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特許7370275プログラム制御装置及びプログラム制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】プログラム制御装置及びプログラム制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/60 20130101AFI20231020BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231020BHJP
【FI】
G06F21/60
H04N1/00 838
H04N1/00 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020029543
(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公開番号】P2021135590
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】戸丸 知信
(72)【発明者】
【氏名】寺田 智
【審査官】上島 拓也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0124100(US,A1)
【文献】特開2011-134137(JP,A)
【文献】特開平05-265733(JP,A)
【文献】特開2012-173872(JP,A)
【文献】特開平05-324559(JP,A)
【文献】特開平08-110754(JP,A)
【文献】特開2017-117155(JP,A)
【文献】特開2018-097597(JP,A)
【文献】特開2004-086441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/60
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノードで構成されるフローチャートに対応するプログラムを実行するプログラム実行部と、
前記プログラムが実行中に特定の動作を検知する動作検知部と、
前記動作検知部により前記特定の動作が検知された場合に、所定の第1ユーザ操作を制限する操作制限部と、
を備え
前記特定の動作は、前記プログラムの実行中に、前記フローチャートを含む前記プログラムの実行画面に並べて表示される第1入力画面にユーザ情報を入力する動作である、プログラム制御装置。
【請求項2】
前記ユーザ情報は、前記フローチャートに含まれる、ブラウザを起動させる前記ノードの処理を実行することによって表示される前記第1入力画面に入力されるユーザ識別情報及びログイン情報の少なくともいずれかの情報である、
請求項に記載のプログラム制御装置。
【請求項3】
前記操作制限部は、前記動作検知部により前記特定の動作が検知された場合に、操作部に対する前記第1ユーザ操作を無効化する、
請求項1又は2に記載のプログラム制御装置。
【請求項4】
前記操作制限部は、前記第1ユーザ操作を制限した後に所定の第2ユーザ操作を受け付けた場合に、前記第1ユーザ操作の制限状態を解除する、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載のプログラム制御装置。
【請求項5】
前記第2ユーザ操作は、前記実行画面とともに表示される第2入力画面に前記第1ユーザ操作の制限状態を解除するための解除パスワードを入力する操作である、
請求項に記載のプログラム制御装置。
【請求項6】
前記操作制限部は、前記第1ユーザ操作を制限した場合に、前記プログラムの実行が終了するまで前記第1ユーザ操作の制限状態を維持し、前記プログラムの実行が終了すると前記第1ユーザ操作の制限状態を解除する、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載のプログラム制御装置。
【請求項7】
前記動作検知部により前記特定の動作が検知された場合に、前記実行画面及び前記第1入力画面の表示態様を、前記第1ユーザ操作が制限されていることを識別可能な表示態様に変更する表示制御部をさらに備える、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載のプログラム制御装置。
【請求項8】
前記操作制限部は、前記複数のノードに前記第1ユーザ操作を制限する制限ノードが含まれる場合において、前記プログラムを実行して前記制限ノードの処理を読み込んだときに、前記第1ユーザ操作を制限する、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のプログラム制御装置。
【請求項9】
複数のノードで構成されるフローチャートに対応するプログラムを実行するプログラム実行ステップと、
前記プログラムが実行中に特定の動作を検知する動作検知ステップと、
前記動作検知ステップにより前記特定の動作が検知された場合に、所定の第1ユーザ操作を制限する操作制限ステップと、
を一又は複数のプロセッサー実行するプログラム制御方法であって、
