(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】遊園地会場における効率的な配席のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231019BHJP
G16Y 10/65 20200101ALI20231019BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16Y10/65
(21)【出願番号】P 2020563416
(86)(22)【出願日】2019-05-09
(86)【国際出願番号】 US2019031609
(87)【国際公開番号】W WO2019217742
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2022-04-06
(32)【優先日】2018-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】リングアンティ ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ルーデン ジェイク
(72)【発明者】
【氏名】キャリー ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ハーンド ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】ビアー アンドリュー ジャクソン
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-284683(JP,A)
【文献】特開2008-129963(JP,A)
【文献】特開平11-272784(JP,A)
【文献】特開2002-311170(JP,A)
【文献】特開2006-018550(JP,A)
【文献】特開2018-036700(JP,A)
【文献】特表2007-509396(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0168390(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16Y 10/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊園地アトラクションのアトラクション乗り物車両の配席ガイドを提供するシステムであって、
ディスプレイを伴うコンピュータ装置と、
前記コンピュータ装置の1又は2以上のプロセッサと、
前記アトラクション乗り物車両に関する情報を記憶するとともに配席アプリケーションに対応する命令を記憶する、前記コンピュータ装置の1又は2以上のメモリデバイスと、
を備え、前記配席アプリケーションは、前記1又は2以上のプロセッサによって実行された時に、
オペレータからのゲスト又はゲストグループの配席入力データを受け取るインターフェイスを提供し、
前記配席入力データを前記アトラクション乗り物車両に関する前記情報と組み合わせて配席ロジックに基づいて処理して、前記アトラクション乗り物車両内の前記ゲスト又は前記ゲストグループのシート位置情報を提供し、
前記ディスプレイを介して前記シート位置情報を出力し、
前記アトラクション乗り物車両内の空席を示すデータを受け取り、
前記アトラクション乗り物車両内の空席を示す前記データに基づいて前記オペレータの指標を生成する、
ことを前記コンピュータ装置に行わせる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記1又は2以上のメモリデバイスによって記憶された前記アトラクション乗り物車両に関する前記情報は
、乗り物状態モデルを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記乗り物状態モデルは、少なくとも前記アトラクション乗り物車両のシートレイアウト、いずれかの車椅子対応シートの利用可能性及び位置、前記シートレイアウト内のシートを前記インターフェイスを介してオフラインにできるかどうか、又は前記アトラクション乗り物車両が介助動物を認めるかどうかを含む、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記配席アプリケーションは、前記1又は2以上のプロセッサによって実行された時に、前記シート位置情報の変化を示すオペレータ入力データを受け取ったことに応答して前記乗り物状態モデルを調整するように構成される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンピュータ装置はポータブルコンピュータ装置であり、前記ディスプレイは、前記ポータブルコンピュータ装置のタッチ画面ディスプレイであり、前記インターフェイスは、前記アトラクション乗り物車両の占有席及び空席のシートマップのビューを提示するグラフィックユーザインターフェイス(GUI)である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記GUIは、前記タッチ画面ディスプレイを介して前記配席入力データを受け取り、前記ゲスト又はゲストグループが前記アトラクション乗り物車両に関連する乗り物乗車エリアを通過する際に、前記ゲスト又は前記ゲストグループを乗車させるための前記シート位置情報を出力するように構成される、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記アトラクション乗り物車両の乗り物占有率を追跡して前記アトラクション乗り物車両内の空席を示す前記データを提供するように構成された感知設備を備え、前記配席アプリケーションは、以前に提供された前記シート位置情報と追跡された乗り物占有率との間の不整合を識別したことに応答して、前記データを使用して最新のシート位置情報を提供するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記配席アプリケーションは、前記指標を追跡する分析ロジックを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記配席アプリケーションは、乗車効率に関する前記オペレータのスコアを生成するゲーム環境に前記追跡された指標を組み込むゲーミフィケーションロジックを含む、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ゲーミフィケーションロジックは、前記ゲーム環境に他の乗り物オペレータからのスコアを組み込んでさらに高い乗車効率を促す、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンピュータ装置と、前記配席アプリケーションを実行するように構成された複数のさらなるコンピュータ装置とに通信可能に結合された待ち行列及び配席コンピュータシステムを備え、前記待ち行列及び配席コンピュータシステムは、前記遊園地アトラクションの前記オペレータ及び他の乗り物オペレータ、オペレータチーム又はこれらの両方のスコアを追跡するリーダーボードを維持するように構成された、1又は2以上のメモリデバイス及び1又は2以上の処理装置を含む、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
遊園地会場であって、
ゲスト又はゲストグループを収容するシートの配列と、
1又は2以上のプロセッサ及び1又は2以上のメモリデバイスを有する、前記遊園地会場に関連するコンピュータ装置と、
感知システムと、
を備え、前記1又は2以上のメモリデバイスは、前記遊園地会場に関する情報を記憶するとともに配席アプリケーションに対応する命令を記憶し、前記配席アプリケーションは、前記1又は2以上のプロセッサによって実行された時に、
前記ゲスト又は前記ゲストグループの配席入力データをオペレータから受け取るインターフェイスを提供し、
前記配席入力データを前記遊園地会場に関する前記情報と組み合わせて配席ロジックに基づいて処理してガイドデータを生成し、
前記ガイドデータに基づいて、前記1又は2以上のプロセッサに通信可能に結合されたディスプレイを介して、前記遊園地会場の特定のシートに対する前記ゲスト又は前記ゲストグループについての指示を与えるガイドを出力し、
前記ゲストが前記遊園地会場の前記特定のシートを占有した後に、前記遊園地会場内の空席を示すデータを受け取り、
前記遊園地会場内の空席を示す前記データに基づいて前記オペレータの指標を生成する、
ことを前記コンピュータ装置に行わせ、
前記感知システムは、前記遊園地会場内の空席を示す前記データを取得するように構成される、
ことを特徴とする会場。
【請求項13】
前記遊園地会場へのゲストアクセスを待ち行列管理システムを介して制御するように構成された入口を備え、前記待ち行列管理システムは、前記遊園地会場への入場を待っているゲストの仮想待ち行列、物理的待ち行列又はこれらの両方をモニタして、前記コンピュータ装置によって出力された前記ガイドに基づいて前記遊園地会場内へのゲストアクセスを調整するように構成された装置を含む、
請求項12に記載の会場。
【請求項14】
前記待ち行列管理システムは、前記コンピュータ装置に通信可能に結合された待ち行列及び配席コンピュータシステムを含み、前記待ち行列及び配席コンピュータシステムは、前記仮想待ち行列を設定して維持するように構成された1又は2以上のネットワークコンピュータを含む、
請求項13に記載の会場。
【請求項15】
前記待ち行列及び配席コンピュータシステムに通信可能に結合され、前記遊園地会場に関連する物理的待ち行列をモニタして、前記待ち行列及び配席コンピュータシステムに前記物理的待ち行列内のゲストに関するフィードバックを提供するように構成された待ち行列モニタリング装置を備える、
請求項14に記載の会場。
【請求項16】
前記待ち行列及び配席コンピュータシステムは、前記待ち行列モニタリング装置によって生成された前記フィードバックに少なくとも部分的に基づいて、前記配席アプリケーションのアップデートを前記コンピュータ装置にプッシュ配信するように構成される、
請求項15に記載の会場。
【請求項17】
機械可読命令を含む有形の非一時的機械可読媒体であって、該機械可読命令は、
1又は2以上の遊園地アトラクションの仮想待ち行列及び配席の制御を可能にする機能を含む待ち行列及び配席コンピュータシステムにアクセスできるコンピュータ装置のディスプレイを介して、関連する配席ガイドユーザインターフェイス(UI)を有する配席アプリケーションの少なくとも一部をグラフィックユーザインターフェイス(GUI)上に提示して、前記1又は2以上の遊園地アトラクションの1又は2以上のシートを選択する配席入力をオペレータから受け取り、
前記1又は2以上の遊園地アトラクションの配席効率に関連する、インジケータ又は指標を定める分析データを使用して、前記GUI及び前記配席ガイドUIを介して配席ガイドプロセスを実行する、
ようにプロセッサによって実行可能であり、前記機械可読命令は、前記ディスプレイ上にレンダリングされる前記GUIの一部が、前記配席アプリケーションに関連する配席ロジックに従って前記配席ガイドプロセスが実行される方法に影響を与える複数の相互作用要素を含むようにするように構成され、前記機械可読命令は、
前記1又は2以上の遊園地アトラクションの1サイクル当たりの前記1又は2以上の遊園地アトラクション内の空席を示すデータを受け取り、
前記1又は2以上の遊園地アトラクション内の空席を示す前記データに基づいて前記オペレータの指標を生成する、
ように前記プロセッサによってさらに実行可能である、ことを特徴とする有形の非一時的機械可読媒体。
【請求項18】
前記オペレータの前記指標は、アトラクション乗り物車両の単一行又は連続行にゲストグループが割り当てられたことに基づいて高くなり、前記アトラクション乗り物車両の非連続行に前記ゲストグループが割り当てられたことに基づいて低くなる、
請求項17に記載の有形の非一時的機械可読媒体。
【請求項19】
前記データはカメラデータである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記配席アプリケーションは、前記コンピュータ装置に前記遊園地アトラクションの待ち時間情報を受け取らせ、前記指標は
、アトラクション待ち時間がゼロである期間中の空席を示す前記データについて前記指標が前記オペレータにペナルティを科さないように、前記待ち時間にさらに基づく、
請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2018年5月9日に出願された「乗り物車両の効率的な乗車のためのシステム及び方法(SYSTEMS AND METHODS FOR EFFICIENT LOADING OF A RIDE VEHICLE)」という名称の米国仮特許出願第62/669,172号、並びに2019年4月15日に出願された「待ち行列モニタリング、分析及びゲーミフィケーションシステム及び方法(QUEUE MONITORING, ANALYTICS, AND GAMIFICATION SYSTEMS AND METHODS)」という名称の米国仮特許出願第62/834,209号に基づく優先権及びその利益を主張するものであり、これらの両文献はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般に遊園地の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、遊園地乗り物及びその他のアトラクションの配席を含む遊園地体験の管理に利用される方法及び設備に関する。本開示の実施形態は、遊園地体験の管理を改善する方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
遊園地体験に対する需要が増加している。ゲスト(来園客)は、より大きく、より良好で、より精巧なアトラクションを求めてきた一方で、全体的な体験が肯定的であることも必要とし、これを期待する。遊園地ゲストの全体的な体験を肯定的なものにするには、いくつかのゲスト体験面の中でも特に、関連する待ち時間に影響を及ぼすとされてきたアトラクションの効率的な利用に関するいくつかの問題に対処する必要がある。実際に、今では、待ち時間に伴う嫌な体験を理由に遊園地ゲストが再び特定の遊園地を訪れることを思いとどまることもあると認識されている。従って、今では、乗り物システム及びその他のアトラクションの効率的な使用に影響を与える遊園地システム及び方法を改善することが望ましいと認識されている。
【0004】
本節は、以下で説明及び/又は特許請求する本技術の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、特許請求する主題の範囲を限定するものではなく、むしろ本主題の可能な形態の概要を示すものにすぎない。実際に、本主題は、以下に示す実施形態と類似し得る又は異なり得る様々な形態を含むことができる。
【0006】
