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  • 特許-化粧料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/27 20060101AFI20231020BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20231020BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20231020BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20231020BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20231020BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20231020BHJP
【FI】
A61K8/27
A61K8/29
A61K8/19
A61K8/37
A61K8/06
A61Q1/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020509992
(86)(22)【出願日】2019-03-22
(86)【国際出願番号】 JP2019012247
(87)【国際公開番号】W WO2019188842
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-10-19
(31)【優先権主張番号】P 2018070003
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100181272
【弁理士】
【氏名又は名称】神 紘一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100196298
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 高雄
(72)【発明者】
【氏名】金子 亜里紗
(72)【発明者】
【氏名】村松 慎介
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-114774(JP,A)
【文献】特開2014-084251(JP,A)
【文献】特開2011-079941(JP,A)
【文献】特開平11-343222(JP,A)
【文献】特表2006-523735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(C);
(A)平均粒子径0.01~0.1μmの金属酸化物
(B)25℃でペースト状の親水基を有する油剤
(C)(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー
を含有し、
前記成分(B)と前記成分(C)の含有質量割合が、(B)/(C)=0.5~1.5であり、
前記成分(A)と前記成分(C)の含有質量割合が、(C)/(A)=0.1~1であり、
前記成分(A)が、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化鉄から選ばれる1種又は2種以上であ油中水型化粧料。
【請求項2】
前記成分(A)と前記成分(B)の含有質量割合が、(A)/(B)=1.66~15である、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記成分(B)が、N-アシルアミノ酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ダイマー酸エステル、ジペンタエリストール脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
前記成分(B)が、グリセリン脂肪酸エステル、ダイマー酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上である請求項1~3のいずれかに記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平均粒子径0.01~0.1μmの金属酸化物、親水基を有するペースト油及び(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマーを含有する化粧料に関するものである。より詳細には油重さの低減、粉重さの低減、分散安定性の向上、化粧膜の均一性に優れる化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、メイクアップ化粧料において、紫外線防御効果の付与が求められてきており、紫外線防御効果を付与するためにUVA(波長320~400nm)とUVB(波長290~320nm)を防ぐ紫外線遮断剤等を用い、肌に対する紫外線の影響を防ぐ技術が知られている。紫外線防御能を向上しつつ白膜感がなく透明感のある仕上がりにするために、紫外線遮断剤として微粒子金属酸化物を用いる技術が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-168642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら紫外線防御能や透明感に優れた化粧料を得るために、特許文献1の技術を用いると、微粒子金属酸化物の凝集力の強さに起因する肌上での粉重さが出てしまい感触上の不具合が生じる場合があった。また、特許文献1の技術を用いて、油中水型乳化組成物を製造すると、微粒子金属酸化物の凝集力により、分散安定性が悪くなる傾向にあり、満足のいく化粧膜の均一性も得られない場合があった。
【0005】
従って本発明は紫外線遮断剤を含有しながらも、肌上での粉重さのなさ、油重さのなさ、化粧膜の均一性、分散安定性に優れる化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような実情に鑑み、本発明者らは鋭意研究を行った結果、平均粒子径0.01~0.1μmの金属酸化物を含有する化粧料において、親水基を有するペースト油を含有させることで、肌上での粉重さのなさ、化粧膜の均一性に優れる化粧料を得られることを見出し、さらに、親水基を有するペースト油を含有したことによる油重さと分散安定性の低下を(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマーを含有させることで改善できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち本発明は、次の成分(A)~(C);
(A)平均粒子径0.01~0.1μmの金属酸化物
(B)25℃でペースト状の親水基を有する油剤
(C)(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー
を含有する化粧料に関するものである。
【0008】
前記成分(A)が、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれる1種又は2種以上である前記記載の化粧料に関するものである。
【0009】
前記成分(B)が、N-アシルアミノ酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ダイマー酸エステル、ジペンタエリストール脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上である前記記載の化粧料に関するものである。
