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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】ボール回収機
(51)【国際特許分類】
   A63B 47/02 20060101AFI20231019BHJP
   G06M 7/00 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
A63B47/02 B
G06M7/00 311B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020092850
(22)【出願日】2020-05-28
(65)【公開番号】P2021186156
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】509264132
【氏名又は名称】株式会社やまびこ
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 涼太
(72)【発明者】
【氏名】中野 賢二
(72)【発明者】
【氏名】杉 健太郎
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207804930(CN,U)
【文献】中国実用新案第203790534(CN,U)
【文献】特開平04-164464(JP,A)
【文献】特開2017-123885(JP,A)
【文献】特開2002-125388(JP,A)
【文献】特開2006-074950(JP,A)
【文献】特開2009-171738(JP,A)
【文献】特許第2963571(JP,B2)
【文献】実開昭50-053061(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 37/00-47/04
G06M 1/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面上を転動することにより面上からボールを拾い上げるボール回収輪と、該ボール回収輪で拾い上げられたボールが送られる回収タンクと、前記ボール回収輪から前記回収タンクへ送られるボールをカウントするためのカウントセンサと、該カウントセンサからの信号に基づいて前記回収タンクに回収されたボールの個数をカウントするコントローラとを備えるボール回収機であって、
前記コントローラは、前記ボール回収機の走行速度又は前記ボール回収輪の回転速度に基づいて、前記カウントセンサからの信号が予め定められた閾値を越えても該閾値越えを無視するための無視期間を設定するとともに、前記カウントセンサからの信号が前記閾値を越えたとき、今回の閾値越え時点が、前回カウントアップした閾値越え時点から前記無視期間以上経過している場合のみ、ボールの個数をカウントアップすることを特徴とするボール回収機。
【請求項2】
前記コントローラは、前記無視期間を、前記ボール回収機の走行速度又は前記ボール回収輪の回転速度が速いほど短く設定することを特徴とする請求項1に記載のボール回収機。
【請求項3】
前記コントローラは、前記ボール回収機の走行速度又は前記ボール回収輪の回転速度が所定速度未満の場合は、前記無視期間を一定に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のボール回収機。
【請求項4】
前記ボール回収輪は、外周に多数の環状溝からなる多条溝を有し、前記各環状溝内に、面上のボールを拾い上げるための多数のボールポケットが周方向に沿って形成され、隣り合う前記環状溝の前記各ボールポケットは周方向に所定角度ずつずらして設けられ、
前記コントローラは、前記無視期間を、隣り合う前記環状溝の前記各ボールポケットの角度差に対応する時間未満となるように設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のボール回収機。
【請求項5】
前記カウントセンサは、全ての前記環状溝に跨る単一のセンサで構成されていることを特徴する請求項4に記載のボール回収機。
【請求項6】
前記ボール回収輪で拾い上げられたボールを該ボール回収輪から解放して前記回収タンクに送るべく、櫛歯状のボール解放部材が前記各環状溝へ突入状態で配設されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のボール回収機。
【請求項7】
前記ボールポケットを区画形成するための放射方向に延びる仕切り凸条が前記隣り合う前記環状溝の相互対向面に形成され、前記ボール解放部材と前記仕切り凸条とによって前記環状溝を形成するディスクの放射方向に案内されるボールの軌道上に前記カウントセンサが配設されていることを特徴とする請求項6に記載のボール回収機。
【請求項8】
前記コントローラは、ボールカウント数が所定数に達すると、ボール回収作業を中断して前記ボール回収機をステーションへ帰還させる制御を行うことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のボール回収機。
