの抽選結果が導出される。第2低確率時短遊技状態中には、上述のいずれの図柄が決定された場合にも、当該決定に基づく特別遊技の終了後には第2低確率時短遊技状態が再設定され(
図53、
図54参照)、連続時短設定回数が1回増える(上限回数に到達するまでの残りが1回減る)。したがって、第2低確率時短遊技状態が設定された後は、連続時短設定回数が上限回数に至るまで連続して特別遊技が実行されることとなる。
【0432】
すると、上述のように、通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、当該大当たり図柄X1の決定に基づき連続時短設定回数が1回となるため、その後、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが2回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。また、強制的に通常遊技状態が設定されたことで、連続時短設定回数はリセットされ0回となる。
【0433】
なおここで、上述の如く、第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、最初の当否抽選及び変動に用いられる第2特図乱数の他、2個の第2特図乱数が保留記憶される。そのため、上述の図柄が2回決定され、強制的に通常遊技状態が設定された時点では、残り1個の第2特図乱数が保留記憶されていることとなる。
すると、この保留記憶されていた最後1個の第2特図乱数に基づいて当否抽選が行われ、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが決定される。ここで、当該抽選の時点では通常遊技状態が設定されているため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、再度、第2低確率時短遊技状態が設定され(
図53、
図54参照)、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。これに対して、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、通常遊技状態が設定される(
図53、
図54参照)。
【0434】
そして、上述の当否抽選が行われたことで、第2特図乱数は保留記憶されていない状態となるため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1の決定に基づき第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、再度、第2始動入賞口16が開放され、当該開放中の第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球に基づく当否抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶されることとなる。
これにより、再度、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが2回決定されるまで連続して特別遊技が実行されることとなる。
【0435】
一方、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されて、通常遊技状態が設定された場合には、当該通常遊技状態から再度大当たりの当選(大当たり図柄X2の決定)、及び、当該当選に基づく第2低確率時短遊技状態への移行を目指すこととなる。
【0436】
このように、通常遊技状態(連続時短設定回数が0回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合には、その後、通常遊技状態に移行した際に残っている最後1個の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されない限り、第2低確率時短遊技状態が繰り返し設定され、特別遊技が連続して実行され続けることとなる。
たとえば、1回目に通常遊技状態に移行した際に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されると、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計4回の特別遊技が実行されることとなる。また、1回目に通常遊技状態に移行した際に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、2回目に通常遊技状態に移行した際に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2が決定されると、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計7回の特別遊技が実行されることとなる。
【0437】
(2)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
(1)に対して、通常遊技状態における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選においてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定後の遊技状態が第1低確率時短遊技状態に設定される(
図53、
図54参照)。すると、当該ハズレ図柄Z1の決定に基づき、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
この第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)では引き続き、第1遊技領域12aへ遊技球が打ち出される。そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が第2低確率時短遊技状態に設定されるため(
図53、
図54参照)、当該大当たり図柄X1の決定に基づき、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
また、(1)の場合と同様に、第2低確率時短遊技状態の設定後には、第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球しこれに基づいて当否抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数の2個まで保留記憶される。
