(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】畳
(51)【国際特許分類】
E04F 15/02 20060101AFI20231020BHJP
【FI】
E04F15/02 102H
E04F15/02 102J
E04F15/02 102D
E04F15/02 102E
E04F15/02 102N
(21)【出願番号】P 2020042419
(22)【出願日】2020-03-11
【出願変更の表示】U 2020000425の変更
【原出願日】2020-02-10
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】520016985
【氏名又は名称】株式会社セイキ
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】清木 千鶴
(72)【発明者】
【氏名】清木 隆司
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-045042(JP,U)
【文献】実開昭60-023044(JP,U)
【文献】特開平11-081632(JP,A)
【文献】特開2003-213907(JP,A)
【文献】特開2014-047553(JP,A)
【文献】特開2011-256697(JP,A)
【文献】特開2004-125341(JP,A)
【文献】特開平10-280659(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02507129(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00-15/22
A47G 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形板状をなす畳床と、該畳床の表面側を覆う畳表と、上記畳床の各辺の延長方向に対称に、且つ、互いに平行に延びる辺の対応する位置において外側面の磁極が異なるように配設された複数の磁石とを備えた畳であって、
上記畳床は、上記畳表側に配設され、且つ、外周縁部において外側方と上下両側とのそれぞれに開放する複数の切欠部が形成された板状をなす硬質の繊維体と、該繊維体の下面に積層された板状をなす発泡体とを備え、
上記各磁石は、上記各切欠部の空間に対応する大きさであるとともに当該各切欠部にそれぞれ収容されていることを特徴とする畳。
【請求項2】
請求項1に記載の畳において、
上記発泡体の外周縁部は、上記繊維体の外周縁部よりも内側となるように形成され、
上記畳表の外周部分は、折り返されて上記発泡体に縫い付けられていることを特徴とする畳。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の畳において、
上記繊維体は、ケナフ繊維からなることを特徴とする畳。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の畳において、
上記発泡体は、ポリエチレン発泡体であることを特徴とする畳。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の畳において、
上記磁石は、ネオジム磁石であることを特徴とする畳。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の畳において、
上記畳床下面の全域には、1枚の滑り止めシートが貼り付けられていることを特徴とする畳。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載の畳において、
小間中の寸法であることを特徴とする畳。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1つに記載の畳において、
