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▶ アルファ タウ メディカル リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】放射線療法テンプレートアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 36/12 20060101AFI20231020BHJP
【FI】
A61M36/12
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023525950
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(86)【国際出願番号】 IB2021059920
(87)【国際公開番号】W WO2022101728
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-05-18
(31)【優先権主張番号】63/112,676
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519371231
【氏名又は名称】アルファ タウ メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086461
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 和則
(72)【発明者】
【氏名】メガン、オファ
(72)【発明者】
【氏名】ダナ、ニフ
(72)【発明者】
【氏名】タル、サジィ
(72)【発明者】
【氏名】ガット、アムノン
(72)【発明者】
【氏名】デン、ロバート
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4427005(US,A)
【文献】米国特許第4580561(US,A)
【文献】特開2004-8796(JP,A)
【文献】特表2020-523155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 36/00 ― 36/14
A61N 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テンプレートアセンブリであって:
細長いアプリケータを受容するように適合された複数の開口部を画定する、体内器官の第1の側に配置される第1の格子板と;
複数の開口を画定し、前記第1の格子板の開口および前記体内器官を通過する前記アプリケータを受け入れるように適合された、体内器官の第2の側に配置される第2の格子板と; および
前記第1の格子板と前記第2の格子板との間に配置され、前記体内器官を把持するように構成された、大きな穴を画定する少なくとも1つのフレーム板と;
を有することを特徴とするテンプレートアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の格子板、前記第2の格子板、および前記少なくとも1つのフレーム板が取り付けられるバーをさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載のテンプレートアセンブリ。
【請求項3】
前記第2の格子板が前記バーに取り外し可能に取り付けられる、ことを特徴とする請求項2に記載のテンプレートアセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのフレーム板が、前記バーに取り外し可能に取り付けられる、ことを特徴とする請求項2に記載のテンプレートアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのフレーム板が、第1のブリッジを介して前記第1の格子板に結合され、前記第1のブリッジとは別の第2のブリッジを介して前記第2の格子板に結合される、ことを特徴とする請求項1に記載のテンプレートアセンブリ。
【請求項6】
前記大きな穴が、前記少なくとも1つのフレーム板の領域の少なくとも25%を覆う、ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のテンプレートアセンブリ。
【請求項7】
前記大きな穴が、前記少なくとも1つのフレーム板の領域の少なくとも50%を覆う、ことを特徴とする請求項6に記載のテンプレートアセンブリ。
【請求項8】
前記第1および第2の格子板ならびに前記少なくとも1つのフレーム板が三角形の形状を有する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のテンプレートアセンブリ。
【請求項9】
