(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】ゲートドライバ回路、モータドライバ回路、ハードディスク装置
(51)【国際特許分類】
H02M 1/08 20060101AFI20231020BHJP
H02P 27/06 20060101ALI20231020BHJP
H03K 17/687 20060101ALI20231020BHJP
H03K 17/16 20060101ALN20231020BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H02P27/06
H03K17/687 A
H03K17/16 H
(21)【出願番号】P 2019183507
(22)【出願日】2019-10-04
【審査請求日】2022-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】杉江 尚
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-207276(JP,A)
【文献】特開2010-093885(JP,A)
【文献】特開2012-227877(JP,A)
【文献】特開2016-012772(JP,A)
【文献】特開2019-114936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/08
H02P 27/06
H03K 17/687
H03K 17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチングトランジスタを駆動するゲートドライバ回路であって、
第1電流量と前記第1電流量より小さい第2電流量が切り替え可能な基準電流を生成する可変電流源と、
前記基準電流に比例したソース電流を前記スイッチングトランジスタのゲートにソースするソースイネーブル状態と、前記ソース電流がゼロとなるディセーブル状態と、が切り替え可能な電流分配回路と、
オン状態において前記スイッチングトランジスタのゲートをハイ電圧に固定する第1トランジスタと、
オン状態において前記スイッチングトランジスタのゲートをロー電圧に固定する第2トランジスタと、
を備
え、
前記電流分配回路は、前記ソースイネーブル状態と前記ディセーブル状態に加えて、前記基準電流に比例したシンク電流を前記スイッチングトランジスタからシンクするシンクイネーブル状態が切り替え可能であり、
前記電流分配回路は、
前記基準電流に比例した前記ソース電流および中間電流を生成する第1カレントミラー回路と、
前記中間電流に比例した前記シンク電流を生成する第2カレントミラー回路と、
前記中間電流の経路上に設けられた第2スイッチと、
を含むことを特徴とするゲートドライバ回路。
【請求項2】
前記電流源は、
オン、オフが切り替え可能であり、オン状態において前記スイッチングトランジスタのスルーレートを規定する第1電流を生成する第1電流源と、
前記第1電流より小さい第2電流を生成する第2電流源と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のゲートドライバ回路。
【請求項3】
前記第1電流源は、
定電流源と、
前記定電流源と直列に接続されるスイッチと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載のゲートドライバ回路。
【請求項4】
前記電流分配回路は、前記ソース電流の経路上に設けられた第1スイッチをさらに含むことを特徴とする請求項
1から3のいずれかに記載のゲートドライバ回路。
【請求項5】
前記第2電流量は、前記第1電流量の1/10より小さいことを特徴とする請求項1から
4のいずれかに記載のゲートドライバ回路。
【請求項6】
ひとつの半導体基板に集積化されることを特徴とする請求項1から
5のいずれかに記載のゲートドライバ回路。
【請求項7】
モータと接続される単相または三相のインバータ回路と、
前記インバータ回路を駆動する駆動部と、
を備え、
前記駆動部は、請求項1から
6のいずれかに記載のゲートドライバ回路を含むことを特徴とするモータドライバ回路。
【請求項8】
スピンドルモータと、
前記スピンドルモータを駆動する請求項
7に記載のモータドライバ回路と、
を備えることを特徴とするハードディスク装置。
【請求項9】
ボイスコイルモータと、
前記ボイスコイルモータを駆動する請求項
7に記載のモータドライバ回路と、
を備えることを特徴とするハードディスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲートドライバ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
モータドライバ、コンバータやインバータなどの電力変換装置、D級アンプなどさまざまなアプリケーションに、ハーフブリッジ回路、単相ブリッジ回路(フルブリッジ回路)、多相ブリッジ回路(以下、スイッチング回路と称する)が用いられる。
【0003】
