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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】表示装置、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20231020BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20231020BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231020BHJP
【FI】
G09F9/00 336G
G09F9/00 313
G02F1/133 520
G02F1/133 505
G09G3/20 642F
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022536314
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 JP2021025860
(87)【国際公開番号】W WO2022014473
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】P 2020120858
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大西 正朗
(72)【発明者】
【氏名】増田 真司
(72)【発明者】
【氏名】荒谷 純
(72)【発明者】
【氏名】芝田 旬臣
(72)【発明者】
【氏名】伊奈 達也
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-128581(JP,A)
【文献】特開2005-61757(JP,A)
【文献】特開2019-120833(JP,A)
【文献】特開2002-253892(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0280513(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0370636(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G02F 1/133
G09G 3/18
G09G 3/20
G09G 3/36
G09G 5/00-5/42
F23D 23/00
A47B 21/007
D05B 3/02
D06F 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像が表示される表示面を有する表示部と、
前記表示部の前記表示面側に配置され、前記表示面の正面視において前記表示面より大きく、かつ、前記表示面を覆う加飾シートであって、前記正面視において前記表示面と重なる第1領域、及び、前記正面視において前記表示面と重ならない第2領域を有する加飾シートと、
前記表示部及び前記加飾シートの周囲の環境光の照度、及び、前記照度と、前記第1領域における前記映像の黒表示領域に対応する第3領域、及び、前記第2領域の前記加飾シート上での見え方との関係を示す第1情報に基づいて、前記表示部が表示する前記映像の輝度を制御する制御部とを備える
表示装置。
【請求項2】
前記第1情報は、前記環境光の前記照度に対する、前記加飾シート上での前記黒表示領域の黒浮きの発生を抑制できる前記映像の上限輝度を含み、
前記制御部は、前記照度に応じた前記上限輝度以下となるように前記映像の輝度を制御する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記加飾シートの前記表示部側に配置され、前記加飾シートを透過した前記環境光の前記照度を検出する照度センサ部をさらに備える
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記照度センサ部は、前記正面視において、互いに異なる位置に配置された第1の照度センサ及び第2の照度センサを有し、
前記制御部は、前記第1の照度センサから取得した照度、及び、前記第2の照度センサから取得した照度のうち高い方の照度を用いて前記映像の輝度を制御する
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記正面視における、前記第1の照度センサに対応する前記加飾シートの部分と、前記第2の照度センサに対応する前記加飾シートの部分とは、前記加飾シートの構成が同じである
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記正面視における、前記第1の照度センサに対応する前記加飾シートの部分と、前記第2の照度センサに対応する前記加飾シートの部分とは、前記加飾シートの光に対する特性が同じである
請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記表示装置の外部に設けられた照度センサ部から前記照度を取得し、前記加飾シートの光学特性に基づいて、取得した前記照度から前記環境光が前記加飾シートを透過したときの照度を算出し、算出された前記照度を用いて前記映像の輝度を制御する
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記照度センサ部は、前記表示面に前記映像が表示される直前の前記照度を検出し、
前記制御部は、前記映像が表示されている期間の前記映像の輝度を、当該照度を用いて制御する
請求項3~7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記照度センサ部は、前記表示面に前記映像が表示されている期間において繰り返し照度を検出し、
前記制御部は、前記照度が取得されるごとに、当該照度に応じて前記映像の輝度を制御する
請求項3~7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、さらに照度と、前記映像の視認性との関係を示す第2情報にも基づいて前記映像の輝度を制御する
請求項1~9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第2情報は、前記環境光の前記照度に対する、所望の視認性を得るための前記映像の下限輝度を含み、
前記制御部は、前記照度に応じた前記下限輝度以上かつ前記上限輝度以下となるように前記映像の輝度を制御する
請求項2に従属する請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示部は、液晶ディスプレイを含んで構成される
請求項1~11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記正面視において、前記表示部の周囲には空間が形成されており、
前記第2領域は、前記正面視において、前記空間を覆う領域である
請求項1~12のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項14】
前記正面視において、前記表示部の周囲の少なくとも一部に前記表示装置の取り付け位置に応じた物体が配置されており、
前記第2領域は、前記正面視において、前記物体を覆う領域である
請求項1~12のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
映像が表示される表示面を有する表示部と、前記表示部の前記表示面側に配置され、前記表示面の正面視において前記表示面より大きく、かつ、前記表示面を覆う加飾シートであって、前記正面視において前記表示面と重なる第1領域、及び、前記正面視において前記表示面と重ならない第2領域を有する加飾シートとを備える表示装置の制御方法であって、
前記表示装置の周囲の環境光の照度、及び、前記照度と、前記第1領域における前記映像の黒表示領域に対応する第3領域、及び、前記第2領域の前記加飾シート上での見え方との関係を示す情報に基づいて、前記表示部が表示する前記映像の輝度を制御する
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置、及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイなどの表示装置は、当該表示装置の周囲の環境光の影響を受けて表示品位が変化する。例えば、周囲の環境光に関係なく映像を表示すると、映像によっては眩しく見える又は黒表示部分が明るく見えることにより、映像の視認性(表示品位)が低下する場合がある。そこで、特許文献1には、映像の視認性の低下を抑制するために、周囲の環境光に応じて、表示装置の表示輝度を調整することができる表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5174982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、液晶ディスプレイ(表示部の一例)の表示面全体を覆う加飾シートが設けられる表示装置が検討されている。表示装置は、表示部が映像を表示することにより当該映像を加飾シート上に表示する。
【0005】
このような表示装置は、表示部が映像を表示しているときに、ユーザに当該表示部が視認されないことが望まれる。表示部の視認のされやすさは、周囲の環境光に応じて変化する。
【0006】
上記の特許文献1には、周囲の環境光が変化しても、ユーザに表示部が視認されることを抑制することに関する技術は、開示されていない。
【0007】
そこで、本開示では、加飾シートを備える表示装置において、周囲の環境光が変化しても、ユーザに表示部が視認されることを抑制することができる表示装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る表示装置は、映像が表示される表示面を有する表示部と、前記表示部の前記表示面側に配置され、前記表示面の正面視において前記表示面より大きく、かつ、前記表示面を覆う加飾シートであって、前記正面視において前記表示面と重なる第1領域、及び、前記正面視において前記表示面と重ならない第2領域を有する加飾シートと、前記表示部及び前記加飾シートの周囲の環境光の照度、及び、前記照度と、前記第1領域における前記映像の黒表示領域に対応する第3領域、及び、前記第2領域の前記加飾シート上での見え方との関係を示す第1情報に基づいて、前記表示部が表示する前記映像の輝度を制御する制御部とを備える。
【0009】
