(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】ガイド表示システムおよびこれを備えたクレーン
(51)【国際特許分類】
B66C 13/00 20060101AFI20231019BHJP
B66C 13/22 20060101ALI20231019BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
B66C13/00 D
B66C13/22 Y
H04N7/18 J
(21)【出願番号】P 2020056813
(22)【出願日】2020-03-26
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(73)【特許権者】
【識別番号】399030060
【氏名又は名称】学校法人 関西大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 巖
(72)【発明者】
【氏名】小阪 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】間嶋 勁太
(72)【発明者】
【氏名】窪田 諭
(72)【発明者】
【氏名】田中 成典
(72)【発明者】
【氏名】中原 匡哉
(72)【発明者】
【氏名】中畑 光貴
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-024151(JP,A)
【文献】特開2018-095376(JP,A)
【文献】特開2018-080054(JP,A)
【文献】特開2012-063866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/00-15/06
H04N 7/18
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊荷の上方から当該吊荷ならびに地表面を走査するレーザスキャナと、
前記レーザスキャナが取得した点群データを用いてグリッドごとに代表点を算出するとともに当該代表点に基づいて三次元地図を作成するデータ処理部と、を備え、
新たに算出された前記代表点と既存の前記代表点が異なる場合に前記三次元地図を更新するクレーンのガイド表示システムにおいて、
前記三次元地図に前記吊荷の影であるオクルージョン領域が発生すると、新たに算出された前記代表点と既存の前記代表点が異なる場合であっても前記オクルージョン領域について更新を行わない、ことを特徴とするガイド表示システム。
【請求項2】
前記吊荷の標高値が当該吊荷の高さ寸法に基づいて定まる閾値を超えると、新たに算出された前記代表点と既存の前記代表点が異なる場合であっても前記オクルージョン領域について更新を行わない、ことを特徴とする請求項1に記載のガイド表示システム。
【請求項3】
前記吊荷の外縁から外側へ所定距離を取った領域を前記オクルージョン領域と認識する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガイド表示システム。
【請求項4】
連続するフレームごとに前記三次元地図が作成されており、
現在のフレームで前記吊荷を追跡できなかった場合に過去のフレームから前記吊荷の存在を削除して前記三次元地図を更新する、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のガイド表示システム。
【請求項5】
前記吊荷の上方から当該吊荷ならびに地表面を撮影するカメラと、
前記カメラが撮影した映像を映し出すデータ表示部と、を備え、
前記カメラが撮影した映像に対して前記三次元地図に基づいて生成されたガイド情報を重ね合わせて前記データ表示部に表示する、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガイド表示システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のガイド表示システムを備えたクレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイド表示システムおよびこれを備えたクレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、吊荷と吊荷周辺の地物について、位置および標高に関する情報をオペレータに提示できるガイド表示システムが公知となっている。かかるガイド表示システムは、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されたガイド表示システムは、レーザスキャナが取得した点群データを用いてグリッドごとに代表点を算出するとともに代表点に基づいて三次元地図を作成するデータ処理部を備えている。データ処理部は、吊荷や地物を取り囲むガイド枠図形などのガイド情報を生成し、カメラが撮影した映像に対してガイド情報を重ね合わせてデータ表示部に表示する。このようなガイド表示システムによれば、吊荷と吊荷周辺の地物について、位置および標高に関する情報をオペレータに提示できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたガイド表示システムは、三次元地図に吊荷の影であるオクルージョン領域が発生すると、同一の地物を異なる複数の地物或いは地表面であると誤認識する場合があった。つまり、