図1は、スイッチング回路の基本構成を示す回路図である。スイッチング回路200は、ハイサイドトランジスタMH、ローサイドトランジスタML、ハイサイドドライバ202、ローサイドドライバ204、ロジック回路206を備える。
【0004】
スイッチング回路200は、(i)ハイサイドトランジスタMHがオン、ローサイドトランジスタMLがオフのハイ出力状態(VOUT=VIN)、(ii)ハイサイドトランジスタMHがオフ、ローサイドトランジスタMLがオンのロー出力状態(VOUT=0V)、(iii)ハイサイドトランジスタMHとローサイドトランジスタMLが両方、オフのハイインピーダンス状態の3状態をとる。
【0005】
ロジック回路206は、ハイサイドトランジスタMHのオン、オフを指示するハイサイド制御信号SHと、ローサイドトランジスタMLのオン、オフを指示するローサイド制御信号SLを生成する。
【0006】
ハイサイドドライバ202は、ハイサイド制御信号SHがオンレベル(たとえばハイ)であるとき、ハイサイドトランジスタMHのゲート電圧VGHをハイ電圧VHとし、ハイサイド制御信号SHがオフレベル(たとえばロー)であるとき、ゲート電圧VGHをロー電圧(VOUT)とする。
【0007】
同様にローサイドドライバ204は、ローサイド制御信号SLがオンレベルであるとき、ローサイドトランジスタMLのゲート電圧VGLをハイ電圧VDDとし、ローサイド制御信号SLがオフレベルであるとき、ゲート電圧VGLをロー電圧(0V)とする。
【0008】
いくつかのアプリケーションにおいて、出力電圧VOUTの傾きを制限したい場合があり、ハイサイドトランジスタMHやローサイドトランジスタMLのターンオンやターンオフの速度が調整される。そのために、ハイサイドドライバ202およびローサイドドライバ204には、スルーレートコントロール機能が実装される。スルーレートコントロールにより、ハイサイドトランジスタMHのゲート電圧VGH、ローサイドトランジスタMLのゲート電圧VGLの上昇速度や下降速度が制御される。
【0009】
図2は、スルーレートコントロール機能を備えるドライバ回路600の回路図である。ローサイドドライバ600は、電流源602、カレントミラー回路604,606、第1トランジスタM61、第2トランジスタM62を含む。このローサイドドライバ600は、図示しないロジック回路によって生成される4つの信号S61~S62(
図1の制御信号S
Lに相当)に応じて制御される。
【0010】
電流源602は、スルーレートを規定する定電流ISRを生成する。
【0011】
ローサイドトランジスタMLをターンオンさせるときに、スイッチSW63がオンとなり、カレントミラー回路604は、定電流ISRに比例するオン電流IONを、ローサイドトランジスタMLのゲートにソースする。その結果、トランジスタMLのゲート電圧VGLは、オン電流IONに比例した傾きで上昇する。またカレントミラー回路604は、定電流ISRをコピーし、カレントミラー回路606に供給する。
【0012】
ローサイドトランジスタMLのターンオンが完了すると、第1トランジスタM61がオンとなり、ゲート電圧VGLがハイ電圧VDDに固定される。またスイッチSW63はオフとなる。
【0013】
ローサイドトランジスタMLをターンオフさせるときに、スイッチSW64がオンとなり、定電流ISR’に比例するオフ電流IOFFを、ローサイドトランジスタMLのゲートからシンクする。その結果、トランジスタMLのゲート電圧VGLは、オフ電流IOFFに比例した傾きで下降する。
【0014】
ローサイドトランジスタMLのターンオフが完了すると、第2トランジスタM62がオンとなり、ゲート電圧VGLがロー電圧0Vに固定される。またスイッチSW64はオフとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明者は
図2のドライバ回路600について検討した結果、以下の課題を認識するに至った。電流源602が生成する電流I
SRは、ローサイドトランジスタMLの状態にかかわらず、常に流れ続けている。この電流I
SRは数mAと無視できないオーダーであるため、無駄な電力を消費している。
【0016】
消費電力を削減するために、ハイサイドトランジスタMHのターンオン、ターンオフの期間だけ電流源602をオンし、残りの期間は電流源602をオフしておくアプローチも考えられる。しかしながらこの手法では、電流源602をオフするたびに、カレントミラー回路604と電流源602の接続ノードN61の電位が変動し、次に電流源602をオンしたときに、そのノードN61の電位が、元の電位に復帰するまでに遅延が生ずる。この遅延は、ローサイドドライバ600の高速動作の妨げとなる。