本開示の一態様に係る制御方法は、映像が表示される表示面を有する表示部と、前記表示部の前記表示面側に配置され、前記表示面の正面視において前記表示面より大きく、かつ、前記表示面を覆う加飾シートであって、前記正面視において前記表示面と重なる第1領域、及び、前記正面視において前記表示面と重ならない第2領域を有する加飾シートとを備える表示装置の制御方法であって、前記表示装置の周囲の環境光の照度、及び、前記照度と、前記第1領域における前記映像の黒表示領域に対応する第3領域、及び、前記第2領域の前記加飾シート上での見え方との関係を示す情報に基づいて、前記表示部が表示する前記映像の輝度を制御する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様に係る表示装置等によれば、加飾シートを備える表示装置において、周囲の環境光が変化しても、ユーザに表示部が視認されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A図1Aは、実施の形態に係る表示装置の適用例における非表示モードを説明するための図である。
図1B図1Bは、実施の形態に係る表示装置の適用例における表示モードを説明するための図である。
図2図2は、実施の形態に係る表示装置の部分分解図を模式的に示す斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る表示装置の断面構成を模式的に示す断面図である。
図4図4は、実施の形態に係る表示装置の機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態に係る黒浮きの発生の抑制を説明するための図である。
図6図6は、実施の形態に係る表示装置の動作を示すフローチャートである。
図7図7は、実施の形態に係る照度を検出するタイミングを説明するための図である。
図8図8は、実施の形態の変形例1に係る黒浮きの発生及び視認性の低下の抑制を説明するための図である。
図9図9は、実施の形態の変形例1に係る表示装置の動作を示すフローチャートである。
図10A図10Aは、実施の形態に係る表示装置の適用例1における非表示モードを説明するための図である。
図10B図10Bは、実施の形態に係る表示装置の適用例1における表示モードを説明するための図である。
図11A図11Aは、実施の形態に係る表示装置の適用例2における非表示モードを説明するための図である。
図11B図11Bは、実施の形態に係る表示装置の適用例2における表示モードを説明するための図である。
図12A図12Aは、実施の形態に係る表示装置の適用例3における非表示モードを説明するための図である。
図12B図12Bは、実施の形態に係る表示装置の適用例3における表示モードを説明するための図である。
図13図13は、実施の形態の変形例2に係る表示装置の断面構成を模式的に示す断面図である。
図14図14は、実施の形態の変形例3に係る表示装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示に至った経緯)
本開示の実施の形態の説明に先立ち、本開示の基礎に至った経緯について説明する。
【0013】
「発明が解決しようとする課題」で記載した通り、表示面全体を覆う加飾シートが設けられる表示装置が検討されている。このような表示装置の一例について、本実施の形態に係る表示装置の適用例を示す図1A及び図1Bを参照しながら説明する。図1Aは、本実施の形態に係る表示装置100の適用例における非表示モードを説明するための図である。図1Bは、本実施の形態に係る表示装置100の適用例における表示モードを説明するための図である。図1A及び図1Bでは、表示装置100がカフェなどに用いられるテーブルに適用された例を示している。なお、表示装置100はカフェ以外に、職場、学校、図書館、自宅などに用いられるテーブルに適用されてもよい。テーブルは、対象物の一例である。
【0014】
図1A及び図1Bに示すように、表示装置100は、対象物の一例であるテーブルに設置されてもよい。この場合、テーブルは、表示装置100を収容するための凹部(後述する図2に示す凹部70aを参照)を有するテーブル本体部と、当該凹部に収容された表示装置100とを備える。凹部は、表示装置100をテーブル本体部に取り付ける(例えば、埋め込む)ための凹部である。凹部には、少なくとも表示部10が収容される。
【0015】
表示装置100の詳細は後述するが、少なくとも表示部10と、加飾シート20とを備える。ユーザがテーブルを見るときに、ユーザと表示部10との間には、加飾シート20が配置される。
【0016】
表示部10は、加飾シート20上に映像を表示する。なお、映像は、静止画像及び動画像を含む。
【0017】
加飾シート20は、表示装置100が対象物に埋め込まれている状態で、当該表示装置100を隠す(隠蔽する)ために設けられる。図1A及び図1Bの例では、加飾シート20には、木目調の加飾が施されている。木目調の加飾は、対象物に応じた加飾の一例である。
【0018】
これにより、図1Aに示すように、表示部10が非表示モードで制御されるとき、つまり表示部10が映像を表示していないときに、ユーザは加飾シート20に形成された木目調の加飾を視認することになる。つまり、表示装置100の外観は、テーブルの外観に調和している。よって、表示装置100は、テーブルに取り付けられていることが視認されにくい。言い換えると、加飾シート20は、表示装置100が見えることを抑制することができる。
【0019】
また、図1Bに示すように、表示部10が表示モードで制御されるとき、つまり表示部10が映像を表示しているときに、ユーザは表示部10が表示する映像を視認することができる。ユーザは、例えば、加飾シート20に浮き上がっているように見える映像(図1Bに示す「明表示」を参照)を視認することができる。加飾シート20は、スクリーンとしての機能を有するとも言える。
【0020】
このとき、加飾シート20のZ軸マイナス側に配置されている(例えば、凹部に収容されている)表示部10がユーザに視認されないとよい。例えば、表示装置100をZ軸方向から見たときに、表示部10が黒表示を行っている領域と、表示部10の周囲の領域(例えば、表示部10を囲む領域であり、図1Bに示す第2領域R2)との加飾シート20上での見え方(見栄え)が同じ又は類似しているとよい。
【0021】
なお、類似とは、ユーザに表示部10が配置されていることが認識されない程度に見え方に差異があってもよいことを意味する。また、黒表示とは、理想的な完全な黒(輝度0cd/m)の表示を意味するのではなく、低階調電圧(例えば、最低階調電圧又は最低階調電圧に近い階調電圧)の表示を意味する。黒表示は、例えば、実質的に黒とみなせる低い階調電圧の表示であり、暗い表示であるとも言える。黒表示は、例えば、表示装置100が表示可能な最大輝度の5%以下の表示であってもよい。また、視認するとは、表示部10が配置されているとユーザが認識することを含む。
【0022】
なお、加飾シート20上には、例えば、食器90a~90c(例えば、お皿)、電子機器90d及び携帯端末90eなどが置かれることがある。電子機器90dは、例えば、ノートパソコンであり、携帯端末90eは、例えば、スマートフォン又はタブレット端末などである。
【0023】
このような表示装置100は、表示部10が映像を表示しているときに、ユーザに当該表示部10が視認されないことが望まれる。例えば、周囲の環境光が変化しても、ユーザに当該表示部10が視認されないことが望まれる。
【0024】
そこで、本願発明者らは、加飾シート20を備える表示装置100において、周囲の環境光が変化しても、ユーザに表示部10が視認されることを抑制することができる表示装置及び制御方法について、鋭意検討を行い、以下に示す表示装置及び制御方法を創案した。なお、環境光は、表示部10が出射する映像光以外の光であって、表示装置100に入射する光である。環境光は、例えば、照明光、太陽光などを含む。
【0025】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0026】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0027】
また、本明細書及び図面において、x軸、y軸及びz軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。実施の形態では、表示部の表示面と直交する軸(例えば、表示部の光軸と平行な軸)をz軸としている。x軸及びy軸は、例えば、z軸と直交する軸である。表示面は、例えば、x軸及びy軸で形成される平面と平行な面である。本明細書において正面視とは、例えば、z軸と平行な方向から見ることを意味する。
【0028】
また、本明細書において、平行、同一、同じなどの要素間の関係性を示す用語、及び、矩形状などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0029】
(実施の形態)
[1.表示装置の構成]
まずは、本実施の形態に係る表示装置100の構成について、図1A及び図1Bに加えて図2図5を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態に係る表示装置100の部分分解図を模式的に示す斜視図である。図3は、本実施の形態に係る表示装置100の断面構成を模式的に示す断面図である。図4は、本実施の形態に係る表示装置100の機能構成を示すブロック図である。なお、図2では、テーブル本体部70と、表示部10、加飾シート20及び透明板30とを分解して示す。
【0030】
図2に示すように、表示装置100は、テーブル本体部70に取り付けられて使用される。表示装置100は、例えば、テーブル本体部70に埋め込まれる埋込式の表示装置である。表示装置100は、テーブル本体部70に形成された凹部70aに埋め込まれて使用される。なお、表示装置100の各構成要素のうち、少なくとも表示部10が対象物に埋め込まれていればよい。また、埋め込まれるとは、対象物の内部に少なくとも表示部10が位置していることを意味する。また、表示装置100は、ユーザが加飾シート20を視認できるように対象物に埋め込まれる。
【0031】
以下では、図1A及び図1Bに示すように対象物が木目調のテーブルである例について説明するが、対象物はこれに限定されない。なお、対象物は、例えば、屋内に配置される。つまり、表示装置100も、例えば、屋内に配置される。
【0032】