前記特定の動作は、前記プログラムの実行中に、前記フローチャートを含む前記プログラムの実行画面に並べて表示される第1入力画面にユーザ情報を入力する動作である、プログラム制御方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のノード(処理ステップ)で構成されるフローチャートに対応するプログラムを制御するプログラム制御装置及びプログラム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RPA(Robotics Process Automation)と称するプログラム生成ツールが知られている(例えば特許文献1参照)。このようなプログラム生成ツールを利用することにより、簡便にプログラムを生成することが可能となり、例えば定型業務を容易に自動化することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許6532626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、前記プログラム作成ツールにより生成されたプログラムを実行する機器は、例えば当該プログラムに記載されている処理を実行している間、不特定のユーザによるユーザ操作を受け付け可能な状態となっている。このため、例えば前記プログラムにおいて所定のユーザ情報を使用する処理(ノード)が含まれる場合、当該ユーザ情報が第三者に漏洩して、第三者に前記ユーザ情報が悪用されるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、複数のノードで構成されるフローチャートに対応するプログラムを実行中に第三者にユーザ情報が悪用されることを防止することが可能なプログラム制御装置及びプログラム制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様に係るプログラム制御装置は、複数のノードで構成されるフローチャートに対応するプログラムを実行するプログラム実行部と、前記プログラムが実行中に特定の動作を検知する動作検知部と、前記動作検知部により前記特定の動作が検知された場合に、所定の第1ユーザ操作を制限する操作制限部と、を備える。
【0007】
本発明の他の態様に係るプログラム制御方法は、複数のノードで構成されるフローチャートに対応するプログラムを実行するプログラム実行ステップと、前記プログラムが実行中に特定の動作を検知する動作検知ステップと、前記動作検知ステップにより前記特定の動作が検知された場合に、所定の第1ユーザ操作を制限する操作制限ステップと、を一又は複数のプロセッサーにより実行するプログラム制御方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のノードで構成されるフローチャートに対応するプログラムを実行中に第三者にユーザ情報が悪用されることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係るプログラム制御装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るプログラム制御装置のプログラム生成画面の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るプログラム制御装置のプログラム実行画面の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係るプログラム制御装置のプログラム実行画面の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係るプログラム制御装置のプログラム実行画面の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係るプログラム制御装置のプログラム実行画面の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係るプログラム制御装置のプログラム実行画面の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係るプログラム制御装置において実行されるプログラム生成処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、本発明の実施形態に係るプログラム制御装置のプログラム実行画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0011】
本発明に係るプログラム制御装置は、複数のノード(処理ステップ)で構成されるフローチャートに対応するプログラムを実行中に、当該プログラムにおける所定の動作を検知した場合に、所定のユーザ操作を制限する処理を実行する。
【0012】
