(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】遠隔操作端末、プログラム、遠隔制御装置及び遠隔操作システム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20231019BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20231019BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
H04Q9/00 331A
G06F3/0481
H04L12/28 500G
H04Q9/00 301D
(21)【出願番号】P 2019231379
(22)【出願日】2019-12-23
【審査請求日】2022-08-10
(31)【優先権主張番号】P 2019001259
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 正史
(72)【発明者】
【氏名】丸谷 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】金山 将也
(72)【発明者】
【氏名】中川 達也
(72)【発明者】
【氏名】神田 博紀
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-142907(JP,A)
【文献】特開2015-149710(JP,A)
【文献】特開2018-019313(JP,A)
【文献】特開2015-115649(JP,A)
【文献】特開2015-176172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
G06F 3/0481
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔操作対象として登録済みの機器に対応づけられた仮想的な操作部であって、前記操作部が個別に対応づけられている機器に対する操作入力を受け付ける複数の前記操作部と、
前記操作部が表示部に表示される態様を自装置の位置に応じて変更する
とともに、予め他の遠隔操作端末の操作対象として登録されている機器の操作部の自装置における表示態様を前記他の遠隔操作端末の位置に応じて変更する表示制御部と、
を備える遠隔操作端末。
【請求項2】
登録済みの機器と自装置との距離を測定する距離測定部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記操作部が表示部に表示される態様を自装置と前記機器との距離に応じて変更する、
請求項1に記載の遠隔操作端末。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記操作部が表示部に表示される態様を、予め定められた特定の位置と自装置の位置との距離に応じて変更する、
請求項1に記載の遠隔操作端末。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記操作部が表示部に表示される態様を、予め定められた特定の位置と他の遠隔操作端末の位置との距離に応じて変更する、
請求項1に記載の遠隔操作端末。
【請求項5】
登録済みの機器に対応した前記操作部を所定の機器グループに分類する機器分類部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記機器グループに所属する1以上の機器をまとめて操作するための操作入力を受け付ける一括操作画面を表示させる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の遠隔操作端末。
【請求項6】
前記表示制御部は、特定の操作入力を受け付けた場合に
、前記操作部
、又は
、前記登録済みの機器を所定の機器グループごとにまとめて操作するための操作入力を受け付ける一括表示画面の表示の態様を変更する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の遠隔操作端末。
【請求項7】
前記操作部は、アプリケーションの実行によって生成され、
前記表示制御部は、前記操作部の生成時における表示の態様を、前記機器と自装置との距離に応じて変更する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の遠隔操作端末。
【請求項8】
前記表示制御部は、予め他の遠隔操作端末の操作対象として登録されている機器の操作部の自装置における表示態様を自装置の位置に応じて変更する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の遠隔操作端末。
【請求項9】
遠隔操作対象として登録済みの機器に対応づけられた仮想的な操作部であって、前記操作部が個別に対応づけられている機器に対する操作入力を受け付ける複数の前記操作部と、
前記操作部が表示部に表示される態様を自装置の位置に応じて変更する
とともに、予め他の遠隔操作端末の操作対象として登録されている機器の操作部の自装置における表示態様を前記他の遠隔操作端末の位置に応じて変更する表示制御部と、
を備える遠隔操作端末としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
遠隔操作端末と通信可能な遠隔制御装置であって、
遠隔操作対象として登録済みの機器に対応づけられた仮想的な操作部であって、前記操作部が個別に対応づけられている機器に対する操作入力を受け付ける複数の前記操作部を前記遠隔操作端末の表示部に表示させる制御部を備え、
前記制御部は、前記操作部が前記表示部に表示される態様を前記遠隔操作端末の位置に応じて変更する
とともに、予め他の遠隔操作端末の操作対象として登録されている機器の操作部の前記遠隔操作端末における表示態様を前記他の遠隔操作端末の位置に応じて変更する、
遠隔制御装置。
【請求項11】
遠隔操作端末と通信可能な遠隔制御装置であって、
遠隔操作対象として登録済みの機器に対応づけられた仮想的な操作部であって、前記操作部が個別に対応づけられている機器に対する操作入力を受け付ける複数の前記操作部を前記遠隔操作端末の表示部に表示させる制御部と、
前記遠隔操作端末の位置に応じて前記遠隔操作端末に通知を送信する通知送信部と、
を備え、
前記制御部は、前記操作部が前記表示部に表示される態様を前記遠隔操作端末の位置に応じて変更し、
前記通知送信部は、前記遠隔操作端末が予め登録された所定の範囲内に位置していない場合、かつ、前記遠隔操作端末の遠隔操作対象として登録済みの機器の中に稼働中の機器が存在する場合に前記通知を送信する、
遠隔制御装置。
【請求項12】
遠隔操作端末と通信可能な遠隔制御装置に使用されるプログラムであって、
遠隔操作対象として登録済みの機器に対応づけられた仮想的な操作部であって、前記操作部が個別に対応づけられている機器に対する操作入力を受け付ける複数の前記操作部を前記遠隔操作端末の表示部に表示させる制御部を備え、
前記制御部は、前記操作部が前記表示部に表示される態様を前記遠隔操作端末の位置に応じて変更する
とともに、予め他の遠隔操作端末の操作対象として登録されている機器の操作部の前記遠隔操作端末における表示態様を前記他の遠隔操作端末の位置に応じて変更する、
前記遠隔制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項13】
遠隔操作端末と通信可能な遠隔制御装置に使用されるプログラムであって、
遠隔操作対象として登録済みの機器に対応づけられた仮想的な操作部であって、前記操作部が個別に対応づけられている機器に対する操作入力を受け付ける複数の前記操作部を前記遠隔操作端末の表示部に表示させる制御部と、
前記遠隔操作端末の位置に応じて前記遠隔操作端末に通知を送信する通知送信部と、
を備え、
前記制御部は、前記操作部が前記表示部に表示される態様を前記遠隔操作端末の位置に応じて変更し、
前記通知送信部は、前記遠隔操作端末が予め登録された所定の範囲内に位置していない場合、かつ、前記遠隔操作端末の遠隔操作対象として登録済みの機器の中に稼働中の機器が存在する場合に前記通知を送信する、
前記遠隔制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項14】
遠隔操作対象として登録済みの機器と、
前記機器の操作入力を受け付ける遠隔操作端末と、
前記操作入力に応じて前記機器の動作を制御する遠隔制御装置と、
を備え、
前記遠隔操作端末と前記遠隔制御装置とのうち少なくとも一方は、
前記機器に対応づけられた仮想的な操作部であって、前記操作部が個別に対応づけられている機器に対する操作入力を受け付ける複数の前記操作部と、
前記操作部が表示部に表示される態様を前記遠隔操作端末の位置に応じて変更する
とともに、予め他の遠隔操作端末の操作対象として登録されている機器の操作部の前記遠隔操作端末における表示態様を前記他の遠隔操作端末の位置に応じて変更する制御部と、
を備える、
遠隔操作システム。
【請求項15】
所定の機器を遠隔操作可能な遠隔操作端末であって、
任意の情報を表示可能な表示部を制御する表示制御部と、
前記表示部に表示可能であり、遠隔操作対象として登録された前記機器に関する操作入力を受け付ける複数
の操作部と、
を備え、
前記表示制御部は
、ユーザの操作によることなく、自動で、前記機器に関する所定条件が満たされたか否かを判定し、所定条件を満たす登録機器の操作部を他の操作部よりもユーザが操作しやすい態様で前記表示部に表示させる
ものであり、
前記表示制御部は、前記複数の操作部の表示に関する優先度を前記機器ごとに決定し、決定した前記優先度に応じて前記複数の操作部の表示の大きさ、形状又は色を変更する、
遠隔操作端末。
【請求項16】
所定の機器を遠隔操作可能な遠隔操作端末であって、
任意の情報を表示可能な表示部を制御する表示制御部と、
前記表示部に表示可能であり、遠隔操作対象として登録された前記機器に関する操作入力を受け付ける複数の操作部と、
を備え、
前記表示制御部は、ユーザの操作によることなく、自動で、前記機器に関する所定条件が満たされたか否かを判定し、所定条件を満たす登録機器の操作部を他の操作部よりもユーザが操作しやすい態様で前記表示部に表示させるものであり、
