(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】切替可能なマルチビュー撮像システム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/55 20230101AFI20231019BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20231019BHJP
【FI】
H04N23/55
G03B15/00 V
(21)【出願番号】P 2021573461
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(86)【国際出願番号】 US2020036961
(87)【国際公開番号】W WO2020251996
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-12-10
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500115826
【氏名又は名称】ジェンテックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】リンツ ジョシュア ディー
(72)【発明者】
【氏名】ゲールリングス カーティス エル
(72)【発明者】
【氏名】ニウ シャオスー
(72)【発明者】
【氏名】レミイン マシュー ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ハインツェルマン アダム アール
(72)【発明者】
【氏名】バリリ ライアン ビー
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-544043(JP,A)
【文献】特表2005-505950(JP,A)
【文献】特開2013-222177(JP,A)
【文献】特開2019-014286(JP,A)
【文献】特開2003-158650(JP,A)
【文献】特開2012-124625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/55
G03B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内で使用されるための撮像システムであって、
前記車両内に取り付けられ、前記車両の運転者の特定の生体特徴を捕捉するための第1視野と第1焦点距離とを有する第1レンズと、
前記車両内に取り付けられ、前記運転者のより大きな画像を捕捉するための第2視野と第2焦点距離とを有する第2レンズと、
少なくとも一つのライトバルブと、
前記ライトバルブからの光を受容するための画像センサと、
を備え、
前記第1レンズからの光が前記ライトバルブ上に投影され、
前記第2レンズからの光が前記ライトバルブ上に投影され、
前記ライトバルブは、前記第1レンズまたは前記第2レンズのいずれかからの光を選択して前記画像センサ上に投影するように制御され、
前記第1レンズからの前記光は、前記運転者を認証するために選択され、
前記第2レンズからの前記光は、運転監視システムのために前記運転者を監視するために選択される
ことを特徴とする撮像システム。
【請求項2】
前記ライトバルブは、切替可能な反射偏光子であり、第1偏光状態及び第2偏光状態を有するように構成されており、
前記第1偏光状態は、光が前記切替可能な反射偏光子を通過することを可能にし、
前記第2偏光状態は、前記切替可能な反射偏光子に衝突する光を反射する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記切替可能な反射偏光子は、前記第1偏光状態と前記第2偏光状態、及び、第1スペクトル帯域と第2スペクトル帯域、のうちの一つの間で交互になる、あるいは、交互に第1時間間隔中は開放して第2時間間隔中は閉鎖する、のいずれかとなるように構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記画像センサは、前記第1レンズ及び前記第2レンズから受信した画像をインターリーブするように構成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記切替可能な反射偏光子が前記第1偏光状態にある場合、前記撮像システムは、前記第1レンズからの画像が前記画像センサに伝送されるように構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記切替可能な反射偏光子が前記第2偏光状態にある場合、前記撮像システムは、前記第2レンズからの画像が前記画像センサに伝送されるように構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像システム。
【請求項7】
少なくとも一つのリフレクタ
を更に備え、
前記少なくとも一つのリフレクタの各々が、前記第1及び前記第2レンズのうちの一つと関連付けられている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項8】
少なくとも一つのリフレクタ
を更に備え、
前記少なくとも一つのリフレクタの各々が、前記第1及び前記第2レンズのうちの一つと関連付けられており、
前記少なくとも一つのリフレクタのうちの少なくとも一つが、当該少なくとも一つのリフレクタに関連付けられた前記レンズからの画像を前記切替可能な反射偏光子に再配向するように構成されている
ことを特徴とする請求項
2乃至6のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項9】
前記第1視野は、前記第2視野とは異なる
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項10】
前記第1焦点距離は、前記第2焦点距離とは異なる
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項11】
前記ライトバルブは、異なる偏光、異なるスペクトル帯域、及び、異なる持続時間または間隔、のうちの一つを有する光を選択的に反射または吸収することができる
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像システム。
【請求項12】
車両内で使用されるための撮像システムであって、
前記車両内に取り付けられ、前記車両の運転者の特定の生体特徴を捕捉するための第1視野と第1焦点距離とを有する第1レンズと、
前記第1レンズに関連付けられた第1切替可能シャッタと、
前記車両内に取り付けられ、前記運転者のより大きな画像を捕捉するための第2視野と第2焦点距離とを有する第2レンズと、
前記第2レンズに関連付けられた第2切替可能シャッタと、
前記それぞれの第1及び第2切替可能シャッタを通して前記第1レンズ及び前記第2レンズの両方からの画像を受容するための画像センサと、
を備え、
前記第1及び第2切替可能シャッタは、前記第1レンズまたは前記第2レンズのいずれかからの光を選択して前記画像センサ上に投影するように制御され、