ここで、前記プログラム制御装置は、前記プログラムを生成する機能を備えてもよい。例えば、前記プログラム制御装置は、ユーザの操作に基づいて、表示部(操作表示部)に前記フローチャートを表示させながら前記プログラムを生成する。また、前記プログラム制御装置は、RPA(Robotics Process Automation)などのプログラム生成ツールを用いて前記プログラムを生成することが可能である。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係るプログラム制御装置1の概略構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、プログラム制御装置1は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、及び通信部14などを備える。プログラム制御装置1は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。
【0014】
通信部14は、プログラム制御装置1を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して外部装置との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。例えば、プログラム制御装置1は、ネットワークN1を介してクラウドサーバに接続し、前記クラウドサーバに記憶される前記プログラム生成ツールを利用してもよい。
【0015】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、マウス、又はキーボードなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0016】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部12には、制御部11に後述のプログラム制御処理(図8参照)を実行させるための制御プログラムなどが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、プログラム制御装置1に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。また前記制御プログラムは、前記クラウドサーバからダウンロードされて記憶部12に記憶されてもよい。
【0017】
また記憶部12は、前記プログラム生成ツールを用いて生成される前記プログラムなどのデータを記憶する。
【0018】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりプログラム制御装置1を制御する。
【0019】
具体的に、制御部11は、プログラム生成部111、プログラム実行部112、動作検知部113、操作制限部114、表示制御部115などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0020】
プログラム生成部111は、複数のノードで構成されるフローチャートに対応するプログラムを生成する。プログラム生成部111は、操作表示部13に表示されるプログラム生成画面D1においてユーザが作成するフローチャートに基づいて前記プログラムを生成する。例えば、プログラム生成部111は、記憶部12に記憶された前記制御プログラムに応じたアプリケーションを起動することによりプログラム生成画面D1を操作表示部13に表示させる。
【0021】
図2は、プログラム生成画面D1の一例を示す図である。プログラム生成画面D1の表示領域131には、フローチャートを作成するための処理ステップに対応する複数のノードが表示されている。例えばユーザは、ドラッグアンドドロップ操作等により、プログラム生成画面D1の表示領域131において所望のノードを選択して、フローチャートの表示領域132に表示させる。表示領域132に表示された各ノードには、ユーザの操作に応じて、所定の動作を規定するパラメータが設定される。図2には、1つのスレッドに対応するフローチャートを示している。ユーザがフローチャートを作成してプログラム生成ボタン133を押下すると、プログラム生成部111は、前記フローチャートに対応するプログラムを生成する。プログラム生成部111は、生成した前記プログラムを記憶部12に記憶する。
【0022】
上述のプログラム生成部111の処理によれば、ユーザは、フローチャートを作成することにより所望のプログラムを生成することができる。よって、プログラムを生成するための特別な技能を有しないユーザであっても容易にプログラムを生成することができる。なお、本発明のプログラム制御装置は、プログラム生成部111を備えていなくてもよい。すなわち、前記プログラムは、プログラム制御装置1の外部(外部装置)において生成されたものであってもよい。
【0023】
プログラム実行部112は、プログラム生成部111又は外部装置により生成される前記プログラムを実行する。具体的には、図2に示すプログラム生成画面D1において、ユーザ(実行ユーザ)がプログラム実行ボタン134を押下すると、プログラム実行部112は前記プログラムを実行する。例えば、プログラム実行部112は、表示領域132に表示された前記フローチャートに基づいて各ノードに対応する処理を実行する。例えば、実行ユーザは、生成した前記プログラムを利用して業務を行う場合に、前記プログラムを実行させる。プログラム実行部112は、実行ユーザの操作に応じて、前記プログラムを実行する。プログラム実行部112は、本発明のプログラム実行部の一例である。
