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特許7370007内視鏡操作支援システム及び内視鏡システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】内視鏡操作支援システム及び内視鏡システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20231020BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20231020BHJP
【FI】
A61B1/00 655
A61B1/00 711
G02B23/24 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020028432
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2021132669
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2023-01-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2019年2月23日付で、塚本 稜司が2018年度修士論文発表会にて公開。
(73)【特許権者】
【識別番号】504205521
【氏名又は名称】国立大学法人 長崎大学
(73)【特許権者】
【識別番号】599011687
【氏名又は名称】学校法人 中央大学
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100097238
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 治
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】小坂 太一郎
(72)【発明者】
【氏名】江口 晋
(72)【発明者】
【氏名】足立 智彦
(72)【発明者】
【氏名】諸麥 俊司
【審査官】田辺 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-515847(JP,A)
【文献】特表2017-515615(JP,A)
【文献】特開2018-114231(JP,A)
【文献】特開2013-244377(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0080658(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B1/00-1/32
G02B23/24-23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の操作を支援するように構成された内視鏡操作支援システムであって、
前記内視鏡の操作部を保持するように構成された、操作装置と、
前記操作装置とは別体に構成された、動力装置と、
前記操作装置及び前記動力装置どうしを連結する、1つ又は複数の連結部と、
を備え、
前記動力装置は、1つ又は複数のモータを有しており、前記1つ又は複数のモータの駆動により、前記1つ又は複数の連結部にそれぞれ力を作用させるように構成されており、
前記1つ又は複数の連結部は、それぞれ、前記動力装置によって作用される前記力を、前記操作装置に伝達するように構成されており、
前記操作装置は、前記1つ又は複数の連結部によって伝達される前記力を用いて、前記内視鏡を操作するように構成されており、
前記操作装置は、前記内視鏡の前記操作部の摘み部を操作するように構成された、パンチルトユニットを、有しており、
前記パンチルトユニットは、
前記内視鏡の可動部を左右に屈曲動作させるように前記内視鏡の前記操作部の前記摘み部を操作する、パン部と、
前記内視鏡の前記可動部を上下に屈曲動作させるように前記内視鏡の前記操作部の前記摘み部を操作する、チルト部と、
を有し、
前記パン部及び前記チルト部は、それぞれ、前記内視鏡の前記操作部の前記摘み部に係合する、第1係合部を、有しており、
前記パン部及び前記チルト部は、それぞれ、前記第1係合部に、前記連結部が連結されている、内視鏡操作支援システム。
【請求項2】
前記内視鏡操作支援システムは、
ユーザからの入力を受け付ける、入力部と、
前記入力部からの入力に応じて、前記1つ又は複数のモータを制御する、制御部と、
さらに備えている、請求項1に記載の内視鏡操作支援システム。
【請求項3】
前記内視鏡操作支援システムは、前記操作装置を外部の固定部に対して固定する、支持具を、さらに備えている、請求項1又は2に記載の内視鏡操作支援システム。
【請求項4】
前記1つ又は複数の連結部は、それぞれ、ワイヤを有しており、
前記動力装置は、前記1つ又は複数のモータによってそれぞれ駆動されるとともにそれぞれ前記1つ又は複数の連結部の前記ワイヤを巻き取るように構成された、1つ又は複数の巻取機を、有している、請求項1~3のいずれか一項に記載の内視鏡操作支援システム。
【請求項5】
前記操作装置は、前記内視鏡を前記内視鏡の前記操作部の軸線方向に移動させるように構成された、ズームユニットを、有している、請求項1~4のいずれか一項に記載の内視鏡操作支援システム。
【請求項6】
前記操作装置は、前記内視鏡を前記内視鏡の軸線方向に移動させるように構成された、ズームユニットを、有しており、
前記パンチルトユニットは、前記内視鏡の前記操作部を収容するように構成されており、
前記ズームユニットは、前記パンチルトユニットを前記内視鏡の前記操作部の軸線方向に摺動可能に案内する、摺動部を、有しており、
前記パンチルトユニットに、前記連結部が連結されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の内視鏡操作支援システム。
【請求項7】
前記パンチルトユニットは、前記内視鏡の前記操作部、前記パン部、及び前記チルト部を収容する、筐体を、有しており、
前記パン部及び前記チルト部は、それぞれ、バネを有しており、
前記パン部及び前記チルト部は、それぞれ、前記バネの一端部が前記第1係合部に直接的又は間接的に連結されているとともに、前記バネの他端部が前記筐体に固定されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の内視鏡操作支援システム。
【請求項8】
前記パンチルトユニットは、前記内視鏡の前記操作部、前記パン部、及び前記チルト部を収容する、筐体を、有しており、
前記パン部及び前記チルト部は、それぞれ、
バネと、
前記内視鏡の前記操作部の前記摘み部に係合する、第2係合部と、
を有しており、
前記パン部及び前記チルト部は、それぞれ、前記バネの一端部が前記第2係合部に直接的又は間接的に連結されているとともに、前記バネの他端部が前記筐体に固定されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の内視鏡操作支援システム。
【請求項9】
請求項1~のいずれか一項に記載の内視鏡操作支援システムと、
前記内視鏡と、
を備えた、内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡操作支援システム及び内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内視鏡を保持及び操作する操作装置がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-141976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の操作装置は、モータ等の電気部品を内蔵しており、そのため、操作装置を洗浄又は滅菌することが難しかった。
【0005】
本発明は、操作装置を洗浄又は滅菌することが容易になる、内視鏡操作支援システム及び内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の内視鏡操作支援システムは、
内視鏡の操作を支援するように構成された内視鏡操作支援システムであって、
前記内視鏡の操作部を保持するように構成された、操作装置と、
前記操作装置とは別体に構成された、動力装置と、
前記操作装置及び前記動力装置どうしを連結する、1つ又は複数の連結部と、
を備え、
前記動力装置は、1つ又は複数のモータを有しており、前記1つ又は複数のモータの駆動により、前記1つ又は複数の連結部にそれぞれ力を作用させるように構成されており、
前記1つ又は複数の連結部は、それぞれ、前記動力装置によって作用される前記力を、前記操作装置に伝達するように構成されており、
前記操作装置は、前記1つ又は複数の連結部によって伝達される前記力を用いて、前記内視鏡を操作するように構成されている。
【0007】
本発明の内視鏡操作支援システムは、
ユーザからの入力を受け付ける、入力部と、
前記入力部からの入力に応じて、前記1つ又は複数のモータを制御する、制御部と、
さらに備えていると、好適である。
【0008】
本発明の内視鏡操作支援システムにおいて、
前記内視鏡操作支援システムは、前記操作装置を外部の固定部に対して固定する、支持具を、さらに備えていると、好適である。
【0009】
本発明の内視鏡操作支援システムにおいて、
前記1つ又は複数の連結部は、それぞれ、ワイヤを有しており、
前記動力装置は、前記1つ又は複数のモータによってそれぞれ駆動されるとともにそれぞれ前記1つ又は複数の連結部の前記ワイヤを巻き取るように構成された、1つ又は複数の巻取機を、有していると、好適である。
【0010】
本発明の内視鏡操作支援システムにおいて、
前記操作装置は、前記内視鏡を前記内視鏡の前記操作部の軸線方向に移動させるように構成された、ズームユニットを、有していると、好適である。
【0011】
本発明の内視鏡操作支援システムにおいて、
前記操作装置は、前記内視鏡の前記操作部の摘み部を操作するように構成された、パンチルトユニットを、有していると、好適である。
【0012】
本発明の内視鏡操作支援システムにおいて、
前記操作装置は、前記内視鏡を前記内視鏡の軸線方向に移動させるように構成された、ズームユニットを、有しており、
前記パンチルトユニットは、前記内視鏡の前記操作部を収容するように構成されており、
前記ズームユニットは、前記パンチルトユニットを前記内視鏡の前記操作部の軸線方向に摺動可能に案内する、摺動部を、有しており、
前記パンチルトユニットに、前記連結部が連結されていると、好適である。
【0013】
本発明の内視鏡操作支援システムにおいて、
前記パンチルトユニットは、
前記内視鏡の可動部を左右に屈曲動作させるように前記内視鏡の前記操作部の前記摘み部を操作する、パン部と、
前記内視鏡の前記可動部を上下に屈曲動作させるように前記内視鏡の前記操作部の前記摘み部を操作する、チルト部と、
を有すると、好適である。
【0014】
本発明の内視鏡操作支援システムにおいて、
前記パン部及び前記チルト部は、それぞれ、前記内視鏡の前記操作部の前記摘み部に係合する、第1係合部を、有しており、
前記パン部及び前記チルト部は、それぞれ、前記第1係合部に、前記連結部が連結されていると、好適である。
【0015】
本発明の内視鏡操作支援システムにおいて、
前記パンチルトユニットは、前記内視鏡の前記操作部、前記パン部、及び前記チルト部を収容する、筐体を、有しており、
前記パン部及び前記チルト部は、それぞれ、バネを有しており、
前記パン部及び前記チルト部は、それぞれ、前記バネの一端部が前記第1係合部に直接的又は間接的に連結されているとともに、前記バネの他端部が前記筐体に固定されていると、好適である。
【0016】
本発明の内視鏡操作支援システムにおいて、
前記パンチルトユニットは、前記内視鏡の前記操作部、前記パン部、及び前記チルト部を収容する、筐体を、有しており、
前記パン部及び前記チルト部は、それぞれ、
バネと、
前記内視鏡の前記操作部の前記摘み部に係合する、第2係合部と、
を有しており、
前記パン部及び前記チルト部は、それぞれ、前記バネの一端部が前記第2係合部に直接的又は間接的に連結されているとともに、前記バネの他端部が前記筐体に固定されていると、好適である。
【0017】
本発明の内視鏡操作支援システムは、
上記の内視鏡操作支援システムと、
前記内視鏡と、
を備えている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、操作装置を洗浄又は滅菌することが容易になる、内視鏡操作支援システム及び内視鏡システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る内視鏡操作支援システム、及び、本発明の一実施形態に係る内視鏡システムを、概略的に示す、概略図である。
図2図1の動力装置の構成を概略的に示す、概略図である。
図3図1の操作装置を内視鏡とともに示す、斜視図である。
図4図3の内視鏡を示す、斜視図である。
図5図3のパンチルトユニットを内視鏡とともに示す、斜視図である。
図6図5のパンチルトユニットを示す、斜視図である。
図7図3のパンチルトユニットの動作を説明するための、説明図である。
図8図6の第1係合部を分解した状態で示す、分解斜視図である。
図9図6のパンチルトユニットを、爪を取り除いた状態で示す、斜視図である。
図10図9のパンチルトユニットを、前押さえ部、後押さえ部、及び、可動後壁をそれぞれ回動させた後の状態で示す、斜視図である。
図11図10のA部を別のアングルから観た様子を示す、A部拡大図である。
図12図9のB部を示す、B部拡大図である。
図13図3のズームユニットの一部を、パンチルトユニットの一部とともに示す、斜視図である。
図14図13のズームユニットの動作を説明するための、説明図である。
図15図13のC部を分解した状態で示す、C部拡大図である。
図16図13のD部を別のアングルから観た様子を示す、D部拡大図である。
図17】本発明の第1変形例に係る内視鏡操作支援システム、及び、本発明の第1変形例に係る内視鏡システムを説明するための、説明図である。
図18】本発明の第2変形例に係る内視鏡操作支援システム、及び、本発明の第2変形例に係る内視鏡システムを説明するための、説明図である。
図19】本発明の第3変形例に係る内視鏡操作支援システム、及び、本発明の第3変形例に係る内視鏡システムを説明するための、説明図である。
図20】本発明の第4変形例に係る内視鏡操作支援システム、及び、本発明の第4変形例に係る内視鏡システムを説明するための、説明図である。
図21】本発明の第5変形例に係る内視鏡操作支援システム、及び、本発明の第5変形例に係る内視鏡システムを説明するための、説明図である。
図22】本発明の第6変形例に係る内視鏡操作支援システム、及び、本発明の第6変形例に係る内視鏡システムを説明するための、説明図である。
図23】本発明の第7変形例に係る内視鏡操作支援システム、及び、本発明の第7変形例に係る内視鏡システムを説明するための、説明図である。
図24】本発明の第7変形例に係る内視鏡操作支援システム、及び、本発明の第7変形例に係る内視鏡システムを説明するための、説明図である。