図15に示すように、三次元地図に吊荷の影であるオクルージョン領域が発生すると、このオクルージョン領域を反映するように三次元地図が更新されてしまい、結果として同一の地物を異なる複数の地物或いは地表面であると誤認識する場合があったのである。
【0006】
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、オクルージョン領域が発生しても同一の地物を異なる複数の地物或いは地表面であると誤認識しないガイド表示システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、第一の発明は、
吊荷の上方から当該吊荷ならびに地表面を走査するレーザスキャナと、
前記レーザスキャナが取得した点群データを用いてグリッドごとに代表点を算出するとともに当該代表点に基づいて三次元地図を作成するデータ処理部と、を備え、
新たに算出された前記代表点と既存の前記代表点が異なる場合に前記三次元地図を更新するクレーンのガイド表示システムにおいて、
前記三次元地図に前記吊荷の影であるオクルージョン領域が発生すると、新たに算出された前記代表点と既存の前記代表点が異なる場合であっても前記オクルージョン領域について更新を行わない、としたものである。
【0009】
第二の発明は、第一の発明に係るガイド表示システムにおいて、
前記吊荷の標高値が当該吊荷の高さ寸法に基づいて定まる閾値を超えると、新たに算出された前記代表点と既存の前記代表点が異なる場合であっても前記オクルージョン領域について更新を行わない、としたものである。
【0010】
第三の発明は、第一又は第二の発明に係るガイド表示システムにおいて、
前記吊荷の外縁から外側へ所定距離を取った領域を前記オクルージョン領域と認識する、としたものである。
【0011】
第四の発明は、第一から第三の発明に係るガイド表示システムにおいて、
連続するフレームごとに前記三次元地図が作成されており、
現在のフレームで前記吊荷を追跡できなかった場合に過去のフレームから前記吊荷の存在を削除して前記三次元地図を更新する、としたものである。
【0012】
第五の発明は、第一から第四の発明に係るガイド表示システムにおいて、
前記吊荷の上方から当該吊荷ならびに地表面を撮影するカメラと、
前記カメラが撮影した映像を映し出すデータ表示部と、を備え、
前記カメラが撮影した映像に対して前記三次元地図に基づいて生成されたガイド情報を重ね合わせて前記データ表示部に表示する、としたものである。
【0013】
第六の発明は、第一から第五の発明に係るガイド表示システムを備えたクレーンである、としたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
第一の発明に係るガイド表示システムは、三次元地図に吊荷の影であるオクルージョン領域が発生すると、新たに算出された代表点と既存の代表点が異なる場合であってもオクルージョン領域について更新を行わない、としたものである。かかるガイド表示システムによれば、オクルージョン領域が発生しても同一の地物を異なる複数の地物或いは地表面であると誤認識しない。
【0016】
第二の発明に係るガイド表示システムは、吊荷の標高値が吊荷の高さ寸法に基づいて定まる閾値を超えると、新たに算出された代表点と既存の代表点が異なる場合であってもオクルージョン領域について更新を行わない、としたものである。かかるガイド表示システムによれば、前述の効果に加え、吊荷が吊り上げられたときから一連の技術的思想が有効となる。
【0017】
第三の発明に係るガイド表示システムは、吊荷の外縁から外側へ所定距離を取った領域をオクルージョン領域と認識する、としたものである。かかるガイド表示システムによれば、前述の効果に加え、吊荷が搬送されたり振れたりしていても三次元地図における吊荷周辺の精度を向上できる。
【0018】
第四の発明に係るガイド表示システムは、現在のフレームで吊荷を追跡できなかった場合に過去のフレームから吊荷の存在を削除して三次元地図を更新する、としたものである。かかるガイド表示システムによれば、前述の効果に加え、吊荷が搬送されたり振れたりしていても三次元地図における吊荷の上面形状の精度を向上できる。
【0019】
第五の発明に係るガイド表示システムは、カメラが撮影した映像に対して三次元地図に基づいて生成されたガイド情報を重ね合わせてデータ表示部に表示する、としたものである。かかるガイド表示システムによれば、前述の効果に加え、映像とともに精度の高いガイド情報をオペレータに提示できる。
