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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】電流センサ及び電力量計
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/18 20060101AFI20231020BHJP
   G01R 22/06 20060101ALI20231020BHJP
【FI】
G01R15/18 B
G01R22/06 130A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019082101
(22)【出願日】2019-04-23
(65)【公開番号】P2020180797
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】311002034
【氏名又は名称】富士電機メーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗原 晋
(72)【発明者】
【氏名】山内 芳准
(72)【発明者】
【氏名】原山 滋章
【審査官】青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-186255(JP,A)
【文献】特開2004-119926(JP,A)
【文献】特開2009-204415(JP,A)
【文献】特開平01-113674(JP,A)
【文献】特開2007-232669(JP,A)
【文献】特開平05-072051(JP,A)
【文献】特開2014-096433(JP,A)
【文献】特開2012-181208(JP,A)
【文献】特開2007-278938(JP,A)
【文献】特開2012-251864(JP,A)
【文献】特開2020-180797(JP,A)
【文献】特開2008-172874(JP,A)
【文献】特開平09-304127(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0253109(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0257061(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/18
G01R 22/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出すべき電流が流れる電流バーと、
前記電流に対応する磁気を誘起電圧として検出する磁気検出コイルと、
前記磁気検出コイルに発生した誘起電圧をもとに前記電流を計測する計測部とを有した電流センサであって、
前記磁気検出コイルが配置される基板に温度を検出する温度検出部を備え、
前記磁気検出コイルは、前記基板上に形成されたコイルパターンであり、
前記温度検出部は、前記基板上に前記コイルパターンとは電気的に分離された測温抵抗体のパターンを形成し、前記パターンの抵抗値の変化をもとに前記温度を検出し、
前記測温抵抗体のパターンは、前記磁気検出コイルの配置領域と同一領域内であって前記基板の異なる層に配置されることを特徴とする電流センサ。
【請求項2】
前記磁気検出コイルは、前記電流バーを囲むように形成された集磁コアに形成された1以上の空隙に配置されることを特徴とする請求項に記載の電流センサ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載した電流センサが検出した電流信号と電圧センサが検出した電圧信号とをもとに前記電流バーに流れる電力量を算出することを特徴とする電力量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡易な構成で発熱による異常を検出することができる電流センサ及び電力量計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられている電流センサとしては、変流器(カレントトランス:CT)や、集磁コアのギャップ部にホール素子などの磁電変換素子を配置した構成や、集磁コアのギャップ部に、巻線コイルや誘電体基板上にコイルパターンを形成した素子をもつ構成などがある。特に、集磁コアのギャップ部に、基板上にホール素子などの磁電変換素子やコイルパターンを形成した素子を配置する方法は、測定対象である一次電流が流れる回路とは電気的に分離されているため、一次電流側の回路に影響を与えることなく、精度よく電流を計測可能な点で優れている。さらにコイルパターンを形成した素子を配置する方法は、直線性および温度特性に優れ、部品点数が少なく製造が容易となる特徴を有する(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された電流センサは、環状の集磁コアの中央開口部に電流バーを通し、集磁コアのギャップ部にコイルパターンが施された基板を配置するものである。電流バーに電流が流れると、電流路の周辺には、電流バーに流れる電流の大きさに比例する磁束が発生する。発生した磁束は、集磁コアによって集磁される。電流が周期的電流である場合、その周期に応じて発生する磁束も周期的に変化する。