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特許7369703超広帯域性能を有する積層セラミックコンデンサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】超広帯域性能を有する積層セラミックコンデンサ
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20231019BHJP
   H01G 15/00 20130101ALI20231019BHJP
【FI】
H01G4/30 513
H01G4/30 516
H01G4/30 512
H01G4/30 201C
H01G4/30 201G
H01G4/38 Z
【請求項の数】 40
(21)【出願番号】P 2020546384
(86)(22)【出願日】2019-03-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019020710
(87)【国際公開番号】W WO2019173308
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】62/639,236
(32)【優先日】2018-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ホーン,ジェフリー・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ベロリーニ,マリアンヌ
【審査官】清水 稔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/117257(WO,A1)
【文献】特開2019-054229(JP,A)
【文献】特開2008-085054(JP,A)
【文献】特開2015-211209(JP,A)
【文献】特開2010-045372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/30
H01G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層セラミックコンデンサであって、
前記コンデンサの第1の端部に沿って配置された第1の外部端子と、
前記コンデンサの前記第1の端部とは縦方向に反対側の第2の端部に沿って配置された第2の外部端子と、
交互の誘電層および能動電極層を含む能動電極領域と、
遮蔽層ギャップによって前記縦方向に間隔を隔てた少なくとも2つの遮蔽電極を含む遮蔽電極領域と
を備え、
前記能動電極領域から前記遮蔽電極領域までの距離が、頂部表面と、前記頂部表面とは反対側の底部表面との間の前記コンデンサの厚さの4%から20%までであり、
前記遮蔽層ギャップが、前記頂部表面または前記底部表面のうちの少なくとも一方の前記縦方向の前記第1の外部端子と第2の外部端子の間の外部端子ギャップの3%から60%までの範囲である
積層セラミックコンデンサ。
【請求項2】
前記少なくとも2つの遮蔽電極が、前記第1の外部端子と接続された第1の遮蔽電極、および前記第2の外部端子と接続され、前記第1の遮蔽電極と前記縦方向に対して直角であるZ方向に概ね整列された第2の遮蔽電極を備え、前記第1の遮蔽電極および第2の遮蔽電極の各々が、前記遮蔽層ギャップによって前記縦方向に間隔を隔てるそれぞれの非接続端部を有する、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項3】
前記能動電極領域から前記頂部表面までの距離が前記コンデンサの厚さの4%から20%までの範囲である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項4】
前記能動電極領域から前記頂部表面までの距離が3.81×10-5メートル(1.5ミル)から8.128×10-5メートル(3.2ミル)までである、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項5】
前記能動電極領域から前記遮蔽電極領域までの距離が3.81×10-5メートル(1.5ミル)から8.128×10-5メートル(3.2ミル)までの範囲である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項6】
33GHzから40GHzまでの周波数範囲にわたって測定されると、前記コンデンサが0.25dBから0.55dBまでの挿入損を示す、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項7】
23GHzから30GHzまでの周波数範囲にわたって測定されると、前記コンデンサが0.20dBから0.35dBまでの挿入損を示す、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項8】
13GHzから20GHzまでの周波数範囲にわたって測定されると、前記コンデンサが0.15dBから0.40dBまでの挿入損を示す、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項9】
4GHzから10GHzまでの周波数範囲にわたって測定されると、前記コンデンサが0.1dBから0.25dBまでの挿入損を示す、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項10】
前記能動電極層が、
前記第1の外部端子と電気接続された第1の電極であって、前記第1の電極が主部分および階段部分を備える第1の電極アームを有し、前記主部分が前記積層コンデンサの前記第1の端部から延びている横方向の縁を有し、前記階段部分が前記主部分の前記横方向の縁からオフセットされた横方向の縁を有する、第1の電極と、
前記第2の外部端子と電気接続された第2の電極と
を備える、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項11】
前記第1の電極アームおよび前記第2の電極が間隔を隔てて、前記第1の電極アームの前記主部分と前記第2の電極の間の主ギャップ距離、および前記第1の電極アームの前記階段部分と前記第2の電極の間の階段ギャップ距離を形成する、請求項10に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項12】
前記主ギャップ距離が前記第1の外部端子から前記第2の外部端子までの前記コンデンサの長さの5%から60%までである、請求項11に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項13】
前記主ギャップ距離が前記第1の電極アームの前記主部分の長さの50%以上である、請求項11に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項14】
前記階段ギャップ距離が前記第1の外部端子から前記第2の外部端子までの前記コンデンサの長さの1%から30%までである、請求項11に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項15】
前記階段ギャップ距離が前記第1の電極アームの前記階段部分の長さの5%から50%までである、請求項11に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項16】
前記階段ギャップ距離が前記主ギャップ距離の5%から70%までである、請求項11に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項17】
前記第1の電極アームの前記階段部分が前記主部分の前記横方向の縁から内側に、前記電極層のうちの少なくとも1つの横方向の中心線に向かってオフセットされる、請求項10に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項18】
前記第1の電極アームの前記階段部分が前記主部分の前記横方向の縁から外側に、前記電極層のうちの少なくとも1つの横方向の中心線から遠ざかる方向にオフセットされる、請求項10に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項19】
前記階段部分の個々の横方向の縁が前記主部分の個々の横方向の縁からオフセットされる、請求項10に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項20】
前記第2の電極が主部分および階段部分を備える第2の電極アームを含み、前記主部分が前記積層コンデンサの前記第2の端部から延びている横方向の縁を有し、前記階段部分が前記主部分の前記横方向の縁からオフセットされた横方向の縁を有する、請求項10に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項21】
前記第1の電極アームおよび前記第2の電極アームが、前記第1の電極アームの前記主部分と前記第2の電極アームの前記主部分の間に主ギャップ距離が形成され、また、前記第1の電極アームの前記階段部分と前記第2の電極アームの前記階段部分の間に階段ギャップ距離が形成されるように間隔を隔てる、請求項20に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項22】
前記第1の電極が前記第1の外部端子と電気接続されたベース部分を備え、前記第1の電極アームが前記ベース部分から延びる、
請求項10に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項23】
前記第2の電極が前記第2の外部端子と電気接続されたベース部分を備え、前記第2の電極が前記ベース部分から延びている第2の電極アームを含む、
請求項10に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項24】
前記第1の電極が前記第1の外部端子と電気接続されたベース部分を備え、前記第1の電極アームが前記ベース部分から延び、
前記第2の電極が前記第2の外部端子と電気接続されたベース部分を備え、前記第2の電極が前記ベース部分から延びている第2の電極アームを含む、
請求項10に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項25】
前記第1の電極が前記第1の外部端子と電気接続されたベース部分を備え、
前記第2の電極が前記第2の外部終端と電気接続されたベース部分を備え、
前記第1の電極が中央部分を備え、前記中央部分が、前記第1の電極の前記中央部分と前記第2の電極の前記ベース部分の間に中央端部ギャップ距離が形成され、前記第1の電極の前記中央部分と前記第2の電極の間に中央縁ギャップ距離が形成されるよう、前記第1の端部から遠ざかる方向に延び、
前記中央端部ギャップ距離が前記中央縁ギャップ距離にほぼ等しい、
請求項10に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項26】
前記能動電極領域と前記遮蔽電極領域の間に少なくとも1つのアンカー電極層を備えるアンカー電極領域をさらに備える、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項27】
