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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】自動構造的レーザー清浄化システム
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/082 20140101AFI20231019BHJP
   G02B 26/10 20060101ALI20231019BHJP
   B23K 26/08 20140101ALI20231019BHJP
   B23K 26/36 20140101ALI20231019BHJP
   B23K 26/16 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
B23K26/082
G02B26/10 104Z
B23K26/08 H
B23K26/36
B23K26/16
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020184226
(22)【出願日】2020-11-04
(65)【公開番号】P2021084136
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】62/941,265
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/777,296
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504242618
【氏名又は名称】ロッキード マーティン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LOCKHEED MARTIN CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ディヴィッド ヘインズ コールマン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ブライアン ストッダート
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ピー ランジュバン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン イー トワドル
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドリア ゾーイ アーサー
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-517674(JP,A)
【文献】特開平02-247090(JP,A)
【文献】特開2019-188410(JP,A)
【文献】特開2012-222242(JP,A)
【文献】特開2019-104049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00-26/70
G02B 26/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザースキャナーと、
前記レーザースキャナーに結合するレーザーヘッドと、
を備える自動レーザーシステムであって、
前記レーザーヘッドは、
収容ユニットと、
前記収容ユニットの第1の側面上に配置される真空コネクタと、
前記収容ユニットの上面上に配置されるカメラシステムと、
前記収容ユニットの上面上に配置される光源と、
前記収容ユニットの上面上に配置される第1のアクチュエータと、
前記収容ユニットの上面上に配置される第2のアクチュエータであって、前記光源が前記カメラシステムと前記第2のアクチュエータとの間に配置され、前記第2のアクチュエータが前記光源と前記第1のアクチュエータとの間に配置される、前記第2のアクチュエータと、
末端部と、を備え、
前記第2のアクチュエータは、前記末端部を変位させるように構成され
前記収容ユニットの内部に、第3の内部ミラーが配置され、
前記真空コネクタは、前記収容ユニットの内部の微粒子を除去するように構成され、
前記カメラシステムは、前記末端部を介して画像を取り込むように構成され、
前記第1のアクチュエータは、前記カメラシステムと前記末端部との間の光路及び前記光源と前記末端部との間の光路の中に又は外に前記第3の内部ミラーを変位させるように構成される、自動レーザーシステム。
【請求項2】
レーザー光源及び外部制御装置が、1又は2以上のケーブルを介して前記レーザースキャナーに伝達可能に接続される、請求項1に記載の自動レーザーシステム。
【請求項3】
前記1又は2以上のケーブルは、光ファイバーケーブル及び通信ケーブルを備える、請求項2に記載の自動レーザーシステム。
【請求項4】
前記自動レーザーシステムは、独立した6軸の周りで動くことができるロボットアームに結合される、請求項1に記載の自動レーザーシステム。
