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特許7369775運転中インシデント通知システム、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】運転中インシデント通知システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20231019BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20231019BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231019BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20231019BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20231019BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20231019BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20231019BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20231019BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20231019BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/13
G08G1/16 F
G06T7/00 650Z
G08B21/00 U
G06Q50/10
G16Y10/40
G16Y20/40
G16Y40/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021537552
(86)(22)【出願日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 JP2019031527
(87)【国際公開番号】W WO2021024495
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2022-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000153546
【氏名又は名称】ロジスティード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 公則
(72)【発明者】
【氏名】南雲 秀明
(72)【発明者】
【氏名】石山 圭
(72)【発明者】
【氏名】根本 憲之
(72)【発明者】
【氏名】谷口 将仁
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/146488(WO,A1)
【文献】特開2004-234260(JP,A)
【文献】特開2008-234414(JP,A)
【文献】特開2017-191368(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0061222(US,A1)
【文献】特開2016-126755(JP,A)
【文献】国際公開第2019/069732(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 ~ 1/16
G06T 7/00
G08B 21/00
G06Q 50/10
G06Q 50/30
G01C 21/26 ~ 21/36
G16Y 10/40
G16Y 20/40
G16Y 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転中のドライバーの生体情報を取得する第1取得手段と、
前記取得された生体情報を解析して、前記ドライバーの体調を検出する第1検出手段と、
前記検出された体調が所定の条件を満たした場合に、第1インシデントと判定する第1判定手段と、
前記ドライバーの動作情報を取得する第2取得手段と、
前記取得された動作情報を解析して、前記ドライバーの動作を検出する第2検出手段と、
前記検出された動作が所定の条件を満たした場合に、第2インシデントと判定する第2判定手段と、
前記ドライバーが運転している車両の挙動情報を取得する第3取得手段と、
前記取得された車両の挙動情報を解析して、前記車両の挙動を検出する第3検出手段と、
前記検出された挙動を道路標識情報と照合して、法令遵守していない場合に、第3インシデントと判定する第3判定手段と、
前記第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントと、の組み合わせが、所定の条件を満たした場合に、重大インシデントが発生したと決定する決定手段と、
出発前の前記ドライバーの体調に応じて、前記第1インシデントを判定する際の前記所定の条件、前記第2インシデントを判定する際の前記所定の条件、前記重大インシデントを判定する際の前記所定の条件のうちの一つ以上の条件を最適化する学習手段と、
前記一つ以上の条件が最適化されて決定された前記重大インシデントが発生したことに関する関連情報を管理者に通知する通知手段と、
を備える運転中インシデント通知システム。
【請求項2】
前記取得された車両の挙動情報を解析して、危険運転度を検出する第4検出手段と、
前記危険運転度が所定の条件を満たした場合に、第4インシデントと判定する第4判定手段と、を備え、
前記決定手段は、前記第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントと、第4インシデントと、の組み合わせが、所定の条件を満たした場合に、重大インシデントが発生したと決定する請求項1記載の運転中インシデント通知システム。
【請求項3】
前記ドライバーの個体差を学習して、ドライバー毎に前記所定の条件を最適化する学習手段と、
を備える請求項1又は2記載の運転中インシデント通知システム。
【請求項4】
前記第1インシデントを判定する際の前記所定の条件が、前記ドライバーの疲労度であり、