図25】本発明の第8変形例に係る内視鏡操作支援システム、及び、本発明の第8変形例に係る内視鏡システムを説明するための、説明図である。
図26】本発明の第9変形例に係る内視鏡操作支援システム、及び、本発明の第9変形例に係る内視鏡システムを説明するための、説明図である。
図27】内視鏡の一変形例を示す斜視図である。
図28】本発明の第10変形例に係る内視鏡操作支援システム、及び、本発明の第10変形例に係る内視鏡システムを説明するための、説明図である。
図29】本発明の第10変形例に係る内視鏡操作支援システム、及び、本発明の第10変形例に係る内視鏡システムを説明するための、説明図である。
図30】本発明の第10変形例に係る内視鏡操作支援システム、及び、本発明の第10変形例に係る内視鏡システムを説明するための、説明図である。
図31】内視鏡の他の変形例を示す斜視図である。
図32】本発明の第11変形例に係る内視鏡操作支援システム、及び、本発明の11変形例に係る内視鏡システムを説明するための、説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る内視鏡操作支援システムは、医療用内視鏡又は工業用内視鏡のいずれにも使用されてよいが、医療用内視鏡に使用されると特に好適なものである。
以下に、図面を参照しつつ、本発明に係る内視鏡操作支援システム及び内視鏡システムの実施形態を例示説明する。
各図において共通する構成要素には同一の符号を付している。
【0021】
図1図16は、本発明の一実施形態に係る内視鏡操作支援システム1、及び、本発明の一実施形態に係る内視鏡システムSを、説明するための図面である。
図1に示すように、本実施形態の内視鏡システムSは、本実施形態の内視鏡操作支援システム1と、内視鏡Eと、を備えている。内視鏡Eは、本実施形態において、医療用内視鏡として構成されている。内視鏡Eとしては、市販の内視鏡を用いてよいし、あるいは、専用の内視鏡を用いてもよい。
【0022】
図4は、内視鏡Eの一例を示している。図4に示すように、内視鏡Eは、ユーザ(医療従事者等)の手によって把持及び操作されるように構成された、操作部Mと、患者の体内に挿入されるように構成された、挿入部Iと、を有している。挿入部Iは、その先端側において、屈曲動作が可能に構成された可動部Bを、有している。操作部Mは、摘み部Hを有しており、ユーザによる摘み部Hの操作によって、可動部Bを上下左右に屈曲動作させることができるように構成されている。摘み部Hは、本例においてはレバー式に構成されており、内視鏡Eの可動部Bを左右に屈曲動作させるためのパン用レバーHPLと、内視鏡Eの可動部Bを上下に屈曲動作させるためのチルト用レバーHTLと、を有している(図4)。ただし、摘み部Hは、後述の図27の例のようなジョイスティック式、又は、後述の図31のようなノブ式等、任意の形式に構成されてよい。
【0023】
本実施形態の内視鏡操作支援システム1は、内視鏡Eの操作を支援するように構成されている。より具体的に、本実施形態の内視鏡操作支援システム1は、ユーザUが、自身の手を使わずに、内視鏡Eを操作できるように構成されている。これによって、例えば、内視鏡を操作するために配される内視鏡担当医を不要にすることができる。内視鏡操作支援システム1のユーザUは、例えば医療従事者であり、より具体的には、例えば執刀をする術者である。
図1に示すように、本実施形態の内視鏡操作支援システム1は、操作装置2と、動力装置3と、1つ又は複数の連結部4と、を備えている。動力装置3は、操作装置2とは別体に構成されている。1つ又は複数の連結部4は、操作装置2及び動力装置3どうしを連結している。
【0024】
図3は、操作装置2の一例を示している。操作装置2は、内視鏡Eを操作するように構成されている。操作装置2は、内視鏡Eの任意の操作をするように構成されてよい。例えば、本実施形態において、操作装置2は、内視鏡Eを内視鏡Eの操作部Mの軸線方向ADに移動させたり、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hを操作したりするように、構成されている。より具体的に、本実施形態において、操作装置2は、内視鏡Eを内視鏡Eの操作部Mの軸線方向ADに移動させるように構成された、ズームユニット21と、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hを操作するように構成された、パンチルトユニット22と、を有している。パンチルトユニット22は、内視鏡Eの可動部Bを左右に屈曲動作させるように内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hを操作する、パン部22Pと、内視鏡Eの可動部Bを上下に屈曲動作させるように内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hを操作する、チルト部22Tと、を有する(図5)。本実施形態において、パン部22Pは、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hにおけるパン用レバーHPLを操作するように構成されており、また、チルト部22Tは、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hにおけるチルト用レバーHTLを操作するように構成されている。
ただし、操作装置2は、ズームユニット21とパンチルトユニット22とのいずれか一方のみを有していてもよい。
なお、「操作部Mの軸線方向AD」とは、操作部Mの中心軸線に平行な方向を指す。
操作装置2は、図3の例のように、内視鏡Eの操作部Mの少なくとも一部を保持するように構成されている。操作装置2は、図3の例のように、内視鏡Eの操作部Mの少なくとも一部を収容するように構成されていると、好適である。
操作装置2は、電気部品を備えていない。ここで、「電気部品」とは、電気的に作動するあらゆる部品(モータ、電気回路部品、電線等)を包括して呼ぶものであり、電子部品も含んでいる。
【0025】
なお、本明細書において、「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」とは、特に断りが無い限り、各図に矢印で示すように、内視鏡Eの操作部Mから見た時の「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」をそれぞれ指す。「前」とは、内視鏡Eの操作部Mから見た時の挿入部I側である。なお、操作装置2に関し、「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」というときは、操作装置2に内視鏡Eの操作部Mを収容しているか否かに関わらず、操作装置2に内視鏡Eの操作部Mを収容した状態で内視鏡Eの操作部Mから見た時の「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」をそれぞれ指すものとする。
【0026】
図2は、動力装置3の一例を示している。動力装置3は、1つ又は複数(図2の例では、3つ)のモータ31を有している。モータ31は、例えばDCモータにより構成される。動力装置3は、当該1つ又は複数(図2の例では、3つ)のモータ31の駆動により、1つ又は複数(図2の例では、3つ)の連結部4にそれぞれ力を作用させるように構成されている。
より具体的に、本実施形態では、図2に示すように、1つ又は複数の連結部4は、それぞれ、ワイヤ41を有している。動力装置3は、1つ又は複数(図2の例では、3つ)のモータ31に加えて、1つ又は複数(図2の例では、3つ)の巻取機32を有している。各巻取機32は、対応するモータ31によってそれぞれ駆動されるとともに、それぞれ対応する連結部4のワイヤ41を巻き取ったり巻き出したりするように構成されている。巻取機32は、ワイヤ41を巻き取る際、ワイヤ41に対して引張力を作用させる。
1つ又は複数の連結部4は、それぞれ、動力装置3によって作用される力を、操作装置2に伝達するように構成されている。より具体的に、本実施形態においては、1つ又は複数の連結部4のワイヤ41は、それぞれ、動力装置3の巻取機32によって作用される力(引張力)を、操作装置2に伝達するように構成されている。ワイヤ41は、動力装置3によって作用される力(引張力)を効果的に操作装置2に伝達する観点から、非伸縮性であると好適であり、例えば、金属製であると好適である。
操作装置2は、1つ又は複数の連結部4によって伝達される力を用いて、内視鏡Eを操作するように構成されている。
【0027】
さらに具体的に、図2の例において、動力装置3は、モータ31として、2つのパンチルトユニット用モータ31PUと、1つのズームユニット用モータ31ZUと、を有している。また、動力装置3は、巻取機32として、2つのパンチルトユニット用巻取機32PUと、1つのズームユニット用巻取機32ZUと、を有している。内視鏡操作支援システム1は、連結部4として、2つのパンチルトユニット用連結部4PUと、1つのズームユニット用連結部4ZUと、を有している。各パンチルトユニット用連結部4PUは、それぞれ、ワイヤ41としてのパンチルトユニット用ワイヤ41PUを有している。ズームユニット用連結部4ZUは、ワイヤ41としてのズームユニット用ワイヤ41ZUを有している。
各パンチルトユニット用モータ31PUは、それぞれ対応するパンチルトユニット用巻取機32PUを駆動させるように構成されている。各パンチルトユニット用巻取機32PUは、それぞれ対応するパンチルトユニット用連結部4PUのパンチルトユニット用ワイヤ41PUを、巻き取ったり巻き出したりするように構成されている。各パンチルトユニット用巻取機32PUは、パンチルトユニット用ワイヤ41PUを巻き取る際、パンチルトユニット用ワイヤ41PUに対して引張力を作用させる。各パンチルトユニット用ワイヤ41PUの両端部のうち、パンチルトユニット用巻取機32PUとは反対側の端部(一端部)41aは、それぞれ、直接的又は間接的に、操作装置2のパンチルトユニット22に連結されている(図6)。一方のパンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、直接的又は間接的に、操作装置2のパンチルトユニット22のパン部22Pに連結されている(図6)。他方のパンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、直接的又は間接的に、操作装置2のパンチルトユニット22のチルト部22Tに連結されている(図6)。本例において、各パンチルトユニット用ワイヤ41PUの両端部のうち、パンチルトユニット用巻取機32PU側の端部(他端部)41b(図示せず)は、それぞれ、例えば、パンチルトユニット用巻取機32PUに固定されている。各パンチルトユニット用ワイヤ41PUは、それぞれ、パンチルトユニット用巻取機32PUによって作用される力(引張力)を、操作装置2のパンチルトユニット22(具体的には、パン部22P、チルト部22T)に伝達するように構成されている。操作装置2のパンチルトユニット22(具体的には、パン部22P、チルト部22T)は、2つのパンチルトユニット用連結部4PUのパンチルトユニット用ワイヤ41PUのそれぞれによって伝達される力(引張力)を用いて、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(本実施形態では、パン用レバーHPL、チルト用レバーHTL)を操作するように構成されている。
ズームユニット用モータ31ZUは、ズームユニット用巻取機32ZUを駆動させるように構成されている。ズームユニット用巻取機32ZUは、ズームユニット用連結部4ZUのズームユニット用ワイヤ41ZUを、巻き取ったり巻き出したりするように構成されている。ズームユニット用巻取機32ZUは、ズームユニット用ワイヤ41ZUを巻き取る際、ズームユニット用ワイヤ41ZUに対して引張力を作用させる。ズームユニット用ワイヤ41ZUの両端部のうち、ズームユニット用巻取機32ZUとは反対側の端部(一端部)41aは、直接的又は間接的に、操作装置2のパンチルトユニット22に連結されている(図13)。ただし、ズームユニット用ワイヤ41ZUは、操作装置2のズームユニット21の機能を発揮するために用いられる。ズームユニット用ワイヤ41ZUは、ズームユニット用巻取機32ZUによって作用される力(引張力)を、操作装置2のパンチルトユニット22に伝達するように構成されている。操作装置2のズームユニット21は、ズームユニット用連結部4ZUのズームユニット用ワイヤ41ZUによって伝達される力(引張力)を用いて、内視鏡Eを内視鏡Eの操作部Mの軸線方向ADに移動させるように構成されている。
【0028】
図2の例において、動力装置3は、1つ又は複数(図2の例では、3つ)のモータ31の回転位置を検知するように構成された、1つ又は複数(図2の例では、3つ)の位置センサ33を有している。モータ31の回転位置は、巻取機32の巻取量と相関する。
位置センサ33は、例えば、ポテンショメータから構成されることができる。
より具体的に、図2の例において、動力装置3は、位置センサ33として、2つのパンチルトユニット用位置センサ33PUと、1つのズームユニット用位置センサ33ZUと、を有している。各パンチルトユニット用位置センサ33PUは、それぞれ対応するパンチルトユニット用モータ31PUの回転位置を検知するように構成されている。パンチルトユニット用モータ31PUの回転位置は、パンチルトユニット用巻取機32PUの巻取量と相関する。ズームユニット用位置センサ33ZUは、ズームユニット用モータ31ZUの回転位置を検知するように構成されている。ズームユニット用モータ31ZUの回転位置は、ズームユニット用巻取機32ZUの巻取量と相関する。
【0029】
本実施形態の内視鏡操作支援システム1(ひいては本実施形態の内視鏡システムS)によれば、上述のように、内視鏡Eを保持及び操作する操作装置2と、モータ31を有する動力装置3とが、互いに別体に構成されており、モータ31の駆動により生じる力を、連結部4を介して、操作装置2に伝達し、それにより、操作装置2が当該力を用いて内視鏡Eを操作するようにされている。このように、操作装置2は、自身の動作に必要な動力を、動力装置3から得るようにしたため、操作装置2は、モータ31等の電気部品を有する必要が無い。そのため、内視鏡Eの操作後等において、操作装置2を分解することなく丸ごと洗浄及び/又は滅菌することが可能になるので、操作装置2の洗浄及び/又は滅菌が容易になる。
また、本実施形態の内視鏡操作支援システム1(ひいては本実施形態の内視鏡システムS)によれば、操作装置2は、モータ31を有する必要が無いので、操作装置2をコンパクトに構成することが可能になる。よって、内視鏡Eの操作中において、操作装置2がユーザUの邪魔になるのを抑制できる。ひいては、ユーザUは、自身の作業に集中できる。
また、本実施形態の内視鏡操作支援システム1(ひいては本実施形態の内視鏡システムS)によれば、操作装置2と動力装置3とを別体にしたので、仮に両者が一体である場合に比べて、内視鏡操作支援システム1(ひいては内視鏡システムS)をキャリーケース等によってコンパクトに持ち運びすることが可能になる。
【0030】