前記フレーム板が、前記フレーム板と前記第1および第2の格子板の一方との間で前記体内器官を把持するように構成される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のテンプレートアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の格子板と前記第2の格子板との間に配置された、大きな穴を画定する追加のフレーム板をさらに備え、前記体内器官は、前記フレーム板」と前記追加のフレーム板との間で把持される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のテンプレートアセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも1つのフレーム板が開いたフレーム板を含む、ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のテンプレートアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に放射線療法に関し、特に放射線療法の放射線源を埋め込むための方法および装置に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年11月12日に出願された「放射線療法テンプレートアセンブリ」と題する米国仮出願 63/112,676(特許文献1)の利益を主張し、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
放射線は、腫瘍を形成する癌細胞またはその他の悪性細胞を殺すために使用される。放射線放出シードを腫瘍に移植することを含む、がん細胞への放射線の送達については、様々な方法が知られている。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第8,834,837号(特許文献2)および米国特許出願公開第2009/0136422号(特許文献3)は、アルファ線を放出する放射性物質を、放射性物質の娘核とともに細胞殺傷放射線源として使用することを記載している。この放射線送達方法は、本明細書ではDaRT(拡散アルファ放射体放射線療法)と呼ばれる。
【0004】
シードを体内器官の腫瘍内に正確に配置するために、シードを腫瘍内に運ぶアプリケータを導くための複数の開口部を備えたテンプレートを提供することが提案されている。テンプレートは一般に、体内器官がテンプレートに対して動かないように体内器官をつかむ加圧部材としても機能する。
【0005】
Hermannらの米国特許公開第2019/0022410号(特許文献4)、題名「近接照射療法装置およびその使用法」は、腫瘍内に針を向けるためのテンプレートおよび加圧部材を含むシステムを記載している。加圧部材は、テンプレートのパターンと同様の穴パターンを含み、針の通過を可能にする。 シードを固定するために、シードは加圧部材の遠位の部材に一時的に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国仮出願第63/112,676号
【文献】米国特許第8,834,837号
【文献】米国特許出願公開第2009/0136422号
【文献】米国特許出願公開第2019/0022410号
【発明の概要】
【0007】
本発明の幾つかの実施形態の態様は、テンプレートアセンブリであって:体内器官の第1の側に配置するための第1の格子板であって、細長いアプリケータを受容するように適合された複数の開口部を画定する、第1の格子板と;体内器官の第2の側に配置するための第2の格子板であって、複数の開口を画定し、第1の格子板の開口および体内器官を通過するアプリケータを受け入れるように適合された、第2の格子板と; および 第1の格子板と第2の格子板との間に配置され、体内器官を把持するように構成された、大きな穴を画定する少なくとも1つのフレーム板と;を有することを特徴とするテンプレートアセンブリに関する。
【0008】
選択肢として第1の格子板、第2の格子板、および少なくとも1つのフレームが取り付けられるバーをさらに備える。選択肢として第2の格子板がバーに取り外し可能に取り付けられる。選択肢として少なくとも1つのフレーム板が、バーに取り外し可能に取り付けられる。選択肢として大きな穴が、少なくとも1つのフレームの領域の少なくとも25%を覆う。選択肢として大きな穴が、少なくとも1つのフレームの領域の少なくとも50%を覆う。選択肢として第1および第2の格子板ならびに少なくとも1つのフレームが三角形の形状を有する。選択肢としてフレーム板が、フレーム板と第1および第2の格子板の一方との間で体内器官を把持するように構成されている。選択肢として第1の格子板と第2の格子板との間に配置された、大きな穴を画定する追加のフレーム板をさらに備え、体内器官は、フレームと追加のフレームとの間で把持される。選択肢として少なくとも1つのフレーム板が開いたフレームを含む。選択肢として少なくとも1つのフレーム板が第1のブリッジを介して第1の格子板に連結し、第2のブリッジを介して第2の格子板に連結する。
【0009】
本発明の幾つかの実施形態の態様は、近接照射療法シードを体内器官に挿入する方法であって:大きな中央穴を画定するフレーム板と追加の1つの要素との間で体内器官を把持するステップと;体内器官の一方の側に、細長いアプリケータを受け入れるように適合された複数の開口部を画定する1つの格子板を配置するステップと;複数のアプリケータを第1および第2の格子板の開口部および体内器官に通すステップと; そして近接照射療法シードを、フレーム板を通して器官に固着するステップと;を有する、ことを特徴とする方法に関する。
【0010】
