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特許7369759情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20231019BHJP
【FI】
G06Q20/40
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021196164
(22)【出願日】2021-12-02
(65)【公開番号】P2023082411
(43)【公開日】2023-06-14
【審査請求日】2022-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】市丸 朋史
(72)【発明者】
【氏名】田中 康貴
(72)【発明者】
【氏名】小出 明弘
(72)【発明者】
【氏名】前原 浩二
(72)【発明者】
【氏名】今田 太樹
(72)【発明者】
【氏名】江崎 弘晃
(72)【発明者】
【氏名】川邊 謙
(72)【発明者】
【氏名】草野 千佳
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特許第6472915(JP,B1)
【文献】特開2020-149618(JP,A)
【文献】個人の金融ニーズやリスクを予測した「SXスコア」の提供開始について[オンライン],2018年04月11日,[2023年5月15日検索],インターネット:<URL: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000005652.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの属性に基づく属性スコアおよび前記ユーザの信用度を示す信用スコアを取得する取得部と、
前記ユーザの前記属性スコアと前記信用スコアとに基づいて、複数のグループのうち前記ユーザが属するグループを決定する決定部と、
前記決定部が決定したグループに基づいて前記ユーザに付与する与信枠を設定する設定部と、
前記グループを設定する処理部と、を備え、
前記複数のグループは、複数のユーザのそれぞれの、前記属性スコア、前記信用スコア、債務額、および貸し倒れ度合に基づいて区分されたグループであり、
前記複数のユーザは、前記属性スコアと前記信用スコアとの組み合わせが異なる複数のユーザを含み、
前記処理部は、
前記属性スコアおよび前記信用スコアの組み合わせに基づいて、前記複数のユーザの債務額を統計処理した結果と、
前記属性スコアおよび前記信用スコアの組み合わせに基づいて、前記複数のユーザの貸し倒れ度合を統計処理した結果と、に基づいて前記グループを抽出し、
前記属性スコアと前記信用スコアとの組み合わせのユーザの分布において、統計処理の対象の単位グループ群に含まれるユーザの数が同じまたは近似するように前記複数のユーザを単位グループ群に区分し、前記区分した単位グループ群ごとに、前記単位グループ群に含まれるユーザのそれぞれの前記債務額と前記貸し倒れた度合とを統計処理する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記属性スコアは、前記ユーザの性別、年齢、および職業を含む前記ユーザの属性を示す属性情報に基づいて得られたスコアであり、
前記信用スコアは、前記ユーザの借入の有無、返済状況、および借入額を含む前記ユーザの信用度を示す信用度情報に基づいて得られたスコアである、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記取得部は、
前記属性情報が入力された属性モデルが出力した前記属性スコアを取得し、
前記信用度情報が入力された信用モデルが出力した前記信用スコアを取得し、
前記属性モデルは、所定額以上の債務額であり且つ貸し倒れたユーザの属性を示す情報を正例とし、所定額以上の債務額であり且つ貸し倒れていないユーザの属性を示す情報を負例とした学習データを学習したモデルである、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記取得部は、
前記属性情報が入力された属性モデルが出力した前記属性スコアを取得し、
前記信用度情報が入力された信用モデルが出力した前記信用スコアを取得し、
前記信用モデルは、所定額以上の債務額であり且つ貸し倒れたユーザの信用度を示す情報を正例とし、所定額以上の債務額であり且つ貸し倒れていないユーザの信用度を示す情報を負例とした学習データを学習したモデルである、
請求項2または3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記処理部は、債務額および前記複数のユーザの貸し倒れ度合を統計処理した結果に基づいて前記債務額が第1閾値以上であり、且つ前記貸し倒れた度合が第2閾値以下の前記属性スコアと前記信用スコアとの組み合わせのユーザを含むグループを設定する、
