IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大東電機工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-マッサージ機 図1
  • 特許-マッサージ機 図2
  • 特許-マッサージ機 図3
  • 特許-マッサージ機 図4
  • 特許-マッサージ機 図5
  • 特許-マッサージ機 図6
  • 特許-マッサージ機 図7
  • 特許-マッサージ機 図8
  • 特許-マッサージ機 図9
  • 特許-マッサージ機 図10
  • 特許-マッサージ機 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】マッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20231020BHJP
【FI】
A61H7/00 323H
A61H7/00 323R
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020104596
(22)【出願日】2020-06-17
(65)【公開番号】P2021194366
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】592009214
【氏名又は名称】大東電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石川 哲也
(72)【発明者】
【氏名】清水 新策
【審査官】岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108785042(CN,A)
【文献】特開2010-104449(JP,A)
【文献】特開2005-152202(JP,A)
【文献】特開2008-245907(JP,A)
【文献】特開2016-093257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の第1施療部に対してマッサージを実施する第1施療子と、使用者の第2施療部に対してマッサージを実施する第2施療子と、駆動モータの回転駆動力により回転する回転軸が左右方向を向くように内部に配備されたケース体と、を有し、
前記ケース体には、前記回転軸の前方に設定された第2マッサージエリアと、前記回転軸の後方に設定された第1マッサージエリアとが連通状に設定されており、
前記第1マッサージエリアに位置する第1施療部に対してマッサージを実施する第1施療子と、前記第2マッサージエリアに位置する第2施療部に対してマッサージを実施する第2施療子と、を有し、
前記回転軸に配備された変換部により、前記回転軸の回転駆動力が前記第1施療子と第2施療子の揺動運動に変換される
ことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記ケース体には 左右方向に延びるように設けられた仕切り板が形成され、
前記仕切り板の前方側に形成された領域が、前記第2マッサージエリアとされ、
前記仕切り板の後方側に形成された領域が、前記第1マッサージエリアとされている
ことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記仕切り板には孔部が形成され、前記孔部から前記第2マッサージエリアに向けて突出して配備された前記第2施療子により、前記第2施療部に対してマッサージが行われる
ことを特徴とする請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記第1マッサージエリアには、前記第1施療部が挿入可能な開口が形成されており、前記開口は、前記第1施療部が後方から挿入可能となるように、後方に開放状に形成されていて、
前記第2マッサージエリアには、前記使用者が着座可能とされている
ことを特徴とする請求項に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記仕切り板は、前記使用者が着座することができる座部と背もたれ部とを有する椅子形状とされ、
前記第1施療子は揺動マッサージを行う左右一対のマッサージ部材を有しており、
前記マッサージ部材は、基端側から前方に突出状に設けられた前方延設部と、基端側から上方に突出状に設けられた上方延設部と、を有するL字形状の部材であって、
前記第2施療子は、前記使用者に向かって前記孔部から突出した状態で、前記前方延設部又は前記上方延設部の少なくとも一方に取り付けられていて、前記第2施療子が前記座部に着座した前記第2施療部に対してマッサージを行うように構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記回転軸は単一の駆動モータで駆動されることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記第1施療部は、前記使用者の少なくとも、足部、ふくらはぎを含む下肢であり、
前記第2施療部は、前記使用者の少なくとも、臀部、腰部、背部を含む部位である
ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のマッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の足部やふくらはぎ部などの下肢に対してマッサージを行うと共に、使用者の少なくとも上体(背部、腰部、腰横部、臀部など)に対してマッサージを行うことができるマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、使用者が着座して、少なくとも上体(背部、腰部など)に対してマッサージを受けることができる椅子型マッサージ機がある。その椅子型マッサージ機として、例えば、特許文献1に開示されているものがある。
この椅子型マッサージ機は、使用者が着座可能な座部を備え、この座部の後部に背もたれ部が設けられていて、この背もたれ部には使用者の背部をマッサージする背部マッサージ機構が収容されている。 また、座部の前方には、使用者の下肢をマッサージする下肢マッサージ機が備えられている。この下肢マッサージ機は、座部の下方に収容可能となっている。
【0003】
下肢用マッサージ機の構造としては、例えば、特許文献2に開示されているものがある。この下肢用マッサージ機は、ふくらはぎから足部へ沿うように形成された上下方向に長い施療部材を左右一対配備し、一対の施療部材の基端側を左右方向に亘って回転軸が貫通するように設けられ、その回転軸は駆動部により回転駆動し、その回転駆動力を変換部で揺動運動に変換することで、一対の施療部材により下肢への挟み込みマッサージを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-208264号公報
【文献】特開2014-018616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、背部などの上体に対して効果的にマッサージを受けることができるものとなっている。また、特許文献2も、足部などの下肢に対して効果的にマッサージを受けることができるものとなっている。
ところで、近年では、スペースの関係上、リビングなどの部屋内に、特許文献1のようなソファー型のマッサージ機を置くことが難しい場合がある。一方、特許文献2のような下肢用マッサージ機に関しては、小型であるので、リビングなどの部屋内に置くことは可能となる。
【0006】