【0024】
図3には、プログラム実行部112により所定のプログラムが実行される様子を示している。図3に示すプログラムは、複数のノードn1~N6で構成されるフローチャートに対応するプログラムである。前記プログラムの実行が開始されると、プログラム実行部112は、ノードn1において、ブラウザを起動する処理(「browser open」)を実行する。これにより、例えば図4に示すブラウザ画面D3が操作表示部13に表示される。
【0025】
次に、プログラム実行部112は、ノードn2において、ユーザIDを入力する処理(「set parameter」)を実行する。例えば、プログラム実行部112は、IDデータ(変数パラメータ)を格納する格納部p1(図3参照)を参照して、図4に示すID入力欄K1にユーザIDを入力する。
【0026】
次に、プログラム実行部112は、ノードn3において、パスワードを入力する処理(「set password」)を実行する。例えば、プログラム実行部112は、パスワードデータ(変数パラメータ)を格納する格納部p2(図3参照)を参照して、図4に示すパスワード入力欄K2にパスワードを入力する。
【0027】
次に、プログラム実行部112は、ノードn4において、図4に示すログインボタンK3を押下する処理(「web element operation」)を実行する。プログラム実行部112は、ログインが完了すると、ブラウザ画面D3において所定のノードn5を実行する。
【0028】
プログラム実行部112は、ノードn5の処理が完了すると、ノードn6において、ブラウザを閉じる処理(「browser close」)を実行する。これにより、例えば図4に示すブラウザ画面D3が操作表示部13から削除される。
【0029】
ここで、前記プログラムが実行している間は、前記実行ユーザ以外のユーザ(第三者)が操作表示部13の表示画面(ブラウザ画面D3)を閲覧可能である。このため、例えばブラウザ画面D3に表示された前記ユーザID及び前記パスワードが第三者に漏洩するおそれがある。また、第三者によって前記ユーザID及び前記パスワードが悪用されるおそれもある。そこで、本実施形態に係るプログラム制御装置1では、前記プログラムが実行中に特定の動作を検知した場合に、所定のユーザ操作を制限する処理を実行する。
【0030】
具体的には、動作検知部113は、前記プログラムが実行中に特定の動作を検知する。前記特定の動作は、例えば、前記プログラムの実行中にユーザ情報を使用又は入力する動作である。また、前記ユーザ情報は、前記フローチャートに含まれる所定のノードにおいて使用又は入力される、ユーザ識別情報(ユーザID、氏名などの個人情報)及びログイン情報(ユーザID、パスワードなど)の少なくともいずれかの情報である。具体的には、動作検知部113は、前記プログラムの実行が開始されると、各ノードを監視し、ノードごとに、当該ノードがユーザ情報を使用又は入力する動作であるか否かを判定する。
【0031】
図3に示す例では、動作検知部113は、前記プログラムがノードn2の処理を実行する場合に、ユーザIDを使用又は入力する動作を前記特定の動作として検知する。また、動作検知部113は、前記プログラムがノードn3の処理を実行する場合に、パスワードを使用又は入力する動作を前記特定の動作として検知する。具体的には、動作検知部113は、格納部p1,p2(図3参照)へのアクセスを検知した場合に、前記特定の動作を検知する。動作検知部113は、本発明の動作検知部の一例である。
【0032】
操作制限部114は、動作検知部113により前記特定の動作が検知された場合に、所定のユーザ操作(本発明の第1ユーザ操作)を制限する。具体的には、操作制限部114は、動作検知部113により前記特定の動作が検知された場合に、操作表示部13に対するユーザ操作を無効化する。
【0033】
例えば、操作制限部114は、タッチパネル、マウス、又はキーボードなどの操作部に対するユーザ操作を無効化する。操作制限部114は、全てのユーザ操作を無効化してもよいし、一部のユーザ操作を無効化し、かつ一部のユーザ操作を有効化してもよい。例えば、操作制限部114は、前記プログラム生成ツールを利用したユーザ操作を有効化し、その他のユーザ操作を無効化してもよい。また、操作制限部114は、前記プログラムの一時停止操作のみを有効化し、その他のユーザ操作を無効化してもよい。
【0034】
また、操作制限部114は、前記ユーザ操作を制限した後に所定の解除操作(本発明の第2ユーザ操作)を受け付けた場合に、前記ユーザ操作の制限状態を解除する。前記解除操作は、操作表示部13において、所定のキーを押下する操作(キー操作)であってもよいし、所定のパスワード(解除パスワード)を入力する操作(パスワード入力操作)であってもよい。これにより、例えば解除方法を把握しているユーザ(例えば実行ユーザ)は、前記プログラムが実行中に前記制限情報を解除して、所定の操作を行うことができる。