前記第1レンズからの前記光は、前記運転者を認証するために選択され、
前記第2レンズからの前記光は、運転監視システムのために前記運転者を監視するために選択される
ことを特徴とする撮像システム。
【請求項13】
前記第1及び第2切替可能シャッタは、それぞれ、独立して制御可能な複数のピクセルを含み、
前記ピクセルのうちの一つをオンにすることにより、光が当該ピクセルを通過することが可能になって、且つ、前記関連するレンズによって捕捉された画像の特定のセグメントが前記画像センサに露出されることが可能になり、
前記ピクセルのうちの一つをオフにすることにより、光が前記ピクセルを通過することが防止される
ことを特徴とする請求項12に記載の撮像システム。
【請求項14】
少なくとも一つのリフレクタ
を更に備え、
前記少なくとも一つのリフレクタの各々は、前記第1及び前記第2レンズのうちの一つと関連付けられ、
前記少なくとも一つのリフレクタの各々は、前記関連付けられたレンズからの光を新たな方向に配向するように構成されている
ことを特徴とする請求項12または13に記載の撮像システム。
【請求項15】
少なくとも一つの半透過リフレクタ
を更に備え、
前記半透過リフレクタは、前記第1レンズ及び前記第1切替可能シャッタからの光が当該半透過リフレクタを通過することを可能にするように構成されており、
前記半透過リフレクタは、前記第2レンズ及び前記第2切替可能シャッタからの光を反射するように構成されている
ことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項16】
リフレクタ
を更に備え、
前記リフレクタは、前記第2レンズから前記第2切替可能シャッタを通過してくる光を前記半透過リフレクタに向けて反射するように構成されている
ことを特徴とする請求項15に記載の撮像システム。
【請求項17】
前記第1視野は、前記第2視野とは異なり、
前記第1焦点距離は、前記第2焦点距離とは異なる
ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項18】
車両内で使用されるための撮像システムであって、
前記車両内に取り付けられ、前記車両の運転者の特定の生体特徴を捕捉するために第1視野からの光を第1焦点距離に収集するように構成された第1レンズと、
前記車両内に取り付けられ、前記運転者のより大きな画像を捕捉するために第2視野からの光を第2焦点距離に収集するように構成された第2レンズと、
コンバイナと、
ライトバルブと、
前記第1及び第2レンズの各々からの画像を、前記コンバイナ及び前記ライトバルブを通して受容するための撮像センサと、
前記ライトバルブは、前記第1レンズまたは前記第2レンズのいずれかからの光を選択して前記
撮像センサ上に投影するように制御され、
前記第1レンズからの前記光は、前記運転者を認証するために選択され、
前記第2レンズからの前記光は、運転監視システムのために前記運転者を監視するために選択される
ことを特徴とする撮像システム。
【請求項19】
前記ライトバルブは、液晶素子及び直線偏光子を含む偏光セレクタ/回転子として構成されている
ことを特徴とする請求項18に記載の撮像システム。
【請求項20】
前記ライトバルブは、スペクトル帯域セレクタとして構成されており、
前記ライトバルブは、コレステリック液晶素子を含む
ことを特徴とする請求項18に記載の撮像システム。
【請求項21】
前記コンバイナは、半透過ミラー、反射偏光ミラー、偏光ビームスプリッタもしくはコンバイナ、非偏光ビームスプリッタもしくはコンバイナ、及び、ダイクロイックミラー、のうちの一つを含む
ことを特徴とする請求項18乃至20のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項22】
前記偏光セレクタ/回転子は、切替可能な波長板を含む
ことを特徴とする請求項19に記載の撮像システム。
【請求項23】
前記第1レンズからの光を受容する第1直線偏光子と、
前記第2レンズからの光を受容する第2直線偏光子と、
を更に備え、
前記第1直線偏光子及び前記第2直線偏光子は、前記コンバイナ上に光を投影する
ことを特徴とする請求項18乃至22のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項24】
前記第1直線偏光子は、第1方向に光を偏光するように構成されており、
前記第2直線偏光子は、前記第1方向に直交する第2方向に光を偏光するように構成されている
ことを特徴とする請求項23に記載の撮像システム。
【請求項25】
前記液晶素子は、能動的に切替可能な半波長板を含み、
前記液晶素子は、第1方向に偏光された光が当該液晶素子を通過することができる第1状態と、第2方向に偏光された光が当該液晶素子を通過することができる第2状態と、を有するように構成されている
ことを特徴とする請求項19または22に記載の撮像システム。
【請求項26】
前記第1方向は、前記第2方向に対して直交している
ことを特徴とする請求項25に記載の撮像システム。
【請求項27】
前記偏光セレクタ/回転子は、入射光ビームを偏光するように構成されている
ことを特徴とする請求項19または22に記載の撮像システム。
【請求項28】
前記第1視野は、前記第2視野と少なくとも部分的に重複している
ことを特徴とする請求項18乃至27のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項29】
前記コンバイナは、偏光ビームスプリッタを含む
ことを特徴とする請求項18乃至28のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項30】
前記コンバイナは、ダイクロイックミラーを含む
ことを特徴とする請求項18乃至29のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項31】
スペクトル帯域セレクタとして構成されたライトバルブ
を更に備え、
当該ライトバルブは、コレステリック液晶素子を含む
ことを特徴とする請求項18乃至30のいずれか一項に記載の撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2019年6月13日に出願された米国特許仮出願第62/860,985号「Switchable View Imaging System」の利益及び優先権を主張するものである。
【0002】
[技術分野]
本開示は、全体として撮像システムに関し、より具体的には、複数の視野、視線、及び、撮像レンズ焦点距離、のうちの少なくとも一つを備えた撮像システムに関する。
【背景技術】
【0003】
通常、大きな視野を見る画像センサは、解像度が比較的不良であり得る。これらの画像センサは、バックアップカメラなどの車内アプリケーション、または、車線逸脱警報などの運転者支援機能、において使用され得る。これらの目的のために使用される画像センサは、高解像度を必要とする使用には適切ではない場合がある。同様に、高解像度を有する画像センサは、バックアップカメラなどの大きな視野を必要とする目的には適切ではない場合がある。
【発明の概要】
【0004】
