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特許7369721一定の積み重ねピッチを有するプラスチック容器を備えるパッケージ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】一定の積み重ねピッチを有するプラスチック容器を備えるパッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 21/02 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
B65D21/02 210
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020565933
(86)(22)【出願日】2019-05-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 FR2019051218
(87)【国際公開番号】W WO2019229342
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-03-08
(31)【優先権主張番号】1854484
(32)【優先日】2018-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591169401
【氏名又は名称】ロケット フレール
【氏名又は名称原語表記】ROQUETTE FRERES
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ハオン、ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】ルメール、ゴティエ
(72)【発明者】
【氏名】ムグニール、ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】ノヴォレ、ステファン
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-039634(JP,A)
【文献】特開平08-244812(JP,A)
【文献】特開2006-176209(JP,A)
【文献】特開2006-016056(JP,A)
【文献】米国特許第06102198(US,A)
【文献】米国特許第05105947(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 21/02
B65D 43/06
B65D 77/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ(1)であって、隅部(24)で接する側壁(20、21、22、23)、上部開口部(25)、及び底部(26)を備える、プラスチック容器(2)と、前記容器(2)の前記上部開口部を覆うように構成された着脱式プラスチック蓋(4)と、を備え、前記容器(2)は、前記容器(2)の前記上部開口部(25)に第1係合部(34)を備え、前記第1係合部(34)は、周縁部にわたって延びる外向き隆起部(27)を支持しており、前記蓋は、前記蓋の周縁部にわたって第2係合部(40)を備え、前記第2係合部(40)は、折り曲げられた状態で下向きに延び、かつ内向き隆起部(41)を備え、前記内向き隆起部(41)は、前記容器の外側に向かって方向付けられた前記隆起部(27)の下に取り付けることができ、
前記容器の前記側壁(20、21、22、23)は広がり、角錐台を共に形成しており、前記容器を同一容器内に積み重ねることができるように構成されており、
前記容器は、前記容器の前記上部開口部(25)において前記側壁から、前記容器の前記第1係合部(34)の下方に延びる突出部(29)を有し、前記突出部(29)は、前記容器の外部にあり、前記容器の前記第1係合部(34)の下方に垂直に延びる外部リブ(31)の形態であり、各垂直外部リブ(31)は、前記各垂直外部リブ(31)の底端部に、前記容器が内部に積み重ねられた前記同一容器の前記上部開口部の上縁部(30)と当接して協働することを目的とした平坦部分(32)を有し、前記突出部(29)は、前記容器が前記同一容器内に積み重ねられているときに、前記容器(2)と前記同一容器(2’)との間に一定の積み重ねピッチを確保するように構成されており、前記突出部(29)は、前記積み重ねピッチを確保するように、前記容器が内部に積み重ねられた前記同一容器の前記上部開口部(25)の前記上縁部(30)と当接して協働するように構成されており、
前記蓋の前記第2係合部(40)は、前記第2係合部(40)の下部分にわたって延びるスカート(42)を有し、一方では、前記容器の前記外向き隆起部(27)は、他方では、前記蓋の前記内向き隆起部(41)は、前記側壁(20、21、22、23)が接する前記隅部(24)に湾曲隅部セクション(28、43)を有し、前記内向き隆起部(41)の前記湾曲隅部セクションのうちの少なくとも1つは折り曲げ可能なスカートセクション(44)を備え、前記折り曲げ可能なスカートセクション(44)は、折り曲げ領域
(46)を介して前記係合部(40)の上部分に関節式に連結されており、前記折り曲げ可能なスカートセクション(44)は、てこの作用を用いることにより、前記内向き隆起部(41)の前記少なくとも1つの湾曲隅部セクションの中心部分が前記上部開口部(25)の前記外向き隆起部(27)から間隔を空けるように、したがって、前記隆起部(27、41)間の係合が、前記中心部分にわたって弱化されるように、係合位置から外向き解放位置に折り曲げることができ、
前記突出部(29)は、前記隅部(24)から外向きに突出するように配置されており、前記外部リブ(31)のうちの少なくとも1つは、前記内向き隆起部(41)が前記容器(2)の前記外向き隆起部(27)との係合位置にあるときには、前記隅部(24)において、前記平坦部分(32)を形成する前記外部リブ(31)の前記底端部から、少なくとも前記折り曲げ可能なスカートセクション(44)の高さまで延びる、
パッケージ(1)。
【請求項2】