これにより、コイルパターンをもつ検出コイルには、電流の大きさ及び周波数に応じた誘導電圧が発生し、この誘導電圧を電流バーに流れる電流の検出信号として用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-48755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、集磁コアのギャップ部に磁電変換素子を配置する電流センサは、電流計測が可能であるが、温度を検出することができないため、接触不良によって電流バーや端子部に異常発熱が生じた場合、この異常を検出することができないという問題があった。これに対し、温度センサを別に設けて発熱による異常を検出することはできるが、別途、温度センサを追加する設置を行うとコストがかかる。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で発熱による異常を検出することができる電流センサ及び電力量計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる電流センサは、検出すべき電流が流れる電流バーと、前記電流に対応する磁気を誘起電圧として検出する磁気検出コイルと、前記磁気検出コイルに発生した誘起電圧をもとに前記電流を計測する計測部とを有した電流センサであって、前記磁気検出コイルが配置される基板に温度を検出する温度検出部を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる電流センサは、上記の発明において、前記温度検出部は、前記基板上に測温抵抗体のパターンを形成し、前記パターンの抵抗値の変化をもとに前記温度を検出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる電流センサは、上記の発明において、前記磁気検出コイルは、前記基板上に形成されたコイルパターンであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる電流センサは、上記の発明において、前記測温抵抗体のパターンは、前記磁気検出コイルの配置領域と同一領域内であって異なる層に配置されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる電流センサは、上記の発明において、前記温度検出部は、前記電流バーに流れる電流の周波数よりも低い周波数あるいは直流の電流を前記測温抵抗体に印加して温度検出を行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる電流センサは、上記の発明において、前記磁気検出コイルは、前記電流バーを囲むように形成された集磁コアに形成された1以上の空隙に配置されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる電力量計は、上記の発明のいずれか一つに記載した電流センサが検出した電流信号と電圧センサが検出した電圧信号とをもとに前記電流バーに流れる電力量を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡易な構成で発熱による異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施の形態である電流センサの概要構成を示す斜視図である。
図2図2は、基板の構成を示す模式図である。
図3図3は、測温抵抗体の抵抗値の温度依存性を示す図である。
図4図4は、変形例1による基板の構成を説明する説明図である。
図5図5は、変形例2による基板の構成を説明する説明図である。
図6図6は、変形例3による基板の構成を説明する説明図である。
図7図7は、本変形例4である電流センサの概要構成を示す斜視図である。
図8図8は、図7に示した電流センサを電流バーの軸方向からみた模式図である。
図9図9は、実施の形態及び変形例で示した電流センサを用いた電力量計の一例を示すブロック図である。
図10図10は、三相電流及び三相電圧間のベクトル図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態である電流センサ10の概要構成を示す斜視図である。また、図2は、基板3の構成を示す模式図である。図1に示すように、電流センサ10は、電流を流す電流バー2を囲むように形成された集磁コア1及び基板3を有する。基板3は、集磁コア1のギャップ1aに介在して磁気検出を行う磁気検出コイル4、温度によって抵抗値が変化する測温抵抗体5、及び、磁気検出コイル4に発生した誘起電圧をもとに電流を計測するとともに、測温抵抗体5の抵抗値の変化をもとに温度を計測する計測部6を有する。
【0018】
図2に示すように、磁気検出コイル4は、ギャップ1aのギャップ領域Eに配置され、測温抵抗体5及び計測部6は、ギャップ領域E外に配置される。磁気検出コイル4及び測温抵抗体5は、同一のコイルパターンが形成される。それぞれのコイルパターンは、例えば銅などによって形成される。
【0019】
計測部6は、電流計測部7及び温度計測部8を有する。電流計測部7は、磁気検出コイル4の端子4a,4bから入力される誘起電圧をもとに電流バー2に流れる電流を計測する。温度計測部8は、測温抵抗体5の端子5a,5bを介して測温抵抗体5に電流を印加し、測温抵抗体5の抵抗値の変化によって温度を計測する。なお、磁気検出コイル4及び電流計測部7は、電流検出部11であり、測温抵抗体5及び温度計測部8は、温度検出部12である。計測部6は、電流計測部7が計測した電流及び温度計測部8が計測した温度を、端子9を介して外部出力する。