前記表示制御部は、前記機器の使用履歴に基づいて前記ユーザが前記機器を操作する時間帯を推定し、推定した時間帯において高優先となるように前記機器ごとの優先度を決定し、決定した前記優先度に基づいて前記複数の操作部の表示の態様を変更する、
遠隔操作端末。
【請求項17】
前記表示制御部は、所定の場所とその位置情報との対応関係と
、自装置の位置情報とに基づいて前記ユーザの居場所を識別し、識別した前記ユーザの居場所に基づいて前記優先度を決定する、
請求項15
または16に記載の遠隔操作端末。
【請求項18】
前記表示制御部は、前記機器と自装置との通信接続の有無に基づいて前記優先度を決定する、
請求項
15または16に記載の遠隔操作端末。
【請求項19】
前記表示制御部は、前記複数の操作部を対応する各機器の優先度に応じた表示位置に表示させる、
請求項
15から18のいずれか一項に記載の遠隔操作端末。
【請求項20】
前記複数の操作部は、前記機器から遠隔操作対象を選択する操作の入力を受け付ける機器選択画面に表示され、
前記表示制御部は、所定の優先度以上の優先度を持つ機器の前記操作部が、ユーザにより前記機器選択画面内において同時に視認され得るように、前記操作部が前記機器選択画面に表示される大きさを調整する、
請求項
15から19のいずれか一項に記載の遠隔操作端末。
【請求項21】
前記表示制御部は、各機器を前記優先度に応じた複数のグループに分類し、優先度の高い機器が分類されたグループに所属する機器の操作部を優先的に表示させる、
請求項
15から20のいずれか一項に記載の遠隔操作端末。
【請求項22】
前記表示制御部は、自装置に対するユーザの操作入力が所定時間行われない場合、前記優先度に基づき、その時点以降においてユーザによって使用される可能性の高い操作部を前記表示部に表示させる、
請求項
15から21のいずれか一項に記載の遠隔操作端末。
【請求項23】
前記表示制御部は、前記操作部を表示するアプリケーションが待機状態から実行状態に切り替わった場合、前記優先度に基づき、その時点以降においてユーザによって使用される可能性の高い操作部を前記表示部に表示させる、
請求項
15から22のいずれか一項に記載の遠隔操作端末。
【請求項24】
所定の機器を遠隔操作可能な遠隔操作端末であって、
任意の情報を表示可能な表示部を制御する表示制御部と、
前記表示部に表示可能であり、遠隔操作対象として登録された前記機器に関する操作入力を受け付ける複数
の操作部と、
を備え、
前記表示制御部は
、ユーザの操作によることなく、自動で、前記機器に関する所定条件が満たされたか否かを判定し、所定条件を満たす登録機器の操作部を他の操作部よりもユーザが操作しやすい態様で前記表示部に表示させる
ものであり、
前記表示制御部は、前記複数の操作部の表示に関する優先度を前記機器ごとに決定し、決定した前記優先度に応じて前記複数の操作部の表示の大きさ、形状又は色を変更する、
前記遠隔操作端末としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項25】
所定の機器を遠隔操作可能な遠隔操作端末であって、
任意の情報を表示可能な表示部を制御する表示制御部と、
前記表示部に表示可能であり、遠隔操作対象として登録された前記機器に関する操作入力を受け付ける複数の操作部と、
を備え、
前記表示制御部は、ユーザの操作によることなく、自動で、前記機器に関する所定条件が満たされたか否かを判定し、所定条件を満たす登録機器の操作部を他の操作部よりもユーザが操作しやすい態様で前記表示部に表示させるものであり、
前記表示制御部は、前記機器の使用履歴に基づいて前記ユーザが前記機器を操作する時間帯を推定し、推定した時間帯において高優先となるように前記機器ごとの優先度を決定し、決定した前記優先度に基づいて前記複数の操作部の表示の態様を変更する、
前記遠隔操作端末としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、遠隔操作端末、プログラム、遠隔制御装置及び遠隔操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家電機器等を操作するユーザの利便性を向上させるため、1台で複数の機器を操作することができる遠隔操作端末(いわゆるリモコン装置)が開発されている。しかしながら、従来の遠隔操作端末では、意図しない機器が操作されたり、遠隔操作端末と操作対象の機器との間で特殊なやり取りを必要とする場合があるなど、操作対象の機器(以下「対象機器」という。)を必ずしも操作性良く操作することができない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-336769号公報
【文献】特開2001-142825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、1台で複数の対象機器の操作を可能にする遠隔操作端末の操作性を向上させることができる遠隔操作端末、プログラム、遠隔制御装置及び遠隔操作システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の遠隔操作端末は、複数の操作部と、表示制御部とを持つ。複数の操作部は、遠隔操作対象として登録済みの機器に対応づけられた仮想的な操作部であって、前記操作部が個別に対応づけられている機器に対する操作入力を受け付ける。表示制御部は、前記操作部が表示部に表示される態様を自装置の位置に応じて変更する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態の遠隔操作端末を用いた遠隔操作システムの具体例を示す図。
【
図2】第1の実施形態における遠隔操作端末の機能構成の具体例を示すブロック図。
【
図3】第1の実施形態の遠隔操作端末に表示される機器選択画面の具体例を示す図。
【
図4】第1の実施形態の遠隔操作端末に表示される機器選択画面の具体例を示す図。
【
図5】第1の実施形態の遠隔操作端末に表示される機器選択画面の具体例を示す図。
【
図6】第1の実施形態の遠隔操作端末に表示される操作画面の具体例を示す図。
【
図7】第1の実施形態において遠隔操作端末が登録機器との距離に応じて各家電機器1の仮想リモコンの表示態様を変更する処理の流れを示すフローチャート。
【
図8】第2の実施形態における遠隔操作端末の機能構成の具体例を示すブロック図。
【
図9】第2の実施形態において遠隔操作端末が登録機器との距離に応じて各機器グループの仮想リモコンの表示態様を変更する処理の流れを示すフローチャート。
【
図10】第2の実施形態の遠隔操作端末に表示される機器グループの仮想リモコンの操作画面の具体例を示す図。
【
図11】第3の実施形態における遠隔操作端末の機能構成の具体例を示すブロック図。
【
図12】第3の実施形態における遠隔制御装置の機能構成の具体例を示すブロック図。
【
図13】第3の実施形態において遠隔制御装置が遠隔操作端末の位置に応じて通知を送信する処理の流れを示すフローチャート。
【
図14】第4の実施形態における遠隔制御装置の機能構成の具体例を示すブロック図。
【
図15】第4の実施形態において遠隔制御装置が遠隔操作端末の位置に応じて通知を送信する処理の流れを示すフローチャート。
【
図16】第5の実施形態における遠隔操作端末の機能構成の具体例を示すブロック図。
【
図17】第5の実施形態において優先度に基づく機器選択画面の表示態様の第1の具体例を示す図。
【
図18】第5の実施形態において優先度に基づく機器選択画面の表示態様の第2の具体例を示す図。
【
図19】第5の実施形態において優先度に基づく機器選択画面の表示態様の第3の具体例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の遠隔操作端末、プログラム、遠隔制御装置及び遠隔操作システムを、図面を参照して説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の遠隔操作端末2を用いた遠隔操作システムの具体例を示す図である。遠隔操作システム100は、遠隔操作の対象となる複数の家電機器1と、操作対象の家電機器1に対する操作入力を受け付ける遠隔操作端末2と、遠隔操作端末2に対する操作入力に応じて家電機器1に操作入力に応じた動作を指示する遠隔制御装置3と、を備える。
図1には、操作対象の家電機器1の一例として、家電機器1-1(冷蔵庫)、家電機器1-2(照明機器)、家電機器1-3(エアコン)、家電機器1-4(テレビ)、家電機器1-5(洗濯機)が示されている。家電機器1及び遠隔操作端末2は、例えば無線ルータRT、ネットワークNWを介して遠隔制御装置3と通信可能に接続される。ネットワークNWはインターネットや専用線等のWAN(Wide Area Network)であってもよいし、LAN(Local Area Network)であってもよい。
【0009】
ここで家電機器1は2つの無線通信機能を有する。1つは無線ルータRTとの間で無線通信用の電波を送受信する機能である。この機能により、家電機器1は無線ルータRTを介して遠隔制御装置3と双方向通信を行うことができる。また、もう1つは距離測定用の電波を発信する機能である。この機能により、距離測定用の電波を受信した遠隔操作端末2が各家電機器1との距離を測定することができる。なお、遠隔操作端末2が無線通信用の電波を受信可能である場合、無線通信用の電波が距離測定用の電波を兼ねてもよい。
【0010】
図2は、第1の実施形態における遠隔操作端末2の機能構成の具体例を示すブロック図である。第1の実施形態における遠隔操作端末2は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行する。遠隔操作端末2は、プログラムの実行によって第1通信部201、第2通信部202、表示部203、記憶部204、入力部205、機器登録部211及び仮想リモコン制御部212を備える装置として機能する。なお、遠隔操作端末2の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0011】
第1通信部201は、遠隔操作端末2を無線ルータRTと通信可能に接続する無線通信インタフェースである。第1通信部201が無線ルータRTと通信可能に接続されることにより、遠隔操作端末2は無線ルータRT及びネットワークNWを介して遠隔制御装置3と通信可能である。