【0017】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、消費電流を削減したドライバ回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明のある態様は、スイッチングトランジスタを駆動するゲートドライバ回路に関する。ゲートドライバ回路は、第1電流量と第1電流量より小さい第2電流量が切り替え可能な基準電流を生成する可変電流源と、基準電流に比例したソース電流をスイッチングトランジスタのゲートにソースするソースイネーブル状態と、ソース電流がゼロとなるディセーブル状態と、が切り替え可能な電流分配回路と、オン状態においてスイッチングトランジスタのゲートをハイ電圧に固定する第1トランジスタと、オン状態においてスイッチングトランジスタのゲートをロー電圧に固定する第2トランジスタと、を備える。
【0019】
この態様によると、スイッチングトランジスタのゲート電圧を上昇させる際に、可変電流源の基準電流を第1電流量とし、電流分配回路をソースイネーブル状態とすることにより、スイッチングトランジスタのゲート電圧のスルーレートを制御できる。また、ゲート電圧の遷移が完了した後は、基準電流を第2電流量に減らすことにより、ゲートドライバ回路の消費電力を削減できる。また少ない基準電流を流し続けることにより、電流分配回路の動作点を維持することができ、高速なスイッチングが可能となる。
【0020】
電流源は、オン、オフが切り替え可能であり、オン状態においてスイッチングトランジスタのスルーレートを規定する第1電流を生成する第1電流源と、第1電流より小さい第2電流を生成する第2電流源と、を含んでもよい。
【0021】
第1電流源は、定電流源と、定電流源と直列に接続されるスイッチと、を含んでもよい。
【0022】
電流分配回路は、基準電流に比例したソース電流を生成する第1カレントミラー回路を含んでもよい。
【0023】
電流分配回路は、ソース電流の経路上に設けられた第1スイッチをさらに含んでもよい。
【0024】
電流分配回路は、ソースイネーブル状態とディセーブル状態に加えて、基準電流に比例したシンク電流をスイッチングトランジスタからシンクするシンクイネーブル状態が切り替え可能であってもよい。これにより、スイッチングトランジスタのゲート電圧を低下させる際に、可変電流源の基準電流を第1電流量とし、電流分配回路をシンクイネーブル状態とすることにより、スイッチングトランジスタのゲート電圧のスルーレートを制御できる。また、ゲート電圧の遷移が完了した後は、基準電流を第2電流量に減らすことにより、ゲートドライバ回路の消費電力を削減できる。また少ない基準電流を流し続けることにより、電流分配回路の動作点を維持することができ、高速なスイッチングが可能となる。
【0025】
電流分配回路は、基準電流に比例したソース電流および中間電流を生成する第1カレントミラー回路と、中間電流に比例したシンク電流を生成する第2カレントミラー回路と、を含んでもよい。
【0026】
電流分配回路は、ソース電流の経路上に設けられた第1スイッチをさらに含んでもよい。
【0027】
電流分配回路は、中間電流の経路上に設けられた第2スイッチをさらに含んでもよい。あるいは電流分配回路は、シンク電流の経路上に設けられた第2スイッチをさらに含んでもよい。
【0028】
本発明の別の態様もまた、ゲートドライバ回路である。このゲートドライバ回路は、スイッチングトランジスタを駆動するゲートドライバ回路であって、第1電流量と第1電流量より小さい第2電流量が切り替え可能な基準電流を生成する可変電流源と、基準電流に比例したシンク電流をスイッチングトランジスタのゲートからシンクするシンクイネーブル状態と、シンク電流がゼロとなるディセーブル状態と、が切り替え可能な電流分配回路と、オン状態においてスイッチングトランジスタのゲートをハイ電圧に固定する第1トランジスタと、オン状態においてスイッチングトランジスタのゲートをロー電圧に固定する第2トランジスタと、を備える。
【0029】
この態様によると、スイッチングトランジスタのゲート電圧を低下させる際に、可変電流源の基準電流を第1電流量とし、電流分配回路をシンクイネーブル状態とすることにより、スイッチングトランジスタのゲート電圧のスルーレートを制御できる。また、ゲート電圧の遷移が完了した後は、基準電流を第2電流量に減らすことにより、ゲートドライバ回路の消費電力を削減できる。また少ない基準電流を流し続けることにより、電流分配回路の動作点を維持することができ、高速なスイッチングが可能となる。
【0030】
ゲートドライバ回路は、ひとつの半導体基板に集積化されてもよい。「集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。回路を1つのチップ上に集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。
【0031】
本発明の別の態様は、モータドライバ回路に関する。モータドライバ回路は、モータと接続される単相または三相のインバータ回路と、インバータ回路を駆動する駆動部と、を備える。駆動部は、上述のいずれかのゲートドライバ回路を含んでもよい。
【0032】
本発明の別の態様は、ハードディスク装置に関する。ハードディスク装置は、スピンドルモータと、スピンドルモータを駆動する上述のモータドライバ回路と、を備えてもよい。またある態様のハードディスク装置は、ボイスコイルモータと、ボイスコイルモータを駆動する上述のモータドライバ回路と、を備えてもよい。
