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特許7369709クロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】クロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/744 20150101AFI20231019BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20231019BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20231019BHJP
【FI】
A61K35/744
A61P31/04
A23L33/135
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020551101
(86)(22)【出願日】2019-10-04
(86)【国際出願番号】 JP2019039254
(87)【国際公開番号】W WO2020075637
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-07-06
(31)【優先権主張番号】P 2018191488
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】500580677
【氏名又は名称】ニュートリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098121
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 世津子
(74)【代理人】
【識別番号】100107870
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 健一
(72)【発明者】
【氏名】川口 晋
(72)【発明者】
【氏名】加藤 美穂
【審査官】植原 克典
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-320946(JP,A)
【文献】国際公開第2018/139503(WO,A1)
【文献】特開2003-261453(JP,A)
【文献】特開2002-179580(JP,A)
【文献】業界ルポ企業,食品工業,Vol.44, No.1,2000年,p.20-29
【文献】J Med Microbiol,1994年,Vol.40,p.179-187
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/744
A61P 31/04
A23L 33/135
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンテロコッカス・フェカリスの死菌を含有するクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
【請求項2】
エンテロコッカス・フェカリスがEF-2001株である請求項記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
【請求項3】
エンテロコッカス・フェカリスの死菌が経口投与されるように用いられる請求項1又は2に記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
【請求項4】
1回あたり1億~1,000億 CFU/kg体重のエンテロコッカス・フェカリスの死菌が経口投与されるように用いられる請求項記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
【請求項5】
1日に1回以上、1回あたり1億~1,000億 CFU/kg体重のエンテロコッカス・フェカリスの死菌が経口投与されるように用いられる請求項記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
【請求項6】
1日に1回以上5回以下の回数で、1回あたり1億~1,000億 CFU/kg体重のエンテロコッカス・フェカリスの死菌が経口投与されるように用いられる請求項記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
【請求項7】
1回あたり10~500億 CFU/kg体重のエンテロコッカス・フェカリスの死菌が経口投与されるように用いられる請求項記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
【請求項8】
1日に1回以上、1回あたり10~500億 CFU/kg体重のエンテロコッカス・フェカリスの死菌が経口投与されるように用いられる請求項記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
【請求項9】