前記アンカー電極層が、
前記第1の外部端子と電気接続された第3の電極であって、前記第3の電極が主部分および階段部分を備える第3の電極アームを有し、前記主部分が前記積層コンデンサの前記第1の端部から延びている横方向の縁を有し、前記階段部分が前記主部分の前記横方向の縁からオフセットされた横方向の縁を有する、第3の電極と、
前記第2の外部端子と電気接続された第4の電極と
を備える、請求項26に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項28】
前記第4の電極アームが主部分および階段部分を備え、前記主部分が前記積層コンデンサの前記第2の端部から延びている横方向の縁を有し、前記階段部分が前記主部分の前記横方向の縁からオフセットされた横方向の縁を有する、請求項27に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項29】
前記能動電極領域と前記遮蔽電極領域の間に誘電層を備える誘電領域をさらに備える、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項30】
前記階段部分が前記電極アームの前記主部分の幅の5%~90%である幅を有する、請求項10に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項31】
前記階段部分が前記電極アームの長さの5%~70%である長さを有する、請求項10に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項32】
前記主部分が前記電極アームの長さの25%~90%である長さを有する、請求項10に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項33】
前記外部端子が電気めっき層である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項34】
前記外部端子が無電解めっき層である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項35】
前記外部端子が導電性金属を含む、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項36】
前記導電性金属が、銀、金、パラジウム、白金、スズ、ニッケル、クロム、チタン、タングステンまたはそれらの組合せもしくは合金を含む、請求項35に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項37】
前記導電性金属が銅またはその合金を含む、請求項35に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項38】
前記外部端子が5μmから50μmまでの平均厚さを有する、請求項35に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項39】
前記遮蔽電極が概ね長方形の構成を有する、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項40】
前記遮蔽電極が、外部端子に隣接する前記遮蔽電極の前記縁の反対側の前記遮蔽電極の縁に階段を有する、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2018年3月6日の出願日を有する米国仮特許出願第62/639,236号の出願利益を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
[0002]近代の技術的用途の多様性は、それらの用途に使用される有効な電子構成要素および集積回路の必要性をもたらしている。コンデンサは、無線通信、警報システム、レーダシステム、回路切換え、整合化回路網および多くの他の用途を含み得るこのような近代の用途におけるフィルタリング、結合、バイパス化および他の態様のために使用される基本的な構成要素である。集積回路の速度の劇的な高速化および実装密度の劇的な増加は、とりわけ結合コンデンサ技術における進歩を要求している。高静電容量結合コンデンサが多くの現在の用途における高い周波数にさらされる場合、性能特性がますます重要になる。コンデンサは、このような広範囲にわたる様々な用途に対する基本となるものであるため、それらの精度および効率は不可欠である。したがってコンデンサ設計の多くの特定の態様は、それらの性能特性を改善することに的が絞られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]従来技術は、コンデンサが性能を改善することができる様々な構成を提供しているが、それでもとりわけ広帯域用途に関しては、同様の結果または改善された結果をもたらすコンデンサを提供することが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]本発明の一実施形態によれば、積層セラミックコンデンサが開示される。コンデンサは、コンデンサの第1の端部に沿って配置された第1の外部端子と、コンデンサの第1の端部とは縦方向に反対側の第2の端部に沿って配置された第2の外部端子と、交互の誘電層および能動電極層を含む能動電極領域と、遮蔽電極領域とを含むことができる。遮蔽電極領域は、遮蔽層ギャップによって縦方向に間隔を隔てた少なくとも2つの遮蔽電極を含むことができる。能動電極領域から遮蔽電極領域までの距離は、頂部表面と、頂部表面とは反対側の底部表面との間のコンデンサの厚さの約4%から約20%までであってもよい。遮蔽層ギャップは、頂部表面または底部表面のうちの少なくとも一方の縦方向の第1の外部端子と第2の外部端子の間の外部端子ギャップの約3%から約60%までの範囲であってもよい。
【0005】
[0005]当業者に対する、本発明の最良モードを含む本発明の完全で、かつ、実施可能な開示は、添付の図の参照を含む本明細書の残りの部分でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】[0006]本発明の一実施形態による電極層の上面図である。
図1B】[0007]本発明の一実施形態の交互電極層の斜視図である。
図1C】本発明の一実施形態による電極層の上面図である。
図1D】[0008]本発明のコンデンサの一実施形態の側面断面図である。
図2】[0009]本発明の電極層の一実施形態の上面図である。
図3A】[0010]本発明のコンデンサの一実施形態の側面断面図である。
図3B】[0011]本発明の一実施形態による図3Aのコンデンサの電極の上面図である。
図4A】[0012]本発明のコンデンサの一実施形態の側面断面図である。
図4B】[0013]本発明の一実施形態による図4Aのコンデンサの電極の上面図である。
図5A】[0014]本発明の特定の実施形態によるアンカー電極の上面図である。
図5B】本発明の特定の実施形態によるアンカー電極の上面図である。
図5C】本発明の特定の実施形態によるアンカー電極の上面図である。
図6A】[0015]本発明の特定の実施形態による電極層の上面図である。
図6B】本発明の特定の実施形態による電極層の上面図である。
図6C】本発明の特定の実施形態による電極層の上面図である。
図6D】本発明の特定の実施形態による電極層の上面図である。
図7A】[0016]容量性領域を有する回路略図を示す図である。
図7B】容量性領域を有する回路略図を示す図である。
図8A】[0017]本発明の電極層の実施形態の上面図である。
図8B】本発明の電極層の実施形態の上面図である。
図8C】本発明の電極層の実施形態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0018]当業者には、本考察は例示的実施形態の説明にすぎず、本発明のより広義の態様を制限することは意図されていないことを理解されたい。
[0019]一般的に言えば、本発明は積層セラミックコンデンサを対象としている。詳細には、本発明は、交互の誘電層および電極層を含む能動電極領域と、少なくとも1つの遮蔽電極を含む遮蔽電極領域とを含む積層セラミックコンデンサを対象としている。また、積層セラミックコンデンサは、頂部表面および頂部表面とは反対側の底部表面を同じく含む。本発明者らは、能動電極領域と遮蔽領域の間の距離、および/または能動電極領域とコンデンサの頂部表面の間の距離を制御することにより、様々な利点が提供されることを発見した。
【0008】
[0020]一般に、能動電極領域と遮蔽領域の間の距離は、約3.302×10-5メートル(1.3ミル)以上など、約3.81×10-5メートル(1.5ミル)以上など、約4.318×10-5メートル(1.7ミル)以上など、約4.826×10-5メートル(1.9ミル)以上などの約2.54×10-5メートル(1.0ミル)以上から、約5.842×10-5メートル(2.3ミル)以下など、約5.334×10-5メートル(2.1ミル)以下などの約6.35×10-5メートル(2.5ミル)以下までである。例えば能動電極領域と遮蔽領域の間の距離は、約3.302×10-5メートル(1.3ミル)から約5.842×10-5メートル(2.3ミル)までなど、約3.81×10-5メートル(1.5ミル)から、約5.334×10-5メートル(2.1ミル)までなど、約4.318×10-5メートル(1.7ミル)から約5.842×10-5メートル(2.3ミル)までなど、約4.826×10-5メートル(1.9ミル)から約5.334×10-5メートル(2.1ミル)までなどの約2.54×10-5メートル(1.0ミル)から約6.35×10-5メートル(2.5ミル)までである。このような距離は、コンデンサの厚さの約5%以上など、約6%以上など、約7%以上などの約4%以上から、約18%以下など、約15%以下など、約13%以下など、約11%以下などの約20%以下であってもよい。
【0009】
[0021]一般に、能動電極領域とコンデンサの頂部表面の間の距離は、約4.572×10-5メートル(1.8ミル)以上など、約5.08×10-5メートル(2.0ミル)以上など、約5.334×10-5メートル(2.1ミル)以上など、約5.842×10-5メートル(2.3ミル)以上など、約約6.35×10-5メートル(2.5ミル)以上などの約3.81×10-5メートル(1.5ミル)以上から、約7.62×10-5メートル(3.0ミル)以下など、約7.366×10-5メートル(2.9ミル)以下など、約7.112×10-5メートル(2.8ミル)以下などの約8.128×10-5メートル(3.2ミル)以下である。例えば能動電極領域とコンデンサの頂部表面の間の距離は、約5.08×10-5メートル(2.0ミル)から約7.62×10-5メートル(3.0ミル)までなど、約5.842×10-5メートル(2.3ミル)から約7.62×10-5メートル(3.0ミル)までなど、約6.35×10-5メートル(2.5ミル)から約7.366×10-5メートル(2.9ミル)までなどの約4.572×10-5メートル(1.8ミル)から約8.128×10-5メートル(3.2ミル)までである。このような距離は、コンデンサの厚さの約8%以上など、約9%以上など、約10%以上などの約5%以上から、約20%以下など、約18%以下など、約15%以下など、約14%以下などの約25%以下であってもよい。