【0033】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0034】
本発明のある態様によれば、ゲートドライバ回路の消費電流を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】スイッチング回路の基本構成を示す回路図である。
【
図2】スルーレートコントロール機能を備えるドライバ回路の回路図である。
【
図3】実施の形態に係るゲートドライバ回路の回路図である。
【
図4】ゲートドライバ回路の具体的な構成例を示す回路図である。
【
図5】
図4のゲートドライバ回路の動作波形図である。
【
図6】実施の形態に係るゲートドライバ回路を備えるスイッチング回路の回路図である。
【
図7】出力電流IOUTをシンクするときのスイッチング回路の動作波形図である。
【
図8】出力電流IOUTをソースするときのスイッチング回路の動作波形図である。
【
図11】モータドライバ回路を備えるハードディスク装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(実施の形態)
図3は、実施の形態に係るゲートドライバ回路300の回路図である。ゲートドライバ回路300は、駆動対象のスイッチングトランジスタ201とともにスイッチング回路200を構成する。スイッチングトランジスタ201は、ハイサイドトランジスタであってもよいし、ローサイドトランジスタであってもよい。本実施の形態では、スイッチングトランジスタ201は、NチャンネルMOSFETである。ゲートドライバ回路300は、スイッチングトランジスタ201のゲート電圧V
Gをハイ電圧V
Hとすることでスイッチングトランジスタ201をオンし、ゲート電圧V
Gをロー電圧V
Lとすることでスイッチングトランジスタ201をオフする。
【0037】
ハイレベルライン302にはハイ電圧V
Hが供給され、ローレベルライン304にはロー電圧V
Lが供給されている。スイッチングトランジスタ201が、ローサイドトランジスタMLの場合、ローレベルライン304は接地ラインでありV
L=0Vであり、ハイレベルライン302は、電源ラインでありV
H=V
DDである。スイッチングトランジスタ201がハイレベルトランジスタMHの場合、ローレベルライン304はハイサイドトランジスタMHのソースと接続される出力ライン(スイッチングライン)であり、ハイレベルライン302には、
図1の入力電圧V
INよりも高いハイ電圧が供給される。
【0038】
ゲートドライバ回路300は、可変電流源310、電流分配回路320、第1トランジスタM31、第2トランジスタM32を備え、ひとつの半導体基板に集積化されたIC(Integrated Circuit)である。駆動対象のスイッチングトランジスタ201は、ゲートドライバ回路300が集積される半導体チップに外付けされるディスクリート部品であってもよいし、半導体チップにゲートドライバ回路300とともに集積化されてもよい。
【0039】
ゲートドライバ回路300は、外部のロジック回路206が生成する制御信号SCNTに応じて制御される。この制御信号SCNTは、S31,S32,S33,S34を含む。
【0040】
可変電流源310は、第1電流量I1と第1電流量I1より小さい第2電流量I2(I2<I1)が切り替え可能な基準電流IREFを生成する。基準電流IREFの電流量I1,I2は制御信号S33に応じて選択される。第2電流量I2は、第1電流量I1の1/10より小さくすることが好ましい。
【0041】
電流分配回路320は、制御信号S34に応じて、ソースイネーブル状態、シンクイネーブル状態、ディセーブル状態の3状態が選択可能である。
【0042】
電流分配回路320は、ソースイネーブル状態において、基準電流IREFに比例したソース電流ISRCをスイッチングトランジスタ201のゲートにソースする。またシンクイネーブル状態において、基準電流IREFに比例したシンク電流ISNKをスイッチングトランジスタ201のゲートからシンクする。またディセーブル状態では、ソース電流ISRC,シンク電流ISNKはともにゼロとなる。
【0043】
第1トランジスタM31は、制御信号S31に応じてオン、オフが制御され、オン状態においてスイッチングトランジスタ201のゲートをハイ電圧VHに固定する。また第2トランジスタM32は、制御信号S32に応じてオン、オフが制御され、オン状態においてスイッチングトランジスタ201のゲートをロー電圧VLに固定する。
【0044】
以上がゲートドライバ回路300の基本構成である。本発明は、
図3のブロック図や回路図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな装置、方法に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例や実施例を説明する。
【0045】