前記第2インシデントを判定する際の前記所定の条件が、脇見運転・携帯端末を操作しながら運転・眠たそうな動作であり、
前記道路標識情報が、前記車両の挙動を検出した際に、道路上に存在する道路標識の特定結果に基づいたものである、請求項1又は2記載の運転中インシデント通知システム。
【請求項5】
運転中のドライバーの生体情報を取得するステップと、
前記取得された生体情報を解析して、前記ドライバーの体調を検出するステップと、
前記検出された体調が所定の条件を満たした場合に、第1インシデントと判定するステップと、
前記ドライバーの動作情報を取得するステップと、
前記取得された動作情報を解析して、前記ドライバーの動作を検出するステップと、
前記検出された動作が所定の条件を満たした場合に、第2インシデントと判定するステップと、
前記ドライバーが運転している車両の挙動情報を取得するステップと、
前記取得された車両の挙動情報を解析して、前記車両の挙動を検出するステップと、
前記検出された挙動を道路標識情報と照合して、法令遵守していない場合に、第3インシデントと判定するステップと、
前記第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントと、の組み合わせが、所定の条件を満たした場合に、重大インシデントが発生したと決定するステップと、
出発前の前記ドライバーの体調に応じて、前記第1インシデントを判定する際の前記所定の条件、前記第2インシデントを判定する際の前記所定の条件、前記重大インシデントを判定する際の前記所定の条件のうちの一つ以上の条件を最適化するステップと、
前記一つ以上の条件が最適化されて決定された前記重大インシデントが発生したことに関する関連情報を管理者に通知するステップと、
を備える運転中インシデント通知方法。
【請求項6】
コンピュータに、
運転中のドライバーの生体情報を取得するステップと、
前記取得された生体情報を解析して、前記ドライバーの体調を検出するステップと、
前記検出された体調が所定の条件を満たした場合に、第1インシデントと判定するステップと、
前記ドライバーの動作情報を取得するステップと、
前記取得された動作情報を解析して、前記ドライバーの動作を検出するステップと、
前記検出された動作が所定の条件を満たした場合に、第2インシデントと判定するステップと、
前記ドライバーが運転している車両の挙動情報を取得するステップと、
前記取得された車両の挙動情報を解析して、前記車両の挙動を検出するステップと、
前記検出された挙動を道路標識情報と照合して、法令遵守していない場合に、第3インシデントと判定するステップと、
前記第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントと、の組み合わせが、所定の条件を満たした場合に、重大インシデントが発生したと決定するステップと、
出発前の前記ドライバーの体調に応じて、前記第1インシデントを判定する際の前記所定の条件、前記第2インシデントを判定する際の前記所定の条件、前記重大インシデントを判定する際の前記所定の条件のうちの一つ以上の条件を最適化するステップと、
前記一つ以上の条件が最適化されて決定された前記重大インシデントが発生したことに関する関連情報を管理者に通知するステップと、
を実行させるための運転中インシデント通知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転中のドライバーの体調を考慮したインシデントを管理者に通知する運転中インシデント通知システム、方法及びプログラムに関する。本発明は、IoT(Internet of Things)に関連し、技術分野はIPC分類においてG06Q等に該当する。
【背景技術】
【0002】
近年、事故を未然に防ぐためのIT技術が注目されている。例えば、遭遇する蓋然性の高いインシデントが発生した地点に対する注意を喚起するために、運転者の生体情報から、運転者のインシデントの遭遇の有無を判定し、インシデントに遭遇している場合、現在位置がインシデント地点として1回カウントして、現在位置が所定距離以内に接近中の地点がインシデント地点として登録されているカウントが所定値以上の場合に、地図上の、存在したインシデントデータのインシデント地点に対応する位置に注意マークを表示する技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-037359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
事故を未然に防ぐためには、運転中のドライバーの体調を考慮したインシデントを管理者に通知することが重要である。しかしながら、特許文献1の技術では、運転中のドライバーの体調を考慮したインシデントを管理者に通知することができない。
【0005】
本発明は、以上の課題に鑑み、運転中のドライバーの体調を考慮したインシデントを管理者に通知する運転中インシデント通知システム、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、運転中のドライバーの生体情報を取得する第1取得手段と、前記取得された生体情報を解析して、前記ドライバーの体調を検出する第1検出手段と、前記検出された体調が所定の条件を満たした場合に、第1インシデントと判定する第1判定手段と、前記ドライバーの動作情報を取得する第2取得手段と、前記取得された動作情報を解析して、前記ドライバーの動作を検出する第2検出手段と、前記検出された動作が所定の条件を満たした場合に、第2インシデントと判定する第2判定手段と、前記ドライバーが運転している車両の挙動情報を取得する第3取得手段と、前記取得された車両の挙動情報を解析して、前記車両の挙動を検出する第3検出手段と、前記検出された挙動を道路標識情報と照合して、法令遵守していない場合に、第3インシデントと判定する第3判定手段と、前記第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントと、の組み合わせが、所定の条件を満たした場合に、重大インシデントが発生したと決定する決定手段と、出発前の前記ドライバーの体調に応じて、前記第1インシデントを判定する際の前記所定の条件、前記第2インシデントを判定する際の前記所定の条件、前記重大インシデントを判定する際の前記所定の条件のうちの一つ以上の条件を最適化する学習手段と、前記一つ以上の条件が最適化されて決定された前記重大インシデントが発生したことに関する関連情報を管理者に通知する通知手段と、を備える運転中インシデント通知システム(システムは単体のコンピュータであってもよい)を提供する。
