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▶ 堺財経電算合同会社の特許一覧

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  • 特許-回答装置及び回答方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】回答装置及び回答方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20231020BHJP
   H04L 51/02 20220101ALI20231020BHJP
【FI】
G06F16/90 100
H04L51/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023071911
(22)【出願日】2023-04-26
【審査請求日】2023-05-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521501831
【氏名又は名称】堺財経電算合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】堺 康行
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111858875(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112527972(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第114153948(CN,A)
【文献】特開2021-015460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
H04L 51/00-51/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の質問カテゴリー及び前記複数の質問カテゴリーのそれぞれに対応する回答メッセージを記憶するデータベースと、
ウェブサイトに表示されるチャット画面に入力されたメッセージを、前記ウェブサイトを提供するウェブサーバーより受信する受信部と、
対話型AI(対話型人工知能)に対して前記受信部により受信した前記メッセージが前記データベース内の前記複数の質問カテゴリーの何れに該当するかを選択させるための第1質問を送信し、前記対話型AIにおいて選択された前記質問カテゴリーを受信し、受信した前記質問カテゴリーに対応する前記回答メッセージを前記データベースから読み込む読込部と、
前記読込部により読み込まれた前記回答メッセージを前記チャット画面に表示させる前記メッセージに対する回答として前記ウェブサーバーに送信する送信部と、
前記受信部により受信した前記メッセージ及び該メッセージに対する回答として前記送信部により送信した前記回答メッセージを関連付けて記憶する記憶部と、を備え、
前記質問カテゴリーの中の一つは、前記メッセージを入力したユーザーの連絡先を登録するための連絡先登録カテゴリーであり、
前記読込部は、前記対話型AIにおいて前記連絡先登録カテゴリーが選択された場合、前記受信部により受信した前記メッセージに前記連絡先が含まれていると判断し、
前記記憶部は、前記読込部により前記メッセージに前記連絡先が含まれていると判断された場合、前記メッセージを前記連絡先を含むメッセージとして記憶することを特徴とする回答装置。
【請求項2】
前記読込部は、前記対話型AIにおいて2つ以上の前記質問カテゴリーが選択される場合、前記対話型AIに対して選択された質問カテゴリーのそれぞれの該当確率を問う第2質問を送信し、前記対話型AIより前記該当確率を受信し、
前記送信部は、前記読込部により読み込まれた2つ以上の前記質問カテゴリーのそれぞれに対応する前記回答メッセージを、前記該当確率が高い順に前記チャット画面に表示されるように送信することを特徴とする請求項1記載の回答装置。
【請求項3】
前記ウェブサーバーから前記記憶部に関連付けて記憶されている前記メッセージ及び前記回答メッセージへのアクセスを要求された場合、前記ウェブサーバーが前記記憶部に関連付けて記憶されている前記メッセージ及び前記回答メッセージへのアクセス権限を有していることを承認する第1承認部を更に備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の回答装置。
【請求項4】
前記ウェブサーバーから前記記憶部に記憶されている前記連絡先を含む前記メッセージへのアクセスを要求された場合、前記ウェブサーバーが前記記憶部に記憶されている前記連絡先を含む前記メッセージへのアクセス権限を有していることを承認する第2承認部を更に備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の回答装置。