図2図4に示すように表示装置100は、表示部10と、加飾シート20と、透明板30と、第1の照度センサ41と、第2の照度センサ42と、制御部50と、記憶部60とを備える。図2及び図3に示すように、表示部10、透明板30、加飾シート20は、この順に配置されている。具体的には、表示部10の表示面10a側に、透明板30、加飾シート20がこの順に配置されている。表示部10は、光学的機能部の一例である。表示面10aは、表面の一例である。
【0033】
表示装置100は、対象物の表面を構成するように取り付けられてもよい。表示装置100は、例えば、加飾シート20が対象物の表面と同一面上となるように取り付けられてもよい。つまり、表示装置100は、加飾シート20が対象物の表面と面一となるように、対象物内に埋め込まれるように取り付けられてもよい。
【0034】
表示部10は、映像が表示される表示面10aを有し、当該表示面10aに映像を表示する。表示部10は、複数の画素を含んで構成される。表示部10は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであるが、これに限定されない。表示部10は、例えば、表示装置100において表示される映像の輝度を高くしたい場合には、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイなどであってもよい。なお、本実施の形態において、表示部10は、液晶ディスプレイなどの原理上、理想的な完全な黒を表示できない表示装置(例えば、自発光可能な表示パネルを有さない表示装置)において、特に効果を奏すると考えられる。
【0035】
表示部10が出射する映像光の光軸(例えば、Z軸方向)と、表示部10及び加飾シート20の並び方向(図3を参照)とは、例えば、互いに平行である。また、表示部10が出射する映像光は、例えば、透明板30以外の光学部材を介さずに加飾シート20に入射してもよい。例えば、表示部10が出射する映像光は、光反射部材を介さずに加飾シート20に入射してもよい。また、正面視において、表示部10が明表示を行っている領域の大きさと、加飾シート20上に表示される明表示(図1Aを参照)の大きさとは、例えば、同じ大きさ(等倍)である。なお、ここでの等倍とは、表示部10が明表示を行っている領域を意図的に拡大又は縮小していないことを意味する。
【0036】
なお、本実施の形態では、表示部10は、正面視すると、加飾シート20及び透明板30より小さい。そのため、正面視において、表示部10の周囲には、透明板30とテーブル本体部70とで形成される空間80が存在する。なお、本実施の形態では、空間80は、正面視において、表示部10を囲むように存在するが、これに限定されない。
【0037】
表示部10は、透明板30と接触するように配置される。具体的には、表示部10の表示面10aが透明板30のZ軸マイナス側の面と接触するように配置される。なお、表示部10は、粘着層(図示しない)を介して透明板30に接着されてもよい。粘着層は、例えば、OCA(Optical Clear Adhesive)などの透明性の高い接着部材である。
【0038】
なお、表示部10は、バックライト(図示しない)を有していてもよい。液晶ディスプレイは、例えば、液晶パネルとバックライトとを有して構成される。バックライトは、液晶パネルなどの表示パネルに向けて光を照射する面光源である。バックライトは、例えば、LEDを光源とするLEDバックライトであるが、これに限定されない。
【0039】
加飾シート20は、透光性を有し、表示部10の表示面10a側に配置されており、本実施の形態では、表示面10aの正面視において、表示面10a、及び、表示部10(例えば、表示面10a)の周囲の空間80を覆うように構成される。加飾シート20は、正面視において、表示部10(例えば、表示面10a)よりも大きく、かつ、表示面10aを覆う。加飾シート20は、例えば、表示部10の全体を覆う。また、加飾シート20は、正面視において表示面10aと重なる第1領域R1(図1A及び図1Bを参照)、及び、正面視において表示面10aと重ならない第2領域R2(図1A及び図1Bを参照)を有する。本実施の形態では、第2領域R2は、正面視において、空間80を覆う領域である。
【0040】
第1領域R1は、一部又は全域に表示部10による映像(図1Bに示す明表示)が表示される領域であり、例えば、表示部10から出射され加飾シート20を透過した映像光による明表示の領域と、外光が第1領域R1の表面で反射した反射光により加飾を視認させる黒表示の領域とを有する。加飾シート20を透過した映像光とは、加飾シート20に施された過食を透過した映像光を意味する。
【0041】
加飾シート20上の黒表示の領域は、第1領域R1における映像の黒表示領域に対応する第3領域の一例である。加飾シート20上の黒表示の領域は、例えば、正面視において、映像の黒表示領域と重なる領域である。第3領域は、第1領域R1における明表示以外の領域であるとも言える。第3領域は、表示部10の表示内容に応じて、第1領域R1内の位置及び大きさが変化し得る。また、第1領域R1の全域が明表示となる場合、第3領域が形成されないことも起こり得る。
【0042】
第2領域R2は、表示部10による映像が表示されない領域、つまり加飾が常に視認される領域であり、外光が第2領域R2の表面で反射した反射光により加飾を視認させる領域である。
【0043】
なお、加飾シート20の形状は、例えば、矩形状であるが、これに限定されず、取り付けられる対象物に応じて適宜決定されるとよい。
【0044】
加飾シート20は、対象物の外観に応じた加飾が施されている。当該加飾は、例えば、加飾シート20の全面に施されているが、部分的に施されていてもよい。なお、外観は、例えば、対象物の模様、色調、光沢、及び、質感などを含む。また、外観は、対象物の表面形状を含んでいてもよい。加飾シート20は、例えば、透光性のフィルムに木目調などの模様を印刷することで形成されるが、これに限定されない。また、加飾シート20は、所望の意匠を形成する意匠層であるとも言える。
【0045】
加飾シート20に施される加飾は、例えば、表示装置100が対象物に埋め込まれた状態で、表示装置100と対象物とが一体的に見える(例えば、表示装置100があることが視認されにくい)加飾であるとよい。また、加飾シート20に施される加飾は、例えば、対象物が設置される室内のインテリアに調和するような加飾であるとよい。例えば、対象物がテーブルである場合、テーブル本体部70に表示装置100が埋め込まれており、かつ、表示部10が映像を表示していない状態で当該テーブルを見たときに、当該表示装置100がテーブルに見えるような加飾であるとよい。本実施の形態では、対象物は木目調のテーブルであるので、加飾シート20には、当該木目調の加飾が施されている。なお、加飾シート20の加飾は木目調であることに限定されない。加飾は、例えば、白光沢調、ステンレス調などであってもよいし、その他であってもよい。
【0046】
加飾シート20は、例えば、表示装置100の最前面に配置される。表示装置100が対象物に埋め込まれた状態で、ユーザは、加飾シート20を視認する。加飾シート20は、表示部10が映像を表示していない状態で透けておらず、表示部10は視認されないとよい。
【0047】
加飾シート20は、正面視において、第1の照度センサ41に対応する部分の構成と、第2の照度センサ42に対応する部分の構成とが同じであってもよい。第1の照度センサ41に対応する加飾シート20の部分とは、例えば、第1の照度センサ41に入射する環境光が通過する加飾シート20の領域を示す。また、第2の照度センサ42に対応する加飾シート20の部分とは、例えば、第2の照度センサ42に入射する環境光が通過する加飾シート20の領域を示す。当該2つの部分は、正面視において異なる領域であるが、一部が重なっていてもよい。なお、加飾シート20の構成とは、例えば、加飾シート20の層構成、加飾シート20の加飾の材料(塗料など)構成などの少なくとも1つを含む。
【0048】
また、加飾シート20は、正面視において、第1の照度センサ41に対応する部分の光に対する特性と、第2の照度センサ42に対応する部分の光に対する特性とが同じであってもよい。光に対する特性(光学特性)は、透過率又は反射率であり、例えば、環境光に対する透過率又は反射率であってもよいが、これに限定されない。
【0049】
また、加飾シート20は、正面視において、第1の照度センサ41に対応する部分の構成又は光に対する特性と、第2の照度センサ42に対応する部分の構成又は光に対する特性と、表示部10に対応する部分の構成又は光に対する特性とがそれぞれ同じであってもよい。表示部10に対応する部分は、正面視において、加飾シート20のうち表示部10と重なる部分である。
【0050】
なお、加飾シート20は、正面視における全域において、構成及び光に対する特性の少なくとも一方が同じであってもよい。
【0051】
透明板30は、表示部10と加飾シート20との間に配置される板状の部材である。表示装置100は、透明板30を備えることで、透明板30の代わりにフィルムを備える場合に比べて、表示部10を効果的に保護することができ、かつ、加飾シート20を平面に保つことができる。加飾シート20が平面を保つことにより、意匠の見栄えを向上させる効果が期待できる。また、表示装置100が透明板30を備えることで、図1A及び図1Bに示すように加飾シート20上に食器90a~90cなどの物体を置くことができる。
【0052】
透明板30は、透光性の材料により構成され、例えば、樹脂又はガラスにより構成される。透明板30は、例えば、高硬化樹脂又は強化ガラスにより構成されてもよい。強化ガラスは、例えば、ガラスの表面を化学強化処理されたガラス板であり、ガラス表面に圧縮応力層を有するものである。また、透明板30は、例えば、空間80に電気機器が配置される場合、電気機器から出力される電磁波等を遮蔽しない材料により構成されてもよい。
【0053】
透明板30の透過率は高いとよく、例えば、80%以上であるがこれに限定されない。また、透明板30は、正面視において、加飾シート20と同一の大きさであるが、これに限定されない。
【0054】
透明板30の外周がテーブル本体部70に支持されることで、例えば、表示装置100はテーブル本体部70に対して固定される。なお、透明板30は、着脱自在にテーブル本体部70に固定されてもよい。なお、透明板30は、必須の構成ではない。
【0055】
第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、表示装置100が配置された周囲の環境光の照度を検出する。本実施の形態では、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、加飾シート20の表示部10側に配置される。つまり、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、テーブル本体部70の凹部70aに収容される。第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、表示装置100に内蔵されているとも言える。
