(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】コア選択スイッチ、及び光ノード装置
(51)【国際特許分類】
G02B 6/35 20060101AFI20231020BHJP
G02B 26/08 20060101ALI20231020BHJP
H04J 14/00 20060101ALI20231020BHJP
H04B 10/27 20130101ALI20231020BHJP
【FI】
G02B6/35
G02B26/08 E
H04J14/00
H04B10/27
(21)【出願番号】P 2021501701
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 JP2020001366
(87)【国際公開番号】W WO2020174919
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】P 2019034602
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/超並列型光ネットワーク基盤技術の研究開発、大規模データを省電力・オープン・伸縮自在に収容する超並列処理光技術」産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】304028346
【氏名又は名称】国立大学法人 香川大学
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】神野 正彦
【審査官】後藤 昌夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-62390(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0278359(US,A1)
【文献】特開2017-156444(JP,A)
【文献】特開2015-94779(JP,A)
【文献】特開2010-124266(JP,A)
【文献】特開2004-212829(JP,A)
【文献】特開2008-181149(JP,A)
【文献】特開2014-197154(JP,A)
【文献】特開2002-236264(JP,A)
【文献】特開2019-28164(JP,A)
【文献】JINNO, Masahiko,Spatial Channel Network (SCN) Architecture Employing Growable and Reliable Spatial Channel Cross-Connects Toward Massive SDM Era,Photonics in Switching and Computing (PSC) 2018,CY,IEEE,2018年09月19日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/35
G02B 26/08
H04J 14/00
H04B 10/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間チャネル光ネットワークを構成する光ノード装置におけるコア選択スイッチであって、
空間多重分離部と、光スイッチと、光配線部とを備え、
前記空間多重分離部は、S個のコアを有するMCFとコリメータレンズからなるMCFコリメータを複数個、平面上に二次元配置したMCFコリメータアレイであり、
前記光スイッチは、S個の反射角可変ミラーを前記MCF内のコア配置と相似形に平面上に二次元配置した反射角可変ミラーアレイであり、
前記光配線部は、前記MCFコリメータアレイと前記反射角可変ミラーアレイとの間に配置されたステアリングレンズであり、
前記MCFコリメータアレイにおける複数のMCFのうち、入力MCFの各コアから出力された光ビームは、当該コアに対応付けられた反射角可変ミラーに集光した後、所望の出力MCFの対応するコアに結合するように反射される
ことを特徴とするコア選択スイッチ。
【請求項2】
前記複数のMCFのうちの出力MCFの各コアに入力する光パワーを調整する可変光減衰器を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のコア選択スイッチ。
【請求項3】
前記MCFは、単一コアファイバを平面上に二次元配置した構成である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコア選択スイッチ。
【請求項4】
前記MCFは、複数のMCFを平面上に二次元配置した構成である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコア選択スイッチ。
【請求項5】
入力部、出力部、挿入部、及び分岐部を備える光ノード装置であって、
請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載のコア選択スイッチを、前記入力部及び前記出力部のそれぞれにおいて用いる
ことを特徴とする光ノード装置。
【請求項6】
入力部、出力部、挿入部、及び分岐部を備える光ノード装置であって、
請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載のコア選択スイッチを、前記入力部及び前記出力部のそれぞれにおいて用い、
前記挿入部及び前記分岐部のそれぞれにおいて第2コア選択スイッチを用い、
前記第2コア選択スイッチは、
空間多重分離部と、光スイッチと、光配線部とを備え、
前記空間多重分離部は、単一コアを有する入力SMFと、S個のコアを有する出力MCFをD個とを、平面上に二次元配置したファイバアレイであり、
前記光スイッチは、2軸回転の反射角可変ミラーであり、
前記光配線部は、前記ファイバアレイと、前記反射角可変ミラーとの間に配置された1つのみのステアリングレンズであり、前記ステアリングレンズの焦点距離をfとした場合に、前記2軸回転の反射角可変ミラーは前記ステアリングレンズからfの距離に配置され、前記ファイバアレイは前記ステアリングレンズからfの距離に配置され、前記
第2コア選択スイッチは2f光学系を構成し、
前記入力SMFから出力された光ビームは、前記反射角可変ミラーに集光した後、所望の出力MCFの所望のコアに結合するように反射される
ことを特徴とする光ノード装置。
【請求項7】
空間チャネル光ネットワークを構成する光ノード装置におけるコア選択スイッチであって、
空間多重分離部と、光スイッチと、光配線部とを備え、
前記空間多重分離部は、M個の入力SMFが接続されたM個のコアを有するMCFとコリメータレンズとからなる入力MCFコリメータをN個と、S個のコアを有するMCFとコリメータレンズとからなる出力MCFコリメータをD個、平面上に二次元配置した出力MCFコリメータアレイとを有し、
前記光スイッチは、MN個の反射角可変ミラーからなる平面上に二次元配置した第1ミラーアレイと、SD個の反射角可変ミラーからなる平面上に二次元配置した第2ミラーアレイとを有し、
前記光配線部は,前記入力MCFコリメータと、前記MN個の反射角可変ミラーからなる第1ミラーアレイとの間に配置された第1ステアリングレンズと、前記出力MCFコリメータアレイと、前記SD個の反射角可変ミラーからなる第2ミラーアレイとの間に配置された第2ステアリングレンズと、前記2つのミラーアレイとの間に配置されたリレーレンズとを有し、
任意の入力SMFから出力された光ビームは、前記第1ステアリングレンズを通って前記第1ミラーアレイに入射し、当該第1ミラーアレイにおけるミラーにより反射され、前記リレーレンズを通って前記第2ミラーアレイに入射し、当該第2ミラーアレイにおけるミラーにより反射され、前記第2ステアリングレンズを通って所望の出力MCFの所望のコアに結合する
ことを特徴とするコア選択スイッチ。
【請求項8】
入力部、出力部、挿入部、及び分岐部を備える光ノード装置であって、
請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載のコア選択スイッチを、前記入力部及び前記出力部のそれぞれにおいて用い、
請求項
7に記載のコア選択スイッチを、前記挿入部及び前記分岐部のそれぞれにおいて用いる
ことを特徴とする光ノード装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号の空間情報に応じて経路を制御する空間多重光ネットワークを構成する光ノード装置を実現するための技術に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に伝送路は、伝送帯域と信号対雑音比のいずれか、あるいは両方を増加させることで、その伝送容量を増加させることが可能である。現在、長距離光ファイバネットワークで広く用いられている光ファイバは、1本の光ファイバ中に1本の単一モードコアが形成されている。これを単一モードファイバ(SMF:Single Mode Fiber)と呼び、その断面を
図1(a)に示す。SMFを伝送路に用いた場合、信号対雑音比を増加するために送信光パワーを一定以上増加させると、光ファイバのコア中の非線形光学効果による波形歪が顕著となる。このため、送信光パワーには上限があり、従って、1本のSMFの容量には物理的な限界があり、長距離伝送用途では、総容量100Tb/s程度が上限だと考えられている。
【0003】
一方、最新の長距離光ファイバ通信システムの総容量は、すでに~20Tb/sに達し、インターネットトラフィックの年率20%~40%の増加傾向を勘案すると、現状の単一モードファイバに変わる新しい光ファイバ技術が必要との共通認識が醸成されている(非特許文献1)。
【0004】
新しい光ファイバとして、複数のSMFを束ねて用いる光ファイバ束(SMF-B:SMF Bundle)、一本の光ファイバにコア間結合のない(実用上、無視できる程度にコア間結合が小さい)複数の単一モードコアを配置した非結合マルチコアファイバ(UC-MCF:Uncoupled Multi Core Fiber)(
図1の(b))、一本のコアで数個の伝搬モードを伝搬可能とするフューモードファイバ(FMF:Few Mode Fiber)(
図1の(c))、複数の近接配置した単一モードコアにより複数のスーパーモードを伝搬可能とする結合コアファイバ(CCF:Coupled Core Fiber)(
図1の(d))、及びそれらを組み合わせた構造(
図1の(e)、(f))が提案されている。
【0005】
これらの光ファイバは、光ファイバ束内ならびに光ファイバ内に複数の空間伝搬モード(SMF-BならびにMCFでは複数の単一モードコア,FMFでは,マルチモードコア内の複数の伝搬モード)を空間軸方向に多重することから、空間分割多重(SDM:Spatial Division Multiplexing)ファイバと総称される。SDMファイバでは、単一の空間伝搬モード内に波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)された波長の数と空間伝搬モード数の積で表される数の光チャネルを伝送することができる。SDMファイバは伝搬する空間モード間の結合の有無により、非結合タイプと結合タイプの2つに分類される。伝搬モード間に結合があると、伝搬モードは異なるが同一波長である光チャネル間にクロストークが発生するが、この場合、混合した複数の同一波長光チャネルは、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)処理により分離される。SMF-BならびにUC-MCFは非結合型、FMFならびにCC-MCFは、結合型に分類される。
【0006】
このようなSDMファイバからなる将来の光ネットワークにおいて用いる光ノード装置として、光ノード装置に接続された光リンクを空間多重かつ波長多重されて伝搬した複数の光チャネルを一旦分離し、最終目的地に応じて経路振り分けして適切な光リンクに多重化する、波長軸と空間軸における多重・分離・経路振り分け機能を有する光ノード装置が多数提案されている(非特許文献2)。
【0007】
一方、ルータ等のインターフェース速度は年率40%前後の高い伸びを維持しており、最新の商用ルータブレードのIF速度は1.2Tb/s(100Gb/s×12)に達している。従って、超高速クライアントインターフェースを光ネットワークに収容するための光インターフェースも年率40%で大容量化する必要がある。2010年における光インターフェース速度100Gb/sからの外挿に基づくと、光伝送システムに必要なインターフェース速度は、2024年には10Tb/sを超えると予想されている(非特許文献3)。
【0008】
同時に、光伝送システムのシステム容量も年率40%で増加する必要があるので、2024年には光伝送システムのシステム容量は1Pb/sが必要になると予想される。これは現行の単一モード光ファイバ容量の物理限界(~100Tb/s)を大幅に超えることから、隣接光ノード間は大量の空間レーンが必要となる。各種SDMファイバの実現に必要な技術の難易度と経済性の観点から、当初は従来のSMFの束あるいは非結合MCFが使用され、その後、コアのマルチモード化が進むと考えられる。
【0009】
ところで、長距離伝送が可能なDP-QPSK変調方式の10Tb/s光信号は少なくとも3.2THzの光スペクトルを専有するので、これは,例えばCバンドの全帯域幅(4.4THz)に光チャネルを1チャネルしか収容できないことを意味している。もちろん、伝送距離の大幅な短縮と引き換えに周波数利用効率に優れた高次変調方式を採用することも可能であるが、年率40%で増加するインターフェース速度を勘案すると、それにより得られる猶予は高々数年である。従って、2024年以降の近い将来には、非特許文献2で記述されている波長軸と空間軸における多重・分離・経路振り分け機能を有する光ノード装置ではなく、空間軸だけで経路振り分けを行う光ノード装置が経済的、技術的な合理性を獲得すると考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【文献】P. J. Winzer, "Scaling optical fiber networks: challenges and solutions," OPTICS & PHOTONICS NEWS, March 2015, pp. 28-35.