【0438】
そして、上述のように、通常遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)において大当たり図柄X1が決定され第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、当該大当たり図柄X1の決定に基づき連続時短設定回数が2回となるため、その後、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが1回決定されると、当該決定に基づく特別遊技の終了後は強制的に通常遊技状態が設定される。また、強制的に通常遊技状態が設定されたことで、連続時短設定回数はリセットされ0回となる。
【0439】
(イ)強制的に設定された通常遊技状態において、先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合
なおここで、上述のように第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、最初の当否抽選及び変動に用いられる第2特図乱数の他、2個の第2特図乱数が保留記憶される。そのため、上述の図柄が1回決定され、強制的に通常遊技状態が設定された時点では、残り2個の第2特図乱数が保留記憶されていることとなる。
すると、この保留記憶されていた2個のうちの先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて当否抽選が行われ、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれかが決定される。ここで、当該抽選の時点では通常遊技状態が設定されているため、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、(1)の場合と同様に、再度、第2低確率時短遊技状態が設定され(
図53、
図54参照)、連続時短設定回数が1回(上限回数に到達するまでの残りが2回)となる。
そして、この時点において、残り1個の第2特図乱数が保留記憶されているため、この最後の1個の第2特図乱数に基づいて上述のいずれかの図柄が決定され、再度、第2低確率時短遊技状態が設定され(
図53、
図54参照)、連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となる。
【0440】
そして、上述の当否抽選が行われたことで、第2特図乱数は保留記憶されていない状態となるため、上述のいずれかの図柄の決定に基づき第2低確率時短遊技状態が設定された場合には、再度、第2始動入賞口16が開放され、当該開放中の第2始動入賞口16への1個目の遊技球の入球に基づく当否抽選及び変動が行われ、さらに、第2始動入賞口16への2~3個目の遊技球の入球に基づき、第2特図乱数が上限数である2個まで保留記憶されることとなる。
上述の如く、この時点では連続時短設定回数が2回(上限回数に到達するまでの残りが1回)となっているため、上述の1個目の遊技球の入球に基づく当否抽選で、大当たり図柄X2、大当たり図柄X3、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2のいずれか決定されると、強制的に通常遊技状態が設定されることとなり、上述と同様の状況となる。
【0441】
(ロ)強制的に設定された通常遊技状態において、先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合
これに対して、上述のように強制的に通常遊技状態が設定され、この時点で保留記憶されていた2個のうちの先に保留記憶された第2特図乱数に基づいて、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、当該決定に基づいて、再度、通常遊技状態が設定される(
図53、
図54参照)。
そして、この時点において、残り1個の第2特図乱数が保留記憶されているため、この最後の1個の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、再度、第2低確率時短遊技状態が設定されることとなり(
図53、
図54参照)、上述の(1)と同様の状況となる。
一方、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、引き続き、通常遊技状態が設定されることとなり(
図53、
図54参照)、この場合も上述の(1)と同様の状況となる。
【0442】
このように、通常遊技状態(連続時短設定回数が1回のとき)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合には、その後、通常遊技状態に移行した際に残っている2個の第2特図乱数のいずれについても、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されない限り、第2低確率時短遊技状態が繰り返し設定され、特別遊技が連続して実行され続けることとなる。
たとえば、1回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目及び2個目の第2特図乱数いずれについても大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計4回の特別遊技が実行されることとなる。また、1回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、2回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目及び2個目の第2特図乱数いずれについても大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計7回の特別遊技が実行されることとなる。
また、1回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、2回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目の第2特図乱数に基づいて大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定され、3回目に通常遊技状態に移行した際に保留記憶されていた1個目及び2個目の第2特図乱数いずれについても大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技から上述の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技まで、計10回の特別遊技が実行されることとなる。
