(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】油性懸濁農薬組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 47/12 20060101AFI20231019BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20231019BHJP
A01N 25/04 20060101ALI20231019BHJP
A01N 25/00 20060101ALI20231019BHJP
A01N 25/30 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
A01N47/12 102
A01P3/00
A01N25/04 102
A01N25/00 101
A01N25/30
(21)【出願番号】P 2020550489
(86)(22)【出願日】2019-10-02
(86)【国際出願番号】 JP2019038875
(87)【国際公開番号】W WO2020075585
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-09-14
(31)【優先権主張番号】P 2018192087
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000169
【氏名又は名称】クミアイ化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】天野 就基
【審査官】星 浩臣
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-083757(JP,A)
【文献】国際公開第2017/188070(WO,A1)
【文献】特開2008-150346(JP,A)
【文献】特表2008-518933(JP,A)
【文献】特開平03-056404(JP,A)
【文献】特開2012-051843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 1/00-65/48
A01P 1/00-23/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
常温で液状を呈する脂肪酸メチルエステル(A)、ベンチアバリカルブイソプロピル(B)及びアルキルアリールスルホン酸一価塩(C)を含有し、
前記脂肪酸メチルエステル(A)を主成分として含む連続相中にベンチアバリカルブイソプロピル(B)の結晶分子が分散している、
油性懸濁農薬組成物。
【請求項2】
前記アルキルアリールスルホン酸一価塩(C)がアルカリ金属塩である、請求項
1に記載の油性懸濁農薬組成物。
【請求項3】
前記アルキルアリールスルホン酸一価塩(C)がアルキルナフタレンスルホン酸塩である、請求項1
または2に記載の油性懸濁農薬組成物。
【請求項4】
前記アルキルアリールスルホン酸一価塩(C)がジアルキルアリールスルホン酸塩である、請求項1
または2に記載の油性懸濁農薬組成物。
【請求項5】
前記脂肪酸メチルエステル(A)が植物油由来の脂肪酸メチルエステルである、請求項1
または2に記載の油性懸濁農薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油性懸濁農薬組成物に関する。詳細には、ベンチアバリカルブイソプロピルの農薬活性が高められ、かつ、高濃度保存液として長期間保存しても粘度上昇を抑えることができる油性懸濁農薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~6には、ベンチアバリカルブイソプロピル(以下、BiPとも称する)が、農園芸作物の疫病等に対して高い予防及び治療効果を有するとともに、該作物に薬害を与えることがなく、浸透移行性、残効性、及び耐雨性に優れる、ということが開示されている。
一方、特許文献7~10には、脂肪酸メチルエステル等が農薬活性成分の活性を高めるアジュバントとして有効であることが開示されている。
上記の先行技術から、BiPの農薬活性を高めるために、BiPと脂肪酸メチルエステル(以下、FAMEとも称する)とを配合した農薬組成物とすることが検討された。
BiPとFAMEとを配合した農薬組成物は、出荷、保存時は高濃度の油性懸濁液の形態とし、使用時に水等で希釈して、水系油分分散液として散布されることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開平08-176115号公報
【文献】日本国特開平09-183703号公報
【文献】日本国特開平09-323984号公報
【文献】日本国特表2003-501448号公報
【文献】日本国特表2005-533837号公報
【文献】日本国特開2008-127366号公報
【文献】日本国特表2014-520154号公報
【文献】日本国特表2013-529660号公報
【文献】日本国特表2009-519258号公報
【文献】日本国特開平07-010705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、BiPとFAMEとを配合した高濃度の油性懸濁液状の組成物では、数十日間の保存中に粘度の上昇が認められた。この組成物の粘度が上昇すると、使用時、すなわち散布液の調製の際に、水等での希釈の作業効率が悪化するという問題が生じた。
そこで、本発明は、BiPとFAMEを配合した高濃度の油性懸濁液状のものであっても、BiPの高い農薬活性を維持しながら、長期間保存による粘度上昇が生じない油性懸濁農薬組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、BiPとFAMEとを配合した高濃度の油性懸濁液状の組成物に、アルキルアリールスルホン酸一価塩を含有させることにより、長期間保存による粘度上昇が生じないことを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の態様は以下の通りである。
(1)常温で液状を呈する脂肪酸メチルエステル(A)、ベンチアバリカルブイソプロピル(B)及びアルキルアリールスルホン酸一価塩(C)を含有する油性懸濁農薬組成物。
(2)前記脂肪酸メチルエステル(A)を主成分として含む連続相中にベンチアバリカルブイソプロピル(B)の結晶分子が分散している、(1)に記載の油性懸濁農薬組成物。
(3)前記アルキルアリールスルホン酸一価塩(C)がアルカリ金属塩である、(1)または(2)に記載の油性懸濁農薬組成物。
(4)前記アルキルアリールスルホン酸一価塩(C)がアルキルナフタレンスルホン酸塩である、(1)~(3)のいずれかに記載の油性懸濁農薬組成物。
(5)前記アルキルアリールスルホン酸一価塩(C)がジアルキルアリールスルホン酸塩である、(1)~(3)のいずれかに記載の油性懸濁農薬組成物。
(6)前記脂肪酸メチルエステル(A)が植物油由来の脂肪酸メチルエステルである、(1)~(3)のいずれかに記載の油性懸濁農薬組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明の油性懸濁農薬組成物によれば、BiPの高い農薬活性を維持しながら、長期間保存による粘度上昇を抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の油性懸濁農薬組成物(以下、単に「農薬組成物」とも称する)について、以下の実施形態によって詳細に説明する。
本実施形態の農薬組成物は、常温で液状を呈するFAME(A)、BiP(B)及びアルキルアリールスルホン酸一価塩(C)を含有する。なお、本明細書において「常温で液状を呈する」とは、20℃の温度で液状であることを指し、好ましくはJIS Z 8703-1983に規定される温度である20℃±15℃で液状であることを指す。
本実施形態の農薬組成物は、常温で液状のFAME(A)を主成分として含む油性の連続相中に、BiP(B)の結晶分子が分散している、油性懸濁液であると好ましい。なお、本明細書において「FAME(A)を主成分として含む油性の連続相」は、農薬組成物の分散媒としてのFAMEによって構成された相を指す。換言すると、本実施形態の農薬組成物は、BiPの結晶分子がFAMEを含む分散媒中に分散している、油性懸濁液であると好ましい。
【0008】
ここで、本実施形態の農薬組成物に含有される、FAME(A)は、単一種類の脂肪酸メチルエステルで構成されるもの、及び複数種類の脂肪酸メチルエステルの混合物として構成されるものの両方を包含するものである。当該FAME(A)としては、水不溶性(親油性)で、常温で液状を呈するものであれば、特に限定されないが、好ましくは不飽和脂肪酸メチルエステルであり、より好ましくは炭素数が14~20の不飽和脂肪酸メチルエステル(C14-20不飽和脂肪酸メチルエステル)である。C14-20不飽和脂肪酸メチルエステルとしては、特に限定されないが、例えば12-トリデセン酸メチル、ミリストレイン酸メチル、パルミトレイン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチルなどが挙げられる。この中でも、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチルが好ましく、オレイン酸メチルがより好ましい。
【0009】
また、当該FAME(A)は植物油由来の脂肪酸メチルエステルであると特に好ましい。植物油としては、特に限定されないが、例えばダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、パーム油、落花生油、サフラワー油、ゴマ油、桐油などが挙げられる。植物油由来の脂肪酸メチルエステルの一例としては、オレイン酸メチルを主成分として含み、その他のFAMEとして、リノール酸メチル、リノレン酸メチル、パルミトレイン酸メチル等を含むものが挙げられる。なお、ここでいう「オレイン酸メチルを主成分として含み」とは、FAMEの組成において50質量%以上をオレイン酸メチルが占めていることをいう。オレイン酸メチルを主成分として含むFAMEは、オレイン酸を多く含む植物油、例えばナタネ油、オリーブ油、ヒマワリ油、サフラワー油などを原料とし、これをメチルエステル化することにより得られる。ヒマワリやサフラワーなど一部の植物においては、同一植物種の中でも特にオレイン酸含量の高い植物油を産生する品種の存在が知られており、それらの品種から採れた植物油を原料に使用することで、よりオレイン酸メチル含量の高いFAMEを得ることができる。植物油由来の脂肪酸メチルエステルとしては、オレイン酸メチルを主成分として含むものが好ましい。また、植物油由来の脂肪酸メチルエステルとしては、FAMEの組成において60質量%以上をオレイン酸メチルが占めているものがより好ましく、FAMEの組成において70質量%以上をオレイン酸メチルが占めているものがさらに好ましい。