一態様によれば、撮像システムは、少なくとも二つの異なる視野を撮像するための少なくとも第1レンズ及び第2レンズと、少なくとも一つのライトバルブと、当該ライトバルブと光通信している画像センサと、を備え得る。幾つかの実施形態では、ライトバルブは、切替可能な反射偏光子を含み得る。幾つかの実施形態では、ライトバルブは、リバーシブルな電気めっきミラーを含み得る。第1レンズは、ライトバルブと光通信し得て、第2レンズは、ライトバルブと光通信し得る。ライトバルブは、第1偏光状態及び第2偏光状態を有するように構成され得る。ライトバルブは、第1レンズまたは第2レンズのいずれかからの、またはそれらの両方からの光線と単一のセンサとの間の開放通信を可能にするように切り替え得る。第1偏光状態は、光がライトバルブを通過することを可能にし、第2偏光状態は、ライトバルブに衝突する光を反射し得る。ライトバルブは、異なる偏光、異なるスペクトル帯域、及び、異なる持続時間または間隔、のうちの一つを有する光を選択的に反射または吸収し得る。ライトバルブは、第1偏光状態と第2偏光状態、及び、第1スペクトル帯域と第2スペクトル帯域、のうちの少なくとも一つの間で交互になるように構成されてもよく、あるいは、交互に第1時間間隔中は開放して第2時間間隔中は閉鎖するように構成され得る。
【0005】
ライトバルブは、二つの異なる複数のビーム経路間で能動的に切り替わる、異なる偏光を能動的に選択する、異なる光のスペクトル帯域を選択する、または、複数の経路を単一のセンサに配向する、ように構成され得る。ライトバルブは、少なくとも第1偏光状態と第2偏光状態との間で切り替えることができる、切替可能な反射偏光子であってもよい。画像センサは、第1レンズ及び第2レンズから受信した画像をインターリーブするように構成され得る。ライトバルブが第1偏光状態にある場合、撮像システムは、第1レンズによって捕捉された画像またはシーンが画像センサに伝送されるように構成され得る。ライトバルブが第2偏光状態にある場合、撮像システムは、第2レンズによって捕捉された画像またはシーンが画像センサに伝送されるように構成され得る。撮像システムは、少なくとも一つのリフレクタを更に備えてもよく、当該少なくとも一つのリフレクタの各々は、第一及び第2レンズのうちの一つと関連付けられ得る。前記少なくとも一つのリフレクタは、第1表面リフレクタであってもよい。前記少なくとも一つのリフレクタのうちの少なくとも一つは、前記少なくとも一つのリフレクタに関連付けられたレンズからの画像をライトバルブに再配向するように構成され得る。第1レンズは、第2レンズとは異なる視野を有し得る。第1レンズは、第2レンズとは異なる焦点距離を有し得る。
【0006】
一態様によれば、撮像システムは、第1レンズと、第1レンズに関連付けられた第1能動的または切替可能シャッタと、第2レンズと、第2レンズに関連付けられた第2能動的または切替可能シャッタと、第1レンズ及び第2レンズの両方と選択的に光通信している画像センサと、を備え得る。第一及び第2切替可能シャッタは、それぞれ、独立して制御可能な複数のピクセルを含んでもよく、あるピクセルをオンにすることにより、光が当該ピクセルを通過することを可能にして、関連付けられたレンズによって捕捉された画像またはシーンの特定のセグメントが画像センサに露出されることを可能にし、あるピクセルをオフにすることにより、光が当該ピクセルを通過することを防止し得る。
【0007】
第一及び第2切替可能シャッタの各々における複数のピクセルは、切替可能シャッタのうちの一つにおける第1ピクセルがオフになると、同じ切替可能シャッタにおける第2ピクセルがオンになる、というように、互いに同期するように構成され得る。第一及び第2切替可能シャッタにおける複数のピクセルは、第1切替可能シャッタの第1ピクセルがオフになると、第2切替可能シャッタにおける第1ピクセルがオンになる、というように、互いに同期するように構成され得る。第一及び第2切替可能シャッタは、第1切替可能シャッタの第1ピクセルがオフになり、第1切替可能シャッタの第2ピクセルがオンになり、第2切替可能シャッタの第1ピクセルがオンになり、且つ、第2切替可能シャッタの第2ピクセルがオフになり得る第1状態と、第1切替可能シャッタの第1ピクセルがオンになり、第1切替可能シャッタの第2ピクセルがオフになり、第2切替可能シャッタの第1ピクセルがオフになり、且つ、第2切替可能シャッタの第2ピクセルがオンになり得る第2状態と、の間で急速に交互になるように構成され得る。画像センサは、第1レンズ及び第2レンズから受信した画像をインターリーブするように構成され得る。
【0008】
撮像システムは、少なくとも一つのリフレクタを更に備えてもよく、当該少なくとも一つのリフレクタの各々は、第一及び第2レンズのうちの一つに関連付けられてもよく、前記少なくとも一つのリフレクタの各々は、関連付けられたレンズからの光を新たな方向に配向するように構成され得る。リフレクタの代わりに、幾つかの実施形態では、光ファイバーバンドル画像導管を使用して、光を新たな方向に配向してもよい。前記少なくとも一つのリフレクタは、少なくとも一つの第1表面リフレクタを含み得る。撮像システムは、少なくとも一つの半透過リフレクタを更に備えてもよく、当該半透過リフレクタは、第1レンズ及び第1切替可能シャッタからの光が半透過リフレクタを通過することを可能にするように構成されてもよく、半透過リフレクタは、第2レンズ及び第2切替可能シャッタからの光を反射するように構成され得る。撮像システムは、追加のリフレクタを更に備えてもよく、当該追加のリフレクタは、第2レンズからの第2切替可能シャッタを通過した光を半透過リフレクタに反射するように構成され得る。第1レンズは、第2レンズとは異なる視野を有し得る。第1レンズは、第2レンズとは異なる焦点距離を有し得る。
【0009】
別の態様によれば、撮像システムは、第1視野から光を収集するように構成された第1レンズと、第2視野から光を収集するように構成された第2レンズと、コンバイナと、ライトバルブと、前記第1及び第2レンズ、前記コンバイナ及び前記偏光セレクタ/回転子の各々と光通信している撮像センサと、を備え得る。前記コンバイナは、半透過ミラー、反射偏光ミラー、偏光ビームスプリッタもしくはコンバイナ、非偏光ビームスプリッタもしくはコンバイナ、または、ダイクロイックミラー、のうちの一つを含み得る。ライトバルブは、偏光セレクタ/回転子として構成されてもよく、液晶素子及び直線偏光子を含み得る。偏光セレクタ/回転子は、切替可能な波長板を含み得る。ライトバルブは、スペクトル帯域セレクタとして構成されてもよく、コレステリック液晶素子を含み得る。
【0010】
撮像システムは、第1レンズと光通信している第1直線偏光子と、第2レンズと光通信している第2直線偏光子と、を更に備えてもよく、第1直線偏光子及び第2直線偏光子は、コンバイナと光通信し得る。第1直線偏光子は、第1方向に光を偏光するように構成されてもよく、第2直線偏光子は、第1方向に直交する第2方向に光を偏光するように構成され得る。液晶素子は、能動的に切替可能な半波長板を含んでもよく、液晶素子は、第1方向に偏光された光が当該液晶素子を通過することができる第1状態と、第2方向に偏光された光が当該液晶素子を通過することができる第2状態と、を有するように構成され得る。第1方向は、第2方向に直交してもよい。偏光セレクタ/回転子は、入射光ビームを偏光するように構成され得る。第1視野は、第2視野と少なくとも部分的に重複する。コンバイナは、偏光ビームスプリッタを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本明細書に開示される撮像システムの複数の構成要素を備えたバックミラーアセンブリを有する車両を示す。