前記容器と前記同一容器との間に確保される前記積み重ねピッチ(Dep)は、前記容器の前記側壁と前記同一容器の前記側壁とが0.4mm~1.2mmの距離だけ離隔するほどのものである、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記外部リブ(31)の垂直高さが前記積み重ねピッチ(Dep)を画定し、前記外部リブ(31)は、前記外部リブ(31)の前記底端部において停止部としての機能を果たす前記平坦部分(32)から、前記外部リブ(31)の上端部にある前記容器の前記上縁部(30)まで延びる、請求項1又は2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記折り曲げ可能なスカートセクション(44)は、前記スカート(42)の外部表面に形成されており、かつ前記折り曲げ領域(46)から前記スカート(42)の下縁部まで下向きに延びる2つの溝(45)によって、残りの前記スカートセクション(42)から分離されており、前記溝(45)は、前記折り曲げ可能なスカートセクション(44)を、前記折り曲げ可能なスカートセクション(44)の外向き位置に折り曲げるために、前記スカートを前記溝(45)に沿って破断することができるように、前記スカート(42)の壁厚を低減する、請求項1~3のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記折り曲げ可能なスカートセクション(44)と並んでいる前記外部リブ(31)は、前記平坦部分(32)を形成する前記外部リブ(31)の下端部と前記折り曲げ可能なスカートセクション(44)の下端部(48)との間の寸法が増加する、前記外部リブ(31)の平面を通る水平方向に沿っており、したがって、前記外部リブ(31)は、前記外部リブ(31)の前記下端部の前記平坦部分(32)から前記折り曲げ可能なスカートセクション(44)の前記下端部(48)に接近するにつれて、更に外向きに離れる傾斜面(33)を形成する、請求項1~4のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記容器の前記外向き隆起部(27)を支持する前記容器の前記第1係合部(34)は、折り曲げられた状態で下向きに延び、前記側壁(20、21、22、23)及び前記隅部(24)を前記容器の高さにわたって覆い、一方では、前記側壁(20、21、22、23)の前記外部表面と前記隅部(24)との間の空間に、他方では、前記側壁(20、21、22、23)の前記外部表面と前記係合部(34)の折り曲げセクションとの間の空間に周辺空洞(Int)が存在し、垂直補強リブ(37)は、前記容器の前記周縁部にわたって前記空洞内に分散されており、各補強リブ(37)は、一方では、前記側壁(20、21、22、23)、又は前記隅部(24)の壁のうちの1つに接続しており、他方では、前記第1係合部(34)の前記折り曲げセクションに接続している、請求項1~5のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記一定の積み重ねピッチを確保する前記外部リブ(31)はそれぞれ、前記空洞(I
nt)の下方に位置する前記平坦部分(32)を形成する前記外部リブ(31)の前記底端部から延び、かつ前記容器の前記第1係合部(34)から、前記垂直外部リブ(31)が伸長する前記空洞(Int)の内部まで延び、前記補強リブ(37)のうちの1つを形成する、請求項6に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記外向き隆起部(27)を支持する前記容器の前記第1係合部(34)は、第1隆起部と呼ばれる前記隆起部(27)の下方に延びて、伸長し、前記第1隆起部の下方の、同じく第2の外向き隆起部(35)において終端し、前記第1隆起部(27)に取り付けることができる前記内向き隆起部(41)を支持する前記折り曲げ可能なスカートセクション(44)は、前記折り曲げ可能なスカートセクション(44)の前記係合位置において、前記第1係合部(34)の前記第2の外向き隆起部(35)に取り付けることができる第2の内向き隆起部(47)を支持する、請求項1~7のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記底部(26)、前記側壁(20、21、22、23)、及び前記隅部(24)の内部表面を含む前記容器の前記内部表面は、滑らかであり、リブがない、請求項1~8のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項10】
2つのハンドル(36)が前記容器の前記高さに沿って延び、各ハンドル(36)は、前記容器の前記係合部(34)の下方に、かつ前記一定の積み重ねピッチを確保する前記突出部(29)の停止部としての機能を果たす下端部の上方に又は下端部の高さに配置されており、前記ハンドル(36)は、前記容器の対向する前記側壁のうちの2つ(21、23)から側方に突出する状態で延びる、請求項1~9のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項11】
前記側壁(20、21、22、23)の数は4つであり、前記容器の断面は矩形である、請求項1~10のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項12】
-寸法d1は、前記2つのハンドルを通る第1の水平方向に沿ったアセンブリの全体寸法であり、前記2つのハンドル(36)を隔てる距離からなり、
-寸法d2は、前記第1の水平方向に垂直な水平方向に沿った全体寸法d2であり、0.95d1<d2<1.05d1である、
請求項10に記載のパッケージ。
【請求項13】
前記容器は、40リットル~60リットルの使用可能容量を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記側壁(20、21、22、23)の厚さの観点における寸法は、2mm~2.2mmであり、前記容器は、前記容器の前記上部開口部上で前記係合位置にある前記蓋(4)に加えられる40キログラム~105キログラムの圧縮力に耐えることができる、請求項1~13のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記蓋(4)の前記壁は、破断可能な閉鎖部材(5)によって閉じられた予め切り抜かれた開口部を有し、前記蓋(4)の断面を低減することにより形成された破断可能線(50)は、前記閉鎖部材(5)の輪郭及び前記予め切り抜かれた開口部の輪郭を画定し、前記破断可能線は、前記破断可能な閉鎖部材にかかる手動圧力により、前記破断可能線(50)の破断を確実に、したがって、前記予め切り抜かれた開口部の解放を確実にするように構成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項16】