【0010】
本実施形態の農薬組成物におけるFAME(A)の含有量(含有濃度)としては特に限定されないが、下限として、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましく、上限として、90質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。
【0011】
本実施形態の農薬組成物に含有される、BiP(B)は、イソプロピル[(S)-1-{[(R)-1-(6-フルオロ-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-エチル]カルバモイル}-2-メチルプロピル]カーバメートとも称される。CAS番号は177406-68-7、CBNumberはCB21120099であり、構造式は以下の通りである。
【0012】
【0013】
BiP(B)は、アミノ酸アミドカーバメート系の殺菌剤で、卵菌類に属するべと病菌、疫病菌によって引き起こされる各種病害に対し安定した高い防除効果を有する。また、予防効果だけでなく治療効果も兼ね備えているため、感染後の散布でも防除効果を発揮し、感染初期段階の病斑拡大を阻止することができる。
本実施形態の農薬組成物におけるBiP(B)の含有量(含有濃度)としては特に限定されないが、下限として、1質量%以上であることが好ましく、3.5質量%以上であることがより好ましく、上限として、20質量%以下であることが好ましく、9質量%以下であることがより好ましい。
【0014】
本実施形態の農薬組成物に含有される、アルキルアリールスルホン酸一価塩(C)としては、対カチオンが1価のものであれば、特に限定されない。本実施形態の(C)成分における1価対カチオンとしては、特に限定されないが、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン等が挙げられ、好ましくはアルカリ金属イオンであり、その中でもナトリウムイオンが好ましい。
本実施形態の(C)成分における、アルキル部分(アルキル基)としては、特に限定されないが、直鎖状のものであっても、分岐状のものであっても、環状のものであってもよい。
また(C)成分はアルキル部分(アルキル基)を複数有する多アルキル構造であっても良い。但し、アルキル基数が多くなりすぎると、構造や取り扱いが複雑になる可能性があるので、アルキル基数は2~3が好ましく、2がより好ましい。
上記アルキル基の炭素数としては1~20が好ましく、3~15がより好ましい。
【0015】
アルキル基の具体例としては、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、イソウンデシル基、ドデシル基、イソドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、イソテトラデシル基、ペンタデシル基、イソペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、イソヘプタデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、ノナデシル基、イソノナデシル基、イコシル基、イソイコシル基等が挙げられ、好ましくは、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、イソウンデシル基、ドデシル基、イソドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、イソテトラデシル基、ペンタデシル基、イソペンタデシル基等である。
【0016】
本実施形態の(C)成分における、アリール部分としては、特に限定されないが、具体例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等が挙げられ、その中でもナフタレンが好ましい。
【0017】
本実施形態の(C)成分の具体例としては、
ジメチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジエチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジブチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソブチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジプロピルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソプロピルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジブチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソブチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジペンチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソペンチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジヘプチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソヘプチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソオクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジノニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソノニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジイソドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
メチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、エチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ブチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、イソブチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、プロピルベンゼンスルホン酸ナトリウム、イソプロピルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ペンチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、イソペンチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、イソヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘプチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、イソヘプチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、イソオクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、イソノニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、イソデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、イソウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、イソドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
【0018】
ジメチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジエチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジブチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジイソブチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジプロピルベンゼンスルホン酸カリウム、ジイソプロピルベンゼンスルホン酸カリウム、ジブチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジイソブチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジペンチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジイソペンチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジヘキシルベンゼンスルホン酸カリウム、ジイソヘキシルベンゼンスルホン酸カリウム、ジヘプチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジイソヘプチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジオクチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジイソオクチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジノニルベンゼンスルホン酸カリウム、ジイソノニルベンゼンスルホン酸カリウム、ジデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ジイソデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ジウンデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ジイソウンデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ジドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ジイソドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、