【0007】
また、本発明は、運転中のドライバーの生体情報を取得するステップと、前記取得された生体情報を解析して、前記ドライバーの体調を検出するステップと、前記検出された体調が所定の条件を満たした場合に、第1インシデントと判定するステップと、前記ドライバーの動作情報を取得するステップと、前記取得された動作情報を解析して、前記ドライバーの動作を検出するステップと、前記検出された動作が所定の条件を満たした場合に、第2インシデントと判定するステップと、前記ドライバーが運転している車両の挙動情報を取得するステップと、前記取得された車両の挙動情報を解析して、前記車両の挙動を検出するステップと、前記検出された挙動を道路標識情報と照合して、法令遵守していない場合に、第3インシデントと判定するステップと、前記第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントと、の組み合わせが、所定の条件を満たした場合に、重大インシデントが発生したと決定するステップと、出発前の前記ドライバーの体調に応じて、前記第1インシデントを判定する際の前記所定の条件、前記第2インシデントを判定する際の前記所定の条件、前記重大インシデントを判定する際の前記所定の条件のうちの一つ以上の条件を最適化するステップと、前記一つ以上の条件が最適化されて決定された前記重大インシデントが発生したことに関する関連情報を管理者に通知するステップと、を備える運転中インシデント通知方法を提供する。
【0008】
更に、本発明は、コンピュータに、運転中のドライバーの生体情報を取得するステップと、前記取得された生体情報を解析して、前記ドライバーの体調を検出するステップと、前記検出された体調が所定の条件を満たした場合に、第1インシデントと判定するステップと、前記ドライバーの動作情報を取得するステップと、前記取得された動作情報を解析して、前記ドライバーの動作を検出するステップと、前記検出された動作が所定の条件を満たした場合に、第2インシデントと判定するステップと、前記ドライバーが運転している車両の挙動情報を取得するステップと、前記取得された車両の挙動情報を解析して、前記車両の挙動を検出するステップと、前記検出された挙動を道路標識情報と照合して、法令遵守していない場合に、第3インシデントと判定するステップと、前記第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントと、の組み合わせが、所定の条件を満たした場合に、重大インシデントが発生したと決定するステップと、出発前の前記ドライバーの体調に応じて、前記第1インシデントを判定する際の前記所定の条件、前記第2インシデントを判定する際の前記所定の条件、前記重大インシデントを判定する際の前記所定の条件のうちの一つ以上の条件を最適化するステップと、前記一つ以上の条件が最適化されて決定された前記重大インシデントが発生したことに関する関連情報を管理者に通知するステップと、を実行させるための運転中インシデント通知プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、運転中のドライバーの生体情報を取得し、生体情報を解析し、体調を検出し、検出された体調が所定の条件を満たしたら、第1インシデントと判定して、ドライバーの動作情報を取得し、動作情報を解析し、動作を検出し、検出された動作が所定の条件を満たしたら、第2インシデントと判定して、車両の挙動情報を取得し、挙動情報を解析し、挙動を検出し、検出された挙動を道路標識情報と照合して法令遵守していなかったら、第3インシデントと判定して、第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントの組み合わせが所定の条件を満たしたら、重大インシデントが発生したと決定して、重大インシデントの関連情報を管理者に通知することとした。このため、運転中のドライバーの体調を考慮したインシデントを管理者に通知することができる。そして、管理者がフォローすべき危険な状況(重大インシデント)が検知された際に、管理者のもつ端末へ通知することで、管理者90が適切なフォローを行って事故を未然に防ぐのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態の運転中インシデント通知システムを用いた全体構成を示す概念図である。
図2】前記実施形態の車両の構成を示すブロック図である。
図3】前記実施形態のサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】前記実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図である。
図5】前記実施形態の管理者端末の構成を示すブロック図である。
図6】前記実施形態の運転中インシデント通知処理の一例を示すフローチャートである。
図7】管理者端末に表示される重大インシデント関連情報の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、運転中のドライバーの生体情報を取得し、生体情報を解析し、体調を検出して、検出された体調が所定の条件を満たしたら、第1インシデントと判定して、ドライバーの動作情報を取得し、動作情報を解析し、動作を検出し、検出された動作が所定の条件を満たしたら、第2インシデントと判定して、車両の挙動情報を取得し、挙動情報を解析し、挙動を検出し、検出された挙動を道路標識情報と照合して法令遵守していなかったら、第3インシデントと判定して、第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントの組み合わせが所定の条件を満たしたら、重大インシデントが発生したと決定して、重大インシデントの関連情報を管理者に通知するものである。
【0012】