なお、本実施形態においては、上述のように、1つ又は複数の連結部4は、それぞれ、ワイヤ41を有しており、動力装置3は、1つ又は複数のモータ31によってそれぞれ駆動されるとともにそれぞれ1つ又は複数の連結部4のワイヤ41を巻き取るように構成された、1つ又は複数の巻取機32を、有している。このような構成により、動力装置3のモータ31の駆動によって生じる力を、簡単な構造で、操作装置2に伝達することができる。
ただし、連結部4は、ワイヤ41以外の構成によって、動力装置3によって作用される力を、操作装置2に伝達するように構成されてもよい。その場合、動力装置3は、モータ31によって駆動される装置として、巻取機32以外の装置を有してもよい。
【0031】
本明細書で説明する各例において、内視鏡操作支援システム1は、図1に示すように、入力部5と、制御部6と、記憶部7と、をさらに備えていると、好適である。
【0032】
入力部5は、ユーザからの入力を受け付けるように構成されている。入力部5は、ユーザからの入力を受け付けると、受け付けた入力の情報を、制御部6に出力する。入力部5は、操作装置2による内視鏡Eの操作の指示(操作指示)を入力できるように構成されている。入力部5により入力できる当該操作指示としては、例えば、内視鏡Eを内視鏡Eの操作部Mの軸線方向ADの前側に移動させるように指示する前移動指示、内視鏡Eを内視鏡Eの操作部Mの軸線方向ADの後側に移動させるように指示する後移動指示、内視鏡Eの可動部Bを左側に屈曲動作させるように指示する左屈曲指示、内視鏡Eの可動部Bを右側に屈曲動作させるように指示する右屈曲指示、内視鏡Eの可動部Bを上側に屈曲動作させるように指示する上屈曲指示、内視鏡Eの可動部Bを下側に屈曲動作させるように指示する下屈曲指示が、挙げられる。
図1の例において、入力部5は、ユーザUの頭部に装着されるように構成されている。これにより、ユーザUは、自身の手を使うことなく内視鏡Eを操作することが可能である。この場合、入力部5は、例えば、ユーザUの咀嚼運動を検知する咀嚼センサ、及び/又は、ユーザUの頭部の角度を検知する角度センサを有し、咀嚼センサ及び/又は角度センサの出力を、それぞれ上記のような各種の操作指示として、制御部6に出力するようにしてもよい。
ただし、入力部5は、任意の構成を有してよく、例えば、マイクロホン、タッチパネル、キーボード、ボタン、マウス等によって構成されてもよい。
入力部5は、動力装置3に取り付けられてもよい。入力部5は、任意の位置に配置されてよいが、操作装置2に電気部品を設けない観点から、入力部5は、操作装置2には設けられていないのが好適である。
入力部5と制御部6との間の通信は、無線通信及び/又は有線通信とすることができる。
【0033】
制御部6は、入力部5からの入力(操作指示)に応じて、記憶部7に記憶されたプログラムに従って、動力装置3の1つ又は複数のモータ31を制御するように構成されている。制御部6は、例えば、1つ又は複数のMPU、かつ/又は、1つまたは複数のCPU等によって構成されることができる。
例えば、入力部5から上述の前移動指示又は後移動指示が入力されると、制御部6は、動力装置3のズームユニット用モータ31ZUを制御する。この際、制御部6は、動力装置3のズームユニット用位置センサ33ZUの出力を見ながら、ズームユニット用モータ31ZUを制御すると、好適である。
また、入力部5から上述の左屈曲指示又は右屈曲指示が入力されると、制御部6は、動力装置3の一対のパンチルトユニット用モータ31PUのうち、パンチルトユニット22のパン部22Pに接続されたパンチルトユニット用巻取機32PUを駆動する方のパンチルトユニット用モータ31PUを制御する。この際、制御部6は、動力装置3の当該パンチルトユニット用モータ31PUに対応して設けられたパンチルトユニット用位置センサ33PUの出力を見ながら、当該パンチルトユニット用モータ31PUを制御すると、好適である。
また、入力部5から上述の上屈曲指示又は下屈曲指示が入力されると、制御部6は、動力装置3の一対のパンチルトユニット用モータ31PUのうち、パンチルトユニット22のチルト部22Tに接続されたパンチルトユニット用巻取機32PUを駆動する方のパンチルトユニット用モータ31PUを制御する。この際、制御部6は、動力装置3の当該パンチルトユニット用モータ31PUに対応して設けられたパンチルトユニット用位置センサ33PUの出力を見ながら、当該パンチルトユニット用モータ31PUを制御すると、好適である。
制御部6は、動力装置3の内部に設けられると、好適である。制御部6は、任意の位置に配置されてよいが、操作装置2に電気部品を設けない観点から、制御部6は、操作装置2には設けられていないのが好適である。
【0034】
記憶部7は、制御部6が実行するためのプログラムや制御部6が用いる各種情報等を記憶している。記憶部7は、例えば、1つ又は複数のROM、かつ/又は、1つまたは複数のRAM等によって構成されることができる。
記憶部7は、動力装置3の内部に設けられると、好適である。記憶部7は、制御部6の内部に設けられてもよい。記憶部7は、任意の位置に配置されてよいが、操作装置2に電気部品を設けない観点から、記憶部7は、操作装置2には設けられていないのが好適である。
【0035】
本明細書で説明する各例においては、内視鏡操作支援システム1は、図1に示すように、操作装置2を外部の固定部Fに対して固定する、支持具8を、さらに備えていると、好適である。これにより、操作装置2の向き及び高さを安定的に維持することができる。また、ユーザUが操作装置2を支える必要が無くなるので、ユーザUは自身の作業に集中できる。
外部の固定部Fとしては、例えば、手術台、テーブル等が挙げられる。
支持具8は、例えば、スタンド等から構成されることができる。支持具8は、図1の例のように、下端部が外部の固定部Fに固定され、上端部が操作装置2を把持した状態で、操作装置2の向き及び高さを維持できるように構成されていると、好適である。また、支持具8は、ユーザUによって、支持具8の上端部(ひいては操作装置2)の向き及び/又は高さを調整できるように構成されていると、好適である。
なお、支持具8は、操作装置2におけるズームユニット21を固定するように構成されていると、好適である。
【0036】
ここで、図5図12を参照しながら、操作装置2のパンチルトユニット22の一例について、より詳しく説明する。パンチルトユニット22は、上述のように、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hを操作するように構成されている。
図5及び図6に示すように、本例において、パンチルトユニット22は、内視鏡Eの操作部Mの少なくとも一部を収容するように構成されている。パンチルトユニット22は、筐体221と、パン部22Pと、チルト部22Tと、を有している。
【0037】
筐体221は、内視鏡Eの操作部Mの少なくとも一部、パン部22P、及び、チルト部22Tを収容するように構成されている。図9に示すように、本例において、筐体221は、上端が開放された箱型に構成されている。より具体的に、筐体221は、底壁221bと、前壁221fと、後壁221rと、左右一対の側壁221sと、を有している。
筐体221は、洗浄及び/又は滅菌の容易性の観点や軽量化の観点から、金属製であると好適であり、アルミニウム製であるとより好適であるが、任意の材料から構成されてよい。
【0038】
パン部22Pは、上述のように、内視鏡Eの可動部Bを左右に屈曲動作させるように内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hを操作するように構成されている。チルト部22Tは、上述のように、内視鏡Eの可動部Bを上下に屈曲動作させるように内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hを操作するように構成されている。
より具体的に、本例において、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hは、上述のように、レバー式に構成されており、内視鏡Eの可動部Bを左右に屈曲動作させるためのパン用レバーHPLと、内視鏡Eの可動部Bを上下に屈曲動作させるためのチルト用レバーHTLと、を有している(図4)。パン用レバーHPLとチルト用レバーHTLとは、それぞれ、左右方向に延在するレバー回転軸線LRAの周りを回転するように構成されている(図4)。本例のパンチルトユニット22において、パン部22Pは、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hにおけるパン用レバーHPLを操作するように構成されており、また、チルト部22Tは、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hにおけるチルト用レバーHTLを操作するように構成されている。
【0039】
本例において、パン部22P及びチルト部22Tは、それぞれ、第1係合部222と、補助プーリ224と、バネ223(以下、「パンチルトユニット用バネ223」という。)と、を有している(図6及び図7)。ただし、パン部22P及びチルト部22Tは、それぞれ、第1係合部222を有している限り、その他の構成は任意でよく、補助プーリ224及び/又はパンチルトユニット用バネ223は有していなくてもよい。
パン部22P及びチルト部22Tは、互いに構成を同様とすることができるので、以下の説明では、基本的に、いずれか一方の構成を説明するものとし、他方の構成の説明を省略する。
【0040】
第1係合部222は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hに係合するように構成されている。本例において、パン部22Pの第1係合部222は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hにおけるパン用レバーHPLに係合するように構成されており、また、チルト部22Tの第1係合部222は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hにおけるチルト用レバーHTLに係合するように構成されている(図5)。
第1係合部222には、連結部4が連結されている。より具体的に、本例において、第1係合部222には、連結部4(パンチルトユニット用連結部4PU)のワイヤ41(パンチルトユニット用ワイヤ41PU)が、直接的又は間接的(本例では間接的)に、連結されている。
本明細書において、「直接的に」とは、間に他の部材を介さないことを意味する。一方、「間接的に」とは、間に他の部材を介することを意味する。
第1係合部222は、本例において、爪2221と、爪プーリ2222と、を有している(図6)。
爪2221は、内視鏡Eの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)に前側及び後側から係合するように構成された、一対の爪部2221aと、一対の爪部2221aから下側へ延在する、根元部2221bと、を有している(図8)。
爪プーリ2222は、レバー回転軸線LRAと一致する第1係合部回転軸線222RAの周りを回転可能なように、筐体221の側壁221sに取り付けられている(図5)。爪プーリ2222は、上側が開放された収容凹部2222cを有しており、この収容凹部2222cの中に、爪2221の根元部2221bが収容されている(図8)。これにより、爪2221は、爪プーリ2222から脱着可能に構成されている。
爪プーリ2222が第1係合部回転軸線222RAの周りを後側へ回転すると、爪2221も一緒に第1係合部回転軸線222RAの周りを後側へ回転し、爪2221の一対の爪部2221aのうち前側の爪部2221aが摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)に前側から係合して摘み部Hをレバー回転軸線LRAの周りに後側へ回転させる。同様に、爪プーリ2222が第1係合部回転軸線222RAの周りを前側へ回転すると、爪2221も一緒に第1係合部回転軸線222RAの周りを前側へ回転し、爪2221の一対の爪部2221aのうち後側の爪部2221aが摘み部Hに後側から係合して摘み部Hをレバー回転軸線LRAの周りに前側へ回転させる。
なお、爪2221を爪プーリ2222から容易に脱着できるようにする観点から、爪2221の一対の爪部2221aと摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)との間には隙間があると好適であるが、一対の爪部2221aと摘み部Hとの間には隙間が無くてもよい。
爪プーリ2222は、パンチルトユニット用連結部4PUのパンチルトユニット用ワイヤ41PUが巻き掛けられるように構成された、環状溝2222aと、環状溝2222aの周方向一部に設けられ、環状溝2222aよりも深い窪みからなる、係止凹部2222bと、を有している(図8)。一方、パンチルトユニット用連結部4PUは、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの延在方向の一部に固定された、ブロック状の係止凸部43を有している。パンチルトユニット用連結部4PUの係止凸部43は、爪プーリ2222の係止凹部2222bに収容されている(図6)。このようにして、第1係合部222に、パンチルトユニット用連結部4PUのパンチルトユニット用ワイヤ41PUが、係止凸部43を介して、連結されている。これにより、パンチルトユニット用ワイヤ41PUに力(例えば、パンチルトユニット用巻取機32PUからの引張力)が作用されたときに、パンチルトユニット用ワイヤ41PUが爪プーリ2222に対して滑ることなく、当該力を確実に爪プーリ2222に伝えることができるようにされている。
このようにして、パンチルトユニット用巻取機32PUからパンチルトユニット用ワイヤ41PUに引張力が作用されると、第1係合部222は、係止凸部43を介して伝わる当該引張力により、第1係合部回転軸線222RAの周りを、前側又は後側のうちいずれか一方側(本例では前側)に回転されるようにされている(図7(c))。
【0041】
パンチルトユニット用バネ223は、図6及び図7に示すように、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aが、第1係合部222に直接的又は間接的(本例では間接的)に連結されているとともに、パンチルトユニット用バネ223の他端部223bが、筐体221に固定されていると、好適である。