前記破断可能線(50)は、前記破断可能線(50)が切断されると前記閉鎖部材用の
可撓性保持タブ(51)を形成することになる領域以外の、前記閉鎖部材(5)の周縁部に延び、前記破断可能線は、前記破断可能な閉鎖部材にかかる手動圧力により、前記破断可能線(50)の破断、したがって、前記予め切り抜かれた開口部の解放を確実にし、その後、前記可撓性保持タブ(51)による前記蓋の前記壁の下方での前記閉鎖部材(5)の保持を確実にするように構成されている、請求項15に記載のパッケージ。
【請求項17】
前記蓋(4)は、4つの隅部(49)を備える矩形形状のものであり、前記予め切り抜かれた開口部及び前記破断可能な閉鎖部材(5)は、前記蓋上に、前記蓋の対称軸(A)に沿って、かつ前記蓋の中心(C)に対して中心から外れた位置に、前記隅部(49)から距離を空けて配置される、請求項11を引用する請求項15又は請求項11を引用する請求項16に記載のパッケージ。
【請求項18】
前記パッケージの前記容器の内容積内に直接的に収容された、又は前記パッケージの前記容器の内部の可撓性密封バッグ内に間接的に収容された食品粉末若しくは医薬品粉末を包装するための請求項1~17のいずれか一項に記載のパッケージの使用。
【請求項19】
前記容器及び前記蓋は射出成形により得られる、請求項1~18のいずれか一項に記載のパッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージであって、一方では、隅部で接する側壁、上部開口部、及び底部を備える、プラスチック容器と、他方では、容器の上部開口部を覆うように構成された着脱式プラスチック蓋と、を備える、パッケージに関する。
【0002】
本発明の分野は、食品業界及び/又は製薬業界における粉末製品の包装の分野である。
【0003】
非限定的な例として、当該粉末は、本出願人により販売されているソルビトールNEOSORB(登録商標)、マルチトールSWEETPEARL(登録商標)、キシリトールXYLISORB(登録商標)、マンニトールPEARLITOL(登録商標)などであり得る。
【0004】
本業界では、これらの粉末製品を40リットル~60リットルの単位体積で包装することが一般的である。これらの粉末は、現在、段ボール箱体、典型的には「クラフトボックス」又はより一般的でない「クラフトバレル」を含むパッケージに包装されている。「クラフトボックス」は、予め切り抜かれて折り畳まれた段ボールブランクから本質的になり、ワンタッチ底(automatic bottom)を有し、非使用時にはブランクを実質的に平らな状態で保管し、ワンタッチ底を展開することにより組み立てることが可能である。比較すると、クラフトバレルは、特に金属ストラップを使用していることでより高価であるという欠点と、非使用時に嵩張る、すなわち、非使用時に平らに折り畳むことができないという欠点がある。いずれの場合も、粉末製品は、箱体の内部で、密封された可撓性バッグ内に配置される。
【0005】
これらの紙製パッケージの第1の課題は、これらが繊維を発生させることである。繊維は、この種の繊維汚染を分離することが望まれる一部の繊細な業界にとっては厄介な汚染源である。
【0006】
これらのパッケージは、更に、コンテナに入れた状態で船で長距離にわたって輸送され、虫と接触する。直面する第2の課題は、虫を通さない箱であっても、配送中に箱体の段ボール圧着部で虫が繁殖し、内容積に虫が入るおそれがあることである。時折、アザミウマ類の昆虫が、上記箱内の可撓性バッグと箱体との間の間隙に閉じ込められ状態でみつかることがある。
【0007】
このような場合、これらのパッケージは汚染が原因で(製薬又は食品)業界により単純に不合格とされ、粉末製品の完全な損失を製造業者にもたらす。これは、この種の紙製パッケージの第2の課題となる。
【0008】
このような紙製パッケージの第3の課題は、その脆さである。なぜなら、紙製パッケージは、衝撃によって、又は例えば、それらが互いに重ねられたときなどに過度の応力を受けた場合に、破れる可能性があるからである。このような粉末製品のパッケージが、上記粉末の特定の特性を劣化させてはならないということを強調することが更に重要である。上記粉末は、例えば、所望の重要な特性として、配送中に輸送の動き及びこれら粉末に対して生じる摩擦が原因で劣化してはならない特定の質感を有し得る。
【0009】
本発明の目的は、昆虫汚染に対する効果的な保護を提供するパッケージであって、パッケージは繊維を発生させず、製造コストが許容可能であり、パッケージが空の状態で保管される場合にあまり嵩張らないパッケージを提案することによって、上述の欠点を克服することである。
【0010】
より具体的には、本発明の目的は、パッケージ内における製品の動的保管中に内容物を損傷させないパッケージを提案することである。
【0011】
本発明の別の目的は、容易に、すなわちツールなしで開けることができるパッケージを提案することである。
【0012】
本発明の別の目的は、衝撃時の偶発的な開封を制限し、開けやすい(ツール不要の)パッケージを提案することである。
【0013】
本発明の別の目的は、不正開封を示すための改ざん防止シールを有するパッケージを提案することである。
【0014】
本発明の別の目的は、少なくとも一実施形態によれば、特に、3つのパッケージを互いに重ねて置く、又は更には、4つのパッケージを互いに重ねて置くなど、いくつかの階層にわたって重ねることができるパッケージを提案することである。
【0015】
本発明の別の目的は、内容物を取り出すこと、又は更には、蓋をパッケージから取り外すことを必要とすることなく、内容物の確認を容易にするパッケージを提案することである。
【0016】
本発明の他の利点は、単に非限定的な例として与えられる以下の説明を通して明らかとなるであろう。
【0017】
したがって、本発明は、パッケージであって、隅部で接する側壁、上部開口部、及び底部を備える、プラスチック容器と、容器の上部開口部を覆うように構成された着脱式プラスチック蓋と、を備え、上記容器は、その上部開口部に第1係合部を備え、第1係合部は、外向き隆起部を支持し、かつ周縁部にわたって延びており、上記蓋は、その周縁部にわたって第2係合部を備え、第2係合部は、折り曲げられた状態で下向きに延び、かつ内向き隆起部を備え、内向き隆起部は、容器の外側に向かって方向付けられた隆起部の下に取り付けることができ、