【請求項5】
前記読込部は、前記対話型AIに対して所定の言語で前記第1質問を送信し、前記対話型AIから前記所定の言語で返答を受信することを特徴とする請求項1または請求項2記載の回答装置。
【請求項6】
ウェブサイトに表示されるチャット画面に入力されたメッセージに対して回答する回答装置を用いて、前記メッセージに対して回答する回答方法であって、
前記回答装置の制御部が、前記回答装置の受信部を介して前記メッセージを前記ウェブサイトを提供するウェブサーバーより受信する第1受信工程と、
前記制御部が、対話型AI(対話型人工知能)に対して前記第1受信工程において受信した前記メッセージが複数の質問カテゴリー及び前記複数の質問カテゴリーのそれぞれに対応する回答メッセージを記憶するデータベース内の前記複数の質問カテゴリーの何れに該当するかを選択させるための第1質問を送信する第1送信工程と、
前記制御部が、前記対話型AIにおいて選択された前記質問カテゴリーを受信する第2受信工程と
前記制御部が、受信した前記質問カテゴリーに対応する前記回答メッセージを前記データベースから読み込む読込工程と、
前記制御部が、前記読込工程において読み込まれた前記質問カテゴリーに対応する前記回答メッセージを、前記チャット画面に表示させる前記メッセージに対する回答として、前記ウェブサーバーに送信する第2送信工程と、
前記制御部が、前記第1受信工程において受信した前記メッセージ及び該メッセージに対する回答として前記第2送信工程において送信した前記回答メッセージを関連付けて記憶部に記憶させる記憶工程と、を含み、
前質問カテゴリーの中の一つは、前記メッセージを入力したユーザーの連絡先を登録するための連絡先登録カテゴリーであり、
前記対話型AIにおいて前記連絡先登録カテゴリーが選択された場合、前記制御部は、前記第1受信工程において受信した前記メッセージに前記連絡先が含まれていると判断し、前記記憶工程において前記メッセージを前記連絡先を含むメッセージとして前記記憶部に記憶させることを特徴とする回答方法。
【請求項7】
前記第1送信工程は、前記対話型AIにおいて2つ以上の前記質問カテゴリーが選択される場合、前記対話型AIに対して選択された質問カテゴリーのそれぞれの該当確率を問う第2質問を送信し、
前記第2受信工程は、前記対話型AIより前記該当確率を受信し、
前記第2送信工程は、前記読込工程において読み込まれた2つ以上の前記質問カテゴリーのそれぞれに対応する前記回答メッセージを、前記該当確率が高い順に前記チャット画面に表示されるように送信することを特徴とする請求項6記載の回答方法。
【請求項8】
前記ウェブサーバーから前記記憶部に関連付けて記憶されている前記メッセージ及び前記回答メッセージへのアクセスを要求された場合、前記ウェブサーバーが前記記憶部に関連付けて記憶されている前記メッセージ及び前記回答メッセージへのアクセス権限を有していることを、前記制御部が承認する第1承認工程を更に含むことを特徴とする請求項6または請求項7記載の回答方法。
【請求項9】
前記ウェブサーバーから前記記憶部に記憶されている前記連絡先を含む前記メッセージへのアクセスを要求された場合、前記ウェブサーバーが前記記憶部に記憶されている前記連絡先を含む前記メッセージへのアクセス権限を有していることを、前記制御部が承認する第2承認工程を更に含むことを特徴とする請求項6または請求項7記載の回答方法。
【請求項10】
前記第1送信工程は、前記対話型AIに対して所定の言語で前記第1質問を送信し、
前記第2受信工程は、前記対話型AIから前記所定の言語で返答を受信することを特徴とする請求項6または請求項7記載の回答方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力されたメッセージに対して自動回答する回答装置及び該回答装置を用いた回答方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウェブサイトのチャット画面に入力されたメッセージに対して自動で応答するコンピュータープログラム(チャットボット)が実装された自動応答サービスが知られている(例えば特許文献1参照)。