【文献】D. M. Marom and M. Blau, "Switching solutions for WDM- SDM optical networks," IEEE Commun. Mag., vol. 53, no. 2, pp. 60-68, 2015.
【文献】P. J Winzer and D. T Neilson, "From scaling disparities to integrated parallelism: A decathlon for a decade," J. of Lightwave Technol., vol. 35, no. 5, pp. 1099-1115, 2017.
【文献】A. A. M. Saleh and J. M. Simmons, "Architectural principles of optical regional and metropolitan access networks," J. of Lightwave Technol., vol. 17, no. 12, pp. 2431-2448, 1999.
【文献】M. Jinno, "Spatial channel network (SCN) architecture employing growable and reliable spatial channel cross-connects toward massive SDM era," in Photonics in Switching and Computing (PSC) 2018, paper Fr3B.5, 2018.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図2は、従来技術に基づくファイバクロスコネクトアーキテクチャであり(非特許文献4)、光スイッチ故障に備えて、超多ポートマトリックススイッチが2台、冗長構成で配置されている。本構成は、接続自由度が高いという利点がある一方で、システムの最終局面で必要と想定される最大サイズのマトリクススイッチ2台が、システム導入当初から必要になる(初期設備投資が大きい)という欠点がある。また、光スイッチ故障とリンク故障とにそれぞれ対応する別々の故障救済機構を備える必要があり、装置コストの増大と故障点標定に必要な時間の増大を伴う。マトリクススイッチの必要サイズは
【0012】
【数1】
で与えられる。ここで、S
maxはリンクあたりの最大空間レーン数、dは入力したSChのうち、そのノードで終端される割合、
【0013】
【数2】
は天井関数である。マトリクススイッチに加えて、WDMレイヤにおける波長グルーミングのために、
【0014】
【数3】
個の従来型WXCが必要である。ここでgは終端されたSChのうち、WXCに接続される割合である。例えば、S
max=64、D=4、d=1/4、g=1/2の場合、2台の320×320超多ポートマトリクススイッチが必要となってしまう。
【0015】
この問題を回避するために、
図3に示すようなコア選択スイッチに基づく光ノード装置が提案されている(非特許文献5)。
図3に示すように、当該光ノード装置は、入力部1、出力部2、挿入部3、分岐部4を有し、図示のとおりにMCFにより各構成部分間が接続されている。
【0016】
入力部1を構成している各コア選択スイッチ(CSS:Core Selective Switch)は、S個のコアを有する1本の入力MCFポートとS個のコアを有するN本の出力MCFポートをもち、入力MCFポートのあるコア(コア番号をaとする)を伝搬してきた光信号を、任意の出力MCFポートの同一コア番号aをもつコアに出力する機能が想定されている。以降では、このような機能を有するコア選択スイッチをS(1×N)構成のコア選択スイッチと称する。
【0017】
このコア選択スイッチを構成要素とする光ノード装置は、その光ノード装置の入出力方路数D(
図3では、3)と等しい数のコア選択スイッチを入力側(入力部1)と出力側(出力部2)にそれぞれ配置することで、ある入力方路(入力MCF)のあるコアを伝搬してきた光信号を任意の出力方路(出力MCF)の同一コア番号のコアに送出することができる。また、その光ノード装置で挿入される光信号を所望の出力方路(出力MCF)の所望のコアに送出でき、その光ノード装置の所望の入力方路(入力MCF)の所望のコアを伝搬してきた光信号を分岐して受信することができる。
【0018】
本アーキテクチャはリンク毎のモジュラリティを有し、現用空間光チャネルと予備空間光チャネルを異なる出力コア選択スイッチに接続するとともに、異なる経路に割り当てることで、光スイッチ故障とリンク故障をいずれも空間光チャネル端切り替えの機構で救済できるという優れた機能をもつ。ただし、これまでコア選択スイッチに基づく光ノードの概念が提案されているのみで、コア選択スイッチの具体的な実現方法は未開発であった。
【0019】
また、非特許文献5に記載の光ノード装置の分岐挿入部(分岐部4、挿入部3)は、
図3(b)に示すように、S個のコアを有するMCFのコアをS本の単一コアファイバのコアに接続するファンイン・ファンアウト(FIFO)部品により構成されるが、この構成では、挿入用FIFOのどの単一コアファイバに送信機(Tx)を接続するかによって、当該送信機の出力光信号が送出される出力MCF(光信号の出力方路)と使用されるコアが固定されてしまう。同様に分岐用FIFOのどの単一コアファイバに受信機(Rx)を接続するかによって、当該受信機の入力光信号が伝搬してきた入力MCF(光信号の入力方路)と使用されるコアが固定されてしまう。このため、接続を変更するには、物理的に送受信機の接続ポートを差し替える必要が生じ、接続自由度が低いという課題があった。
【0020】
一般には、光ノード装置に接続する送信機は、遠隔操作により、任意の出力MCF(出力方路)の任意のコアに接続でき、受信機は任意の入力MCF(入力方路)の任意のコアに接続できることが理想である。できるだけ接続自由度の高い分岐挿入部を有する光ノード装置とこれを可能にするコア選択スイッチの実現が望まれるが、これまでそのような光ノード装置ならびにコア選択スイッチの具体的な実現方法は存在しなかった。
【0021】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、空間チャネル光ネットワークを構成する光ノード装置におけるコア選択スイッチを実現するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
開示の技術によれば、空間チャネル光ネットワークを構成する光ノード装置におけるコア選択スイッチであって、
空間多重分離部と、光スイッチと、光配線部とを備え、
前記空間多重分離部は、S個のコアを有するMCFとコリメータレンズからなるMCFコリメータを複数個、平面上に二次元配置したMCFコリメータアレイであり、
前記光スイッチは、S個の反射角可変ミラーを前記MCF内のコア配置と相似形に平面上に二次元配置した反射角可変ミラーアレイであり、
前記光配線部は、前記MCFコリメータアレイと前記反射角可変ミラーアレイとの間に配置されたステアリングレンズであり、
前記MCFコリメータアレイにおける複数のMCFのうち、入力MCFの各コアから出力された光ビームは、当該コアに対応付けられた反射角可変ミラーに集光した後、所望の出力MCFの対応するコアに結合するように反射される
ことを特徴とするコア選択スイッチが提供される。
【発明の効果】
【0023】
開示の技術によれば、空間チャネル光ネットワークを構成する光ノード装置におけるコア選択スイッチを実現するための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】従来の光マトリクススイッチに基づく光ノード装置の構成例を示す図である。
【
図3】コア選択スイッチに基づく光ノード装置の構成例を示す図である。
【
図4】実施例1のコア選択スイッチを示す図である。
【
図5】実施例2のコア選択スイッチを示す図である。
【
図6】実施例3のコア選択スイッチを示す図である。
【
図7】実施例3のコア選択スイッチを示す図である。
【
図8】実施例4のコア選択スイッチを示す図である。
【
図10】実施例5のコア選択スイッチを示す図である。
【
図11】実施例6のコア選択スイッチを示す図である。
【
図13】実施例9のコア選択スイッチを示す図である。
【
図14】実施例10のコア選択スイッチを示す図である。
【
図15】実施例11のコア選択スイッチを示す図である。
【
図16】実施例13の光ノード装置を示す図である。
【
図17】実施例13のコア選択スイッチを示す図である。
【
図18】実施例14のコア選択スイッチを示す図である。
【
図19】実施例15の光ノード装置を示す図である。
【
図20】実施例15のコア選択スイッチを示す図である。
【
図21】実施例16の光ノード装置を示す図である。
【
図22】実施例16のコア選択スイッチを示す図である。
【
図23】実施例17のコア選択スイッチを示す図である。
【
図24】実施例18のコア選択スイッチを示す図である。
【
図25】実施例19のコア選択スイッチを示す図である。
【
図26】実施例20のコア選択スイッチを示す図である。
【
図27】実施例21のコア選択スイッチを示す図である。
【
図28】実施例22の光ノード装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
【0026】