【0010】
前記成分(B)が、グリセリン脂肪酸エステル、ダイマー酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上である前記記載の化粧料に関するものである。
【0011】
前記成分(B)と前記成分(C)の含有質量割合が、(B)/(C)=0.3~30である前記記載の化粧料に関するものである。
【0012】
前記化粧料が、油中水型化粧料である前記記載の化粧料に関するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、粉重さのなさ、油重さのなさ、化粧膜の均一性、分散安定性に優れる化粧料を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例3及び比較例1の塗布膜を、3時間放置した後の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
【0016】
本発明に用いられる成分(A)の平均粒子径0.01~0.1μmの金属酸化物は、化粧料に用いられる金属酸化物であれば、特に限定されず、その粒子形状(球状、針状、板状、不定形等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)等を問わず、何れのものも使用することができる。例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合せて用いることができる。これらの中でも、紫外線防御能に優れるという観点から、酸化亜鉛、酸化チタンを1種又は2種以上組み合せて用いることがより好ましい。これらの金属酸化物は、フッ素化合物、シリコーン化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあってもよい。
【0017】
本発明における「平均粒子径」とは、画像解析装置(ルーゼックスIIIU又はこの後継機種ルーゼックスAP、ニレコ社製)による測定により求めたメジアン径D50値である。なお、針状形状の場合、長径と短径が存在するが、本発明において透明感や紫外線防御能を考慮すると短径が重要であるため、針状形状の場合は、短径の分布から求めたメジアン径D50を平均粒子径とする。上記画像解析装置により得られた画像から任意の50個の金属酸化物の長径と短径を測定し、該50個の金属酸化物の長径と短径の比(長径/短径)の平均が3.0以上である場合を針状形状としてもよい。なお、得られた画像で真円以外の形状である粒子は、短径を用いて、メジアン径を求めて良い。
【0018】
本発明に用いられる成分(A)の金属酸化物の平均粒子径は、0.01~0.1μmであり、特に限定されないが、透明感や紫外線防御能により優れる等の観点から、0.01~0.08μmであることがより好ましく、0.02~0.04μmであることが特に好ましい。平均粒子径が0.01μm未満の場合は、凝集力が強くきしみ感が強いため、満足のいく分散安定性が得られず、平均粒子径が0.1μmより大きいと満足のいく透明感が得られない。
【0019】
成分(A)の市販品としては、例えば、微粒子酸化亜鉛として、FINEX-50(堺化学工業社製)、XZ-100F(堺化学工業社製)、ZnO-350(住友大阪セメント社製)、酸化亜鉛FZO-50(石原産業社製)、微粒子酸化亜鉛MZ-500、MZ-300、MZ-200、MZ-150(テイカ社製)、微粒子酸化チタンとして、MT-700B、MT-500B(テイカ社製)、TTO-55(A)(石原産業社製)、SMT-500SAS(テイカ社製)、MICRO TITANIUM DIOXIDE MT-500SA(テイカ社製)、ST-605EC、ST-405EC(チタン工業社製)、STR-100A(堺化学工業社製)等が挙げられ、酸化鉄としては、TAROXシリーズ(チタン工業社製、P又はHPグレード各種:TAROX R-516P、TAROX R-516HP、TAROX YP1200P、TAROX LL100P、TAROX LL100HP、ABL-412HP、TRY-100HP、TRR-100HP等又はそれらの複合粉体)等が挙げられ、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0020】
本発明に用いられる成分(A)の含有量は、特に限定されないが、紫外線防御能がありながら、粉重さのなさ、膜白さのない透明感の付与に、より優れる等の観点から、化粧料全量に、その下限値として、好ましくは0.1質量%以上(以下、単に「%」と記す)、より好ましくは1%以上であり、更に好ましくは5%以上、また、その上限値として25%以下、より好ましくは20%以下、更に好ましくは15%以下であり、当該範囲として0.1~25%であることが好ましく、1~15%であることがより好ましく、5~15%であることがより更に好ましい。
【0021】
本発明で用いられる成分(B)25℃でペースト状の親水基を有する油剤とは、25℃を超える温度に融点を持つ油剤である。特に限定されないが、融点が25~60℃のものがより好ましく、30~55℃であるものが特に好ましい。このような成分(B)は、化粧料などに使用できるものであればいずれのものも使用でき、植物油、動物油、また脂肪酸と、高級アルコール、ステロール、糖、多価アルコール、アミノ酸、ひまし油等の親水基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基またはアミノ基など)を有する成分とのエステル化合物などが挙げられる。その際に、完全に置換されていない部分を有する油剤が好ましく、置換度は特に限定はしないが、加水分解して、理論親水基に対する置換基のモル割合を測定した場合に、置換度が50モル%以上のものがより好ましい。このような成分(B)は、具体的にはN-アシルアミノ酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ダイマー酸エステル、ジペンタエリストール脂肪酸エステル、脂肪酸コレステリルエステル、脂肪酸フィトステリルエステル等が好ましい。さらに具体的には例えば、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジオクチルドデシル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)等のN-アシルアミノ酸エステル、ヘキサグリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、(アジピン酸/2-エチルヘキサン酸/ステアリン酸)グリセリルオリゴエステル、ステアリン酸硬化ヒマシ油、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド、ビスジグリセリルポリアシルアジペート―2、ヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油等のグリセリン脂肪酸エステル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビスイソステアリル等のダイマー酸エステル、(12-ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリトール、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリトール、(12-ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリトール等のジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、リシノール酸コレステリル等の脂肪酸コレステリルエステル、マカデミアンナッツ油脂肪酸フィトステリル等の脂肪酸フィトステリルエステル等などが挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。