ある実施形態では、遊園地アトラクションのアトラクション乗り物車両の配席ガイドを提供するシステムが、ディスプレイを伴うコンピュータ装置と、コンピュータ装置の1又は2以上のプロセッサと、アトラクション乗り物車両に関する情報を記憶するとともに配席アプリケーションに対応する命令を記憶する、コンピュータ装置の1又は2以上のメモリデバイスとを含む。配席アプリケーションは、1又は2以上のプロセッサによって実行された時に、コンピュータ装置に、ゲスト又はゲストグループの配席入力データを受け取るインターフェイスを提供し、配席入力データをアトラクション乗り物車両に関する情報と組み合わせて配席ロジックに基づいて処理してガイドデータを提供し、ガイドデータに基づいて、ディスプレイを介して、ゲスト又はゲストグループをアトラクション乗り物車両に乗車させるためのガイドを出力する、ことを行わせる。
【0007】
ある実施形態では、遊園地会場が、ゲストを収容するシート(座席)の配列と、1又は2以上のプロセッサ及び1又は2以上のメモリデバイスを有する、遊園地会場に関連するコンピュータ装置とを含む。1又は2以上のメモリデバイスは、遊園地会場に関する情報を記憶するとともに配席アプリケーションに対応する命令を記憶する。配席アプリケーションは、1又は2以上のプロセッサによって実行された時に、コンピュータ装置に、ゲスト又はゲストグループの配席入力データを受け取るインターフェイスを提供し、配席入力データを遊園地会場に関する情報と組み合わせて配席ロジックに基づいて処理してガイドデータを生成し、ガイドデータに基づいて、1又は2以上のプロセッサに通信可能に結合されたディスプレイを介して、遊園地会場の特定のシートに対するゲスト又はゲストグループについての指示を与えるガイドを出力することを行わせる。
【0008】
ある実施形態では、有形の非一時的機械可読媒体が、コンピュータ装置のディスプレイを介して配席アプリケーションの少なくとも一部をグラフィックユーザインターフェイス(GUI)上に提示するようにプロセッサによって実行可能な機械可読命令を含む。コンピュータ装置は、待ち行列及び配席コンピュータシステムにアクセスすることができ、待ち行列及び配席コンピュータシステムは、1又は2以上の遊園地アトラクションの仮想待ち行列及びシートの制御を可能にする機能を含む。配席アプリケーションの一部は、関連する配席ガイドユーザインターフェイス(UI)を有する。この命令は、1又は2以上の遊園地アトラクションの配席効率に関連する、インジケータ又は指標を定める分析データを使用して、GUI及び配席ガイドUIを介して配席ガイドプロセスを実行することを可能にするように実行可能でもある。機械可読命令は、ディスプレイ上にレンダリングされるGUIの一部が、配席アプリケーションに関連する配席ロジックに従って配席ガイドプロセスが実行される方法に影響を与える複数の相互作用要素を含むようにする、ように構成される。
【0009】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態による、待ち行列モニタリングシステムを含むテーマパークの概略図である。
【
図2】本開示の実施形態による待ち行列管理システムのブロック図である。
【
図3】本開示の実施形態による、
図2の待ち行列管理システムと共に使用されるアトラクション乗車エリアの概略図である。
【
図4】本開示の実施形態による、
図2のシステムのオペレータインターフェイスのオペレータディスプレイ画面上にレンダリングされるシートマップ例である。
【
図5】本開示の実施形態による、
図2のシステムのオペレータインターフェイスのオペレータディスプレイ画面上にレンダリングされるゲーム環境例である。
【
図6】本開示の実施形態による
図2の待ち行列管理システムのリーダーボード例である。
【
図7】本開示の実施形態による、
図2の待ち行列管理システムのオペレータインターフェイスのディスプレイによってレンダリングされる配席アプリケーショングラフィックユーザインターフェイス(GUI)の例である。
【
図8】本開示の実施形態による、
図7の配席アプリケーションGUIの乗車ユーザインターフェイス(UI)を示す別の例である。
【
図9】本開示の実施形態による、乗り物アトラクションに関する統計グラフィックスを含む会場統計画面の例である。
【
図10】本開示の実施形態による、
図2のシステムのオペレータインターフェイスによってレンダリングされる乗車UIの例である。
【
図11】本開示の実施形態による、
図2のシステムのオペレータインターフェイスによってレンダリングされる乗車UIの別の例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面及び図に示す具体的な実施形態を詳細に参照する。以下の詳細な説明では、本開示を完全に理解できるように数多くの具体的な詳細を示す。しかしながら、当業者には、これらの具体的な詳細を伴わずに実施形態を実施できることが明らかになるであろう。その他の例では、実施形態の態様を不必要に曖昧にしないように、周知の方法、手順及びコンポーネントについては詳細に説明していない。
【0012】
本明細書で使用する専門用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、限定を意図するものではない。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する単数形の「1つの(a, an)」及び「その(the)」は、その文脈で別途明確に示していない限り、複数形も含むように意図される。また、本明細書で使用する「及び/又は」という用語は、列挙する関連項目のうちの1つ又は2つ以上のありとあらゆる可能な組み合わせを意味し、これらを含むと理解されるであろう。さらに、「含む、備える(includes、including、comprises及び/又はcomprising)」という用語は、本明細書で使用する場合、言及する特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又はコンポーネントの存在を示すものであるが、1又は2以上の他の特徴、整数、動作、要素、コンポーネント、及び/又はこれらの群の存在又は追加を除外するものではないと理解されたい。さらに、本明細書で使用する「もし(if)」という用語は、文脈に応じて「~の時(when)」又は「~の時点(upon)」、或いは「~と決定したことに応答して(in response to determining)」又は「~を検出したことに応答して(in response to detecting)」を意味するものとして解釈することができる。
【0013】
テーマパーク又は遊園地のアトラクション/体験はますます人気が高まってきており、ゲストに独特な動き及び視覚的体験をもたらす様々な遊園地アトラクションが創出されてきた。様々な遊園地アトラクションに入場するゲストは、ゲストを物理的待ち行列ではなく仮想待ち行列に加える待ち行列モニタリングシステムを利用することにより、仮想待ち行列内の自分の位置が前に進んでいる間に遊園地の他の呼び物を楽しむことができる。アトラクションに仮想待ち行列機能を導入すると、アトラクションに到着するゲストの流れが影響を受ける。例えば、待ち行列モニタリングシステムを使用した場合、ゲストは、アトラクションに入場するための復帰時間(return time)範囲を与えられる。しかしながら、ゲストが正確な時間に戻る必要はないので、アトラクションに戻ってくるゲストの流れは1日を通じて変化し、予測するのは困難である。
【0014】
開示する待ち行列モニタリングシステムの実施形態は、オペレータが例えばアトラクションに関連する乗り物車両の行内及び/又は列内などの利用可能なシート数に基づいて複数のゲストをグループ分けすることによってゲストを乗り物又は乗り物車両に乗車させるのを支援できるコンピュータベースのシステムを含むことができ、或いはこのようなコンピュータベースのシステムに関連することができる。このコンピュータベースのシステムは、例えばアトラクションの乗り物のゲスト配席に関連するロジックを実行するように特異的にプログラムされた1又は2以上の特定用途向け又は汎用コンピュータ装置を含むことができる。具体的には、このコンピュータベースのシステムは、遊園地の1又は2以上のアトラクションに関連する情報を記憶するように構成された1又は2以上のサーバコンピュータと、ソフトウェアのアップデート、ロジックのアップデート及びアトラクション情報のアップデートなどのためにサーバコンピュータと通信するように構成された1又は2以上のコンピュータ装置(例えば、ポータブルコンピュータ装置)とを含むことができる。ポータブルコンピュータ装置には、制御された効率的な形でシートを割り当て、乗り物に関するフィードバック及び/又は分析をサーバコンピュータに提供し、配席及び/又は待ち行列指標(queue metrics)に関する様々な情報を見る能力を乗り物オペレータに提供する特定のアプリケーション又は命令セットをプログラムすることができる。サーバコンピュータ、ポータブルコンピュータ、このようなコンピュータ装置に関連するハードウェア及び/又はソフトウェアは、全体として、乗り物に関連する待ち行列をモニタして制御するように構成されるとともに、乗り物に関連する配席及び配席設定(seating arrangements)をモニタして制御するように構成されたコンピュータベースのシステムとみなすことができ、待ち行列モニタリング及びシート割り当てシステムと呼ぶことができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、待ち行列のモニタリング及び制御と、シート割り当てのモニタリング及び制御とを、同じコンピュータ装置が同じソフトウェアプログラムを使用して実行することができる。他の実施形態では、待ち行列のモニタリング及び制御と、シート割り当てのモニタリング及び制御とを、同じコンピュータ装置が異なるソフトウェアプログラムを使用して実行することができる。さらに別の実施形態では、待ち行列のモニタリング及び制御と、シート割り当てのモニタリング及び制御とを、異なるコンピュータ装置が同じソフトウェアプログラムを使用して実行することができる。いくつかの実施形態では、これらの構成のあらゆる組み合わせを実装することができる。実際に、本開示によれば、「待ち行列管理システム」は、待ち行列管理機能(例えば、装置及びソフトウェア)をシート割り当て機能(例えば、装置及びソフトウェア)と一体化したコンピュータベースのシステムを意味することができる。
【0016】
便宜上、本明細書では、乗り物に関連するシート割り当てのモニタリング、制御及び/又は支援を行うように構成されたコンピュータベースのシステムの実施形態をシート割り当てシステムと呼ぶことができる。シート割り当てシステムは、待ち行列管理と一体化された場合には、待ち行列管理システムの統合部分(例えば、サブシステム)とみなすことができる。従って、本開示では、シート割り当てシステムを組み込んだシステムを示すために「待ち行列管理システム」という表現を使用することができる。しかしながら、別途明記していない限り、特定の実施形態又は実施例では、この表現に待ち行列管理機能の存在は必要でない。
【0017】
いくつかの開示する実施形態によれば、待ち行列管理システムは、(例えば、アトラクションの乗り物車両に乗車する)各乗車サイクルにおいて安定したゲストの流れがすぐにアトラクションに入場できるようにオペレータがゲストをグループ分けすることを可能にすることができる。この結果、アトラクションの待ち時間を減少させると同時にゲストの満足感を高めることができる。実際に、今では、効率的な配席設定とこのような設定のモニタリングとを容易にするシステムが望まれていると認識される。開示する待ち行列管理システムの実施形態は、数多くの変数を分析して、タイムリーな配席、ゲストの個人及び/又はグループ要件に基づくゲストへの適切な対応、効率的なシート空間の使用、及び一緒にアトラクションを体験したいと望むグループへの対応などを容易にすることができる。待ち行列管理システムのグラフィックユーザインターフェイス(GUI)は、アトラクションに関連する乗り物車両又は乗り物に乗り物オペレータが効率的に乗車させるのを直感的に支援することができる。例えば、1つの実施形態では、待ち行列管理システムのポータブルコンピュータ装置上で動作するソフトウェアアプリケーション内に(例えば、タブレットコンピュータに記憶されて実行され/機能するアプリケーション内に)永続的乗り物状態モデル(persistent ride state model)を維持することができる。この永続的乗り物状態モデルは、アトラクションの乗り物車両の数、各乗り物車両の各行の利用可能なシート、いずれかの車椅子対応シートの利用可能性及び位置、シートが「オフライン可能(offline-able)」であるかどうか、及びアトラクションが介助動物を認めるかどうかなどの、アトラクションに関する情報を含むことができる。システムに関連するGUIは、乗り物オペレータが、例えばタッチインターフェイスを介して、オフラインで着席すること、或いは介助動物又は車椅子利用客の存在を示すことなどの特別な状況を示すように乗り物状態モデルの状況を変更することによってシート割り当てロジックを修正することを可能にすることができる。
【0018】
開示する待ち行列管理システムは、例えばGUIを介して、オペレータの乗車業務を評価してゲスト処理能力及びアトラクション待ち時間を改善するために使用できるアトラクション分析に関する情報を提供することもできる。例えば、待ち行列管理システムは、アトラクションの乗り物車両内の利用可能なシート数に従ってオペレータがゲストをグループ分けできるようにするいくつかの情報の中でもとりわけ、アトラクションの収容可能人数(例えば、アトラクションに乗車したゲストの人数)、待ち行列内のゲスト(例えば、乗車待ちのゲスト)の人数、アトラクション内の利用可能なシート及び使用中のシート、利用可能なシートの位置、に関連する情報(例えば、分析)を提供することができる。
【0019】
いくつかの開示する実施形態による待ち行列管理システムの出力は、ポータブルタブレットコンピュータなどのコンピュータからの触覚、視覚及び/又は可聴ガイドなどの知覚可能なフィードバック、又は環境特徴などのその他の特徴を含むことができる。一例として、このようなフィードバックは、点滅光又は物理的空間内で再生されるオーディオを含むことができる。このガイドは、オペレータによる乗客/ゲストへのより効率的な指示を可能にすることができる。一方で、このガイドは無効化することもできる。ルールを守らない団体(delinquent party)が割り当てシートへの指示に従わずに異なるシートを選択した場合、乗り物オペレータは、この団体によるシートの選択に適切な範囲で対応するように手動でシート割り当てを変更することができる。なお、いくつかの実施形態では、様々な異なる検出システムを使用して、提供されたガイドに対する実際のシート位置の追跡をモニタすることができる。例えば、カメラを利用して特定のシートのゲストを特定することができる。オペレータは、例えばGUIを使用して配席情報を調整して、正確な配席情報を維持することもできる。グループ毎に占められたシートは、後でガイドデータと比較して乗り物乗車効率(例えば、ゲストの好み及び/又は実際の着席位置にガイドが一致する度合い)を追跡することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ゲート機能を使用して、システムが提供するガイドに基づいてゲストをシートに誘導することができる。例えば、閉鎖された待ち行列内のいくつかのゲートを開いて正しい乗車を促すことができる。これに加えて、又はこれとは別に、ショー効果を使用してゲストを正しい/適切なシートに誘導することもできる。