【0020】
第六の発明に係るクレーンは、第一から第五の発明に係るガイド表示システムを備えた、としたものである。かかるクレーンによれば、前述の効果と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係るクレーンを示す図。
【
図2】本発明の一実施形態に係るガイド表示システムを示す図。
【
図11】三次元地図更新処理を経て作成された三次元地図を示す図。
【
図14】同一領域推定処理を経て生成されたガイド情報を示す図。
【
図15】オクルージョン領域の発生によって誤認識が生じる状況を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
まず、本発明の一実施形態に係るクレーン1について説明する。
【0023】
図1に示すように、クレーン1は、不特定の場所に移動可能な移動式クレーンである。クレーン1は、走行車両2とクレーン装置6を備えている。
【0024】
走行車両2は、クレーン装置6を搬送するものである。走行車両2は、複数の車輪3を有し、エンジン4を動力源として走行する。走行車両2には、アウトリガ5が設けられている。アウトリガ5は、走行車両2の幅方向に延伸するビームと地表面Fに接地して走行車両2を支持するジャッキシリンダで構成されている。
【0025】
クレーン装置6は、吊荷Wを吊り上げた状態で搬送するものである。クレーン装置6は、ブーム7を備えている。ブーム7には、ワイヤロープ8が架け渡されている。ブーム7の先端部分から垂下するワイヤロープ8には、フック9が取り付けられている。また、ブーム7の基端側近傍には、ウインチ10が配置されている。尚、クレーン装置6は、ブーム7の側方にキャビン11を備えている。キャビン11の内部には、旋回操作具19や伸縮操作具20、起伏操作具21、巻回操作具22などが設けられている(
図2参照)。
【0026】
ブーム7は、アクチュエータによって旋回自在となっている。本願においては、かかるアクチュエータを旋回用モータ12と定義する。旋回用モータ12は、電磁比例切換弁である旋回用バルブ23によって適宜に稼動する(
図2参照)。つまり、旋回用モータ12は、旋回用バルブ23が作動油の流量や流動方向を切り替えることで適宜に稼動する。尚、旋回用バルブ23は、制御装置18の指示に基づいて稼動する。ブーム7の旋回角度は、旋回用センサ27によって検出される(
図2参照)。
【0027】
また、ブーム7は、アクチュエータによって伸縮自在となっている。本願においては、かかるアクチュエータを伸縮用シリンダ13と定義する。伸縮用シリンダ13は、電磁比例切換弁である伸縮用バルブ24によって適宜に稼動する(
図2参照)。つまり、伸縮用シリンダ13は、伸縮用バルブ24が作動油の流量や流動方向を切り替えることで適宜に稼動する。尚、伸縮用バルブ24は、制御装置18の指示に基づいて稼動する。ブーム7の伸縮長さは、伸縮用センサ28によって検出される(
図2参照)。
【0028】
更に、ブーム7は、アクチュエータによって起伏自在となっている。本願においては、かかるアクチュエータを起伏用シリンダ14と定義する。起伏用シリンダ14は、電磁比例切換弁である起伏用バルブ25によって適宜に稼動する(
図2参照)。つまり、起伏用シリンダ14は、起伏用バルブ25が作動油の流量や流動方向を切り替えることで適宜に稼動する。尚、起伏用バルブ25は、制御装置18の指示に基づいて稼動する。ブーム7の起伏角度は、起伏用センサ29によって検出される(
図2参照)。
【0029】
加えて、フック9は、アクチュエータによって昇降自在となっている。本願においては、かかるアクチュエータを巻回用モータ15と定義する。巻回用モータ15は、電磁比例切換弁である巻回用バルブ26によって適宜に稼動する(
図2参照)。つまり、巻回用モータ15は、巻回用バルブ26が作動油の流量や流動方向を切り替えることで適宜に稼動する。尚、巻回用バルブ26は、制御装置18の指示に基づいて稼動する。フック9の吊下長さは、巻回用センサ30によって検出される(
図2参照)。
【0030】
ところで、本願においては、クレーン1に対してXYZ座標系を規定している。XYZ座標系におけるX軸方向(奥行方向とも呼ぶ)は、ブーム7の起伏支点の軸方向に対して垂直、かつ重力方向に対して垂直な方向となっている。また、XYZ座標系におけるY軸方向(水平方向とも呼ぶ)は、ブーム7の起伏支点の軸方向に対して平行、かつ重力方向に対して垂直な方向となっている。更に、XYZ座標系におけるZ軸方向(鉛直方向とも呼ぶ)は、ブーム7の起伏支点の軸方向に対して垂直、かつ重力方向に対して平行な方向となっている。
【0031】
次に、本発明の一実施形態に係るガイド表示システム50について説明する。
【0032】