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記設定部は、前記複数のグループのうち、前記債務額が第1閾値以上であり且つ前記貸し倒れ度合が第2閾値以下であるグループに属するユーザに対する与信枠を、前記貸し倒れた度合が第2閾値を超えるグループに属するユーザに対する与信枠よりも大きくする、
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記設定部は、
過去に第1与信枠を設定していた対象ユーザが、前記債務額が第1閾値以上であり且つ前記貸し倒れ度合が第2閾値以下であるグループに属する場合、前記第1与信枠よりも大きい第2与信枠を設定する、
請求項1から6のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記設定部は、前記グループに加え、更に前記ユーザの年収に基づいて前記ユーザに対する与信枠を設定する、
請求項1から7のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータが、
ユーザの属性に基づく属性スコアおよび前記ユーザの信用度を示す信用スコアを取得し、
前記ユーザの前記属性スコアと前記信用スコアとに基づいて、複数のグループのうち前記ユーザが属するグループを決定し、
前記決定したグループに基づいて前記ユーザに付与する与信枠を設定し、
前記グループを設定し
前記複数のグループは、複数のユーザのそれぞれの、前記属性スコア、前記信用スコア、債務額、および貸し倒れ度合に基づいて区分されたグループであり、
前記複数のユーザは、前記属性スコアと前記信用スコアとの組み合わせが異なる複数のユーザを含み、
前記属性スコアおよび前記信用スコアの組み合わせに基づいて、前記複数のユーザの債務額を統計処理した結果と、
前記属性スコアおよび前記信用スコアの組み合わせに基づいて、前記複数のユーザの貸し倒れ度合を統計処理した結果と、に基づいて前記グループを抽出し、
前記属性スコアと前記信用スコアとの組み合わせのユーザの分布において、統計処理の対象の単位グループ群に含まれるユーザの数が同じまたは近似するように前記複数のユーザを単位グループ群に区分し、前記区分した単位グループ群ごとに、前記単位グループ群に含まれるユーザのそれぞれの前記債務額と前記貸し倒れた度合とを統計処理する、
情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ユーザの属性に基づく属性スコアおよび前記ユーザの信用度を示す信用スコアを取得させ、
前記ユーザの前記属性スコアと前記信用スコアとに基づいて、複数のグループのうち前記ユーザが属するグループを決定させ、
前記決定させたグループに基づいて前記ユーザに付与する与信枠を設定させ、
前記グループを設定させ
前記複数のグループは、複数のユーザのそれぞれの、前記属性スコア、前記信用スコア、債務額、および貸し倒れ度合に基づいて区分されたグループであり、
前記複数のユーザは、前記属性スコアと前記信用スコアとの組み合わせが異なる複数のユーザを含み、
前記属性スコアおよび前記信用スコアの組み合わせに基づいて、前記複数のユーザの債務額を統計処理した結果と、
前記属性スコアおよび前記信用スコアの組み合わせに基づいて、前記複数のユーザの貸し倒れ度合を統計処理した結果と、に基づいて前記グループを抽出させ、
前記属性スコアと前記信用スコアとの組み合わせのユーザの分布において、統計処理の対象の単位グループ群に含まれるユーザの数が同じまたは近似するように前記複数のユーザを単位グループ群に区分し、前記区分した単位グループ群ごとに、前記単位グループ群に含まれるユーザのそれぞれの前記債務額と前記貸し倒れた度合とを統計処理させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、学習装置、情報処理方法、プログラム、および学習方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各々のユーザに対する与信取引において当該ユーザが債務を履行する可能性の大きさである、当該ユーザの信用度を、当該信用度を導き出すための第1のアルゴリズムに基づいて推定する信用度推定部と、各々の前記ユーザについて、与信取引を行いたいという当該ユーザの意向の強さである需要を、当該需要を導き出すための第2のアルゴリズムに基づいて推定する需要推定部とを備え、推定された前記信用度及び前記需要の組み合わせに基づいて、前記ユーザを分類した各ユーザ層に属するユーザにより使用されるユーザ端末に対し、当該ユーザ層に応じて選択した与信取引の種類又は条件を含む情報を配信する情報処理装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6472915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、適切な与信枠をユーザに設定することができない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情が考慮されたものであり、より