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特許7369819ナトリウム吸着性固形状物の製造方法及び該固形状物を含む排塩用食品組成物
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  • 特許-ナトリウム吸着性固形状物の製造方法及び該固形状物を含む排塩用食品組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-18
(45)【発行日】2023-10-26
(54)【発明の名称】ナトリウム吸着性固形状物の製造方法及び該固形状物を含む排塩用食品組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20231019BHJP
   A23K 20/163 20160101ALI20231019BHJP
   A23L 29/256 20160101ALI20231019BHJP
【FI】
A23L33/10
A23K20/163
A23L29/256
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022058332
(22)【出願日】2022-03-31
(65)【公開番号】P2023149652
(43)【公開日】2023-10-13
【審査請求日】2022-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】522129591
【氏名又は名称】古田 博也
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古田 博也
【審査官】手島 理
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04880654(US,A)
【文献】中国特許出願公開第102657869(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108142874(CN,A)
【文献】特開昭60-130523(JP,A)
【文献】特開2019-013220(JP,A)
【文献】特開2023-039734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.1~5重量%のアルギン酸カリウム又はアルギン酸アンモニウム含有溶液を調製する工程と、
0.1~4重量%のカルシウム塩含有溶液を調製する工程と、
前記アルギン酸カリウム含有溶液及び前記カルシウム塩含有溶液の一方を他方に添加する工程と、を含む、ナトリウム吸着固形状物の製造方法。
【請求項2】
前記アルギン酸カリウム又はアルギン酸アンモニウム含有溶液が、更にアルギン酸ナトリウムを含む、請求項1に記載のナトリウム吸着固形状物の製造方法。
【請求項3】
前記カルシウム塩が有機酸のカルシウム塩である、請求項1又は2に記載のナトリウム吸着固形状物の製造方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法により得られるナトリウム吸着固形状物を有効量含む、排塩用食品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナトリウム吸着性及び食感に優れたナトリウム吸着性固形状物の製造方法及び該固形状物を含む排塩用食品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト及び非ヒト動物(例えば、イヌ及びネコ)において、ナトリウム(塩分)の過剰摂取が、高血圧及びこれと関連する他の循環器系疾患に影響を与えることが知られている。ナトリウムの過剰摂取による健康障害を予防又は改善する方法として、例えば、調味料としての食塩の添加量を控える等、食事中の塩分を低減することが行われている。しかし、塩味は食品の味覚として重要であり、食事中の塩分の低減は、食品の嗜好性をも低減させることになる。そのため、単に食事中の塩分を低減することは、持続性の観点から必ずしも容易ではない。
【0003】
食品の嗜好性を維持し、且つナトリウムの過剰摂取による健康障害を予防又は改善するために、摂取したナトリウムの体外への排出を促進させる成分の開発が進められている。このようなナトリウムの排出を促進する成分として、アルギン酸塩類が知られている(特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭60-130523号公報
【文献】特開昭59-34853号公報
【文献】特開2019-125691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ナトリウムの過剰摂取による健康障害を予防又は改善するためには、より優れたナトリウム排出能を有する成分の開発が求められている。このような成分は経口投与が可能であることが望ましい。これに関して、経口投与される成分の味及び食感が悪いと、ヒト及び非ヒト動物はかかる成分の摂取を忌避するおそれがある。よって、このような成分は味及び食感に優れていることも求められる。この点について、既存のアルギン酸塩類では、口の中でねちゃつく等、食感が十分と言えない場合があった。