しかしながら、使用者の少なくとも上体(背部、腰部、臀部など)に対してマッサージを行いたい場合、下肢用マッサージ機とは別に、上体をマッサージするマッサージ機を用意しなければならない。すなわち、2台のマッサージ機を置くことができる広いスペースを確保する必要があり、あまり現実的ではない。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、1台で、使用者の足部やふくらはぎなどの下肢に対してマッサージを行うと共に、使用者の少なくとも上体に対してマッサージを行うことができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかるマッサージ機は、使用者の第1施療部に対してマッサージを実施する第1施療子と、使用者の第2施療部に対してマッサージを実施する第2施療子と、駆動モータの回転駆動力により回転する回転軸が左右方向を向くように内部に配備されたケース体と、を有し、前記ケース体には、前記回転軸の前方に設定された第2マッサージエリアと、前記回転軸の後方に設定された第1マッサージエリアとが連通状に設定されており、前記第1マッサージエリアに位置する第1施療部に対してマッサージを実施する第1施療子と、前記第2マッサージエリアに位置する第2施療部に対してマッサージを実施する第2施療子と、を有し、前記回転軸に配備された変換部により、前記回転軸の回転駆動力が前記第1施療子と第2施療子の揺動運動に変換されることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記ケース体には 左右方向に延びるように設けられた仕切り板が形成され、前記仕切り板の前方側に形成された領域が、前記第2マッサージエリアとされ、前記仕切り板の後方側に形成された領域が、前記第1マッサージエリアとされているとよい。
好ましくは、前記仕切り板には孔部が形成され、前記孔部から前記第2マッサージエリアに向けて突出して配備された前記第2施療子により、前記第2施療部に対してマッサージが行われるとよい。
【0009】
好ましくは、前記第1マッサージエリアには、前記第1施療部が挿入可能な開口が形成されており、前記開口は、前記第1施療部が後方から挿入可能となるように、後方に開放状に形成されていて、前記第2マッサージエリアには、前記使用者が着座可能とされているとよい。
好ましくは、前記仕切り板は、前記使用者が着座することができる座部と背もたれ部とを有する椅子形状とされ、前記第1施療子は揺動マッサージを行う左右一対のマッサージ部材を有しており、前記マッサージ部材は、基端側から前方に突出状に設けられた前方延設部と、基端側から上方に突出状に設けられた上方延設部と、を有するL字形状の部材であって、前記第2施療子は、前記使用者に向かって前記孔部から突出した状態で、前記前方延設部又は前記上方延設部の少なくとも一方に取り付けられていて、前記第2施療子が前記座部に着座した前記第2施療部に対してマッサージを行うように構成されているとよい。
【0013】
好ましくは、前記回転軸は単一の駆動モータで駆動されるとよい。
好ましくは、前記第1施療部は、前記使用者の少なくとも、足部、ふくらはぎを含む下肢であり、前記第2施療部は、前記使用者の少なくとも、臀部、腰部、背部を含む部位であるとよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、1台で、使用者の足部やふくらはぎなどの下肢に対してマッサージを行うと共に、使用者の少なくとも上体に対してマッサージを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のマッサージ機の概略を模式的に示した前方斜視図である(第1実施形態)。
図2】第1実施形態のマッサージ機の概略を模式的に示した後方斜視図である。
図3】第1実施形態のマッサージ機の内部構造を模式的に示した前方斜視図である。
図4】第1実施形態のマッサージ機の内部構造を模式的に示した後方斜視図である。
図5】第1実施形態のマッサージ機を左側方から見た側面図である。
図6】第1実施形態のマッサージ機を上方から見た平面図である。
図7】背部マッサージ機構を構成する後部施療子の概略を模式的に示した前方斜視図である。
図8】座部マッサージ機構を構成する下部施療子の概略を模式的に示した前方斜視図である。
図9】第2実施形態のマッサージ機の概略を模式的に示した前方斜視図である。
図10】第2実施形態のマッサージ機の内部構造を模式的に示した前方斜視図である。
図11】第2実施形態のマッサージ機を左側方から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明にかかるマッサージ機1の実施形態を、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。また、図面に関して、見やすくするため、構成部品の一部を省略したり、仮想線などを用いて描いている。
また、マッサージ機1の前後及び左右等の方向については、図面に示す通りである。これはマッサージ機1の座部21に着座した使用者(椅子などの着座しマッサージ機1の挿入凹部4に下肢Lを挿入した使用者)から見た方向と一致する。以降の説明においては、図面において示す方向を、本発明のマッサージ機1を説明する際の方向とする。
【0017】
また、本明細書においては、人間の下肢Lのうち、膝下であって且つくるぶし(足首)より上の部分を、「ふくらはぎC」とする。また、くるぶしより下(くるぶしも含むものとする)であって、且つ、かかとHから足先Tまでの部分を、「足部F」とする。この使用者の少なくとも、ふくらはぎC、足部Fを含む下肢Lを、「第1施療部」と呼ぶこともある。
【0018】
また、人間の上体のうち、上体の後部分を「背部B」とし、その背部Bの下の部位を「腰部W」とし、腰部Wの側方を「腰横部S(体側)」とし、腰部Wと下肢Lとの間の後部分を「臀部A」とする。この使用者の少なくとも、背部B、腰部W、腰横部S、臀部Aなどを、「第2施療部」と呼ぶこともある。
また、本実施形態においては、第1施療部(下肢L)に対してマッサージを行う第1マッサージエリアを「下肢マッサージエリア」とし、第2施療部(背部B、腰部W、腰横部S、臀部Aなど)に対してマッサージを行う第2マッサージエリアを「座部マッサージエリア」とする。
【0019】
本発明にかかるマッサージ機1は、挿入凹部4に挿入された下肢Lの足部F(足裏U、足の側方、足の甲、かかとHなど)、ふくらはぎCなどの第1施療部に対して第1施療子がマッサージを行い、座部21に着座した使用者の背部B、腰部W、腰横部S、臀部Aなどの第2施療部に対して第2施療子がマッサージを行うことができる構成とされている。
まず、本発明にかかるマッサージ機1の第1実施形態について、説明する。
[第1実施形態]
図1図8は、本発明にかかるマッサージ機1の第1実施形態を示す図である。
【0020】
図1図8などに示すように、本実施形態のマッサージ機1は、使用者が着座可能とされたケース体2を有し、そのケース体2には、使用者の第1施療部(少なくとも、足部F、ふくらはぎCなどを含む下肢L)に対して、マッサージ部材6(第1施療子)が挟み込むようにマッサージを行う下肢マッサージエリア(第1マッサージエリア)と、使用者の第2施療部(少なくとも、背部B、腰部W、腰横部S、臀部Aなどを含む上体)に対して、後部施療子29(第2施療子)、側部施療子35(第2施療子)、下部施療子37(第2施療子)のそれぞれが押しながら擦るマッサージを行う座部マッサージエリアと、が配設されている。
【0021】
なお、本実施形態のマッサージ機1は、使用者の下肢Lを、後方からケース体2の内部に挿入する構成となっている。
まず、本実施形態の下肢マッサージエリアについて、説明する。
下肢マッサージエリアは、ケース体2の後方側に形成され且つ、使用者の下肢L(ふく
らはぎC~足部F)を後方から挿入可能な開口(挿入凹部4)が形成されている領域とされている。すなわち、本実施形態の下肢マッサージエリアの開口(挿入凹部4)は、使用者の下肢Lが後方から挿入可能となるように、後方及び上方に開放状に形成されている。
【0022】
