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特許7370004漏電量検知システム、自動保守点検システム及び漏電量検知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】漏電量検知システム、自動保守点検システム及び漏電量検知方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20231020BHJP
   G01R 31/52 20200101ALI20231020BHJP
   H02B 1/40 20060101ALI20231020BHJP
   H02H 7/26 20060101ALI20231020BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
G01R31/52
H02B1/40 A
H02H7/26 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019231966
(22)【出願日】2019-12-23
(65)【公開番号】P2021100355
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 憲一
(72)【発明者】
【氏名】澤田 知行
(72)【発明者】
【氏名】田中 修平
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-312875(JP,A)
【文献】特開2003-029818(JP,A)
【文献】特開2003-177154(JP,A)
【文献】特開2003-222648(JP,A)
【文献】特開2004-096906(JP,A)
【文献】特開2005-304148(JP,A)
【文献】特開2007-257598(JP,A)
【文献】特開2008-220024(JP,A)
【文献】特開2010-251251(JP,A)
【文献】特開2012-189538(JP,A)
【文献】特開2012-202704(JP,A)
【文献】特開2015-198477(JP,A)
【文献】特開2016-053479(JP,A)
【文献】特開2017-091258(JP,A)
【文献】特表2014-511474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/52
H02B 1/40
H02H 7/26
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
需要家設備に設置されるブレーカを備え、
前記ブレーカは、
前記ブレーカにおける漏電量を検知する漏電量検知部と、
前記漏電量検知部で検知された前記漏電量に基づいて、前記需要家設備における異常の有無に関する異常判断情報を生成する判断部と、
前記漏電量検知部で検知された前記漏電量に関する情報と、前記判断部で生成された前記異常判断情報と、を含む点検情報を出力する通信部と、を備える、
漏電量検知システム。
【請求項2】
需要家設備に設置されるブレーカを備え、
前記ブレーカは、
前記ブレーカにおける漏電量を検知する漏電量検知部と、
前記漏電量検知部で検知された前記漏電量の積算値を算出し、前記積算値に関する情報を生成する演算部と、
前記漏電量検知部で検知された前記漏電量に関する情報と、前記演算部で生成された前記積算値に関する情報と、を含む点検情報を出力する通信部と、を備える、
漏電量検知システム。
【請求項3】
前記漏電量検知部は、分電盤のキャビネットの内部に配置される、
請求項1又は2に記載の漏電量検知システム。
【請求項4】
前記漏電量検知部は、前記ブレーカとしての漏電ブレーカに備えられる、
請求項1~3のいずれか一項に記載の漏電量検知システム。
【請求項5】
前記点検情報は、前記漏電量検知部で検知された漏電量の積算値に関する情報を含む、
請求項1に記載の漏電量検知システム。
【請求項6】
前記需要家設備の異常の有無を前記点検情報に基づいて判断する判断部を更に備える、
請求項2に記載の漏電量検知システム。
【請求項7】
前記判断部は、分電盤のキャビネットの外部に配置される、
請求項6に記載の漏電量検知システム。
【請求項8】
前記通信部から外部装置への前記点検情報の通信を中継する中継器を更に備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載の漏電量検知システム。
【請求項9】
前記通信部は、前記点検情報を能動的に出力する機能を有する、
請求項1~8のいずれか一項に記載の漏電量検知システム。
【請求項10】
前記点検情報は、前記漏電量検知部で検知された漏電量に関する情報に加えて、分電盤のキャビネットの内部で検知される情報である盤内情報を含む、
請求項1~9のいずれか一項に記載の漏電量検知システム。
【請求項11】
前記点検情報は、前記漏電量検知部で検知された漏電量に関する情報に加えて、分電盤のキャビネットの外部で検知される情報である盤外情報を含む、
請求項1~10のいずれか一項に記載の漏電量検知システム。
【請求項12】
前記点検情報は、前記需要家設備の構成の温度、前記漏電量検知部における漏電検知の自動テストの結果、前記需要家設備のねじ端子の緩み、前記需要家設備の特定部位の変色、及び、前記需要家設備の特定空間におけるにおいのうち少なくとも1つに関する情報を含む、
請求項1~11のいずれか一項に記載の漏電量検知システム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の漏電量検知システムの前記通信部から前記点検情報を受信する、
自動保守点検システム。
【請求項14】
需要家設備に設置されるブレーカに、
前記ブレーカにおける漏電量を検知する検知ステップと、
前記検知ステップで検知された前記漏電量に基づいて、前記需要家設備における異常の有無に関する異常判断情報を生成する判断ステップと、
前記検知ステップで検知された前記漏電量に関する情報と、前記判断ステップで生成された前記異常判断情報と、を含む点検情報を出力する通知ステップと、を実行させる、
漏電量検知方法。
【請求項15】
需要家設備に設置されるブレーカに、
前記ブレーカにおける漏電量を検知する検知ステップと、
前記検知ステップで検知された前記漏電量の積算値を算出し、前記積算値に関する情報を生成する演算ステップと、
前記検知ステップで検知された前記漏電量に関する情報と、前記演算ステップで生成された前記積算値に関する情報と、を含む点検情報を出力する通知ステップと、を実行させる、