また、チャットボットの一つとして、AI(人口知能)がチャット画面に入力されたメッセージを認識し、応答する対話型AI(人口知能)を用いた対話型自動応答サービスが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-81444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した対話型AIによる対話型自動応答サービスにおいては、入力されたメッセージに対して対話型AIがダイレクトに応答するため、入力されたメッセージに対して誤った情報や不適切な用語を含む回答を伝達する可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、対話型AIを用いたチャットボットにおいてチャット画面に入力されたメッセージに対する誤情報を含む回答及び社会通念上不適切な回答を防止する回答装置及び該回答装置を用いた回答方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の回答装置は、複数の質問カテゴリー及び前記複数の質問カテゴリーのそれぞれに対応する回答メッセージを記憶するデータベースと、ウェブサイトに表示されるチャット画面に入力されたメッセージを、前記ウェブサイトを提供するウェブサーバーより受信する受信部と、対話型AI(対話型人工知能)に対して前記受信部により受信した前記メッセージが前記データベース内の前記複数の質問カテゴリーの何れに該当するかを選択させるための第1質問を送信し、前記対話型AIにおいて選択された前記質問カテゴリーを受信し、受信した前記質問カテゴリーに対応する前記回答メッセージを前記データベースから読み込む読込部と、前記読込部により読み込まれた前記回答メッセージを前記チャット画面に表示させる前記メッセージに対する回答として前記ウェブサーバーに送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の回答装置は、前記読込部が、前記対話型AIにおいて2つ以上の前記質問カテゴリーが選択される場合、前記対話型AIに対して選択された質問カテゴリーのそれぞれの該当確率を問う第2質問を送信し、前記対話型AIより前記該当確率を受信し、前記送信部は、前記読込部により読み込まれた2つ以上の前記質問カテゴリーのそれぞれに対応する前記回答メッセージを、前記該当確率が高い順に前記チャット画面に表示されるように送信することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の回答装置は、前記受信部により受信した前記メッセージ及び該メッセージに対する回答として前記送信部により送信した前記回答メッセージを関連付けて記憶する記憶部を更に備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の回答装置は、前記読込部が、前記対話型AIに対して所定の言語で前記第1質問を送信し、前記対話型AIから前記所定の言語で返答を受信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の回答方法は、ウェブサイトに表示されるチャット画面に入力されたメッセージを、前記ウェブサイトを提供するウェブサーバーより受信する受信工程と、対話型AI(対話型人工知能)に対して受信工程において受信した前記メッセージが複数の質問カテゴリー及び前記複数の質問カテゴリーのそれぞれに対応する回答メッセージを記憶するデータベース内の前記複数の質問カテゴリーの何れに該当するかを選択させるための第1質問を送信し、前記対話型AIにおいて選択された前記質問カテゴリーを受信し、受信した前記質問カテゴリーに対応する前記回答メッセージを前記データベースから読み込む読込工程と、前記読込工程において読み込まれた前記質問カテゴリーに対応する前記回答メッセージを、前記チャット画面に表示させる前記メッセージに対する回答として、前記ウェブサーバーに送信する送信工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の回答方法は、前記読込工程は、前記対話型AIにおいて2つ以上の前記質問カテゴリーが選択される場合、前記対話型AIに対して選択された質問カテゴリーのそれぞれの該当確率を問う第2質問を送信し、前記対話型AIより前記該当確率を受信し、前記送信工程は、前記読込工程において読み込まれた2つ以上の前記質問カテゴリーのそれぞれに対応する前記回答メッセージを、前記該当確率が高い順に前記チャット画面に表示されるように送信することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の回答方法は、前記受信工程において受信した前記メッセージ及び該メッセージに対する回答として前記送信工程において送信した前記回答メッセージを関連付けて記憶する記憶工程を更に含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の回答方法は、前記読込工程が、前記対話型AIに対して所定の言語で前記第1質問を送信し、前記対話型AIから前記所定の言語で返答を受信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、対話型AIを用いたチャットボットにおいてチャット画面に入力されたメッセージに対する誤情報を含む回答及び社会通念上不適切な回答を防止する回答装置及び該回答装置を用いた回答方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態に係る回答装置を含むシステムの構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態に係るデータベースの一例を示す図である。