より具体的に説明すると、本例では、図6及び図7に示すように、パンチルトユニット用連結部4PUの係止凸部43は、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの延在途中に固定されている。また、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aは、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aに連結されている。パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、直接的又は間接的(図6及び図7の例では間接的)に、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aに連結されている。より具体的には、パンチルトユニット用連結部4PUは、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aの先端側に、取付部材46PU(以下、「パンチルトユニット用取付部材46PU」ともいう。)を有している。パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、パンチルトユニット用連結部4PUのパンチルトユニット用取付部材46PUに連結されている。そして、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、パンチルトユニット用連結部4PUのうちのパンチルトユニット用取付部材46PUから係止凸部43までの部分を介して、第1係合部222に連結されている。
パンチルトユニット用バネ223は、パンチルトユニット用巻取機32PUからパンチルトユニット用ワイヤ41PUに引張力が作用される際に第1係合部222が第1係合部回転軸線222RAの周りを回転される側(本例では前側)とは逆側(本例では後側)に、第1係合部222を回転させるような付勢力(本例では引張力)を、直接的又は間接的(本例では間接的)に、第1係合部222に作用させている。本例において、パンチルトユニット用バネ223は、パンチルトユニット用連結部4PUのうちのパンチルトユニット用取付部材46PUから係止凸部43までの部分を介して、上記付勢力(本例では引張力)を、第1係合部222に作用させている。
パンチルトユニット用バネ223の他端部223bは、本例において、筐体221の前壁221fに固定されているが、筐体221における任意の部分に固定されてよい。
パンチルトユニット用バネ223は、本例において、コイルバネから構成されており、より具体的には、引張コイルバネから構成されている。ただし、パンチルトユニット用バネ223は、任意のバネから構成されてよく、例えば、圧縮コイルバネ、ぜんまいバネ、定荷重バネ等から構成されてもよい。
なお、図6の例においては、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aがフック状に構成されており、パンチルトユニット用取付部材46PUが環状部を有するように構成されている。ただし、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、環状等、任意の構成を有してよい。また、パンチルトユニット用取付部材46PUは、フック状等、任意の構成を有してよい。
また、図6の例においては、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aとパンチルトユニット用取付部材46PUとが、互いに脱着可能に構成されている。これにより、パンチルトユニット用連結部4PUとパンチルトユニット用バネ223との組付け及び分解が容易にされている。
【0042】
本例において、補助プーリ224は、左右方向に延在する回転軸線の周りを回転可能なように、筐体221の側壁221sに取り付けられている。補助プーリ224には、パンチルトユニット用ワイヤ41PUのうちの一端部41aと係止凸部43との間の一部分が、巻き掛けられている。補助プーリ224を設けることにより、パンチルトユニット用ワイヤ41PUのうちの一端部41aから係止凸部43までの部分の長さを確保し、ひいては、パンチルトユニット用バネ223のストロークを確保しつつ、筐体221を小型化することが可能である。ただし、補助プーリ224は無くてもよい。
【0043】
上述のように構成されたパンチルトユニット22のパン部22P及びチルト部22Tの動作を、図7を参照しつつ説明する。図7(a)は、静止時の様子を示している。静止時では、パンチルトユニット用巻取機32PUから第1係合部222に作用されている力(本例では、引張力)と、パンチルトユニット用バネ223から第1係合部222に作用されている力(本例では、引張力)とが、つり合っている。一方、パンチルトユニット用巻取機32PUがパンチルトユニット用ワイヤ41PUを巻き出すことにより、パンチルトユニット用巻取機32PUから第1係合部222に作用されている力(本例では、引張力)が、パンチルトユニット用バネ223から第1係合部222に作用されている力(本例では、引張力)よりも小さくなると、第1係合部222は、第1係合部回転軸線222RAの周りを前側及び後側のうちいずれか一方側(本例では後側)に回転する(図7(b))。また、パンチルトユニット用巻取機32PUがパンチルトユニット用ワイヤ41PUを巻き取ることにより、パンチルトユニット用巻取機32PUから第1係合部222に作用されている力(本例では、引張力)が、パンチルトユニット用バネ223から第1係合部222に作用されている力(本例では、引張力)よりも大きくなると、第1係合部222は、第1係合部回転軸線222RAの周りを前側及び後側のうち他方側(本例では前側)に回転する(図7(c))。このように、パンチルトユニット用巻取機32PUの巻取量を変えることによって、第1係合部222を回転させることができ、ひいては、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)を回転させることができるようにされている。このようにして、パンチルトユニット22は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hを操作するように構成されている。
【0044】
つぎに、パンチルトユニット22の筐体221について、さらに詳しく説明する。
本例において、筐体221の前壁221fは、前壁221fを前後方向に貫通するとともに上側が開放された、前穴221faを有している(図9)。前穴221faは、内視鏡Eの操作部Mの前端部が収容されるように構成されている(図5)。筐体221は、前壁221fの上側に、前押さえ部221hfを有している(図9)。前押さえ部221hfは、上下方向に延在する前押さえ部回転軸線hfRAの周りを回転可能に構成されており、それにより、前壁221fの上側に位置することで前穴221faの上端を閉鎖したり(図9)、前壁221fの上側から離れる(図の例では前側に回転される)ことで前穴221faの上端を開放したり(図10)することができるようにされている。
一方、筐体221の後壁221rは、左右一対の固定後壁221raと、当該一対の固定後壁221raどうしの間に位置する可動後壁221rbと、を有している(図9)。一対の固定後壁221raは、それぞれ一対の側壁221sに固定されている。可動後壁221rbは、可動後壁221rbの下部に位置するとともに左右方向に延在する可動後壁回転軸線rbRAの周りを回転可能に構成されている(図9及び図10)。可動後壁221rbは、可動後壁221rbを前後方向に貫通するとともに上側が開放された、後穴221rbcを有している(図9)。後穴221rbcは、内視鏡Eの操作部Mの後端部が収容されるように構成されている(図5)。筐体221は、可動後壁221rbにおける上部の後側に、後押さえ部221hrを有している(図9)。後押さえ部221hrは、前後方向に延在する後押さえ部回転軸線hrRAの周りを回転可能に構成されており、それにより、可動後壁221rbにおける上部の後側に位置することで後穴221rbcの上端を実質的に閉鎖したり(図9)、可動後壁221rbにおける上部の後側から離れる(図の例では上側に回転される)ことで後穴221rbcの上端を実質的に開放したり(図10)することができるようにされている。なお、本例では、後押さえ部221hrにおける一端部が、一対の固定後壁221raのうちの左側の固定後壁221raに固定されており(図10)、また、後押さえ部221hrにおける他端部が、一対の固定後壁221raのうち右側の固定後壁221raに固定された係止バネ225に解除可能に係止されるようにされている(図11)。図11は、図10のA部を左方向に見ている。係止バネ225は、例えば板バネにから構成されることができる。
このように、筐体221は、前穴221faと後穴221rbcを有するので、内視鏡Eの操作部Mをぐらつきなく安定的に収容することができる。また、筐体221は、前押さえ部221hfと後押さえ部221hrを有するので、パンチルトユニット22が動いても内視鏡Eの操作部Mが筐体221から外れるのを抑制できる。
【0045】
上述のように構成されたパンチルトユニット22の筐体221において、内視鏡Eの操作部Mを筐体221に収容する際には、まず、可動後壁221rbを上下方向に立てるとともに、前押さえ部221hfを前壁221fの上側から離す(図の例では前側に回転させる)ことで前穴221faの上端を開放し、後押さえ部221hrを可動後壁221rbにおける上部の後側から離す(図の例では上側に回転させる)ことで後穴221rbcの上端を実質的に開放させる。その後、内視鏡Eの操作部Mを上側から筐体221の内部に入れ、操作部Mの前端部を前壁221fの前穴221faに収容し、操作部Mの後端部を可動後壁221rbの後穴221rbcに収容する。その後、前押さえ部221hfを前壁221fの上側に位置させる(図の例では後側に回転させる)ことで前穴221faの上端を閉鎖し、前押さえ部221hfによって内視鏡Eの操作部Mの前端部の上側を押さえる。また、後押さえ部221hrを可動後壁221rbにおける上部の後側に位置させる(図の例では下側に回転させる)ことで後穴221rbcの上端を実質的に閉鎖し、後押さえ部221hrによって内視鏡Eの操作部Mの後端部の上側を押さえる。なお、本例においては、内視鏡Eの操作部Mを筐体221に収容する前に、事前に、一対の第1係合部222における一対の爪2221を爪プーリ2222の収容凹部2222cから引き抜いておき、内視鏡Eの操作部Mを筐体221に収容した後に、一対の爪2221を爪プーリ2222の収容凹部2222cに収容すると、好適である。
一方、内視鏡Eの操作部Mを筐体221から引き抜く際には、まず、前押さえ部221hfを前壁221fの上側から離す(図の例では前側に回転させる)ことで前穴221faの上端を開放し、後押さえ部221hrを可動後壁221rbにおける上部の後側から離す(図の例では上側に回転させる)ことで後穴221rbcの上端を実質的に開放させる。その後、可動後壁221rbを後側に倒す。その後、内視鏡Eの操作部Mを軸線方向ADに平行に後側へ引き抜く。なお、本例においては、内視鏡Eの操作部Mを筐体221から引き抜く前に、事前に、一対の第1係合部222における一対の爪2221を爪プーリ2222の収容凹部2222cから引き抜いておくと、好適である。
このように、筐体221は、可動後壁221rbを後側に倒すことができるようにされているので、内視鏡Eの操作部Mを筐体221から軸線方向ADに沿ってまっすぐ引き抜くことができるようにされている。これにより、仮に内視鏡Eの引き抜き時において内視鏡Eの挿入部Iが患者の体内にあったとしても、内視鏡Eの挿入部Iが過度に動いて患者の臓器を傷つけるのを抑制できる。
ただし、パンチルトユニット22の筐体221は、本例とは異なる構成を有していてもよい。
【0046】
つぎに、パンチルトユニット用連結部4PUについて、さらに詳しく説明する。
本例のパンチルトユニット用連結部4PUは、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの外周側を覆うチューブ42(以下、「パンチルトユニット用チューブ42PU」ともいう。)を、さらに有している。パンチルトユニット用チューブ42PUの一端部42aは、パンチルトユニット22の筐体221に、脱着可能に取り付けられている(図6)。パンチルトユニット用チューブ42PUの他端部42bは、パンチルトユニット用巻取機32PUの付近に位置している(図2)。例えば、パンチルトユニット用チューブ42PUの他端部42bは、動力装置3の筐体に、脱着可能に取り付けられてもよい。パンチルトユニット用チューブ42PUを設けることにより、内視鏡操作支援システム1の動作中に操作装置2に対して変位するパンチルトユニット用ワイヤ41PUが外部に露出するのを防ぐことができる。
ただし、パンチルトユニット用チューブ42PUは無くてもよい。
【0047】
図12は、図9のB部を示している。本例において、一対のパンチルトユニット用連結部4PUのパンチルトユニット用チューブ42PUの一端部42aは、それぞれ、筐体221の一対の固定後壁221raに、脱着可能に取り付けられている(図9)。より具体的には、固定後壁221raには、左右方向の外側が開放されたチューブ収容穴221racが設けられており、そのチューブ収容穴221racに、パンチルトユニット用チューブ42PUの一端部42aが収容されるようにされている。また、固定後壁221raの内部には、上下方向に延在する圧縮バネ226と、圧縮バネ226の上側に配置された開閉ブロック227とが、配置されている。開閉ブロック227は、固定後壁221raから左右方向外側へ突出する凸部227aを有しており、凸部227aによってユーザUが開閉ブロック227を操作できるようにされている。凸部227aに外力が作用されていない間は、開閉ブロック227は、圧縮バネ226の付勢力によって上側へ押されて、チューブ収容穴221racの左右方向外側を閉鎖する(図12(a))。一方、ユーザUによって凸部227aが下側へ押されると、開閉ブロック227は圧縮バネ226の付勢力に対抗しながら下側へ変位し、チューブ収容穴221racの左右方向外側を開放する(図12(b))。これにより、パンチルトユニット用チューブ42PUの一端部42aをチューブ収容穴221racに出し入れすることができるようにされている。
ただし、パンチルトユニット用チューブ42PUの一端部42aは、本例とは異なる構成によって、筐体221に脱着可能に取り付けられてよい。また、パンチルトユニット用チューブ42PUの一端部42aは、筐体221の任意の部分に、脱着可能に取り付けられてよい。
【0048】
つぎに、図13図16を参照しながら、操作装置2のズームユニット21の一例について、より詳しく説明する。ズームユニット21は、上述のように、内視鏡Eを内視鏡Eの操作部Mの軸線方向ADに移動させるように構成されている。内視鏡Eを内視鏡Eの操作部Mの軸線方向ADに移動させることにより、内視鏡Eによって撮像される画像をズームイン又はズームアウトしたり、あるいは、内視鏡Eの挿入部Iを患者の体内に挿入したり患者の体内から引き抜いたりすることができる。
本例において、ズームユニット21は、1つ又は複数の摺動部211と、バネ212(以下、「ズームユニット用バネ212」という。)と、底壁210と、左右一対の側壁213と、後壁215と、ハンドル214と、を有している(図3及び図13)。ただし、ズームユニット21は、一対の側壁213、後壁215、及び、ハンドル214のうち少なくともいずれか1つを有していなくてもよい。
【0049】
各摺動部211は、それぞれ、パンチルトユニット22を内視鏡Eの操作部Mの軸線方向ADに摺動可能に案内するように構成されている。摺動部211は、前後方向に延びている(図13)。摺動部211は、本例においてレールから構成されているが、他の構成からなるものでもよい。本例において、摺動部211は、底壁210に設けられているが、摺動部211は、一対の側壁213に設けられてもよい。