選択肢として追加の1つの要素が格子板を含む。選択肢として格子板を配置するステップは、格子板をフレーム板の後ろに配置するステップを有する。選択肢として格子板を配置するステップは、フレーム板の後ろに第1の格子板を配置するステップと、細長いアプリケータを受け入れるように適合された複数の開口部を画定する第2の格子板を、器官の第1の格子板とは反対側に配置するステップと、を有し、方法は、複数のアプリケータを開口部に通すステップの後、小線源治療シードを固着するステップの前に、フレームを通して体内器官にアクセスできるように、第1の格子板を取り除くステップをさらに有する。選択肢として追加の要素が第2の格子板である。選択肢として第1および第2の格子板および少なくとも1つのフレーム板が三角形の形状を有する。選択肢として追加の要素が追加のフレーム板を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による放射線療法テンプレートアセンブリの概略図である。
図2】本発明の一実施形態による、図1のテンプレートアセンブリの要素の概略図である。
図3】本発明の別の実施形態によるフレーム板の概略図である。
図4】本発明の一実施形態による、放射線療法のためのシードを体内器官に移植する方法のフローチャートである。
図5A-5B】本発明の一実施形態による、治療の様々なステップにおいて、図4の方法に従って図1のテンプレートアセンブリを使用して治療されている器官を示す。
図5C-5D】本発明の一実施形態による、治療の様々なステップにおいて、図4の方法に従って図1のテンプレートアセンブリを使用して治療されている器官を示す。
図6】本発明の一実施形態による、オープンフレームのフレーム板の概略側面図である。
図7】本発明の別の実施形態による、放射線療法テンプレートアセンブリの概略図である。
図8】本発明のさらに別の実施形態による放射線療法テンプレートアセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、医師が器官にアクセスできる大きな穴を画定するフレームによって、器官を把持するタスクが少なくとも片側で実行される放射線療法テンプレートアセンブリに関する。したがって、器官の把持は、1つまたは複数の格子板が取り外された場合でも継続され、医師の器官へのアクセスを妨げることなく実行される。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による放射線療法テンプレートアセンブリ20の概略図である。テンプレートアセンブリ20は、複数の開口329を画定する挿入格子板22を備え、放射線療法シードを担持するアプリケータは、この開口を通して、放射線療法を受ける器官に挿入される。テンプレートアセンブリ20はさらに、挿入格子板22の開口329を通して挿入されたアプリケータを、治療される器官80の反対側で受け入れるように意図された、複数の開口34を画定する先頭格子板24を備える。テンプレートアセンブリ20は、格子板22および24がスライド可能に取り付けられるブリッジ28を選択肢として更に含む。いくつかの実施形態では、格子板22および24は、ブリッジ28を受け入れるように設計された、それぞれの穴42および44(図2)を画定し、それにより格子板22および24のスライドが可能となる。
【0014】
本発明の実施形態によれば、テンプレートアセンブリ20は、挿入格子板22と同様の方法で体内器官を把持し、一方、例えば中央穴72を通して器官へのアクセスを可能にするように設計されたフレーム板26を備える。選択肢として、フレーム板26は、例えば格子板22および24と同様の方法で、ブリッジ28がスライドする穴46を備えることにより、ブリッジ28上をスライドするように構成される。これにより、挿入格子板22を用いて器官の反対側から器官を把持することができる。
【0015】
選択肢として、格子板22、24、およびフレーム板26は、ブリッジの長さに沿った所望の位置でブリッジ28に対して、格子板、フレーム板をロックするためのそれぞれのネジ52、54、および56を含む。ネジは、使用できる可能性のあるロック要素の1つにすぎず、釘などの他の適切なロック要素を使用できることに注意する必要がある。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態による、テンプレートアセンブリ20の要素の概略図である。図示のように、格子板22、24、およびフレーム板26は、ブリッジ28が通過する穴42、44、または46を画定する、狭い側で接頭された三角形の形状を有する。あるいは、格子板22、24、およびフレーム板26は、正方形、長方形、円形、楕円形、または多角形(例えば、六角形)の形状、または不規則な形状などの他の形状を有する。穴42、44、および46は、格子板、フレーム板の成形領域内に画定されてもよく、または格子板、フレーム板の狭い延長部に画定されてもよい。選択肢として、格子板22、24、およびフレーム板26の形状は、格子板22、24、およびフレーム板26のうちの2つの間で器官を最もよく把持し、および/または必要な数および配置のアプリケータを腫瘍内に挿入できるように、治療される器官に適合するように選択される。
【0017】
いくつかの実施形態では、格子板22、24、およびフレーム板26はすべて同じ形状を有する。他の実施形態では、格子板、フレーム板の一部または全部が異なる形状を有する。例えば、一実施形態では、格子板22および24は、開口の適合および、対応する開口を介したアプリケータの通過を単純化するために同じ形状を有するが、フレーム板26は、器官へのアクセスを許容しながら、身体器官を把持する作業を最適化するように設計された異なる形状を有する。
【0018】