本実施形態のマッサージ機1は、使用者の左右両方の下肢Lをマッサージの対象(第1施療部)として、下肢Lを構成する足部FとふくらはぎCとの両方に、挟み込むように揉む「揉みマッサージ」を行うものである。また、本実施形態のマッサージ機1は、足裏Uに対して指圧するように押し込む「押込マッサージ」を同時に行えるものとなっている。
本実施形態のマッサージ機1は、使用者の下肢L(足部F、ふくらはぎCなど)を後方から挿入することができる挿入凹部4と、その使用者の下肢Lに対して挟み込むように揉む「揉みマッサージ」を行う下肢マッサージ機構3と、下肢マッサージ機構3を収容するケース体2と、を有している。
【0023】
図1図2などに示すように、ケース体2は、前側から見ると、上下方向に対して左右方向に長い長方形或いは正方形に形成された筐体である。このケース体2は、床面に載置可能なものである。ケース体2には、一対の挿入凹部4(開口)が左右に離れて並設されている。
挿入凹部4は、ケース体2の後方側に形成されていて、後方及び上方へ向けて開放状に形成されている。この挿入凹部4は、上下方向に長い開口となっている。挿入凹部4の内部には、内張材(図示せず)が設けられている。これら左右一対の挿入凹部4に、左右の下肢L(ふくらはぎC~足部F)を後方から嵌め入れることができるようになっている。
【0024】
図3図6などに示すように、ケース体2の内部には、下肢マッサージ機構3を下方から支持する複数の支持部材5a,5bが設けられている。そのうち、支持部材5aは、ケース体2内の左右方向の両端部にそれぞれ設けられている。支持部材5aは、下肢マッサージ機構3に備えられた回転軸7の両端部を回転自在に支持する。一方、支持部材5bは、左右一対設けられている支持部材5aの間であって、ケース体2の中央に設けられている。支持部材5bは、回転軸7が貫通しているマッサージ駆動部8のギアケース15を支持する。下肢マッサージ機構3は、支持部材5a,5bの支持により、ケース体2の内部において底面から浮いたような状態で配備されている。
【0025】
下肢マッサージ機構3は、下肢マッサージエリアにおいて、使用者の下肢Lに対して、挟み込むように揉む「揉みマッサージ」を行う。
この下肢マッサージ機構3は、下肢Lを挟み込むように左右に離間して配備され、その下肢Lに対して揉みマッサージ動作を付与する左右一対のマッサージ部材6と、軸心が水平方向を向くように配備され且つ、マッサージ部材6の基端側を左右方向に亘って貫通するように設けられた回転軸7と、その回転軸7を回転駆動させるマッサージ駆動部8と、マッサージ部材6の基端側に設けられていて、回転軸7の回転駆動力をマッサージ部材6の揺動運動に変換する変換部9と、を有している。
【0026】
つまり、ケース体2の後側(一方側)においては、第1施療部(足部F、ふくらはぎCを含む下肢L)に対して、第1施療子(マッサージ部材6)が近接離反することにより、挟み込みマッサージを行う揺動機構(マッサージ部材6、マッサージ駆動部8など)が備えられている。
マッサージ部材6は、基端側から前方に突出状に設けられた前方延設部10と、基端側から上方に突出状に設けられた上方延設部11と、を有する。なお、以降の説明において、本実施形態の「前方延設部10」は、略水平方向に配備されているので、「水平マッサージ部材10」と呼ぶこととする。また、本実施形態の「上方延設部11」は、略垂直方向に配備されているので、「垂直マッサージ部材11」と呼ぶこととする。
【0027】
本実施形態においては、マッサージ部材6(第1施療子)は、ふくらはぎCから足部Fへとつながる下肢Lに沿うように、側面視で略L字形状(ブーツ形状)に形成されたものである。このマッサージ部材6は、挿入凹部4内に配備されている。
すなわち、マッサージ部材6は、足部Fを挟み込むように配備され、足部Fに対してマッサージ動作を付与する左右一対の水平マッサージ部材10と、ふくらはぎCを挟み込むように配備され、ふくらはぎCに対してマッサージ動作を付与する左右一対の垂直マッサージ部材11と、を有している。このマッサージ部材6は、水平マッサージ部材10の上方に、垂直マッサージ部材11が配備されているものである。
【0028】
水平マッサージ部材10は、ケース体2内において、略水平方向で且つ前方向へ突出するように配備されている。つまり、水平マッサージ部材10は、マッサージ部材6の基端側から前方に突出状に形成された部材である。
水平マッサージ部材10は、足部Fを側方から覆う形状とされていて、前端側は足先Tを覆い、後端側はかかとHを覆うものとなっている。水平マッサージ部材10は、左右一対配備されている。水平マッサージ部材10は、挿入凹部4内に挿入された足部Fに対して、外側及び内側から押すように挟み込むマッサージ動作を付与する。
【0029】
垂直マッサージ部材11は、ケース体2内において、略垂直方向で且つ上方向へ突出するように配備されている。つまり、垂直マッサージ部材11は、マッサージ部材6の基端側から上方へ立ち上がるように形成された部材である。
垂直マッサージ部材11は、ふくらはぎCを側方から覆う形状とされている。垂直マッサージ部材11は、左右一対配備されている。垂直マッサージ部材11は、挿入凹部4内に挿入されたふくらはぎCに対して、外側及び内側から押すように挟み込むマッサージ動作を付与する。
【0030】
本実施形態のマッサージ部材6の基端(長手方向中央)には、回転軸7の回転駆動力をマッサージ部材6の揺動運動に変換する変換部9が設けられている。つまり、本実施形態の水平マッサージ部材10と垂直マッサージ部材11は、変換部9を間に介して、連結されている。
マッサージ部材6は、下肢Lに対して外方向に押し込む内側マッサージ部材6aと、その内側マッサージ部材6aと向かい合い、下肢Lに対して内方向に押し込む外側マッサージ部材6bと、を有している。
【0031】
なお、この内側マッサージ部材6aと外側マッサージ部材6bは、下肢Lを側方から挟み込むため、同じブーツ形状(略L字形状)とされ、左右方向において反転(鏡像反転)させて所定の間隔で配置したものである。
例えば、左脚(左の下肢L)の場合、内側マッサージ部材6aは、左脚の内側に接触し外方向(左方向)に押し込む。外側マッサージ部材6bは、左脚の外側に接触し内方向(右方向)に押し込む。
【0032】
一方、右脚(右の下肢L)の場合、内側マッサージ部材6aは、右脚の内側に接触し外方向(右方向)に押し込む。外側マッサージ部材6bは、右脚の外側に接触し内方向(左方向)に押し込む。
内側マッサージ部材6aは、足部Fの内側(親指側)に接触するように配備され、足部Fの内側に対して外方向に押し込む水平マッサージ部材10aと、ふくらはぎCの内側に接触するように配備され、ふくらはぎCの内側に対して外方向に押し込む垂直マッサージ部材11aと、を有している。
【0033】
外側マッサージ部材6bは、足部Fの外側(小指側)に接触するように配備され、足部Fの外側に対して内方向に押し込む水平マッサージ部材10bと、ふくらはぎCの外側に接触するように配備され、ふくらはぎCの外側に対して内方向に押し込む垂直マッサージ部材11bと、を有している。
内側の水平マッサージ部材10aと外側の水平マッサージ部材10bが近接して足部Fを挟み込むと、内側の垂直マッサージ部材11aと外側の垂直マッサージ部材11bは離反してふくらはぎCの挟み込みを緩める。続いて、内側の水平マッサージ部材10aと外側の水平マッサージ部材10bが離反して足部Fの挟み込みを緩めると、内側の垂直マッサージ部材11aと外側の垂直マッサージ部材11bは近接してふくらはぎCを挟み込む。
【0034】
このように、内側の水平マッサージ部材10aと外側の水平マッサージ部材10bとの近接離反と、内側の垂直マッサージ部材11aと外側の垂直マッサージ部材11bとの近接離反を交互に繰り返すことにより、内側マッサージ部材6aと外側マッサージ部材6b(第1施療子)が、足部FからふくらはぎCの下肢L(第1施療部)に対して挟み込むよ