【0010】
[0022]本発明者らは、このような距離は、挿入損が小さい積層セラミックコンデンサを提供し得ることを発見した。一般に、挿入損は、コンデンサを介した電力の損失であり、当技術分野で広く知られている任意の方法を使用して測定され得る。小さい挿入損に加えて、このような挿入損は、通常、周波数が高くなるにつれて増加し得る。例えばこのような増加は、少なくとも、範囲の少なくとも25%など、範囲の少なくとも50%など、範囲の少なくとも75%など、範囲の少なくとも80%などの、4GHzから40GHzまでの周波数範囲のうちの一部にわたって生じ得る。
【0011】
[0023]例えば挿入損は、4GHzから10GHzまでの周波数範囲全体にわたって測定されると、約0.28dB以下など、約0.25dB以下など、約0.23dB以下などの約0.3dB以下になり得る。挿入損は、4GHzから10GHzまでの周波数範囲全体にわたって測定されると、約0.08dB以上など、約0.10dB以上などの約0.05dB以上になり得る。
【0012】
[0024]挿入損は、13GHzから20GHzまでの周波数範囲全体にわたって測定されると、約0.38dB以下など、約0.35dB以下など、約0.34dB以下などの約0.4dB以下になり得る。挿入損は、13GHzから20GHzまでの周波数範囲全体にわたって測定されると、約0.18dB以上など、約0.20dB以上などの約0.15dB以上になり得る。
【0013】
[0025]挿入損は、23GHzから30GHzまでの周波数範囲全体にわたって測定されると、約0.4dB以下など、約0.38dB以下など、約0.35dB以下など、約0.32dB以下などの約0.45dB以下になり得る。挿入損は、23GHzから30GHzまでの周波数範囲全体にわたって測定されると、約0.18dB以上など、約0.20dB以上など、約0.22dB以上などの約0.15dB以上になり得る。
【0014】
[0026]挿入損は、33GHzから40GHzまでの周波数範囲全体にわたって測定されると、約0.5dB以下など、約0.48dB以下など、約0.45dB以下など、約0.43dB以下などの約0.55dB以下になり得る。挿入損は、33GHzから40GHzまでの周波数範囲全体にわたって測定されると、約0.25dB以上など、約0.28dB以上などの約0.20dB以上になり得る。
【0015】
[0027]さらに、コンデンサは、約50nF以上など、約70nF以上など、約90nF以上など、約100nF以上など、約115nF以上など、約130nF以上などの約20nF以上の総合静電容量を有することができる。総合静電容量は、約200nF以下など、約175以下など、約160nF以下など、約150nF以下など、約130nF以下など、約120nF以下などの約250nF以下であってもよい。
【0016】
[0028]さらに、このような利点は、厚さが比較的薄いコンデンサを使用すると実現され得る。例えばコンデンサは、約38.1×10-5メートル(15ミル)以上など、約45.72×10-5メートル(18ミル)以上などの約33.02×10-5メートル(13ミル)以上から、約101.6×10-5メートル(40ミル)以下など、約76.2×10-5メートル(30ミル)以下など、約63.5×10-5メートル(25ミル)以下など、約58.42×10-5メートル(23ミル)以下など、約55.88×10-5メートル(22ミル)以下などの約127×10-5メートル(50ミル)以下までの厚さを有することができる。
【0017】
[0029]したがって本発明者らは、本明細書において開示されるコンデンサは、広範囲の周波数範囲にわたって使用され、それにより様々な超広帯域用途に使用し得ることを発見した。
【0018】
[0030]上で示したように、本発明は、単一の一体型パッケージ内に複数の容量性素子を含む積層セラミックコンデンサを含む。コンデンサは、頂部表面および頂部表面とは反対側の底部表面を含む。また、コンデンサは、頂部表面と底部表面の間を延びている少なくとも1つの側面を同じく含む。コンデンサは、頂部表面と底部表面の間を延びている少なくとも4つの側面を含むことができる。一実施形態では、コンデンサは、少なくとも合計6つの表面を含む(例えば1つの頂面、1つの底面、4つの側面)。例えばコンデンサおよび/またはコンデンサの本体は、長方形平行六面体形などの平行六面体形の形を有することができる。
【0019】
[0031]一般に、コンデンサは、コンデンサの本体の少なくとも一部を形成することができる交互の誘電層および電極層を含む。積み重ねられた、すなわち積層された構成で誘電層および電極層を配置することにより、コンデンサは積層コンデンサと呼ばれることが可能であり、例えば誘電層がセラミックを備えている場合、とりわけ積層セラミックコンデンサと呼ばれ得る。一般に、交互の誘電層および電極層(すなわち能動電極層)のスタックは、本明細書においては能動電極領域と呼ばれ得る。
【0020】
[0032]電極層は、複数の第1の電極層および複数の第2の電極層を含む。詳細には、第1の電極層および第2の電極層は、対向し、かつ、間隔を隔てた関係で交互配置され、個々の隣接する電極層の間に誘電層が配置される。これに関して、第1の電極層および第2の電極層は平行の関係で存在し得る。
【0021】
[0033]一般に、誘電層および電極層の厚さは制限されず、コンデンサの性能特性に応じて、必要な任意の厚さにすることができる。例えば電極層の厚さは、それには限定されないが、約1μm以上など、約2μm以上など、約3μm以上など、約4μm以上などの約500nm以上から、約5μm以下など、約4μm以下など、約3μm以下など、約2μm以下などの約10μm以下までであってもよい。例えば電極層は、約1μmから約2μmまでの厚さを有することができる。さらに、一実施形態では、誘電層の厚さは、電極層の上記厚さに従って定義され得る。また、誘電層のこのような厚さは、存在する場合、本明細書において定義されているように、任意のアンカー電極層、遮蔽電極層および/またはフローティング電極層(floating electrode layers)の間の層に同じく適用することができることを理解されたい。
【0022】
[0034]個々の電極層は、第1の電極および第2の(対)電極を含む。例えば第1の電極および第2の電極は、縦方向および横方向に実質的に同じ平面に存在し得る。第1の電極は、外部端子から遠ざかる方向に延びている中央部分すなわち本体を含み、また、第1の電極の一方の端部は他の外部端子へ向かっている。このような部分は外部端子から直接延びることができる。別法としては、このような部分は、中央部分すなわち本体と共に外部端子から同じく延びている第1の電極のベース部分(base portion)から延びることができる。一般に、第1の電極のベース部分は、外部端子に隣接する第1の電極の縦方向の縁に沿って延びている。さらに、隣接する電極層の第1の電極の中央部分は、垂直方向に少なくとも部分的に重畳している。
【0023】
[0035]個々の第1の電極は、外部端子から遠ざかる方向に延びている少なくとも1つの電極アームを含む。電極アームは外部端子から直接延びることができる。別法としては、電極アームは、アームと共に外部端子から同じく延びている第1の電極のベース部分から延びることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電極アームは、外部端子から遠ざかる方向に延びている。電極アームは外部端子から直接延びることができる。別法としては、電極アームは、アームと共に外部端子から同じく延びている第1の電極のベース部分から延びることができる。
【0024】
[0036]第2の電極も、同じく少なくとも1つの電極アームを含むことができる。電極アームは外部端子から直接延びることができる。2つの電極アームが存在している場合、両方の電極アームは外部端子から直接延びることができる。別法としては、電極アームは、アームと共に同じく外部端子から延びている第2の電極のベース部分から延びることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電極アームはベース部分から延びており、このような実施形態では、電極アームは、第1の電極の中央部分の隣接する個々の側に存在している。一般に、第2の電極の電極アームは、第1の電極の電極アームと縦方向に整列されている。
【0025】
[0037]アームがベース部分から延びている場合、このような延長は同じく外部端子からであるが、このような延長は、必ずしも外部端子からの直接の延長ではなくてもよいことを理解されたい。
【0026】
[0038]一般に、少なくとも1つの電極アームは、主部分および階段部分を含むことができる。例えば個々の電極の少なくとも1つの電極アームは、主部分および階段部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、個々の電極は2つの電極アームを含むことができ、電極の両方の電極アームは、主部分および階段部分を含むことができる。階段部分は、主部分の少なくとも1つの横方向の縁からオフセットされている。一実施形態では、オフセットは、第1の電極の中央部分により近い主部分の横方向の縁からである。別の実施形態では、オフセットは、第1の電極の中央部分からさらに離れた主部分の横方向の縁からである。一実施形態では、階段部分は、主部分の両方の横方向の縁からオフセットされている。しかしながら別の実施形態では、電極アームは階段部分を含まなくてもよいことを理解されたい。
【0027】
[0039]電極アームの主部分は横方向の幅を有しており、また、電極アームの階段部分は縦方向の幅を有している。階段部分の幅は、主部分の幅の15%以上など、25%以上など、35%以上など、40%以上などの5%以上である。階段部分の幅は、主部分の幅の90%以下など、80%以下など、70%以下など、60%以下など、50%以下などの100%未満である。
【0028】
[0040]さらに、電極アームは縦方向の長さを有しており、その長さは、隣接する、外部端子に接続している縦方向の縁から、階段部分の縦方向の縁を画定している反対側の縦方向の縁までのアームの距離である。したがって電極アームの主部分および電極アームの階段部分は縦方向の長さを有しており、このような長さは電極アームの長さの一部である。電極アームの階段部分は、電極アームの長さの15%以上など、20%以上など、25%以上など、35%以上など、40%以上などの5%以上である長さ(すなわち隣接する、外部端子に接続している縦方向の縁から、階段部分を画定している反対側の縦方向の縁までの距離)を有することができる。電極アームの階段部分は、電極アームの長さの70%以下など、60%以下など、50%以下など、40%以下など、30%以下などの80%以下である長さを有することができる。電極アームの主部分は、電極アームの長さの15%以上など、25%以上など、35%以上など、45%以上など、55%以上など、65%以上など、75%以上などの5%以上である長さ(すなわち隣接する、外部端子に接続している縦方向の縁から、主部分を画定している反対側の縦方向の縁までの距離)を有することができる。電極アームの主部分は、電極アームの長さの90%以下など、80%以下など、70%以下など、60%以下など、50%以下など、40%以下などの100%未満である長さを有することができる。
【0029】