【0020】
開示する待ち行列管理システムは、ゲスト処理能力を効率的に管理するように(例えば、ゲーミフィケーション(gamification)を介して)アトラクションオペレータを動機付けし、アトラクションオペレータ及び/又はその他の遊園地職員がサーバ又はその他のローカル及び/又はリモートメモリストレージシステムから情報(例えば、レポート、分析、オペレータ指標)を取り出してゲスト処理能力及びアトラクション待ち時間を評価できるようにする追加機能を含むこともできる。例えば、オペレータ及びその他の遊園地職員は、所望のアトラクションに関連する、アトラクションを通じたゲストの流れの改善方法の決定を可能にする情報にアクセスすることができる。上述したように、待ち行列管理システムは、割り当て先のアトラクションのゲスト処理能力及び乗車業務を改善するようにオペレータを動機付けできる統合ゲーミフィケーション機能を含むことができる。このゲーミフィケーション機能は、オペレータが遊園地全体を通じて他のアトラクションのオペレータとプレイ/競争することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、待ち行列管理システムが、待ち時間、処理能力及びその他の指標を追跡し、ゲームモジュール(例えば、待ち行列管理システムに関連するソフトウェアパッケージ)によって管理されるゲーム環境にこれらの指標を組み込むことができる。従って、いくつかの実施形態では、オペレータ同士がゲーム環境を使用して、それぞれのアトラクションの最短待ち時間及び最大処理能力を競うことができる。待ち行列モニタリングシステムは、待ち時間及び/又はゲスト処理能力量に基づいてオペレータ(又はオペレータのチーム)をランク付けすることができる。これらのランキングは、例えば待ち行列管理システムの関連するGUIを介して遊園地の従業員がアクセスできるリーダーボード上に表示することができる。待ち行列モニタリングシステムにゲーミフィケーション機能を組み込むことにより、乗車業務及びゲスト処理能力の効率を改善するようにオペレータを動機付けすることができる。
【0021】
待ち行列管理システムは、センサ入力及び/又は手動入力(例えば、乗り物オペレータからのエントリ)に基づいて、処理能力及び配席効率などの様々な指標を追跡することができる。例えば、命令は、限られた時間枠内にガイドを提供して着席のための時間枠を示すガイドを提供することを待ち行列管理システムに行わせることができる。例えば、特定のロジックは、所望のアトラクション目標を達成するために1人のゲスト配席当たり1.6秒という予想平均を設定することができる。この時間をモニタして、目標が達成されていない場合には(例えば、GUIを介して)助言を与えることができる。
【0022】
待ち行列管理システムがシート割り当てを制御するように機能できる方法の例として、待ち行列管理システムのポータブルコンピュータ装置は、シート割り当て制御ソフトウェアを使用して、将来的な団体の利用可能性を最大化する形でゲストが着席できるようにシステムロジック(ロジックルール)を実行することができる。例えば、命令は、行内に配席すべきゲストに最低数の利用可能なシートを割り当てるガイドを提供することができる。具体例として、乗り物オペレータが2人の団体を着席させている時に、行1に利用可能なシートが2つあり、行2に利用可能なシートが3つある場合には、この団体を行1に配席し、例えば行1に配席するような割り当て又は指示を行って、将来的な3人の団体が行2のシートに座る余地を残さなければならない。同様に、システムロジックは、シートを割り当てられた後にゲストの気が変わって乗車しないと決めた場合、乗り物オペレータがこの新たな空席に素早く新たなゲストを補充できなければならないことを必要とし得る。命令又はロジックは、いずれかの規定要件に従って最適なゲスト配席を計算することができる。この計算は、乗車グループに関連する所定のサイズ、好み、或いはその他のパラメータ又はパラメータセットに基づいて、乗客の乗車時に又は前以て動的に行うことができる。
【0023】
図1は、本開示による、待ち行列及び配席を円滑にするシステム10の概略図である。システム10は、コンピュータシステム12(例えば、それぞれが少なくとも1つのプロセッサ15及び少なくとも1つのメモリ17などのハードウェアを含むコンピュータ13のネットワーク)と、モニタリングセンサ14と、無線通信システム16と、システムディスプレイ18と、ゲスト関連装置20(例えば、アクセス可能データ及び通信機能を含むブレスレット、ゲストモバイル装置)と、その他のコンポーネントとを含み、これらは以下で詳細に説明するようにいくつかの実施形態に従って協調する。コンピュータ13のネットワークは、ポータブルコンピュータ装置、サーバ及びデスクトップコンピュータ装置などの特定用途向け又は汎用コンピュータ装置を含むことができる。
【0024】
具体的には、いくつかの開示する実施形態は、遊園地ゲスト22が仮想待ち行列内の位置を取得し、その後に限られた長さの物理的待ち行列24又は待機乗車グループに加わって順序正しく着席できるように、仮想待ち行列及び乗り物の配席調整を円滑にするものである。本実施形態は、物理的な順番待ちをしているゲストが費やす時間を制限して、食事、買い物及びその他の娯楽会場(例えば、乗り物、ショー)などの遊園地の他のエリアへの参加を促すように機能することができる。従って、1つの実施形態では、アトラクション待ち行列が仮想待ち行列及び待機待ち行列(standby queue)を介してもたらされる。さらに、仮想待ち行列への入場許可は、満期復帰時間(mature return times)を有するゲストに開放することができる。例えば、復帰時間範囲が午後2時~午後2:15であるゲストは、午後2時又はそれ以降の満期復帰時間を有しており、乗り物が稼働している間であればその日の午後2時又はそれ以降のいつでも仮想待ち行列入口への入場が認められる。ゲストの中には、復帰時間の範囲内に仮想待ち行列入口に現れる者もいれば、復帰時間に関連する時間以降まで遅れる恐れのある者もいて、仮想待ち行列を通じて入場するゲストの数にはばらつきが生じる。すなわち、(例えば、特定数の復帰時間を各時間帯に分散させることを通じて)各時間帯の復帰時間を分散させて安定したゲストの流れを促すことはできるが、仮想待ち行列を通じた実際の入場はさらに予測不能である。また、仮想待ち行列は、特別入場許可証(entitlement passes)を有しているゲストの入場を可能にすることもできる。このようなゲストは復帰時間を有していないので、これらのゲストの入場も予測不能となり得る。従って、以下でさらに詳細に説明するように、アトラクションのオペレータは、オペレータ装置に表示された情報を使用して、アトラクションのゲスト処理能力及び待ち時間を改善する形でゲストをアトラクションに乗車させることができる。
【0025】
ゲスト22は、チケット売り場26(例えば、ホテルのフロントデスク、キオスク、ゲスト用サービスカウンタ、遊園地入口)に到着すると、遊園地マップ、仮想待ち行列の使用説明書及び施設の使用説明書などの数あるアイテムの中でも特に、入場証明書(例えば、チケット又は装着型ウェアラブル20)を入手することができる。このような全てのチケット売り場には、情報媒体(例えば、オーディオ、ビデオ)及び説明看板が存在することができる。場合によっては、ゲストが到着前に入場証明書を取得している場合もあり、従ってチケット売り場におけるこのような証明書の取得を省略することもできる。
【0026】
ゲスト22は、入口通路28を介して遊園地又は遊園地エリア内に入場し、入場許可を受けることができる。ゲストは、既に装着型ウェアラブル(「AW」)又はゲスト関連装置に自身の入場証明書又は識別コード又は番号を転送し終えている場合には、基本的に遊園地又は遊園地エリアに直接入場することができる。例えば、適切に作動しているゲスト関連装置20を有するゲストは、立ち止まることなく歩いて入口通路を通過することができる。ゲスト22が保持又は装着しているゲスト関連装置20に関連する証明書が検出されて、遊園地従業員(例えば、セキュリティサービス会社)がモニタできるゲートモニタリング施設に提供される。例えば、この過程は、入口通路を通過するゲストの写真(例えば、ゲストの顔写真)を提供することを含むことができる。従って、この写真を入場特権確認(entry privilege confirmation)のために使用することができる。他の実施形態では、指紋又はその他の識別特徴(identifying aspects)(例えば、顔認識)などの他の特徴を使用することもできる。本開示のいくつかの実施形態は、特定のタイプのゲスト関連装置(例えば、装着型ウェアラブル)に関連して示すものであるが、開示する技術は、ポケットポータブル装置(pocket-carried devices)、ハンドヘルド装置又はモバイル装置などの、ゲスト情報を無線で通信するように構成された異なるタイプのゲスト関連装置を使用して実装することもできると理解されたい。いくつかの実施形態では、ゲスト関連装置が防水性である。
【0027】
ゲスト22は、ゲスト関連装置20を携帯していない場合、又はゲスト関連装置20が正常に作動していない場合には、複数のゲートモニタリングシステムのうちのいずれかを含むことができるゲートモニタリング施設34への情報転送を容易にするスキャナ32(又はRFIDタッチポイント)にチケット媒体30を挿入して、自身が遊園地又は遊園地エリアへの入場を認められている旨を遊園地従業員に知らせることができる。このようにして許可を与える場合には、ゲストにゲスト関連装置20を配布して自動的にゲストの顔写真を撮影することができる。例えば、入口通路の近傍に配置されたカメラ36によって自動的に写真を撮影することができる。この同じカメラ36、又はカメラ36によって取り込まれた画像は、例えばアトラクション環境に対するゲストの入場及び/又は退場をモニタすることなどのモニタリング目的で使用することもできる。他の実施形態では、ゲスト関連装置20を入手したゲストの画像を異なる場所で撮影することもできる。さらに、いくつかの実施形態では、ゲスト22が、入口通路28を通過した後又はその前にゲスト関連装置を入手することもできる。
【0028】
ゲストは、遊園地又は遊園地エリア全体を通じて数多くの場所に設けられたディスプレイを見ることによって所望のアトラクションの待ち時間を確認することができる。一部又は全部のアトラクションでは、ディスプレイ18が特定のアトラクションの待ち時間を知らせる。例えば、
図1に示すウォータースライド40は、そのアトラクションの待ち時間を具体的に知らせるディスプレイ18を含む。各ディスプレイ18の情報は、モニタリングセンサ14を使用してAW20を追跡することによって、又は遊園地エリア(例えば、乗り物出口及び入口)を別様にモニタすることによって取得された情報に基づいて提供することができる。さらに、一部又は全部のアトラクションの出口に、全てのアトラクション(例えば、遊園地又は遊園地エリア内の全てのアトラクション)の待ち時間を示すディスプレイを設けることもできる。例えば、ウォータースライド40の出口エリアは、周辺の全てのアトラクション(例えば、乗り物42)の待ち時間を知らせることができるディスプレイ18を含む。ディスプレイは、レストラン44の待ち時間などの乗り物以外のアトラクションの待ち時間を知らせることもできる。ディスプレイ18は、特定の遊園地エリア46(例えば、遊園地「ビレッジ」)内ではアトラクションの待ち時間の表示に限定することができる。また、各遊園地エリア46内では、1又は2以上の待ち時間掲示板(例えば、中央に位置するディスプレイ)が、遊園地エリア内の全ての遊園地アトラクション又はアトラクションの待ち時間を示すこともできる。さらに、ゲストポータブル装置(例えば、携帯電話機)が、遊園地エリア46に関連する待ち時間又はその他の情報を表示するモバイルアプリケーションを実行することもできる。
【0029】
1つの実施形態では、ゲスト22が、アトラクション入口まで歩いて行って入場門を通過することによって待ち行列に加わる。例えば、ゲスト22は、ウォータースライド40まで歩いて行ってアトラクションステーション(例えば、門)48を通過することができる。ゲスト120がアトラクションステーション48を通過すると、ゲストのゲスト関連装置20が、(例えば、トーン、振動、発光を通じて)ゲストに仮想待ち行列に加わった旨を通知する。この通知は、モニタリングセンサ14を使用してゲスト関連装置20を検出することによって行うことができる。別の実施形態では、ゲスト22が、アトラクション名と現在の待ち時間とを示すことができる待ち行列参加ポスト50まで歩いて行き、ポスト50をゲスト関連装置20に関与させることによって仮想待ち行列に加わることができる。ポスト20は、各アトラクションの出口又は入口、及び各遊園地エリア46又はビレッジ内の中央位置に配置することができる。1つの実施形態では、個々のポスト50が1つのアトラクションのみに関連することにより、例えばゲストがポスト50において異なるアトラクションから選択を行うことなく、ポストに関与することによって自動的に関連アトラクションの仮想待ち行列に加わり、ポストをタップすること又はポストに関与することを、関連アトラクションを選択するための選択ステップとすることができる。特定の実施形態では、待ち行列参加ポスト及び/又はアトラクションステーションが、アトラクションの近傍に位置する場合、既に仮想待ち行列に加わっているゲストの入場認証機(entrance validator)として機能することができる。
【0030】
待ち行列参加ポスト50及びアトラクションステーション48は、ゲストを仮想待ち行列に加えるための同様の機能を互いに有することができる。また、アトラクションステーション48は、乗り物入口などのアトラクションの近傍に位置する場合、ゲストがアトラクションへの有効な入場位置を有しているどうかを伝えるための機能を含むこともできる。認証は、ゲストがアトラクションステーションをタップした時にゲスト関連装置に関連するユーザ識別にアクセスするための、ゲスト関連装置との近距離無線通信を含むことができる。その後、アトラクションステーションから離れた中央仮想待ち行列制御システムにユーザ識別が伝えられ、この中央仮想待ち行列制御システムがユーザ識別に関連するリアルタイムな待ち行列位置にアクセスし、ルールベースのフィルタ処理を実行して、アトラクションに入場するための仮想待ち行列内の有効又は無効位置の認証出力を提供する。
【0031】
