(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいてユーザ機器の位置情報を報告する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 64/00 20090101AFI20231020BHJP
H04W 4/021 20180101ALI20231020BHJP
【FI】
H04W64/00 171
H04W4/021
(21)【出願番号】P 2019568659
(86)(22)【出願日】2018-06-12
(86)【国際出願番号】 KR2018006637
(87)【国際公開番号】W WO2018230928
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-06-03
(32)【優先日】2017-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】リュ,ジンスク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョンスク
(72)【発明者】
【氏名】パク,サンミン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン,ミョンジュン
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0365789(US,A1)
【文献】特開2011-234039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいてユーザ機器(User Equipment:UE)がネットワークノード(network node)
に前記UEの位置情報を報告する方法であって、
基地局(base station:BS)に、RRC連結要請メッセージ(Radio Resource Control connection request message)を送信する段階;
前記BSから、RRC連結セットアップメッセージ(RRC connection setup message)を受信する段階;
前記BSに、RRC連結セットアップ完了メッセージ(RRC connection setup complete message)を送信する段階;
地域(local area)に基づいて、データサービスを提供する為のサービス領域(servce area)に関する第1の情報を受信する段階;
前記データサービスのセッションに関する設定情報を受信する段階;
前記設定情報に基づいて、前記ネットワークノードに、前記UEの位置変更に関する第2の情報を送信する段階;及び
前記セッションが確立されている間に、前記UEの前記サービス領域に進入又は離脱することに基づいて、前記第2の情報を送信する段階;を含んでなり、
前記第2の情報は、前記セッションのセッションIDを含み、
前記第2の情報は、前記セッションIDに基づいて、前記ネットワークノードにおける接続及び移動性管理機能(access and Mobility Management Function:AMF)により、セ
ッション管理機能(Session Management Function:SMF)に送信される、方法。
【請求項2】
前記設定情報は、関心領域情報(interested area information)、報告条件に関する情報、及び報告ギャップ(report gap)に関する情報のうちの何れか1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記関心領域情報は、トラッキング領域(tracking area)リスト、及びセルIDリストのうちの何れか1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記設定情報は、報告ギャップに関する情報を含み、
前記報告ギャップとして設定された時間の間に、前記UEが前記サービス領域に進入又は離脱しても、前記UEの位置変更を報告しない、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記報告ギャップとして設定された時間が経過した後、前記UEが前記サービス領域に進入又は離脱した状態に維持される時、前記UEの位置変更を報告する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記UEの位置変更に関する情報は、前記UEの位置変更によって変化する関心領域(interested area)の変更に関する情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記地域に基づいて提供されるデータサービスはLADN(Location Area data Network)サービスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
セッション確立要請に対するセッション確立承諾メッセージを受信する段階を更に含み、
前記設定情報は前記セッション確立承諾メッセージに含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記サービス領域を示す情報は前記データサービスのセッション確立前に受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
無線通信システムにおいて、ネットワークノード(network node)が受信する方法であって、
ユーザ機器(User Equipment:UE)に、地域(local area)に基づいて、データサービスを提供する為のサービス領域(service area)に関する第1の情報を送信する段階;
前記UEに、前記データサービスのセッションに関する設定情報を送信する段階;及び
前記設定情報に基づいて、前記UEの位置変更に関する第2の情報を受信する段階;及び
前記セッションが確立されている間に、前記UEの前記サービス領域に進入又は離脱することに基づいて、前記第2の情報を受信する段階、を含んでなり、
前記第2の情報は、前記セッションのセッションIDを含み、
前記第2の情報は、前記セッションIDに基づいて、前記ネットワークノードにおける接続及び移動性管理機能(access and Mobility Management Function:AMF)により、セ
ッション管理機能(Session Management Function:SMF)に送信される、方法。
【請求項11】
無線通信システムにおけるユーザ機器(User Equipment:UE)であって、
トランシーバ(transceiver);及び
プロセッサ;を備えてなり、
前記プロセッサは、
基地局(base station:BS)に、RRC連結要請メッセージ(Radio Resource Control connection request message)を送信する段階;
前記BSから、RRC連結セットアップメッセージ(RRC connection setup message)を受信する段階;
前記BSに、RRC連結セットアップ完了メッセージ(RRC connection setup complete message)を送信する段階;
地域(local area)に基づいて、データサービスを提供する為のサービス領域(service area)に関する第1の情報を受信する段階;
前記データサービスのセッションに関する設定情報を受信する段階;
前記設定情報に基づいて、前記UEの位置変更に関する第2の情報を送信する段階;及び
前記セッションが確立されている間に、前記UEの前記サービス領域に進入又は離脱することに基づいて、前記第2の情報を送信する段階;を実行するものであり、
前記第2の情報は、前記セッションのセッションIDを含み、
前記第2の情報は、前記セッションIDに基づいて、
ネットワークノードにおける接続及び移動性管理機能(access and Mobility Management Function:AMF)により、セ
ッション管理機能(Session Management Function:SMF)に送信される、ユーザ機器。
【請求項12】
無線通信システムにおけるネットワークノード(network node)であって、
トランシーバ(transceiver);及び
プロセッサ;を備えてなり、
前記プロセッサは、
ユーザ機器(User Equipment:UE)に、地域(local area)に基づいて、データサービスを提供する為のサービス領域(service area)に関する第1の情報を送信する段階;
前記UEに、前記データサービスのセッションに関する設定情報を送信する段階;及び
前記設定情報に基づいて、前記UEの位置変更に関する第2の情報を受信する段階;及び
前記セッションが確立されている間に、前記UEの前記サービス領域に進入又は離脱することに基づいて、前記第2の情報を受信する段階、を実行するものであり、
前記第2の情報は、前記セッションのセッションIDを含み、
前記第2の情報は、前記セッションIDに基づいて、前記ネットワークノードにおける接続及び移動性管理機能(access and Mobility Management Function:AMF)により、セ
ッション管理機能(Session Management Function:SMF)に送信される、ネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信システムに関し、特にユーザ機器の位置情報を報告する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムが音声やデータなどのような種々の通信サービスを提供するために広範囲に展開されている。一般に、無線通信システムは、可用システムリソース(帯域幅、送信パワーなど)を共有してマルチユーザとの通信を支援できる多重接続(multiple access)システムである。多重接続システムの例には、CDMA(code division multiple access)システム、FDMA(frequency division multiple access)システム、TDMA(time division multiple access)システム、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)システム、SC-FDMA(single carrier frequency division multiple access)システム、MC-FDMA(multi carrier frequency division multiple access)システムなどがある。
【0003】
機器間(Machine-to-Machine;M2M)通信と、高いデータ送信量を要求するスマートフォン、タブレットPCなどの様々な装置及び技術が出現及び普及されている。これに伴い、セルラーネットワークにおいて処理が要求されるデータ量も急増している。このように急増しているデータ処理要求量を満たすために、より多い周波数帯域を効率的に使用するための搬送波集成(carrier aggregation)技術、認知無線(cognitive radio)技術などと、限定された周波数内で送信されるデータ容量を高めるための多重アンテナ技術、多重基地局協調技術などが発展している。
【0004】
一方、ユーザ機器(user equipment;UE)がその周辺で接続(access)可能なノード(node)の密度が高くなる方向に通信環境が進化している。ノードとは、一つ以上のアンテナを具備してUEと無線信号を送信/受信できる固定の地点(point)をいう。高い密度のノードを有する通信システムは、ノード同士の協調によってさらに高い性能の通信サービスをUEに提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
UEが休止状態にある時、UEの位置変化をより正確に報告するための方法が求められる。
【0006】
本発明で遂げようとする技術的目的は以上で言及した事項に限定されず、言及していない別の技術的課題は、以下に説明する本発明の実施例から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者によって考慮されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一様相において、無線通信システムにおいてユーザ機器(User Equipment、UE)がネットワークノード(network node)装置にUEの位置情報を報告する方法は、地域(local area)に基づいて提供されるデータサービスが提供されるサービス領域(service area)を示す情報を受信する段階、データサービスのセッション(session)に関する位置変更報告の設定情報を受信する段階、及びセッションが確立されている間にUEがサービス領域に進入又は離脱する時、位置変更報告の設定情報に基づいてUEの位置変更に関する情報を報告する段階を含む。
【0008】
本発明の他の様相において、無線通信システムにおいてネットワークノード(network node)がユーザ機器(User Equipment、UE)からUEの位置情報報告を受ける方法は、地域(local area)に基づいて提供されるデータサービスが提供されるサービス領域(service area)を示す情報をUEに送信する段階、データサービスのセッションに関する位置変更報告の設定情報をUEに送信する段階、及びセッションが確立されている間にUEがサービス領域に進入又は離脱する時、位置変更報告の設定情報に基づいてUEの位置変更に関する情報報告を受ける段階を含む。
【0009】
本発明の他の様相において、無線通信システムにおいてネットワークノード(network node)装置に位置情報を報告するユーザ機器(User Equipment、UE)は、送受信モジュール及びプロセッサを含み、該プロセッサは、地域(local area)に基づいて提供されるデータサービスが提供されるサービス領域(service area)を示す情報を受信するように送受信モジュールを制御し、データサービスのセッションに関する位置変更報告の設定情報を受信するように送受信モジュールを制御し、セッションが確立されている間にUEがサービス領域に進入又は離脱する時、位置変更報告の設定情報に基づいてUEの位置変更に関する情報を報告するように送受信モジュールを制御する。