図4は、ゲートドライバ回路300の具体的な構成例を示す回路図である。電流源310は、第1電流源CS1および第2電流源CS2を含む。第1電流源CS1は、制御信号S33に応じてオン、オフが切り替え可能であり、オン状態においてスイッチングトランジスタ201のスルーレートを規定する第1電流(スルーレート電流という)I
SRを生成する。第2電流源CS2は、スルーレート電流I
SRより小さい第2電流(バイアス維持電流という)I
BIASを生成する。スルーレート電流I
SRとバイアス維持電流I
BIASの合計が、基準電流I
REFとなる。第1電流源CS1がオンであるとき、第1電流量I
1の基準電流I
REFが生成される。
I
REF=I
1=I
SR+I
BIAS
また第1電流源CS1がオフであるとき、第2電流量I
2の基準電流I
REFが生成される。
I
REF=I
2=I
BIAS
【0046】
たとえばスルーレート電流ISRは数百μA~数mAのオーダーであり、バイアス維持電流IBIASは、スルーレート電流ISRの1/10以下、たとえば数μ~数十μAのオーダーとすることができる。バイアス維持電流IBIAS、すなわち第2電流量I2は、スルーレート電流ISRのオン、オフにかかわらず、電流分配回路320の動作点(バイアス状態)を維持できる範囲内で、なるべく小さく定めるとよい。
【0047】
第1電流源CS1は、直列に接続される定電流源312とスイッチ314を含んでもよい。スイッチ314がオンのとき、スルーレート電流ISRが流れ、オフのとき遮断される。
【0048】
可変電流源310の構成は
図4のそれには限定されず、2つの電流量を切り替え可能なその他の構成を採用しうる。
【0049】
電流分配回路320は、第1カレントミラー回路322、第2カレントミラー回路324、第1スイッチSW31、第2スイッチSW32を含む。
【0050】
第1カレントミラー回路322は、トランジスタM33~M35を含み、基準電流IREFに比例したソース電流ISRCを生成する。また基準電流IREFに比例した中間電流IMを生成する。中間電流IMは第2カレントミラー回路324に供給される。
【0051】
第2カレントミラー回路324は、トランジスタM37,M38を含み、中間電流IMに比例したシンク電流ISNKを生成する。
【0052】
第1スイッチSW31は、ソース電流ISRCの経路上に設けられる。また第2スイッチSW32は、中間電流IMの経路上に設けられる。第1スイッチSW31および第2スイッチSW32は、制御信号34に応じて制御され、それらのオン、オフ状態の組み合わせに応じて、3状態が切り替えられる。
SW1=ON,SW2=OFF ソースイネーブル状態
SW1=OFF,SW2=ON シンクイネーブル状態
SW1=OFF,SW2=OFF ディセーブル状態
【0053】
なお、第2スイッチSW32を、シンク電流ISNKの経路上に配置してもよい。
【0054】
以上がゲートドライバ回路300の構成である。続いてその動作を説明する。
図5は、
図4のゲートドライバ回路300の動作波形図である。
【0055】
(ターンオフ動作)
はじめにスイッチングトランジスタ201のターンオフ動作を説明する。時刻t0より前、制御信号SCNTは、スイッチングトランジスタ201のオンを指示するオンレベル(ハイ)である。制御信号S31はローであり、第1トランジスタM31はフルオンし、ゲート電圧VGはハイレベルVHに固定されている。制御信号S33はローであり、基準電流IREFは、第2電流量I2となっている。
【0056】
時刻t0に制御信号SCNTは、スイッチングトランジスタ201のオフを指示するオフレベル(ロー)に遷移する。ロジック回路206は、制御信号S31、S32をハイとし、第1トランジスタM31をオフし、第2トランジスタM32をオンする。第2トランジスタM32がオンすると、ゲート電圧VGが時間とともに低下していく。また時刻t0において制御信号S33はハイとなり、基準電流IREFが第1電流量I1に増加する。またスイッチSW32がオンとなり、第1電流量I1に比例するシンク電流ISNKが、スイッチングトランジスタ201のゲートからシンクされる。ただしシンク電流ISNKは、第2トランジスタM32に流れる電流に比べて非常に小さく、時刻t0~t1のゲート電圧VGの低下速度は、第2トランジスタM32によって規定される。
【0057】
時刻t1に、ゲート電圧VGがしきい値VGS(th)の近傍まで低下すると、第2トランジスタM32がオフとなる。時刻t1~t2の間が、スルーレート調整区間TSRであり、スイッチングトランジスタ201のゲート電圧VGは、シンク電流ISNKに応じた速度で緩やかに低下する。これによりスイッチングトランジスタ201のドレインソース間電圧VDSが、緩やかに増大する。
【0058】
時刻t2にスルーレート調整区間TSRが終了すると、第2トランジスタM32が再びオンとなり、ゲート電圧VGがソース電圧VSと等しくなり、スイッチングトランジスタ201がオフに固定される。
【0059】
また時刻t2に、第2スイッチSW32がオフとなり、シンク電流ISNKも停止する。そして制御信号S33がローとなり、基準電流IREFが第2電流量I2に減少し、回路の消費電流が抑制される。また第2電流量I2の基準電流IREFが第1カレントミラー回路322に流れ続けることにより、電流分配回路320の動作点(トランジスタM33~M35のゲート電圧)が維持される。