ゲストが待ち行列参加ポスト50に関与すると、ゲストのゲスト関連装置20は、仮想待ち行列に加わった旨を(例えば、トーン、振動、発光を通じて)ゲストに通知する。例えば、ゲスト関連装置は、ゲスト関連装置上に表示される情報の変更を引き起こす信号を受け取ることができる。さらに、これに加えて、又はこれとは別に、ポスト50は、正常に待ち行列に加わった旨を通知することもできる。この通知は、中央仮想待ち行列制御システムが生成し、及び/又はゲスト関連装置に伝えることができる。別の実施形態では、この通知が待ち行列参加ポスト50によって生成され、及び/又は伝えられる。さらに別の実施形態では、ゲストが、待ち行列キオスク52(例えば、遊園地又は遊園地エリア内の全ての仮想待ち行列アトラクション名及び待ち時間を表示する単一の装置)として実装できる仮想待ち行列ステーションまで歩いて行くことによって仮想待ち行列に加わることもできる。待ち行列キオスク52は、各アトラクションの入口又は出口、及び各遊園地エリア内の中央位置に配置することができる。ゲストは、加わりたいと望む待ち行列を選択して、キオスクを自身のゲスト関連装置に関与させる(例えば、タップする)。ゲストが待ち行列キオスク52に関与すると、ゲストのゲスト関連装置は、仮想待ち行列に加わった旨を(例えば、トーン、振動、発光を通じて)ゲストに通知する。例えば、ゲスト関連装置は、ゲスト関連装置上に表示される情報の変更を引き起こす信号を受け取ることができる。さらに、これに加えて、又はこれとは別に、キオスク52は、正常に待ち行列に加わった旨を通知することもできる。ゲスト関連装置への通知は、待ち行列キオスク52の近距離無線通信機(near field communicator)を介して伝えることができる。或いは、ゲスト関連装置20への通知は、長距離又は中距離無線通信機を介して伝えることも、待ち行列キオスク52からではなく中央制御システムから伝えることもできる。
【0032】
本開示の待ち行列管理システムは、仮想待ち行列入口から入場するゲストの数が時間と共に変化する際にも安定したトラフィックパターンを可能にするツールとみなすことができる。例えば、待ち行列管理システムは、アクセス制御装置及び乗り物オペレータなどによる制御を円滑化及び/又は調整することができる。
【0033】
ゲストの仮想待ち行列は、物理的待ち行列しか有していないアトラクションと比べてアトラクションの待ち時間を短縮するのに役立つ一方で、オペレータがゲストを待ち行列(例えば、仮想待ち行列及び待機待ち行列)からアトラクションに乗車させる方法も、ゲスト処理能力及びアトラクション待ち時間に影響し得る。ゲストがシート及び行をランダムに選択できるような乗車業務では、着席したゲストのグループ間に空席が生じる恐れがある。オペレータは、典型的には1つのシートである空席を識別してこれを満たす必要があり、これによって乗り物車両の発車が遅れて待ち時間が増加する恐れがある。また、通常、ゲストは友人及び/又は家族グループと共にアトラクションに乗るので、ゲストが友人及び/又は家族グループから離れることを必要とする形でオペレータが空席を埋めることは困難となり得る。例えば、ゲストは、隣り合って座ることができる次の乗り物車両を待つという選択を行う場合もある。従って、空席を含む乗り物車両が乗車エリアから発車することもあり、これによってアトラクションのゲスト処理能力が低下する場合がある。従って、本明細書に開示する待ち行列モニタリングシステムは、特定のアトラクションのグループの乗客数及び乗り物車両の各行の利用可能なシート数に従ってオペレータがゲストをグループ分けできるようにするオペレータインターフェイスを含むことができる。例えば、本発明の実施形態によるオペレータインターフェイスは、空席、占有席、乗り物車両に乗車したゲスト数、及びゲストのアトラクションへの乗車を円滑化できるその他の情報をオペレータが容易に素早く識別できるようにする機能を含むことができる。このオペレータインターフェイスは、仮想待ち行列内のゲスト数、待機待ち行列内のゲスト数、及び関連する待ち時間に関する情報をオペレータに提供することもできる。以下でさらに詳細に説明するように、待ち行列モニタリングシステムは、これらの情報を分析して、ゲスト乗車業務を改善するためのフィードバックをオペレータに提供することができる。いくつかの実施形態では、オペレータインターフェイスが、オペレータと遊園地内の他のアトラクションのオペレータとの競争を可能にするゲーミフィケーション機能を含むことができる。オペレータは、ゲスト乗車業務(例えば、アトラクション待ち時間、ゲスト処理能力)に基づくゲーミフィケーションに参加した各オペレータのスコア又はランキングを基本的にリアルタイムで見ることができる。
【0034】
図2に、統合待ち行列管理、シート割り当て、分析及びゲーミフィケーション機能を含む待ち行列管理システム100の実施形態を示す。図示の実施形態では、待ち行列管理システム100が、
図1で参照したコンピュータ13のネットワークの一部とすることができる待ち行列及び配席コンピュータシステム102を含む。図示のような待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、様々なアトラクションの仮想待ち行列及び物理的待ち行列のモニタリング、調整及び制御を可能にする待ち行列ディスプレイユニット104及び待ち行列モニタリング装置106に通信可能に結合されて、これらの動作を協調させることができる。これらのアトラクションの各々は、乗り物車両108によって大まかに示すようなそれぞれの乗り物車両を含むことができる。
【0035】
1つのワークフロー例として、ゲスト関連装置(例えば、
図1の装置20)は、アトラクションの仮想待ち行列に入るために、装置20の作動又は検出に基づいて受け取られた入力に応答して、待ち行列及び配席コンピュータシステム102に待ち行列要求信号を送信する。待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、この待ち行列要求信号を受け取り、ゲスト22の待ち時間を判定し、後述するようなゲスト関連装置20、待ち行列ディスプレイユニット104、オペレータインターフェイス110、又はこれらの組み合わせに待ち時間信号を出力する。ゲスト関連装置20、待ち行列ディスプレイユニット104及びオペレータインターフェイスは、待ち時間信号を受け取って(例えば、ゲスト関連装置20を介して)ゲスト22及び(例えば、オペレータインターフェイス110を介して)オペレータに待ち時間を表示するように構成される。
【0036】
いくつかの実施形態では、待ち行列モニタリング装置106を、以下に限定するわけではないが、待ち行列の長さ、待ち行列内のゲスト22の人数、待ち行列に出入りするゲスト22の流動率、待ち行列内の特定の個人(例えば、待ち行列内のゲスト22の識別)、待ち行列内の下位待ち行列の数、及び待ち行列内のゲスト22のタイプなどを含む、現在の仮想及び/又は物理的待ち行列の状態をモニタ又は判定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、待ち行列モニタリング装置106が、待ち行列内の特定の位置(例えば、地理的位置、待ち行列ゾーン)をモニタして、各特定の位置のゲスト22の人数を待ち行列及び配席コンピュータシステム102に出力することができる。いくつかの実施形態では、待ち行列モニタリング装置106が、待ち行列の最初又は最後のゲスト22のみをモニタするのではなく、ゲスト22が待ち行列の途中で待ち行列から出て行ったかどうかをモニタすることもできる。いくつかの実施形態では、待ち行列モニタリング装置106が、待ち行列内のゲスト22の様々な特性(例えば、サイズ、性別、年齢、人数)を判定し、これらがアトラクションに関連する時には、このデータを待ち行列及び配席コンピュータシステム102に出力して、待ち行列に関連する過去の処理能力データを追跡して記録することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、待ち行列モニタリング装置106が、待ち行列状態をモニタするように構成されたカウント機構(counting mechanism)を含む。例えば、手動システムとすることができる、及び/又は待ち行列に近接して配置された1又は2以上のセンサを含むことができるカウント機構を使用して、待ち行列内のゲスト22の人数をモニタすることができる。他の実施形態では、待ち行列モニタリング装置106が、待ち行列に物理的に近接して配置された少なくとも1つのセンサ(例えば、光学センサ、カメラ、機械的トレッドル(mechanical treadles)、RF感知システム)を含むことができる。これらのセンサは、現在の待ち行列状態に関連する継続的フィードバックを待ち行列及び配席コンピュータシステム102に提供することができる。例えば、各ゲスト22が(例えば、ウェアラブル20のうちの1つに)RF識別を保持している状況では、待ち行列モニタリング装置106に関連するRFセンサを、特定の(単複の)ゲストがいつ待ち行列に出入りするかをモニタして、このデータを待ち行列及び配席コンピュータシステム102に出力するように構成することができる。
【0038】
さらなる例として、センサは、個々のゲスト22が待ち行列内で費やした時間の長さに基づいて待ち行列の様々な状態(例えば、待ち時間、待ち行列の長さ)を計算できるように、待ち行列の出入口で個々のゲスト22を認識して、待ち行列及び配席コンピュータシステム102にこの情報を連続的に出力するように構成することができる。また、センサデータを使用して、入場許可されたゲスト22をカウントすることもできる。別の実施形態では、このセンサを、複数の入口及び/又は待ち行列を取り込むように配置されたカメラとすることができる。待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、1又は複数のこのようなカメラからの画像データに基づいて、複数の待ち行列のゲスト22を同時に解像又はカウントすることができる。さらに、このゲストカウント情報は、入口に配置された機械ゲートなどの1又は2以上の入口制御装置への入力として使用することもできる。待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、残りのゲストカウントに基づいて機械ゲートを開閉するように制御することができる。
【0039】
やはり図示のように、いくつかの実施形態では、待ち行列及び配席コンピュータシステム102をアトラクションに関連する1又は2以上のアトラクション乗り物車両108に通信可能に結合することができる。待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、直接通信可能に結合されるように示しているが、他の実施形態では、アトラクション乗り物車両108と直接通信する他のコンピュータ装置(例えば、乗り物制御システム)に通信可能に結合することもできる。このような通信は、使用率、アトラクション乗り物車両108の全部又は一部がオフラインであるかどうかなどのアトラクション乗り物車両108に関する情報を待ち行列及び配席コンピュータシステム102が収集して記憶することを可能にすることができる。これに加えて、又はこれとは別に、本明細書で説明するように、このような情報は、(例えば、乗り物制御システムを介して直接的又は間接的に)待ち行列及び配席コンピュータシステム102に通信可能に結合されたオペレータインターフェイス110などの他の装置が提供することもできる。
【0040】
図示の実施形態の待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、本明細書で説明する待ち行列技術の実装を可能にする様々な命令、ロジックなどを記憶する少なくとも1つのメモリデバイス112を含む。本明細書で説明するメモリデバイスは、RAM、ROM、EPROM、EEPROMなどの機械可読媒体、或いは光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気記憶装置、或いは所望のプログラムコードを機械実行可能命令又はデータ構造の形で保持又は記憶するために使用できるとともに、プロセッサ又はその他のプロセッサベースの装置(例えば、モバイル装置)がアクセスできる他のいずれかの媒体を含むことができる。少なくとも1つのメモリデバイス112は、本明細書で説明する配席設定技術を可能にする命令、ロジックなどを記憶する。少なくとも1つのメモリデバイス112は、待ち行列及び配席指標の分析に関連するロジック(例えば、命令)及びゲーミフィケーションロジックなどを記憶することもできる。実際に、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのメモリデバイス112が、稼働率、配席指標及びオペレータ指標などを含む、様々なアトラクションに関連する情報を記憶することができる。すなわち、いくつかの実施形態では、待ち行列及び配席コンピュータシステム102がデータベースとして動作することもできる。他の実施形態では、専用コンピュータ装置が、待ち行列及び配席コンピュータシステム102と通信して、例えば複数のオペレータインターフェイス110がアクセスできるデータベースの役割を果たすことができる。待ち行列及び配席コンピュータシステム102の少なくとも1つのプロセッサ114は、本明細書で説明する待ち行列管理、シート割り当て、分析及びゲーミフィケーション技術を実装するための、少なくとも1つのメモリデバイス112に記憶された命令を実行するように構成される。
【0041】
待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、待ち行列及び配席コンピュータシステム102と、アトラクション乗り物車両108、オペレータインターフェイス110、待ち行列モニタリング装置106及び待ち行列ディスプレイユニット104などを含む他の様々な装置との間の通信を可能にする通信回路116を含むこともできる。一例として、通信回路116は、有線又は無線通信ハードウェアを含むことができる。本明細書において様々な装置に関して参照する通信回路は、アンテナ、無線トランシーバ回路、信号処理ハードウェア及び/又はソフトウェア(例えば、ハードウェア又はソフトウェアフィルタ、A/Dコンバータ、マルチプレクサ増幅器)、又はこれらの組み合わせを含むことができる。通信回路は、IR無線通信、衛星通信、放送無線、マイクロ波無線、Bluetooth、Zigbee、Wi-Fi、UHF及びNFCなどを通じて有線又は無線通信経路を介して通信するように構成することができる。このような通信は、無線塔、セルタワーなどの中間通信装置を含むこともできる。待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、通信ポート、インターフェイス装置(例えば、マウス、キーボード、タッチ画面インターフェイス)、及びディスプレイなどを含む1又は2以上の入力/出力装置118を伴うこともできる。
【0042】
図2に示す実施形態は、待ち行列及び配席コンピュータシステム102に関連するリーダーボード120も含む。図示のようなリーダーボード120は、少なくとも1つのメモリデバイス112に記憶されたソフトウェアパッケージの一部(例えば、ゲーム環境内に指標を配置するゲームモジュールグループ化ゲームロジック(gaming module grouping gaming logic))、又は待ち行列及び配席コンピュータシステム102と通信する別の装置を表すことができる。従って、リーダーボード120は、(例えば、様々なコンピュータ装置上に表示される)完全に仮想的なものとすることも、或いは遊園地全体を通じて様々なアトラクションにおいて実装される配席及び/又は待ち行列ゲーミフィケーションに関連する統計値(例えば、効率スコア又は指標)を提示する適切なハードウェア及びソフトウェア構成を有する実際の物理的ディスプレイとすることもできる。リーダーボード120の様々な例については、以下でさらに詳細に説明する。
