(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 1/0073 20190101AFI20231020BHJP
B01D 46/10 20060101ALI20231020BHJP
【FI】
F24F1/0073
B01D46/10 Z
(21)【出願番号】P 2019145009
(22)【出願日】2019-08-07
【審査請求日】2022-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】清水 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】植松 峻一
(72)【発明者】
【氏名】浅羽 伸悟
(72)【発明者】
【氏名】藤社 輝夫
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-082627(JP,A)
【文献】特開2008-157538(JP,A)
【文献】特開2017-110860(JP,A)
【文献】中国実用新案第208936323(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0073
F24F 8/90
F24F 13/28
B01D 46/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調和機本体に内蔵されたエアフィルタと、
前記エアフィルタの長手方向に沿って配置した塵埃除去用のブラシと、
前記ブラシの下方に位置し、前記ブラシにより除去された塵埃を収容する塵埃収納部と、前記塵埃収納部の内部を移動して、前記塵埃収納部の内部の塵埃を特定方向に移動させる塵埃除去部材と、
前記塵埃収納部の端部に接続され当該塵埃収納部に収容した塵埃を外部に吸引排出する塵埃排出装置と、を備え、
前記塵埃除去部材は前記塵埃排出装置を接続した側の前記塵埃収納部の端部に空間部を形成する位置で前記塵埃除去部材を停止させ
、
前記塵埃収納部の端部の空間部は前記塵埃除去部材の下端部より下方に形成する構成とし、
前記空間部は、前記塵埃収納部の底面に形成された連通口の下方の壁面コーナ部分を傾斜面とした空気調和機。
【請求項2】
調和機本体に内蔵されたエアフィルタと、
前記エアフィルタの長手方向に沿って配置した塵埃除去用のブラシと、
前記ブラシの下方に位置し、前記ブラシにより除去された塵埃を収容する塵埃収納部と、前記塵埃収納部の内部を移動して、前記塵埃収納部の内部の塵埃を特定方向に移動させる塵埃除去部材と、
前記塵埃収納部の端部に接続され当該塵埃収納部に収容した塵埃を外部に吸引排出する塵埃排出装置と、を備え、
前記塵埃除去部材は前記塵埃排出装置を接続した側の前記塵埃収納部の端部に空間部を形成する位置で前記塵埃除去部材を停止させ、
前記塵埃除去部材は、前記ブラシに付着している塵埃を除去する部材を備え、
前記塵埃除去部材はその下部に通気孔を設け
た空気調和機。
【請求項3】
調和機本体に内蔵されたエアフィルタと、
前記エアフィルタの長手方向に沿って配置した塵埃除去用のブラシと、
前記ブラシの下方に位置し、前記ブラシにより除去された塵埃を収容する塵埃収納部と、
前記塵埃収納部の内部を移動して、前記塵埃収納部の内部の塵埃を特定方向に移動させる塵埃除去部材と、
前記塵埃収納部の端部に接続され当該塵埃収納部に収容した塵埃を外部に吸引排出する塵埃排出装置と、を備え、
前記塵埃除去部材は前記塵埃排出装置を接続した側の前記塵埃収納部の端部に空間部を形成する位置で前記塵埃除去部材を停止させ、
前記塵埃除去部材は前記塵埃収納部の端部壁面と対向する部分を凹形状とし
た空気調和機。
【請求項4】
前記塵埃収納部の端部壁面の前記塵埃除去部材と対向する部分に前記塵埃除去部材の塵埃掻き寄せ面投影面積以上の開口を設け、この開口と前記塵埃排出装置との間をテーパ通路管で接続して、前記テーパ通路管の内部を前記塵埃収納部の端部に形成する空間部とした請求項1
~3のいずれか1項記載の空気調和機。
【請求項5】
調和機本体に内蔵されたエアフィルタと、
前記エアフィルタの長手方向に沿って配置した塵埃除去用のブラシと、
前記ブラシの下方に位置し、前記ブラシにより除去された塵埃を収容する塵埃収納部と、前記塵埃収納部の内部を移動して、前記塵埃収納部の内部の塵埃を特定方向に移動させる塵埃除去部材と、
前記塵埃収納部の端部に接続され当該塵埃収納部に収容した塵埃を外部に吸引排出する塵埃排出装置と、を備え、
前記塵埃除去部材は前記塵埃排出装置を接続した側の前記塵埃収納部の端部に空間部を形成する位置で前記塵埃除去部材を停止させ、
前記塵埃除去部材は前記塵埃収納部の端部壁面と対向する部分の両縁部に前記塵埃収納部の端部壁面側に突出する突出壁を設けて当該突出壁と前記塵埃収納部の端部壁面との間で気流通路部を形成す
