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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】高性能プライバシーガラス構造
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/06 20060101AFI20231020BHJP
   C03C 27/12 20060101ALI20231020BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20231020BHJP
   E06B 3/66 20060101ALI20231020BHJP
【FI】
C03C27/06 101Z
C03C27/12 N
B32B17/10
E06B3/66 E
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019557388
(86)(22)【出願日】2018-04-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 US2018028617
(87)【国際公開番号】W WO2018195458
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】62/487,791
(32)【優先日】2017-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504076839
【氏名又は名称】カーディナル アイジー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ル ウー
(72)【発明者】
【氏名】ハリ アトクリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー デミグリオ
(72)【発明者】
【氏名】エリック ビェアゴー
【審査官】和瀬田 芳正
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-114007(JP,A)
【文献】特開平06-095170(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0124284(US,A1)
【文献】特表2020-512252(JP,A)
【文献】特開平10-193517(JP,A)
【文献】特開平07-149548(JP,A)
【文献】登録実用新案第3184348(JP,U)
【文献】特開2014-218422(JP,A)
【文献】特開2011-178608(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104402247(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 27/00 - 29/00
E06B 3/66
E06B 9/24
B32B 17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライバシーガラス構造であって、
第1の透明材料の窓ガラスと、
前記第1の透明材料の窓ガラスと略平行である第2の透明材料の窓ガラスと、
窓ガラス間の空間を画定するために、前記第1の透明材料の窓ガラスと前記第2の透明材料の窓ガラスとの間に位置付けられたスペーサであって、周囲環境とのガス交換から前記窓ガラス間の空間を封止し、かつ前記第1の透明材料の窓ガラスを前記第2の透明材料の窓ガラスからある分離距離に保持する、スペーサと、
前記第1の透明材料の窓ガラスおよび前記第2の透明材料の窓ガラスと略平行である第3の透明材料の窓ガラスと、
前記第3の透明材料の窓ガラスと略平行である第4の透明材料の窓ガラスと、
前記第3の透明材料の窓ガラスと前記第4の透明材料の窓ガラスとの間に位置付けられた電気的に制御可能な光学活性材料であって、電場の印加に応答して変動する光透過率を有する液晶材料である、電気的に制御可能な光学活性材料と、
前記第2の透明材料の窓ガラスを前記第3の透明材料の窓ガラスに接着している第1のラミネート層であって、普通であれば前記電気的に制御可能な光学活性材料に影響を与えるはずの紫外線光に対するバリアを提供する、第1のラミネート層と、
第5の透明材料の窓ガラスと、
前記第4の透明材料の窓ガラスを前記第5の透明材料の窓ガラスに接着している、第2のラミネート層と、
前記第1の透明材料の窓ガラス、および前記窓ガラス間の空間に面する前記第2の透明材料の窓ガラスのうちの少なくとも1つの内面の低放射率コーティングと、を備え、
前記第1の透明材料の窓ガラスは2mm~6mmの範囲の厚さを有し、前記第2、第3、第4、および第5の透明材料の窓ガラスはそれぞれ1.8mm~3.5mmの範囲の厚さを有し、
前記第1の透明材料の窓ガラスが、前記第2の透明材料の窓ガラス、前記第3の透明材料の窓ガラス、および前記第4の透明材料の窓ガラスの各々の厚さよりも厚い厚さを有する、プライバシーガラス構造。
【請求項2】
前記ラミネート層が、75パーセント未満のT395を呈する、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記第1の透明材料の窓ガラスが、テンパーガラスであり、前記第2の、第3の、および第4の透明材料の窓ガラスが、それぞれ熱強化されていないガラスで形成される、請求項1または2に記載の構造。
【請求項4】
前記第1のラミネート層が、0.010インチ(0.254mm)~0.1インチ(2.54mm)の範囲の厚さを有するポリビニルブチラールを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の構造。
【請求項5】
前記構造が、前記第1の透明材料の窓ガラス、前記第2の透明材料の窓ガラス、前記第3の透明材料の窓ガラス、前記第1のラミネート層、および前記低放射率コーティングの組み合わせを通して、5パーセント未満のT395を呈する、請求項1~4のいずれか一項に記載の構造。
【請求項6】
前記第1の透明材料の窓ガラスが、外部環境に面するように構成された前記構造の#1表面を形成し、前記低放射率コーティングが、前記第1の透明材料の窓ガラスの前記内面にある、請求項1~5のいずれか一項に記載の構造。
【請求項7】
前記第1の透明材料の窓ガラス、前記第2の透明材料の窓ガラス、および前記第3の透明材料の窓ガラスのうちの少なくとも1つが、前記第4の透明材料の窓ガラスの厚さよりも厚い厚さを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の構造。
【請求項8】
前記第1のラミネート層が、第1の厚さを画定し、前記第2のラミネート層が、第2の厚さを画定し、前記第1の厚さが、前記第2の厚さと異なる、請求項1~のいずれか一項に記載の構造。
【請求項9】
前記第1の厚さを前記第2の厚さで除算した比が、2~10の範囲である、請求項に記載の構造。
【請求項10】
前記第1の厚さが、0.025インチ(0.635mm)~0.1インチ(2.54mm)の範囲であり、前記第2の厚さが、0.005インチ(0.127mm)~0.02インチ(5.08mm)の範囲である、請求項またはに記載の構造。
【請求項11】
前記第1のラミネートおよび前記第2のラミネートが、それぞれ同じ材料で形成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の構造。
【請求項12】
前記構造が、順番に、
前記第1の透明材料の窓ガラスと、
前記第1の透明材料の窓ガラスの前記内面に堆積させた前記低放射率コーティングと、
前記窓ガラス間の空間と、
前記第2の透明材料の窓ガラスと、
前記第1のラミネート層と、
前記第3の透明材料の窓ガラスと、
前記第3の透明材料の窓ガラスに堆積させた第1の導電層と、
前記電気的に制御可能な光学活性材料と、
前記第4の透明材料の窓ガラスに堆積させた第2の導電層と、
前記第4の透明材料の窓ガラスと、を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の構造。
【請求項13】
前記構造内の透明材料の窓ガラスの各々が、ガラスで形成される、請求項1~12のいずれか一項に記載の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年4月20日に出願された米国特許出願第62/487,791号に対する優先権を主張するものであり、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は光学構造、より具体的には制御可能な光学活性材料を含むガラス構造に関する。
【背景技術】
【0003】
制御可能な光変調を有する窓、ドア、パーティション、および他の構造が、市場で人気を集めている。これらの構造は、ユーザが構造を通して見ることができる透明状態から、構造を通して見ることを抑制するプライベート状態に変換するそれらの能力のために、一般に「スマート」構造または「プライバシー」構造と称される。例えば、プライバシーの制御および視覚的な暗色化を提供するために、スマートウィンドウは高級自動車および家庭で使用されており、スマートパーティションはオフィス空間の壁として使用されている。
【0004】
スマート構造には、光透過性の制御を提供するために種々の異なる技術を使用することができる。例えば、エレクトロクロミック技術、フォトクロミック技術、サーモクロミック技術、懸濁粒子技術、および液晶技術はすべて、制御可能なプライバシーを提供するために異なるスマート構造用途で使用されている。これらの技術は、概して、透明状態からプライバシー状態へ、またはその逆に変換するために、電気などのエネルギー源を使用する。
【0005】
安全性、性能、および信頼性は、制御可能なプライバシー構造などの新しい技術プラットフォームを評価するときに最終的な市場消費者が求める、重要な属性である。これは、特に、しばしば数十年持続する寿命があることが期待される、窓およびドアなどの制御可能な光学特性を有するガラス構造に当てはまる。消費者は、制御可能な構造の追加的な感受性構成要素および複雑さにも関わらず、制御可能な光学特性を有する窓またはドア構造が、従来の窓またはドアと同様の寿命および耐久性を示すことを期待し得る。
【発明の概要】
【0006】