<全体構成>・・・図1は、本実施形態に係る運転中インシデント通知システムの概要を示す概念図である。運転中インシデント通知システム100(以下「システム」とする)100は、サーバ50と、車両10に搭載された端末20と、管理者90の端末(スマートフォンやタブレットなどの携帯端末が好ましい)とがインターネットを含むネットワークを介して相互にデータ通信可能となっている。車両10には、ドライバー生体情報センシング部40、車両情報センシング部42、ドライバー動作センシング部44が搭載されており、これらによって検知された情報が、近距離無線通信によって端末20に送信され、端末20は、受信した情報を、通信部およびネットワークを介してサーバ50に送信する。
【0013】
ドライバー生体情報センシング部40は、例えば、ハンドルカバー型心電計22や、シートカバー型心電計24が含まれ、これらによってドライバー12の生体情報である心電波形が得られる。また、ドライバー生体情報センシング40は、心電波形のほかに、脈波、脳波、血圧、体温などの生体情報を取得してもよい。取得された運転中のドライバーの生体情報は、例えば、前記端末20を介してサーバ50に送信される(ステップS1)。サーバ50では、取得された生体情報を解析して、ドライバー12の体調(例えば、疲労度、眠気、痴呆、抑鬱、集中力、急変可能性、アレルギー症状など)を検出し、検出された体調が所定の条件を満たした場合(例えば、疲労度が高いので運転しないほうがよいなど)に、第1インシデントと判定する。
【0014】
ドライバー動作センシング部44は、例えば、車外向けカメラや車内向けカメラを含むIoT(Internet of Things)ドライブレコーダ30A、30Bを含み、ドライバー12の動作情報である車内向けカメラの画像が得られる。また、ドライバー動作センシング部44は、車内向け画像のほかに、図示しないハンドルセンサ、モーションセンサなどからドライバー12の動作情報を取得してもよい。取得されたドライバー12の動作情報は、例えば、IoTドライブレコーダ30A、30Bの通信部を介してサーバ50に送信されてもよいし、端末20を介してサーバ50に送信されてもよい(ステップS2)。サーバ50では、取得された動作情報を解析して、ドライバー12の動作を検出し、検出された動作が所定の条件を満たした場合(例えば、脇見運転・携帯端末を操作しながらの運転で目線が2秒以上外れた、眠そうな動作など)、第2インシデントと判定する。なお、IoTドライブレコーダ30A、30Bは、後述するように車両挙動検知にも使用され、また、常時録画や動画切出し等も行う。
【0015】
車両情報センシング部42は、例えば、車外向きドライブレコーダ26、危険通知ボタン28や、前記IoTドライブレコーダ30A、30Bを含み、これらによって車間距離、車線逸脱、押下日時、常時録画、動画切出しなどを行うとともに、車両10の挙動情報(例えば、速度、加速度、ブレーキ、位置情報など)を取得する(ステップS3)。取得した車両10の挙動情報は、例えば、端末20を介してサーバ50に送信されてもよいし、センサ類に通信機能が備わっている場合には、センサ類から直接サーバ50に送信してもよい。サーバ50では、取得された挙動情報を解析して、車両10の挙動を検出し、検出された挙動を道路標識情報と照合して(例えば、IoTドライブレコーダ30A、30Bの車外向けカメラの画像解析による道路標識特定や、地図情報からの道路標識特定など)、法令遵守していない場合に、第3インシデントと判定する。
【0016】
サーバ50は、第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントと、の組み合わせが所定の条件を満たした場合に、重大インシデントが発生したと決定し、重大インシデントが発生したことに関する関連情報(発生時刻、発生場所、発生ドライバー、発生車両、インシデント内容、ドライブレコーダ画像(動画または静止画)など)を管理者90に通知する(ステップS4)。管理者90への通知は、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末への通知が好ましい。これにより、管理者90がいち早くドライバー12のインシデント発生情報を得て、次のアクションを取ることができる。なお、管理者90のPCへの通知を併せて行ってもよい。
【0017】
また、サーバ50は、前記ステップS3で取得された車両の挙動情報を解析して、危険運転度(例えば、急発進、急ブレーキ、急ハンドルなど)を検出し、検出された危険運転度が所定の条件を満たした場合、第4インシデントと判定してもよい。この場合、第1インデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントと、第4インシデントと、の組み合わせが所定の条件を満たした場合に、重大インシデントであると決定し、重大インシデントが発生したことに関する関連情報を管理者90に通知する。
【0018】
さらに、サーバ50は、ドライバー12の個体差を学習して、ドライバー12毎に各インシデントを判定するための所定の条件を最適化してもよいし、出発前のドライバー12の体調に応じて、前記所定の条件を最適化してもよい。
【0019】
以上説明したサーバ50は、単体のコンピュータであってもよく、例えば、端末であってもよい。また、後述する機能構成が、それぞれ異なるコンピュータで実行されるコンピュータシステム(クラウド)であってもよい。さらに、本実施形態では、多くの処理をサーバ50で実行することとしたが、エッジ(センサ類など)側で情報の取得、解析・検出、インシデントの判定を行うようにしてもよい。エッジ側で多くの処理を行うことにより、サーバ50へのデータ送信量を減らすことができる。
【0020】