また、操作制限部114は、前記ユーザ操作を制限した後に、顔認証、生体認証などの所定の認証処理に応じた解除操作を受け付けた場合に、前記ユーザ操作の制限状態を解除してもよい。前記解除操作の方法は、例えば実行ユーザにより予め設定されてもよい。
【0035】
また、操作制限部114は、前記ユーザ操作を制限した場合に、前記プログラムの実行が終了するまで前記ユーザ操作の制限状態を維持し、前記プログラムの実行が終了すると前記ユーザ操作の前記制限状態を解除してもよい。これにより、前記プログラムが実行している間、第三者による操作が制限される。
【0036】
ここで、操作制限部114は、前記制限状態を解除する際に、前記プログラム(図3参照)に対応するブラウザにおいてログアウト処理を実行してもよい。また、操作制限部114は、前記制限状態を解除する際に、前記プログラム(図3参照)に対応するブラウザを強制終了させてもよい。また、操作制限部114は、前記制限状態を解除する際に、前記プログラム(図3参照)で起動した全てのアプリケーションを強制終了させてもよい。操作制限部114は、本発明の操作制限部の一例である。
【0037】
表示制御部115は、動作検知部113により前記特定の動作が検知された場合に、前記特定の動作に関する表示内容を識別不能に表示させる。例えば、表示制御部115は、図4に示すブラウザ画面D3において、ID入力欄K1に入力されるユーザIDと、パスワード入力欄K2に入力されるパスワードとを非表示又は暗号化表示させる。
【0038】
また、表示制御部115は、動作検知部113により前記特定の動作が検知された場合に、操作表示部13における表示態様を、前記ユーザ操作が制限されていることを識別可能な表示態様に変更する。例えば、表示制御部115は、操作表示部13の表示画面に表示される、図5に示す前記プログラムの実行画面D2を及びブラウザ画面D3の表示態様を、図6に示すように、網掛けの表示態様に変更する。表示制御部115は、前記表示画面の背景色を変更してもよいし、前記表示画面に前記ユーザ操作が制限されていることを示すメッセージ(例えば「操作制限中」、「操作ロック中」などのメッセージ)を表示させてもよい。また、表示制御部115は、各ノードの処理内容又は処理負荷に応じて前記表示態様を変化させてもよい。
【0039】
また、表示制御部115は、図7に示すように、前記制限状態を解除するための解除パスワードを入力する入力画面D4を表示させてもよい。表示制御部115は、本発明の表示制御部の一例である。
【0040】
[プログラム制御処理]
以下、図8を参照しつつ、プログラム制御装置1の制御部11によって実行されるプログラム制御処理の手順の一例について説明する。
【0041】
なお、本発明は、前記プログラム制御処理に含まれる一又は複数のステップを実行するプログラム制御方法の発明として捉えることができ、ここで説明する当該プログラム制御処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。なお、前記プログラム制御処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部11によって前記プログラム制御処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、複数のプロセッサーによって前記プログラム制御処理における各ステップが分散して実行されるプログラム制御方法も他の実施形態として考えられる。
【0042】
先ずステップS1において、制御部11は、前記プログラム生成ツールを用いて生成される前記プログラムの実行を開始する。例えば、制御部11は、図2に示すプログラム生成画面D1において、実行ユーザがプログラム実行ボタン134を押下すると、前記プログラムの実行を開始する。制御部11は、表示領域132に表示された前記フローチャートに基づいて各ノードに対応する処理を実行する。ステップS11は、本発明のプログラム実行ステップの一例である。
【0043】
次に、ステップS2において、制御部11は、前記プログラムに対応するフローチャートに含まれる複数のノードのうち最初のノードを読み込む。例えば、制御部11は、図3に示すフローチャートのうち最初のノードn1(「browser open」)を読み込む。
【0044】
次に、ステップS3において、制御部11は、読み込んだノードの処理内容がログイン処理に関する内容であるか否かを判定する。読み込んだノードの処理内容がログイン処理に関する内容でない場合(S3:No)、処理はステップS4に移行する。一方、読み込んだノードの処理内容がログイン処理に関する内容である場合(S3:Yes)、処理はステップS8に移行する。ここでは、ノードn1がブラウザを起動する処理であるため、処理はステップS4に移行する。ステップS3は、本発明の動作検知ステップの一例である。
【0045】
ステップS4において、制御部11は、ノードの処理を実行する。例えば、制御部11は、ノードn1に対応して、ブラウザを起動させる。これにより、例えば図4に示すブラウザ画面D3が操作表示部13に表示される。