【0056】
これにより、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、加飾シート20を透過した環境光の照度を検出することが可能となる。なお、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、表示装置100の外部に配置されてもよい。また、これにより、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、ユーザに配置されていることが視認されにくくなる。
【0057】
第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、正面視において、加飾シート20と重なる位置であって、かつ、互いに異なる位置に配置される。第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、例えば、正面視において、表示部10を挟むように配置されてもよい。また、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、例えば、加飾シート20の外周に近い位置に配置されてもよい。また、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、例えば、正面視において、矩形状の加飾シート20の長手方向の両側の端部(y軸プラス側の端部とy軸マイナス側の端部)に配置されてもよいし、矩形状の加飾シート20の短手方向の両側の端部(x軸プラス側の端部とx軸マイナス側の端部)に配置されていてもよい。また、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、テーブルの周囲に椅子が配置されている場合、配置された椅子から遠い位置に配置されてもよい。また、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、第1領域R1及び第2領域R2のうち、第2領域R2に配置されてもよい。第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、例えば、ユーザから視認されない位置に配置されてもよい。
【0058】
また、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、例えば、正面視において、表示部10に近い位置(例えば、表示部10の周囲)に配置されてもよい。なお、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、例えば、正面視において、表示部10と重なる位置など、表示部10が出射する映像光が入射する位置には配置されない。
【0059】
第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42は、例えば、テーブル本体部70に固定される。これにより、例えば、加飾シート20及び透明板30を交換するときであっても、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42を、そのまま使用することが可能である。
【0060】
本実施の形態では、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42により照度センサ部が構成される。照度センサ部は、照度を取得する取得部の一例である。なお、照度センサ部に含まれる照度センサの数は特に限定されず、1以上であればよい。また、照度センサ部(例えば、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42)は、必須の構成ではない。
【0061】
制御部50は、表示装置100の各構成要素を制御する。制御部50は、表示部10がユーザに視認されることを抑制するために、表示部10が表示する映像の輝度を照度に応じて制御する。制御部50は、後述する黒浮きの発生を抑制することで、表示部10がユーザに視認されることを抑制する。制御部50は、例えば、表示装置100が設けられた周囲の環境光の照度、及び、照度と、映像の黒表示及び空間80の加飾シート20上での見え方との関係を示す第1情報に基づいて、表示部10が表示する映像の輝度を制御する。制御部50は、周囲の環境光の照度に基づいて、映像信号が示す輝度を補正するとも言える。第1情報は、表示装置100が設けられた周囲の環境光の照度、及び、照度と、第3領域及び第2領域R2の加飾シート20上での見え方との関係を示すとも言える。
【0062】
なお、映像の輝度を制御するとは、例えば、表示部10が表示する映像のコントラスト比は一定のまま明表示及び黒表示の輝度を変化させることを意味する。また、映像の黒表示の加飾シート20上での見え方とは、加飾シート20を透過した表示部10が表示する映像の見え方であり、空間80の加飾シート20上での見え方とは、加飾シート20を透過した空間80の見え方であるとも言える。
【0063】
このように、制御部50は、表示部10が映像を表示しているときに、当該表示部10がユーザに視認されないように照度に応じて輝度を補正する。制御部50は、例えば、照度に応じて表示部10が有するバックライトの輝度を補正することで、表示部10が表示する映像の輝度を制御してもよいし、表示部10が有する表示パネルの光学特性を補正することで、表示部10が表示する映像の輝度を制御してもよい。制御部50は、表示パネルが液晶パネルである場合、例えば、透過率を補正し、表示パネルが有機ELパネルである場合、例えば、輝度(発光輝度)を補正する。
【0064】
また、制御部50は、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42を制御して、照度の検出を行わせる。制御部50は、例えば、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42それぞれに同じタイミングで照度の検出を行わせる。言い換えると、制御部50は、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42のそれぞれで同じタイミングに検出された照度を用いて映像の輝度を制御するが、これに限定されない。
【0065】
なお、表示装置100が照度センサ部を備えない場合、制御部50は、映像を表示する際に、外部の照度センサ部から照度を取得する。制御部50は、外部の照度センサ部から照度を取得すると、加飾シート20の光学特性に基づいて、取得した照度から環境光が加飾シート20を透過したときの照度を算出し、算出された照度を用いて映像の輝度を制御してもよい。加飾シート20の光学特性は、例えば、加飾シート20の透過率又は反射率などであるがこれに限定されない。制御部50は、例えば、外部の照度センサ部が検出する照度と、当該照度の環境光が加飾シート20を透過したときの照度とが対応付けられた第1のルックアップテーブル(第1のLUT)を用いて、加飾シート20を透過した後の照度を算出してもよい。
【0066】
ここで、制御部50が輝度の補正に用いる第1情報について、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施の形態に係る黒浮きの発生の抑制を説明するための図である。なお、ここでの黒浮きとは、表示部10が黒表示を行っている領域の加飾シート20上における黒レベルが白レベル側に変動し、本来の黒色が灰色に近くなることである。このような黒浮きは、加飾シート20を透過した環境光が表示面10aに入射し、当該表示面10aで反射されることで発生することがある。
【0067】
黒浮きが発生すると、表示部10が黒表示を行っている領域の加飾シート20上における第1の黒レベルと、表示部10の周囲の空間80の加飾シート20上における第2の黒レベルとに差異が生じる。具体的には、第1の黒レベルが第2の黒レベルより明るくなる。この差異により、加飾シート20上における木目調の見え方が領域ごとに(例えば、第3領域と第2領域R2とで)異なってしまう。これにより、黒浮きが発生すると、表示部10が配置されていることがユーザに視認されやすくなる。そのため、黒浮きが発生することを抑制することで、表示部10が配置されていることをユーザに視認されにくくすることが可能となる。
【0068】
図5に示す縦軸は照度センサ部が検出した照度(外光照度)を示しており、横軸は表示部10が表示する映像の輝度(表示部10の輝度)を示している。なお、映像の輝度は、明表示を行っている部分(画素領域)の表示面10a上での輝度を示すが、黒表示を行っている部分の表示面10a上での輝度であってもよい。以下に示す表示部10の輝度と照度との関係性は、映像の輝度が明表示の輝度であっても黒表示の輝度であっても同様である。また、映像におけるコントラスト比が既知であれば、当該コントラスト比に基づいて、明表示の輝度から黒表示の輝度は算出可能である。また、照度は、加飾シート20を透過した環境光の照度を示している。なお、図5に示す黒浮き発生の境界ラインは、黒浮きの発生が抑制される領域と黒浮きの発生が抑制されない領域との境界を示しており、例えば、目視等の主観評価によって取得された数値に基づいて設定されている。
【0069】
図5に示すように、表示部10の輝度が高くなるにつれ、黒浮きの発生が抑制される照度も高くなることがわかる。言い換えると、照度が高くなるにつれ、黒浮きの発生が抑制される表示部10の輝度も高くなることがわかる。制御部50は、例えば、現在の照度が160lxである場合、映像の輝度を4200cd/m以下となるように表示部10を制御し、現在の照度が250lxである場合、映像の輝度を6000cd/m以下となるように表示部10を制御し、現在の照度が450lxである場合、映像の輝度を10000cd/m以下となるように表示部10を制御する。また、制御部50は、例えば、現在の照度が20lxである場合、映像の輝度を300cd/mとなるように表示部10を制御する。
【0070】
このように、図5に示す黒浮き発生の境界ラインは、環境光の照度に対する、黒浮きの発生を抑制できる映像の輝度の上限値(上限輝度)を示すとも言える。黒浮きの発生が抑制されることは、所望の見え方を得ることの一例である。なお、図5に示す上限輝度は、明表示における輝度を示しているが、黒表示における輝度であってもよい。