<車両の構成>・・・次に、図2を参照して、車両10の構成を説明する。車両10は、ドライバー12の生体情報を得るためのドライバー生体情報センシング部40と、ドライバー12が運転している車両10の挙動情報を得るための車両情報センシング部42と、ドライバー12の動作情報を得るためのドライバー動作センシング部44とを備えている。ドライバー生体情報センシング部40には、ハンドル型心電計22やシートカバー型心電計24などが含まれる。車両情報センシング部42には、車外向きドライブレコーダ26や危険通知ボタン28などが含まれる。危険通知ボタン28は、各種センシング機器によらず、ドライバー12が車内外で気づいたインシデント発生時に押下可能なボタンであって、ドライバー12の判断によってインシデント発生情報を得るためのものである。例えば運転車両の前方で割り込みがあった場合や、落下物・飛散物があった場合など、車載装置では検知できない危険につながりそうな事象があったときにドライバー12自身が判断して押下する。危険通知ボタン28が押下されると、その時刻や位置がインシデント発生の情報として記録され、例えば、ドライブレコーダで撮像された画像(動画または静止画)が切り出されてサーバ50に送信される。なお、IoTドライブレコーダ30A、30Bも、これらとともに、車両10の挙動をセンシングする。ドライバー動作センシング部44には、車外向けカメラや車内向けカメラを備えたIoTドライブレコーダ30A、30Bなどが含まれる。通信部46は、ネットワークを介して、各種センサで得られた情報やドライブレコーダで撮像された画像(動画または静止画)をサーバ50に送信して提供するものである。むろん、必要に応じて、他の情報の提供などを行うようにしてもよい。
【0021】
<サーバのハードウェア構成>・・・次に、図3を参照して、サーバ50の機能構成を説明する。サーバ50は、プロセッサ52、メモリ54、ストレージ56、通信部68を備え、これらは図示しないバスにより接続されている。プロセッサ52は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成され、メモリ54に記憶された各種プログラムを読み出して実行することで、各種処理を行う。前記メモリ54は、プロセッサ52により実行させるプログラムを記憶するものであり、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)により構成される。例えば、図4に示す各種手段が記憶されている。ストレージ56は、取得情報58、第1インシデント判定条件50、第2インシデント判定条件62、道路標識情報63、第4インシデント判定条件64、重大インシデント判定条件65、インシデント関連情報66、地図情報67や、図示しない制御プログラムなどを記憶するものである。
【0022】
取得情報58は、例えば、運転中のドライバー12の生体情報(心電、脈波、脳波、血圧、体温など)や、ドライバー12の動作情報(車内向カメラ画像、ハンドルセンサ情報、モーションセンサ情報など)や、ドライバー12が運転している車両10の挙動情報(速度、加速度、ブレーキ、位置情報など)である。むろん、ここにあげた情報に限られるものではない。
【0023】
第1インシデント判定条件60は、取得された生体情報を解析してドライバー12の体調を検出し、検出された体調が、第1インシデントに該当するか否かを判定するための判定基準である。例えば、ドライバー12の疲労度が高い場合には、運転しないほうがよいといった基準が設けられている。
【0024】
第2インシデント判定条件62は、取得されたドライバー12の動作情報を解析してドライバー12の動作を検出し、検出された動作が第2インシデントに該当するか否かを判定するための判定基準である。例えば、脇見運転・携帯端末を使用しながらの運転で目線が2秒以上外れた場合や、眠たそうな動作をした場合には、第2インシデントに該当するといった基準が設けられている。
【0025】
道路標識情報63は、取得されたドライバー12の挙動情報を解析して車両10の挙動を検出し、検出された挙動が法令遵守しているか否かにより第3インシデントに該当するか否かを判定するための基準である。例えば、車外向カメラの画像解析による道路標識特定や、地図情報からの道路標識特定などにより、車両10の挙動が法令遵守しているか否かを判定する。
【0026】
第4インシデント判定条件64は、取得された車両10の挙動情報を解析して、危険運転度を検出し、危険運転度が第4インシデントに該当するか否かを判定するための判定基準である。例えば、車両10の挙動情報と運転内容とが関連付けられた基準を用いて判定することができ、具体的には、挙動情報を解析して、同一の車速で走行した場合に前方車両に衝突する可能性が高い場合や、上下・左右・前後のいずれかでGの発生が極めて大きい場合など、そのまま走行を継続したときに事故が発生する可能性が高い場合、或いは、危険状態にあると判断される場合には、第4インシデントに該当する、といった基準が設けられている。
【0027】
重大インシデント判定条件65は、第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントとの組み合わせが、重大インシデントに該当するか否かを判定するための判定基準である。また、第4インシデントの判定を行った場合には、第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントと、第4インシデントとの組み合わせが、重大インシデントに該当するか否かを判定するための基準である。
【0028】
インシデント関連情報67は、重大インシデントが発生したことに関する関連情報(例えば、発生時刻、発生場所、発生ドライバー、発生車両、インシデント内容、ドライブレコーダ画像(動画または静止画)など)である。
【0029】
地図情報67は、管理者90の端末に、重大インシデントが発生したことに関する関連情報を地図を用いて示すときに用いられる情報である。また上述したように、道路標識情報63を特定するためにも、地図情報67を用いてもよい。また、事故や渋滞が生じやすい場所など、交通に関する情報が付加されたものを用いた場合には、運行ルートを選択する際にも用いることができる。
【0030】
次に、通信部68は、ネットワークを介して、車両10の各種センサで得られた情報やドライブレコーダで撮像された画像(動画または静止画)を受信して取得するものである。むろん、必要に応じて、他の情報の取得を行うようにしてもよい。
【0031】
<サーバの機能構成>・・・次に、図4を参照して、サーバ50の機能構成を説明する。サーバ50は、第1取得手段70と、第1検出手段71と、第1判定手段72と、第2取得手段73と、第2検出手段74と、第2判定手段76と、第3取得手段77と、第3検出手段78と、第3判定手段80と、第4検出手段81と、第4判定手段82と、決定手段84と、通知手段86と、学習手段88を備えている。