【請求項5】
前記末端部は、固定構造に結合し、前記固定構造は、リンク機構の端部に結合し、前記リンク機構の反対側の端部は前記第2のアクチュエータに結合する、請求項1に記載の自動レーザーシステム。
【請求項6】
前記固定構造は、基部、第1のミラー、及び垂直穴を備える、請求項5に記載の自動レーザーシステム。
【請求項7】
前記第1のミラーは前記基部の上に配置され、前記基部は内部穴を備え、前記内部穴と前記垂直穴とが連通するように接続されている、請求項6に記載の自動レーザーシステム。
【請求項8】
前記末端部は、本体、取付けフランジ、中心穴、第2のミラー、出口、真空穴、及び真空ポートを備える、請求項1に記載の自動レーザーシステム。
【請求項9】
前記取付けフランジは、前記本体の第1の端部に配置され、前記第2のミラー及び前記出口は、前記本体の第2の端部に配置される、請求項8に記載の自動レーザーシステム。
【請求項10】
前記中心穴は、3/16インチ(4.7625mm)、1/4インチ(6.35mm)、5/16インチ(7.9375mm)、又は3/8インチ(9.525mm)の直径を有する、請求項8に記載の自動レーザーシステム。
【請求項11】
前記収容ユニットは、第1の内部ミラー、第2の内部ミラー、及びレールを備える、請求項1に記載の自動レーザーシステム。
【請求項12】
前記第1の内部ミラーは、前記カメラシステムによってもたらされた光路の中において前記収容ユニットの底面上に配置され、前記第2の内部ミラーは、前記光源によってもたらされた光路の中において前記収容ユニットの前記底面上に配置される、請求項11に記載の自動レーザーシステム。
【請求項13】
前記第3の内部ミラーは、前記第1のアクチュエータの前記レールの上に配置され、前記第1のアクチュエータは、前記第3の内部ミラーを平行移動させるように構成され、前記レールは、前記収容ユニットの第2の側面の内面上に配置される、請求項11に記載の自動レーザーシステム。
【請求項14】
レーザースキャナーと、
前記レーザースキャナーに結合するレーザーヘッドと、
を備える自動レーザーシステムであって、
前記レーザーヘッドは、
収容ユニットと、
前記収容ユニット上に配置される真空コネクタと、
前記収容ユニット上に配置されるカメラシステムと、
前記収容ユニット上に配置される光源と、
前記収容ユニット上に配置される第1のアクチュエータと、
前記収容ユニット上に配置される第2のアクチュエータであって、前記光源が前記カメラシステムと前記第2のアクチュエータとの間に配置され、前記第2のアクチュエータが前記光源と前記第1のアクチュエータとの間に配置される、前記第2のアクチュエータと、
末端部と、
を備え、
前記収容ユニットの内部に、第3の内部ミラーが配置され、
前記真空コネクタは、前記収容ユニットの内部の微粒子を除去するように構成され、
前記カメラシステムは、前記末端部を介して画像を取り込むように構成され、
前記第1のアクチュエータは、前記カメラシステムと前記末端部との間の光路及び前記光源と前記末端部との間の光路の中に又は外に前記第3の内部ミラーを変位させるように構成され、
前記第2のアクチュエータは、前記末端部を変位させるように構成される、自動レーザーシステム。
【請求項15】
レーザー光源及び外部制御装置が、1又は2以上のケーブルを介して前記レーザースキャナーに伝達可能に接続される、請求項14に記載の自動レーザーシステム。
【請求項16】
前記自動レーザーシステムは、独立した6軸の周りで動くことができるロボットアームに結合される、請求項15に記載の自動レーザーシステム。
【請求項17】
前記末端部は、固定構造に結合し、
前記固定構造は、リンク機構の端部に結合し、
前記リンク機構の反対側の端部は前記第2のアクチュエータに結合し、
前記固定構造は、基部第1のミラー、及び垂直穴を備える、
請求項14に記載の自動レーザーシステム。
【請求項18】
前記末端部は、本体、取付けフランジ、中心穴、第2のミラー、出口、真空穴、及び真空ポートを備える、請求項14に記載の自動レーザーシステム。
【請求項19】
前記収容ユニットは、第1の内部ミラー、第2の内部ミラー、及びレールを備える、請求項14に記載の自動レーザーシステム。
【請求項20】
前記第1の内部ミラーは、前記カメラシステムによってもたらされた光路の中に配置され、前記第2の内部ミラーは、前記光源によってもたらされた光路の中に配置される、請求項19に記載の自動レーザーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年11月27日出願の米国特許出願番号62/941,265の優先権を主張するものであり、その開示内容全体は引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に表面コーティングに関し、より詳細には、ナットプレートを使用するために下部構造体の1又は2以上のセクションを清浄化するための自動システムに関する。
【背景技術】
【0003】