【請求項9】
前記コントローラは、ボールカウント数を前記ボール回収機に設けられた表示部に表示することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のボール回収機。
【請求項10】
前記コントローラは、ボールカウント数の情報を前記ボール回収機のための管理部に送信することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のボール回収機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば地面上に散乱したゴルフボール等のボールを走行しながら回収するボール回収機に係り、特に、地面上から拾い上げられて回収タンクに回収されるボールの個数をカウントする機能を備えたボール回収機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1、2に所載のように、ゴルフ練習場等において、地面上に散乱した多数のゴルフボールを走行しながら回収するボールピッカー等と呼ばれる自律走行式(自走式とも称する)のボール回収機が知られている。
【0003】
かかるボール回収機は、通常、上記特許文献1、2にも見られるように、地面上を転動することにより地面上からボールを拾い上げるボール回収輪と、このボール回収輪で拾い上げられたボールが送り込まれて貯められる回収タンクとを備える。さらに最近では、ボール回収輪と回収タンクとの間に、ボール回収輪から回収タンクへ送られるボールをカウントするための接触式のカウントセンサ、具体的には圧力センサを設置して、ボール回収輪から回収タンクに送られて貯められるボールの個数をカウントするようにしたものも実用に供されている。
【0004】
なお、かかるボール回収機のボール回収輪としては、特許文献3に所載のように、多数の環状溝からなる多条溝を形成する多数のディスクを有し、各環状溝内に地面上のボールを拾い上げるための多数のボールポケットが周方向に沿って等角度間隔で形成されているものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第2963571号公報
【文献】国際公開第00/78410号
【文献】実開昭50-53061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような、回収ボールの個数をカウントする機能を備えたボール回収機においては、通常、マイクロコンピュータが用いられたコントローラが配備され、コントローラは、カウントセンサからの信号に基づいてボールの個数をカウントして集計する。具体的には、コントローラは、カウントセンサからの信号(レベル)が予め定められた閾値を越えたとき、ボール回収数を1個カウントアップする。ボール回収機は、コントローラがカウントしたボールカウント数(集計数)が一定数に達すると(回収タンクが満杯になったと予想されると)、ボール回収作業を中断してステーションへ帰還し、回収タンク内のボールを所定のボール置場に荷下ろしして、再びボール回収作業を続行する。
【0007】
ところで、従前のボール回収機では、上記カウントセンサとして、部品点数、コスト削減等のため、比較的安価な圧力センサ等が用いられている。このようなカウントセンサからの信号に基づいてボールの個数をカウントした場合、実際に拾って回収されたボールの個数(実回収個数と称する)よりも多くカウントしてしまうこと(過剰カウントと称する)が少なからず発生することが明らかになった。
【0008】
このような過剰カウントが発生すると、回収タンクにまだ積み増せる余裕があるにも拘わらず回収タンクが満杯になったと認識してしまい、ステーションに頻繁に帰還することになり、ボール回収作業の効率が悪化する。
【0009】
上記のような問題は、カウントセンサの種類や設置態様を変えたり、ボール回収輪やボール回収輪と回収タンクとの間のボール軌道に改造を加えたり、部品を追加したり等して解消することも考えられるが、それらハードウェアの改変は大幅なコストアップを招く可能性があるので良策ではない。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ハードウェアの改変を必要とすることなく、ソフトウェアを改善することで、ボールの過剰カウントを可及的に低減し得てボールカウント数を実回収個数に近づけることのできる、カウント精度の高い費用対効果に優れたボール回収機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成すべく、本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、次のような知見を得た。
【0012】
すなわち、図13に、説明の便宜を図るため、コントローラによるボールカウント数が実回収個数より多くなりやすい、言い換えれば過剰カウントが生じやすい環境下で、従前のボール回収機を走行させて試験を行った結果をタイムチャートで示す。
【0013】