【0010】
本発明の他の様相において、無線通信システムにおいてユーザ機器(User Equipment、UE)からUEの位置情報報告を受けるネットワークノード(network node)は、送受信モジュール及びプロセッサを含み、該プロセッサは、地域(local area)に基づいて提供されるデータサービスが提供されるサービス領域(service area)を示す情報をUEに送信するように送受信モジュールを制御し、データサービスのセッションに関する位置変更報告の設定情報をUEに送信するように送受信モジュールを制御し、セッションが確立されている間にUEがサービス領域に進入又は離脱する時、位置変更報告の設定情報に基づいてUEの位置変更に関する情報報告を受けるように送受信モジュールを制御する。
【0011】
本発明の各様相において、位置変更報告の設定情報は関心領域情報(interested area information)、報告条件に関する情報及び報告ギャップ(report gap)に関する情報のうちのいずれか1つを含む。
【0012】
本発明の各様相において、関心領域情報はトラッキング領域(tracking area)リスト及びセルIDリストのうちのいずれか1つを含む。
【0013】
本発明の各様相において、位置変更報告の設定情報が報告ギャップに関する情報を含み、報告ギャップとして設定された時間の間にUEがサービス領域に進入又は離脱しても、UEの位置変更を報告しない。
【0014】
本発明の各様相において、報告ギャップとして設定された時間が経過した後、UEがサービス領域に進入又は離脱した状態に維持される時、UEの位置変更を報告することができる。
【0015】
本発明の各様相において、UEの位置変更に関する情報はUEの位置変更によって変化する関心領域(interested area)の変更に関する情報を含む。
【0016】
本発明の各様相において、地域に基づいて提供されるデータサービスはLADN(Location Area data Network)サービスを含む。
【0017】
本発明の各様相において、ネットワークノード装置はAMF(Access and Mobility Function)を含む。
【0018】
本発明の各様相において、さらにセッション確立要請に対するセッション確立承諾メッセージを受信する段階を含み、位置変更報告の設定情報はセッション確立承諾メッセージに含まれる。
【0019】
本発明の各様相において、サービス領域を示す情報はデータサービスのセッション確立前に受信される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、休止状態にあるUEの位置変化をより正確にネットワークノードに報告することができる。
【0021】
また本発明によれば、UEの位置変更に関する情報を報告する時、報告ギャップに関する情報を使用することにより、UEがサービス領域の境界で移動する時に報告回数が余計に増加することを防止することができる。
【0022】
本発明で得られる効果は以上に言及した効果に制限されず、言及しなかった他の効果は下記の記載から本発明が属する当該技術分野における当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明に関する理解を助けるために詳細な説明の一部として含まれる添付図面は、本発明に対する実施例を提供し、詳細な説明と共に本発明の技術的思想を説明する。
【
図1】EPC(Evolved Packet Core)を含むEPS(Evolved Packet System)の構造を示す概略図である。
【
図2】一般的なE-UTRANとEPCのアーキテクチャーを例示する図である。
【
図3】制御平面における無線インターフェースプロトコルの構造を例示する図である。
【
図4】ユーザ平面における無線インターフェースプロトコルの構造を例示する図である。
【
図5】ユーザ平面及び制御平面のためのLTE(Long Term Evolution)プロトコルスタックを例示する図である。
【
図6】任意接続手順を説明するためのフローチャートである。
【
図7】無線リソース制御(RRC)階層における連結過程を示す図である。
【
図8】参照ポイント表現を用いた5Gシステムアーキテクチャーを例示する図である。
【
図9】サービス基盤の表現を用いた5Gシステムアーキテクチャーを例示する図である。
【
図10】NG-RAN(New Generation-radio Access Network)構造を例示する図である。
【
図11】
図11は本発明によるPDU
セッションの確立時、UEの位置変更をネットワークノードに報告するように設定する例示を示す。
【
図12】
図12は本発明による関心領域変更通知手順(interested area change notification procedure)を例示する図である。
【
図13】本発明の提案に適用されるUEとネットワークノード装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明で使われる用語は、本発明における機能を考慮すると共に、可能な限り現在広く使われている一般的な用語を選択したが、これは、当該分野に従事する技術者の意図又は判例、新しい技術の出現などによって変更されてもよい。また、特定の場合には出願人が任意に選定した用語もあり、この場合は、該当する発明の説明部分においてその意味を詳しく記載するものとする。従って、本発明で使われる用語は単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全般に亘る内容に基づいて定義されるべきである。
【0025】
以下の実施例は本発明の構成要素と特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮することができる。各構成要素又は特徴は他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施されてもよく、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例において説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は別の実施例に含まれてもよく、別の実施例の対応する構成又は特徴に取り替わってもよい。
【0026】
図面に関する説明において、本発明の要旨を曖昧にさせるような手順又は段階などは記述を省略し、当業者のレベルで理解し得るような手順又は段階も記述を省略した。
【0027】
明細書全体を通じて、ある部分がある構成要素を’含む(comprising又はincluding)’とされているとき、これは、特別な記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得るということを意味する。また、明細書に記載された’…部’、’…器’、’モジュール’などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの結合によって具現することができる。また、’ある(a又はan)’、’一つ(one)’、’その(the)’及び類似関連語は、本発明を記述する文脈において(特に、以下の請求項の文脈において)本明細書に別に指示されたり文脈によって明らかに反駁されない限り、単数及び複数の双方を含む意味で使うことができる。
【0028】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802.xxシステム、3GPP(登録商標:以下同じ)システム、3GPP LTEシステム及び3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書によって裏付けることができる。即ち、本発明の実施例において説明していない自明な段階又は部分は、上記文書を参照して説明することができる。
【0029】
また、本文書に開示されている全ての用語は、上記標準文書によって説明されることができる。例えば、この明細書は3GPP TS 36.211、3GPP TS 36.213、3GPP TS 36.321、3GPP TS 36.322、3GPP TS 36.323、3GPP TS 36.331、3GPP TS 23.203、3GPP TS 23.401、3GPP TS 24.301の標準文書、及び/又は3GPP NR標準文書(例えば、3GPP TS 38.331、3GPP TS 23.501、3GPP TS 23.502)のうちの1つ以上によって裏付けられる。
【0030】
以下、本発明に係る好適な実施の形態を、添付の図面を参照して詳しく説明する。添付の図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施の形態を説明しようとするもので、本発明が実施され得る唯一の実施の形態を表そうとするものではない。
【0031】
また、本発明の実施例で使われる特定用語は本発明の理解を助けるために提供されたものであり、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で別の形態に変更されてもよい。
【0032】
以下、添付図面を参照しながら開示する詳しい説明は、本発明の例示的な実施形態を説明するものであり、本発明を実施できる唯一な実施形態ではない。
【0033】
また、本発明の実施例で使われる特定用語は本発明の理解を助けるために提供されたものであり、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で別の形態に変更されてもよい。
【0034】
まず、本明細書で使われる用語は次のように定義される。
【0035】
-IMS(IP Multimedia Subsystem又はIP Multimedia Core Network Subsystem):IP上で音声又は他のマルチメディアサービスを配達するための標準化を提供するための構造的(architectural)フレームワーク(framework)。
【0036】
-UMTS(Universal Mobile Telecommunications System):3GPPによって開発された、GSM(Global System for Mobile Communication)ベースの3世代(Generation)移動通信技術。
【0037】
-EPS(Evolved Packet System):IP(Internet Protocol)ベースのPS(packet switched)コア(core)ネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)とLTE/UTRANなどのアクセスネットワークとで構成されたネットワークシステム。UMTSが進化した形態のネットワークである。
【0038】
-NodeB:GERAN/UTRANの基地局。屋外に設置し、カバレッジはマクロセル(macro cell)規模である。
【0039】
-eNodeB/eNB:E-UTRANの基地局。屋外に設置し、カバレッジはマクロセル(macro cell)規模である。
【0040】
-UE(User Equipment):ユーザ機器。UEは、UE(terminal)、ME(Mobile Equipment)、MS(Mobile Station)などと呼ぶこともできる。また、UEは、ノートパソコン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン、マルチメディア機器などのように携帯可能な機器であってもよく、PC(Personal Computer)、車両搭載装置のように携帯不可能な機器であってもよい。MTC関連内容においてUE又は端末という用語は、MTCデバイスを指すことができる。
【0041】
-HNB(Home NodeB):UMTSネットワークの基地局であり、屋内に設置し、カバレッジはマイクロセル(micro cell)規模である。
【0042】
-HeNB(Home eNodeB):EPSネットワークの基地局であり、屋内に設置し、カバレッジはマイクロセル規模である。
【0043】
-MME(Mobility Management Entity):移動性管理(Mobility Management;MM)、セッション管理(Session Management;SM)機能を有するEPSネットワークのネットワークノード。
【0044】
-PDN-GW(Packet Data Network-Gateway)/PGW/P-GW:UE IPアドレス割り当て、パケットスクリーニング(screening)及びフィルタリング、課金データ集合(charging data collection)機能などを有するEPSネットワークのネットワークノード。
【0045】
-SGW(Serving Gateway)/S-GW:移動性アンカー(mobility anchor)、パケットルーティング(routing)、休止(idle)モードパケットバッファリング、MMEがUEをページングするようにトリガーする機能などを有するEPSネットワークのネットワークノード。
【0046】
-PCRF(Policy and Charging Rule Function):サービスフロー別に差別化したQoS及び課金政策を動的(dynamic)に適用するための政策決定(Policy decision)を行うEPSネットワークのネットワークノード。
【0047】
-OMA DM(Open Mobile Alliance Device Management):携帯電話、PDA、携帯用コンピュータなどのようなモバイルデバイスの管理のためにデザインされたプロトコルであり、デバイス設定(configuration)、ファームウェアアップグレード(firmware upgrade)、誤り報告(Error Report)などの機能を有する。