[0041]さらに、ギャップ(すなわち主ギャップ距離)は、第1の電極の電極アームの主部分と第2の電極(例えば第2の電極アーム、詳細には第2の電極アームの主部分)の間に存在している。このようなギャップの長さは、1つの外部端子から他の外部端子までの縦方向のコンデンサの長さの15%以上など、20%以上など、25%以上など、35%以上などの5%以上であってもよい。このようなギャップの長さは、1つの外部端子から他の外部端子までの縦方向のコンデンサの長さの50%以下など、45%以下など、40%以下など、35%以下などの60%以下であってもよい。このようなギャップの長さは、電極アームの主部分の長さの60%以上など、70%以上など、80%以上など、90%以上など、95%以上など、98%以上など、100%などの50%以上であってもよい。
【0030】
[0042]さらに、ギャップ(すなわち階段ギャップ距離)は、第1の電極の電極アームの階段部分と第2の電極(例えば第2の電極アーム、詳細には第2の電極アームの階段部分)の間に存在している。このようなギャップの長さは、1つの外部端子から他の外部端子までの縦方向のコンデンサの長さの3%以上など、5%以上など、7%以上など、8%以上などの1%以上であってもよい。このようなギャップの長さは、1つの外部端子から他の外部端子までの縦方向のコンデンサの長さの20%以下など、15%以下など、10%以下などの30%以下であってもよい。このようなギャップの長さは、電極アームの階段部分の長さの10%以上など、15%以上など、18%以上などの5%以上であってもよい。このようなギャップの長さは、電極アームの階段部分の長さの40%以下など、30%以下など、25%以下など、20%以下などの50%以下であってもよい。
【0031】
[0043]また、第1の電極の電極アームの階段部分と第2の電極の間に存在しているギャップは、第1の電極の電極アームの主部分と第2の電極の間に存在しているギャップの10%以上など、15%以上など、20%以上など、25%以上などの5%以上であってもよい。第1の電極の電極アームの階段部分と第2の電極の間に存在しているギャップは、第1の電極の電極アームの主部分と第2の電極の間に存在するギャップの50%以下など、40%以下など、35%以下など、30%以下など、25%以下などの70%以下であってもよい。
【0032】
[0044]さらに、ギャップすなわち空間は、第1の電極の中央部分の横方向の縁と、中央部分の上記横方向の縁に隣接する(最も近くの)電極アームの横方向の縁との間に存在している。中央部分に隣接する電極アームのこのような横方向の縁は、第1の電極または第2の電極の横方向の縁であってもよい。このようなギャップすなわち空間は、第1の電極の電極アームの階段部分の幅の50%以上など、60%以上など、70%以上など、80%以上など、90%以上など、100%などの40%以上であってもよい。
【0033】
[0045]また、第2の電極がベース部分を含んでいない実施形態では、ギャップは、外部端子に隣接する、外部端子に接続された縦方向の縁とは反対側の中央部分の縦方向の縁と、他の外部端子との間に存在し得る。このようなギャップは、1つの外部端子から他の外部端子までの縦方向のコンデンサの長さの3%以上など、5%以上など、7%以上など、8%以上などの1%以上であってもよい。このようなギャップの長さは、1つの外部端子から他の外部端子までの縦方向のコンデンサの長さの20%以下など、15%以下など、10%以下などの30%以下であってもよい。
【0034】
[0046]このような電極構成によれば、積層セラミックコンデンサは複数の容量性素子すなわち領域を含むことができる。例えば図1A図1Cを参照すると、第1の電極層104は第1の電極106および第2の電極108を含む。第1の電極106および第2の電極108は、主部分128、および主部分128の横方向の縁131からオフセットされる階段部分130を含む電極アーム110を含む。一般に、少なくとも1つの容量性素子すなわち領域は、第1の電極層102の第1の電極106の中央部分112と、第2の能動電極層104(すなわち一次容量性素子)の第1の電極106の中央部分112の間に形成され得る。しかしながら本明細書において開示されている特定の電極構成の場合、二次容量性素子すなわち領域(すなわち中央容量性領域122)は、第1の電極106の中央部分112と第2の電極108のベース部分114および/または電極アーム110の間に形成され得る。さらに、別の二次容量性素子(すなわち主アームギャップ容量性領域124)が第1の電極106の電極アーム110の主部分128と第2の電極108の電極アーム110の主部分128の間のギャップ内に形成され得る。さらに、別の二次容量性素子(すなわち階段アームギャップ容量性領域126)が第1の電極106の電極アーム110の階段部分130と第2の電極108の電極アーム110の階段部分130の間に形成され得る。しかしながら上で示したように、電極は、少なくとも一実施形態では階段部分を含まなくてもよいことを理解されたい。
【0035】
[0047]したがって電極構成は、隣接する電極層の中央部分の間の一次容量性素子(すなわち平行板静電容量)ならびに追加二次容量性素子を許容し得る。このような静電容量は図7Aおよび図7Bにさらに示されている。例えば図7Aは、3つのグループの静電容量領域、すなわち隣接する電極層間の一次容量性素子、中央容量性領域122および主アームギャップ容量性領域124を示している。電極アームが階段部分を含んでいる場合、電極は階段アームギャップ容量性領域126を含むことができる。これに関して、図7Bは4つのグループの静電容量領域、すなわち隣接する電極層間の一次容量性素子、中央容量性領域122、主アームギャップ容量性領域124および階段アームギャップ容量性領域126を示している。一次容量性素子のための容量性領域は112’で示されており、一方、二次容量性素子122、124および126のための容量性領域は、それぞれ122’、124’および126’で示されている。さらに、外部端子は152および154で示されている。
【0036】
[0048]コンデンサ112’、122’、124’および126’の実際の値は、コンデンサの構成を調整し、また、電極層の数、電極対の重畳する中央部分の表面積、電極を分離している距離、誘電材料の誘電率、等々などの様々なパラメータを調整することによって選択的に設計され得ることを認識されたい。それにもかかわらず、本明細書において開示されているコンデンサは、有効な広帯域性能を提供するために、直列および並列コンデンサの組合せのアレイを含むことができる。
【0037】
[0049]一例示的超広帯域コンデンサ実施形態では、一次コンデンサ112’は、通常、約数キロヘルツ(kHz)から約200メガヘルツ(MHz)程度などの概ねより低い周波数範囲で動作するように適合される比較的大きい静電容量に対応し、一方、二次コンデンサ122’、124’および126’は、通常、約200メガヘルツ(MHz)から数ギガヘルツ(GHz)程度などの比較的より高い周波数範囲で動作するように構成される比較的より小さい値のコンデンサに対応する。
【0038】
[0050]これに関して、コンデンサボディー内で逆極性の電極を結合するための追加手段を導入することができ、また、このような手法は、積み重ねられた電極の単一のセット内にこのような複数の容量性素子を生成することによってより有効で、かつ、効果的であり得る。例えば一次容量性素子は、比較的低い周波数で効果的であり、一方、二次容量性素子は、比較的中間の周波数および/または比較的高い周波数で効果的であり得る。例えば一次静電容量は、約10nFおよび100nF内などの1nFおよび500nF内であってもよく、一方、二次静電容量は、10pFおよび100pF内などの1pFおよび500pF内であってもよい。
【0039】
[0051]上記に加えて、本発明のコンデンサは追加電極層を含むことができることを理解されたい。例えば当技術分野で広く知られているように、本発明のコンデンサは、アンカー電極層、遮蔽電極層、フローティング電極層またはそれらの組合せを含むことができる。一実施形態では、コンデンサはアンカー(またはダミー)電極層を含む。別の実施形態では、コンデンサは少なくとも遮蔽電極層を含む。別の実施形態では、コンデンサは少なくともフローティング電極を含む。別の実施形態では、コンデンサはアンカー電極層と遮蔽電極層の両方を含む。別の実施形態では、コンデンサは、アンカー電極層、遮蔽電極層およびフローティング電極層を含む。存在する場合、このような電極層は、誘電層と交互配置構成で同じく提供される。しかしながらコンデンサは、上記アンカー電極層または遮蔽電極層のうちのいずれかを含まなくてもよいことを理解されたい。
【0040】
[0052]上で示したように、コンデンサはアンカー電極層を含むことができる。このような実施形態では、アンカー電極層は、第3のアンカー電極および第4のアンカー電極を含むことができる。このようなアンカー電極は、縦方向および横方向に実質的に同じ平面に存在し得る。アンカー電極層は、例えばコンデンサの本体の表面に沿って露出された電極層に導電材料の薄膜層を直接めっきする場合に、外部終端のための追加核形成点およびガイドを提供するために使用され得る。本明細書においてさらに説明されるこのようなめっき技法は、無電解めっきおよび/または電解めっきと呼ばれ得る。
【0041】
[0053]一般に、このようなアンカー電極層の位置決めは必ずしも制限されない。一実施形態では、このようなアンカー電極層は、それぞれの第1の電極層と第2の電極層の間に提供され得る。別の実施形態では、このようなアンカー電極層は、交互の誘電層および内部(能動すなわち第1の/第2の)電極層のスタックの上方および/または下方に提供され得る。このようなアンカー電極層は、個々の領域が少なくとも1つのアンカー電極層を含むアンカー電極領域内に提供され得る。例えばアンカー電極層は、誘電層および能動電極層の積み重ねられたアセンブリの頂部に、このアセンブリに隣接して提供され得る。アンカー電極層は、誘電層および電極層の積み重ねられたアセンブリの真下に、このアセンブリに隣接して提供され得る。存在する場合、アンカー電極層の第3のアンカー電極は第1の外部端子と接触することができ、一方、アンカー電極層の第4のアンカー電極は第2の外部端子と接触することができる。
【0042】
[0054]さらに、アンカー電極層は、当技術分野で知られている任意の構成を有することができる。例えば第3のアンカー電極および第4のアンカー電極はC字形構成を有することができる。例えばアンカー電極は、ベース部分、およびベース部分、詳細にはベース部分の横方向の端部から延びている、2つなどの少なくとも1つの電極アームを有することができる。このような電極アームは、縦方向に、コンデンサボディーの端部から遠ざかる方向に延びることができる。第3のアンカー電極および第4のアンカー電極の電極アームは、同じく縦方向に整列され得る。電極アームは、図に示されている寸法およびギャップを有することができ、このような寸法およびギャップは、電極層の第1の電極および第2の電極に対して説明したギャップおよびアームと同じであってもよい。一般に、アンカー電極は、上で説明した第1の能動電極層および第2の能動電極層、ならびに以下で説明される遮蔽電極の構成とは異なる構成を有することができる。
【0043】