コントローラは、カウントセンサ(圧力センサ)からの信号Svが予め定められた閾値Lsを越えた時点(実際には閾値Ls以下となって所定の見極め時間が過ぎた時点)であるt1、t2、t3、t4、t5、t6、t7において、それぞれボール回収個数を1個カウントアップする。したがって、図示期間内には、ボールが計7個回収されたと認識される。ところが、図示期間内に実際にボールが回収タンクに回収されたのは、時点t1、t3、t5、t7の4個であり、図示期間内には、ボールが計3個多くカウントされてしまっている。
【0014】
このように、ボールカウント数を実回収個数より多くカウントしてしまうのは、カウントセンサにボールが実際に適正に当たったとき(時点t1、t3、t5、t7)には、カウントすべき正規の閾値越え信号が出るものの、その直後にボールがカウントセンサ表面でバウンドしたり転がったりすることがあり、このとき(時点t2、t4、t6)、ノイズであるにも拘わらず、カウントセンサから閾値越え信号(閾値越えノイズと称する)が発生してしまうことが原因と考えられる。
【0015】
そして、本発明者等は、上記のような試験を重ねたところ、当該ボール回収機の走行速度が速いときほど、前記閾値越えノイズが出やすくてボールカウント数が実回収個数より多くなりやすいこと、並びに、当該ボール回収機の走行速度が速いほど、正規の閾値越え信号発生時点から閾値越えノイズ発生時点までの時間間隔が短くなるという知見を得た。
【0016】
本発明に係るボール回収機は、上記知見及びそれに基づく考察に立脚してなされたもので、基本的には、面上を転動することにより面上からボールを拾い上げるボール回収輪と、該ボール回収輪で拾い上げられたボールが送られる回収タンクと、前記ボール回収輪から前記回収タンクへ送られるボールをカウントするためのカウントセンサと、該カウントセンサからの信号に基づいて前記回収タンクに回収されたボールの個数をカウントするコントローラとを備え、前記コントローラは、前記ボール回収機の走行速度又は前記ボール回収輪の回転速度に基づいて、前記カウントセンサからの信号が予め定められた閾値を越えても該閾値越えを無視するための無視期間を設定するとともに、前記カウントセンサからの信号が前記閾値を越えたとき、今回の閾値越え時点が、前回カウントアップした閾値越え時点から前記無視期間以上経過している場合のみ、ボールの個数をカウントアップすることを特徴としている。
【0017】
好ましい態様では、前記コントローラは、前記無視期間を、前記ボール回収機の走行速度又は前記ボール回収輪の回転速度が速いほど短く設定する。
【0018】
他の好ましい態様では、前記コントローラは、前記ボール回収機の走行速度又は前記ボール回収輪の回転速度が所定速度未満の場合は、前記無視期間を一定に設定する。
【0019】
別の好ましい態様では、前記ボール回収輪は、外周に多数の環状溝からなる多条溝を有し、前記各環状溝内に、面上のボールを拾い上げるための多数のボールポケットが周方向に沿って形成され、隣り合う前記環状溝の前記各ボールポケットは周方向に所定角度ずつずらして設けられ、前記コントローラは、前記無視期間を、隣り合う前記環状溝の前記各ボールポケットの角度差に対応する時間未満となるように設定する。
【0020】
別の好ましい態様では、前記カウントセンサは、全ての前記環状溝に跨る単一のセンサで構成される。
【0021】
別の好ましい態様では、前記ボール回収輪で拾い上げられたボールを該ボール回収輪から解放して前記回収タンクに送るべく、櫛歯状のボール解放部材が前記各環状溝へ突入状態で配設される。
【0022】
別の好ましい態様では、前記ボールポケットを区画形成するための放射方向に延びる仕切り凸条が前記隣り合う前記環状溝の相互対向面に形成され、前記ボール解放部材と前記仕切り凸条とによって前記環状溝を形成するディスクの放射方向に案内されるボールの軌道上に前記カウントセンサが配設される。
【0023】
他の好ましい態様では、前記コントローラは、ボールカウント数が所定数に達すると、ボール回収作業を中断して前記ボール回収機をステーションへ帰還させる制御を行う。
【0024】
他の好ましい態様では、前記コントローラは、ボールカウント数を前記ボール回収機に設けられた表示部に表示する。
【0025】
他の好ましい態様では、前記コントローラは、ボールカウント数の情報を前記ボール回収機のための管理部に送信する。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るボール回収機では、カウントセンサからの信号が閾値を越えたとき、この今回の閾値越え時点が、前回のカウントアップしたときの閾値越え時点から、走行速度等に応じて設定される無視期間以上経過している場合のみ、ボールの個数をカウントアップするので、過剰カウントの原因となる閾値越えノイズが効果的に無視されて、誤ったカウントアップが確実に避けられる。
【0027】
このように本発明によれば、コストアップを招くハードウェアの改変を必要とすることなく、ソフトウェアを改善するだけで、例えば単一の接触式のカウントセンサが用いられても、ノイズによるボールの過剰カウントを可及的に低減し得てボールカウント数を実回収個数に近づけることができ、カウント精度の高い費用対効果に優れたボール回収機を提供できる。その結果、ボール回収作業の効率を効果的に向上させることができる。