1日に1回以上5回以下の回数で、1回あたり10~500億 CFU/kg体重のエンテロコッカス・フェカリスの死菌が経口投与されるように用いられる請求項記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
【請求項10】
1回あたり120億 CFU/kg体重以上のエンテロコッカス・フェカリスの死菌が経口投与されるように用いられる請求項記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
【請求項11】
1日に1回以上、1回あたり120億 CFU/kg体重以上のエンテロコッカス・フェカリスの死菌が経口投与されるように用いられる請求項10記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
【請求項12】
1日に1回以上5回以下の回数で、1回あたり120億 CFU/kg体重以上のエンテロコッカス・フェカリスの死菌が経口投与されるように用いられる請求項11記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
【請求項13】
エンテロコッカス・フェカリスの死菌が7日以上経口投与されるように用いられる請求項12のいずれかに記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
【請求項14】
クロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防に用いられる請求項1~13のいずれかに記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
【請求項15】
クロストリジウム・ディフィシル菌感染症の治療に用いられる請求項1~13のいずれかに記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
【請求項16】
エンテロコッカス・フェカリスの死菌を含有するクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療用医薬品。
【請求項17】
エンテロコッカス・フェカリスの死菌を含有するクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療用食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
クロストリジウム・ディフィシル感染症(Clostridium difficile infection, CDI)は、抗菌薬使用などによる消化管細菌叢の破綻により発症することが多い。その殆どは、抗菌薬を使用していることが多く、さらに、加齢や基礎疾患の有無等が罹患因子となる。
【0003】
CDIのほとんどが消化管感染症であり、症状は下痢や腹痛が多いが、発熱や白血球増多を伴うこともあり、重篤になれば中毒性巨大結腸、イレウス、消化管穿孔により死に至る場合もある。
【0004】
クロストリジウム・ディフィシルは消化管に保有しているが症状を呈しない「キャリア」が認められ、抗菌薬がよく使用される入院患者ではこの「キャリア」が多くみられる。クロストリジウム・ディフィシルは、CDI患者および無症候キャリアの糞便とともに排泄され、医療従事者の手指を含めた環境を汚染し、医療関連感染として問題となる。したがって、オムツ交換のような排泄ケアが必要な高齢者が多く入院し、抗菌薬適正使用を含めた感染管理が充分に行われていない医療現場では、よく認められる感染症である。しかし抗菌薬の乱用や感染管理が充分でない医療機関では、CDIに対する関心および知識が低いため、本疾患が適切に診断されずに、発生率が表面上低いことが多く問題視されている。
このように医療機関や高齢者施設では、CDIが慢性化しやすい環境にあり、感染予防策を講じる必要性が議論されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】ディフィシル菌感染症の基礎と臨床,モダンメディア56巻10号,2010 www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM1010_01.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、新たなクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意努力した結果、エンテロコッカス属に属する乳酸菌がクロストリジウム・ディフィシル菌感染を予防及び/又は治療できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)エンテロコッカス属に属する菌を含有するクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(2)エンテロコッカス属に属する菌が乳酸球菌である(1)記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(3)乳酸球菌がエンテロコッカス・フェカリスである(2)記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(4)エンテロコッカス・フェカリスがEF-2001株である(3)記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(5)エンテロコッカス属に属する菌が死菌である(1)~(4)のいずれかに記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(6)エンテロコッカス属に属する菌が経口投与されるように用いられる(1)~(5)のいずれかに記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(7)1回あたり1億~1,000億 