上記成分(B)としては、N-アシルアミノ酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ダイマー酸エステル、及びジペンタエリストール脂肪酸エステルからなる群選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0022】
上記ペースト状の油剤の中でも、グリセリン脂肪酸エステル、ダイマー酸エステル、ジペンタエリストール脂肪酸エステル、脂肪酸フィトステリルエステルがより好ましい。より具体的には、ヘキサグリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、(アジピン酸/2-エチルヘキサン酸/ステアリン酸)グリセリルオリゴエステル、ステアリン酸硬化ヒマシ油、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド、ビスジグリセリルポリアシルアジペート―2、ヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油等のグリセリン脂肪酸エステル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビスイソステアリル等のダイマー酸エステル、(12-ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリトール、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリトール、(12-ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリトール等のジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、マカデミアンナッツ油脂肪酸フィトステリルが、肌に塗布した際にうるおい感およびハリ感、粉重さのなさ、油重さのなさ、化粧膜の均一性を与えるという点でより好ましい。
【0023】
本発明における成分(B)の含有量は、特に限定されないが、粉重さの低減、化粧膜の均一性等の観点から、化粧料全量に対して、その下限値として、好ましくは0.1%以上、より好ましくは1%以上であり、更に好ましくは3%以上であり、また、その上限値として25%以下、より好ましくは20%以下であり、更に好ましくは15%以下であり、当該範囲として0.1~25%であることが好ましく、1~15%であることがより好ましく、3~15%であることが更に好ましい。粉重さの低減は、(B)の親水基と、成分(A)または成分(C)との吸着作用により、伸び広がりや分散性が増すことにより向上する効果である。また、成分(A)と成分(C)は、分散性向上効果で粘性が低くなりすぎて肌上で拡散しすぎる傾向があり、(B)の親水基を持つ油剤は構造上粘度が高くなりやすく一定の厚みを化粧膜に付与する特性があり、(A)、(B)、(C)を併用することで、肌への安定的な付着性を維持し、化粧膜の均一性を向上させる効果が得られる。
【0024】
本発明に用いられる成分(A)と成分(B)の含有質量割合は、特に限定されないが、溶剤の除去効率に優れ成型物の収縮のなさに優れるという観点から(A)/(B)=0.1~20であることが好ましく、0.1~15であることがより好ましく、0.3~10であることがより更に好ましい。その下限値として、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.3%以上であり、更に好ましくは3%以上であり、また、その上限値として25%以下、より好ましくは20%以下であり、更に好ましくは15%以下である。
【0025】
本発明に用いられる成分(C)の(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマーとは、アクリルポリマーとジメチルポリシロキサンからなるグラフト共重合体であり、アクリル樹脂とシリコーンの両方の特長を有するものである。INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)で表すと、ACRYLATES/ETHYLHEXYL ACRYLATE/DIMETHICONE METHACRYLATE COPOLYMERである。性状としては、特に限定されないが、25℃で液状であるものを用いることがより好ましい。市販品としては、KP-578(信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0026】
本発明に用いられる成分(C)の含有量は、特に限定されないが、粉重さの低減、油重さの低減、化粧膜の均一性、分散安定性の向上等の観点から、化粧料全量に対して0.1~10%であることが好ましく、0.15~5%であることがより好ましく、0.2~3%であることが特に好ましい。
【0027】
本発明に用いられる成分(A)と成分(C)の含有質量割合は、特に限定されないが、粉重さの低減、油重さの低減、化粧膜の均一性、分散安定性の向上等の観点から(C)/(A)=0.01~2であることが好ましく、0.1~1であることが特に好ましい。
【0028】
本発明に用いられる成分(B)と成分(C)の含有質量割合は、特に限定されないが、粉重さの低減、油重さの低減、化粧膜の均一性、分散安定性の向上等の観点から(B)/(C)=0.2~30であることが好ましく、0.3~30であることがより好ましく、0.5~10であることが特に好ましい。
【0029】
また、本発明の化粧料には、上記成分(A)~(C)以外に加え、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲において、粉体、油剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有する事ができる。
【0030】
成分(A)以外の粉体としては、粒子形状(球状、針状、板状、不定形等)、粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)等により特に限定されず、無機粉体類、有機粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、シリカ、炭化珪素等の無機粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N-アシルリジン、ナイロン等の有機粉体類、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青、ベンガラ等の有色無機顔料、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、特に限定されないが、粉重さの低減、油重さの低減、化粧膜の均一性、分散安定性の向上等の観点から、成分(A)とは平均粒子径の異なる酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料を含有することがより好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛を含有することが特に好ましい。また、これらの粉体は1種又は2種以上の複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン油剤、金属石ケン、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理してあっても良い。