一方、パンチルトユニット22の筐体221は、摺動部211によって案内される1つ又は複数の被摺動部(図示せず)を有している。このようにして、パンチルトユニット22の筐体221の被摺動部が、ズームユニット21の摺動部211によって案内されながら軸線方向ADに摺動するようにされている。本例では、より具体的に、パンチルトユニット22の筐体221が、底壁221bの裏面(下面)に、1つ又は複数の突起状の被摺動部を有している。ただし、ズームユニット21の摺動部211がズームユニット21の一対の側壁213に設けられる場合、パンチルトユニット22の筐体221は、被摺動部を、パンチルトユニット22の一対の側壁221sに有していると、よい。
【0050】
パンチルトユニット22には、連結部4(ズームユニット用連結部4ZU)の一端部4aが連結されている(図13)。ズームユニット用ワイヤ41ZUの一端部41aは、直接的又は間接的(図13の例では間接的)に、パンチルトユニット22の筐体221に連結されている。より具体的に、本例において、ズームユニット用連結部4ZUは、ズームユニット用ワイヤ41ZUの一端部41aの先端側に、取付部材46ZU(以下、「ズームユニット用取付部材46ZU」という。)を有している。このズームユニット用取付部材46ZUは、本例において、ズームユニット用連結部4ZUの一端部4aを構成している。そして、パンチルトユニット22の筐体221には、ズームユニット用連結部4ZUのズームユニット用取付部材46ZUが連結されている。なお、本例において、ズームユニット用連結部4ZUのズームユニット用取付部材46ZUは、パンチルトユニット22の筐体221の底壁221bの後端部に連結されているが、ズームユニット用連結部4ZUのズームユニット用取付部材46ZUは、パンチルトユニット22の筐体221の任意の部分に連結されてよい。
このようにして、ズームユニット用巻取機32ZUからズームユニット用ワイヤ41ZUに引張力が作用されると、パンチルトユニット22(具体的には筐体221)が当該引張力によって後側へ引っ張られるようにされている。
【0051】
ズームユニット用バネ212は、図13に示すように、ズームユニット用バネ212の一端部212aが、パンチルトユニット22に連結されているとともに、ズームユニット用バネ212の他端部212bが、ズームユニット21に固定されていると、好適である。
本例において、ズームユニット用バネ212の一端部212aは、パンチルトユニット22の筐体221の底壁221bに連結されているが、ズームユニット用バネ212の一端部212aは、パンチルトユニット22の筐体221の任意の部分に連結されてよい。
また、本例において、ズームユニット用バネ212の他端部212bは、ズームユニット21の底壁210の前端部に固定されているが、ズームユニット用バネ212の他端部212bは、ズームユニット21の任意の部分(ただしズームユニット用バネ212を除く。)に固定されてよい。
ズームユニット用バネ212は、パンチルトユニット22の筐体221を前側へ引っ張るような付勢力(引張力)を、パンチルトユニット22の筐体221に作用させている。
ズームユニット用バネ212は、本例において、定荷重バネから構成されている。ただし、定荷重バネは、任意のバネから構成されてよく、例えば、引張バネ、圧縮コイルバネ等から構成されてもよい。
【0052】
上述のように構成されたズームユニット21の動作を、図14を参照しつつ説明する。図14(a)は、静止時の様子を示している。静止時では、ズームユニット用巻取機32ZUからパンチルトユニット22の筐体221に作用されている力(本例では、引張力)と、ズームユニット用バネ212からパンチルトユニット22の筐体221に作用されている力(本例では、引張力)とが、つり合っている。一方、ズームユニット用巻取機32ZUがズームユニット用ワイヤ41ZUを巻き出すことにより、ズームユニット用巻取機32ZUからパンチルトユニット22の筐体221に作用されている力(本例では、引張力)が、ズームユニット用バネ212からパンチルトユニット22の筐体221に作用されている力(本例では、引張力)よりも小さくなると、パンチルトユニット22の筐体221は、ズームユニット21に対して軸線方向ADに沿って前側に変位する(図14(b))。また、ズームユニット用巻取機32ZUがズームユニット用ワイヤ41ZUを巻き取ることにより、ズームユニット用巻取機32ZUからパンチルトユニット22の筐体221に作用されている力(本例では、引張力)が、ズームユニット用バネ212からパンチルトユニット22の筐体221に作用されている力(本例では、引張力)よりも大きくなると、パンチルトユニット22の筐体221は、ズームユニット21に対して軸線方向ADに沿って後側に変位する(図14(c))。このように、ズームユニット用巻取機32ZUの巻取量を変えることによって、パンチルトユニット22の筐体221を、ズームユニット21に対して軸線方向ADに沿って変位させることができるようにされている。このようにして、ズームユニット21は、内視鏡Eをズームユニット21に対して内視鏡Eの操作部Mの軸線方向ADに移動させるように構成されている。
【0053】
つぎに、ズームユニット用連結部4ZUについて、さらに詳しく説明する。
本例のズームユニット用連結部4ZUのズームユニット用取付部材46ZUは、図15に示すように、パンチルトユニット22の筐体221(具体的には底壁221b)に、脱着可能に連結されている。図15は、図13のC部を分解した状態で示している。
より具体的に、本例において、パンチルトユニット22の筐体221の底壁221bには、固定用穴221bhが設けられている。ズームユニット用取付部材46ZUとパンチルトユニット22の筐体221の底壁221bとの間には、座金216bが配置される。そして、ねじ216aが、ズームユニット用取付部材46ZUの環状部の中心穴と座金216bの中心穴とを通った後、固定用穴221bhに挿入されるようにされている。
ただし、ズームユニット用連結部4ZUのズームユニット用取付部材46ZUは、本例とは異なる構成によって、パンチルトユニット22の筐体221に、脱着可能に連結されてよい。
【0054】
また、本例のズームユニット用連結部4ZUは、ズームユニット用ワイヤ41ZUの外周側を覆うチューブ42(以下、「ズームユニット用チューブ42ZU」ともいう。)を、さらに有している。ズームユニット用チューブ42ZUの一端部42aは、ズームユニット21の後壁215に、脱着可能に取り付けられている(図13)。ズームユニット用チューブ42ZUの他端部42bは、ズームユニット用巻取機32ZUの付近に位置している(図2)。例えば、ズームユニット用チューブ42ZUの他端部42bは、動力装置3の筐体に、脱着可能に取り付けられてもよい。ズームユニット用チューブ42ZUを設けることにより、内視鏡操作支援システム1の動作中に操作装置2に対して変位するズームユニット用ワイヤ41ZUが外部に露出するのを防ぐことができる。
ただし、ズームユニット用チューブ42ZUは無くてもよい。
【0055】
図16は、図13のD部を後側から見ている。本例においては、上述のように、ズームユニット用連結部4ZUのズームユニット用チューブ42ZUの一端部42aは、ズームユニット21の後壁215に、脱着可能に取り付けられている。より具体的には、後壁215には、上側が開放されたチューブ収容穴215aが設けられており、そのチューブ収容穴215aに、ズームユニット用チューブ42ZUの一端部42aが収容されるようにされている。また、後壁215の内部には、左右方向に延在する圧縮バネ217と、圧縮バネ217の左右方向の一方側(図の例では左側)に配置された開閉ブロック218とが、配置されている。開閉ブロック218は、後壁215から上側へ突出する凸部218aを有しており、凸部218aによってユーザUが開閉ブロック218を操作できるようにされている。凸部218aに外力が作用されていない間は、開閉ブロック218は、圧縮バネ217の付勢力によって左右方向の一方側(図の例では左側)へ押されて、チューブ収容穴215aの上側を閉鎖する(図16(a))。一方、ユーザUによって凸部218aが左右方向の他方側(図の例では右側)へ押されると、開閉ブロック218は圧縮バネ217の付勢力に対抗しながら左右方向の他方側(図の例では右側)へ変位し、チューブ収容穴215aの上側を開放する(図16(b))。これにより、ズームユニット用チューブ42ZUの一端部42aをチューブ収容穴215aに出し入れすることができるようにされている。
ただし、ズームユニット用チューブ42ZUの一端部42aは、本例とは異なる構成によって、後壁215に脱着可能に取り付けられてよい。また、ズームユニット用チューブ42ZUの一端部42aは、ズームユニット21の任意の部分に、脱着可能に取り付けられてよい。
【0056】
なお、上述のように、本例において、ズームユニット21は、一対の側壁213を有している(図3)。これにより、例えば、図1に示すように、ユーザUが操作装置2を脇に挟んだ状態で使用する場合に、前後に動くパンチルトユニット22がユーザUの腕や胴体に当たるのを抑制できる。
ただし、ズームユニット21は、一対の側壁213を有しなくてもよい。
【0057】
また、上述のように、本例において、ズームユニット21は、ハンドル214を有している(図3)。ハンドル214は、一対の側壁213に固定されている。これにより、ユーザUはハンドル214を持ちながら操作装置2を持ち運ぶことができる。
ただし、ズームユニット21は、ハンドル214を有しなくてもよい。
【0058】
以下、図17図32を参照しながら、操作装置2のパンチルトユニット22におけるパン部22P及びチルト部22Tの様々な変形例について、説明する。これらの変形例において、内視鏡操作支援システム1におけるパン部22P及びチルト部22T以外の部分の構成は、特に断りが無い限り、上述のとおりとしてよい。
なお、以下に説明する変形例は、いずれも、パン部22P及びチルト部22Tが、それぞれ、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hに係合する、第1係合部222を、有しており、また、パン部22P及びチルト部22Tは、それぞれ、第1係合部222に、連結部4(パンチルトユニット用連結部4PU)が連結されている。
また、以下に説明する変形例においては、いずれも、パンチルトユニット22の筐体221が、内視鏡Eの操作部M、パン部22P、及びチルト部22Tを、収容するように構成されていると、好適である。また、以下に説明する変形例においては、いずれも、パンチルトユニット用連結部4PUが、パンチルトユニット用チューブ42PUを有していてもよいし、パンチルトユニット用チューブ42PUを有していなくてもよい。
なお、パン部22P及びチルト部22Tは、互いに構成を同様とすることができるので、以下の説明では、基本的に、いずれか一方の構成を説明するものとし、他方の構成の説明を省略する。
【0059】
まず、図17図26に示す第1変形例~第9変形例について順次説明する。第1変形例~第9変形例において、パン部22P及びチルト部22Tは、図4の例のように、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hが、レバー式であり、パン用レバーHPL及びチルト用レバーHTLを有する場合に、好適なものである。
【0060】
図17は、第1変形例を概略的に示している。第1変形例においては、パンチルトユニット用バネ223が、コイルバネではなく定荷重バネである点で、上述した図7の例とは異なる。
パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、第1係合部222に直接的又は間接的(図17の例では間接的)に連結されており、パンチルトユニット用バネ223の他端部223bは、筐体221に固定されている。より具体的に説明すると、パンチルトユニット用ワイヤ41PUは、第1係合部222の爪プーリ2222に巻き掛けられている。パンチルトユニット用連結部4PUの係止凸部43は、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの延在途中に固定されており、また、第1係合部222の爪プーリ2222の係止凹部2222bに係止されている。パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aに連結されている。パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、直接的又は間接的(図17の例では間接的)に、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aに連結されている。より具体的に、パンチルトユニット用連結部4PUは、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aの先端側に、パンチルトユニット用取付部材46PUを有している。パンチルトユニット用取付部材46PUは、本例において、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aを構成している。パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、パンチルトユニット用連結部4PUのパンチルトユニット用取付部材46PUに連結されている。そして、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、パンチルトユニット用連結部4PUのうちのパンチルトユニット用取付部材46PUから係止凸部43までの部分を介して、第1係合部222に連結されている。
パンチルトユニット用バネ223は、パンチルトユニット用巻取機32PUからパンチルトユニット用ワイヤ41PUに引張力が作用される際に第1係合部222が第1係合部回転軸線222RAの周りを回転される側(図17の例では後側)とは逆側(図17の例では前側)に、第1係合部222を回転させるような付勢力(本例では引張力)を、直接的又は間接的(図17の例では間接的)に、第1係合部222に作用させている。
本例において、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部41b(図示せず)は、例えば、パンチルトユニット用巻取機32PUに固定されている。
なお、図17では、第1係合部222のうち爪プーリ2222を図示し、第1係合部222のうち爪2221の図示を省略している。
図17の例では、パンチルトユニット用バネ223が、第1係合部222よりも後側に位置しているが、パンチルトユニット用バネ223は、第1係合部222に対して任意の位置に位置してよい。
本例の構成によっても、パンチルトユニット用巻取機32PUの巻取量を変えることによって、第1係合部222を回転させることができ、ひいては、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)を回転させることができる。