【0012】
第2通信部202(距離測定部の一例)は、各家電機器1が送出する距離測定用の電波を受信する通信インタフェースである。第2通信部202は、距離測定用の電波を受信する機能、及び受信した電波の強度を測定する機能を有するものであればよい。そのため、第2通信部202は電波を送信する機能を有するものであってもよいし、有さないものであってもよい。例えば、第2通信部202は、各家電機器1が送出する距離測定用の電波の強度を測定することで、各家電機器1と遠隔操作端末2との距離を測定する。
【0013】
表示部203は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を含んで構成される。表示部203は、遠隔操作端末2に関する各種の情報表示を行う機能を有する。例えば、表示部203には、家電機器1の登録画面や操作画面などが表示される。登録画面は、遠隔操作端末2に対して所望の家電機器1を操作対象として登録する際に表示される画面である。また、操作画面は、登録済みの家電機器1(以下「登録機器」という。)に対する操作入力を受け付ける際に表示される画面である。
【0014】
記憶部204は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。記憶部204は自装置の動作に関する各種の設定情報を記憶する。例えば、記憶部204は、家電機器1の登録情報や、各登録機器の操作画面に関する情報(以下「画面情報」という。)等の設定情報が記憶される。
【0015】
入力部205は、キーボードやタッチパネル等の入力装置を用いて構成される。入力部205は、遠隔操作端末2に対する各種操作の入力を受け付け、その入力情報を当該操作に対応する機能部に出力する機能を有する。具体的には、入力部205は、登録画面に対する操作入力を受け付けた場合、その入力情報を機器登録部211に出力する。一方で、入力部205は、操作画面に対する操作入力を受け付けた場合、その入力情報を仮想リモコン制御部212に出力する。
【0016】
機器登録部211は、遠隔操作端末2に対して操作対象の家電機器1を登録する機能を有する。具体的には、機器登録部211は、登録画面を表示部203に表示させるとともに、その登録画面に対する入力情報に基づいて登録情報を更新する。登録情報の更新は、入力情報によって指定された家電機器1を追加するものであってもよいし、指定された家電機器1を削除するものであってもよい。
【0017】
仮想リモコン制御部212は、各登録機器の仮想リモコンを生成及び制御する機能を有する。仮想リモコンは、ソフトウェアにより生成される仮想的なリモコン装置であり、各登録機器に対して1対1に対応づけられた仮想的な操作部の一例である。また、仮想リモコンの生成とは、各登録機器のリモコンとして機能する操作部が、アプリケーションの実行によりメモリ上に生成されることを意味する。仮想リモコンの表示は登録機器に対する操作入力を受け付ける操作画面の一例である。
図2は、仮想リモコン制御部212がN(Nは1以上の整数)個の仮想リモコン#1~#Nを生成した例を示している。
【0018】
具体的には、仮想リモコン制御部212は、家電機器1に対する操作入力を受け付ける以前に各登録機器の仮想リモコンを予め生成しておき、生成した各仮想リモコンの表示の態様を、自装置(遠隔操作端末2)の位置に応じて変更する。仮想リモコンの生成に必要な情報は登録情報や画面情報等の設定情報として記憶部204等に予め記憶されているものとする。仮想リモコン制御部212は、「制御部」および「表示制御部」のそれぞれ一例である。
【0019】
例えば、仮想リモコン制御部212は、遠隔操作端末2と登録機器との距離に応じて各登録機器の仮想リモコンの表示態様を変更する。例えば、仮想リモコン制御部212は、複数の登録機器の中から自装置(遠隔操作端末2)に最も近い家電機器1を選択し、選択した家電機器1の仮想リモコンを表示部203に優先的に表示させるように構成されてもよい。例えば、仮想リモコン制御部212は、表示部203の表示を選択した家電機器1の仮想リモコンの表示に切り替えてもよいし、選択した家電機器1の仮想リモコンを他の仮想リモコンよりも大きく表示させてもよい。
【0020】
この場合、仮想リモコン制御部212は、自装置(遠隔操作端末2)と各登録機器との間の距離(又はその相関値)を示す情報(以下「距離情報」という。)を取得する必要があるが、距離情報の取得はどのような方法で実現されてもよい。例えば、仮想リモコン制御部212は他の装置から距離情報を取得するように構成されてもよいし、距離情報を生成する機能を有してもよい。一般に、受信側で観測される無線電波の強度は、その無線電波の送信側と受信側との間の距離に相関することが知られている。本実施形態における家電機器1が距離測定用の電波を発信する機能を有しているのは、各登録機器と遠隔操作端末2との間の距離を上記の相関性に基づいて測定することを可能にするためである。
【0021】
この場合、仮想リモコン制御部212は、自装置において観測される距離測定用の電波の受信強度に基づいて、自装置と各登録機器との間の距離を測定する(推定する)ことにより距離情報を生成することができる。なお、この場合、自装置において観測される距離測定用の電波の受信強度は第2通信部202によって測定可能であるものとする。また、第2通信部202は、距離測定用の電波を送信した家電機器1ごとにその受信電波強度を測定可能であるものとする。
【0022】
また、仮想リモコン制御部212は、表示中の仮想リモコンに対する操作入力の情報を入力部205から取得し、その入力情報を第1通信部201を介して遠隔制御装置3に送信する機能を有する。遠隔制御装置3では入力情報が解析され、操作入力の内容に応じた動作を各登録機器に指示する制御情報が生成される。そして生成された制御情報が遠隔制御装置3からネットワークNWを介して各登録機器に送信されることにより、遠隔操作端末2を用いた家電機器1の遠隔操作が実現される。なお、仮想リモコン制御部212は、入力情報の内容に応じて仮想リモコンの表示を更新するなどしてもよい。
【0023】
図3、
図4及び
図5は、第1の実施形態の遠隔操作端末2に表示される機器選択画面の具体例を示す図である。機器選択画面は、表示対象の仮想リモコンを選択する操作の入力を受け付ける画面である。例えば機器選択画面は仮想リモコン制御部212によって生成され、表示部203に表示される。
図3は、遠隔操作端末2に対して操作対象の家電機器1が1台も登録されていない場合における機器選択画面の例を示す。この場合、機器選択画面G1には新たな操作対象の追加を指示するためのボタンB1だけが表示された状態となる。そして、ボタンB1を選択する操作の入力に応じて新たな家電機器1を追加する登録画面が表示される。
【0024】
図4は、操作対象の家電機器1として冷蔵庫、エアコン及び洗濯機が登録された場合の機器選択画面の例を示す。この場合、機器選択画面G1には各登録機器を選択するためのアイコンC11~C13と、
図3と同様のボタンB1とが表示された状態となる。そして、アイコンC11~C13のいずれかを選択する操作の入力に応じて、選択されたアイコンに対応する登録機器の仮想リモコンの操作画面が表示される。
【0025】
図5は、同じ種類の家電機器1が操作対象として複数登録された場合の機器選択画面の例を示す。この場合、機器選択画面G1には
図4と同様に個々の登録機器のアイコンC21~C23と、ボタンB1とが表示された状態となる。このように同じ種類の家電機器1が操作対象として登録された場合(ここではエアコン)、機器の種類ごとに同じアイコン画像が用いられるとどのアイコンがどの登録機器に対応しているかを判別することが難しくなる。そのため、このような場合にはアイコンの表示とともに、各登録機器の識別情報が表示されてもよい。
図5は、共通のアイコンの表示と、個々のエアコンに固有のMAC(Media Access Control)アドレスの下4桁(図中の“xxxx”、“yyyy”、“zzzz”)の表示と、によって同じ種類のエアコンを識別可能とする機器選択画面の例を示す。その他、各登録機器の識別情報としては、例えば、エアコンの設置場所(リビング、寝室等)、登録時に割り振られる任意の番号、又は、ユーザが入力した文字列等であってもよい。
【0026】
図6は、第1の実施形態の遠隔操作端末2に表示される操作画面の具体例を示す図である。
図6はエアコンの操作画面例を示す。例えば、エアコンの操作画面G2は、操作対象の識別情報を示す表示領域C31、エアコンの動作モードの表示領域C32、室内の温度及び湿度の表示領域C33、タイマに関する表示領域C34、設定温度及び設定温度の操作ボタンの表示領域C35、エアコンをオン又はオフするための操作ボタンの表示領域C36、各種ステータスの表示領域C37、これら以外の各種機能を呼び出すためのメニューボタンB2等を含んで構成される。例えば、メニューボタンB2の選択によって表示される操作メニューには、当該機器に固有の情報(例えばエラー情報や機器の識別情報など)を表示する機能が含まれてもよいし、カスタマーサポートなどの共通の機能が含まれてもよい。
【0027】
図7は、第1の実施形態において遠隔操作端末2が登録機器との距離に応じて各家電機器1の仮想リモコンの表示態様を変更する処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、操作対象の家電機器1は全て遠隔操作端末2に登録済みであり、新たな操作対象の追加は行われないものとする。まず、仮想リモコン制御部212は、ユーザが遠隔操作端末2を操作中であるか否かを判定する(ステップS101)。ここで、遠隔操作端末2が操作中である状況とは、ユーザが登録画面や操作画面に対して情報の入力を行っている状況である。この場合、例えば、仮想リモコン制御部212は、直近の入力情報が入力部205から所定時間内に出力されている場合に操作中であると判定し、入力情報が入力部205から所定時間以上出力されていない場合に操作中でないと判定してもよい。
【0028】