【0028】
また、ボールカウントの信頼性が向上することから、例えば回収タンクがボールで満杯になったことを検出するためのフルタンクディテクタ等を不要とすることが可能となり、この点からもコスト削減が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明に係るボール回収機の一実施形態を示す全体斜視図。
図2図1のボール回収機からボール回収輪カバーを取り外した状態の斜視図。
図3図2のボール回収機において機体カバーを省略したIII-III矢視断面図。
図4図2中のボール回収輪の一部の拡大斜視図。
図5図3中のボール回収輪の拡大断面図。
図6図5のVI-VI矢視断面図。
図7図5のVII-VII矢視部の周方向に沿う断面の一部を平面に展開した図。
図8図3のカウントセンサ及びボール解放部材部分を詳細に示す分解斜視図。
図9】本実施形態におけるボール回収機に配備されるコントローラの処理内容の説明に供される機能ブロック図。
図10】コントローラにより設定される無視期間の説明に供されるグラフ。
図11】コントローラが実行するボールカウントアップルーチンの一例を示すフローチャート。
図12】ボール回収機を走行させてボール回収作業を行った際の本実施形態品の作用効果説明に供される、図13と共通のカウントセンサ信号例を示すタイムチャート。
図13】ボール回収機を走行させてボール回収作業を行った際の従前品の課題説明に供される、図12と共通のカウントセンサ信号例を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0031】
図1は、本発明に係るボール回収機の一実施形態を示す全体斜視図である。
【0032】
図示のボール回収機1は無人自律走行式のものであり、多数のボールが散乱している地面上を自走しながら、ボールを回収するものである。このボール回収機1は、典型的には、打ち放しのゴルフ練習場で地面に散乱した多数のゴルフボールを回収するのに用いられる。ボール回収機1は下向きに開口した機体カバー2を備える。この機体カバー2によって回収機本体3が覆われている。
【0033】
図2は、図1のボール回収機1から機体カバー2上のボール回収輪カバー4を取り外した状態を示している。ボール回収輪カバー4は、機体カバー2に対して着脱自在である。ボール回収輪カバー4を外すとボール回収輪5が現れるので、ボール回収輪5のメンテナンスを行うのに便利である。
【0034】
図3に示される如くに、回収機本体3は、地面上を移動可能な機体としての走行機体6と、ボール回収輪5と、ボール解放部材(スクイーザとも称する)7と、回収タンク8と、を備える。
【0035】
図3に示される如くに、走行機体6は、フレーム9と、このフレーム9の後部に配設される左右一対の駆動車輪10、10と、駆動車輪10、10を駆動する駆動部11と、フレーム9の前部に配設される左右一対の舵取り車輪12、12と、舵取り車輪12、12を制御する舵取り調整部13等を備える。駆動部11は、電源となる蓄電池14と、この蓄電池14から電力供給される左右の駆動車輪10、10用の走行モータ15、15とを備える。駆動部11によって駆動車輪10、10が回転駆動されることで走行機体6が移動し、所定のプログラムに沿って自動制御されることで、ボール回収が必要な領域内を余すところなく走行するように走行機体6の走行方向が自動的に変更される。
【0036】
ボール回収輪5は、ボール回収機1の前後方向において、一対の舵取り車輪12、12と一対の駆動車輪10、10との間に配設される。ボール回収輪5は、走行機体6の左右方向に延びる軸線Xを中心として遊転自在であり、自重で外周面が地面Gに常時接触するようにフレーム9に支持される。そして、ボール回収輪5は、走行機体6が前進走行することにより地面Gを転動しながら、地面Gに散乱している多数のボールBを回収する。
【0037】
図4に示される如くに、ボール回収輪5は、外周に環状の(多数の環状溝17からなる)多条溝16を備える。この多条溝16を構成する各環状溝17内には、弾性によってボールBの出入りを許容するボールポケット18が周方向に沿って連続的に形成される。各ボールポケット18は、図3に示される如くに、ボールBを一つだけしか保持できない大きさである。そして、隣り合う環状溝17、17の各ボールポケット18が環状溝17の周方向に所定角度ずつずれた位置となるように形成される。
【0038】
引き続き図4を参照して分かるように、ボール回収輪5は、同一構成の多数のディスク19の集合により形成され、隣り合うディスク19、19同士の間に等間隔で環状溝17が形成される。各ディスク19は、片面にスペーサ20付きの複数本の取付軸部21を備え、もう片面に取付軸部21を受け入れる軸部受入孔(図示省略)を備える。そして、隣り合うディスク19、19同士の取付軸部21と軸部受入孔とを結合させることで、多数のディスク19が等間隔で集積される。隣り合うディスク19、19同士の間には、スペーサ20によって環状溝17が形成される。各ディスク19の中央には、支軸22(図3参照)を受け入れるボス部23が形成され、ボス部23の集合によりボール回収輪5に支軸挿通孔24が形成される。この支軸挿通孔24に挿通される支軸22(図3参照)はフレーム9に回動自在に支持される。