なお、以下の説明では、入力MCF、出力MCFなど、「入力」、「出力」を用いて説明を行っているが、これは便宜上、入力部と出力部のうちのどちらか、あるいは挿入部と分岐部のうちのどちらかを仮定し、それに用いられる場合の光の進行方向を想定して「入力」、「出力」を用いたものである。例えば、入力部あるいは挿入部を仮定した説明を行ったコア選択スイッチは、その物として、そのまま、出力部あるいは分岐部にも適用できる。
【0027】
また、以下の説明では、入力MCF、出力MCFなど、伝送路の光ファイバに接続される光ファイバの部分をコア選択スイッチの構成要素であるとして説明しているが、入力MCF、出力MCFなどを含まない部分をコア選択スイッチと称してもよい。
【0028】
また、以下の実施例1~22で説明する様々な技術事項は、矛盾が生じない限り、任意に組み合わせて実施することとしてよい。
【0029】
また、以下で用いるS、D、M、Nはそれぞれ、0以上の整数である。なお、MCFの各コアは単一モードのみを伝搬可能な単一モードコアであっても、複数モードを同時に伝搬可能なマルチモードコアであっても、いずれでもよい。また、MCFは複数の単一コアファイバまたは複数のMCFを束ねた光ファイバ束であってもよい。
【0030】
(コア選択スイッチの概要)
以下、例えば
図3に示すような、空間チャネル光ネットワークを構成する光ノード装置において、伝送側である入力部1及び出力部2を構成するコア選択スイッチについて説明する。ここでは概要を説明し、その後に、具体的な構成を実施例を用いて説明する。
【0031】
当該コア選択スイッチは、空間多重分離部と、光スイッチと、光配線部とを備える。空間多重分離部は、S個のコアを有するMCFとコリメータレンズからなるMCFコリメータを複数個、直線上あるいは平面上に配置したMCFコリメータアレイである。
【0032】
光スイッチは、S個の反射角可変ミラーをMCF内のコア配置と相似形に配置した反射角可変ミラーアレイである。
【0033】
光配線部は,MCFコリメータアレイと反射角可変ミラーアレイの間に配置されたステアリングレンズである。このステアリングレンズにより、入力MCFの各コアから出力された光ビームは当該コアに対応付けられた反射角可変ミラーに集光した後、所望の出力MCFの対応するコアに結合するように反射される。以下、コア選択スイッチの実施例を説明する。以下、コア選択スイッチをCSSと呼ぶ。
【0034】
(実施例1)
図4に、実施例1におけるCSSを示す。実施例1のCSSは、3コア(1入力2出力)CSSであり、1次元配置CSSの例である。この実施例においては、S=3、N=2であるので、S(1×N)構成CSSの表記法に従って、3(1×2)構成CSSと表記する。
【0035】
実施例1におけるCSSでは、空間多重分離部として、入力MCF、出力MCF1、2、コリメータレンズ101~103が備えらえ、合計N+1個(=3個)のコリメータレンズ101~103がコリメータレンズアレイを構成している。各コリメータレンズは、焦点距離f1の凸レンズである。コリメータレンズ101は、出力MCF1と対向する位置にあり、コリメータレンズ102は、入力MCFと対向する位置にあり、コリメータレンズ103は、出力MCF2と対向する位置にある。
【0036】
図示のとおり、各MCFは3コア(C1、C0、C2)を有し、各コアは単一モードコアである。3コアは図の上下方向の直線上に配置され、3つのMCF及びコリメータレンズも、上下方向に直線上に配置されている。
【0037】
図4に示すように、光配線部としてステアリングレンズ104が備えられている。ステアリングレンズ104は、焦点距離f
2の凸レンズである。また、光スイッチとして、コア数Sに対応した3つのMEMSミラー(M
1、M
0、M
2)が、図の上下方向の直線上に、倍率f
2/f
1のコア配置と相似形に備えられている。図のMEMSミラーの側からMCF側を見た場合、3つのMCF及びそれらのコア、コリメータレンズ101、102、103、3つのMEMSミラー(M
1、M
0、M
2)は、直線上に並んで見える。
【0038】
各MEMSミラーは、上下方向に光の反射角が可変であるMEMS1軸回転ミラーである。また、MEMSミラーM1、M0、M2はそれぞれ、各MCFのコアC2、C0、C1に対応付けられている。
【0039】
実施例1のCSSでは、コリメータレンズに焦点距離f1の凸レンズ、ステアリングレンズに焦点距離f2の凸レンズを使用することで4f系の光学配置になっている。
【0040】
実施例1のCSSにおいて、入力MCFのコアC1から出力された光ビームは、コリメータレンズ102、ステアリングレンズ104を経由してMEMSミラーM2に集光し、反射される。MEMSミラーM2から反射された光ビームは、ミラー角度に応じて、出力MCF1又は出力MCF2のコアC1に結合するように入射する。入力MCFのコアC0から出力された光ビームは、コリメータレンズアレイ102、ステアリングレンズ104を経由してMEMSミラーM0に集光し、反射される。MEMSミラーM0から反射された光ビームは、ミラー角度に応じて、出力MCF1又は出力MCF2のコアC0に結合するように入射する。入力MCFのコアC2から出力された光ビームは、コリメータレンズアレイ102、ステアリングレンズ104を経由してMEMSミラーM1に集光し、反射される。MEMSミラーM1から反射された光ビームは、ミラー角度に応じて、出力MCF1又は出力MCF2のコアC2に結合するように入射する。
【0041】
(実施例2)
図5に、実施例2のCSSを示す。実施例2のCSSは、実施例1のCSSと同様に、3コア(1入力2出力)CSSであり、1次元配置CSSの例である。ただし、実施例2のCSSは、実施例1におけるコリメータレンズ101~103に代えて、実効焦点距離f
1の0.25ピッチGRIN(Graded-Index)レンズ111~113(アレイを構成)を使用したものである。0.25ピッチGRINレンズ111~113以外の構成については、実施例1と実施例2とで同じである。0.25ピッチGRINレンズをコリメータレンズの一種と考えて、0.25ピッチGRINレンズをコリメータレンズと称してもよい。
【0042】
GRINレンズは、屈折率分布型レンズであり、
図5に示すとおり、入出射面が平面でありながら、ガラス内の屈折率を連続的に変えることで、レンズとしての集光機能を有している。GRINレンズのMCF側の端面がMCFに接続されている。
【0043】
光ビームの入出射は実施例1と同様である。例えば、入力MCFのコアC1から出力された光ビームは、GRINレンズ112、ステアリングレンズ104を経由してMEMSミラーM2に集光し、反射される。MEMSミラーM2から反射された光ビームは、ミラー角度に応じて、出力MCF1又は出力MCF2のコアC1に結合するように入射する。入力MCFのコアC0から出力された光ビーム、入力MCFのコアC2から出力された光ビームについても、実施例1と同様である。
【0044】
(実施例3)
次に、
図6~
図7を参照して実施例3のCSSを説明する。実施例3のCSSは、MCFとコリメータレンズ(実効焦点距離f
1の0.25ピッチGRINレンズアレイ)からなるN+1個(=7個)のMCFコリメータを平面上に二次元配置したものであり、5コア(1入力6出力)CSSの例であり、5(1×6)構成CSSと表記される。「平面上」であるとは、ステアリングレンズ104の中心の光軸に垂直なある平面上に、MCFの端面及び0.25ピッチGRINレンズアレイの端面が配置されていることである。なお、実施例3では、空間多重分離部において、実施例2と同様の0.25ピッチGRINレンズアレイを使用しているが、これは例であり、実施例1と同様のコリメータレンズアレイを使用してもよい。
【0045】
図6(
図7)に示すとおり、それぞれがMCFに接続された7つの実効焦点距離f
1の0.25ピッチGRINレンズが備えられる。7つの0.25ピッチGRINレンズのうち、1つの0.25ピッチGRINレンズ(F
0のMCFに接続)を中心に配置し、その周りに、六角形を構成するように、6つの0.25ピッチGRINレンズ(F
1~F
6のMCFに接続)が配置されている。各MCFは、C
0~C
5の5つのコアを有する。
【0046】
図6(
図7)に示すように、光配線部として焦点距離f
2の凸レンズであるステアリングレンズ104が備えられる。また、光スイッチとして、コア数Sと同数の5つのMEMSミラー(M
1、M
2、M
3、M
4、M
0)が、平面上(MCFの端面が配置される平面と平行な平面上)に、倍率f
2/f
1のコア配置と相似形に備えられている。各MEMSミラーは、上下・左右方向に光の反射角が可変であるMEMS2軸回転ミラーである。また、MEMSミラーM
1、M
2、M
3、M
4、M
0はそれぞれ、各MCFのコアC
3、C
2、C
1、C
4、C
0に対応付けられている。
【0047】
7つのMCFのうちどれが入力MCFであってもよいが、ここでは一例として中央のMCFを入力MCFとし、その周囲の6つのMCFを出力MCFとしている。
【0048】
図6、
図7に示すように、例えば、入力MCFのコアC
0から出力された光ビームは、0.25ピッチGRINレンズ、ステアリングレンズ104を経由してMEMSミラーM
0に集光し、反射される。MEMSミラーM
0から反射された光ビームは、ここでは、F
1の出力MCFのコアC
0に結合するように入射する。また、例えば、入力MCFのコアC
3から出力された光ビームは、0.25ピッチGRINレンズ、ステアリングレンズ104を経由してMEMSミラーM
1に集光し、反射される。MEMSミラーM
1から反射された光ビームは、ここでは、F
2の出力MCFのコアC
3に結合するように入射する。
【0049】
(実施例4)