【0032】
第1取得手段70は、運転中のドライバー12の生体情報(心電、脈波、脳波、血圧、体温など)を取得するものである。例えば、車両10のドライバー生体情報センシング部40で得られた生体情報が、端末20を介してサーバ50に送信され、サーバ50は送信された情報を受信することで生体情報を取得する。取得した生体情報は、ストレージ56の取得情報58に記憶される。
【0033】
第1検出手段71は、第1取得手段70によって取得された生体情報を解析して、ドライバー12の体調(疲労度、眠気、痴呆、抑鬱、集中力、急変可能性、アレルギー判定など)を検出するものである。
【0034】
第1判定手段72は、第1検出手段71によって検出された体調が所定の条件(疲労度が高く運転しないほうがよいなど)を満たした場合に、第1インシデントと判定するものである。第1インシデントか否かの判定は、第1インシデント判定条件60を満たすか否かにより行う。
【0035】
第2取得手段73は、ドライバー12の動作情報(車内向カメラの画像、ハンドルセンサ情報、モーションセンサ情報など)を取得するものである。例えば、車両10のドライバー動作センシング部44で得られたドライバー12の動作情報が、IoTドライブレコーダ30A、30Bによって直接、あるいは、端末20を介してサーバ50に送信され、サーバ50は送信された情報を受信することでドライバー12の動作情報を取得する。取得した動作情報は、ストレージ56の取得情報58に記憶される。
【0036】
第2検出手段74は、第2取得手段73によって取得された動作情報を解析して、ドライバー12の動作を検出するものである。
【0037】
第2判定手段76は、第2検出手段74によって検出された動作が所定の条件を満たした場合(脇見運転・携帯端末を操作しながらの運転で目線が2秒以上外れた場合、眠たそうな動作をした場合など)に、第2インシデントと判定するものである。第2インシデントか否かの判定は、第2インシデント判定条件62を満たすか否かにより行う。
【0038】
第3取得手段77は、ドライバー12が運転している車両10の挙動情報(速度、加速度、ブレーキ、位置情報など)を取得するものである。例えば、車両10の車両情報センシング部42で得られた車両10の挙動情報が、端末20を介してサーバ50に送信される。あるいは、センサ類に通信機能が備わっている場合には、エッジ側から直接サーバ50に車両10の挙動情報を送信してもよい。サーバ50は、送信された情報を受信することで、車両10の挙動情報を取得する。取得した挙動情報は、ストレージ56の取得情報に記憶される。
【0039】
第3検出手段78は、第3取得手段77によって取得された挙動情報を解析して、車両10の挙動を検出するものである。
【0040】
第3判定手段80は、第3検出手段78によって検出された挙動を道路標識情報63と照合して(車外向カメラの画像解析による道路標識特定、地図情報からの道路標識特定など)、法令遵守していない場合に、第3インシデントと判定するものである。
【0041】
第4検出手段81は、第3取得手段77によって取得された車両10の挙動情報を解析して、危険運転度(急発進、急ブレーキ、急ハンドルなど)を検出するものである。
【0042】
第4判定手段82は、第4検出手段81によって検出された危険運転度が所定の条件を満たした場合に、第4インシデントと判定するものである。第4インシデントか否かの判定は、第4インシデント判定条件64を満たすか否かにより行う。
【0043】
決定手段84は、第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントと、の組み合わせが所定の条件を満たした場合に、重大インシデントが発生したと決定するものである。重大インシデントか否かの判定は、重大インシデント判定条件65を満たすか否かにより行う。また、第4インシデントが判定された場合には、第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントと、第4インシデントとの組み合わせが所定の条件(重大インシデント判定条件65)を満たした場合に、重大インシデントと判定する。
【0044】
通知手段86は、重大インシデントが発生したことに関する関連情報(発生時刻、発生場所、発生ドライバー、発生車両、インシデント内容、ドライブレコーダ画像(動画または静止画)など)を管理者90に通知するものである。例えば、インシデント関連情報66を、通信部68を介して管理者端末92に送信し、管理者端末92の表示部94に表示させることで通知を行う。なお、通知の手段は、これに限らない。
【0045】
学習手段88は、ドライバー12の個体差を学習して、ドライバー毎に所定の条件(第1インシデント判定条件60、第2インシデント判定条件62、第4インシデント判定条件64、重大インシデント判定条件65のうちの一つ以上の条件)を最適化するものである。ドライバー12の個体差をインシデント判定条件に反映させることで、より正確なインシデントの判定を行うことができる。また、学習手段88は、出発前のドライバー12の体調に応じて、所定の条件(第1インシデント判定条件60、第2インシデント判定条件62、第4インシデント判定条件64、重大インシデント判定条件65のうちの一つ以上の条件)を最適化してもよい。出発前のドライバー12の体調をインシデント判定条件に反映させることで、ドライバー12の当日の体調を加味して、より正確なインシデントの判定を行うことができる。
【0046】
<管理者端末の構成>・・・次に、図5を参照して、管理者90の管理者端末92の構成を説明する。管理者端末92は、例えば、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末が望ましい。これは、管理者90がいち早くドライバー12のインシデント発生情報を得て、次のアクションを取りやすくするためである。管理者端末92は、表示部94、入力部96、通信部98を備えている。表示部94および入力部96は、例えば、タッチパネルであるが、これに限定されない。通信部98は、ネットワークを介してサーバ50からインシデント関連情報66を受信するものである。むろん、他の情報の受信を行ってもよいし、サーバ50へ情報の提供(送信)を行ってもよい。なお、管理者端末92として、上述したスマートフォンやタブレットなどの携帯端末と併せてPCなどを使用することを妨げるものではない。