各種タイプのコーティングは、それぞれの表面の特性を変更又は強化するために構造体又は車両の表面に施工することができる。例えば、一部のコーティングは、下に置かれる構造体を保護するため耐候性の層をもたらすために施工することができる。他の例として、コーティングは、航空機の運航中に振動又は他の悪影響を低減するために施工することができる。
【0004】
これらのコーティングは、1又は2以上のパネルを航空機に組み込む前にこれらのパネルに施工することができる。一般的に、1又は2以上のパネルには、留め具装着のために事前に穿孔された穴が存在する。性能を最大にするために、コーティングは、最初に1又は2以上のパネル上に施工されている。後続の製造段階では、下部構造の1又は2以上のセクション上に複数のナットプレートが装着され、1又は2以上のパネルを航空機に留めるようになっている。複数のナットプレートを装着する前に、複数のナットプレートを下部構造の1又は2以上のセクションに結合するために用いられる所定の接着剤に関する良好な接着強度を実現するために、下部構造の1又は2以上のセクションに施工されたコーティングは、複数のナットプレートが装着される領域の周りで除去する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これには問題があり、手動で表面を前処理する方法は、接着剤の接着強度のばらつきにつながり、ナットプレートの剥離をもたらす。
本開示を理解するのを助けるために、添付図面を併用して以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】特定の実施形態による例示的な自動レーザーシステムを示す。
図2】特定の実施形態による図1の自動レーザーシステムの収容ユニットの等角断面図を示す。
図3A】特定の実施形態による例示的な末端部を示す。
図3B】特定の実施形態による図3Aの末端部を正面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示のさらなる理解を容易にするために、以下の特定の実施形態の実施例が与えられる。以下の実施例は、本開示の範囲を定める又は限定すると解釈されるべきではない。本開示の実施形態及びその利点は、同様の番号が同様の対応する要素を示すために使用される図1から3Bを参照することでさらに理解される。
【0008】
説明されているように、表面コーティングは、1又は2以上のパネルを航空機に組み込む前にこの1又は2以上のパネル上に施工することができる。1又は2以上のパネルを航空機に固定するのに用いられる複数のナットプレートを結合する前にコーティングの一部を正確に除去するのは難しい場合がある。本明細書では、自動レーザーシステムを用いることで、1又は2以上のパネルの表面処理の改善を可能にする種々のシステム及び方法が説明される。
【0009】
図1は、自動レーザーシステム100の等角図を示す。自動レーザーシステム100は、レーザーを生成しこれを下部構造の1又は2以上のセクションの表面上に向けて、下部構造の1又は2以上のセクションの表面上に配置されるコーティングの一部を除去するように構成することができる。1又は2以上の実施形態において、自動レーザーシステム100は、自動レーザーシステム100を多くの位置に動かすように構成された外部アクチュエータに結合することができる。非限定的に、自動レーザーシステム100は、独立した6軸の周りを動くことができるロボットアームに結合することができる。これらの実施形態において、ロボットアームの周りの自動レーザーシステム100の動きは制御装置に事前にプログラムすることができる。1又は2以上の実施形態において、自動レーザーシステム100は、レーザースキャナー105、1又は2以上のケーブル110、及びレーザーヘッド115を備えることができる。実施形態において、レーザースキャナー105は、自動レーザーシステム100を通ってレーザーを送るよう構成することができる。非限定的に、レーザーは、予め定められ走査パターンで作動するよう設定することができる。実施形態において、レーザースキャナー105は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びこれらの組み合わせとすることができる。レーザースキャナー105は、ガルバノメーター走査ミラーを備えることができる。図示のように、レーザースキャナー105は、1又は2以上のケーブル110を介して外部制御装置及び/又はレーザー光源に例えば信号やレーザーを伝達可能に(communicatively)接続することができる。実施形態において、1又は2以上のケーブル110は、任意の適切な電気ケーブルとすることができる。非限定的に、1又は2以上のケーブル110は、同軸ケーブル、通信ケーブル、金属被覆ケーブル、非金属被覆ケーブル、光ファイバーケーブル、及びこれらの組み合わせとすることができる。実施形態において、1又は2以上のケーブル110は、少なくとも1つの通信ケーブル及び少なくとも1つの光ファイバーケーブルを備えることができる。作動時、外部制御装置は、自動レーザーシステム100の動き及び作動を制御することができる。1又は2以上の実施形態において、外部制御装置は、1又は2以上のインタフェース、処理回路、メモリ、及び/又は他の適切な要素を含むことができる。インタフェースは、入力を受けとり、出力を送り、入力及び/又は出力を処理し、及び/又は他の適切な操作を行う。インタフェースは、ハードウェア及び/又はソフトウェアを備えることができる。さらなる実施形態において、レーザー光源は、レーザースキャナー105の外部に配置することができ、1又は2以上のケーブル110を介してレーザーをレーザースキャナー105へ送ることができる。