容器の上記側壁は広がり、角錐台を共に形成しており、上記容器を同一容器内に積み重ねることができるように構成されている、
パッケージに関する。
【0018】
本発明によれば、上記容器は、容器の上部開口部において側壁から、容器の上記第1係合部の下方に延びる突出部を有し、上記突出部は容器の外部にあり、上記容器が上記同一容器内に積み重ねられているときに、容器と上記同一容器との間に一定の積み重ねピッチを確保するように構成されており、上記突出部は、上記積み重ねピッチを確保するように、上記容器が内部に積み重ねられた同一容器の上部開口部の上縁部と当接して協働するように構成されている。
【0019】
本発明によれば、更に、
-上記突出部は、容器の上記第1係合部の下に垂直に延びる外部リブの形態であり、各垂直外部リブは、その底端部に、上記容器が内部に積み重ねられた同一容器の上部開口部の上縁部と当接して協働することを目的とした平坦部分を有し、
-蓋の第2係合部は、第2係合部の下部分にわたって延びるスカートを有し、一方では、容器の上記外向き隆起部は、他方では、蓋の内向き隆起部は、上記側壁が接する隅部に湾曲隅部セクションを有し、内向き隆起部の湾曲隅部セクションのうちの少なくとも1つは折り曲げ可能なスカートセクションを備え、折り曲げ可能なスカートセクションは、折り曲げ領域を介して係合部の上部分に関節式に連結されており、折り曲げ可能なスカートセクションは、てこの作用を用いることにより、内向き隆起部の上記少なくとも1つの湾曲隅部セクションの中心部分が上部開口部の外向き隆起部から間隔を空けるように、したがって、隆起部間の係合は、上記中心部分にわたって弱化するように、係合位置から外向き解放位置に折り曲げることができ、
【0020】
また、注目すべき手法では、上記突出部は、隅部から外向きに突出するように配置されており、外部リブのうちの少なくとも1つは、内向き隆起部が容器の外向き隆起部との係合位置にあるときには、隅部において、平坦部分を形成する外部リブの底端部から、少なくとも上記折り曲げ可能なスカートセクションの高さまで延びる。
【0021】
したがって、有利なことには、垂直リブは、折り曲げ可能なスカートセクションが、スカートセクションの下に誤って入る可能性のある物体によって不適切に押されることにより曲がることで偶発的に開くリスクを制限する障害物を有利に形成する。
【0022】
単独で又は組み合わせて解釈される本発明の任意の特徴によれば、
-容器と上記同一容器との間に確保する積み重ねピッチは、容器の側壁と同一容器の側壁とが0.4mm~1.2mmの距離だけ離隔するほどのものであり、
-外部リブの垂直高さが積み重ねピッチを画定し、上記外部リブは、外部リブの底端部において停止部としての機能を果たす平坦部分から、外部リブの上端部にある容器の上縁部まで延び、
-上記折り曲げ可能なスカートセクションは、スカートの外部表面に形成されており、かつ折り曲げ領域からスカートの下縁部まで下向きに延びる2つの溝によって、残りのスカートセクションから分離されており、上記溝は、折り曲げ可能なスカートセクションを、折り曲げ可能なスカートセクションの外向き位置に折り曲げるために、スカートを溝に沿って破断することができるように、スカートの壁厚を低減し、
-折り曲げ可能なスカートセクションと並んでいる上記外部リブは、平坦部分を形成する外部リブの下端部と折り曲げ可能なスカートセクションの下端部との間の寸法が増加する、外部リブの平面を通る水平方向に沿っており、したがって、上記外部リブは、垂直リブの下端部の平坦部分から折り曲げ可能なスカートセクションの下端部に接近するにつれて、更に外向きに離れる傾斜面を形成し、
-容器の上記外向き隆起部を支持する容器の第1係合部は、折り曲げられた状態で下向きに延び、側壁及び隅部を容器の高さにわたって覆い、一方では、側壁の外部表面と隅部との間の空間に、他方では、側壁の外部表面と係合部の折り曲げセクションとの間の空間に周辺空洞が存在し、垂直補強リブは、容器の周縁部にわたって上記空洞内に分散されており、各補強リブは、一方では、側壁、又は隅部の壁のうちの1つに接続しており、他方では、第1係合部の上記折り曲げセクションに接続しており、
-一定の積み重ねピッチを確保する外部リブはそれぞれ、空洞の下方に位置する平坦部分を形成する外部リブの底端部から延び、かつ容器の上記第1係合部、上記垂直外部リブが伸長する上記空洞の内部まで延び、補強リブのうちの1つを形成し、
-外向き隆起部を支持する容器の第1係合部は、第1隆起部と呼ばれる上記隆起部の下方に延びて、伸長し、上記第1隆起部の下方の、同じく外向きの第2隆起部において終端し、第1隆起部に取り付けることができる内向き隆起部を支持する折り曲げ可能なスカートセクションは、折り曲げ可能なスカートセクションの係合位置において、第1係合部の第2の外向き隆起部に取り付けることができる第2の内向き隆起部を支持し、
-底部、側壁、及び隅部の内部表面を含む容器の内部表面は、滑らかであり、リブがなく、
-2つのハンドルが容器の高さに沿って延び、各ハンドルは、容器の係合部の下方に、かつ一定の積み重ねピッチを確保する突出部の停止部としての機能を果たす下端部の上方に又はこの下端部の高さに配置されており、上記ハンドルは、容器の2つの対向する側壁から側方に突出する状態で延び、
-側壁の数が4つであり、容器の(水平面に沿った)断面は矩形であり、
-容器は、40リットル~60リットルの使用可能容量を有する。
【0023】
一実施形態によれば、
-寸法d1は、2つのハンドルを通る第1の水平方向に沿ったアセンブリの全体寸法であり、2つのハンドルを隔てる距離からなり、
-寸法d2は、第1の水平方向に垂直な水平方向に沿った全体寸法d2であり、0.95d1<d2<1.05d1であり、
【0024】
一実施形態によれば、側壁の厚さの観点における寸法は、2mm~2.2mmであり、容器は、容器の上部開口部上で係合位置にある蓋に加えられる40キログラム~105キログラム、好ましくはおよそ75キログラムの圧縮力に耐えることができる。
【0025】
一実施形態によれば、蓋の壁は、破断可能な閉鎖部材によって閉じられた予め切り抜かれた開口部を有し、蓋の壁の断面を低減することにより形成された破断可能線は、閉鎖部材の輪郭及び上記予め切り抜かれた開口部の輪郭を画定し、上記破断可能線は、破断可能な閉鎖部材にかかる手動圧力により、破断可能線の破断、したがって、予め切り抜かれた開口部の解放を確実にするように構成されている。