【0048】
-OAM(Operation Administration and Maintenance):ネットワーク欠陥表示、性能情報、及びデータ診断機能を提供するネットワーク管理機能群。
【0049】
-NAS(Non-Access Stratum):UEとMMEの間の制御プレーン(control plane)の上端(stratum)。LTE/UMTSプロトコルスタックにおいて、UEとコアネットワークの間のシグナリング、トラピックメッセージをやり取りするための機能的階層であって、UEの移動性を支援し、UEとPDN GWの間のIP連結を確立(establish)及び維持するセッション管理手順及びIP住所管理などを支援する。
【0050】
-EMM(EPS Mobility Management):NAS層のサブ層であり、UEがネットワークアタッチ(attach)されているか又はディタッチ(detach)されているかによって、EMMは、’EMM-Registered’状態又は’EMM-Deregistered’状態を有することができる。
【0051】
-ECM(EMM Connection Management)連結(connection):UEとMMEとの間に確立(establish)された、NASメッセージの交換(exchange)のためのシグナリング連結(connection)。ECM連結は、UEとeNB間のRRC連結と上記eNBとMME間のS1シグナリング連結で構成された論理(logical)連結である。ECM連結が確立(establish)/終結(terminate)すると、上記RRC及びS1シグナリング連結も同様に確立/終結する。確立されたECM連結は、UEにとってはeNBと確立されたRRC連結を有することを意味し、MMEにとっては上記eNBと確立されたS1シグナリング連結を有することを意味する。NASシグナリング連結、即ち、ECM連結が確立されているか否かによって、ECMは’ECM-Connected’状態又は’ECM-Idle’状態を有することができる。
【0052】
-AS(Access-Stratum):UEと無線(或いは接続)ネットワークとの間のプロトコルスタックを含み、データ及びネットワーク制御信号の送信などを担当する。
【0053】
-NAS設定(configuration)MO(Management Object):NAS機能(Functionality)に関連したパラメータ(parameters)をUEに設定する過程で使われるMO(Management object)。
【0054】
-PDN(Packet Data Network):特定サービスを支援するサーバー(例えば、MMS(Multimedia Messaging Service)サーバー、WAP(Wireless Application Protocol)サーバーなど)が位置しているネットワーク。
【0055】
-PDN連結:1つのIP住所(1つのIPv4住所及び/又は1つのIPv6プレフィックス)で表現されるUEとPDNの間の論理的連結。
【0056】
-APN(Access Point Name):PDNを示したり区分する文字列。要求したサービスやネットワークに接続するためには特定P-GWを経るが、このP-GWを見つけ得るようにネットワーク内であらかじめ定義した名前(文字列)を意味する。(例えば、internet.mnc012.mcc345.gprs)
【0057】
-RAN(Radio Access Network):3GPPネットワークにおいてNodeB、eNodeB、及びそれらを制御するRNC(Radio Network Controller)を含む単位。UE同士の間に存在し、基幹ネットワークへの連結を提供する。
【0058】
-HLR(Home Location Register)/HSS(Home Subscriber Server):3GPPネットワークの加入者情報を有するデータベース。HSSは、設定記憶(configuration storage)、識別子管理(identity management)、ユーザ状態記憶などの機能を有することができる。
【0059】
-PLMN(Public Land Mobile Network):個々人に移動通信サービスを提供するために構成されたネットワーク。オペレータ別に区分して構成することができる。PLMNは周波数帯域のうちの1つ又はそれらの組み合わせによりサービスを提供する。原則的には、PLMNは国(country)の境界に制約される。国際的規定により各国は1つ以上のPLMNを有する。各加入者とそのホームPLMN(HPLMN)の間に関係が存在する。通信が各加入者のホームPLMNではない他のPLMNにわたって処理される場合、他のPLMNは訪問PLMN(VPLMN)として称される。
【0060】
-接続技術(access Technology):UEは特定のPLMNを選択する時、どのタイプの無線搬送波を探索するかを決定するが、この時、PLMNに連関する接続技術(例、GSM、UTRAN、GSM COMPACT、E-UTRAN又はNG-RAN)を使用する。
【0061】
-セル上にキャンプする(camped on a cell):UE(SIMがない場合は、移動機器(mobile equipment、ME))がセル選択/再選択プロセスを完了し、利用可能なサービスを提供できるセルを選定する。サービスは制限されることもあり、PLMNは上記選定されたセル内のUE(ME)の存在を認識できないこともある。
【0062】
-ANDSF(Access Network Discovery and Selection Function):一つのネットワークエンティティ(entity)であり、事業者単位でUEが使用可能な接続(access)を発見して選択するようにする政策(Policy)を提供。
【0063】
-EPC経路(又は、infrastructure data path)):EPCを介したユーザ平面コミュニケーション経路
【0064】
-E-RAB(E-UTRAN Radio Access Bearer):S1ベアラと該当のデータ無線ベアラとの連結(concatenation)をいう。E-RABが存在すると、該E-RABとNASのEPSベアラとの間に一対一マッピングがある。
【0065】
-GTP(GPRS Tunneling Protocol):GSM、UMTS及びLTEネットワーク内で一般パケット無線サービス(general packet radio service;GPRS)を運ぶために用いられるIP-ベース通信プロトコルのグループ。3GPPアーキテクチャー内には、GTP及びプロキシモバイルIPv6ベースインタフェースが様々なインタフェースポイント上に特定(specify)されている。GTPは、いくつかのプロトコル(例えば、GTP-C、GTP-U及びGTP‘)に分解(decompose)することができる。GTP-Cは、ゲートウェイGPRS支援ノード(GGSN)とサービングGPRS支援ノード(SGSN)との間のシグナリングのためにGPRS基幹(core)ネットワーク内で用いられる。GTP-Cは、上記SGSNがユーザのためにセッションを活性化(activate)(例えば、PDNコンテクスト活性化(activation))すること、同一セッションを非活性化(deactivate)すること、サービスパラメータの品質(quality)を調整(adjust)すること、又は他のSGSNから動作したばかりの加入者(subscriber)のためのセッションを更新すること、を許容する。GTP-Uは上記GPRS基幹ネットワーク内でそして無線接続ネットワークと基幹ネットワークとの間でユーザデータを運ぶために用いられる。
【0066】
-gNB:UEに向かうNRユーザ平面及び制御平面プロトコル終結を提供し、次世代(next generation、NG)インターフェース(例えば、NG-C、NG-U)を通じて5Gコアーネットワーク(5GC)に連結されたノード。
【0067】
-5G接続ネットワーク(access network、AN):5Gコアーネットワークに連結するNG RAN及び/又は非-3GPP ANを含む接続ネットワーク。
【0068】
-5Gシステム:5G接続ネットワーク(access network、AN)、5Gコアーネットワーク及びUEで構成される3GPPシステム。新しい無線(new radio、NR)システム、或いは次世代(next generation)システムとも呼ばれる。
【0069】
-NGAP UE連関(association):5G-ANノード及びAMFの間のUEごとの論理連関(logical per UE association)。
【0070】
-NF(network function)サービス:サービス基盤のインターフェースを通じてNFにより露出され(expose)、権限のある(authorized)他のNFにより消費される(consumed)機能性(functionality)。
【0071】
-NG-RAN:5Gシステムにおいて5GCに接続する無線接続ネットワーク。
【0072】
-NG-C:NG-RANと5GCの間の制御平面インターフェース。
【0073】
-NG-U:NG-RANと5GCの間のユーザ平面インターフェース。
【0074】
EPCは、3GPP技術の性能を向上するためのSAE(System Architecture Evolution)の肝心な要素である。SAEは、種々のネットワーク間の移動性を支援するネットワーク構造を決定する研究課題に該当する。SAEは、例えば、IPベースで様々な無線接続技術を支援し、より向上したデータ送信キャパビリティを提供するなどの最適化したパケット-ベースシステムを提供することを目指す。
【0075】
具体的に、EPCは、3GPP LTEシステムのためのIP移動通信システムの基幹ネットワーク(Core Network)であり、パケット-ベース実時間及び非実時間サービスを支援することができる。既存の移動通信システム(即ち、2世代又は3世代移動通信システム)では、音声のためのCS(Circuit-Switched)及びデータのためのPS(Packet-Switched)の2つの区別されるサブ-ドメインによって基幹ネットワークの機能が具現された。しかし、3世代移動通信システムの進化である3GPP LTEシステムでは、CS及びPSのサブ-ドメインが一つのIPドメインに単一化された。即ち、3GPP LTEシステムでは、IPキャパビリティ(capability)を有するUEとUEとの連結を、IPベースの基地局(例えば、eNodeB(evolved Node B))、EPC、アプリケーションドメイン(例えば、IMS(IP Multimedia Subsystem))によって構成することができる。即ち、EPCは端-対-端(end-to-end)IPサービス具現に必須な構造である。
【0076】
EPCは様々な構成要素を含むことができ、
図1ではその一部に該当する、SGW(Serving Gateway)、PDN GW(Packet Data Network Gateway)、MME(Mobility Management Entity)、SGSN(Serving GPRS(General Packet Radio Service) Supporting Node)、ePDG(enhanced Packet Data Gateway)を示す。
【0077】
SGW(又はS-GW)は無線接続ネットワーク(RAN)と基幹ネットワークとの間の境界点として動作し、eNBとPDN GWとの間のデータ経路を維持する機能を有する要素である。また、UEがeNBによってサービング(serving)される領域にわたって移動する場合、SGWはローカル移動性アンカーポイント(anchor point)の役割を担う。即ち、E-UTRAN(3GPPリリース-8以降に定義されるEvolved-UMTS(Universal Mobile Telecommunications System) Terrestrial Radio Access Network)における移動性のために、SGWを介してパケットをルーティングすることができる。また、SGWは、他の3GPPネットワーク(3GPPリリース-8以前に定義されるRAN、例えば、UTRAN又はGERAN(GSM(Global System for Mobile Communication)/EDGE(Enhanced Data rates for Global Evolution)Radio Access Network)との移動性のためのアンカーポイントとして機能してもよい。
【0078】
PDN GW(又はP-GW)は、パケットデータネットワークに向かうデータインタフェースの終了点(termination point)に該当する。PDN GWは、政策執行特徴(policy enforcement features)、パケットフィルタリング(packet filtering)、課金支援(charging support)などを支援することができる。また、3GPPネットワークと非-3GPPネットワーク(例えば、I-WLAN(Interworking Wireless Local Area Network)のような信頼できないネットワーク、CDMA(Code Division Multiple Access)ネットワークやWiMaxのような信頼できるネットワーク)との移動性管理のためのアンカーポイントの役目を担うことができる。
【0079】
図1のネットワーク構造の例示では、SGWとPDN GWが別個のゲートウェイで構成されることを示しているが、2つのゲートウェイが単一ゲートウェイ構成オプション(Single Gateway Configuration Option)によって具現されてもよい。
【0080】