【0061】
図18は、第2変形例を概略的に示している。第2変形例においては、第1係合部222の爪プーリ2222が上下一対の突起2222dを有している。突起2222dは、それぞれ、左右方向に延在している。一対の突起2222dどうしは、第1係合部222の第1係合部回転軸線222RAの周りにおいて互いから180°離れた角度位置に位置していると、好適である。
パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aは、爪プーリ2222の一対の突起2222dのうち上側の突起2222dに連結されている。パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、直接的又は間接的(図18の例では間接的)に、爪プーリ2222の一対の突起2222dのうち上側の突起2222dに連結されている。より具体的に、パンチルトユニット用連結部4PUは、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aの先端側に、パンチルトユニット用取付部材46PUを有している。パンチルトユニット用取付部材46PUは、本例において、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aを構成している。パンチルトユニット用取付部材46PUは、爪プーリ2222の一対の突起2222dのうち上側の突起2222dに連結されている。パンチルトユニット用ワイヤ41PUは、第1係合部222の爪プーリ2222に巻き掛けられていない。パンチルトユニット用取付部材46PUは、図18の例においてフック状であるが、環状であってもよい。
パン部22P及びチルト部22Tは、それぞれ、パンチルトユニット用バネ223を有している。パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、第1係合部222に直接的又は間接的(図18の例では間接的)に連結されており、パンチルトユニット用バネ223の他端部223bは、筐体221に固定されている。より具体的に説明すると、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、延長部228を介して、爪プーリ2222の一対の突起2222dのうち下側の突起2222dに連結されている。延長部228は、図18の例において、ワイヤ2281と、ワイヤ2281の一端側に設けられた取付部材2282と、ワイヤの他端側に設けられた取付部材2283と、を有している。延長部228の一端側の取付部材2282は、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aに連結されている。延長部228の他端側の取付部材2283は、爪プーリ2222の一対の突起2222dのうち下側の突起2222dに連結されている。
パンチルトユニット用バネ223は、パンチルトユニット用巻取機32PUからパンチルトユニット用ワイヤ41PUに引張力が作用される際に第1係合部222が第1係合部回転軸線222RAの周りを回転される側(図18の例では後側)とは逆側(図18の例では前側)に、第1係合部222を回転させるような付勢力(図18の例では引張力)を、直接的又は間接的(図18の例では間接的)に、第1係合部222に作用させている。
図18では、パンチルトユニット用バネ223は、コイルバネから構成されており、より具体的には、引張コイルバネから構成されている。ただし、本例において、パンチルトユニット用バネ223は、任意のバネから構成されてよく、例えば、圧縮コイルバネ、ぜんまいバネ、定荷重バネ等から構成されてもよい。
本例において、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部41b(図示せず)は、例えば、パンチルトユニット用巻取機32PUに固定されている。
なお、図18では、第1係合部222のうち爪プーリ2222を図示し、第1係合部222のうち爪2221の図示を省略している。
本例の構成によっても、パンチルトユニット用巻取機32PUの巻取量を変えることによって、第1係合部222を回転させることができ、ひいては、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)を回転させることができる。
【0062】
図19は、第3変形例を概略的に示している。第3変形例においては、パンチルトユニット用ワイヤ41PUが、パンチルトユニット用巻取機32PUと第1係合部222の爪プーリ2222との間を環状に巻き掛けられている。本例において、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41a(図示せず)及び他端部41b(図示せず)は、例えば、パンチルトユニット用巻取機32PUに固定されている。パンチルトユニット用ワイヤ41PUは、直接的又は間接的(図19の例では間接的)に、第1係合部222に連結されている。より具体的に、パンチルトユニット用ワイヤ41PUは、第1係合部222の爪プーリ2222に巻き掛けられている。パンチルトユニット用連結部4PUの係止凸部43は、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの延在途中に固定されており、また、第1係合部222の爪プーリ2222の係止凹部2222bに係止されている。このように、パンチルトユニット用ワイヤ41PUは、係止凸部43を介して、第1係合部222に連結されている。
本例では、パンチルトユニット用バネ223が不要である。
なお、図19では、第1係合部222のうち爪プーリ2222を図示し、第1係合部222のうち爪2221の図示を省略している。
本例の構成によっても、パンチルトユニット用巻取機32PUの巻取量を変えることによって、第1係合部222を回転させることができ、ひいては、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)を回転させることができる。
【0063】
図20は、第4変形例を概略的に示している。第4変形例においては、第1係合部222が爪2221を有するが爪プーリ2222を有しない点で、上述した図7の例とは異なる。第1係合部222の爪2221は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)に取り付けられている。第1係合部222の爪2221は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)に固着されていると、好適である。
パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aは、第1係合部222の爪2221に連結されている。パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、直接的又は間接的(図20の例では間接的)に、第1係合部222の爪2221に連結されている。より具体的に、パンチルトユニット用連結部4PUは、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aの先端側に、パンチルトユニット用取付部材46PUを有している。パンチルトユニット用取付部材46PUは、本例において、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aを構成している。パンチルトユニット用取付部材46PUは、第1係合部222の爪2221に連結されている。
パン部22P及びチルト部22Tは、それぞれ、パンチルトユニット用バネ223を有している。パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、第1係合部222に直接的又は間接的(図20の例では間接的)に連結されており、パンチルトユニット用バネ223の他端部223bは、筐体221に固定されている。より具体的に説明すると、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、延長部228を介して、第1係合部222の爪2221に連結されている。延長部228は、図20の例において、ワイヤ2281と、ワイヤ2281の一端側に設けられた取付部材2282と、ワイヤの他端側に設けられた取付部材2283と、を有している。延長部228の一端側の取付部材2282は、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aに連結されている。延長部228の他端側の取付部材2283は、第1係合部222の爪2221に連結されている。
パンチルトユニット用バネ223は、パンチルトユニット用巻取機32PUからパンチルトユニット用ワイヤ41PUに引張力が作用される際に内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)がレバー回転軸線LRAの周りを回転される側(図20の例では後側)とは逆側(図20の例では前側)に、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hを回転させるような付勢力(本例では引張力)を、直接的又は間接的(図20の例では間接的)に、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hに作用させている。
図20では、パンチルトユニット用バネ223は、コイルバネから構成されており、より具体的には、引張コイルバネから構成されている。ただし、本例において、パンチルトユニット用バネ223は、任意のバネから構成されてよく、例えば、圧縮コイルバネ、ぜんまいバネ、定荷重バネ等から構成されてもよい。
本例において、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部41b(図示せず)は、例えば、パンチルトユニット用巻取機32PUに固定されている。
本例の構成によっても、パンチルトユニット用巻取機32PUの巻取量を変えることによって、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)を回転させることができる。
【0064】
図21は、第5変形例を概略的に示している。第5変形例においては、第1係合部222が、爪2221、対向ブロック2224、及び、1つ又は複数の接続部2225を有し、爪プーリ2222を有しない点で、上述した図7の例とは異なる。
第1係合部222の爪2221は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)に取り付けられている。第1係合部222の爪2221は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)に固着されていると、好適である。
第1係合部222の対向ブロック2224は、爪2221に対し下側に位置している。爪2221と対向ブロック2224とは、レバー回転軸線LRAを間に挟んで、互いに対向している。
第1係合部222の1つ又は複数(図21の例では2つ)の接続部2225は、爪2221と対向ブロック2224とを接続している。
第1係合部222は、レバー回転軸線LRAと一致する第1係合部回転軸線222RAの周りを回転するように、構成されている。
パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aは、第1係合部222の爪2221に連結されている。より具体的には、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、直接的又は間接的(図21の例では間接的)に、第1係合部222の爪2221に連結されている。さらに具体的には、パンチルトユニット用連結部4PUは、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aの先端側に、パンチルトユニット用取付部材46PUを有している。このパンチルトユニット用取付部材46PUは、本例において、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aを構成している。パンチルトユニット用取付部材46PUは、第1係合部222の爪2221に連結されている。
パンチルトユニット用連結部4PUの他端部4bは、第1係合部222の対向ブロック2224に連結されている。より具体的には、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部41bは、直接的又は間接的(図21の例では間接的)に、第1係合部222の対向ブロック2224に連結されている。さらに具体的には、パンチルトユニット用連結部4PUは、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部4bの先端側に、パンチルトユニット用取付部材46PU’を有している。このパンチルトユニット用取付部材46PU’は、本例において、パンチルトユニット用連結部4PUの他端部4bを構成している。パンチルトユニット用取付部材46PU’は、第1係合部222の対向ブロック2224に連結されている。
パンチルトユニット用巻取機32PUは、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41a側を巻き取って当該一端部41a側に引張力を作用させる間は、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部41b側を巻き出す一方、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部41b側を巻き取って当該他端部41b側に引張力を作用させる間は、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41a側を巻き出すように、構成されている。
パンチルトユニット用連結部4PUの他端部4bは、パンチルトユニット用巻取機32PUからパンチルトユニット用連結部4PUの他端部4b側に引張力が作用される際に、パンチルトユニット用巻取機32PUからパンチルトユニット用連結部4PUの一端部4a側に引張力が作用される際に内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)がレバー回転軸線LRAの周りを回転される側(図21の例では後側)とは逆側(図21の例では前側)に、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hを回転させるように、第1係合部222の対向ブロック2224に連結されている。
本例では、パンチルトユニット用バネ223が不要である。
本例の構成によっても、パンチルトユニット用巻取機32PUの巻取量を変えることによって、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)を回転させることができる。
【0065】