メチルベンゼンスルホン酸カリウム、エチルベンゼンスルホン酸カリウム、ブチルベンゼンスルホン酸カリウム、イソブチルベンゼンスルホン酸カリウム、プロピルベンゼンスルホン酸カリウム、イソプロピルベンゼンスルホン酸カリウム、ペンチルベンゼンスルホン酸カリウム、イソペンチルベンゼンスルホン酸カリウム、ヘキシルベンゼンスルホン酸カリウム、イソヘキシルベンゼンスルホン酸カリウム、ヘプチルベンゼンスルホン酸カリウム、イソヘプチルベンゼンスルホン酸カリウム、オクチルベンゼンスルホン酸カリウム、イソオクチルベンゼンスルホン酸カリウム、ノニルベンゼンスルホン酸カリウム、イソノニルベンゼンスルホン酸カリウム、デシルベンゼンスルホン酸カリウム、イソデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ウンデシルベンゼンスルホン酸カリウム、イソウンデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、イソドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、
【0019】
ジメチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジエチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジブチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジイソブチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジプロピルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジイソプロピルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジブチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジイソブチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジペンチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジイソペンチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジヘキシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジイソヘキシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジヘプチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジイソヘプチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジオクチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジイソオクチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジノニルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジイソノニルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジイソデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジウンデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジイソウンデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ジイソドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、
メチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、エチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ブチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、イソブチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、プロピルベンゼンスルホン酸アンモニウム、イソプロピルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ペンチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、イソペンチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ヘキシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、イソヘキシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ヘプチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、イソヘプチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、オクチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、イソオクチルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ノニルベンゼンスルホン酸アンモニウム、イソノニルベンゼンスルホン酸アンモニウム、デシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、イソデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ウンデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、イソウンデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、イソドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、
【0020】
ジメチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジエチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジイソブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジイソペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジイソヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジヘプチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジイソヘプチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジイソオクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジノニルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジイソノニルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジイソデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジウンデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジイソウンデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジイソドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、
メチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、エチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、イソブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、イソペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、イソヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘプチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、イソヘプチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、イソオクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ノニルナフタレンスルホン酸ナトリウム、イソノニルナフタレンスルホン酸ナトリウム、デシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、イソデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ウンデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、イソウンデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、イソドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、
【0021】
ジメチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジエチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジイソブチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジプロピルナフタレンスルホン酸カリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸カリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジイソブチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジペンチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジイソペンチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジヘキシルナフタレンスルホン酸カリウム、ジイソヘキシルナフタレンスルホン酸カリウム、ジヘプチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジイソヘプチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジオクチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジイソオクチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジノニルナフタレンスルホン酸カリウム、ジイソノニルナフタレンスルホン酸カリウム、ジデシルナフタレンスルホン酸カリウム、ジイソデシルナフタレンスルホン酸カリウム、ジウンデシルナフタレンスルホン酸カリウム、ジイソウンデシルナフタレンスルホン酸カリウム、ジドデシルナフタレンスルホン酸カリウム、ジイソドデシルナフタレンスルホン酸カリウム、
メチルナフタレンスルホン酸カリウム、エチルナフタレンスルホン酸カリウム、ブチルナフタレンスルホン酸カリウム、イソブチルナフタレンスルホン酸カリウム、プロピルナフタレンスルホン酸カリウム、イソプロピルナフタレンスルホン酸カリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸カリウム、イソペンチルナフタレンスルホン酸カリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸カリウム、イソヘキシルナフタレンスルホン酸カリウム、ヘプチルナフタレンスルホン酸カリウム、イソヘプチルナフタレンスルホン酸カリウム、オクチルナフタレンスルホン酸カリウム、イソオクチルナフタレンスルホン酸カリウム、ノニルナフタレンスルホン酸カリウム、イソノニルナフタレンスルホン酸カリウム、デシルナフタレンスルホン酸カリウム、イソデシルナフタレンスルホン酸カリウム、ウンデシルナフタレンスルホン酸カリウム、イソウンデシルナフタレンスルホン酸カリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸カリウム、イソドデシルナフタレンスルホン酸カリウム、
【0022】
ジメチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジエチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジブチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジイソブチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジプロピルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジブチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジイソブチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジペンチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジイソペンチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジヘキシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジイソヘキシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジヘプチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジイソヘプチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジオクチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジイソオクチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジノニルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジイソノニルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジデシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジイソデシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジウンデシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジイソウンデシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジドデシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ジイソドデシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、
メチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、エチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ブチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、イソブチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、プロピルナフタレンスルホン酸アンモニウム、イソプロピルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ペンチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、イソペンチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、イソヘキシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ヘプチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、イソヘプチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、オクチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、イソオクチルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ノニルナフタレンスルホン酸アンモニウム、イソノニルナフタレンスルホン酸アンモニウム、デシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、イソデシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ウンデシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、イソウンデシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、ドデシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、イソドデシルナフタレンスルホン酸アンモニウム、等が挙げられる。
【0023】
なお、本実施形態の(C)成分は、乳化剤としての機能と、希釈液とした場合の湿展分散剤としての機能とを有する。
【0024】
本実施形態の農薬組成物におけるアルキルアリールスルホン酸一価塩(C)の含有量(含有濃度)としては特に限定されないが、下限として、0.1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、上限として、15質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。
【0025】
なお、本実施形態の農薬組成物における(C)成分は、使用時の形態中、すなわち水性媒液で希釈して調製した散布液中では湿展分散剤として作用することができる。
【0026】
本実施形態の農薬組成物は、上記の(A)~(C)の各成分を1種ずつ含むものであっても良く、各成分を2種以上含むものであっても良い。
【0027】
本実施形態の農薬組成物には、上記の(A)~(C)の3成分を含んでいれば、特に限定されないが、その他、所望により、農薬組成物として公知または周知の各種補助剤成分を含んでいてもよい。
【0028】
本実施形態の農薬組成物に含んでいても良い、各種補助剤としては、当該技術分野などで用いられるものであれば、いずれのものでもよいが、例えば、乳化剤、溶剤、沈降防止剤、消泡剤、凍結防止剤、酸化防止剤、ゲル化剤、分散安定剤、薬害軽減剤、防黴剤、安定化剤、防腐剤などが挙げられる。これら各種補助剤の具体例としては、例えば以下のものなどが挙げられる。また、各種補助剤を本実施形態の農薬組成物に添加する場合の、各種補助剤の合計含有量(含有濃度)としては特に限定されないが、0質量%を超えて70質量%以下であることが好ましい。尚、農薬組成物は、当該技術分野における通常の方法に準じて製造することができる。
【0029】