フレーム板26は、選択肢として、その全厚にわたって同じレイアウトで平らである。あるいは、フレーム板26は、その厚さの異なる断面で異なるレイアウトを有する三次元構造を有してもよい。選択肢としてフレーム板26の形状は、中央穴72が大きいにもかかわらず、把持しようとする器官を最もよく把持するように選択される。
【0019】
中央穴72は、フレーム板26の面積の少なくとも25%、少なくとも35%、少なくとも50%、または少なくとも60%の面積を選択肢として有する。中央穴72は、選択肢として、少なくとも3cm、少なくとも5cm、少なくとも8cm、さらには少なくとも12cmの面積を有する。
【0020】
図3は、本発明の別の実施形態によるフレーム板150の概略図である。フレーム板150は、単一の中央穴72の代わりに、フレーム板150が複数の中間サイズの穴152を含むという点でフレーム板26とは異なる。それぞれの中間サイズの穴152は少なくとも2cm、少なくとも3cm、または少なくとも5cmの面積を有する。中間サイズの穴152はすべて同じサイズおよび/または形状を有してもよく、または中間サイズの穴152の異なる穴は異なる面積または形状を有してもよい。フレーム板150は、選択肢として、少なくとも2つ、少なくとも3つ、さらには少なくとも4つの中間サイズの穴を画定する。中間サイズの穴152の間の隔壁154は、器官の把持に選択肢として関与する。器官へのアクセスの障害を最小限に抑えるために、中間サイズの穴152の間の隔壁は、選択肢として比較的薄い。
【0021】
いくつかの実施形態では、中央穴72または中間サイズの穴152は、格子板22および24のすべての開口329をカバーする領域を有し、格子板22の開口329のいずれかに挿入されたアプリケータは中央穴72を通過して体の器官の内部に入る。代替として、中央穴72または中間サイズの穴152は、格子板22のすべての開口329よりも少ない面積をカバーする領域を有する。選択肢として、この代替では、中央穴72または中間サイズの穴152の領域に対応しない開口329は使用不可とマーキングされている。他の実施形態では、テンプレートアセンブリ20は、異なるサイズおよび/またはレイアウトの中央穴72または中間サイズの穴152を有する複数の代替フレーム板26または150を備える。医師は、フレーム板26または150のうち、治療に使用される開口部に一致するものを選択する。いくつかの実施形態では、フレーム板26または150のうちの1つまたは複数は、格子板22のすべての開口329よりも少ない数をカバーするが、開口部329の少なくとも75%、少なくとも80%、またはさらに少なくとも90%さえカバーする中央穴72または中間サイズの穴152を有する。
【0022】
上述のように、挿入格子板22は、複数の開口329を画定する。開口329は、それらを通してアプリケータを正確に挿入できるようなサイズおよび形状である。いくつかの実施形態では、開口329は、各開口329が長さ166を有する正三角形の頂点に位置する六角形配列で配置される。六角形は、開口329をそれらの6つの最も近い隣接する開口に接続する線に対する二等分線によって形成される。選択肢として、隣接する開口329間の長さ166は、5mm未満、4.5mm以下、4mm以下、3.5mm以下、またはさらに3mm以下である。あるいは、開口329は、長方形または円形のアレイなど、任意の他の適切な配置で配置される。挿入格子板22は、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも50個、または少なくとも100個の開口329を選択肢として画定する。
【0023】
先頭格子板24上の開口34の配置は、選択肢として、挿入格子板22上の開口329の配置と同じである。あるいは、開口34は、挿入格子板22上の開口329とは異なる配置で先頭格子板24に配置される。先頭格子板24は、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも50個、または少なくとも100個の開口34を選択肢として画定する。1つの例示的な実施形態では、開口329および34は、約1.35mmの直径を有する。選択肢として、すべての開口329および34は同じ直径を有する。あるいは、異なる開口329は異なるサイズを有し、異なる開口34は異なるサイズを有し、および/または開口329は開口34とは異なるサイズを有する。
【0024】
選択肢として、挿入格子板22は、開口329をアドレス指定するための行および/または列のマーキングを備える。文字、数字および/または色を含む任意の適切なマーキングを使用することができる。一般に、マーキングは先頭格子板24には含まれない。しかしながら、いくつかの実施形態では、格子板22および24のいずれかを通してアプリケータを簡単に挿入できるようにするため、および/または、アプリケータが先頭格子板24の正しい開口部を通過したことの簡単な確認を可能にするため、マーキングは先頭格子板24にも含まれる。
【0025】
テンプレートアセンブリ20の要素は、プラスチックおよび/または金属などの任意の適切な生体適合性材料を含む。 挿入格子板22、先頭格子板24および/またはブリッジ28の詳細(材料および構造など)は、それらの開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公報2010/0249487(Hermannら)、米国特許第7,425,194号(Baltasら)、および/または白書、Breast Bridge Set0080、P13D113/Rev.12/09.2019、EckertおよびZeigler Bebig、に記載されているような、当技術分野で知られている任意の適切なテンプレートおよび/またはブリッジに従う。