【0039】
図5に示される如くに、走行機体6のフレーム9にはボール解放部材(スクイーザ)7が固定されている。ボール解放部材7は、後述するように、ボールポケット18を画成する仕切り凸条31と協働して、ボール回収輪5の外周上の所定の角度位置で、ボールポケット18内のボールBを強制的に解放させるものである。
【0040】
ボール解放部材7は、図5に加えて図8を参照すればよくわかるように、全体として櫛歯形の部材であり、走行機体6の左右方向に延びる基部25と、この基部25から互いに等間隔で平行に延びる多数のボール解放突起26と、を備える。ボール解放突起26の間隔はボール回収輪5のディスク19(換言すれば、環状溝17)の間隔と同一である。ボール解放部材7の基部25はボール回収輪5の上方位置でフレーム9に固定され、各ボール解放突起26はボール回収輪5の各環状溝17内へと突入している。すなわち、櫛歯状のボール解放部材7が多条溝16を構成する各環状溝17へ突入状態で配設されている。
【0041】
ボール解放部材7の基部25の下面には、ボール解放突起26によってボールポケット18から解放されるボールBの数をカウントする接触式のカウントセンサ27が接着等の手法で固着されている。このカウントセンサ27は、圧電素子が用いられた単一の細長板状の圧力センサで構成されており、(全ての)各環状溝17を跨ぐようにボール解放部材7の基部25に沿って左右方向に延びており、ボール回収輪5の軸方向の長さに対応する長さを有する。そして、カウントセンサ27は、ボール解放部材7のボール解放突起26と仕切り凸条31とによってボール回収輪5(のディスク19)の放射方向に案内されるボールBの軌道上に配設されている。このため、ボール解放部材7でボール回収輪5から解放されるボールBがカウントセンサ27に確実に当たる。よって、カウントセンサ27によるボールBのカウントが精確になされる。
【0042】
なお、本実施形態では、カウントセンサ27は、(全ての)各環状溝17に跨る単一の圧力センサで構成されているが、各環状溝17に対して個別に(複数個)設置してもよい。
【0043】
図3図5及び図8に示される如くに、ボール解放部材7の後方には、底板8a、側板8b、8c、前板8d等からなる回収タンク8が配設される。回収タンク8の側板8b、8cは、走行機体6のフレーム9に支持されており、ボール解放部材7によってボール回収輪5から解放されるボールBを収容する。図3に示される如くに、回収タンク8の底板8aは上下に平行移動できるように取り付けられており、下方のボール排出位置へと移動させることで、回収タンク8の底板8aと後板28との間に隙間ができ、この隙間からボールBが排出される。また、回収タンク8には、回収された複数のボールBで満杯になったことを検出するためのフルタンクディテクタ41が(揺動自在に)設けられている(図8参照)。
【0044】
図4図6及び図7を参照して分かるように、ボール回収輪5を構成する各ディスク19の両面には、円周方向に延びる外側凸条29と、同じく円周方向に延びる内側凸条30と、外側凸条29と内側凸条30との間で放射方向に延びる仕切り凸条31と、が形成される。内側凸条30によって底部が画成される環状溝17が、隣り合うディスク19、19間に形成され、外側凸条29と内側凸条30と仕切り凸条31とによって、環状溝17に扇形のボールポケット18が区画形成される。外側凸条29、内側凸条30及び仕切り凸条31は、薄板状の各ディスク19にボール回収輪5として必要な強度を付与するためのリブの機能も有している。
【0045】
前述したように、各ボールポケット18は、ボールBを一つだけしか保持できない大きさである。また、図6に示される如くに、各ボールポケット18の互いに対向する内面(隣り合うディスク19、19の対向する側面)18aは平坦面であり、各ボールポケット18内で平坦面18aに沿ってボールBが移動できるように各ボールポケット18内の横幅が設定されている。各ディスク19は、プラスチック等の軽量で耐久性の良好な材料で形成され、少なくとも内側凸条30より径方向外側の部分に弾性変形性を有する。各ディスク19の弾性変形性により、各ボールポケット18へのボールBの出入りが許容され、且つ、各ボールポケット18によるボールBの保持が可能となる。
【0046】
外側凸条29は、図6に示される如くに、各ディスク19の外周縁からディスク19の厚さ方向外方へと突出している。外側凸条29は、各ボールポケット18の、ボールBが脱落不能な出入口部を画成する。外側凸条29の突出高さは、隣り合うディスク19、19における外側凸条29、29間の間隔LがボールBの直径よりもやや小さくなるように設定される。これにより、ディスク19の弾性変形性によって、ボールBが外側凸条29、29間を通ってボールポケット18へ出入り可能となり、且つ、ボールポケット18内に入ったボールBは、ボール解放部材7による強制解放作用が働かない限り、ボールポケット18内に保持される。
【0047】