概して、本開示は、制御可能なプライバシーを提供する光学活性材料を組み込んだプライバシーガラス構造を対象とする。プライバシー構造という用語は、プライバシーセル、プライバシーガラス構造、スマートセル、スマートガラス構造、および制御可能な光学活性、したがって構造を通した視認性を提供する関連装置を含む。かかる構造は、制御可能な暗色化、制御可能な光散乱、または制御可能な暗色化および制御可能な光散乱の両方を提供する切り替え可能な光学活性を提供することができる。制御可能な暗色化とは、光学活性材料に印加される外部エネルギー源を制御することによって、高可視光透過状態(明色状態)、低可視光透過の暗色状態、および任意にその間の中間状態の間、ならびにその逆に移行する、光学活性材料の能力を指す。制御可能な光散乱とは、外部エネルギー源を制御することによって、低可視ヘイズ状態、高可視ヘイズ状態、および任意にその間の中間状態の間、ならびにその逆に移行する、光学活性材料の能力を指す。したがって、本開示における「プライバシー」および「プライバシー状態」という用語への言及は、(別段の記載がない限り)必ずしも構造を通して完全に視認性を不明瞭にすることを必要としない。むしろ、例えば、使用される光学活性材料の種類および光学活性材料に印加される外部エネルギー源の条件に応じて、異なる程度のプライバシーまたは構造を通して不明瞭にすることが達成され得る。さらに、製品によって提供されるプライバシーの程度は、内部および/または外部の光条件をプライバシー構造の両側に適用することによって、さらに影響を受ける場合がある。
【0007】
本開示によるプライバシーガラス構造は、窓、ドア、天窓、内部パーティション、さらには制御可能な可視透過率が望まれる他の構造の形態で実装することができる。いずれの場合においても、プライバシーガラス構造は、窓ガラス間の空間を画定し、構造の視界内の光学活性材料を境界するように配設された透明材料の複数の窓ガラスから製造することができる。窓ガラス間の空間は、ガラス構造を横断する熱伝達を低減させるために、排気および/または断熱ガスを充填することができる。光学活性材料は、構造を通した制御可能な光の透過を提供するために、例えば、ガラス構造およびその中の光学活性材料に通信的に結合された電気ドライバを介して制御可能とすることができる。
【0008】
下でさらに詳細に説明するように、プライバシーガラス構造は、その寿命を通した構造の安全性、性能、および/または信頼性を高めるために、様々な異なる構成要素構成、層、および特徴を有することができる。いくつかの例において、ガラス構造は、安全性および/または耐衝撃性を付与し、一方で、構造全体のサイズプロファイルを典型的な住宅または市販の窓および/もしくはドアの開口部に適した組み合わせ厚さに管理するように構成される。例えば、ガラス構造は、1つ以上のラミネート層を含むことができ、いずれかが、光学活性材料を含む窓ガラス間の空間の片側にあり、ならびに/または外力からの安全性および/若しくは耐衝撃性を付与する窓ガラス間の空間の反対側にある。ガラス構造の1つ以上のラミネート層および様々な異なる窓ガラスの厚さは、必要な構造的剛性を提供し、一方で、構造のサイズプロファイルを適切な全厚さに維持するように制御することができる。
【0009】
例えば、いくつかの例において、光学活性材料は、ラミネート層によって接合された2つの透明材料の窓ガラスでそれぞれ形成された、対向するラミネート窓ガラスの間に挟まれる。したがって、挟まれた構造は、それぞれ2つのラミネート層によって分離された4つの透明材料の窓ガラスと、1つの光学活性材料の層と、を有することができる。4つの透明材料の窓ガラスのうちの1つは、第5の透明材料の窓ガラスに取り付けられたスペーサによって境界された窓ガラス間の空間の内面を形成することができる。スペーサの片側の4つの透明材料の窓ガラスは、それぞれ第5の窓ガラスの厚さよりも薄い厚さを有することができる。追加的または代替的に、ガラス構造に組み込まれた2つのラミネート層は、一方の層が他方の層よりも厚くなるように、非対称の厚さを有することができる。例えば、ガラス構造は、内面よりも外面の近くに位置付けられた外向きのラミネート層および外面よりも内面の近くに位置付けられた内向きのラミネート層を用いて構成し、2つのラミネート層の間に光学活性材料を位置付けることができる。外向きのラミネート層は、内向きの層の厚さよりも厚い厚さを有することができる。どちらのラミネート層も、その寿命にわたって光学活性層を劣化させる傾向を有するUV放射線を遮断することができる。
【0010】
ラミネート層の厚さの非対称構成は、より厚いラミネート層を、UV放射線が最も強い外部環境に面する光学活性材料側に位置付け、より薄いラミネート層を、UV放射線がより少ない内部環境に面して位置付けることができる。この構成は、ガラス構造のサイズプロファイルを制御しながら、異なるラミネート層の放射線遮蔽効果のバランスをとることができる。ラミネート層は、追加的または代替的に、光学活性材料を境界する透明材料の窓ガラスに耐破砕性を付与し、ガラス構造の安全性および/または耐衝撃性の評価を保証することを可能にする。
【0011】
本開示によるプライバシーガラス構造は、様々な異なる構成を有することができるが、いくつかの例において、ガラス構造は、窓ガラス間の空間に面する窓ガラスのうちの少なくとも1つの内面に、低放射率コーティングを含む。低放射率コーティングは、紫外線スペクトルの範囲内の光の波長を遮断するのを補助し、それによって、光学活性材料に当たるUV放射線による劣化を軽減することができる。低放射率コーティングは、ラミネート層と相乗的に機能して、いずれかの層によって個別に提供されるUV遮断よりも大きい、強化されたUV遮断を提供することができる。したがって、これは、ガラス構造上に配置される総厚さの限度に対して許容可能なUV遮断能力を超える強化されたUV遮断能力のためにラミネート層の厚さを増加させる必要性を回避する、調整されたUV遮断配設を提供することができる。
【0012】
一例では、第1の透明材料の窓ガラスと、第1の透明材料の窓ガラスと略平行である第2の透明材料の窓ガラスと、第1の透明材料の窓ガラスと第2の透明材料の窓ガラスとの間に位置付けられて窓ガラス間の空間を画定するスペーサと、を含む、プライバシーガラス構造が説明されている。この例は、スペーサが、周囲環境とのガス交換から窓ガラス間の空間を封止し、かつ第1の透明材料の窓ガラスを第2の透明材料の窓ガラスからある分離距離に保持することを明記している。この例のプライバシーガラス構造はまた、第1の透明材料の窓ガラスおよび第2の透明材料の窓ガラスと略平行である第3の透明材料の窓ガラスと、第3の透明材料の窓ガラスと略平行である第4の透明材料の窓ガラスと、も含む。この構造はまた、第3の透明材料の窓ガラスと第4の透明材料との窓ガラスの間に位置付けられた電気的に制御可能な光学活性材料と、第2の透明材料の窓ガラスを第3の透明材料の窓ガラスに接着しているラミネート層と、も含む。この例は、ラミネート層が、別の場合であれば電気的に制御可能な光学活性材料に当たる紫外線光に対するバリアを提供することを明記している。この例のガラス構造はまた、第1の透明材料の窓ガラス、および窓ガラス間の空間に面する第2の透明材料の窓ガラスのうちの少なくとも1つの内面の低放射率コーティングも含む。
【0013】
別の例では、第1の、第2の、第3の、第4の、および第5の窓ガラスを含むプライバシーガラス構造が説明されている。この構造は、窓ガラス間の空間を画定するために、第1の窓ガラスとガラスの第2の窓ガラスとの間に位置付けられたスペーサを含む。スペーサは、周囲環境とのガス交換から窓ガラス間の空間を封止し、第1の窓ガラスを第2の窓ガラスからある分離距離に保持する。この例の構造はまた、第3の窓ガラスと第4の窓ガラスとの間に位置付けられた液晶材料と、第2の窓ガラスを第3の窓ガラスに接着している第1のラミネート層と、および第4の窓ガラスを第5の窓ガラスに接着している第2のラミネート層と、も含む。この例は、第1の窓ガラスが、テンパーガラスであり、一方で、第2の、第3の、第4の、および第5の窓ガラスが、それぞれ熱強化されていないガラスで形成されていることを明記している。
【0014】
1つ以上の例の詳細を添付の図面および以下の説明において記載する。他の特徴、目的、および利点は、明細書および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】例示的なプライバシーガラス構造構成の側面図である。
図2】別の例示的なプライバシーガラス構造構成の側面図である。
図3】別の例示的なプライバシーガラス構造構成の側面図である。
図4】別の例示的なプライバシーガラス構造構成の側面図である。
図5】別の例示的なプライバシーガラス構造構成の側面図である。
図6】別の例示的なプライバシーガラス構造構成の側面図である。
図7】ラミネート基板に組み込まれた異なる例示的なラミネート層材料の波長の関数としての光透過率のプロットである。
図8】低放射率コーティングをさらに含むラミネート基材に組み込まれた異なる例示的なラミネート材料の波長の関数としての光透過率のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
概して、本開示は、1つ以上のラミネート基板によって境界された制御可能な光学活性材料を含む、プライバシーガラス構造に関する。各ラミネート基板は、ラミネート材料の層と一緒に接合された2つの透明材料の窓ガラスから形成することができる。ラミネート材料は、ラミネート基板に付与する強度および耐破砕性、ラミネート基板に付与する遮光/吸光特性、および/または他の性能特性に従って選択することができる。いくつかの例において、光学活性材料は、ラミネート基板によって片側が境界され、また、ラミネート層がその表面に被覆されていない単一の透明材料の窓ガラスによって反対側が境界される。他の例において、光学活性材料は、ラミネート基板によって両側が境界される。いずれの場合も、ラミネート基板の一部として光学活性材料を直接的または間接的に境界する窓ガラスの1つの表面は、窓ガラス間の空間の内面を形成することができる。窓ガラス間の空間の反対側の内面は、スペーサを介して並列の配列で接合された窓ガラスによって形成することができる。光学活性材料を境界する窓ガラス間の空間の反対側の窓ガラスは、ラミネート基板の一部であってもなくてもよい。いずれの場合も、窓ガラス間の空間は、窓ガラス間の空間を横断する熱伝達を低減させるために、評価および/または断熱ガスを充填することができる。
【0017】