乳化剤としては、当該技術分野などで用いられるものであれば、いずれのものでもよいが、例えばアルカンスルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルアリールスルホン酸の2価以上の塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル、POEアルキルアリールエーテル、POEスチリルフェニルエーテル、POE脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビトール脂肪酸エステル、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、POE-ポリオキシプロピレン(POP)ブロック共重合体などが挙げられ、望ましくはジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルアリールスルホン酸の2価以上の塩、POE脂肪酸エステル、POEソルビトール脂肪酸エステル、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油が挙げられ、必要に応じてこれらを混合して使用してもよい。より望ましくは、アルキルアリールスルホン酸の2価以上の塩、POEソルビトール脂肪酸エステル、POEヒマシ油又はこれらの混合物が挙げられ、中でもPOEソルビトール脂肪酸エステルがより望ましいが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。成分(C)以外の乳化剤を本実施形態の農薬組成物に添加する場合の、当該乳化剤の含有量(含有濃度)としては特に限定されないが、下限として、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましく、上限として、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。
【0030】
溶剤としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィンのような脂肪族炭化水素類、ベンゼン、アルキルベンゼン、ナフタレン、アルキルナフタレン、フェニルキシリルエタンのような芳香族炭化水素類、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンのような複素環化合物類、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類などが挙げられ、所望によりこれらの2種以上を適宜混用してもよい。
【0031】
沈降防止剤としては、例えばシリカ、有機ベントナイト、ベントナイト、アルミニウムマグネシウムケイ酸などが挙げられ、所望によりこれらの2種以上を適宜混用してもよい。沈降防止剤を本実施形態の農薬組成物に添加する場合の、当該沈降防止剤の含有量(含有濃度)としては特に限定されないが、下限として、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましく、上限として、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
消泡剤としては、例えばイソオクタデカノールのようなアルコール類、メチル化シリコーンなどが挙げられ、所望によりこれらの2種以上を適宜混用してもよい。
凍結防止剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられ、所望によりこれらの2種以上を適宜混用してもよい。
ゲル化剤としては、例えばシリカ、有機アタパルジャイト、クレー、硬化ひまし油、高級脂肪酸エステル、高級アルコール、ジアルキルスルホコハク酸エステルの塩、安息香酸の塩、アルキル硫酸塩、ポリアクリル酸ポリマー又はポリアクリル酸系コポリマーと水との混合物、12-ヒドロキシステアリン酸などが挙げられ、所望によりこれらの2種以上を適宜混用してもよい。
【0032】
本実施形態の農薬組成物においては、煩雑な撹拌操作等を行わなくてもFAME(A)の乳化を容易にすることができる、その他の界面活性剤等を添加することが好ましい。
FAME(A)の乳化を容易にすることができる、その他の界面活性剤(乳化剤)等としては、POEドデシルエーテル(ノニオン性)、分岐ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(アニオン性)、POEひまし油(ノニオン性)、POEソルビトールヘキサオレート(ノニオン性)等が挙げられ、これらを組合せて使用することが好ましい。当該その他の界面活性剤を本実施形態の農薬組成物に添加する場合の、当該その他の界面活性剤の含有量(含有濃度)としては特に限定されないが、乳化剤に関して上述した含有量(含有濃度)と同様にしても良い。
【0033】
また、本実施形態の農薬組成物には、必要に応じて、BiP(B)以外の農薬活性成分を含んでいても良い。
本実施形態の農薬組成物において、必要に応じて含んでいても良い、BiP(B)以外の農薬活性成分としては、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、殺菌剤、抗ウイルス剤、誘引剤、除草剤、植物成長調製剤などが挙げられ、BiP(B)と混用、併用することができ、この場合に一層優れた効果、作用性を示すことがある。例えば、適用害虫の範囲、薬剤処理の時期、有害生物防除活性などを好ましい方向へ改良できる場合がある。尚、BiP(B)と他の農薬活性成分は、各々別々に製剤したものを散布時に混合して使用しても、両者を一緒に製剤したものを使用してもよい。本発明には、前記した農薬組成物、並びにそれを用いて有害生物を防除する方法も含まれる。
【0034】
BiP(B)と混用することができる他の農薬としては、例えば下記の化合物群が挙げられるが、特に記載がない場合であっても、これら化合物に、塩、アルキルエステル、光学異性体のような各種構造異性体などが存在する場合は、当然それらも含まれる。
【0035】
上記他の農薬活性成分中の、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤或いは殺土壌害虫剤の有効成分化合物、すなわち殺虫性化合物(一般名;一部申請中を含む、又は試験コード)としては、例えばプロフェノホス(profenofos)、ジクロルボス(dichlorvos)、フェナミホス(fenamiphos)、フェニトロチオン(fenitrothion)、EPN、ダイアジノン(diazinon)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos‐methyl)、アセフェート(acephate)、プロチオホス(prothiofos)、ホスチアゼート(fosthiazate)、カズサホス(cadusafos)、ジスルホトン(dislufoton)、イソキサチオン(isoxathion)、イソフェンホス(isofenphos)、エチオン(ethion)、エトリムホス(etrimfos)、キナルホス(quinalphos)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジメトエート(dimethoate)、スルプロホス(sulprofos)、チオメトン(thiometon)、バミドチオン(vamidothion)、ピラクロホス(pyraclofos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、ピリミホスメチル(pirimiphos-methyl)、プロパホス(propaphos)、ホサロン(phosalone)、ホルモチオン(formothion)、マラチオン(malathion)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、シアノホス(cyanophos)、トリクロルホン(trichlorfon)、メチダチオン(methidathion)、フェントエート(phenthoate)、ESP、アジンホスメチル(azinphos-methyl)、フェンチオン(fenthion)、ヘプテノホス(heptenophos)、メトキシクロル(methoxychlor)、パラチオン(parathion)、ホスホカルブ(phosphocarb)、デメトン-S-メチル(demeton-S-methyl)、モノクロトホス(monocrotophos)、メタミドホス(methamidophos)、イミシアホス(imicyafos)、パラチオン-メチル(parathion-methyl)、テルブホス(terbufos)、ホスファミドン(phosphamidon)、ホスメット(phosmet)、ホレート(phorate)、ホキシム(phoxim)、トリアゾホス(triazophos)のような有機リン酸エステル系化合物;
【0036】
カルバリル(carbaryl)、プロポキスル(propoxur)、アルジカルブ(aldicarb)、カルボフラン(carbofuran)、チオジカルブ(thiodicarb)、メソミル(methomyl)、オキサミル(oxamyl)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、ピリミカルブ(pirimicarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、カルボスルファン(carbosulfan)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、フラチオカルブ(furathiocarb)、イソプロカルブ(isoprocarb)、メトルカルブ(metolcarb)、キシリルカルブ(xylylcarb)、XMC、フェノチオカルブ(fenothiocarb)のようなカーバメート系化合物;
カルタップ(cartap)、チオシクラム(thiocyclam)、ベンスルタップ(bensultap)、チオスルタップナトリウム(thiosultap-sodium)、チオスルタップジナトリウム(thiosultap-disodium)、モノスルタップ(monosultap)、ビスルタップ(bisultap)、シュウ酸水素チオシクラム(thiocyclam hydrogen oxalate)のようなネライストキシン誘導体;
ジコホル(dicofol)、テトラジホン(tetradifon)、エンドスルファン(endosulfan)、ジエノクロル(dienochlor)、ディルドリン(dieldrin)のような有機塩素系化合物;