うに揉む「揉みマッサージ」を行う。また、押圧マッサージ部材12は、水平マッサージ部材10aと供に動くので、施療子13が一定の間隔で足裏Uに対して押し込み押圧マッサージを行う。
【0035】
回転軸7は、長尺の軸部材であり、軸心が水平方向を向くように1つ配備されている。回転軸7は、ベアリング(図示せず)を介して支持部材5a,5bにより支持されている。回転軸7は、左右一対のマッサージ部材6の基端側を左右方向に亘って、貫通するように設けられている。
図5に示すように、回転軸7は、側面視で、座部マッサージエリア(第2マッサージエリア)と下肢マッサージエリア(第1マッサージエリア)との間に、配備されている。すなわち、回転軸7より前方が座部マッサージエリアとされ、回転軸7より後方が座部マッサージエリアとされている。
【0036】
水平マッサージ部材10の左側及び/又は右側には、土踏まずなどの足裏Uに対して、押圧マッサージ動作を付与する押圧マッサージ部材12が設けられている。この押圧マッサージ部材12は、挿入凹部4に挿入された足部Fの足裏Uに対応するように、一方側から他方側へ向かって延びるアーム状に形成されている。
なお、押圧マッサージ部材12は、前後方向の位置を変えることができるものとなっている。これにより、足部Fの大きさに対応することができる。また、押圧マッサージ部材12の先端には、球形状の施療子13が取り付けられている。施療子13は、足裏Uに対して、例えば親指などで強く押し込むような、押圧マッサージ動作を付与する。なお、施療子13は、押圧マッサージ部材12に対して回動自在に取り付けられていてもよい。
【0037】
すなわち、押圧マッサージ部材12は、水平マッサージ部材10と一体となり、その水平マッサージ部材10が足部Fを側方から挟み込むマッサージ動作に連動して、施療子13を足裏Uに近接させて、上方へ押し込みながら押圧し、その後足裏Uから離反する動作を繰り返し行う。
ところで、本実施形態においては、押圧マッサージ部材12は、内側の水平マッサージ部材10aに対して一体となるように取り付けられているが、外側の水平マッサージ部材10bに取り付けられていてもよい。
【0038】
図1図6などに示すように、マッサージ駆動部8(揺動機構)は、回転軸7を回転駆動させて、変換部9で回転軸7の回転駆動力を揺動動作に変換し、水平マッサージ部材10と垂直マッサージ部材11からなるマッサージ部材6(第1施療子)をマッサージ動作させる。
マッサージ駆動部8には、駆動モータ14が一つ備えられている。つまり、マッサージ駆動部8は、回転駆動力を発生する駆動モータ14と、その回転駆動力を所定の速度に減速して、回転軸7に伝達するギアケース15と、を有している。このマッサージ駆動部8は、支持部材5bに支持されている。
【0039】
駆動モータ14は、ケース体4内の上下方向中途部で且つ、右内側のマッサージ部材6aと左内側のマッサージ部材6aとの間(ケース体2内の略中央)に配備されていて、回転駆動軸14aが下方向に突出するように配備されている。ギアケース15は、駆動モータ14の下方に配備されている。
ギアケース15には、回転駆動軸14aが挿入され、複数のギア15aが格納されている。また、このギアケース15には、回転軸7が左右方向に貫通して備えられている。つまり、駆動モータ14の回転駆動力は、回転駆動軸14aから出力され、前方のギアケース15で所定の速度に減速されて、回転軸7に伝達されることとなる。
【0040】
変換部9は、一対のマッサージ部材6の基端側にそれぞれ設けられている。なお、本実施形態においては、変換部9は、水平マッサージ部材10と垂直マッサージ部材11の基端より、前方に位置するように設けられている。
本実施形態においては、変換部9は、略L字形状(ブーツ形状)に形成されたマッサージ部材6の屈曲部位である基端(水平マッサージ部材10と垂直マッサージ部材11との間)に配備されている。この変換部9は、回転軸7の回転駆動力を、マッサージ部材6(第1施療子)の揺動運動(水平マッサージ部材10及び垂直マッサージ部材11の近接離反動作)に変換するものである。
【0041】
変換部9は、回転軸7に回転自在に取り付けられていて、その回転軸7と一体回転する回転ボス部16と、マッサージ部材6の基端側に設けられ、回転ボス部16に外嵌する環状嵌合部17と、マッサージ部材6が回転軸7との同伴回転することを規制する規制部18と、を有している。
回転ボス部16は、回転軸7が貫通していて、その回転軸7と供回りをする。回転ボス部16の外周面には、カム面が設けられている。本実施形態においては、カム面は、回転軸7に対して傾斜している。すなわち、回転ボス部16は、回転軸7の軸心に対して傾斜回転する。
【0042】
なお、回転ボス部16(カム面)の傾きは、ケース体2内に配備された内側のマッサージ部材6a、及び、外側のマッサージ部材6b間において、相対逆向き(例えば、正面視でV字状)に、互いに傾斜している。この回転ボス部16(カム面)の傾きについては、適宜変更可能である。
環状嵌合部17は、マッサージ部材6の基端側に形成されていて、回転ボス部16を相対回転自在な状態で外嵌する。マッサージ部材6は、環状嵌合部17が外嵌する回転ボス部16の傾斜回転により、揺動運動をする。
【0043】
規制部18は、環状嵌合部17が回転ボス部16に対して供回りすることを規制する。規制部18は、環状嵌合部17の前方に設けられている。規制部18は、環状嵌合部17から前方向に突設された規制ピン19と、ケース体2内に設けられ、規制ピン19が左右方向に摺動自在に嵌り込む規制溝20と、を有している。
以上の構成を有する変換部9は、回転軸7の回転駆動力を、一対の水平マッサージ部材10を互いに近接させたとき、一対の垂直マッサージ部材11を離反させ、その後水平マッサージ部材10を離反させて、垂直マッサージ部材11を互いに近接させる動作を繰り返し行う、マッサージ部材6の揺動動作に変換する。
【0044】
すなわち、変換部9が回転軸7の回転駆動力をマッサージ部材6(第1施療子)の揺動運動に変換することにより、左右一対の水平マッサージ部材10が足部F(第1施療部)に対して挟み込みマッサージを付与するとともに、左右一対の垂直マッサージ部材11が倒れ込むことによりふくらはぎL(第1施療部)に対して挟み込みマッサージを付与する。
【0045】
なおこのとき、押圧マッサージ部材12は、水平マッサージ部材10の動作とともに揺動し、足裏Uに対して上方に向かって指圧するような押圧マッサージ動作を付与する。
さて、本実施形態においては、下肢マッサージエリア(第1マッサージエリア)の前に、座部マッサージエリア(第2マッサージエリア)が配設されている。この座部マッサージエリアは、ケース体2の前方側に形成され且つ、使用者が着座可能とされた領域とされている。
【0046】
本実施形態のケース体2は、仕切り板を備えている。この仕切り板は、使用者が着座することができる座部21と、座部21の後部に設けられ、使用者がもたれ掛かることができる背もたれ部22と、を有する椅子形状とされている。
すなわち、ケース体2の前下部には、座部21が設けられている。この座部21は、略平面であって、使用者が着座することができる広さを有している。座部21の後部には、背もたれ部22が設けられている。この背もたれ部22は、使用者がもたれ掛かることができる広さを有している。また、背もたれ部22は、後方に傾斜したものとなっている。
【0047】
上記の座部21と背もたれ部22は、座部マッサージエリアとなる。この座部マッサージエリアは、背もたれ部22(仕切り板)の前部に形成されていて、第2施療子(後部施療子29、側部施療子35、下部施療子37)を備えている。
なお、本実施形態においては、背もたれ部22の高さは、座部21に着座した使用者の腰部W(背部Bの下部)までを支えることができる高さとなっている。この背もたれ部22(ケース体2)の高さに関しては、座部21に着座した使用者の背部Bの上部(例えば、肩部)までを支えることができる高さとしてもよい。