【0043】
図示のように、オペレータインターフェイス110は、待ち行列及び配席コンピュータシステム102、アトラクション乗り物車両108、及びリーダーボード120に通信可能に結合することができる。一例として、オペレータインターフェイス110は、アトラクションの仮想待ち行列に関連する様々なソフトウェアアプリケーション及び/又はアトラクション乗り物車両108の乗り物乗車に関連するソフトウェアアプリケーションに乗り物オペレータがアクセスできるようにするタブレットコンピュータなどのポータブルコンピュータ装置を含むことができる。従って、オペレータインターフェイス110は、ソフトウェアアプリケーションを記憶する1又は2以上のメモリデバイス122と、ソフトウェアアプリケーションを実行する1又は2以上のプロセッサ124とを含むことができる。例えば、
図2に具体的に示して以下でさらに詳細に説明するように、1又は2以上のメモリデバイス122は、1又は2以上のプロセッサ124が実行できる配席アプリケーション126を記憶することができ、オペレータは、アプリケーション126にプログラムされたロジックに従ってアトラクション乗り物車両108に乗客を乗車させることができる。
【0044】
従って、オペレータインターフェイス110は、オペレータが見ることができるディスプレイ128と、配席アプリケーション126に関連するグラフィックユーザインターフェイス(GUI)を介してオペレータがアプリケーションと相互作用できるようにする入力/出力装置130(例えば、タッチ画面、キーボード、スタイラス)とを含む。オペレータインターフェイス110の通信回路132は、オペレータインターフェイス110と、待ち行列及び配席コンピュータシステム102、アトラクション乗り物車両108、リーダーボード120及びその他のコンピュータ装置との間の通信を可能にする。
【0045】
いくつかの実施形態では、オペレータインターフェイス110を使用して、アトラクション乗り物車両108の緊急停止の開始、アトラクション乗り物車両108の発車(dispatch)、及びアトラクション乗り物車両108上の拘束具の拘束の開始などを行うこともできる。例えば、いくつかの開示する実施形態によれば、オペレータインターフェイス110は、アトラクションの状態(例えば、アトラクション待ち時間、待ち行列内のゲスト人数)をモニタして、アトラクションの動作パラメータを制御する(例えば、アトラクションのパラメータの開始、一時停止、再開、リセット又はその他の調整を行う)ように構成される。
【0046】
いくつかの実施形態では、オペレータインターフェイス110のプロセッサ124及びメモリ122が、アトラクション乗り物車両108内の空席の位置及び量に基づいてグループ及び/又は個人ゲスト22をアトラクション乗り物車両108上に配置する命令の実行を可能にすることができる。例えば、アトラクション待ち行列内に次に3人のゲストグループ22が存在する場合、オペレータインターフェイス110は、オペレータからGUIのグループ人数フィールド(group size field)内への3という入力を受け取ることができる。この結果、オペレータインターフェイス110は、3つの隣接する空席を有する行などの、ゲストグループ22をどこに着席させるべきであるかについての推奨を出力することができる。いくつかの実施形態では、ゲストグループ22が所与の行内の空席数を上回る場合、オペレータインターフェイス110は、ゲストグループ22の一部をアトラクション乗り物車両108内の1つの行に誘導し、グループの第2の部分をアトラクション乗り物車両108内の異なる行に誘導する推奨を出力することができる。
【0047】
また、オペレータインターフェイス110のプロセッサ124及びメモリ112は、オペレータインターフェイス110を使用してゲスト処理能力及びアトラクション待ち時間に関連する情報(例えば、データ)を分析する命令の実行を可能にすることもできる。例えば、プロセッサ124は、様々な指標を分析する命令を実行することができる。このような指標は、各乗り物サイクルについて及び/又は所定の期間(例えば、遊園地乗り物の開始から終了まで、オペレータのシフト)にわたって、待機列、仮想待ち行列又はこれらの両方から何名のゲスト22がアトラクション乗り物車両108に乗車したか、アトラクション乗り物車両108に乗車したゲスト22の1日毎及び/又は1時間毎の処理能力、乗り物サイクル当たりの空席数量、作動中の乗り物車両の数量、アトラクション待ち時間、遅延、並びにそれぞれのアトラクションの乗車業務及び/又はゲスト処理能力に関連する他のいずれかの情報を含むことができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、オペレータインターフェイス110を、アトラクションに関連するレポートを取り出すように構成することができる。これらのレポートは、平均待ち時間、所望の時間間隔にわたってアトラクション乗り物車両108に乗車したゲスト22の人数、遊園地及び/又はアトラクションのピーク時間、仮想待ち行列内のゲスト22、待機待ち行列内のゲスト、アトラクションの遅延、メンテナンス計画、統計値に関連する情報、並びにアトラクションに関連する他のいずれかの好適な情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、オペレータインターフェイス100を、(例えば、後で待ち行列及び配席コンピュータシステム102にアップロードするために)オペレータ指標を恒久的に又は一時的に記憶するように構成することができる。オペレータ指標は、アトラクション待ち時間、ゲスト処理能力、遅延、乗り物サイクル当たりの空席割合、及び割り当て先のアトラクションにおけるオペレータの成績に関連する他のいずれかの好適な情報に基づいて決定できるオペレータ乗車業務を含むことができる。オペレータインターフェイス110は、検討のためにレポート及びオペレータ指標を遊園地経営陣に送信することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、オペレータインターフェイス110のプロセッサ124及びメモリ122が、オペレータとゲーム環境内の他のアトラクション又は関連する遊園地のオペレータとの相互作用(例えば、競争)を可能にするゲーミフィケーションモード(例えば、ゲームロジックを実行する)に入るための命令の実行を可能にすることができる。ゲーミフィケーションモードは、分析及び配席アプリケーション126と一体化することができ、様々なオペレータ関連指標を特定のオペレータに関連する1又は2以上のスコアに変換するゲームロジックを有することができる。これらのスコアは、例えばシフト中及び特定のアトラクションの乗り物サイクル中などにリアルタイムで更新することができる。例えば、オペレータインターフェイス110は、(ゲーム環境を含む)ゲーミフィケーションモードに入って、遊園地又は異なる地理的位置における他の共同所有される遊園地内の別のアトラクション(又は同じアトラクション)に関連する別のオペレータインターフェイス110にゲーミフィケーションモードに入る要求を送信するように構成することができる。これにより、乗り物オペレータ同士がグループとして又は1対1の対戦で、乗り物処理能力に関するより良いスコアを目指して競い合うことができる。
【0050】
オペレータインターフェイス110を使用してアトラクション乗り物車両108上のゲストを整理することに加えて、オペレータインターフェイス110は、アトラクションの1時間当たりの収容可能人数及び待機間隔の設定を可能にするようにも構成される。いくつかの実施形態では、その後にオペレータインターフェイス110を使用してアトラクション乗り物サイクルを開始することができる。さらに、オペレータインターフェイス110は、アトラクションの手動休止時間の入力を可能にするように構成することもできる。このような休止時間がアトラクション動作の障害になる場合、オペレータインターフェイス110は、アトラクションの休止時間中に戻るように予定されているゲスト22に新たな復帰時間を提示するように構成することができる。ゲスト22は、待ち行列及び配席コンピュータシステム102の仮想待ち行列ロジックに従って提案される復帰時間から選択を行うことができる。
【0051】
オペレータは、モニタされた状態情報に基づいて、配席アプリケーション126のロジックに従って、利用可能なシート数及び乗り物車両上の利用可能なシートの位置に基づいて指定されたゲスト人数までの入場を許可して、入場許可されたゲストをグループ分けするように、ディスプレイ128を使用して視覚的に指示を受けることができる。例えば、オペレータは、入力/出力装置130を使用して、グループ内の乗客の人数(例えば、4人の乗客)をオペレータインターフェイス110に入力することができる。オペレータインターフェイス110は、このグループに必要な数の利用可能なシート(例えば、4つの利用可能なシート)を有する行番号を表示することができる。これらのディスプレイのさらなる例については以下で示す。
【0052】
待ち行列管理システム100とアトラクションとの一体化については複数の構成が考えられるが、
図3は、待ち行列管理システム100を使用してアトラクション効率を高めるアトラクション乗車エリア150の1つの実施形態例の概略図である。図示の実施形態では、アトラクション乗車エリア150が、複数のアトラクション乗り物車両108へのアクセスを制御する、アトラクションステーション48から通路154に至る複数の経路152を含む。ゲスト22は、アトラクション乗車エリア150において、仮想待ち行列入口(例えば、復帰時間入口)156を介して、及び/又は従来の待ち行列又は仮想待ち行列に関連する待機入口158を介して入場することができる。図示のように、仮想待ち行列入口156に関連する経路152では、ゲスト22がアトラクション乗車エリア150に入るように促される時間がより効率的に制御されているため、列の長さが短く、従ってこれに伴う待ち時間も短くなり得る。
【0053】
アトラクションの各時間間隔中には、入口156、158を通じて入場許可されたゲスト22の人数が適切な人数カウント法(例えば、本明細書に示すようなカウンタ、センサ)によってカウントされる。この場合も、この情報を分析のために
図2の待ち行列及び配席コンピュータシステム102に中継して、開示する実施形態による適切な処理能力及び配席設定を決定することができる。その後、システム102によって提案された処理能力及び配席設定を、アトラクションの1又は2以上のオペレータ160が使用するオペレータインターフェイス110に中継して、アトラクション乗り物車両108の効率的な乗車を促すことができる。
【0054】
ワークフロー例として、適切な証明書を有するゲスト22は、仮想待ち行列入口(例えば、復帰時間入口156)に連続して入場することができる。1又は2以上の待ち行列モニタリング装置106は、待ち行列及び配席コンピュータシステム102のシステムロジックが次の間隔中に何名のゲスト22を待機入口158から入場許可すべきかを決定できるように、乗り物間隔毎に待ち行列及び配席コンピュータシステム102にフィードバックを提供することができる。何名の待機ゲストの入場を許可できるかを決定するアルゴリズム/ロジックは、待ち行列モニタリング装置106、オペレータインターフェイス110及びその他の遊園地機能によって提供される様々な入力を使用することができる。例えば、これらの入力は、前回の仮想待ち行列入口156及び待機入口158の両方からの(例えば、前回の乗り物間隔からの)総ゲスト入場人数を含むことができる。
【0055】
例えば、1又は2以上の待ち行列モニタリング装置106が待機入口158において実行する人数カウント法は、ゲストの入場時にゲストをカウントし、この情報を使用して(例えば、待ち行列及び配席コンピュータシステム102を介して)待機入口ディスプレイ162を更新する。待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、さらなるゲスト22を待機入口158から入場させるべきでないと判定したことに応答して、待機入口ディスプレイ162に、アトラクションが待機入口158を通じて入場するゲストの最大容量に達した旨を待機入口158の担当オペレータ160に指示する視覚的指示を提供するように命令することができる。
【0056】
アトラクションの動作中には、未使用の容量を待機待ち行列からのゲストで満たすように促すシステム動作を実行することができる。待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、待機入口及び/又は仮想待ち行列入口158、156からアトラクション乗車エリア150又はアトラクション乗車エリアの手前の他のエリア内へのゲスト入場を許可するオペレータ160の分析を追跡することができる。例えば、オペレータ160が、許容可能として示されているよりも多くの待機ゲストを入場許可した場合には、オペレータ効率指標に影響が及び得る。例えばスコアなどを介してこのような指標がゲーム環境に組み込まれている実装では、効率の低下を引き起こす業務の結果、スコアの低下又はその他のゲームペナルティが生じることがある。
【0057】
図3に示すように、仮想待ち行列のゲスト、1人用乗客待ち行列(single rider queue)のゲスト、特別対応源(special accommodation source)のゲスト(VIPツアー及び子供の入れ替え/差し替え(child swap/child switch)など)、及び待機ゲストなどのゲスト22は、アトラクション乗車エリア150への入場が許可されると、1又は2以上のオペレータ160の指示でアトラクションに入場することができる。小道具又は装備の配布を伴うアトラクションでは、このような装備を配布するために1又は2以上のオペレータ160を割り当てることができる。配布は、ルール及びその他の時間目標に従うこともできる。例えば、アトラクションに関連するウェアラブル164(例えば、拡張現実/仮想現実ヘッドセット)の配布は、ゲスト当たり一定の時間の目標で行う(例えば、ゲスト当たり2秒の速さでウェアラブル164を配布する)ことができる。さらに、例えばゲーム環境を介してあらゆる関連する支援を追跡し、効率性目標及び指標に従わせることもできる。
【0058】
開示する実施形態によれば、オペレータ160の一部は、待ち行列指示などのためにオペレータインターフェイス110のうちの1つを利用して配席アプリケーション126を実行し、リーダーボード120にアクセスすることができる。配席アプリケーション126は、オペレータインターフェイス110の1又は2以上のメモリデバイス122、及び/又は待ち行列及び配席コンピュータシステム102の1又は2以上のメモリデバイス112にも記憶される永続的乗り物状態モデルに関連することができる。永続的乗り物状態モデルは、配席アプリケーション126内に維持することができ、アトラクション乗り物車両108の総数、各アトラクション乗り物車両108の各行168の利用可能なシート166、いずれかの車椅子対応シートの利用可能性及び位置、シートが「オフライン可能」であるかどうか、及びアトラクションが介助動物を認めるかどうかなどのアトラクションに関する情報を含む。永続的乗り物状態モデルは、各アトラクションに固有のインターフェイス、すなわちアトラクション固有のグラフィックユーザインターフェイス(GUI))をレンダリングするために使用することができる。以下で