酸化フェンブタスズ(fenbutatin oxide)、シヘキサチン(cyhexatin)のような有機金属系化合物;
【0037】
フェンバレレート(fenvalerate)、ペルメトリン(permethrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、テフルトリン(tefluthrin)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、フルフェンプロックス(flufenprox)、シフルトリン(cyfluthrin)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルバリネート(fluvalinate)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、ラムダシハロトリン(lambda-cyhalothrin)、ピレスリン(pyrethrins)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、テトラメスリン(tetramethrin)、レスメスリン(resmethrin)、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ビフェントリン(bifenthrin)、ゼータシペルメトリン(zeta-cypermethrin)、アクリナトリン(acrinathrin)、アルファシペルメトリン(alpha-cypermethrin)、アレスリン(allethrin)、ガンマシハロトリン(gamma-cyhalothrin)、シータシペルメトリン(theta-cypermethrin)、タウフルバリネート(tau-fluvalinate)、トラロメスリン(tralomethrin)、プロフルスリン(profluthrin)、ベータシペルメトリン(beta-cypermethrin)、ベータシフルトリン(beta-cyfluthrin)、メトフルトリン(metofluthrin)、フェノトリン(phenothrin)、フルメトリン(flumethrin)、デカメトリン(decamethrin)のようなピレスロイド系化合物;
ジフルベンズロン(diflubenzuron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、トリフルムロン(triflumuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、ビストリフルロン(bistrifluron)、フルアズロン(fluazuron)のようなベンゾイルウレア系化合物;
【0038】
メトプレン(methoprene)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、ジオフェノラン(diofenolan)のような幼若ホルモン様化合物;
ピリダベン(pyridaben)のようなピリダジノン系化合物;
フェンピロキシメート(fenpyroximate)、フィプロニル(fipronil)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、エチプロール(ethiprole)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、アセトプロール(acetoprole)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)のようなピラゾール系化合物;
イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、クロチアニジン(clothianidin)、ニジノテフラン(nidinotefuran)、ジノテフラン(dinotefuran)、ニチアジン(nithiazine)のようなネオニコチノイド系化合物;
テブフェノジド(tebufenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、クロマフェノジド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)のようなヒドラジン系化合物;
ピリダリル(pyridalyl)のようなピリジン系化合物;
スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、スピロテトラマト(spirotetramat)のような環状ケトエノール系化合物;
フルアクリピリム(fluacrypyrim)のようなストロビルリン系化合物;
フルフェネリム(flufenerim)のようなピリジナミン系化合物;
【0039】
ジニトロ系化合物、有機硫黄化合物、尿素系化合物、トリアジン系化合物、ヒドラゾン系化合物、また、その他の化合物として、フロメトキン(flometoquin)、ブプロフェジン(buprofezin)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、アミトラズ(amitraz)、クロルジメホルム(chlordimeform)、シラフルオフェン(silafluofen)、トリアザメイト(triazamate)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、インドキサカルブ(indoxacarb)、アセキノシル(acequinocyl)、エトキサゾール(etoxazole)、シロマジン(cyromazine)、1,3-ジクロロプロペン(1,3-dichloropropene)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ビフェナゼート(bifenazate)、プロパルギット(propargite)、クロフェンテジン(clofentezine)、メタフルミゾン(metaflumizone)、フルベンジアミド(flubendiamide)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、シクラニリプロール(cyclaniliprole)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazon)、フェナザキン(fenazaquin)、アミドフルメット(amidoflumet)、スルフルアミド(sulfluramid)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、メタアルデヒド(metaldehyde)、HGW-86、リアノジン(ryanodine)、ベルブチン(verbutin)、AKD‐1022、クロロベンゾエート(chlorobenzoate)、チアゾリルシナノニトリル(thiazolylcinnanonitrile)、スルホキサフロル(sulfoxaflor)、フルエンスルホン(fluensulfone)、トリフルメゾピリム(triflumezopyrim)、アフィドピロペン(afidopyropen)、フルピラジフロン(flupyradifuron)のような化合物;等が挙げられる。更に、Bacillus thuringiensis aizawai、Bacillus thuringiensis kurstaki、Bacillus thuringiensis israelensis、Bacillus thuringiensis japonensis、Bacillus thuringiensis tenebrionis、Bacillus thuringiensisが生成する結晶タンパク毒素、昆虫病原ウイルス剤、昆虫病原糸状菌剤、線虫病原糸状菌剤等のような微生物農薬、アベルメクチン(avermectin)、エマメクチンベンゾエート(emamectin Benzoate)、ミルベメクチン(milbemectin)、ミルベマイシン(milbemycin)、スピノサド(spinosad)、イベルメクチン(ivermectin)、レピメクチン(lepimectin)、DE-175、アバメクチン(abamectin)、エマメクチン(emamectin)、スピネトラム(spinetoram)のような抗生物質及び半合成抗生物質;アザディラクチン(azadirachtin)、ロテノン(rotenone)のような天然物;ディート(deet)のような忌避剤;等と、混用、併用することもできる。
【0040】
上記他の農薬活性成分中の、殺菌剤の有効成分化合物、すなわち殺菌性化合物(一般名;一部申請中を含む、又は日本植物防疫協会試験コード)としては、例えば、メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメサニル(pyrimethanil)、シプロジニル(cyprodinil)、フェリムゾン(ferimzone)のようなアニリノピリミジン系化合物;
5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジンのようなトリアゾロピリミジン系化合物;
フルアジナム(fluazinam)のようなピリジナミン系化合物;
トリアジメホン(triadimefon)、ビテルタノール(bitertanol)、トリフルミゾール(triflumizole)、エタコナゾール(etaconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、ペンコナゾール(penconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、マイクロブタニル(myclobutanil)、シプロコナゾール(cyproconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ファーコナゾールシス(furconazole‐cis)、プロクロラズ(prochloraz)、メトコナゾール(metconazole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、オキスポコナゾールフマル酸塩(oxpoconazole fumarate)、シプコナゾール(sipconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、トリアジメノール(triadimenol)、フルトリアホール(flutriafol)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、トリシクラゾール(tricyclazole)、プロベナゾール(probenazole)、シメコナゾール(simeconazole)、ペフラゾエート(pefurazoate)、イプコナゾール(ipconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)のようなアゾール系化合物;