【0026】
任意選択的に、上記破断可能線は、破断可能線が切断されると閉鎖部材用の保持タブを形成することになる領域以外の、閉鎖部材の周縁部に延び、上記破断可能線は、破断可能な閉鎖部材にかかる手動圧力により、破断可能線の破断、したがって、予め切り抜かれた開口部の解放を確実にし、その後、上記可撓性保持タブによる蓋の壁の下での閉鎖部材の保持を確実にするように構成されている。
【0027】
一実施形態によれば、蓋は、4つの隅部を備える実質的に矩形形状のものであり、予め切り抜かれた開口部及び破断可能な閉鎖部材は、蓋上に、蓋の対称軸に沿って、かつ蓋の中心に対して中心から外れた位置に、隅部から距離を空けて配置される。
【0028】
本発明は、特に、パッケージの容器の内容積内に直接的に収容された、又は上記パッケージの上記容器の内部の可撓性密封バッグ内に間接的に収容された食品粉末若しくは医薬品粉末を包装するために使用される。
【0029】
本発明は更に、容器及び上記蓋が射出成形により得られる、本発明によるパッケージの製造方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明は、図面と共に以下の説明を読むとより良く理解されるであろう。
図1a】それぞれ、非使用時の、本発明によるパッケージに属する複数の蓋及び複数の容器の図である。図1aは、互いに内部に積み重ねた蓋を示し、図1bは、互いに内部に積み重ねた容器を示す。
図1b】それぞれ、非使用時の、本発明によるパッケージに属する複数の蓋及び複数の容器の図である。図1aは、互いに内部に積み重ねた蓋を示し、図1bは、互いに内部に積み重ねた容器を示す。
図2a】それぞれ、図1aの断面C-Cに沿った図、及び図1bの断面B-Bに沿った図である。
図2b】それぞれ、図1aの断面C-Cに沿った図、及び図1bの断面B-Bに沿った図である。
図3a】それぞれ、本発明によるパッケージの蓋及び容器の斜視図である。
図3b】それぞれ、本発明によるパッケージの蓋及び容器の斜視図である。
図4】4つのパッケージ層が順に積み重ねられて置かれた1140mm×1140mmパレットを備えるパッケージ構成の斜視図である。各層は、正方形構成(3×3)に従い並べて配置された9個のパッケージで形成され、パッケージ構成の第2層と第3層との間に中間の1140×1140パレットを用いている。
図5】特に容器の内部に垂直リブが存在し、例えば、従来技術において、1つの容器をもう1つの容器の内部に積み重ねた2つの容器間の積み重ねピッチを確保するように設計されている、容器の底部分の断面図である。
図6】従来技術から周知のように、1つの容器をもう1つの容器の内部に積み重ねた2つの容器間の積み重ねピッチを確保するために、上の容器の底部は下の容器の内部リブの上端部に支持されている、図5による2つの容器間に得られる積み重ねピッチを示す断面図である。
図7】スカートセクションが、それぞれ、蓋の取り外しを容易にするために、図7に示される係合位置から手動で離されてもよく、スカートセクションの下に、積み重ねピッチとしての機能を果たす、容器の外側に向かって突出する垂直リブがある、隅部セクションにおける2つの折り曲げ可能なスカートセクションの詳細図である。
図8】上の容器の垂直リブの下端部にある平坦部分が、下の容器の第1係合部によって形成された上縁部に支持されている、垂直リブの動作を示す詳細図である。
図9】破断可能な閉鎖部材によって閉じられた予め切り抜かれた開口部を示す、蓋の平面図である。
図10図9の詳細図である。
図11】パッケージの斜視図である。
図12】隅部における、蓋と容器との間の組み付けての詳細図である。
図13】蓋が開口部を覆っており、折り曲げ可能なスカートセクションが係合位置にあるときの、積み重ねピッチとしての機能を果たす垂直リブを通る、隅部における垂直断面図である。
図14】容器の第1係合部と蓋の第2係合部との間の相互係止を示す、側壁のうちの1つを通る垂直断面図である。
【0031】
したがって、本発明は、パッケージ1であって、一方では、隅部24で接する側壁20、21、22、23、上部開口部25、及び底部26を備える、プラスチック容器2と、他方では、容器2の上部開口部を覆うように構成された着脱式プラスチック蓋4と、を備える、パッケージ1に関する。
【0032】
使用されるプラスチック材料は、非限定的な例として、食品グレードのポリプロピレン又は更にはポリエチレンであってもよい。
【0033】
上記容器2は、その上部開口部25に第1係合部34を備え、第1係合部34は、外向き隆起部27を支持し、かつ周縁部にわたって延びており、上記蓋は、その周縁部にわたって第2係合部40を備え、第2係合部40は、折り曲げられた状態で下向きに延び、かつ内向き隆起部41を備え、内向き隆起部41は、容器の外側に向かって方向付けられた隆起部27の下に取り付けることができる。
【0034】
容器の上部開口部25は、蓋の第2係合部40を容器の第1係合位置34の上に配置し、その後、これらの部分(すなわち、第1係合部、第2係合部、又はこれらの両方)の弾性変形による2つの係合部間の相互係止を得るように、かつ蓋の内向き隆起部41が容器の外向き隆起部27の下に通過するまで、蓋に力を加えることによって閉じられる。したがって、蓋が「クリップ留めされる」と、パッケージの内容積は、特に虫に対して密封状態で隔離される。
【0035】
容器2の側壁20、21、22、23は高さに沿って広がり、角錐台を共に形成している。これら側壁20、21、22、23は、上記容器2を同一容器内に積み重ねることができるように構成されている。非使用時には、本発明による2つのパッケージ容器に関して図1bに示されるように、容器のうちの1つをもう1つの容器の内部に積み重ねることが可能である。
【0036】
また特に、1つの容器をもう1つの容器の内部に積み重ねた2つの容器の間に、1つの容器をもう1つの容器の内部に積み重ねた2つの容器に属する側壁間の間隔が0.2mm~2mm、特に、0.3mm~1.2mmであるように、参照符号Depの一定の積み重ねピッチが設けられる。この側壁間の間隔は、例として図2bに(0.49mmの値で)示され、1つの容器をもう1つの容器の内部に積み重ねた2つの容器にそれぞれ属する2つの隣接する側壁を隔てる距離である。このような間隔により、いかなる吸引効果も伴わずに、オペレータが上の容器を把持し、下の容器から取り出すことが可能になり、取り扱いが簡略化される。この積み重ねピッチDepは、1つの容器をもう1つの容器の内部に積み重ねた2つの容器を隔てる高さ方向の寸法である。この寸法は、本発明については図8及び図13に、先行技術による容器については図6に示され得る。