【0071】
また、制御部50は、例えば、現在の照度が160lxである場合、映像の輝度を300cd/m以上4200cd/m以下となるように表示部10を制御してもよい。映像の輝度の下限値(例えば、300cd/m)は、例えば、表示部10の輝度を調整する必要がある照度範囲の下限照度に対応する表示部10の輝度である。照度範囲は、予め設定されており、例えば、20lx以上であるがこれに限定されない。
【0072】
黒浮き発生の境界ラインに基づく情報は、記憶部60に記憶されている。黒浮き発生の境界ラインに基づく情報は、照度から映像の輝度又は映像の輝度に対する補正値を算出可能な関数であってもよいし、照度と映像の輝度又は映像の輝度に対する補正値とが対応付けられた第2のLUTであってもよい。黒浮き発生の境界ラインに基づく情報は、第1情報の一例である。
【0073】
なお、図5に示す黒浮きの発生が抑制される表示部10の輝度と照度との関係は、例えば、表示部10の光学特性(例えば、コントラスト比など)、加飾シート20の光学特性(例えば、透過率など)に応じて変化する。そのため、表示部10又は加飾シート20ごとに図5に示す黒浮きの発生が抑制される表示部10の輝度と照度との関係が取得されるとよい。当該関係は、表示装置100が使用される前に取得される。
【0074】
記憶部60は、制御部50が表示装置100における各種制御を行うための各種プログラムなどを記憶している。また、記憶部60は、上記の第1情報(例えば、第2のLUT)、第1のLUTなど記憶している。記憶部60は、例えば、半導体メモリにより実現されるが、これに限定されない。
【0075】
テーブル本体部70は、テーブルを構成する本体部であり、表示装置100以外の部分である。テーブル本体部70は、少なくとも表示部10を凹部70aに収容する。また、テーブル本体部70は、表示装置100を支持する。なお、テーブル本体部70は、地面などに対して安定して配置できれば、形状及び材質は特に限定されない。
【0076】
[2.表示装置の動作]
続いて、上記の表示装置100の動作について、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、本実施の形態に係る表示装置100の動作を示すフローチャートである。図7は、本実施の形態に係る照度を検出するタイミングを説明するための図である。
【0077】
図6に示すように、制御部50は、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42から照度を取得する(S11)。制御部50は、例えば、映像を表示するための映像信号を取得すると、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42を制御して照度の検出を行わせることで、同じタイミングで検出された照度を取得する。制御部50は、例えば、表示面10aに映像が表示される直前の照度を検出するように第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42を制御する。
【0078】
図7に示すように、制御部50は、映像表示期間(時刻t2~時刻t3の期間)より前に、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42に照度を検出させる。制御部50は、例えば、時刻t2より前の時刻t1の時点で、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42に照度を検出させる。時刻t1は、照度を検出する照度検出タイミングであり、時刻t2より1秒以上1.5秒以下の時間だけ前の時刻(直前の一例)であるが、これに限定されない。制御部50による映像の輝度の制御(例えば、補正)に要する期間などに応じて、時刻t1は適宜決定されるとよい。
【0079】
なお、制御部50は、1つの映像表示において1回の照度を検出させればよい。言い換えると、制御部50は、映像表示期間中は、照度を検出させなくてもよい。制御部50は、映像表示期間中の照度の検出を停止させてもよい。これにより、制御部50は、映像表示期間に照度が変化することにより映像の輝度が変化するといった違和感を与える映像が表示されることを抑制することができる。また、制御部50は、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42で消費される電力を削減することができる。
【0080】
図6を再び参照して、次に、制御部50は、第1の照度センサ41が検出した照度、及び、第2の照度センサ42が検出した照度のうち高い方の照度を映像の輝度の制御(例えば、補正)に用いる照度に決定する(S12)。制御部50は、例えば、2つの照度のうち高い方の照度のみを映像の輝度の制御に用いる照度に決定する。
【0081】
図1A及び図1Bの例では、第1の照度センサ41の上には物体が置かれていないが、第2の照度センサ42の上には携帯端末90eが置かれている。この場合、第1の照度センサ41の方が検出する照度が高くなるので、制御部50は、第1の照度センサ41が検出した照度を映像の輝度の制御に用いる照度に決定する。これにより、照度センサの上に物体が置かれている場合であっても、黒浮きが発生することを抑制可能な照度を決定することができる。
【0082】
次に、制御部50は、決定された照度に基づいて、輝度の制御が必要であるか否かを判定する(S13)。制御部50は、例えば、図5に示す黒浮き発生の境界ラインを示す情報(第1情報の一例)が記憶されている場合、当該情報を用いてステップS13の判定を行う。制御部50は、例えば、決定された照度が250lxである場合、映像信号に基づく映像の輝度が6000cd/mより高い場合、輝度の制御が必要と判定し、映像信号に基づく映像の輝度が6000cd/m以下である場合、輝度の制御が必要ないと判定する。
【0083】
次に、制御部50は、輝度の制御が必要であると判定すると(S13でYes)、映像信号に基づく輝度を、ステップS12で決定された照度に応じた輝度であって、黒浮きの発生が抑制された輝度に制御する(S14)。制御部50は、例えば、決定された照度が250lxである場合、映像の輝度が6000cd/m以下となるように輝度を補正する。また、制御部50は、輝度の制御が必要ないと判定すると(S13でNo)、映像信号に基づく輝度に対する制御を行わずにステップS15に進む。なお、表示部10は、例えば、ステップS11~S14の動作が実行されている期間、映像を表示していない。つまり、ステップS14までの動作が、図5に示す時刻t2までに実行される。
【0084】
次に、制御部50は、映像の輝度が決定されると、決定された輝度に応じて表示部10に映像を表示させる(S15)。制御部50は、例えば、補正された映像に輝度に応じて、バックライトの輝度及び表示パネルの光学特性の少なくとも一方を変更し、補正された輝度の映像を表示させる。
【0085】
次に、制御部50は、映像の表示が終了したか否かを判定する(S16)。制御部50は、例えば、予め設定された期間(例えば、図7に示す映像表示期間)、映像を表示したか否かによりステップS16の判定を行う。
【0086】
次に、制御部50は、映像の表示が終了した場合(S16でYes)、処理を終了し、映像の表示が終了していない場合(S16でNo)、ステップS14に進み、映像の表示が継続される。ここで、新たに照度の検出は、行われない。制御部50は、映像の表示前(例えば、時刻t1)に検出された照度に基づいて、ステップS16でNoと判定された後に表示する映像の輝度を制御する。つまり、制御部50は、ステップS16でNoであった場合、例えば、ステップS12で決定された照度に基づいて、ステップS14の動作を実行する。このように、映像表示期間中に表示される映像の輝度は、1つの照度に基づいて制御される。
【0087】
[3.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る表示装置100は、映像が表示される表示面10aを有する表示部10と、表示部10の表示面10a側に配置され、表示面10aの正面視において表示面10aより大きく、かつ、表示面10aを覆う加飾シート20であって、正面視において表示面10aと重なる第1領域R1、及び、正面視において表示面10aと重ならない第2領域R2を有する加飾シート20と、表示部10及び加飾シート20の周囲の環境光の照度、及び、当該照度と、第1領域R1における映像の黒表示領域に対応する第3領域、及び、第2領域R2の加飾シート20上での見え方との関係を示す第1情報に基づいて、表示部10が表示する映像の輝度を制御する制御部50とを備える。
【0088】
これにより、表示装置100は、第1情報に基づいて映像の輝度を制御することができるので、例えば、映像の黒表示領域の輝度を、加飾シート20上の第3領域及び第2領域R2の見え方に応じた輝度に制御することができる。よって、の加飾シート20上の第3領域及び第2領域R2における見え方の違いにより、ユーザに表示部10が視認されることをより抑制することができる。
【0089】
また、第1情報は、環境光の照度に対する、加飾シート20上での黒表示領域の黒浮きの発生を抑制できる映像の上限輝度を含む。そして、制御部50は、照度に応じた上限輝度以下となるように映像の輝度を制御する。
【0090】
これにより、表示装置100は、映像の輝度を、黒浮きの発生を抑制できる輝度に制御することができるので、黒浮きが発生することによりユーザに表示部10が視認されることを抑制することができる。
【0091】
また、加飾シート20の表示部10側に配置され、加飾シート20を透過した環境光の照度を検出する照度センサ部をさらに備える。
【0092】
これにより、表示装置100は、加飾シート20の光学特性が反映された照度を取得することができる。当該照度を用いることで、映像の輝度を加飾シート20の光学特性にも応じた輝度に制御することができる。よって、表示装置100は、黒浮きが発生することをより抑制できるので、ユーザに表示部10が視認されることをより抑制することができる。
【0093】
また、表示装置100は、加飾シート20の光学特性を映像の輝度に反映するための専用の処理を行う必要がないので、制御部50の処理量が増加することを抑制できる。これは、制御部50で消費される電力が増加することの抑制につながる。
【0094】