[0055]一実施形態では、アンカー電極の電極アームは、主部分および階段部分を同じく有することができる。このような主部分および階段部分は、電極層の第1の電極および第2の電極の電極アームに関して同様に画定される。これに関して、アンカー電極および第1の電極および/または第2の電極のアーム、主部分および/または階段部分の寸法は実質的に同様であってもよい。それにもかかわらず、アンカー電極は、階段部分を有していない電極アームを同じく含むことができることを理解されたい。
【0044】
[0056]上で示したように、コンデンサは遮蔽電極層を含むことができる。このような実施形態では、遮蔽電極層は、第5の遮蔽電極および第6の遮蔽電極を含むことができる。このような遮蔽電極は、縦方向および横方向に実質的に同じ平面に存在し得る。遮蔽電極層は、追加静電容量、電磁干渉からの保護および/または他の遮蔽特性を提供するために使用され得る。
【0045】
[0057]一般に、このような遮蔽電極層の位置決めは必ずしも制限されない。例えば一実施形態では、遮蔽電極層は、交互の誘電層および内部(能動すなわち第1の/第2の)電極層のスタックの上方および/または下方に提供され得る。このような遮蔽電極層は、個々の領域が少なくとも1つの遮蔽電極層を含む遮蔽電極領域内に提供され得る。例えば遮蔽電極層は、誘電層および電極層の積み重ねられたアセンブリの上方に提供され得る。別法としては、遮蔽電極層は、誘電層および電極層の積み重ねられたアセンブリの下方に提供され得る。別の実施形態では、遮蔽電極層は、誘電層および電極層の積み重ねられたアセンブリの上方および下方に提供され得る。存在する場合、遮蔽電極層の第5の遮蔽電極は第1の外部端子と接触することができ、一方、遮蔽電極層の第6の遮蔽電極は第2の外部端子と接触することができる。
【0046】
[0058]遮蔽電極領域は能動電極領域の上方に直接存在し得る。一実施形態では、遮蔽電極領域は、誘電領域、例えば電極層を全く含んでいない誘電領域によって能動電極領域から分離され得る。一実施形態では、遮蔽電極領域は、アンカー電極領域によって能動電極領域から分離され得る。別の実施形態では、遮蔽電極領域は、誘電領域およびアンカー電極領域によって能動電極領域から分離され得る。
【0047】
[0059]一般に、遮蔽電極層は、当技術分野で知られている任意の構成を有することができる。例えば第5の遮蔽電極および第6の遮蔽電極は、長方形構成(すなわち階段部分を含んでいない)を有することができる。別法としては、第5の遮蔽電極および第6の遮蔽電極は、本明細書において開示されているように階段を有することができる。例えば階段は、遮蔽電極の横方向の縁から横方向に存在し得る。これに関して、遮蔽電極の階段部分および第1の電極および/または第2の電極の寸法は実質的に同様であってもよい。一般に、遮蔽電極は、上で説明した第1の能動電極層および第2の能動電極層の構成、および上で説明したアンカー電極の構成とは異なる構成を有することができる。
【0048】
[0060]さらに、遮蔽電極層は、第5の電極と第6の電極の間に遮蔽層ギャップを含むことができる。例えば第5の電極は第1の端子に接続され、一方、第6の電極は第2の端子に接続され得る。遮蔽層ギャップは、縦方向のそれぞれの端子の非接続端部間の距離であってもよい。一実施形態では、このような遮蔽層ギャップは、コンデンサの頂部表面および/または底部表面の外部端子間の外部端子ギャップ未満であってもよい。例えば外部端子は、コンデンサの頂部表面および/または底部表面で終端することができる。このような表面の外部端子の終端端部間の距離は、縦方向の外部端子ギャップとして定義され得る。例えば縦方向の遮蔽層ギャップのこのような長さは、縦方向の外部端子ギャップの長さの約5%以上など、約10%以上など、約15%以上など、約20%以上など、約25%以上など、約30%以上などの約3%以上から、約80%以下など、約60%以下など、約40%以下など、約35%以下など、約25%以下など、約20%以下など、約15%以下など、約10%以下などの100%未満までであってもよい。しかしながら別の実施形態では、遮蔽層ギャップの長さは外部端子ギャップの長さと実質的に同じであってもよいことを理解されたい。
【0049】
[0061]一実施形態では、遮蔽電極層は、少なくとも1つのアンカー電極層を含むアンカー電極領域によって、積み重ねられたアセンブリから分離され得る。これに関して、遮蔽電極層は、少なくとも1つのアンカー電極領域の上方および/または下方に提供され得る。例えば遮蔽電極層は、少なくとも1つのアンカー電極領域の頂部に、この領域に隣接して提供され得る。遮蔽電極層は、少なくとも1つのアンカー電極領域の直ぐ下に、この領域に隣接して提供され得る。一実施形態では、このようなアンカー電極領域は複数のアンカー電極層を含むことができる。
【0050】
[0062]さらに、遮蔽電極はコンデンサ内に埋設され得る。例えばコンデンサの本体は、頂部表面および/または底部表面にセラミックカバーを含むことができる。一実施形態では、コンデンサは、頂部表面および底部表面の両方にセラミックカバーを含む。セラミックカバーは、誘電層のために使用される材料と同じ材料であってもよい。しかしながら一実施形態では、コンデンサは、コンデンサの頂部表面および/または底部表面に隣接する遮蔽電極層を含むことができる。このような遮蔽電極は、外部端子の形成を補助することができる。
【0051】
[0063]上で示したように、コンデンサは、少なくとも1つのフローティング電極を含むフローティング電極層を含むことができる。このような実施形態では、フローティング電極層は第7の電極を含むことができる。一般に、このようなフローティング電極は外部端子に直接接続されない。しかしながらフローティング電極は、外部端子に電気接続される少なくとも1つの電極を含むフローティング電極層の一部であってもよいが、このようなフローティング電極層は、このような電極または外部端子と直接接触しない少なくとも1つのフローティング電極を含む。
【0052】
[0064]フローティング電極は、当技術分野で知られている任意の方法に従って配置され、かつ、構成され得る。例えばフローティング電極は、第1の電極層および/または第2の電極層の第1の電極の中央部分などの少なくとも一部と重畳するように提供され得る。これに関して、フローティング電極層は、第1の電極層および第2の内部電極層と交互に層状にされ、かつ、配置され、これに関して、このような層は誘電層によって分離され得る。
【0053】
[0065]さらに、このようなフローティング電極は、当技術分野で広く知られている任意の形状を有することができる。例えば一実施形態では、フローティング電極層は、ダガー様構成を有する少なくとも1つのフローティング電極を含むことができる。例えばこのような構成は、本明細書において説明されている第1の電極の構成および形状に類似していてもよい。しかしながらこのような第1の電極は、階段部分を有する電極アームを含んでいても、または含んでいなくてもよいことを理解されたい。
【0054】
[0066]さらに、一実施形態では、フローティング電極層は、フローティング電極の端部が少なくとも1つの外部端子に隣接し、ただしこのような外部端子と接触しない少なくとも1つのフローティング電極を含むことができる。これに関して、このようなギャップは、縦方向のフローティング電極ギャップと呼ばれ得る。このようなフローティング電極ギャップは、コンデンサの縦方向の長さの、約3%以上など、約5%以上などの0%よりは広く、また、約40%以下など、約30%以下など、約20%以下など、約10%以下などの約50%以下の幅にすることができる。
【0055】
[0067]さらに、コンデンサは第1の外部端子および第2の外部端子を含む。詳細には、第1の外部端子は、コンデンサの第1の端部すなわち側面に沿って配置され、一方、第2の外部端子は、コンデンサの第1の端部すなわち側面とは縦方向に反対側の第2の端部すなわち側面に沿って配置され得る。一般に、第1の電極層の第1の電極および第2の電極層の第2の(対)電極は、第1の外部端子に電気接続される。一方、第2の電極層の第1の電極および第1の電極層の第2の(対)電極は、第2の外部端子に電気接続される。一実施形態では、外部端子は、頂部表面および/または底部表面を取り囲んでいる。別の実施形態では、個々の外部端子は、5つの表面、すなわち頂部表面、底部表面および3つの側面を取り囲み、かつ、これらと接触している。別の実施形態では、外部端子は、それらが頂部表面、底部表面および/またはすべての他の側面を取り囲まないよう、1つの側面にのみ存在している。
【0056】
[0068]さらに、本明細書において開示されているコンデンサは、必要に応じて任意の配向で取り付けられ得ることを理解されたい。例えばコンデンサは、誘電層および/または電極層が、コンデンサが取り付けられる表面と実質的に平行になるよう、水平方向に取り付けられ得る。これに関して、誘電層および/または電極層は垂直方向に積み重ねられる。別法としては、コンデンサは、誘電層および/または電極層が、コンデンサが取り付けられる表面に対して実質的に直角である垂直方向に取り付けられ得る。さらに、垂直方向に取り付けられる場合、コンデンサは、少なくとも2つの異なる配向で取り付けられ得る。例えばコンデンサは、誘電層および/または電極層の長縁が表面に隣接するように取り付けられ得る。別法としては、コンデンサは、誘電層および/または電極層の短縁が表面に隣接するように取り付けられ得る。
【0057】
[0069]また、本発明は、超広帯域コンデンサを製造する方法を同じく対象としている。方法は、交互の誘電層および能動電極層を含む能動電極領域を提供するステップ、および少なくとも1つの遮蔽電極を含む遮蔽電極領域を提供するステップを含む。また、方法は、本明細書において定義されているように、能動電極領域と遮蔽電極領域の間、および/または能動電極領域とコンデンサの頂部表面の間の距離を同じく要求することができる。さらに、存在する場合、方法は、少なくとも1つのアンカー電極層を提供するステップを同じく含むことができる。
【0058】
[0070]さらに、方法は、本体中の個々のベース部分の縦方向の縁を露出させるステップを含むことができ、このような露出は、外部端子の形成を補助することができる。このような露出は、電極層を形成する際に既に存在し得る。さらに、電極は、その少なくとも3つの表面が露出されてもよく、このような露出はラップアラウンド終端(wrap-around termination)を可能にし得る。例えばこのようなラップアラウンド終端は、コンデンサの少なくとも5つの表面などの少なくとも3つの表面に存在し得る。したがって方法は、本明細書において開示されているように、第1の外部端子および第2の外部端子を形成するステップを同じく含むことができる。
【0059】
[0071]本発明のコンデンサは、図1A図1D図2図3A図3B図4A図4B図5A図5C図6A図6Dおよび図8A図8Cに示されている実施形態によってさらに説明され得る。図に示されているように、134は横方向を表し、一方、132は縦方向を表しており、横方向134は縦方向132に対して直角であってもよい。一方、136は垂直方向(すなわちz方向)を表している。
【0060】