ここで、遠隔操作端末2が操作中であると判定された場合(ステップS101-YES)、仮想リモコン制御部212は、ステップS101に処理を戻し、自装置が操作中であるか否かの判定を繰り返し行う。一方、遠隔操作端末2が操作中でないと判定された場合(ステップS101-NO)、仮想リモコン制御部212は、第2通信部202から距離情報を取得し(ステップS102)、取得した距離情報に基づいて自装置に最も近い家電機器1を選択する(ステップS103)。そして、仮想リモコン制御部212は、選択した家電機器1の仮想リモコンについて操作画面を表示部203に表示させる(ステップS104)。
【0029】
このように構成された第1の実施形態の遠隔操作端末2は、登録機器との距離が最も近い家電機器1の仮想リモコンの操作画面を優先的に表示させることにより、1台で複数の対象機器の操作を可能にする遠隔操作端末の操作性を向上させることができる。具体的には、操作対象を選択しようとするユーザは、操作対象の選択操作を遠隔操作端末2に入力するのではなく、遠隔操作端末2を保持しながら操作対象の家電機器1に近づくだけで所望の操作画面を表示させることが可能となる。
【0030】
(変形例)
各家電機器1と遠隔操作端末2と間の距離を測定する方法は、各家電機器1が送出した距離測定用の電波の受信強度を遠隔操作端末2側で観測する方法に限定されない。例えば、各家電機器1のそれぞれに同じ音(同じ音量及び音色)を異なるタイミングで出力させ、遠隔操作端末2で観測された当該音の減衰量の大きさが最も小さいものを出力した家電機器1を遠隔操作端末2に最も近い家電機器1と判定してもよい。また、例えば、遠隔操作端末2は、ロボットクリーナが作った宅内マップに基づいて距離情報を生成するように構成されてもよいし、宅内が撮像された画像データに基づいて距離情報を生成するように構成されてもよい。さらに、遠隔操作端末2は、複数の画像データを3Dモデル化した宅内のモデルデータに基づいて距離情報を生成するように構成されてもよい。画像データは、予め取得されたものであってもよいし、遠隔操作端末2がカメラ等の撮像部を備えている場合には距離測定の都度遠隔操作端末2によって撮像されてもよい。また、遠隔操作端末2は、精度の良いGPS位置情報を用いて距離情報を生成してもよい。
【0031】
仮想リモコン制御部212は、ユーザによって特定の操作(第1の特定操作)が行われた場合に、距離情報の取得、及び操作画面の表示態様の変更を行うように構成されてもよい。例えば、第1の特定操作は、表示中の情報の選択(例えば『リモコンを探す』というメニューボタンの押下など)であってもよいし、遠隔操作端末2を振ったりする操作であってもよいし、特定の入力操作(例えば画面を上部からスワイプする操作など)であってもよい。
【0032】
遠隔操作端末2は、家電機器1との距離に応じて操作画面の表示態様を自動的に変更する動作モード(自動選択モード)と、ユーザの指定に応じて操作画面の表示対象を変更する動作モード(手動選択モード)と、の切り替えを可能にする手段(以下「モード切替手段」という。)を備えてもよい。上記「手動選択モード」とは、ユーザの指定(ユーザの操作)が無い限り、家電機器1と遠隔操作端末2との距離に関わらず(すなわち、遠隔操作端末2の位置に関わらず)、操作画面の表示態様が固定された動作モードである。モード切替手段は、ユーザによる特定の操作(第2の特定操作)に応じて動作モードを切り替えるものであってもよいし、ユーザの指示入力に応じて動作モードを切り替えるものであってもよい。第2の特定操作は、表示中の情報の選択(例えば『自動選択モード』または『手動選択モード』というメニューボタンの押下など)であってもよいし、遠隔操作端末2を振ったりする操作であってもよいし、特定の入力操作(例えば画面を上部からスワイプする操作など)であってもよい。
【0033】
また、遠隔操作端末2は、上記「手動選択モード」の間においても、ユーザによって特定の操作(上記第1の特定操作)が行われた場合は、距離情報の取得、及び操作画面の表示態様の変更を行うように構成されてもよい。
【0034】
遠隔操作端末2が備える機器登録部211及び仮想リモコン制御部212のうち少なくとも一方は遠隔制御装置3に備えられてもよい。この場合、遠隔制御装置3は、遠隔操作端末2から上記距離情報を取得し、取得した距離情報に基づいて選択した仮想リモコンの操作画面を遠隔操作端末2に表示させるように構成されてもよい。また、この場合、例えば遠隔操作端末2は機器登録部211及び仮想リモコン制御部212に代えて、表示部203の表示態様を制御する表示制御部を備え、表示制御部が距離情報を遠隔制御装置3に送信し、遠隔制御装置3から取得される画面情報に基づいて、選択された仮想リモコンの操作画面を表示するように構成されてもよい。また、この場合、遠隔操作端末2の入力部205がユーザの入力情報を遠隔制御装置3に送信するように構成されてもよい。
【0035】
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態における遠隔操作端末2aの機能構成の具体例を示すブロック図である。第2の実施形態における遠隔操作端末2aは、機器登録部211に代えて機器登録部211aを備える点、仮想リモコン制御部212に代えて仮想リモコン制御部212aを備える点、で第1の実施形態における遠隔操作端末2と異なる。他の機能部については第1の実施形態における遠隔操作端末2と同様である。そのため、
図8では第1の実施形態と同様の機能部については
図2と同じ符号を付すことにより、これらの説明を省略する。
【0036】
機器登録部211aは、第1の実施形態における機器登録部211と同様の機能に加え、登録機器を1つ以上の機器グループに分類する機能を有する。例えば、機器登録部211aは、機器グループの登録画面を表示部203に表示させ、その登録画面に対する入力情報に基づいて登録機器を分類してもよいし、登録機器が持つ任意の属性情報に基づいて登録機器を分類してもよい。機器登録部211aは、登録機器と機器グループとの対応関係を示すグループ情報を追加することにより登録情報を更新する。登録情報の更新は、指定された家電機器1を指定された機器グループに追加するものであってもよいし、指定された機器グループから指定された家電機器1を削除するものであってもよい。また、登録情報の更新は、機器グループの追加又は削除を行うものであってもよい。
【0037】
仮想リモコン制御部212aは、第1の実施形態における仮想リモコン制御部212と同様の機能に加え、複数の登録機器の仮想リモコンに対する操作入力を同時に行うことを可能にするグループ操作機能を有する。具体的には、仮想リモコン制御部212aは、登録済みの機器グループごとに、機器グループに分類された家電機器1の仮想リモコンに対して同じ操作をまとめて入力する機能を有する。例えば
図8は仮想リモコン制御部212aが登録機器をM(Mは1以上の整数)個の機器グループ#1~#Mに分類した例を示している。また、
図8は、機器グループ#1にL個(Lは1以上N以下の整数)の仮想リモコン#1~#Lが分類された例を示している。
【0038】
具体的には、仮想リモコン制御部212aは、登録情報や画面情報等の設定情報に基づいて登録機器のそれぞれについて仮想リモコンを生成し、生成した仮想リモコンに対して入力すべき操作の入力を受け付ける画面(以下「一括操作画面」という。)を表示部203に表示させる。ここで第2の実施形態における画面情報には各機器グループの一括操作画面を表示するための画面情報も含まれているものとする。
【0039】
例えば、同じ機器グループに所属する家電機器1が同じ機種である場合には、その機器グループの一括操作画面には、その機器グループに所属する家電機器1の仮想リモコンと同じ操作画面が用いられてもよい。また、同じ機器グループに異なる機種の家電機器1が混在する場合には、その機器グループの一括操作画面はその機器グループに所属する家電機器1の仮想リモコンに共通する操作の指定を可能にする入力インタフェース(例えば電源オン又はオフなど)を有するように構成されてもよい。
【0040】
さらに、第2の実施形態における仮想リモコン制御部212aは、遠隔操作端末2aと登録機器との距離に応じて各機器グループの一括操作画面の表示態様を変更する機能を有する。例えば、仮想リモコン制御部212aは、複数の登録機器の中から遠隔操作端末2aに最も近い家電機器1を選択し、選択した家電機器1が所属する機器グループの一括操作画面を他の機器グループの一括操作画面よりも優先的に表示させるように構成されてもよい。具体的には、仮想リモコン制御部212aは、表示部203の表示を、選択した家電機器1が所属する機器グループの一括操作画面の表示に切り替えるように構成されてもよい。また例えば、仮想リモコン制御部212aは、選択した家電機器1が所属する機器グループの一括操作画面を他の機器グループの一括操作画面よりも大きく表示するように構成されてもよい。
【0041】
図9は、第2の実施形態において遠隔操作端末2aが登録機器との距離に応じて各機器グループの一括操作画面の表示態様を変更する処理の流れを示すフローチャートである。
図9では、第1の実施形態と同様の処理については
図7と同じ符号を付すことにより、これら同様の処理についての説明を省略する。ここでは、仮想リモコン制御部212aが、ステップS103で選択した家電機器1を含む機器グループを選択する(ステップS201)。そして、仮想リモコン制御部212aは、選択した機器グループの一括操作画面を表示部203に表示させる(ステップS202)。
【0042】
図10は、第2の実施形態の遠隔操作端末2aに表示される機器グループの一括操作画面の具体例を示す図である。例えば、
図10はリビングに配置されている家電機器1をグルーピングした機器グループ“リビング”の一括操作画面の例を示す。例えば、機器グループ“リビング”の一括操作画面G3には、当該機器グループに含まれる家電機器1の仮想リモコンを個別に選択するためのアイコンC41~C43と、当該機器グループに含まれる家電機器1の仮想リモコンに対して一括操作を指示するための一括操作ボタンB31及びB32が表示される。遠隔操作端末2aは、アイコンC41~C43のいずれかを選択する操作の入力に応じて、操作画面G3の表示を、選択されたアイコンに対応する家電機器1の仮想リモコンの表示に切り替えてもよい。
【0043】