【0037】
図5及び図6は、1つの容器をもう1つの容器の内部に積み重ねた先行技術の容器が、内向きに突出した垂直リブによって積み重ねピッチの存在を確保する手法を示す図である。積み重ねピッチとしての機能を果たすこれら垂直リブは参照符号Nを有し、底部26’から容器の隅部の底部分にわたって延びる。上の容器が下の容器内に積み重ねられると、上の容器の底部26’が下の容器の内部リブの端部にある平坦部分に当接し、積み重ねピッチの存在を確保する。積み重ねピッチは、図6に示されるように、2つの側壁間の間隔が0.8mmであるように構成されている。
【0038】
特に、この先行技術によれば、リブは容器の内部に設けられており、したがって、内容物の方向に突出する。本発明は、内容物に向かって突出するこれらのリブが、本発明の目的のうちの1つに矛盾するという本発明者の見解から生じたものである。その目的は、動的保管中に、容器内に収容された製品の性質を劣化させないというものである。
【0039】
例えば、上記パッケージの上記容器の内部の可撓性密封バッグ内に間接的に収容される食品粉末又は医薬品粉末のパッケージに関しては、このような垂直リブは、輸送により引き起こされる運動中に可撓性バッグに対する摩擦を生じさせる。この摩擦により、可撓性バッグに弱点が生じる可能性があり、バッグが破れるところまで進行する場合がある。あるいは、パッケージの容器の内容積内に直接的に収容される食品粉末又は医薬品粉末のパッケージに関しては、このような垂直リブは、その中に収容された粉末に対する摩擦を生じさせる。この粉末に対する摩擦により、これらの性質の変化、特に、その質感の変化を引き起こす可能性がある。
【0040】
本発明によるパッケージの容器は、有利なことには、積み重ねピッチとしての機能を果たすそのような内部リブがない。底部26、側壁20、21、22、23、及び隅部24の内部表面を含む容器の内部表面は、好ましくは滑らかであり、内容物を侵す可能性のあるリブ又は他の突起がない。
【0041】
本発明による容器は、容器の上部開口部25において側壁から、容器の上記第1係合部34の下方に延びる突出部29を有し、上記突出部29は、特に、本発明によれば、図5及び図6に示した上述の先行技術のように内部ではなく、容器の外部にある。
【0042】
参照したこれらの突出部29は、上記容器が上記同一容器の内部に積み重ねられているときに、容器2と上記同一容器2’との間に一定の積み重ねピッチを確保するように構成されており、上記突出部29は、上記積み重ねピッチを確保するために、上記容器が内部に積み重ねられた同一容器の上部開口部25の上縁部30と当接して協働するように構成されている。
【0043】
上記突出部29は、容器の上記第1係合部34の下に垂直に延びる外部リブ31の形態である。各垂直外部リブ31は、その底端部に、上記容器が内部に積み重ねられた同一容器の上部開口部の上縁部30と当接して協働することを目的とした平坦部分32を有する。上記突出部29は、隅部24から外向きに突出するように配置されている。側壁20、21、22、23の数が4つであるとき、4つの突出部29を4つの隅部24から突出するように設け、側壁を隔てることができる。
【0044】
一実施形態によれば、例として図示するように、外部リブ31の垂直高さが積み重ねピッチDepを画定する。外部リブ31は、その底端部にある平坦部分32から、その上端部にある容器の上縁部30まで延びる。
【0045】
図14から理解され得る一実施形態によれば、容器の上記外向き隆起部27を支持する容器の第1係合部34は、折り曲げられた状態で下向きに延び、側壁20、21、22、23及び隅部24を容器の高さの上部分にわたって覆い、間の空間に周辺空洞Intが存在する。容器の周縁部に延びるこの空洞は、一方では、側壁20、21、22、23の外部表面と隅部24との間で境界が定められ、他方では、側壁20、21、22、23の外部表面と係合部34の折り曲げセクションとの間で境界が定められる。
【0046】
垂直補強リブ35の存在にも注目されたい。垂直補強リブ35は、容器の周縁部にわたって上記空洞内に分散されており、各補強リブ35は、図12から分かるように、一方では、側壁20、21、22、23、又は隅部24の壁のうちの1つに接続しており、他方では、第1係合部34の上記折り曲げセクションに接続している。各リブは、隅部を形成する壁又は側壁を形成する壁に対して実質的に垂直に突出して延びる。
【0047】
一実施形態によれば、一定の積み重ねピッチを確保する外部リブ31はそれぞれ、空洞Intの下方に位置する平坦部分32を形成するその底端部から延び、かつ、容器の上記第1係合部34から、上記垂直外部リブ31が伸長する上記空洞Intの内部まで延び、補強リブ37のうちの1つを形成することに留意されたい。このような場合では、外部リブ31は、特に、隅部24と第1係合部34の折り曲げセクションとを接続することにより、2つの機能、すなわち、積み重ねピッチを生成する機能と補強リブ37の機能を果たす。
【0048】
本発明によれば、図7から分かるように、蓋の第2係合部40は、第2係合部40の下部分にわたって延びるスカート42を有し、一方では、容器の上記外向き隆起部27、他方では、蓋の内向き隆起部41は、上記側壁20、21、22、23が接する隅部24に湾曲隅部セクション28、43を有し、内向き隆起部41の湾曲隅部セクションのうちの少なくとも1つは、折り曲げ可能なスカートセクション44を備え、スカートセクション44は、折り曲げ領域46を介して蓋の第2係合部40の上部分に関節式に連結されている。
【0049】
この折り曲げ可能なスカート44は、てこの作用を用いることにより、内向き隆起部41の上記少なくとも1つの湾曲隅部セクションの中心部分が上部開口部29の外向き隆起部27から間隔を空けるように、したがって、隆起部27、41間の係合が、上記中心部分にわたって弱化するように、係合位置から外向き解放位置に折り曲げることができる。折り曲げ可能なスカート44は係合位置から解放位置に手動で移動させることができ、蓋の取り外しを容易にする。これはツールなしで行うことができる。
【0050】