る空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ清掃装置付きの空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の空気調和機は、エアフィルタに付着した塵埃をブラシにより除去するとともに、ブラシに付着した塵埃をブレードによりブラシ下方の塵埃収納部に掻き落として除去するフィルタ清掃装置を備えている。そして、このようなフィルタ清掃装置の中には、上記塵埃収納部に排気装置を接続して、塵埃収納部内に掻き落として回収した塵埃を屋外へ吸引排気するようにしたものがみられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図16、
図17は上記特許文献1記載の空気調和機におけるフィルタ清掃装置の構成を示す。
図16、
図17において、100は調和機本体の吸込口に設けられたエアフィルタ、101は前記エアフィルタ100に付着した塵埃を除去するブラシ、102は前記ブラシ101を植設したブラシ保持台で、下向き姿勢に反転可能となっている。103は下向き姿勢に反転したブラシ保持台102のブラシ101から塵埃を掻き落とすブレードで、ブラシ保持台102の下方に位置している。104は前記ブレード103を保持するとともに当該ブレード103に掻き落とされた塵埃を受ける塵埃受け部で、この塵埃受け部104も下向き姿勢に反転可能となっている。105は前記塵埃受け部104の更に下方に配置された塵埃収納部、106は前記塵埃収納部105に回収された塵埃を吸引排出する塵埃排出装置である。
【0004】
上記構成において、エアフィルタ100に付着している塵埃はブラシ101に対しエアフィルタ100を矢印Zで示すようにスライド駆動させることによりブラシ101で掻き落とし、塵埃収納部105に回収するとともに一部は塵埃受け部104上に落下させる。そして、エアフィルタ駆動停止後、ブラシ保持台102を矢印Vで示すように下向きに反転させて前記ブラシ101を下向き姿勢にする。この状態でブラシ保持台102のブラシ101を揺動させてブラシ101に付着している塵埃を掻き落とし、ブレード103を保持している塵埃受け部104上に落下させ、回収する。
【0005】
その後、前記塵埃受け部104を上向き姿勢から矢印W示すように下向き姿勢に回転させ、塵埃受け部104に溜まっている塵埃を塵埃収納部105に落下させて回収するとともに、塵埃受け部104で前記塵埃収納部105の開口部分Xを覆って筒状の排出通路105aを形成し、塵埃排出装置106を動作させる。この塵埃排出装置106の動作により塵埃収納部105に回収された塵埃は室外へと排出される。
【0006】
よって、塵埃収納部105を空気調和機本体から取り外さなくても塵埃排出装置106の駆動により塵埃収納部105に回収された塵埃を排出することができ、塵埃廃棄の手間を省くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記特許文献1の構成によると、ブラシ101から除去された塵埃は塵埃収納部105の長手方向ほぼ全域に亘って分散回収され、塵埃収納部105の塵埃排出装置106側部分の塵埃は良好に吸引排出できるものの、塵埃排出装置106と反対側の端部付近の塵埃は吸引排出するのに時間がかかる、という課題があった。
【0009】
詳述すると、上記塵埃収納部105はブラシ101から除去された塵埃を回収する上部開口部分Xをブラシ保持台102の反転によって閉塞しているので、このブラシ保持台102と塵埃収納部105の上部開口部分Xとの間に生じる隙間からも空気が吸引されることになる。そのため、塵埃収納部105の塵埃排出装置106とは反対側部分に設けた端部開口から吸引する空気量が少なくなって、ブラシ101から除去された塵埃が塵埃収納部105の長手方向ほぼ全域に亘って散在していると、前記塵埃排出装置106とは反対側付近の塵埃を吸引排出するのに時間がかかり、フィルタ清掃後の塵埃排出時間が長時間化し、塵埃排出に伴い発生する塵埃排出装置の運転騒音が長く継続する、というものであった。
【0010】
本発明はこのような課題を解決したもので、塵埃収納部内の塵埃を迅速かつ静かに排出できるようにすると同時に塵埃の排出漏れ等もなくして品質及び信頼性を高めた空気調和機の提供を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するため、そのフィルタ清掃装置は、エアフィルタの長手方向に沿って配置した塵埃除去用のブラシと、前記ブラシの下方に位置し、前記ブラシにより除去された塵埃を収容する塵埃収納部と、前記塵埃収納部の内部を移動して、前記塵埃収納部の内部の塵埃を特定方向に移動させる塵埃除去部材と、前記塵埃収納部の端部に接続され当該塵埃収納部に収容した塵埃を外部に吸引排出する塵埃排出装置と、を備え、前記塵埃除去部材は前記塵埃排出装置を接続した側の前記塵埃収納部の端部に空間部を形成する位置で前記塵埃除去部材を停止させる構成としてある。
【0012】