【0026】
いくつかの実施形態では、挿入格子板22および先頭格子板24は同じ構造を有する。他の実施形態では、格子板22および24は異なる構造を有し、例えば一方が他方より厚い。選択肢として、挿入格子板22は、より大きな支持および制御でアプリケータを案内し、挿入されたアプリケータをより正確に保持するために、先頭格子板24よりも厚い。
【0027】
図4は、本発明の一実施形態による、放射線療法用テンプレートアセンブリ20を使用して、体内器官に放射線療法のためのシードを埋め込む方法のフローチャートである。また、図1および図2も参照されたい。図5A~5Dは、方法の異なる段階における器官400およびテンプレートアセンブリ20を示す。
【0028】
この方法は、図5Aに示すように、挿入格子板22とフレーム板26との間で体内器官を把持すること(ステップ302)から始まり、先頭格子板24がフレーム板26の後ろに配置される。リードワイヤに取り付けられた放射線療法シードを担持する複数のアプリケータ410が、挿入格子板22の開口部329を通して器官に挿入される(ステップ304)。選択肢として、挿入されたアプリケータの遠位端は、アプリケータ410の正確な位置決めのため、先頭格子板24の指定された(例えば、対応する)開口部34を通過する。図5Bに示すように、十分な数のアプリケータ410が器官を通過すると、アプリケータが器官を安定させ、先頭格子板24が取り除かれる(ステップ306)。アプリケータ410の十分な数は、選択肢として、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも6個、少なくとも10個、少なくとも20個、またはさらに少なくとも50個である。いくつかの実施形態では、先頭格子板24は、すべての必要なアプリケータ410が器官を通過した後にのみ取り除かれる(ステップ306)。先頭格子板24を取り外すことにより、医師または他の開業医が、器官およびシードを運ぶワイヤの遠位端に直接アクセスできるようになる。選択肢として、医師はその後、アプリケータ410からリードワイヤの遠位端を排出し、中心穴72を通してリードワイヤをつかみ、器官内のシードの長手方向の位置を調整する(ステップ308)および/または、例えば、図5Cに示されるように、リードワイヤにボタンを取り付けることによって、器官400内にシードを固着する(ステップ310)。図5Dに示されるように、リードワイヤが適切に固着された後、テンプレートアセンブリ20が取り外される(ステップ312)。
【0029】
アプリケータ410および/またはシードの固着は、例えば、PCT出願公開WO2019/171308(「放射線療法シードおよびアプリケータ」と題する)に記載されているものであってもよく、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。しかしながら、シードを移植する任意の他の適切なアプリケータおよび/または方法を放射線療法テンプレートアセンブリ20と共に使用することができ、本発明は、中央穴72によって増大したアクセス可能性を利用して実行される特定の行為に限定されないことに留意されたい。
【0030】
テンプレートアセンブリ20は、乳房または四肢(例えば、腕、脚)など、反対の2つの側から器官を保持するテンプレートの使用から恩恵を受ける任意の器官の治療に使用され得る。
【0031】
上記の説明では、器官400のしっかりした把持は、大きな中央穴72を画定する閉じたフレームを有するフレーム板26によって達成される。他の実施形態では、挿入格子板の反対側で器官を把持するために他の要素が使用される。例えば、いくつかの実施形態では、フレーム板26は、例えばV字形、L字形、またはU字形のオープンフレームを備える。
【0032】
図6は、本発明の一実施形態によるオープンフレーム板180の概略側面図である。フレーム板180は開口部182を有し、これにより体内器官への接近性が向上する。いくつかの実施形態で開口部182がフレームの片側にあるように、開口部182は必ずしもフレーム板180の底部にあるわけではないことに留意されたい。さらに、いくつかの実施形態では、例えば、図3に示すような複数の中間サイズの穴を画定するフレームにおいて、フレームは複数の開口部を画定する。
【0033】
上記の説明では、挿入格子板22、先頭格子板24、およびフレーム板26 はすべて同じブリッジ28に取り付けられているが、他の実施形態では、2つの板のみがブリッジ28に取り付けられ、一方先頭格子板24とフレーム板26の連結には別の局所要素が使用される。たとえば、フレーム板26は選択肢としてブリッジ28に取り付けられ、一方、先頭格子板24は1つまたは複数の別個の局所ブリッジによってフレーム板26に接続される。別の例示的な実施形態では、挿入格子板22および先頭格子板24はブリッジ28に取り付けられ、フレーム板26は、1つまたは複数の別個のブリッジによって先頭格子板24に局所的に接続される。この実施形態では先頭格子板24は取り除かれず、これにより、フレーム板26も取り外される可能性があるが、医療従事者が上または下から中心穴72を通して器官400に便利にアクセスできるように、フレーム板26に対して十分に先頭格子板24を後退させるだけである。