一実施形態によれば、上記折り曲げ可能なスカートセクション44は、スカート42の外部表面に形成されており、かつ折り曲げ領域46からスカート42の下縁部まで下向きに延びる2つの溝45によって、残りのスカートセクション42から分離されている。上記溝45は、折り曲げ可能なスカートセクション44を、その外向き位置に折り曲げるために、スカートを溝45に沿って破断することができるように、スカート42の壁厚を低減する。容器が4つの側壁を有する場合、蓋4は、蓋の4つの隅部に4つの折り曲げ可能なスカートセクションを有してもよい。このような折り曲げ可能なセクション44を生産するために、当業者は、例えば、欧州特許出願公開第1.380.516(A1)号を参照してもよい。
【0051】
本発明によれば、外部リブ31のうちの少なくとも1つは、内向き隆起部41が容器2の外向き隆起部27との係合位置にあるときには、隅部24において、平坦部分32を形成するその底端部から、少なくとも上記折り曲げ可能なスカートセクション44の高さまで延びる。例えば、例として図13から分かるように、折り曲げ可能なスカートセクション44と垂直に並んでいる上記外部リブ31は、平坦部分32を形成するその下端部と折り曲げ可能なスカートセクション44の下端部48との間の寸法が増加する、外部リブ31の平面を通る水平方向に沿っている。
【0052】
例えば、図13では、上記外部リブ31は、外部リブ31の下端部の平坦部分32から折り曲げ可能なスカートセクション44の下端部48に接近するにつれて、したがって、係合位置になるにつれて更に外向きに離れる傾斜面33を形成することに留意されたい。折り曲げ可能なスカートセクション44に近く、かつその下方にある垂直外部リブ31、又は更にはこのようにして作成された傾斜面33の位置により、折り曲げられたスカートセクション44が、制御されていない取り扱い中にスカートセクション44の下に誤って入る可能性のある物体によって不適切に押されることで偶発的に開くリスクを制限する障害物を有利に構成する。特に、蓋がこれら4つの隅部に4つの折り曲げ可能なスカートセクション44を有する場合、容器の4つの隅部に配置された4つの垂直リブ31がそれぞれ4つのスカートセクション44と並んで延びる。したがって、垂直リブ31のそれぞれは、内向き隆起部41が容器2の外向き隆起部27との係合位置にあるときには、隅部24において、平坦部分32を形成するその底端部から、少なくとも上記折り曲げ可能なスカートセクション44の高さまで延びる。次いで、各リブは、折り曲げ可能なスカート下で不要に押されることを防ぐことによって折り曲げ可能なスカートセクション44が偶発的に開くリスクを制限する障害物を構成する。
【0053】
一実施形態によれば、図13による非限定的な例から分かるように、
-外向き隆起部27を支持する容器の第1係合部34は、第1隆起部と呼ばれる上記隆起部27の下方に延びて、伸長し、上記第1隆起部の下方の、同じく外向きの第2隆起部35において終端し、
-第1隆起部27に取り付けることができる内向き隆起部41を支持する折り曲げ可能なスカートセクション44は、折り曲げ可能なスカートセクション44の係合位置において、第1係合部34の第2の外向き隆起部35に取り付けることができる第2の内向き隆起部47を支持する。
【0054】
2つの隆起部41及び隆起部47が任意に存在することにより、容器の第1係合部34に対する蓋4の第2係合部40の強度を増大させることを可能にする。
【0055】
容器に対して蓋の強度を増大させることは、いくつかの理由で、特に、上記パッケージがその蓋によって吊されている間にパッケージとその内容物の重量を支えるためには蓋と容器との間の接続が十分に強固でなければならないため、パッケージの蓋とその中心で係合する吸引持ち上げデバイスによるパッケージの取り扱い及び持ち上げを可能にするために有利な場合がある。一実施形態によれば、容器は、40リットル~60リットルの使用可能容量を有する。40リットル~60リットルの容量のパッケージの場合、粉末の密度は、非常に多くの場合、0.4~0.6であるため、蓋と容器との間の接続は、吸引による取り扱いを可能にするためにはおよそ20kg~30kgの重量を持ち上げることができなければならないことは理解されるであろう。
【0056】
一実施形態によれば、2つのハンドル36が容器の高さに沿って延び、各ハンドル36は、容器の係合部34の下方に、かつ一定の積み重ねピッチを確保する突出部29の停止部としての機能を果たす下端部の上方に又はこの下端部の高さに配置されており、上記ハンドル36は、容器の2つの対向する側壁21、23から側方に突出する状態で延びる。
【0057】
図1b及び図2bから理解され得る一実施形態によれば、側壁20、21、22、23の数が4つである、すなわち、容器は矩形断面を有し、特に、
-寸法d1は、2つのハンドルを通る第1の水平方向に沿ったパッケージの全体寸法であり、2つのハンドル36を隔てる距離からなり、
-寸法d2は、第1の水平方向に垂直な水平方向に沿った全体寸法d2であり、0.95d1<d2<1.05d1である。
【0058】
例えば、図2bでは、寸法d1は386mmであり、図d2では、寸法は387mmである。すなわち、実質的に同一寸法である。2つの方向に沿って同一又は事実上同一の全体寸法を設けることで、3×3構成に従って3列3行で配置された9個のパッケージを1140mm×1140mmパレット上に並べて配置することを可能にし、パレットの容量を最適化する。
【0059】
一般に、寸法d1及び寸法d2は、380mm~390mmであってもよい。底部から第1係合部34の上縁部までの容器の高さは、450mm~550mm、例えば、図1bに示されるように、517.7mmであってもよい。
【0060】
一実施形態によれば、側壁20、21、22、23の厚さの観点における寸法は、2mm~2.2mm、例えば2.1mmであり、容器は、容器の上部開口部上で係合位置にある蓋4に加えられる40キログラム~105キログラム、好ましくはおよそ75キログラムの圧縮力に耐えることができる。
【0061】
これにより、3つ又は更には4つのパッケージ(製品が内部に収容されている)を順に積み重ねることが可能になる。例えば、図4は、4つのパッケージ層が順に積み重ねられて置かれた1140mm×1140mmパレットを備えるパッケージ構成の斜視図である。各層は、正方形構成(3×3)に従い並べて配置された9個のパッケージで形成され、第2層と第3層との間に中間の1140mm×1140mmパレットを用いている。