図2に示すように、ガイド表示システム50は、クレーン1の制御装置18と連携している。ガイド表示システム50は、データ取得部60とデータ処理部70とデータ表示部80とデータ入力部90を備えている。
【0033】
データ取得部60は、後述するガイド情報を生成するために必要な情報を取得するものである。データ取得部60は、カメラ61とレーザスキャナ62と慣性計測装置63と第一測位装置64が一体に構成されたセンサユニット66を有している。センサユニット66は、ブーム7の先端部分にジンバルを介して取り付けられている(
図1参照)。
【0034】
カメラ61は、作業領域の一部を撮影するものである。カメラ61は、適宜なスペックを有しており、撮影した映像をデータ処理部70へ出力する。尚、カメラ61は、吊荷Wの上方から吊荷Wならびに吊荷W周辺の地表面F(地物Eを含む)を撮影する。そのため、データ処理部70は、吊荷Wならびに吊荷W周辺の地表面F(地物Eを含む)についての映像を取得することができる。
【0035】
レーザスキャナ62は、作業領域の一部について点群データPを取得するものである(
図3参照)。レーザスキャナ62は、適宜なスペックを有しており、取得した点群データPをデータ処理部70へ出力する。尚、レーザスキャナ62は、吊荷Wの上方から吊荷Wならびに吊荷W周辺の地表面F(地物Eを含む)を走査する。そのため、データ処理部70は、吊荷Wならびに吊荷W周辺の地表面F(地物Eを含む)についての点群データPを取得することができる。
【0036】
慣性計測装置(Inertial Measurement Unit:以下「IMU」とする)63は、センサユニット66の姿勢に関する情報(具体的にはカメラ61とレーザスキャナ62の姿勢に関する情報)を取得するものである。IMU63は、適宜なスペックを有しており、取得したカメラ61とレーザスキャナ62の姿勢に関する情報をデータ処理部70へ出力する。そのため、データ処理部70は、カメラ61とレーザスキャナ62の姿勢に関する情報を取得することができる。
【0037】
第一測位装置(Global Navigation Satellite System:以下「GNSS受信機」とする)64は、GNSS衛星から発せられた電波を受信することでセンサユニット66の緯度、経度、標高値(具体的にはレーザスキャナ62の座標値)を取得するものである。GNSS受信機64は、適宜なスペックを有しており、取得したレーザスキャナ62の座標値をデータ処理部70へ出力する。そのため、データ処理部70は、レーザスキャナ62の座標値を取得することができる。
【0038】
加えて、データ取得部60においては、第二測位装置65がクレーン装置6の旋回中心位置に配置されている。第二測位装置(Global Navigation Satellite System:以下「GNSS受信機」とする)65は、GNSS衛星から発せられた電波を受信することでクレーン装置6の旋回中心の緯度、経度、標高値(具体的にはクレーン装置6の旋回中心の座標値)を取得するものである。GNSS受信機65は、適宜なスペックを有しており、取得した旋回中心の座標値をデータ処理部70へ出力する。そのため、データ処理部70は、クレーン装置6の旋回中心の座標値を取得することができる。
【0039】
このように、ガイド表示システム50は、レーザスキャナ62の座標値とクレーン装置6の旋回中心の座標値によってブーム7を基線としたGNSSコンパスを構成している。このため、データ処理部70は、レーザスキャナ62の向きを算出することができる。また、ガイド表示システム50では、点群データPおよびIMU63の計測時刻がGNSS衛星の原子時計の時刻(以下「GNSS時刻」とする)で同期していることを要件としている。尚、GNSS受信機64とGNSS受信機65には、測位精度の高いRTK(Real Time Kinematic)測位方式を採用している。但し、RTK測位方式に限定せず、他の測位方式を採用していてもよい。
【0040】
データ処理部70は、データ取得部60と接続されており、様々な処理を行うものである。データ処理部70は、例えば汎用のコンピュータによって構成されている。尚、データ処理部70は、センサユニット66の近傍に配置されている。但し、データ処理部70は、キャビン11の内部など他の場所に配置されていてもよい。もちろん持ち運び可能なものであってもよい。
【0041】
データ表示部80は、データ処理部70と接続されており、様々な情報を映し出すものである。データ表示部80は、例えば汎用のモニタによって構成されている。尚、データ表示部80は、キャビン11の内部に配置されている。そのため、クレーン1のオペレータに対して情報を提示できる。もちろんデータ処理部70が持ち運び可能なものである場合などでは、一体となったモニタであってもよい。
【0042】