適切な与信枠をユーザに設定することができる情報処理システム、学習装置、情報処理方法、プログラム、および学習方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ユーザの属性に基づく属性スコアおよび前記ユーザの信用度を示す信用スコアを取得する取得部と、前記ユーザの前記属性スコアと前記信用スコアとに基づいて、複数のグループのうち前記ユーザが属するグループを決定する決定部と、前記決定部が決定したグループに基づいて前記ユーザに付与する与信枠を設定する設定部と、を備え、前記複数のグループは、複数のユーザのそれぞれの、前記属性スコア、前記信用スコア、債権額、および貸し倒れ度合に基づいて区分されたグループである情報処理システムある。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、より適切な与信枠をユーザに設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1ゾーンと第2ゾーンとの一例を示す図である。
図2】第3ゾーンの一例を示す図である。
図3】情報処理システム1の構成の一例を示す図である。
図4】第1情報処理装置100の機能構成の一例を示す図である。
図5】ユーザ情報122の内容の一例を示す図である。
図6】属性スコアと信用スコアとを取得する処理について説明するための図である。
図7】属性スコアと信用スコアとの組み合わせごとのユーザの分布の一例を示す図である。
図8】貸し倒れたユーザの債権額の大きさの分布を示す図である。
図9】債権(リボ払いおよびキャッシング)の合計の分布を示す図である。
図10】貸し倒れ率の大きさの分布を示す図である。
図11図9の右図と、図10の右図とを示す図である。
図12】第1情報処理装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13】第2情報処理装置200の機能構成の一例を示す図である。
図14】第2情報処理装置200により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15】ゾーンの設定について説明するための図である。
図16】年収が加味されたゾーン情報228Aの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理システム、学習装置、情報処理方法、プログラム、および学習方法の実施形態について説明する。
【0010】
[概要]
本実施形態の一態様の情報処理システムは、ユーザの属性に基づく属性スコアおよび前記ユーザの信用度を示す信用スコアを取得する取得部と、前記ユーザの前記属性スコアと前記信用スコアとに基づいて、複数のグループのうち前記ユーザが属するグループを決定する決定部と、前記決定部が決定したグループに基づいて前記ユーザに付与する与信枠を設定する設定部とを備える。前記複数のグループは、複数のユーザのそれぞれの、前記属性スコア、前記信用スコア、債権の大きさ(例えばクレジットカードのサービスであるリボ払いやキャッシング、分割払いによる債権の大きさ)、および貸し倒れ度合に基づいて区分されたグループである。
【0011】
前記属性スコアは、前記ユーザの性別、年齢、および職業を含む前記ユーザの属性を示す属性情報に基づいて得られたスコアである。前記信用スコアは、前記ユーザの借入の有無、返済状況、および借入額を含む前記ユーザの信用度を示す信用度情報に基づいて得られたスコアである。
【0012】
これまで、図1に示すように、ユーザの属性から得られた属性スコアと、ユーザが信用度から得られた信用スコアとの組み合わせに基づいて第1ゾーンと第2ゾーンとに区分されていた場合があった。第1ゾーンは、例えば、属性スコアおよび信用スコアが良好な領域であり、第2ゾーンは、属性スコアおよび信用スコアが良好でない領域である。第1ゾーンは、比較的、融資に対して貸し倒れのリスクが低いゾーンであり、第2ゾーンは、比較的、融資に対して貸し倒れのリスクが高いゾーンであると想定されている場合がある。本実施形態では、融資とは、クレジットカードのサービスであるリボ払いやキャッシング、分割払いなどの形態の資金提供を含む。属性スコアと信用スコアとの詳細については後述する。
【0013】
本実施形態の情報処理システムは、図2に示すように、第2ゾーンにおいて第3ゾーンが存在することを見出した。第3ゾーンは、第2ゾーンのユーザよりも融資の需要が高く且つ貸し倒れリスクが低い特性を有するユーザ層のゾーンである。情報処理システムは、例えば、第3ゾーンのユーザに対する融資の条件を、第2ゾーンのユーザの融資の条件よりも緩和する。融資の条件の緩和とは、例えば、融資額を大きくすることである。融資の条件の緩和は、融資額の他に、融資期間や融資の利息など融資を利用しやすくする条件の緩和であってもよい。以下、上記の事項について、具体的に説明する。
【0014】
[情報処理システム]