【0031】
成分(B)以外の油剤としては、通常の化粧料等に使用されるものであれば特に限定されず、動物油、植物油、合成油等の起源の固形油、液状油、揮発性油の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、油溶性樹脂等が挙げられる。
【0032】
界面活性剤としては、通常の化粧料等に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。具体的には、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。これらの界面活性剤は、必要に応じて1種または2種以上を用いることができる。本発明において、非イオン性界面活性剤を用いる場合は、乳化組成物の安定性の観点から、HLB7以下の非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
【0033】
本発明の化粧料の製造方法は、特に制限はなく、常法により調製される。例えば、成分(A)を成分(B)及び成分(C)を含有する油系成分に分散した後に、水系成分を加え乳化することにより調製することができる。
【0034】
本発明の化粧料は、特に限定されないが、化粧用下地、ファンデーション、アイカラー、口紅、リップクリーム等のメイクアップ化粧料、化粧水、乳液、美容液、パック料、洗顔料、日焼け止め等のスキンケア化粧料、シャンプー、コンディショナー、ヘアパック、ヘアミルク、ヘアミスト、毛髪保護料等のヘアケア化粧料、ボディソープ、ボディミルク等のボディ化粧料等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果が顕著に発揮される点から、化粧用下地、ファンデーション、アイカラー、口紅、リップクリーム等のメイクアップ化粧料に好適に用いられ、さらに好ましくは化粧用下地、ファンデーションに好適に用いられる。
【0035】
また、本発明の化粧料の剤型としては特に限定されず、油性型、水中油型、油中水型等のいずれでもよいが、本発明の効果が顕著に発揮されるなどの点から、油中水型化粧料であることがより好ましい。さらに、本発明の化粧料を、エアゾール剤型、スプレー剤型にするために、噴射剤を含有させることも可能である。噴射剤は、通常化粧料に使用されるものであれば特に限定されない。具立的には、液化石油ガス、ジメチルエーテル、窒素、亜酸化窒素、炭酸ガス等が挙げられる。
【実施例
【0036】
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0037】
実施例1~15及び比較例1~3:日焼け止め料
表1に示す日焼け止め料を調製し、粉重さのなさ、油重さのなさ、化粧膜の均一性、分散安定性について下記の評価を実施し、下記判定基準により判定した。その結果も併せて表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
(製造方法)
A.成分(1)~(10)、(17)、(18)を均一に混合する。
B.Aに、成分(11)~(16)、(19)を均一に混合する。
C.Bに成分(20)~(23)の溶解物を添加し、乳化混合をする。
D.Cを脱泡し、油中水型日焼け止め化粧料を得た。
【0040】
(評価方法)
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
イ. 粉重さのなさ
ロ. 油重さのなさ
ハ. 化粧膜の均一性
ニ. 分散安定性
【0041】
(評価方法:粉重さのなさ、油重さのなさ、化粧膜の均一性)
前記日焼け止め化粧料について専門評価パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて6段階に評価し評点を付け、試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。イ.粉重さのなさは、各試料を肌上に塗布し、肌上において粉による抵抗感がないかを評価した。ロ.油重さのなさは各試料を肌上に塗布し、肌上において伸び広がりやすいか否かを評価した。ハ.化粧膜の均一性は各試料を肌上に塗布し、仕上がった化粧膜に顔料ムラがあるか否かを評価した。

<評価基準>
(評価結果):(評点)
非常に良好 :6点
良好 :5点
やや良好 :4点
普通 :3点
やや不良 :2点
不良 :1点

<4段階判定基準>
(判定):(評価基準)
A :5.0点以上
B :3.5点以上~5.0点未満
C :2.0点以上~3.5点未満
D :2.0点未満
【0042】
(評価方法:分散安定性)
ガラス板の上に前記日焼け止め化粧料を0.1gのせ、ドクターブレードにて膜厚25μmになるよう調製して、得られた塗布膜を3時間放置した後に目視観察し、下記3段階判定基準により判定した。実施例3と比較例1の3時間後の塗布膜を図1に示す。
<3段階判定基準>
(判定):(評価基準)
A :粉体の凝集物がほとんど確認されない
B :粉体の凝集物が少し確認される
C :粉体の凝集物が多く確認される
【0043】
表1の結果から明らかなように、実施例1~15は、粉重さ、油重さがなく、化粧膜の均一性に優れながらも、分散安定性に優れた化粧料であった。
一方、成分(C)の代わりにラウリルポリグリセリル‐3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを用いた比較例1は、粉の分散性が悪く、時間の経過により凝集物の増加がみられた。また、成分(B)由来の油重さが出てしまい、満足のいく伸び広がりが得られなかった。成分(B)を含有しない比較例2は油重さがなく、時間の経過により凝集物の数は増加せず分散安定性には優れているものの、製造直後に少量の粉体の凝集物が存在し、塗布時における粉重さが強調され、満足のいく化粧膜の均一性も得られなかった。成分(B)の代わりに親水基がない非極性のペースト油を用いた比較例3は時間の経時による分散安定性に優れているものの、比較例2と同様に製造直後に少量の粉体の凝集物が見られ、塗布時の粉重さがあり、満足のいく化粧膜の均一性も得られなかった。また、非極性のペースト油の分散性が悪く、塗布時にペースト油の油重さが強調される結果となった。
【0044】
実施例16:油中水型ファンデーション
(成分) (質量%)
1.酸化チタン ※4 20.0
2.酸化鉄 3.0
3.イソドデカン 10.0
4.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー ※1 2.0
5.メチルトリメチコン 10.0
6.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/
ステアリル/ベヘニル) ※9 3.0
7.パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 5.0