同じく図6に示される如くに、内側凸条30は、外側凸条29からボールの直径とほぼ同じ長さだけディスク19の半径方向内側に形成され、各ディスク19の側面からディスク19の厚さ方向外方へと突出している。内側凸条30は、ボールポケット18の底部を画成する。よって、内側凸条30には外側凸条29ほどの高さ制限はなく、隣り合うディスク19,19の内側凸条30、30間にボール解放部材7のボール解放突起26が突入し得る隙間が形成されるだけの高さであればよい。
【0048】
図4及び図5に示される如くに、仕切り凸条31は、外側凸条29と内側凸条30との間で放射方向に延びており、環状溝17を周方向において等角度間隔に仕切ることでボールポケット18を画成する。図示例では、仕切り凸条31によって各環状溝17が17個のボールポケット18に区画されている。各環状溝17におけるボールポケット18の個数は限定されない。但し、ボール解放部材7と仕切り凸条31との協働によって各ボールポケット18からボールBを確実に解放できるように、各ボールポケット18はボールBを一つだけしか保持できない大きさとすることが必要である。
【0049】
図7に示される如くに、隣り合う環状溝17、17の各ボールポケット18は、環状溝17の周方向に所定角度ずつずれた位置となるように形成される。図示例では、各ディスク19、19の両面に等角度間隔で形成される仕切り凸条31が、各ディスク19、19の両面間で周方向に所定角度ずつずれた位置に形成される。このため、図7に示される如くに、隣り合うディスク19、19の互いに対向する仕切り凸条31、31同士が互いに周方向で一致した位置となるように同一構成の多数のディスク19を集合させることで、隣り合う環状溝17、17の各ボールポケット18を環状溝17の周方向に所定角度ずつずれた位置となるように形成することができる。よって、ボール回収輪5の作製が容易となる。
【0050】
図5に示される如くに、走行機体6が前進走行すると、地面Gに常時接触している遊転自在なボール回収輪5が図5で見て反時計方向へと回転する。これにより、地面Gに多数散乱しているボールBがボールポケット18の弾性変形性によってボールポケット18内に入り込んで保持される(すなわち、地面上のボールBが拾い上げられる)。ボールポケット18に保持されたボールBは、走行機体6の前進に伴うボール回収輪5の回転により上方へと移送され、ボール解放部材7のボール解放突起26に押し当てられる。ボール回収輪5のさらなる回転により、ボールポケット18内のボールBは、ボール回収輪5の回転方向後方の仕切り凸条31に沿って上方へと案内され、ボール解放部材7の基部25の下面に取り付けられたカウントセンサ27に当たった後に、回収タンク8内へと送られて落下する。
【0051】
なお、回収機本体3には、ボール回収輪5を地面から浮かせて支持する機構(図示省略)が設けられている。上記のようなボール回収作業を行わないとき、例えば、回収タンク8が満杯となってステーションに戻るとき、Uターン等の方向転換するとき等においては、ボール回収輪5を地面から浮かせるようにされる。
【0052】
本実施形態のボール回収機1においては、ボール回収輪5の隣り合う環状溝17、17の各ボールポケット18が環状溝17の周方向に所定角度ずつずれた位置にあるので、隣り合う環状溝17、17のボールポケット18には環状溝17の周方向に所定角度ずつずれた位置でボールBが保持される。このため、隣り合う環状溝の周上の互いに一致する位置にボールが同時に保持されるという事態が生じない。よって、ボールポケット18からの解放時にボール保持力が強くなりすぎることがなく、ボール解放部材7によるボールBの解放が確実になされる。
【0053】
また、多数の環状溝17の全体においても、環状溝17の周上の互いに一致する位置にボールBが同時に保持されるという事態が生じないか、又は生じにくいので、ボール解放部材による多数のボールBの解放タイミングが一致してしまうという事態が生じにくい。このため、ボール回収輪5の回転が停止してしまう等の問題も生じない。
【0054】
また、図5に示される如くに、ボール解放部材7のボール解放突起26と仕切り凸条31とによって環状溝17を形成するディスク19の放射方向に案内されるボールBの軌道上にカウントセンサ27が配設されるので、ボール解放部材7でボール回収輪5から解放されるボールBがカウントセンサ27に確実に当たる。このため、回収されたボールBの数を正確に把握することができる。また、隣り合う環状溝17、17の各ボールポケット18は環状溝17の周方向に所定角度ずつずれた位置にあるので、隣り合う環状溝17、17の各ボールポケット18内のボールBがカウントセンサ27に対して互いにずれたタイミングで当たる。このため、カウントセンサ27によるボールBのカウントが精確に行える。
【0055】
以上の構成に加えて、本実施形態のボール回収機1では、走行制御やボールカウント集計制御等を行うべく、マイクロコンピュータが用いられたコントローラ50が配備されている。以下、コントローラ50が実行するボールカウント集計制御を重点的に説明する。
【0056】
コントローラ50は、図9に機能ブロックで示されているように、計時部51と、回転速度算出部52と、無視期間設定部53と、閾値越え判定部55と、カウント可否判定部56と、カウント集計部57と、走行制御部60と、を有する。