【0443】
(3)第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回)において大当たりに当選し第2低確率時短遊技状態が設定される場合
他の適用例3に係るパチンコ機Pと同様に、連続時短設定回数が2回となっている第1低確率時短遊技状態において大当たりに当選した場合には、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別遊技が実行されることなく、再度、通常遊技状態が設定されることとなる。
また、上述の第1低確率時短遊技状態(連続時短設定回数が2回のとき)に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づきハズレ図柄Z1が決定された場合も、他の適用例3に係るパチンコ機Pと同様に、当該決定後は、強制的に通常遊技状態が設定され(
図53、
図54参照)、上述の(1)~(3)が繰り返されることとなる。
【0444】
このように、他の適用例4に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態において、大当たりの当選及び特別遊技の実行を介することなく特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されることに基づいて、第1低確率時短遊技状態が設定され、連続時短設定回数が更新される。また、第2低確率時短遊技状態から特別遊技を経て通常遊技状態へ移行した場合には、当該時点で保留記憶されていた残りの第2特図乱数に基づいて所定の大当たり図柄(大当たり図柄X2)又は小当たり図柄(小当たり図柄Y1)が決定されると、再度、第2低確率時短遊技状態が設定される。すると、通常遊技状態又は第1低確率時短遊技状態で第1低確率時短遊技状態が設定された回数に応じ、第2低確率時短遊技状態が設定された時点において、連続時短設定回数の上限回数に到達するまでの残りの回数が変化するとともに、通常遊技状態へ移行した時点での抽選結果に応じて第2低確率時短遊技状態への再移行が可能となるため、第2低確率時短遊技状態中(再度、通常遊技状態が設定されるまでの間)において、連続して特別遊技が実行される回数が変化することとなり、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
【0445】
なお、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に必ず、大当たり又は小当たりの当選となるように設定する必要はなく、所定の決定確率でハズレとなるように設定してもよい。
また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球してハズレが決定された場合には必ず、第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が設定される特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定されるようにしてもよい。
また、第1始動入賞口15へ遊技球が入球して大当たりの当選となった場合には、通常遊技状態が設定される大当たり図柄が決定され得るようにしてもよい。
また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)の決定に基づいて、第1時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)が設定されるようにするのではなく、第1始動入賞口15への遊技球の入球により第1時短遊技状態が設定される特定の大当たり図柄や小当たり図柄を設け、当該特定の大当たり図柄や小当たり図柄の決定に基づいて、第1時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
【0446】
(他の適用例5)
(構成及び制御の概要)
他の適用例5に係るパチンコ機Pも、いわゆる1種2種混合のパチンコ機である。この他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、
図55に示すように、遊技領域12の中央下部に遊技球が入球可能な普図始動口70が設けられている。この普図始動入賞口70へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみが進入可能となっている。
【0447】
また、普図始動口70の左下方には、遊技球が進入可能な進入装置80が設けられている。この進入装置80は、
図55に示すように、遊技球が入球可能な入球口81と、入球口81を開閉する開閉扉82(普通電動役物)と、入球口81から入球した遊技球が流下可能な第1流下通路83及び第2流下通路84と、第1位置又は第2位置に変位可能であって、第1位置にあるときに入球口81から入球した遊技球を第1流下通路83へ振り分け、第2位置にあるときに入球口81から入球した遊技球を第2流下通路84へ振り分ける振り分け部材85と、第1流下通路83を流下する遊技球が通過可能な第1ゲート86と、第2流下通路84を流下する遊技球が通過可能な第2ゲート87と、第1ゲート86及び第2ゲート87を通過した遊技球を遊技盤11の背面へ排出する排出口(特に図示しておらず)とを備えている。
また、
図55に示すように、遊技領域12の左部中央には、開閉可能な開閉扉90を備えた第1始動入賞口15と、開閉可能な開閉扉91を備えた第2始動入賞口16とが並設されている。また、遊技領域12の左下部には、他の適用例3及び他の適用例4と同一の構成のアタッカー装置17が設けられている。
【0448】
また、この他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、他の適用例3及び他の適用例4と同様に、通常遊技状態、第1低確率時短遊技状態又は第2低確率時短遊技状態のいずれかが設定されるが、いずれの遊技状態においても、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)が指示されるようになっている。