これにより、塵埃除去部材でブラシから除去した塵埃を塵埃収納部の端部に掻き寄せて、排気装置により一気に吸引排出することができると共に、塵埃収納部の端部に掻き寄せた塵埃を当該塵埃収納部の端部に付着残存させるようなことなくきれいに回収して排出することができる。よって、塵埃排出に要する時間を大幅に短縮できるので、塵埃排出時の騒音発生時間を短くでき、フィルタ清掃時の静穏化を図ることができると同時に塵埃排出も確実なものとすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上記構成により、フィルタ清掃装置の塵埃排出を迅速かつ静かに行うことができるとともに塵埃の排出も確実なものとして、空気調和機の品質及び信頼性を大きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る空気調和機の室内機を示す斜視図
【
図3】同室内機のフィルタ清掃装置ブロックを示す斜視図
【
図6】同フィルタ清掃装置ブロックの要部を示す拡大断面図
【
図8】同フィルタ清掃装置ブロックの要部を示す拡大断面図(
図7のA-A断面図)
【
図9】(a)同フィルタ清掃装置ブロック塵埃除去部材を示す斜視図、(b)同図(a)の矢印Z方向から見た図、(c)同図(b)のB-B断面図、
【
図10】(a)同フィルタ清掃装置ブロックのエアフィルタ清掃状態を示す説明図、(b)同ブラシから塵埃を掻きとる動作を示す説明図
【
図11】(a)同フィルタ清掃装置ブロックの塵埃収納部における塵埃掻き寄せ状態を示す説明図、(b)同塵埃収納部の端部まで塵埃を掻き寄せた状態を示す説明図
【
図12】実施の形態2における空気調和機のフィルタ清掃装置要部を示す拡大断面図
【
図13】実施の形態3における空気調和機のフィルタ清掃装置要部を示す拡大断面図
【
図14】実施の形態4における空気調和機のフィルタ清掃装置要部を示す拡大断面図
【
図15】実施の形態5における空気調和機のフィルタ清掃装置要部を示す拡大断面図
【
図16】従来の空気調和機における塵埃回収排出ユニットの要部を示す断面図
【
図17】同従来の空気調和機における塵埃回収排出ユニット全体の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、調和機本体に内蔵されたエアフィルタと、前記エアフィルタの長手方向に沿って配置した塵埃除去用のブラシと、前記ブラシの下方に位置し、前記ブラシにより除去された塵埃を収容する塵埃収納部と、前記塵埃収納部の内部を移動して、前記塵埃収納部の内部の塵埃を特定方向に移動させる塵埃除去部材と、前記塵埃収納部の端部に接続され当該塵埃収納部に収容した塵埃を外部に吸引排出する塵埃排出装置と、を備え、前記塵埃除去部材は前記塵埃排出装置を接続した側の前記塵埃収納部の端部に空間部を形成する位置で前記塵埃除去部材を停止させる構成としてある。
【0016】
これにより、塵埃除去部材でブラシから除去した塵埃を塵埃収納部の端部に掻き寄せて、排気装置により一気に吸引排出することができ、塵埃排出に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0017】
また、塵埃収納部の端部に掻き寄せた塵埃を当該塵埃収納部の端部に付着残存させるようなことなくきれいに回収して排出することができる。すなわち、上記塵埃除去部材の移動によって塵埃を塵埃収納部の端部に掻き寄せる際、塵埃除去部材が塵埃収納部の端部壁面との間で掻き寄せた塵埃を挟み込んで塵埃収納部端部壁面や塵埃排出装置を接続した連通口の口縁部等に付着残存させてしまうことが懸念されるが、塵埃を掻き寄せる塵埃除去部材は塵埃収納部の端部に空間部を形成する位置で停止するので、塵埃収納部の端部に掻き寄せた塵埃を塵埃除去部材により挟み込んで塵埃収納部端部壁面や塵埃排出装置が接続される連通口の口縁部等に付着残存させてしまうのを防止でき、確実に回収して吸引排出することができる。
【0018】
第2の発明は、第1の発明において、前記塵埃収納部の端部の空間部は前記塵埃除去部材の下端部より下方に形成する構成としてある。
【0019】
これにより、塵埃除去部材で塵埃収納部の端部に掻き寄せられた塵埃は塵埃除去部材より下方の空間部に落下するので、塵埃除去部材の塵埃掻き寄せ面により挟み込まれることなく塵埃排出装置によって吸引排出されるようになり、より確実に塵埃を排出することができる。
【0020】
第3の発明は第2の発明において、前記空間部は、前記塵埃収納部の底面に形成された連通口の下方の壁面コーナ部分を傾斜面とした構成としてある。
【0021】
これにより、塵埃排出装置が吸引する気流は塵埃排出装置空間部の塵埃収納部の底面に形成された連通口の下方に設けられた壁面コーナ部分の傾斜面に沿って円滑に流れるようになるので、空間部の連通口と対向する壁面コーナ部分で気流の死水域を作って塵埃の一部が残存してしまうのを防止でき、塵埃を残すことなくより確実に排出することができる。
【0022】
第4の発明は第1の発明において、前記塵埃収納部の端部壁面側に連通口を設けて前記塵埃排出装置を接続するとともに、前記塵埃除去部材は前記塵埃排出装置を接続した連通口との間に空間部を形成する構成としてある。
【0023】