[0072]図1A図1Dを参照すると、積層セラミックコンデンサの一実施形態が開示されている。図1Dは、複数の第1の電極層106および第2の電極層108を含む積層コンデンサ100を示している。積層コンデンサ100は、第1の電極層102の第1の電極106および第2の電極層104の第2の(対)電極に接続された第1の外部端子118を含む。積層コンデンサは、第2の電極層104の第1の電極106および第1の電極層102の第2の(対)電極に接続された第2の外部端子120を含む。
【0061】
[0073]図1Aは、第1の電極層102および第2の電極層104の上面図を示したものである。個々の電極層は、第1の電極106および第2の電極108を含む。第1の電極106は、第1の電極106の縦方向の縁に沿って延びているベース部分114を有することができる。第1の電極106は、一対の電極アーム110、およびベース部分114から延びている少なくとも1つの中央部分112を有している。第2の電極108は、第2の電極層108の縦方向の縁に沿って延びているベース部分114を有することができる。第2の電極は、ベース部分114から延びている一対の電極アーム110を有している。さらに、図1Aは、主部分128および階段部分130を含む電極アーム110を示している。階段部分は、階段すなわちオフセット116から生成されている。すなわち階段部分116は、電極アーム110の主部分128の少なくとも1つの横方向の縁131からオフセットされている。
【0062】
[0074]一方、図1Aに示されているように、第2の電極層104は、左右反対の構成である点を除き、第1の電極層102の構成と同じ構成を有している。
[0075]図1Aの実施形態に加えて、様々な他の電極構成が使用され得ることを理解されたい。例えばこのような電極構成は、図8A図8Cに示されている。図8Aに示されているように、第1の電極106は、中央部分112、およびベース部分114から延びている一対の電極アーム110を含む。一方、第2の電極108は、外部端子119に隣接する縦方向の端部から延びている一対の電極アーム110を含む。図8Bでは、第1の電極106は、中央部分112、および外部端子121に隣接する縦方向の端部から延びている一対の電極アーム110を含み、一方、第2の電極108は、ベース部分114から延びている一対の電極アーム110を含む。図8Cでは、第1の電極106は、中央部分112、および外部端子121に隣接する縦方向の端部から延びている一対の電極アーム110を含み、一方、第2の電極108は、外部端子119に隣接する縦方向の端部から延びている一対の電極アーム110を含む。
【0063】
[0076]したがって図8Aおよび図8Cに示されているように、第1の電極106の中央部分112と第2の電極108のアーム110の間に、第2の電極108中にベース部分がない中央静電容量領域122が形成され、また、第1の電極106の中央部分112の縦方向前縁(外部端子121に隣接する縁の反対側)と外部端子119の間に外部静電容量領域125が形成される。これに関して、図7の表現は、容量性領域125’のための追加並列接続を含むことができる。
【0064】
[0077]図1Bを参照すると、複数の第1の電極層102および複数の第2の電極層104が交互の左右反対の構成で存在している。図に示されているように、それぞれの電極層の中央部分112は少なくとも部分的に重畳している。図1Bは合計6つの電極層を示しているが、所望の用途のための所望の静電容量を得るために、任意の数の電極層が使用され得ることを理解されたい。
【0065】
[0078]図1Cおよび図1Dを参照すると、第2の電極層104の第1の電極106は、第2の端部121に沿って第2の端子120と電気接続され、同様に(図示せず)、第1の電極層102の第1の電極106は、第1の端部119に沿って第1の外部端子118と電気接続され得る。いくつかの実施形態では、第1の電極106と第2の電極108の間にいくつかの容量性領域が形成され得る。例えばいくつかの実施形態では、第1の電極106の中央部分112と第2の電極108のベース部分114および/またはアーム110の間に中央容量性領域122が形成され得る。いくつかの実施形態では、第1の電極106の電極アーム110の主部分128と第2の電極108の電極アーム110の主部分128の間のギャップ内に主アームギャップ容量性領域124が形成され得る。さらに、第1の電極106の電極アーム110の階段部分130と第2の電極108の電極アーム110の階段部分130の間に階段アームギャップ容量性領域126が形成され得る。
【0066】
[0079]図2を参照すると、いくつかの実施形態では、第2の電極層104は、上で説明した第1の電極106および第2の電極108を含むことができる。第1の電極106は電極アーム110を有することができ、また、電極アーム110は主部分128および階段部分130を含むことができる。主部分128は、積層コンデンサの第2の端部120から縦方向132に延びている少なくとも1つの横方向の縁131を有することができる。階段部分130は、主部分128の横方向の縁131から横方向134にオフセットされ得る。
【0067】
[0080]第2の電極108は第1の外部端子119と電気接続されてもよく、また、縦方向132に延びている電極アーム202を有することができる。いくつかの実施形態では、電極アーム110は、電極アーム202と概ね縦方向に整列され得る。いくつかの実施形態では、電極アーム110および電極アーム202は、縦方向132に間隔を隔てて、電極アーム100の主部分128と電極アーム202の主部分128の間に主ギャップ226を形成することができる。主ギャップ226は、縦方向132に主ギャップ距離240を有することができる。
【0068】
[0081]いくつかの実施形態では、電極アーム110の階段部分130は、電極アーム110の主部分128を越えて、縦方向132に、第2の端部120から遠ざかる方向に延びることができる。同様に、電極アーム202の階段部分130は、電極アーム202の主部分128を越えて、縦方向132に、第2の端部119から遠ざかる方向に延びることができる。これに関して、いくつかの実施形態では、電極アーム110および電極アーム202は、電極アーム110の階段部分130と電極アーム202の間に階段ギャップ230を形成することができる。階段ギャップ230は、縦方向132に階段ギャップ距離232を有することができる。
【0069】
[0082]いくつかの実施形態では、電極アーム110の階段部分130は、主部分128の横方向の縁131から内側に、複数の電極層のうちの少なくとも1つの横方向の中心線234に向かってオフセットされ得る。オフセット距離238は、横方向の縁131と、主部分128の横方向の縁131に最も近い階段部分130の横方向の縁の間に、横方向134に画定され得る。しかしながら本明細書においてさらに説明されるように、電極アームは、階段部分に関して代替構成を有することができることを理解されたい。
【0070】
[0083]図3Aおよび図3Bを参照すると、いくつかの実施形態では、積層コンデンサ300は、第1の端部119に沿って配置された第1の外部端子118、および第1の端部119とは縦方向132に反対側の第2の端部121に沿って配置された第2の外部端子120を含むことができる。積層コンデンサ300は、複数の誘電層および複数の電極層を含むことができ、電極層は、対向し、かつ、間隔を隔てた関係で交互配置され、個々の隣接する電極層の間に誘電層が配置されている。
【0071】
[0084]さらに、上で示したように、積層コンデンサは遮蔽電極を含むことができる。例えば図3Aに示されているように、積層コンデンサ300は第1の遮蔽領域210および第2の遮蔽領域212を含むことができ、また、遮蔽領域210、212の各々は、1つまたは複数の遮蔽電極層214を含むことができる。遮蔽領域210、212は、誘電領域(例えば電極層を全く含まない誘電領域)によって能動電極領域216から間隔が隔てられてもよい。図3Bを参照すると、遮蔽電極層214は、個々の遮蔽電極220が概ね長方形である第1の遮蔽電極構成を有することができる。他の実施形態では、遮蔽電極層214は、遮蔽電極222が、外部端子に隣接する遮蔽電極の縁とは反対側の遮蔽電極の縁に、例えば図1Aおよび図2の電極を参照して上で説明した階段224を含む第2の遮蔽電極構成を有することができる。
【0072】
[0085]いくつかの実施形態では、第1の遮蔽領域210と第2の遮蔽領域212の間に能動電極218領域が配置され得る。能動電極領域216は、例えば図1A図1Dを参照して説明した複数の交互の能動電極層218を含むことができる。さらに、コンデンサ300の頂部表面および/または底部表面に沿って一対のセラミックカバー226が配置され得る。
【0073】
[0086]図4Aおよび図4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、積層コンデンサ300は、アンカー電極領域302、304、316および/または318を同じく含むことができる。例えば積層コンデンサ300は、能動電極領域216の頂部に第1のアンカー電極領域304を含むことができる。さらに、第1のアンカー電極領域304の頂部などの、第1のアンカー電極領域304の上方に、遮蔽電極層214を含む遮蔽電極領域210が配置され得る。さらに、遮蔽電極領域210の頂部などの、遮蔽電極領域210の上方に第2のアンカー電極領域302が配置され得る。同様に、積層コンデンサ300は、能動電極領域216の直ぐ下方などの、能動電極領域216の下方に第3のアンカー電極領域316を含むことができる。さらに、第3のアンカー電極領域316の直ぐ下方などの、第3のアンカー電極領域316の下方に、遮蔽電極層214を含む遮蔽電極領域210が配置され得る。さらに、遮蔽電極領域210の直ぐ下方などの、遮蔽電極領域210の下方に第4のアンカー電極領域318が配置され得る。これに関して、能動電極領域216は、例えば第1のアンカー電極領域304と第3のアンカー電極領域316の間に配置され得る。能動電極領域216は、図3Aおよび図3Bを参照して上で説明したように構成され得る。
【0074】
[0087]図4Bを参照すると、アンカー電極領域302、304、316および/または318は、一対のアンカー電極312を個々に有する複数のアンカー電極層310を含むことができる。アンカー電極312は一対の電極アーム314を含むことができる。アンカー電極312の個々の電極アーム314は、例えば図1Aおよび図2の電極を参照して上で説明した方法と同様の方法で主部分328および階段部分330を含むことができる。
【0075】
[0088]図5A図5Bおよび図5Cを参照すると、アンカー電極312は様々な構成を有することができる。例えば図5Aを参照すると、いくつかの実施形態では、アンカー電極312の電極アーム314は階段を含まなくてもよい。例えばこのような電極は、階段がないC字形構成で存在し得る。図5Bを参照すると、いくつかの実施形態では、アンカー電極312の電極アーム314は、アンカー電極312の外側の横方向の縁322から内側へオフセットされている階段部分320を含むことができる。図5Cを参照すると、他の実施形態では、階段部分320は、アンカー電極312のアーム314の内側の横方向の縁324からオフセットされ得る。さらに他の構成も可能である。例えばいくつかの実施形態では、階段部分320は、外側の横方向の縁322および内側の横方向の縁324の両方からオフセットされ得る。
【0076】