図3は、情報処理システム1の構成の一例を示す図である。情報処理システム1は、例えば、一以上のユーザ端末装置Uと、サービスサーバ10と、学習装置50と、第1情報処理装置100と、第2情報処理装置200とを備える。これらの装置はネットワークNWを介して互いに通信する。ネットワークNWは、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、セルラー網などを含む。
【0015】
[端末装置]
端末装置Uは、ユーザが利用するスマートフォンやタブレット端末などの通話機能や通信機能等を有するコンピュータ装置である。
【0016】
[サービスサーバ]
サービスサーバ10は、端末装置Uにサービスを提供する装置である。サービスサーバ10は、例えば、融資(例えばクレジットカードのサービスにおけるリボ払い、キャッシング、分割払いなど)のサービスをユーザに提供するサーバ装置である。学習装置50について後述する。
【0017】
[第1情報処理装置]
図4は、第1情報処理装置100の機能構成の一例を示す図である。第1情報処理装置100は、例えば、取得部102と、属性スコア取得部104と、信用スコア取得部106と、第1統計処理部108と、第2統計処理部110(「処理部」の一例)と、ゾーン設定部(「処理部」の他の一例)112と、提供部114と、記憶部120とを備える。取得部102、属性スコア取得部104、信用スコア取得部106、第1統計処理部108、第2統計処理部110、ゾーン設定部112、および提供部114は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。各構成要素の機能については後述する。なお、第1情報処理装置100において、一部の機能構成(例えば第1統計処理部108)は省略されてもよい。
【0018】
記憶部120は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、SDカード、RAM、HDD、レジスタ等によって実現される。記憶部120には、例えば、ユーザ情報122、属性モデル124、信用モデル126、第1統計情報128、第2統計情報130、およびゾーン情報132が記憶されている。
【0019】
取得部102は、ユーザ情報122を他の装置から取得し、取得したユーザ情報122を記憶部120に記憶させる。図5は、ユーザ情報122の内容の一例を示す図である。ユーザ情報122は、ユーザの識別情報(ユーザID)に対して、ユーザの属性情報と、外部信用情報とが対応付けられた情報である。属性情報は、例えば、ユーザの性別や、年齢、職業などユーザの属性を示す情報である。外部信用情報は、例えば、ユーザが他社から借り入れている借入の有無や、返済状況、借入額など外部の信用度に関する情報である。外部信用情報は、例えば、外部信用情報を提供する信用情報機関等から取得された情報である。
【0020】
属性スコア取得部104は、属性情報と属性モデル124とに基づいてユーザの属性スコアを取得する。信用スコア取得部106は、外部信用情報と信用モデル126とに基づいてユーザの信用スコアを取得する。
【0021】
図6は、属性スコアと信用スコアとを取得する処理について説明するための図である。属性スコア取得部104が、属性情報からユーザ属性ベクトルを生成する。ユーザ属性ベクトルは、ユーザの属性の特徴を分散表現化したものである。属性スコア取得部104は、ユーザ属性ベクトルを属性モデル124に入力し、属性モデル124が出力した出力結果(スコア)を取得する。
【0022】
属性モデル124は、ユーザ属性ベクトルが入力されると、ユーザ属性ベクトルに応じた属性スコアを出力する。属性スコアは、貸し倒れのリスクを示すスコアである。
【0023】
信用スコア取得部106が、外部信用情報からユーザ外信ベクトルを生成する。信用スコア取得部106は、ユーザ外信ベクトルを信用モデル126に入力し、信用モデル126が出力した出力結果(スコア)を取得する。信用モデル126は、ユーザ外信ベクトルが入力されると、ユーザが外信ベクトルに応じた信用スコアを出力する。信用スコアは、貸し倒れのリスクを示すスコアである。
【0024】
属性モデル124および信用モデル126(後述)は、例えば、ロジスティクス回帰や、サポートベクターマシン(SVM: Support Vector Machine)、決定木、ニューラルネットワークなどの手法が利用されたモデルである。属性モデル124および信用モデル126は、不図示の学習装置50により生成されたモデルである。属性モデル124および信用モデル126が学習に用いる学習データや学習手法については後述する。
【0025】
上記の属性スコアと信用スコアとの組み合わせによりユーザが区分される。図7は、属性スコアと信用スコアとの組み合わせごとのユーザの分布の一例を示す図である。図7の左図は、第1特定処理により得られた分布であり、図7の右図は、第2特定処理により得られた分布である。本実施形態では、例えば、第2特定処理により得られた結果を用いてユーザが属するグループを決定する。
【0026】