【0012】
【
図2A】
図2は、本明細書に開示される撮像システムの一実施形態の概略図を示す。
【
図2B】
図2は、本明細書に開示される撮像システムの一実施形態の概略図を示す。
【0013】
【
図3】
図3は、本明細書に開示される撮像システムの別の実施形態の概略図を示す。
【0014】
【0015】
【0016】
【
図5】
図5は、本明細書に開示される撮像システムの別の実施形態の概略図を示す。
【0017】
【
図6】
図6は、本明細書に開示される撮像システムの別の実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示による撮像システムは、異なる視野及び/または異なる焦点距離の間から選択し、それによって異なる角度及び異なる視野を捕捉するように、単一の画像センサを複数のレンズと共に使用し得る。当該撮像システムは、特定の関心領域を見るためのマルチレンズシステムの使用を可能にして、当該領域に対する画像センサ全体の使用を可能にし、それによって、解像度を失うことなく画像センサによって受信される任意の画像の処理を可能にする、というように構成され得る。
【0019】
マルチレンズ配置は、二つの別個の撮像システムよりも少ない空間を占めると同時に、撮像システムが複数の目的を果たすことを可能にし得る。例えば、幾つかの実施形態では、構成要素配置は、二つ以上の異なる視野を有する二つ以上の画像を捕捉するために撮像システムが単一の画像センサ、及び/または、同じ一般的な方向を向いていながら二つ以上の異なる焦点距離の撮像レンズ、を使用することを可能にしてもよい。各視野は、異なるサイズを有する。この一つの実施例は、虹彩または顔認識などのユーザーの生体認証のため、及び、例えば運転者監視システムなどのユーザーの選択された特徴を監視するため、に使用され得る撮像システムである。別の実施例は、撮像システムが、無限大に焦点を合わせた第1視野と、車両後方の所定距離内にある物体を示す車両内のバックミラー表示システム、及び車両後方のすぐ近くのシーン(風景)を示すバックアップカメラシステム、などの第2近視野と、を表示することを可能にする構成要素配置である。幾つかの実施形態では、撮像システムは、単一の画像センサを使用して、異なる方向にある複数の視野内の画像を捕捉してもよい。例えば、撮像システムは、無限大に焦点を合わせた前方画像を捕捉し、次に、例えば、前方運転者支援撮像システム及び運転者監視システムの両方として動作するように構成された撮像システムなど、後方向きに焦点を合わせた近視野である画像を捕捉するように切り替え得る。幾つかの実施形態では、レンズ、ミラー、ライトバルブ、及び、他の構成要素が、撮像システムが360度半径で画像を捕捉することを可能にするように配置され得る。
【0020】
図を参照すると、幾つかの実施形態では、全体を10で示される撮像システムが、車両20内に配置され得る。もっとも、撮像システム10は、車両以外の位置に配置されてもよく、なおも本開示の範囲内である。幾つかの実施形態では、撮像システム10の構成要素は、
図1に示す車両20のバックミラーアセンブリ24内に配置され得る。幾つかの実施形態では、撮像システム10の一部の構成要素が、車両20のバックミラーアセンブリ24内に配置されてもよく、1または複数のレンズなどの他の構成要素が、車両ピラー、車両ダッシュボードまたはインフォテインメントコンソール、または車両20内もしくは車両20上の他の適切な位置など、車両20内の他の場所に配置され得る。別の場所に配置される構成要素は、車両20のバックミラーアセンブリ24内に配置される撮像システム10の構成要素と通信し得る。当該構成要素は、撮像システム10が、運転者または運転者の特徴、車両キャビンの内部、及び、車両20の外部の前方ビュー及び/または後方ビューのうちの少なくとも一つの画像を捕捉することを可能にするように配置され得る。
【0021】
第1実施形態では、
図2に示すように、撮像システム10は、画像センサ28と、少なくとも1つの第1レンズ32と、ライトバルブ36と、を備え得る。撮像システム10はまた、少なくとも1つの第2レンズ40を備え得る。撮像システム10は、少なくとも一つのリフレクタ42を更に備えてもよい。これらの構成要素は、選択された目的を達成するために様々な配置で配置され得る。幾つかの実施形態では、画像センサ28は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)装置または電荷結合デバイス(CCD)内に能動的なピクセルセンサを含み得る。
【0022】
幾つかの実施形態では、ライトバルブ36は、切替可能な反射偏光子を含んでもよく、例えば、狭帯域から広帯域のコレステリック液晶または電気めっき/逆めっき技術を含み得る。幾つかの実施形態では、ライトバルブ36は、リバーシブルな電気めっきミラーを含み得る。幾つかの実施形態では、ライトバルブ36は、ニュートラルまたはクロマティックのいずれかの能動的に切替可能な吸収フィルタを含んでもよく、例えば、電気光学窓または液晶シャッタを含み得る。幾つかの実施形態では、ライトバルブ36は、偏光セレクタを含んでもよく、例えば、吸収偏光子または反射偏光子と結合された液晶回転子を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ライトバルブ36は、液晶の第1層、反射偏光ミラーの第2層、及び液晶の第3層、という三つの略平行な層を含み得る。ライトバルブは、望ましくない光を画像センサ28内に反射することを避けるために、第1表面及び最後の表面のうちの少なくとも一つ上に反射防止コーティングを含み得る。これは、ライトバルブ36が光の通過を可能とするときに望ましい場合がある。反射防止コーティングは、一つの画像のみが画像センサ28内に反射されることを確実にし得る。
【0023】
第1レンズ32は、第1焦点距離を有してもよく、第1視野内の風景のシーンを捕捉するように位置付けられ得る。第1レンズ32は、少なくともある時間の部分で画像センサ28と光通信するように構成され得る。第1レンズ32によって捕捉される画像は、第1レンズ32から画像センサ28に向けて伝送され得る。ライトバルブ36は、第1レンズ32によって出力される画像を選択的に受信し、第1レンズ32から受信した画像を画像センサ28に伝送するように配置され得る。幾つかの実施形態では、第1レンズ32は、ライトバルブ36が、第1レンズ32からの光が画像センサ28に衝突することを可能にする一方で別の1または複数のレンズからの光が画像センサ28に衝突することを防止する、という第1状態と、ライトバルブ36が、第1レンズ32からの光が画像センサ28に衝突することを防止する一方で別の1または複数のレンズからの光が画像センサ28に衝突することを可能にする、という第2状態と、の二つの状態の間でライトバルブ36が交互になり得るように、画像センサ28と断続的に光通信し得る。