8.ジメチルポリシロキサン(6cs) 5.0
9.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5
10.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
0.5
11.球状ポリエチレン 3.0
12.マイカ 10.0
13.フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 2.0
14.エタノール 10.0
15.トリエタノールアミン 1.0
16.アスコルビン酸グルコシド 1.0
17.精製水 残量
なお、酸化鉄は、ベンガラ(平均粒子径:0.09μm)1.0質量%と、黄酸化鉄(平均粒子径:0.07μm)2.0質量%との混合物であり、下記の製造方法における「A」で同時に添加した。
【0045】
(製造方法)
A:成分を1~4を3本ローラーで均一に分散する。
B:成分6~10を80℃で溶解混合し、室温冷却後Aおよび5、11~12を加え分散する。
C:成分13~17を均一に混合溶解する。
D:BにCを加え乳化し、油中水型ファンデーションを得た。
【0046】
以上のようにして得られた実施例16の油中水型ファンデーションは、粉重さ、油重さがなく、化粧膜の均一性に優れながらも、分散安定性に優れた化粧料であった。
【0047】
実施例17:固形状油中水乳化型ファンデーション
(成分) (質量%)
1.酸化チタン ※5 8.0
2.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー ※1 2.0
3.ジメチルポリシロキサン(10cs) 2.0
4.デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
5.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) ※9 3.0
6.イソヘキサデカン 10.0
7.流動パラフィン 5.0
8.デキストリン脂肪酸エステル 2.0
9.キャンデリラロウ(融点70℃) 2.0
10.ステアリン酸イヌリン 2.0
11.トリベヘン酸グリセリル(融点60℃) 2.0
12.メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール
2.0
13.シリコーン処理酸化チタン(平均粒子径:0.035μm)
10.0
14.酸化鉄 12.0
15.無水ケイ酸 2.0
16.L-メントール 0.01
17.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
18.1,3-ブチレングリコール 5.0
19.L-グルタミン酸ナトリウム 0.2
20.精製水 残量
なお、酸化鉄は、ベンガラ(平均粒子径:0.09μm)4.0質量%と、黄酸化鉄(平均粒子径:0.07μm)8.0質量%との混合物であり、下記の製造方法における「A」で同時に添加した。
【0048】
(製造方法)
A.成分1~15を75℃でホモミキサーにて混合する。
B.成分16~20を70℃で混合する。
C.AにBを徐々に注入して乳化し、60℃まで冷却して容器に流し込み、室温まで冷却して、固形状油中水型ファンデーションを得た。
【0049】
以上のようにして得られた実施例17の固形状油中水乳化型ファンデーションは、粉重さ、油重さがなく、化粧膜の均一性に優れながらも、分散安定性に優れた化粧料であった。
【0050】
実施例18:油中水乳化型頬紅
(成分) (質量%)
1.アモジメチコン処理酸化チタン(平均粒子径:0.09μm)
3.0
2.赤色226号 0.5
3.黄色4号 0.3
4.ジメチルポリシロキサン処理合成金雲母 3.5
5.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー ※1 2.0
6.リンゴ酸ジ2-エチルヘキシル 5.0
7.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) ※9 3.0
8.イソドデカン 15.0
9.トリパーム油脂肪酸グリセリル 5.0
10.マイカ 5.0
11.アスタキサンチン 0.001
12.ステアリン酸亜鉛処理合成金雲母チタン 5.0
13.ナイロンパウダー 3.0
14.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 1.0
15.メチルパラベン 0.2
16.エチルアルコール 5.0
17.グリセリン 5.0
18.精製水 残量
19.香料 適量
20.塩化ナトリウム 0.3
【0051】
(製造方法)
A:成分1~6をローラー処理して均一に混合する。
B:Aに成分7~14混合する。
C:成分15~20を混合溶解する。
D:BにCを加え乳化し、容器に充填して油中水乳化型頬紅を得た。
【0052】
以上のようにして得られた実施例18の油中水乳化型頬紅は、粉重さ、油重さがなく、化粧膜の均一性に優れながらも、分散安定性に優れた化粧料であった。
【0053】
実施例19:油中水乳化型下地
(成分) (質量%)
1.ステアロイルグルタミン酸亜鉛処理酸化チタン
(平均粒子径:0.035μm) 5.0
2.赤色226号 0.15
3.ステアリン酸処理黄酸化鉄(針状短径:平均粒子径0.09μm)
0.5
4.イソドデカン 20.0
5.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー ※1 2.0
6.パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 5.0
7.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1.0
8.ビスエチルヘキシルオキシフェノール
メトキシフェニルトリアジン 1.0
9.トリイソステアリン酸グリセリル 5.0
10.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) ※9 3.0
11.(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/
シルセスキオキサン)クロスポリマー 3.0
12.メタクリル酸メチルクロスポリマー 3.0
13.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 1.0
14.メチルパラベン 0.1
15.エチルアルコール 5.0
16.グリセリン 3.0
17.ローズマリーエキス 0.1
18.精製水 残量
19.香料 適量
20.塩化ナトリウム 1.0
21.メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール
2.0
【0054】
(製造方法)
A:成分4~10を80℃に加熱し、混合溶解する。
B:Aに成分1~3、11~13を分散し、室温に冷却する。
C:成分14~20を混合溶解する。
D:Cに成分21を分散する。
E:BにDを加え乳化し、容器に充填して油中水乳化型下地を得た。
【0055】
以上のようにして得られた実施例19の油中水乳化型下地は、粉重さ、油重さがなく、化粧膜の均一性に優れながらも、分散安定性に優れた化粧料であった。
【0056】
実施例20:アイブロウ(スティック状)
(成分) (質量%)
1.セレシンワックス 10.0