第1特定処理は、第1統計処理部108が実行する処理であり、第2特定処理は、第2統計処理部110が実行する処理である。後述する図7図10に左図は、第1特定処理において生成される第1統計情報128であり、後述する図7図10に右図は、第2特定処理において生成される第2統計情報130である。以下、第1特定処理と第2特定処理との相違点を説明する。
【0027】
(相違点1)
属性スコアを出力する属性モデルおよび信用スコアを出力する信用モデルが異なる。第1特定処理では、貸し倒れたユーザを正例、貸し倒れていないユーザを負例とした学習データを学習して生成されたモデル(不図示の第1属性モデル、第1信用モデル)を用いるのに対して、第2特定処理では、所定額以上の債権額であり且つ貸し倒れたユーザを正例、所定額以上の債権額であり且つ貸し倒れていないユーザを負例とした学習データを学習したモデル(属性モデル124、信用モデル126)を用いる。なお、正例の情報と負例の情報とは逆であってもよい。
【0028】
第1特定処理では、第1特定処理用の第1属性モデルを用いて属性スコアを取得し、第1特定処理用の第1信用モデルを用いて信用スコアを取得する。第1属性モデルは、学習装置50が第1属性学習データを学習して得られたモデルである。第1属性学習データは、貸し倒れたことを示す情報と貸し倒れたユーザの属性情報とが互いに対応付けられた正例の学習データ、および貸し倒れていないことを示す情報と、貸し倒れていないユーザの属性情報とが互いに対応付けられた負例の学習データである。第1属性モデルは、貸し倒れたユーザの属性情報が入力されると、比較的、高いスコア(貸し倒れる確率が高いことを示すスコア)を出力し、貸し倒れていないユーザの属性情報が入力されると、比較的、低いスコアを出力するように学習された学習済モデルである。
【0029】
第1信用モデルは、学習装置50が第1信用学習データを学習して得られたモデルである。第1信用学習データは、貸し倒れたことを示す情報と貸し倒れたユーザの外部信用情報とが互いに対応付けられた正例の学習データ、および貸し倒れていないことを示す情報と、貸し倒れていないユーザの外部信用情報とが互いに対応付けられた負例の学習データである。第1信用モデルは、貸し倒れたユーザの外部信用情報が入力されると、比較的、高いスコアを出力し、貸し倒れていないユーザの外部信用情報が入力されると、比較的、低いスコアを出力するように学習された学習済モデルである。
【0030】
第2特定処理の属性モデル124は、学習装置50が第2属性学習データを学習して得られたモデルである。第2属性学習データは、所定額以上の債権額で貸し倒れたことを示す情報と所定額以上の債権額で貸し倒れたユーザの属性情報とが互いに対応付けられた正例の学習データ、および所定額以上の債権額で貸し倒れていないことを示す情報と所定額以上の債権額で貸し倒れていないユーザの属性情報とが互いに対応付けられた負例の学習データである。属性モデル124は、所定額以上の債権額で貸し倒れたユーザの属性情報が入力されると、比較的、高いスコアを出力し、所定額以上の債権額で貸し倒れていないユーザの属性情報(または貸し倒れていないユーザの属性情報)が入力されると、比較的、低いスコアを出力するように学習された学習済モデルである。
【0031】
第2特定処理の信用モデル126は、学習装置50が第2信用学習データを学習して得られたモデルである。第2信用学習データは、所定額以上の債権額で貸し倒れたことを示す情報と所定額以上の債権額で貸し倒れたユーザの外部信用情報とが互いに対応付けられた正例の学習データ、および所定額以上の債権額で貸し倒れていないことを示す情報と所定額以上の債権額で貸し倒れていないユーザの外部信用情報とが互いに対応付けられた負例の学習データである。信用モデル126は、所定額以上の債権額で貸し倒れたユーザの属性情報が入力されると、比較的、高いスコアを出力し、所定額以上の債権額で貸し倒れていないユーザの属性情報(または貸し倒れていないユーザの属性情報)が入力されると、比較的、低いスコアを出力するように学習された学習済モデルである。
【0032】
上記のような属性スコアおよび信用スコアを出力するモデルが異なることにより、図7図10に示す分布に相違が生じる。例えば、後述するように債権の合計額が高く且つ貸し倒れ率が低いユーザ群が強調される。
【0033】
(相違点2)
第1特定処理および第2特定処理において、分布されたユーザがグルーピングされて統計処理が行われ、図7の左図および図7の右図が生成されるが、第1特定処理と第2特定処理とにおいて統計処理に用いるグルーピングの手法が異なる。
【0034】
第1特定処理では、スコアを所定の間隔で区分して、その区分に当てはまるユーザごとに統計処理を行った。例えば、スコアが0-1の場合、スコアを0.1刻みで10分割して、分割した区分に属するユーザ群に対して統計処理が行われる。これにより、図7の左図に示すように、統計処理対象の統計処理対象グループごとのユーザの人数(債権を有するユーザ数)が示される。
【0035】