【0060】
(ターンオン動作)
続いてスイッチングトランジスタ201のターンオン動作を説明する。時刻t3に制御信号SCNTがオンレベルに遷移する。制御信号S33はハイとなり、基準電流IREFが第1電流量I1に増える。第1スイッチSW31がオンとなり、第1電流量I1に比例したソース電流ISRCが生成される。ただし、時刻t3~t4の間は、第2トランジスタM32がオンであるから、ゲート電圧VGはロー電圧VSに固定されている。
【0061】
時刻t4に第2トランジスタM32がオフすると、ソース電流ISRCによってスイッチングトランジスタ201のゲート容量が充電され、ゲート電圧VGが上昇する。そして、時刻t4~t5のスルーレート調整区間TSRの間、ゲート電圧VGが、スイッチングトランジスタ201のしきい値電圧VGS(th)近傍で緩やかに増大し、スイッチングトランジスタ201が緩やかにターンオンする。
【0062】
そして時刻t5にスイッチングトランジスタ201のターンオンが完了すると、第1トランジスタM31がオンとなり、スイッチングトランジスタ201がフルオン状態に固定される。また時刻t5に第1スイッチSW31がオフとなり、ソース電流ISRCが遮断され、基準電流IREFが第2電流量I2まで減少する。第2電流量I2の基準電流IREFが第1カレントミラー回路322に流れ続けることにより、電流分配回路320の動作点(トランジスタM33~M35のゲート電圧)が維持される。
【0063】
以上が
図4のゲートドライバ回路300の動作である。ゲートドライバ回路300は、
図1に示すようなインバータ形式(プッシュプル形式)のスイッチング回路200に用いることができる。
図6は、実施の形態に係るゲートドライバ回路300を備えるスイッチング回路200Aの回路図である。
【0064】
スイッチング回路200Aは、ハイサイドドライバ202、ローサイドドライバ204、ロジック回路206を備える。ハイサイドドライバ202およびローサイドドライバ204は、
図4のゲートドライバ回路300と同様の構成を有する。
【0065】
またスイッチング回路200Aは、ハイサイドトランジスタMHおよびローサイドトランジスタMLの状態を監視するためのセンサ210,216およびタイミング発生器212,214を備える。
【0066】
ロジック回路206には、ハイサイドトランジスタMH、ローサイドトランジスタMLそれぞれのオン、オフを指示する制御信号SH、SLが入力される。ロジック回路206は、制御信号SH、SLおよび複数のセンサ210,216、タイミング発生器212,214の出力にもとづいて、ハイサイドドライバ202およびローサイドドライバ204に対する制御信号を生成する。
【0067】
ハイサイドオフセンサ210は、ハイサイドトランジスタMHのゲート電圧VGHにもとづいて、ハイサイドトランジスタMHがターンオフしたことを検出する。具体的にはハイサイドオフセンサ210は、ハイサイドトランジスタMHのゲートソース間電圧VGSをしきい値VTH(OFF)と比較し、VGS<VTH(OFF)となると、ハイサイドトランジスタのオフ検出信号DET_HI_OFFをアサート(たとえばハイ)する。
【0068】
第1タイミング発生器212は、ハイサイドドライバ202によってスルーレートを調節する際の、スルーレート調整区間TSRの始点、終点のタイミングを生成する。たとえば第1タイミング発生器212は、ハイサイドトランジスタMHのゲート電圧VGHを所定のしきい値電圧VTH1(>VPWR)と比較し、比較結果に応じたタイミング信号SR_HIをアサートする。
【0069】
第2タイミング発生器214は、ローサイドドライバ204によってスルーレートを調節する際の、スルーレート調整区間TSRの始点、終点のタイミングを生成する。たとえばタイミング発生器214は、出力電圧VOUTをしきい値電圧VTH2と比較し、比較結果に応じたタイミング信号SR_LOを出力する。
【0070】
ローサイドオフセンサ216は、ローサイドトランジスタMLのゲート電圧VGLにもとづいて、ローサイドトランジスタMLがターンオフしたことを検出する。具体的にはローサイドオフセンサ216は、ローサイドトランジスタMLのゲートソース間電圧VGSをしきい値VTH(OFF)と比較し、VGS<VTH(OFF)となると、ローサイドトランジスタのオフ検出信号DET_LO_OFFをアサート(たとえばハイ)する。
【0071】
以上がスイッチング回路200Aの構成である。続いてその動作を説明する。ロジック回路206は、ハイサイドドライバ202およびローサイドドライバ204の動作を、出力電流IOUTの極性に応じて切りかえる。
【0072】
(電流シンク状態)
図7は、出力電流I
OUTをシンクするときのスイッチング回路200Aの動作波形図である。出力電流I
OUTをシンクする際には、スイッチング回路200Aは、ローサイドドライバ204を利用して、ローサイドトランジスタMLのターンオン、ターンオフの速度を制御し、出力電圧V