【0048】
つまり、本実施形態においては、左右方向に延びるように設けられた仕切り板(座部2
1と背もたれ部22)の後側(一方側)に第1施療子(マッサージ部材6)が位置し、仕切り板(座部21と背もたれ部22)の前側(他方側)に第2施療子(後部施療子29、側部施療子35、下部施療子37)が位置する構成とされている。
ケース体2は、使用者の少なくとも上体(背部B、腰部W、腰横部S、臀部Aなど)に対してマッサージを行う座部マッサージ機構23と、その座部マッサージ機構23を駆動させるマッサージ駆動部8と、を収容している。
【0049】
なお、本実施形態のマッサージ駆動部8は、座部マッサージ機構23と下肢マッサージ機構3とを共に駆動させるものとなっている。
座部マッサージ機構23は、座部マッサージエリアにおいて、使用者の背部B、腰部W、腰横部S、臀部Aのうち、いずれか一つ以上の部位(第2施療部)に対して、押しながら擦るマッサージを行う。
【0050】
本実施形態の座部マッサージ機構23は、背部Bや腰部Wに対して、後方から前方に向かって押し込むようにマッサージを行う後方マッサージ部24と、腰横部Sに対して、外側から内側に向かって押し込むようにマッサージを行う側方マッサージ部25と、臀部Aに対して、下方から上方に向かって押し込むようにマッサージを行う下方マッサージ部26と、を有している。
【0051】
つまり、ケース体2の前側(他方側)においては、揺動機構(マッサージ部材6)の縁部に設けられ且つ、仕切り板(座部21と背もたれ部22)の開口(孔部27a~27d)から突出して配備された第2施療子(後部施療子29、側部施療子35、下部施療子37)により、第2施療部(臀部A、腰部W、背部Bなど)に対してマッサージが行われる。
【0052】
後方マッサージ部24は、背もたれ部22(仕切り板)の上部に設けられた孔部27a(開口)から前方に突出して設けられている。後方マッサージ部24は、マッサージ部材6(揺動機構)の縁部に取り付けられた後部アーム部材28と、その後部アーム部材28の先端に設けられている後部施療子29(第2施療子)と、を有している。
図7に示すように、本実施形態の後部アーム部材28は、内側マッサージ部材6aの垂直マッサージ部材11aに取り付けられている。詳しくは、後部アーム部材28は、前方で且つ斜め上方を向いて突出状に、内側の垂直マッサージ部材11aに取り付けられている。
【0053】
後部アーム部材28は、内側の垂直マッサージ部材11aが左右方向に揺動すると、それに伴って左右方向に揺動する。後部アーム部材28は、内側の垂直マッサージ部材11aの前縁に設けられた支持部材30に回動自在に支持されている。本実施形態においては、支持部材30は分割体であって、左右方向から後部アーム部材28を挟みこんで回動自在に支持する。
【0054】
後部施療子29(第2施療子)は、球形状に形成されていて、前方で且つ斜め上方を向いて突出状に、後部アーム部材28の先端に設けられている。この後部施療子29は、背もたれ部22に凭れ掛かった使用者の背部Bや腰部Wなどに接触する位置に配備されている。後部施療子29は、後部アーム部材28が左右方向に揺動すると、その揺動に伴って左右方向に揺動する。
【0055】
後部アーム部材28の基端には、軸部材31が設けられている。軸部材31は、軸心が左右方向を向くように配備される。その軸部材31は、支持部材30に形成されている孔部32に嵌め入れられている。軸部材31が孔部32に回転自在に支持されていることにより、後部アーム部材28は支持部材30に対して上下方向(軸部材31の軸心周り)に回動自在に支持されている。
【0056】
また、軸部材31には、バネ部材33が取り付けられている。バネ部材33は、後部アーム部材28を前方で且つ、斜め上方に突出状に支持するものである。このバネ部材33は、所定以上の負荷がかかると後部アーム部材28を回動させ、負荷がなくなると反発力で後部アーム部材28を元の位置戻す。
例えば、バネ部材33は、背部Bや腰部Wなどに対するマッサージ時において、後部アーム部材28を上下方向に回動させることによって、後部アーム部材28に取り付けられた後部施療子29を、背部Bや腰部Wなどに沿って滑らかに移動させるものである。
【0057】
また、バネ部材33は、後部施療子29の押し込みが強くなりすぎないように、後部アーム部材28を回動させて負荷を逃がして、押し込みを少し弱めて背部Bや腰部Wなどに対して痛みを抑えるものでもある。また、バネ部材33は、所定以上の負荷がかかった場合に、後部アーム部材28を回動させて負荷を逃がし、その後部アーム部材28の損傷を防止するものでもある。
【0058】
後方マッサージ部24は、座部マッサージエリアの背もたれ部22において、垂直マッサージ部材11a(内側マッサージ部材6a)と共に後部アーム部材28が揺動することにより、後部施療子29(第2施療子)が使用者の背部Bや腰部Wなど(第2施療部)に対して、後方から前方に向かって指圧するように、押しながら擦るマッサージを行うこととなる。
【0059】
なお、本実施形態においては、後部アーム部材28は、垂直マッサージ部材11aの前縁の上部側に取り付けているが、その取り付け位置については、適宜変更可能である。また、後部アーム部材28は、一つ(左右に一つずつ)配備しているが、後述する下部アーム部材36のように、上下に二つ(左に二つ、右に二つ)配備してもよい。
また、本実施形態においては、後部施療子29に関し、後部アーム部材28を介して、垂直マッサージ部材11a(マッサージ部材6a)に取り付けた構成としているが、垂直マッサージ部材11a(マッサージ部材6a)に直接、取り付ける構成としてもよい。
【0060】
側方マッサージ部25は、背もたれ部22(仕切り板)の下部に設けられた孔部27b(開口)から前方に突出して設けられている。側方マッサージ部25は、マッサージ部材6(揺動機構)の縁部に取り付けられた側部アーム部材34と、その側部アーム部材34の先端に設けられている側部施療子35(第2施療子)と、を有している。
本実施形態の側部アーム部材34は、外側マッサージ部材6bの垂直マッサージ部材11bに取り付けられている。詳しくは、側部アーム部材34は、外側の垂直マッサージ部材11bの前縁の下部側に取り付けられている。この側部アーム部材34は、前方で且つ斜め上方を向いて突出状に、外側の垂直マッサージ部材11bに取り付けられている。側部アーム部材34は、外側の垂直マッサージ部材11bが左右方向に揺動すると、それに伴って左右方向に揺動する。
【0061】
側部施療子35(第2施療子)は、側部アーム部材34の先端に取り付けられている。すなわち、側部施療子35は、側部アーム部材34の先端から、前方を向いて突出状に設けられている。側部施療子35は、側面視で、矩形状に形成されている。
また、この側部施療子35は、内側に張り出した形状に形成されている。この側部施療子35は、背もたれ部22に凭れ掛かった使用者の腰横部Sに接触する位置に配備されている。すなわち、側方マッサージ部25は、側面視で、前方に屈曲した形状に形成されている。
【0062】
左右一対の側方マッサージ部25の間隔は、使用者の上体(腰部W)の幅と略同じである。つまり、座部21に着座した使用者は、左右一対の側方マッサージ部25の間に入り込むように、背もたれ部22に凭れ掛かる。
側方マッサージ部25は、座部マッサージエリアの背もたれ部22において、外側の垂直マッサージ部材11b(外側マッサージ部材6b)と共に側部アーム部材34が揺動することにより、内側に膨張した形状の側部施療子35(第2施療子)が使用者の腰横部S(第2施療部)に対して、外側から内側に向かって押し込む「押込マッサージ」を行うこととなる。
【0063】