【0020】
温度計測部8は、例えば、図3に示すように、測温抵抗体5の抵抗値の温度依存性をもとに、測定した抵抗値から温度を計測する。温度計測部8は、例えば、抵抗値が16Ωである場合、温度を20℃として計測する。そして、図示しない外部装置は、温度が80℃を超える場合、異常が発生したものと判定する。すなわち、温度検出部12は、電流バー2や電流バー2の端子接続部の温度上昇を検出することができる。
【0021】
温度計測部8が測温抵抗体5に印加する電流は、測温抵抗体5がギャップ領域E外に配置されているため、交流であってもよく、電流バー2に流れる電流の周波数よりも低い周波数としてもよい。測温抵抗体5への交流電流印加は、温度測定の電力ロスを低減することができる。なお、測温抵抗体5に印加する電流は、直流であってもよい。
【0022】
なお、温度検出部12は、端子5a,5bと測温抵抗体5との間の配線長などによる抵抗値測定誤差を低減するため、例えば3導線方式が4導線方式によって温度計測を行ってもよい。
【0023】
本実施の形態では、電流検出部11が配置される基板3に、温度検出部12を設けているので、別途、温度検出部12を設置する必要がないため、簡易な構成で、温度検出が可能な電流センサ10を実現できる。また、磁気検出コイル4及び測温抵抗体5は、同一パターンとしているため、基板3の設計及び製造も容易になる。
【0024】
<変形例1>
図4は、変形例1による基板13の構成を説明する説明図である。本変形例1では、基板3に対応する基板13を4層構造とする多層基板としている。基板13は、4層の基板13-1~13-4からなる多層基板である。磁気検出コイル4に対応する磁気検出コイル14-1~14-4がギャップ領域Eにおいて4層構造になっているとともに、測温抵抗体5に対応する測温抵抗体15-1,15-2が2層構造となっている。なお、測温抵抗体15-1,15-2は、コイル状ではなく、ジグザグのミアンダ状パターンとしている。第1層の基板13-1には、磁気検出コイル14-1及び測温抵抗体15-1が形成される。第2層の基板13-2には、磁気検出コイル14-2及び測温抵抗体15-2が形成される。第3層の基板13-3には、磁気検出コイル14-3が形成される。第4層の基板13-4には、磁気検出コイル14-4が形成される。
【0025】
第1層の基板13-1において、端子4aに接続されるビアb1に、磁気検出コイル14-1が接続される。磁気検出コイル14-1は、ビアb2を介して第2層の基板13-2に形成された磁気検出コイル14-2に接続される。さらに、磁気検出コイル14-2は、ビアb3を介して第3層の基板13-3に形成された磁気検出コイル14-3に接続される。さらに、磁気検出コイル14-3は、ビアb4を介して第4層の基板13-4に形成された磁気検出コイル14-4に接続される。そして、磁気検出コイル14-4は、ビアb5を介して第1層の配線14aに接続され、さらにビアb6を介して端子4bに接続される。すなわち、変形例1の磁気検出コイルは、磁気検出コイル14-1~14-4がギャップ領域E内で多層に重畳配置される。これにより、狭い領域であっても、磁気検出感度を向上させることができる。
【0026】
一方、第1層の基板13-1において、端子5aに接続されるビアb11に、ミアンダ状パターンの測温抵抗体15-1が接続される。測温抵抗体15-1は、ビアb12を介して第2層の測温抵抗体15-2に接続される。さらに、測温抵抗体15-2は、ビアb13を介して第1層に接続されている端子5bに接続される。すなわち、変形例1の測温抵抗体は、ミアンダ状パターンの測温抵抗体15-1,15-2がギャップ領域E外で多層に重畳配置される。なお、測温抵抗体15-1,15-2は、さらに多層配置してもよいし、他の層に配置してもよい。これにより、狭い領域であっても、測温抵抗体の抵抗値の変化を大きくすることができ、温度測定の精度を高めることができる。
【0027】
<変形例2>
図5は、変形例2による基板23の構成を説明する説明図である。本変形例2では、基板23-1~23-6からなる6層構造の基板23とし、変形例1における測温抵抗体15-1,15-2に対応する測温抵抗体25-1,25-2をそれぞれ第5層の基板23-5,23-6に形成している。なお、第1層から第4層までの基板23-1~23-4には、変形例1と同じ磁気検出コイル14-1~14-4が形成されている。そして、磁気検出コイル14-1~14-4及び測温抵抗体25-1,25-2は、すべてギャップ領域E内で多層に重畳配置される。ただし、測温抵抗体25-1,25-2は、測温抵抗体15-1,15-2に比べて、ビアb2,b4の存在のため、中央部分の蛇行長が短くなっている。
【0028】
本変形例2では、基板の広さを大きくすることなく、温度検出部12を電流センサ10に組み込むことができる。なお、測温抵抗体25-1,25-2は、ギャップ領域E内に配置されるため、測温抵抗体25-1,25-2に印加される電流は、磁気検出コイル14-1~14-4に与える影響をなくすため、直流が印加されることになる。
【0029】
<変形例3>
図6は、変形例3による基板33の構成を説明する説明図である。変形例1,2では、多層基板を用いた一例を示したが、本変形例3の多層基板である基板33は、半導体プロセスなどによって多層化するのではなく、2つの基板33a,33bを接着によって1つの基板を形成している。例えば、基板33aは、磁気検出コイルが多層化された基板であり、基板33bは、測温抵抗体が多層化された基板である。