いくつかの例において、ガラス構造の1つ以上の窓ガラス表面は、ガラス構造の性能を向上させるために、コーティングを担持することができる。例えば、ガラス構造の片面または両面は、紫外線および赤外線の光の量を低減させ、一方で、可視光が実質的に変化しない窓ガラスを通過することを可能にする、低放射率コーティングを担持することができる。低放射率コーティングは、特にガラス構造の1つ以上のラミネート層と組み合わせて、経時的に光学活性材料を劣化させる傾向を有する光の波長を減衰させるのに効果的であり得る。例えば、光学活性材料は、ガラス構造を通した制御可能な可視透過率を提供するために、液晶を点在させたポリマー分子を含むことができる。光学活性材料に当たる紫外線光には、減衰しない限り、デバイスの寿命にわたって光学活性材料内のポリマー分子を分解する傾向があり得る。したがって、紫外線スペクトルの光の波長を反射するコーティングを、単独で有する、またはコーティングを通過する紫外線スペクトルの光を吸収することができるラミネート層と組み合わせて有するガラス構造を構成することで、デバイスの寿命を向上させるのを補助することができる。
【0018】
ガラス構造の光減衰特性とは関係なく、異なるガラス構造の窓ガラスを配設し、安全性および/または耐衝撃性を構造に提供するように構成することができる。これは、プライバシーガラス構造を、雹、暴風、または他の厳しい影響を与える天候経験する地域などの、周期的な衝撃力を受ける用途において展開することを可能にする。
【0019】
図1は、窓ガラス間の空間20を画定するためにスペーサ18によって第2の透明材料の窓ガラス16から離間された第1の透明材料の窓ガラス14を含む、例示的なプライバシーガラス構造12の側面図である。スペーサ18は、周囲環境とのガス交換から窓ガラス間の空間20を気密封止するために、プライバシーガラス構造12の周囲周辺全体に延在し得る。例示される実施例において、プライバシーガラス構造はまた、第3の透明材料の窓ガラス24と第4の透明材料の窓ガラス26との間に位置付けられた光学活性材料の層22も含む。ラミネート層28は、第2の透明材料の窓ガラス16を第3の透明材料の窓ガラスに接着して、第2の窓ガラスの透明材料16、第3の窓ガラス24、およびラミネート層28から成る複合ラミネート基板を形成する。
【0020】
プライバシーガラス構造12は、光学活性材料22の層として任意の好適なプライバシー材料を利用することができる。さらに、光学活性材料22は単層の材料として概して図示および説明されているが、本開示に従った構造が、同じまたは変動する厚さを有する1つ以上の光学活性材料の層を有することができることが理解されるべきである。概して、光学活性材料22は、制御可能かつ可逆的に光学的に不明瞭にすること、および軽量化を提供するように構成される。光学活性材料22は、光、熱、または電気などのエネルギー入力に応答して可視透過率を変化させることができる。例えば、光学活性材料22は、材料に印加される電気エネルギーの変化に応答して直接可視透過率を変化させる、電子的に制御可能な光学活性材料であり得る。
【0021】
一例では、光学活性材料22は、材料に印加される電圧変化に応答して不透明度、したがって光透過特性を変化させるエレクトロクロミック材料で形成される。エレクトロクロミック材料の典型的な例は、WOおよびMoOであり、これらは、薄層で基材に適用されると通常無色である。エレクトロクロミック層は、酸化または還元プロセスによってその光学特性を変化させることができる。例えば、酸化タングステンの場合、プロトンは、電圧の変化に応答してエレクトロクロミック層内を移動し、酸化タングステンを青色タングステンブロンズに還元することができる。着色強度は、層に印加される電荷の大きさによって変動する。
【0022】
別の例では、光学活性材料22は、液晶材料で形成される。光学活性材料22として使用することができる異なる種類の液晶材料としては、ポリマー分散型液晶(PDLC)材料およびポリマー安定化コレステリックテクスチャー(PSCT)材料が挙げられる。ポリマー分散型液晶は、通常、電極間に挟まれたある量のポリマーを含有する均質な液晶からのネマチック液晶の相分離に関与する。電極は、対向する基材(例えば、第3の窓ガラス24および第4の窓ガラス26)を透明導電材料で被覆することによって形成することができる。電場がオフのとき、液晶は、ランダムに散乱している。これは、材料を通して液晶に入る光を散乱させ、透過した光を拡散させる。2つの電極間に特定の電圧が印加されると、液晶は、ホメオトロピックに整列することができ、液晶は、光透過性が増加し、光が結晶を透過することを可能にする。
【0023】
ポリマー安定化コレステリックテクスチャー(PSCT)材料の場合、材料は、ノーマルモードポリマー安定化コレステリックテクスチャー材料またはリバースモードポリマー安定化コレステリックテクスチャー材料のいずれかであり得る。ノーマルポリマー安定化コレステリックテクスチャー材料では、材料に電場が印加されていないときに光が散乱される。電場が液晶に印加される場合、ホメオトロピック状態になり、液晶に電場の方向で平行な再配向を引き起こす。これにより、液晶の光透過性の増加を引き起こし、光が液晶層を透過することを可能にする。リバースモードポリマー安定化コレステリックテクスチャー材料では、液晶は電場の不在下(例えばゼロ電場)では透明であるが、電場の適用時には光散乱する。
【0024】
光学活性材料22の層が液晶を使用して実装される一例では、光学活性材料は、液晶と二色性染料とを含み、ゲスト-ホスト液晶モードの動作を提供する。そのように構成されていると、二色性色素は、液晶ホスト内でゲスト化合物として機能することができる。二色性染料は、染料分子の配向が液晶分子の配向に追従するように選択することができる。いくつかの例では、電場が光学活性材料に印加されると、染料分子の短軸にはほとんど吸収がなく、電場が光学活性材料から除去されると、染料分子は長軸で吸収する。その結果、二色性染料分子は、光学活性材料が散乱状態に移行されると光を吸収することができる。そのように構成されていると、光学活性材料が材料に当たる光を吸収して、プライバシーガラス構造12の片側にいる観察者が構造の反対側で起こっている活動を明確に観察することを防止することができる。
【0025】
光学活性材料22が液晶を使用して実装されるとき、光学活性材料はポリマーマトリックス内に液晶分子を含み得る。ポリマーマトリックスは硬化してもしなくてもよく、液晶分子を取り囲むポリマーの固体媒体または液体媒体を生じる。加えて、いくつかの例において、光学活性材料22は、第3の透明材料の窓ガラス24と第4の透明材料の窓ガラス26との間の分離を維持するために、例えば3マイクロメートル~40マイクロメートルの範囲の平均直径を有する、スペーサビーズ(例えば、微小球体)を含むことができる。
【0026】
光学活性材料22の層が液晶材料を使用して実装される別の例では、液晶材料は、プライバシー状態に移行したときに曇る。かかる材料は、材料に当たる光を散乱して、プライバシーガラス構造12の片側にいる観察者が構造の反対側で起こっている活動を明確に観察することを防止することができる。かかる材料は、光透過状態にあるときと比較して、プライバシー状態にあるときに、最小限にのみ総可視透過率を低減しながら、材料を通る可視正透過率(可視直接透過率とも称され得る)を顕著に低減することができる。これらの材料を使用すると、材料を透過する散乱可視光の量は、光透過状態と比較してプライバシー状態で増加し、材料を通る可視正透過率の低減を補う。可視正透過率または直接透過率は、光学活性材料22を通って散乱または方向転換されない透過可視光と見なしてもよい。
【0027】
光学活性材料22の層として使用することができる別の種類の材料は、懸濁粒子材料である。懸濁粒子材料は、典型的には非活性化状態では暗色または不透明であるが、電圧が印加されると透明になる。光学活性材料22として使用することができる材料のなお他の例としては、温度の変化に応答して可視透過率を変化させるサーモクロミック材料および光量の変化に応答して可視透過率を変化させるフォトクロミック材料が挙げられる。
【0028】
光学活性材料22の層に使用される材料(複数可)の特定の種類とは無関係に、材料は、プライバシーガラス構造12が透明であることを目的とする光透過状態から、絶縁ガラスユニットを通した視認性を低減することを目的とするプライバシー状態へと変化することができる。光学活性材料22は、最大光透過状態から最大プライバシー状態へ移行するときに漸進的に減少する可視直接透過率を呈し得る。同様に、光学活性材料22は、最大プライバシー状態から最大透過状態へ移行するときに漸進的に増加する可視直接透過率を呈し得る。光学活性材料22が概して透明な透過状態から概して不透明なプライバシー状態に移行する速度は、光学活性材料22用に選択される特定の種類の材料、材料の温度、材料に印加される電圧などを含む種々の要因によって影響され得る。
【0029】
光学活性材料22に使用される材料の種類に応じて、材料は制御可能な暗色化を呈することができる。上記のように、制御可能な暗色化とは、光学活性材料に印加される外部エネルギー源を制御することによって、高可視光透過状態(明色状態)、低可視光透過の暗色状態、および任意にその間の中間状態の間、ならびにその逆に移行する、光学活性材料の能力を指す。光学活性材料22がそのように構成されていると、光学活性材料22が60%超などの高可視透過状態の明色状態に移行するとき、(例えば、光学活性材料を境界し、セルを形成する他の基材および/またはラミネート層に加えて)光学活性材料22を含むセルを通る可視透過率は、40%超であり得る。対照的に、光学活性材料22が1%未満などの低可視光透過の暗色状態に移行するとき、セルを通る可視透過率は、5パーセント未満であり得る。可視線透過率は、ASTM D1003-13に従って測定することができる。
【0030】
追加的または代替的に、光学活性材料22は、制御可能な光散乱を呈することができる。上述のように、制御可能な光散乱とは、外部エネルギー源を制御することによって、低可視ヘイズ状態、高可視ヘイズ状態、および任意にその間の中間状態の間、ならびにその逆に移行する、光学活性材料の能力を指す。光学活性材料22がそのように構成されていると、光学活性材料22が2%未満などの低可視ヘイズ状態に移行するとき、光学活性材料22を含むセルを通る透過ヘイズは、10%未満であり得る。対照的に、95%超の透過ヘイズおよび30%未満の透明度値など、光学活性材料22が高可視ヘイズ状態に移行し、50%未満の透明度値を有すると、セルを通る透過ヘイズは、85%超であり得る。透過ヘイズは、ASTM D1003-13に従って測定することができる。透明度は、BYK-GARDNER GMBHから市販のBYK Gardener Haze-Gardメーターを使用して測定することができる。
【0031】