【0046】
ステップS5において、制御部11は、前記プログラムが終了したか否かを判定する。前記プログラムが終了していない場合(S5:No)、処理はステップS6に移行する。一方、前記プログラムが終了した場合(S5:Yes)、処理はステップS9に移行する。
【0047】
ステップS6において、制御部11は、前記プログラムが停止されたか否かを判定する。前記プログラムが停止されていない場合(S6:No)、処理はステップS7に移行する。一方、前記プログラムが停止された場合(S6:Yes)、処理はステップS9に移行する。
【0048】
ステップS7において、制御部11は、前記プログラムに対応するフローチャートに含まれる複数のノードのうち次のノードを読み込む。例えば、制御部11は、図3に示すフローチャートのうちノードn1の次のノードn2(「set parameter」)を読み込む。その後、処理はステップS3に戻る。
【0049】
ステップS3に戻り、制御部11は、読み込んだノードの処理内容がログイン処理に関する内容であるか否かを判定する。ここでは、ノードn2がID(パラメータ)を入力する処理であるため、処理はステップS8に移行する。
【0050】
ステップS8において、制御部11は、ユーザ操作を制限する。具体的には、制御部11は、操作表示部13に対するユーザ操作を無効化する。また、制御部11は、操作表示部13における表示態様を、前記ユーザ操作が制限されていることを識別可能な表示態様に変更してもよい(図6図7参照)。ステップS8は、本発明の操作制限ステップの一例である。
【0051】
制御部11は、前記ユーザ操作を制限した後、ステップS4において、ノードn2の処理を実行する。例えば、制御部11は、ノードn2に対応して、ID(パラメータ)データを格納する格納部p1(図3参照)を参照して、図4に示すID入力欄K1にユーザIDを入力する。
【0052】
その後、制御部11がノードn3~n6の処理を実行して前記プログラムが終了すると、ステップS9において、制御部11は、前記ユーザ操作が制限状態であるか否かを判定する。前記ユーザ操作が制限状態である場合(S9:Yes)、処理はステップS10に移行する。前記ユーザ操作が制限状態でない場合(S9:No)、処理は終了する。
【0053】
ステップS10において、制御部11は、前記ユーザ操作の制限状態を解除する。ステップS10は、本発明の操作制限ステップの一例である。
【0054】
以上のように、本実施形態に係るプログラム制御装置1は、複数のノードで構成されるフローチャートに対応するプログラムを実行中に特定の動作を検知した場合に、所定の第1ユーザ操作を制限する構成を備える。例えば、プログラム制御装置1は、前記プログラムの実行中にユーザ情報を使用又は入力する動作を検知した場合に、第三者によるタッチパネル、マウス、又はキーボードなどの操作部における操作を無効化する。これにより、第三者にユーザ情報が悪用されることを防止することが可能となる。
【0055】
本発明は、上述の実施形態に限定されない。他の実施形態として、前記プログラムに対応するフローチャートを構成する複数のノードにユーザ操作を制限するノード(制限ノード)が含まれる場合において(図9参照)、制御部11は、前記プログラムを実行して前記制限ノードn11の処理(「lock」)を読み込んだときに、ユーザ操作を制限する。また、制御部11は、前記ユーザ操作を制限した後に前記ユーザ操作を解除するノード(解除ノードn13)の処理(「unlock」)を読み込んだときに、前記ユーザ操作の制限状態を解除する。このように、制御部11は、前記プログラムに明示された制限処理に応じて前記ユーザ操作を制限してもよい。
【0056】
また、他の実施形態として、本発明のプログラム制御装置は、外部装置の一つであるプログラム実行装置を制御してもよい。この場合、プログラム実行装置は、複数のノードで構成されるフローチャートに対応する前記プログラムを実行する。そして、前記プログラム制御装置は、前記プログラム実行装置で実行される前記プログラムにおける所定の動作を検知して、前記プログラム実行装置に設けられる操作部におけるユーザ操作を制限する。すなわち、本発明のプログラム制御装置は、プログラム実行装置で実行される前記プログラムを監視及び制御する制御サーバとして機能してもよい。
【0057】
なお、本発明に係るプログラム制御装置は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された各実施形態を自由に組み合わせること、或いは各実施形態を適宜、変形又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 :プログラム制御装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :操作表示部
14 :通信部
111 :プログラム生成部
112 :プログラム実行部
113 :動作検知部
114 :操作制限部
115 :表示制御部
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
図9