MMEは、UEのネットワーク連結に対するアクセス、ネットワークリソースの割り当て、トラッキング(tracking)、ページング(paging)、ローミング(roaming)及びハンドオーバーなどを支援するためのシグナリング及び制御機能を有する要素である。MMEは、加入者及びセッション管理に関連した制御平面(control plane)機能を制御する。MMEは多数のeNBを管理し、他の2G/3Gネットワークに対するハンドオーバーのための従来のゲートウェイの選択のためのシグナリングを行う。また、MMEは、保安手順(Security Procedures)、端末-対-ネットワークセッションハンドリング(Terminal-to-network Session Handling)、休止端末位置決定管理(Idle Terminal Location Management)などの機能を有する。
【0081】
SGSNは、別の3GPPネットワーク(例えば、GPRSネットワーク)に対するユーザの移動性管理及び認証(authentication)のような全てのパケットデータをハンドリングする。
【0082】
ePDGは、信頼できない非-3GPPネットワーク(例えば、I-WLAN、WiFiホットスポット(hotspot)など)に対する保安ノードとしての役割を担う。
【0083】
上述したように、IP能力(capability)を有するUEは、3GPPアクセスはもとより、非-3GPPアクセスベースでもEPC内の様々な要素を経由して、事業者(即ち、運営者(operator))が提供するIPサービスネットワーク(例えば、IMS)にアクセスすることができる。
【0084】
また、
図1は、様々な参照ポイント(reference point)(例えば、S1-U、S1-MMEなど)を示している。3GPPシステムでは、E-UTRAN及びEPCにおける個別の機能エンティティ(functional entity)に存在する2個の機能を連結する概念的なリンクを参照ポイントと定義する。次の表1に、
図1に示した参照ポイントを整理する。表1の例示の他に、ネットワーク構造によって様々な参照ポイントが存在してもよい。
【0085】
【0086】
図1に示す参照ポイントのうち、S2a及びS2bは非-3GPPインタフェースに該当する。S2aは、信頼できる非-3GPPアクセス及びPDN GW間の関連制御及び移動性支援を、ユーザ平面に提供する参照ポイントである。S2bは、ePDG及びPDN GW間の関連制御及び移動性支援をユーザ平面に提供する参照ポイントである。
【0087】
図2は、一般的なE-UTRANとEPCのアーキテクチャーを示す例示図である。
【0088】
図2に示すように、eNBはRRC(Radio Resource Control)連結が活性化されている間に、ゲートウェイへのルーティング、ページングメッセージのスケジューリング及び送信、放送チャネル(BCH)のスケジューリング及び送信、アップリンク及びダウンリンクにおけるリソースをUEに動的割り当て、eNBの測定のための設定及び提供、無線ベアラ制御、無線許可制御(radio admission control)、そして連結移動性制御などのための機能を有することができる。EPC内ではページング発生、LTE
IDLE状態管理、ユーザ平面の暗号化、SAEベアラ制御、NASシグナリングの暗号化及び完全性保護機能を有することができる。
【0089】
図3は、UEとeNBとの間の制御平面における無線インタフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の構造を示す例示図であり、
図4は、UEとeNBとの間のユーザ平面における無線インタフェースプロトコルの構造を示す例示図である。
【0090】
無線インタフェースプロトコルは3GPP無線接続ネットワーク規格に基づく。無線インタフェースプロトコルは水平的に、物理層(Physical Layer)、データリンク層(Data Link Layer)及びネットワーク層(Network Layer)からなり、垂直的にはデータ情報送信のためのユーザ平面(User Plane)と制御信号(Signaling)伝達のための制御平面(Control Plane)とに区分される。制御平面はUEとネットワークが信号を管理するために使用する制御メッセージが送信される通路を意味する。ユーザ平面はアプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路を意味する。
【0091】
制御平面におけるプロトコル層は、第1層(L1)、第2層(L2)、第3層(L3)及びNAS(Non-Access Stratum)層に区分され、ユーザ平面におけるプロトコル層は、第1層及び第2層に区分される。
【0092】
以下、
図3に示した制御平面の無線プロトコルと、
図4に示すユーザ平面における無線プロトコルの各層について説明する。
【0093】
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて情報送信サービス(Information Transfer Service)を提供する。上記物理層は上位にある媒体接続制御(Medium Access Control)層とは送信チャネル(Transport Channel)を介して連結されており、上記送信チャネルを介して媒体接続制御層と物理層との間のデータが伝達される。そして、異なる物理層の間、即ち、送信側の物理層と受信側の物理層との間には物理チャネルを介してデータが伝達される。
【0094】
物理チャネル(Physical Channel)は、時間軸上にある複数のサブフレームと周波数軸上にある複数の副搬送波(subcarrier)とで構成される。ここで、一つのサブフレーム(subframe)は時間軸上で複数のOFDMシンボル(symbol)と複数の副搬送波とで構成される。一つのサブフレームは複数のリソースブロック(Resource Block)で構成され、一つのリソースブロックは複数のOFDMシンボル(Symbol)と複数の副搬送波とで構成される。データが送信される単位時間であるTTI(Transmission Time Interval)は、1個のサブフレームに該当する1msである。
【0095】
3GPP LTEによれば、上記送信側と受信側の物理層に存在する物理チャネルは、データチャネルであるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)及びPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と、制御チャネルであるPDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)及びPUCCH(Physical Uplink Control Channel)などに区別される。
【0096】
第2層は、媒体アクセス制御(Medium Access Control、MAC)階層、無線リンク制御(Radio Link Control、RLC)階層及びパケットデータコンバージェンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol、PDCP)階層を含む。
【0097】
まず、第2層のMAC層は、様々な論理チャネル(Logical Channel)を様々な送信チャネルにマップさせる役割を担い、且つ複数の論理チャネルを一つの送信チャネルにマップさせる論理チャネル多重化(Multiplexing)の役割を担う。MAC層は上位層であるRLC層とは論理チャネル(Logical Channel)で連結されており、論理チャネルは、送信される情報の種類によって、概ね制御平面(Control Plane)の情報を送信する制御チャネル(Control Channel)とユーザ平面(User Plane)の情報を送信するトラフィックチャネル(Traffic Channel)とに区別される。
【0098】
制御チャネル(control Channel)は、ブロードキャスト制御チャネル(Broadcast control Channel、BCCH)、ページング制御チャネル(Paging control Channel、PCCH)、共通制御チャネル(Common control Channel、CCCH)及び専用制御チャネル(Dedicated control Channel、DCCH)を含む。この時、BCCHはシステム制御情報をブロードキャストするための下りリンクチャネル、PCCHはページング情報及びシステム情報の変更通知を伝達する下りリンクチャネル、CCCHはUEとネットワークの間の制御情報を送信するためのチャネル、DCCHはUEとネットワークの間に専用制御情報を送信するための点-対-点(point-to-point)の双方向チャネルを意味する。CCCHはネットワークとRRC連結を有さないUEのために使用され、DCCHはRRC連結を有するUEのために使用される。
【0099】
トラフィックチャネルは専用トラフィックチャネル(Dedicated Traffic Channel、DTCH)を含み、DTCHはユーザ情報を伝達するために単一UEに専用する点-対-点(point-to-point)のチャネルであって、上りリンク及び下りリンクが全て存在することができる。
【0100】
上述したように、MAC層は下りリンク及び上りリンクにおいて様々な論理チャネルを様々な送信チャネルにマッピングすることができる。例えば、下りリンクにおいて、MAC層はBCCHをBCH又はDL-SCH(Downlink-Shared Channel)にマッピングし、PCCHをPCHにマッピングする。また下りリンクにおいて、MAC層はCCCHをDL-SCHにマッピングし、DCCHをDL-SCHにマッピングし、DTCHをDL-SCHにマッピングする。また上りリンクにおいて、MAC層はCCCHをUL-SCH(Uplink-Shared Channel)にマッピングし、DCCHをUL-SCHにマッピングし、DTCHをUL-SCHにマッピングする。
【0101】
第2層におけるRLC層は、上位層から受信したデータを分割(Segmentation)及び連結(Concatenation)して、下位層が無線区間でデータを送信するのに適するようにデータサイズを調節する役割を担う。
【0102】
第2層におけるPDCP層は、IPv4やIPv6のようなIPパケット送信時に、帯域幅の小さい無線区間で効率的に送信するために、相対的にサイズが大きいと共に不要な制御情報を含んでいるIPパケットヘッダーサイズを減らすヘッダー圧縮(Header Compression)機能を有する。また、LTEシステムでは、PDCP層が保安(Security)機能も担うが、これは、第3者のデータ傍受を防止する暗号化(Ciphering)及び第3者のデータ操作を防止する完全性保護(Integrity protection)で構成される。
【0103】
第3層の最上部に位置している無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)層は、制御平面においてのみ定義され、無線ベアラ(Radio Bearer;RBと略す。)の設定(Configuration)、再設定(Re-configuration)及び解除(Release)に関連して論理チャネル、送信チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。このとき、RBは、UEとE-UTRANとの間のデータ伝達のために第2層によって提供されるサービスを意味する。
【0104】
上記RRC層の上位に位置するNAS(Non-Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を有する。
【0105】
次に、
図3に示したNAS層について詳しく説明する。
【0106】
NAS層に属するESM(Evolved Session Management)は、デフォルトベアラ(default bearer)管理、専用ベアラ(dedicated bearer)管理のような機能を果たし、UEがネットワークからPSサービスを利用するための制御を担当する。デフォルトベアラリソースは、特定PDN(Packet Data Network)に最初接続時に、ネットワークに接続される際にネットワークから割り当てられるという特徴を有する。このとき、ネットワークは、UEがデータサービスを用い得るようにUEにとって使用可能なIPアドレスを割り当て、またデフォルトベアラのQoSを割り当てる。LTEでは、大きく、データ送信/受信のための特定帯域幅を保障するGBR(Guaranteed bit rate)QoS特性を有するベアラと、帯域幅の保障無しでベストエフォートQoS(Best effort QoS)特性を有するNon-GBRベアラの2種類を支援する。デフォルトベアラの場合、Non-GBRベアラが割り当てられる。専用ベアラの場合には、GBR又はNon-GBRのQoS特性を有するベアラが割り当てられる。
【0107】
ネットワークでUEに割り当てたベアラをEPS(evolved packet service)ベアラと呼び、EPSベアラを割り当てる際に、ネットワークは一つのIDを割り当てる。これをEPSベアラIDと呼ぶ。一つのEPSベアラはMBR(maximum bit rate)又は/及びGBR(guaranteed bit rate)のQoS特性を有する。
【0108】
図5は、ユーザ平面及び制御平面のためのLTEプロトコルスタックを例示する図である。
図5(a)は、ユーザ平面プロトコルスタックをUE-eNB-SGW-PGW-PDNにわたって例示しており、
図5(b)は、制御平面プロトコルスタックをUE-eNB-MME-SGW-PGWにわたって例示している。プロトコルスタックのキー(key)層の機能(function)を簡略に説明すると次のとおりである。
【0109】
図5(a)を参照すると、GTP-Uプロトコルは、S1-U/S5/X2インタフェース上でユーザIPパケットをフォワードするために用いられる。GTPトンネルがLTEハンドオーバー中にデータフォワーディングのために確立されると、終端マーカーパケット(End Marker Packet)が最後のパケットとして上記GTPトンネル上で伝達(transfer)される。
【0110】