【0006】
本発明は、ナトリウム吸着性及び食感に優れ、経口投与が容易なナトリウム吸着性固形状物の製造方法及び該固形状物を含む排塩用食品組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナトリウム吸着性固形状物の製造方法は、0.1~5重量%のアルギン酸カリウム又はアルギン酸アンモニウム含有溶液を調製する工程と、0.1~4重量%のカルシウム塩含有溶液を調製する工程と、前記アルギン酸カリウム含有溶液及び前記カルシウム塩含有溶液の一方を他方に添加する工程と、を含む。
【0008】
本発明の排塩用食品組成物は、本発明の方法により得られるナトリウム吸着性固形状物を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の排塩用食品組成物は、アルギン酸カルシウム等の既存のアルギン酸塩類よりも優れたナトリウム吸着性を有すると共に、既存のアルギン酸塩類よりも食感に優れている。よって、本発明の排塩用食品組成物は、摂取が容易であると共に、ナトリウムの排出を促進して、ナトリウムの過剰摂取による健康障害を予防又は改善することができる。本発明のナトリウム吸着性固形状物の製造方法によれば、ナトリウム吸着性及び食感に優れたナトリウム吸着性固形状物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例の組成物の塩分低減量の結果を示すグラフである。
図2】実施例の組成物と他の成分との塩分低減量の比較を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のナトリウム吸着性固形状物(以下、「本固形状物」という。)の製造方法(以下、「本方法」という。)は、0.1~5重量%のアルギン酸カリウム又はアルギン酸アンモニウム含有溶液を調製する工程と、0.1~4重量%のカルシウム塩含有溶液を調製する工程と、前記アルギン酸カリウム含有溶液及び前記カルシウム塩含有溶液の一方を他方に添加する工程と、を含む。
【0012】
前記アルギン酸カリウム及びアルギン酸アンモニウムは、D-マンヌロン酸とL-グルロン酸という2種類のウロン酸が直鎖状に重合した、生分解性の高分子多糖類であるアルギン酸中のカルボキシル基の水素原子がカリウム又はアンモニウムとイオン交換することで得られる塩である。前記アルギン酸カリウム及びアルギン酸アンモニウムの分子量には特に限定はない。また、前記アルギン酸カリウム及びアルギン酸アンモニウムは、化学構造の一部を置換ないし修飾したものでもよい。前記アルギン酸カリウムは、1種単独でもよく、あるいは分子量又は化学構造が一部異なるアルギン酸カリウムの2種以上を用いてもよい。同様に、前記アルギン酸アンモニウムは、1種単独でもよく、あるいは分子量又は化学構造が一部異なるアルギン酸アンモニウムの2種以上を用いてもよい。
【0013】
前記アルギン酸カリウム又はアルギン酸アンモニウム含有溶液中の前記アルギン酸カリウム又はアルギン酸アンモニウムの含有量は0.1~5重量%、好ましくは0.2~4重量%、更に好ましくは0.3~3重量%、より好ましくは0.5~2重量%である。上記の上限値及び下限値は適宜組み合わせることができる。尚、前記アルギン酸カリウム又はアルギン酸アンモニウム含有溶液は、アルギン酸カリウム及びアルギン酸アンモニウムの両者を含む場合、いずれか一方の含有量が上記範囲でもよく、あるいは両者の含有量の合計値が上記範囲でもよい。
【0014】
前記アルギン酸カリウム又はアルギン酸アンモニウム含有溶液は、アルギン酸カリウム及びアルギン酸アンモニウムのいずれか一方のみを含んでもよく、アルギン酸カリウム及びアルギン酸アンモニウムの両者を含んでもよい。アルギン酸アンモニウムと比べて、アルギン酸カリウムでは、投与後に遊離したカチオンと他成分との薬物相互作用(例えば、アンモニウムイオンと塩化物イオンとの相互作用による塩化アンモニウムの形成)の影響が低いと考えられる。よって、前記アルギン酸カリウム又はアルギン酸アンモニウム含有溶液として好ましくは、アルギン酸カリウムのみを含む溶液か、あるいはアルギン酸カリウムの含有量がアルギン酸アンモニウムの含有量よりも多い(例えば、アルギン酸カリウムとアルギン酸アンモニウムの質量比が(2~10):1)溶液である。
【0015】
前記アルギン酸カリウム含有溶液は、他のアルギン酸塩を更に含んでもよく、含まなくてもよい。他のアルギン酸塩は1種単独でもよく、2種以上を含んでもよい。他のアルギン酸塩として、例えば、アルギン酸ナトリウムが挙げられる。前記他のアルギン酸塩の含有量は必要に応じて適宜設定することができる。前記他のアルギン酸塩の含有量として、例えば、0.01~5重量%、0.05~4重量%、0.1~3重量%、0.5~2.5重量%とすることができる。上記の上限値及び下限値は適宜組み合わせることができる。