このように構成された第2の実施形態の遠隔操作端末2aは、登録機器との距離が最も近い家電機器1を含む機器グループの一括操作画面を、他の機器グループの一括操作画面よりも優先的に表示させることにより、複数の登録機器から操作対象機器を選択する際の操作性を向上させることが可能となる。具体的には、操作対象を選択しようとするユーザは、操作対象の選択操作を遠隔操作端末2aに入力するのではなく、遠隔操作端末2aを保持しながら対象の機器グループに含まれるいずれかの家電機器1に近づくだけで所望の一括操作画面を表示させ、その機器グループに含まれる家電機器1の仮想リモコンに対する操作をまとめて入力することが可能となる。
【0044】
また、家電機器1によっては通信機能は有していても、距離測定用の電波を発信する機能を有さないものもあるため、第1の実施形態の遠隔操作端末2はそのような家電機器1の遠隔操作を実現することができない。しかしながら、第2の実施形態の遠隔操作端末2aは、複数の家電機器1を機器グループの単位で操作することを可能にするため、必ずしも全ての家電機器1が距離測定用の電波を発信する機能を有している必要がない。例えば、距離の近い家電機器1同士を同一の機器グループに登録するようにすれば、距離測定用の電波を発信することができる家電機器1が同一の機器グループ内に少なくとも1台存在していれば、その機器グループの一括操作画面を優先的に表示させることで、距離測定用の電波を発信することができない家電機器1も含めて距離の近い複数の家電機器1をまとめて操作することが可能になる。
【0045】
また第2の実施形態の遠隔操作端末2aによれば、遠隔操作端末2aの属性(機器グループの分類基準)に応じて絞り込まれた家電機器1を遠隔操作の対象とする一括操作画面が表示されるため、操作対象の選択が容易になり遠隔操作の操作性を向上させることも可能となる。
【0046】
(変形例)
第2の実施形態では、機器グループが主にユーザの入力操作によって登録される場合について説明したが、遠隔操作端末2aは、生成した距離情報を用いて家電機器1を自装置からの距離に応じた機器グループに分類するように構成されてもよい。このような構成を有する遠隔操作端末2aによれば、ユーザが機器グループを登録する必要がなくなるため、その手間や負荷を軽減することが可能になる。またこの場合、遠隔操作端末2aは、ユーザが機器グループの登録を行うタイミングで距離情報を生成し、自装置に近い家電機器1をリストアップして表示するように構成されてもよい。
【0047】
また、例えば1つの機器グループ(例えば、エアコングループやテレビグループ)のみを表示させ、ユーザの入力操作によって、表示される機器グループを変更するように構成されてもよい。さらにこの場合、表示されている機器グループの仮想リモコンのうち、遠隔操作端末2aからの距離が最も近い家電機器1の仮想リモコンの操作画面を優先的に表示させるように構成されてもよい。
【0048】
仮想リモコン制御部212aは、第1の実施形態と同様に、ユーザによって第1の特定操作が行われた場合に、距離情報の取得、及び一括操作画面の表示態様の変更を行うように構成されてもよい。
【0049】
(第3の実施形態)
図11は、第3の実施形態における遠隔操作端末2bの機能構成の具体例を示すブロック図である。第3の実施形態における遠隔操作端末2bは、位置情報送信部213及び通知受信部214をさらに備える点で第1の実施形態における遠隔操作端末2と異なる。他の機能部については第1の実施形態における遠隔操作端末2と同様である。そのため、
図11では第1の実施形態と同様の機能部については
図2と同じ符号を付すことにより、これらの説明を省略する。
【0050】
位置情報送信部213は、GPS(Global Positioning System)等の位置情報提供装置から自装置の位置情報を取得する機能、及び取得した位置情報を遠隔制御装置3に送信する機能を有する。
【0051】
通知受信部214は、遠隔制御装置3から通知を受信するとともに、受信した通知を報知する機能を有する。例えば、通知を報知する方法の一例として、通知受信部214は受信した通知の内容を表示部203に表示させてもよい。
【0052】
図12は、第3の実施形態における遠隔制御装置3の機能構成の具体例を示すブロック図である。第3の実施形態における遠隔制御装置3は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行する。遠隔制御装置3は、プログラムの実行によって通信部31、記憶部32、機器制御部33及び通知送信部34を備える装置として機能する。なお、遠隔制御装置3の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0053】
通信部31は、ネットワークNWを介して遠隔制御装置3を各家電機器1及び遠隔操作端末2bと通信可能に接続する通信インタフェースである。
【0054】
記憶部32は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。記憶部32は遠隔操作端末2bの登録位置情報を予め記憶している。登録位置情報は、遠隔操作端末2bに予め対応づけられた範囲の位置を表す情報である。
【0055】
機器制御部33は、遠隔操作端末2bに対する家電機器1の操作入力に応じて、指定された家電機器1の動作を制御する機能を有する。具体的には、機器制御部33は、通信部31を介して遠隔操作端末2bから家電機器1又は機器グループの操作画面に対して入力された操作を示す情報(以下「操作情報」という。)を取得する。機器制御部33は、取得した操作情報が示す動作を操作対象の家電機器1に実行させるための制御情報を生成し、生成した制御情報を操作対象の家電機器1に送信する。
【0056】
通知送信部34は、遠隔操作端末2bの位置に応じて通知を送信する機能を有する。具体的には、通知送信部34は、通信部31を介して遠隔操作端末2bから位置情報を取得するとともに、記憶部32から登録位置情報を取得する。通知送信部34は、取得した位置情報及び登録位置情報に基づいて、遠隔操作端末2bの位置に基づく通知条件を判定し、通知条件が満たされている場合に通知を送信する。
【0057】
図13は、第3の実施形態において遠隔制御装置3が遠隔操作端末2bの位置に応じて通知を送信する処理の流れを示すフローチャートである。まず、通知送信部34は、遠隔操作端末2bから位置情報が受信されているか否かを判定する(ステップS301)。位置情報が受信されていると判定した場合(ステップS301-YES)、通知送信部34は、受信した位置情報と、記憶部32に記憶されている登録位置情報とに基づいて、遠隔操作端末2bが予め登録された所定の範囲内に位置しているか否かを判定する(ステップS302)。
【0058】
通知送信部34は、遠隔操作端末2bが予め登録された所定の範囲内に位置していないと判定した場合(ステップS302-NO)、通知送信部34は、遠隔操作端末2bの登録機器の中に稼働中の家電機器1が存在するか否かを判定する(ステップS303)。ここで、遠隔制御装置3では機器制御部33による各登録機器の状態管理が行われているものとする。具体的には、各登録機器の状態を示す状態情報が記憶部32に記録されており、状態情報は各登録機器の状態変化に応じて機器制御部33によって更新されるものとする。
【0059】
遠隔操作端末2bの登録機器の中に稼働中の家電機器1が存在すると判定した場合(ステップS303-YES)、通知送信部34は、登録機器の中に稼働中の家電機器1が存在することを遠隔操作端末2bに通知し(ステップS304)、ステップS301に処理を戻す。
【0060】
一方、ステップS301において位置情報が受信されていないと判定した場合(ステップS301-NO)、ステップS302において遠隔操作端末2bが予め登録された所定の範囲内に位置していると判定した場合(ステップS302-YES)、又は、ステップS303において遠隔操作端末2bの登録機器の中に稼働中の家電機器1が存在しないと判定した場合(ステップS303-NO)、通知送信部34は通知を行わずにステップS301に処理を戻す。
【0061】
このように構成された第3の実施形態の遠隔操作システム100では、遠隔操作端末2bの位置に応じて登録機器の状態に関する通知が行われる。このような通知が行われることにより、遠隔操作端末2bのユーザは家電機器1に対してより適切な操作を行うことが可能となる。
【0062】
例えば、ユーザが予め登録位置情報として自宅の位置情報を登録しておけば、仮にユーザがエアコンの電源を切り忘れて外出したとしても、遠隔制御装置3がこのような状況を検出してユーザの携帯する遠隔操作端末2bに通知する。そのため、ユーザは電源の切り忘れに自宅周辺で気づくことができ、電源を切るという適切な操作をより迅速に行うことが可能となる。
【0063】
(変形例)
第3の実施形態では通知受信部214が遠隔制御装置3から受信した通知を表示部203に出力する例を説明したが、通知受信部214はこの通知を仮想リモコン制御部212に通知するように構成されてもよい。一方、仮想リモコン制御部212は、この通知の受信に応じて、通知された家電機器1の操作画面を優先的に表示部203に表示させるように構成されてもよい。このような構成により、仮想リモコン制御部212は、各家電機器1の操作画面の表示態様を、予め定められた特定の位置と遠隔操作端末2bの位置との距離に応じて変更することができ、操作対象機器を選択する際の操作性を向上させることが可能となる。
【0064】
(第4の実施形態)
図14は、第4の実施形態における遠隔制御装置3cの機能構成の具体例を示すブロック図である。第4の実施形態における遠隔制御装置3cは、記憶部32に代えて記憶部32cを備える点、通知送信部34に代えて通知送信部34cを備える点で第3の実施形態における遠隔制御装置3と異なる。他の機能部については第3の実施形態における遠隔制御装置3と同様である。そのため、
図14では第3の実施形態と同様の機能部については
図12と同じ符号を付すことにより、これらの説明を省略する。
【0065】
記憶部32cは、登録位置情報に加えて、遠隔操作端末2bの設定情報の共有に関する情報(以下「共有設定情報」という。)を予め記憶している点で第3の実施形態における遠隔制御装置3と異なる。例えば、共有設定情報には、通知の共有に関する設定が含まれてもよい。ここではいう通知の共有とは、あるユーザに対する通知を、共有するユーザにも通知することをいう。通知の共有に関する設定は、通知する内容ごとに設定されてもよいし、ユーザごとに設定されてもよい。