なお、本実施形態においては、側部アーム部材34は、垂直マッサージ部材10bの前縁の下部側に取り付けているが、その取り付け位置については、適宜変更可能である。例えば、側部アーム部材34(側方マッサージ部25)は、外側の水平マッサージ部材10bの上縁に取り付けられていてもよい。また、側部施療子35について、膨張と収縮を繰り返すエアバッグを備えていてもよい。
【0064】
また、本実施形態においては、側部施療子35に関し、側部アーム部材34を介して、垂直マッサージ部材11b(マッサージ部材6b)に取り付けた構成としているが、垂直
マッサージ部材11b(マッサージ部材6b)に直接、取り付ける構成としてもよい。
下方マッサージ部26は、座部21(仕切り板)に設けられた孔部27c,27d(開口)から上方に突出して設けられている。下方マッサージ部26は、マッサージ部材6(揺動機構)の縁部に取り付けられた下部アーム部材36と、その下部アーム部材36の先端に設けられている下部施療子37(第2施療子)と、を有している。
【0065】
図8に示すように、本実施形態の下部アーム部材36は、内側マッサージ部材6aの水平マッサージ部材10aに取り付けられている。また、下部アーム部材36は、前後に二つ配備されている。前側の下部アーム部材36aは、座部21の前部に設けられた孔部27cから上方に突出して備えられている。後側の下部アーム部材36bは、座部21の後部に設けられた孔部27dから上方に突出して備えられている。
【0066】
詳しくは、前側の下部アーム部材36aは、内側の水平マッサージ部材10aの先端に取り付けられている。この下部アーム部材36aは、上方で且つ斜め前方を向いて突出状に設けられている。
一方、後側の下部アーム部材36bは、内側の水平マッサージ部材10aの長手方向中途部に取り付けられている。この下部アーム部材36bは、上方で且つ斜め後方を向いて突出状に設けられている。
【0067】
下部アーム部材36は、内側の水平マッサージ部材10aが左右方向に揺動すると、それに伴って左右方向に揺動する。下部アーム部材36は、内側の水平マッサージ部材10aの前縁に設けられた支持部材38に回動自在に支持されている。本実施形態においては、支持部材38は分割体であって、左右方向から下部アーム部材36a,36bを、それぞれ挟みこんで回動自在に支持する。
【0068】
下部施療子37a(第2施療子)は、球形状に形成されていて、前側の下部アーム部材36aの先端に設けられている。この下部施療子37aは、上方で且つ斜め前方を向いて突出状に設けられている。
一方、下部施療子37b(第2施療子)は、球形状に形成されていて、後側の下部アーム部材36bの先端に設けられている。この下部施療子37bは、上方で且つ斜め後方を向いて突出状に設けられている。
【0069】
下部施療子37は、座部21に着座した使用者の臀部Aなどに接触する位置に配備されている。下部施療子37は、下部アーム部材36が左右方向に揺動すると、それに伴って左右方向に揺動する。
前側の下部アーム部材36aの基端には、軸部材39aが設けられている。軸部材39aは、軸心が左右方向を向くように配備される。その軸部材39aは、支持部材38の前側に形成されている孔部40aに嵌め入れられている。軸部材39aが孔部40aに回転自在に支持されていることにより、前側の下部アーム部材36aは支持部材38に対して上下方向(軸部材39aの軸心周り)に回動自在に支持されている。
【0070】
後側の下部アーム部材36bの基端には、軸部材39bが設けられている。軸部材39bは、軸心が左右方向を向くように配備される。その軸部材39bは、支持部材38の後側に形成されている孔部40bに嵌め入れられている。軸部材39bが孔部40bに回転自在に支持されていることにより、後側の下部アーム部材36bは支持部材38に対して上下方向(軸部材39bの軸心周り)に回動自在に支持されている。
【0071】
軸部材39aには、バネ部材41aが取り付けられている。バネ部材41aは、前側の下部アーム部材36aを上方で且つ、斜め前方に突出状に支持するものである。このバネ部材41aは、所定以上の負荷がかかると、前側の下部アーム部材36aを回動させ、負荷がなくなると反発力で、前側の下部アーム部材36aを元の位置戻す。
また、軸部材39bには、バネ部材41bが取り付けられている。バネ部材41bは、後側の下部アーム部材36bを上方で且つ、斜め後方に突出状に支持するものである。このバネ部材41bは、所定以上の負荷がかかると、後側の下部アーム部材36bを回動させ、負荷がなくなると反発力で、後側の下部アーム部材36bを元の位置戻す。
【0072】
例えば、バネ部材41a,41bは、臀部Aに対するマッサージ時において、下部アーム部材36a,36bを前後方向に回動させることによって、下部アーム部材36a,3
6bに取り付けられた下部施療子37a,37bを、臀部Aに沿って滑らかに移動させるものである。
また、バネ部材41a,41bは、下部施療子37a,37bの押し込みが強くなりすぎないように、下部アーム部材36a,36bを回動させて負荷を逃がして、押し込みを少し弱めて臀部Aに対して痛みを抑えるものでもある。また、バネ部材41a,41bは、所定以上の負荷がかかった場合に、下部アーム部材36a,36bを回動させて負荷を逃がし、その下部アーム部材36a,36bの損傷を防止するものでもある。
【0073】
下方マッサージ部26は、座部マッサージエリアの座部21において、水平マッサージ部材10a(内側マッサージ部材6a)と共に下部アーム部材36a,36bが揺動することにより、下部施療子37a,37b(第2施療子)が使用者の臀部Aなど(第2施療部)に対して、下方から上方に向かって指圧するように、押しながら擦るマッサージを行うこととなる。
【0074】
なお、本実施形態においては、下部アーム部材36は、水平マッサージ部材10aの前縁(先端側)に取り付けているが、その取り付け位置については、適宜変更可能である。また、下部アーム部材36は、前後に二つ(左に二つ、右に二つ)配備しているが、上記した後部アーム部材28のように、一つ(左右に一つずつ)配備してもよい。
また、本実施形態においては、下部施療子37に関し、下部アーム部材36を介して、水平マッサージ部材10a(マッサージ部材6a)に取り付けた構成としているが、水平マッサージ部材10a(マッサージ部材6a)に直接、取り付ける構成としてもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明にかかるマッサージ機の第2実施形態について、説明する。
【0075】
図9図11は、本発明にかかるマッサージ機1の第2実施形態を示す図である。
図9図11に示すように、第2実施形態のマッサージ機1の構成は、第1実施形態の構成(図1図8など参照)と略同じである。
すなわち、第2実施形態のマッサージ機1は、ケース体2を有し、使用者の下肢L(足部F、ふくらはぎCなどの第1施療部)に対して挟み込むようにマッサージを行う下肢マッサージエリア(第1マッサージエリア)と、使用者の少なくとも上体(背部B、腰部W、腰横部S、臀部Aなどの第2施療部)に対して押し込むようにマッサージを行う座部マッサージエリア(第2マッサージエリア)と、が配設されている点が同じである。つまり、第2実施形態のマッサージ機1は、ケース体2内に、下肢マッサージ機構3と、マッサージ駆動部8と、座部マッサージ機構23と、を備えている点が同じである。
【0076】
具体的に、本実施形態の下肢マッサージ機構3は、下肢Lを挟み込むように左右に離間して配備された一対のマッサージ部材6(第1施療子)と、そのマッサージ部材6の基端側を左右方向に亘って貫通するように設けられた回転軸7と、回転軸7の回転駆動力をマッサージ部材6の揺動運動に変換する変換部9と、を有している点が同じである。なお、回転軸7には、ふくらはぎCの後側に対して、マッサージ動作を付与する回転マッサージ部材42が設けられている。
【0077】