図10~
図15に関してさらに詳細に説明するように、GUIを相互作用に使用する方法には類似点も存在し得るが、各アトラクションのGUIの特定のルックアンドフィールは固有のものとすることができる。
【0059】
配席アプリケーション126は、オペレータインターフェイス110を使用するオペレータ160にアトラクション乗り物車両108の乗車を効率的に行う指標を提供するために使用されるロジックベースの配席ルールを実装することもできる。実際に、待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、例えば特定のオペレータ160が配席アプリケーション126を使用して(例えば、ロジックベースの配席ルールに従って)1又は2以上のアトラクション乗り物車両108への乗車をいかに効率的に行っているかに関する指標を追跡することができる。
【0060】
この指標は、利用可能なシート166を有するアトラクション乗り物車両108にゲスト22が誘導される際に、車両毎又はサイクル毎に追跡することができる。1つの例では、アトラクション乗り物車両108の一部への乗車を1人のオペレータが担当することができる。このオペレータの指標を追跡して、(同じアトラクションの)アトラクション乗り物車両108の異なる一部への乗車を行っている別のオペレータの指標と比較することができる。ゲーム環境に指標が組み込まれる実施形態では、より少ない空席数及び/又はより速い乗車時間に基づいて、オペレータ160の1人又はオペレータ160のグループがより高いスコアを得ることができる。待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、これらの指標を評価して、いくつかの実施形態ではこれらの指標をゲーム環境に組み込むために、以下の非限定的なパラメータのうちの1つ又は2つ以上を評価することができる。
1.シート割り当てオペレータ:利用可能なシート166を有するアトラクション乗り物車両108への異なる人数のゲストグループ22のシート割り当てを指定するオペレータの能力。例えば、スコアは、割り当てられた乗り物サイクルの配席時間枠内で又は最速時間で一群のアトラクション乗り物車両108の空席166の総数を最小化して1又は2以上のアトラクション乗り物車両108の乗車を完了することに基づくことができる。
2.配席オペレータ:配席アプリケーション126が設定するロジックベースのルールに従って、指定されたアトラクション乗り物車両108の配席指示を実行するオペレータの能力。
3.待ち行列オペレータ:待ち行列を通じたゲスト22の流れを維持するオペレータの能力。
【0061】
待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、オペレータインターフェイス110を介したオペレータ入力から、及び/又はアトラクションに関連するセンサから、乗車済みシート及び/又は空席166に関する情報を受け取ることができる。例えば、各シート166は、ゲスト22のうちの1人がシート166に座ったことに基づいて信号を供給する対応するセンサ170を有することができる。センサ170は、カメラシステム(例えば、コンピュータービジョン)、圧力センサ、拘束具位置センサ、ゲスト拘束具アクチュエータ、及びユーザ装置を検出するセンサ(例えば、近接場センサ、RFIDセンサ)などを含むことができる。各シート166は対応するセンサ170を有することができるが、各センサ170は1又は複数のシートをモニタすることができる。
【0062】
例えば、アトラクション乗車エリア150内の1又は2以上のカメラからの画像データを使用して、どのシート166が空いているか、それとも使用中であるかを判定することができる。別の実施形態では、オペレータ160のうちの1人が配席アプリケーション126のGUIを使用して、どのシート166が利用可能であるかを手動で示すことができる。待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、シート状態及びシート位置を含むことができる信号を供給されると、例えば
図4の単純化した概略例に示すようなシートマップ180に利用可能なシート及び/又は乗車済みの又は利用不可能なシートを示すようにオペレータインターフェイス110を更新する。完成した空席182及び利用可能なシート184のシートマップ180を待ち行列及びシートシステム102に提供して、各乗り物サイクルの指標及びオペレータ成績を評価することができる。このようなマップは、車両の一部の乗車を担当する個々のオペレータの指定車両に基づいてこれらのオペレータの指標を採点できるように、個々のアトラクション車両108に関連付けることができる。なお、開示する実施形態は、ゲストをハーネス(harnesses)又はVRアセンブリに積み込むことなどの、アトラクション内のゲストの非車両ベース又は非シートベースの積み込みに関連して使用することもできると理解されたい。
【0063】
上述したように、配席アプリケーション126は、乗車効率を高めるようにプログラムされたロジックルールに従ってオペレータ160がアトラクション乗り物車両108への乗車を行うのを支援することができる。具体的に言えば、配席アプリケーション126にプログラムされるロジックルールの1つの実施形態は、1つのアトラクション乗り物車両108の単一の乗客シート166に1人のゲストしか割り当てることができないことを(1又は2以上のロジックルールを介して)要件とすることができる。
【0064】
なお、単一の乗客シート166は、1人の乗客を保持するように設計された位置を示す。しかしながら、アトラクション乗り物車両108によっては、個々の拘束具又は個々のシート境界が存在しないベンチシートを含むことができるものもある。さらに、乗り物車両の中には、数名の乗客を座らせてこれらの乗客がラップバー又はその他の拘束機構を共有できるベンチを有するものもある。従って、ベンチ当たりのシート166の数は、各ベンチが収容できるゲスト22の平均人数又は同様の標準化戦略に依存することができる。配席アプリケーション126にプログラムされるロジックルールの別の例として、このようなベンチシートを有するアトラクションでは、各行「x」にシート番号としてマイナス以外の整数「Gx」が割り当てられる。例えば、3人のゲストが座るように設計されたベンチは、3というGxを有することができる。これらのロジックルールによれば、配席アプリケーション126は、関連するアトラクションの各サイクルについて、行「x」に「Gx」人を超えない乗客しか割り当てられないようにすることができる。オペレータ160のうちの1人又はセンサ入力が、特定のゲスト22が複数のシート166を必要としている旨を示す場合、ロジックはこのことを考慮して、ゲスト22に割り当てられた行186の利用可能な配席を適切な量だけ低減する。
【0065】
配席アプリケーション126にプログラムされるロジックルールの別の例は、特定の特性を有するゲスト22が特定のタイプのシートに座らなければならないことを要件とすることができる。アトラクション乗り物車両108の一団は、アトラクションに依存してその0%~100%の間のいずれかがこのような特定のシートタイプを1つ又は2つ以上含むことができる。以下で説明するように、これらのシートはシートマップ180上で強調表示することができる。これにより、オペレータ160がゲスト22を適切なシートに誘導するのを支援することができる。
【0066】
配席アプリケーション126に関連する別のロジックルールは、アトラクション乗り物車両108のうちの1つに介助動物を乗せることを認める又は認めないことができる。介助動物を車両108に乗せることは、アトラクション(例えば、アトラクション乗り物車両108の動きの性質、利用可能な拘束具)に応じて認めることも、又は認めないこともできる。
【0067】
いくつかの実施形態では、配席アプリケーション126のロジックルールが、アトラクション乗り物車両108上の個々のシートが「オフライン可能」であること、すなわち個々のシートが使用不能として指定されることを認めることができる。「オフライン可能」なシートを有するアトラクションでは、アトラクション乗り物車両108が、個々のシートが使用不能、すなわち「オフライン」とみなされている間にも稼動したままであることができる。ロジックルールは、乗り物動作中にゲストがオフラインシートに割り当てられることを常に防ぐことができる。
【0068】
配席アプリケーション126のロジックルールは、団体の配席に関する問題に対応することによってゲストの満足感を高めるように作用することもできる。例えば、いくつかのロジックルールは、2人又は3人以上の団体について、ある団体メンバが他の全ての団体メンバから離れたシート166を割り当てられることがないような選択肢を優先し、又はこのような配置を要件とすることができる。このロジックルールは、できるだけ少ない行168のシート166を使用するグループの収容を要件とする論理演算を含むことができる。例えば、ある団体の全てのメンバを1つの行168に収めることができる場合、ロジックルールは、この団体に共に同じ行168のシートを割り当てなければならないことを要件とすることができる。このような論理演算の別の例は、常に連続する一群の行168内に座らなければならないような団体のシート割り当てである。具体的には、例えば
図4を参照すると、ある団体に3つの行168のシート166が必要である場合、ロジックは、互いに連続していない行2、4及び6にシート166が割り当てられることを防ぐことができる。一方で、行2、3及び4であれば、2~4は連続した整数であり、図示の実施形態では隣接する行であることを示すので認められる。
【0069】
開示する実施形態によれば、配席アプリケーション126に関連するロジックルールは、これらの特定のアトラクションのポリシーを反映するように更新することができる。例えば、各オペレータインターフェイス110は、例えば待ち行列及び配席コンピュータシステム102を介して、配席アプリケーション126のロジックルール及び/又はその他の側面を更新するアップデートを定期的に受け取ることができる。
【0070】
ワークフロー例は、
図4に示すオペレータインターフェイス110の表示例、すなわちシートマップ180に従って以下のように進むことができる。オペレータ160は、各行168に利用可能なシート182及び使用中のシート184がどれだけ存在するかを確認し、これに従ってゲストグループ22をグループ分けすることができる。ゲスト22は、グループ分けされると、次のアトラクション乗り物車両108が乗車のために接近するのを割り当てグループ内で待つことができる。1つの例では、アトラクション乗り物車両160に乗車する次の団体の団体人数を乗り物オペレータ160が入力し、配席アプリケーション126が、乗り物状態モデルで構成されたアトラクションの乗車ロジックに従って、その団体にとって最適なシート割り当てを計算する。配席アプリケーション126は、このシート割り当てを(例えば、グラフィックシートマップ上の強調表示を介して)乗り物オペレータ160に対して表示し、乗り物オペレータ160はこの情報を団体ゲスト22に中継する。アトラクションによっては、この時点で別の乗り物オペレータ160が団体をその割り当てシートに連れて行くことができ、或いはゲスト22が自力で割り当てシート166に進んで、アトラクション乗り物車両108の発車前に二次確保評価(secondary securement evaluation)を行うこともできる。
【0071】
別のアトラクション乗り物車両108が到着すると、ゲスト22は乗り物車両108に乗り込み、その割り当てシートに従ってシート166に座ることができる。ゲストグループがアトラクション乗り物車両108に乗り込んだ後にアトラクション乗り物車両108上に空席182が残っている実施形態では、オペレータ160がディスプレイ128を見て空席182の位置及び量を識別することができる。オペレータ160は、待ち行列又は待機列内のゲスト22に空席182を提示して、割り当てシート166に容易にゲストを誘導することができる。このように、ゲスト22をアトラクション乗り物車両108に効率的に乗車させて空席182の数を低減できることにより、ゲスト22又はオペレータ160が配席アプリケーション126のロジックに関係なく行168及びシート166を選択できる乗車業務と比べてゲスト処理能力を改善してアトラクション待ち時間を短縮することができる。
【0072】
配席アプリケーション126は、ゲスト22が特定の乗り物車両に乗車した時に、その乗り物車両に関連するディスプレイ128をリアルタイムで更新することができる。この場合も、この更新は、感知設備(例えば、人間の形状を検出するように構成されたカメラ及びソフトウェア)からのフィードバック、配席アプリケーション126を介した入力、又はこのようなフィードバックと入力との組み合わせに基づいて行うことができる。従って、ゲスト22の気が変わった場合、又はゲスト22が与えられたシート割り当てを拒絶した場合、乗り物オペレータ160は、アトラクション乗り物車両108のシート内の観察される各ゲストの物理的位置を正確に反映させるようにシートマップ180を更新するために、シート割り当てに対するゲスト22の追加又は削除を直接行うことができる。
【0073】
理解できるように、開示する実施形態は、待ち行列管理システム100を使用するアトラクションが効率的なトラフィックフローを有するように動作する。待ち行列管理システム100は、個々のショーサイクルから独立しているので、単一の乗り物サイクルと比べて長い期間及び複数のプラットフォームにわたるトラフィック変動に対応することができる。待ち行列管理システム100の自動化特性は、入口の操作及び乗り物車両への乗車を行うチームメンバーによる手動カウント又は当て推量(guesswork)を排除する。待ち行列管理システム100は、待ち行列入口が直近に位置することを必要としない。このことは、待機待ち行列内のゲスト22が仮想待ち行列内のゲスト22から物理的に離れていることにより、待機ゲストに対して仮想待ち行列ゲストが何人存在するかを1人のオペレータ160では特定できないような場合に特に有利である。
【0074】
上述したように、待ち行列及び配席コンピュータシステム102及びオペレータインターフェイス110などの待ち行列管理システム100のコンピュータ装置には、特定の分析ロジック及び/又はゲーミフィケーションロジックをプログラムすることができる。このように、待ち行列管理システム100は、複数の装置にわたって実装できる待ち行列分析及びゲーミフィケーションシステムを含み、待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、リーダーボード120を特異的にレンダリングするディスプレイなどのオペレータインターフェイス110又はその他の設備を介して提供される様々な分析環境及びゲーム環境のためのサーバとして機能すると考えることができる。