[0089]図6A図6Cを参照すると、いくつかの実施形態では、能動電極106、108は様々な他の構成を有することができる。例えば図6Aを参照すると、いくつかの実施形態では、第1の電極106および第2の電極108の各々は、図2に関連して上で説明した一対のアーム110、202の代わりに、単一のアーム110を含むことができる。これに関して、このような電極は、ベースから延びている中央部分、および同じくベース部分から延びている1つの電極アームを含む1つの電極を含むことができ、一方、対電極は、このような第2の電極のベース部分、およびベース部分から延びている電極アームを1つだけ含むことができる。
【0077】
[0090]図6Bを参照すると、いくつかの実施形態では、第1の電極106および第2の電極108の各々は中央部分112を含むことができる。例えば個々の電極106、108は、それぞれのベース部分から延びている2つの電極アーム110、202などの少なくとも1つの電極アーム110、202に加えて、それぞれのベース部分から延びている中央部分112を含むことができる。
【0078】
[0091]図6Cを参照すると、いくつかの実施形態では、電極106、108の電極アーム110、202は、電極アームの主部分の内側の横方向の縁324から外側に、電極層の電極106、108のうちの少なくとも1つの横方向の中心線236から遠ざかる方向にオフセットされる階段部分130を有することができる。最後に、図6Dを参照すると、いくつかの実施形態では、電極106、108の電極アーム110は、電極アーム110、202の外側の横方向の縁322および内側の横方向の縁324の両方からオフセットされる階段部分130を有することができる。
【0079】
[0092]本明細書において図に示され、かつ、説明された実施形態に加えて、電極の中央部分は、当技術分野で知られている任意の構成を有することができる。例えば図1Aおよび図6A図6Dに示されているように、中央部分は、比較的長方形の構成を有することができる。すなわち横方向の縁は、縦方向に実質的に直線的に延びることができる。しかしながら他の構成が同じく使用され得る。例えば一実施形態では、電極の中央部分は櫂様の構成を含むことができ、このような実施形態では、横方向の縁は、縦方向に、ベース部分から遠ざかる方向に、次に横方向に、中央部分から遠ざかる方向に実質的に直線的に延び、次にもう一度縦方向に、ベース部分から遠ざかる方向に実質的に直線的に延びる。別の実施形態では、電極の中央部分は翼様の構成を含むことができ、このような実施形態では、横方向の縁は、縦方向に、ベース部分からベース部分から遠ざかる方向に、次に横方向に、中央部分から遠ざかる方向に実質的に直線的に延び、次にもう一度縦方向に、ベース部分から遠ざかる方向に、次にもう一度横方向に、中央部分に向かって実質的に直線的に延び、次にもう一度縦方向に、ベース部分から遠ざかる方向に実質的に直線的に延びる。
【0080】
[0093]一般に、本発明は、様々な利益および利点を提供する独自の構成を有する電極を備えた積層コンデンサを提供する。これに関して、コンデンサを構築するのに使用される材料は、制限されることはあり得ず、また、当技術分野で広く使用されている任意の材料であってもよく、また、当技術分野で広く使用されている任意の方法を使用して形成され得ることを理解されたい。
【0081】
[0094]一般に、誘電層は、典型的には約10から約40,000まで、いくつかの実施形態では約50から約30,000まで、また、いくつかの実施形態では約100から約20,000までなどの比較的高い誘電率(K)を有する材料から形成される。
【0082】
[0095]これに関して、誘電材料はセラミックであってもよい。セラミックは、ウェーハ(例えば事前焼成された)、またはデバイス自体内で共焼成される誘電材料などの様々な形態で提供され得る。
【0083】
[0096]高誘電材料のタイプの特定の例は、例えばNPO(COG)(最大約100)、X7R(約3,000から約7,000まで)、X7S、Z5Uおよび/またはY5V材料を含む。上記材料は、それらの産業分野で認められた定義によって記述されるものであり、そのような定義の一部は、米国電子工業会(EIA)によって確立された標準分類であり、また上記材料は、そのようなものとして、当業者によって認識されるべきであることを認識されたい。例えばこのような材料はセラミックを含むことができる。このような材料は、チタン酸バリウムおよび関連する固溶体(例えばチタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸バリウムカルシウム、ジルコン酸チタン酸バリウム、ジルコン酸チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸チタン酸バリウムカルシウム、等々)、チタン酸鉛および関連する固溶体(例えばジルコン酸チタン酸鉛、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン)、ビスマスチタン酸ナトリウム、等々などのペロブスカイトを含むことができる。特定の一実施形態では、例えば式BaSr1-xTiOのチタン酸バリウムストロンチウム(「BSTO」)が使用されてもよく、上式でxは0から1までであり、いくつかの実施形態では約0.15から約0.65まで、また、いくつかの実施形態では約0.25から約0.6までである。他の適切なペロブスカイトは、例えばxが約0.2から約0.8までであり、また、いくつかの実施形態では約0.4から約0.6までであるBaCa1-xTiO、xが約0.05から約0.4の範囲にわたるPbZr1-xTiO(「PZT」)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(「PLZT」)、チタン酸鉛(PbTiO)、ジルコン酸チタン酸バリウムカルシウム(BaCaZrTiO)、硝酸ナトリウム(NaNO)、KNbO、LiNbO、LiTaO、PbNb、PbTa、KSr(NbO)、およびNaBa(NbOKHbPOを含むことができる。より一層複雑なペロブスカイトはA[B11/3B22/3]O材料を含むことができ、上式でAはBaSr1-x(xは0から1までの値であってもよい)、B1はMgZn1-y(yは0から1までの値であってもよい)、B2はTaNb1-zである(zは0から1までの値であってもよい)。特定の一実施形態では、誘電層はチタン酸を含むことができる。
【0084】
[0097]電極層は、当技術分野で知られている様々な異なる金属のうちのいずれかから形成され得る。電極層は、導電性金属などの金属からできていてもよい。材料は、貴金属(例えば銀、金、パラジウム、白金、等々)、卑金属(例えば銅、スズ、ニッケル、クロム、チタン、タングステン、等々)など、ならびにそれらの様々な組合せを含むことができる。スパッタされたチタン/タングステン(Ti/W)合金、ならびにクロム、ニッケルおよび金のそれぞれのスパッタされた層も同じく適切であり得る。また、電極は、銀、銅、金、アルミニウム、パラジウム、等々などの低抵抗材料で同じくできていてもよい。特定の一実施形態では、電極層は、ニッケルまたはその合金を含むことができる。
【0085】
[0098]外部端子は、当技術分野で知られている様々な異なる金属のうちのいずれかから形成され得る。外部端子は、導電性金属などの金属からできていてもよい。材料は、貴金属(例えば銀、金、パラジウム、白金、等々)、卑金属(例えば銅、スズ、ニッケル、クロム、チタン、タングステン、等々)など、ならびにそれらの様々な組合せを含むことができる。特定の一実施形態では、外部端子は、銅またはその合金を含むことができる。
【0086】
[0099]外部端子は、当技術分野で広く知られている任意の方法を使用して形成され得る。外部端子は、スパッタリング、塗装、印刷、無電解めっきまたは微細銅終端(FCT)、電気めっき、プラズマ堆積、推進剤噴霧/エアブラシ、等々などの技法を使用して形成され得る。
【0087】
[00100]一実施形態では、外部端子は、外部端子が比較的分厚くなるように形成され得る。例えばこのような端子は、電極層の露出された部分に金属の分厚い膜条片を加えることによって形成され得る。このような金属はガラス基質(glass matrix)で存在し、また、銀または銅を含むことができる。例として、このような条片はコンデンサの上に印刷および焼成され得る。その後に、コンデンサを基板にはんだ付けすることができるよう、金属(例えばニッケル、スズ、はんだ、等々)の追加めっき層が終端条片の上に生成され得る。分厚い膜条片のこのような塗布は、当技術分野で広く知られている任意の方法を使用して実施され得る(例えば金属含有ペースト(metal-loaded paste)を露出された電極層の上に移すための終端機械および印刷車輪(printing wheel)によって)。焼付け終端およびその上にめっきされた金属膜によって形成された外部端子の構成要素の例は、Sanoらに対する米国特許第5,021,921に開示されており、その開示は、参照により、あらゆる目的のために本明細書に組み込まれている。
【0088】
[00101]分厚くめっきされた外部端子は、約125μm以下など、約100μm以下など、約80μm以下などの約150μm以下の平均厚さを有することができる。分厚くめっきされた外部端子は、約35μm以上など、約50μm以上など、約75μm以上などの約25μm以上の平均厚さを有することができる。例えば分厚くめっきされた外部端子は、約35μmから約125μmまでなど、約50μmから約100μmまでなどの約25μmから約150μmまでの平均厚さを有することができる。
【0089】
[00102]別の実施形態では、外部端子は、外部端子が金属の薄膜めっきであるように形成され得る。このような薄膜めっきは、電極層の露出された部分に導電性金属などの導電材料を堆積させることによって形成され得る。例えば電極層の前縁は、めっきされた終端の形成を可能にし得るように露出され得る。
【0090】
[00103]薄くめっきされた外部端子は、約40μm以下など、約30μm以下など、約25μm以下などの約50μm以下の平均厚さを有することができる。薄くめっきされた外部端子は、約10μm以上など、約15μm以上などの約5μm以上の平均厚さを有することができる。例えば外部端子は、約10μmから約40μmまでなど、約15μmから約30μmまでなど、約15μmから約25μmまでなどの約5μmから約50μmまでの平均厚さを有することができる。
【0091】
[00104]一般に、外部端子はめっき端子を備えることができる。例えば外部端子は、電気めっき端子、無電解めっき端子またはそれらの組合せを備えることができる。例えば電気めっき端子は、電解めっきによって形成され得る。無電解めっき端子は、無電解めっきによって形成され得る。
【0092】
[00105]複数の層が外部端子を構成する場合、外部端子は、電気めっき端子および無電解めっき端子を含むことができる。例えば最初に無電解めっきを使用して、材料の初期層が堆積されてもよい。次に、めっき技法は、材料のより速い構築を可能にすることができる電気化学めっきシステムに切り替えられ得る。
【0093】
[00106]いずれかのめっき法を使用してめっき端子を形成する場合、コンデンサの本体から露出される電極層のリードタブの前縁がめっき溶液にさらされる。さらすことにより、一実施形態では本コンデンサがめっき溶液に浸漬され得る。
【0094】