図8に、実施例4のCSSを示す。実施例4のCSSは、実施例1において、MEMSミラーに代えてLCOS(liquid crystal on silicon)空間変調器を使用し、コリメータレンズアレイ(コリメータレンズ101~103)とステアリングレンズ104間に偏波ダイバーシティ光学系(具体的には偏波変換素子105)を配置したものである。LCOS空間変調器が偏波依存デバイスであることから偏波ダイバーシティ光学系を配置している。なお、
図8では例として実施例1のCSSにLCOS空間変調器、偏波ダイバーシティ光学系を導入した例を示しているが、他の全ての空間光学系の実施例におけるCSSにLCOS空間変調器、偏波ダイバーシティ光学系を導入した構成を採用することができる。
【0050】
図8に示すように、実施例4のCSSで用いられるLCOS空間変調器106は、M
1~M
3の3つの領域に分割された領域分割LCOS空間変調器である。また、
図9に示すように、偏波変換素子105は、PBS(Polarization Beam Splitter)、プリズム、半波長板により構成される。なお、
図9の構成は偏波変換素子構成の一例であり、同様の機能が得られるのであれば、別の構成でもよい。
【0051】
実施例4のCSSにおいて、入力MCFのコアC1から出力された光ビームは、コリメータレンズ102、ステアリングレンズ104を経由してLCOS空間変調器の領域M2に集光し、反射される。LCOS空間変調器の領域M2から反射された光ビームは、所望の出力MCF(出力MCF1又は出力MCF2)のコアC1に結合するように入射する。入力MCFのコアC0から出力された光ビームならびに入力MCFのコアC2から出力された光ビームに関しても同様である。
【0052】
(実施例5)
図10に、実施例5のCSSを示す。実施例5のCSSは、実施例3(二次元配置した5コア(1入力6出力)CSS)において、MEMSミラーに代えてLCOS空間変調器を使用し、0.25ピッチGRINレンズアレイとステアリングレンズ104間に偏波ダイバーシティ光学系(具体的には偏波変換素子105)を配置したものである。
図10に示すように、LCOS空間変調器107は、5つのコアC
1、C
2、C
3、C
4、C
0に対応した5つの領域(M
3、M
2、M
1、M
4、M
0)に分割されていて、それぞれ、実施例3におけるMEMSミラーと同様の役割を果たす。
【0053】
(実施例6)
図11に、実施例6のCSSを示す。実施例6のCSSは、実施例1のCSSにおいて、ステアリングレンズ104とMEMSミラーアレイとの間(MEMSミラーアレイの直前)に、出力パワー調整機構である可変光減衰器アレイ108を備えたものである。本実施例での可変光減衰器は、液晶ベースのものであり、偏波依存性があるので、偏波変換素子105を備えている。
【0054】
図11に示すとおり、可変光減衰器アレイ108は、各MEMSミラーに対応する領域を有する。MEMSミラーから反射された光ビームは、対応する可変光減衰器の領域を通過することで、強度が調整(減衰)される。これにより、出力MCFに結合する複数の光ビームの強度を調整することができる。なお、光の強度を測定するモニタ機構を、例えば、コリメータレンズアレイと偏波変換素子105との間、あるいは、MCFとコリメータレンズアレイとの間に備えてもよい。
【0055】
可変光減衰器を備える構成は、他の実施例で説明する全てのCSSにおいて適用することが可能である。
【0056】
(実施例7、実施例8)
実施例1~6のコア選択スイッチの入力MCF及び出力MCFとして使用するMCFに関して、これまで、
図12(a)(実施例1のファイバコリメータ)に示すような通常のMCFを用いる例(S=5)を説明した。なお、先に説明したようにMCFの各コアは、単一モードコアであってもマルチモードコアであっても、どちらでもよい。
【0057】
これに代えて、実施例7では、
図12(b)に示すように、複数の単一コアファイバを平面上に配置したもの(単一コアファイバ束(SMFバンドル))を使用する。この場合、コア数Sは7であり、これに対応した7個の反射角可変ミラーが倍率f
2/f
1のコア配置と相似形に備えられる。
図12(b)では、空間多重分離部として、コリメータレンズを使用する例を示しているが、0.25ピッチGRINレンズを使用する場合にも単一コアファイバ束を使用できる。また、複数の単一コアファイバを直線上に配置した単一コアファイババンドルを使用することとしてもよい。なお、単一コアファイバ束に用いる単一コアファイバは、SMFであっても、FMFであっても、どちらでもよい。
【0058】
また、実施例8では、
図12(c)に示すように、実施例1~6で使用したMCFに代えて、複数のMCFを平面上に配置したもの(MCF束(MCFバンドル))を使用する。この場合、コア数Sは35であり、これに対応した35個の反射角可変ミラーが倍率f
2/f
1のコア配置と相似形に備えられる。
図12(c)では、空間多重分離部として、コリメータレンズを使用する例を示しているが、0.25ピッチGRINレンズを使用する場合にもMCFバンドルを使用できる。また、複数のMCFを直線上に配置したMCFバンドルを使用することとしてもよい。なお、MCF束に用いるMCFは,単一モードMCFであっても、マルチモードMCFであっても、どちらでもよい。
【0059】
なお、単一コアファイババンドルあるいはMCFバンドルは、他の全ての実施例におけるCSSに適用可能である。
【0060】
(実施例9)
図13に、実施例9のS(1×N)構成CSSを示す。実施例9のCSSは、空間多重分離部として、S個のコアを有するMCFをS本の単一コアファイバに接続するFIFO201-1~3を有し、光スイッチとして、S個の1入力N出力光スイッチを有する1×N光スイッチアレイ203を備える。また、光配線部202を備える。光配線部202は、導波路であってもよいし、光ファイバであってもよい。
【0061】
FIFOアレイ201を構成するFIFOのうち、一つを入力側FIFOとして用い、残りを出力側FIFOとして用いる。
【0062】
図13に示す例では、S=4、N=3であり、4(1×3)構成CSSである。入力側FIFOと4つの1×3光スイッチとが、4つの単一コア導波路により接続されている。なお、単一コア導波路に代えて光ファイバを用いてもよい。
【0063】
光配線部202の単一コア導波路により、各1×3光スイッチが有する3つの出力ポートのそれぞれは、対応する出力側FIFOの4つの入力ポートのうち、1×3光スイッチに対応する入力ポートに接続される。
【0064】
入力側FIFOにおいて、MCFの各コアに対応付けられた出力導波路に出力された光信号は、当該コアに対応付けられた1×3光スイッチにより、所望の出力側FIFOに接続されたMCFの対応するコアに結合するようにスイッチされる。
【0065】
図示するように、FIFOの単一コア側のポートの番号を上から1、2、3、4と付けたとすると、例えば、入力側FIFOの2番のポートから出力された光は、1×3光スイッチ203-2に入力される。仮に、所望の方路が、出力側FIFO201-3であるとすると、1×3光スイッチ203-2に入力された光は、1×3光スイッチ203-2の3つの出力ポートのうち、一番下の出力ポートから出力され、出力側FIFO201-3の2番のポートに入力され、出力MCFにおける対応するコアに結合される。
【0066】
(実施例10)
図14に、実施例10のCSSを示す。実施例10のCSSは、実施例9のCSSにおいて、入力側FIFOと1×N光スイッチアレイ203との間(1×N光スイッチアレイ203の直前)に、出力パワー調整機構である可変光減衰器(VOA)アレイ204を備えたものである。可変光減衰器アレイ204を構成する各可変光減衰器は各光スイッチの直前に備えられる。
【0067】
入力側FIFOから出力された光は、可変光減衰器によりその強度が調整(減衰)される。これにより、出力MCFに結合する複数の光の強度を調整することができる。なお、光の強度を測定するモニタ機構を備えてもよい。
【0068】
(実施例11)
図15に、実施例11のCSSを示す。実施例11のCSSは、実施例9のCSSにおいて、1×N光スイッチアレイ203と入力側FIFOとの間(1×N光スイッチアレイ203の直前)に、S×S(SはMCFのコア数でり、この場合4)の光スイッチ206を備え、更に、1×N光スイッチアレイ203の直後に、出力パワー調整機構である可変光減衰器アレイ205を備えたものである。1×N光スイッチアレイ203から出力された光は、可変光減衰器によりその強度が調整(減衰)される。これにより、出力MCFに結合する複数の光の強度を調整することができる。なお、光の強度を測定するモニタ機構を備えてもよい。
【0069】
また、4×4光スイッチ206を備えたことで、入力側FIFOから出力され、単一コア導波路を介して4×4光スイッチ206に入力された光を所望の光スイッチ(
図15の203-1~203-4のうちのいずれか)に入力することができる。これにより、入力側FIFOから出力された光を、所望の出力MCFにおける所望のコアに入力することができる。
【0070】
(実施例12)
実施例12は、
図3に示した構成を有する光ノード装置である。ただし、入力部1及び出力部2で使用されるCSSとして実施例1~11に記載のS(1×N)構成CSSのうちのいずれかのCSSを使用している。前述したように、
図3に示す光ノード装置は、入力部1、出力部2、挿入部3、分岐部4を有し、図示のとおりにMCFにより各構成部間が接続されている。
【0071】