漏電量検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に漏電量検知システム、自動保守点検システム及び漏電量検知方法に関し、より詳細には、分岐ブレーカと責任分界点との間において漏電量を検知する漏電量検知システム、自動保守点検システム及び漏電量検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の漏電ブレーカ(漏電量検知システム)は、零相変流器と、漏電検知回路と、漏電表示部材と、を備えている。漏電検知回路は、零相変流器の二次側出力線から入力される検出電流に基づいて漏電発生を検知する。漏電表示部材は、漏電の検知状態と非検知状態とを表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-251251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の漏電ブレーカが設置された需要家設備等の設備では、4年に1度等の頻度で、定期点検が実施される。作業員は、例えば、次のような点検作業を行う。作業員は、漏電ブレーカの設置場所に赴いて漏電表示部材の表示を見ることで、漏電発生の有無を点検する。また、作業員は、クランプメーター等を使用して電路の漏れ電流を測定する。そして、このような点検作業の手間を低減することを求められることがあった。
【0005】
本開示は、需要家設備の点検作業の手間を低減することができる漏電量検知システム、自動保守点検システム及び漏電量検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る漏電量検知システムは、需要家設備に設置されるブレーカを備える。前記ブレーカは、漏電量検知部と、判断部と、通信部と、を備える。前記漏電量検知部は、前記ブレーカにおける漏電量を検知する。前記判断部は、前記漏電量検知部で検知された前記漏電量に基づいて、前記需要家設備における異常の有無に関する異常判断情報を生成する。前記通信部は、点検情報を出力する。前記点検情報は、前記漏電量検知部で検知された前記漏電量に関する情報と、前記判断部で生成された前記異常判断情報と、を含む。
本開示の別の一態様に係る漏電量検知システムは、需要家設備に設置されるブレーカを備える。前記ブレーカは、漏電量検知部と、演算部と、通信部と、を備える。前記漏電量検知部は、前記ブレーカにおける漏電量を検知する。前記演算部は、前記漏電量検知部で検知された前記漏電量の積算値を算出し、前記積算値に関する情報を生成する。前記通信部は、点検情報を出力する。前記点検情報は、前記漏電量検知部で検知された前記漏電量に関する情報と、前記演算部で生成された前記積算値に関する情報と、を含む。
【0007】
本開示の一態様に係る自動保守点検システムは、前記漏電量検知システムの前記通信部から前記点検情報を受信する。
【0008】
本開示の一態様に係る漏電量検知方法は、需要家設備に設置されるブレーカに、検知ステップと、判断ステップと、通知ステップと、を実行させる。前記検知ステップでは、前記ブレーカにおける漏電量を検知する。判断ステップでは、前記検知ステップで検知された前記漏電量に基づいて、前記需要家設備における異常の有無に関する異常判断情報を生成する。前記通知ステップでは、点検情報を出力する。前記点検情報は、前記検知ステップで検知された前記漏電量に関する情報と、前記判断ステップで生成された前記異常判断情報と、を含む。
本開示の別の一態様に係る漏電量検知方法は、需要家設備に設置されるブレーカに、検知ステップと、演算ステップと、通知ステップと、を実行させる。前記検知ステップでは、前記ブレーカにおける漏電量を検知する。演算ステップでは、前記検知ステップで検知された前記漏電量の積算値を算出し、前記積算値に関する情報を生成する。前記通知ステップでは、点検情報を出力する。前記点検情報は、前記検知ステップで検知された前記漏電量に関する情報と、前記演算ステップで生成された前記積算値に関する情報と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、需要家設備の点検作業の手間を低減することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係る漏電量検知システムを備える主幹ブレーカ、この主幹ブレーカを備える分電盤及びこの分電盤を含む需要家設備のブロック図である。
図2図2は、同上の漏電量検知システムを備える主幹ブレーカのブロック図である。
図3図3は、同上の漏電量検知システムを備える分電盤の正面図である。
図4図4は、同上の漏電量検知システムの動作例に対応するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る漏電量検知システムX1について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、図3は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の漏電量検知システムX1は、主幹ブレーカ3に備えられている。漏電量検知システムX1は、零相変流器30(漏電量検知部)と、通信部7と、を備えている。零相変流器30は、分岐ブレーカ2と分岐ブレーカ2が設置された需要家設備E1の責任分界点102との間において漏電量を検知する。通信部7は、零相変流器30で検知された漏電量に関する情報を含む点検情報を出力する。
【0013】
本実施形態によれば、零相変流器30及び漏電量検知システムX1が設置された需要家設備E1へ作業員が赴かなくても、通信部7から出力される点検情報を取得することをもって、需要家設備E1の点検作業の少なくとも一部を代替できる。そのため、需要家設備E1の点検作業の手間を低減することができる。
【0014】
上述の通り、漏電量検知システムX1は、主幹ブレーカ3に備えられている。つまり、本実施形態では、主幹ブレーカ3として漏電ブレーカを採用している。零相変流器30(漏電量検知部)は、主幹ブレーカ3(漏電ブレーカ)に備えられている。本実施形態では、引込線200、主幹ブレーカ3内の接続線201、及び、導電バー202が幹線を構成する。零相変流器30は、幹線(接続線201)に設けられている。つまり、零相変流器30は、幹線(接続線201)において漏電量を検知する。
【0015】
主幹ブレーカ3は、分電盤1に備えられている。分電盤1は、例えば、戸建て住宅及び集合住宅等の住宅、又は、オフィス、雑居ビル、工場及び公共施設等の非住宅に設置される。
【0016】
図3に示すように、分電盤1は、キャビネット10と、主幹ブレーカ3と、複数(図3では23個。そのうち、図1では3つのみを図示)の分岐ブレーカ2と、計測部41と、主幹電流センサCT1(図1参照)と、電流計測装置42(図1参照)と、避雷器43と、を備えている。主幹ブレーカ3と、複数の分岐ブレーカ2と、計測部41と、主幹電流センサCT1と、電流計測装置42と、避雷器43とは、キャビネット10に収容されている。つまり、主幹ブレーカ3の零相変流器30(漏電量検知部)は、分電盤1のキャビネット10の内部に配置されている。キャビネット10は、前面が開口した箱状のボディ12と、ボディ12の前面を覆うカバーと、を備えている。カバーは、閉位置と開位置との間で移動可能な状態でボディ12に取り付けられる。閉位置はボディ12の前面を覆う位置であり、開位置はボディ12の前面の少なくとも一部を開放する位置である。キャビネット10は、例えば施設の壁に取り付けられる。
【0017】
主幹ブレーカ3は、3つの一次側端子31と、3つの二次側端子32(図2参照)と、を備えている。主幹ブレーカ3は、3つの一次側端子31と3つの二次側端子32との間の電路(接続線201)に接続された3つの接点C1(図2参照)を備えている。主幹ブレーカ3は、3つの接点C1をオン又はオフにするための操作レバー33を備えている。操作レバー33は、主幹ブレーカ3の前面に配置されている。また、主幹ブレーカ3は、開閉機構部51(図2参照)を備えている。開閉機構部51は、主幹ブレーカ3に漏電電流が生じる又は過電流(過負荷電流等)が流れる等の異常状態が発生すると、3つの接点C1をオフにする。