【0024】
第2レンズ40は、第2焦点距離を有してもよく、第2視野内の画像を捕捉するように位置付けられ得る。第2視野は、第1視野と部分的にまたは完全に一致してもよく、または、第1視野とは完全に別個であってもよい。幾つかの実施形態では、第2視野は、第1視野とは概して反対の方向であってもよい。第2視野は、第1視野よりも大きくても小さくてもよい。第2焦点距離は、第1焦点距離と同じであってもよく、第1焦点距離よりも長くてもよく、または、第1焦点距離よりも短くてもよい。例えば、一つのレンズが、車両キャビンの内側から画像を捕捉することを可能にする焦点距離及び視野を有してもよい。別のレンズは、車両20の外部の画像を捕捉することを可能にする焦点距離及び視野を有してもよい。
【0025】
第1レンズ32と同様に、第2レンズ40は、少なくともある動作期間の一部の間に画像センサ28と光通信するように構成され得る。幾つかの実施形態では、第2レンズ40は、ライトバルブ36が、第2レンズ40からの光が画像センサ28に衝突することを可能にすることと、第2レンズ40からの光が画像センサ28に衝突することを防止することと、の間で交互になり得るように、画像センサ28と断続的に光通信し得る。
【0026】
ライトバルブ36は、第1偏光状態と第2偏光状態との間で切り替えることができ得る。第一及び第2偏光状態は、それぞれ、反射モード及び透過モードのうちの一つを含み得る。幾つかの実施形態では、ライトバルブ36は、液晶素子を含み得る。ライトバルブ36は、一つまたは複数の独立したピクセルを含み得る。各ピクセルは、捕捉された画像の特定のセグメントがレンズからの入射光に対して露出されること、または、ローリングシャッタカメラを使用する場合のフレーム間の切替方法を支持すること、を可能にするように、独立して制御可能であり得る。
【0027】
ライトバルブ36は、第1表面44及び第2表面48を含み得る。透過モードでは、ライトバルブ36は、光が、ライトバルブ36の第1表面44を通過して、第2表面48を通って外に出ることを可能にし得る。これは、例えば、第1レンズ32からライトバルブ36を通って画像センサ28に光が通過することを可能にし得る。反射モードでは、ライトバルブ36は、光がライトバルブ36を通過することを防止し、代わりに、第2表面48に衝突する入射光を反射させて新たな方向に送り得る。幾つかの実施形態では、第2偏光状態では、ライトバルブ36は、入射光を画像センサ28に反射させるように構成され得る。したがって、一つの偏光状態では、一つのレンズ、例えば、第1レンズ32から捕捉された画像が画像センサ28に衝突する一方で、別の偏光状態では、異なるレンズ、例えば、第2レンズ40から捕捉された画像が画像センサ28に衝突し得る。このように、第1レンズ32及び第2レンズ40からの画像は、画像センサ28に交互に衝突し得る。
【0028】
画像センサ28は、第1レンズ32及び第2レンズ40の両方からであるが、異なる時間において、受光するように構成され得る。幾つかの実施形態では、ライトバルブ36は、第1偏光状態と第2偏光状態との間で交互になり得る。この場合、画像センサ28は、第1レンズ32から及び第2レンズ40から交互に受光してもよく、第1レンズ32及び第2レンズ40からの画像をインターリーブするように構成され得る。幾つかの実施形態では、ライトバルブ36は、画像センサ28上の新たなフレームへの露出の開始と同期されることができ得る。画像センサ28は、第1レンズ32及び第2レンズ40から取得された画像をインターリーブし、それによって、当該画像センサ28が、第1レンズ32及び第2レンズ40の両方からの画像を処理して、第1レンズ32及び第2レンズ40の各々から完全な画像を生成することを可能にするように構成され得る。
【0029】
幾つかの実施形態では、第2レンズ40が、ライトバルブ36が反射モードにある時に、ライトバルブ36を通して捕捉された画像を画像センサ28に向けて伝送するように構成され得る。第2レンズ40によって捕捉される画像は、ライトバルブ36によって反射され得て、それによって画像センサ28に配向され得る。幾つかの実施形態では、第2レンズ40が、捕捉された画像をリフレクタ42に伝送するように構成されてもよく、リフレクタ42が、当該画像をライトバルブ36に再配向するように構成され得る。ライトバルブ36は、入ってくる画像を画像センサ28に再配向するように構成され得る。リフレクタ42は、二重画像の可能性を回避するために第1表面リフレクタを含み得る。
【0030】
幾つかの実施形態では、少なくとも一つの光学フィルタ(図示せず)が、ライトバルブ36と第1レンズ32との間に配置され得る。幾つかの実施形態では、少なくとも一つの光学フィルタ(図示せず)が、ライトバルブ36と第2レンズ40との間に配置され得る。幾つかの実施形態では、少なくとも一つの第1光学フィルタが、ライトバルブ36と第1レンズ32との間に配置され得て、且つ、少なくとも一つの第2光学フィルタが、ライトバルブ36と第2レンズ40との間に配置され得る。前記少なくとも一つの光学フィルタは、例えば、赤外線のフィルタ除去及び/または紫外線のフィルタ除去を可能にし得る。これは、例えば、夜間運転のための夜間の撮像システム10の使用などの用途を可能にし得る。
【0031】
幾つかの実施形態では、第3レンズ(図示せず)が、画像センサ28とライトバルブ36との間に配置され得る。これは、長い後方焦点距離を有しないレンズの使用を可能にし得る。
【0032】
幾つかの実施形態では、ライトバルブ36は、ある期間、または、第1特定事象が発生するまで、第1偏光状態で動作するよう構成されてもよく、その間、第1レンズ32によって捕捉されるシーンの画像は、画像センサ28に衝突し得る。当該期間が経過するかまたは第1特定事象が発生した後、ライトバルブ36は、第2偏光状態で動作を開始し得て、第2レンズ40によって捕捉されるシーンの画像が画像センサ28に衝突することを可能にし得る。例えば、バックミラーアセンブリ24が、運転者を認証し、次に、運転者が認証されると、運転者を監視するように構成され得る。第1レンズ32が、第1視野における運転者の特定の特徴を捕捉してもよく、運転者を認証するための第1焦点距離を有する。ライトバルブ36は、最初は透過状態であってもよく、第1レンズ32から捕捉された画像がライトバルブ36を通過して画像センサ28に到達することを可能にし得る。運転者が認証されると、ライトバルブ36は、使用されるライトバルブのタイプに応じて、反射状態または吸収状態に切り替え得る。第2レンズ40が、第2視野における運転者監視のために運転者の画像を捕捉するように構成されてもよく、第2焦点距離を有してもよく、捕捉されるシーンの画像をライトバルブ36に伝送し得る。ライトバルブ36は、第2レンズ40によって捕捉されるシーンの画像が画像センサ28に反射されることを可能にし得る。幾つかの実施形態では、ライトバルブ36は、第2特定の事象の発生後に第1偏光状態に戻るように構成され得る。第2特定の事象は、第1特定の事象と同じ事象であってもよく、または、異なる事象であってもよい。上記の実施例で使用される時、透過モードとは、第1偏光状態であり、反射モードとは、第2偏光状態であるが、撮像システム10は、反射モードが第1偏光状態、透過モードが第2偏光状態、であるように構成されてもよい。