【0057】
計時部51は、コントローラ50の電源ON(起動)で計時を開始し、電源ON中は継続して経過時間を計測し、電源OFFで計時を終了する。この計時部51の1計測単位は例えば10μsであり、計時部51からは「時刻」に相当するコントローラ50起動時点からの経過時間が10万分の1秒単位で得られる。
【0058】
回転速度算出部52は、ディスク19の回転速度を検出するディスク回転数センサ43からの信号に基づいてボール回収輪5の回転速度(もしくはそれに等価なボール回収機1の走行速度)を算出する。
【0059】
無視期間設定部53は、回転速度算出部52から得られるボール回収輪5の回転速度(もしくはボール回収機1の走行速度)に基づいて、ノイズによるボールの過剰カウントを防止すべく、カウントセンサ27からの信号が予め定められた閾値Lsを越えても該閾値越えを無視するための無視期間Jx(無効期間とも称する)を設定する。この無視期間Jxは、図10にその一例が示されているように、ボール回収輪5の回転速度(rpm)又は当該ボール回収機1の走行速度(m/s)が速いほど短い時間に設定される。また、図示例においては、この無視期間Jxは、ボール回収輪5の回転速度(rpm)又は当該ボール回収機1の走行速度(m/s)が所定速度未満の場合は、一定に設定される。また、この無視期間Jxは、隣り合う環状溝17、17の各ボールポケット18の角度差(位相差)に対応する時間未満となるように設定してもよい。
【0060】
閾値越え判定部55は、同一波形の、前述した図13(従前例)及び図12(本実施形態例)に示されているように、カウントセンサ(圧力センサ)27からの信号Svが予め定められた閾値Lsを越えたか否か(実際には閾値Ls以下となって所定の見極め時間が過ぎたか否か)を判定し、閾値Lsを越えたと判定された時点(閾値越え時点)Kt(t1、t2、t3、・・・)をカウント可否判定部56に送る。
【0061】
カウント可否判定部56は、図12(本実施形態例)に示される如くに、前回カウントアップした閾値越え時点Ft(ここではまず最初の時点t1)から今回の閾値越え時点Nt(ここでは時点t2)までの経過時間Jcが無視期間設定部53により設定された走行速度等に応じた無視期間Jx以上であるか否かを判定し、経過時間Jcが無視期間Jx以上である場合のみ、ボールカウントアップ指令をカウント集計部57に送る。これにより、カウント集計部57は、ボール回収個数をカウントアップする。
【0062】
ここで、図12に示される例では、前回カウントアップした閾値越え時点t1から今回閾値越えした時点t2までの経過時間Jcは無視期間Jxより短いので、閾値越え時点t2は無視され、カウントアップは行われない。
【0063】
それに対し、前回カウントアップした閾値越え時点t1から閾値越え時点t3までの経過時間Jcは無視期間Jxより長いので、閾値越え時点t3ではカウントアップされる。
【0064】
同様に、カウントアップした閾値越え時点t3から閾値越えした時点t4までの経過時間Jcは無視期間Jxより短いので、閾値越え時点t4は無視され、カウントアップは行われないが、カウントアップした閾値越え時点t3から閾値越え時点t5までの経過時間Jcは無視期間Jxより長いので、閾値越え時点t5ではカウントアップされる。
【0065】
同様に、カウントアップした閾値越え時点t5から閾値越えした時点t6までの経過時間Jcは無視期間Jxより短いので、閾値越え時点t6は無視され、カウントアップは行われないが、カウントアップした閾値越え時点t5から閾値越え時点t7までの経過時間Jcは無視期間Jxより長いので、閾値越え時点t7ではカウントアップされる。
【0066】
カウント集計部57は、カウント可否判定部56からボールカウントアップ指令が届くと、ボール回収個数をカウントアップし、その集計情報(ボールカウント数)を当該ボール回収機1に設けられた表示器45に表示する。また、その集計情報(ボールカウント数)を当該ボール回収機1のための管理用サーバー70に送信してもよい。管理用サーバー70は、その集計情報(ボールカウント数)をボール回収機1の走行管理等に利用する。
【0067】
また、カウント集計部57は、ボールカウント数(集計数)が一定数に達すると(回収タンク8が満杯になったと予想されると)、その旨を走行制御部60に送る。
【0068】
走行制御部60は、カウント集計部57から満杯情報が送られると、駆動回路62、62を介して左右の走行モータ15、15の回転速度を調整する操向制御を行って、ボール回収機1にボール回収作業を中断させてステーションへ帰還させ、回収タンク8内のボールを所定のボール置場に荷下ろしさせて、再びボール回収作業を続行させる。
【0069】
ここで、前述した図13(従前例)で説明したように、時点t1からt7のうち、時点t1、t3、t5、t7での閾値越えは、カウントすべき正規の閾値越えであるのに対し、時点t2、t4、t6での閾値越えは、ノイズによるものであるが、本実施形態では、上記のように、時点t2、t4、t6での閾値越えが無視されてカウントアップが行われないようにされ、これにより、ノイズによるボールの過剰カウントが防止される。