【0018】
本実施形態の分電盤1では、配電方式として単相三線式を採用している。そのため、主幹ブレーカ3の3つの一次側端子31には、単相三線式の引込線200が電気的に接続される。引込線200は、3本の電線を含む。3つの一次側端子31は、引込線200を介して系統電源PS1(商用電源)(図1参照)に電気的に接続されている。本実施形態では、キャビネット10のボディ12に配置された3つのねじ端子124(接続端子)に引込線200が直接接続されている。3つのねじ端子124と主幹ブレーカ3の3つの一次側端子31とは、3つの配線部材125を介して電気的に接続されている。なお、分電盤1が3つのねじ端子124及び3つの配線部材125を備えていることは必須ではなく、引込線200が主幹ブレーカ3の3つの一次側端子31に直接接続されていてもよい。
【0019】
図1に示すように、引込線200は、気中開閉器101に接続されている。系統電源PS1と主幹ブレーカ3とは、気中開閉器101及び引込線200を介して電気的に接続されている。気中開閉器101は、本実施形態の分電盤1が設置された需要家設備E1と電力会社との責任分界点102に相当する。
【0020】
また、主幹ブレーカ3の3つの二次側端子32には、3つの導電バー202が電気的に接続されている。すなわち、3つの二次側端子32には、第1電圧極(L1相)の導電バー、第2電圧極(L2相)の導電バー、及び、中性極(N相)の導電バーが電気的に接続されている。
【0021】
分岐ブレーカ2には、100V用と200V用とがある。100V用の分岐ブレーカ2が備える2つの一次側端子は、第1電圧極の導電バー及び第2電圧極の導電バーのうち一方と、中性極の導電バーとに電気的に接続される。200V用の分岐ブレーカ2が備える2つの一次側端子は、第1電圧極の導電バーと、第2電圧極の導電バーとに電気的に接続される。
【0022】
分電盤1は、複数の回路8を備えている。各回路8は、分岐ブレーカ2を含んでおり、分岐ブレーカ2を介して幹線(導電バー202)に電気的に接続されている。
【0023】
本開示でいう「回路8」は、幹線(導電バー202)と電気的に接続され、幹線(導電バー202)から複数に分岐された分岐回路の各々である。本実施形態では、回路8は、分岐ブレーカ2に加えて、配線81(2本線)、コンセント82及び負荷83を含んでいる。配線81の一端は、分岐ブレーカ2の2つの二次側端子に電気的に接続されている。配線81の他端は、コンセント82に電気的に接続されている。コンセント82及び負荷83は、分電盤1のキャビネット10の外部に配置されている。負荷83は、例えば、照明装置、空調機器、テレビ受像器、又は、給湯設備等の機器である。負荷83は、配線81及びコンセント82を介して分岐ブレーカ2に電気的に接続される。なお、少なくとも一部の回路8において、分岐ブレーカ2と負荷83とが、コンセント82に代えて壁スイッチ等の配線器具を介して電気的に接続されていてもよい。
【0024】
計測部41は、主幹電流センサCT1及び電流計測装置42に電気的に接続されている。主幹電流センサCT1は、例えば、ロゴスキーコイル又はカレントトランスである。主幹電流センサCT1は、主幹ブレーカ3に流れる電流を計測する。電流計測装置42は、複数の電流センサCT2を有している。複数の電流センサCT2の各々は、例えば、ロゴスキーコイル又はカレントトランスである。複数の電流センサCT2は、複数の分岐ブレーカ2と一対一で対応する。複数の電流センサCT2の各々は、対応する分岐ブレーカ2に流れる電流を計測する。
【0025】
計測部41は、主幹電流センサCT1及び複数の電流センサCT2が計測した電流に基づいて電力を演算する機能(計測機能)を有している。より詳細には、計測部41は、主幹電流センサCT1及び複数の電流センサCT2が計測した電流のそれぞれを電力(瞬時電力)に変換する。計測部41は、収集した瞬時電力のデータを所定時間に亘って積算した電力量のデータを求める機能を有している。
【0026】
上述の通り、主幹ブレーカ3は、漏電量検知システムX1を備えている。漏電量検知システムX1は、零相変流器30と、処理部6と、通信部7と、を含んでいる。図2に示すように、主幹ブレーカ3は、テスト回路53を更に備えている。テスト回路53は、幹線に擬似的な漏電状態を生じさせるための回路である。
【0027】
零相変流器30はトロイダルコアを備えている。トロイダルコアの中央の孔に、3本の接続線201が一次巻線として貫通している。また、トロイダルコアの中央の孔には、テスト回路53に含まれるリード線531も、一次巻線として貫通している。すなわち、トロイダルコアの中央の孔には、幹線の一部としての3本の接続線201と、補助電線(リード線531)とが一次巻線として貫通している。零相変流器30の二次巻線は、処理部6に電気的に接続されている。
【0028】
漏電検知のテスト時以外では、リード線531には電流が流れていない。ここでは、漏電検知のテスト時以外の場合について説明する。幹線(引込線200、接続線201又は導電バー202)に漏電が発生していないときは、零相変流器30の一次巻線を通過する一次側電流が平衡しているため、零相変流器30の二次巻線に電流が流れない。幹線に漏電が発生すると、零相変流器30の一次巻線を通過する一次側電流に不平衡が生じるので、零相変流器30の二次巻線に電流が流れる。つまり、零相変流器30は、漏電量を検知し、漏電量に応じた電流を二次巻線から出力する。処理部6は、零相変流器30の二次巻線に流れる電流を取得する。さらに、処理部6は、取得した電流の大きさ(漏電量)に関する情報を含む信号を、通信部7を介して分電盤1の外部へ出力する。
【0029】
図1に示すように、分電盤1が設置された施設(需要家設備E1)には、中継器91が設置されている。中継器91は、分電盤1のキャビネット10の外部に設置されている。中継器91は、主幹ブレーカ3の通信部7と、外部装置93との間の通信を中継する。中継器91は、例えば、スマートメータ又はインターネットモデムである。
【0030】
通信部7は、中継器91と通信するための通信インタフェースを含んでいる。中継器91は、通信部7及び外部装置93と通信するための通信インタフェースを含んでいる。中継器91と通信部7との間の通信の形態及び中継器91と外部装置93との間の通信の形態は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。本実施形態では、中継器91は、通信部7と有線通信し、外部装置93と無線通信する。本実施形態では、中継器91と外部装置93との間の無線通信の方式は、電波を媒体とし、ネットワーク92を介した無線通信である。なお、中継器91と外部装置93との間の無線通信の方式は、例えば、920MHz帯の特定小電力無線局(免許を要しない無線局)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信であってもよい。
【0031】
通信部7は、他の複数の分電盤1の通信部7及びスマートメータ等との通信トラフィックを抑制するために、例えば、他の複数の分電盤1の通信部7及びスマートメータ等と通信し、他の複数の分電盤1の通信部7及びスマートメータ等の通信状況に応じて通信を行うタイミングを決定する。