CFU/kg体重のエンテロコッカス属に属する菌が経口投与されるように用いられる(6)記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(8)1日に1回以上、1回あたり1億~1,000億 CFU/kg体重のエンテロコッカス属に属する菌が経口投与されるように用いられる(7)記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(9)1日に1回以上5回以下の回数で、1回あたり1億~1,000億 CFU/kg体重のエンテロコッカス属に属する菌が経口投与されるように用いられる(8)記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(10)1回あたり10~500億 CFU/kg体重のエンテロコッカス属に属する菌が経口投与されるように用いられる(6)記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(11)1日に1回以上、1回あたり10~500億 CFU/kg体重のエンテロコッカス属に属する菌が経口投与されるように用いられる(10)記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(12)1日に1回以上5回以下の回数で、1回あたり10~500億 CFU/kg体重のエンテロコッカス属に属する菌が経口投与されるように用いられる(11)記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(13)1回あたり120億 CFU/kg体重以上のエンテロコッカス属に属する菌が経口投与されるように用いられる(6)記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(14)1日に1回以上、1回あたり120億 CFU/kg体重以上のエンテロコッカス属に属する菌が経口投与されるように用いられる(13)記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(15)1日に1回以上5回以下の回数で、1回あたり120億 CFU/kg体重以上のエンテロコッカス属に属する菌が経口投与されるように用いられる(14)記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(16)エンテロコッカス属に属する菌が7日以上経口投与されるように用いられる(6)~(15)のいずれかに記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(17)クロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防に用いられる(1)~(16)のいずれかに記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(18)クロストリジウム・ディフィシル菌感染症の治療に用いられる(1)~(16)のいずれかに記載のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤。
(19)エンテロコッカス属に属する菌を含有するクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療用医薬品。
(20)エンテロコッカス属に属する菌を含有するクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療用食品。
(21)エンテロコッカス属に属する菌を医薬的に有効な量で被験者に投与することを含む、クロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療方法。
(22)クロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療のための、エンテロコッカス属に属する菌の使用。
(23)クロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療方法に使用するための、エンテロコッカス属に属する菌。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、クロストリジウム・ディフィシル菌感染を予防及び/又は治療できる。