【0010】
処理回路は、構成要素の操作を実行するか又は管理する。処理回路は、ハードウェア及び/又はソフトウェアを含むことができる。処理回路の例は、1又は2以上のコンピュータ、1又は2以上のマイクロプロセッサ、1又は2以上のアプリケーションなどを含む。特定の実施形態において、処理回路は、ロジック(例えば、命令)を実行して、入力から出力を発生させるなどの動作(例えば、操作)を行わせる。処理回路で実行されるロジックは、1又は2以上の有形の非一時的なコンピュータ可読媒体(メモリなど)の中にエンコードすることができる。例えば、このロジックは、コンピュータプログラム、ソフトウェア、コンピュータ実行可能命令、及び/又はコンピュータで実行することができる命令を含むことができる。特定の実施形態において、実施形態の動作は、コンピュータプログラムを記憶する、具現化する、及び/又はエンコードする、及び/又は記憶された及び/又はエンコードされたコンピュータプログラムを有する、1又は2以上のコンピュータ可読媒体によって行うことができる。
【0011】
メモリ(又はメモリユニット)は情報を記憶する。メモリは、1又は2以上の非一時的で有形なコンピュータ可読及び/又はコンピュータ実行可能な記憶媒体を含むことができる。メモリの例として、コンピュータメモリ(例えば、RAM又はROM)、大容量記憶媒体(例えば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)又はデジタルビデオディスク(DVD))、データベース及び/又はネットワークストレージ(例えば、サーバー)、及び/又は他のコンピュータ可読媒体を挙げることができる。
【0012】
本明細書において、1又は複数のコンピュータ可読非一時的記憶媒体としては、1又は2以上の半導体ベースの又は他の集積回路(IC)(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)又は特定用途向けIC(ASIC)など)、ハードディスクドライブ(HDD)、ハイブリッドハードドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、磁気光学ディスク、磁気光学ドライブ、フロッピーディスケット、フロッピーディスクドライブ(FDD)、磁気テープ、半導体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュアデジタルカード又はドライブ、他の適切なコンピュータ可読非一時的記憶媒体、又は適切な場合はこれらの2又は3以上の任意の適切な組み合わせを挙げることができる。コンピュータ可読非一時的記憶媒体は、揮発性、不揮発性、又は適切な場合は揮発性と不揮発性の組み合わせである。
【0013】
図1でさらに示すように、レーザースキャナー105は、フランジ120を介してレーザーヘッド115に結合することができる。図示のように、円形コネクタ125は、レーザースキャナー105の略矩形の基部130から延在することができる。1又は2以上の実施形態において、フランジ120は、レーザーヘッド115の近くに配置することができ、さらにコネクタ125に固定されることでレーザーヘッド115をレーザースキャナー105に結合することができる。1又は2以上の実施形態において、フランジ120は、導管128の端部の近くに配置することができ、導管の反対側の端部は、レーザーヘッド115の近くに配置することができる。実施形態において、レーザーヘッド115は、生成されたレーザーをレーザースキャナー105から所望の予め設定された部位の方へ向けるように設定することができ、生成されたレーザーは、導管128内の光路に沿って進む。実施形態において、レーザーヘッド115は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びこれらの組み合わせとすることができる。レーザーヘッド115は、収容ユニット135、真空コネクタ140、カメラシステム145、光源150、第1のアクチュエータ155、第2のアクチュエータ160、第1のミラー165、及び末端部170を備えることができる。収容ユニット135は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びこれらの組み合わせとすることができる。実施形態において、収容ユニット135は、複数の内部構成要素を含むことができる(以下、図3で説明する)。図示のように、レーザーヘッド115の残りの構成要素は、収容ユニット135の周りに配置することができる。