データ入力部90は、データ処理部70と接続されており、様々な数値を入力或いは設定を変更するものである。データ入力部90は、例えば汎用のキーボードやマウス、タッチパネルによって構成されている。尚、データ入力部90も、キャビン11の内部に配置されている。そのため、クレーン1のオペレータが自在に数値を入力或いは設定を変更できる。もちろんデータ処理部70が持ち運び可能なものである場合などでは、一体となったキーボードやマウス、タッチパネルであってもよい。
【0043】
次に、レーザスキャナ62による走査態様について説明する。
【0044】
図3に示すように、レーザスキャナ62は、地表面Fに対して上方からレーザ光を照射する。レーザスキャナ62は、複数のレーザ発信機ならびにレーザ受信機を備えており、同時に複数本のレーザ光を照射して同時に複数個の点データp(点データpの集合が点群データPである)を取得できる。
【0045】
具体的に説明すると、レーザスキャナ62は、合計16個のレーザ発信機を備えており、同時に16本のレーザ光を照射できる。それぞれのレーザ発信機は、Y軸方向を中心に2°ずつ照射角度を異にしている。また、それぞれのレーザ発信機は、X軸を中心に連続的に位相角を変えて照射可能に構成されている。そのため、レーザスキャナ62は、地表面Fの所定の範囲に対してレーザ光を照射できる。
【0046】
更に、レーザスキャナ62は、合計16個のレーザ受信機を備えており、同時に16本のレーザ光の反射光を検出できる。それぞれのレーザ受信機は、Y軸方向を中心に2°ずつ検出角度を異にしている。また、それぞれのレーザ受信機は、レーザ発信機から発信されたレーザ光と同じ光路で反射光を検出可能に構成されている。こうして、レーザスキャナ62は、地表面Fを覆う点群データPを取得できるのである。尚、点群データPを取得できる範囲は、カメラ61によって撮影される範囲である計測領域Rを含んでいる。
【0047】
このように構成することで、データ処理部70は、計測領域Rを含む範囲について点群データPを取得できる。レーザスキャナ62は、吊荷Wの上方から吊荷Wならびに吊荷W周辺の地表面F(地物Eを含む)を走査するため、点群データPには、吊荷W、地表面F、地物Eが表れることとなる(
図8(B)参照)。点群データPを構成する各点データpには、IMU63やGNSS受信機64・65によって取得された様々な情報が付加される。例えば姿勢情報や位置情報などである。
【0048】
次に、データ処理部70による処理の流れについて説明する。
【0049】
図4に示すように、データ処理部70は、点群データ補正工程STEP-1と三次元地図作成工程STEP-2とクラスタリング工程STEP-3と作業領域可視化工程STEP-4を行う。これらの工程は、所定時間ごとに繰り返し行われる。
【0050】
点群データ補正工程STEP-1は、レーザスキャナ62、IMU63、GNSS64・65による情報を基に現在時刻から最も近い時刻の点群データP、姿勢情報および位置情報を取得し、レーザスキャナ62の向きを算出する。そして、姿勢情報、位置情報および向きを用いて点群データPの位置と傾きを補正し、これを補正済みの点群データPとして出力する(
図5参照)。
【0051】
具体的に説明すると、点群データ補正工程STEP-1は、時刻同期処理STEP-11と剛体変換処理STEP-12で構成されている。
【0052】
時刻同期処理STEP-11は、現在時刻から最も近い時刻で、かつ計測領域Rの端から端までを一巡したレーザスキャナ62、IMU63、GNSS64・65による情報同士をGNSS時刻にて同期する。そして、同期済みの点データp、姿勢情報、位置情報の組み合わせを出力する。
【0053】
剛体変換処理STEP-12は、同期済みの点データp、姿勢情報、位置情報の組み合わせを一つ取得する。そして、取得した姿勢情報を用いて点データpの座標値を剛体変換し、点データpの座標系を平面直角座標系に変換して傾き、位置および向きを補正した点群データPを出力する。
【0054】
三次元地図作成工程STEP-2は、異なる時期や位置から取得した補正済みの点群データP同士を重ね合わせ、格子状のグリッド(複数の点データpを含む格子状に分割された領域である)Gに分割し、グリッドGごとに代表点Prを算出する(
図6(A)参照)。そして、代表点Prに基づいて面を生成することで、これを作業領域の三次元地
図Mとして出力する(
図6(B)参照)。
【0055】
具体的に説明すると、三次元地図作成工程STEP-2は、グリッド生成処理STEP-21と三次元地図更新処理STEP-22で構成されている。
【0056】
グリッド生成処理STEP-21は、補正済みの点群データP同士を重ね合わせて格子状のグリッドGに分割する。そして、グリッドGに含まれる点データpの標高値(座標値の高さ成分)について平均値を算出し、グリッドGの重心位置に高さ成分を平均値とした代表点Prを算出する。
【0057】
三次元地図更新処理STEP-22は、グリッドGごとに新たに算出された代表点Prを取得する。また、前回に算出された既存の代表点Prも取得する。そして、新たに算出された代表点Prと既存の代表点Prが異なる場合に新たに算出された代表点Prに基づく面を生成して三次元地