本明細書は、本願の優先権の基礎である日本国特許出願、特願2018‐191488の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1の試験結果(生存率(Kaplan-Meier plot の結果))を示す。
図2】実施例1の試験結果(体重)を示す。
図3】実施例1の試験結果(摂餌量)を示す。
図4】実施例1の試験結果(摂水量)を示す。
図5-1】実施例1の試験結果(Clostridium difficile(ATCC43255、以下C. difficile)接種前日の糞便中の生菌数)を示す。
図5-2】実施例1の試験結果(C. difficile接種1日後の糞便中の生菌数)を示す。
図5-3】実施例1の試験結果(C. difficile接種4日後の糞便中の生菌数)を示す。
図5-4】実施例1の試験結果(C. difficile接種22日後の糞便中の生菌数)を示す。
図6】実施例1の試験日程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態についてより詳細に説明する。
【0012】
本発明は、エンテロコッカス属に属する菌を含有するクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤を提供する。
【0013】
エンテロコッカス属に属する菌は、乳酸球菌であるとよく(例えば、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・アビウム(Enterococcus avium)、エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)、エンテロコッカス・カセリフラブス(Enterococcus casseliflavus)など)、生体応答調節物質(Biological Response Modifier, BRM)活性(薬学誌 112:919-925 1992;薬学誌 113:396-399 1992;動物臨床医学 3:11-20 1994 )を有するものが好ましい。エンテロコッカス・フェカリスは、BRM活性を有する乳酸球菌として知られている。エンテロコッカス・フェカリスEF-2001株は日本ベルム株式会社(東京都千代田区永田町2-14-3)から入手できる。
【0014】
Enterococcus Faecalis-2001株は、正常の人の糞便から採取することができ、下記の性質を有している。
【0015】
グラム陽性球菌である。コロニーの形(トリプトソーヤ寒天培地、24時間培養):直径1.0mm,スムーズ、正円形、白色コロニー菌形態:球から卵円形(1.0×1.5μm)液体培地でよく連鎖する。芽胞非形成。通性嫌気性。グルコースを発酵し乳酸産生(最終pH4.3)。ガス非産生。カタラーゼ 陰性。10~45℃で増殖(最適は37℃)。pH9.6、6.5%NaCl、40%bileに増殖。0.04%亜テルルサンカリウム 陽性。0.01%テトラゾリウム 陽性。0.1%メチレンブルーミルク 陽性。アルギニンを加水分解。アミグダリン、セロビオース、フルクトース、ガラクトース、グルコース、グリセロール、ラクトース、マルトース、マンノース、マンニトール、リボース、サリシン、シュークロース、メレチトース、ソルビトールを発酵して酸産生。60℃、30分 耐性。カゼイン、ゲラチンを消化。チロシンを脱炭酸しチラミンに。Lancefield抗原グループ D。GC% 35.0±1.0%
エンテロコッカス属に属する菌は、生菌であっても、死菌であってもよく、菌体には、破壊処理(ホモジナイズ処理、酵素処理、超音波処理など)、加熱、乾燥(凍結乾燥、噴霧乾燥など)等の処理が施されてもよい。加熱処理により、生菌が死菌となりうる。生菌には乳酸発酵による作用が期待でき、死菌には腸管免疫賦活作用が期待できる。菌体の粒径は、0.05μm~50μmであるとよく、好ましくは、0.08~20μmであり、より好ましくは、0.1~10μmである。菌体は、希釈剤と混合した後、糊料を添加して、顆粒状としてもよい。希釈剤や糊料は、食品や医薬品に添加するものとして許可されている材料から選択するとよい。
【0016】
本発明のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤は、クロストリジウム・ディフィシル菌感染防御に用いることができる。本明細書において、「感染防御」とは、感染の予防のみならず、治療も含む概念である。本発明のクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療剤は、医薬品として、あるいは、食品添加物として、使用することができる。クロストリジウム・ディフィシル菌は、多剤耐性クロストリジウム・ディフィシル菌であってもよい。
【0017】
本発明は、エンテロコッカス属に属する菌を含有するクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療用医薬品を提供する。
【0018】