上記畳表の裏面には、不織布に竹炭紛を含有させてなる竹炭シートが配設されていることを特徴とする畳。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不使用時には押し入れ等に収納する一方、使用時には床面等に載置して使用する畳に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、家屋の床面に常時敷設するのではなく、必要時に家屋の床面に敷設して使用する簡易的な畳が知られている。例えば、特許文献1に開示されている畳は、必要時に家屋の床面に敷設して使用するものであり、長方形板状をなす畳床を備え、当該畳床の外周縁部には、複数の磁石が配設されている。各磁石は、畳床の各辺の延長方向に対称に、且つ、互いに平行に延びる辺の対応する位置において外側面の磁極が異なるように配設されていて、複数の畳を並設させると、対向する2つの磁石が吸着して隣り合う2つの畳が連結し、使用時において畳に対して不意に力が作用しても隣り合う2つの畳が離間して使用に支障をきたすといったことを回避できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の畳の場合、畳床が軟質の繊維体で形成されていて、使用時において磁石周辺に負荷が加わると、畳床における磁石周辺が変形してしまう。そうすると、磁石の位置が正規の位置から畳床の外周縁部に沿ってずれたり、或いは、磁石が畳床の奥側に入り込んでしまい、複数の畳を並設しても対向する2つの磁石の吸着力が小さくなって隣り合う2つの畳が強固に連結しなくなってしまうおそれがある。
【0005】
また、特許文献1では、畳床における外周縁部の上下略中央部分に各磁石が埋設されていて、磁石を埋設するための外側方に開放する収容凹部を大きな板状をなす畳床の外周縁部の予め決められた所定の位置に順に形成していく必要がある。したがって、加工が困難で煩雑であり、加工コストが嵩んでしまうおそれがある。
【0006】
さらに、畳を運んだり、或いは、床面に敷設する等において、取り扱いを簡単にするために、畳の形が崩れ難くなるように剛性を持たせるとともに出来るだけ軽量なものにすることが望まれる。
【0007】
本発明は、懸かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、軽量で、且つ、剛性を有し、繰り返し使用しても隣り合う2つの畳を強固に連結させておくことができ、しかも、加工が比較的簡単で低コストに製造可能な畳を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、畳床の大部分を2層構造にするとともに、一方の層の構造に工夫を凝らしたことを特徴とする。
【0009】
具体的には、長方形板状をなす畳床と、該畳床の表面側を覆う畳表と、上記畳床の各辺の延長方向に対称に、且つ、互いに平行に延びる辺の対応する位置において外側面の磁極が異なるように配設された複数の磁石とを備えた畳を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0010】
すなわち、第1の発明では、上記畳床は、上記畳表側に配設され、且つ、外周縁部において外側方と上下両側とのそれぞれに開放する複数の切欠部が形成された板状をなす硬質の繊維体と、該繊維体の下面に積層された板状をなす発泡体とを備え、上記各磁石は、上記各切欠部の空間に対応する大きさであるとともに当該各切欠部にそれぞれ収容されていることを特徴とする。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、上記発泡体の外周縁部は、上記繊維体の外周縁部よりも内側となるように形成され、上記畳表の外周部分は、折り返されて上記発泡体に縫い付けられていることを特徴とする。
【0012】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、上記繊維体は、ケナフ繊維からなることを特徴とする。
【0013】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つの発明において、上記発泡体は、ポリエチレン発泡体であることを特徴とする。
【0014】
第5の発明では、第1から第4のいずれか1つの発明において、上記磁石は、ネオジム磁石であることを特徴とする。
【0015】
第6の発明では、第1から第5のいずれか1つの発明において、上記畳床の下面全域には、1枚の滑り止めシートが貼り付けられていることを特徴とする。
【0016】
第7の発明では、第1から第6のいずれか1つの発明において、畳が小間中の寸法であることを特徴とする。
【0017】