また、マッサージ部材6(第1施療子)は、側面視で略L字形状であって、足部Fを挟み込むように配備された左右一対の水平マッサージ部材10と、ふくらはぎCを挟み込むように配備された左右一対の垂直マッサージ部材11と、を有している点が同じである。また、内側マッサージ部材6aと外側マッサージ部材6bが、所定の間隔で配置している点も同じである。加えて、水平マッサージ部材10に、押圧マッサージ部材12、施療子13を備えている点も同じである。
【0078】
また、マッサージ駆動部8が、一つの駆動モータ14と、ギアケース15とを備えている点も同じである。変換部9は、回転軸7に回転自在に取り付けられている回転ボス部16と、その回転ボス部16に外嵌する環状嵌合部17と、マッサージ部材6が回転軸7との同伴回転することを規制する規制部18と、を有している点も同じである。
また、ケース体2に、座部21と背もたれ部22と(仕切り板)を備えている点も同じである。
【0079】
本実施形態の座部マッサージ機構23は、背部Bや腰部W(第2施療部)に対してマッ
サージを行う後方マッサージ部24と、腰横部S(第2施療部)に対してマッサージを行う側方マッサージ部25と、臀部A(第2施療部)に対してマッサージを行う下方マッサージ部26と、を有している点が同じである。
また、後方マッサージ部24は、背もたれ部22(仕切り板)から前方に突出して設けられていて、マッサージ部材6の縁部に取り付けられた後部アーム部材28と、その後部アーム部材28の先端に設けられている後部施療子29(第2施療子)と、を有している点が同じである。この後部アーム部材28は、内側マッサージ部材6aの垂直マッサージ部材11aに取り付けられている点も同じである。なお、仕切り板の開口(孔部27a~27d)は、本実施形態では図示せず。
【0080】
また、側方マッサージ部25は、背もたれ部22(仕切り板)から前方に突出して設けられていて、マッサージ部材6の縁部に取り付けられた側部アーム部材34と、その側部アーム部材34の先端に設けられている側部施療子35(第2施療子)と、を有している点が同じである。この側部アーム部材34は、外側マッサージ部材6bの垂直マッサージ部材11bに取り付けられている点も同じである。側部施療子35は、内側に膨張した形状である点も同じである。また、側方マッサージ部25は、所定の間隔で左右に配置している点も同じである。
【0081】
下方マッサージ部26は、座部21(仕切り板)から上方に突出して設けられていて、マッサージ部材6の縁部に取り付けられた下部アーム部材36と、その下部アーム部材36の先端に設けられている下部施療子37(第2施療子)と、を有している点が同じである。この下部アーム部材36は、内側マッサージ部材6aの水平マッサージ部材10aに取り付けられている点も同じである。下部アーム部材36aと、下部アーム部材36bが、前後に備えられている点が同じである。すなわち、下部施療子37aと、下部施療子37bが、前後に備えられている点も同じである。
【0082】
また、座部マッサージエリアは、背もたれ部22(仕切り板)の前部に形成されていて、第2施療子(後部施療子29、側部施療子35、下部施療子37)を備えている点も同じである。
しかしながら、第2実施形態では、下肢マッサージエリアの開口(挿入凹部4)の構成が、第1実施形態と大きく異なるものとなっている。すなわち、下肢マッサージエリアの開口(挿入凹部4)が、使用者の下肢Lが前方から挿入可能となるように、前方に開放状に形成されている点が大きく異なっている。
【0083】
詳しくは、本実施形態の挿入凹部4(開口)は、ケース体2の前面に形成されていて、前方及び上方へ向けて開放状に形成されている。この挿入凹部4は、上下方向に長い開口となっている。一対の挿入凹部4)は、ケース体2の前側に、左右に離れて並設されている。挿入凹部4の内部には、内張材(図示せず)が設けられている。これら左右一対の挿入凹部4に、左右の下肢L(ふくらはぎC~足部F)を前方から嵌め入れることができるようになっている。
【0084】
また、第2実施形態では、側面視において、回転軸7の配置が、第1実施形態と大きく異なるものとなっている。
図11に示すように、回転軸7は、側面視で、下肢マッサージエリア(ケース体2の後壁面の前方)より後方に配備されている。すなわち、回転軸7より前方が下肢マッサージエリアとされ、下肢マッサージエリアよりさらに前方が、座部マッサージエリアとされている。
【0085】
また、第2実施形態では、後部アーム部材28と下部アーム部材36の取り付け方法が、第1実施形態と大きく異なっている。すなわち、後部アーム部材28は、垂直マッサージ部材11a(内側マッサージ部材6a)に固定状態で取り付けられている。下部アーム部材36は、水平マッサージ部材10aに固定状態で取り付けられている。
しかしながら、本実施形態の後部アーム部材28と下部アーム部材36は、第1実施形態のバネ部材33、41などの代わりに、所定の負荷がかかると、少し曲がる弾性部材で形成されている。また同様に、後部施療子29と下部施療子37も、少し曲がる弾性部材で形成されている。
[作動態様]
以下に、本発明のマッサージ機1の作動態様について、説明する。
【0086】
まず、下肢マッサージ機構3の作動態様について、説明する。
使用者は、一般的な椅子などに着座し、その椅子の前の載置したマッサージ機1の挿入凹部4(下肢マッサージエリアの開口)に下肢L(第1施療部)を挿入する。
第1実施形態のマッサージ機1の場合、使用者は下肢Lを後方から挿入凹部4に挿入する。また、第2実施形態のマッサージ機1の場合、使用者は下肢Lを前方から挿入凹部4に挿入する。
【0087】
ここで、使用者がマッサージ機1の電源をONにすると、下肢マッサージ機構3が起動する。マッサージ駆動部8の駆動モータ14が、回転駆動軸14aを介して回転駆動力をギアケース15に出力する。回転駆動力がギアケース15に入力されると、複数のギア15aにより所定の速度に減速され、回転軸7に伝達される。
回転軸7が回転すると、変換部9は回転駆動力をマッサージ部材6(第1施療子)の揺動運動(水平マッサージ部材10及び垂直マッサージ部材11の近接離反動作)に変換する。回転軸7の回転によって、一対の水平マッサージ部材10a,10bの前端が互いに近接し、足先T(つま先)を側方から押し込むように挟み込む。このとき、水平マッサージ部材10a,10bの長手方向中途部と後端は離反した状態にある。つまり、かかとH側は押し込みがない状況である。
【0088】
一方、一対の垂直マッサージ部材11a,11bの上端は少し離れた状態である。つまり、一対の垂直マッサージ部材11a,11bは、ふくらはぎCを側方から挟み込む手前の状態である。
続いて、一対の水平マッサージ部材10a,10bの長手方向中途部が互いに近接し、足の甲あたりを側方から押し込むように挟み込む。このとき、水平マッサージ部材10a,10bの先端は離反してゆくと共に、後端が近接してゆく。つまり、かかとH側が押し込まれてゆく状況となる。一方、一対の垂直マッサージ部材11a,11bの上端が互いに近接し、ふくらはぎCを側方から押し込むように挟み込む。
【0089】
さらに続いて、一対の水平マッサージ部材10a,10bの後端が互いに近接し、かかとH側を側方から押し込むように挟み込む。このとき、水平マッサージ部材10a,10bの長手方向中途部は離反してゆき、先端は離反した状態にある。一方、一対の垂直マッサージ部材11a,11bの上端がさらに近接し、ふくらはぎCを側方から、さらに押し込むように挟み込む。
【0090】
なお、第2実施形態のマッサージ機1の場合、回転軸7が回転すると、回転マッサージ部材42がふくらはぎCの後側に対して、マッサージ動作を付与する。
以上、一対の水平マッサージ部材10a,10b(第1施療子)の近接離反動作により、足先T(つま先)~足の甲~かかとHの順に連続して、足部F(第1施療部)を押し込むように挟み込むと共に、一対の垂直マッサージ部材11a,11b(第1施療子)の近接離反動作により、ふくらはぎC(第1施療部)を下方から上方に向かって押し込むように挟み込むことを繰り返すことで、血流を下肢Lの上方(足部F(足先T)から、ふくらはぎCの上部)へと押し上げることができる。つまり、本発明のマッサージ機1は、下肢Lの血行を促進させる効果的なマッサージ感を付与することができる。