【0033】
幾つかの実施形態では、撮像システム10は、少なくとも一つの第2リフレクタ(図示せず)を備え得る。当該少なくとも一つの第2リフレクタは、ライトバルブ36と光通信し得る。幾つかの実施形態では、前記少なくとも一つの第2リフレクタはまた、前記少なくとも一つのリフレクタ42と光通信し得る。第2レンズ40によって捕捉される画像は、前記少なくとも一つのリフレクタ42から前記少なくとも一つの第2リフレクタに伝送されてもよく、そこから反射され得てライトバルブ36に伝送され得る。幾つかの実施形態では、前記少なくとも一つの第2リフレクタは、第1レンズ32と光通信し得て、第1レンズ32からの画像をライトバルブ36に伝送するように構成され得る。
【0034】
幾つかの実施形態では、
図2Bに示すように、撮像システム10は、少なくとも一つの追加の偏光子76を備え得る。幾つかの実施形態では、偏光子76は、図示するのとは異なる配向であってもよい。当該少なくとも一つの偏光子76は、第1レンズ32及び第2レンズ40のうちの少なくとも一つからの入射光路内に配置され得る。偏光子76は、少なくとも一つのリフレクタ42とライトバルブ36との間に、及び/または、ライトバルブ36と画像センサ28との間に配置され得る。偏光子76は、ライトバルブ36が、第1レンズ32からの光が当該ライトバルブ36を通過する状態にある時に、両方のビューが同時に画像センサ28に到達することを防止し得る。
【0035】
幾つかの実施形態では、3つ以上のレンズが、画像センサ28と共に使用され得る。リフレクタ42が、レンズの少なくとも幾つかと関連付けられ得て、当該関連付けられたレンズによって捕捉されるシーンの画像をライトバルブ36に配向するように構成され得る。幾つかの実施形態では、ライトバルブ36は、少なくとも1つの第1レンズ32からの光がライトバルブ36を通って画像センサ28に向けて通過することを可能にすることと、少なくとも1つの第2レンズ40からの光を画像センサ28に向けて反射させることと、の間で交互になり得る。画像センサ28は、一つのレンズから別のレンズに切り替えるか、または、二つ以上のレンズの間で交互になる、ように構成され得る。画像センサ28は、三つ以上の別個の画像、各レンズに対して一つの画像、を生成することができ得る。
【0036】
図3は、画像センサ28と、第1レンズ32と、第1レンズ32と関連付けられた第1切替可能シャッタ52として使用するために構成されたライトバルブと、少なくとも一つの第2レンズ40と、少なくとも一つの第2切替可能シャッタ56と、を備える、撮像システム10の一実施形態を示す。前記少なくとも一つの第2切替可能シャッタの各々は、前記少なくとも一つの第2レンズ40のうちの一つに関連付けられる。第1レンズ32及び第2レンズ40の各々が、画像センサ28と選択的に光通信するように構成され得る。第1レンズ32が、画像を捕捉し、当該画像を第1切替可能シャッタ52に伝送するように構成され得て、第2レンズ40が、シーンの画像を捕捉し、当該シーンの画像を第2切替可能シャッタ56に伝送するように構成され得る。幾つかの実施形態では、第1レンズが、第2レンズのうちの少なくとも一つによって捕捉されたシーンの画像とは異なる視野からのシーンの画像を捕捉するように構成され得る。追加的または代替的に、幾つかの実施形態では、各レンズが、異なる焦点距離を有してもよい。
【0037】
幾つかの実施形態では、撮像システム10は、第1表面64及び第2表面68を有し、第1切替可能シャッタ52と画像センサ28との間に配置される、切替可能なリフレクタまたはライトバルブ60を更に備えてもよい。リフレクタ60は、半透過リフレクタ、部分反射部分透過リフレクタ、反射偏光ミラー、偏光または非偏光ビームスプリッタ、または、ダイクロイックリフレクタ、のうちの一つを含み得る。示されるように、リフレクタ60は、半透過リフレクタを含む。半透過リフレクタ60の第1表面64は、光を反射するように構成され得る一方で、半透過リフレクタ60の第2表面68は、それに衝突する光が半透過リフレクタ60を通過することを可能にするように構成され得る。
図3に示すように、半透過リフレクタ60は、第1レンズ32からの画像が第1切替可能シャッタ52を通過し、半透過リフレクタ60を通過して、画像センサ28に到達する、ことを可能にするように構成され得る。
【0038】
幾つかの実施形態では、第3レンズ(図示せず)が、画像センサ28とライトバルブ36、60との間に配置され得る。これは、長い後方焦点距離を有しないレンズの使用を可能にし得る。
【0039】
第1切替可能シャッタ52及び第2切替可能シャッタ56の各々は、複数の独立したピクセル72を含み得る。独立したピクセル72の各々は、独立して制御可能であってもよい。あるピクセル72がオンになると、光が当該ピクセル72を通過し得る一方、あるピクセル72がオフになると、光が当該ピクセル72を通過することが防止され得る。幾つかの実施形態では、画像センサ28は、ローリングシャッタを含み得る。第1切替可能シャッタ52及び第2切替可能シャッタ56の各々のピクセル72は、捕捉される画像の特定のセグメントが画像センサ28に露出され、それによってフレーム間の切り替え方法を支持することを可能にするように、構成され得る。したがって、第1レンズ32によって捕捉されるシーンの一部は、第1切替可能シャッタ52を通って半透過リフレクタ60へと通過し得る。次に、当該画像は、半透過リフレクタ60を通って画像センサ28へと通過し得る。
【0040】
幾つかの実施形態では、撮像システム10は、少なくとも一つのリフレクタを更に備えてもよく、当該少なくとも一つのリフレクタの各々は、入射光を新たな方向に再配向するように構成される。当該少なくとも一つのリフレクタの各々は、1または複数のレンズと関連付けられ得て、且つ、光通信し得る。幾つかの実施形態では、光は、画像センサ28に向けて再配向され得る。幾つかの実施形態では、複数のリフレクタが、直列に配置され得て、複数のレンズ32、40のうちの一つからの光を画像センサ28に向けて再配向するように構成され得る。したがって、第2レンズ40からの画像は、第2切替可能シャッタ56を通過し、第1リフレクタ42によって再配向され、半透過リフレクタ60によって再度画像センサ28に再配向され得る。
【0041】
第1焦点距離を有する第1レンズ32が、第1視野からの画像を捕捉するように構成され得る。第1レンズ32によって捕捉されるシーンの画像は、第1切替可能シャッタ52に伝送され得る。第1切替可能シャッタ52を通過する捕捉された画像の一部は、半透過リフレクタ60に伝送され得る。幾つかの実施形態では、半透過リフレクタ60は、画像の伝送された部分を画像センサ28に再伝送するように構成され得る。
【0042】