入力部1を構成している各S(1×N)構成CSSは、S個のコアを有するMCFと接続される1個の入力ポートと、それぞれがS個のコアを有するMCFと接続されるN個の出力ポートを有し、入力ポートのあるコア(コア番号をaとする)を伝搬してきた光信号を、任意の出力MCFポートの同一コア番号aをもつコアに出力することができる。CSSの具体的な構成例は実施例1~11において説明したとおりである。出力部2において使用されるCSSは、入力部1で使用されるCSSと同じものでよい。
【0072】
実施例12の光ノード装置は、その光ノード装置の入出力方路数D(
図3では、D=3)と等しい数のS(1×N)構成CSSを入力側(入力部1)と出力側(出力部2)にそれぞれ配置することで、ある入力方路(入力MCF)のあるコアを伝搬してきた光信号を任意の出力方路(出力MCF)の同一コア番号のコアに送出することができる。また、その光ノード装置で挿入される光信号を所望の出力方路(出力MCF)の所望のコアに送出でき、その光ノード装置の所望の入力方路(入力MCF)の所望のコアを伝搬してきた光信号を分岐して受信することができる。
【0073】
なお、実施例1~11に記載のS(1×N)構成CSSにおいて、入力MCF(または入力単一コアファイバ束、入力MCF束)内の光信号の進行方向は、出力MCF(または出力単一コアファイバ束、出力MCF束)内の光信号の進行方向と逆向きである。従って、進行方向も含めたコア番号は、入力ファイバと出力ファイバとでは、左右が反転することになる。実施例12の光ノード装置のように、S(1×N)構成CSSを入力側と出力側に配置すると、この光ノード装置を通過する光信号(ある入力MCFからある出力MCFにルーティングされる光信号)については、S(1×N)構成CSSを2回通過することになるので、この左右反転が解消される。一方、光ノード装置におけるクライアント側である挿入部3、分岐部4には、
図3(b)に示すFIFOが使用される。FIFOを介してそれそれ挿入される光信号と分岐される光信号は、S(1×N)構成CSSを1回しか通過しないので、S(1×N)構成CSSにおけるコア番号の左右反転を考慮して、FIFOの入力ポートを選択する必要がある。
【0074】
(実施例13)
上述したように、実施例12(
図3)の光ノード装置におけるクライアント側である挿入部3、分岐部4には、
図3(b)に示すFIFOが使用される。例えば、出力部2における所望の方路のMCFの所望のコアに光を出したい場合、当該所望の方路のMCFに接続されるCSSに接続されるFIFOにおける、当該所望のコアに対応する入力ポートに送信機を接続する必要がある。もしも、光を出力する方路あるいはコアを変更したい場合、送信機の接続替えを行う必要があり、手間がかかる。
【0075】
図16に、実施例13の光ノード装置を示す。実施例13の光ノード装置の入力部301、出力部302は、実施例12の光ノード装置の入力部1、出力部2と同じである。実施例13の光ノード装置では、実施例12の光ノード装置と異なり、挿入部303、分岐部304において1入力S出力CSSを使用している。以降では、この構成のCSSを1×S構成CSSと称する。1×S構成CSSを挿入部303側に配置することにより、同じ方路でコアを変更する場合でも送信機の接続替えをする必要がない。分岐部304側でも同様である。すなわち、送信機と受信機はそれぞれ、接続替えをすることなく、同一方路のMCFの任意のコアにアクセス可能である。
【0076】
図17に、実施例13の1×S構成CSSの構成例を示す。
図17は、S=5の場合の例を示している。分岐挿入側のCSSは、基本的には伝送側のCSSと同様の構成であり、空間多重分離部、光スイッチ、光配線部を有する。
【0077】
図17(a)(全体構成)、(b)(MCFと単一コアファイバの配置)に示すように、実施例13の1×S構成CSSにおいて、空間多重分離部として、入力単一コアファイバ402と出力MCF401が並べられたファイバアレイを有する。
図17(c)(単一コアファイバ内の配置)、(d)(MCF内のコア配置)に示すように、単一コアファイバには1つのコアC
0が存在し、MCFには5つのコア(C
0、C
1、C
2、C
3、C
4)が存在する。
【0078】
また、光スイッチとして、MEMS2軸回転ミラー404(反射角可変ミラー)(e)を備える。また、光配線部として、ファイバアレイと反射角可変ミラーとの間に配置されたステアリングレンズ403を備える。ステアリングレンズ403の焦点距離はfであり、実施例13のCSSは、2f光学系を構成している。
【0079】
実施例13の1×S構成CSSにおいて、単一コアを有する入力単一コアファイバ402から出力された光ビームは、MEMS2軸回転ミラー404に集光した後、出力MCF401の所望のコアに結合するように反射される。
図17(a)は、入力単一コアファイバ402と出力MCF401のコアC
1を接続する場合の光ビームの軌跡を実線で示している。
図17で説明したような1×S構成CSSを実施例13の光ノード装置の挿入部と分岐部に採用すれば、挿入される光信号と分岐される光信号は、コア番号の左右反転を偶数回(2回)だけ被るので、左右反転が解消される。
【0080】
なお、
図17に示す例では、光スイッチとしてMEMSを使用しているが、これは例であり、光スイッチとしてLCOS空間変調器を使用してもよい。LCOS空間変調器を使用する場合、例えば、ファイバアレイとステアリングレンズ403との間に偏波ダイバーシティ光学素子が備えられる。また、MEMS2軸回転ミラー404の前面に可変光減衰器を配置してもよい。
【0081】
(実施例14)
図18は、実施例14の光ノード装置を示す。実施例14の光ノード装置の入力部501、出力部502は、実施例12の光ノード装置の入力部1、出力部2と同じである。
【0082】
実施例14の光ノード装置では、挿入部503と分岐部504において、S(1×N)構成CSSと1×S構成CSSを使用している。S(1×N)CSSは、実施例1~11で説明したCSSと同様である。1×S構成CSSは実施例13で説明したCSSである。
【0083】
図18に示すように、挿入部503は、S(1×D)構成CSS503-1、S(1×M)構成CSS503-2、1×S構成CSS503-3~503-5を有する。1×S構成CSS503-3~503-5それぞれの出力MCFは、S(1×M)構成CSS503-2のM個(図の例では3つ)の入力MCFのうちの1つの入力MCFと接続される。S(1×M)構成CSS503-2の1つの出力MCFは、S(1×D)構成CSS503-1の1つの入力MCFと接続される。分岐部504の構成も同様である。
【0084】
例えば、1×S構成CSS503-3に接続された送信機から出力される光は、1×S構成CSS503-3の出力MCFの所望のコアに入力され、S(1×M)構成CSS503-2の対応する入力MCFのコアに入力され、S(1×M)構成CSS503-2からS(1×D)構成CSS503-1に入力され、所望の出力MCFから出力される。
【0085】
実施例14により、送信機と受信機はそれぞれ、接続替えをすることなく、任意の出力MCF/入力MCF、任意のコアにアクセス可能である。ただし、コア競合が発生するという制約がある。なお、挿入される光信号と分岐される光信号は、コア番号の左右反転を偶数回(4回)だけ被るので、左右反転が解消される。
【0086】
(実施例15)
図19は、実施例15の光ノード装置を示す。実施例15の光ノード装置の入力部601、出力部602は、実施例12の光ノード装置の入力部1、出力部2と同じである。
【0087】
実施例15の光ノード装置では、挿入部603と分岐部604において、1入力SD出力CSSを使用している。以降、この構成のCSSを1×SD構成CSSと称する。挿入部603の1×SD構成CSSに接続された送信機から出た光は、所望の方路のMCFの所望のコアへ出力できる。
【0088】
すなわち、実施例15により、送信機と受信機はそれぞれ、接続替えをすることなく、任意の出力MCF/入力MCF、任意のコアにアクセス可能である。ただし、挿入部603と分岐部604において、CSSのポートの利用効率が低い。
【0089】
図20に、実施例15の1×SD構成CSSの構成例を示す。
図20は、D本の出力SコアMCFを有する構成において、S=5、D=6の場合の例を示している。
【0090】
図20(a)(全体構成)、(b)(MCFと単一コアファイバの配置)に示すように、実施例15の1×SD構成CSSにおいて、空間多重分離部として、1つの入力単一コアファイバと6つの出力MCFを平面上(端面が、光軸に垂直な平面上にある)に配置したファイバアレイ701を有する。すなわち、この例では、
図20(b)に示すように、入力単一コアファイバが中心に配置され、その周りに、6角形を形成するように、6つの出力MCFが配置されている。なお、ファイバアレイ701は、1つの入力SMFと6つの出力MCFが直線上に配置された構成であってもよい。
【0091】
図20(c)(単一コアファイバコア配置)、(d)(MCF内のコア配置)に示すように、単一コアファイバには1つのコアC
0が存在し、MCFには5つのコア(C
0、C
1、C
2、C
3、C
4)が存在する。光スイッチとして、MEMS2軸回転ミラー703(反射角可変ミラー)を備える。
【0092】
また、光配線部として、ファイバアレイ701と反射角可変ミラーとの間に配置されたステアリングレンズ702を備える。ステアリングレンズ702の焦点距離はfであり、実施例15のCSSは、2f光学系を構成している。
【0093】
実施例15のCSSにおいて、単一コアを有する入力単一コアファイバから出力された光ビームは、MEMS2軸回転ミラー703に集光した後、所望の出力MCFの所望のコアに結合するように反射される。
図20(a)は、入力単一コアファイバと出力MCF