【0032】
通信部7は、中継器91を介して外部装置93へ点検情報を出力する。点検情報は、零相変流器30で検知された漏電量に関する情報を含む。通信部7から出力される漏電量の単位は、例えば、mA(ミリアンペア)又はA(アンペア)である。また、処理部6は、零相変流器30で検知された漏電量を逐一記録している。通信部7は、処理部6に記録された漏電量に関する情報を出力する。
【0033】
外部装置93は、例えば、サーバコンピュータ又はパーソナルコンピュータである。外部装置93は、例えば、分電盤1が設置された施設(需要家設備E1)の敷地外に設置されている。つまり、通信部7は、中継器91を介して、分電盤1が設置された施設(需要家設備E1)の外部に設置された外部装置93へ点検情報を出力する。本実施形態では、外部装置93が、分電盤1が設置された施設(需要家設備E1)の保守点検を行う事業者(電力会社、電気保安協会又は電気工事組合等)に所有されていることを想定している。ただし、外部装置93は、分電盤1が設置された施設(需要家設備E1)の敷地内に設置されていてもよい。また、外部装置93は、例えば、分電盤1が設置された施設(需要家設備E1)の管理者等に所有されていてもよい。
【0034】
中継器91は、漏電量検知システムX1の通信部7から点検情報を受信する自動保守点検システムとして用いられる。また、外部装置93は、漏電量検知システムX1の通信部7から点検情報を受信する自動保守点検システムとして用いられる。
【0035】
図2に示すように、処理部6は、判断部61と、演算部62と、カウンタ63と、を有している。処理部6は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、処理部6の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0036】
判断部61は、後述するように、需要家設備E1の異常の有無を点検情報に基づいて判断する。ここでいう需要家設備E1は、分電盤1を含んでいる。そのため、需要家設備E1は、零相変流器30を含んでいる。また、需要家設備E1は、分電盤1の複数の分岐ブレーカ2に電気的に接続される複数のコンセント82及び複数の負荷83を含み得る。また、分電盤1は、連系ブレーカ44(図3参照)を備えている。3つの導電バー202は、連系ブレーカ44を介して、太陽光発電設備及び風力発電設備等の分散型電源、並びに、蓄電池に電気的に接続可能である。需要家設備E1は、分散型電源及び蓄電池を含み得る。また、需要家設備E1は、中継器91を含み得る。
【0037】
点検情報は、需要家設備E1の構成の温度に関する情報を含む。以下では、これについて説明する。
【0038】
分電盤1は、少なくとも1つの温度センサ45を備えている。温度センサ45は、例えば、サーミスタである。図1では、主幹ブレーカ3の3つの一次側端子31の近傍に温度センサ45が配置されており、この温度センサ45は、3つの一次側端子31の温度を検知する。また、複数の分岐ブレーカ2の各々の2つの一次側端子の近傍に温度センサ45が配置されており、各温度センサ45は、2つの一次側端子の温度を検知する。さらに、複数のコンセント82の各々の内部に温度センサ45が配置されており、各温度センサ45は、コンセント82の内部の温度を検知する。このように、温度センサ45は、需要家設備E1の構成である主幹ブレーカ3の一次側端子31、分岐ブレーカ2の一次側端子及びコンセント82の各々の温度を検知する。なお、「需要家設備E1の構成の温度を検知する」とは、需要家設備E1の構成そのものの温度を検知することに限定されず、需要家設備E1の構成の近傍の空気、又は、需要家設備E1の構成の近傍の構成の温度を検知することも含む。
【0039】
温度センサ45で検知された温度に関する情報は、主幹ブレーカ3の通信部7へ出力される。通信部7は、温度に関する情報を点検情報の一部として出力する。すなわち、通信部7は、温度に関する情報を含む点検情報を、中継器91を介して外部装置93に出力する。また、処理部6は、温度センサ45で検知された温度に関する情報を逐一記録している。通信部7は、処理部6に記録された温度に関する情報を出力する。
【0040】
分岐ブレーカ2又はコンセント82の近傍に設置された温度センサ45と通信部7との間の通信は、例えば、無線通信、電力線搬送通信、又は、電力線とは別に設けられた通信線を介した有線通信により行われる。
【0041】
なお、分電盤1は、主幹ブレーカ3の3つの二次側端子32の近傍に配置された温度センサ45を備えていてもよい。また、分電盤1は、分岐ブレーカ2の2つの二次側端子の近傍に配置された温度センサ45を備えていてもよい。通信部7は、これらの温度センサ45で検知された温度に関する情報を、点検情報の一部として出力してもよい。
【0042】
主幹ブレーカ3及び分岐ブレーカ2の各々において、その近傍に配置された温度センサ45により、一次側端子又は二次側端子と配線との接触不良等による温度上昇が検知される。また、コンセント82の内部に配置された温度センサ45により、コンセント82とプラグとの接触不良、又は、コンセント82に過電流が流れること等による温度上昇が検知される。
【0043】
また、主幹ブレーカ3の処理部6の演算部62(図2参照)は、零相変流器30で検知された漏電量の積算値を算出する。演算部62は、例えば、零相変流器30で検知された漏電量を所定期間に亘って積算する。演算部62は、所定期間ごとに積算値をリセットする。あるいは、演算部62は、零相変流器30で検知された漏電量を常に積算し続けてもよい。さらに、演算部62は、リセット信号が入力されると、積算値をリセットしてもよい。リセット信号は、例えば、主幹ブレーカ3の外部(例えば、外部装置93)から入力されてもよいし、主幹ブレーカ3で生成されてもよい。通信部7は、零相変流器30で検知された漏電量の積算値に関する情報を点検情報の一部として出力する。すなわち、通信部7は、零相変流器30で検知された漏電量の積算値に関する情報を含む点検情報を、中継器91を介して外部装置93に出力する。
【0044】
また、避雷器43は、所定の大きさの制限電圧以上のサージ電圧が印加されると、サージ電流をバイパスさせ、その後、続流を遮断する。主幹ブレーカ3の通信部7は、避雷器43から避雷器43の動作情報を取得する。処理部6のカウンタ63(図2参照)は、避雷器43がサージ電流をバイパスさせた回数をカウントする。通信部7は、避雷器43の動作情報を点検情報の一部として出力する。すなわち、通信部7は、避雷器43の動作情報を含む点検情報を、中継器91を介して外部装置93に出力する。通信部7から出力される避雷器43の動作情報は、避雷器43がサージ電流をバイパスさせた回数の情報を含んでいてもよい。また、通信部7から出力される避雷器43の動作情報は、避雷器43がサージ電流をバイパスさせる動作を行っているか否かのリアルタイムの情報を含んでいてもよい。
【0045】
避雷器43と通信部7との間の通信は、例えば、無線通信、電力線搬送通信、又は、電力線とは別に設けられた通信線を介した有線通信により行われる。
【0046】