光学活性材料22が(例えば、散乱状態と光透過段階との間を移行するように)電気的に制御可能である用途では、光学活性材料を境界する透明材料の窓ガラス24、26の一方または両方が電極を担持することができる。電極は、光学活性材料22に面するそれぞれの窓ガラスの表面に堆積させた導電性コーティングの形態とすることができる。図1は、第1の導電性コーティング30でコーティングされた第3の透明材料の窓ガラス24、および第2の導電性コーティング32でコーティングされた第4の透明材料の窓ガラス26を示す。各導電性コーティングは、アルミニウムドープ酸化亜鉛および/または酸化スズドープインジウムなどの透明導電性酸化物(「TCO」)コーティングとすることができる。透明導電性酸化物コーティングは、光学活性材料22を取り囲むシーラントを通って延在する導電体を通して電源に電気的に接続することができる。いくつかの例において、透明導電性コーティングは、第3の透明材料の窓ガラス24と、光学活性材料22が接触する第4の透明材料の窓ガラス26との間に空洞壁面を形成する。他の例では、誘電オーバーコート(例えば、酸窒化シリコン)などの1つ以上の他のコーティングを、透明導電性コーティング30、32の上に重ねることができる。
【0032】
例えば、光学活性材料を境界する透明材料の窓ガラス24、26の一方または両方が、光学活性材料22を境界し、そこに接触する配向層を有することができる。配向層は、電極層、下地の透明誘電ブロッキング層(例えば、酸化シリコーン)、および/または透明誘電オーバーコートなどの、窓ガラスによって担持される任意の下地の層の上に堆積させることができる。配向層は、例えば、光学活性材料22と光学活性材料に接触する窓ガラスの表面との間の表面エネルギーおよび/または表面相互作用を変化させることによって、ムラ(染み)欠陥を低減させる、または除去するのを補助することができる。一例において、配向層は、(例えば、ポリイミドを含むコーティングで表面をコーティングすることによって形成される)ポリイミドを含む層によって実装される。ポリイミド層は、層の特性および対応する光学活性層22との相互作用を修正するために、ラビングしてもしなくてもよい。
【0033】
図1の実施例のプライバシーガラス構造12は、4つの透明材料の窓ガラス、すなわち、第1の透明材料の窓ガラス14と、第2の透明材料の窓ガラス16と、第3の透明材料の窓ガラス24と、第4の透明材料の窓ガラス26と、を有する。各透明材料の窓ガラスは、同じ材料から形成することができ、または透明材料の窓ガラスの少なくとも1つを、透明材料の窓ガラスの少なくとも1つの他方と異なる材料で形成することができる。いくつかの例において、少なくとも1つの(および任意にすべての)プライバシーガラス構造12の窓ガラスは、ガラスで形成される。他の例において、少なくとも1つの(および任意にすべての)プライバシーガラス構造12は、例えばフルオロカーボンプラスチック、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはポリエステルなどの、プラスチックで形成される。ガラスが使用されるとき、ガラスは、ホウケイ酸アルミニウムガラス、ナトリウム-石灰(例えば、ナトリウム-石灰-ケイ酸塩)ガラス、または別の種類のガラスであってもよい。加えて、用途に応じて、ガラスは透明であってもよいか、またはガラスは着色されていてもよい。ガラスは異なる技術を使用して製造することができるが、いくつかの例では、ガラスは、溶融ガラスを溶融した錫のバス上に堆積してガラスを成形および固化するフロートバスラインで製造される。かかる例示的なガラスは、フロートガラスと称され得る。
【0034】
図1の例において、ラミネート層28は、光学活性材料22と、プライバシーガラス構造12が暴露され得る外部環境との間に位置付けられ、例えば第1の透明材料の窓ガラス14が降水と周期的に接触する。いくつかの例において、ラミネート層28は、別の場合であれば光学活性材料22を劣化させる傾向がある、窓ガラス間の空間20を通過する太陽放射を減衰させるように構成される。例えば、ラミネート層28は、紫外線スペクトル内の光を減衰させる(例えば、遮断する、吸収する)ように構成することができる。ラミネート層28によって減衰されたUVスペクトル内の光の量は、ラミネート層の組成およびラミネート層の厚さに応じて変動し得る。
【0035】
いくつかの例において、ラミネート層28は、少なくとも30パーセントなどの、UVスペクトル内の光(例えば、約10nm~約400nm)の少なくとも25パーセントを減衰させて、またはラミネート層の片側に当たるUVスペクトル内の光の少なくとも50パーセントを減衰させて、光がラミネート層の反対側に通過するのを防止するのに効果的である。例えば、ラミネート層28による紫外線光の透過率は、T395パラメータと称される、395ナノメートルでの透過率によって特徴付けることができる。ラミネート層28は、75パーセント未満、55パーセント未満、40パーセント未満、30パーセント未満、または20パーセント未満の値などの、低T395値を呈し得る。
【0036】
異なる例において、ラミネート層28は、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、DuPont(登録商標)から入手可能なSentryGlas(登録商標)材料などのイオノマー膜、またはさらに他の適切なポリマー材料で形成することができる。ラミネート層28は、0.01インチ(0.254mm)~0.1インチ(2.54mm)または0.015インチ(0.381mm)~0.09インチ(2.286mm)などの、0.005インチ(0.127mm)~0.25インチ(6.35mm)の範囲の厚さを有することができる。いくつかの例において、ラミネート層28は、0.03インチ(0.762mm)超、かつ0.1インチ未満(2.54mm)の厚さを有する。他の例において、ラミネート層28は、0.01インチ(0.254mm)超、かつ0.04インチ未満(1.08mm)の厚さを有する。いくつかの例において、ラミネート層28は、0.03インチ(0.762mm)以上などの、0.015インチ(0.381mm)以上の厚さを有することができる。
【0037】
プライバシーガラス構造12を通して十分な視覚的透明度を提供するために、ラミネート層28は、視覚的に明白で、かつ最終消費者によって望まれない黄色い色相または外観を呈しない色に選択することができる。換言すれば、ラミネート層28は、中性色の外観を有するように選択することができる。ラミネート層28の色は、よく知られている色座標「a」および「b」を使用して特徴付けることができる。特に、これらの色座標は、本明細書で、a*およびb*のような上付きの「*」を使用して示される。色特性は、ASTM法E308で指定される手順に従って決定することができる。
【0038】
いくつかの例において、ラミネート層28は、4.5未満、4.0未満、3.5未満、または3.0未満などの、5未満のb*色座標値を特徴とする透過色を呈する。ラミネート層28は、ラミネート層および結果として生じるプライバシーガラス構造12が、特定の最終消費者によっていくつかのポリマーフィルム内に存在し、かつ最終消費者によって望まれない黄色い色または色相を呈しない、十分に低いb*値を有するように選択することができる。ラミネート層28は、ラミネート層が経時的な劣化を通して不所望に色を変化させないように、寿命の延長を通してこれらの色特性を維持することができる。例えば、ラミネート層28は、少なくとも10年使用した後、少なくとも20年使用した後などの、少なくとも5年使用した後に、前述の色特性を呈する。この使用期間は、プライバシーガラス構造12の製造日から測定することができる。
【0039】
ラミネート層28がプライバシーガラス構造12に耐衝撃性を付与することを意図する用途において、ラミネート層は、少なくとも0.075インチまたは0.08インチ~0.2インチなどの、少なくとも0.05インチの厚さを有することができる。ラミネート層28が耐衝撃性認定に必要とされ得るよりも低い安全性(例えば、耐破砕性)をプライバシーガラス構造12に付与することを意図する用途において、ラミネート層28は、0.01インチ~0.04インチまたは0.015インチ~0.03インチなどの、0.05インチ未満の厚さを有することができる。プライバシーガラス構造12が単一のラミネート層28を有する場合、安全性を提供するための層の厚さは、0.02インチ~0.04インチの範囲であり得る。プライバシーガラス構造12が複数のラミネート層を有する場合、安全性を提供するための個々の層の厚さは、0.01インチ~0.02インチの範囲内などの、より少なくすることができる。前述の厚さ値は例であり、個々の層の厚さは、用途および製品の目標性能特性に応じて変動し得る。
【0040】
例えば、プライバシーガラス構造12が耐衝撃性認定に対して設計されていない場合、ラミネート層28の厚さおよび特性は、層の光減衰特性などの他の性能特性によって決定付けられ得る。対照的に、プライバシーガラス構造12が耐衝撃性に対して構成されている場合、耐衝撃性に対する構造要件は、ラミネート層28の材料選択および/または厚さを制御するための更なる設計パラメータを提供し得る。いくつかの例において、プライバシーガラス構造12の構成要素および材料(例えば、ラミネート層28)は、ASTM E1886-13aおよびASTM E1996-14aの下で衝撃保護認定を達成するように構成され得る。いくつかのかかる例において、ラミネート層28の厚さは、0.075インチ~0.15または0.085インチ~0.12インチなどの、少なくとも0.075インチであるように選択される。したがって、図1に例示されるものを含む、本開示によるプライバシーガラス構造12は、ASTM E1886-13aおよびE1996-14aに準拠することができる。
【0041】
いくつかの例において、プライバシーガラス構造12を形成する透明材料の窓ガラスの厚さは、ラミネート層28の厚さよりも厚い。例えば、透明材料の窓ガラスの各々の厚さは、1mm~6mmなどの、0.5mm~8mmの範囲であり得る。いくつかの例において、第1の透明材料の窓ガラス14は、スペーサ18の反対側の窓ガラスのうちの少なくとも1つ(および任意にすべて)よりも厚い厚さを有する。例えば、第1の透明材料の窓ガラス14は、2mm~6mmの範囲の厚さを有し、第2の透明材料の窓ガラス16、第3の透明材料の窓ガラス24、および第4の透明材料の窓ガラス26は、0.5mm~4mmの範囲の厚さを有し得る。いくつかの例において、第1の透明材料の窓ガラス14の厚さは、2.5mm~3.5mmの範囲であり、一方で、第2の透明材料の窓ガラス16、第3の透明材料の窓ガラス24、および第4の透明材料の窓ガラス26の厚さは、1.5mm~2.5mmの範囲である。第1の透明材料の窓ガラス14が残りの窓ガラスよりも厚くなるように構成することは、第1の透明材料の窓ガラスが直接隣接する窓ガラスに接着されておらず、むしろ直接隣接する支持を伴わずに窓ガラス間の空間20に面するので、追加的な強度および構造剛性をプライバシーガラス構造12に提供するのに有用であり得る。