医薬として用いる場合には、エンテロコッカス属に属する菌を単独で、あるいは賦形剤または担体と混合し、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤、シロップ、エアロゾル、坐剤、注射剤等に製剤化するとよい。賦形剤または担体は、当分野で常套的に使用され、医薬的に許容されるものであればよく、その種類及び組成は適宜選択される。例えば、液状担体としては水、植物油などが用いられる。固体担体としては、乳糖、白糖、ブドウ糖などの糖類、バレイショデンプン、トウモロコシデンプンなどのデンプン、結晶セルロースなどのセルロース誘導体などが使用される。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロースなどの結合剤、カルボキシメチルセルロースなどの崩壊剤等を添加してもよい。その他、抗酸化剤、着色剤、矯味剤、保存剤等を添加してもよい。また、凍結乾燥製剤として用いたりすることもできる。
【0019】
エンテロコッカス属に属する菌は、経口、経鼻、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内などの種々の経路によって投与できる。
【0020】
エンテロコッカス属に属する菌の製剤中における含量は、製剤の種類により異なるが、通常0.001~100質量%、好ましくは0.01~100質量%である。
【0021】
エンテロコッカス属に属する菌の投与量は、医薬的に有効な量、すなわち、クロストリジウム・ディフィシル菌感染の予防及び/又は治療効果が確認できる量であればよく、剤型、投与経路、患者の年齢、体重、疾患の重篤度などにより異なるが、例えば1回当たりの投与量は成人の場合、エンテロコッカス属に属する菌の量に換算して、1億~1,000億 CFU/kg体重程度、好ましくは10億~500億 CFU/kg体重程度、より好ましくは60億~120億 CFU/kg体重程度とし、1日に1回から数回(例えば、2回、3回、4回、5回程度)投与するとよい。投与期間は、特に限定されないが、例えば、7日以上、10日以上、17日以上である。
【0022】
エンテロコッカス属に属する菌は、食品に添加してもよい。本発明は、エンテロコッカス属に属する菌を含有するクロストリジウム・ディフィシル菌感染症の予防及び/又は治療用食品を提供する。
【0023】
本発明の食品には、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムなどの一般成分、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラル類、鉄、亜鉛、銅、セレン、クロムなどの微量元素、ビタミンA、β-カロテン、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ナイアシン、葉酸、ビタミンD、ビタミンE、ビオチン、パントテン酸などのビタミン類、コエンザイムQ10、α-リポ酸、ガラクトオリゴ糖、食物繊維、賦形剤(水、カルボキシメチルセルロース、乳糖など)、甘味料、矯味剤(リンゴ酸、クエン酸、アミノ酸など)、香料などを添加してもよい。本発明の食品を液剤とする場合、食品成分を分散または溶解する液体として、水、生理食塩水、果汁等を用いることができ、経口投与における味覚向上の目的では、果汁を用いるとよい。
【0024】
本発明の食品は、粉末、顆粒、錠剤、液剤などのいかなる形状としてもよいが、病人や高齢者が容易に摂取可能とするためには、ゼリーなどのゲル状製品とすることが好ましい。
【0025】
ゲル化剤としては、デキストリン、寒天、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ペクチンなどの増粘多糖類、ジェランガム、サイリュームシードガム、タラガム、グアガム、グルコマンナンアルギン酸、タマリンドシードガム、セルロースなどを用いることができ、1種又は2種以上の増粘多糖類を用いることが好ましい。ゲル状製品のゲル強度は、5℃におけるゲル強度が7,000±2,000 N/m2であることが好ましく、また、ゲル強度が7,000±2,000 N/m2のとき、付着エネルギーが60±40 J/m3であり、凝集性が0.7±0.1 J/m3であることがより好ましい。このように付着性が低く、凝集性が高いゲルは優れた嚥下適性を有する。
【0026】
ゲル強度は、以下のようにして測定することができる。ゲル強度測定機器としては、山電テクスチュロメーター及びφ16mmのプランジャーを用い、測定温度25℃、圧縮速度(プランジャーを押し込む速度)10mm/s、測定歪率(試料の厚みに対する押し込み率)40.00%、プランジャーを押し込む距離10.00mm、プランジャーを押し込む回数2回にて測定を行う。
【0027】
付着エネルギーは上記ゲル強度測定において、1回押し込んだ後、プランジャーを引き抜くときの負のエネルギーとして測定する。
【0028】
凝集性は上記ゲル強度測定において、2回押し込んだ時に1回目と2回目のエネルギーの比率として測定する。
【0029】