図Mを出力する。このとき、吊荷Wの影であるオクルージョン領域Roが考慮される(
図8(B)参照)。これについては後述する。
【0058】
クラスタリング工程STEP-3は、上下左右に隣り合うグリッドGの代表点Prについて互いの代表点Prの高さ成分の関係性から特定領域に対してラベルLを付与する(
図7(A)参照)。なお、
図7(A)等に示す丸囲み数字がラベルLを表している。そして、同じラベルLが付された特定領域について吊荷Wに相当する特定領域を吊荷Wとし、地表面Fに相当する特定領域を地表面Fとして出力する(
図7(B)参照)。更に、それ以外の特定領域を地物Eとして出力する(
図7(C)参照)。
【0059】
具体的に説明すると、クラスタリング工程STEP-3は、ラベリング処理STEP-31と同一領域推定処理STEP-32と地物領域推定処理STEP-33で構成されている。
【0060】
ラベリング処理STEP-31は、格子状に並ぶグリッドGを画素に見立てる。また、各グリッドGに存在する代表点Prの高さ成分を輝度値に見立てる。そして、上下左右に隣り合うグリッドGの輝度値を所定の定めに基づいて比較し、特定領域に対してラベルLを付与する。
【0061】
同一領域推定処理STEP-32は、同じラベルLが付された特定領域を一つの平面に見立てる。そして、同じラベルLが付された特定領域の中でオペレータが手動操作によって選択した特定領域を吊荷Wとして出力する。また、最も点データpが多い特定領域を地表面Fとして出力する。
【0062】
地物領域推定処理STEP-33は、吊荷Wや地表面Fとされた特定領域以外について代表点Prの集合を特定領域として取得する。そして、この特定領域に最も近い地表面Fとされた特定領域を取得した上で高さ成分の平均値を算出し、平均値の差が同じ特定領域の高さ成分の差以下の場合に地物Eとして出力する。
【0063】
作業領域可視化工程STEP-4は、吊荷Wや地物Eを取り囲むガイド枠図形GD1などのガイド情報(標高を表す数値GD2・GD3を含む)を生成し、カメラ61が撮影した映像に対してガイド情報を重ね合わせてデータ表示部80に出力する(
図8(A)参照)。また、吊荷W、地表面F、地物Eの三次元的な位置関係を表す三次元地
図Mについて可視化して出力する(
図8(B)参照)。
【0064】
具体的に説明すると、作業領域可視化工程STEP-4は、領域可視化処理STEP-41と三次元地図可視化処理STEP-42で構成されている。
【0065】
領域可視化処理STEP-41は、レーザスキャナ62の位置と向きに基づいて吊荷Wや地物Eの映像上における位置を算出する。そして、吊荷Wや地物Eを取り囲むガイド枠図形GD1を生成し、カメラ61が撮影した映像における吊荷Wや地物Eに対してガイド枠図形GD1を重ね合わせて出力する。また、吊荷Wの標高を表す数値GD2や地物Eの標高を表す数値GD3についても出力する。
【0066】
三次元地図可視化処理STEP-42は、ラベルLが付された吊荷W、地表面F、地物EについてグリッドGごとに代表点Prの座標値を取得する。そして、グリッドGごとに代表点Prを重心とする面を生成する。このとき、面の一辺の幅は、グリッドGの幅と同じとする。その後、吊荷W、地表面F、地物Eごとに着色を行って、これを三次元地
図Mとして可視化するのである。
【0067】
次に、三次元地図更新処理STEP-22の流れについて説明する。
【0068】
前述したように、データ処理部70は、三次元地図作成工程STEP-2にて三次元地図更新処理STEP-22を行う。
【0069】
図9に示すように、三次元地図更新処理STEP-22は、グリッドGごとに行われる複数の処理によって構成されている。以下に説明する処理の流れは、本ガイド表示システム50に採用された一例である。但し、本願に掲げる発明を実現できればよく、処理の流れについて限定するものではない。
【0070】
第一処理STEP-221において、データ処理部70は、グリッドGにおける最新の代表点Pr1を取得する(
図10(A)参照)。「代表点Pr1」とは、現在時刻から最も近い時刻に算出された代表点Prを指している。代表点Pr1を取得した後には、第二処理STEP-222へ移行する。
【0071】
第二処理STEP-222において、データ処理部70は、グリッドGにおける既存の代表点Pr2を取得する(
図10(B)参照)。「代表点Pr2」とは、代表点Pr1が算出される前に算出された代表点Prを指している。代表点Pr2を取得した後には、第三処理STEP-223へ移行する。
【0072】
第三処理STEP-223において、データ処理部70は、最新の代表点Pr1と既存の代表点Pr2が異なるか否かを判断する。代表点Pr1と代表点Pr2が異なる場合には、第四処理STEP-224へ移行し、代表点Pr1と代表点Pr2が異ならない場合は、第八処理STEP-228へ移行する。