【0066】
通知送信部34cは、第3の実施形態における通知送信部34と同様の機能に加え、遠隔操作端末2bの位置に基づく通知を、その遠隔操作端末2bと関連付けられた他の通信装置にも送信する共有機能を有する。
【0067】
図15は、第4の実施形態において遠隔制御装置3cが遠隔操作端末2bの位置に応じて通知を送信する処理の流れを示すフローチャートである。
図15では、第3の実施形態と同様の処理については
図13と同じ符号を付すことにより、これら同様の処理についての説明を省略する。ここでは、通知送信部34cが、ステップS304において通知の対象とされた遠隔操作端末2について、共有設定情報に基づいて、通知の共有の設定がなされているか否かを判定する(ステップS401)。
【0068】
通知対象の遠隔操作端末2に関して通知の共有の設定がなされていると判定した場合(ステップS401-YES)、通知送信部34cは、通知対象の遠隔操作端末2に対して行った通知を、その遠隔操作端末2に関連付けられた他の通信装置に送信(ステップS402)し、ステップS301に処理を戻す。
【0069】
一方、ステップS401において、通知対象の遠隔操作端末2に関して通知の共有の設定がなされていないと判定した場合(ステップS401-NO)、通知送信部34cは通知を行わずにステップS301に処理を戻す。
【0070】
このように構成された第4の実施形態の遠隔操作システム100では、遠隔操作端末2bの位置に応じて登録機器の状態に関する通知が行われることに加え、その遠隔操作端末2bに通知の共有設定がなされている場合、共有先の通信機器に対しても登録機器の状態に関する通知を行うことが可能になる。このような通知の共有により、遠隔操作端末2bのユーザは家電機器1に対してより適切な操作を行うことが可能となる。
【0071】
例えば、ユーザが予め登録位置情報として自宅の位置情報を登録しておけば、仮にユーザがエアコンの電源を切り忘れて外出したとしても、遠隔制御装置3cがこのような状況を検出してユーザの携帯する遠隔操作端末2bに通知するとともに、遠隔操作端末2bに関連付けられた他の通信装置にも通知を行う。そのため、仮にユーザが遠隔制御装置3cの通知に気づかない場合であっても、他の通信装置のユーザが通知に気づく可能性を高め、適切な対応が行われる可能性を高めることが可能となる。例えば、他の通信装置のユーザが遠隔操作端末2bのユーザに対してエアコンの電源を切り忘れていることを連絡し、この連絡を受けた遠隔操作端末2bのユーザが自宅に戻り、エアコンの電源を切る操作を行うといったことが行われる可能性を高めることができる。
【0072】
(変形例)
本実施形態における通知の共有によれば、あるユーザの活動の結果が他のユーザに共有されることになるため、見守り機能の実現方法の一つとして考えることもできる。例えば、機器制御部33が家電機器1の制御履歴を示す情報を記憶部32cに記録するようにすれば、通知送信部34cはあるユーザが3日間冷蔵庫の扉を開閉していないといったことを検出し、設定を共有する他者にその旨を通知するように構成されてもよい。
【0073】
遠隔制御装置3cは、遠隔操作端末2bの位置に基づく通知を予め定められたユーザ間で共有することに加え、予め定められたユーザ間で操作画面を共有する機能を有してもよい。この場合、例えば、遠隔制御装置3cは、各遠隔操作端末2bの登録機器の画面情報を予め記憶しておき、又は予め各遠隔操作端末2bから登録機器の画面情報を取得しておき、遠隔操作端末2bの位置に基づく通知を行う際に、通知する家電機器1の画面情報を送信するように構成されてもよい。これにより、通知を受けた遠隔操作端末2bは、受信した画面情報を用いて通知された家電機器1の操作画面を表示することができる。このような構成によれば、通知を行う側の遠隔操作端末2bは、自装置の位置に応じて他の遠隔操作端末2bにおける操作画面の表示態様を変更することができる。また、その一方で、通知を受ける側の遠隔操作端末2bは、自装置における操作画面の表示態様を、他の遠隔操作端末2bの位置に応じて変更することができる。
【0074】
遠隔操作端末2bは、予め他の遠隔操作端末2bの操作対象として登録されている機器の操作画面の自装置における表示態様を、自装置の位置に応じて変更するように構成されてもよい。この場合、例えば、遠隔操作端末2bは、他の遠隔操作端末2bの登録機器の登録情報及び画面情報を予め記憶しておき、自装置と他の遠隔操作端末2bの登録機器との間の距離を、自装置と自装置の登録機器との間の距離の測定方法と同様の方法で測定し、測定した距離に基づいて他の遠隔操作端末2bの登録機器の操作画面のうち所定の条件を満たしたものを優先的に自装置の表示部203表示させるように構成されてもよい。
【0075】
上記の各実施形態では、表示部203に表示される登録機器又は機器グループの仮想リモコンの操作画面を、仮想リモコン制御部212が自装置と登録機器との距離に基づいて選択する場合について説明したが、仮想リモコン制御部212がソフトウェアの実行によって生成される場合、仮想リモコン制御部212は自身の生成時に表示させる操作画面を、上記と同様の方法で選択するように構成されてもよい。例えば、遠隔操作端末がスマートフォンを用いて構成される場合、遠隔操作端末2において仮想リモコン制御部212を実現するアプリケーションが常時起動しているという保証はない。むしろ起動していない可能性の方が高いのではないかと考えられる。そのため、アプリケーションを起動したタイミングにおいても家電機器1との距離を測定し、近くの家電機器1の操作画面が表示されるようにすることでユーザの利便性及び操作性をさらに向上させることができる。
【0076】
(第5の実施形態)
図16は、第5の実施形態における遠隔操作端末2dの機能構成の具体例を示すブロック図である。第5の実施形態における遠隔操作端末2dは、仮想リモコン制御部212に代えて仮想リモコン制御部212dを備える点で第1の実施形態における遠隔操作端末2と異なる。他の機能部については第1の実施形態における遠隔操作端末2と同様である。そのため、
図16では第1の実施形態と同様の機能部については
図2と同じ符号を付すことにより、これらの説明を省略する。
【0077】
仮想リモコン制御部212dは、第1の実施形態の仮想リモコン制御部212と同様に、ユーザの操作によることなく、自動で、登録機器に関する所定条件が満たされたか否かを判定し、所定条件を満たす登録機器の操作画面を他の操作画面よりもユーザが操作しやすい態様で表示部203に表示させる。ここで、第1の実施形態の仮想リモコン制御部212が、遠隔操作端末2の位置に応じて各登録機器の操作画面の表示態様を変更したのに対して、第2の実施形態の仮想リモコン制御部212dは、各登録機器について操作画面に関する表示の優先度を決定し、決定した優先度に基づいて操作画面の表示態様を変更する。なお、ここでいう操作画面には、第1の実施形態と同様に、各登録機器の仮想リモコンを示す画面が含まれるほか、登録機器の中から遠隔操作対象の登録機器を選択させる画面(機器選択画面)も含まれる。また、ここでいう操作画面の表示態様には、各登録機器の仮想リモコンの操作画面それぞれの表示態様が含まれるほか、機器選択画面における各登録機器の表示態様も含まれる。
【0078】
また、ここでいう「自動」とは、操作画面の表示態様を変更する処理が、ユーザによる当該処理の実行指示を伴わずに、仮想リモコン制御部212dによって能動的に実行されることを意味する。この意味で、典型的には、ユーザが遠隔操作端末2dを操作していないときに表示態様の変更処理が実行されることは「自動」に当たる。また、ここでいう「自動」は必ずしも常時を意味するものではなく、表示態様の変更処理が少なくともユーザによる遠隔操作端末2dの使用を妨げない範囲で実行されることを意味するものとする。この意味で、ユーザが遠隔操作端末2dを操作しているタイミングであっても、ユーザが行っている操作を妨げない場合には、そのようなタイミングにおいて表示態様の変更処理が実行されることも「自動」の範囲内に含まれるものとする。
【0079】
仮想リモコン制御部212dは、決定した優先度に応じた表示態様で各登録機器の操作画面を表示部203に表示させる。具体的には、仮想リモコン制御部212dは、各登録機器の操作画面のうち、どの操作画面を優先的に表示部203に表示させるかを、各登録機器について決定した優先度に基づいて決定する。また、仮想リモコン制御部212dは、機器選択画面における各登録機器の表示を、各登録機器について決定した優先度に応じた大きさや形状、文字、色、順序で表示部203に表示させる。また、仮想リモコン制御部212dは、機器選択画面における各登録機器の表示を、各登録機器について決定した優先度に応じた表示位置に表示させてもよい。以下、このような優先度の決定方法について、いくつかの具体例を示す。
【0080】
[第1の決定方法]
第1の決定方法は、各登録機器の優先度をユーザの行動パターンに基づいて決定する方法である。具体的には、仮想リモコン制御部212dは、各登録機器の使用履歴に基づいてユーザの行動パターンを推定し、推定した行動パターンに基づいて各登録機器の優先度を決定する。なお、ここでいう行動パターンとは、ユーザが登録機器の操作を行う時間帯や場所等についての傾向のことをいう。この行動パターンは、ユーザが遠隔操作端末2dを用いて登録機器の操作を行った場所または時間を示す情報と、登録機器の使用履歴とを対応づけて記録しておくことによって推定することが可能となる。あるいはユーザの行動スケジュールを取得する機能を設け、その機能によって取得した行動スケジュールに基づいて、遠隔操作端末2dを用いた登録機器の操作についての行動パターンを推定するようにしてもよい。
【0081】
例えば、行動パターンの一例として、ユーザによる登録機器の操作頻度または操作回数が挙げられる。この場合、仮想リモコン制御部212dは、各登録機器の使用履歴に基づいてユーザによる登録機器の操作頻度または操作回数を推定し、推定した操作頻度または操作回数に応じた優先度を各登録機器について決定する。例えば、仮想リモコン制御部212dは、操作頻度が高い又は操作回数が多い登録機器ほど高い優先度を決定するように構成されてもよい。
【0082】