図5(b)を参照すると、S1APプロトコルはS1-MMEインタフェースに適用される。S1APプロトコルは、S1インタフェース管理、E-RAB管理、NASシグナリング伝達及びUEコンテクスト管理のような機能を支援する。S1APプロトコルは、E-RABをセットアップするために初期UEコンテクストをeNBに伝達し、その後、上記UEコンテクストの修正或いは解除を管理する。S11/S5インタフェースにはGTP-Cプロトコルが適用される。GTP-CプロトコルはGTPトンネルの生成、修正(modification)及び終了(termination)のための制御情報の交換(exchange)を支援する。GTP-CプロトコルはLTEハンドオーバーの場合にデータフォワーディングトンネルを生成する。
【0111】
図3及び
図4に例示されたプロトコルスタック及びインタフェースに関する説明は、
図5における同一のプロトコルスタック及びインタフェースにもそのまま適用することができる。
【0112】
図6は、3GPP LTEにおいて任意接続手順を示すフローチャートである。
【0113】
任意接続手順は、UEが基地局とUL同期を取るか、又はUEにUL無線リソースを割り当てるために行われる。
【0114】
UEはルートインデックス(root index)とPRACH(physical random access channel)設定インデックス(configuration index)をeNBから受信する。各セルごとにZC(Zadoff-Chu)シーケンスによって定義される64個の候補(candidate)任意接続(random access;RA)プリアンブルがあり、ルートインデックスは、UEが64個の候補任意接続プリアンブルを生成するための論理的インデックスである。
【0115】
任意接続プリアンブルの送信は、各セルごとに特定の時間及び周波数リソースに限定される。PRACH設定インデックスは、任意接続プリアンブルの送信が可能な特定サブフレームとプリアンブルフォーマットを示す。
【0116】
任意接続手順、特に、競合-ベース任意接続手順は、次の3段階を含む。次の段階1、2、3で送信されるメッセージはそれぞれ、msg1、msg2、msg4とも呼ばれる。
【0117】
(1)段階1
【0118】
UEは任意に選択された任意接続プリアンブルをeNBに送信する。UEは64個の候補任意接続プリアンブルから一つを選択する。そして、PRACH設定インデックスによって該当のサブフレームを選択する。UEは、選択された任意接続プリアンブルを選択されたサブフレームで送信する。
【0119】
(2)段階2
【0120】
上記任意接続プリアンブルを受信したeNBは、任意接続応答(random access response;RAR)をUEに送る。任意接続応答は2段階で検出される。まず、UEはRA-RNTI(random access-RNTI)でマスクされたPDCCHを検出する。UEは、検出されたPDCCHが示すPDSCH上でMAC(Medium Access Control)PDU(Protocol Data Unit)内の任意接続応答を受信する。RARは、UL同期化のためのタイミングオフセット情報を示すタイミングアドバンス(timing advance;TA)情報、ULリソース割り当て情報(ULグラント情報)、臨時UE識別子(例えば、temporary cell-RNTI;TC-RNTI)などを含む。
【0121】
(3)段階3
【0122】
UEは、RAR内のリソース割り当て情報(即ち、スケジューリング情報)及びTA値によってUL送信を行うことができる。RARに対応するUL送信にはHARQが適用される。従って、UEはUL送信を行った後、上記UL送信に対応する受信応答情報(例えば、PHICH)を受信することができる。
【0123】
図7は、無線リソース制御(RRC)層における連結手順を示す図である。
【0124】
図7に示すように、RRC連結が確立されたか否かによってRRC状態が表されている。RRC状態とは、UEのRRC層のエンティティ(entity)がeNBのRRC層のエンティティと論理的連結(logical connection)がされているか否かをいい、連結されている場合はRRC連結状態(connected state)といい、連結されていない状態をRRC休止状態(idle state)という。
【0125】
UEのRRC階層と無線ネットワークのRRC階層の間にRRC連結が確立された場合、UEはRRC連結状態であり、そうではない場合は、RRC休止状態である。実施例によって、RRC連結状態はRRC CONNECTED状態、連結状態、RRC連結モード又は連結モードと称され、RRC休止状態はRRC DLE状態、休止状態、RRC休止モード又は休止モードと称される。
【0126】
連結状態のUEはRRC連結が存在するので、E-UTRANは当該UEの存在をセル単位で把握でき、UEを効果的に制御することができる。一方、UEが休止モード(idle state)である時、E-UTRANはUEの存在を把握できず、コアネットワークがセルより大きい領域単位であるTA(Tracking Area)単位でUEの存在を把握する。即ち、UEが休止状態である時、セルより大きい領域単位で該当UEの存在有無のみを把握することができ、UEに音声やデータのような通常の移動通信サービスが提供されるためには、連結状態に遷移する必要がある。各TAはTAI(Tracking Area Identity)により区分される。UEはセルで放送される情報であるTAC(Tracking Area Code)によりTAIを構成する。
【0127】
ユーザがUEの電源を最初につけた時、UEはまず適切なセルを探索した後、当該セルでRRC連結を結び、コアネットワークにUEの情報を登録する。その後、UEは休止状態になる。休止状態のUEは必要によってセルを(再)選択し、システム情報又はページング情報を確認する。これをセルにcamp onするという。休止状態のUEはRRE連結を結ぶ必要がある時、始めてRRC連結手順によりE-UTRANのRRCとRRC連結を結んで連結状態に遷移する。休止状態であってUEがRRC連結を結ぶ必要がある場合としては、例えば、ユーザの通話、データ送信が必要な場合、又はE-UTRANから受信したページングメッセージに対する応答メッセージを送信する場合などがあるが、これに限られない。
【0128】
上述したように、休止状態のUEがeNBとRRE連結を確立するためには、RRC連結手順(RRC connection procedure)を行う必要がある。RRC連結手順は、大きく、UEがeNBにRRC連結要求(RRC connection request)メッセージを送信する過程、eNBがUEにRRC連結セットアップ(RRC connection setup)メッセージを送信する過程、そしてUEがeNBにRRC連結セットアップ完了(RRC connection setup complete)メッセージを送信する過程を含む。以下、
図7を参照しながら、RRE連結手順についてより詳しく説明する。
【0129】
(1)休止状態のUEは、通話試み、データ送信試み又はeNBのページングに対する応答などの理由でRRC連結を確立しようとする場合、RRC連結要請(RRC connection request)メッセージをeNBに送信する。
【0130】
(2)UEからRRC連結要求メッセージを受信すれば、eNBは無線リソースが十分である場合にはUEのRRC連結要求を受諾し、応答メッセージであるRRC連結セットアップ(RRC connection setup)メッセージを上記UEに送信する。
【0131】
(3)UEが上記RRC連結セットアップメッセージを受信すれば、eNBにRRC連結セットアップ完了(RRC connection setup complete)メッセージを送信する。
【0132】
UEがRRC連結設定メッセージを成功的に送信すると、初めてUEはeNBとRRC連結され、連結モードに遷移する。
【0133】
現在3GPPでは、EPC以後の次世代移動通信システムに対する研究が行われている。次世代モバイルネットワークシステム、例えば、5Gコアネットワークに対するデザインのために、3GPPではSMARTER(Services and Markets Technology Enablers)という研究によりサービス要求事項を定義している。また、システムアーキテクチャ2(system architecture、SA2)では、SMARTERに基づいて次世代システムのための研究(study on architecture for next generation system、FS NextGen)が行われている。3GPP TS 23.501はネットワークスライスを含む5Gシステムのステージ2システムのアーキテクチャを定義し、3GPP TS 23.502は5Gシステムのための過程を定義し、3GPP TS 23.503は5Gシステムのための政策及び料金統制フレームワークを定義する。3GPP TR 23.799はNextGenシステム(NextGen system、NGS)について以下の用語が定義されている。
【0134】
-進化したE-UTRA(Evolved E-UTRA):NextGenシステム内の作動(operation)のためのE-UTRA無線インターフェースの進化を示すRAT。
【0135】
-ネットワーク能力(Network Capabilit):3GPP指定の特徴(3GPP specified feature)であって、一般的に別の独立型(standalone)の’最終のユーザサービス(end user service)’として使用されず、’最終のユーザ’に提供される遠隔通信サービスで結合される構成要素(component)として使用される。例えば、位置サービスは、一般的に’最終のユーザ’が単純に他のUEの位置を問う時に使用されることではなく、特性(feature)又はネットワーク能力として、例えば、追跡応用プログラムが’最終のユーザサービス’として提供する、追跡応用プログラムにより使用される、機能(feature)又はネットワーク能力である。ネットワーク能力は内部的にネットワークで使用でき、サードパーティー(3rd party)という外部ユーザに露出されることもできる。
【0136】
-ネットワーク機能(Network Function):ネットワークにおいて3GPPにより採択されたか又は3GPPにより定義された処理機能を意味し、機能的動作及び3GPPで定義されたインターフェースを含む。ネットワーク機能は、専用ハードウェア上のネットワーク要素、又は専用ハードウェア上で実行されるソフトウェアインスタンス、又は適切なプラットホーム(例えば、クラウド・インフラストラクチャー)上でインスタンス化された仮想化機能として具現されることができる。
【0137】
-NextGen Core Network:3GPP TR 23.799標準に明示されたコアネットワークであって、NextGenアクセスネットワークに連結するコアネットワーク。
【0138】
-NextGen RAN(NG RAN):以下のオプションのうちの1つ以上を支援する無線接続ネットワークを意味する:
【0139】
(1)独立型新しい無線(Standalone New Radio)、
【0140】
(2)独立型新しい無線は進化したE-UTRAの拡張を有するアンカーである、
【0141】
(3)進化したE-UTRA、
【0142】
(4)進化した新しい無線確定を有するアンカーである。
【0143】
NG RANはRANが次世代コアとインターフェースするという共通特徴を有する。
【0144】
-NextGen接続ネットワーク(NextGen Access Network、NG AN):NextGen RAN又は非-3GPPアクセスネットワークを言い、次世代コアとインターフェースする。
【0145】
-NextGenシステム(NG System):NG ANとNextGenコアを含むNextGenシステムを意味する。
【0146】
-NextGen UE:NextGenシステムに連結するUE。
【0147】
-PDU連結性サービス(PDU Connectivity Service):UEとデータネットワークの間でPDUの交換を提供するサービス。
【0148】
-PDUセッション(PDU Session):PDU連結性サービスを提供するデータネットワークとUEの間の連関(association)。連関のタイプは、IPタイプ、イーサネットタイプ及び非-IPタイプを含む。言い換えれば、従来のセッションはIPタイプであったが、NextGenではイーサネットタイプ或いは非-IPタイプであるか否かによってもセッションが区分される。
【0149】
-IPタイプのPDUセッション(PDU Session of IP Type):UEとIPデータネットワークの間の連関。
【0150】
-サービス連続性(Service Continuity):IP住所及び/又はアンカーリング地点が変更される場合を含めてサービス中断のないユーザ経験。
【0151】
-セッション連続性(Session Continuity):PDUセッションの連続性。IPタイプのPDUセッションの場合、’セッション連続性’はPDUセッションの寿命の間にIP住所が保存されることを意味する。
【0152】
5Gシステムアーキテクチャは、ネットワーク機能仮想化(Network Function Virtualization)、ソフトウェア定義ネットワーク(Software Defined Networking)のような技法(technique)を使用するためにデータ連結性及びサービスを支援するように定義される。5Gシステムアーキテクチャはサービス-ベースで定義され、ネットワーク機能の間の相互作用(interaction)は2つの方法で定義される:
【0153】
(1)参照ポイント表現:2つのネットワーク機能(例えば、AMF及びSMF)の間のポイント-to-ポイント参照ポイント(例えば、N11)により説明されるネットワーク機能内のNFサービスの間に存在する相互作用を示す。
【0154】
(2)サービス-ベースの表現:制御平面内のネットワーク機能(例えば、AMF)は、他の公認された(authorized)ネットワーク機能がこれらのサービスに接続することを可能にする(enable)。
【0155】