【0034】
図7は、本発明の一実施形態による、2つのフレーム板520および526を有する放射線療法テンプレートアセンブリ500の概略図である。図7の実施形態では、単一のフレーム板26(図1)のみの代わりに、テンプレートアセンブリ500は、器官400の両側で使用するための2つのフレーム板520および526を備える。器官400は、2つのフレームの間に挟まれる。第1のフレーム板526は先頭格子板24の近くに配置され、第2のフレーム板520は挿入格子板22の近くに配置される。選択肢として、この代替案によれば、先頭格子板24を取り除いた後、シードは、第1のフレーム板526の中央の穴を通って、先頭格子板24が取り外された側に固定される。その後挿入格子板22が取り除かれ、シードは、第2のフレーム板520の中央穴を通して反対側から固着される。しかし、格子板を取り外す順序は異なっていてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、フレーム板520および526の両方、ならびに格子板22および24の両方がブリッジ28に取り付けられる。あるいは、図7に示すように、挿入格子板22は1つ以上、例えば2つの局所バー512によりフレーム板520に連結される。したがって、挿入格子板22は、ブリッジ28と相互作用することなく取り外し可能である。さらに代替的に、先頭格子板24または挿入格子板22および先頭24の両方は、ブリッジ28を介するのではなく、それぞれのフレーム板に局所的に連結される。
【0036】
テンプレートアセンブリ20は2つの格子板22および24を含むものとして説明されているが、これはすべての実施形態に当てはまるわけではない。
【0037】
図8は、本発明の一実施形態による、鉗子602に取り付けられた放射線療法テンプレートアセンブリ600の概略図である。テンプレートアセンブリ600は、鉗子602の第1のアームの遠位端に取り付けられた格子板606と、鉗子602の第2のアームの遠位端に取り付けられたフレーム板604とを含む。 鉗子を閉じることにより、格子板606と格子板606は互いに押し付けられ、その間にある器官をしっかりと保持することができる。
【0038】
図示のように、テンプレートアセンブリ600は、挿入されたアプリケータを導くために使用される単一の格子板606のみを備える。格子板606を通して挿入されたアプリケータを受け取るために第2の格子板を使用しないと、シードの配置の精度が低下する可能性があるが、出願人は、フレーム板604によって提供されるアクセスの増加の利点が、精度の低下を上回ることを発見した。
【0039】
代替的に、放射線療法テンプレートアセンブリ600は、フレーム板604に取り付けられた追加の格子板を含む。アプリケータが挿入された後、追加の格子板はシードを固定できるように取り除かれる。他の実施形態では、鉗子の各アームに1つずつ、2つのフレーム板が使用される。格子板は、フレーム板604の一方または両方のフレーム板に取り付けられる。
【0040】
上記の方法および装置は、方法を実行するための装置および装置を使用する方法を含むものとして解釈されるべきであることが理解されよう。一実施形態に関して説明された特徴および/またはステップは、他の実施形態で使用される場合があり、本発明のすべての実施形態が、特定の図に示された、または特定の実施形態の1つに関して説明された特徴および/またはステップのすべてを有するわけではないことを理解されたい。タスクは、説明されているとおりの順序で実行されるとは限らない。
【0041】
上述の実施形態のいくつかは、本発明にとって必須ではなく、例として説明されている構造、行為、または構造および行為の詳細を含み得ることに留意されたい。本明細書に記載の構造および作用は、たとえ構造または作用が異なっていても、当技術分野で知られているように、同じ機能を実行する同等物に置き換えることができる。上記の実施形態は、例として挙げられたものであり、本発明は、上記で特に示され説明されたものに限定されない。むしろ、本発明の範囲は、上記の様々な特徴の組合せおよびサブ組合せの両方、ならびに上記の説明を読むことにより当業者に想起される、先行技術には開示されていないそれらの変形および修正を含む。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲で使用される要素および限定によってのみ限定され、用語「備える」、「含む」、「有する」およびそれらの複合語は、特許請求の範囲で使用される場合、「含むが、必ずしもそれに限定されない」を意味するものとする。
【要約】
テンプレートアセンブリは:細長いアプリケータ(410)を受容するように適合された複数の開口部(329)を画定する、体内器官の第1の側に配置される第1の格子板(22)と;複数の開口(34)を画定し、前記第1の格子板の開口および前記体内器官を通過する前記アプリケータを受け入れるように適合された、体内器官の第2の側に配置される第2の格子板と; および第1の格子板と第2の格子板との間に配置され、体内器官を把持するように構成された、大きな穴(72)を画定する少なくとも1つのフレーム板(26)と;を有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5A-5B】
図5C-5D】
図6
図7
図8