図2に示すように、テスト回路53は、リード線531と、テストスイッチ532と、を有している。リード線531は、第1電圧線に対応する接続線201と第2電圧線に対応する接続線201とを電気的に接続している。テストスイッチ532は、リード線531の導通状態と非導通とを切り替える。主幹ブレーカ3は、作業員による機械的な操作入力を受け付けるテスト釦54を有している。テストスイッチ532は、テスト釦54への操作入力に応じて、オンされる。テストスイッチ532がオンされた場合に、リード線531に電流が流れることで、零相変流器30の一次巻線を通過する一次側電流に、不平衡が生じる。すなわち、テスト回路53では、テスト釦54への操作によってテストスイッチ532がオンされると、第1電圧線に対応する接続線201と第2電圧線に対応する接続線201とが、リード線531とテストスイッチ532とを介して短絡される。これにより、零相変流器30のトロイダルコアを貫通するリード線531(補助電線)に電流が流れ、零相変流器30の一次巻線を通過する一次側電流に不平衡が生じる。言い換えると、擬似的な漏電状態が生じる。これに応じて、開閉機構部51は3つの接点C1を開く。すなわち、3つの接続線201を含む電路が遮断される。
【0047】
また、主幹ブレーカ3は駆動スイッチ55を備えている。駆動スイッチ55は、テストスイッチ532と電気的に並列に接続されている。駆動スイッチ55は、処理部6からの指令信号に応答してオンされる。駆動スイッチ55がオンされた場合も、テストスイッチ532がオンされた場合と同様に、擬似的な漏電状態が生じる。零相変流器30は擬似的な漏電状態を検知し、これに応じて開閉機構部51が電路を遮断する。主幹ブレーカ3では、処理部6が駆動スイッチ55に指令信号を送信することで、漏電検知の自動テストを行うことができる。本開示において、「自動テスト」とは、電路及び電路の周囲の構成に対して作業員等の人が作業をすることなく行われる試験を意味する。「自動テスト」は、外部装置93に対する人の操作に応じて外部装置93から主幹ブレーカ3へ指令信号が送信されることをトリガとして開始されてもよい。つまり、「自動テスト」は、主幹ブレーカ3の外部からの指令信号(例えば、外部装置93から送信され通信部7を介して主幹ブレーカ3に入力される指令信号)に応じて駆動スイッチ55がオンされることで行われてもよい。また、「自動テスト」は、人の操作によらずに開始されてもよい。
【0048】
駆動スイッチ55は、例えば、半導体スイッチング素子である。駆動スイッチ55は、処理部6からの指令信号としての駆動信号に応じてオンオフが切り替わる。
【0049】
処理部6は、所定の点検条件が満たされた場合に、駆動スイッチ55をオンし、擬似的な漏電状態を生じさせる。点検条件は、例えば、最後に駆動スイッチ55をオンした時点から所定期間が経過することである。つまり、主幹ブレーカ3は、定期的に擬似的な漏電状態を生じさせることで、漏電検知の試験をする。言い換えると、主幹ブレーカ3は、漏電検知の自動テストを定期的に行う。
【0050】
なお、漏電状態が検知された場合には、原則として開閉機構部51は電路を遮断する動作を行うが、処理部6が駆動スイッチ55をオンして擬似的な漏電状態が発生した場合には、開閉機構部51が電路を遮断する動作を行うことは、必須ではない。例えば、処理部6が駆動スイッチ55をオンして擬似的な漏電状態が発生した場合に、開閉機構部51が電路を遮断する動作を行うことに代えて(又は、加えて)、処理部6が零相変流器30の測定電流に基づいて漏電の有無を検知してもよい。つまり、漏電検知の自動テストは、零相変流器30における漏電検知の試験に加えて任意で、漏電検知の試験結果に応じて行われる電路(幹線)の遮断動作の試験を含んでいてもよい。
【0051】
処理部6が駆動スイッチ55をオンして擬似的な漏電状態が発生した場合に、開閉機構部51が電路を遮断する動作を行わないようにするための具体的な制御としては、例えば、次のような制御が可能である。すなわち、処理部6が駆動スイッチ55をオンして擬似的な漏電状態が発生した場合には、零相変流器30からの信号(測定電流の情報)が電磁釈放装置52に伝達されないように、零相変流器30と電磁釈放装置52との間のスイッチを開放する。それ以外の場合には、上記スイッチを短絡する。
【0052】
所定期間は、例えば、1か月、数か月、1年、又は数年である。日本では、需要家設備の保守点検を4年に1度以上実施することが電気事業法により定められている。電気事業法の規定を満たすために、所定期間は、例えば、4年以下に設定される。
【0053】
このように、主幹ブレーカ3では、漏電検知の試験(自動テスト)が、主幹ブレーカ3の外部からの指令等が無くても行われる。通信部7は、自動テストにより取得された点検情報を出力する。このように、通信部7から出力される点検情報は、漏電検知の自動テストの結果に関する情報を含む。また、通信部7は、自動テストを行っていないときの零相変流器30の検知結果を定期的に出力する。より詳細には、通信部7は、例えば、所定期間(例えば、1時間、数時間又は1日)ごとに、漏電量に関する情報、又は、所定期間の間に所定量以上の漏電量が零相変流器30にて検知されたか否かの情報を出力する。
【0054】
このように、通信部7は、点検情報を能動的に出力する機能を有する。また、通信部7は、点検情報を定期的に出力する機能を有する。ここで、「能動的に出力する」とは、主幹ブレーカ3の外部からの指令等によらずに出力することである。
【0055】
主幹ブレーカ3は、開閉機構部51と、電磁釈放装置52と、2つの引き外し装置56と、を有している。
【0056】
接点C1が閉じているとき、開閉機構部51は、接点C1を開く向きのエネルギー(ばねの弾性力による位置エネルギー)を蓄積した状態でラッチされている。2つの引き外し装置56及び電磁釈放装置52のいずれかが駆動されると、開閉機構部51のラッチが解除される。開閉機構部51は、ラッチが解除されると、蓄積したエネルギーを解放して接点C1を急速に開く。
【0057】
幹線に短絡電流等の異常電流(過電流)が流れると、2つの引き外し装置56は、開閉機構部51を介して接点C1を開く。
【0058】
電磁釈放装置52は、コイルを含む電磁石装置、及びプランジャを備えている。電磁釈放装置52は、幹線が漏電状態(擬似的な漏電状態を含む)となった場合(零相変流器30の一次巻線を通過する電流に不平衡が生じた場合)に、コイルに励磁電流を流すことでプランジャを動かして、開閉機構部51のラッチを解除する。これにより、開閉機構部51は接点C1を開く。
【0059】
また、操作レバー33(図3参照)は、機械的な操作に応じて、開閉機構部51を介して接点C1を開閉する。
【0060】
処理部6の判断部61は、需要家設備E1の異常の有無を点検情報に基づいて判断する。判断部61は、例えば、点検情報に含まれる値を閾値と比較することで需要家設備E1の異常の有無を判断する。閾値は、処理部6を構成するコンピュータシステムのメモリに記録されている。判断部61は、例えば、零相変流器30で検知された漏電量が漏電量閾値以上の場合に、幹線に漏電という異常が発生していると判断する。また、判断部61は、例えば、温度センサ45で検知された温度が温度閾値以上の場合に、温度センサ45の設置位置に高温異常が発生していると判断する。また、判断部61は、例えば、零相変流器30で検知された漏電量が漏電量閾値未満であって、零相変流器30で検知された漏電量の所定期間における積算値が所定値以上の場合に、幹線に漏電(特に、微小な漏電)という異常が発生していると判断する。また、判断部61は、例えば、主幹電流センサCT1及び複数の電流センサCT2が計測した電流の電流波形を取得し、電流波形に所定のアークが含まれている場合に、配線に異常(短絡又は半断線等)が発生していると判断する。また、判断部61は、例えば、電圧センサで検知された主幹電圧の測定値に基づいて、停電という異常の有無を判断する。