そして、第1遊技領域12aを流下する遊技球が普図始動口70へ入球すると普通図柄の抽選が行われ、当該抽選の結果が当たりとなると、開閉扉82が開き、進入装置80の入球口81へ遊技球が入球可能となるとともに、振り分け部材85が第1位置又は第2位置へ停留することで、入球口81から入球した遊技球が第1流下通路83又は第2流下通路84へ導かれる。遊技球がいずれの流下通路へ導かれるかは、設定されている遊技状態に応じて予め定められている。
【0449】
また、第1流下通路83へ導かれた遊技球が第1ゲート86を通過すると、開閉扉90が開き(第2始動入賞口16が開放され)第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となる。そして、第2始動入賞口16へ2個の遊技球が入球すると、開閉扉90が閉じる。他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第1特図乱数の保留の上限数(第1保留数の上限数)は1個に設定されている。
また、第2流下通路84へ導かれた遊技球が第2ゲート87を通過すると、開閉扉91が開き(第1始動入賞口15が開放され)第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となる。そして、第2始動入賞口16へ2個の遊技球が入球すると、開閉扉91が閉じる。他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に記憶可能な第2特図乱数の保留の上限数(第2保留数の上限数)は1個に設定されている。
【0450】
また、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、
図56に示すように、非時短遊技状態中(通常遊技状態中)の普通図柄の抽選において当たりとなる確率はおよそ1/150に設定されており、当たりとなった場合の開閉扉82の開放時間は1.8秒(=0.9秒×2回)となっている。そして、非時短遊技状態中に普通図柄の抽選において当たりとなると、振り分け部材85が第2位置に停留するようになっており、これにより入球口81から入球した遊技球が第2ゲート87を通過することで第2始動入賞口16が開放される。
【0451】
また、
図56に示すように、第1時短遊技状態中(第1低確率時短遊技状態中)の普通図柄の抽選において当たりとなる確率はおよそ1/2に設定されており、当たりとなった場合の開閉扉82の開放時間は1.8秒(=0.9秒×2回)となっている。そして、第1時短遊技状態中に普通図柄の抽選において当たりとなると、振り分け部材85が第1位置に停留するようになっており、これにより入球口81から入球した遊技球が第1ゲート86を通過することで第1始動入賞口15が開放される。
【0452】
また、
図56に示すように、第2時短遊技状態中(第2低確率時短遊技状態中)の普通図柄の抽選において当たりとなる確率はおよそ1/1.1に設定されており、当たりとなった場合の開閉扉82の開放時間は1.8秒(=0.9秒×2回)となっている。そして、第2時短遊技状態中に普通図柄の抽選において当たりとなると、振り分け部材85が第2位置に停留するようになっており、これにより入球口81から入球した遊技球が第2ゲート87を通過することで第2始動入賞口16が開放される。
【0453】
また、
図56に示すように、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、他の適用例3及び適用例4と同様に、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には大当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z1が決定されるようになっている。なお、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されている。
そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約1000個の遊技球を獲得できるようになっている。
【0454】
また、
図56に示すように、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び時短遊技状態(第1低確率時短遊技状態)のいずれであっても、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。
また、ハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。これに対して、当該決定時点の遊技状態が第1低確率時短遊技状態であったときには、時短遊技状態の設定は行われない。すなわち、第1低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z1が決定された場合には、当該決定後も第1低確率時短遊技状態が継続する。
【0455】
また、
図56に示すように、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には大当たり又は小当たりに当選可能であって、大当たりに当選すると大当たり図柄X2又はX3が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1又はY2が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z2が決定されるようになっている。
そして、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、大当たりに当選するか(大当たり図柄X2又はX3が決定されるか)、又は、小当たりの当選(小当たり図柄Y1又はY2の決定)に基づいて実行される小当たり遊技を介して、特別遊技が実行される。
【0456】
なお、
図56に示すように、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における大当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ1/300に設定されており、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合における小当たりの当選の確率は、遊技状態にかかわらず、およそ149/300に設定されている。すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に大当たり又は小当たりに当選し特別遊技が実行される確率は、およそ1/2となっている。
また、