【0073】
第四処理STEP-224において、データ処理部70は、かかるグリッドGがオクルージョン領域Roに含まれるか否かを判断する。グリッドGがオクルージョン領域Roに含まれる場合には、第五処理STEP-225へ移行し、グリッドGがオクルージョン領域Roに含まれない場合は、第九処理STEP-229へ移行する。
【0074】
第五処理STEP-225において、データ処理部70は、吊荷Wの標高値Hを取得する(
図8(B)参照)。つまり、オクルージョン領域Roから吊荷Wの上面までの距離を取得する。標高値Hを取得した後には、第六処理STEP-226へ移行する。
【0075】
第六処理STEP-226において、データ処理部70は、吊荷Wの高さ寸法hを取得する(
図8(B)参照)。吊荷Wの高さ寸法hは、吊荷Wが地表面Fに載置された状態(地物Eである状態)のときから引き継がれた標高値に相当する。高さ寸法hを取得した後には、第七処理STEP-227へ移行する。
【0076】
第七処理STEP-227において、データ処理部70は、吊荷Wの標高値Hが吊荷Wの高さ寸法hに基づいて定まる閾値(本ガイド表示システム50においては高さ寸法hに等しい値としている)を超えるか否かを判断する。標高値Hが閾値を超えている場合には、第八処理STEP-228へ移行し、標高値Hが閾値を超えていない場合には、第九処理STEP-229へ移行する。
【0077】
第八処理STEP-228において、データ処理部70は、かかるグリッドGにおける代表点Pr1を削除する(
図10(C)参照)。そして、かかるグリッドGにあっては、既存の代表点Pr2に基づいて面を生成する。このようにすることで、最新の代表点Pr1と既存の代表点Pr2が異ならない場合に更新されないこととなる。また、最新の代表点Pr1と既存の代表点Pr2が異なっていても、グリッドGがオクルージョン領域Roに含まれており、吊荷Wの標高値Hが吊荷Wの高さ寸法hに基づいて定まる閾値を超えている場合に更新されないこととなる。
【0078】
他方、第九処理STEP-229において、データ処理部70は、かかるグリッドGにおける代表点Pr2を削除する(
図10(C)参照)。そして、かかるグリッドGにあっては、最新の代表点Pr1に基づいて面を生成する。このようにすることで、最新の代表点Pr1と既存の代表点Pr2が異なり、グリッドGがオクルージョン領域Roに含まれない場合に更新されることとなる。また、最新の代表点Pr1と既存の代表点Pr2が異なり、グリッドGがオクルージョン領域Roに含まれていても、吊荷Wの標高値Hが吊荷Wの高さ寸法hに基づいて定まる閾値を超えていない場合に更新されることとなる。
【0079】
このように、ガイド表示システム50は、三次元地
図Mに吊荷Wの影であるオクルージョン領域Roが発生すると、新たに算出された代表点Pr1と既存の代表点Prが異なる場合であってもオクルージョン領域Roについて更新を行わない、としたものである。かかるガイド表示システム50によれば、オクルージョン領域Roが発生しても同一の地物Eを異なる複数の地物E或いは地表面Fであると誤認識しない(
図11参照)。
【0080】
加えて、ガイド表示システム50は、吊荷Wの標高値Hが吊荷Wの高さ寸法hに基づいて定まる閾値を超えると、新たに算出された代表点Pr1と既存の代表点Pr2が異なる場合であってもオクルージョン領域Roについて更新を行わない、としたものである。かかるガイド表示システム50によれば、前述の効果に加え、吊荷Wが吊り上げられたときから一連の技術的思想が有効となる。
【0081】
ところで、データ処理部70は、オクルージョン領域Roを以下のように認識する。
【0082】
即ち、データ処理部70は、吊荷Wの影を含む広い領域をオクルージョン領域Roと認識する。
【0083】
具体的に説明すると、データ処理部70は、吊荷Wの外縁にあたるグリッドGの境界線B1を特定し、この境界線B1から外側へ一つ又は複数のグリッドGを隔てた境界線B2を特定する(
図10(C)参照)。そして、境界線B2に囲まれた領域をオクルージョン領域Roと認識するのである。
【0084】
このように、ガイド表示システム50は、吊荷Wの外縁から外側へ所定距離を取った領域をオクルージョン領域Roと認識する、としたものである。かかるガイド表示システム50によれば、前述の効果に加え、吊荷Wが搬送されたり振れたりしていても三次元地
図Mにおける吊荷W周辺の精度を向上できる。
【0085】
次に、同一領域推定処理STEP-32の流れについて説明する。
【0086】
前述したように、データ処理部70は、クラスタリング工程STEP-3にて同一領域推定処理STEP-32を行う。
【0087】
図12に示すように、同一領域推定処理STEP-32は、グリッドGごとに行われる複数の処理によって構成されている。以下に説明する処理の流れは、ガイド表示システム50に採用された一例である。但し、本願に掲げる発明を実現できればよく、処理の流れについて限定するものではない。