【0061】
また、需要家設備E1の異常の有無を判断するとは、需要家設備E1の異常に影響する系統電源PS1の異常の有無を判断することも含む。判断部61は、例えば、系統電源PS1の停電等の異常に関する点検情報を、系統電源PS1を監視する装置等から取得することにより、系統電源PS1の異常の有無を判断してもよい。
【0062】
通信部7は、判断部61の判断結果を点検情報の一部として出力する。すなわち、通信部7は、判断部61の判断結果を含む点検情報を、中継器91を介して外部装置93に出力する。また、処理部6は、判断部61の判断結果を逐一記録している。通信部7は、処理部6に記録された判断結果を出力する。
【0063】
点検情報は、零相変流器30で検知された漏電量に関する情報に加えて、分電盤1のキャビネット10の内部で検知される情報である盤内情報と、分電盤1のキャビネット10の外部で検知される情報である盤外情報と、を含む。盤内情報の一例は、主幹ブレーカ3又は分岐ブレーカ2の近傍に配置された温度センサ45で検知された温度に関する情報、避雷器43の動作情報、主幹電流センサCT1及び複数の電流センサCT2で計測された電流に関する情報、並びに、計測部41で求められた電力量に関する情報等である。盤外情報の一例は、コンセント82の内部に配置された温度センサ45で検知された温度に関する情報等である。
【0064】
以上説明した本実施形態の漏電量検知システムX1によれば、保守点検を行う事業者は、通信部7から出力される点検情報を取得することで、点検情報と同様の情報を作業員が測定及び目視点検等により取得する場合と比較して、需要家設備E1の点検作業の手間を低減することができる。また、点検情報を取得するために作業員が分電盤1の設置場所等へ赴く必要が無いので、需要家設備E1の点検作業の手間を低減することができる。また、保守点検を行う事業者は、作業員ごとの点検作業の習熟度等によらずに精度良く点検情報を取得できる。
【0065】
さらに、分電盤1及びコンセント82等は、宅内に設置されている場合があるが、住人が不在で作業員が宅内に入ることができない場合であっても、保守点検を行う事業者は、通信部7から点検情報を取得することができる。そのため、需要家設備E1の点検作業を実行できる可能性が高まる。
【0066】
(変形例1)
以下、変形例1に係る漏電量検知システムX1について、図1を用いて説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
実施形態では、通信部7から出力される点検情報は、需要家設備E1の構成の温度及び零相変流器30における漏電検知の自動テストの結果に関する情報を含んでいる。本変形例1では、通信部7から出力される点検情報は、需要家設備E1のねじ端子の緩み、需要家設備E1の特定部位の変色、及び、需要家設備E1の特定空間(需要家設備E1の敷地内の特定空間)におけるにおいに関する情報を更に含んでいる。すなわち、通信部7から出力される点検情報は、需要家設備E1の構成の温度、零相変流器30における漏電検知の自動テストの結果、需要家設備E1のねじ端子の緩み、需要家設備E1の特定部位の変色、及び、需要家設備E1の特定空間におけるにおいのうち少なくとも1つに関する情報を含んでいてもよい。以下、より詳細に説明する。
【0068】
引込線200が直接接続される3つの接続端子の各々として、ねじ端子124(図3参照)が用いられている。これ以外に、ねじ端子は、例えば、連系ブレーカ44(図3参照)の電源端子441(一次側端子又は二次側端子)、主幹ブレーカ3の一次側端子31、二次側端子32及び、分岐ブレーカ2の一次側端子、二次側端子として用いられ得る。
【0069】
通信部7から出力される点検情報は、需要家設備E1のねじ端子の緩みに関する情報を含む。また、処理部6は、需要家設備E1のねじ端子の緩みに関する情報を逐一記録している。通信部7は、処理部6に記録された当該情報を出力する。
【0070】
ねじ端子の緩みの有無は、例えば、ねじ端子を介して接続されている2つの電路間の電気抵抗値を測定することで検知される。電気抵抗値は、2つの電路間に流れる電流及び2つの電路間に印加される電圧の測定値に基づいて求められる。ねじ端子が緩んでいると、ねじ端子が固く締まっている場合と比較して電気抵抗値が大きくなる。
【0071】
処理部6の判断部61は、測定された電気抵抗値が所定値よりも大きい場合は、需要家設備E1にねじ端子の緩みという異常が発生していると判断する。
【0072】
また、通信部7から出力される点検情報は、需要家設備E1の特定部位の変色に関する情報と、需要家設備E1の特定空間におけるにおいに関する情報と、を含む。また、処理部6は、需要家設備E1の特定部位の変色に関する情報と、需要家設備E1の特定空間におけるにおいに関する情報と、を逐一記録している。通信部7は、処理部6に記録された当該情報を出力する。
【0073】
変色の有無が検知される対象である特定部位は、例えば、電路と電路との接続部位、又は、この接続部位を覆う樹脂成型品等である。においが検知される特定空間は、例えば、電路と電路との接続部位が配置された空間である。電路と電路との接続部位、及び、この接続部位を覆う樹脂成型品等は、電路と電路との接触不良等に起因する温度上昇によって、変色したり、においが発生したりすることがある。電路と電路との接続部位は、例えば、端子(例えば、ねじ端子124、主幹ブレーカ3の一次側端子31、二次側端子32及び、分岐ブレーカ2の一次側端子、二次側端子等)及びコンセント82の刃受等である。
【0074】
変色の有無は、例えば、予め設置されたカメラにより確認される。処理部6は、例えば、カメラで撮影された画像を画像処理することで、カメラに写っている対象が通常時と比較して変色しているか否かを判断する。通信部7は、変色の有無の判断結果を、点検情報の一部として出力する。
【0075】
あるいは、通信部7は、カメラで撮影された画像を点検情報の一部として出力してもよい。点検情報を受信する外部装置93がカメラで撮影された画像解析をすることで変色の有無が判断されてもよいし、外部装置93のディスプレイに表示された画像を人が目視確認することで変色の有無が判断されてもよい。
【0076】
においの検知は、例えば、においセンサによりなされる。においセンサによるにおいの検知は、例えば、においに含まれる物質を検知することでなされる。通信部7は、においセンサの検知結果を点検情報の一部として出力する。
【0077】
処理部6の判断部61は、需要家設備E1の特定部位の変色が検知されると、需要家設備E1に温度上昇等の異常が発生していると判断する。判断部61は、においセンサで特定のにおいが検知されると、需要家設備E1に温度上昇等の異常が発生していると判断する。
【0078】
点検情報を検知するための構成(カメラ及びにおいセンサ等)から通信部7への点検情報の送信は、例えば、無線通信、電力線搬送通信、又は、電力線とは別に設けられた通信線を介した有線通信により行われる。