【0062】
有利な実施形態によれば、蓋4の壁は、破断可能な閉鎖部材5によって閉じられた予め切り抜かれた開口部を有する。蓋4の壁の断面を低減することにより形成された破断可能線50は、閉鎖部材5の輪郭及び上記予め切り抜かれた開口部の輪郭を画定し、上記破断可能線50は、閉鎖部材5にかかる手動圧力により、破断可能線50の破断、したがって、予め切り抜かれた開口部の解放を確実にするように構成されている。
【0063】
したがって、閉鎖部材5に単に手動圧力をかけることにより閉鎖部材5を取り除くことが可能である。このように解放された開口部は、ラマン分光計の分析プローブなどの分析プローブの導入を可能にする。
【0064】
有利な実施形態によれば、上記破断可能線50は、上記破断可能線50が切断されると閉鎖部材5用の保持タブ51を形成することになる領域以外の、閉鎖部材5の周縁部に延びることに留意されたい。したがって、この破断可能線50は、閉鎖部材にかかる手動圧力により、破断可能線50の破断、したがって、予め切り抜かれた開口部の解放を確実にし、その後、上記可撓性保持タブ51による蓋4の壁の下での閉鎖部材5の保持を確実にするように構成されている。
【0065】
この予め切り抜かれた開口部(その破断可能な閉鎖部材を有する)の位置は無作為に決定されず、この開口部は、パッケージの蓋の上に積み重ねられたパッケージの容器の底が載る可能性のある蓋の隅部領域から距離を空けて配置されることに留意されたい。したがって、これにより、蓋に対するパッケージの重量の作用により破断可能線50が切断されて開口部が偶発的に開くことを回避する。同様に、予め切り抜かれた開口部は、蓋の中心から距離を空けていることに留意されたい。したがって、これにより、容器上に蓋を置くために使用される押圧によって破断可能線が切断されることを回避する、又は更には、パッケージ及びその内容物をカバーの中心に対する吸引効果により持ち上げるために使用される持ち上げデバイスの吸引カップが上記破断可能線を弱化すること若しくは更には切断することを回避する。
【0066】
更に、閉鎖要素を形成するパステル(pastille)に、予め切り抜かれた開口部を解放するために押す必要がある閉鎖部材の領域を知らせる視覚物をエンボス加工してもよいことに留意されたい。
【0067】
また、図9に示されるように、4つの隅部49を備える実質的に矩形形状の蓋4では、予め切り抜かれた開口部及び閉鎖部材5は、蓋上に、蓋の対称軸Aに沿って、かつ蓋の中心Cに対して中心から外れた位置に、隅部49から距離を空けて配置されることに留意されたい。
【0068】
容器2及び上記蓋4は、通常、射出成形により得られる。このような場合では、ダイ及びパンチにより、成形中に、積み重ねピッチとしての機能を果たす垂直外部リブ、破断可能な折り曲げ可能なスカートセクション、その破断可能な閉鎖部材を有する予め切り抜かれた開口部などのパッケージの様々な特徴を得ることを可能にし、低コストのパッケージの生産を可能にする。更に、保持タブ51は、蓋の中心と反対方向を向いた閉鎖部材5の側に配置されることに留意されたい。これにより、閉鎖部材が保持タブ51によって保持されている間に、プローブを、プローブが容器の中心に向かって傾斜し得る姿勢で開口部を通して挿入することが可能になり、保持タブ及び保持された閉鎖部材はそのような傾斜を妨害することはない。
【0069】
本発明によるパッケージは、特に、パッケージの容器の内容積内に直接的に収容された、又は上記パッケージの上記容器の内部の可撓性密封バッグ内に間接的に収容された食品粉末若しくは医薬品粉末を包装するために使用される。
【0070】
粉末製品を包装するための方法は、以下の工程を提供し得る。
【0071】
-可撓性バッグの上部開口部を通して、可撓性バッグに粉末製品を挿入する工程a)、
-例えば、可撓性バッグのヒートシールによって、あるいは超音波溶接によって、可撓性バッグの上部開口部を密封状態で閉じる工程b)、
-充填済みの(又は更には密封状態で閉じられた)可撓性バッグを容器の上部開口部25を通して容器の内容積に挿入する工程c)、
-容器の上部開口部上にパッケージの蓋を配置する工程d)、
-容器2の第1係合部34を蓋の第2係合部と相互係止させるために、蓋の上記内向き隆起部41が容器の上記隆起部27の下に通過し、隆起部27に取り付けられるまで、蓋に圧力をかけることによって蓋を置く工程e)。
【0072】
あるいは、可撓性バッグは、パッケージの容器内に空の状態で挿入することができ、その後、粉末製品を挿入する工程a)及び閉じる工程b)は、可撓性バッグが容器内にすでに配置され、蓋が置かれる前に行われる。
【0073】
蓋を置く工程e)は、作動シリンダによって行われてもよく、作動シリンダは、移動の開始時には、容器に対する蓋の(容器の第1係合部34と蓋の第2係合部40との)事前相互係止を可能にするために蓋に軽い圧力をかけることを確実とし、移動の終了時には、はるかに高い圧力をかけ、隆起部27と隆起部41との互いに対する取り付け、又は更には、隆起部35と隆起部47との取り付けを確実とする。
【符号の説明】
【0074】
発明
1.アセンブリ、
2.容器、
20、21、22、23.側壁、
24.隅部、
25.上部開口部、
26.底部、
27.隆起部(第1)、
28.湾曲セクション(隆起部27)、
29.突出部(積み重ねピッチとしての機能を果たす)、
30.上縁部、
31.外部リブ(積み重ねピッチとしての機能を果たす突出部)、
32.平坦部分(垂直リブの下端部)、
33.傾斜面(外部リブ)、
34.第1係合部(容器の上部開口部25)、
35.第2の外向き隆起部、
36.ハンドル、
4.蓋、
40.第2係合部、
41.(第1の)内向き隆起部、
42.スカート、
43.湾曲セクション(隆起部41)、
44.折り曲げ可能なスカートセクション、
45.破断可能な溝、
46.折り曲げ領域(折り曲げ可能なスカートセクション44)、
47.第2隆起部(内向き)、
48.下端部(折り曲げ可能なスカートセクション)、
49.隅部(蓋)、
5.破断可能な閉鎖部材、
50.破断可能線、
51.保持タブ、
A.蓋の対称軸、
C.蓋の中心、
Dep.積み重ねピッチ、先行技術(図5及び図6
2’容器、
26’底部、
N.積み重ねピッチとしての機能を果たす内部リブ、
Dep.積み重ねピッチ、
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14