【0075】
一例として、分析ロジック及び/又はゲーミフィケーションロジックは、待ち行列及び配席コンピュータシステム102の少なくとも1つのメモリデバイス112に記憶することができる。さらに、待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、分析ロジック及び/又はゲーミフィケーションロジックを実装する装置に新たな構成及びアップデートなどをユーザレベルでプッシュ配信することができる。例えば、このロジックを配席アプリケーション126と一体化して、オペレータインターフェイス110による乗り物乗車推奨の提供とオペレータ乗車効率の追跡とを同時に可能にし、その後にオペレータが自身の成績指標に関するフィードバックを取得できるようにすることができる。分析ロジック及び/又はゲーミフィケーションロジックは、様々な入力を利用して、ロジックが必要に応じて有意義なフィードバック及び動機付けを行うことを可能にすることができる。
【0076】
非限定的な例として、待ち行列モニタリング及びゲーミフィケーションシステムへの入力は、1時間当たりの乗り物定員(Hourly Ride Capacity)(例えば、オペレータインターフェイス110を介して設定できる、アトラクションを体験できる1時間当たりのゲスト22の人数)、サイクルタイム(Cycle Time)(例えば、1アトラクションサイクル当たりの時間)、サイクル容量(Cycle Capacity)(例えば、アトラクション作動時間、及び/又はショー及び/又は乗車の前に費やされる時間に基づいて予め設定できる1アトラクションサイクル当たりの収容ゲスト22の人数)、残り時間(Time Remaining)(例えば、サイクル内の残り時間)、オーバーラン(Overruns)(例えば、待ち行列管理システム100によって計算される)、仮想待ち行列入場許可(virtual queue admits)(例えば、待ち行列モニタリング装置106からの信号を介して提供される、サイクル中に入場を許可されるゲスト22の人数)、待機保留(standby pending)(例えば、待ち行列モニタリング装置106から信号を介して提供される列内の待機ゲスト)、現在待機入場許可(Standby Admit Now)(例えば、待機入場許可命令を含む待ち行列ディスプレイユニット104及び/又はオペレータインターフェイス110への出力)、待機入場許可(Standby Admits)(例えば、待ち行列モニタリング装置106からの信号を介して提供される、入場を許可される待機ゲスト)、一時停止/一時停止解除(Paused/Unpaused)、サイクル数(Number of Cycles)、総作動時間(Total Run Time)、総容量(Total Capacity)、及び秒単位のサイクル時間(Cycle Time in Seconds)、のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。
【0077】
待ち行列管理システム100の分析ロジックは、待ち行列管理及び乗車が、上記入力のいずれかに基づいて自動的に調整される適応的プロセスであることを可能にすることができる。説明に役立つ1つのシナリオ例として、サイクル容量(例えば、座ることができるシート166の総数)が全部で40人のゲストであり、仮想待ち行列ゲストが存在しない場合、待ち行列及び配席コンピュータシステム102によって生成される命令は、待ち行列ディスプレイユニット104にこのサイクル(例えば、2分)の40人分の待機入場許可を表示させる。特定の乗り物サイクルを通じた流れを改善するために、待機待ち行列からのゲスト22はグループとして入場許可することができる。
【0078】
これらの待機待ち行列からのゲスト22が入場許可されると、待ち行列ディスプレイユニット104に与えられる命令は、このサイクルが一杯であり、残りの乗り物サイクルについては待機待ち行列ゲストが利用できる空席182が存在しない旨を示すように(待ち行列及び配席コンピュータシステム102からの命令を介して)更新される。待ち行列及び配席コンピュータシステム102は、乗り物サイクルの終了時に、新たな40人の潜在的な入場許可グループを示すように再び命令を更新することができる。仮想待ち行列ゲストのためのシート166が利用可能である場合には、全てのアトラクション乗り物車両108の容量が一杯になるまで、又は配席されるのを待っている仮想待ち行列ゲストが存在しなくなるまで、全ての仮想待ち行列ゲストが入場を許可される。全ての仮想待ち行列ゲストが入場を許可されて、残りのサイクル時間中に乗り物サイクル内に容量(例えば、10席分の空間)が残っている場合、可能であれば待機待ち行列ゲストをグループとして、又は残りの乗り物サイクルにわたって順繰りに(on a rolling basis)入場を許可して残りの空席182を埋めることができる。従って、待ち行列管理システム100は、予め設定された仮想待ち行列ゲストと待機待ち行列ゲストとの割合を必要として使用するのではなく、代わりにリアルタイムなトラフィック状態に応答して、仮想待ち行列状態に基づいて待機待ち行列からの入場許可を動的に変更してアトラクションを一杯にすることができる。
【0079】
本明細書に示す技術を使用すれば、オペレータインターフェイス110を使用して乗り物オペレータ160に待ち行列及び配席ガイドを提供できるとともに、オペレータ又はオペレータグループ同士がゲーム環境を介して自身のアトラクション効率スキル(attraction efficiency skills)を互いに比較できる環境を提供することもできる。上述した様々な入力を単独で又は組み合わせて使用することにより、オペレータインターフェイス110のゲーミフィケーションモードを使用してゲーム環境内でオペレータスコア及び/又はチームスコアを判定/計算することもできる。
【0080】
オペレータ160がオペレータインターフェイス110上でゲーミフィケーションモードに入ると、オペレータの目標は、アトラクション待ち時間の設定閾値又はそれ未満に留まり、及び/又は一定時間を掛けてアトラクション乗り物車両108(及び/又は全てのアトラクション乗り物車両108)に乗車させる最低ゲスト数の閾値を上回ることである。ゲーミフィケーションロジックによって計算されるポイントは、オペレータ160がアトラクションに割り当てられた時間中におけるアトラクション待ち時間及び/又はゲスト処理能力と閾値との比較に基づくことができる。一例として、ゲーミフィケーションモード中に得られたポイント数に基づいてオペレータ160を採点することができる。各オペレータ160又はオペレータ160のチーム(例えば、単一のアトラクションに割り当てられたオペレータグループ)のスコアは、
図5に示すようにオペレータインターフェイス110のディスプレイ128上に表示することができる。このようにして、オペレータ160は、自身のスコア及び他のオペレータ160のスコアをモニタ/追跡することができる。オペレータ160は、ゲーミフィケーションモードに入って、各オペレータの乗車業務が自身の同僚にどれほど匹敵するかを確認することにより、割り当てられたアトラクションのゲスト処理能力及びアトラクション待ち時間を改善する動機を高めることができる。
【0081】
図5は、オペレータインターフェイス110がゲーミフィケーションモードに入ったときにアクセスできるゲーム環境例190の単純化した概略図である。図示のようなゲーム環境190は、異なるアトラクションの異なるスコア、及びどのオペレータ160が各チームのメンバであるかを示す。このシナリオ例では、チームBがチームAよりも高い累積チームスコアを有しており、オペレータ1及び2と比べてオペレータ3及び4の方が高い効率度でアトラクション1を操作していることを示すと考えられる。アトラクション2のシナリオ例では、オペレータ7及び8の方がそれぞれオペレータ5よりもはるかに高い効率でアトラクション2を稼動させているが、チームCの方がチームDよりも高い累積スコアを有する。この例では、オペレータ6が、オペレータ5の低い効率を解消するほどの高い効率でアトラクション2を操作している。この点、ゲーミフィケーションロジックは、オペレータスコアを計算する際に、全体的なアトラクション効率をシフト毎に最大化するオペレータのペアを形成するための直接的なツールを提供することもできる。このように、非常に効率性の高いオペレータを効率性の低いオペレータとペアにして、全体的なアトラクション効率が維持されることを確実にすることができる。
【0082】
オペレータ160又はオペレータ160のチームは、スコアに基づいてランク付けすることができる。上述したように、このランキングは、従業員休憩室及び/又はスタッフ事務所内に配置された物理的電子ディスプレイ、又はオペレータインターフェイス110のディスプレイ128上にレンダリングされる仮想チャートとすることができるリーダーボード120上に表示することができる。
図6には、同じ及び/又は異なるアトラクションについてゲーミフィケーションモード中に取得されたスコアに基づいてオペレータ160及びオペレータ160のチームが他のオペレータ160の中でどのようなランクを占めるかをリストするリーダーボード120の実施形態例を示す。具体的に言えば、
図6に示すリーダーボード120は、
図5のゲーム環境190において示されるスコアから導出されるチーム及びオペレータランキングを示す。
【0083】
図示の実施形態では、(例えば、乗車業務の効率が最も高い)ベストスコアを有するオペレータ160及びオペレータ160のチームが1位としてリストされる。リーダーボード120は、オペレータインターフェイス110及び/又は待ち行列及び配席コンピュータシステム102によって取得された情報の分析に基づいていずれかの時間間隔で(例えば、1時間毎、1日毎、1週間毎、リアルタイムで)更新することができる。図示のように、リーダーボード120は、どのオペレータ160及び/又はオペレータ160のチームが閾値を満たし又は上回るかを示す閾値マーカー192を表示することもできる。このようにして、オペレータ160は、様々なアトラクションにわたる他のオペレータ160に自身がどれほど匹敵するかを評価して、自身の乗車業務に関するフィードバックを受け取ることができる。
【0084】
オペレータインターフェイス110のゲーミフィケーションモードは、最大ゲスト処理能力、最低アトラクション待ち時間、又はアトラクションを通じたゲストの流れに関する他のいずれかのオペレータ制御タスクについてオペレータ160がチャレンジし合うことを可能にすることができる。ゲーミフィケーションモード中、オペレータインターフェイス110は、どのオペレータ160がゲスト22をアトラクション乗り物車両108に効率的に乗車させているかを判定するために、各オペレータに割り当てられたアトラクションの待ち時間及び/又はゲスト処理能力の比較などの視覚インジケータをリアルタイムで提供することができる。ゲーミフィケーションモードは、オペレータ160がゲスト乗車及び処理能力効率に基づいてポイントを獲得できるようにすることによって、オペレータ160がゲスト処理能力及び待ち時間を改善する動機付けを行うことができる。例えば、オペレータインターフェイス110のメモリ122は、所望の最大アトラクション待ち時間(例えば、遊園地への来園ゲスト数、それぞれのアトラクションの人気、遊園地のピーク時間及びこれらの組み合わせに基づく、ゲストが待ち行列内に存在する最大時間)、及び/又は所定の時間(例えば、1時間毎、オペレータシフト毎、1日毎)にわたってアトラクション乗り物車両108に乗車する所望の最小ゲスト数(例えば、ゲスト処理能力)の閾値を記憶することができる。
【0085】
この場合も、ゲーミフィケーションロジックは複数の方法でスコアを計算することができ、スコアの大きさは、乗車効率との間に直接的又は間接的な相関性を有することができる。換言すれば、直接的相関では、高い効率に対応してスコアの大きさが高くなり、間接的相関では、低い効率に対応してスコアの大きさが高くなる。スコアがどのように指標に関連し得るかについての一例として、アトラクションの同時待ち時間(concurrent wait time)の関数としてアトラクション乗り物車両108(又はアトラクション全体)内に利用可能なシート182がいくつ存在するかに基づいて、アトラクションの各サイクルを採点することができる。すなわち、アトラクションの容量は40人分のゲスト22であるが、アトラクションの待ち時間がゼロ(待機中のゲスト22なし)である場合には、利用可能なシート182を含む一部のみが満たされたアトラクション乗り物車両108を送り出しても、オペレータスコアが影響を受ける(例えば、ペナルティを受ける)ことはない。一方で、アトラクションに待機中のゲスト22が存在する場合には、アトラクション内の利用可能なシート182がオペレータスコアにマイナスの影響を与えることができる。
【0086】
本明細書で説明するように、開示する実施形態は、オペレータインターフェイス110上で実行されるソフトウェアアプリケーション126を利用して、様々なアトラクション操作活動の統合を促す。上述したように、オペレータインターフェイス110は、配席アプリケーション126に関連するグラフィックユーザインターフェイス(GUI)を実行して、本明細書で説明したシート割り当て、分析及びゲーミフィケーション技術を実行する様々なモジュール(例えば、命令セット)をオペレータ160が開始し、これらにアクセスし、これらと相互作用することを可能にすることができる。
図7~
図15に、オペレータインターフェイス110のディスプレイ128によってレンダリングされる配席アプリケーションGUI200の例を示す。開示する実施形態によれば、
図7に示すように、配席アプリケーションGUI200は、ディスプレイ128に関連する容量性タッチ要素などのI/O装置130のうちの1つ又は2つ以上を使用して個別に選択可能なインターフェイス202(例えば、選択可能なグラフィック要素)を含むことができる。配席アプリケーションGUI200上にレンダリングされる他の要素は、テキスト、特定のアトラクション及び/又は遊園地に関連するロゴ及び状態インジケータ206などのグラフィックス204を含むことができる。インターフェイス202の各々は、例えば選択時に開始する実行可能命令セットを表すことができる。従って、例えばインターフェイス要素202のうちの1つが選択されると、配席アプリケーション126は、特定のインターフェイス要素202に関連するロジックに応じてさらなるグラフィックスがレンダリングされ、様々なユーザインターフェイス及び/又は情報が提示されるようにすることができる。
【0087】
図示の実施形態では、インターフェイス要素202が、選択可能なテーマパーク要素208のメニューを含む。選択可能なテーマパーク要素208は、遊園地に関連する異なる特性、又は遊園地の異なるテーマ別エリアに対応することができる。テーマパーク要素208が選択されると、特定の選択可能な乗り物要素210の組を有する個々のサブメニューが表示される。乗り物要素210は、個々の乗り物アトラクション(例えば、乗り物42)に対応することができる。