【0091】
次いで、座部マッサージ機構23の作動態様について、説明する。
使用者は、座部マッサージエリアの座部21に着座し、上体を傾斜させて背もたれ部22に凭れ掛かる。ここで、使用者がマッサージ機1の電源をONにすると、座部マッサージ機構23が起動する。マッサージ駆動部8の駆動モータ14が、回転駆動軸14aを介して回転駆動力をギアケース15に出力する。回転駆動力がギアケース15に入力されると、複数のギア15aにより所定の速度に減速され、回転軸7に伝達される。
【0092】
回転軸7が回転すると、変換部9は回転駆動力をマッサージ部材6の揺動運動(水平マッサージ部材10及び垂直マッサージ部材11の近接離反動作)に変換する。回転軸7の回転によって、一対の垂直マッサージ部材11a,11bは、前端が互いに近接する。
このとき、内側の垂直マッサージ部材11a(内側マッサージ部材6a)に取り付けら
れた後方マッサージ部24(後部アーム部材28)は、略水平方向に揺動する。つまり、左側の後部アーム部材28と、右側の後部アーム部材28は、左右方向外側に揺動する。
【0093】
左側の後部施療子29(第2施療子)と、右側の後部施療子29(第2施療子)は、離反する。
一方、外側の垂直マッサージ部材11b(外側マッサージ部材6b)に取り付けられた側方マッサージ部25(側部アーム部材34)は、略水平方向に揺動する。つまり、左側の側部アーム部材34と、右側の側部アーム部材34は、左右方向内側に揺動する。左側の側部施療子35(第2施療子)と、右側の側部施療子35(第2施療子)は、近接する。
【0094】
また、回転軸7の回転によって、一対の水平マッサージ部材10a,10bの前端が互いに近接するとき、内側の水平マッサージ部材10a(内側マッサージ部材6a)に取り付けられた下方マッサージ部26(下部アーム部材36a,36b)は、略水平方向に揺動する。つまり、左側の下部アーム部材36a,36bと、右側の下部アーム部材36a,36bは、左右方向外側に揺動する。左側の下部施療子37a,37b(第2施療子)と、右側の下部施療子37a,37b(第2施療子)は、離反する。
【0095】
続いて、一対の垂直マッサージ部材11a,11bの前端が離反すると、左側の後部アーム部材28と、右側の後部アーム部材28は、左右方向内側に揺動する。左側の後部施療子29と、右側の後部施療子29は、近接する。一方、左側の側部アーム部材34と、右側の側部アーム部材34は、左右方向外側に揺動する。左側の側部施療子35と、右側の側部施療子35は、離反する。
【0096】
また、一対の水平マッサージ部材10a,10bの前端が離反すると、左側の下部アーム部材36a,36bと、右側の下部アーム部材36a,36bは、左右方向内側に揺動する。左側の下部施療子37a,37bと、右側の下部施療子37a,37bは、近接する。
以上、一対の垂直マッサージ部材11a,11bの近接離反動作により、後部施療子29(第2施療子)が使用者の背部Bや腰部Wなど(第2施療部)に対して、後方から前方に向かって指圧するように、押しながら擦るマッサージを行うと共に、側部施療子35(第2施療子)が使用者の腰横部S(第2施療部)に対して、外側から内側に向かって押し込む「押込マッサージ」を行い、さらに、一対の水平マッサージ部材10a,10bの近接離反動作により、下部施療子37a,37b(第2施療子)が使用者の臀部A(第2施療部)などに対して、下方から上方に向かって指圧するように、押しながら擦るマッサージを行うことを繰り返すことで、背部Bや腰横部Sや臀部Aなどに対して、筋肉などを解して、上体等の凝りの解消や血行を促進させるといった効果的なマッサージ感を付与することができる。
【0097】
本発明によれば、1台で、使用者の足部FやふくらはぎCなどの下肢L(第1施療部)に対して第1施療子がマッサージを行うと共に、使用者の背部B、腰部W、腰横部S、臀部Aなどの上体(第2施療部)に対して第2施療子がマッサージを行うことができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
【0098】
特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、作動条件や操作条件、構成物の寸法、重量などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
例えば、マッサージ機1に備えられている内側マッサージ部材6a及び外側マッサージ部材6bの長さや、内側マッサージ部材6a及び外側マッサージ部材6bの回転軸7に対する傾斜角度、左右にある内側マッサージ部材6a及び外側マッサージ部材6bの離間距離などは、施療範囲に対応して適宜変更可能である。
【0099】
なお、後部施療子29、側部施療子35、下部施療子37に関し、後部アーム部材28、側部アーム部材34、下部アーム部材36を介して、マッサージ部材6に取り付けた構成としているが、マッサージ部材6に直接、取り付ける構成としてもよい。
また、本実施形態においては、マッサージ部材6について、側面視で略L字形状(ブー
ツ形状)に一体形成された部材(水平マッサージ部材10(前方延設部)と垂直マッサージ部材11(上方延設部)とを繋げた部材)としたが、それぞれを側面視で略L字形状に独立させて配置した構成(水平マッサージ部材10と垂直マッサージ部材11とを、分割して配置する構成)としてもよい。
【0100】
また、上で説明した下肢用マッサージ機構3などの基本的な装置構成については、例えば、特開2019-180468号公報、特開2019-000159号公報などを参照するとよい。
【符号の説明】
【0101】
1 マッサージ機
2 ケース体
3 下肢マッサージ機構
4 挿入凹部
5a 支持部材
5b 支持部材
6 マッサージ部材(第1施療子、揺動機構)
6a 内側マッサージ部材
6b 外側マッサージ部材
7 回転軸
8 マッサージ駆動部(揺動機構)
9 変換部
10 水平マッサージ部材
10a 水平マッサージ部材(内側)
10b 水平マッサージ部材(外側)
11 垂直マッサージ部材
11a 垂直マッサージ部材(内側)
11b 垂直マッサージ部材(外側)
12 押圧マッサージ部材
13 施療子
14 駆動モータ
14a 回転駆動軸
15 ギアケース
15a ギア
16 回転ボス部
17 環状嵌合部
18 規制部
19 規制ピン
20 規制溝
21 座部(仕切り板)
22 背もたれ部(仕切り板)
23 座部マッサージ機構
24 後方マッサージ部
25 側方マッサージ部
26 下方マッサージ部
27a 孔部(背もたれ部上部)
27b 孔部(背もたれ部下部)
27c 孔部(座部前部)
27d 孔部(座部後部)
28 後部アーム部材
29 後部施療子(第2施療子)
30 支持部材
31 軸部材
32 孔部(支持部材)
33 バネ部材
34 側部アーム部材
35 側部施療子(第2施療子)
36 下部アーム部材
36a 下部アーム部材
36b 下部アーム部材
37 下部施療子(第2施療子)
37a 下部施療子(第2施療子)
37b 下部施療子(第2施療子)
38 支持部材
39a 軸部材
39b 軸部材
40a 孔部
40b 孔部
41a バネ部材
41b バネ部材
42 回転マッサージ部材
B 背部(第2施療部)
W 腰部(第2施療部)
S 腰横部(体側)(第2施療部)
A 臀部(第2施療部)
L 下肢(第1施療部)
C ふくらはぎ(第1施療部)
F 足部(第1施療部)
T 足先
S 足裏
H かかと
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11