2のコアC
1を接続する場合の光ビームの軌跡を実線で示している。
【0094】
なお、
図20に示す例では、ファイバアレイ701の中で単一コアファイバの位置を中央としているが、これは例であり、中央以外に位置してもよい。また、光スイッチとしてMEMSを使用しているが、これは例であり、光スイッチとしてLCOS空間変調器を使用してもよい。LCOS空間変調器を使用する場合、例えば、ファイバアレイ701とステアリングレンズ702との間に偏波ダイバーシティ光学素子が備えられる。また、例えばMEMS2軸回転ミラー703の前面に可変光減衰器を配置してもよい。
図20で説明したような1×SD構成CSSを実施例15の光ノード装置の挿入部と分岐部に採用すれば、挿入される光信号と分岐される光信号は、コア番号の左右反転を偶数回(2回)だけ被るので、左右反転が解消される。
【0095】
(実施例16)
図21は、実施例16の光ノード装置を示す。実施例16の光ノード装置の入力部801、出力部802は、実施例12の光ノード装置の入力部1、出力部2と同じである。
【0096】
実施例16の光ノード装置では、挿入部803と分岐部804において、M入力SD出力CSSを使用している。以降では、この構成のCSSをM×SD構成CSSと称する。挿入部803のM×SD構成CSSに接続された送信機から出た光は、所望の方路のMCFの所望のコアへ出力できる。
【0097】
すなわち、実施例16により、送信機と受信機はそれぞれ、接続替えをすることなく、任意の出力MCF/入力MCF、任意のコアにアクセス可能である。コア競合は発生せず、入出力部のCSSのポートの利用効率が高い。ただし、M×SD構成CSSは、構成が複雑である。
【0098】
図22に、実施例16のM×SD構成CSSの構成例を示す。実施例16の次に、実施例17、18としてM×SD構成CSSのバリエーションを説明する。そこで、ここではまず、実施例16、17に共通の構成について説明する。
【0099】
M×SD構成CSSは、これまでに説明したCSSと同様に、空間多重分離部、光スイッチ、光配線部を有する。
【0100】
空間多重分離部は、M個の入力単一コアファイバが接続されたM個のコアを有するMCFとコリメータレンズとからなる入力MCFコリメータをN個と、S個のコアを有するMCFとコリメータレンズとからなる出力MCFコリメータをD個、直線上あるいは平面上に配置した出力MCFコリメータアレイとを有する。光スイッチは、MN個の反射角可変ミラーからなるミラーアレイと、SD個の反射角可変ミラーからなるミラーアレイである。光配線部は、入力MCFコリメータと、MN個の反射角可変ミラーからなるミラーアレイとの間に配置されたステアリングレンズと、出力MCFコリメータアレイとSD個の反射角可変ミラーからなるミラーアレイの間に配置されたステアリングレンズと、前記2つのミラーアレイの間に配置されたリレーレンズを有する。
【0101】
この構成において、任意の入力単一コアファイバから出力された光ビームは所望の出力MCFの所望のコアに結合するように前記の反射角可変ミラーで反射される。
【0102】
続いて、
図22に示すM×SD構成CSSを説明する。
図22は、M=5、N=1、S=3、D=3の場合の例を示している。また、4f光学系(fは焦点距離)に基づくレンズの配置例を示している。
【0103】
図22に示すM×SD構成CSSは、空間多重分離部として、FIFO912と焦点距離f
1のコリメータレンズ911からなるN個(1個)の入力MCFコリメータと、3本の3コアを有する出力MCFとコリメータレンズ901~903(コリメータレンズアレイ)とからなる出力MCFコリメータアレイを有する。FIFO912は、入力側に5本のSMFを接続し、それらを束ねて、出力側の5コアのMCFに変換する構成を有する。
【0104】
図22の例では、出力MCF1~3とコリメータレンズ901~903は、上下方向の直線上に配置されている。ただし、これは例であり、
図20等に示した例と同様に、平面上に配置してもよい。
【0105】
図22に示すM×SD構成CSSは、光スイッチとして、5個のミラーからなるMEMS1軸回転ミラーアレイ909と、9個のミラーからなるMEMS1軸回転ミラーアレイ907を有する。
【0106】
また、
図22に示すM×SD構成CSSは、光配線部として、コリメータレンズ911とMEMS1軸回転ミラーアレイ909との間に配置されたステアリングレンズ910(焦点距離f
2)と、コリメータレンズアレイ(コリメータレンズ901~903)とMEMS1軸回転ミラーアレイ907との間に配置されたステアリングレンズアレイ(ステアリングレンズ904~906、焦点距離f
2)と、MEMS1軸回転ミラーアレイ909とMEMS1軸回転ミラーアレイ907との間に配置されたリレーレンズ908(焦点距離f
3)を有する。
【0107】
図22の例において、MEMS1軸回転ミラーアレイ909における各ミラーは、いずれか1つの入力単一コアファイバに対応する。具体的には、MEMS1軸回転ミラーアレイ909における各ミラーは、上から順に、入力単一コアファイバ5、入力単一コアファイバ4、入力単一コアファイバ3、入力単一コアファイバ2、入力単一コアファイバ1に対応している。
【0108】
また、
図22の例において、MEMS1軸回転ミラーアレイ907における各ミラーは、いずれか1つ出力MCFのいずれか1つのコアに対応する。具体的には、MEMS1軸回転ミラーアレイ907における上から3つずつ、出力MCF1、出力MCF2、出力MCF3に対応する。また、1つの出力MCFに対応する3つのミラーは、上から、コアC
3、コアC
2、コアC
1に対応する。
【0109】
図22のM×SD構成CSSにおいて、例えば、送信機から入力SMF5へ出力された光ビームは、MEMS1軸回転ミラーアレイ909における最も上のミラー(入力SMF5に対応するミラー)に入射し、当該ミラーにより反射されて、所望の出力MCFにおける所望のコアに対応する、MEMS1軸回転ミラーアレイ907におけるミラーに入射する。ここでは、出力MCF3のコアC
1が所望のコアであり、光ビームは、これに対応する一番下のミラーに入射する。当該ミラーから反射された光ビームは、出力MCF3のコアC
1に結合する。
【0110】
図22の例では、光スイッチとしてMEMSを使用しているが、これは例であり、光スイッチとしてLCOS空間変調器を使用してもよい。ただし、LCOS空間変調器を使用する場合には偏波ダイバーシティ光学素子も使用される。また、出力MCFのコアに入射する光の強度を揃えるために、光の経路上に可変光減衰器を配置してもよい。また、MCF内の各コアは、
図6、
図7に示すような2次元上に配置されてもよい。この場合、ミラーは倍率f
2/f
1のコア配置と相似形に2次元配置され、2軸の回転自由度(反射角自由度)を持つ。また、MCF自体が2次元上に配置されてもよい。その場合、MCFのコア配置に対応した複数のミラーが、さらに2次元に配置される。
【0111】
以下、実施例17、実施例18で、M×SD構成CSSのバリエーションを説明する。
【0112】
(実施例17)
図23に、実施例17のM×SD構成CSSを示す。
図23は、M=5、N=2、S=3、D=3の場合の例を示している。また、4f光学系(fは焦点距離)に基づくレンズの配置例を示している。
【0113】
図23に示すM×SD構成CSSは、空間多重分離部として、FIFO951と焦点距離f
1のコリメータレンズ941からなる入力MCFコリメータ及びFIFO952と焦点距離f
1のコリメータレンズ942からなる入力MCFコリメータからなる(2個の入力MCFコリメータからなる)入力MCFコリメータアレイと、3本の3コアを有する出力MCF1~3とコリメータレンズ901~903(コリメータレンズアレイ)からなる出力MCFコリメータアレイを有する。FIFO951、FIFO952はいずれも、入力側に5本のSMFを接続し、それらを束ねて、出力側の5コアのMCFに変換する構成を有する。
【0114】
図23の例では、出力MCF1~3とコリメータレンズ901~903は、上下方向の直線上に配置されている。ただし、これは例であり、
図20等に示した例と同様に、平面上に配置してもよい。
【0115】
図23に示すM×SD構成CSSは、光スイッチとして、10個のミラーからなるMEMS1軸回転ミラーアレイ919と、9個のミラーからなるMEMS1軸回転ミラーアレイ907を有する。
【0116】
また、
図23に示すM×SD構成CSSは、光配線部として、コリメータレンズ941、942とMEMS1軸回転ミラーアレイ919との間に配置されたステアリングレンズ931、932(焦点距離f
2)と、コリメータレンズアレイ(コリメータレンズ901~903)とMEMS1軸回転ミラーアレイ907との間に配置されたステアリングレンズアレイ(ステアリングレンズ904~906、焦点距離f
2)と、MEMS1軸回転ミラーアレイ919とMEMS1軸回転ミラーアレイ907との間に配置されたリレーレンズ908(焦点距離f
3)を有する。
【0117】
図23の例において、MEMS1軸回転ミラーアレイ919におけるミラーは、上から5つずつ、FIFO951、FIFO952に対応する。5つのまとまりにおける各ミラーは、対応するFIFOのいずれか1つの入力単一コアファイバに対応する。具体的には、例えば、MEMS1軸回転ミラーアレイ919における上5つの各ミラーは、上から順に、FIFO951の入力単一コアファイバ5、入力単一コアファイバ4、入力単一コアファイバ3、入力単一コアファイバ2、入力単一コアファイバ1に対応している。
【0118】
また、