【0042】
プライバシーガラス構造12の窓ガラスのうちの1つ以上がガラスから製造されるとき、窓ガラスの1つ以上(および任意にすべての窓ガラス)は、熱強化したガラスから製造することができる。熱強化ガラスの一例は、テンパーガラスである。テンパーガラスは、概して、ガラスが応力緩和点温度(アニーリング温度と称され得る)に達するまでガラスユニットを加熱し、その後ガラスを急冷してガラス表面に圧縮応力を生じさせることによって製造される。テンパーガラスは、ASTM C1048-04に従って決定されるように、1平方インチ当たり10,000ポンド(psi)超の表面圧縮を呈し得る。熱強化ガラスの別の例は熱強化ガラスであり、これはテンパーガラスとアニールガラスとの間の強度を呈し得る。アニールガラスは、概して、ガラスが応力緩和点温度(アニーリング温度とも称され得る)に達するまでガラスを加熱し、その後ガラスをゆっくりと冷却して内部応力を緩和することによって製造される。いくつかの例では、熱強化ガラスは、ASTM C1048-04に従って決定されるように、およそ5,000psiの表面圧縮を呈する。
【0043】
一例では、第1の透明材料の窓ガラス14が(例えば、テンパー、熱強化、アニールされた)熱強化ガラスから製造され、一方で、プライバシーガラス構造12の他の窓ガラスのいずれも熱強化ガラスから製造されない。熱強化は、高められた圧縮強度を透明材料の窓ガラスに付与するのに有益である。しかしながら、熱強化は、ローラーウェーブ欠陥およびエッジキンクなどの表面変形を作り出す傾向があり得る。これらの表面変形は、光学活性材料22の厚さをプライバシーガラス構造12の表面全体にわたって不均一にし、構造の表面全体にわたる光学歪みを引き起こし得る。図1の実施例では、第1の透明材料の窓ガラス14が光学活性材料22と表面接触しておらず、代わりに窓ガラス間の空間20によって分離されているので、熱強化によって引き起こされる表面変形が光学活性材料22の分布に影響を与え得ない。光学活性材料22を境界するために熱強化ガラスの代わりに1つ以上のラミネート基板を利用することで、熱強化によって引き起こされる表面変形の影響を最小にしながら、十分な強度を提供することができる。それはそれとして、他の例では、第3の窓ガラス24および第4の窓ガラス26などの、光学活性材料22を境界する窓ガラスのうちの1つ以上(例えば、すべて)を、熱強化ガラスで形成することができる。
【0044】
いくつかの例において、プライバシーガラス構造12は、プライバシーガラス構造の性能、光学特性、および/または信頼性を高める、1つ以上の機能性コーティングを含む。プライバシーガラス構造に含まれ得る機能性コーティングの1つの種類は、低放射率コーティングである。概して、低放射率コーティングは、中赤外線および遠赤外線が窓ガラスを通過するのを実質的に防止しながら、近赤外線および可視光線が窓ガラスを通過することを可能にするように設計されたコーティングである。低放射率コーティングは、2層以上の透明誘電体フィルムの間に挿入された1層以上の赤外線反射フィルムを含み得る。赤外線反射フィルムは、銀、金、または銅のような導電性金属を含み得る。透明誘電体フィルムは、亜鉛、スズ、インジウム、ビスマス、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、ならびにこれらの合金および組み合わせ、および/または窒化ケイ素、および/または酸窒化シリコンの酸化物などの、1つ以上の金属酸化物を含むことができる。有利な低放射率コーティングとしては、米国Spring Green,WisconsinのCardinal CG Companyから市販されているLoE-180(商標)、LoE-272(商標)およびLoE-366(商標)コーティングが挙げられる。プライバシーガラス構造12に使用することができる低放射率コーティング構造に関する追加的な詳細は、US7,906,203に見出すことができ、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
異なる例において、低放射率コーティングは、透明誘電体フィルム層を介在させることによって分離された、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の赤外線反射フィルム層を含むことができる。一般に、低放射率コーティングの赤外線反射フィルム層が多いほど、コーティングは、紫外線スペクトル内の光などの、望ましくない波長の光をより良好に拒絶することがでる。いくつかの構成において、プライバシーガラス構造12は、2つまたは3つの赤外線反射フィルム層などの、少なくとも2つの赤外線反射フィルム層を有する低放射率コーティングを含む。各層は、少なくとも20ナノメートルの金属などの、少なくとも10ナノメートルの金属(例えば、金、銀)を含むことができる。多層の赤外線反射フィルムを有する低放射率コーティングを用いてプライバシーガラス構造12を構成することで、ラミネート層28との相乗的な利点を提供して、紫外線スペクトル内の光が光学活性材料22に達するのを減衰させることができる。
【0046】
プライバシーガラス構造12が低放射率コーティングを含むときに、コーティングは、ガラスユニットの任意の所望の表面に配置することができる。概して、プライバシーガラス構造12の表面は、外部(例えば、外側環境)に面しているガラスの表面から開始して順番に番号が付けられている。第1の透明材料の窓ガラス14が外部環境に暴露され、第4の透明材料の窓ガラス16が内部環境に暴露されるように、図1の実施例のプライバシーガラス構造12が位置付けられたときに、外部環境に暴露される第1の透明材料の窓ガラス14の表面は、#1表面と称することができ、一方で、窓ガラス間の空間20に面する窓ガラスの反対側の表面は、#2表面と称することができる。この実施例を続けると、窓ガラス間の空間20に面する第2の透明材料の窓ガラス16の表面は、#3表面と称することができ、一方で、ラミネート層28と接触している第2の透明材料の窓ガラスの反対側の表面は、#4表面と称することができる。窓ガラス表面の番号付けは、このようにして順番に続けることができる。
【0047】
低放射率コーティングが使用されるとき、低放射率コーティングは、断熱ガラスユニットの同じまたは異なる透明窓ガラスの複数の表面を含む、プライバシーガラス構造12の任意の透明窓ガラスの任意の表面に位置付けることができる。例えば、プライバシーガラス構造12が1つの低放射率コーティングを含むときの事例において、コーティングは、ユニットの#1表面、#2表面、または#3表面に位置付けることができる。例えば、図1は、ユニットの#2表面に堆積させた低放射率コーティング50を示し、これは、窓ガラス間の空間20に暴露される第1の透明材料の窓ガラス14の表面である。プライバシーガラス構造12が(同じまたは異なる構成であり得る)低放射率コーティングでコーティングされた2つの表面を含むいくつかの例において、低放射率コーティングは、#1表面および#2表面、#2表面および#3、ならびに#1および#3表面、他の所望の組み合わせの表面に位置付けることができる。
【0048】
外部環境からプライバシーガラス構造12の中へ通過する紫外線放射線は、外部環境と光学活性材料22との間に位置付けられた任意の層構造およびコーティングによって減衰させる(例えば、反射および/または吸収させる)ことができる。いくつかの例において、プライバシーガラス構造12を製造するために使用される材料およびコーティングは、プライバシーガラス構造12が、外部環境(および/または内部環境)から光学活性層22に対して、10未満のT395、5パーセント未満のT395、または3パーセント未満のT395などの、20パーセント未満のT395を呈するように選択される。プライバシーガラス構造12のT395特性は、1つ以上の低放射率コーティング50および/または1つ以上のラミネート層28の協調的な選択によって制御することができる。例えば、図1の実施例において、プライバシーガラス構造12は、第1の透明材料の窓ガラス14、低放射率コーティング50、第2の透明材料の窓ガラス16、ラミネート層28、および第3の透明材料の窓ガラス24を通して、10パーセント未満、5パーセント未満、または3パーセント未満のT395などの、20パーセント未満のT395を呈することができる。
【0049】
スペーサ18は、例えば窓ガラス間の空間とユニットを取り囲む環境との間のガス交換を抑制または排除するように、プライバシーガラス構造12の寿命にわたって対向する基材を離間関係に保持し、かつ対向する材料の窓ガラスの間の窓ガラス間の隙間20を封止する任意の構造とすることができる。スペーサ18として使用することができるスペーサの一例は、第1の透明材料の窓ガラス14と第2の透明材料の窓ガラス16との間に位置付けられた管状スペーサである。管状スペーサは、いくつかの例において乾燥剤を充填した、中空の内腔または管を画定することができる。管状スペーサは、(シーラントの第1のビードによって)第1の透明材料の窓ガラス14に接着された第1の側面と、(シーラントの第2のビードによって)第2の透明材料の窓ガラス16に接着された第2の側面と、を有することができる。管状スペーサの頂面は、窓ガラス間の空間20に暴露することができ、いくつかの例では、窓ガラス間の空間内のガスが、スペーサの内側の乾燥材料と連通することを可能にする開口部を含む。かかるスペーサは、アルミニウム、ステンレス鋼、熱可塑性物質、または任意の他の適切な材料から製造することができる。有利なガラススペーサは、米国Itasca,ILのAllmetal,Inc.から市販されている。
【0050】
スペーサ18として使用することができるスペーサの別の例は、シーラント組成物によって取り囲まれた波形金属補強シートから形成されたスペーサである。波形金属補強シートは、第1の透明材料の窓ガラス14を第2の透明材料の窓ガラス16から離して保持する、剛性構造用構成要素とすることができる。かかるスペーサは、商業環境において、しばしばスウィグルスペーサと称される。さらに別の例において、スペーサ18は、金属箔を伴う窓ガラス間の空間に面する側を除いてすべての側を取り囲んだ発泡材料から形成することができる。かかるスペーサは、Super Spacer(登録商標)の商品名で、Edgetechから市販されている。別の例として、スペーサ18は、第1の透明材料の窓ガラス14と第2の透明材料の窓ガラス16との間に主シーラント(例えば、接着剤)、続いて、任意に、基材と主シーラントとの間に画定された外周の周囲に塗布される副シーラントを位置付けることよって形成された、熱可塑性スペーサ(TPS)スペーサとすることができる。スペーサ18は、当業者によって理解されるように、他の構成を有することができる。