同様に、第2レンズ40が、第2焦点距離を有する第2視野からの画像またはシーンを捕捉するように構成され得る。幾つかの実施形態では、第2視野は、第1視野とは異なり得る。幾つかの実施形態では、第2焦点距離は、第1焦点距離とは異なり得る。第2レンズ40によって捕捉される画像またはシーンは、第2切替可能シャッタ56に伝送され得る。第2切替可能シャッタ56を通過する捕捉された画像またはシーンの一部は、第2リフレクタ(図示せず)に伝送され得る。幾つかの実施形態では、第2リフレクタは、画像の伝送された部分を画像センサ28に再伝送するように構成され得る。幾つかの実施形態では、第2リフレクタは、光線の伝送された部分を第1リフレクタ42に再伝送するように構成されてもよく、そこから、当該再伝送された画像の一部が、再び、今度は画像センサ28に再伝送され得る。
【0043】
第1の能動的に切替可能なシャッタ52及び第2の能動的に切替可能なシャッタ56の各々は、第1の捕捉された画像またはシーンからの光が切替可能シャッタ52を通過することを可能にする一方で、同時に、切替可能シャッタ56をオフにすることによって、第2の画像またはシーンが切替可能シャッタ56を通過することをブロックするように構成され得る。幾つかの実施形態では、
図4A及び
図4Bに示すように、撮像システム10の第1レンズ32が、第1切替可能シャッタ52と関連付けられ得て、第2レンズ40が、第2切替可能シャッタ56と関連付けられ得る。第1切替可能シャッタ52及び第2切替可能シャッタ56の各々は、複数のピクセル72を有し得る。例示の目的のために、第1切替可能シャッタ52及び第2切替可能シャッタ56が、それぞれ、二つのピクセル72と共に示されているが、より多くのピクセル72が使用されてもよく、なおも本開示の範囲内である。本明細書で使用されるピクセル72という用語は、単一のピクセル72、または、切替可能シャッタ52、56内の複数のピクセル72の一部分、を指し得る。
【0044】
動作中、
図4Aに示すように、第1状態では、第1切替可能シャッタ52の第1ピクセル72が、例えば、第1ピクセル72Aをオフにし、それによって光が第1ピクセル72Aを通過することを防止することによって、光の一部が第1レンズ32から画像センサ28に向けて移動することをブロックするように構成され得る。第1切替可能シャッタ52の第2ピクセル72Bが、第1レンズ32を出る光が第1切替可能シャッタ52の第2ピクセル72Bを通過することを可能にするように構成され得る。第1切替可能シャッタ52の第2ピクセル72Bを通って移動した後、光は半透過リフレクタ60を通って画像センサ28へと移動し得る。
【0045】
また、第1状態では、第2切替可能シャッタ56の第1ピクセル72Cが、第2レンズ40を出る光が第2切替可能シャッタ56を通って移動し、最初にリフレクタ42によって反射され、次に半透過リフレクタ60によって反射され、最後に画像センサ28まで移動する、ことを可能にするように構成され得る。第2切替可能シャッタ56の第2ピクセル72Dが、第2レンズ40を出る光をブロックし、当該光が第2切替可能シャッタ56を通過することを防止するように構成され得る。
【0046】
第2状態では、
図4Bに示すように、第1切替可能シャッタ52の第1ピクセル72Aは、第1レンズ32を出る光が、第1切替可能シャッタ52を通過し、そこから半透過リフレクタ60を通って画像センサ28へと通過することを可能にするように構成され得る。第1切替可能シャッタ52の第2ピクセル72Bは、第1レンズ32を出て画像センサ28に向かう光をブロックし、当該光が第1切替可能シャッタ52を通過することを防止するように構成され得る。
【0047】
同時に、第2切替可能シャッタ56の第1ピクセル72Cは、第2レンズ40を出る光が、第1ピクセル72Aを通過することを防止するように構成され得る。第2切替可能シャッタ56の第2ピクセル72Dは、第2レンズ40を出る光が、第2切替可能シャッタ56を通過し、リフレクタ42によって再配向され、半透過リフレクタ60によって再び再配向され、画像センサ28に衝突する、ということを可能にするように構成され得る。
【0048】
第1切替可能シャッタ52及び第2切替可能シャッタ56は、互いに同期して動作し得る。例えば、第1切替可能シャッタ52の第1ピクセル7Aが、光をブロックするように構成され、第1切替可能シャッタ52の第2ピクセル72Bが、光が通過することを可能にするように構成される場合に、第2切替可能シャッタ56の第1ピクセル72Cが、光が当該シャッタを通過することを可能にするように構成され得て、第2切替可能シャッタ56の第2ピクセル72Dが、光が通過することをブロックするように構成され得る。第1切替可能シャッタ52の第1ピクセル72Aが、光が通過することを可能にするように構成され、第1切替可能シャッタ52の第2ピクセル72Bが、当該第2ピクセル72Bを通る光の通路をブロックするように構成される、というように第1切替可能シャッタ52が切り替わる場合、第2切替可能シャッタ56の第1ピクセル72Cが、光が通過することをブロックするように構成され、第2切替可能シャッタ56の第2ピクセル72Dが、光が通過することを可能にするように構成される、というように第2切替可能シャッタ56が同時に切り替わり得る。幾つかの実施形態では、撮像システム10は、第1状態と第2状態との間で急速に交互になり得る。
【0049】
切替可能シャッタそれぞれの一つ以上のピクセル72を所与の時間でオフにすることにより、一つのレンズからの光子が別のレンズからの画像上に現れることが防止され得る。したがって、特定の期間中に特定のピクセル72を第1レンズ32からオフにする一方で、同時に特定のピクセル72を第2レンズ40からオンにすることにより、画像の汚れが回避され得る。
【0050】
幾つかの実施形態では、第1切替可能シャッタ52と第2切替可能シャッタ56の各々は、例えば、30Hz~240Hzの間で、または約120Hzで、第1状態と第2状態との間で急速に切り替わるように構成され得る。例えば、第1切替可能シャッタ52及び第2切替可能シャッタ56は、両方とも液晶素子を含んでもよい。第1切替可能シャッタ52及び第2切替可能シャッタ56の急速な切替速度によって、画像センサ28が、第1レンズ32からの第1画像の処理と、第2レンズ40からの第2画像の処理と、の間で交互になることが可能になり得る。したがって、第1レンズ32及び第2レンズ40の各々は、連続的に画像を捕捉するが、各レンズからの画像の一部分のみが一度に画像センサ28に伝送される。画像センサ28に関連付けられたプロセッサは、画像をインターリーブして、二つの別個の完全な画像がもたらされるように構成され得る。
【0051】
幾つかの実施形態では、急速なシャッタ切替速度は必要とされない場合がある。一部の事例では、撮像システム10は、シャッタを一回のみまたは限定された回数のみ切り替えることを必要とし得る。例えば、撮像システム10は、車両20を起動する前に運転者を認証するために使用されもよく、次に、運転者支援または運転者監視のために使用され得る。したがって、第1視野及び第1焦点距離を有する第1レンズ32は、認証に必要な運転者特徴を捕捉し得る。運転者が認証された後、撮像システム10は、第2視野及び第2焦点距離を有し得る第2レンズ40からの画像の処理を開始し得る。撮像システム10は、第1レンズ32と第2レンズ40との間で一回のみ切り替え得るため、急速な切替速度は必要とされず、第1切替可能シャッタ52及び第2切替可能シャッタ56は、比較的遅いシャッタ速度を有し得る。この場合、第1切替可能シャッタ52及び第2切替可能シャッタ56は、液晶素子、または代替的にエレクトロクロミックデバイス、リバーシブル電気めっきミラー、またはMEMSデバイス、を含み得る。