図3】実施の形態に係る回答装置を用いてチャット画面に入力されたメッセージに対して回答するために実行する処理について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る回答装置を含むシステムについて説明する。図1は、実施の形態に係る回答装置を含むシステムの構成を示すブロック図である。システム1は、図1に示すように、端末2、ウェブサーバー4、回答装置6、対話型AI(対話型人工知能)アプリ8を備えて構成されている。
【0017】
端末2は、スマートフォン、タブレットまたはパソコン等であって、ウェブサーバー4とインターネット等であるネットワークにより接続されている。端末2の図示しない表示部には、ウェブサーバー4よりネットワークを介して提供されるウェブサイトが表示され、端末2のユーザーは、ウェブサイトに表示されるチャット画面に端末2の図示しない入力部からメッセージをテキスト入力する。
【0018】
ウェブサーバー4は、端末2にウェブサイトを表示させるためのサーバーであって、端末2及び回答装置6とインターネット等であるネットワークにより接続されている。ウェブサーバー4は、端末2及び回答装置6とネットワークを介して通信する。具体的には、ウェブサーバー4は、端末2に対して、ウェブサイトを表示させるための画面情報等を送信し、端末2の入力部より入力されたメッセージのテキストデータ等を受信する。また、ウェブサーバー4は、回答装置6に対して、ウェブサーバー4が提供するウェブサイトであることを識別する識別子であるサイト識別キー(この実施の形態では「A」とする。)及び端末2より受信したテキストデータを送信し、回答装置6から後述する回答メッセージのテキストデータを受信する。
【0019】
回答装置6は、対話型AIアプリ8にAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)連携することにより対話型AIアプリ8を動作させるためのAPIサーバーであって、ウェブサーバー4とインターネット等であるネットワークにより接続されている。また、回答装置6は、対話型AIアプリ8とこれを格納するサーバー等(図示せず)を介してネットワークにより接続されている。なお、図1においては、回答装置6に1台のウェブサーバー4が接続されている場合を例示しているが、実際には複数台のウェブサーバーが接続される。この実施の形態では、回答装置6が複数台のウェブサーバー(ウェブサーバー4及び図示しない複数台のウェブサーバー)と接続されるものとして説明を行う。回答装置6は、ウェブサーバー4を介して端末2のチャット画面に入力されたメッセージを受取り、該メッセージに対する回答メッセージを提供する。同様に、回答装置6は、図示しない複数台のウェブサーバーのそれぞれから図示しない端末のチャット画面に入力されたメッセージを受取り、該メッセージに対する回答メッセージを提供する。
【0020】
回答装置6は、回答装置6の各部を統括的に制御する制御部10を備えており、制御部10には、データベース12、受信部14、読込部16、送信部18及び記憶部20が接続されている。
【0021】
データベース12は、複数の質問カテゴリー、及び複数の質問カテゴリーのそれぞれに対応する回答メッセージを記憶する。図2は、データベース12の一例を示す図である。図2に示すサイト識別キーA,B,C…は、回答装置6に接続されるウェブサイトを識別するためにウェブサイト毎(クライアント毎)に設定される識別子である。図2においては、サイト識別キーA(ウェブサーバー4が提供するウェブサイトであることを識別する識別子)のテーブル12aに記憶されている質問カテゴリー、及び質問カテゴリーに対応する回答メッセージを示す。
【0022】
同様に、データベース12は、図示しない所定のウェブサーバーが提供するウェブサイトであることを識別する識別子であるサイト識別キーB、図示しない別のウェブサーバーが提供するウェブサイトであることを識別する識別子であるサイト識別キーC…の質問カテゴリー、及び該質問カテゴリーに対応する回答メッセージを記憶する。
【0023】
図2においては、サイト識別キーAの質問カテゴリーとして、(1)「Fee(料金)」、(2)「Trial(トライアル)」、(3)「Available device(利用可能なデバイス)」、(4)「Start using(利用申込)」、(5)「Tell mail or phone number(連絡先登録)」…(n)「Other(その他)」を例に挙げている(nは自然数)。また、それぞれの質問カテゴリーの回答メッセージとして、(1)「料金についてですが…」、(2)「トライアルについては…」、(3)「利用可能なデバイとしては…」、(4)「利用申込ですね。連絡しますので…」、(5)「後ほどオペレーターよりご連絡…」…(n)「連絡しますので、連絡先を…」を例に挙げている。