図56に示すように、大当たりの当選時における大当たり図柄X2の決定確率及び大当たり図柄X3の決定確率はいずれも、1/2となっている。同様に、小当たりの当選時における小当たり図柄Y1の決定確率及び小当たり図柄Y2の決定確率はいずれも、1/2となっている。
そして、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合、及び、小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合にはいずれも、当該決定に基づく特別遊技中に10回のラウンド遊技が実行され、約400個の遊技球を獲得できるようになっている。
【0457】
また、
図56に示すように、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定され、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときに、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定される。
これに対して、
図56に示すように、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態及び第2低確率時短遊技状態のいずれであったときも、当該決定に基づく特別遊技の終了後に第2低確率時短遊技状態(時短回数は100回)が設定される。すなわち、通常遊技状態中又は第2低確率時短遊技状態中に大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定されたときには、当該第2低確率時短遊技状態及び時短回数が設定(第2低確率時短遊技状態中においては再設定)されることとなる。
【0458】
また、
図56に示すように、ハズレ図柄X2が決定された場合には、当該決定時点の遊技状態が通常遊技状態であったときに、当該決定後に第1低確率時短遊技状態(時短回数は999回)が設定される。これに対して、当該決定時点の遊技状態が第2低確率時短遊技状態であったときには、時短遊技状態の設定は行われない。すなわち、第2低確率時短遊技状態中にハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も第2低確率時短遊技状態が継続する。
【0459】
(他の適用例5に係るパチンコ機Pの遊技性)
他の適用例5に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、第1低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第1時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、第2低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び第2時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
【0460】
工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
通常遊技状態中は、遊技球が普図始動入賞口70へ遊技球が入球可能となっており、当該普図始動入賞口70への遊技球の入球に基づく普通図柄の抽選が行われる。この普通図柄の抽選において当たりとなると、上述の如く、開閉扉82が開放されて進入装置70内へ入球した遊技球が第2ゲート87を通過可能となり、当該ゲートを遊技球が通過することで第2始動入賞口16が開放される。そして、開放された第2始動入賞口16へ遊技球が1個入球すると、第2始動入賞口16は閉鎖されるようになっており、入球した当該遊技球に基づいて当否抽選が1回行われる。
この当否抽選において、大当たりに当選すると大当たり図柄X1が決定され、当該決定に基づく特別遊技の終了後には第2低確率時短遊技状態(時短回数100回)が設定される(
図56、
図57参照)。これに対して、ハズレとなるとハズレ図柄Z1が決定され、当該決定後には第1低確率時短遊技状態(時短回数999回)が設定される(
図56、
図57参照)。
【0461】
(1)第2低確率時短遊技状態が設定された場合
第2低確率時短遊技状態中も、通常遊技状態中と同様に、遊技球が普図始動入賞口70へ遊技球が入球可能となっており、当該普図始動入賞口70への遊技球の入球に基づく普通図柄の抽選において当たりとなると、開閉扉82が開放されて進入装置70内へ入球した遊技球が第2ゲート87を通過可能となり、当該ゲートを遊技球が通過することで第2始動入賞口16が開放される。そして、開放された第2始動入賞口16へ遊技球が1個入球すると、第2始動入賞口16は閉鎖され、入球した当該遊技球に基づいて当否抽選が1回行われる。
【0462】
この当否抽選において、大当たりに当選すると大当たり図柄X2又はX3が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y1又はY2が決定され、ハズレとなるとハズレ図柄Z2が決定される(
図56、
図57参照)。そして、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y2が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、再度、第2低確率時短遊技状態が設定される(
図56、
図57参照)。これに対して、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、通常遊技状態が設定される(
図56、
図57参照)。また、ハズレ図柄Z2が決定された場合には、当該決定後も第2低確率時短遊技状態が継続する(
図56、
図57参照)。
【0463】
なお、第2低確率時短遊技状態の時短回数は100回に設定されているため、大当たりに当選することなく上述の当否抽選が100回行われると第2低確率時短遊技状態が終了することとなる。しかし、第2低確率時短遊技状態中は頻繁に第2始動入賞口16が開放されるとともに、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選においては、大当たり又は小当たりに当選する確率がおよそ1/2に設定されているため、実質的には、大当たり又は小当たりに再度当選するまで、第2低確率時短遊技状態が継続する。
そして、第2低確率時短遊技状態が設定されると、上述の当否抽選において大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1が決定されない限り、大当たり又は小当たりの当選に基づく特別遊技を介して、第2低確率時短遊技状態が繰り返し設定されることとなる。