また例えば、行動パターンの一例として、ユーザが登録機器を操作する時間帯が挙げられる。時間帯は特定の時刻であってもよい。この場合、仮想リモコン制御部212dは、各登録機器について、ユーザが操作する可能性が高いと考えられる時間帯を各登録機器の使用履歴に基づいて推定し、推定した時間帯において高い優先度となるように各登録機器の優先度を決定する。例えば、毎日23時頃に寝室のエアコンの操作画面が使用されたという使用履歴が得られている場合には、ユーザは23時頃に寝室のエアコンを操作するという行動パターンが推定される。この場合、仮想リモコン制御部212dは、毎日23時頃には寝室のエアコンについて高い優先度を決定することができる。
【0083】
上記の場合、操作画面の表示態様を優先度に基づいて変更する期間(すなわち優先度に基づく表示態様の変更を開始してから終了するまでの期間)は任意に設定されてよい。また、当該期間は、推定された行動パターンの正確さに応じて変更されてもよい。例えば、上記の寝室のエアコンの例において、行動パターンとして推定された時間帯である23時から殆どずれることのなくユーザが寝室のエアコンを操作したという使用履歴が得られた場合、当該期間はより短い時間幅に変更されてもよい。一方、行動パターンとして推定された時間帯である23時に対して、寝室のエアコンが22時に操作されたり、23時30分に操作されたりする使用履歴が得られた場合には、当該期間はより長い時間幅に変更されてもよい。
【0084】
また、登録機器の使用履歴を、曜日を示す情報とともに記録しておくことにより、曜日に応じた行動パターンを推定するようにしてもよい。例えば、寝室のエアコンに関して、毎週月曜日から金曜日においては23時頃に操作されることが多く、土曜日および日曜日においては操作頻度が高い時間帯が特に決まっていないという行動パターンが推定された場合には、仮想リモコン制御部212dは、毎週月曜日から金曜日に限り、寝室のエアコンについて23時頃の優先度を高くするように構成されてもよい。
【0085】
なお、各操作画面の操作履歴を示す情報は、例えば仮想リモコン制御部212dにより、各操作画面の操作に応じて記憶部204に記録される。また、この場合、遠隔操作端末2dは、各登録機器の使用履歴を示す情報を各登録機器から直接的に取得するように構成されてもよいし、遠隔制御装置3などの他の装置から間接的に取得するように構成されてもよいし。
【0086】
また例えば、毎週日曜の9時にテレビの電源を入れるという行動パターンが推定された場合には、仮想リモコン制御部212dは、毎週日曜の9時頃にはテレビについて高い優先度を決定してもよい。また例えば、ユーザが宅内の各登録機器の使用を毎日8時頃に終了し、18時頃に再開するという行動パターンが推定されたとする。この行動パターンは、ユーザが毎日8時頃に外出し、18時頃に帰宅するという行動パターンであると考えることができる。そのため、このような行動パターンが推定された場合には、仮想リモコン制御部212dは、毎日18時頃においては、各登録機器のうち帰宅してすぐに使用される可能性が高い機器について高い優先度を決定してもよい。
【0087】
さらに、各登録機器の使用が18時半頃に再開された場合に、再開後高い確率で冷蔵庫の扉が開けられるという行動パターンが推定されたとする。この行動パターンは、ユーザが買い物をして帰宅したという行動パターンであると考えることができる。そのため、このような行動パターンが推定された場合には、仮想リモコン制御部212dは、18時半頃においては、冷蔵庫について高い優先度を決定してもよい。
【0088】
[第2の決定方法]
第2の決定方法は、各登録機器の仮想リモコンの操作画面を表示部203に表示させる際の表示の優先度をユーザの居場所に基づいて決定する方法である。具体的には、仮想リモコン制御部212dは、自装置(すなわち遠隔操作端末2d)の位置情報に基づいてユーザの居場所を推定し、推定したユーザの居場所に基づいて各登録機器の優先度を決定する。
【0089】
より詳しく言うと、仮想リモコン制御部212dは、自装置の現在位置を示す位置情報が、現実空間における所定の場所(例えばユーザ宅内の各部屋)のいずれかの位置情報と合致する場合に、合致した位置情報に対応づけられている場所をユーザの居場所と推定する。この場合、所定の場所とその位置情報との対応関係を示す情報は予め遠隔操作端末2dに登録されているものとする。
【0090】
例えば、所定の場所として「キッチン」が登録されており、キッチンに対応する位置情報として「A」が登録されている場合において、遠隔操作端末2dの現在位置を示す位置情報として「A」が取得されたとする。この場合、仮想リモコン制御部212dは、ユーザが遠隔操作端末2dを持っているとの仮定の下で、ユーザが「キッチン」に居ると推定することができる。
【0091】
位置情報には、GPSなどの測位システムから取得可能な衛星測位情報を用いることができる。この場合、遠隔操作端末2dの現在位置を示す位置情報が、予め登録された各場所(例えばキッチンなど)を示す位置情報と完全に一致しない場合であっても、これら二つの位置情報が所定の範囲内の位置を示す場合には、両者が同じ場所に存在すると判定されてもよい。
【0092】
また、位置情報には、衛星測位情報のような絶対的な位置情報に代えて、宅内に設置された所定の機器に基づく相対的な位置情報を用いることができる。例えば、所定の範囲内に存在する他の機器と近接無線通信が可能な冷蔵庫がキッチンに設置されているとする。この場合、「キッチン」に対応づけられる位置情報を「冷蔵庫(と近接無線通信が可能であること)」と設定することができる。このようにすれば、仮想リモコン制御部212dは、遠隔操作端末2dと当該冷蔵庫との近接無線通信が成立していることをもって、ユーザがキッチンに居ると推定することができる。
【0093】
また、仮想リモコン制御部212dは、所定の場所と、その場所に設置された人感センサとの対応関係、および人感センサの検出結果に基づいてユーザの居場所を推定してもよい。例えば、人感センサAに対してその設置場所である「キッチン」が対応づけられている場合、仮想リモコン制御部212dは、人感センサAが人を検知したことをもって、ユーザがキッチンに居ると推定することができる。
【0094】
また、仮想リモコン制御部212dは、所定の場所と、その場所に設置された登録機器との対応関係、および登録機器の状態に基づいてユーザの居場所を推定してもよい。例えば、居間のテレビがついている状況では、ユーザが居間に居る可能性が高いと考えらえる。そのため、仮想リモコン制御部212dは、居間に設置されているテレビが電源オン状態である場合には、ユーザが居間にいると推定してもよい。
【0095】
なお、遠隔操作端末2dは、人感センサの検出結果を示す情報や、登録機器の状態を示す情報を人感センサや登録機器から直接的に取得するように構成されてもよいし、遠隔制御装置3などの他の装置から間接的に取得するように構成されてもよい。
【0096】
また、上記の人感センサは、電磁波や音波等で人を検出するタイプのものであってもよいし、画像から人を検出するタイプのものであってもよいし、無線通信電波の揺らぎ等に基づいて人を検出するタイプであってもよいし、その他どのようなタイプのものであってもよい。人感センサは、登録機器に備えられるものであってもよい。
【0097】
仮想リモコン制御部212dは、このように推定されたユーザの居場所に基づいて、各登録機器の仮想リモコンの操作画面を表示部203に表示させる際の表示の優先度を決定する。この場合、仮想リモコン制御部212dは、ユーザの居場所に近い登録機器については、他の登録機器よりも高い優先度を決定するようしてもよいし、これとは逆に、ユーザの居場所に近い登録機器については、他の登録機器よりも低い優先度を決定するようにしてもよい。このような優先度の決定方法は、優先度を決定する対象の登録機器に対して行われる操作の内容に応じて使い分けられればよい。
【0098】
例えば、テレビの視聴設定のように、ユーザが操作対象の機器と同じ場所に居ることを前提として行われる操作については、その操作対象がユーザの居場所に近いときに優先度を高く設定するとよい。これとは逆に、テレビ番組レコーダーの録画予約設定のように、ユーザが操作対象の機器と同じ場所にいることを必要とせずに行われる操作については、ユーザの居場所が優先度の決定に寄与する度合いを相対的に小さくするようにしてもよい。また例えば、洗濯機のように、その使用目的の達成のために機器に対する直接的な操作(例えば洗濯機に衣類を投入する操作など)が必要となる登録機器もある。このような場合、ユーザが操作対象の登録機器の近くにいるにもかかわらず、その登録機器の操作(例えば洗濯機の運転開始操作)を敢えて遠隔操作端末2dの操作画面を用いて行う可能性は比較的低いと考えられる。そこで、そのような登録機器については、操作対象の登録機器がユーザの居場所に近い時には、低い優先度を設定するようにしてもよい。
【0099】
[第3の決定方法]
第3の決定方法は、各登録機器の仮想リモコンの操作画面を表示部203に表示させる際の表示の優先度を自装置(遠隔操作端末2d)と各登録機器との間の通信接続の有無に基づいて決定する方法である。
【0100】
例えば、仮想リモコン制御部212dは、自装置と各登録機器との通信接続の有無に基づいて各登録機器の優先度を決定する。この場合、仮想リモコン制御部212dは、各登録機器のうち、自装置と通信接続している機器については、自装置と通信接続していない機器よりも高い優先度を決定する。これは、自装置と通信接続していない(又は通信機能がオフに設定されている)登録機器は操作画面を用いて操作される可能性が低いと考えられるためであり、このような登録機器に対して高い優先度が決定されると、遠隔操作の利便性を低下させてしまう可能性があるからである。例えば、ユーザが自装置と通信接続していない洗濯機を直接操作しているような状況において、別の場所にある登録機器を操作しようとした場合に、ユーザが望まない洗濯機の操作画面が優先的に表示されることを抑制することができる。
【0101】