【0024】
受信部14は、ウェブサーバー4(及び、図示しない他のウェブサーバー)が提供するウェブサイトを識別するためのサイト識別キーA(及びB,C…)並びに端末2(及び、図示しない他のウェブサーバーと接続されている他の端末)においてウェブサイトのチャット画面に入力されたメッセージのテキストデータを、ウェブサーバー4(及び、図示しない他のウェブサーバー)より受信する。
【0025】
読込部16は、対話型AIアプリ8に対して受信部14により受信したメッセージがデータベース12内の複数の質問カテゴリーの何れに該当するかを選択させるための第1質問を送信し、対話型AIアプリ8において選択された質問カテゴリーを受信し、受信した質問カテゴリーに対応する回答メッセージをデータベース12から読み込む。
【0026】
例えば、受信部14がサイト識別キーA及びメッセージMを受信した場合、読込部16においてデータベース12のテーブル12aに記憶されているサイト識別キーAの質問カテゴリーが読み込まれ、メッセージMがサイト識別キーAの何れの質問カテゴリーに該当(マッチング)するかを問う第1質問が対話型AIアプリ8に送信される。対話型AIアプリ8において選択された質問カテゴリーが対話型AIアプリ8より返されると、対話型AIアプリ8において選択された質問カテゴリーに対応する回答メッセージがデータベース12から読み込まれる。
【0027】
このとき、第1質問は、所定の言語(この実施の形態では英語)で対話型AIアプリ8に対して送信され、対話型AIアプリ8からの返答も所定の言語(この実施の形態では英語)でなされる。具体的には、メッセージMが所定の言語ではない言語(この実施の形態では日本語)で「申し込むには?」である場合、例えば第1質問として「Which of following categories does the question“申し込むには?”fall into?Answer short with number only.(1)Fee,(2)Trial,(3)Available device,(4)Start using,(5)Tell mail or phone number…(n)Other」(日本語訳:「申し込むには?」は以下のカテゴリーどれに該当しますか。数字で簡潔に答えてください。(1)料金、(2)トライアル、(3)利用可能なデバイス、(4)利用申込、(5)連絡先登録…(n)その他)が対話型AIアプリ8に送信される。
【0028】
所定の言語は、対話型AIアプリ8のAI(人口知能)に質問の意図を容易に明確化可能な言語(言語の特性上、日本語より英語の方が質問の意図を明確に伝えやすい)、AIのトレーニング(学習)が進んでおりAIの高い理解力が得られる言語(例えば対話型AIアプリ8の開発国の母国語など)であることが望ましい。また、所定の言語は、対話型AIアプリ8の利用料金を安価に抑えられる言語(従量課金の場合、第1質問及び第1質問に対する返答はトークン数に変換され、変換されたトークン数に基づき課金される。英語のトークン数は日本語のトークン数より少ない。)であることが望ましい。
【0029】
送信部18は、読込部16により読み込まれた回答メッセージのテキストデータを、端末2(及び、図示しない他のウェブサーバーと接続されている他の端末)のチャット画面に表示させるメッセージに対する回答として、ウェブサーバー4(及び、図示しない他のウェブサーバー)に送信する。
【0030】
記憶部20は、受信部14により受信したサイト識別キー及びメッセージ、並びに該メッセージに対する回答として送信部18により送信した回答メッセージを送受信日等とともに関連付けて記憶する。制御部10は、マーケティング等を目的としたウェブサーバー4(及び、図示しない他のウェブサーバー)からの要求に対して、ウェブサーバー4が記憶部20に紐付けて記憶されているサイト識別キー、メッセージ及び回答メッセージ等を含む情報へのアクセス権限を有していることを確認した後、ウェブサーバー4(及び、図示しない他のウェブサーバー)に対して記憶部20に記憶されている該情報へのアクセスを承認する。
【0031】