【0014】
例えば、真空コネクタ140は、収容ユニット135の第1の側面172の近くに配置することができる。他の実施形態において、真空コネクタ140は、収容ユニット135の任意の他の適切な部位に配置することができる。実施形態において、真空コネクタ140は、微粒子を除去する手段を設けることで収容ユニット135の内部を清浄化するように構成することができる。1又は2以上の実施形態において、真空コネクタ140は、真空コネクタ140の端部の周りを真空にするための手段に接続することができる。真空コネクタ140の反対側の端部は、収容ユニット135の内部に流体的に接続することができる。作動時、真空コネクタ140は、収容ユニット135の内部の任意の適切な微粒子、流体、及びこれらの組み合わせを除去することができる。
【0015】
1又は2以上の実施形態において、カメラシステム145及び光源150は、収容ユニット135の上面173の周りに配置することができる。他の実施形態において、カメラシステム145及び光源150は、収容ユニット135の任意の他の適切な部位の周りに配置することができる。実施形態において、開示されたカメラシステム145及び光源150と同様の任意の適切なカメラシステム及び光源を用いることができる。カメラシステム145及び/又は光源150は、外部制御装置に通信可能に接続することができ、外部制御装置によって作動させることができる。カメラシステム145は、末端部170を介して画像を取り込むように構成することができる。光源150は、末端部170から外に向けられる光を提供するよう構成することができる。非限定的に、生成された光は、青色光又は任意の他の適切な色の光とすることができる。
【0016】
1又は2以上の実施形態において、第1のアクチュエータ155及び第2のアクチュエータ160は、収容ユニット135の上面173の周りに、カメラシステム145及び光源150に加えて配置することができる。他の実施形態において、第1のアクチュエータ155及び第2のアクチュエータ160は、収容ユニット135の任意の他の適切な部位の周りに配置することができる。第1のアクチュエータ155は、収容ユニット135内の内部構成要素(すなわち、図2の第3の内部ミラー210)を変位させるように構成することができる。第2のアクチュエータ160は、末端部170を変位させるように構成することができる。1又は2以上の実施形態において、第1のアクチュエータ155及び第2のアクチュエータ160は、対象物を一軸に沿って(例えば、垂直方向に沿って)変位させることが可能なリニアアクチュエータとすることができる。1又は2以上の実施形態において、第1のアクチュエータ155及び第2のアクチュエータ160は、同じ種類のアクチュエータとすることができる。代替の実施形態において、第1のアクチュエータ155及び第2のアクチュエータ160は、異なる種類のアクチュエータとすることができる。
【0017】
図示のように、第2のアクチュエータ160は、リンク機構175で末端部170を変位させることができる。実施形態において、末端部170は、固定構造180に結合することができる。固定構造180は、リンク機構175の端部に結合することができる。リンク機構175の反対側の端部は、第2のアクチュエータ160に結合することができる。実施形態において、リンク機構175及び固定構造180は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びこれらの組み合わせとすることができる。実施形態において、固定構造180は、限定されるものではないが、ナット、ボルト、ねじ、ピン、ワッシャー、クランプ、クリップ、リテーニングリンク、及びこれらの組み合わせなどの任意の適切な留め具を備えることができる。図示のように、固定構造180は、基部185及び第1のミラー165を備えることができる。基部185は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びこれらの組み合わせとすることができる。実施形態において、基部185は、ガイドピン及び/又は他の適切な留め具によって末端部170に結合することができる。実施形態において、基部185は、末端部170の内部穴(図3Aでさらに説明する)と同心の内部穴(図示せず)を備えることができる。基部185の内部穴は、第1のミラー165を通る固定構造180の垂直穴(図示せず)に接続することができる。1又は2以上の実施形態において、第1のミラー165は、適切な角度で基部185の上部に配置することができる。非限定的に、第1のミラー165は、基部185の底部に対して約45度の角度で基部185の上部に配置することができる。第1のミラー165の配置は、光路(例えば、レーザースキャナー105、カメラシステム145、光源150、及びこれらを組み合わせたものからの)を、固定構造180を通って、基部185、続いて末端部170に向かわせるように設定することができる。