第8の発明では、第1から第7のいずれか1つの発明において、上記畳表の裏面には、不織布に竹炭紛を含有させてなる竹炭シートが配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
第1の発明では、磁石の側面の大部分が硬質の繊維体に囲まれるので、使用時において磁石周辺に繰り返し負荷が加わっても、当該磁石周辺が変形し難い。したがって、磁石の位置が正規の位置から畳床の外周縁部に沿ってずれたり、或いは、磁石が畳床の奥側に入り込んでしまうといったことが少なくなり、繰り返し使用しても隣り合う2つの畳を強固に連結させておくことができる。また、畳床の一部である繊維体の外周部分を部分的に切り欠く加工を行うことにより磁石を収容する部分を形成するので、特許文献1のように大きな板状をなす畳床の外周縁部に側方から穴あけ加工を施して磁石を収容可能な外側方に開放する収容凹部を形成するというような構造に比べて加工が簡単になり、加工コストを抑えた畳にすることができる。さらに、畳床が硬くて剛性を有する繊維体と軽い発泡体とを備えているので、持ち運びし易く取り扱い易い軽量な畳にすることができる。
【0019】
第2の発明では、畳表を畳床に縫い付ける縫糸が畳床の繊維体の外周縁部よりも外側に飛び出さなくなる。したがって、2つの畳を並設したときに畳の上側領域同士が確実に接触するようになり、各畳の上側領域に設けられた対向する2つの磁石が強固に吸着して2つの畳を確実に連結させておくことができる。
【0020】
第3の発明では、剛性が高くなって畳全体が変形し難くなるので持ち運び易くなる一方、使用者が畳の上に着座した際において適度に沈み込んで変形するようになる。したがって、取り扱いが容易になり、しかも、座り心地のよい畳にすることができる。
【0021】
第4の発明では、断熱性の高い畳にすることができるとともに、発泡体が比較的高い強度を有するようになるので、使用時において磁石周辺に繰り返し負荷が加わっても、当該磁石の下方が変形し難くなる。したがって、磁石の位置が正規の位置から下方にずれることが少なくなり、繰り返し使用しても隣り合う2つの畳を確実に連結させておくことができる。
【0022】
第5の発明では、強い磁力を有しているので、複数の畳を並べた際に繰り返し使用しても隣り合う2つの畳をさらに強固に連結させておくことができる。また、磁力が強いので、各磁石の外形を小さくすることができるようになり、畳全体の重量をさらに軽くすることができる。
【0023】
第6の発明では、畳を床面に載置した際において、床面に対して畳が横滑りし難くなる。したがって、床面における所定の位置に畳を載置した際、当該畳をその位置にしっかりと固定することができる。
【0024】
第7の発明では、例えば、飛行機にも通常の荷物として載せることができる取り扱い易い大きさの畳にすることができる。
【0025】
第8の発明では、竹炭紛における無数の微細孔が空気中の汚れや臭いの元となる有機物を効果的に吸着するので、脱臭能力及び空気清浄能力の高い畳にすることができる。また、竹紛には強い抗菌特性があるので、畳の防虫能力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施形態に係る畳が2つ並んでいる状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る畳が2つ並んでいる状態を示す平面図である。
【
図3】
図2のIII-III線における断面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る畳を2つ並べる途中の状態か、或いは、2つ並んだ畳を互いに引き離す途中の状態を示す正面図である。
【
図6】本発明の実施形態の変形例に係る
図4相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0028】
図1及び
図2は、本発明の実施形態に係る2つの畳1が並設している状態を示す。該畳1は、
図5に示すように、家屋の床面F等に敷設して使用するものであり、使用者Hが着座したり、或いは、人形や花瓶等の台座として使用可能になっている。
【0029】
畳1は、小間中の寸法であり、
図3及び
図4に示すように、長方形板状をなす畳床2と、該畳床2の表面側を覆う畳表3とを備えている。
【0030】
畳床2は、畳表3側に配設された板状をなすケナフ繊維からなる硬質の繊維体4と、該繊維体4の下面に積層された板状をなすポリエチレン発泡体5とを備え、この2層で畳床2の大部分が構成されている。