【0052】
幾つかの実施形態では、撮像システム10は、第1レンズ32と、ライトバルブ36と、画像センサ28と、を備え得る。撮像システム10は、ミラーに反射される画像を表示するミラーフェイズと、レンズによって捕捉される画像またはシーンを表示するカメラフェイズと、の間で交互になるように構成され得る。この実施形態では、第1レンズ32は、捕捉された画像またはシーンを伝送することと、画像を伝送しないこと、との間で交互になるように構成され得る。ライトバルブ36は、液晶素子またはエレクトロクロミック素子を含み得る。
【0053】
幾つかの実施形態では、撮像システム10は、第1レンズ32と、ライトバルブ36と、リフレクタ42と、画像センサ28と、を備え得る。リフレクタ42は、適切な集束力を提供するように湾曲してもよく、それによって、リフレクタ42がレンズとして作用することが可能になる。光は、第1方向から撮像システム10に入り、第1レンズ32を通り、ライトバルブ42を通って、そこから画像センサへと通過し得る。光は、第2方向から撮像システム10に入り、湾曲したリフレクタ42によって集束され、ライトバルブ36に配向され、そこから、画像センサ28に配向され得る。この配置により、撮像システム10がより少ない構成要素で動作することが可能になり得る。湾曲したリフレクタ42はレンズと同程度には機能しないが、この配置は、画像品質が重要でない場合に使用され得る。
【0054】
撮像システム10は、二つのレンズと二つの切替可能シャッタとを有するものとして示されているが、撮像システム10は、三つ以上のレンズと三つ以上の切替可能シャッタを備えてもよく、なおも本開示の範囲内である。三つ以上のレンズが使用される場合、撮像システム10はまた、収集した画像を画像センサ28に伝送することを可能とするのに十分な数のリフレクタ42を備え得る。
【0055】
ここで
図5を参照すると、幾つかの実施形態では、撮像システム10は、単一の画像センサ28と、少なくとも一つの偏光セレクタ/回転子80と、少なくとも一つのコンバイナ84と、を備え得る。コンバイナ84は、半透過ミラー、反射偏光ミラー、偏光ビームスプリッタもしくはコンバイナ、非偏光ビームスプリッタもしくはコンバイナ、またはダイクロイックミラー、のうちの一つを含み得る。コンバイナ84は、第1レンズ32及び第2レンズ40の両方からの光を画像センサ28に向けて配向するように構成され得る。
【0056】
偏光セレクタ/回転子80は、画像センサとコンバイナ84との間に配置され得る。偏光セレクタ/回転子80は、適切な能動的または受動的な液晶及び複屈折膜を含む、切替可能な波長板88を含み得る。幾つかの実施形態では、液晶自体が、能動的に切替可能な半波長板を含んでもよい。偏光セレクタ/回転子は、切替可能な波長板と画像センサ28との間に配置される直線偏光子100を更に含み得る。直線偏光子100は、切替可能な波長板による回転を介して能動的に配向される偏光を通したシフトとして作用し得る。
【0057】
撮像システムは、第1視野から光を収集するように構成された第1レンズ32と、第2視野から光を収集するように構成された第2レンズ40と、を更に備えてもよい。幾つかの実施形態では、第1視野及び第2視野は、部分的または完全に互いに重複し得る。あるいは、幾つかの実施形態では、第1視野と第2視野との間に重複がない場合がある。
【0058】
幾つかの実施形態では、撮像システムは、第1レンズ32とコンバイナ84の間に配置された第1直線偏光子92と、第2レンズ40とコンバイナ84の間に配置された第2直線偏光子96と、を更に備える。第1直線偏光子92は、第1方向に光を偏光するように構成されてもよく、第2直線偏光子96は、第1方向に垂直な第2方向に光を偏光するように構成され得る。
【0059】
使用中、光は、第1レンズ32及び第2レンズ40のうちの少なくとも一つに入り得る。第1レンズ32に入る光は、第1直線偏光子によって第1方向に偏光されてもよく、第2レンズ40に入る光は、第2直線偏光子によって第1方向に直交する第2方向に偏光され得る。第1レンズ32及び第2レンズ40の両方からの光は、コンバイナ84に入り得る。示されるように、第1レンズ32からの光はコンバイナ84を通過し、第2レンズ40からの光はコンバイナ84によって反射されて、第1レンズ32からの光と同じ方向に移動するが、他の配置が使用されてもよい。もっとも、なおも本開示の範囲内である。
【0060】
コンバイナ84を出る光は、偏光セレクタ/回転子80を通過し得る。偏光セレクタ/回転子80は、液晶素子88からなり得る。直線偏光子100は、第1状態及び第2状態を有するように構成され得る。第1状態では、偏光セレクタ/回転子80は、第1偏光を有する光が通過することを可能にする一方で、他の偏光を有する光を吸収するように構成され得る。第2状態では、偏光セレクタ/回転子80は、第2偏光を有する光が通過することを可能にする一方で、他の偏光を有する光を吸収するように構成され得る。偏光セレクタ/回転子80は、第1状態と第2状態との間で交互になるように構成されてもよく、それによって、第1偏光を有する光と第2偏光を有する光が交互に通過することが可能になる。光が液晶素子88を通過すると、偏光セレクタ/回転子80の直線偏光子100を通過して、画像センサ28へと通過し得る。画像センサ28は、第1レンズ32及び第2レンズ40から受信した画像から画像データを交互に捕捉してもよい。
【0061】
幾つかの実施形態では、コンバイナ84は、ダイクロイックミラーを含み得る。この実施形態では、要素92及び96は、第一及び第2バンドパスフィルタである。要素80は、第一及び第2光の帯域を選択的かつ能動的に通過または反射する、コレステリック液晶であってもよい。
【0062】
幾つかの実施形態では、
図6に示すように、コンバイナ84は、偏光ビームスプリッタを含み得る。この実施形態では、第一及び第2直線偏光子は必要でない場合があり、撮像システム10は、画像センサ28と光通信しているコンバイナ84と、偏光セレクタ/回転子80と、コンバイナ84と光通信している第1レンズ32及び第2レンズ40と、を備え得る。
【0063】
前述の記載は、好ましい実施形態についての記載とみなされる。当業者や本開示の製作者または使用者は、当該開示の修正を思いつくであろう。したがって、図面に示されて前述された実施形態は、単に例示的目的のためであって、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。本発明の範囲は、均等論を含む特許法の原則に従って解釈される以下の特許請求の範囲によって画定される。
【0064】
本明細書における「前」、「後」、「後方」、「上向き」、「下向き」、「内側」、「外側」、「右」、及び「左」は、図中で配向される時に、単に様々な要素を識別するために使用されていることに留意されたい。これらの用語は、様々な要素が様々な用途において異なって配向され得るため、それらが説明する要素を制限することを意図していない。