【0088】
図7では、「テーマパーク1」というテーマパーク要素208が選択されることにより、「乗り物1」、「乗り物2」及び「乗り物3」という乗り物要素210を表示するサブメニューが提示されている。配席アプリケーション126は、乗り物要素210のうちの1つが選択されたことに応答して、配席アプリケーションGUI200内のその後の作業を選択された乗り物(例えば、乗り物1、乗り物2又は乗り物3のうちの1つ)に特異的に関連して実行させるロジックルールに従うことができる。
【0089】
配席アプリケーションGUI200は、配席設定と、いくつかの実施形態では本明細書で説明する分析及びゲーミフィケーションロジックとを配席アプリケーション126に開始させる特定のタイプのインターフェイス要素202とすることができる乗車ユーザインターフェイス(UI)要素212を含むこともできる。開示する実施形態によれば、乗車UI要素212が選択されると、配席アプリケーションGUI200は、
図8に示すような乗車UI220に関連する新たな画面を提示することができる。
【0090】
図8では、配席アプリケーションGUI200の乗車ユーザインターフェイス画面が、乗車UI220を含む複数の異なるタイプのインターフェイス要素202を含み、その具体例については
図10及び
図11に示して以下でさらに詳細に説明する。インターフェイス要素202は、配席アプリケーションGUI200を
図7に示す前の画面に戻して他の遊園地及び乗り物などを選択できるようにするために選択できる会場要素222も含む。
図8に示す配席アプリケーションGUI200は、乗車UI220自体に加えて、乗車作業を支援するように特異的に構成された複数のインターフェイス要素202を含むことができる。例えば、図示のように、このようなインターフェイス要素202は、選択時にポップアップ変更メニュー(pop-up modifier menu)226を表示させる変更要素(modifiers element)224を含むことができる。ポップアップ変更メニュー226は、アトラクション乗り物車両108の特定のシート166の占有方法を変更するためにそれぞれ選択できる、車椅子要素228、介助動物要素230及びクローズドキャプション要素232などの一連のシート変更要素を含むことができる。
【0091】
その他のインターフェイス要素202は、以前の操作の取り消しを可能にするアンドゥ要素234、及び設定要素236を含むことができる。設定要素236は、様々なユーザの好み(例えば、プロファイルなどの、オペレータ160のうちの特定の1人に関連する好み)、特定のアトラクション(例えば、待ち時間)に関連する設定、及び乗り物状態モデルに関連する設定などに関連する設定メニューにアクセスするために選択することができる。発車要素238は、乗り物アトラクション車両108が、例えば軌道に沿って発車する準備が整っているとみなされる時点で選択することができる。一例として、乗り物アトラクション車両108は、乗り物オペレータ160が十分な数のシート166(例えば、全ての利用可能なシート166)を占有状態に変更した時点で発車準備が整ったとみなすことができる。なお、配席アプリケーション126は、特定のアトラクション乗り物車両108が満席であることを認識するプログラムを含むが、アトラクション乗り物車両108の準備が整ったことをオペレータ160が発車要素238を介して確認することをさらに必要とすることができる。
【0092】
開示する実施形態の一部によれば、乗車UI要素212を選択すると、配席アプリケーション126に関連する分析及びゲーミフィケーションロジックの実行を開始することができる。従って、
図8に示す配席アプリケーションGUI200内にレンダリングされる要素の一部は、分析及びゲーミフィケーションに関連することができる。例えば、
図8に示すグラフィックス204の一部は、(例えば、オペレータインターフェイス110及び/又は乗り物がオンラインである旨の)状態情報、どのアトラクション乗り物車両108がオペレータインターフェイス110に関連するか、どのアトラクション乗り物車両108が現在乗車中であるか、どれほどのチームがゲーミフィケーションロジックを使用して競争しているか、時間及び日付などを示す情報240を識別することを含む。
【0093】
配席アプリケーション126の分析ロジックは、動作中の時間及びその他の時間に関する指標を追跡するので、配席アプリケーション126は、オペレータ160が配席アプリケーション126、特に乗車UI220をどれほど長く使用しているかを追跡することもできる。配席アプリケーションGUI200は、乗車UI220が特定の時間にわたって使用中であると判定したことに応答して、オペレータ160が延長期間にわたって乗車UI220を使用している旨を示す通知ボックス242を表示して、通知ボックス242を閉じる応答を要求することができる。具体的には、オペレータ160がログインを維持したいと望む旨を示す確認要素244である1つの相互作用要素202と、オペレータ160による別のプロファイルへの切り替えを可能にするユーザ切り替え要素246である別の相互作用要素202という2つの相互作用要素202を含む通知ボックス242がレンダリングされる。従って、本実施形態は、業務職員の所望の休憩の奨励を促すことができる。
【0094】
統計値は、オペレータ160についてだけでなく、配席アプリケーション126を使用する特定のアトラクション又は会場についても追跡することができる。会場状態要素248を選択することによってこれらの統計値を見ると、
図9に示すGUI画面が表示される。具体的に言えば、
図9には、時刻に従って仕分けられた乗り物アトラクションに関する統計グラフィックス252を含む会場統計画面250の例を示す。図示のような統計グラフィックス252は、アトラクション(会場)に関連するアトラクション乗り物車両108に乗車したゲスト22の時間による総数、及びこの数字がその日に乗車したゲストの総数にどのように匹敵するかを含む。乗車時におけるADA要素又は介助動物要素の使用などの、乗車効率に対する障害を示すこともできる。
【0095】
会場統計画面250は、特定の会場の上位オペレータ160をランク付けするリーダーボードグラフィックス254を提示することもできる。例えば、リーダーボードグラフィックス254は、配席アプリケーション126のゲーミフィケーションロジックに従って計算されたスコアに依拠することができ、最も高い効率を示すスコアを有するオペレータ160をリーダーボードグラフィック254の最上部近くにリストすることができる。
【0096】
表示された情報に関するさらなる情報にアクセスするには、統計グラフィックス252及びリーダーボードグラフィックス254のエントリのうちのいずれか1つ又は組み合わせを個別に選択することができる。例えば、乗り物オペレータ160は、他のオペレータ160のうちの1人がどのようにしてリーダーボードグラフィック254の最上部に上り詰めることができたかを知りたいたいと思う場合には、特定のチームメンバーの番号をタップすると、(例えば、オペレータ160がこのような情報へのアクセス権を有していることを条件に)GUI200が特定のチームメンバーの統計値を提示することができる。
【0097】
上述したように、
図10及び
図11には、やはりオペレータインターフェイス110上で実行される配席アプリケーション126に関連する命令に基づいてレンダリングされる乗車UI220の例を示す。
図10に示すような乗車UI220は、アトラクション乗り物車両108の仮想表現260を含む。仮想表現260は、アトラクション乗り物車両108の外見の形状を大まかになぞらえることができるが、これは必須条件ではなく、この形状は、現実のアトラクション乗り物車両108の内部の実際の配席設定の正確な表現に対応していればよい。いくつかの実施形態では、特定のアトラクション乗り物車両108の配席ロジックに関連する乗り物状態モデルが、配席設定情報と、本明細書で説明した変更要素に従ってシート160のうちのいずれか1つ又は組み合わせを変更できるかどうかとを示すことができる。
【0098】
乗車UI220は、乗り物状態モデルに従うアトラクション乗り物車両108の配置を表すシート166及びシート166の行168のレンダリングを含むことができる。
図10の乗車UI220は、ADAシート要素228、介助動物シート要素230、標準シート要素262、ラップシート要素264及びオフラインシート要素266などの様々なシート変更要素261も含む。開示する実施形態によれば、シート変更要素261は、シート166のうちの1つ及び組み合わせを変更するために個別に選択することができる。例えば、具体的に言えば、標準シート要素262は、特定のシート166が標準構成で使用されていることを示すために使用することができ、(可能な場合には乗り物状態モデルに従う)ラップシート要素264は、特定のシート166の大人の膝の上に子供が座っていることを示すために使用することができ、オフラインシート要素266は、シート166のうちの1つ又は2つ以上をオフラインにするために使用することができ、他もまた同様である。
【0099】
図10の特定の乗車GUI220では、シート166が、特定のシート166に適用されるシート変更のタイプを表すグラフィックスに対応できる形でレンダリングされる。例えば、シート166のうちの1つに標準シート要素262を適用するには、オペレータ160が最初に標準シート要素262を選択し、次に標準的な配席設定を行う特定のシート166を選択する。図示の実施形態では、最初のシート166aがこのような変更のために選択され、標準シートグラフィック268と組み合わせてレンダリングされている。
【0100】
図11は、オペレータインターフェイス110上にレンダリングされる乗車UI220の別の実施形態の図であり、
図7~
図10に関して上述したものと同じインターフェイス要素202を多く含む。
図11の乗車UI220は、特定の乗り物アトラクション車両108のシートレイアウトを正確に描写した配席設定を
図10に関して説明したような同様の形で含む。シート166の一部は、シート要素の一部に関連するグラフィックスを使用して使用中として示される。例えば、シート166の一部は、標準的なシートグラフィック268(この実施形態では塗り潰された円(filled-in circle))、介助動物グラフィック280、車椅子グラフィック282及びADAゲストグラフィック284と組み合わせてレンダリングされる。
【0101】
この実施形態では、乗車GUI220に関連する配席ロジックが、全てのシート選択が標準的なものであると想定しており、従ってシート166を変更するために使用される標準シート要素は存在しない。ここでは、ADAラジオボタン要素及び介助動物ラジオボタン要素を含むラジオボタン要素286を使用して、標準的なシートが別のタイプに変更されている。配席ロジックは、ADAラジオボタン要素の選択に応答して複数のシート166を変更するオプションを提供することもでき、例えば1つのシート166をADAゲストを示すように変更し、別のシート166を車椅子の存在を示すように変更することができる。
【0102】
図11の乗車GUI220は、アトラクション乗り物車両108に乗車するゲスト22の人数をオペレータ160が示すことができる複数の方法も含む。例えば、各シート166を個別に選択してゲスト22を1人ずつ追加することができる。しかしながら、配席アプリケーション126の配席ロジックは、例えばゲストカウントボタン要素288を介して団体ゲスト22の総数が入力されると、自動的にロジックルールを実行するように構成される。例えば、行168がその団体の人数を収容できない場合、配席ロジックは、ゲストグループ22の分割方法に関する推奨を提供することができる。このような実施形態では、例えば乗車GUI220が、ゲスト番号グラフィック290を使用して、特定の行168に推奨されるゲスト22の人数を表示することができる。図示の実施形態では、ゲスト番号グラフィック290が、その関連する行168に配置すべきゲスト22の人数を示す涙滴形グラフィックである。
【0103】
一例として、
図11に示す配置を参照すると、7人のゲストグループ22は1つの行168に収容できないと考えられる。このような状況では、配席アプリケーション126が実行する配席ロジックに従って、同じ団体のゲストが1人で座らない形で団体を分離すべきである。従って、これらの行の1つでは、番号5のゲスト番号グラフィック290を第1の行にレンダリングし(7人のゲストのうち5人を第1の行に誘導すべき旨を示し)、番号2の別のゲスト番号グラフィック290を第2の行にレンダリングする(7人のゲストのうち2人を第2の行に誘導すべき旨を示す)ことができる。このようにして、乗車GUI220は、オペレータ160が配席ロジックに従ってゲスト乗車戦略を実行するのを支援する。
【0104】
図11の乗車GUI220は、選択時に乗車GUI220に様々なタイプのカウントを表示させる人数カウント要素292を含むこともできる。具体的に言えば、
図11に示すように、乗車GUI220は、人数カウント要素292の選択に応答して、総人数、総介助動物数、総ADAゲスト数及び総車椅子数を含むカウントグラフィックス294を表示する。このような統計情報を使用して、分析/ゲーミフィケーションの見地から、乗車効率の低下が非標準的なシート状況に起因する可能性があるかどうかを判定することができる。
【0105】
上述したように、本明細書に開示した待ち行列管理システムの実施形態は、仮想待ち行列システムと、乗り物配席ロジック、分析ツール、及びアトラクションのオペレータを動機付けするゲーミフィケーション機能とを一体化して待ち行列及び乗車効率を改善する。タブレットコンピュータなどのオペレータインターフェイスにも配席アプリケーションソフトウェアをプログラムして、これらのインターフェイスが、乗り物オペレータがより効率的な乗車業務を行ってゲーム環境にアクセスできるようにするツールの役割を果たせるようにする。開示した実施形態は、一例として最良の乗車パラメータを目指してオペレータが他のアトラクションのオペレータに挑戦することを可能にすることができる。従って、オペレータ(又は、ゲームロジック)は、割り当てられたアトラクションのそれぞれのアトラクション待ち時間、ゲスト処理能力及びその他のパラメータを他のオペレータのパラメータと比較することができる。オペレータは、自身のそれぞれの乗車パラメータと割り当てられたアトラクションの所定の閾値との比較に基づいてポイントを獲得することができる。これらのポイントは、採点した上で、オペレータをそれぞれの乗車パラメータに基づいてランク付けするリーダーボード上に表示することができる。また、待ち行列管理システムは、オペレータの乗車パラメータに基づいてレポートを生成し、このレポートを経営陣に送信することもできる。経営陣らは、この情報を使用してオペレータの成績を評価することができる。
【0106】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲では、全てのこのような修正及び変更が本開示の実際の趣旨に含まれるものとして対象になると理解されたい。
【0107】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。