これにより、第1の発明と同様フィルタから除去した塵埃の排出時間を大幅に短縮できると同時に塵埃収納部端部壁面等に塵埃を付着残存させるようなことなくきれいに回収して排出し、かつ、フィルタ清掃時の静穏化を図ることもできる。そして、塵埃収納部内に空間部を形成する形となるので上下方向の寸法を小さくして装置全体をコンパクト化することもできる。
【0024】
第5の発明は第1~第4の発明において、前記塵埃除去部材は、前記ブラシに付着している塵埃を除去する部材を備えた構成としてある。
【0025】
これにより、上記ブラシから塵埃を除去する際、塵埃除去部材はブラシに沿って移動するので、従来のようにバシバシ音が発することもなく、かつ、前記した如く塵埃の排出時間を大幅に短縮できるので、塵埃排出時の騒音発生時間を短くでき、フィルタ清掃時の静穏化を図ることもできる。
【0026】
第6の発明は第4又は第5の発明において、前記塵埃除去部材はその下部に通気孔を設けた構成としてある。
【0027】
これにより、塵埃排出装置は塵埃除去部材の通気孔を介しても空気を吸引するようになるので、空間部の連通口とは反対側の塵埃除去部材下部コーナ部分で死水域を作って塵埃の一部が残存してしまうのを防止でき、第3の発明と同様塵埃を残すことなく確実に排出することができる。
【0028】
第7の発明は第1~第6の発明において、前記塵埃除去部材は前記塵埃収納部の端部壁面と対向する部分を前記連通口とは反対側向きに窪ませて凹形状とした構成としてある。
【0029】
これにより、塵埃除去部材の凹形状部分を空間部として活用できるのでその分塵埃収納部の長手方向寸法を小さくでき、よりコンパクト化することができるとともに、通気孔の形成も容易になって安価なものとすることができる。
【0030】
第8の発明は第1又は第5~第7の発明において、前記塵埃収納部の端部壁面の前記塵埃除去部材と対向する部分に前記塵埃除去部材の塵埃掻き寄せ面投影面積以上の開口を設け、この開口と前記塵埃排出装置との間をテーパ通路管で接続して、前記テーパ通路管の内部を前記塵埃収納部の端部に形成する空間部とした構成としてある。
【0031】
これにより、塵埃除去部材で掻き寄せられてきた塵埃は塵埃除去部材によって挟み込まれる壁面がなくなって塵埃はテーパ通路管のテーパ面に沿って円滑に吸引される形となり、壁面への付着を効果的に低減して確実に塵埃排出を可能とすることができるとともに、第1の発明と同様フィルタから除去した塵埃の排出時間を大幅に短縮し、フィルタ清掃時の静穏化を図ることができる。
【0032】
第9の発明は第1~第7の発明において、前記塵埃除去部材は前記塵埃収納部の端部壁面と対向する部分の両縁部に前記塵埃収納部の端部壁面側に突出する突出壁を設けて当該突出壁と前記塵埃収納部の端部壁面との間で気流通路部を形成する構成としてある。
【0033】
これにより、塵埃除去部材を塵埃収納部の端部壁面側に移動させたとき、突出壁と塵埃収納部の端部壁面との間に気流通路部を形成して塵埃収納部上方のブラシ側から強力に空気を吸引することができ、塵埃除去部材の摺動終端側のブラシ部分に残存しやすい塵埃を確実に吸引除去することができるとともに、塵埃除去部材の塵埃収納部端部壁面への移動を規制して塵埃の無用な挟み込みを防止することもでき、塵埃を残すことなくより確実に移出することができる。
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0035】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る空気調和機は、冷媒配管で互いに接続された室外機と室内機とで構成されている。
【0036】
図1は実施の形態1に係る空気調和機の室内機を示す斜視図、
図2は同室内機の断面図である。
【0037】
図1、
図2に示すように、本実施の形態に係る室内機1は、本体2と、本体2の前面開口部2aを塞ぐ前面パネル3とを備えている。本体2の内部には、
図2に示すように、上面開口部2bから取り入れられた室内空気を熱交換する熱交換器4と、熱交換器4で熱交換された空気を室内に吹き出すための風力源であるファン5とが設けられている。ファン5は、例えば、クロスフローファンであり、本体2の下方に設けられた吹出口6を通じて室内に空気を吹き出すように設けられている。また、吹出口6の先端部には、吹出口6を開閉するとともに空気の吹き出し方向を上下に変更する上下風向変更羽根7と、空気の吹き出し方向を左右に変更する左右風向変更羽根8とが設けられている。
【0038】
空気調和機が空調運転を開始すると、上下風向変更羽根7が開制御されて吹出口6が開放される。この状態でファン5が駆動されることで、室内空気が上面開口部2bを介して室内機の内部に取り入れられる。取り入れられた室内空気は、熱交換器4で熱交換され、ファン5を通過し、ファン5の送風方向の下流側に形成された通風路9を通過して、吹出口6より吹き出される。
【0039】