【0030】
<変形例4>
上記の実施の形態及び変形例1~3では、基板3,13,23,33を集磁コア1のギャップ1aに配置されることを前提としたものであったが、本変形例4では、電流バー2の周囲に基板が配置された電流センサに適用するものである。
【0031】
図7は、本変形例4である電流センサ43の概要構成を示す斜視図である。また、図8は、図7に示した電流センサ43を電流バー2の軸方向からみた模式図である。図7及び図8において、電流センサ43は、電流を流す電流バー2の周囲に形成される磁界を測定して電流バー2に流れる電流を検出する。電流センサ43は、同一のコイルパターンが形成された、2つの一対の基板43a,43c、43b,43dがそれぞれ電流バー2の軸Cに対して対称に配置される。4つの基板43a~43dは、それぞれ電流バー2の周囲に等角度間隔で、電流バー2の軸Cを中心に90度間隔で設けられる。基板43a~43dは、コイルパターンが形成されるコイルパターン面と、測定対象の磁束φとの角度が直角になるように設けられる。
【0032】
各基板43a~43dに形成されるコイルパターンは、磁束φによって生ずる誘起電圧が端子4aから順次加算されるように接続線42で直列接続される。接続線42の終端部側である基板43dからの戻り線41は、接続線42に沿わせて接続線42の始端部側の端子4bに接続される。
【0033】
すなわち、各基板43a~43dに形成されるコイルパターンは、磁束φの方向からみて誘起電圧が全て同じ巻き方向となるように形成されて加算され、かつ、接続線42及び戻り線41による誘起電圧の影響をキャンセルするようにしている。
【0034】
ここで、例えば、基板43aには、測温抵抗体が形成された基板45が接着され、1つの基板を形成している。なお、基板43a内に端子4a,4bからの誘起電圧をもとに電流を計測する電流計測部7を設けるとともに、基板45内に端子5a,5bから取得した抵抗値をもとに温度計測する温度計測部8を設けるようにしてもよい。なお、基板45内の測温抵抗体には直流が印加される。
【0035】
なお、電流センサ43は、主として各基板43a~43d,45を電流バー2の周りに支持する支持ケース100を有する。この支持ケース100は、絶縁材によって形成される。
【0036】
<電力量計>
図9は、実施の形態及び変形例1~4で示した電流センサを用いた電力量計200の一例を示すブロック図である。この電力量計200は、電源SPと負荷LDとの間の三相電力量を計測するものであり、2電力計法により求めている。なお、図10は、三相電流IR,IS,IT及び三相電圧VR,VS,VT間のベクトル図を示している。
【0037】
図9に示すように、電力量計200は、実施の形態及び変形例1~4で示した電流センサ10に対応する電流センサ10a,10b、電圧センサ201a,201b、電力量算出部202、出力部203を有する。電流センサ10aは、R相の電流信号を検出する。電流センサ10bは、T相の電流信号を検出する。また、電圧センサ201aは、R相とS相との間の電圧信号を検出する。電圧センサ201bは、T相とS相との間の電圧信号を検出する。
【0038】
電力量算出部202は、電流センサ10aの電流信号と電圧センサ201aの電圧信号とを乗算して瞬時電力信号を生成し、これをローパスフィルタで平滑した有効電力を求めるとともに、電流センサ10bの電流信号と電圧センサ201bの電圧信号とを乗算して瞬時電力信号を生成し、これをローパスフィルタで平滑した有効電力を求め、各有効電力を加算した有効電力を電力量として算出する。出力部203は、この算出された電力量を表示出力あるいは外部出力する。
【0039】
なお、2電力計法で求める三相電力Pは、
P=VRS・IR+VTS・IT
=(VR-VS)・IR+(VT-VS)・IT
=VR・IR+VS・(-IR-IT)+VT・IT
=VR・IR+VS・IS+VT・IT
となり、各相の電力を合計した電力を求めたことと同じになる。
【0040】
なお、上記の実施の形態及び変形例では、測温抵抗体を用いた温度計測を行うようにしていたが、これに限らず、例えば熱電対を基板上に形成して温度計測を行うようにしてもよい。
【0041】
また、上記の実施の形態及び変形例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置及び構成要素の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 集磁コア
1a ギャップ
2 電流バー
3,13,13-1~13-4,23,23-1~23-6,33,33a,33b,43a~43d,45 基板
4,14-1~14-4 磁気検出コイル
4a,4b,5a,5b,9 端子
5,15-1,15-2,25-1,25-2 測温抵抗体
6 計測部
7 電流計測部
8 温度計測部
10,10a,10b,43 電流センサ
11 電流検出部
12 温度検出部
14a 配線
41 戻り線
42 接続線
100 支持ケース
200 電力量計
201a,201b 電圧センサ
202 電力量算出部
203 出力部
b1~b6,b11~b13 ビア
C 軸
E ギャップ領域
IR,IS,IT 三相電流
LD 負荷
P 三相電力
SP 電源
VR,VS,VT 三相電圧
φ 磁束
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10