図22は、第6変形例を概略的に示している。第6変形例においては、第1係合部222が爪2221を有するが爪プーリ2222を有しない点で、上述した第4変形例(図20)と同様である。第1係合部222の爪2221は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)に取り付けられている。第1係合部222の爪2221は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)に固着されていると、好適である。
パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aは、第1係合部222の爪2221に連結されている。より具体的には、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、直接的又は間接的(図22の例では間接的)に、第1係合部222の爪2221に連結されている。さらに具体的には、パンチルトユニット用連結部4PUは、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aの先端側に、パンチルトユニット用取付部材46PUを有している。パンチルトユニット用取付部材46PUは、本例において、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aを構成している。パンチルトユニット用取付部材46PUは、第1係合部222の爪2221に連結されている。
パンチルトユニット用連結部4PUの他端部4bもまた、第1係合部222の爪2221に連結されている。より具体的には、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部41bは、直接的又は間接的(図22の例では間接的)に、第1係合部222の爪2221に連結されている。さらに具体的には、パンチルトユニット用連結部4PUは、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部4bの先端側に、パンチルトユニット用取付部材46PU’を有している。パンチルトユニット用取付部材46PU’は、本例において、パンチルトユニット用連結部4PUの他端部4bを構成している。パンチルトユニット用取付部材46PU’は、第1係合部222の爪2221に連結されている。
パンチルトユニット用巻取機32PUは、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41a側を巻き取って当該一端部41a側に引張力を作用させる間は、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部41b側を巻き出す一方、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部41b側を巻き取って当該他端部41b側に引張力を作用させる間は、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41a側を巻き出すように、構成されている。
パンチルトユニット用連結部4PUの他端部4bは、パンチルトユニット用巻取機32PUからパンチルトユニット用連結部4PUの他端部4b側に引張力が作用される際に、パンチルトユニット用巻取機32PUからパンチルトユニット用連結部4PUの一端部4a側に引張力が作用される際に内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)がレバー回転軸線LRAの周りを回転される側(図22の例では前側)とは逆側(図22の例では後側)に、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hを回転させるように、第1係合部222の爪2221に連結されている。
図22の例では、パン部22P及びチルト部22Tは、それぞれ、パンチルトユニット用ワイヤ41PUにおける一端部41aとパンチルトユニット用巻取機32PUとの間の一部が巻き掛けられた、補助プーリ224を有している。
本例では、パンチルトユニット用バネ223が不要である。
本例の構成によっても、パンチルトユニット用巻取機32PUの巻取量を変えることによって、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)を回転させることができる。
【0066】
図23及び図24は、第7変形例を概略的に示している。第7変形例においては、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aは、第1係合部222に連結されている。より具体的には、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、直接的又は間接的(図23及び図24の例では直接的)に、第1係合部222に連結されている。パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、本例において、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aを構成している。第1係合部222は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)に取り付けられている。図23及び図24の例において、第1係合部222は、フック状に構成されているが、第1係合部222は、環状等、任意の構成を有してよい。
また、パン部22P及びチルト部22Tは、それぞれ、パンチルトユニット用バネ223と、第2係合部229と、を有している。
第2係合部229は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)に取り付けられている。図23及び図24の例において、第2係合部229は、フック状に構成されているが、第2係合部229は、環状等、任意の構成を有してよい。
パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、第2係合部229に直接的又は間接的(図23及び図24の例では間接的)に連結されており、パンチルトユニット用バネ223の他端部223bは、筐体221に固定されている。より具体的に説明すると、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、延長部228を介して、第2係合部229に連結されている。延長部228は、図23及び図24の例において、ワイヤ2281と、ワイヤ2281の一端側に設けられた取付部材2282と、を有している。延長部228の一端側の取付部材2282は、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aに連結されている。延長部228の他端部は、第2係合部229に連結されている。
パンチルトユニット用バネ223は、パンチルトユニット用巻取機32PUからパンチルトユニット用ワイヤ41PUに引張力が作用される際に内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)がレバー回転軸線LRAの周りを回転される側(図23及び図24の例では後側)とは逆側(図23及び図24の例では前側)に、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hを回転させるような付勢力(本例では引張力)を、直接的又は間接的(図23及び図24の例では間接的)に、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hに作用させている。
図23及び図24では、パンチルトユニット用バネ223は、コイルバネから構成されており、より具体的には、引張コイルバネから構成されている。ただし、本例において、パンチルトユニット用バネ223は、任意のバネから構成されてよく、例えば、圧縮コイルバネ、ぜんまいバネ、定荷重バネ等から構成されてもよい。
本例において、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部41b(図示せず)は、例えば、パンチルトユニット用巻取機32PUに固定されている。
本例の構成によっても、パンチルトユニット用巻取機32PUの巻取量を変えることによって、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)を回転させることができる。
【0067】
図25は、第8変形例を概略的に示している。第8変形例においては、第1係合部222が爪2221を有するが爪プーリ2222を有しない点で、上述した第4変形例(図20)と同様である。第1係合部222の爪2221は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)に取り付けられている。第1係合部222の爪2221は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)に固着されていてもよいし、固着されていなくてもよい。
パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aは、第1係合部222の爪2221に連結されている。より具体的には、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、間接的に、第1係合部222の爪2221に連結されている。さらに具体的には、パンチルトユニット用連結部4PUは、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aの先端側に、棒状部材45を有している。棒状部材45は、パンチルトユニット用ワイヤ41PUよりも高い曲げ剛性を有しており、すなわち、パンチルトユニット用ワイヤ41PUよりも曲げにくくされている。棒状部材45は、本例において、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aを構成している。棒状部材45は、第1係合部222の爪2221に連結されている。
本例では、パンチルトユニット用連結部4PUが、その一端部4a側に、棒状部材45を有しているので、パンチルトユニット用巻取機32PUがパンチルトユニット用ワイヤ41PUを巻き出す際に、押力を、パンチルトユニット用連結部4PUの棒状部材45に作用させることができる。
すなわち、本例では、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4a側に、パンチルトユニット用巻取機32PUからの引張力を作用させることができるだけでなく、パンチルトユニット用巻取機32PUからの押力も作用させることができる。
なお、本例においては、図25に示すように、パンチルトユニット用連結部4PUは、棒状部材45の少なくとも一部の外周側を覆う、スリーブ44を有していると、好適である。その場合、棒状部材45の外周側かつスリーブ44の内周側には、パンチルトユニット用チューブ42PUの一端部42aが位置していると、好適である。
本例において、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部41b(図示せず)は、例えば、パンチルトユニット用巻取機32PUに固定されている。
本例では、パンチルトユニット用バネ223が不要である。
本例の構成によっても、パンチルトユニット用巻取機32PUの巻取量を変えることによって、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)を回転させることができる。
【0068】
図26は、第9変形例を概略的に示している。第9変形例においては、第1係合部222が爪2221及び爪プーリ2222を有する点で、上述した図7の例と同様である。
第9変形例においては、第1係合部222の爪プーリ2222が、突起2222dを有している。突起2222dは、左右方向に延在している。
パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aは、第1係合部222の爪プーリ2222の突起2222dに連結されている。より具体的には、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、間接的に、第1係合部222の爪プーリ2222の突起2222dに連結されている。さらに具体的には、パンチルトユニット用連結部4PUは、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aの先端側に、棒状部材45を有しており、棒状部材45の先端側にパンチルトユニット用取付部材46PUを有している。棒状部材45は、パンチルトユニット用ワイヤ41PUよりも高い曲げ剛性を有しており、すなわち、パンチルトユニット用ワイヤ41PUよりも曲げにくくされている。パンチルトユニット用取付部材46PUは、本例において、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aを構成している。パンチルトユニット用取付部材46PUは、第1係合部222の爪プーリ2222の突起2222dに連結されている。パンチルトユニット用ワイヤ41PUは、第1係合部222の爪プーリ2222に巻き掛けられていない。パンチルトユニット用取付部材46PUは、図26の例において環状であるが、フック状であってもよい。
本例では、第8変形例(図25)と同様に、パンチルトユニット用連結部4PUが、その一端部4a側に、棒状部材45を有しているので、パンチルトユニット用巻取機32PUがパンチルトユニット用ワイヤ41PUを巻き出す際に、押力を、パンチルトユニット用連結部4PUの棒状部材45に作用させることができる。
すなわち、本例では、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4a側に、パンチルトユニット用巻取機32PUからの引張力を作用させることができるだけでなく、パンチルトユニット用巻取機32PUからの押力も作用させることができる。
なお、本例においては、図26に示すように、パンチルトユニット用連結部4PUは、棒状部材45の少なくとも一部の外周側を覆う、スリーブ44を有していると、好適である。その場合、棒状部材45の外周側かつスリーブ44の内周側には、パンチルトユニット用チューブ42PUの一端部42aが位置していると、好適である。
なお、図26では、第1係合部222のうち爪プーリ2222を図示し、第1係合部222のうち爪2221の図示を省略している。
本例において、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部41b(図示せず)は、例えば、パンチルトユニット用巻取機32PUに固定されている。
本例では、パンチルトユニット用バネ223が不要である。
本例の構成によっても、パンチルトユニット用巻取機32PUの巻取量を変えることによって、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用レバーHPL又はチルト用レバーHTL)を回転させることができる。
【0069】