【0016】
前記カルシウム塩は、前記アルギン酸カリウム含有溶液と混合することにより、固化あるいはゲル化反応を起こすものであればよい。前記カルシウム塩は、無機カルシウム塩及び有機カルシウム塩のいずれでもよい。前記有機カルシウム塩は、1価カルボン酸との塩でもよく、2価以上の多価カルボン酸との塩でもよい。有機カルシウム塩として具体的には、例えば、グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム、安息香酸カルシウム、及びステアリン酸カルシウムが挙げられる。前記無機カルシウム塩として具体的には、例えば、塩化カルシウム及び炭酸カルシウムが挙げられる。前記カルシウム塩は1種単独でもよく、2種以上を用いてもよい。
【0017】
前記アルギン酸カリウム含有溶液中の前記カルシウム塩の含有量は0.1~4重量%、好ましくは0.2~3重量%、更に好ましくは0.3~2重量%である。
【0018】
前記アルギン酸カリウム含有溶液の調製方法には特に限定はない。前記アルギン酸カリウム含有溶液は通常、溶媒を攪拌しながら、アルギン酸カリウムを何回かに分けて少量ずつ加えて溶解させる。これにより、アルギン酸カリウムの溶解を早めることができるので好ましい。前記溶媒は、前記アルギン酸カリウム含有溶液を調製できる限り特に限定はない。前記溶媒は通常、水(蒸留水、滅菌蒸留水)が用いられる。
【0019】
前記カルシウム塩含有溶液の調製方法には特に限定はない。前記カルシウム塩含有溶液は、例えば、溶媒にカルシウム塩を添加して溶解させることにより得ることができる。前記溶媒は、前記カルシウム塩含有溶液を調製できる限り特に限定はない。前記溶媒は通常、水(蒸留水、滅菌蒸留水)が用いられる。
【0020】
前記アルギン酸カリウム含有溶液及び前記カルシウム塩含有溶液の一方を他方に添加する工程の具体的態様には特に限定はない。通常、前記アルギン酸カリウム含有溶液に前記カルシウム塩含有溶液を添加するが、逆でもよい。また、前記添加は通常、前記アルギン酸カリウム含有溶液及び前記カルシウム塩含有溶液の一方を攪拌しながら、他方を滴下することにより行われる。
【0021】
「固形状物」には、前記アルギン酸カリウム含有溶液の流動性が低減している態様の全てが含まれる。前記「固形状物」は、完全な固形物だけでなく、被膜中に液状物を内包するカプセル形状物、あるいは前記アルギン酸カリウム含有溶液がゲル化したゼリー状物が含まれる。尚、「ゼリー状」は、同じ条件で測定した場合に、水よりも粘度が大きいことを意味する。
【0022】
(2)排塩用食品組成物
本発明の排塩用食品組成物(以下、「本組成物」という。)は、本固形状物を有効量含む。本固形状物については、上記の説明が妥当する。また、前記有効量は、ナトリウム吸着能を奏する量の意味であり、ナトリウム吸着能を奏する限り、前記有効量には特に限定はなく、当業者が適宜設定することができる。また、本組成物は、経口で摂取することができる限り、具体的な形態に特に限定はない。前記「食品」には飲料も含まれる。
【0023】
本組成物は、ヒト又は非ヒト動物のいずれにも投与することができる。前記非ヒト動物の種類には特に限定がない。前記非ヒト動物として具体的には、例えば、イヌ、ネコ、マウス、インコ、モルモット、ハムスター、ラット、フェレット、サル、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリが挙げられる。
【0024】
本組成物は、上記のようにナトリウム吸着能に優れ、ナトリウム排泄を促進することができる。よって、本組成物は、うっ血性心疾患の改善のために用いることができる。前記「うっ血性心疾患の改善」は、うっ血性心疾患の治療、症状緩和、及び予防(悪化の抑制)を含む。また、本組成物は、血圧及び/又は腎機能の改善のために用いることができる。前記「血圧及び/又は腎機能の改善」には、状態の変化だけでなく、正常な状態の維持も含む。例えば、血圧の改善には、血圧の低下及び正常な血圧の維持が含まれる。同様に、腎機能の改善には、腎機能障害の改善及び正常な腎機能の維持が含まれる。また、本組成物は、うっ血性心疾患の改善のために用いることができる。
【0025】
本組成物は、本固形状物のみで構成されていてもよく、他の成分を更に含んでいてもよい。前記他の成分として、飲食品成分(例えば、肉類(牛、豚等)、魚介類、果物)の他、従来からヒト又は非ヒト動物用の食品(飼料を含む。)及び医薬に含有することが公知となっている成分(例えば、糖類、アミノ酸、pH調整剤、ビタミン、酸化防止剤、色素、防腐剤、及び香料等)が挙げられる。前記他の成分の含有量は必要に応じて適宜設定することができる。例えば、前記他の成分、特に前記飲食品成分の含有量は1~40重量%、好ましくは3~20重量%、更に好ましくは5~15重量%とすることができる。
【0026】