【0041】
キノメチオネート(quinomethionate)のようなキノキサリン系化合物;
マンネブ(maneb)、ジネブ(zineb)、マンゼブ(mancozeb)、ポリカーバメート(polycarbamate)、メチラム(metiram)、プロピネブ(propineb)、チラム(thiram)のようなジチオカーバメート系化合物;
フサライド(fthalide)、クロロタロニル(chlorothalonil)、キントゼン(quintozene)のような有機塩素系化合物;
ベノミル(benomyl)、シアゾファミド(cyazofamid)、チオファネートメチル(thiophanate‐methyl)、カーベンダジム(carbendazim)、チアベンダゾール(thiabendazole)、フベリアゾール(fuberiazole)のようなイミダゾール系化合物;
シモキサニル(cymoxanil)のようなシアノアセトアミド系化合物;
メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシル-M(metalaxyl-M)、メフェノキサム(mefenoxam)、オキサジキシル(oxadixyl)、オフレース(ofurace)、ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシル-M(benalaxyl-M、別名キララキシル(kiralaxyl、chiralaxyl))、フララキシル(furalaxyl)、シプロフラム(cyprofuram)、カルボキシン(carboxin)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、チフルザミド(thifluzamide)、ボスカリド(boscalid)、ビキサフェン(bixafen)、イソチアニル(isothianil)、チアジニル(tiadinil)、セダキサン(sedaxane)のようなアニリド系化合物;
ジクロフルアニド(dichlofluanid)のようなスルファミド系化合物;
【0042】
水酸化第二銅(cupric hydroxide)、有機銅(oxine copper)のような銅系化合物;
ヒメキサゾール(hymexazol)のようなイソキサゾール系化合物;
ホセチルアルミニウム(fosetyl‐Al)、トルクロホスメチル(tolclofos‐Methyl)、S-ベンジル O,O-ジイソプロピルホスホロチオエート、O-エチル-S,S-ジフェニルホスホロジチオエート、アルミニウムエチルハイドロゲンホスホネート、エジフェンホス(edifenphos)、イプロベンホス(iprobenfos)のような有機リン系化合物;
キャプタン(captan)、キャプタホル(captafol)、フォルペット(folpet)のようなフタルイミド系化合物;
プロシミドン(procymidone)、イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinclozolin)のようなジカルボキシイミド系化合物;
フルトラニル(flutolanil)、メプロニル(mepronil)のようなベンズアニリド系化合物;
ペンチオピラド(penthiopyrad)、3-(ジフロロメチル)-1-メチル-N-[(1RS,4SR,9RS)-1,2,3,4-テトラヒドロ-9-イソプロピル-1,4-メタノナフタレン-5-イル]ピラゾール-4-カルボキサミドと3-(ジフロロメチル)-1-メチル-N-[(1RS,4SR,9SR)-1,2,3,4-テトラヒドロ-9-イソプロピル-1,4-メタノナフタレン-5-イル]ピラゾール-4-カルボキサミドの混合物(イソピラザム(isopyrazam))、シルチオファム(silthiopham)、フェノキサニル(fenoxanil)、フラメトピル(furametpyr)のようなアミド系化合物;
フルオピラム(fluopyram)、ゾキサミド(zoxamide)のようなベンズアミド系化合物;
トリホリン(triforine)のようなピペラジン系化合物;
ピリフェノックス(pyrifenox)のようなピリジン系化合物;
フェナリモル(fenarimol)のようなカルビノール系化合物;
フェンプロピディン(fenpropidin)のようなピペリジン系化合物;
フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリデモルフ(tridemorph)のようなモルフォリン系化合物;
【0043】
フェンチンヒドロキシド(fentin hydroxide)、フェンチンアセテート(fentin acetate)のような有機スズ系化合物;
ペンシキュロン(pencycuron)のような尿素系化合物;
ジメトモルフ(dimethomorph)、フルモルフ(flumorph)のようなシンナミック酸系化合物;
ジエトフェンカルブ(diethofencarb)のようなフェニルカーバメート系化合物;
フルジオキソニル(fludioxonil)、フェンピクロニル(fenpiclonil)のようなシアノピロール系化合物;
アゾキシストロビン(azoxystrobin)、クレソキシムメチル(kresoxim‐methyl)、メトミノストロビン(metominostrobin)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、オリザストロビン(oryzastrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)のようなストロビルリン系化合物;
ファモキサドン(famoxadone)のようなオキサゾリジノン系化合物;
エタボキサム(ethaboxam)のようなチアゾールカルボキサミド系化合物;
イプロバリカルブ(iprovalicarb)のようなバリンアミド系化合物;
メチル N-(イソプロポキシカルボニル)-L-バリル-(3RS)-3-(4-クロロフェニル)-β-アラニナート(valiphenalate)のようなアシルアミノアシッド系化合物;
【0044】
フェナミドン(fenamidone)のようなイミダゾリノン系化合物;
フェンヘキサミド(fenhexamid)のようなハイドロキシアニリド系化合物;
フルスルファミド(flusulfamide)のようなベンゼンスルホンアミド系化合物;
シフルフェナミド(cyflufenamid)のようなオキシムエーテル系化合物;
アトラキノン系化合物;
クロトン酸系化合物;
バリダマイシン(validamycin)、カスガマイシン(kasugamycin)、ポリオキシン(polyoxins)のような抗生物質;
イミノクタジン(iminoctadine)、ドディン(dodine)のようなグアニジン系化合物;
6-ターシャリーブチル-8-フルオロ-2,3-ジメチルキノリン-4-イル アセテート(テブフロキン(tebufloquin))のようなキノリン系化合物;
(Z)-2-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニルチオ)-2-(3-(2-メトキシフェニル)チアゾリジン-2-イリデン)アセトニトリル(フルチアニル(flutianil))のようなチアゾリジン系化合物;
【0045】
その他の化合物として、ピリベンカルブ(pyribencarb)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、ピロキロン(pyroquilon)、ジクロメジン(diclomezine)、キノキシフェン(quinoxyfen)、プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb hydrochloride)クロルピクリン(chloropicrin)、ダゾメット(dazomet)、メタムナトリウム塩(metam‐sodium)、ニコビフェン(nicobifen)、メトラフェノン(metrafenone)、UBF-307、ジクロシメット(diclocymet)、プロキンアジド(proquinazid)、アミスルブロム(amisulbrom;別名アミブロドール(amibromdole))、3-(2,3,4-トリメトキシ-6-メチルベンゾイル)-5-クロロ-2-メトキシ-4-メチルピリジン、4-(2,3,4-トリメトキシ-6-メチルベンゾイル)-2,5-ジクロロ-3-トリフルオロメチルピリジン、ピリオフェノン(pyriofenone)、イソフェタミド(isofetamid)マンジプロパミド(mandipropamid)、フルオピコリド(fluopicolide)、カルプロパミド(carpropamid)、メプチルジノキャップ(meptyldinocap)、スピロキサミン(spiroxamine)、S-2188(fenpyrazamine)、S-2200、ZF-9646、BCF-051、BCM-061、BCM-062等が挙げられる。
【0046】
本実施形態の農薬組成物は、使用する際は、前述のとおり、水等の水性媒液で希釈して希釈液を調製する。
水性媒液で希釈する場合の希釈倍率としては、本実施形態の農薬組成物中におけるBiP(B)の濃度にもより異なるため、特に限定されるものではないが、100~3000倍が好ましい。
また、希釈液中におけるBiP(B)成分濃度が、20~700ppmとなるような希釈倍率とすることが好ましい。
【0047】
本実施形態の農薬組成物は、全ての植物種及び植物の全ての部分に適用できる。ここで、植物は、野生植物又は作物植物(天然に発生している作物植物を包含する)のような全ての植物及び植物個体群を意味するものと理解される。作物植物は、慣習的な育種法と最適化法によって得ることができるものでも、生物工学的方法と遺伝子工学的方法によって得ることができるものであっても、前記方法の組合せによって得ることができるものであっても良い。そのような作物植物には、トランスジェニック植物も包含され、また、植物育種家の証明書によって保護され得る植物品種又は保護され得ない植物品種も包含される。植物の部分は、苗条、葉、花及び根などの、植物の地上部及び地下部の全ての部分及び器官を意味するものと理解され、その例として挙げることができるのは、葉、針状葉、茎、幹、花、子実体、果実及び種子、並びに、根、塊茎及び根茎である。収穫された植物、並びに、栄養繁殖器官及び生殖繁殖器官、例えば、実生、塊茎、根茎、挿穂及び種子なども、植物の部分に包含される。