つぎに、図28図30に示す第10変形例について説明する。第10変形例において、パン部22P及びチルト部22Tは、図27の例のように内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hが、ジョイスティック式であり、ジョイスティックHJを有する場合に、好適なものである。ジョイスティックHJは、例えば、前又は後に倒すことにより、内視鏡Eの可動部Bを下又は上に屈曲動作させることができ、また、左又は右に倒すことにより、内視鏡Eの可動部Bを左又は右に屈曲動作させることができるように、構成される。ただし、ジョイスティックHJは、本例とは異なる操作により、内視鏡Eの可動部Bを屈曲動作させるように構成されてもよい。
【0070】
図28図30は、第10変形例を概略的に示している。図29及び図30は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H及びその近傍を、それぞれ別々のアングルから見ている。図28図30に示すように、第30変形例においては、パン部22Pは、内視鏡Eの可動部Bを左又は右に屈曲動作させるように、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(ジョイスティックHJ)を左又は右に倒す操作をするように構成されており、また、チルト部22Tは、内視鏡Eの可動部Bを下又は上に屈曲動作させるように、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(ジョイスティックHJ)を前又は後に倒す操作をするように構成されている。
本例において、パン部22P及びチルト部22Tは、それぞれ、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aが、第1係合部222に連結されている。より具体的には、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、直接的又は間接的(図28図30の例では直接的)に、第1係合部222に連結されている。パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、本例において、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aを構成している。第1係合部222は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(ジョイスティックHJ)に取り付けられている。図23及び図24の例において、第1係合部222は、フック状に構成されているが、第1係合部222は、任意の構成を有してよい。
また、パン部22P及びチルト部22Tは、それぞれ、パンチルトユニット用バネ223と、第2係合部229と、を有している。
第2係合部229は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(ジョイスティックHJ)に取り付けられている。図28図30の例において、第2係合部229は、フック状に構成されているが、第2係合部229は、任意の構成を有してよい。
パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、第2係合部229に直接的又は間接的(図23及び図24の例では間接的)に連結されており、パンチルトユニット用バネ223の他端部223bは、筐体221に固定されている。より具体的に説明すると、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、延長部228を介して、第2係合部229に連結されている。延長部228は、図28図30の例において、ワイヤ2281と、ワイヤ2281の一端側に設けられた取付部材2282と、を有している。延長部228の一端側の取付部材2282は、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aに連結されている。延長部228の他端部は、第2係合部229に連結されている。
図28の例において、パン部22Pは、2つの補助プーリ224を有している。一方の補助プーリ224には、パンチルトユニット用連結部4PUのパンチルトユニット用ワイヤ41PUの一部が巻き掛けられており、それにより、パンチルトユニット用ワイヤ41PUのうち補助プーリ224と第1係合部222との間の部分が、左右方向に延在するようにされている。他方の補助プーリ224には、延長部228のワイヤ2281の一部が巻き掛けられており、それにより、ワイヤ2281のうち補助プーリ224と第2係合部229との間の部分が、左右方向に延在するようにされている。
パン部22Pにおいて、パンチルトユニット用バネ223は、パンチルトユニット用巻取機32PUからパンチルトユニット用ワイヤ41PUに引張力が作用される際に内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(ジョイスティックHJ)が倒される側(図28図30の例では右側)とは逆側(図28図30の例では左側)に、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hを倒すような付勢力(本例では引張力)を、直接的又は間接的(図28図30の例では間接的)に、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hに作用させている。
チルト部22Tにおいて、パンチルトユニット用バネ223は、パンチルトユニット用巻取機32PUからパンチルトユニット用ワイヤ41PUに引張力が作用される際に内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(ジョイスティックHJ)が倒される側(図28図30の例では後側)とは逆側(図28図30の例では前側)に、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hを倒すような付勢力(本例では引張力)を、直接的又は間接的(図28図30の例では間接的)に、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hに作用させている。
図28図30では、パンチルトユニット用バネ223は、コイルバネから構成されており、より具体的には、引張コイルバネから構成されている。ただし、本例において、パンチルトユニット用バネ223は、任意のバネから構成されてよく、例えば、圧縮コイルバネ、ぜんまいバネ、定荷重バネ等から構成されてもよい。
本例において、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部41b(図示せず)は、例えば、パンチルトユニット用巻取機32PUに固定されている。
本例の構成によっても、パンチルトユニット用巻取機32PUの巻取量を変えることによって、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(ジョイスティックHJ)を操作することができる。
【0071】
つぎに、図32に示す第11変形例について説明する。第11変形例において、パン部22P及びチルト部22Tは、図31の例のように内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hが、ノブ式であり、内視鏡Eの可動部Bを左右に屈曲動作させるためのパン用ノブHPKと、内視鏡Eの可動部Bを上下に屈曲動作させるためのチルト用ノブHTKと、を有する場合に、好適なものである。パン用ノブHPK及びチルト用ノブHTKは、それぞれ、ノブ回転軸線KRAの周りに回転されるように構成される。ノブ回転軸線KRAは、例えば、左右方向に延在する。
【0072】
図32は、第11変形例を概略的に示している。第11変形例においては、第1係合部222がゴムシート2226を有する点で、上述した第4変形例(図20)とは異なる。第1係合部222のゴムシート2226は、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用ノブHPK又はチルト用ノブHTK)の一部に被さっており、摘み部Hとの間の摩擦によって摘み部Hを回転させるように構成されている。
パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aは、第1係合部222のゴムシート2226に連結されている。より具体的には、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、直接的又は間接的(図32の例では直接的)に、第1係合部222のゴムシート2226に連結されている。パンチルトユニット用ワイヤ41PUの一端部41aは、本例において、パンチルトユニット用連結部4PUの一端部4aを構成している。
パン部22P及びチルト部22Tは、それぞれ、パンチルトユニット用バネ223を有している。パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、第1係合部222のゴムシート2226に直接的又は間接的(図32の例では間接的)に連結されており、パンチルトユニット用バネ223の他端部223bは、筐体221に固定されている。より具体的に、図32の例においては、パンチルトユニット用バネ223の一端部223aは、第1係合部222のゴムシート2226に、延長部228を介して、連結されている。
パンチルトユニット用バネ223は、パンチルトユニット用巻取機32PUからパンチルトユニット用ワイヤ41PUに引張力が作用される際に内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用ノブHPK又はチルト用ノブHTK)がノブ回転軸線KRAの周りを回転される側(図32の例では後側)とは逆側(図32の例では前側)に、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hを回転させるような付勢力(本例では引張力)を、直接的又は間接的(図32の例では間接的)に、内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hに作用させている。
図32では、パンチルトユニット用バネ223は、コイルバネから構成されており、より具体的には、引張コイルバネから構成されている。ただし、本例において、パンチルトユニット用バネ223は、任意のバネから構成されてよく、例えば、圧縮コイルバネ、ぜんまいバネ、定荷重バネ等から構成されてもよい。
本例において、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの他端部41b(図示せず)は、例えば、パンチルトユニット用巻取機32PUに固定されている。
本例の構成によっても、パンチルトユニット用巻取機32PUの巻取量を変えることによって、内視鏡Eの操作部Mの摘み部H(パン用ノブHPK又はチルト用ノブHTK)を回転させることができる。
【0073】
なお、パン部22P及びチルト部22Tは、上述した各例の構成とは異なる構成を有していてもよい。
例えば、本明細書で説明する各例において、パン部22P及びチルト部22Tは、それぞれ、パンチルトユニット用ワイヤ41PUの任意の部分が巻き掛けられた補助プーリ224を1つ又は複数有してよい。
【0074】
本明細書で説明する各例において、パン部22P及びチルト部22Tは、筐体221内部における位置を変更可能に構成されていると、様々な内視鏡Eの操作部Mの摘み部Hに対応できるので、好適である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明に係る内視鏡操作支援システムは、医療用内視鏡又は工業用内視鏡のいずれにも使用されてよいが、医療用内視鏡に使用されると特に好適なものである。
【符号の説明】
【0076】
1 内視鏡操作支援システム
2 操作装置
21 ズームユニット
210 底壁
211 摺動部
212 ズームユニット用バネ(バネ)
212a 一端部
212b 他端部
213 側壁
214 ハンドル
215 後壁
215a チューブ収容穴
216a ねじ
216b 座金
217 圧縮バネ
218 開閉ブロック
218a 凸部
22 パンチルトユニット
22P パン部
22T チルト部
221 筐体
221f 前壁
221fa 前穴
221r 後壁
221ra 固定後壁
221rac チューブ収容穴
221rb 可動後壁
221rbc 後穴
rbRA 可動後壁回転軸線
221s 側壁
221b 底壁
221bh 固定用穴
221hf 前押さえ部
hfRA 前押さえ部回転軸線
221hr 後押さえ部
hrRA 後押さえ部回転軸線
222 第1係合部
222RA 第1係合部回転軸線
2221 爪
2221a 爪部
2221b 根元部
2222 爪プーリ
2222a 環状溝
2222b 係止凹部
2222c 収容凹部
2222d 突起
2224 対向ブロック
2225 接続部
2226 ゴムシート
223 パンチルトユニット用バネ(バネ)
223a 一端部
223b 他端部
224 補助プーリ
225 係止バネ
226 圧縮バネ
227 開閉ブロック
227a 凸部
228 延長部
2281 ワイヤ
2282、2283 取付部材
229 第2係合部
3 動力装置
31 モータ
31PU パンチルトユニット用モータ(モータ)
31ZU ズームユニット用モータ(モータ)
32 巻取機
32PU パンチルトユニット用巻取機(巻取機)
32ZU ズームユニット用巻取機(巻取機)
33 位置センサ
33PU パンチルトユニット用位置センサ(位置センサ)
33ZU ズームユニット用位置センサ(位置センサ)
4 連結部
4a 一端部
4b 他端部
4PU パンチルトユニット用連結部(連結部)
4ZU ズームユニット用連結部(連結部)
41 ワイヤ
41a 一端部
41b 他端部
41PU パンチルトユニット用ワイヤ(ワイヤ)
41ZU ズームユニット用ワイヤ(ワイヤ)
42 チューブ
42a 一端部
42b 他端部
42ab 環状溝部
42PU パンチルトユニット用チューブ(チューブ)
42ZU ズームユニット用チューブ(チューブ)
43 係止凸部
44 スリーブ
45 棒状部材
46PU、46PU’ パンチルトユニット用取付部材(取付部材)
46ZU ズームユニット用取付部材(取付部材)
5 入力部
6 制御部
7 記憶部
8 支持具
E 内視鏡
M 操作部
H 摘み部
HPL パン用レバー(摘み部)
HTL チルト用レバー(摘み部)
LRA レバー回転軸線
HJ ジョイスティック(摘み部)
HPK パン用ノブ(摘み部)
HTK チルト用ノブ(摘み部)
KRA ノブ回転軸線
I 挿入部
B 可動部
S 内視鏡システム
F 固定部
U ユーザ
AD 内視鏡の操作部の軸線方向
図1
図2
図3
図4
図5
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図18
図19
図20
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図28
図29
図30
図31
図32