また、上面開口部2bと熱交換器4との間には、上面開口部2bから取り入られた室内空気に含まれる塵埃を除去するためのエアフィルタ10が設けられている。エアフィルタ10は、枠体部分と当該枠体部分に保持された網部分とを備えている。本実施の形態にかかる空気調和機は、エアフィルタ10の網部分に付着した塵埃を自動的に清掃するフィルタ清掃装置を備えている。
【0040】
以下、フィルタ清掃装置について
図3~
図11を用いて説明する。
【0041】
図3は室内機のフィルタ清掃装置ブロックを示す斜視図、
図4は同フィルタ清掃装置ブロックの要部正面図、
図5は同フィルタ清掃装置ブロックの断面図、
図6は同フィルタ清掃装置ブロックの要部を示す拡大断面図、
図7は同フィルタ清掃装置ブロックの側面図、
図8は同フィルタ清掃装置ブロックの要部を示す拡大断面図(
図7のA-A断面図)、
図9(a)は同フィルタ清掃装置ブロック塵埃除去部材を示す斜視図、(b)は
図9(a)の矢印Z方向から見た図、(c)は
図9(b)のB-B断面図、
図10(a)は同フィルタ清掃装置ブロックのエアフィルタ清掃状態を示す説明図、(b)は同ブラシから塵埃を掻きとる動作を示す説明図、
図11(a)は同フィルタ清掃装置ブロックの塵埃収納部における塵埃掻き寄せ状態を示す説明図、(b)は塵埃収納部の端部まで塵埃を掻き寄せた状態を示す説明図である。
【0042】
図3~
図11において、本実施の形態のフィルタ清掃装置は、塵埃を除去されるエアフィルタ10が、空気調和機のフィルタ保持台11により保持されている。フィルタ保持台11には、
図5に示すようにエアフィルタ10を保持するための第1保持空間11aと第2保持空間11bとが設けられている。そして、エアフィルタ10は、フィルタ搬送装置12により第1保持空間11aと第2保持空間11bに搬送されるようになっている。
【0043】
フィルタ搬送装置12は、
図6に示すように、室内機の幅方向(
図6では奥行き方向)に延在するシャフト13と、シャフト13の外周面の一部に取り付けられたギヤ14とを備えている。エアフィルタ10は、シャフト13に架け回されるとともに、ギヤ14と係合するように取り付けられている。またギヤ14はモータ等の駆動手段(図示せず)によって駆動されるようになっている。
【0044】
エアフィルタ10は、通常、第1保持空間11a内に位置し、上面開口部2bから取り入られた室内空気に含まれる塵埃を除去する。エアフィルタ10の清掃開始が指示されると、ギヤ14が正方向(
図6では反時計回り)に回転し、エアフィルタ10は、第1保持空間11aから第2保持空間11bへと搬送される。エアフィルタ10が第2保持空間11bに搬送されると、ギヤ14が逆方向(
図6では時計回り)に回転し、エアフィルタ10は、第2保持空間11bから第1保持空間11aへ戻し搬送される。
【0045】
なお、本実施の形態において、第1保持空間11aから第2保持空間11bまでのエアフィルタ10の搬送経路を「往路」といい、第2保持空間11bから第1保持空間11aまでのエアフィルタ10の搬送経路を「復路」という。
【0046】
シャフト13の近傍には、
図5に示すように、エアフィルタ10がシャフト13の周囲に沿って移動するようにガイドするガイド部材15が設けられている。ガイド部材15は、シャフト13に対して所定の隙間を空けて設けられている。
【0047】
エアフィルタ10を駆動するフィルタ搬送装置12のシャフト13近傍には、エアフィルタ10の表面に付着した塵埃を除去するブラシ16が通常下向き姿勢となるように設けられている。ブラシ16はブラシ回転装置の一例であるブラシ保持台17に取付け保持されており、そのブラシ保持台17の下方には樋状の塵埃収納部18が設けられている。
【0048】
ブラシ保持台17は、その一端部側に設けたモータ等の駆動部(図示せず)によって、ブラシ16の先端部をエアフィルタ10に接触させる上向き姿勢と、前述した下向き姿勢とに反転させることが可能となっている。また、ブラシ16の形状としては、実施の形態1の構成以外に、例えばローラー状のブラシであってもよい。
【0049】
また、塵埃収納部18は、
図5,
図6に示すように、上方を開放した形状となっており、その開放部に前記ブラシ保持台17が上下反転自在に位置している。そして、上記塵埃収納部18の一端部には塵埃を吸引排気するファン等の塵埃排出装置20(
図4等参照)が接続されている。更に、上記塵埃収納部18の内部には前記ブラシ16に付着した塵埃を除去するブレード等からなる塵埃除去部材21が設けられている。
【0050】
上記塵埃除去部材21は塵埃収納部18の前記塵埃排出装置20を接続した側の端部に向かって摺動自在に設けられており、塵埃収納部18の一端部側に設けたモータ等の駆動手段(図示せず)と連結したベルト或いはワイヤー等の連結手段22(
図3参照)を介して駆動されるように構成され、
図5、
図6に示す如く下向き姿勢になったブラシ16に接しながら摺動し、ブラシ16に付着している塵埃を掻き落とす。そして、上記塵埃除去部材21は、
図8に示すように、塵埃排出装置20を接続した側の前記塵埃収納部18の端面部との間に空間部23を形成する位置で停止する構成としてある。