【0018】
図2は、収容ユニット135の内部の等角図を示す。図示のように、収容ユニット135の内部には第1の内部ミラー200、第2の内部ミラー205、及び第3の内部ミラー210が配置されている。第1の内部ミラー200は、カメラシステム145によってもたらされた光路の中において収容ユニット135の底面215上に配置することができる。第2の内部ミラー205は、光源150によってもたらされた光路の中において収容ユニット135の底面215上に配置することができる。1又は2以上の実施形態において、第3の内部ミラー210は、第1の内部ミラー200及び/又は第2の内部ミラー205によって向けられた光路の中に配置することができる。第3の内部ミラー210は、第1のアクチュエータ155の一部の周りに配置することができ、第1のアクチュエータ155は、第1の内部ミラー200及び/又は第2の内部ミラー205によって向けられた光路の内外に第3の内部ミラー210を変位させるように構成されている。1又は2以上の実施形態において、第1のアクチュエータ155は、外部制御装置の実行により、第1の内部ミラー200及び/又は第2の内部ミラー205によって向けられた光路の中に及び/又は外に垂直に第3の内部ミラー210を変位させることができる。
【0019】
1又は2以上の実施形態において、第1の内部ミラー200、第2の内部ミラー205、及び第3の内部ミラー210は、任意の適切な角度で配置することができる。非限定的に、第1の内部ミラー200及び第2の内部ミラー205は、収容ユニット135の底面215に対して約45度の角度で配置することができる。非限定的に、第3の内部ミラー210は、収容ユニット135の第2の側面220に対して約45度の角度で配置することができ、第2の側面220は、第1の側面172(図1参照)の反対側である。1又は2以上の実施形態において、第1の内部ミラー200及び第2の内部ミラー205は、光路を第3の内部ミラー210の方に向けるように配置することができる。1又は2以上の実施形態において、第3の内部ミラー210は、入射光路を収容ユニット135から垂直に離れる方向に向けるように角度を付けることができ、光路は、レーザースキャナー105の方向(図1参照)とは反対方向に向かうことができる。作動時、第3の内部ミラー210は、第2の側面220の内側に対して配置された第1のアクチュエータ155のレール225に沿って垂直に平行移動することができる。
【0020】
さらに図示するように、導管128(図1参照)は、収容ユニット135の内部に連通するように接続することができる。導管128の中の穴230に沿って進む光路は、固定構造180の垂直穴に対して同心とすることができる(図1参照)。1又は2以上の実施形態において、第3の内部ミラー210は、初期位置では第1の内部ミラー200及び/又は第2の内部ミラー205の光路の中にある。初期位置では、第3の内部ミラー210は、固定構造180の垂直穴から穴230を遮ることができる。作動時、第1のアクチュエータ155は、第3の内部ミラー210を初期位置から第2の位置に変位させるように作動することができる。実施形態において、初期位置と第2の位置とは垂直方向にオフセットすることができ、これにより、穴230と固定構造180の垂直穴との間に空間がもたらされる。
【0021】
図2は、第2の真空コネクタ235をさらに示す。第2の真空コネクタ235は、収容ユニット135の下に配置することができる。第2の真空コネクタ235の第1の端部240は、固定構造180の基部185(図1参照)に接続することができる。1又は2以上の実施形態において、第2の真空コネクタ235の内部穴245は、末端部170(図1参照)に連通するように接続することができる。実施形態において、第1の端部240の反対側の端部は、真空手段に接続することができる。作動時、第2の真空コネクタ235は、末端部170の端部の周りの微粒子を除去するように構成することができる。
【0022】
図3A及び3Bは末端部170を示す。図3Aは末端部170の等角図を示し、図3Bは末端部170の正面図を示す。末端部170は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びこれらの組み合わせとすることができる。図示のように、末端部170は、本体300、取付けフランジ305、中心穴310、第2のミラー315、及び出口320を備えることができる。実施形態において、本体300は、略正方形又は矩形断面形状とすることができる。一部の実施形態において、本体300は、本体300の長さに沿って様々な寸法をもつことができる。取付けフランジ305は、本体300の第1の端部325に配置することができる。取付けフランジ305は、固定構造180(図1参照)の基部185(図1参照)に結合するように構成することができる。実施形態において、取付けフランジ305は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びこれらの組み合わせとすることができる。非限定的に、取付けフランジ305は、略正方形又は矩形断面形状とすることができる。