さらに、この場合、仮想リモコン制御部212dは、自装置と通信接続している登録機器のについて決定する優先度を、これらの登録機器から受信される情報に基づいて決定するように構成されてもよい。例えば、ユーザは番組の録画機能を備えたテレビにおいて予約しておいた番組の録画が終了したことを知った場合、録画された番組を視聴するためにテレビを操作する可能性が高いと考えらえる。そのため、そのような事象が検知された場合には、当該テレビについて高い優先度を決定するとよい。この場合、仮想リモコン制御部212dは、自装置と通信接続している登録機器であって、番組の録画機能を備えたテレビから番組の録画が終了したことが通知された場合に、当該テレビについて高い優先度を決定することができる。このような優先度の決定方法により、仮想リモコン制御部212dは、各登録機器で発生する各種事象に連動して操作画面を表示させることができるように、各登録機器の優先度を決定することができる。
【0102】
このように構成された第5の実施形態の遠隔操作端末2dは、各登録機器の仮想リモコンの操作画面を表示部203に表示させる際の表示の優先度を、ユーザの行動パターン、同ユーザの居場所、又は自装置と登録機器との間の通信接続の有無に基づいて決定することができる。これにより、遠隔操作端末2dは、より使用する可能性の高い登録機器の操作画面を優先的に表示させることが可能となり、遠隔操作端末2dを用いて各登録機器の操作を行おうとするユーザに対して、ユーザの操作を必要とすることなく適切な操作画面を提供することが可能となる。
【0103】
なお、仮想リモコン制御部212dは、各登録機器について決定した優先度に基づいて、登録機器に関する他の操作画面(以下「関連画面」という。)の表示態様を変更するように構成されてもよい。例えば、仮想リモコン制御部212dは、冷蔵庫に対して高い優先度が決定された場合には、冷蔵庫に収容する食材の管理画面についても優先的に表示するように構成されてもよい。
【0104】
また、仮想リモコン制御部212dは、各登録機器について決定した優先度に基づいて、機器選択画面における各登録機器の表示態様を変更するように構成されてもよい。また、この場合、仮想リモコン制御部212dは、操作画面又は関連画面のどちらを表示させるかを、上記の行動パターンや時間帯などに応じて決定するように構成されてもよい。また、各登録機器の優先度は、上述の各判定基準を適宜組み合わせて判定されてもよい。例えば、仮想リモコン制御部212dは、ユーザの居場所に応じて選択された登録機器のうち、ユーザの行動パターンに応じた機器についてより高い優先度を決定してもよい。また、例えば、仮想リモコン制御部212dは、ユーザの居場所に応じて選択された登録機器のうち、自装置と通信接続している登録機器についてより高い優先度を決定してもよい。
【0105】
以下、優先度に基づく操作画面の表示態様の他の具体例として、機器選択画面の表示態様の具体例を示す。
【0106】
図17は、優先度に基づく機器選択画面の表示態様の第1の具体例を示す図である。具体的には、
図17に示す機器選択画面G5は、各登録機器の優先度を各登録機器を示すアイコンC51~C55の大きさによって表現した例である。以下では、各アイコンCi(iは符号の番号に対応する)によって表される登録機器を「機器名Ci」と記載する。
図17の例は、冷蔵庫C51の優先度が洗濯機C52よりも高く、洗濯機C52の優先度がエアコンC53、扇風機C54及びテレビC55よりも高いことを表している。なお、機器選択画面においては、表示対象の登録機器(以下「表示対象機器」という。)のアイコンが表示部203の一画面内に表示されることが好ましい。そのため、仮想リモコン制御部212dは、優先度に応じた大きさを有しつつ、ユーザにより機器選択画面内において同時に視認され得るように、表示対象機器のアイコンが機器選択画面に表示される大きさを調整する。こうすることにより、ユーザは、画面をスクロールさせたり、切り替えたりする操作を行うことなく、必要な機器を選択することが可能となる。なお、表示対象機器は、所定の優先度以上の優先度を持つ登録機器であればよく、登録機器の一部であってもよいし、全部であってもよい。
【0107】
図18は、優先度に基づく機器選択画面の表示態様の第2の具体例を示す図である。具体的には、
図18に示す選択画面G6は、各登録機器のアイコンを、各登録機器の優先度に応じた複数のグループに分類して表示する機器選択画面の一例を示す。
図18は、優先度の高い登録機器のアイコンが高優先タブT61に分類され、優先度の低い登録機器のアイコンが低優先タブT62に分類された例である。高優先タブT61と低優先タブT62とは、選択操作によってその表示の切り替が可能である。この場合、仮想リモコン制御部212dは、各登録機器を優先度に応じた各タブに分類するとともに、高優先タブT61が選択された状態で機器選択画面を表示させる。このように、仮想リモコン制御部212dが、登録機器を優先度に応じた複数のグループに分類し、優先度の高い機器が分類されたグループに所属する登録機器のアイコンを優先的に表示させることにより、ユーザは、目的の家電機器1を高優先の登録機器の中から容易に識別して選択することが可能となる。
【0108】
図19は、優先度に基づく機器選択画面の表示態様の第3の具体例を示す図である。具体的には、
図19に示す機器選択画面G7は、その画面内に高優先の登録機器のアイコンを表示する第1領域G71と、高優先の登録機器を含む全ての登録機器のアイコンを表示する第2領域G72と、が設けられた機器選択画面の例である。このような表示態様によれば、ユーザは、高優先の登録機器を容易に識別して選択できるとともに、その他の登録機器についても画面をスクロールさせたり、切り替えたりする操作を行うことなく選択することが可能となる。
【0109】
なお、
図18および
図19のいずれにおいても、
図17の例と同様に、各領域のアイコンの大きさが、優先度に応じた大きさを有しつつ、ユーザにより機器選択画面内において同時に視認され得るように調整されてよい。
【0110】
また、
図19の例において、仮想リモコン制御部212dは、第2領域G72における各アイコンの表示位置を所定の配置に固定してもよい。また、この配置は、ユーザの操作により変更可能であってもよい。これによりユーザは、高優先の登録機器を容易に選択できるとともに、高優先以外の登録機器についても固定配置により容易に選択することが可能となる。
【0111】
以上、優先度に基づく操作画面(機器選択画面を含む)の表示態様についていくつかの具体例を示したが、操作画面の表示態様はこれらの態様に限定されない。操作画面の表示態様は、表示の順序や表示位置、色、大きさ、文字等によって各登録機器の優先度が識別可能であれば、他のどのような態様で表現されてもよい。
【0112】
また、仮想リモコン制御部212dは、操作画面の表示態様を、登録機器の優先度に基づく表示態様とするか、又はそれ以外の表示態様とするかを、ユーザが入力操作によって切り替えることができるように構成されてもよい。例えば、この切り替えは、ボタン等の入力インタフェースによって実現されてもよいし、異なる態様で対象機器を表示するタブ等による画面の切り替えによって実現されてもよい。
【0113】
また、仮想リモコン制御部212dは、操作画面の表示態様を、登録機器の優先度に基づく表示態様とするか、又はそれ以外の表示態様とするかを、各登録機器の状態に応じて切り替えるように構成されてもよい。例えば、仮想リモコン制御部212dは、テレビから番組の録画を終了したことを通知された場合に表示態様を切り替えるように構成されてもよい。これによりユーザは、操作画面の表示態様を切り替える操作を行うことなく、各登録機器の状態変化を認識できるとともに、その状態変化に対して迅速に対応することが可能となる。
【0114】
また、仮想リモコン制御部212dは、自装置に対するユーザの操作入力が所定時間行われない場合、その時点以降においてユーザによって使用される可能性の高い登録機器の操作画面をユーザの操作によらずに自動で表示部203に表示させるように構成されてもよい。このような構成によれば、一旦操作を終えたユーザが再び遠隔操作端末2dを操作しようとしたとき、使用される可能性の高い登録機器に関する画面が既に表示された状態とすることができる。そのため、遠隔操作端末2dの利便性を向上させることができる。
【0115】
また、仮想リモコン制御部212dは、操作画面を表示するアプリケーションが待機状態から実行状態に切り替わった場合、その時点以降においてユーザによって使用される可能性の高い登録機器の操作画面をユーザの操作によらずに自動で表示部203に表示させるように構成されてもよい。例えば、スマートフォンなどの携帯端末においては、画面に表示されれているアプリケーションが実行状態に制御され、画面に表示されていないアプリケーションは待機状態に制御される場合がある。このような構成によれば、機器選択画面、操作画面または関連画面を表示するアプリケーションが実行状態に切り替わったとき、使用される可能性の高い登録機器の操作画面を即座に表示させることができる。そのため、遠隔操作端末2dの利便性を向上させることができる。
【0116】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、複数の機器から操作対象機器を選択する際の操作性を向上させることができる。例えば、遠隔操作対象の家電機器を登録する機器登録部と、登録済みの家電機器に対応づけられた仮想的な操作部であって、各々に対応づけられている家電機器に対する操作入力を受け付ける複数の仮想リモコンの操作画面と、操作画面が表示部に表示される態様を自装置の位置に応じて変更する表示制御部とを持つことにより、上記効果を奏することができる。また、例えば、任意の情報を表示可能な表示部を制御する表示制御部と、表示部に表示可能であり、遠隔操作対象として登録された機器に関する操作入力を受け付ける複数の操作部と、を持ち、表示制御部が、ユーザの操作によることなく、自動で、機器に関する所定条件が満たされたか否かを判定し、所定条件を満たす登録機器の操作部を他の操作部よりもユーザが操作しやすい態様で表示部に表示させることにより上記効果を奏することができる。
【0117】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0118】
100…遠隔操作システム、1,1-1~1-5…家電機器、2,2a,2b…遠隔操作端末、201…第1通信部、202…第2通信部、203…表示部、204…記憶部、205…入力部、211,211a…機器登録部、212,212a…仮想リモコン制御部、213…位置情報送信部、214…通知受信部、3,3c…遠隔制御装置、31…通信部、32,32c…記憶部、33…機器制御部、34,34c…通知送信部