図23の例において、MEMS1軸回転ミラーアレイ907における各ミラーは、いずれか1つの出力MCFのいずれか1つのコアに対応する。具体的には、MEMS1軸回転ミラーアレイ907における上から3つずつ、出力MCF1、出力MCF2、出力MCF3に対応する。また、1つの出力MCFに対応する3つのミラーは、上から、コアC
3、コアC
2、コアC
1に対応する。
【0119】
図23のM×SD構成CSSにおいて、例えば、送信機から、FIFO951の入力単一コアファイバ5へ出力された光ビームは、MEMS1軸回転ミラーアレイ919における最も上のミラー(入力SMF5に対応するミラー)に入射し、当該ミラーにより反射されて、所望の出力MCFにおける所望のコアに対応する、MEMS1軸回転ミラーアレイ907におけるミラーに入射する。ここでは、出力MCF3のコアC
1が所望のコアであり、光ビームは、これに対応する一番下のミラーに入射する。当該ミラーから反射された光ビームは、出力MCF3のコアC
1に結合する。
【0120】
図23の例では、光スイッチとしてMEMSを使用しているが、これは例であり、光スイッチとしてLCOS空間変調器を使用してもよい。ただし、LCOS空間変調器を使用する場合には偏波ダイバーシティ光学素子も使用される。また、出力MCFのコアに入射する光の強度を揃えるために、光の経路上に可変光減衰器を配置してもよい。また、コアとMCFは2次元配置されてもよい。その場合、ミラーは2次元に配置され,2軸の回転自由度(反射角自由度)を持つ。つまり、
図23に示すSD個のミラーが平面上に二次元配置され、MN個のミラーが平面上に二次元配置される。また、この場合、各ミラーは2軸回転ミラーである。
【0121】
(実施例18)
図24に、実施例18のM×SD構成CSSを示す。
図24は、M=5、S=3、D=3の場合の例を示している。また、4f光学系(fは焦点距離)に基づくレンズの配置例を示している。
【0122】
図24に示すM×SD構成CSSは、空間多重分離部として、5本のSMF(922)とコリメータレンズアレイ921からなる入力MCFコリメータと、3本の3コアを有する出力MCF1~3とコリメータレンズ901~903(コリメータレンズアレイ)からなる出力MCFコリメータアレイを有する。
【0123】
図24の例では、出力MCF1~3とコリメータレンズ901~903は、上下方向の直線上に配置されている。ただし、これは例であり、
図20等に示した例と同様に、平面上に配置してもよい。
【0124】
図24に示すM×SD構成CSSは、光スイッチとして、5個のミラーからなるMEMS1軸回転ミラーアレイ909と、9個のミラーからなるMEMS1軸回転ミラーアレイ907を有する。
【0125】
また、
図24に示すM×SD構成CSSは、光配線部として、コリメータレンズアレイ(コリメータレンズ901~903)とMEMS1軸回転ミラーアレイ907との間に配置されたステアリングレンズアレイ(ステアリングレンズ904~906、焦点距離f
2)と、MEMS1軸回転ミラーアレイ909とMEMS1軸回転ミラーアレイ907との間に配置されたリレーレンズ908(焦点距離f
3)を有する。
【0126】
図24の例において、MEMS1軸回転ミラーアレイ909における5つのミラーは、上から順に入力単一コアファイバ1、入力単一コアファイバ2、入力単一コアファイバ3、入力単一コアファイバ4、入力単一コアファイバ5に対応している。
【0127】
また、
図24の例において、MEMS1軸回転ミラーアレイ907における各ミラーは、いずれか1つの出力MCFのいずれか1つのコアに対応する。具体的には、MEMS1軸回転ミラーアレイ907における上から3つずつ、出力MCF1、出力MCF2、出力MCF3に対応する。また、1つの出力MCFに対応する3つのミラーは、上から、コアC
3、コアC
2、コアC
1に対応する。
【0128】
図24のM×SD構成CSSにおいて、例えば、送信機から、入力単一コアファイバ1へ出力された光ビームは、MEMS1軸回転ミラーアレイ909における最も上のミラー(入力SMF1に対応するミラー)に入射し、当該ミラーにより反射されて、所望の出力MCFにおける所望のコアに対応する、MEMS1軸回転ミラーアレイ907におけるミラーに入射する。ここでは、出力MCF3のコアC
1が所望のコアであり、光ビームは、これに対応する一番下のミラーに入射する。当該ミラーから反射された光ビームは、出力MCF3のコアC
1に結合する。
【0129】
図24の例では、光スイッチとしてMEMSを使用しているが、これは例であり、光スイッチとしてLCOS空間変調器を使用してもよい。ただし、LCOS空間変調器を使用する場合には偏波ダイバーシティ光学素子も使用される。また、出力MCFのコアに入射する光の強度を調整するために、光の経路上に可変光減衰器を配置してもよい。また、コアとMCFは2次元配置されてもよい。その場合、ミラーは2次元に配置され,2軸の回転自由度(反射角自由度)を持つ。
【0130】
(実施例19)
図25に、実施例19のCSSを示す。このCSSは、
図16に示した実施例13の光ノード装置における挿入部303及び分岐部304において使用される1×S構成CSSの例である。
【0131】
実施例19のCSSは、空間多重分離部として、S個のコアを有するMCFをS本の単一コアファイバに接続するFIFO1001を有し、光スイッチとして、1×S光スイッチ1003を有する。また、光配線部1002を備える。光配線部1002は、導波路であってもよいし、光ファイバであってもよい。
【0132】
図25に示す例では、S=4であり、FIFOと1×4光スイッチとが、4つの単一コア導波路により接続されている。なお、単一コア導波路に代えて光ファイバを用いてもよい。
【0133】
入力単一コアファイバに入力された光は、1×4光スイッチにより、出力MCFにおける所望のコアに結合するようにスイッチされる。
【0134】
(実施例20)
図26に、実施例20のCSSを示す。このCSSは、
図19に示した実施例15の光ノード装置における挿入部603及び分岐部604において使用される1×SD構成CSSの例であり、導波路回路を用いて実現したものである。
【0135】
実施例20のCSSは、空間多重分離部として、FIFOアレイ1101を有し、光スイッチとして、1×SD光スイッチ1103を有する。また、光配線部1102を備える。光配線部1102は、導波路であってもよいし、光ファイバであってもよい。
【0136】
図26に示す例では、S=4、D=3であり、3つのFIFOと1×SD光スイッチ1103とが、12本の単一コア導波路により接続されている。なお、単一コア導波路に代えて光ファイバを用いてもよい。
【0137】
入力単一コアファイバに入力された光は、1×SD出力光スイッチ1103により、所望の出力MCFにおける所望のコアに結合するようにスイッチされる。
【0138】
(実施例21)
図27に、実施例21のCSSを示す。このCSSは、
図21に示した実施例16の光ノード装置における挿入部803及び分岐部804において使用されるM×SD構成CSSである。
【0139】
実施例21のCSSは、空間多重分離部として、FIFOアレイ1201を有し、光スイッチとして、M×SD光スイッチ1203を有する。また、光配線部1202を備える。光配線部1202は、導波路であってもよいし、光ファイバであってもよい。
【0140】
図27に示す例では、S=4、D=3、M=2であり、3つのFIFOとM×SD光スイッチ1103とが、12本の単一コア導波路により接続されている。なお、単一コア導波路に代えて光ファイバを用いてもよい。
【0141】
入力単一コアファイバに入力された光は、M×SD光スイッチ1203により、所望の出力MCFにおける所望のコアに結合するようにスイッチされる。
【0142】
(実施例22)
図28は、実施例22の光ノード装置を示す。
図28は、N=D=3、M=4、S=4の場合の例を示している。
図28に示すとおり、実施例22の光ノード装置は、入力部1301、出力部1302、挿入部1303、分離部1304を有する。実施例22の光ノード装置の入力部1301、出力部1302は、実施例12の光ノード装置の入力部1、出力部2と同じである。入力部1301及び出力部1302で使用されるCSSとして実施例1~11に記載のS(1×N)構成CSSのうちのいずれを使用してもよい。
【0143】
入力部1301を構成している各S(1×N)構成CSSは、S個のコアを有するMCFと接続される1個の入力ポートと、それぞれがS個のコアを有するMCFと接続されるN(D)個の出力ポートを有し、入力ポートのあるコア(コア番号をaとする)を伝搬してきた光信号を、任意の出力MCFポートの同一コア番号aをもつコアに出力することができる。CSSの具体的な構成例は実施例1~11において説明したとおりである。出力部1302において使用されるCSSは、入力部1301で使用されるCSSと同じものでよい。
【0144】
実施例22の光ノード装置は、その光ノード装置の入出力方路数D(
図28では、D=3)と等しい数のS(1×N)構成CSSを入力側(入力部1301)と出力側(出力部1302)にそれぞれ配置することで、ある入力方路(入力MCF)のあるコアを伝搬してきた光信号を切替え先の任意の出力方路(出力MCF)の同一コア番号のコアに送出することができる。また、その光ノード装置で挿入される光信号を所望の出力方路(出力MCF)の所望のコアに送出でき、その光ノード装置の所望の入力方路(入力MCF)の所望のコアを伝搬してきた光信号を分岐して受信することができる。
【0145】