なお、データベース12に記憶されている回答メッセージの中には、連絡先の入力を促す用語を含むものがある。該回答メッセージが送信部18により送信された後、端末2(及び、図示しない他のウェブサーバーと接続されている他の端末)のチャット画面に入力された電話番号やメールアドレス等の連絡先を含むメッセージを受信部14において受信した場合など、該メッセージに該当する質問カテゴリーとして質問カテゴリー(5)連絡先登録(連絡先登録カテゴリー)が対話型AIアプリ8により選択される。このように、対話型AIアプリ8において連絡先登録カテゴリーが選択された際、制御部10は、オペレーター等が連絡先に連絡することができるように、該当するメッセージに電話番号やメールアドレス等の連絡先が含まれていることを示す信号とともに、記憶部20に記憶させる。制御部10は、オペレーターが端末2(及び、図示しない他のウェブサーバーと接続されている他の端末)のユーザーに連絡することを目的としたウェブサーバー4(及び、図示しない他のウェブサーバー)からの要求に対して、ウェブサーバー4(及び、図示しない他のウェブサーバー)が記憶部20に記憶されている連絡先を含むメッセージへのアクセス権限を有していることを確認した後、ウェブサーバー4(及び、図示しない他のウェブサーバー)に対して記憶部20に記憶されている連絡先を含むメッセージへのアクセスを承認する。
【0032】
次に、図面を参照して、実施の形態に係る回答装置6を用いて端末2のチャット画面に入力されたメッセージMに対して回答する回答方法について説明する。図3は、端末2のチャット画面に入力されたメッセージMに対して回答するために回答装置6が実行する処理について説明するためのフローチャートである。
【0033】
まず、端末2の図示しない表示部に表示されるウェブサイトのチャット画面にメッセージMが入力され、メッセージMのテキストデータが端末2よりウェブサーバー4に送信されると、制御部10は、ウェブサーバー4よりサイト識別キーA及びメッセージMのテキストデータを受信部14を介して受信する(ステップS1)。
【0034】
次に、制御部10は、ステップS1において受信したサイト識別キーAに基づいて、データベース12に記憶されている質問カテゴリーを取得する(ステップS2)。具体的には、制御部10は、図2に示すサイト識別キーAのテーブル12aに記憶されている質問カテゴリーを読み込む。そして、制御部10は、対話型AIアプリ8に対してメッセージMがテーブル12aにおける複数の質問カテゴリーの何れに該当するかを選択させるための第1質問を送信し(ステップS3)、対話型AIアプリ8より返答、即ち対話型AIアプリ8において選択された質問カテゴリーを受信する(ステップS4)。なお、第1質問は、所定の言語(この実施の形態では英語)で対話型AIアプリ8に対して送信され、対話型AIアプリ8からの返答も所定の言語(この実施の形態では英語)でなされる。
【0035】
次に、制御部10は、読込部16に、対話型AIアプリ8が選択した質問カテゴリーに対応する回答メッセージをデータベース12のテーブル12aから読み込ませる(ステップS5)。
【0036】
更に、制御部10は、ステップS5において読み込まれた質問カテゴリーに対応する回答メッセージを、端末2のチャット画面に表示させるメッセージMに対する回答として、送信部18を介してウェブサーバー4に送信する(ステップS6)。次に、制御部10は、ステップS1において受信したサイト識別キーA及びメッセージM、並びにメッセージMに対する回答としてステップS6において送信した回答メッセージを送受信日等とともに関連付けて記憶する(ステップS7)。
【0037】
上述したように、送信部18が送信する回答メッセージの中には、連絡先の入力を促す用語を含むものがあり、ステップS1において電話番号やメールアドレス等の連絡先を含むメッセージを受信する場合がある。この場合、該メッセージに該当する質問カテゴリーとして質問カテゴリー(5)連絡先登録(連絡先登録カテゴリー)が対話型AIアプリ8により選択される。このように、対話型AIアプリ8において連絡先登録カテゴリーが選択されると(ステップS8:Yes)、制御部10は、メッセージMに電話番号やメールアドレス等の連絡先が含まれていると判断し、メッセージMに連絡先が含まれていることを示す信号とともにメッセージMを連絡先を含むメッセージとして記憶部20に記憶させる(ステップS9)。一方、対話型AIアプリ8において連絡先登録カテゴリーが選択されていない場合(ステップS8:No)、制御部10は、ステップS8の処理を行わず、図3のフローチャートに示す処理を終了する。
【0038】
なお、ステップS7において記憶された情報は、マーケティング等を目的としたウェブサーバー4からの要求に対して、ウェブサーバー4が記憶部20に記憶されている該情報へのアクセス権限を有していることを制御部10が承認した後、ウェブサーバー4により記憶部20に記憶されている該情報にアクセスされ、取得される。また、ステップS9において記憶された情報(連絡先を含むメッセージM)は、オペレーターが端末2のユーザーに連絡することを目的としたウェブサーバー4からの要求に対して、ウェブサーバー4が記憶部20に記憶されている連絡先を含むメッセージMへのアクセス権限を有していることを制御部10が承認した後、ウェブサーバー4により記憶部20に記憶されている連絡先を含むメッセージMにアクセスされ、取得される。