図8は参照ポイント表現を用いた5Gシステムのアーキテクチャを例示する図である。
【0156】
5Gシステムのアーキテクチャは様々なネットワーク機能(network function、NF)で構成される。例えば、5Gシステムのアーキテクチャは認証サーバー機能(AUSF:Authentication Server Function)、接続及び移動性管理機能(AMF:(Core) access and Mobility Management Function)、セッション管理機能(SMF:Session Management Function)、政策制御機能(PCF:Policy control function)、アプリケーション機能(AF:Application Function)、統合されたデータ管理(UDM:Unified Data Management)、データネットワーク(DN:Data network)、ユーザ平面機能(UPF:User plane Function)、(無線)接続ネットワーク((R)AN:(Radio) access Network)及びユーザ装置(UE:User Equipment)を含むが、これらに限定されない。
【0157】
また3GPPでは、5Gシステム内のNFの間を連結する概念的なリンクを参照ポイント(reference point)として定義する。以下、5Gシステムのアーキテクチャに含まれる参照ポイントを例示する。
【0158】
-N1:UEとAMFの間の参照ポイント
【0159】
-N2:(R)ANとAMFの間の参照ポイント
【0160】
-N3:(R)ANとUPFの間の参照ポイント
【0161】
-N4:SMFとUPFの間の参照ポイント
【0162】
-N5:PCFとAFの間の参照ポイント
【0163】
-N6:UPFとデータネットワークの間の参照ポイント
【0164】
-N7:SMFとPCFの間の参照ポイント
【0165】
-N7r:訪問ネットワーク(visited network)内のPCFとホームネットワーク(home network)内のPCFの間の参照ポイント
【0166】
-N8:UDMとAMFの間の参照ポイント
【0167】
-N9:2つのコアUPFの間の参照ポイント
【0168】
-N10:UDMとSMFの間の参照ポイント
【0169】
-N11:AMFとSMFの間の参照ポイント
【0170】
-N12:AMFとAUSFの間の参照ポイント
【0171】
-N13:UDMと認証サーバ機能(AUSF:Authentication Server function)の間の参照ポイント
【0172】
-N14:2つのAMFの間の参照ポイント
【0173】
-N15:非ローミングシナリオの場合、PCFとAMFの間の参照ポイント。ローミングシナリオの場合、訪問ネットワーク内のPCFとAMFの間の参照ポイント
【0174】
-N16:2つのSMFの間の参照ポイント(ローミングシナリオの場合、訪問ネットワーク内のSMFとホームネットワーク内のSMFの間の参照ポイント)
【0175】
-N17:AMFとEIR(Equipment Identity Register)の間の参照ポイント
【0176】
-N18:あるNFとUDSFの間の参照ポイント
【0177】
-N19:NEFとSDSFの間の参照ポイント
【0178】
5Gシステムアーキテクチャに連関する用語に関する定義及びより詳しい説明は3GPP TR 21.905、3GPP TS 23.501を参照できる。
【0179】
以下、
図8を参照しながら、各NFの機能について説明する。
【0180】
図8を参照すると、AUSF800はUE860の認証のためのデータを格納する。
【0181】
UDM810はユーザの加入データ、政策データなどを格納する。UDM810は2つの部分、即ち、アプリケーションのフロントエンド(FE:front end)及びユーザデータ格納庫(UDR:User Data Repository)を含む。
【0182】
FE(Front End)は、位置管理、加入管理、資格証明(credential)の処理などを担当するUDMのFE及び政策制御を担当するPCFを含む。UDRは、UDM-FEによって提供される機能のために要求されるデータ及びPCFによって要求される政策プロファイルを格納する。UDR内に格納されるデータは、加入識別子、保安資格証明(security credential)、アクセス及び移動性関連の加入データ並びにセッション関連の加入データを含むユーザー加入データと政策データを含む。UDM-FEは、UDRに格納された加入情報にアクセスし、認証資格証明処理(Authentication Credential Processing)、ユーザー識別子ハンドリング(User Identification Handling)、アクセス認証、登録/移動性管理、加入管理、SMS管理などの機能を支援する。
【0183】
AMF820は、例えば、RAN CPインターフェース(即ち、N2インターフェース)終結(termination)、NAS(N1)の終結、NASシグナリング保安(NAS暗号化(ciphering)及び完全性保護(ciphering and integrity protection))、連結管理、到達可能性(reachability)管理、AS保安制御、登録管理(登録領域管理)、連結管理、休止モードのUE接近性(reachability)(ページング再送信の制御及び実行を含む)、移動性(mobility)管理、イントラ-システム移動性及びインター-システム移動性の支援、ネットワークスライシング(Network Slicing)の支援、SMF選択、合法的傍受(Lawful Intercept)(AMFイベント及びLIシステムへのインターフェースに対する)、UE860とSMF830との間のセッション管理(SM:session management)メッセージの伝達、SMメッセージルーティングのための透過型プロキシ(Transparent proxy)、アクセス認証(Access Authentication)、ローミング権限チェックを含むアクセス許可(Access Authentication)、UE860とSMF830の間のSMSメッセージ伝達、保安アンカー機能(SEA:Security Anchor Function)、保安コンテキスト管理(SCM:Security Context Management)、EPSとの相互作用(interworking)のためのEPSベアラーID割り当てなどの機能を含む。AMF820の一部又は全ての機能は1つのAMF820の単一インスタンス(instance)内で支援される。
【0184】
SMF830はセッション管理機能を提供し、UE860が複数のセッションを有する場合、各セッションは互いに異なるSMFにより管理される。
【0185】
具体的には、SMF830は、セッション管理(例えば、UPF880とANノードとの間のトンネル維持を含んでセッションの確立、修正及び解除)、UE860のIPアドレスの割り当て及び管理(選択的に認証を含む)、UP機能の選択及び制御、UPF880でトラフィックを適切な目的地にルーティングするためのトラフィックステアリング(traffic steering)の設定、政策制御機能(Policy control functions)に向かったインターフェースの終端、政策及びQoSの制御部分施行、合法的傍受(SMイベント及びLIシステムへのインターフェースに対する)、NASメッセージのSM部分の終端、下りリンクデータの通知(Downlink Data Notification)、AN特定のSM情報の開始子(AMF820を経てN2を介してANに伝達)、セッションのSSCモード決定及びローミング機能などの機能を支援する。
【0186】
SMF830の一部又は全ての機能は、1つのSMFの単一インスタンス内で支援される。
【0187】
PCF840は、アプリケーションサーバーからパケットの流れに関する情報を受信し、移動性管理、セッション管理などの政策を決定する機能を提供する。具体的には、PCF840は、ネットワーク動作をコントロールするための単一化した政策フレームワークの支援、CP機能(例えば、AMF820、SMF830など)が政策規則を施行するように政策規則を提供し、ユーザーデータ格納庫(UDR:User Data Repository)内の政策を決定するために関連した加入情報にアクセスするためのフロントエンドの具現などの機能を支援する。
【0188】
AF850は、サービスを提供するために(例えば、トラフィックルーティング上でアプリケーション影響、ネットワーク能力露出(Network Capability Exposure)接近、政策制御のための政策フレームワークとの相互動作などの機能を支援)、3GPPコアネットワークと相互動作する。
【0189】
(R)AN870は、4G無線接続技術の進化したバージョンである進化したE-UTRA(evolved E-UTRA)と新しい無線接続技術(NR:New radio)(例えば、gNB)を全て支援する新しい無線接続ネットワークである。
【0190】
UPF880は、DN890から受信した下りリンクPDUを(R)AN870を介してUE860に伝達し、(R)AN870を介してUE860から受信した上りリンクPDUをDN890に伝達する。
【0191】
具体的には、UPF880は、イントラ(intra)/インター(inter)RAT移動性のためのアンカーポイント、データネットワークへの相互連結(interconnect)の外部PDUセッションポイント、パケットルーティング及びフォワーディング、パケット検査(inspection)、並びに政策規則施行のユーザー平面部分、合法的傍受、トラフィック使用量の報告、データネットワークへのトラフィックフローのルーティングを支援するための上りリンク分類子(classifier)、マルチ-ホーム(multi-homed)PDUセッションを支援するためのブランチポイント(Branching point)、ユーザー平面のためのQoSハンドリング(例えば、パケットフィルタリング、ゲーティング(gating)、上りリンク/下りリンクレートの施行)、上りリンクトラフィックの検証(サービスデータフロー(SDF :Service Data Flow)とQoSフローの間のSDFマッピング)、上りリンク及び下りリンク内の伝達レベル(transport level)パケットマーキング、下りリンクパケットのバッファリング及び下りリンクデータ通知トリガリング機能などを支援する。UPF880の一部又は全ての機能は、一つのUPFの単一インスタンス内で支援される。
【0192】
DN890は、例えば、運営者サービス、インターネット接続又は第3者サービスなどを意味する。DNはUPF880に下りリンクプロトコルデータユニット(PDU:Protocol Data Unit)を送信するか、又はUE860から送信されたPDUをUPF880から受信する。
【0193】
gNBは、無線リソース管理のための機能(即ち、無線ベアラー制御、無線許可制御、接続移動性制御、上りリンク/下りリンクでUE860にリソースの動的割り当て(即ち、スケジューリング))、IP(Internet Protocol)ヘッダー圧縮、ユーザデータストリームの暗号化(encryption)、及びと完全性保護(integrity protection)、UE860に提供された情報からAMF820へのルーティングが決定されていない場合、UE860の接続(attachment)時のAMF820の選択、UPF880へのユーザー平面データルーティング、AMF820への制御平面情報ルーティング、連結セットアップ及び解除、ページングメッセージのスケジューリング及び送信(AMF820から発生した)、システムブロードキャスト情報のスケジューリング及び送信(AMF820又は運営及び維持(O&M:operating and maintenance)から発生した)、移動性及びスケジューリングのための測定及び測定報告の設定、上りリンクで伝達レベルパケットマーキング(Transport level packet marking)、セッション管理、ネットワークスライシング(Network Slicing)の支援、QoS流れの管理及びデータ無線ベアラーへのマッピング、非活動モード(inactive mode)であるUEの支援、NASメッセージの分配機能、NASノード選択機能、無線アクセスネットワーク共有、二重連結性(Dual Connectivity)、NRとE-UTRAとの間の密接な相互動作(tight interworking)などの機能を支援する。
【0194】
図8では説明の明確性のために、非構造化したデータ格納ネットワーク機能(UDSF:Unstructured Data Storage network function)、構造化されたデータ格納ネットワーク機能(SDSF:Structured Data Storage network function)、ネットワーク露出機能(NEF:Network Exposure Function)及びNF格納庫機能(NRF:NF Repository Function)が示されていないが、
図8に示された全てのNFは必要に応じてUDSF、NEF及びNRFと相互動作することができる。
【0195】
NEFは、3GPPネットワーク機能により提供される、例えば、第3者、内部露出(internal exposure)/再露出(re-exposure)、アプリケーション機能、エッジコンピューティング(Edge Computing)のためのサービス、及び能力を安全に露出するための手段を提供する。NEFは他のネットワーク機能から他のネットワーク機能の露出された能力に基づいた情報を受信する。NEFはデータ格納ネットワーク機能への標準化したインターフェースを用いて、構造化されたデータとして受信された情報を格納する。格納された情報は、NEFによって他のネットワーク機能及びアプリケーション機能に再露出され、分析などのような他の目的として用いられることができる。
【0196】
-NRFは、サービスディスカバリー機能を支援する。NRFはNFインスタンスからNFディスカバリーの要求を受信し、発見されたNFインスタンスの情報をNFインスタンスに提供する。またNRFは利用可能なNFインスタンスとそれらが支援するサービスを維持する。