実施例22の光ノード装置では、挿入部1303と分岐部1304のそれぞれにおいて、D個のS(1×M)構成CSSとM個の1×SD構成CSSを備える。S(1×M)構成CSSは、実施例1~11で説明したCSSでN=Mとしたものである。1×SD構成CSSは実施例15(
図20)及び実施例20(
図26)で説明したCSSである。
【0146】
挿入部1303におけるM個の1×SD構成CSSはそれぞれD本の出力MCFと接続し、各出力MCFは、D個のS(1×M)構成CSSのうちの1つのS(1×M)構成CSSに接続される。D個のS(1×M)構成CSSにおける各S(1×M)構成CSSの出力MCFは、出力部1302における1つのS(1×N)CSSに接続される。
【0147】
入力部1301のD個のS(1×N)構成CSSにおける各S(1×N)CSSの1つの出力MCFは、分岐部1304における1つのS(1×M)構成CSSに接続される。分岐部1304におけるD個のS(1×M)構成CSSはそれぞれM本の出力MCFと接続し、各出力MCFは、M個の1×SD構成CSSのうちの1つの1×SD構成CSSに接続される。
【0148】
挿入部1303の1×SD構成CSSに接続された送信機から送信された光は、所望の方路のMCFの所望のコアへ出力される。光は、当該所望の方路のMCFに接続されるS(1×M)構成CSSを経由して、S(1×M)構成CSSに接続されるS(1×N)構成CSSに入力され、当該S(1×N)構成CSSから出力される。
図28の例では、送信機からの光は、「1×SD構成CSS1303-1―>S(1×M)構成CSS1303-2―>S(1×N)構成CSS1302-3」の経路で進行する。
【0149】
入力部1301に入力されるドロップされる光は、入力部1301のS(1×N)構成CSSから、分岐部1304における対応するS(1×M)CSSを経由して、所望の1×SD構成CSSに入力され、受信機に出力される。
図28の例では、ドロップされる光は、「S(1×N)構成CSS1301-1->S(1×M)構成CSS1304-2―>1×SD構成CSS1304-3」の経路で進行して受信機に入力される。
【0150】
実施例22により、送信機と受信機はそれぞれ、接続替えをすることなく、任意の出力MCF/入力MCFの任意のコアにアクセス可能である。また、コア競合も発生しない。
【0151】
(実施の形態のまとめ)
以上、説明した技術により、S個のコアを有する1本の入力MCFポートとS個のコアを有するN本の出力MCFポートをもち、入力MCFポートのあるコア(コア番号をaとする)を伝搬してきた光信号を、任意の出力MCFポートの同一コア番号aをもつコアに出力するコア選択スイッチを実現できる。また、ある入力方路(入力MCF)のあるコアを伝搬してきた光信号を任意の出力方路(出力MCF)の同一コア番号のコアに送出することができる。また、その光ノード装置で挿入される光信号を所望の出力方路(出力MCF)の所望のコアに送出でき、その光ノード装置の所望の入力方路(入力MCF)の所望のコアを伝搬してきた光信号を分岐して受信することができる。
【0152】
本明細書には、少なくとも、下記の各項に記載されたコア選択スイッチ、光ノード装置が開示されている。
(第1項)
空間チャネル光ネットワークを構成する光ノード装置におけるコア選択スイッチであって、
空間多重分離部と、光スイッチと、光配線部とを備え、
前記空間多重分離部は、S個のコアを有するMCFとコリメータレンズからなるMCFコリメータを複数個、直線上あるいは平面上に配置したMCFコリメータアレイであり、
前記光スイッチは、S個の反射角可変ミラーを前記MCF内のコア配置と相似形に配置した反射角可変ミラーアレイであり、
前記光配線部は、前記MCFコリメータアレイと前記反射角可変ミラーアレイとの間に配置されたステアリングレンズであり、
前記MCFコリメータアレイにおける複数のMCFのうち、入力MCFの各コアから出力された光ビームは、当該コアに対応付けられた反射角可変ミラーに集光した後、所望の出力MCFの対応するコアに結合するように反射される
ことを特徴とするコア選択スイッチ。
(第2項)
前記複数のMCFのうちの出力MCFの各コアに入力する光パワーを調整する可変光減衰器を備える
ことを特徴とする第1項に記載のコア選択スイッチ。
(第3項)
前記MCFは、単一コアファイバを直線上あるいは平面上に配置した構成である
ことを特徴とする第1項又は第2項に記載のコア選択スイッチ。
(第4項)
前記MCFは、複数のMCFを直線上あるいは平面上に配置した構成である
ことを特徴とする第1項又は第2項に記載のコア選択スイッチ。
(第5項)
空間チャネル光ネットワークを構成する光ノード装置におけるコア選択スイッチであって、
空間多重分離部と、光スイッチと、光配線部とを備え、
前記空間多重分離部は、S個のコアを有するMCFの各コアを単一コア導波路に接続する変換器を複数個備える導波路変換器アレイであり、当該複数の変換器のうちの一つを入力側変換器、残りを出力側変換器として用い、
前記光スイッチは、S個の1入力多出力光スイッチであり、
前記光配線部は、前記出力側変換器と前記S個の1入力多出力光スイッチとの間に配置される導波路又は光ファイバであり、
前記入力側変換器において、MCFの各コアに対応付けられた出力ポートから出力された光は、当該コアに対応付けられた1入力多出力光スイッチにより、所望の出力側変換器に接続されたMCFの対応するコアに結合するようにスイッチされる
ことを特徴とするコア選択スイッチ。
(第6項)
前記1入力多出力光スイッチの各出力又は各入力に可変光減衰器を配置した
ことを特徴とする第5項に記載のコア選択スイッチ。
(第7項)
前記入力側変換器のS個の出力ポートと前記S個の1入力多出力光スイッチのS個の入力ポートとの間に、S×S光スイッチを配置した
ことを特徴とする第5項又は第6項に記載のコア選択スイッチ。
(第8項)
入力部、出力部、挿入部、及び分岐部を備える光ノード装置であって、
第1項ないし第7項のうちいずれか1項に記載のコア選択スイッチを、前記入力部及び前記出力部のそれぞれにおいて用いる
ことを特徴とする光ノード装置。
(第9項)
空間チャネル光ネットワークを構成する光ノード装置におけるコア選択スイッチであって、
空間多重分離部と、光スイッチと、光配線部とを備え、
前記空間多重分離部は、単一コアを有する入力SMFと、S個のコアを有する出力SMFバンドルあるいは出力MCFをD個とを、直線上あるいは平面上に配置したファイバアレイであり、
前記光スイッチは、反射角可変ミラーであり、
前記光配線部は、前記ファイバアレイと、前記反射角可変ミラーとの間に配置されたステアリングレンズであり、
前記入力SMFから出力された光ビームは、前記反射角可変ミラーに集光した後、所望の出力SMFバンドルあるいは出力MCFの所望のコアに結合するように反射される
ことを特徴とするコア選択スイッチ。
(第10項)
空間チャネル光ネットワークを構成する光ノード装置におけるコア選択スイッチであって、
空間多重分離部と、光スイッチと、光配線部とを備え、
前記空間多重分離部は、M個の入力SMFが接続されたM個のコアを有するMCFとコリメータレンズとからなる入力MCFコリメータをN個と、S個のコアを有するMCFとコリメータレンズとからなる出力MCFコリメータをD個、直線上あるいは平面上に配置した出力MCFコリメータアレイとを有し、
前記光スイッチは、MN個の反射角可変ミラーからなるミラーアレイと、SD個の反射角可変ミラーからなるミラーアレイとを有し、
前記光配線部は,前記入力MCFコリメータと、前記MN個の反射角可変ミラーからなるミラーアレイとの間に配置されたステアリングレンズと、前記出力MCFコリメータアレイと、前記SD個の反射角可変ミラーからなるミラーアレイとの間に配置されたステアリングレンズと、前記2つのミラーアレイとの間に配置されたリレーレンズとを有し、
任意の入力SMFから出力された光ビームは、所望の出力MCFの所望のコアに結合するように、前記光スイッチを構成する反射角可変ミラーで反射される
ことを特徴とするコア選択スイッチ。
(第11項)
空間チャネル光ネットワークを構成する光ノード装置におけるコア選択スイッチであって、
空間多重分離部と、光スイッチと、光配線部とを備え、
前記空間多重分離部は、S個のコアを有するMCFの各コアを単一コア導波路に接続する出力側変換器をD個備える導波路変換器アレイであり、
前記光スイッチは、M個の入力SMFに接続されるM入力SD出力光スイッチであり、
前記光配線部は、前記導波路変換器アレイとM入力SD出力光スイッチとの間に配置される導波路又は光ファイバであり、
入力SMFから前記M入力SD出力光スイッチに入力された光は、当該M入力SD出力光スイッチにより、所望の出力側変換器に接続されたMCFの所望のコアに結合するようにスイッチされる
ことを特徴とするコア選択スイッチ。
(第12項)
入力部、出力部、挿入部、及び分岐部を備える光ノード装置であって、
第9項ないし第11項のうちいずれか1項に記載のコア選択スイッチを、前記挿入部及び前記分岐部のそれぞれにおいて用いる
ことを特徴とする光ノード装置。
【0153】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0154】
本特許出願は2019年2月27日に出願した日本国特許出願第2019-034602号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2019-034602号の全内容を本願に援用する。
【符号の説明】
【0155】
1、301、501、601、801、1301 入力部
2、302、502、602、802、1302 出力部
3、303、503、603、803、1303 挿入部
4、304、504、604、804、1304 分岐部