第2特定処理では、統計処理対象グループごとのユーザの数が均等になるようにグルーピングされる。例えば、属性スコアと信用スコアとの組み合わせのユーザの分布において、統計処理の対象の単位グループ群に含まれるユーザの数が同じまたは近似するように複数のユーザを単位グループ群に区分し、区分した単位グループ群ごとに、単位グループ群に含まれるユーザのそれぞれの債権額と前記貸し倒れた度合とが統計処理される。
【0036】
例えば、1000人のユーザが存在する場合において、100の統計処理対象グループに分ける場合、1つのグループに10人のユーザが含まれるようにグルーピングされる。この際、各統計処理対象グループに含まれるユーザの属性スコアと信用スコアとの組み合わせが同じまたは近くなるようにバランシンがされてグルーピングされる。これにより、属性スコアおよび信用スコアが良いユーザが多い傾向であるため、図7の右図に示すように、より属性スコアおよび信用スコアが良いユーザが強調される。
【0037】
以下説明する図8-10のそれぞれの左図は、第1特定処理によって得られたグラフであり、図8-10のそれぞれの右図は、第2特定処理によって得られたグラフである。
【0038】
図8は、貸し倒れたユーザの債権額の大きさの分布を示す図である。図8に示すように、第1特定処理より得られたグラフに比べて、第2特定処理により得られたグラフは、貸し倒れによる債権が大きい領域が属性スコアおよび信用スコアが良い領域に拡がっている(貸し倒れの領域が広がっている)。これにより、貸し倒れたユーザは、属性スコアおよび信用スコアが良くない領域だけでなく広く分布していることが理解できる。
【0039】
図9は、債権(リボ払いおよびキャッシング)の合計の分布を示す図である。図9に示すように、第1特定処理より得られたグラフに比べて、第2特定処理により得られたグラフは、債権が大きい領域が属性スコアおよび信用スコアが良い領域に拡がっている。
【0040】
図10は、貸し倒れ率の大きさの分布を示す図である。図10に示すように、第1特定処理より得られたグラフに比べて、第2特定処理により得られたグラフは、貸し倒れ率が大きい領域は信用スコアが良い領域に拡がっているが、属性スコアが良い領域には広がっていない。
【0041】
図11は、図9の右図と、図10の右図とを示す図である。図11の左図の領域AR1と、図11の右図の領域AR2とが重なる領域は、増枠が可能な領域と推定される。領域AR1は、債権の合計が大きい領域であり、リボ払いまたはキャッシングの需要が高いユーザが属する領域であると推定される。領域AR2は、貸し倒れた率が高くないまたは低い領域であり、リボ払いまたはキャッシングのサービスを提供しても貸し倒れのリスクが低いユーザが属する領域であると推定される。
【0042】
上記のように、ゾーン設定部112は、上記の第2特定処理による統計処理の結果に基づいて、領域AR1および領域AR2を抽出し、抽出した領域に基づいて増枠を行う領域である第3ゾーンを特定する。ゾーン設定部112は、特定した第3ゾーンに関するゾーン情報132を生成する。ゾーン情報132は、第3ゾーンに区分されるユーザの属性スコアと信用スコアとの組み合わせを示す情報である。
【0043】
ゾーン設定部112は、「属性スコアおよび前記信用スコアの組み合わせに基づいて、前記複数のユーザの債権額を統計処理した結果と、前記属性スコアおよび前記信用スコアの組み合わせに基づいて、前記複数のユーザの貸し倒れ度合を統計処理した結果と、に基づいて前記グループ(例えば第3グループ)を抽出する処理部」の一例である。また、ゾーン設定部112は、「債権額および前記複数のユーザの貸し倒れ度合を統計処理した結果に基づいて前記債権額が第1閾値以上であり、且つ前記貸し倒れた度合が第2閾値以下の前記属性スコアと前記信用スコアとの組み合わせのユーザを含むグループ(例えば第3グループ)を設定する処理部」の一例である。
【0044】
提供部114は、属性モデル124、信用モデル126、およびゾーン情報132を第2情報処理装置200に提供する。
【0045】
(フローチャート)
図12は、第1情報処理装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。本処理の順序は入れ替えられてもよいし、一部の処理(例えば「S12」)は省略されてもよい。
【0046】
まず、取得部102が、ユーザ情報122を取得する(S10)。次に、第1統計処理部108が、ユーザ情報122、第1属性モデルおよび第1信用モデルから得られた属性スコアおよび信用スコアに基づいて第1統計情報128を生成する(S12)。次に、第2統計処理部110が、ユーザ情報122、属性モデル124および信用モデル126から得られた属性スコアおよび信用スコアに基づいて第2統計情報130を生成する(S14)。次に、ゾーン設定部112が、ゾーン情報132を生成する(S16)。例えば、ゾーン設定部112は、前述した第2統計情報130に基づいてゾーン情報132を生成する。これにより、本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。なお、ゾーン設定部112は、第1統計情報128に基づいて、ゾーンを設定してもよい。
【0047】