【0031】
繊維体4の厚みと発泡体5の厚みとは、それぞれ略同じとなっていて、発泡体5は、その外周縁部が繊維体4の外周縁部よりも内側に位置する形状になっている。
【0032】
繊維体4の外周縁部には、
図2に示すように、平面視でコ字状をなす複数の切欠部4aが形成されている。
【0033】
各切欠部4aのうちの2つは、畳床2の長辺の端部寄りの位置に対称に一対形成され、畳床2の一方の長辺の各切欠部4aの位置は、畳床2の他方の長辺の各切欠部4aの位置にそれぞれ対応している。
【0034】
また、各切欠部4aのうちの2つは、畳床2の短辺の端部寄りの位置に対称に一対形成され、畳床2の一方の短辺の各切欠部4aの位置は、畳床2の他方の短辺の各切欠部4aの位置にそれぞれ対応している。
【0035】
各切欠部4aは、外側方に開放するとともに上下両側にも開放する形状をなしていて、上側の開放部分及び外側の開放部分は、畳表3に覆われる一方、下側の開放部分は、発泡体5に覆われている。
【0036】
各切欠部4aには、
図3及び
図4に示すように、当該切欠部4aの空間に対応する大きさであるネオジム磁石7がそれぞれ収容され、各磁石7は、畳床2の各辺の延長方向に対称に、かつ、互いに平行に延びる辺の対応する位置において外側面の磁極が異なるように配設されている。
【0037】
また、畳床2の最下層は、パルプ繊維又は再生古紙を原料とした低密度で、且つ、剛性を有する補強シート10で構成されている。該補強シート10は、ポリエチレン発泡体5の下面をその外周部分を除いて覆うように取り付けられている。
【0038】
畳表3は、イ草の茎を乾燥させるとともに織り込んで形成したものであり、その外周部分3aは、畳床2の外周縁部に沿うように折り返されている。畳表3の外周部分3aは、ポリエチレン発泡体5下面の補強シート10が覆っている部分を除く外周部分を覆っていて、その厚みは、補強シート10の厚みと略同じになっている。
【0039】
畳床2の各長辺に対応する部分には、表面に模様が施された帯状をなす畳縁6が畳表3を覆うように設けられ、各畳縁6及び畳表3は、
図3に示すように、縫糸8にて発泡体5に縫い付けられている。
【0040】
また、畳表3における畳床2の各短辺に対応する部分は、
図4に示すように、縫糸8にて発泡体5に縫い付けられている。
【0041】
畳床2の下面及び畳表3の外周部分3aには、独立気泡のポリエチレン発泡体からなる滑り止めシート9が積層され、該滑り止めシート9は、1枚ものであり、畳床2の下面及び畳表3の外周部分3aの全領域を覆うように取り付けられている。
【0042】
本発明の実施形態に係る畳1は、複数枚を並設して使用するのに適している。すなわち、
図1乃至
図3に示すように、2つの畳1をその各長辺が隣り合うように並設させると、互いに対向する磁石7が吸着して両畳1が隙間なく並設されるようになっている。
【0043】
使用者Hが畳1を床面Fに並べる際、
図5に示すように、各磁石7が畳床2の外周縁部における上端側に配設されているので、既に床面Fに載置されている畳1の所定の辺に次に並べる畳1を傾けながら添わせると、対応する磁石7同士が吸着して両畳1の互いに対応する辺の上側部分の間に隙間が無くなる。したがって、使用者Hは、両畳1の互いに対応する辺の上側部分を支点として把持する畳1を下方に回動させることにより、簡単に、且つ、綺麗に2つの畳1を並設させることができる(矢印X1参照)。
【0044】
一方、使用者Hが並設された2つの畳1のうちの一方を片付ける際、一方の畳1における他方の畳1から遠い側の縁部を持ち上げると、両畳1の互いに対応する辺の上側部分を支点として一方の畳1が簡単に上方に回動する(矢印X2参照)。したがって、外周縁部に磁石7が設けられた畳1であっても簡単に片付けることができる。
【0045】
このように、本発明の実施形態によると、磁石7の側面の大部分が硬質の繊維体4に囲まれるので、使用時において磁石7の周辺に繰り返し負荷が加わっても、当該磁石7の周辺が変形し難い。したがって、磁石7の位置が正規の位置から畳床2の外周縁部に沿ってずれたり、或いは、磁石7が畳床2の奥側に入り込んでしまうといったことが少なくなり、繰り返し使用しても隣り合う2つの畳1を強固に連結させておくことができる。
【0046】