【0051】
プライバシーガラス構造12を横断する熱交換を最小にするために、窓ガラス間の空間20は、断熱ガスを充填することができ、さらにはガスを排気することができる。例えば、窓ガラス間の空間20は、アルゴン、クリプトン、またはキセノンなどの断熱ガスで充填されてもよい。かかる用途では、断熱ガスを乾燥空気と混合して、10パーセントの空気と90パーセントの絶縁性ガスなど、空気対断熱ガスの所望の比率を提供してもよい。他の例では、窓ガラス間の空間20は、窓ガラス間の空間がプライバシーガラス構造12を取り囲む環境の圧力と比較して減圧圧力であるように排気されてもよい。真空環境を作り出すために窓ガラス間の空間20が排気されたときに、ガラスユニットは、真空プライバシーガラスユニットと称することができる。
【0052】
窓ガラス間の空間20に暴露される第1および第2の透明材料の窓ガラスの表面間のスペーサ18によって提供される分離距離は、6mm~18mmなどの、5mm~20mmの範囲とすることができる。いくつかの例において、分離距離は、10mm未満である。他の例において、分離距離は、10mm~20mmの範囲である。本開示の範囲から逸脱することなく、他の適切な分離距離を使用することができる。
【0053】
図1の実施例に例示されていないが、例えば美的な理由で、追加の構成要素を窓ガラス間の空間20に組み込むことができる。いくつかの例において、プライバシーガラスユニットを複数の材料の窓ガラスに分けるために、ガラスバーとも称され得る、組子バーを窓ガラス間の空間20に含むことができる。
【0054】
上で述べたように、本開示によるプライバシーガラス構造は、様々な異なる構成を有することができる。図2は、プライバシーガラス構造12の別の例示的な構成の側面図であり、同様の参照符号は、図1に関して上で論じた同様の要素を指す。プライバシーガラス構造12は、図1に関して上で論じた特徴、層、構成要素の厚、および設計要素のうちのいずれかを有することができる。
【0055】
図2のプライバシーガラス構造12は、図1と同じ一般的レイアウトを有するように示されているが、第2のラミネート層28B(図2において28Aと示されている第1のラミネート層)で第4の透明材料の窓ガラス26に接着された第5の透明材料の窓ガラス34をさらに含む。第5の透明材料の窓ガラス34および第2のラミネート層28Bの追加は、図2のプライバシーガラス構造12を、安全ガラス要件を満たすものとして保証することを補助することができる。第5の透明材料の窓ガラス34および第2のラミネート層28Bは、追加的な構造的剛性および対破砕性を、プライバシーガラス構造に、特に、別の場合であれば光学活性材料22および縁部封止を介してのみ接着され得る第4の透明材料の窓ガラス26に提供することができる。追加的または代替的に、第1のラミネート層28Aから光学活性材料22の反対側に第2のラミネート層28Bを用いてプライバシーガラス構造12を構成することで、別の場合であれば光学活性材料22を劣化させる傾向を有し得る、反対側から来る紫外線を遮断することができる。
【0056】
第5の透明材料の窓ガラス34は、第1、第2、第3、および第4の透明材料の窓ガラスに適しているとして上で論じた材料で構築することができ、また、それらの窓ガラスについて説明される例示的な厚さの範囲内に入り得る。同様に、第2のラミネート層28Bは、(図2において第1のラミネート層28Aとして実装される)ラミネート層28に適しているとして上で論じた材料で構築することができる。第2のラミネート層28Bは、例示的な厚さの範囲に入り、かつ図1に関してラミネート層28について説明される光学特性を呈し得る。
【0057】
図2に例示されるように光学活性材料22が2つのラミネート基板の間に接着された異なる実施例において、ラミネート基板は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。例えば、第2の透明材料の窓ガラス16および第3の透明材料の窓ガラス24は、第4の透明材料の窓ガラス26および第5の透明材料の窓ガラス34と同じ材料および/または同じ厚さとすることができ、または異なる材料および/または厚さで形成することができる。加えて、第1のラミネート層28Aは、第2のラミネート層28Bと同じ材料および/または厚さとすることができ、または異なる材料および/または異なる厚さで形成することができる。
【0058】
図2に例示されるように光学活性材料が2つのラミネート基板の間に接着された一例において、第1のラミネート層28Aおよび第2のラミネート層28Bは、非対称の厚さを有する。外部環境(例えば、#1)表面の最も近くに位置付けられたラミネート層-図2の第1のラミネート層28Aである-は、内部環境のより近くに位置付けられた、図2の第2のラミネート層28Bであるラミネート層よりも厚くすることができる。この非対称の配設は、太陽から最も強いUV放射線がプライバシーガラス構造12に入る外部環境により近いより薄い層よりも大きいUV減衰特性を提供する、より厚い層を位置付けるのに有用であり得る。より薄いラミネート層を内部環境に最も近い光学活性材料22の反対側に提供することによって、より厚い第2のラミネート層を使用した場合と比較して、プライバシーガラス構造12の厚さおよび重量を低減させることができる。しかしながら、第2のラミネート層28Bはまた、内部環境から放射するUV光を最適に減衰させるのに十分な厚さとすることもできる。
【0059】
いくつかの例において、第1のラミネート層28Aは、第1の厚さを画定し、第2のラミネート層28Bは、第2の厚さを画定し、第1の厚さは、第2の厚さと異なる。例えば、第1の厚さを第2の厚さで除算した比は、1.5~10または2~10などの、1.2~15の範囲とすることができる。例えば、第1のラミネート層28Aと第2のラミネート層28Bとの厚さの比は、1.5~3の範囲とすることができる。第1のラミネート層28Aおよび第2のラミネート層28Bの特定の厚さは変動し得るが、いくつかの例において、第1のラミネート層28Aは、0.025インチ~0.1インチなどの、0.015インチ~0.125インチの範囲の厚さを有し、第2のラミネート層28Bは、0.05インチ~0.02インチなどの、0.001インチ~0.05インチの範囲の厚さを有する。例えば、第1のラミネート層28Aは、0.02インチ~0.04インチの範囲の厚さを有することができ、第2のラミネート層28Bは、0.01インチ~0.02インチの範囲の厚さを有することができる。
【0060】
第1のラミネート層28Aおよび第2のラミネート層28Bによって減衰されるUV放射線の量は、各ラミネート層に使用される材料の種類および各層の厚さに応じて変動し得る。いくつかの例において、第1のラミネート層28Aは、60パーセント未満のT395を呈し、一方で、第2のラミネート層28Bは、第1のラミネート層28Aよりも大きいが、90パーセント未満のT395を呈する。例えば、第1のラミネート層28Aは、60パーセント~10パーセントの範囲のT395を呈し得、一方で、第2のラミネート層28Bは、80パーセント~60パーセントの範囲のT395を呈し得る。
【0061】
プライバシーガラス構造12を形成する透明材料の窓ガラスの厚さは、上で論じたように変動し得るが、いくつかの構成において、第1の透明材料の窓ガラス14の厚さは、第2の透明材料の窓ガラス16、第3の透明材料の窓ガラス24、第4の透明材料の窓ガラス26、および第5の透明材料の窓ガラス34の各々の厚さよりも厚い。例えば、第1の透明材料の窓ガラス14は、2mm~6mmの範囲の厚さを有することができ、一方で、第2の透明材料の窓ガラス16、第3の透明材料の窓ガラス24、第4の透明材料の窓ガラス26、および第5の透明材料の窓ガラス34は、0.5mm~4mmの範囲の厚さを有することができる。いくつかの例において、第1の透明材料の窓ガラス14の厚さは、2.5mm~3.5mm(例えば、3mm)などの、2.5mm~5mmの範囲である。第2の透明材料の窓ガラス16、第3の透明材料の窓ガラス24、第4の透明材料の窓ガラス26、および第5の透明材料の窓ガラスの各々の厚さは、1.5mm~2.5mmの範囲(例えば、2mm)とすることができ、または1.8mm~3.5mmまたは2mm~3mmなどの、異なる厚さの範囲を有することができる。
【0062】
上で述べたように、第5の透明材料の窓ガラス34および第2のラミネート層28Bの追加は、図2のプライバシーガラス構造12が、安全ガラス要件を満たすものとして保証されることを補助することができる。例えば、プライバシーガラス構造12の構成要素および材料は、米国消費者製品安全委員会(CPSC)規制ガイドライン16C.F.R.§1201カテゴリーIおよびII、ならびに/または米国規格協会(ANSI)Z97.1.2015の下で、安全コンプライアンスを達成するように構成することができる。概して、これらの規格は、以下の要件および基準を有する。
【表1】
【0063】
図2に例示されるものを含む、本開示によるプライバシーガラス構造12は、CPSC16C.F.R.§1201カテゴリーIおよびIIならびに/またはANSI Z97.1.2015に準拠することができる。いくつかの構成において、プライバシーガラス構造12は、上で概説した例示的な安全コンプライアンス規格に従う安全性に準拠することに加えて、衝撃保護認定に準拠する。例えば、プライバシーガラス構造12は、ASTM E1886-13aおよびASTM E1996-14aに準拠することができる。ASTM E1886-13aおよびASTM E1996-14aの更なるンプライアンスを達成するために、第1のラミネート層28Aおよび/または第2のラミネート層28Bの厚さは、衝撃コンプライアンスではなく、安全コンプライアンスを達成するために使用される厚さと比較して、厚くすることができる。
【0064】
いくつかのかかる例において、第1のラミネート層28Aおよび/または第2のラミネート層28Bの厚さは、0.075インチ~0.15または0.085インチ~0.12インチなどの、少なくとも0.075インチであるように選択される。他のラミネート層は、同じ厚さまたは異なる厚さを有することができる。例えば、第1のラミネート層28Aは、前述の範囲のうちの任意の1つに入る厚さを有することができ、一方で、第2のラミネート層28Bは、0.05インチ~0.02インチなどの、0.001インチ~0.05インチの範囲の範囲の厚さを有することができる。
【0065】