エンテロコッカス属に属する菌の摂取量は、クロストリジウム・ディフィシル菌感染の予防及び/又は治療効果が確認できる量であればよく、剤型、投与経路、患者の年齢、体重、疾患の重篤度などにより異なるが、例えば1回当たりの摂取量は成人の場合、エンテロコッカス属に属する菌の量に換算して、1億~1,000億 CFU/kg体重程度、好ましくは10億~500億 CFU/kg体重程度、より好ましくは60億~120億 CFU/kg体重程度とし、1日に1回から数回(例えば、2回、3回、4回、5回程度)摂取するとよい。
【実施例
【0030】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕乳酸菌EF-2001株のクロストリジウム・ディフィシル菌感染防御試験
クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染モデルを用いて、乳酸菌含有飲料を経口投与し、クロストリジウム・ディフィシルの感染防御効果について生存率等を指標として評価した。
【0031】
(材料及び方法)
被験物質及び媒体
・被験物質
名称:乳酸菌粉末EF-2001(日本ベルム株式会社)(加熱殺菌したE. faecalis、径は500 nm=0.5μm)
性状:黄褐色の粉末
保管条件:室温、遮光、防湿
管理温度:18.0~28.0°C
【0032】
・媒体
名称:注射用水
保管条件:室温
管理温度:18.0~28.0°C
製造元:株式会社大塚製薬工場
【0033】
投与検体
・被験物質
調製方法
乳酸菌粉末EF-2001を20 mg秤量(電子天秤:XP205DR、メトラー・トレド株式会社)し、注射用水に懸濁後、全量を125 mLにし、0.16 mg/mLとした。乳酸菌粉末は沈殿するため、良く撹拌し、懸濁した。用時調製とした。
【0034】
病原微生物
・使用菌株
Clostridium difficile(ATCC43255、以下C. difficile)
【0035】
・保存条件
超低温フリーザー(管理温度:-90 ~ -70°C、MDF-394AT、三洋電機株式会社)で使用時まで凍結保存した。
【0036】
・試薬
(1) GAM寒天培地(日水製薬株式会社)
(2) GAMブイヨン培地(日水製薬株式会社)
(3) 生理食塩液(株式会社大塚製薬工場)
【0037】
・前培養
C. difficileの保存菌株を解凍し、GAM寒天培地に接種し、脱酸素剤を充填した嫌気ジャーに入れ、37°C設定の恒温器(ILE800、ヤマト科学株式会社)で5日間培養した。培養後、コロニーを釣菌し、GAMブイヨン培地に加え、脱酸素剤を充填した嫌気ジャーに入れ、37°C設定の恒温器で2日間培養した。培養後の培養液を接種菌原液とした。
【0038】
・接種菌液の調製及び生菌数確認
接種菌原液を生理食塩液で10倍希釈したものを接種菌液とした。
生菌数確認は、接種菌液の一部を採取し、生理食塩液で適宜希釈し、GAM寒天培地に塗沫後、脱酸素剤を充填した嫌気ジャーに入れ、37°C設定の恒温器で5日培養した。培養後のコロニー数をハンディコロニーカウンター(CC-1、アズワン株式会社)で計測し、接種菌液1 mL中に含まれる生菌数を算出した。その結果、接種菌液の生菌数は、3.5×105 CFU/ mLであった。
【0039】
試験系
・動物種、系統
動物種:ハムスター(SPF)
系統:Slc:syrian
【0040】
・動物の性別、週齢、入手匹数
雄、3週齢、33匹
【0041】
・入手後1日の体重範囲
40.8 ~ 58.0 g
【0042】
・供給源
日本エスエルシー株式会社
【0043】
・予備飼育
入手した動物は5日間の予備飼育期間を設けた。この間に一般状態の観察を1日1回行い、電子天秤(MS3002S/02、メトラー・トレド株式会社)で体重を2回(動物入手の翌日及び予備飼育期間終了日)測定し、体重推移及び一般状態に異常の認められない動物を群分けに用いた。
【0044】
・群分け方法
群分けはコンピュータプログラム(IBUKI、株式会社日本バイオリサーチセンター)を用いて、体重を層別に分けたのち、無作為抽出法により各群の平均体重及び分散がほぼ等しくなるように群分け日に行った。
【0045】
・個体識別法
動物は入手日に油性インクによる背部及び四肢への色素塗布法を併用して識別をした。群分け後には、ラベルと同色の油性インクを用いて背部及び四肢への色素塗布法により識別した。各ケージには、予備飼育期間中は試験番号、入手年月日、予備飼育動物番号を記入したラベルを、群分け後は試験番号、群名称及び動物番号を記入し、群ごとに色分けしたラベルを取り付けた。
【0046】
・環境条件及び飼育管理
管理温度:18 ~ 28°C(実測値:19~25°C)、管理湿度:30 ~ 80%(実測値:47~65%)、明暗各12 時間(照明:午前6時 ~ 午後6時)に維持された飼育室(木曽三川分室 飼育室 2号室)で動物を飼育した。動物は予備飼育期間中及び群分け後とも、プラスチック製ケージ(W:175 × D:245 × H:125 mm)に金網製スノコを敷き、個別飼育とした。