OUTのスルーレートを設定する。
【0073】
時刻t0に、制御信号SHがハイに、SLがローに遷移する。ローサイドドライバ204が先行して動き始め、ローサイドトランジスタMLをターンオフさせる。出力電圧VOUTが上昇するときのスルーレートは、ローサイドトランジスタMLのゲート電圧VGLにもとづいて制御される。
【0074】
時刻t
0~t
2におけるローサイドドライバ204の動作は、
図5で説明した通りである。すなわち時刻t
0に第2トランジスタM32が一旦、オンとなり、ゲート電圧V
GLを低下させる。時刻t
1にV
OUT>V
TH2となると、タイミング発生器214はハイレベルのSR_LO信号を出力する。SR_LO信号に応答して、スルーレート調整区間T
SRに移行し、ローサイドドライバ204は、シンク電流I
SNKによってローサイドトランジスタMLのゲート電圧V
GLを緩やかに低下させる。
【0075】
時刻t2に、ローサイドオフセンサ216によりローサイドトランジスタMLのターンオフ完了が検出され、DET_LO_OFF信号がアサートされる。これに応答してハイサイドドライバ202がハイサイドトランジスタMHをターンオンする。ハイサイドドライバ202では、スルーレート制御は行われず、スイッチSW31,SW32はオフである。
【0076】
時刻t3に、制御信号SHがローに、SLがハイに遷移する。ハイサイドドライバ202が先行して動き始め、ハイサイドトランジスタMHをターンオフさせる。このときハイサイドドライバ202では、スルーレート制御は行われず、スイッチSW31,SW32はオフである。
【0077】
時刻t4に、ハイサイドトランジスタMHのターンオフが検出され、DET_HI_OFF信号がアサートされる。これに応答してローサイドドライバ204がローサイドトランジスタMLをターンオンする。出力電圧VOUTが下降するときのスルーレートも、ローサイドトランジスタMLのゲート電圧VGLにもとづいて制御される。
【0078】
具体的にはDET_HI_OFF信号のアサートに応答して、スルーレート調整区間TSRに移行し、ローサイドドライバ204は、ソース電流ISRCによってローサイドトランジスタMLのゲート電圧VGLを緩やかに増大させる。
【0079】
そして、時刻t5に、出力電圧VOUTがしきい値電圧VTH2より低くなると、SR_LO信号がローとなり、スルーレート調整期間TSRが終了し、第1トランジスタM31がオンとなる。これによりゲート電圧VGLが速やかに上昇し、ローサイドトランジスタMLのターンオンが完了する。
【0080】
(電流ソース状態)
図8は、出力電流I
OUTをソースするときのスイッチング回路200Aの動作波形図である。出力電流I
OUTをソースする際には、スイッチング回路200Aは、ハイサイドドライバ202を利用して、ハイサイドトランジスタMHのターンオン、ターンオフの速度を制御し、出力電圧V
OUTのスルーレートを設定する。
【0081】
時刻t0に、制御信号SHがハイに、SLがローに遷移する。ローサイドドライバ204が先行して動き始め、ローサイドトランジスタMLをターンオフさせる。ローサイドドライバ204ではスルーレート制御は行われず、スイッチSW31,SW32はオフである。
【0082】
時刻t1にローサイドトランジスタMLのゲート電圧VGLがしきい値より低くなると、DET_LO_OFF信号がアサートされる。これに応答してハイサイドドライバ202がハイサイドトランジスタMHをターンオンする。ハイサイドドライバ202では、以下のようにスルーレート制御が行われる。
【0083】
時刻t1にハイサイドドライバ202の第2トランジスタM32がオフとなると、ソース電流ISRCがハイサイドトランジスタMHのゲートに供給され、スルーレート調整区間TSRとなる。ゲートソース間電圧VGS(=VGH-VOUT)が緩やかに増大し、出力電圧VOUTも一定のスピードで上昇する。
【0084】
時刻t2に、ハイサイドトランジスタMHのゲート電圧VGHがしきい値VTH1を超えると、タイミング発生器212はSR_HI信号をローレベルとする。これによりスルーレート調整区間TSRが終了する。そして第1トランジスタM31がオンとなり、ハイサイドトランジスタMHがフルオンとなる。
【0085】
時刻t3に、制御信号SHがローに、SLがハイに遷移する。ハイサイドドライバ202が先行して動き始め、ハイサイドトランジスタMHをターンオフさせる。はじめに第2トランジスタM32がオンとなり、ハイサイドトランジスタMHのゲート電圧VGHを低下させる。時刻t4に、ゲート電圧VGHがしきい値VTH1より低くなると、SR_HI信号がハイとなり、スルーレート調整区間TSRが開始する。スルーレート調整区間TSRの間、シンク電流ISNKがハイサイドトランジスタMHのゲートから引き抜かれ、ゲートソース間電圧VGS(=VGH-VOUT)が緩やかに低下し、出力電圧VOUTが一定のスピードで低下する。
【0086】