プライバシーガラス構造12を形成する透明材料の窓ガラスのうちの1つ以上がガラスから製造される構成において、第1の透明材料の窓ガラス14は、プライバシーガラス構造の耐衝撃性を高めるために、テンパーガラスとすることができる。プライバシーガラス構造内の残りの透明材料の窓ガラスは、テンパーガラスから製造してもしなくてもよい。追加的または代替的に、第1の透明材料の窓ガラス14は、光学活性材料22を含む側からスペーサ18の反対側にラミネート基板を提供するようにラミネートすることができる。ラミネート基板をスペーサ18の反対側に利用するときに、第1の透明材料の窓ガラス14は、テンパーガラスでなくてもよいが、それでも、プライバシーガラス構造は、衝撃保護認定を達成することができる。
【0066】
図3は、図2からのプライバシーガラス構造12の例示的な構成の側面図であり、第1の透明材料の窓ガラス14は、追加のラミネート層40によってそこに接着された追加的な透明材料の窓ガラス38を含むラミネート基板36の一部である。追加的な透明材料の窓ガラス38は、第1、第2、第3、および第4の透明材料の窓ガラスに適しているとして上で論じた材料で構築することができ、また、それらの窓ガラスについて説明される例示的な厚さの範囲内に入り得る。同様に、追加的なラミネート層40は、ラミネート層28に適しているとして上で論じた材料で構築することができ、また、例示的な厚さの範囲に入り、かつ図1に関してラミネート層28について説明される光学特性を呈し得る。いくつかの例において、第1の透明材料の窓ガラス14および追加的な透明材料の窓ガラス38は、それぞれ2.5mm~3.5mmの範囲(例えば、3mm)の厚さを有する。追加的なラミネート層40は、0.075インチ~0.15または0.085インチ~0.12インチなどの、少なくとも0.075インチの厚さを有することができる。かかるプライバシーガラス構造12は、上で論じたように安全性規格および/または衝撃保護規格に準拠することができる。
【0067】
図1図3の実施例において、プライバシーガラス構造12は、第1の透明材料の窓ガラス14が、屋外環境に暴露されるスペーサ18の側にあり、光学活性材料22が、屋内環境に暴露されるスペーサの反対側にあるように配向されて示されている。異なる用途では、(例えば、内部パーティションとして使用するときに)どちらのサイズのプライバシーガラス構造も屋内環境に暴露される。代替的に、第1の透明材料の窓ガラス14を担持する構造の側は、内部環境に暴露され得、一方で、光学活性材料22を含む構造の側は、外部環境に暴露され得る。
【0068】
図4は、図1からのプライバシーガラス構造12の例示的な構成の側面図であり、第1の透明材料の窓ガラス14は、内部環境(例えば、温度制御された環境)に暴露され、光学活性材料22を担持するプライバシーガラスユニットの反対サイズは、外部環境に暴露され、例えば水分と周期的に接触する。図4のプライバシーガラス構造12は、図1および図2に関して上で論じた特徴、層、構成要素の厚さ、および設計要素のうちのいずれかを有することができる。
【0069】
例えば、図4のプライバシーガラス構造12を形成する透明材料の窓ガラスの厚さは、変動し得るが、いくつかの構成において、第4の透明材料の窓ガラス26および/または第1の透明材料の窓ガラス14の厚さは、第2の透明材料の窓ガラス16および第3の透明材料の窓ガラス24の各々の厚さよりも厚い。例えば、第4の透明材料の窓ガラス26および/または第1の透明材料の窓ガラス14は、2mm~6mmの範囲の厚さを有することができ、一方で、第2の透明材料の窓ガラス16および第3の透明材料の窓ガラス24は、0.5mm~4mmの範囲の厚さを有することができる。いくつかの例において、第4の透明材料の窓ガラス26および/または第1の透明材料の窓ガラス14の厚さは、2.5mm~3.5mmの範囲(例えば、3mm)であり、一方で、第2の透明材料の窓ガラス16および第3の透明材料の窓ガラス24は、1.5mm~2.5mmの範囲(例えば、2mm)である。第1の透明材料の窓ガラス14は、構成に応じて、2.5mm~3.5mmの範囲(例えば、3mm)または1.5mm~2.5mmの範囲(例えば、2mm)の厚さを有することができる。
【0070】
図4の例のラミネート層28の厚さは、図1に関連して上で論じた範囲に入り得る。いくつかの例において、ラミネート層28は、0.075インチ~0.15または0.085インチ~0.12インチなどの、少なくとも0.075インチの厚さを有することができる。かかるラミネート厚は、プライバシーガラス構造が衝撃保護について保証されるように構成するのを補助することができる。
【0071】
図5は、図2からのプライバシーガラス構造12の例示的な構成の側面図であり、第1の透明材料の窓ガラス14は、内部環境(例えば、温度制御された環境)に暴露され、光学活性材料22を担持するプライバシーガラスユニットの反対サイズは、外部環境に暴露され、例えば水分と周期的に接触する。図5のプライバシーガラス構造12は、図1および図2に関して上で論じた特徴、層、構成要素の厚さ、および設計要素のうちのいずれかを有することができる。
【0072】
例えば、図5のプライバシーガラス構造12を形成する透明材料の窓ガラスの厚さは、変動させることができるが、いくつかの構成において、第5の透明材料の窓ガラス34および/または第1の透明材料の窓ガラス14の厚さは、第2の透明材料の窓ガラス16、第3の透明材料の窓ガラス24、および第4の透明材料の窓ガラス26の各々の厚さよりも厚い。例えば、第5の透明材料の窓ガラス34および/または第1の透明材料の窓ガラス14は、2mm~6mmの範囲の厚さを有することができ、一方で、第2の透明材料の窓ガラス16、第3の透明材料の窓ガラス24、および第4の透明材料の窓ガラス26は、0.5mm~4mmの範囲の厚さを有することができる。いくつかの例において、第5の透明材料の窓ガラス34および/または第1の透明材料の窓ガラス14の厚さは、2.5mm~4.5mmまたは2.5mm~3.5mmの範囲(例えば、3mm)であり、一方で、第2の透明材料の窓ガラス16、第3の透明材料の窓ガラス24、および第4の透明材料の窓ガラス26の厚さは、1.5mm~2.5mmの範囲(例えば、2mm)、または1.8mm~3.9mm、または2.2mm~3.9mm、または2.2mm~3.0mmの範囲とすることができる。第1の透明材料の窓ガラス14は、構成に応じて、2.5mm~3.5mmの範囲(例えば、3mm)または1.5mm~2.5mmの範囲(例えば、2mm)の厚さを有することができる。
【0073】
図5の例のラミネート層28Aおよび28Bの厚さは、図1に関連して上で論じた範囲に入り得る。しかしながら、図5の構成では、ラミネート層28Bがラミネート層28Aよりも外部環境に近いので、ラミネート層28Bは、上記の(図2のラミネート層28Aである)最外のラミネート層に適しているとして説明される構成および厚さを有することができる。対照的に、ラミネート層28Aは、上記の(図2のラミネート層28Bである)最内のラミネート層に適しているとして説明される構成および厚さを有することができる。
【0074】
図6はプライバシーガラス構造12の別の例示的な構成の側面図であり、同様の参照符号は、図1に関して上で論じた同様の要素を指す。プライバシーガラス構造12は、図1に関して上で論じた特徴、層、構成要素の厚、および設計要素のうちのいずれかを有することができる。
【0075】
図6のプライバシーガラス構造12は、図1と同じ一般的レイアウトを有するように示されているが、ラミネート層28で第2の透明材料の窓ガラス24に接着された第4の透明材料の窓ガラス34が存在しない。代わりに、例えば結果として生じるアセンブリの外周の周囲に延在する縁部封止を用いて、光学活性材料22が、第2の透明材料の窓ガラス16と第3の透明材料の窓ガラス24との間に位置付けられる。
【0076】
加えて、図6の実施例において、第1の透明材料の窓ガラス14は、図3に関して上で論じたようにラミネート層40でそこに接着された追加的な透明材料の窓ガラス38を含むラミネート基板36の一部である。透明材料の窓ガラス38は、第1、第2、および第3の透明材料の窓ガラスに適しているとして上で論じた材料で構築することができて、また、それらの窓ガラスについて説明される例示的な厚さ範囲内に入り得る。同様に、ラミネート層40は、ラミネート層28に適しているとして上で論じた材料で構築することができ、また、例示的な厚さの範囲に入り、かつ図1に関してラミネート層28について説明される光学特性を呈し得る。いくつかの例において、第1の透明材料の窓ガラス14および透明材料の窓ガラス38は、それぞれ2.5mm~3.5mmの範囲(例えば、3mm)の厚さを有する。ラミネート層40は、0.075インチ~0.15または0.085インチ~0.12インチなどの、少なくとも0.075インチの厚さを有することができる。かかるプライバシーガラス構造12は、上で論じたように安全性規格および/または衝撃保護規格に準拠することができる。
【0077】
以下の実施例は、本開示に従うプライバシーガラス構造に関する追加的な詳細を提供することができる。
【実施例
【0078】
異なる市販のラミネート材料を使用して、それぞれ選択したラミネート材料に接着した、それぞれ2.2mmのソーダ石灰-ケイ酸塩のフロートガラスの窓ガラスから成るラミネート基板を製造した。その後、結果として生じる基材の光学透過特性を分析して、異なるラミネート材料が、特に紫外線スペクトル内の特定の波長の光から、下地の光学活性材料をどのように保護するかを理解した。試験の結果は、図7に示され、特定のラミネート材料が、他のラミネート材料よりも、特に可視光スペクトルに近いUV内の光を著しく多く減衰させることを示している。
【0079】
上で論じたように形成したラミネート基板を低放射率コーティングでさらにコーティングして、特定のラミネート材料および低放射率コーティングの組み合わせが相乗的に機能して、特に紫外線スペクトル内の一定の波長の光から、下地の光学活性材料をどのようにより良好に保護することができるかを理解した。特定のコーティングは、米国Spring Green,WisconsinのCardinal CG Companyから市販されているLoE-366(商標)低放射率コーティングを使用した。試験の結果は、図8に示され、特定のラミネート材料と適切な低放射率コーティングとの組み合わせが、UVスペクトル内の、特に可視光スペクトルに近いUV内の実質的にすべての光を減衰させ、潜在的に、UV劣化の影響を受け易い下地の光学活性層に対する高められた保護を提供することができたことを示している。
本開示には、以下に例示する実施形態も開示される。
[実施形態1]