ケージ、給餌器及び金網製スノコの交換は1 週間に1回以上、給水瓶の交換は1週間に2回以上行った。動物飼育室の清掃は、消毒液を浸したモップによる床の拭き消毒を毎日実施した。なお、飼育終了後に動物飼育室をアクトリル(Minntech Corporation)を用いて噴霧消毒を行った。
【0047】
・飼料
製造後5ヵ月以内のγ線照射飼料(30kGy照射CRF-1、オリエンタル酵母工業株式会社)を給餌器に入れて自由に摂取させた。ただし、菌液接種後20時間絶食した。
使用した飼料のロットについて、γ線照射前の飼料中の汚染物質濃度、細菌数及び栄養成分含量が試験施設の許容基準に適合していることを確認した。
【0048】
・飲料水
塩素塩酸水[オートクレーブ処理(121°C、15分間)した水道水1 Lに対して5%次亜塩素酸ナトリウム(バイゲンラックス、株式会社カズサ)1 mL、塩酸(1N、富士フィルム和光純薬株式会社)7 mL添加]を給水瓶に入れて、自由に摂取させた。水道水中の汚染物質濃度をほぼ6カ月ごとに分析し、分析値が試験施設の許容基準に適合していることを確認した。
【0049】
投与
・投与経路:経口
【0050】
・投与方法
ラット用ゾンデ(有限会社 フチガミ器械)を装着した1 mL容及び2.5 mL容ディスポーザブルシリンジ(テルモ株式会社)を用いて、強制的に経口投与した。なお、投与時には検体を攪拌して必要量を採取した。
【0051】
・投与液量、投与時刻、投与回数及び投与期間
投与液量:投与日の体重値を基に10 mL/kgで算出した。
投与時刻:午前11時に第1群から順次行った。
投与回数:1日1回とした。
投与期間:投与開始日を1日と起算した。被験物質の投与は第1群及び第2群では菌液接種前7日間、菌液接種日から22日間投与した(第1群では注射用水)。第3群では菌液接種日から22日間投与した。ただし、第3群では菌液接種前7日間は注射用水を投与した。
【0052】
・群構成
動物数及び群構成を下表に示した。
*:媒体である注射用水を投与した。
**:菌接種前7日間は注射用水を1日1回投与した。
乳酸菌粉末EF-2001を 80 mg/125mLの量で1日1回マウスに投与することは、120 億CFU/kg/日の投与量に相当する。
【0053】
クリンダマイシン投与方法及び菌液接種方法
菌液接種3日前の投与後に、クリンダマイシン(ダラシン(登録商標)S注射液300 mg、ファイザー株式会社)100 mg/kgを1回/日を3日間連続で腹腔内投与(液量:10 mL/kg)した。クリンダマイシン最終投与翌日に接種菌液1 mLを経口接種した。なお、接種ごとに接種菌液を攪拌して用いた。菌液は、被験物質投与の2時間前に接種した。
【0054】
観察及び検査
・一般状態の観察
群分け日から菌液接種前日までは、1日1回投与前に、菌液接種日から接種後10日までは1日4回(午前2回、午後2回)に、接種後11日以降は午前午後に1回の計2回観察した。なお、菌液接種日は、菌液の接種前に午前1回目を行った。
【0055】
・体重測定
投与開始日以降は毎日体重を測定(電子天秤:MS3002S/02、ME3002、メトラー・トレド株式会社)した。
【0056】
・摂餌量及び摂水量の測定
群分け日以降、毎日給餌器及び給水瓶ごと給餌量及び給水量を測定(電子天秤:MS3002S/02、ME3002、メトラー・トレド株式会社)し、翌日に残量を測定した。給餌量及び給水量とそれぞれの残量の差から、1日あたりの摂餌量及び摂水量を算出した。
【0057】
・人道的エンドポイント
接種4日後にM01101及びM01106で一般状態で重篤な所見(横臥位及び体温低下)が認められたため、イソフルラン麻酔下で安楽死させた。
【0058】
・糞便採取及び糞便中の菌数測定
接種前日、接種後1日、4日及び観察終了日に生存全例の糞便を遠心管に採取した。採取後、糞便の重量を測定(電子天秤:ME204、メトラー・トレド株式会社)した。糞便にPBSを2 mL加え懸濁した。この懸濁液を原液とし、PBS で102、104倍の希釈溶液を調製した。原液及び希釈溶液の100 μLをCCFA培地(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)上に塗抹し、脱酸素剤を充填した嫌気ジャーに入れ、37°C設定の恒温器で5日間培養した。培養後のコロニー数をハンディコロニーカウンター(CC-1、アズワン株式会社)で計測した。コロニー数が計測可能な最大希釈倍率から算出されるコロニー数を採用した。
【0059】
統計学的方法
各群で生存率を算出した。体重、摂餌量、摂水量及び糞便中の菌数は各群の平均値及び標準誤差を算出した。
有意差検定は生存率では、観察日ごとに対照群と各群間でFisher正確確率検定を用いた。観察期間全体についてはKaplan-Meier plotを実施しLogrank test検定を行い、群間比較については多重性の調整をするためHolm補正をした。
体重、摂餌量、摂水量及び糞便中の菌数の有意差検定は、多重比較検定を用いた。すなわち、Bartlett法による等分散性の検定を行い、等分散の場合にはTukey検定を用いて行った。一方、等分散と認められなかった場合は、Steel-Dwass検定を用いて行った。