【0048】
本実施形態の農薬組成物を用いた植物及び植物の部分の処理は、慣習的な処理方法に従って、例えば、本実施形態の農薬組成物の希釈液を用いての、浸漬、散布、気化、噴霧、塗布などによって、直接的に行うか、又は、農薬組成物またはその希釈液を植物及び植物の部分の周囲、生息環境若しくは貯蔵領域に作用させることにより行い、また、繁殖器官の場合、特に種子の場合は、さらに、1層又は多層のコーティングを施すことによっても行う。
【0049】
上記で既に述べたように、本実施形態の農薬組成物を全ての植物及びそれらの部分に適用することができるが、好ましい実施形態では、野生の植物種及び植物品種、又は、交雑若しくはプロトプラスト融合のような慣習的な生物学的育種法により得られた植物種及び植物品種、並びに、それらの部分に適用する。さらに好ましい別の実施形態では、適切な場合には慣習的な方法と組み合わせた遺伝子工学的方法により得られたトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝子組換え生物)及びそれらの部分に適用する。
【0050】
特に好ましくは、いずれの場合も市販されているか又は使用されている植物品種の植物に本実施形態の農薬組成物を適用する。植物品種は、慣習的な育種又は突然変異誘発又は組換えDNA技術によって得られた、新しい特性(形質)を有する植物であってもよい。
【0051】
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分)に応じて、本実施形態の農薬組成物の適用により、相加効果を超える効果(相乗効果)が生じることもあり得る。例えば、本実施形態の農薬組成物に使用し得る物質及び組成物の施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は活性の増強、植物の生育の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、渇水又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する耐性の向上、開花能力の向上、収穫の容易性の向上、より早い成熟、収穫量の増加、収穫された生産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、収穫された生産物の貯蔵安定性の向上及び/又は加工性の向上などが可能であり、これらは、実際に予期された効果を超えるものである。
【0052】
特に有利で有益な形質を植物に付与する遺伝物質を遺伝子修飾において受け取った全ての植物は、本実施形態の農薬組成物を適用すべき好ましいトランスジェニック植物又は植物品種(即ち、遺伝子工学により得られたもの)に包含される。そのような形質の例は、植物の向上した生育、高温又は低温に対する向上した耐性、渇水又は水中若しくは土壌中に含まれる塩分に対する向上した耐性、向上した開花能力、向上した収穫の容易性、促進された成熟、増加した収穫量、収穫された生産物の向上した品質及び/又は向上した栄養価、収穫された生産物の向上した貯蔵安定性及び/又は向上した加工性などである。
本実施形態の農薬組成物を適用できる植物の例は、重要な作物植物、例えば、穀類(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、ナタネ、ビートルート、サトウキビ及び果実植物(果実のリンゴ、ナシ、柑橘類果実及びグレープを有する果実植物)などであり、イネ、ジャガイモは特に重要である。
【実施例】
【0053】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における「部」は質量部、「%」は質量%を表す。
【0054】
〔実施例1及び比較例1〕
<油性懸濁農薬組成物の調製及び評価>
下記表1に示す成分、配合率で、組成物A(比較例1)及び組成物B(実施例1)を調製した。得られた、組成物A及びBの、調製後1日間保存したもの並びに54℃で2週間保存したもの(加速試験)のそれぞれの粘度を測定した。
なお粘度は、東機産業(株)製のB型粘度計VISCOMETER TVB-10Mを用いて、スピンドル No.M2、回転数30rpm、20℃ で測定した。
また、表1に示す成分の詳細は以下の通りである。
・BiP:クミアイ化学社製
・POEドデシルエーテル:Croda社製、Brij L4
・分岐ドデシルベンゼンスルホン酸Ca:Solvay社製、RHODACAL 70
・POEひまし油:Croda社製、ETOCAS 10
・POEソルビトールヘキサオレート:Croda社製、ATLAS G-1096
・ジブチルナフタレンスルホン酸Na:竹本油脂社製、ニューカルゲンBX-C
・疎水性シリカ:日本アエロジル社製、AEROSIL R805
・植物油由来FAME:Mosselman社製、METHYL OLEATE HO
結果を表1に示す。
【0055】
【0056】
上記の表1から、組成物Aは、保存後の粘度が上昇していたのに対し、組成物Bは、保存後の粘度が上昇しなかった。
【0057】
〔実施例2~4及び比較例2~8〕
下記表2に示す成分、配合率で、組成物C~Nを調製した。なお組成物D~Nは、(C)成分として下記表3のものを添加した以外は組成物Cと同様である。また、表2に示す成分のうち(C)成分として添加したもの以外は、上記実施例1で用いた成分と同様の成分を採用した。そして、これらの組成物について、実施例1及び比較例1と同様に、調製後1日間保存したもの並びに54℃で2週間保存したもの(加速試験)のそれぞれの粘度を測定する実験を2回行った。
結果を下記表3に示す。
【0058】
【0059】
【0060】
なお、表3の(C)成分の詳細は以下の通りである。
・ジブチルナフタレンスルホン酸Na:竹本油脂社製、ニューカルゲンBX-C
・ジイソプロピルナフタレンスルホン酸Na:Solvay社製、SUPRASIL WP
・ドデシルベンゼンスルホン酸Na:竹本油脂社製、ニューカルゲンSX-C
・ジオクチルスルホサクシネートNa:東邦化学社製、エアロールCT-1
・ドデシル硫酸Na:花王社製、エマール10パウダー
・ブチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na:花王社製、デモールSN-B
・リグニンスルホン酸Na:日本製紙ケミカル社製、パールレックスNP
・ポリカルボン酸Na:竹本油脂社製、ニューカルゲンWG-5
・POAアリルフェニルエーテルサルフェートNH4:竹本油脂社製、ニューカルゲンFS-7PG
・分岐ドデシルベンゼンスルホン酸Ca:Solvay社製、RHODACAL 70
・POEアリールフェニルエーテルリン酸K:竹本油脂社製、ニューカルゲンFS-3K
【0061】
上記表3から、組成物D~F(実施例2~4)は保存後の粘度の上昇がなかったのに対し、組成物C、I~N(比較例2、5~10)は、保存後の粘度が上昇していたことがわかる。組成物G~H(比較例3~4)のジオクチルスルホサクシネート塩及びドデシル硫酸塩を用いたものは、実施例と同じ挙動を示す場合と示さない場合があり、試験間で効果が安定していなかった。この結果より、1価塩のアルキルアリールスルホン酸塩が特異的に粘度上昇を抑える可能性があると推測される。
【0062】
〔実施例5及び比較例11〕
アルキルアリールスルホン酸塩の有無による、疫病防除効果の違いを評価した。
下記表4に示す組成の組成物O(実施例5)及び組成物P(比較例11)を調製した。
また、表4に示す成分の詳細は以下の通りである。
・BiP原体:クミアイ化学社製
・POEドデシルエーテル:Croda社製、Brij L4
・分岐ドデシルベンゼンスルホン酸Ca:Solvay社製、RHODACAL 70
・POEひまし油:Croda社製、ETOCAS 10
・ジイソプロピルナフタレンスルホン酸Na:Solvay社製、SUPRASIL WP
・疎水性シリカ:日本アエロジル社製、AEROSIL R805
・植物油由来FAME:Mosselman社製、METHYL OLEATE HO
【0063】
【0064】
第6複葉期のトマト(品種:ポンテローザ)1株を植えた0.09m×0.09mのポットを0.25m2のテーブルに3個配置した。上記組成物O及びPのそれぞれを水で300倍に希釈した希釈液を、上記0.25m2の面積に対して、7.5ml散布されるような散布量割合(300リットル/haに相当)で、コンプレッサーガンを用いて散布した。
次いで、トマトを用いて継代したバレイショ疫病菌罹病葉を、蒸留水に入れてよく攪拌し、3×105遊走子嚢数/mlの遊走子嚢懸濁液を調製した。該懸濁液を、前記散布処理したポットの植物に、ハンドスプレーを用いて均一に噴霧接種した。その後、ただちにポットを温室(20℃,100%RH,暗所)に移動し、調査時まで管理した。
遊走子嚢懸濁液の噴霧接種3~4日後に、各複葉(第3~5複葉)について、下記の基準にしたがって指数調査し、発病度および防除価を算出した。
【0065】
発病度=(Σ(程度別発病葉数×指数))/(調査株数×4)×100
防除価=(1-(処理区の発病度/無処理区の発病度))×100
発病指数 0:発病なし
1:病斑面積5%未満
2:病斑面積5%以上33.3%未満
3:病斑面積33.3%以上66.6%未満
4:病斑面積66.6%以上
【0066】
その結果、防除価は、組成物O及びPのいずれを用いた場合も100であった。以上のことから、BiPをFAMEで分散し、BiPの農薬活性を高めた油状懸濁物に、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸Naを添加しても、農薬活性が維持されていることがわかる。
【0067】
〔実施例6及び比較例12〕
上記の組成物O及びPにおいて、降雨に対する疫病防除効果の違いを評価した。
各組成物の希釈液の散布と遊走子嚢懸濁液の散布の間に、以下の降雨処理を行った以外は、上記実施例5及び比較例11と同様にして、防除価を求めた。
降雨処理は、各組成物の希釈液の散布の1時時間後に、30mm/hrの降水量に相当する降雨処理を2時間実施し、その後1時間風乾することにより行った。
その結果、組成物O及びPの疫病防除効果は同等程度であった。
【0068】
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
なお、本願は、2018年10月10日付で出願された日本国特許出願(特願2018-192087)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。