2.ポリエチレンワックス 3.0
3.部分架橋型オルガノポリシロキサン 1.0
4.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) ※9 3.0
5.ジメチルポリシロキサン(10cs) 2.0
6.イソヘキサデカン 20.0
7.(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー 10.0
8.パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 5.0
9.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー ※1 2.0
10.球状ポリメタクリルサンメチル粉末(平均粒子径10μm) 5.0
11.マイカ 5.0
12.シリコーン処理酸化チタン(平均粒子径:0.01μm) 1.0
13.シリコーン処理ベンガラ(針状短径:平均粒子径0.09μm)
0.3
14.シリコーン処理黄色酸化鉄(針状短径:平均粒子径0.07μm)
1.0
15.シリコーン処理黒色酸化鉄(平均粒子径0.09μm) 0.5
16.煙霧状疎水化シリカ 1.0
17.酸化防止剤(ローズマリー抽出液) 0.3
18.ビタミンA油 0.5
19.精製水 残量
20.1,3-ブチレングチコール 5.0
21.カラギーナン 0.5
22.トリエタノールアミン 0.1
23.香料 適量
【0057】
(製造方法)
A:成分1~9を100℃にて均一溶解する。
B:Aに成分10~18を加えデスパミキサーにて均一分散する。
C:成分19~23を均一に混合し、80℃にする。
D:BにCを加え、デスパミキサーにて乳化し、脱泡する。それをスティック成形用型に充填温度80℃で流し込み、冷却固化しアイブロウを得た。
【0058】
以上のようにして得られた実施例20のアイブロウは、粉重さ、油重さがなく、化粧膜の均一性に優れながらも、分散安定性に優れた化粧料であった。
【0059】
実施例21 口紅(液状)
(成分) (質量%)
1.パルミチン酸デキストリン 5.0
2.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 5.0
3.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) ※9 3.0
4.イソドデカン 20.0
5.液状ラノリン 10.0
6.(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー 5.0
7.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー ※1 2.0
8.酸化チタン(平均粒子径:0.035μm) 2.0
9.黄色酸化鉄(針状短径:平均粒子径0.07μm) 0.5
10.黒色酸化鉄(平均粒子径0.1μm超0.3μm以下) 0.1
11.シリコーン処理酸化鉄被覆雲母チタン 5.0
12.マイカ 8.0
13.酸化防止剤(酢酸トコフェロール) 0.5
14.防腐剤(フェノキシエタノール) 0.3
15.精製水 残量
16.エチルアルコール 3.0
17.ジグリセリン 0.5
18.ローカストビーンガム 0.1
19.グルコシルトレハロース 0.3
【0060】
(製造方法)
A:成分1~3を90℃で加熱溶解後、そこに成分4~14を加え、ホモミキサーにて均一分散する。
B:成分15~19を均一に溶解後、Aに加え、乳化する。
C:Bを脱泡後、容器に充填し、口紅とした。
【0061】
以上のようにして得られた実施例21の口紅は、粉重さ、油重さがなく、化粧膜の均一性に優れながらも、分散安定性に優れた化粧料であった。
【0062】
実施例22 アイカラー
(成分) (質量%)
1.(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー 14.0
2.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー ※1 2.0
3.イソドデカン 14.0
4.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) ※9 3.0
5.ジメチルポリシロキサン(6cs) 3.0
6.シリコーン処理酸化チタン(平均粒子径:35nmジメチコン処理)
1.5
7.赤色226号 0.3
8.ベンガラ(針状短径:平均粒子径0.09μm) 0.2
9.酸化チタン(平均粒子径:0.035μm) 0.1
10.黒色酸化鉄(平均粒子径0.1μm超0.3μm以下) 0.1
11.マイカ 2.0
12.シリコーン処理雲母チタン 3.0
13.球状ナイロン粉末(平均粒子径15μm) 3.0
14.精製水 残量
15.エチルアルコール 7.0
16.グリセリン 3.0
17.カンテン 0.1
18.防腐剤(フェノキシエタノール) 0.1
19.香料 0.1
【0063】
(製造方法)
A:成分1~13をホモミキサーにて均一に混合する。
B:成分14~19を均一に溶解混合後、Aに加え乳化し、脱泡後、アプリケーター付き樹脂容器に充填しアイカラーを得た。
【0064】
以上のようにして得られた実施例22のアイカラーは、粉重さ、油重さがなく、化粧膜の均一性に優れながらも、分散安定性に優れた化粧料であった。
【0065】
実施例23:エアゾール型日焼け止め料
(成分) (質量%)
1.酸化亜鉛 ※6 5.0
2.酸化チタン ※4 20.0
3.メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 5.0
4.ジメチコン 5.0
5.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル
/セチル/ステアリル/ベヘニル) ※9 3.0
6.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー ※1 2.0
7.ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体 12.0
8.カラギーナン 0.2
9.精製水 残量
【0066】
(製造方法)
A:成分1~7を50℃で加熱混合し、均一に分散させる。
B:成分8、9をBに添加し、常温で乳化し、原液を得た。
C:Bで得られた原液6gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15 6gを耐圧容器に充填し、エアゾール型日焼け止め料を得た。
【0067】
以上のようにして得られた実施例23のエアゾール型日焼け止め料は、粉重さ、油重さがなく、化粧膜の均一性に優れながらも、分散安定性に優れた化粧料であった。
【0068】
実施例24:エアゾール型ファンデーション
(成分) (質量%)
1.酸化チタン ※5 20.0
2.赤色酸化鉄粉末(針状短径:平均粒子径0.07μm) 0.8
3.黄色酸化鉄粉末(針状短径:平均粒子径0.09μm) 1.5
4.黒色酸化鉄粉末(平均粒子径0.1μm超0.3μm以下) 0.5
5.デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
6.ポリグリセリル-3
ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1.0
7.デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