【0079】
(変形例2)
以下、変形例2に係る漏電量検知システムX1について説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0080】
実施形態では、判断部61は、主幹ブレーカ3の処理部6に含まれている。これに対して、本変形例2の判断部61は、分電盤1のキャビネット10の外部に配置されている。判断部61は、例えば、中継器91又は外部装置93に含まれている。すなわち、中継器91又は外部装置93に含まれている判断部61は、通信部7から出力される点検情報に基づいて、需要家設備E1の異常の有無を判断する。
【0081】
(変形例3)
以下、変形例3に係る漏電量検知システムX1について説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0082】
本変形例3の漏電量検知システムX1は、実施形態の漏電量検知システムX1の構成に加えて、中継器91を更に備えている。中継器91の機能は、実施形態と同様である。すなわち、中継器91は、主幹ブレーカ3の通信部7と、外部装置93との間の通信を中継する。中継器91は、少なくとも、通信部7から外部装置93への点検情報の通信を中継する機能を有していればよい。
【0083】
中継器91は、例えば、主幹ブレーカ3の筐体に内蔵されている。ただし、中継器91は、主幹ブレーカ3の筐体に、主幹ブレーカ3の筐体の外側から取り付けられていてもよい。また、中継器91は、主幹ブレーカ3とは別体に設けられていてもよい。例えば、中継器91は、主幹ブレーカ3の外部であって分電盤1のキャビネット10の内部に配置されていてもよい。
【0084】
(実施形態のその他の変形例)
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、上述の各変形例と適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0085】
漏電量検知システムX1と同様の機能は、漏電量検知方法により具現化されてもよい。図4に示すように、一態様に係る漏電量検知方法は、検知ステップST1と、通知ステップST3と、を備える。検知ステップST1では、分岐ブレーカ2と分岐ブレーカ2が設置された需要家設備E1の責任分界点102との間において漏電量を検知する。通知ステップST3では、検知ステップST1で検知された漏電量に関する情報を含む点検情報を出力する。
【0086】
より詳細には、漏電量検知方法は、例えば、図4に示すように、判定ステップST2を更に備える。検知ステップST1の後、判定ステップST2では、判断部61は、現在の日時が、予め設定された設定日時に一致するか否かを判断する。現在の日時が設定日時に一致すると判断部61が判断すると(判定ステップST2:YES)、通信部7は、検知ステップST1で検知された漏電量に関する情報を含む点検情報を出力する(通知ステップST3)。
【0087】
なお、通信部7は、点検情報を不定期に出力する機能を有していてもよい。通信部7は、例えば、不定期に満たされ得る所定の条件が満たされたときのみ、点検情報を出力してもよい。上記所定の条件は、例えば、判断部61が点検情報に基づいて需要家設備E1に異常があると判断することである。
【0088】
また、通信部7は、点検情報を定期的に出力する機能と、上記所定の条件が満たされたときに点検情報を出力する機能と、を有していてもよい。つまり、通信部7は、点検情報を定期的に出力する機能と、不定期に出力する機能と、を有していてもよい。
【0089】
また、点検情報に含まれる各情報ごとに、通信部7から出力されるための条件が定められていてもよい。例えば、通信部7は、零相変流器30で検知された漏電量に関する情報を1年ごとに出力し、温度センサ45で測定された温度を1か月ごとに出力してもよい。
【0090】
また、通信部7は、点検情報をリアルタイムで出力してもよい。つまり、通信部7は、点検情報を比較的短い期間(例えば、1秒、10秒又は1分)が経過するごとに出力してもよい。
【0091】
中継器91は、複数設けられていてもよい。すなわち、複数の中継器91により、通信部7と外部装置93との間の通信が中継されてもよい。例えば、第1の中継器と第2の中継器とが設けられ、第1の中継器は通信部7と第2の中継器との間の通信を中継し、第2の中継器は第1の中継器と外部装置93との間の通信を中継してもよい。
【0092】
通信部7は、中継器91を介さずに外部装置93と通信してもよい。
【0093】
中継器91は、需要家設備E1の少なくとも一部の構成(温度センサ45及び避雷器43等)からの情報を、通信部7を介さずに取得し、外部装置93又は通信部7へ出力してもよい。需要家設備E1の各構成から中継器91への点検情報の送信は、例えば、無線通信、電力線搬送通信、又は、電力線とは別に設けられた通信線を介した有線通信により行われる。
【0094】
主幹ブレーカ3は、漏電検知の自動テストにおいて電路を遮断する動作を行った後に自動復帰する機能を有していてもよい。自動復帰とは、主幹ブレーカ3が遮断された後に、自動で主幹ブレーカ3を通電する(オンする)ことである。例えば、主幹ブレーカ3は、自動テストのトリガとなる信号が入力された場合に、自動復帰する機能を有効にし、それ以外の場合に、自動復帰する機能を無効にしてもよい。
【0095】
漏電検知の自動テストにおいて電路を遮断する動作は、主幹ブレーカ3により行われることに限定されない。つまり、電路を遮断する動作は、幹線(引込線200、接続線201又は導電バー202)を遮断する動作であってもよいし、分岐ブレーカ2が設けられた分岐回路(回路8)を遮断する動作であってもよい。
【0096】
駆動スイッチ55は、半導体スイッチング素子に限定されない。駆動スイッチ55は、機械的スイッチング素子であってもよい。さらに、処理部6からの指令信号に応じて、主幹ブレーカ3に備えられたアクチュエータが動作することで、駆動スイッチ55のオンオフが切り替えられてもよい。
【0097】
漏電量検知システムX1は、分岐ブレーカ2に備えられていて、分岐回路(回路8)の漏電量を零相変流器30(漏電量検知部)により検知してもよい。また、分岐ブレーカ2として、漏電量検知システムX1を備えた漏電ブレーカを採用してもよい。
【0098】
通信部7は、主幹ブレーカ3の外部からの指令信号(例えば、外部装置93から送信され通信部7を介して主幹ブレーカ3に入力される指令信号)に応じて点検情報を出力してもよい。
【0099】
通信部7は、点検情報に加えて、水道メータの計測値及びガスメータの計測値のうち少なくとも一方に関する情報を出力してもよい。
【0100】
実施形態の判断部61は、例えば、零相変流器30で検知された漏電量が漏電量閾値以上の場合に、幹線に漏電という異常が発生していると判断する。ここで、漏電量検知システムX1は、漏電量閾値を設定するための設定部を備えていてもよい。設定部は、例えば、外部装置93から送信される指令信号に漏電量閾値を指定する情報が含まれている場合に、漏電量閾値を、現在の漏電量閾値から、指令信号で指定された漏電量閾値へと更新する。
【0101】
外部装置93は、スマートフォン又はタブレット端末等の携帯端末であってもよい。
【0102】