【0051】
上記空間部23は、塵埃排出装置20を接続した側の端面と塵埃除去部材21との間で形成しているが、この例では塵埃排出装置20を接続した側の塵埃収納部端部底面を開口させて連通口A18aを設け、この連通口A18aに逆L字状の通路管A24を接続してこの通路管A内が空間部23となるようにしてあり、塵埃除去部材21の塵埃掻き寄せ部21bの下端部より下方に空間部23が形成される形としている。
【0052】
なお、塵埃除去部材21は、例えば、ゴムなど弾性体、好ましくは柔軟性のある軟質性弾性体により構成されており、
図9(a)~(c)に示すように、ブラシ16に付着している塵埃を掻き落とする塵埃掻き落とし部21aと、掻き落とした塵埃を塵埃収納部18の端部に掻き寄せる塵埃掻き寄せ部21bと、突出壁部21cとからなっている。そして、上記塵埃掻き落とし部21aは、ブラシ16が嵌まり込むように円弧状の窪み形状となっていて、その円弧状窪み部の底壁部分に塵埃を下方へ落下させる孔21dが形成されている。また、塵埃掻き寄せ部21bは塵埃掻き寄せ摺動方向側に平坦な塵埃掻き寄せ面部21bbを有し、その上部は下り傾斜面21eとして前記塵埃掻き落とし部21aの孔21dの下方に位置する如く一体化されている。更に突出壁部21cは前記塵埃掻き落とし部21a及び塵埃掻き寄せ部21bの両端縁部より塵埃掻き寄せ摺動方向側に突出形成されている。
【0053】
また、フィルタ清掃装置を構成する前記ブラシ16、ブラシ保持台17、塵埃除去部材21、塵埃収納部18は、
図4に示すように、塵埃回収ユニットAを構成しており、この塵埃回収ユニットAは更に塵埃を吸引排出する塵埃排出装置20を連結して塵埃回収排出ユニットBとなっている。
【0054】
以下、上記のように構成された空気調和機のエアフィルタ10に付着した塵埃を清掃し排出する動作の一例を説明する。
【0055】
空気調和機は所定時間使用されフィルタ清掃開始信号が発せられると、ブラシ保持台17が反転され、
図10(a)に示すようにブラシ16がエアフィルタ10に接触する状態となる。その後、フィルタ搬送装置12のギヤ14が正方向に回転され、エアフィルタ10が第1保持空間11aから第2保持空間11bへ搬送される。
【0056】
この搬送の間、ブラシ保持台17は、ブラシ16をエアフィルタ10と接触する位置で固定されており、エアフィルタ10に付着した塵埃は、定位置で固定されるブラシ16で堰き止められ、除去される。
【0057】
ギヤ14が更に正方向に回転され、エアフィルタ10が第2保持空間11bの終端まで到達すると、ギヤ14の正方向の回転が停止され、ブラシ16をエアフィルタ10に接触しない待機位置にしてギヤ14を逆回転させ、エアフィルタ10を元の位置に戻す。
【0058】
以上の動作を必要ならば数回繰り返し、フィルタ清掃が終了する。
【0059】
フィルタ清掃が終了すると、次に塵埃の排出動作が行われる。以下、その塵埃排出動作を説明する。
【0060】
エアフィルタ10の掃除動作が終了すると、ブラシ保持台17が逆方向に回転され、ブラシ16がブラシ掃除位置、すなわち
図10(b)、
図6に示すように下向き姿勢に反転されて塵埃収納部18内に臨む。
【0061】
その後、駆動手段19により塵埃除去部材21が駆動され、塵埃除去部材21が
図11の(a)に示す一端部側からブラシ16の長手方向に沿って摺動される。これにより、塵埃除去部材21がブラシ16に付着している塵埃を掻き落とす。実施の形態1の構成においては、ブラシ16に付着した塵埃に対する除去動作を行う場合、ブラシ16の長手方向に沿って塵埃除去部材21を摺動させて塵埃を掻き落としているが、ブラシ16に付着した塵埃を除去する方法としては、例えばブラシ16の長手方向の長さと同程度の長さのブレードをブラシ16と平行に延在させて、ブラシ16がそのブレードに接触する位置で揺動又は回転することにより、ブラシ16に付着した塵埃を除去する方法であってもよい。
【0062】
掻き落とされた塵埃は塵埃除去部材21の
図9に示す塵埃掻き落とし部21aの孔21dから下り傾斜面21eを介して塵埃掻き寄せ部21bの前方へと落下する。そして、塵埃除去部材21の塵埃掻き寄せ面部21bbによって塵埃収納部18の塵埃排出装置20側端部に向かって掻き寄せられる。
【0063】
上記塵埃が
図11の(b)に示すように塵埃収納部18の塵埃排出装置側端部近くまで掻き寄せられると、塵埃排出装置20が駆動され、塵埃除去部材21によって塵埃収納部18の端部に掻き寄せられてきた塵埃Xを空間部23経由で塵埃排出装置20に吸引し、そのまま屋外に排出する。
【0064】
このように、本実施の形態の塵埃排出構成では、ブラシ16から掻き落とした塵埃Xを塵埃除去部材21によって一箇所、この例では塵埃収納部18の塵埃排出装置20側端部に集め、この塵埃収納部18の塵埃排出装置20側端部に集めた状態で塵埃を吸引し、屋外に排出する。
【0065】
したがって、塵埃収納部18の長手方向に分散収納された塵埃を吸引排出する従来のものに比べ塵埃排出装置20による塵埃排出は効率よく行え、塵埃排出装置20の駆動時間、つまり塵埃の吸引排出時間を大幅に短縮できる。