【0047】
<運転中インシデント通知処理>・・・次に、本システム100による運転中インシデント通知処理の一例について、図6を参照して説明する。まず、サーバ50の第1取得手段70は、運転中のドライバー12の生体情報(心電、脈波、脳波、血圧、体温など)を取得する(ステップS10)。例えば、車両10のドライバー生体情報センシング部40で得られた生体情報が、端末20を介してサーバ50に送信され、サーバ50が送信された情報を受信することで生体情報を取得する。取得した生体情報は、ストレージ56の取得情報58に記憶される。
【0048】
次に、サーバ50の第1検出手段71は、第1取得手段70によって取得された生体情報を解析して、ドライバー12の体調(疲労度、眠気、痴呆、抑鬱、集中力、急変可能性、アレルギー判定など)を検出する(ステップS12)。
【0049】
次に、サーバ50の第1判定手段72は、第1検出手段71によって検出された体調が所定の条件を満たした場合(疲労度が高く運転しないほうがよいなど)に、第1インシデントと判定する(ステップS14)。第1インシデントか否かの判定は、第1インシデント判定条件60を満たすか否かにより行う。
【0050】
一方、サーバ50では、前記ステップS10~12と平行して、第2取得手段73が、ドライバー12の動作情報(車内向カメラの画像、ハンドルセンサ情報、モーションセンサ情報など)を取得する(ステップS20)。例えば、車両10のドライバー動作センシング部44で得られたドライバー12の動作情報が、IoTドライブレコーダ30A、30Bによって直接、あるいは、端末20を介してサーバ50に送信され、サーバ50が送信された情報を受信することでドライバー12の動作情報を取得する。取得した動作情報は、ストレージ56の取得情報58に記憶される。
【0051】
次に、サーバ50の第2検出手段74は、第2取得手段73によって取得された動作情報を解析して、ドライバー12の動作を検出する(ステップS22)。
【0052】
次に、第2判定手段76は、第2検出手段74によって検出された動作が所定の条件を満たした場合(脇見運転・携帯端末を操作しながら運転で目線が2秒以上外れた場合、眠たそうな動作)をした場合など)に、第2インシデントと判定する(ステップS24)。第2インシデントか否かの判定は、第2インシデント判定条件62を満たすか否かにより行う。
【0053】
更に、前記ステップS10~14、ステップS20~24と平行して、サーバ50の第3取得手段77は、ドライバー12が運転している車両10の挙動情報(速度、加速度、ブレーキ、位置情報など)を取得する(ステップS30)。例えば、車両10の車両情報センシング部42で得られた車両10の挙動情報が、端末20を介してサーバ50に送信される。あるいは、センサ類に通信機能が備わっている場合には、エッジ側から直接サーバ50に車両10の挙動情報を送信してもよい。サーバ50は、送信された情報を受信することで、車両10の挙動情報を取得する。取得した挙動情報は、ストレージ56の取得情報58に記憶される。
【0054】
次に、サーバ50の第3検出手段78は、第3取得手段77によって取得された挙動情報を解析して、車両10の挙動を検出する(ステップS32)。
【0055】
次に、サーバ50の第3判定手段80は、第3検出手段78によって検出された挙動を道路標識情報63と照合して(車外向カメラの画像解析による道路標識特定、地図情報からの道路標識特定など)、法令遵守していない場合に、第3インシデントと判定する(ステップS34)。
【0056】
次に、サーバ50の決定手段84は、第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントと、の組み合わせが所定の条件を満たした場合に、重大インシデントが発生したと決定する(ステップS40)。重大インシデントか否かの判定は、重大インシデント判定条件65を満たすか否かにより行う。
【0057】
そして、サーバ50の通知手段86は、重大インシデントが発生したことに関する関連情報(発生時刻、発生場所、発生ドライバー、発生車両、インシデント内容、ドライブレコーダ画像(動画または静止画)など)を管理者90に通知する(ステップS42)。例えば、インシデント関連情報66を、通信部68を介して管理者端末92に送信し、管理者端末92の表示部94に表示させることで通知を行う。なお、通知の手段は、これに限らない。
【0058】
図7には、管理者端末92に表示される重大インシデント関連情報の表示例が示されている。図7に示すように、管理者端末92の表示部94には、「重大イベント通知」として、「車番:あ111」、「社員ナンバー:BB123456」、「発生イベント:前方衝突警報」、「発生時刻:2019/04/19 13:27:30」といった文字情報とともに、地図101が表示されている。
【0059】
図101には、重大イベントが生じた地点にアイコン102が示されている。また、地図101の下方には、動画を再生するための画面が表示されており、再生ボタン104をタップすると、図6の右側に示す画像106が示され、上段には車外画像106Aが、下段には106Bに車内画像106Bが示され、車外の様子と車内の様子(ドライバーの様子)を確認できる。なお、これらの画像は、静止画であってもよいし動画であってもよい。これにより、管理者90がフォローすべき危険な状況(重大インシデント)が検知された際に、管理者90のもつ端末へ通知することで、適切なフォローを行って事故を未然に防ぐのに役立つ。とくに、管理者端末92を、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末とすることで、管理者90がいち早くドライバー12のインシデント発生情報を得て、次のアクションを取ることが可能となる。
【0060】