上記のように、第1情報処理装置100が、より融資の需要が高く且つ貸し倒れ率が低いユーザ群を含む第3グループを抽出することができる。なお、上記の処理は、所定期間ごとに実施されてもよい。例えば、第1情報処理装置100は、所定期間ごとに、第2統計情報130を生成し、生成した最新の第2統計情報130に基づいてゾーン情報132を更新してもよい。これにより、直近の情報に応じた第3ゾーンが設定される。
【0048】
[第2情報処理装置]
図13は、第2情報処理装置200の機能構成の一例を示す図である。第2情報処理装置200は、例えば、情報管理部202と、スコア取得部204と、分類部206と、設定部208と、情報提供部210と、記憶部220とを備える。情報管理部202、スコア取得部204、分類部206、設定部208、および情報提供部210は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。各構成要素の機能については後述する。
【0049】
記憶部220は、例えば、ROM、フラッシュメモリ、SDカード、RAM、HDD、レジスタ等によって実現される。記憶部220には、例えば、ユーザ情報222、属性モデル224、信用モデル226、およびゾーン情報228が記憶されている。
【0050】
ユーザ情報222は、与信枠を設定する対象のユーザの属性情報および外部信用情報を含む。属性モデル224は、第1情報処理装置100により提供された属性モデル124である。信用モデル226は、第1情報処理装置100により提供された信用モデル126である。ゾーン情報228は、第1情報処理装置100により提供されたゾーン情報132である。
【0051】
情報管理部202が、ユーザ情報を取得する。情報管理部202は、例えば、サービスサーバ10からユーザ情報を取得する。スコア取得部204は、ユーザ情報の属性情報と属性モデル224とに基づいて属性スコアを取得する。スコア取得部204は、ユーザ情報の外部信用情報と信用モデル226とに基づいて信用スコアを取得する。
【0052】
分類部206は、属性スコアおよび信用スコアに基づいて、ユーザがどのゾーンに属するかを決定する。設定部208は、分類部206の決定結果に基づいて、ユーザに与信枠を設定する。情報提供部210は、設定した与信枠の情報をサービスサーバ10に提供する。
【0053】
(フローチャート)
図14は、第2情報処理装置200により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、情報管理部202が、サービスサーバ10から与信枠の決定に関するリクエストと共にユーザ情報を取得する(S50)。次に、スコア取得部204が、属性スコアおよび信用スコアを取得する(S52)。次に、分類部206が、取得した属性スコアおよび信用スコアに基づいてユーザがどのゾーンに属するかを決定する(S54)。
【0054】
次に、設定部208が、分類結果に基づいてユーザに与信枠を設定する(S56)。次に、情報提供部210が、設定した与信枠の情報をサービスサーバ10に提供する(S58)。これにより、サービスサーバ10は、ユーザの端末装置Uから取得した融資に関するリクエストに基づいて与信枠を決定し、決定した与信枠の範囲内でユーザに融資の実行を行うことができる。
【0055】
図15は、ゾーンの設定について説明するための図である。分類部206は、図15に示すゾーン情報228を参照して、属性スコアおよび信用スコアに基づく位置に対応するゾーンを決定する。例えば、属性スコアおよび信用スコアに基づく位置Pが、第3ゾーンである場合、分類部206は、ユーザは第3ゾーンに属すると決定する。設定部208は、第3グループのユーザに対する与信枠を、第2ゾーンのユーザに対する与信枠よりも大きくする。換言すると、設定部208は、複数のグループのうち、債権額が第1閾値以上であり且つ前記貸し倒れ度合が第2閾値以下であるグループに属するユーザに対する与信枠を、貸し倒れた度合が第2閾値を超えるグループに属するユーザに対する与信枠よりも大きくする。
【0056】
設定部208は、過去に第1与信枠を設定していた対象ユーザが、債権額が第1閾値以上であり且つ貸し倒れ度合が第2閾値以下であるグループに属する場合、第1与信枠よりも大きい第2与信枠を設定する。例えば、過去においては、第3ゾーンが見出されていなく、ユーザは第1ゾーンまた第2ゾーンに分類されていた場合がある。この場合、第3ゾーンに属するユーザであっても第2ゾーンに属すると分類され、融資の条件が第2ゾーンに基づく条件によって設定されていた。
【0057】
本実施形態では、上記のように、第3ゾーンが見出されたことにより、設定部208が、過去に第2ゾーンに属するとされていたユーザであって第3ゾーンに属する条件を満たすユーザを第3ゾーンに属すると分類することにより、第3ゾーンに属するユーザに対して、より適切な与信枠を設定することができる。
【0058】