【0066】
また、本実施の形態では、上記塵埃除去部材21は塵埃収納部18の端部に空間部23を形成した形で停止するようにしているので、塵埃収納部端部に掻き寄せられた塵埃は塵埃排出装置20の吸引力と自重によって
図8破線矢印で示すように前記空間部23に落下していく形となる。したがって、塵埃を塵埃収納部18の端部に掻き寄せた際、塵埃除去部材21が塵埃収納部端部壁面との間で塵埃を挟み込んで塵埃収納部端部壁面や塵埃排出装置20を接続した連通口B18bの口縁部等に付着残存させてしまうのを防止でき、確実に吸引排出することができる。
【0067】
即ち、塵埃除去部材21を塵埃収納部18の端部壁面まで摺動させると、塵埃除去部材21が塵埃収納部18の端部壁面との間で掻き集めた塵埃を挟み込み塵埃収納部端部壁面や塵埃排出装置20を接続した連通口B18bの口縁部等に付着残存させてしまうことが起きうる。
【0068】
しかしながら、本実施の形態では塵埃除去部材21は前記した如く塵埃収納部18の端部に空間部23を形成する位置で停止するので、塵埃収納部18の端部に掻き寄せた塵埃を塵埃除去部材21により挟み込んで塵埃収納部端部壁面や塵埃排出装置20を接続した連通口B18bの口縁部等に付着残存させてしまうのを防止でき、確実に吸引排出することができるのである。
【0069】
以上のようなことから、ブラシ16から除去した塵埃の排出時間を大幅に短縮できると同時に塵埃を残すことなくきれいに回収して排出することができる。
【0070】
また、上記ブラシ16から塵埃を除去する際、ブラシ16はブラシ16に沿って移動するので、従来のようにバシバシ音が発することもなく、かつ、前記した如く塵埃の排出時間を大幅に短縮できるので、塵埃排出時の騒音発生時間を短くでき、フィルタ清掃時の静穏化を図ることもできる。
【0071】
また、本実施の形態では、前記塵埃収納部18の端部の空間部23は塵埃除去部材21の下端部より下方に形成される形としているから、塵埃除去部材21で塵埃収納部18の端部に掻き寄せた塵埃は塵埃除去部材21の下方部分へと落下し、吸引排出されることになる。
【0072】
よって、塵埃収納部18の端部に掻き寄せた塵埃を塵埃除去部材21により塵埃収納部端部壁面との間に挟み込んで塵埃収納部端部壁面や塵埃排出装置20が接続される連通口A18aの口縁部等に付着残存させてしまうのを効果的に防止でき、塵埃の吸引排出をより確実なものとすることができる。
【0073】
また、上記空間部23は塵埃排出装置20と繋がる連通口A18a下方の壁面コーナ部分を傾斜面23aとしてあるから、塵埃排出装置20が吸引する気流は傾斜面23aに沿って円滑に流れるようになる。したがって、空間部23の内部で連通口A18a下方の壁面コーナ部分で気流の死水域が生まれて塵埃の一部が残存してしまうのを防止することができ、塵埃を残すことなくより確実に排出することができる。
【0074】
更に、上記塵埃除去部材21は、塵埃掻き寄せ面部21bbの両縁部に塵埃収納部18の端部壁面側に突出する突出壁部21cを設けてあるから、この突出壁部21cを前記塵埃収納部18の端部壁面に当接させることで塵埃収納部18の端部に空間部23を形成し停止させることができる。
【0075】
これにより、塵埃除去部材21を塵埃収納部18の端部壁面側に摺動させたとき、突出壁部21cと塵埃収納部18の端部壁面との間に気流通路部26(
図8参照)を形成して塵埃収納部上方のブラシ端部16aから強力に空気を吸引することができる。その結果、塵埃除去部材21の塵埃掻き落とし部21aの摺動終端側部分のブラシ端部16aに残存しやすい塵埃を確実に吸引除去することができる。また、塵埃除去部材21の埃収納部端部壁面への移動を規制して塵埃の無用な挟み込み圧迫を防止することもできる。したがって、これに両作用も加わって塵埃を残すことなくより確実に排出することができる。
【0076】
(実施の形態2)
図12は実施の形態2における空気調和機のフィルタ清掃装置要部を示す拡大断面図である。
【0077】
本実施の形態2は、塵埃除去部材21を停止させて形成する空間部23の他の実施形態を示し、塵埃収納部18の端部壁面側方下部に連通口B18bを設けて塵埃排出装置20を接続し、前記塵埃排出装置20を接続した塵埃収納部18の連通口B18bの手前側部分で塵埃除去部材21を停止させて、塵埃除去部材21の塵埃掻き寄せ面部下部前方部分に空間部23を形成する構成としてある。
【0078】
これにより、塵埃除去部材21により塵埃収納部18の端部に掻き寄せられた塵埃は破線矢印で示すように塵埃除去部材21の塵埃掻き寄せ面部下部前方部分の空間部23に移動し、塵埃掻き寄せ面部そのまま通路管B24bを介して塵埃排出装置20に吸引され排出されることになる。
【0079】
したがって、前記実施の形態1と同様、塵埃収納部18の端部に掻き寄せた塵埃を塵埃除去部材21により塵埃収納部端部壁面との間に挟み込んで塵埃収納部端部壁面や塵埃排出装置20を接続した連通口B18bの口縁部等に付着残存させてしまうのを防止でき、確実に吸引排出することができる。