なお、本実施形態において、第4インシデントの発生を重大インシデントの判定に加味する場合には、上述したステップS10~14、ステップS20~24、ステップS30~34と平行して、サーバ50の第4検出手段81は、第3取得手段77によって取得された車両10の挙動情報を解析して、危険運転度(急発進、急ブレーキ、急ハンドルなど)を検出する。
【0061】
次に、サーバ50の第4判定手段82は、第4検出手段81によって検出された危険運転度が所定の条件を満たした場合に、第4インシデントと判定する。第4インシデントか否かの判定は、第4インシデント判定条件64を満たすか否かにより行う。
【0062】
そして、サーバ50の決定手段は、第4インシデントが判定された場合には、第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントと、第4インシデントとの組み合わせが所定の条件(重大インシデント判定条件65)を満たした場合に、重大インシデントと判定する。
【0063】
また、本実施形態において、学習手段88によってドライバー12の個体差を学習して、ドライバー毎に所定の条件(第1インシデント判定条件60、第2インシデント判定条件62、第4インシデント判定条件64、重大インシデント判定条件65のうちの一つ以上の条件)を最適化してもよい。ドライバー12の個体差をインシデント判定条件に反映させることで、より正確なインシデントの判定を行うことができる。
【0064】
また、学習手段88は、出発前のドライバー12の体調に応じて、所定の条件(第1インシデント判定条件60、第2インシデント判定条件62、第4インシデント判定条件64、重大インシデント判定条件65のうちの一つ以上の条件)を最適化してもよい。出発前のドライバー12の体調をインシデント判定条件に反映させることで、ドライバー12の当日の体調を加味して、より正確なインシデントの判定を行うことができる。
【0065】
<効果>・・・以上説明した実施形態によれば、運転中のドライバーの生体情報を取得し、生体情報を解析し、体調を検出して、検出された体調が所定の条件を満たしたら、第1インシデントと判定して、ドライバーの動作情報を取得し、動作情報を解析し、動作を検出し、検出された動作が所定の条件を満たしたら、第2インシデントと判定して、車両の挙動情報を取得し、挙動情報を解析し、挙動を検出し、検出された挙動を道路標識情報と照合して法令遵守していなかったら、第3インシデントと判定して、第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントの組み合わせが所定の条件を満たしたら、重大インシデントが発生したと決定して、重大インシデントの関連情報を管理者に通知する。このため、運転中のドライバーの体調を考慮したインシデントを管理者に通知することができ、管理者90がフォローすべき危険な状況(重大インシデント)が検知された際に、管理者90のもつ端末へ通知することで、適切なフォローを行って事故を未然に防ぐのに役立つ。
【0066】
なお、上述した実施形態は一例であり、同様の効果を奏する範囲内で適宜変更が可能である。また、サーバ50は、単体のコンピュータであってもよく、例えば、端末であってもよい。また、上述した機能構成が、それぞれ異なるコンピュータで実行されるコンピュータシステム(クラウド)であってもよい。さらに、本実施形態では、多くの処理をサーバ50で実行することとしたが、エッジ(センサ類など)側で情報の取得、解析・検出、インシデントの判定を行うようにしてもよい。エッジ側で多くの処理を行うことにより、サーバ50へのデータ送信量を減らすことができる。また、本発明は、サーバ50で実行されるプログラムとして提供されてもよい。このプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録された状態で提供されていてもよいし、ネットワークを介してダウンロードしてもよい。また、本発明は、方法の発明として提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明によれば、運転中のドライバーの生体情報を取得し、生体情報を解析し、体調を検出して、検出された体調が所定の条件を満たしたら、第1インシデントと判定して、ドライバーの動作情報を取得し、動作情報を解析し、動作を検出し、検出された動作が所定の条件を満たしたら、第2インシデントと判定して、車両の挙動情報を取得し、挙動情報を解析し、挙動を検出し、検出された挙動を道路標識情報と照合して法令遵守していなかったら、第3インシデントと判定して、第1インシデントと、第2インシデントおよび/または第3インシデントの組み合わせが所定の条件を満たしたら、重大インシデントが発生したと決定して、重大インシデントの関連情報を管理者に通知する。これにより、運転中のドライバーの体調を考慮したインシデントを管理者に通知することができるため、運転中インシデント通知システムとして好適である。
【符号の説明】
【0068】
10:車両
12:ドライバー
20:端末
22:ハンドルカバー型心電計
24:シートカバー型心電計
26:車外向きドライブレコーダ
28:危険通知ボタン
30A、30B:IoTドライブレコーダ
40:ドライバー生体情報センシング部
42:車両情報センシング部
44:ドライバー動作センシング部
46:通信部
50:サーバ
52:プロセッサ
54:メモリ
56:ストレージ
58:取得情報
60:第1インシデント判定条件
62:第2インシデント判定条件
63:道路標識情報
64:第4インシデント判定条件
65:重大インシデント判定条件
66:インシデント関連情報
67:地図情報
68:通信部
70:第1取得手段
71:第1検出手段
72:第1判定手段
73:第2取得手段
74:第2検出手段
76:第2判定手段
77:第3取得手段
78:第3検出手段
80:第3判定手段
81:第4検出手段
82:第4判定手段
84:決定手段
86:通知手段
88:学習手段
90:管理者
92:管理者端末
94:表示部
96:入力部
98:通信部
100:運転中インシデント通知システム
101:地図
102:アイコン
104:再生ボタン
106:画像
106A:車外画像
106B:車内画像

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7