【0023】
実施形態において、中心穴310は、取付けフランジ305及び出口320でアクセスすることができる。中心穴310は、任意の適切なサイズ、形状、長さ、及びこれらの組み合わせとすることができる。実施形態において、中心穴310の長さは、本体300と取付けフランジ305の厚さを合わせた長さと同じとすることができる。1又は2以上の実施形態において、中心穴310は全長にわたって均一な円形とすることができる。非限定的に、中心穴310は、約3/16インチ(約4.7625mm)、約1/4インチ(約6.35mm)、約5/16インチ(約7.9375mm)、約3/8インチ(約9.525mm)、又は任意の他の適切な基準増分である直径をもつことができる。
【0024】
1又は2以上の実施形態において、第2のミラー315は、本体300の第2の端部330に配置することができ、第2の端部330は、第1の端部325の反対側である。1又は2以上の実施形態において、第2のミラー315は、任意の適切な角度で配置することができる。非限定的に、第2のミラー315は、本体300の中心軸に対して約45度の角度で配置することができる。作動時、光路は、本体300の中心穴310を通って進むことができる。これらの実施形態において、第2のミラー315は、光路を、中心穴310から出て本体300の中心軸に対して所定の角度で出口320を通るように向けるように構成することができる。非限定的に、指向された光路は、本体300の中心軸に対して垂直に出口320から出る。実施形態において、出口320は、任意の適切なサイズ及び/又は形状とすることができる。出口320は、中心穴310にアクセスできるように構成された本体300の開口とすることができる。
【0025】
図示のように、本体300の中に配置された真空穴335が存在できる。真空穴335は、第2の真空コネクタ235(図2参照)を本体300の第2の端部330に連通するように接続するように構成することができる。作動時、レーザーヘッド115(図1参照)が作動する際に、前もって1又は2以上のパネルに施工されたコーティングの微粒子が発生する可能性がある。微粒子が発生すると、真空引き手段を所望の領域に適用して微粒子を除去することができる。1又は2以上の実施形態において、真空引き手段は、本体300の第2の端部330の周りに配置された真空ポート340を介して微粒子を真空穴335の中に引き込むことができる。実施形態において、真空ポート340は、真空穴335にアクセスするのを可能にするように構成された開口とすることができる。
【0026】
図1-3Bを参照して本開示に提示される方法を説明する。オペレータは、ナットプレート装着前に1又は2以上のパネル上に存在するコーティングの一部を除去するために自動レーザーシステム100を利用することができる。詳細には、自動レーザーシステム100は、複数の事前に穿孔された穴の周りに存在するコーティングの一部を除去するために使用することができる。
【0027】
最初に、自動レーザーシステム100は、複数の事前に穿孔された穴を割り出すことができる。自動レーザーシステム100は、外部制御装置によって、1又は2以上のパネルの各々に関して事前にプログラムされた経路及び/又は部位を利用することができる。実施形態において、自動レーザーシステム100は、複数の事前に穿孔された穴のうちの1つの近くに配置することができる。自動レーザーシステム100は、外部制御装置の事前にプログラムされた命令に基づいて、複数の事前に穿孔された穴のうちの1つの中心を決めることができる。自動レーザーシステム100は、事前にプログラムされた命令によって決定された中心に対する実際の中心のX及びY軸での任意のオフセットを測定することができる。実施形態において、実際の中心が許容誤差を超える場合、外部制御装置は、ロボットアーム、自動レーザーシステム100、又は両者に対して、自動レーザーシステム100が許容誤差の範囲にあるように再調整するよう指示することができる。非限定的に、許容誤差は、約0.1mmから約4mmである。これらの実施形態において、第3の内部ミラー210は、第1の内部ミラー200及び/又は第2の内部ミラー205の光路の中の初期位置とすることができる。実際の中心及び測定されたオフセットは、カメラシステム145及び光源150を利用して決定することができる。実施形態において、実際の中心が許容誤差内にある場合、自動レーザーシステム100は、レーザースキャナー105を動作させるように作動することができる。
【0028】