【0080】
よって、ブラシ16から除去した塵埃の排出時間を大幅に短縮することができると同時に塵埃を残すことなくきれいに回収して排出し、且つ、フィルタ清掃時の静穏化を図ることができる。
【0081】
また、この実施の形態では空間部23が塵埃収納部18内の下部に形成されるので、装置全体の上下方向の寸法を小さくしてコンパクト化することもできる。
【0082】
(実施の形態3)
図13は実施の形態3における空気調和機のフィルタ清掃装置要部を示す拡大断面図である。
【0083】
本実施の形態3は、前記実施の形態2の変形例で、塵埃除去部材21の下部に通気孔27を設けてある。
【0084】
これにより、塵埃排出装置20は塵埃除去部材21の通気孔27からも空気を吸引するようになるので、空間部23の連通口B18bとは反対側の塵埃除去部材下部コーナ部分に死水域(
図12で示す斜線部分)が生じて塵埃の一部が残存してしまうのを防止することができ、塵埃を残すことなくより確実に排出することができる。
【0085】
その他の構成、作用効果は実施の形態2と同様であり、説明は省略する。
【0086】
(実施の形態4)
図14は実施の形態4における空気調和機のフィルタ清掃装置要部を示す拡大断面図である。
【0087】
本実施の形態4は、更に前記実施の形態2の変形例を示し、この例では塵埃除去部材21の連通口B18bと対向する部分を窪ませて凹形状28とした構成としてある。
【0088】
これにより、塵埃除去部材21の凹形状28部分を空間部23として活用できるのでその分塵埃収納部18の長手方向寸法も小さくでき、装置全体をよりコンパクト化することができる。また、通気孔27の形成も塵埃掻き寄せ部21bの背面側のみの一箇所でよいので容易になり、安価なものとすることができる。
【0089】
(実施の形態5)
図15は実施の形態5における空気調和機のフィルタ清掃装置要部を示す拡大断面図である。
【0090】
本実施の形態5は、塵埃除去部材21を停止させて形成する空間部23の更に他の実施形態を示し、この実施形態では、塵埃収納部18の端部壁面の塵埃除去部材21と対向する部分に塵埃除去部材21の塵埃掻き寄せ面部21bbの投影面積以上の開口29を設け、この開口29と塵埃排出装置20との間をテーパ通路管30で接続して、前記テーパ通路管30の内部を塵埃収納部18の端部に形成する空間部23としてある。
【0091】
上記のように構成することによって、塵埃除去部材21で掻き寄せた塵埃を挟み込む塵埃収納部端部壁面がなくなって塵埃は圧迫されることなくテーパ通路管30のテーパ面に沿って塵埃排出装置20に吸引される形となる。したがって、塵埃収納部18の端部壁面への付着を効果的に低減して塵埃を残すことなくより確実に排出できるとともに、各実施の形態と同様ブラシ16から除去した塵埃の排出時間を大幅に短縮し、かつ、フィルタ清掃時の静穏化を図ることができる。
【0092】
以上、本発明に係る空気調和機について、上記各実施の形態を用いて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれるものである。
【0093】
例えば、本実施の形態では室内機と室外機が分離されている空気調和機で説明したが、これらは一体のものであってもよい。
【0094】
また、塵埃排出装置20は、塵埃除去部材21が停止した時に駆動するようにしたが、これは塵埃除去部材21の摺動開始時点、あるいは摺動途中の任意の位置から駆動させるようにしてもよいものであり、このようにすることによってブラシ16からの塵埃を塵埃排出装置20の吸引力によっても掻き落とすことができるようになり、塵埃の掻き落とし効果を向上させることができて効果的である。
【産業上の利用可能性】
【0095】
以上のように、本発明にかかる空気調和機は、フィルタ清掃装置の塵埃排出を迅速かつ静かに行うことができるとともに、塵埃の回収漏れ等もなくして、空気調和機の品質及び信頼性を大きく向上させることができる。よって、一般家庭で使用される空気調和機をはじめ様々な空気調和機に適用できる。
【符号の説明】
【0096】
1 室内機
2 本体
2a 前面開口部
2b 上面開口部
3 前面パネル
4 熱交換器
5 ファン
6 吹出口
7 上下風向変更羽根
8 左右風向変更羽根
9 通風路
10 エアフィルタ
11 フィルタ保持台
11a 第1保持空間
11b 第2保持空間
12 フィルタ搬送装置
13 シャフト
14 ギヤ
15 ガイド部材
16 ブラシ
16a ブラシ端部
17 ブラシ保持台
18 塵埃収納部
18a 連通口A
18b 連通口B
20 塵埃排出装置
21 塵埃除去部材
21a 塵埃掻き落とし部
21b 塵埃掻き寄せ部
21bb 塵埃掻き寄せ面部
21c 突出壁部
21d 孔
21e 下り傾斜面
22 連結手段
23 空間部
23a 傾斜面
24 通路管A
24b 通路管B
26 気流通路部
27 通気孔
28 凹形状
29 開口
30 テーパ通路管