外部装置93は、通信部7から受信した点検情報に関する情報をユーザに通知してもよい。外部装置93は、例えば、分電盤1が設置された住宅の住人(ユーザ)に対して、通信部7から受信した点検情報に関する情報を、画像又は音声により通知してもよい。これにより、住人は、例えば、自宅における漏電の有無等を知ることができる。また、通信部7又は中継器91が点検情報に関する情報をユーザに通知してもよい。
【0103】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0104】
第1の態様に係る漏電量検知システム(X1)は、漏電量検知部(零相変流器(30))と、通信部(7)と、を備える。漏電量検知部は、分岐ブレーカ(2)と責任分界点(102)との間において漏電量を検知する。責任分界点(102)は、より詳細には、分岐ブレーカ(2)が設置された需要家設備(E1)の責任分界点(102)である。通信部(7)は、点検情報を出力する。点検情報は、漏電量検知部で検知された漏電量に関する情報を含む。
【0105】
上記の構成によれば、需要家設備(E1)の点検作業の手間を低減することができる。
【0106】
また、第2の態様に係る漏電量検知システム(X1)では、第1の態様において、漏電量検知部(零相変流器(30))は、分電盤(1)のキャビネット(10)の内部に配置される。
【0107】
上記の構成によれば、漏電量検知部(零相変流器(30))の設置スペースを容易に確保できる。
【0108】
また、第3の態様に係る漏電量検知システム(X1)では、第1又は2の態様において、漏電量検知部(零相変流器(30))は、漏電ブレーカ(主幹ブレーカ(3))に備えられる。
【0109】
上記の構成によれば、漏電量検知システム(X1)を漏電ブレーカとは別に設ける場合と比較して、漏電量検知システム(X1)の設置が容易である。
【0110】
また、第4の態様に係る漏電量検知システム(X1)では、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、点検情報は、漏電量検知部(零相変流器(30))で検知された漏電量の積算値に関する情報を含む。
【0111】
上記の構成によれば、通信部(7)は、点検情報としてより多くの情報を出力できる。
【0112】
また、第5の態様に係る漏電量検知システム(X1)は、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、判断部(61)を更に備える。判断部(61)は、需要家設備(E1)の異常の有無を点検情報に基づいて判断する。
【0113】
上記の構成によれば、漏電量検知システム(X1)及びこれを用いたシステムでは、需要家設備(E1)の異常の有無に応じた動作を行うことができる。
【0114】
また、第6の態様に係る漏電量検知システム(X1)では、第5の態様において、判断部(61)は、分電盤(1)のキャビネット(10)の外部に配置される。
【0115】
上記の構成によれば、キャビネット(10)の内部に判断部(61)を設置するスペースを設けなくてよいので、キャビネット(10)の内部に判断部(61)を設置する場合と比較して、キャビネット(10)内の構成を余裕を持って配置できる。
【0116】
また、第7の態様に係る漏電量検知システム(X1)は、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、中継器(91)を更に備える。中継器(91)は、通信部(7)から外部装置(93)への点検情報の通信を中継する。
【0117】
上記の構成によれば、中継器(91)が無い場合と比較して、通信の安定化を図ることができる。
【0118】
また、第8の態様に係る漏電量検知システム(X1)では、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、通信部(7)は、点検情報を能動的に出力する機能を有する。
【0119】
上記の構成によれば、通信部(7)が点検情報を出力するために外部からの指令信号等を必須とする場合と比較して、通信部(7)の通信量を削減できる。
【0120】
また、第9の態様に係る漏電量検知システム(X1)では、第1~8の態様のいずれか1つにおいて、点検情報は、漏電量検知部(零相変流器(30))で検知された漏電量に関する情報に加えて、盤内情報を含む。盤内情報は、分電盤(1)のキャビネット(10)の内部で検知される情報である。
【0121】
上記の構成によれば、通信部(7)は、点検情報としてより多くの情報を出力できる。
【0122】
また、第10の態様に係る漏電量検知システム(X1)では、第1~9の態様のいずれか1つにおいて、点検情報は、漏電量検知部(零相変流器(30))で検知された漏電量に関する情報に加えて、盤外情報を含む。盤外情報は、分電盤(1)のキャビネット(10)の外部で検知される情報である。
【0123】
上記の構成によれば、通信部(7)は、点検情報としてより多くの情報を出力できる。
【0124】
また、第11の態様に係る漏電量検知システム(X1)では、第1~10の態様のいずれか1つにおいて、点検情報は、需要家設備(E1)の構成の温度、漏電量検知部(零相変流器(30))における漏電検知の自動テストの結果、需要家設備(E1)のねじ端子(124)の緩み、需要家設備(E1)の特定部位の変色、及び、需要家設備(E1)の特定空間におけるにおいのうち少なくとも1つに関する情報を含む。
【0125】
上記の構成によれば、通信部(7)は、点検情報としてより多くの情報を出力できる。
【0126】
第1の態様以外の構成については、漏電量検知システム(X1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0127】
また、第12の態様に係る自動保守点検システム(中継器(91)、外部装置(93))は、第1~11の態様のいずれか1つに係る漏電量検知システム(X1)の通信部(7)から点検情報を受信する。
【0128】
上記の構成によれば、需要家設備(E1)の点検作業の手間を低減することができる。
【0129】
また、第13の態様に係る漏電量検知方法は、検知ステップ(ST1)と、通知ステップ(ST3)と、を備える。検知ステップ(ST1)では、分岐ブレーカ(2)と責任分界点(102)との間において漏電量を検知する。責任分界点(102)は、より詳細には、分岐ブレーカ(2)が設置された需要家設備(E1)の責任分界点(102)である。通知ステップ(ST3)では、点検情報を出力する。点検情報は、検知ステップ(ST1)で検知された漏電量に関する情報を含む。
【0130】
上記の構成によれば、需要家設備(E1)の点検作業の手間を低減することができる。
【0131】
上記態様に限らず、実施形態に係る漏電量検知システム(X1)の種々の構成(変形例を含む)は、漏電量検知方法にて具現化可能である。
【符号の説明】
【0132】
1 分電盤
10 キャビネット
2 分岐ブレーカ
3 主幹ブレーカ(漏電ブレーカ)
30 零相変流器(漏電量検知部)
61 判断部
7 通信部
91 中継器(自動保守点検システム)
93 外部装置(自動保守点検システム)
102 責任分界点
124 ねじ端子
E1 需要家設備
ST1 検知ステップ
ST3 通知ステップ
X1 漏電量検知システム
図1
図2
図3
図4