作動時、レーザースキャナー105は、自動レーザーシステム100を通って末端部170から出る光路に沿って進むようレーザーを向けるように作動することができる。1又は2以上の実施形態において、レーザースキャナー105は、約100kHzの周波数で動作することができる。レーザースキャナー105の作動前に、第3の内部ミラー210は、第2の位置に平行移動するように作動させることができ、これにより、穴230と固定構造180の垂直穴との間のアクセスが可能になる。実施形態において、レーザーは、レーザースキャナー105から、穴230を通り、固定構造180の垂直穴を通り、第1のミラー165で偏向されて末端部170の中心穴310を通って進み、第2のミラー315で偏向されて末端部170の出口320を通って出る光路に沿って進むことができる。
【0029】
自動レーザーシステム100が作動する際に、真空引き手段が同様に作動することができる。実施形態において、真空引き手段は、レーザースキャナー105の作動と同時に、その前に、その後に、及びこれらの組み合わせで作動することができる。レーザースキャナー105で生成されたレーザーが、複数の事前に穿孔された穴の周りの1又は2以上のパネル上に配置されたコーティングの少なくとも一部を除去する際に、真空引き手段は、この操作によって生じたいかなる微粒子も除去することができる。
【0030】
レーザースキャナー105の作動が終了すると、自動レーザーシステム100は、清浄化された表面領域の光学検査を行うことができる。これらの実施形態において、第3の内部ミラー210は、末端部170の出口320の近くの表面領域を検査するためにカメラシステム145及び光源150を使用する目的で、初期位置に平行移動して戻るように作動させることができる。自動レーザーシステム100は、表面領域が容認できる状態で清浄であると決定すると、複数の事前に穿孔された穴のうちの次の1つの上に移動し、この工程を繰り返すことができる。自動レーザーシステム100は、表面領域が容認できる状態で清浄ではないと決定すると、上記の開示された方法を繰り返すことで残っているコーティングを除去する二次的な操作を行うことができる。
【0031】
本開示の技術的利点は、以下の1又は2以上を含むことができる。本明細書に記載の自動レーザーシステム100は、ナットプレートの剥離に関連するスクラップ量、再加工、及び補修を低減することができる。自動レーザーシステム100は、手動による技法に比べて装着するのに必要な時間を短くすることができる。
【0032】
本開示は、本明細書に記載の種々の実施形態及び実施例に関して説明されている種々の技術的利点などの多数の利点を提供することができる。他の技術的利点は、当業者であれば、以下の図面、記述、及び特許請求の範囲からすぐに分かるであろう。さらに、本明細書では特定の利点が列挙されているが、種々の実施形態は、列挙された利点の一部又は全てを含むこと、又は全く含まないこともできる。
【0033】
本明細書では、「又は」は、明示的に別段の指示がない限り、又は文脈上の別段の指示がない限り包括的であり、排他的ではない。従って、本明細書では、「A又はB」は、明示的に別段の指示がない限り、又は文脈上の別段の指示がない限り、「A、B、又はその両方」を意味する。さらに、「及び」は、明示的に別段の指示がない限り、又は文脈上の別段の指示がない限り、連帯及び個別の両方である。従って、本明細書では、「A及びB」は、「連帯的に又は個別的に、A及びB」を意味する。
【0034】
本開示の範囲は、本明細書で説明又は例示する例示的な実施形態に対する当業者であれば理解できるはずの全ての変更、置換、変形、改変、及び修正を包含する。本開示の範囲は、本明細書で説明又は例示する例示的な実施形態に限定されない。さらに、本開示は、本明細書のそれぞれの実施形態が特定の構成要素、要素、機能、動作、又はステップを含むと説明及び例示されるが、これらの実施形態のいずれも、当業者であれば理解できるはずの、本明細書のどこかで説明又は例示する構成要素、要素、機能、動作、又はステップのいずれかの任意の組み合わせ又は置換を含むことができる。さらに、特定の機能を実行するように適合される、配置される、可能にする、構成される、機能する、動作可能である、又は動作する装置又はシステムもしくは装置又はシステムの構成要素に対する特許請求の範囲における言及は、その装置、システム又は構成要素がそのように適合される、配置される、可能にする、構成される、機能する、動作可能である、又は動作する限り、その特定の機能が動作する、作動する、又は解除されるか否かを問わず、そのような装置、システム、構成要素を包含する。加えて、本開示は、特定の利点を提供するものとして特定の実施形態を説明又は例示するが、特定の実施形態は、これらの利点を提供しないこと、一部又は全てを提供することができる。
【符号の説明】
【0035】
105 レーザースキャナー
110 ケーブル
115 レーザーヘッド
120 フランジ
125 コネクタ
130 基部
135 収容ユニット
140 真空コネクタ
145 カメラシステム
150 光源
155 第1のアクチュエータ
160 第2のアクチュエータ
165 第1のミラー
170 末端部
172 第1の側面
173 上面
185 基部
図1
図2
図3A
図3B