プライバシーガラス構造であって、
第1の透明材料の窓ガラスと、
前記第1の透明材料の窓ガラスと略平行である第2の透明材料の窓ガラスと、
窓ガラス間の空間を画定するために、前記第1の透明材料の窓ガラスと前記第2の透明材料の窓ガラスとの間に位置付けられたスペーサであって、周囲環境とのガス交換から前記窓ガラス間の空間を封止し、かつ前記第1の透明材料の窓ガラスを前記第2の透明材料の窓ガラスからある分離距離に保持する、スペーサと、
前記第1の透明材料の窓ガラスおよび前記第2の透明材料の窓ガラスと略平行である第3の透明材料の窓ガラスと、
前記第3の透明材料の窓ガラスと略平行である第4の透明材料の窓ガラスと、
前記第3の透明材料の窓ガラスと前記第4の透明材料の窓ガラスとの間に位置付けられた電気的に制御可能な光学活性材料と、
前記第2の透明材料の窓ガラスを前記第3の透明材料の窓ガラスに接着しているラミネート層であって、普通であれば前記電気的に制御可能な光学活性材料に影響を与えるはずの紫外線光に対するバリアを提供する、ラミネート層と、
前記第1の透明材料の窓ガラス、および前記窓ガラス間の空間に面する前記第2の透明材料の窓ガラスのうちの少なくとも1つの内面の低放射率コーティングと、を備える、プライバシーガラス構造。
[実施形態2]
前記ラミネート層が、75パーセント未満のT 395 を呈する、実施形態1に記載の構造。
[実施形態3]
前記ラミネート層が、55パーセント未満のT 395 を呈する、実施形態1に記載の構造。
[実施形態4]
前記第1の透明材料の窓ガラスが、テンパーガラスであり、前記第2の、第3の、および第4の透明材料の窓ガラスが、それぞれ熱強化されていないガラスで形成される、実施形態1~3のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態5]
前記ラミネート層が、0.010インチ(0.254mm)~0.1インチ(2.54mm)の範囲の厚さを有するポリビニルブチラールを含む、実施形態1~4のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態6]
前記低放射率コーティングが、1つ以上の透明誘電体フィルムの層の間に挿入された1つ以上の赤外線反射膜の層を備える、実施形態1~5のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態7]
前記低放射率コーティングが、銀を含む2つまたは3つの層を備える、実施形態1~6のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態8]
前記構造が、前記第1の透明材料の窓ガラス、前記第2の透明材料の窓ガラス、前記第3の透明材料の窓ガラス、前記ラミネート層、および前記低放射率コーティングの組み合わせを通して、5パーセント未満のT 395 を呈する、実施形態1~7のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態9]
前記第1の透明材料の窓ガラスが、外部環境に面するように構成された前記構造の#1表面を形成し、前記低放射率コーティングが、前記第1の透明材料の窓ガラスの前記内面にある、実施形態1~8のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態10]
前記第1の透明材料の窓ガラス、前記第2の透明材料の窓ガラス、および前記第3の透明材料の窓ガラスのうちの少なくとも1つが、前記第4の透明材料の窓ガラスの厚さよりも厚い厚さを有する、実施形態1~9のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態11]
前記第1の透明材料の窓ガラスが、前記第2の透明材料の窓ガラス、前記第3の透明材料の窓ガラス、および前記第4の透明材料の窓ガラスの各々の厚さよりも厚い厚さを有する、実施形態1~10のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態12]
第5の透明材料の窓ガラスをさらに備え、前記ラミネート層が、前記第1のラミネート層を備え、第2のラミネート層をさらに備え、前記第2のラミネート層が、前記第4の透明材料の窓ガラスを前記第5の透明材料の窓ガラスに接着している、実施形態1~11のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態13]
前記第1のラミネート層が、第1の厚さを画定し、前記第2のラミネート層が、第2の厚さを画定し、前記第1の厚さが、前記第2の厚さと異なる、実施形態12に記載の構造。
[実施形態14]
前記第1の厚さを前記第2の厚さで除算した比が、2~10の範囲である、実施形態12または13のいずれかに記載の構造。
[実施形態15]
第1の厚さが、0.025インチ(0.635mm)~0.1インチ(2.54mm)の範囲であり、前記第2の厚さが、0.005インチ(0.127mm)~0.02インチ(5.08mm)の範囲である、実施形態12~14のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態16]
前記第1のラミネートおよび前記第2のラミネートが、それぞれ同じ材料で形成される、実施形態12~15のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態17]
前記構造が、順番に、
前記第1の透明材料の窓ガラスと、
前記第1の透明材料の窓ガラスの前記内面に堆積させた前記低放射率コーティングと、
前記窓ガラス間の空間と、
前記第2の透明材料の窓ガラスと、
前記ラミネート層と、
前記第3の透明材料の窓ガラスと、
前記第3の透明材料の窓ガラスに堆積させた第1の導電層と、
前記電気的に制御可能な光学活性材料と、
前記第4の透明材料の窓ガラスに堆積させた第2の導電層と、
前記第4の透明材料の窓ガラスと、を備える、実施形態1~16のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態18]
前記スペーサによって画定される前記分離距離が、5mm~20mmの範囲である、実施形態1~17のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態19]
前記構造内の透明材料の窓ガラスの各々が、ガラスで形成される、実施形態1~18のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態20]
前記スペーサが、管状スペーサを含む、実施形態1~19のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態21]
前記電気的に制御可能な光学活性材料が、電場の印加に応答して変動する光透過率を有する液晶材料である、実施形態1~20のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態22]
前記電気的に制御可能な光学活性材料が、エレクトロクロミック材料および懸濁粒子材料からなる群から選択される、実施形態1~20のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態23]
プライバシーガラス構造であって、
第1の窓ガラスと、
前記第1の窓ガラスと略平行である第2の窓ガラスと、
窓ガラス間の空間を画定するために、前記第1の窓ガラスと前記第2の窓ガラスとの間に位置付けられたスペーサであって、周囲環境とのガス交換から前記窓ガラス間の空間を封止し、かつ前記第1の窓ガラスを前記第2の窓ガラスからある分離距離に保持する、スペーサと、
前記第1の窓ガラスおよび前記第2の窓ガラスと略平行である第3の窓ガラスと、
前記第3の窓ガラスと略平行である第4の窓ガラスと、
前記第3の窓ガラスと前記第4の窓ガラスとの間に位置付けられた、電場の印加に応答して変動する光透過率を有する液晶材料と、
前記第2の窓ガラスを前記第3の窓ガラスに接着している第1のラミネート層と、
前記第4の窓ガラスと略平行である第5の窓ガラスと、
前記第4の窓ガラスを前記第5の窓ガラスに接着している第2のラミネート層であって、
前記第1の窓ガラスが、テンパーガラスであり、
前記第2の、第3の、第4の、および第5の窓ガラスが、それぞれ熱強化されていないガラスで形成される、プライバシーガラス構造。
[実施形態24]
前記第1のラミネート層が、少なくとも0.7mmの厚さを有し、前記第2のラミネート層が、少なくとも0.35mmの厚さを有する、実施形態23に記載の構造。
[実施形態25]
前記第2のラミネート層が、前記第1のラミネート層よりも薄い、実施形態23または24のいずれかに記載の構造。
[実施形態26]
前記第1の透明材料の窓ガラスおよび前記窓ガラス間の空間に面する前記第2の透明材料の窓ガラスのうちの少なくとも1つの内面に低放射率コーティングをさらに備える、実施形態23~25のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態27]
前記第1の窓ガラスが、2.5mm~5mmの範囲の厚さを有し、前記第2の窓ガラスが、2.2mm~3.9mmの範囲の厚さを有し、前記第1のラミネート層が、0.75mm~2.3mmの範囲の厚さを有し、前記第3の窓ガラスが、1.8mm~3.9mmの範囲の厚さを有し、前記第4の窓ガラスは、1.8mm~3.9mmの範囲の厚さを有し、前記第2のラミネート層が、0.375mm~0.75mmの範囲の厚さを有し、前記第5の窓ガラスが、2.0mm~3.0mmの範囲の厚さを有する、実施形態23~26のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態28]
前記構造が、順番に、
前記第1の窓ガラスと、
前記窓ガラス間の空間と、
前記第2の窓ガラスと、
前記第1のラミネート層と、
前記第3の窓ガラスと、
前記第3の透明材料の窓ガラスに堆積させた第1の導電層と、
前記液晶材料と、
前記第4の透明材料の窓ガラスに堆積させた第2の導電層と、
前記第4の窓ガラスと、
前記第2のラミネート層と、
前記第5の窓ガラスと、を備える、実施形態23~27のいずれか一項に記載の構造。
[実施形態29]
前記窓ガラス間の空間に面する前記第1の窓ガラスの内面に堆積させた低放射率コーティングをさらに備える、実施形態28に記載の構造。
[実施形態30]
前記第1のラミネート層および前記第2のラミネート層のが、それぞれポリビニルブチラールを含む、実施形態23~29のいずれか一項に記載の構造。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8