一方、本組成物は、アルギン酸カルシウムを含まなくてもよい。本組成物は、クエン酸を含まなくてもよい。本組成物は他の熱不可逆性ゲルを形成しうる水溶性高分子(例えば、ペクチン、CMC及びジェランガム等の他の多糖類)を含まなくてもよい。尚、「含まない」とは、完全に含まない態様に加え、食感及びナトリウム吸着能に影響を与えない微量(例えば、0.01重量%以下、0.005重量%以下、0.001重量%以下で下限値は0を超える量)を含む態様も含む。
【0027】
<不可能・非実際的事情について>
後述の実施例より、本組成物は、単なるアルギン酸カルシウムよりも優れたNa除去効果を示す。このことは、本組成物が、単にアルギン酸カリウムとカルシウムとが反応して形成されるアルギン酸カルシウムを主成分とするものではないことを示している。しかし、本方法によるアルギン酸カリウムとカルシウム塩の化学的・物理的変化、及び変化後の構造、形態とナトリウムの除去効果との関係を調べて、本固形状物を構造・特性の点から具体的に明確にすることは、不可能であるか、著しい時間、費用が必要であり、非実際的である。発明者の推定として、アルギン酸カリウムは、例えるなら長い糸の途中に等間隔で釣り針がぶら下がっており、それが何本もあるため、ナトリウムと触れると釣り針のいくつかに引っかかって吸着し得るところ、アルギン酸カリウムにカルシウム塩を添加すると、カルシウムが媒体となってゲル化し、独立していた釣り針の糸がいわゆる網の目状になるため、更にナトリウムを吸着し易くなったと考えられる(尚、これは発明者の推定に過ぎず、何ら本願発明を特定又は定義する趣旨の説明ではない。)。
【実施例
【0028】
以下、実施例により本発明を具体的に例示する。尚、本発明は、実施例に示す形態に限定されない。本発明の実施形態は、目的及び用途に応じて、本発明の範囲内で種々変更することができる。尚、実施例における結果に対する考察は、全て発明者の見解に過ぎず、何ら本願発明を定義ないし限定する趣旨の説明ではないことを付言する。
【0029】
(1)排塩組成物の合成(I)-粒状形態
滅菌蒸留水(19g)をスターラーにより500~1200rpmで攪拌しながらフレーバー(1.0g)を加え、5%フレーバー溶液を調製した。次いで、1200rpmで攪拌しながら、アルギン酸カリウム(0.4g)を少量ずつ、前記溶液に加えて約15分程度攪拌を続け、アルギン酸カリウムが溶解したことを確認して、アルギン酸カリウム溶液(20ml)を調製した。
【0030】
5%グルコン酸カルシウム溶液(5ml)を水道水37.5mlに溶解させて、1%グルコン酸カルシウム溶液を調製した。該溶液をスターラーにより250rpmで攪拌し、該溶液に前記アルギン酸カリウム溶液を100ml/hの速度で加えた。得られた粒状物をろ過し、水洗し、風乾させて、粒状形態の組成物を得た。
【0031】
(2)排塩組成物の合成(II)-ゼリー状形態
アルギン酸カリウム2.0g及びクエン酸カルシウム0.6gを乳鉢で均等になるまで混和して、混和物を得た。次いで、鶏挽肉20gを蒸留水(200ml)に混合し、この中に前記混和物を少量ずつ加えて溶解させて、1%アルギン酸カリウム含有溶液を調製した。前記溶液をレトルト包装内に注入し、85℃~120℃で滅菌(レトルト滅菌の方法に準じる)し、室温下で3~12時間静置して、ゼリー状形態の組成物(レトルト包装;10g/包)を得た。
【0032】
(3)ナトリウム吸着量の測定
医療用生理食塩水(Na:154mEq/L)20mlに、上記排塩組成物(粒状形態;50、100、及び150mg)をすりつぶして加えた。その後、塩分濃度計(HORIBA社製)により、水溶液中の塩化ナトリウムの濃度(%)を測定した。対照として、上記生理食塩水を用いた。その結果を表1及び図1に示す。尚、吸着率(%)は、以下の式により求めた
【0033】
【表1】
【0034】
(A)上記排塩組成物(粒状形態)、(B)アルギン酸アンモニウム、(C)「デルソル」(トイメディカル社製;アルギン酸類として、アルギン酸カルシウム及びアルギン酸アンモニウムを含み、且つアルギン酸カリウムを含まない。)、及び(D)アルギン酸カルシウムをそれぞれ120mgとり、それぞれをすりつぶして医療用生理食塩水(Na:154mEq/L)20mlに加えた。対照として、上記生理食塩水を使用した。対照及び(A)~(D)について、それぞれ3個のサンプルを準備した。その後、動物用血液測定器「ドライケムMX700」(富士フイルム社製)でサンプルのNa濃度(mEq/L)を測定した。その結果を表2及び図2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
(4)結果
表1及び図1より、実施例の組成物を加えることにより、約15~42%の塩分削減が認められた。
【0037】
また、表2及び図2より、アルギン酸アンモニウム、「デルソル」(アルギン酸類として、アルギン酸カルシウム及びアルギン酸アンモニウムを含み、且つアルギン酸カリウムを含まない。)、及びアルギン酸カルシウムはいずれも、塩分削減が10%程度であるのに対し、実施例の組成物では、約40%の塩分削減を示した。特に、アルギン酸カルシウムと比較して、実施例の組成物が優れた塩分削減を示しているこの結果は、実施例の組成物が、物質として、単なるアルギン酸カルシウムとは異なることを示している。
図1
図2