【0088】
第一処理STEP-321において、データ処理部70は、時系列に並んだ複数のフレームf・f・f・・・を取得する(
図13(A)参照)。「フレームf」とは、ある時刻の点群データPに基づいて作成された三次元地
図Mを指している。フレームfを取得した後には、第二処理STEP-322へ移行する。
【0089】
第二処理STEP-322において、データ処理部70は、各フレームfの同じラベルLが付された特定領域についてグリッドGごとに標高値の平均値を算出する(
図13(B)参照)。ガイド表示システム50においては、かかる平均値を小数点一桁で表している。平均値を算出した後には、第三処理STEP-323へ移行する。
【0090】
第三処理STEP-323において、データ処理部70は、最新のフレームfの特定領域における標高値と平均値との差が閾値を超えるか否かを判断する。これらの差が閾値を超えている場合には、第四処理STEP-324へ移行し、これらの差が閾値を超えていない場合には、第五処理STEP-325へ移行する。
【0091】
第四処理STEP-324において、データ処理部70は、かかる特定領域を動体mであると認定する(
図13(C)参照)。尚、このような特定領域の中には、吊荷Wが含まれることがある。吊荷Wは、オペレータが手動操作によって選択した特定領域であることから、見分けることが可能である。このようにすることで、搬送される吊荷Wについて見失うことなく追跡することができ、吊荷Wを取り囲むガイド枠図形GD1を吊荷Wの搬送に応じて動かすことができるのである。
【0092】
他方、第五処理STEP-325において、データ処理部70は、かかる特定領域を静止体sであると認定する(
図13(C)参照)。このような特定領域の中には、吊荷Wが含まれることがある。吊荷Wは、オペレータが手動操作によって選択した特定領域であることから、見分けることが可能である。このようにすることで、搬送を停止された吊荷Wについても見失うことなく追跡することができ、吊荷Wを取り囲むガイド枠図形GD1を吊荷Wの停止に応じて止めることができるのである。
【0093】
ところで、同一領域推定処理STEP-32においては、吊荷Wの上面を捉えた点データpの数が少ない場合など、何らかの原因によって吊荷Wを追跡できない事態(吊荷Wの位置を正確に特定できない事態を含む)が想定される。
【0094】
このような事態にあっては、最新のフレームfを除いた過去のフレームf・f・f・・・から吊荷Wに相当する特定領域のラベルLを削除した上で同じ処理を行うものとする。このようにすることで、過去のフレームf・f・f・・・における吊荷Wを反映した三次元地
図Mが作成されるのを防ぐことができる。ひいては、ガイド枠図形GD1が実際の吊荷Wの形状よりも大きく生成(
図14における二点鎖線V参照)されるのを防ぐことができるのである。
【0095】
このように、ガイド表示システム50は、現在のフレームfで吊荷Wを追跡できなかった場合に過去のフレームf・f・f・・・から吊荷Wの存在を削除して三次元地
図Mを更新する、としたものである。かかるガイド表示システム50によれば、前述の効果に加え、吊荷Wが搬送されたり振れたりしていても三次元地
図Mにおける吊荷Wの上面形状の精度を向上できる(ひいては三次元地
図Mに基づいて生成されたガイド枠図形GD1が吊荷Wの上面形状に即したものとなる:
図14参照)。
【0096】
加えて、ガイド表示システム50は、カメラ61が撮影した映像に対して三次元地
図Mに基づいて生成されたガイド情報(ガイド枠図形GD1など)を重ね合わせてデータ表示部80に表示する、としたものである。かかるガイド表示システム50によれば、前述の効果に加え、映像とともに精度の高いガイド情報(ガイド枠図形GD1や標高を表す数値GD2・GD3)をオペレータに提示できる。
【0097】
最後に、発明の対象をガイド表示システム50からガイド表示システム50を備えたクレーン1とすることも考えられる。
【0098】
即ち、クレーン1は、ガイド表示システム50を備えている、としたものである。かかるクレーン1によれば、前述の効果と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0099】
1 クレーン
50 ガイド表示システム
60 データ取得部
61 カメラ
62 レーザスキャナ
63 慣性計測装置(IMU)
64 第一測位装置(GNSS受信機)
65 第二測位装置(GNSS受信機)
66 センサユニット
70 データ処理部
80 データ表示部
90 データ入力部
E 地物
F 地表面
f フレーム
G グリッド
GD1 ガイド情報(ガイド枠図形)
H 吊荷の標高値
h 吊荷の高さ寸法
M 三次元地図
P 点群データ
p 点データ
Pr 代表点
Ro オクルージョン領域
W 吊荷