【0197】
-SDSFは、所定のNEFによる非構造化されたデータであって、情報を格納及び回収(retrieval)する機能を支援するための選択的な機能である。
【0198】
-UDSFは、所定のNFによる非構造的データであって、情報を格納及び回収する機能を支援するための選択的な機能である。
【0199】
一方、説明の便宜上、
図8ではUE860が1つのPDU
セッションを用いて1つのDN860にアクセスする場合に対する参照モデルを例示しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、UE860は多重のPDU
セッションを用いて2つのデータネットワーク(即ち、地域的(local)かつ中心になる(central)データネットワーク)に同時に接続することができる。この時、互いに異なるPDU
セッションのために、2つのSMFが選択される。但し、各SMFはPDU
セッション内の地域的なUPF及び中心になるUPFを全て制御する能力を有する。またUE860は単一のPDUセッション内で提供される2つのデータネットワーク(即ち、地域的かつ中心になるデータネットワーク)に同時に接続することもできる。
【0200】
図9はサービス基盤の表現を用いた5Gシステムアーキテクチャを例示する図である。
【0201】
図9を参照すると、サービス基盤のインターフェースは所定のNFにより提供される/露出されるサービスセットを示し、5Gシステムアーキテクチャに含まれるサービス基盤のインターフェースの例示は以下の通りである。
【0202】
-Namf:AMFにより公開されたサービス基盤のインターフェース
【0203】
-Nsmf:SMFにより公開されたサービス基盤のインターフェース
【0204】
-Nnef:NEFにより公開されたサービス基盤のインターフェース
【0205】
-Npcf:PCFにより公開されたサービス基盤のインターフェース
【0206】
-Nudm:UDMにより公開されたサービス基盤のインターフェース
【0207】
-Naf:AFにより公開されたサービス基盤のインターフェース
【0208】
-Nnrf:NRFにより公開されたサービス基盤のインターフェース
【0209】
-Nausf:AUSFにより公開されたサービス基盤のインターフェース
【0210】
NFサービスは、NF(即ち、NFサービス供給者)により他のNF(即ち、NFサービス消費者)にサービス基盤のインターフェースを介して露出される能力の一種である。NFは1つ以上のNFサービスを露出することができる。NFサービスを定義するために次のような基準が適用される:
【0211】
(1)NFサービスは、終端間(end-to-end)の機能を説明するための情報の流れから導出される。
【0212】
(2)完全な終端間(end-to-end)のメッセージの流れは、NFサービス呼出(invocation)のシーケンスによって説明される。
【0213】
(3)NFが自身のサービスをサービス基盤のインターフェースにより提供する2つの動作は次の通りである:
【0214】
i)’要求-応答(Request-response)’:制御平面NF B(即ち、NFサービス供給者)は、他の制御平面NF A(即ち、NFサービス消費者)から特定のNFサービス提供(動作の遂行及び/又は情報の提供を含む)の要求を受ける。NF Bは、要求内でNF Aにより提供された情報に基づくNFサービス結果を応答する。要求を満たすために、NF Bは交互に他のNFからのNFサービスを消費する。要求-応答のメカニズムにおいては、2つのNF(即ち、消費者及び供給者)の間で一対一通信が行われる。
【0215】
ii)’加入-通知(Subscribe-Notify)’:制御平面NF A(即ち、NFサービス消費者)は、他の制御平面NF B(即ち、NFサービス供給者)により提供されるNFサービスに加入する。多数の制御平面NFは同一の制御平面NFサービスに加入することができる。NF Bは、このNF Bが提供するNFサービスの結果を該当NFサービスに加入した興味のあるNFに通知する。消費者からの加入要求は、周期的な更新又は特定イベント(例えば、要求された情報の変更、特定の臨界値の到達など)によりトリガーされる通知のための通知要求を含む。このメカニズムは、NF(例えば、NF A)が明示的な加入要求無しに暗黙的に特定の通知に加入した場合も含む(例えば、成功的な登録手続により加入した場合)。
【0216】
図10はNG-RAN(New Generation-radio Access Network)の構造を例示する図である。
【0217】
図10を参照すると、NG-RANはUEに向かったユーザ平面及び制御平面プロトコルの終端を提供するgNB(NR NodeB)及び/又はeNB(eNodeB)で構成される。
【0218】
gNBとgNB、又はgNBと5GCに連結されるeNBは、Xnインターフェースを用いて互いに連結される。またgNB及びeNBはNGインターフェースを用いて5GCに連結される。より具体的には、gNB及びeNBはNG-RANと5GCの間の制御平面インターフェースであるNG-Cインターフェース(即ち、N2参照ポイント)を用いてAMFに連結され、NG-RANと5GCの間のユーザ平面インターフェースであるNG-Uインターフェース(即ち、N3参照ポイント)を用いてUPFに連結される。
【0219】
3GPP 23.501の標準文書によれば、PDUセッションの確立時、SMFはUPFサービス領域に基づいて関心領域(area of interest)を決定する。関心領域はUEの移動性に関する情報を受信しようとする領域を意味する。関心領域は、例えば、UEが加入したサービスが提供されるサービス領域を含むが、これに限定されない。関心領域に関する情報はTA(Tracking Area)リスト又はセルIDリストの形態で送信される。またAMFはUEが関心領域外に移動することを感知した時、UEの変更した位置をSMFに報告する必要がある。
【0220】
より具体的には、SMFは、AMFにより提供される’UE移動性イベント通知(UE mobility event notification)’サービスに加入することができる。SMFがUE移動性イベント通知サービスに加入している間、SMFはAMFに関心領域を提供し、AMFはUEが関心領域外に移動することを感知すると、UEの変更した位置をSMFに通知する。AMFからUEの変更した位置がSMFに通知されると、SMFは該当セッションをどのように処理するかを決定する。例えば、SMFは該当PDUセッションを解除する(release)と決定することができる。PDUセッションが解除されると、SMFは’UE移動性イベント通知’サービスの購読を取り消す。またSMFは新しい関心領域を決定することができ、決定された新しい関心領域と共に新しいサービス加入をAMFに送信することができる。
【0221】
一方、3GPP 5G Rel-15の標準では、LADN(Local Area Data Network)サービスに関する記載が採択されている。LADNは、UEのサービングPLMNにより提供されるサービスであり、特定のサービス領域でのみ使用可能なサービスを意味する。
【0222】
3GPP TS 23.501の標準文書の5.6.5によれば、LADNのためのPDUセッションによりDNに接続することは、特定のLADNサービス領域でのみ可能であり、LADNサービス領域は複数のトラッキング領域で構成されるセットを意味する。
【0223】
LADN DNN(Data Network Name)を使用するためには、DNNに対する明示的な加入又はワイルドカードDNNに対する加入が必要である。DNNがLADNサービスに該当するか否かはDNNの属性であり、UEはDNNがLADN DNNであるか否かを分かるように構成される。
【0224】
LADN情報はLADNサービス領域に関する情報及びLADN DNN情報を含み、AMFにおいてDN単位で構成される。従って、同じLADNにアクセスする互いに異なるUEについて構成されたLADNサービス領域は、異なる因子(例えば、UEの登録領域)とは関係なく同一である。LADN情報は、UEの登録手順又はUEの設定更新手順(configuration update procedure)の間に、AMFによりUEに提供される。AMFにおいて設定された各LADN DNNに対応するLADNサービス領域情報は、UEの現在登録領域に属するトラッキング領域のセットを含む(即ち、LADNサービス領域と現在登録領域の共通集合を含む)。
【0225】
UEはLADN情報に基づいて以下の動作を行う。
【0226】
(1)UEがLADNサービス領域外に位置する時:UEはLADN DNNのためのPDUセッションのUP連結を活性化するように要請することができず、LADN DNNに対するPDUセッションを確立又は変更することができず、UEがネットワークから明示的にSM PDUセッション解除要請メッセージを受信しない限り、LADN DNNのための既存のPDUセッションを解除する必要がない。
【0227】
(2)UEがLADNサービス領域内に位置する時:UEはLADN DNNのためのPDUセッションの確立/変更を要請することができ、LADN DNNのための既存のPDUセッションのUP連結を活性化するように要請することができる。
【0228】
また、DNNを支援するSMFは、該当DNNがLADN DNNであるか否かに関する情報で構成される。SMFはLADN DNNをAMFに提供することにより、関心領域においてUEの存在を報告する’UE移動性イベント通知’に加入する。AMFはLADNサービス領域におけるUEの存在についてSMFに通知し(例えば、IN、OUT、UNKNOWN)、SMFはAMFによる通知に基づいて以下の動作を行う。
【0229】
(1)UEがLADNサービス領域外に存在する(‘OUT’)と通知された場合、SMFはPDUセッションを直ちに排除する。またSMFはPDUセッションを維持しながらPDUセッションのためのユーザ平面連結を非活性化し、下りリンクデータ通知が非活性化されたか否かを確認することができ、PDUセッションを後に解除することができる。
【0230】
(2)UEがLADNサービス領域内に存在する(‘IN’)と通知された場合は、SMFは下りリンク通知が活性化(enable)されたか否かを確認する。またSMFは、UPFから下りリンクデータ又はデータ通知を受信する時、UP連結を活性化するために、ネットワークによりトリガーされるLADN PDUセッションのためのサービス要請手順をトリガーする。
【0231】
(3)UEがLADNサービス領域に存在するか否かを把握できない(‘UNKNOWN’)と通知された場合は、SMFは下りリンクデータ通知が活性化されたか否かを確認する。またSMFはUPFから下りリンクデータ又はデータ通知を受信する時、UP連結を活性化するためにネットワークによりトリガーされるLADN PDUセッションのためのサービス要請手順をトリガーする。
【0232】
従来技術によれば、PRA(Presence Reporting Area)のコンセプトによって、特定のUEがPRA情報により特定された領域に進入又は離脱する場合、MMEはUEの位置をSGWによりPGWに報告して政策及び課金などに用いる。この時、UEがPRAのために特定の動作を行うことではなく、UEが連結状態である時、UEの位置はセルの詳細な情報(cell granularity)として認知されて報告される。しかし、UEが休止状態である時は、UEの位置はトラッキング領域更新基準(即ち、MMEがUEの位置をトラッキングするために設定したTAIリスト基準)として認知されて報告される。従って、UEが休止状態である時、UEの正確な位置を報告することが容易ではない。
【0233】
EPSのPRAの場合、進行中のサービスがあると、UEの正確な位置を報告する必要がある。しかし、5Gシステムでは、UEが休止状態である時にもUEの位置によるPDUセッションハンドリング(PDU session handling)が導入されたことにより、UEの正確な位置を把握(例えば、特定の領域から離れたか又は特定の領域に入ることを把握)する必要がある。UEが休止状態である時、UEの位置変化を把握するために、移動性登録更新(mobility registration update)(既存の移動性トラッキング領域更新)手順が使用され、AMFは端末の移動性パターン、加入情報及びネットワークトポロジー(network topology)などに基づいて、端末の移動性登録更新のためのTAI(Tracking Area Identity)リストを設定することができる。
【0234】
3GPP TS 23.501の標準文書の5.6.11に明示されているように、AMFがUE位置変更通知を行うように設定された場合、関心領域を考えて登録領域(registration area)を構成することができる。しかし、関心領域を考えて登録領域を構成することは、現在AMFとSMFの機能及び責任(responsibility)の非交渉(decoupling)の観点で、SMFの要求事項がAMFの固有動作に影響を及ぼすという短所があるので、5Gシステムの方向性とは反することができる。
【0235】
上記問題を解決するために、本発明は、PDUセッションごとにUEが休止状態である時、UE位置変更通知を必要とすると、UE位置変更通知を登録更新手順(registration update procedure)とは別個に動作させることにより、5Gシステムの方向性に適する方法を提案する。
【0236】
図11は本発明によってPDU
セッションが確立される時、UEの位置変更をネットワークノードに報告するように設定する例示を示す図である。
【0237】
該当PDUセッションに対してUEが休止状態である時にもUEの位置トラッキングが求められると、該当PDUセッションが特定の領域のみで有効である場合、又は端末の位置変化(例えば、特定のトラッキング領域又は特定のセルから離れた場合)を認知して該当PDUセッションの制御を要求する場合、SMFはPDUセッションを確立する時、UE位置変更報告IEを含むPDUセッション確立承諾メッセージをUEに送信する。これにより、UEが休止状態に進入する時、受信されたUE位置変更報告IEに基づいてUEの位置変更を報告することができる。上記動作は3GPP TS 23.501の標準文書の5.6.11に明示されたUE位置変更通知と共に使用される。