危険率は5%とし、それぞれ5%未満及び1%未満に分けて表示した。
なお、統計解析は市販の統計プログラム(SASシステム:SASインスティチュートジャパン)を用いた。
【0060】
(試験成績)
一般状態
観察結果を表1に示した。生存率については、Kaplan-Meier plotを図1に示した。
対照群では、接種1日後から軟便が、接種3日後から立毛がみられた。接種4日後に2例が瀕死を呈したため安楽死した。死亡は、接種6日後に4例、接種7日後に2例みられた。接種22日後の生存率は20%であった。
全期間投与群では、対照群と同様に軟便と立毛がみられたが、立毛の発現例数は少なかった。接種7日後に1例が死亡した。接種22日後の生存率は90%であり、対照群と比較して、接種6日後以降に有意な高値(Fisher正確確率検定)がみられ、観察期間全体(Logrank test検定)にも有意な高値がみられた。
菌接種後投与群では、対照群と同様に軟便と立毛がみられたが、立毛の発現例数は少なかった。接種7日後に2例が死亡した。接種22日後の生存率は80%であり、対照群と比較して、接種6日後以降に有意な高値(Fisher正確確率検定)がみられ、観察期間全体(Logrank test検定)にも有意な高値がみられた。














































(表1)










【0061】
体重
体重を図2に示した。
対照群では、平均体重が接種1日後に減少したが、その後は順調に推移した。
全期間投与群及び菌接種後投与群とも、対照群と同様に推移した。
【0062】
摂餌量
測定結果を図3に示した。
対照群では、平均摂餌量が接種2日前(クリンダマイシン初回投与翌日)に一過性に減少したが、その後は回復した。
全期間投与群では、対照群と同様に摂取した。
菌接種後投与群では、対照群と同様に摂取した。対照群と比較して、接種5日後に有意な高値が認められた。
【0063】
摂水量
測定結果を図4に示した。
対照群では、平均摂水量が接種2日前(クリンダマイシン初回投与翌日)に一過性に減少した。その後、変動はみられるものの、クリンダマイシン投与前の摂水量と変わらない推移を示した。
全期間投与群及び菌接種後投与群とも、平均摂水量が対照群とほぼ同様であった。
【0064】
糞便中の生菌数
測定結果を図5-1~5-4に示した。
接種前日の糞便中では、全群とも生菌は検出されなかった(図5-1)。
接種1日後の糞便中では、対照群で53.6 ± 6.4×103CFU/mL、全期間投与群で21.6 ± 1.6×103CFU/mL、菌接種後投与群で39.3 ± 3.3×103CFU/mLであった(図5-2)。全期間投与群で対照群と比較して有意な低値が、菌接種後投与群で全期間投与群と比較して、有意な高値が認められた。
接種4日後の糞便中では、対照群で397.4 ± 50.6×103CFU/mL、全期間投与群で16.0 ± 4.9×103CFU/mL、菌接種後投与群で19.7 ± 4.5×103CFU/mLであった(図5-3)。全期間投与群及び菌接種後投与群で、対照群と比較して、有意な低値が認められた。
接種22日後の糞便中では、対照群で2.1×103CFU/mL、全期間投与群で0.4 ± 0.3×103CFU/mL、菌接種後投与群で0.7 ± 0.3×103CFU/mLであった(図5-4)。
【0065】
(考察)
クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染モデルを用いて、乳酸菌含有飲料を経口投与し、クロストリジウム・ディフィシルの感染と投与開始時期のタイミングが感染防御に及ぼす影響を生存率等の指標にて評価し、最も効果的な摂取条件を検討した。
軟便は全例で認められたが、立毛は対照群で全例にみられたのに対し、乳酸菌粉末を投与した場合、1/10例あるいは2/10例とごく少数例の発現であった。
生存率は、対照群が20%(8/10例死亡)に対し、全期間投与群が90%(1/10例死亡)、菌接種後投与群が80%(2/10例死亡)であり、乳酸菌粉末の投与により、有意な上昇がみられた。
糞便中の生菌数は、接種1日後で全期間投与群、菌接種後投与群、対照群の順に低値であり、乳酸菌粉末群間で差異が認められた。接種4日後及び22日後とも乳酸菌粉末群で対照群より低値であったが、乳酸菌粉末群間で差異は認められなかった。
体重、摂餌量及び摂水量の変化は、乳酸菌粉末群で対照群と同様な推移であり、乳酸菌粉末群間に差異はなかった。
以上から、乳酸菌含有飲料の成分である乳酸菌粉末EF-2001の摂取は、クロストリジウム・ディフィシルの接種前から開始し、接種後も継続することが感染防御に効果的であることが示された。他方、クロストリジウム・ディフィシルは接種後の摂取でも、感染防御に及ぼす効果が認められた。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、クロストリジウム・ディフィシル菌の感染の予防及び/又は治療に利用できる。
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図5-4】
図6