なお、上記の図14図15で説明したユーザに設定される与信枠や、ユーザの属性スコア、信用スコアは、所定期間ごとに更新されてもよい。例えば、ユーザが、クレジットカードの発行の申し込みを行った場合、ユーザの属性スコアおよび信用スコアが取得され(スコアリングが行われ)、与信枠が設定される。以降、半年毎など任意の期間ごとに、スコアリングが再実施され、ユーザの属性スコアおよび信用スコアが最新のものに更新され、更新されたユーザの属性スコアおよび信用スコアに応じた与信枠が設定されてもよい。このように、スコアリングが任意の期間ごとに行われることで適切な与信枠が設定される。
【0059】
[変形例]
変形例では、ユーザの年収が加味されてもよい。ユーザの年収は、ユーザ個人の年収であってもよいし、世帯年収や、ユーザと家計を共にしている他者の年収を含んでもよい。図16は、年収が加味されたゾーン情報228Aの一例を示す図である。ゾーン情報228Aは、グループと年収とによって第1ゾーンから第3ゾーンが区分された情報である。年収は、A-Fの順で高い。グループ1-50(50としているが任意の数でもよい)は、属性スコアと信用スコアとの組み合わせを50に分類したグループである。例えば、属性スコアと信用スコアとの組み合わせが小さいグループは「1」に分類され、組み合わせが大きくなるに従って順番に2、3、4・・・50に分類されている。例えば、属性スコアと信用スコアとの組み合わせが最も大きい組み合わせは、グループ50に分類される。
【0060】
なお、上記のグループ分けにおいて、属性スコアまたは信用スコアに係数を掛けて得られたスコアに基づいてグループ分けされてもよい。例えば、属性モデル224と信用モデル226とのうちより精度の高いスコアを出力するモデルのスコアが重視されてもよい。例えば、信用モデル226が出力する信用スコアの精度が、属性モデル224が出力する属性スコアの精度よりも高い場合、信用スコアの重みが大きくなるように信用スコアまたは属性スコアが調整され、調整後のスコアに基づいてグループ分けされてもよい。これにより、より好適なグループ分けがされる。
【0061】
図示するように、例えば、小さい番号のグループは、第1ゾーンであり、年収が上昇するに従って番号が大きいグループまで第1ゾーンは拡大する。図示するように、例えば、大きい番号のグループは、第2ゾーンであり、年収が減少するに従って番号が小さいグループまで第2ゾーンは拡大する。図示する例では、例えば、年収E、Fである領域は第2ゾーンに該当しない。第1ゾーンと第2ゾーンとに属さない領域は、第3ゾーンである。また、各ゾーンにおける年収とグループとの組み合わせのそれぞれに対して、融資枠が設定されている。
【0062】
第2情報処理装置200は、ユーザ情報に基づいて属性スコアおよび信用スコアを取得する。第2情報処理装置200は、取得した属性スコアおよび信用スコアに基づいてユーザがどのグループに属するかを決定する。第2情報処理装置200は、決定したグループと、ユーザの年収とに基づいて、ユーザが第1ゾーンから第3ゾーンのうちどのゾーンに該当するかを決定する。第2情報処理装置200は、決定したゾーンに対応付けられた融資枠を決定する。
【0063】
上記のように、第2情報処理装置200は、ユーザの年収を加味することでより、適切にユーザに対して与信枠を設定することができる。
【0064】
以上説明した実施形態の情報処理システム1によれば、ユーザが、属性スコア、信用スコア、債権額、および貸し倒れ度合に基づいて区分された複数のグループのうち、ユーザが属するグループを決定し、決定したグループに基づいてユーザの与信枠を設定することにより、より適切な与信枠をユーザに設定することができる。
【0065】
また、上記の第1情報処理装置100または第2情報処理装置200で実行された機能のうち、一部の機能は他の装置(例えばサービスサーバ10など)で実行されてもよい。また、第1情報処理装置100または第2情報処理装置200に記憶された情報は、他の装置に記憶されていてもよい。
【0066】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0067】
1‥情報処理システム、10‥サービスサーバ、50‥学習装置、100‥第1情報処理装置、102‥取得部、104‥属性スコア取得部、106‥信用スコア取得部、108‥第1統計処理部、110‥第2統計処理部、112‥ゾーン設定部、114‥提供部、120‥記憶部、122‥ユーザ情報、124‥属性モデル、126‥信用モデル、128‥第1統計情報、130‥第2統計情報、132‥ゾーン情報、200‥第2情報処理装置、202‥情報管理部、204‥スコア取得部、206‥分類部、208‥設定部、210‥情報提供部、220‥記憶部、222‥ユーザ情報、224‥属性モデル、226‥信用モデル、228‥ゾーン情報
図1
図2
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図4
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図10
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図16