【0238】
UE位置変更報告IEは、確立されたPDUセッションが解除される前に有効な値であり、関心領域情報、報告オプション及び報告ギャップを含む。
【0239】
関心領域情報はトラッキング領域リスト、セルIDリストを含む。上述したように、関心領域はUPFサービス領域に基づいて決定される。例えば、関心領域はLADNサービス領域を含み、関心領域情報はLADNサービス領域情報を含む。
【0240】
報告オプション値は0又は1を含み、報告オプション値が0であると、’与えられた領域外に出る場合(only move out of the given area)’を意味し、報告オプション値が1であると、’与えられた領域内に入るか又は外に出る場合(Both move in/out of the give area)’を意味する。
【0241】
報告ギャップはUEが境界領域を移動する時に頻繁な報告を避けるためのものであり、数msecから数secの間の値を有する。UEは以前の報告後の報告ギャップの間にはUEの移動が感知されてもUEの位置を報告せず、報告ギャップの後にUEの位置が変更した状態に維持されると、UEの位置変更を報告する。例えば、以前の報告でUEが関心領域情報に対応する領域外に位置したことを報告したが、UEが報告ギャップの前に再度関心領域情報に対応する領域内に移動して、報告ギャップの後にもUEが該当領域内に位置する場合には、UEはUEの位置変更を報告する。実施例によってはUEの位置変更を報告することを、UEの位置変更を通知すると称することもある。
【0242】
従って、報告ギャップの後に以前の報告と同じ状況(例えば、UEが該当領域の内又は外に位置する状況)であれば、UEはUEの位置変更を報告しない。例えば、報告ギャップが与えられないか又は報告ギャップ値が0である場合、UEは報告ギャップとは関係なく変更されたUEの位置状況(例えば、UEが関心領域情報による領域の内又は外に位置する状況)を報告する。
【0243】
関心領域情報は複数のTA及び複数のセルに関する情報のうちのいずれか1つを含み、関心領域はUEの登録領域とは別に運営される。但し、休止状態のUE(例えば、CM-IDLE状態のUE)が新しいセル又は新しいトラッキング領域に進入する時、関心領域変更通知と移動性による登録更新条件が同時に発生すると、UEは関心領域変更通知を行わず、登録更新のみを行う。例えば、関心領域とトラッキング領域の境界が同一であると、関心領域変更通知と移動性による登録更新条件が共に発生することができる。この時、UEは登録更新を行うことだけでも関心領域変更通知を行ったと見なして、報告ギャップ時間を制御する。例えば、UEが関心領域外に離脱するか、又は関心領域内に進入しながら同時に登録更新を行う場合にも、UEは報告ギャップ時間を動作させ、報告ギャップ時間が満了する前に関心領域変更通知を行わない。
【0244】
図12は本発明による関心領域変更通知手順(interested area change notification procedure)を例示する図である。
【0245】
本発明によれば、UEはネットワークからPDUセッション確立及び変更時に報告が必要な情報(例えば、UE位置変更報告IE)を予め受信した場合、該当PDUセッションが解除される前に端末の位置を感知して関心領域変更通知を行う。この時、SMFは3GPP TS23.501の標準文書の5.6.11に明示されたUE位置変更通知サービス(即ち、UE移動性イベント通知サービス)にも共に加入することができる。
【0246】
図12を参照すると、関心領域変更通知手順は休止状態のUEの位置変更によってトリガーされる。UEは関心領域変更通知メッセージをAMFに送信する。この時、関心領域変更通知メッセージは該当PDU
セッションの
セッションID情報を含む。AMFはUEの位置変更に関する情報(又はUEの位置変更報告IE)を受信し、以前にSMFからUE位置変更通知サービスに加入した場合は、UEの位置又は関心領域変更に関する情報に影響を受ける全てのSMFにUEの位置変更に関する情報を報告する。しかし、AMFが以前にSMFからUE位置変更通知サービスに加入しなかった場合には、AMFはUEから受信した関心領域変更通知メッセージに含まれた
セッションIDに基づいて該当SMFにUEの位置変更に関する情報を報告する。
【0247】
位置情報変化報告を受けたSMFは、該当PDUセッションを解除するか、バッファリング・オフ(buffering OFF)を命令するか、又は再度バッファリング・オン(buffering on)を命令する。またSMFはUEがサービス領域から離れたことを認知して、UPF再配置及び中間UPF(intermediate UPF)の挿入などを判断することができる。
【0248】
関心領域変更通知メッセージを送信する時、UEは既存の移動性による登録更新とは異なり、UEの登録領域変更によるスライス交渉(slice negotiation)、能力交渉(capability negotiation)、及びルーティング(routing)のためのNSSAI(Network Slice Selection Assistance Information)などを関心領域変更通知メッセージに含む必要がある。従って、UEのシグナリングサイズ及び不要な交渉を避けることができる。
【0249】
UE位置変更報告情報(又はUE位置変更報告IE)は、PDUセッション確立手順(PDU establishment procedure)だけではなく、他のSM(Session Management)手順でも送信できる。またSMFがUE位置変更通知サービスに加入した場合、SMFが直接命令せず、AMFがUEに直接UE位置変更報告情報を提供することもできる。
【0250】
従って、関心領域変更通知手順は、登録領域変更の更新手順とは別個にUEの位置をトラッキングするための方法として使用されることができる。また関心領域変更通知手順を使用することにより、登録領域変更の更新手順より簡単な手順でUEの位置をトラッキングすることができる。
【0251】
図13は、本発明の提案に適用されるUEとネットワークノード装置の構成を示す図である。
【0252】
提案する実施例によるUE装置100は、送受信モジュール110、プロセッサ120及びメモリ130を含む。UE装置100の送受信モジュール110は、無線周波数(radio frequency、RF)ユニット又はトランシーバ(transceiver)とも呼ばれる。送受信モジュール110は外部装置に各種信号、データ及び情報を送信し、外部装置から各種信号、データ及び情報を受信するように構成される。また送受信モジュール110は送信部と受信部に分離して具現される。UE装置100は、外部装置と有線及び/または無線で連結することができる。プロセッサ120は、UE装置100全般の動作を制御することができ、UE装置100が外部装置と送受信する情報などを演算処理する機能を行うように構成することができる。また、プロセッサ120は、本発明で提案するUE動作を行うように構成することができる。プロセッサ120は本発明の提案によってデータ或いはメッセージを送信するように送受信モジュール110を制御する。メモリ130は、演算処理された情報などを所定時間の間保存することができ、バッファ(図示せず)などの構成要素に取り替えることができる。
【0253】
図13を参照すると、提案する実施例によるネットワークノード装置200は、送受信モジュール210、プロセッサ220及びメモリ230を含む。UE装置100と通信する場合、送受信モジュール210は無線周波数(radio frequency、RF)ユニットとも呼ばれる。送受信モジュール210は、外部装置に各種信号、データ及び情報を送信し、外部装置から各種信号、データ及び情報を受信するように構成される。ネットワークノード装置200は、外部装置と有線及び/または無線で連結することができる。送受信モジュール210は送信部と受信部に分離して具現される。プロセッサ220は、ネットワークノード装置200全般の動作を制御することができ、ネットワークノード装置200が外部装置と送受信する情報などを演算処理する機能を行うように構成することができる。また、プロセッサ220は、本発明で提案するネットワークノード動作を行うように構成することができる。プロセッサ220は本発明の提案によってデータ或いはメッセージをUE或いは他のネットワークノードに送信するように送受信モジュール110を制御する。メモリ230は、演算処理された情報などを所定時間の間保存することができ、バッファ(図示せず)などの構成要素に取り替えることができる。接続ネットワークにおいて、ネットワークノード装置200はeNB或いはgNBであることができる。コアネットワークにおいて、ネットワークノード装置200は移動性管理エンティティ(MME)、接続管理機能(AMF)、
セッション管理機能(SMF)を備える装置である。
【0254】
このUE装置100及びネットワークノード装置200の具体的な構成は、上述した本発明の多様な実施例で説明した事項が独立的に適用されたり、または2以上の実施例が同時に適用されるように具現することができ、重複する内容に対する説明は明確性のために省略する。
【0255】
UE100のプロセッサ120は、本発明によって地域に基づいて提供されるデータサービスが提供されるサービス領域を示す情報を受信するように送受信モジュール110を制御し、データサービスのセッションに関する位置変更報告の設定情報を受信するように送受信モジュール110を制御し、セッションが確立されている間にUEがサービス領域に進入又は離脱する時、位置変更報告の設定情報に基づいてUEの位置変更に関する情報を報告する。この時、位置変更報告の設定情報は関心領域情報、報告条件に関する情報及び報告ギャップに関する情報のうちのいずれか1つを含み、関心領域情報はトラッキング領域リスト及びセルIDリストのうちのいずれか1つを含む。またUEの位置変更に関する情報は、UEの位置変更によって変化する関心領域の変更に関する情報を含む。
【0256】
本発明において地域に基づいて提供されるデータサービスはLADN(Location Area data Network)サービスを含み、ネットワークノード装置200はAMF(access and Mobility Function)を含む。
【0257】
位置変更報告の設定情報が報告ギャップに関する情報を含む時、UE100のプロセッサ120は、報告ギャップとして設定された時間の間にUE100がサービス領域に進入又は離脱しても、UE100の位置変更を報告しない。またUE100のプロセッサ120は報告ギャップとして設定された時間の経過後、UE100がサービス領域に進入又は離脱した状態に維持される時、UE100の位置変更を報告する。
【0258】
またUE100のプロセッサ120は、セッション確立要請に対するセッション確立承諾メッセージを受信するように送受信モジュール110を制御し、位置変更報告の設定情報はセッション確立承諾メッセージに含まれる。またUE100のプロセッサ120は、データサービスのセッションが確立される前にサービス領域を示す情報を受信するように送受信モジュール110を制御する。
【0259】
本発明において、ネットワークノード装置200のプロセッサ220は、本発明による地域に基づいて提供されるデータサービスが提供されるサービス領域を示す情報をUEに送信するように送受信モジュール210を制御し、データサービスのセッションに関する位置変更報告の設定情報をUE100に送信するように送受信モジュール210を制御し、セッションが確立されている間にUE100がサービス領域に進入又は離脱する時、位置変更報告の設定情報に基づいてUE100の位置変更に関する情報報告を受けるように送受信モジュール210を制御する。
【0260】
上述した本発明の各実施例は、多様な手段を通じて具現することができる。例えば、本発明の各実施例は、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェアまたはそれらの結合などによって具現することができる。
【0261】
ハードウェアによる具現の場合、本発明の各実施例に係る方法は、一つまたはそれ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラー、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0262】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の各実施例に係る方法は、以上で説明した機能または動作を行うモジュール、手順または関数などの形態で具現することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに保存してプロセッサによって駆動することができる。メモリユニットは、プロセッサの内部または外部に位置し、既に公知の多様な手段によってプロセッサとデータをやり取りすることができる。
【0263】
上述したように開示された本発明の好ましい実施形態に対する詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、該当技術分野で熟練した当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更可能であることを理解できるだろう。よって、本発明は、ここで示した各実施形態に制限されるものではなく、ここで開示された各原理及び新規の各特徴と一致する最広の範囲を付与しようとするものである。
【産業上の利用可能性】
【0264】
上述したような通信方法は、3GPPシステムの他に、IEEE 802.16x、802.11xシステムを含む様々な無線通信システムにも適用可能である。さらに、提案した方法は、超高周波帯域を利用するmmWave通信システムにも適用可能である。