8.ジメチルポリシロキサン 残量
9.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル
安息香酸ヘキシル 2.0
10.メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 8.0
11.安息香酸アルキル 5.0
12.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ステアリル/ベヘニル) ※9 3.0
13.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー ※1 2.0
14.部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の混合物 2.0
15.ステアロキシジメチコン 0.5
16.カンテン 0.1
17.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニル
トリアジンのエマルジョン 2.0
18.トリプロピレングリコール 3.0
19.精製水 15.0
【0069】
(製造方法)
A:成分1~6を3本ローラーにて混練する。
B:Aと成分7~16を50℃で加熱混合し、均一に分散させる。
C:成分17~19を混合し、Bに添加し、常温で乳化し、原液を得た。
D:Cで得られた原液9gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15 10gおよびジメチルエーテル 2gを耐圧容器に充填し、エアゾール型ファンデーションを得た。
【0070】
以上のようにして得られた実施例24のエアゾール型ファンデーションは、粉重さ、油重さがなく、化粧膜の均一性に優れながらも、分散安定性に優れた化粧料であった。
【0071】
実施例25:油中水型リキッドファンデーション
(成分) (%)
1.ジメチコン処理微粒子酸化チタン(平均粒子径0.035μm)4.0
2.ジメチコン処理微粒子酸化亜鉛(平均粒子径0.1μm) 2.0
3.リン脂質処理化チタン(平均粒子径0.4μm) 10.0
4.ジメチコン処理赤色酸化鉄粉末(針状短径:平均粒子径0.07μm)
0.8
5.ジメチコン処理黄色酸化鉄粉末(針状短径:平均粒子径0.09μm)
1.5
6.ジメチコン処理黒色酸化鉄粉末
(平均粒子径0.1μm超0.3μm以下) 0.5
7.ジメチコン処理タルク(平均粒子径5μm) 2.0
8.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー ※1 0.7
9.メチルトリメチコン 3.0
10.ジメチルポリシロキサン(25℃の粘度1.5mm2/sec)5.0
11.ジメチルポリシロキサン(25℃の粘度2.0mm2/sec)7.0
12.ジメチルポリシロキサン(25℃の粘度6mm2/sec) 5.0
13.イソノナン酸イソトリデシル 3.0
14.ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)1.0
15.トリメチルシロキシケイ酸 2.0
16.ジステアルジモニウムヘクトライト 1.0
17.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5
18.ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.0
19.PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.0
20.パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 5.0
21.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.5
22.(ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
0.5
23.ポリメチルシルセスキオキサン(平均粒子径5μm) 3.0
24.球状セルロース(平均粒子径1μm) 2.0
25.シリカ(平均粒子径30μm) 1.0
26.窒化ホウ素 2.0
27.水添レシチン 0.1
28.エタノール 5.0
29.1.3-ブチレングリコール 1.0
30.グリセリン 1.0
31.精製水 残量
【0072】
(製造方法)
A:成分1~11を均一に混合する。
B:成分20~22を80℃で溶解混合し、室温冷却後A及び12~19、23~27を加え分散する。
C:成分28~31を均一に混合する。
D:BにCを加え乳化混合し、油中水型リキッドファンデーションを得た。
【0073】
以上のようにして得られた油中水型ファンデーションは、粉重さ、油重さがなく、化粧膜の均一性に優れながらも、分散安定性に優れた化粧料であった。
【0074】
実施例26:エアゾール型ファンデーション
(成分) (%)
1.ステアリン酸処理微粒子酸化チタン(平均粒子径0.035μm)
4.0
2.ジメチコン処理微粒子酸化亜鉛(平均粒子径0.035μm) 2.0
3.ステアロイルグルタミン酸2Na処理酸化チタン
(平均粒子径0.25μm) 10.0
4.ジメチコン処理赤色酸化鉄粉末(針状短径:平均粒子径0.07μm)
0.8
5.ジメチコン処理黄色酸化鉄粉末(針状短径:平均粒子径0.09μm)
1.5
6.ジメチコン処理黒色酸化鉄粉末(平均粒子径0.1超0.3μm以下)
0.5
7.ラウリン酸亜鉛処理タルク(平均粒子径5μm) 2.0
8.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー ※1 0.2
9.メチルトリメチコン 3.0
10.ジメチルポリシロキサン(25℃の粘度1.5mm2/sec)5.0
11.ジメチルポリシロキサン(25℃の粘度2.0mm2/sec)7.0
12.ジメチルポリシロキサン(25℃の粘度6mm2/sec) 5.0
13.マカデミアンナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
14.リンゴ酸ジイソステアリル 1.0
15.トリメチルシロキシケイ酸 2.0
16.ジステアルジモニウムヘクトライト 1.0
17.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5
18.ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.0
19.PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.0
20.パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 5.0
21.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.5
22.(ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシ
フェニルトリアジン 0.5
23.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 3.0
24.ポリメチルシルセスキオキサン(平均粒子径5μm) 3.0
25.球状セルロース(平均粒子径5μm) 2.0
26.シリカ(平均粒子径3μm、吸油量150ml/100g) 1.0