また、加飾シート20上には、例えば、図1A及び図1Bに示すように、食器90a~90c(例えば、お皿)、電子機器90d及び携帯端末90eなどが置かれることがある。また、ユーザの身体の一部(例えば、肘)が照度センサ上の環境光を遮る場合も想定される。表示装置100としては、このような状況であっても、環境光を正確に取得することが望まれる場合がある。そこで、表示装置100の照度センサ部は、正面視において、互いに異なる位置に配置された第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42を有してもよい。そして、制御部50は、第1の照度センサ41から取得した照度、及び、第2の照度センサ42から取得した照度のうち高い方の照度を用いて映像の輝度を制御してもよい。
【0095】
これにより、表示装置100は、2つの照度センサのうちの一方の照度センサ上に環境光を遮る物体が置かれた場合に当該物体が置かれていない照度センサで検出された照度を用いて、映像の輝度を制御することができる。つまり、表示装置100は、表示装置100に入射する環境光の一部が遮られている場合であっても、環境光を正確に取得し得る。よって、表示装置100は、照度センサ上に環境光を遮る物体が置かれている場合であっても、黒浮きが発生することを抑制することができる。
【0096】
また、正面視における、第1の照度センサ41に対応する加飾シート20の部分と、第2の照度センサ42に対応する加飾シート20の部分とは、加飾シート20の構成が同じである。
【0097】
これにより、表示装置100は、加飾シート20の構成の違いにより、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42で検出される照度に違いが生じることを抑制することができる。つまり、表示装置100は、加飾シート20の構成の違いにより検出される照度が異なる場合に比べて、映像の輝度をより精度よく制御することができる。よって、表示装置100は、黒浮きが発生することがより抑制できるので、ユーザに表示部10が視認されることをより抑制することができる。
【0098】
また、正面視における、第1の照度センサ41に対応する加飾シート20の部分と、第2の照度センサ42に対応する加飾シート20の部分とは、加飾シート20の光に対する特性が同じである。
【0099】
これにより、表示装置100は、加飾シート20の光に対する特性(例えば、透過率)の違いにより、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42で検出される照度に違いが生じることを抑制することができる。つまり、表示装置100は、加飾シート20の光に対する特性の違いにより検出される照度が異なる場合に比べて、映像の輝度をより精度よく制御することができる。よって、表示装置100は、黒浮きが発生することがより抑制できるので、ユーザに表示部10が視認されることをより抑制することができる。
【0100】
また、制御部50は、表示装置100の外部に設けられた照度センサ部から照度を取得し、加飾シート20の光学特性に基づいて、取得した照度から環境光が加飾シート20を透過したときの照度を算出し、算出された照度を用いて映像の輝度を制御してもよい。
【0101】
これにより、表示装置100の構成を簡素化することができる。また、制御部50は、外部の照度センサ部が検出した照度から加飾シート20を透過した後の環境光の照度を算出するので、加飾シート20の光学特性(例えば、透過率)が反映された照度を取得することができる。よって、表示装置100は、外部から照度を取得した場合に、映像の輝度の制御に対する精度が低下することを抑制することができる。
【0102】
また、照度センサ部は、表示面10aに映像が表示される直前の照度を検出する。そして、制御部50は、映像が表示されている期間の映像の輝度を、映像が表示される直前の照度を用いて制御する。
【0103】
これにより、表示装置100は、映像が表示されている期間に検出された照度の変化により、映像の輝度が変化するといったことを抑制することができる。よって、映像が表示されている期間の当該映像の輝度変化により、ユーザに表示部10が視認されることを抑制することができる。
【0104】
また、表示部10は、液晶ディスプレイを含んで構成される。
【0105】
これにより、表示装置100は、完全な黒(例えば、輝度0cd/m)の表示が困難である液晶ディスプレイを備える場合に、照度に応じて映像の輝度(例えば、黒表示の輝度)を制御することで、黒浮きが発生することを効果的に抑制することができる。
【0106】
また、正面視において、表示部10の周囲には空間80が形成されており、第2領域R2は、正面視において、空間80を覆う領域である。
【0107】
これにより、表示装置100が表示部10の周囲に空間80が形成されるように配置された場合であっても、ユーザに表示部10が視認されることを抑制することができる。
【0108】
また、以上のように、本実施の形態に係る制御方法は、映像が表示される表示面10aを有する表示部10と、表示部10の表示面10a側に配置され、表示面10aの正面視において表示面10aより大きく、かつ、表示面10aを覆う加飾シート20であって、正面視において表示面10aと重なる第1領域R1、及び、正面視において表示面10aと重ならない第2領域R2を有する加飾シート20とを備える表示装置100の制御方法であって、表示装置100の周囲の環境光の照度、及び、照度と、第1領域R1における映像の黒表示領域に対応する第3領域、及び、第2領域R2の加飾シート20上での見え方との関係を示す情報に基づいて、表示部10が表示する映像の輝度を制御する。
【0109】
これにより、上記の表示装置100と同様の効果を奏する。
【0110】
(実施の形態の変形例1)
次に、本変形例に係る表示装置について、図8及び図9を参照しながら説明する。本変形例に係る表示装置は、黒浮きの発生を抑制することに加えて、映像の視認性の低下を抑制する機能を有する。図8は、本変形例に係る黒浮きの発生及び視認性の低下の抑制を説明するための図である。図8に示す縦軸は照度センサ部が検出した照度(外光照度)を示しており、横軸は表示部が表示する映像の輝度(表示部の輝度)を示している。なお、映像の輝度は、明表示を行っている部分の輝度を示すが、黒表示を行っている部分の輝度であってもよい。
【0111】
図8に示すように、本変形例に係る表示装置100は、視認性低下の境界ラインが設定されている点において実施の形態と相違する。視認性低下の境界ラインは、照度と映像の視認性との関係を示しており、例えば、視認性が低下するか否かの境界を示す。視認性の低下は、例えば、映像のコントラスト比が所望のコントラスト比より低くなることであるが、目視等の主観評価によって表示品位が所望の品位以下となることであってもよい。なお、本変形例に係る表示装置の構成は、実施の形態に係る表示装置と同様であるので、実施の形態で用いた各構成の符号を用いて以下の説明を行う。また、表示装置の構成は、説明を省略又は簡略化する。
【0112】
図8に示すように、表示部10の輝度が高くなるにつれ、視認性が低下する照度も高くなることがわかる。言い換えると、照度が高くなるにつれ、視認性が低下する表示部10の輝度も高くなることがわかる。制御部50は、例えば、現在の照度が160xである場合、映像の輝度をおよそ300cd/m以上4200cd/m以下となるように表示部10を制御する。このように、図8に示す視認性低下の境界ラインは、環境光の照度に対する、視認性低下を抑制できる映像の輝度の下限値(下限輝度)を示すとも言える。視認性低下が抑制されることは、所望の視認性を得ることの一例である。
【0113】
このように、本変形例では、制御部50は、さらに、視認性低下の境界ラインに関する情報にも基づいて映像の輝度を制御する。
【0114】
なお、制御部50が制御可能な映像の輝度範囲は、予め設定されていてもよい。映像の輝度範囲は、例えば、表示装置100が配置される空間で発生し得る環境光の照度範囲に基づいて設定されてもよい。図8では、発生し得る環境光の照度範囲が50lx以上2000lx以下である場合、輝度が1200cd/m以上6000cd/m以下の範囲に設定された例を示している。つまり、制御部50は、1200cd/m以上6000cd/m以下の輝度範囲の中において、照度に応じた映像の輝度を制御する。このように、予め発生し得る環境光の照度範囲が取得されることで、例えば、当該照度範囲に応じた輝度範囲を有するバックライトを備える表示部10を準備可能である。なお、輝度1200cd/mは黒浮き発生の境界ラインにおいて照度50lxに対応する輝度であり、輝度6000cd/mは視認性低下の境界ラインにおいて照度2000lxに対応する輝度である。
【0115】
制御部50は、例えば、照度50lx以上160lxまでの範囲において映像の輝度を一律に1200cd/mに制御し、照度160lx以上1000lxまでの範囲において映像の輝度を1200cd/m以上6000cd/mまでの範囲で照度に比例した輝度に制御し、照度1000lx以上2000lx以下の範囲では映像の輝度を一律に6000cd/mに制御してもよい。
【0116】
視認性低下の境界ラインに基づく情報は、記憶部60に記憶されている。視認性低下の境界ラインに基づく情報は、照度から映像の輝度又は映像の輝度に対する補正値を算出可能な関数であってもよいし、照度と映像の輝度又は映像の輝度に対する補正値とが対応付けられた第3のLUTであってもよい。視認性低下の境界ラインに基づく情報は、第2情報の一例である。第2情報は、例えば、環境光の照度に対して視認性低下を抑制するための映像の下限輝度を含む。
【0117】
また、記憶部60には、黒浮き発生の境界ライン及び視認性低下の境界ラインに基づく情報が記憶されていてもよい。当該情報は、照度から黒浮きの発生及び視認性低下が抑制された映像の輝度又は映像の輝度に対する補正値を算出可能な関数であってもよいし、照度と黒浮きの発生及び視認性低下が抑制された映像の輝度又は映像の輝度に対する補正値とが対応付けられた第3のLUTであってもよい。当該関数又は第3のLUTは、第1の情報及び第2の情報の一例である。
【0118】
続いて、上記の表示装置100の動作について、図9を参照しながら説明する。図9は、本変形例に係る表示装置100の動作を示すフローチャートである。本変形例に係る表示装置100は、実施の形態に係る表示装置100が行うステップS13及びS14の処理に代えてステップS23及びS24を行う。以下では、ステップS23及びS24の処理を中心に説明する。なお、図9において、図6と同一の符号を付している箇所は、例えば、図6に示す動作と同様の処理が行われる。
【0119】
図9に示すように、制御部50は、ステップS12で決定された照度に基づいて、輝度の制御(例えば、補正)が必要であるか否かを判定する(S23)。制御部50は、例えば、図8に示す黒浮き発生の境界ラインを示す情報(第1情報の一例)及び視認性低下の境界ラインを示す情報(第2情報の一例)が記憶部60に記憶されている場合、当該第1情報及び第2情報を用いてステップS23の判定を行う。制御部50は、例えば、決定された照度が160lxである場合、映像信号に基づく映像の輝度が300cd/mより低い又は4200cd/mより高い場合、輝度の制御が必要と判定し、映像信号に基づく映像の輝度が300cd/m以上4200cd/m以下である場合、輝度の制御が必要ないと判定する。
【0120】
制御部50は、輝度の制御が必要であると判定すると(S23でYes)、映像信号に基づく輝度を、ステップS12で決定された照度に応じた輝度であって、黒浮きの発生及び視認性の低下が抑制された輝度に制御する(S24)。制御部50は、例えば、決定された照度が160lxである場合、映像の輝度が300cd/m以上4200cd/m以下となるように輝度を補正する。制御部50は、照度に応じた下限輝度以上かつ上限輝度以下となるように映像の輝度を補正するとも言える。
【0121】
具体的には、制御部50は、例えば、決定された照度が160lxであり、かつ、映像の輝度が200cd/mである場合、映像の輝度が300cd/m以上4200cd/m以下となるように映像の輝度を上げる補正を行う。また、制御部50は、例えば、決定された照度が160lxであり、かつ、映像の輝度が6000cd/mである場合、映像の輝度が300cd/m以上4200cd/m以下となるように映像の輝度を下げる補正を行う。
【0122】
これにより、ステップS15で表示される映像は、黒浮きの発生及び視認性の低下が抑制された映像となる。
【0123】
以上のように、本変形例に係る表示装置100の制御部50は、さらに照度と、映像の視認性との関係を示す第2情報にも基づいて映像の輝度を制御する。
【0124】
これにより、表示装置100は、第2情報も用いて映像の輝度を制御するので、第2情報を用いていない場合に比べて映像の視認性を向上することができる。
【0125】
また、第2情報は、環境光の照度において所望の視認性を得るための映像の下限輝度を含む。そして、制御部50は、照度に応じた下限輝度以上かつ上限輝度以下となるように映像の輝度を制御する。
【0126】
これにより、表示装置100は、環境光による黒浮きの発生及び視認性の低下の双方が抑制された映像を表示することができる。
【0127】
(その他の適用例)
上記実施の形態及び変形例では、表示装置100はテーブルに用いられる例について説明したが、適用例はこれに限定されない。表示装置100の他の適用例について、図10A図12Bを参照しながら説明する。なお、以下で説明する適用例は一例であり、表示装置100が用いられる対象物は、これに限定されない。
【0128】
図10Aは、本実施の形態に係る表示装置100の適用例1における非表示モードを説明するための図である。図10Bは、本実施の形態に係る表示装置100の適用例1における表示モードを説明するための図である。
【0129】
図10A及び図10Bに示すように、表示装置100は、対象物の一例である造営材(例えば、壁200)に収容されて設置されてもよい。この場合、造営材は、表示装置100を収容するための凹部を有する本体部と、当該凹部に収容された表示装置100とを備える。また、表示装置100は、さらに、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42を備えてもよい。凹部は、表示装置100を造営材に埋め込むための凹部である。表示装置100が第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42を備える場合、凹部には、さらに、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42が配置される。
【0130】
壁200は、例えば、木目調の模様を有する。この場合、加飾シート20には、木目調の加飾が施されている。木目調の加飾は、対象物に応じた加飾の一例である。これにより、図10Aに示すように、制御部50が表示部10を非表示モードで制御するときに、ユーザは、加飾シート20に形成された木目調の加飾を視認することになる。つまり、表示装置100の外観は、壁200の外観に調和している。これにより、表示装置100は、壁200に埋め込まれていることが視認されにくい。言い換えると、加飾シート20は、表示装置100が見えることを抑制することができる。
【0131】
また、図10Bに示すように、制御部50が表示部10を表示モードで制御するときに、ユーザは、表示部10が表示する映像を視認することができる。ユーザは、例えば、壁200に浮き上がっているように見える映像を視認することができる。このとき、制御部50により映像の輝度が壁200の周囲の環境光の照度に応じて制御されるので、例えば、映像に黒浮きが発生することが抑制される。よって、表示装置100は、壁200に取り付けられる場合に、周囲の環境光が変化しても、ユーザに表示部10が視認されることを抑制することができる。
【0132】
図11Aは、本実施の形態に係る表示装置100の適用例2における非表示モードを説明するための図である。図11Bは、本実施の形態に係る表示装置100の適用例2における表示モードを説明するための図である。
【0133】
図11A及び図11Bに示すように、表示装置100は、対象物の一例である家具(例えば、キッチン台300)に収容されて設置されてもよい。この場合、家具は、表示装置100を収容するための凹部を有する本体部と、当該凹部に収容された表示装置100とを備える。凹部は、表示装置100を家具に埋め込むための凹部である。
【0134】
キッチン台300は、例えば、大理石調の模様を有する。この場合、加飾シート20には、大理石調の加飾が施される。大理石調の加飾は、対象物に応じた加飾の一例である。これにより、図11Aに示すように、制御部50が表示部10を非表示モードで制御するときに、ユーザは、加飾シート20に形成された大理石調の加飾を視認することになる。つまり、表示装置100の外観は、キッチン台300の外観に調和している。これにより、表示装置100は、キッチン台300に埋め込まれていることが視認されにくい。
【0135】
また、図11Bに示すように、制御部50が表示部10を表示モードで制御するときに、ユーザは、表示部10が表示する映像を視認することができる。ユーザは、例えば、キッチン台300に浮き上がっているように見える映像を視認することができる。例えば、子供部屋等の様子を撮像した映像を表示装置100が表示することで、ユーザは、調理を行いながら、子供の様子を確認することができる。
【0136】
このとき、制御部50により映像の輝度がキッチン台300の周囲の環境光の照度に応じて制御されるので、例えば、映像に黒浮きが発生することが抑制される。よって、表示装置100は、キッチン台300に取り付けられる場合に、周囲の環境光が変化しても、ユーザに表示部10が視認されることを抑制することができる。
【0137】
図12Aは、本実施の形態に係る表示装置100の適用例3における非表示モードを説明するための図である。図12Bは、本実施の形態に係る表示装置100の適用例3における表示モードを説明するための図である。
【0138】
図12A及び図12Bに示すように、表示装置100は、対象物の一例である電気機器(例えば、冷蔵庫400などの家庭用電気機器)に収容されて設置されてもよい。この場合、電気機器は、表示装置100を収容するための凹部を有する本体部と、当該凹部に収容された表示装置100とを備える。凹部は、表示装置100を電気機器に埋め込むための凹部である。
【0139】
冷蔵庫400は、例えば、単色(例えば、白など)の色調を有する。この場合、加飾シート20には、白色の色調が施される。白色の加飾は、対象物に応じた加飾の一例である。これにより、図12Aに示すように、制御部50が表示部10を非表示モードで制御するときに、ユーザは、加飾シート20に形成された白色の加飾を視認することになる。つまり、表示装置100の外観は、冷蔵庫400の外観に調和している。これにより、表示装置100は、冷蔵庫400に埋め込まれていることが視認されにくい。なお、本願においては、単色の色調も、模様に含まれてもよい。
【0140】
また、図12Bに示すように、制御部50が表示部10を表示モードで制御するときに、ユーザは、表示部10が表示する映像を視認することができる。ユーザは、例えば、冷蔵庫400に浮き上がっているように見える映像を視認することができる。例えば、調理方法又は調理材料を表示装置100が表示することで、ユーザは、効率的に調理を行うことができる。
【0141】
このとき、制御部50により映像の輝度が冷蔵庫400の周囲の環境光の照度に応じて制御されるので、例えば、映像に黒浮きが発生することが抑制される。よって、表示装置100は、冷蔵庫400に取り付けられる場合に、周囲の環境光が変化しても、ユーザに表示部10が視認されることを抑制することができる。
【0142】
(実施の形態の変形例2)
次に、本変形例に係る表示装置について、図13を参照しながら説明する。図13は、本変形例に係る表示装置100の断面構成を模式的に示す断面図である。具体的には、図13は、図10Aに示すXIII-XIII線における表示装置100の断面図である。
【0143】
本変形例に係る表示装置100は、表示部10の周囲が空間ではなく、表示部10の周囲に物体が配置される点において実施の形態に係る表示装置100と相違する。表示部10の周囲に配置される物体は、例えば、表示装置100が取り付けられる対象物に設けられている物体(例えば、施工されている物体)であってもよく、当該対象物に応じた物体であってもよい。言い換えると、当該物体は、表示装置100として必要な機能を有していない物体であってもよい。以下では、表示装置100が取り付けられる対象物が壁200である例について説明する。なお、表示装置100には、図3に示す表示装置100に加えて、断熱材500が配置されている。以下では、表示装置100の構成は実施の形態と同様であり、説明を省略又は簡略化する。
【0144】
図13に示すように、加飾シート20は、透光性を有し、表示部10の表示面10a側に配置されている。本変形例では、加飾シート20は、表示面10aの正面視において、表示面10a及び表示部10の周囲の断熱材500を覆うように構成される。加飾シート20は、正面視において表示面10aと重なる第1領域R1、及び、正面視において表示面10aと重ならない第2領域R2を有する。本変形例では、第2領域R2は、正面視において、断熱材500を覆う領域である。
【0145】
断熱材500は、正面視において、表示部10の周囲に配置された物体である。断熱材500は、例えば、表示装置100の取り付け位置に応じた物体である。断熱材500は、造営材の一例でもある。
【0146】
なお、図13では、断熱材500は、表示部10、透明板30、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42のそれぞれと接触するように設けられているが、これに限定されず、表示部10、透明板30、第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42の少なくとも1つと間隔をあけて配置されてもよい。また、図13では、断熱材500は、正面視において、第2領域R2の全域に設けられていているが、第2領域R2の少なくとも一部の領域に設けられていてもよい。
【0147】
なお、表示装置100は、対象物(例えば、壁200)への設置前に断熱材500が設けられ、当該断熱材500が設けられた状態で対象物に取り付けられてもよい。例えば、表示装置100は、断熱材500を備えていてもよい。
【0148】
なお、表示装置100の取り付け位置に応じた物体に関する情報は、予め取得されている。また、本変形例に係る黒浮き発生の境界ライン(例えば、図5に示す黒浮き発生の境界ラインに対応する境界ライン)は、当該物体に応じた境界ラインが用いられる。例えば、表示装置100の取り付け位置に応じた物体ごとに、黒浮き発生の境界ラインが事前に取得されていてもよい。つまり、第1情報は、表示装置100が設けられた周囲の環境光の照度、及び、照度と、断熱材500が設けられる第3領域、及び、第2領域R2の加飾シート20上での見え方との関係を示すとも言える。
【0149】
以上のように、表示装置100は、正面視において、表示部10の周囲の少なくとも一部に表示装置100の取り付け位置に応じた物体(例えば、断熱材500)が配置されており、第2領域R2は、正面視において、当該物体を覆う領域である。
【0150】
これにより表示部10の周囲に物体が配置される場合であっても、表示装置100がユーザに表示部10が視認されることを抑制することができる。
【0151】
なお、表示装置100の取り付け位置に応じた物体は、断熱材500に限定されず、他の物体であってもよい。表示装置100が壁200に取り付けられる場合、当該物体は、例えば、木材、コンクリート、樹脂等により構成されていてもよい。また、当該物体は、表示部10で発生する熱を放熱するための放熱シリコーンなどの放熱材であってもよい。また、当該物体は、シート状又は板状の物体であってもよい。また、当該物体は、表示部10の周囲の空間を充填するように設けられてもよい。また、当該物体は、透光性を有していてもよいし、遮光性を有していてもよいし、光拡散性を有していてもよいし、光反射性を有していてもよい。
【0152】
(実施の形態の変形例3)
次に、本変形例に係る表示装置の動作について、図14を参照しながら説明する。図14は、本変形例に係る表示装置100の動作を示すフローチャートである。本変形例に係る表示装置100は、映像が表示されている期間において、所定の時間間隔で照度を検出し、検出された照度に応じて映像の輝度を制御する点において、実施の形態に係る表示装置100と相違する。以下では、相違点を中心に説明し、実施の形態と同様の動作については、実施の形態と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0153】
図14に示すように、制御部50は、映像の表示が終了していない場合(S16でNo)、さらに、前回映像の輝度を制御してから所定期間が経過したか否かを判定する(S37)。制御部50は、例えば、現在の日時を計測するタイマ装置(例えば、リアルタイムクロック)を有しており、タイマ装置の計測結果に基づいてステップS37の判定を行ってもよい。
【0154】
制御部50は、所定期間が経過している場合(S37でYes)、ステップS11に戻り、映像の表示中に第1の照度センサ41及び第2の照度センサ42から照度を取得し、ステップS12以降の処理を継続する。また、制御部50は、所定期間が経過している場合(S37でNo)、処理を終了する。なお、所定期間は、予め設定されており、記憶部60に記憶されていてもよい。所定期間は、例えば、10秒であってもよいし、1分であってもよいし、他の期間であってもよい。
【0155】
なお、ステップS37の判定を行われなくてもよい。制御部50は、映像が表示されている期間において繰り返し照度を取得し、照度を取得するたびに映像の輝度を制御すれば、所定期間ごとに照度を取得することに限定されない。制御部50が映像が表示されている期間において照度を取得するタイミングは、例えば、ランダムであってもよい。
【0156】
以上のように、本変形例に係る表示装置100の照度センサ部は、表示面10aに映像が表示されている期間において繰り返し照度を検出し、制御部50は、照度が取得されるごとに、当該照度に応じて映像の輝度を制御する。
【0157】
これにより、表示装置100は、映像の表示中に外光の照度が大きく変化した場合、当該照度の変化に応じて映像の輝度を制御することができる。よって、表示装置100は、映像の表示中に周囲の環境光が変化しても、ユーザに表示部10が視認されることを抑制することができる。
【0158】
なお、本変形例に係る表示装置100は、例えば、照度が定期的に変わるような空間に設けられた対象物に取り付けられるときに、効果的にユーザに表示部が視認されることを抑制することができる。
【0159】
(その他の実施の形態)
以上、実施の態様に係る表示装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態等に限定されるものではない。
【0160】
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0161】
例えば、上記実施の形態等に係る表示装置には、各構成要素の間に、透光性を有する他の構成要素が配置されていてもよい。他の構成要素は、例えば、ハーフミラー、タッチパネル、耐熱シートなどであってもよい。
【0162】
また、上記実施の形態では、第1情報は、黒表示領域と空間との加飾シート上での輝度の差の抑制、つまり黒浮きの抑制に基づく情報である例について説明したが、これに限定されない。第1情報は、例えば、黒表示領域と空間との加飾シート上での色(例えば、色度)の差の抑制に基づく情報であってもよい。加飾シート上の色は、加飾シート上の見え方の一例である。例えば、表示部の表面に施されている表面処理によっては、特定の波長の環境光のみを反射することが可能である。このような場合に、表示装置は、黒表示領域と空間との加飾シート上での色の差を抑制できる、照度及び輝度の関係を示す第1情報を用いて映像の輝度を制御することで、色の差があってもそれが視認されることを抑制し、ユーザに表示部が視認されることを抑制することができる。
【0163】
また、上記実施の形態等に係る表示装置が同一空間に複数配置される場合、複数の表示装置の少なくとも1つの表示装置が照度センサ部を備えていればよい。他の表示装置は、少なくとも1つの表示装置の照度センサ部から検出された照度を取得してもよい。
【0164】
また、上記実施の形態等では、制御部は、取得した照度のうち高い方の照度を用いて映像の輝度を制御する例について説明したが、これに限定されない。制御部は、複数の照度を取得した場合、取得した照度の平均値、最頻値、最小値の少なくとも1つを用いて映像の輝度を制御してもよい。例えば、図6図9及び図14のステップS12では、平均値などの演算処理に算出された照度が、輝度の制御に用いる照度に決定されてもよい。
【0165】
また、上記実施の形態では、表示装置は、対象物に埋め込まれて配置される例について説明したが、対象物に埋め込まれることに限定されない。例えば、表示装置は、対象物の表面(例えば、壁の表面)に配置されてもよい。例えば、表示装置は、壁掛け型の表示装置であってもよい。
【0166】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0167】
また、上記実施の形態等で説明した制御部は、ソフトウェアとして実現されても良いし、典型的には、集積回路であるLSIとして実現されてもよい。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路(専用のプログラムを実行する汎用回路)または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)又は、LSI内部の回路セルの接続若しくは設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。更には、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて構成要素の集積化を行ってもよい。
【0168】
また、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本開示は、表示装置が実行する制御方法として実現されてもよいし、上記制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。
【0169】
また、上記実施の形態において説明された表示装置の動作における複数の処理の順序は一例である。複数の処理の順序は、変更されてもよいし、複数の処理は、並行して実行されてもよい。また、複数の処理の一部は、省略されてもよい。
【0170】
その他、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本開示は、対象物に取り付けられる表示装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0172】
10 表示部
10a 表示面
20 加飾シート
30 透明板
41 第1の照度センサ
42 第2の照度センサ
50 制御部
60 記憶部
70 テーブル本体部
70a 凹部
80 空間
90a、90b、90c 食器
90d 電子機器
90e 携帯端末
100 表示装置
200 壁(対象物)
300 キッチン台(対象物)
400 冷蔵庫(対象物)
500 断熱材
R1 第1領域
R2 第2領域
t1、t2、t3 時刻
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14