【0039】
この実施の形態によれば、チャット画面に入力されたメッセージに対して、対話型AIアプリ8がダイレクトに回答せずに、回答装置6を介して回答するため、メッセージに対して誤った情報や不適切な用語を含む回答を伝達することを抑止することができる。また、対話型AIアプリ8にダイレクトに回答させる場合、チャット画面に入力されたメッセージに対して正確な回答を得るために、ウェブサイトにて提供するプロダクト等の知識をAIに事前に伝えた上で回答させる必要が生じる。具体的には、チャット画面に入力されたメッセージに、プロダクトに関する情報(プロダクト名、プロダクトの価格等)及び該情報を覚えてから回答する指示等を追加した状態でAIに質問する必要がある。しかしながら、この実施の形態に係る回答装置及び回答方法によれば、対話型AIアプリ8が質問カテゴリーを選択する方式であるから、ウェブサイトにて提供するプロダクト等の知識をAIに事前に学習させる必要もなく、対話型AIアプリ8がダイレクトに回答するより正確な回答を得ることができる。
【0040】
なお、上述の実施の形態においては、メッセージが質問カテゴリー(1)料金、(2)トライアル、(3)利用可能なデバイス、(4)利用申込、(5)連絡先登録…(n-1)…の何れにも該当しない場合、対話型AIアプリ8が(n)「その他」を選択するように構成されている。これを、例えば(n1)「Small talk(雑談)」、(n2)「Meaningless string(無意味な文字列)」、(n3)「Other(その他)」のように、細分化し、それぞれの質問カテゴリーに対応する回答メッセージを提供する構成にしてもよい。具体的には、雑談に対応する回答メッセージとして適当な雑談(固定文書)を、無意味な文字列に対応する回答メッセージとして「意味が解りません。」等の返答を提供する。そして、(1)料金、(2)トライアル、(3)利用可能なデバイス、(4)利用申込、(5)連絡先登録…(n-1)…(n1)雑談、(n2)無意味な文字列の何れにも該当しない場合、対話型AIアプリ8が(n3)「その他」を選択する。
【0041】
また、上述の実施の形態においては、対話型AIアプリ8が1つのメッセージに対して1つの質問カテゴリーを選択する場合を例に挙げて説明したが、1つのメッセージに対して複数の質問カテゴリーを選択する構成にしてもよい。例えば、対話型AIアプリ8に対して、複数の質問カテゴリーを選択し、且つ質問カテゴリーそれぞれの該当確率を問う第2質問を送信し、対話型AIアプリ8より所定数の質問カテゴリー及び各質問カテゴリーの該当確率を受信するようにしてもよい。この場合、第2質問において、対話型AIアプリ8が選択する質問カテゴリーの数を指定してもよく、または選択する質問カテゴリーの数を指定せずに対話型AIアプリ8が選択する質問カテゴリーの数を決定するように指示してもよい。
【0042】
複数の質問カテゴリーを選択する場合、読込部16は、各質問カテゴリーに対応する回答メッセージをデータベース12から読み込み、送信部18は、読込部16により読み込まれた各質問カテゴリーに対応する回答メッセージを、該当確率の高い順に端末2のチャット画面に表示されるように送信する。具体的には、送信部18は、「(該当確率が最も高い回答メッセージ)。または(該当確率が2番目に高い質問カテゴリー)というご質問意図でしたら、(該当確率が2番目に高い回答メッセージ)。」と、端末2のチャット画面に表示されるように送信する。このように回答することにより、端末2のユーザーが再び質問する手間を省くことができる。
【符号の説明】
【0043】
1…システム、2…端末、4…ウェブサーバー、6…回答装置、8…対話型AIアプリ、10…制御部、12…データベース、14…受信部、16…読取部、18…送信部、20…記憶部。
【要約】      (修正有)
【課題】対話型AIを用いたチャットボットにおいてチャット画面に入力されたメッセージに対する誤情報を含む回答及び社会通念上不適切な回答を防止する回答装置及び回答方法を提供する。
【解決手段】システム1において、回答装置は、複数の質問カテゴリー及び複数の質問カテゴリーの夫々に対応する回答メッセージを記憶するデータベースと、ウェブサイトに表示されるチャット画面に入力されたメッセージをウェブサーバーから受信する受信部と、対話型AIに対して、受信したメッセージがデータベース内の複数の質問カテゴリーの何れに該当するかを選択させるための第1質問を送信し、対話型AIが選択した質問カテゴリーを受信し、受信した質問カテゴリーに対応する回答メッセージをデータベースから読み込む読込部と、読込部が読み込んだ回答メッセージをチャット画面に表示させるメッセージに対する回答としてウェブサーバーに送信する送信部と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3