27.ラウロイルリジン 2.0
28.水添レシチン 0.1
29.エタノール 5.0
30.1.3-ブチレングリコール 1.0
31.グリセリン 1.0
32.精製水 残量
【0075】
(製造方法)
A:成分1~11を均一に混合する。
B:成分20~22を80℃で溶解混合し、室温冷却後A及び12~19、23~28を加え分散する。
C:成分29~32を均一に混合する。
D:BにCを加え乳化混合し、原液を得た。
E:Dで得られた原液6gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15 6gと二酸化炭素を0.5gを耐圧容器に充填し、エアゾール型ファンデーションを得た。
【0076】
以上のようにして得られたエアゾール型ファンデーションは、粉重さ、油重さがなく、化粧膜の均一性に優れながらも、分散安定性に優れた化粧料であった。
【0077】
実施例27:含浸型ファンデーション
(成分) (%)
1.ジメチコン処理微粒子酸化チタン(平均粒子径0.08μm)10.0
2.ジメチコン処理微粒子酸化亜鉛(六角板状、平均粒子径0.1μm)
5.0
3.ジメチコン処理酸化チタン(平均粒子径1μm) 3.0
4.ジメチコン処理赤色酸化鉄粉末(針状短径:平均粒子径0.07μm)
0.8
5.ジメチコン処理黄色酸化鉄粉末(針状短径:平均粒子径0.09μm)
1.5
6.ジメチコン処理黒色酸化鉄粉末(平均粒子径0.1超0.3μm以下)
0.5
7.リン脂質処理タルク(平均粒子径5μm) 2.0
8.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー ※1 1.5
9.イソドデカン 15.0
10.ジメチルポリシロキサン(25℃の粘度6mm2/sec) 5.0
11.イソノナン酸イソトリデシル 3.0
12.リンゴ酸ジイソステアリル 1.0
13.ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビスイソステアリル
2.0
14.ジステアルジモニウムヘクトライト 1.0
15.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5
16.PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.0
17.ポリシリコーン-15 4.0
18.パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル 2.0
19.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1.5
20.(ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシ
フェニルトリアジン 0.5
21.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 3.0
22.ポリメチルシルセスキオキサン(平均粒子径5μm) 3.0
23.球状セルロース(平均粒子径15μm) 2.0
24.シリカ(平均粒子径1μm) 1.0
25.オキシ塩化ビスマス 2.0
26.水添レシチン 0.1
27.エタノール 5.0
28.1.3-ブチレングリコール 1.0
29.グリセリン 1.0
30.精製水 残量
【0078】
(製造方法)
A:成分1~9を均一に混合する。
B:成分18~20を80℃で溶解混合し、室温冷却後A及び10~17、21~26を加え分散する。
C:成分27~30を均一に混合する。
D:BにCを加え乳化混合し、ファンデーションを得た。
E:Dで得られたバルクをNBR系含浸フォームを担持した容器に充填し、ファンデーションを得た。
【0079】
以上のようにして得られた含浸型ファンデーションは、粉重さ、油重さがなく、化粧膜の均一性に優れながらも、分散安定性に優れた化粧料であった。
【0080】
実施例28:含浸型ファンデーション
(成分) (%)
1.ジメチコン処理微粒子酸化チタン(平均粒子径0.05μm) 4.0
2.ジメチコン処理微粒子酸化亜鉛(平均粒子径0.05μm) 2.0
3.ジラウロイルグルタミン酸リシンNa処理酸化チタン
(平均粒子径0.7μm) 10.0
4.オクチルトリエトキシシラン処理赤色酸化鉄粉末
(針状短径:平均粒子径0.07μm) 0.8
5.オクチルトリエトキシシラン処理黄色酸化鉄粉末
(針状短径:平均粒子径0.09μm) 1.5
6.オクチルトリエトキシシラン処理黒色酸化鉄粉末
(平均粒子径0.09μm) 0.5
7.オクチルトリエトキシシラン処理タルク(平均粒子径12μm)2.0
8.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/
メタクリル酸ジメチコン)コポリマー ※1 2.0
9.メチルトリメチコン 3.0
10.ジメチルポリシロキサン(25℃の粘度1.5mm2/sec)5.0
11.ジメチルポリシロキサン(25℃の粘度2.0mm2/sec)7.0
12.ジメチルポリシロキサン(25℃の粘度3.5mm2/sec)5.0
13.(12-ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)
ジペンタエリスリトール 3.0
14.リンゴ酸ジイソステアリル 1.0
15.トリメチルシロキシケイ酸 2.0
16.ジステアルジモニウムヘクトライト 1.0
17.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5
18.ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 2.0
19.PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.0
20.ポリシリコーン-15 5.0
21.(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー 2.5
22.(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー 0.5
23.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 8.0
24.ポリメチルシルセスキオキサン(平均粒子径1μm) 3.0
25.球状セルロース(平均粒子径30μm) 2.0
26.シリカ(平均粒子径20μm) 1.0
27.ガラス末 2.0
28.水添レシチン 0.1
29.エタノール 5.0
30.1.3-ブチレングリコール 1.0
31.グリセリン 1.0
32.精製水 残量
【0081】
(製造方法)
A:成分1~11を均一に混合する。
B:成分20~22を80℃で溶解混合し、室温冷却後A及び12~19、23~28を加え分散する。
C:成分29~32を均一に混合する。
D:BにCを加え乳化混合し、ファンデーションを得た。
E:Dで得られたバルクをポリエーテル系含浸フォームを担持した容器に充填し、ファンデーションを得た。
【0082】
以上のようにして得られた含浸型ファンデーションは、粉重さ、油重さがなく、化粧膜の均一性に優れながらも、分散安定性に優れた化粧料であった。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明によれば、粉重さのなさ、油重さのなさ、化粧膜の均一性、分散安定性に優れる化粧料を得ることができる。
図1