時刻t5に、ハイサイドトランジスタMHのゲートソース間電圧VGSがしきい値電圧VTH(OFF)より小さくなると、ハイサイドトランジスタMHのターンオフの完了を示すDET_HI_OFF信号がアサートされる。ローサイドドライバ204は、DET_HI_OFF信号のアサートに応答してアクティブとなり、ローサイドトランジスタMLをターンオンさせる。
【0087】
(用途)
ゲートドライバ回路300の用途は限定されないが、たとえばモータドライバ回路に適用できる。
図9は、モータドライバ回路100Aのブロック図である。モータ2Aは、3相モータであり、モータドライバ回路100Aは、三相インバータ回路110A、ゲート駆動回路120、コントローラ130を備える。三相インバータ回路110Aは、A相、B相、C相のレグを含み、各レグは、ハイサイドトランジスタとローサイドトランジスタを含む。
【0088】
ゲート駆動回路120Aは、三相インバータ回路110AのハイサイドトランジスタMHA~MHCを駆動するハイサイドドライバHG_A~HG_Cと、ローサイドトランジスタMLA~MLCを駆動するローサイドドライバLG_A~LG_Cを含む。ハイサイドドライバHG_A~HG_CおよびローサイドドライバLG_A~LG_Cは、上述のゲートドライバ回路300に対応する。
【0089】
図10は、モータドライバ回路100Bのブロック図である。モータ2Bは、単相モータであり、モータドライバ回路100Bは、Hブリッジ回路(単相インバータ)110B、ゲート駆動回路120B、コントローラ130Bを備える。
【0090】
Hブリッジ回路110Bは、ハイサイドトランジスタMHP,MHNとローサイドトランジスタMLP,MLNを含む。
【0091】
ゲート駆動回路120Bは、Hブリッジ回路110BのハイサイドトランジスタMHP、MHNを駆動するハイサイドドライバHG_P、HG_Nと、ローサイドトランジスタMLP、MLNを駆動するローサイドドライバLG_P、LG_Nを含む。ハイサイドドライバHG_P、HG_NおよびローサイドドライバLG_P、LG_Nは、上述のゲートドライバ回路300に対応する。
【0092】
モータドライバ回路100の用途は特に限定されないが、たとえばハードディスク装置やDVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、Blu-ray(登録商標)ディスクドライブなどのスピンドルモータやボイスコイルモータの駆動に用いることができる。
【0093】
図11は、モータドライバ回路100を備えるハードディスク装置900を示す図である。ハードディスク装置900は、プラッタ902、スイングアーム904、ヘッド906、スピンドルモータ910、ボイスコイルモータ912、モータドライバ920を備える。モータドライバ920は、スピンドルモータ910およびボイスコイルモータ912を駆動する駆動回路を含む。スピンドルモータ910の駆動回路は、
図9のモータドライバ回路100Aであり、ボイスコイルモータ912の駆動回路は
図10のモータドライバ回路100Bであり、上述のゲートドライバ回路300のアーキテクチャを用いて構成することができる。
【0094】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0095】
(変形例1)
図4のタイミング発生器212、214の構成は特に限定されず、スルーレート調整区間の始点や終点を決定できればよい。たとえばタイミング発生器212は、出力電圧V
OUTをしきい値電圧V
PWR-V
THと比較してもよい。あるいはタイミング発生器212や214を、タイマー回路で構成してもよい。
【0096】
(変形例2)
実施の形態では、ソースイネーブル状態、シンクイネーブル状態、ディセーブル状態の3状態が選択可能なゲートドライバ回路300を説明したが、シンクイネーブル状態とディセーブル状態の2状態のみが切り替え可能に構成されてもよい。あるいはゲートドライバ回路300は、ソースイネーブル状態とディセーブル状態の2状態のみが切り替え可能に構成されてもよい。
【0097】
(変形例3)
実施の形態ではゲートドライバ回路300の用途としてモータドライバを説明したが、その用途は特に限定されない。
【符号の説明】
【0098】
2 モータ
100 モータドライバ回路
110A 三相インバータ回路
110B Hブリッジ回路
120 ゲート駆動回路
130 コントローラ
200 スイッチング回路
201 スイッチングトランジスタ
MH ハイサイドトランジスタ
ML ローサイドトランジスタ
202 ハイサイドドライバ
204 ローサイドドライバ
206 ロジック回路
210 ハイサイドオフセンサ
212,214 タイミング発生器
216 ローサイドオフセンサ
300 ゲートドライバ回路
302 ハイレベルライン
304 ローレベルライン
310 可変電流源
CS1 第1電流源
CS2 第2電流源
312 定電流源
314 スイッチ
SW31 第1スイッチ
SW32 第2スイッチ
320 電流分配回路
322 第1カレントミラー回路
324 第2カレントミラー回路
M31 第1トランジスタ
M32 第2トランジスタ