また、畳床2の一部である繊維体4の外周部分を部分的に切り欠く加工を行うことにより磁石7を収容する部分を形成するので、特許文献1のように大きな板状をなす畳床2の外周縁部に側方から穴あけ加工を施して磁石7を収容可能な外側方に開放する収容凹部を形成するというような構造に比べて加工が簡単になり、加工コストを抑えた畳1にすることができる。
【0047】
さらに、畳床2が硬くて剛性を有する繊維体4と軽い発泡体5とを備えているので、持ち運びし易く取り扱い易い軽量な畳1にすることができる。
【0048】
また、発泡体5は、その外周縁部が繊維体4の外周縁部よりも内側に位置する形状になっているので、畳表3の外周縁部を折り畳んで畳床2に縫い付ける縫糸8が畳床2の繊維体4の外周縁部よりも外側に飛び出さなくなる。したがって、
図3に示すように、2つの畳1を並設したときに畳1の上側領域同士が確実に接触するようになり、各畳1の上側領域に設けられた対向する2つの磁石が強固に吸着して2つの畳1を確実に連結させておくことができる。
【0049】
また、繊維体4は、ケナフ繊維で形成されているので、剛性が高くなって畳1の全体が変形し難くなって持ち運び易くなる一方、使用者Hが畳1の上に着座した際において適度に沈み込んで変形するようになる。したがって、取り扱いが容易になり、しかも、座り心地のよい畳1にすることができる。
【0050】
また、発泡体5は、ポリエチレン発泡体であるので、断熱性の高い畳1にすることができる。また、比較的高い強度を有するポリエチレン発泡体5であるので、使用時において磁石7の周辺に繰り返し負荷が加わっても、当該磁石7の下方が変形し難くなる。したがって、磁石7の位置が正規の位置から下方にずれることが少なくなり、繰り返し使用しても隣り合う2つの畳1を確実に連結させておくことができる。
【0051】
また、磁石7は、ネオジム磁石であるので、強い磁力を有しており、複数の畳1を並べた際に繰り返し使用しても隣り合う2つの畳1をさらに強固に連結させておくことができる。また、磁力が強いので、各磁石7の外形を小さくすることができるようになり、畳1全体の重量をさらに軽くすることができる。
【0052】
また、畳1の下面には、1枚の滑り止めシート9が畳1下面の全域にわたって覆っているので、畳1を床面Fに載置した際において、床面Fに対して畳1が横滑りし難くなる。したがって、床面Fにおける所定の位置に畳1を載置した際、当該畳1をその位置にしっかりと固定することができる。
【0053】
また、畳1は、小間中の寸法であるので、例えば、飛行機にも通常の荷物として載せることができる取り扱い易い大きさの畳1にすることができる。
【0054】
尚、
図6に示す実施形態の変形例のように、畳表3の裏面に竹炭シート11を配設するようにしてもよい。竹炭シート11は、不織布に竹炭紛を含有させてなるものであり、繊維体4の表面側全域を覆っている。このように畳表3の裏面に竹炭シート11を配設すると、竹炭紛における無数の微細孔が空気中の汚れや臭いの元となる有機物を効果的に吸着するので、脱臭能力及び空気清浄能力の高い畳1にすることができる。また、竹紛には強い抗菌特性があるので、畳1の防虫能力を高めることができる。
【0055】
尚、本発明の実施形態では、繊維体4の素材としてケナフ繊維を用いて形成したものを採用しているが、これに限らず、例えば、ヤシなどの天然植物繊維や、ポリエステル系の合成繊維などを用いて形成したものであってもよい。
【0056】
また、本発明の実施形態では、磁石7としてネオジム磁石を用いているが、これに限らず、例えば、フェライト磁石など他の磁石を用いてもよい。
【0057】
また、本発明の実施形態では、畳床2を構成する発泡体としてポリエチレン発泡体5を用いているが、これに限らず、例えば、ポリスチレン発泡体など他の発泡体を用いてもよい。
【0058】
また、本発明の実施形態では、繊維体4の各辺に2つずつ切欠部4aを形成し、それぞれに磁石7を収容しているが、これに限らず、繊維体4の各辺に3つ以上の切欠部4aを形成し、それぞれに磁石7を収容するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、不使用時には押し入れ等に収納する一方、使用時には床面等に載置して使用する畳に適している。
【符号の説明】
【0060】
1 畳
2 畳床
3 畳表
4 繊維体
4a 切欠部
5 発泡体
7 磁石
9 滑り止めシート
11 竹炭シート