[00107]めっき溶液は、めっきされた終端を形成するために使用される、導電性金属などの導電材料を含む。このような導電材料は、上記材料のうちのいずれか、または当技術分野で広く知られている任意の材料であってもよい。例えばめっき溶液は、めっきされた層および外部端子がニッケルを含むよう、スルファミン酸ニッケル槽溶液または他のニッケル溶液であってもよい。別法として、めっき溶液は、めっきされた層および外部端子が銅を含むよう、銅酸槽または他の適切な銅溶液であってもよい。
【0095】
[00108]さらに、めっき溶液は、当技術分野で広く知られている他の添加剤を含むことも可能であることを理解されたい。例えば添加剤は、めっきプロセスを補助することができる他の有機添加剤および媒体を含むことができる。さらに、添加剤は、めっき溶液を所望のpHで使用するために使用され得る。一実施形態では、コンデンサ、およびリードタブの露出された前縁に対する、完全なめっき被覆およびめっき材料の結合を補助するために、抵抗低減添加剤が溶液中に使用され得る。
【0096】
[00109]コンデンサは、所定の時間量の間、めっき溶液に露出、浸水、浸漬され得る。このような露出時間は必ずしも制限されず、めっき端子を形成するために十分なめっき材料を堆積させることができる十分な時間量であり得る。これに関して、時間は、一組の交互の誘電層および電極層内のそれぞれの電極層の所与の極性のリードタブの、所望の露出された隣接する前縁間の連続接続の形成を可能にする十分な時間でなければならない。
【0097】
[00110]一般に、電解めっきと無電解めっきの相違は、電解めっきは、外部電源の使用などによる電気的バイアスを使用していることである。電解めっき溶液は、典型的には、高電流密度範囲、例えば10~15amp/ft(定格9.4ボルト)にさらされ得る。接続は、めっき端子の形成を必要とするコンデンサへの負の接続、および同じめっき溶液中の固体材料(例えばCuめっき溶液中のCu)への正の接続を使用して形成され得る。すなわちコンデンサは、めっき溶液の極性とは反対の極性にバイアスされる。このような方法を使用して、めっき溶液の導電材料が、電極層のリードタブの露出された前縁の金属に引き付けられる。
【0098】
[00111]コンデンサをめっき溶液に浸す、またはさらす前に、様々な前処理ステップが使用され得る。このようなステップは、リードタブの前縁へのめっき材料の付着に触媒作用を及ぼすこと、付着を加速すること、および/または付着を改善することを含む様々な目的のために実施され得る。
【0099】
[00112]さらに、めっきまたは任意の他の前処理ステップの前に、初期クリーニングステップが使用され得る。このようなステップは、電極層の露出されたリードタブの上に形成するあらゆる酸化物の蓄積を除去するために使用され得る。このクリーニングステップは、内部電極または他の導電性素子がニッケルで形成される場合に、酸化ニッケルのあらゆる蓄積の除去を補助するためにとりわけ有用であり得る。構成要素クリーニングは、酸クリーナを含むものなど、プレクリーン槽中の完全浸水によって達成され得る。一実施形態では、露出は、約10分程度などの所定の時間にわたり得る。また、クリーニングは、別法として化学研磨またはハーパライジングステップによっても同じく達成され得る。
【0100】
[00113]さらに、導電材料の堆積を容易にするために、電極層のリードタブの露出された金属前縁を活性化するステップが実施され得る。活性化は、パラジウム塩、光パターン化パラジウム有機金属前駆体(マスクまたはレーザを介した)、スクリーン印刷またはインクジェット堆積パラジウム化合物、または電気泳動パラジウム堆積物中への浸水によって達成され得る。パラジウムに基づく活性化は、ここでは、ニッケルまたはその合金で形成された、露出されたタブ部分の活性化としばしば良好に作用する活性化溶液の単なる例として開示されていることを認識されたい。しかしながら他の活性化溶液も同じく利用され得ることを理解されたい。
【0101】
[00114]また、上記活性化ステップの代わりに、またはそれに加えて、コンデンサの電極層を形成する際に、導電材料中に活性化ドーパントが導入され得る。例えば電極層がニッケルを含み、また、活性化ドーパントがパラジウムを含んでいる場合、電極層を形成するニッケルインクまたは組成物中にパラジウムドーパントが導入され得る。そうすることにより、パラジウム活性化ステップを除去することができる。有機金属前駆体など、上記活性化方法のうちのいくつかは、コンデンサの概ねセラミックのボディーへの付着を強化するためのガラス形成剤の共堆積に同じく適していることをさらに認識されたい。活性化ステップが上で説明したように実施される場合、終端めっきの前後に、露出された導電性部分に活性剤材料の痕跡がしばしば残り得る。
【0102】
[00115]さらに、めっき後の後処理ステップが同じく使用され得る。このようなステップは、材料の付着の強化および/または改善を含む様々な目的のために実施され得る。例えばめっきステップを実施した後に、加熱(または焼きなまし)ステップが使用され得る。このような加熱は、焼付け、レーザサブジェクション、UV露光、マイクロ波露出、アーク溶接、等々によって実施され得る。
【0103】
[00116]本明細書において示されているように、外部端子は少なくとも1つのめっき層を含む。一実施形態では、外部端子は1つのめっき層のみを備えることができる。しかしながら外部端子は複数のめっき層を備えることができることを理解されたい。例えば外部端子は、第1のめっき層および第2のめっき層を備えることができる。さらに、外部端子は第3のめっき層を同じく備えることができる。これらのめっき層の材料は、上で言及した、当技術分野で広く知られている任意の材料であってもよい。
【0104】
[00117]例えば第1のめっき層などの1つのめっき層は、銅またはその合金を含むことができる。第2のめっき層などの別のめっき層は、ニッケルまたはその合金を含むことができる。第3のめっき層などの別のめっき層は、スズ、鉛、金、または合金などの組合せを含むことができる。別法としては、初期めっき層がニッケルを含み、スズまたは金のめっき層がそれに続いてもよい。別の実施形態では、銅の初期めっき層が形成され、次にニッケル層が形成され得る。
【0105】
[00118]一実施形態では、初期すなわち第1のめっき層は、導電性金属(例えば銅)であってもよい。この領域は、次に、密閉のために抵抗体高分子材料を含む第2の層で被覆され得る。この領域は、次に、抵抗性高分子材料を選択的に除去するために研磨され、次に、導電性金属材料(例えば銅)を含む第3の層で再びめっきされ得る。
【0106】
[00119]初期めっき層の上方の上記第2の層は、はんだバリア層、例えばニッケル-はんだバリア層に対応し得る。いくつかの実施形態では、上記層は、初期無電解または電解めっき層(例えばめっき銅)の頂部に金属(例えばニッケル)の追加層を電気めっきすることによって形成され得る。層、例えば上記はんだバリア層のための他の例示的材料は、ニッケル-リン、金および銀を含む。上記はんだバリア層の上の第3の層は、いくつかの実施形態では、めっきされたNi、Ni/Cr、Ag、Pd、Sn、Pb/Sn、または他の適切なめっきされたはんだなどの導電性層に対応し得る。
【0107】
[00120]さらに、抵抗性合金被覆またはより高い抵抗金属合金被覆、例えば無電解Ni-P合金をこのような金属めっきの上に提供するために、電気めっきステップが後続する金属めっきの層が形成され得る。しかしながら本明細書における完全な開示から当業者が理解することになるように、任意の金属被覆を含むことも可能であることを理解されたい。
【0108】
[00121]上記ステップは、すべて、バレルめっき、流動床めっきおよび/またはフロースルーめっき終端プロセスなどのバルクプロセスとして生じてもよく、それらのすべては当技術分野で広く知られていることを認識されたい。このようなバルクプロセスによれば、複数の構成要素を一度に処理することができ、有効で、かつ、迅速な終端プロセスを提供する。これは、個々の構成要素の処理を必要とする厚膜終端の印刷などの従来の終端方法に関してとりわけ有利である。
【0109】
[00122]本明細書において説明されているように、外部端子の形成は、概して、電極層のリードタブの露出された前縁の位置によって案内される。このような現象は、コンデンサ上の選択された周辺位置における電極層の露出された導電性金属の構成によって外部めっき端子の形成が決定されるため、「自己決定」と呼ばれ得る。
【0110】
[00123]薄膜めっきされた終端を形成するための上で説明した技術の追加態様は、Ritterらに対する米国特許第7,177,137号および米国特許第7,463,474号に記載されており、これらは参照により、あらゆる目的のために本明細書に組み込まれている。また、コンデンサ終端を形成するための追加の技術も同じく本技術の範囲内であり得ることを認識されたい。例示的代替は、それらに限定されないが、厚膜導電性層または薄膜導電性層の両方を形成するための、めっき、磁性、マスキング、電気泳動/静電、スパッタリング、真空蒸着、印刷または他の技法による終端の形成を含む。
【0111】
実施例
実施例1
[00124]本明細書において定義された積層コンデンサは、以下で示されている仕様および以下の表に示されている仕様に従って製造された。
【0112】
[00125]詳細には、総チップ厚さが50.8×10-5メートル(20ミル)、能動電極領域から遮蔽領域までの距離が5.08×10-5メートル(2ミル)(総合厚さの10%)、および能動電極領域から表面までの距離が6.858×10-5メートル(2.7ミル)(総合厚さの13.5%)のコンデンサが製造された。特定の例に対して、アンカー電極は、本明細書において定義されている階段部分を含んでいない。
【0113】
【表1】
【0114】
[00126]個々のコンデンサの挿入損は、広範囲の動作周波数(すなわち4GHzから40GHzまで)にわたって測定された。このような挿入損は、水平および垂直構成のコンデンサを使用して測定され、データ点毎に2つのサンプルが試験された。以下の表の範囲は、周波数範囲内における最大挿入損および最小挿入損を示している。
【0115】
【表2】
【0116】
実施例2
[00127]本明細書において定義された積層コンデンサは、以下で示されている仕様および以下の表に示されている仕様に従って製造された。
【0117】
【表3】
【0118】
[00128]個々のコンデンサの挿入損は、広範囲の動作周波数(すなわち4GHzから40GHzまで)にわたって測定された。このような挿入損は、電極層が取付け表面に対して平行であるように水平構成であり、かつ、垂直方向に積み重ねられたコンデンサを使用して測定された。
【0119】
【表4】
【0120】
[00129]本発明のこれらおよび他の修正および変更は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者によって実践され得る。さらに、様々な実施形態の態様は、全体または部分の両方において相互に交換され得ることを理解されたい。さらに、当業者は、以上の説明は単なる例にすぎず、添付の特許請求の範囲においてさらに説明されている本発明を制限することは意図されていないことを認識するであろう。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C