【0070】
次に、コントローラ50が実行する上記ボールカウントアップルーチン(処理内容、処理手順)の一例を図11のフローチャートを参照しながら説明する。
【0071】
このボールカウントアップルーチンは、コントローラ50に電源が投入されたときにスタートし、所定周期で繰り返し実行される。
【0072】
スタート後、ステップS81において、ディスク19の回転速度を検出するディスク回転数センサ43からの信号に基づいてボール回収輪5の回転速度(もしくはそれに等価なボール回収機1の走行速度)を算出し、この回転速度(もしくは走行速度)に基づいて、ノイズによるボールの過剰カウントを防止すべく、カウントセンサ27からの信号Svが予め定められた閾値Lsを越えても該閾値越えを無視するための無視期間Jxを設定する。
【0073】
続くステップS82では、カウントセンサ27からの信号Svが予め定められた閾値Lsを越えたか否か(実際には閾値Ls以下となって所定の見極め時間が過ぎたか否か)を判断する。閾値Lsを越えてない場合はこのフローを終了し、閾値Lsを越えた場合は、ステップS83で閾値越え時点Ktを記憶し、ステップS84に進む。
【0074】
ステップS84では、起動後最初の閾値越えか否かを判断し、起動後最初の閾値越えと判断された場合、ノイズではない正規の閾値越えであるので、ステップS85に進む。
【0075】
ステップS85においては、閾値越え時点Ktを前回時点Ftとし(Ft←Kt)、続くステップS86においてボールをカウントアップ(C←C+1)してこのフローを終了する。
【0076】
一方、ステップS84において、起動後最初の閾値越えではないと判断された場合には、ステップS87において、閾値越え時点Ktを今回時点Ntとする(Nt←Kt)。
【0077】
次のステップS88では、前回カウントアップした閾値越え時点Ftから今回の閾値越え時点Ntまでの経過時間Jcを算出し(Jc=Nt-Ft)、続くステップS89において、前回時点Ftから今回時点Ntまでの経過時間JcがステップS81で設定された走行速度等に応じた無視期間Jx以上であるか否かを判断する(Jc≧Jx)。経過時間Jcが無視期間Jx未満である場合には、今回の閾値越えはノイズによるものだと判定してこのフローを終了し、経過時間Jcが無視期間Jx以上である場合は、今回の閾値越えは正規のものだと判断してステップS90に進む。
【0078】
ステップS90では、今回時点Ntを前回時点Ftとし(Ft←Nt)、続くステップS91においてボールをカウントアップ(C←C+1)してこのフローを終了する。
【0079】
以上のように、本実施形態のボール回収機1では、カウントセンサ27からの信号が閾値Lsを越えたとき、この今回の閾値越え時点Ntが、前回のカウントアップしたときの閾値越え時点Ftから、走行速度等に応じて設定される無視期間Jx以上経過している場合のみ、ボールの個数をカウントアップするので、過剰カウントの原因となる閾値越えノイズが効果的に無視されて、誤ったカウントアップが確実に避けられる。
【0080】
このように本実施形態によれば、コストアップを招くハードウェアの改変を必要とすることなく、ソフトウェアを改善するだけで、例えば単一の接触式のカウントセンサ(圧力センサ)が用いられても、ノイズによるボールの過剰カウントを可及的に低減し得てボールカウント数を実回収個数に近づけることができ、カウント精度の高い費用対効果に優れたボール回収機を提供できる。その結果、ボール回収作業の効率を効果的に向上させることができる。
【0081】
また、ボールカウントの信頼性が向上することから、例えば回収タンク8がボールで満杯になったことを検出するためのフルタンクディテクタ41等を不要とすることが可能となり、この点からもコスト削減が図られる。
【0082】
本実施形態の他の実施形態として、走行機体6は、動力による自走式のものの他、手押し式や引張り式等、人力によって移動させられるものであってもよい。また、ボール回収輪5は、走行機体6の走行に伴って転動するものの他、ボール回収輪5自体が回転駆動力を有する態様とすることもできる。また、ボール回収機1が用いられる場所(領域)や、回収するボールの種類等も、上記の例に限定されない。
【0083】
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0084】
1 ボール回収機
2 機体カバー
3 回収機本体
5 ボール回収輪
6 走行機体
7 ボール解放部材
8 回収タンク
16 多条溝
17 環状溝
18 ボールポケット
19 ディスク
27 カウントセンサ
43 ディスク回転数センサ
45 表示器(表示部)
50 コントローラ
51 計時部
52 回転速度算出部
53 無視期間設定部
55 閾値越え判定部
56 カウント可否判定部
57 カウント集計部
60 走行制御部
70 管理用サーバー(管理部)
Ls 閾値
Kt 閾値越え時点
Ft 前回カウントアップした閾値越え時点
Nt 今回の閾値越え時点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13