【0464】
一方、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y1の決定に基づいて、当該決定に基づく特別遊技の終了後に通常遊技状態が設定されると、上述と同様に、普通図柄の抽選において当たりとなることにより第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選が行われる。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、再度、第2低確率時短遊技状態(時短回数100回)が設定され、ハズレ図柄Z1が決定された場合には、第1低確率時短遊技状態が設定される。
【0465】
(2)第1低確率時短遊技状態が設定された場合
上述のように、通常遊技状態においてハズレ図柄Z1が決定されると、第1低確率時短遊技状態が設定される。
第1低確率時短遊技状態中も、通常遊技状態中や第2低確率時短遊技状態中と同様に、遊技球が普図始動入賞口70へ遊技球が入球可能となっているが、当該普図始動入賞口70への遊技球の入球に基づく普通図柄の抽選において当たりとなると、開閉扉82が開放されて進入装置70内へ入球した遊技球は第1ゲート86を通過可能となり、当該ゲートを遊技球が通過することで第1始動入賞口15が開放される。そして、開放された第1始動入賞口15へ遊技球が2個入球すると、第1始動入賞口15は閉鎖されるようになっており、先に入球した遊技球に基づいて当否抽選及び変動が行われ、後に入球した遊技球に基づいて取得された第1特図乱数は保留記憶される。また、実行中の変動が終了すると、引き続き、保留記憶された第1特図乱数に基づく当否抽選及び変動が行われる。
【0466】
そして、上述の第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選において、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、第2低確率時短遊技状態が設定される(
図56、
図57参照)。第2低確率時短遊技状態が設定された後の遊技の流れは、(1)と同様である。
これに対して、上述の当否抽選において、ハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合には、時短遊技状態の設定は行われることなく、このまま第1低確率時短遊技状態が継続する。また、当否抽選が1回行われることにより、第1低確率時短遊技状態における時短回数の残り回数が1減少することとなる。
【0467】
ここで、第1低確率時短遊技状態中は、普通図柄の抽選における当たりの決定による第1始動入賞口15の開放中に2個の遊技球が入球することから、第1特図乱数が1個保留記憶された状態が維持されるようになっている。また、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、上述のように、第1低確率時短遊技状態における時短回数が奇数回数である999回に設定される。すると、第1低確率時短遊技状態中に大当たりに当選することなく当否抽選が999回行われると、当該第1低確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定されるが(
図57参照)、この時点では第1特図乱数が1個保留記憶されていることとなる。
そして、通常遊技状態が設定された時点で保留記憶されていた第1特図乱数に基づいて当否抽選が行われ、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の終了後に、第2低確率時短遊技状態が設定される(
図56、
図57参照)。さらに、上述の当否抽選においてハズレとなりハズレ図柄Z1が決定された場合にも、当該決定後に、第2低確率時短遊技状態が設定される(
図56、
図57参照)。
すなわち、第1低確率時短遊技状態が設定された後に、大当たりに当選することなく当否抽選が999回行われると、その後の遊技状態が必ず、遊技者にとって有利度の高い第2低確率時短遊技状態に設定されることとなる。
【0468】
以上のように、他の適用例5に係るパチンコ機Pでは、所定の遊技状態(第1低確率時短遊技状態)において大当たりに当選することなく当否抽選が所定回数行われると、その次に実行される当否抽選において、特定の大当たり図柄(大当たり図柄X1)が決定された場合、及び、特定のハズレ図柄(ハズレ図柄Z1)が決定された場合のいずれであっても、遊技者にとって有利度の高い特定の遊技状態(第2低確率時短遊技状態)が設定されるようになっている。これにより、特定の遊技状態へ移行するまでの当否抽選の回数の上限(いわゆる天井)を設けることができ、遊技者の興趣を高める斬新な遊技性を付与可能となる。
なお、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいてハズレとなった場合には、第1低確率時短遊技状態(時短回数999回)が設定される旨が定められたハズレ図柄Z2のみが決定されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、第2低確率時短遊技状態(時短回数100回)が設定される旨が定められたハズレ図柄Z1が決定され得るようにしてもよい。
【0469】
なお、上述の実施の形態、変形例、他の適用例の各種設定や制御は、矛盾の生じない範囲内で互いに組み合わせて構成してもよい。
また、上述の実施の形態における第1始動入賞口や第2始動入賞口へ遊技球が入球したことは、本発明の所定契機に相当する。また、上述の実施の形態における当否乱数は、本発明の抽選情報に相当する。また、上述の実施の形態における特別遊技は、本発明の有利遊技に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ851~ステップ852の処理を実行するメインCPU101は、本発明の決定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1115の処理を実行するメインCPU101は、本発明の遊技状態設定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。
【符号の説明】
【0470】
P パチンコ機
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM