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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】部品装着装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20231020BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020013704
(22)【出願日】2020-01-30
(65)【公開番号】P2021120979
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 涼太
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-220625(JP,A)
【文献】特開2009-61544(JP,A)
【文献】特開2012-119550(JP,A)
【文献】特開平10-315187(JP,A)
【文献】特開平8-148882(JP,A)
【文献】国際公開第2016/59683(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品が収容されたテープ部材から前記部品を取り出して基板に前記部品を装着する部品装着装置であって、
前記部品が取り出された後の前記テープ部材を切断する切断部と、
前記切断部を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
切断された前記テープ部材が通過するシュート部と、
前記シュート部を検出する第1検出部と、を備え、
前記第1検出部によって前記シュート部が検出されていない状態において、前記制御部は、前記切断部が駆動されないように、前記駆動部を制御する、
部品装着装置。
【請求項2】
前記部品を供給するフィーダを保持する台車を検出する第2検出部、をさらに備え、
前記第1検出部によって前記シュート部が検出され、かつ前記第2検出部によって前記台車が検出された状態のみにおいて、前記制御部は、前記切断部を駆動するように、前記駆動部を制御する、
請求項1に記載の部品装着装置。
【請求項3】
前記駆動部への動力の供給を遮断する遮断部、をさらに備え、
前記シュート部が取り外される際に、前記遮断部によって、前記動力の供給が遮断される、
請求項1または2に記載の部品装着装置。
【請求項4】
前記遮断部は、前記シュート部の側面に設けられている、
請求項3に記載の部品装着装置。
【請求項5】
前記駆動部は、流体によって駆動されるシリンダであり、
前記遮断部は、前記流体が供給される配管の連結具であり、
前記連結具は、第1連結部、および前記第1連結部に連結される第2連結部を有し、
前記シュート部が取り外される際に、前記第1連結部が前記第2連結部から外れ、前記流体の供給が遮断される、
請求項3または4に記載の部品装着装置。
【請求項6】
前記シュート部が取り外される際に、前記シュート部と一体として前記第1連結部が前記第2連結部から外れる、
請求項5に記載の部品装着装置。
【請求項7】
前記駆動部は、流体によって駆動されるシリンダであり、
前記遮断部は、前記流体の流れを制御するバルブであり、
前記シュート部が取り外される際に、前記バルブによって前記シリンダへの前記流体の供給を遮断する、
請求項3または4に記載の部品装着装置。
【請求項8】
前記バルブは、メカニカルバルブであり、
前記シュート部の取り外しに連動して、前記メカニカルバルブによって、前記シリンダへの前記流体の供給が遮断される、
請求項7に記載の部品装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テープフィーダから送り出される部品供給後の廃テープを回収するためのテープ回収装置を備える部品装着装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この部品装着装置では、フィーダ部の後段には、部品が供給された後のテープを廃テープとして下方へ送るためのテープダクトおよびテープシュートが設けられている。テープダクトとテープシュートとの間にはテープカッタが設けられ、テープダクトを通過した廃テープは、テープカッタにより細かく切断されてテープシュート内を落下する。テープダクトとテープシュートとを通過した廃テープは、廃テープ搬送装置へ順次受け渡される。廃テープ搬送装置は、部品装着装置の側方に配置される台車上の回収ボックスへ廃テープを排出する。廃テープ搬送装置は、回収ボックスを台車に乗せた状態で自動回収できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/045018号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、テープカッタが部品装着装置に内蔵されているので、例えばメンテナンスの際に部品装着装置の内部へアクセスするため、テープシュートを取り外す必要があった。ところが、テープシュートを取り外すと、テープカッタに容易にアクセスできてしまうため、テープカッタが安易に動作しないように作業員の安全を確保する必要がある点で、改善の余地があったと考えられる。
【0005】
本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、テープカッタが内蔵された構成でも、メンテナンス時に、露出してしまうカッタ刃の駆動源を的確に遮断することで作業員の安全性を確保する部品装着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、複数の部品が収容されたテープ部材から前記部品を取り出して基板に前記部品を装着する部品装着装置であって、前記部品が取り出された後の前記テープ部材を切断する切断部と、前記切断部を駆動する駆動部と、前記駆動部を制御する制御部と、切断された前記テープ部材が通過するシュート部と、前記シュート部を検出する第1検出部と、を備え、前記第1検出部によって前記シュート部が検出されていない状態において、前記制御部は、前記切断部が駆動されないように、前記駆動部を制御する、部品装着装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、テープカッタが内蔵された部品装着装置において、メンテナンス時に、露出してしまうカッタ刃の駆動源を的確に遮断することで作業員の安全性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る部品装着装置の概略構成を模式的に表した平面図
図2図1に示した部品装着装置の上側を省略した正面図
図3図2の要部拡大図
図4図3の側面図
図5】エア供給状態における遮断部の斜視図
図6】エア供給状態における遮断部の空圧回路図
図7】エア遮断状態における遮断部の斜視図
図8】エア遮断状態における遮断部の空圧回路図
図9図3の裏側を台車と共に表した背面図
図10図9の要部拡大図
図11】部品装着装置のハードウェア構成例を示すブロック図
図12】実施の形態2に係る部品装着装置の動作時の空圧制御回路図
図13】実施の形態2に係る部品装着装置の停止時の空圧制御回路図
図14】実施の形態3に係る部品装着装置の側面図
図15図14に示した部品装着装置の動作時の空圧制御回路図
図16図14に示した部品装着装置の停止時の空圧制御回路図
図17】実施の形態4に係る部品装着装置の動作時の空圧制御回路図
図18】実施の形態4に係る部品装着装置の停止時の空圧制御回路図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施の形態1あるいは2に至る経緯]
上述した特許文献1の構成では、テープカッタが部品装着装置に内蔵されているので、例えばメンテナンスの際に部品装着装置の内部へアクセスするため、テープシュートを取り外す必要があった。ところが、テープシュートを取り外すと、テープカッタに容易にアクセスできてしまうため、テープカッタが安易に動作しないように作業員の安全を確保する必要がある点で、改善の余地があったと考えられる。
【0010】
そこで、以下の実施の形態1あるいは2では、テープカッタが内蔵された構成でも、メンテナンス時に、露出してしまうカッタ刃の駆動源を的確に遮断することで作業員の安全性を確保する部品装着装置の例を説明する。
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る部品装着装置を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0012】
[実施の形態1]
先ず、実施の形態1に係る部品装着装置の例について説明する。
【0013】
図1は、実施の形態1に係る部品装着装置11の概略構成を模式的に表した平面図である。部品装着装置11は、複数の部品供給装置から供給された部品を基板13に実装する機能を有する。以下の各実施の形態において、部品供給装置には、部品が封入されたテープ部材であるキャリアテープ15(図2参照)を断続的に送ることにより部品を供給するテープフィーダ17が用いられる。
【0014】
部品装着装置11は、架台19を有する。架台19の中央には、基板搬送コンベア21がX方向に沿って配置される。基板搬送コンベア21は、上流側装置から受け渡される作業対象の基板13をX方向に搬送して部品実装位置に位置決めする。基板搬送コンベア21を挟んだ両側には、部品供給部23,25のそれぞれが配置される。
【0015】
図1の下側と上側に配置された部品供給部23,25のそれぞれには、複数のテープフィーダ17を一括して部品装着装置11に装着可能な台車27がセットされる。台車27には、複数の部品供給装置であるテープフィーダ17の少なくとも1つが、対応するリール29とともに装着される。
【0016】
架台19の上面のX方向側の一端部には、Y軸移動テーブル31がY方向に沿って配置される。Y軸移動テーブル31は、フレーム体によって保持される。Y軸移動テーブル31には、X軸移動ビーム33がY方向に移動自在に装着される。X軸移動ビーム33には、実装ヘッド35がX方向に移動自在に装着される。Y軸移動テーブル31およびX軸移動ビーム33は、実装ヘッド35を移動させるヘッド移動機構37を構成する。
【0017】
図2は、図1に示した部品装着装置11の上側を省略した正面図である。ヘッド移動機構37を駆動することにより、実装ヘッド35は、X方向、Y方向にそれぞれ移動する。これにより、実装ヘッド35は、下端部に備えたノズル39によって、部品供給部23,25のそれぞれに配置されたテープフィーダ17から部品を取り出して、基板搬送コンベア21に位置決めされた基板13に実装する。
【0018】
実装ヘッド35には一体的に移動する基板認識カメラ41が、X軸移動ビーム33の下面側に位置して設けられている。実装ヘッド35を移動させて基板認識カメラ41を基板13の上方に位置させることにより、基板認識カメラ41によって基板13の上面を撮像する。
【0019】
また、基板搬送コンベア21と部品供給部23,25のそれぞれとの間には、部品認識カメラ43が配置されている。部品供給部23,25のそれぞれから部品を取り出した実装ヘッド35を部品認識カメラ43の上方に位置させることにより、部品認識カメラ43は、実装ヘッド35に保持された部品の状態を撮像する。
【0020】
上述の各部の動作は、架台19に設けられた本体部の制御部45によって制御される。ヘッド移動機構37、実装ヘッド35の上面および側面はカバー部材47(図2参照)によって覆われる。カバー部材47の両側面には、操作用の表示パネル49が配置される。作業者が表示パネル49を介して操作入力を行うことにより、部品装着装置11の各部への操作指令が入力される。
【0021】
次に、ほぼ同一の構成を有する部品供給部23,25のそれぞれのうち、部品供給部23を代表例として説明する。部品供給部23において、台車27は、架台19に設けられた固定手段によって機械的に架台19に固定される。台車27は、台車コネクタを介して架台内の本体部に電気的に接続される。台車コネクタは、台車有無検出スイッチ51としても作動する。台車27には部品が封入されたキャリアテープ15を巻回収納したリール29が複数保持される。リール29から引き出されたキャリアテープ15は、テープフィーダ17に取り込まれ、テープフィーダ17の内部で断続的にテープ送りされ、実装ヘッド35による取出位置まで搬送される。このテープ送りの過程においてキャリアテープ15からカバーテープが剥離される。実装ヘッド35は、テープ剥離後のキャリアテープ15から部品を取り出す。
【0022】
テープ剥離後の使用済キャリアテープは、テープフィーダ17の前端部に開口したテープガイド53によってガイドされて、下方に設けられた切断部55に送られ、ここで細片に切断される。切断部55は、テープカッタとも称される。切断後の使用済キャリアテープが細片状となった廃テープ57は、テープ排出路を構成するシュート部59を介して下方にガイドされ、台車27の底部に設けられた回収部61に回収される。
【0023】
次に、切断部55の構成および動作を説明する。
【0024】
テープフィーダ17の下方には、切断部55が設けられる。切断部55は、テープフィーダ17から排出された使用済キャリアテープを切断する機能を有する。
【0025】
図3は、図2の要部拡大図である。切断部55は、筐体部63の内部に固定された固定刃65と、駆動部であるシリンダ67によって固定刃65に対して進退する可動刃69とを、対向させて配置した構成となる。これら固定刃65と可動刃69とは、切断部の一例としてのテープカッタを構成する。シュート部59は、例えば切断部55の筐体部63に対して複数(例えば2つ)の固定ねじ71(図4参照)により取り外し自在に固定される。なお、シュート部59は、筐体部63の代わりに架台19に固定されてもよい。筐体部63の内部には、部品供給部23のテープフィーダ17から排出された使用済キャリアテープを導くテープガイド53が挿通している。筐体部63の底面にはシュート部59と連通する開口部が設けられる。
【0026】
切断部55は、筐体部63の底面に設けられた開口部の近傍に、固定刃65および可動刃69のそれぞれが配置される。この筐体部63の開口部は、シュート部59により覆われる。つまり、固定刃65および可動刃69のそれぞれは、シュート部59が取り付けられた状態では、アクセス不能となって安全に覆われるが、シュート部59が取り外された状態では、開口部からのアクセスが可能となる。このため、部品装着装置11のメンテナンス時において、固定刃65および可動刃69のそれぞれが剥き出しの状態(露出)となるため、作業員の安全性が低下する可能性がある。
【0027】
部品供給部23においてテープフィーダ17による部品供給が行われると、部品が取り出された後の使用済キャリアテープはテープガイド53によって筐体部63の内部に導かれる。この状態でシリンダ67を駆動して可動刃69を往復動させると、使用済キャリアテープは細片に切断された廃テープ57となる。そして廃テープ57は、シュート部59の中に落下し、シュート部59によって台車27に設けられた回収部61に投入される。
【0028】
図4は、図3の側面図である。シュート部59の側面には、遮断部73が設けられる。遮断部73は、駆動部への動力の供給を遮断する。実施の形態1において、遮断部73により遮断される駆動部は、流体(エア)によって駆動されるシリンダ67である。遮断部73は、エアが供給される配管の連結具である。
【0029】
図5は、エア供給状態における遮断部73の斜視図である。連結具は、第1連結部、および第1連結部に連結される第2連結部を有する。
【0030】
実施の形態1において、第1連結部は、ワンタッチカプラ75のオス側であるニップル77となる。第2連結部は、ワンタッチカプラ75のメス側であるソケット79となる。ワンタッチカプラ75は、接続状態が、ソケット79に設けられたスライド自在なスリーブ81により保持される。ニップル77は、シュート側ブラケット83によりシュート部59に固定される。ソケット79は、架台側ブラケット85により架台19に固定される。
【0031】
ニップル77は、シュート側ブラケット83に対して、シュート部59の着脱方向(Y方向)にスライド可能なスライド式となって固定される。これにより、シュート側ブラケット83に固定されたニップル77は、それぞれがソケット79に対して独立して接続解除可能となっている。
【0032】
ソケット79は、架台側ブラケット85に対して、着脱方向に直交する方向(XZ面に沿う方向)に変位可能なフローティング方式となって固定される。これにより、シュート部59の装着時において、複数のニップル77に対してそれぞれのソケット79を個々に位置合わせ(調芯)できるようになっている。
【0033】
図6は、エア供給状態における遮断部73の空圧回路図である。駆動部であるシリンダ67には、ピストン87が内蔵される。シリンダ67は、ピストン87を挟む2つの空室に、空圧源からの第1空圧配管89と第2空圧配管91とにより、メインエアが交互に供給される。シリンダ67は、メインエアが2つの空室へ交互に供給されることにより、ピストン87に接続されるピストンロッド93を進退駆動する。このピストンロッド93には、可動刃69が固定される。
【0034】
空圧源に接続される第1空圧配管89と第2空圧配管91の2系統の空圧回路は、架台19からシュート部59を迂回し、再び架台19へ戻される。従って、架台19とシュート部59との間には、4つのワンタッチカプラ75が配置される。シュート部59に取り付けられる4つのニップル77は、同一空圧回路の2つずつが接続配管95により連結される。図5に示す4つのワンタッチカプラ75の場合、上側2つには空圧源からのエアが入り、下側2つからエアがシリンダ67へ送られる。
【0035】
下側2つのワンタッチカプラ75のソケット79には、第3空圧配管97、第4空圧配管99が接続される。これら第3空圧配管97と第4空圧配管99とは、ピストン87を挟むシリンダ67の2つの空室のそれぞれに接続される。これにより、空圧源からの2系統の空圧回路から、シリンダ67の2つの空室にメインエアが交互に供給されるようになっている。
【0036】
図7は、エア遮断状態における遮断部73の斜視図である。ワンタッチカプラ75は、シュート部59が取り外される際に、ニップル77がソケット79から外れ、エアの供給が遮断される。ワンタッチカプラ75は、着脱される一方の配管の末端に固定されたニップル77と、他方の配管の末端に固定されたソケット79が接続解除されることにより、管路を遮断する。取り外しの際には、スリーブ81をスリーブスプリングの付勢力に抗してスライドすることによりニップル77とソケット79を取り外すことができる。
【0037】
図8は、エア遮断状態における遮断部73の空圧回路図である。ニップル77が取り外されたソケット79は、内蔵のバルブにより管路の末端が自動的に閉じられる。従って、架台側ブラケット85に固定された4つのソケット79は、ニップル77が外されることにより、空圧源に接続される第1空圧配管89および第2空圧配管91と、シリンダ67に接続される第3空圧配管97および第4空圧配管99とが、遮断部73において遮断される。一方、シュート部59に固定されたニップル77および接続配管95は、大気開放された状態となる。
【0038】
なお、遮断部73において、それぞれのワンタッチカプラ75は、接続時、ニップル77とソケット79とを嵌合するのみでワンタッチで接続状態に保持できる。接続状態となったワンタッチカプラ75は、ソケット79のバルブが開き、2つの管路が通じた状態となって保持される。
【0039】
図9は、図3の裏側を台車27と共に表した背面図である。架台19は、両側部に台車接続部を有する。台車接続部は、テープフィーダ17へキャリアテープ15を供給するリール29を収納可能な台車27を接続する。台車接続部は、台車27に設けられた接続端部が嵌合することにより、台車27を架台19に接続状態とする。架台19の側面には、台車接続部に台車27が接続されたことを検出する台車有無検出スイッチ51が設けられる。台車有無検出スイッチ51には、上記の台車有無検出スイッチ51が用いられる。この台車有無検出スイッチ51は、第2検出部を構成する。
【0040】
図10は、図9の要部拡大図である。台車有無検出スイッチ51には、例えばドロワコネクタを用いることができる。ドロワコネクタは、台車27が台車接続部に入ると、雌雄のコネクタハウジング同士が嵌合され、それぞれのハウジング内部に設けられた端子同士が接続状態となって、台車27の接続されたことが検出される。この検出信号が制御部45に送信される。制御部45は、この検出結果に基づいて切断部55における可動刃69の動作を制御する。
【0041】
実施の形態1では、台車有無検出スイッチ51が、台車検出した場合に、切断部55における可動刃69の動作を許可するようになっている。換言すれば、台車27が架台19から取り外された状態では、可動刃69が動作不能となる。この台車有無検出スイッチ51による切断部55の制御は、空圧源とシリンダ67との間に介装される後述のカッタ動作制御バルブにより行われる。
【0042】
次に、部品装着装置11のハードウェア構成例を説明する。
【0043】
図11は、部品装着装置11におけるハードウェア構成例を示すブロック図である。制御部45は、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプロセッサを用いて構成され、部品装着装置11の各部の動作の制御、各部との間でのデータの入出力を制御する。制御部45は、内部処理機能としての実装処理部101、認識処理部103、切断処理部105、表示処理部107を備えている。実装処理部101は、機構駆動部109を制御することにより、基板搬送コンベア21、実装ヘッド35、ヘッド移動機構37、部品供給部23,25の各部の動作を制御する。これにより、基板搬送コンベア21に位置決め保持された基板13に、部品供給部23、部品供給部25から取り出した部品を実装する部品実装作業が実行される。
【0044】
この部品実装作業において、認識処理部103は、部品認識カメラ43、基板認識カメラ41による撮像結果を認識処理する。すなわち基板認識カメラ41による撮像結果を認識処理することにより、基板13の位置認識が行われる。また部品認識カメラ43による撮像結果を認識処理することにより、実装ヘッド35に保持された部品の識別や位置ずれが検出される。実装ヘッド35による部品搭載においては、これらの認識結果を加味してヘッド移動機構37が制御される。
【0045】
切断処理部105は、シリンダ67を制御することにより、カッタによる切断動作を制御する。この制御においては、第2検出部である台車有無検出スイッチ51の検出結果に基づいて、切断部55であるカッタの動作を制御する。すなわち台車有無検出スイッチ51が、台車27の接続を検出した場合にカッタの動作を許可するようにしている。これにより、台車27が架台19から取り外された状態において、カッタが動作することによる前述の不都合を防止するようにしている。台車27が架台19から取り外された状態にあることは、表示処理部107によって表示パネル49に表示される。
【0046】
次に、実施の形態1に係る部品装着装置11における作用を説明する。
【0047】
実施の形態1に係る部品装着装置11では、リール29から引き出されたキャリアテープ15がテープフィーダ17に取り込まれる。キャリアテープ15は、テープフィーダ17の内部で断続的にテープ送りされ、実装ヘッド35による取出位置まで搬送される。このテープ送りの過程で、キャリアテープ15からカバーテープが剥離される。キャリアテープ15は、テープ剥離後、実装ヘッド35により部品が取り出される。
【0048】
部品が取り出された使用済キャリアテープは、切断部55に送られる。切断部55は、シリンダ67によりテープカッタが駆動されることにより、使用済キャリアテープを細片の廃テープ57に切断する。この廃テープ57は、切断部55の下部に接続されるシュート部59を介して、台車27の底部に設けられた回収部61に回収される。
【0049】
部品装着装置11は、切断部55の筐体部63等に、シュート部59が固定ねじ71により固定される。シュート部59は、切断部55と台車27との間に配置され、メンテナンス領域111(図3参照)を覆っている。部品装着装置11は、このシュート部59が取り外されることにより、シュート部59の奥側に位置するメンテナンス領域111に対するアクセスが可能となる。換言すれば、メンテナンス時には、シュート部59を取り外す必要がある。メンテナンス領域111には、制御部45、モータドライバ、真空ポンプ等が設けられている。
【0050】
部品装着装置11では、メンテナンス領域111でのメンテナンス作業が必要になると、台車27が外された後、作業者によってシュート部59が取り外される。
【0051】
部品装着装置11は、シュート部59が取り外されると、遮断部73がシリンダ67への動力の供給を遮断する。切断部55は、シリンダ67への動力の供給が遮断されることにより、下部において露出した可動刃69が動作不能となって停止する。
【0052】
実施の形態1に係る部品装着装置11は、複数の部品が収容されたテープ部材から部品を取り出して基板13に部品を装着する。部品装着装置11は、部品が取り出された後のテープ部材を切断する切断部55と、切断部55を駆動するシリンダ67と、シリンダ67への動力の供給を遮断する遮断部73と、切断されたテープ部材が通過するシュート部59と、を備える。シュート部59が取り外される際に、遮断部73によって、動力の供給が遮断される。
【0053】
部品装着装置11によれば、固定刃65、可動刃69を覆うカバー部分(すなわち、シュート部59)を外した際に、切断部55への駆動源(メインエア)を遮断する遮断部73を備えることで、露出する可動刃69を確実に動作できないようにすることができる。部品装着装置11によれば、機械的にシリンダ67への動力の供給を遮断する構成とするので、従来の安全スイッチにて電気的な安全策をとった構成に比べ、制御機器の故障やマニュアル操作によるカッタの誤動作を確実に排除できる。従って、テープカッタが内蔵された部品装着装置において、メンテナンス時に、露出してしまうカッタ刃の駆動源を的確に遮断することで作業員の安全性を確保できる。
【0054】
また、遮断部73は、シュート部59の側面に設けられている。
【0055】
また、この部品装着装置11では、装置内部のメンテナンス領域111が、シュート部59により覆われる。シュート部59を挟んでメンテナンス領域111の反対側には、さらに台車27が配置される。従って、先ず、台車27が取り外された後、シュート部59が同方向(-Y方向)に取り外されてメンテナンス領域111が開放される。部品装着装置11では、遮断部73がシュート部59の側面に設けられるので、遮断部73が、シュート部59を取り外す際の邪魔とならない。また、台車27が取り除かれた状態で行われる遮断部73の切り離し、または接続作業を作業者の手の届くシュート部59の側面で容易に行うことができる。
【0056】
また、部品装着装置11において、駆動部は、流体によって駆動されるシリンダ67であり、遮断部73は、流体が供給される配管の連結具であり、連結具は、第1連結部、および第1連結部に連結される第2連結部を有し、シュート部59が取り外される際に、第1連結部が第2連結部から外れ、流体の供給が遮断される。
【0057】
この部品装着装置11では、駆動部が、流体(エア)によって駆動されるシリンダ67となる。シリンダ67は、切断部55の可動刃69を駆動する。遮断部73は、シリンダ67にエアを供給する配管の連結具であり、第1連結部と第2連結部とからなる。実施の形態1において、第1連結部は、ワンタッチカプラ75のオス側(ニップル77)となる。第2連結部は、ワンタッチカプラ75のメス側(ソケット79)となる。
【0058】
ワンタッチカプラ75は、ニップル77とソケット79が着脱されることにより、配管を接続または取り外し可能とする。ワンタッチカプラ75は、接続状態が、ソケット79に設けられたスライド自在なスリーブ81により保持される。取り外しの際には、スリーブ81をスリーブスプリングの付勢力に抗してスライドすることによりワンタッチでニップル77から取り外すことができる。
【0059】
ニップル77が取り外されたソケット79は、内蔵のバルブにより管路の末端が自動で閉じられることになる。接続時には、ニップル77とソケット79とを嵌合するのみでワンタッチで接続状態に保持できる。接続状態となったワンタッチカプラ75は、ソケット79のバルブが開き、配管が通じた状態となる。
【0060】
従って、シュート部59が取り外される際に、ニップル77がソケット79から外れ、切断部55へのエアの供給が必ず遮断されることになる。
【0061】
また、実施の形態1に係る部品装着装置11は、シュート部59が取り外される際に、シュート部59と一体として第1連結部が第2連結部から外れる。
【0062】
実施の形態1に係る部品装着装置11では、第1連結部であるニップル77が、シュート部59に一体に固定される。第2連結部であるソケット79は、例えば架台19に固定される。シリンダ67には、ピストン87が内蔵される。シリンダ67は、ピストン87を挟む2つの空室にエアを交互に供給することにより、ピストン87に接続されるピストンロッド93(すなわち可動刃69)を進退駆動する。コンプレッサ等の空圧源からは2系統の空圧回路がシリンダ67に接続される。この2系統の空圧回路は、架台19からシュート部59を迂回してから再び架台19へ戻される。従って、架台19とシュート部59との間には、4つのワンタッチカプラ75が配置される。このうち、シュート部59には、第1連結部である4つのニップル77が一体に設けられる。架台19には、それぞれのニップル77に対応して4つのソケット79が設けられる。
【0063】
部品装着装置11によれば、シュート部59が取り外されることにより、シュート部59と共に4つのニップル77がソケット79から離脱し、シリンダ67へのエア供給が同時にかつ確実に遮断されることになる。
【0064】
これに加え、実施の形態1に係る部品装着装置11では、遮断部73にワンタッチカプラ75を使用することで、シュート部59の取り付け・取り外し作業を容易にすることができる。
【0065】
また、ワンタッチカプラ75のニップル77をスライド式とし、それぞれのワンタッチカプラ75を独立して接続・接続解除可能としたので、複数のワンタッチカプラ75の取り外し作業を容易にすることができる。
【0066】
また、ワンタッチカプラ75におけるソケット79の固定をフローティング方式としたので、シュート部59の装着時において、複数のワンタッチカプラ75を同時に位置合わせ(調芯)でき、複数のワンタッチカプラ75を備える遮断部73を一度に接続可能とすることができる。
【0067】
[実施の形態2]
次に、実施の形態2に係る部品装着装置113の例について説明する。
【0068】
図12は、実施の形態2に係る部品装着装置113の動作時の空圧制御回路図である。なお、実施の形態2においては実施の形態1で説明した部材・部位と同一の部材・部位に同一の符号を付し重複する説明は省略する。また、以下の各空圧回路図においては、説明を簡単にするため空圧制御要素の主にポートに符号を付し配管の説明は省略する。
【0069】
実施の形態2に係る部品装着装置113では、遮断部73が、流体の流れを制御するバルブである。部品装着装置113は、このバルブによってシリンダ67への流体の供給を遮断する。
【0070】
部品装着装置113において、このバルブは、メカニカルバルブ115である。メカニカルバルブ115は、シュート部59の取り外しに連動して、シリンダ67への流体の供給を遮断する。メカニカルバルブ115は、空圧源とシリンダ67との間に設けられる。
【0071】
メカニカルバルブ115とシリンダ67との間には、カッタ動作制御バルブ117が介装される。カッタ動作制御バルブ117は、5ポート2位置方向制御弁である。カッタ動作制御バルブ117は、ソレノイド119による電磁操作により2位置方向が切り替えられる。ソレノイド119は、制御部45により制御される。制御部45は、台車有無検出スイッチ51から入力される台車検出信号に基づきカッタ動作制御バルブ117を制御する。
【0072】
メカニカルバルブ115は、空圧源と、このカッタ動作制御バルブ117との間に介装される。つまり、メカニカルバルブ115は、カッタ動作制御バルブ117よりも空圧源に近いエア供給方向の上流側に配置される。従って、切断部55は、メカニカルバルブ115の動作により空圧源からのエアが遮断されれば、カッタ動作制御バルブ117の動作状態に関わらず、シリンダ67が停止することになる。これは、カッタ動作制御バルブ117の上流側で、空圧源からのエアが遮断されるためである。
【0073】
メカニカルバルブ115は、2ポート2位置方向制御弁である。メカニカルバルブ115は、押圧子121の押し操作により2位置方向が切り替えられる。メカニカルバルブ115は、シュート部59が取り付けられることにより押圧子121が押し込まれ、空圧源からのエアをカッタ動作制御バルブ117へ送る(図12の動作時)。一方、メカニカルバルブ115は、シュート部59が取り外されると、リターンスプリング122によりポートが切り替えられ、カッタ動作制御バルブ117へのエアの供給を遮断すると同時に押圧子121が突出状態となる(図13の状態)。
【0074】
部品装着装置113は、図12に示す動作時において、空圧源からのエアがメカニカルバルブ115に供給されると、メカニカルバルブ115が、第1ポート123よりカッタ動作制御バルブ117へエアを供給する。エアの供給されたカッタ動作制御バルブ117は、台車有無検出スイッチ51がONの時、ソレノイド119がONとなって第1供給ポート125からシリンダ67の進出ポート127へエアを供給する。進出ポート127にエアの供給されたシリンダ67は、ピストンロッド93を進出させる方向にピストン87が移動する。この際、シリンダ67は、後退ポート129からのエアがカッタ動作制御バルブ117の第1排気ポート131に排気される。この排気は、カッタ動作制御バルブ117に接続されたサイレンサ133を介して大気に排気される。これにより、切断部55は、可動刃69を進出駆動する。
【0075】
図13は、実施の形態2に係る部品装着装置113の停止時の空圧制御回路図である。一方、部品装着装置113は、図13に示す停止時において、シュート部59が取り外されると、押圧子121が突出し、空圧源からのエアがメカニカルバルブ115により遮断される。これにより、メカニカルバルブ115からはエアがカッタ動作制御バルブ117へ供給されなくなる。この状態でメカニカルバルブ115は、大気開放される第2ポート135がカッタ動作制御バルブ117へ接続される。第2ポート135と接続されたカッタ動作制御バルブ117は、台車有無検出スイッチ51がOFFの時、ソレノイド119がOFFとなって第2供給ポート137がシリンダ67の後退ポート129へ接続される。後退ポート129に接続されたシリンダ67は、図示しないリリーススプリング等によりピストンロッド93を後退させる方向にピストン87が移動する。この際、シリンダ67は、第2供給ポート137からのエアが後退ポート129に流入するとともに、進出ポート127からのエアがカッタ動作制御バルブ117の第2排気ポート139に排気される。この排気は、カッタ動作制御バルブ117に接続されたサイレンサ133を介して大気に排気される。これにより、切断部55は、可動刃69を後退駆動して停止する。
【0076】
次に、実施の形態2に係る部品装着装置11における作用を説明する。
【0077】
実施の形態2に係る部品装着装置113において、駆動部は、流体によって駆動されるシリンダ67であり、遮断部73は、流体の流れを制御するバルブであり、シュート部59が取り外される際に、バルブによってシリンダ67への流体の供給を遮断する。
【0078】
実施の形態2に係る部品装着装置113では、実施の形態1に係る部品装着装置11に用いられていたワンタッチカプラ75に代えて、バルブによりシリンダ67へのエアの供給が遮断される。この部品装着装置113によれば、空圧源に接続される空圧回路において、空圧源に直近の最上流側にバルブを設けることで、一つのバルブによりシリンダ67へのエアの供給を遮断することが可能となる。その結果、空圧回路を簡素に構成できるとともに、部品コストも安価にできる。
【0079】
また、部品装着装置113において、バルブは、メカニカルバルブ115であり、シュート部59の取り外しに連動して、メカニカルバルブ115によって、シリンダ67への流体の供給が遮断される。
【0080】
この部品装着装置113では、バルブがメカニカルバルブ115となるので、押圧子121によりシュート部59の有無を検出して、機械的に、シリンダ67への空圧回路を遮断することができる。これにより、台車有無検出スイッチ51のみにより、カッタ動作制御バルブ117を制御する構成に比べ、制御機器の故障やマニュアル操作によるカッタの誤動作を確実に排除することができる。
【0081】
[実施の形態3あるいは4に至る経緯]
特許文献1の構成では、台車の有無を台車有無検出センサで検出することによって、カッタ部を動作させない安全策が取られている。しかし、カッタ刃を覆っているカバーが取り付けられていなくてもカッタが動作してしまう。すなわち、テープシュートを取り外した状態でも台車有無検出センサが反応していれば、カッタが動作してしまうため、テープシュートが取り付いていない状態ではカッタが動作しないようにして安全を確保する必要がある。
【0082】
そこで、以下の実施の形態3あるいは4では、テープカッタが内蔵された構成でも、メンテナンス時に、露出してしまうカッタ刃の駆動源を的確に遮断することで作業員の安全性を確保する部品装着装置の例を説明する。
【0083】
[実施の形態3]
次に、実施の形態3に係る部品装着装置の例について説明する。
【0084】
図14は、実施の形態3に係る部品装着装置141の側面図である。なお、実施の形態3においては実施の形態1、実施の形態2で説明した部材・部位と同一の部材・部位に同一の符号を付し重複する説明は省略する。
【0085】
実施の形態3に係る部品装着装置141は、切断部55と、制御部45と、シュート部59と、台車有無検出スイッチ51と、第1検出部とを備える。第1検出部は、シュート部検出センサ143である。
【0086】
シュート部検出センサ143は、シュート部59の有無を検出する。シュート部検出センサ143は、シュート部59の例えば側面に対向する位置で架台19に固定される。シュート部検出センサ143としては、例えば光電センサ等が用いられる。この他、第1検出部には、シュート部59の有無を検出できるものであれば、感圧センサ等の任意のセンサを用いることができる。
【0087】
図15は、図14に示した部品装着装置141の動作時の空圧制御回路図である。部品装着装置141において、制御部45は、シュート部検出センサ143がシュート部59を検出している状態において、切断部55が駆動されるように、シリンダ67を制御する。
【0088】
部品装着装置141は、図15に示す動作時において、空圧源からのエアがカッタ動作制御バルブ117へエアに供給される。エアの供給されたカッタ動作制御バルブ117は、ソレノイド119がONとなって第1供給ポート125からシリンダ67の進出ポート127へエアを供給する。進出ポート127にエアの供給されたシリンダ67は、ピストンロッド93を進出させる方向にピストン87が移動する。この際、シリンダ67は、後退ポート129からのエアがカッタ動作制御バルブ117の第1排気ポート131に排気される。この排気は、カッタ動作制御バルブ117に接続されたサイレンサ133を介して大気に排気される。これにより、切断部55は、可動刃69を進出駆動する。
【0089】
図16は、図14に示した部品装着装置141の停止時の空圧制御回路図である。部品装着装置141において、制御部45は、シュート部検出センサ143がシュート部59を検出していない状態において、切断部55が駆動されないように、シリンダ67を制御する。
【0090】
部品装着装置141は、図16に示す停止時において、シュート部59が取り外されると、シュート部検出センサ143がシュート部59が無いことを検出する。制御部45は、シュート部検出センサ143からのシュート部無し信号を受けると、ソレノイド119を制御してカッタ動作制御バルブ117を停止状態とする。停止状態のカッタ動作制御バルブ117は、空圧源からのエアを第2供給ポート137からシリンダ67の後退ポート129へ供給する。後退ポート129にエアの供給されたシリンダ67は、ピストンロッド93を後退させる方向にピストン87が移動する。この際、シリンダ67は、進出ポート127のエアをカッタ動作制御バルブ117の第2排気ポート139に排気する。この排気は、カッタ動作制御バルブ117に接続されたサイレンサ133を介して大気に排気される。これにより、切断部55は、可動刃69を後退駆動して停止する。
【0091】
また、部品装着装置141は、台車27を検出する第2検出部である台車有無検出スイッチ51をさらに備える。従って、部品装着装置141は、シュート部検出センサ143によってシュート部59が検出され、かつ台車有無検出スイッチ51によって台車27が検出された状態のみにおいて、制御部45が、切断部55を駆動するように、シリンダ67を制御する。
【0092】
次に、実施の形態3に係る部品装着装置141における作用を説明する。
【0093】
実施の形態3に係る部品装着装置141は、複数の部品が収容されたテープ部材から部品を取り出して基板13に部品を装着する部品装着装置141であって、部品が取り出された後のテープ部材を切断する切断部55と、切断部55を駆動するシリンダ67と、シリンダ67を制御する制御部45と、切断されたテープ部材が通過するシュート部59と、シュート部59を検出する第1検出部(シュート部検出センサ143)と、を備え、シュート部検出センサ143によってシュート部59が検出されていない状態において、制御部45は、切断部55が駆動されないように、シリンダ67を制御する。
【0094】
実施の形態3に係る部品装着装置141では、シュート部検出センサ143が、制御部45に接続される。制御部45は、このシュート部検出センサ143からのシュート部無し信号を受け取ると、可動刃69が後退する方向にシリンダ67を駆動して、シリンダ67を停止させる。これにより、切断部55が内蔵された部品装着装置11において、メンテナンス時に、露出してしまうカッタ刃の駆動を制御することで安全性を確保することができる。
【0095】
また、部品装着装置141によれば、小型の電子部品であるシュート部検出センサ143をシュート部近傍の架台19に取り付け、制御部45までの配線接続を行えば、駆動部であるシリンダ67を制御できる。その結果、空圧回路を変更せずに構成できるとともに、部品コストも安価にできる。また、空圧回路に迂回路を設けなくてもよいので、装置を小型化する上でも有利となる。
【0096】
また、部品装着装置141は、部品を供給するフィーダを保持する台車27を検出する第2検出部をさらに備え、シュート部検出センサ143によってシュート部59が検出され、かつ第2検出部によって台車27が検出された状態のみにおいて、制御部45は、切断部55を駆動するように、シリンダ67を制御する。
【0097】
この部品装着装置141では、制御部45が、シュート部検出センサ143からのシュート部無し信号に加え、台車有無検出スイッチ51からの台車無し信号を受け取ったときのみ、シリンダ67を駆動する。その結果、部品装着装置141によれば、シュート部検出センサ143の誤検出によるシリンダ67の誤動作を抑制でき、メンテナンス時の安全性をより確実に確保できる。
【0098】
[実施の形態4]
次に、実施の形態4に係る部品装着装置の例について説明する。
【0099】
図17は、実施の形態4に係る部品装着装置145の動作時の空圧制御回路図である。なお、実施の形態4においては実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3で説明した部材・部位と同一の部材・部位に同一の符号を付し重複する説明は省略する。
【0100】
実施の形態4に係る部品装着装置145は、カッタ動作制御バルブ117と、制御部45と、台車有無検出スイッチ51と、シュート部検出センサ143と、メカニカルバルブ115とを備える。カッタ動作制御バルブ117、台車有無検出スイッチ51、シュート部検出センサ143およびメカニカルバルブ115は、上記の実施の形態と同様の構成を有して同様に動作する。
【0101】
部品装着装置145は、シュート部検出センサ143によってシュート部59が検出され、第2検出部によって台車27が検出され、かつメカニカルバルブ115によってシュート部59が検出された状態のみにおいて、制御部45が、切断部55を駆動するように、シリンダ67を制御する。
【0102】
部品装着装置145は、図17に示す動作時において、空圧源からのエアがメカニカルバルブ115に供給されると、メカニカルバルブ115は、第1ポート123よりカッタ動作制御バルブ117へエアを供給する。エアの供給されたカッタ動作制御バルブ117は、台車有無検出スイッチ51がONの時、かつシュート部検出センサ143がONの時、ソレノイド119がONとなって第1供給ポート125からシリンダ67の進出ポート127へエアを供給する。進出ポート127にエアの供給されたシリンダ67は、ピストンロッド93を進出させる方向にピストン87が移動する。この際、シリンダ67は、後退ポート129からのエアがカッタ動作制御バルブ117の第1排気ポート131に排気される。この排気は、カッタ動作制御バルブ117に接続されたサイレンサ133を介して大気に排気される。これにより、切断部55は、可動刃69を進出駆動する。
【0103】
図18は、実施の形態4に係る部品装着装置145の停止時の空圧制御回路図である。一方、部品装着装置145は、図18に示す停止時において、シュート部59が取り外されると、押圧子121が突出し、空圧源からのエアがメカニカルバルブ115により遮断される。これにより、メカニカルバルブ115からはエアがカッタ動作制御バルブ117へ供給されなくなる。この状態でメカニカルバルブ115は、大気開放される第2ポート135がカッタ動作制御バルブ117へ接続される。第2ポート135と接続されたカッタ動作制御バルブ117は、台車有無検出スイッチ51がOFFの時、かつシュート部検出センサ143がOFFの時、ソレノイド119がOFFとなって第2供給ポート137がシリンダ67の後退ポート129へ接続される。後退ポート129に接続されたシリンダ67は、図示しないリリーススプリング等によりピストンロッド93を後退させる方向にピストン87が移動する。この際、シリンダ67は、第2供給ポート137からのエアが後退ポート129に流入するとともに、進出ポート127からのエアがカッタ動作制御バルブ117の第2排気ポート139に排気される。この排気は、カッタ動作制御バルブ117に接続されたサイレンサ133を介して大気に排気される。これにより、切断部55は、可動刃69を後退駆動して停止する。
【0104】
従って、部品装着装置145は、台車有無検出スイッチ51、シュート部検出センサ143またはメカニカルバルブ115のいずれかが、非駆動とすることを検出すれば、シリンダ67は、駆動されない。
【0105】
なお、部品装着装置145は、遮断部73が、メカニカルバルブ115に代えて、第1連結部と第2連結部を有する連結具(ワンタッチカプラ75)であってもよい。
【0106】
次に、実施の形態4に係る部品装着装置145における作用を説明する。
【0107】
実施の形態4に係る部品装着装置145は、シュート部59を検出するシュート部検出センサ143、およびシリンダ67を制御する制御部45を備え、シュート部検出センサ143によってシュート部59が検出されていない状態において、制御部45は、切断部55が駆動されないように、シリンダ67を制御する。
【0108】
この部品装着装置145では、遮断部73であるメカニカルバルブ115と、シュート部検出センサ143とを有するので、シュート部検出センサ143からのシュート部検出信号によりカッタ動作制御バルブ117が制御されるのに加え、カッタ動作制御バルブ117へのエアの供給が上流側のメカニカルバルブ115によっても制御される。
【0109】
その結果、部品装着装置145によれば、駆動部であるシリンダ67が、シュート部検出センサ143による電気的にも、メカニカルバルブ115による機械的にも制御され、電気的な誤検出によるシリンダ67の誤動作を抑制でき、メンテナンス時の安全性をより確実に確保できる。
【0110】
また、実施の形態4に係る部品装着装置145は、部品を供給するフィーダを保持する台車27を検出する第2検出部(台車有無検出スイッチ51)をさらに備え、シュート部検出センサ143によってシュート部59が検出され、かつ第2検出部によって台車27が検出された状態のみにおいて、制御部45は、切断部55を駆動するように、シリンダ67を制御する。
【0111】
実施の形態4に係る部品装着装置145では、遮断部73であるメカニカルバルブ115と、シュート部検出センサ143と、台車有無検出スイッチ51とを有するので、シュート部検出センサ143からのシュート部検出信号および台車有無検出スイッチ51からの台車検出信号によりカッタ動作制御バルブ117が制御され、これに加えてさらにカッタ動作制御バルブ117への上流側でのエアの供給がメカニカルバルブ115によっても制御される。
【0112】
その結果、部品装着装置145によれば、駆動部であるシリンダ67が、シュート部検出センサ143および台車有無検出スイッチ51による電気的にも、メカニカルバルブ115による機械的にも制御され、電気的な誤検出によるシリンダ67の誤動作をより確実に抑制でき、メンテナンス時の安全性をより一層確実に確保できる。
【0113】
また、実施の形態4に係る部品装着装置145は、駆動部への動力の供給を遮断する遮断部73をさらに備え、シュート部59が取り外される際に、遮断部73によって、動力の供給が遮断される。
【0114】
実施の形態4に係る部品装着装置145では、遮断部73と、シュート部検出センサ143と、台車有無検出スイッチ51とを有するので、シュート部検出センサ143からのシュート部検出信号および台車有無検出スイッチ51からの台車検出信号によりカッタ動作制御バルブ117が制御され、これに加えてさらにカッタ動作制御バルブ117への上流側でのエアの供給が遮断部73によっても制御される。
【0115】
その結果、部品装着装置145によれば、駆動部であるシリンダ67が、シュート部検出センサ143および台車有無検出スイッチ51による電気的にも、遮断部73による機械的にも制御され、電気的な誤検出によるシリンダ67の誤動作をより確実に抑制でき、メンテナンス時の安全性をより一層確実に確保できる。
【0116】
また、実施の形態4に係る部品装着装置145は、遮断部73が、シュート部59の側面に設けられている。
【0117】
実施の形態4に係る部品装着装置145では、台車27が取り外された後、シュート部59が同方向(-Y方向)に取り外されてメンテナンス領域111が開放される。部品装着装置145では、遮断部73がシュート部59の側面に設けられるので、遮断部73が、シュート部59を取り外す際の邪魔とならない。また、台車27が取り除かれた状態で行われる遮断部73の切り離し、または接続作業を手のとどくシュート部59の側面で容易に行うことができる。
【0118】
また、実施の形態4に係る部品装着装置145において、駆動部は、流体によって駆動されるシリンダ67であり、遮断部73は、流体が供給される配管の連結具(ワンタッチカプラ75)であり、連結具は、第1連結部(ニップル77)、および第1連結部に連結される第2連結部(ソケット79)を有し、シュート部59が取り外される際に、第1連結部が第2連結部から外れ、流体の供給が遮断される。
【0119】
実施の形態4に係る部品装着装置145では、遮断部73が連結具(ワンタッチカプラ75)であってもよい。ワンタッチカプラ75は、ニップル77とソケット79が着脱されることにより、配管を接続または取り外し可能とする。ワンタッチカプラ75は、接続状態が、ソケット79に設けられたスライド自在なスリーブ81により保持される。取り外しの際には、スリーブ81をスリーブスプリングの付勢力に抗してスライドすることによりワンタッチでニップル77から取り外すことができる。
【0120】
ニップル77が取り外されたソケット79は、内蔵のバルブにより管路の末端が自動で閉じられることになる。接続時には、ニップル77とソケット79とを嵌合するのみでワンタッチで接続状態に保持できる。接続状態となったワンタッチカプラ75は、ソケット79のバルブが開き、配管が通じた状態となる。
【0121】
従って、シュート部59が取り外される際に、ニップル77がソケット79から外れ、切断部55へのエアの供給が必ず遮断されることになる。
【0122】
また、実施の形態4に係る部品装着装置145は、シュート部59が取り外される際に、シュート部59と一体として第1連結部が第2連結部から外れる。
【0123】
実施の形態4に係る部品装着装置145では、シュート部59が取り外されることにより、シュート部59と共に4つのニップル77がソケット79から離脱し、シリンダ67へのエア供給が同時にかつ確実に遮断されることになる。
【0124】
また、実施の形態4に係る部品装着装置145は、駆動部は、流体によって駆動されるシリンダ67であり、遮断部73は、流体の流れを制御するバルブであり、シュート部59が取り外される際に、バルブによってシリンダ67への流体の供給を遮断する。
【0125】
実施の形態4に係る部品装着装置145では、遮断部73がバルブであってもよい。バルブは、シリンダ67へのエアの供給を遮断する。この部品装着装置145によれば、空圧源に接続される空圧回路において、空圧源に直近の最上流側にバルブを設けることで、一つのバルブによりシリンダ67へのエアの供給を遮断することが可能となる。その結果、空圧回路を簡素に構成できるとともに、部品コストも安価にできる。
【0126】
また、実施の形態4に係る部品装着装置145において、バルブは、メカニカルバルブ115であり、シュート部59の取り外しに連動して、メカニカルバルブ115によって、シリンダ67への流体の供給が遮断される。
【0127】
実施の形態4に係る部品装着装置145では、バルブがメカニカルバルブ115であってもよいので、押圧子121によりシュート部59の有無を検出して、機械的に、シリンダ67への空圧回路を遮断することができる。これにより、台車有無検出スイッチ51およびシュート部検出センサ143のみにより、カッタ動作制御バルブ117を制御する構成に比べ、制御機器の故障やマニュアル操作によるカッタの誤動作を確実に排除することができる。
【0128】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本開示は、テープカッタが内蔵された構成でも、メンテナンス時に、露出してしまうカッタ刃の駆動源を的確に遮断することで作業員の安全性を確保する部品装着装置として有用である。
【符号の説明】
【0130】
11 部品装着装置
13 基板
15 キャリアテープ
27 台車
45 制御部
51 台車有無検出スイッチ
55 切断部
59 シュート部
67 シリンダ
73 遮断部
75 ワンタッチカプラ
77 ニップル
79 ソケット
115 メカニカルバルブ
143 シュート部検出センサ
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