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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】空気清浄機およびネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/80 20210101AFI20231020BHJP
   F24F 11/58 20180101ALI20231020BHJP
   F24F 11/61 20180101ALI20231020BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20231020BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20231020BHJP
   F24F 120/12 20180101ALN20231020BHJP
【FI】
F24F8/80 165
F24F8/80 300
F24F11/58
F24F11/61
F24F11/64
F24F11/74
F24F120:12
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020550318
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(86)【国際出願番号】 JP2019037432
(87)【国際公開番号】W WO2020071184
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2018187479
(32)【優先日】2018-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】白石 賢一
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-096676(JP,A)
【文献】特開2015-025572(JP,A)
【文献】特開2017-026270(JP,A)
【文献】特開2010-145006(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104315661(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106996626(CN,A)
【文献】中国実用新案第203965994(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 8/80
F24F 7/007
F24F 7/003
F24F 11/58
F24F 11/61
F24F 11/64
F24F 11/74
F24F 120/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気清浄機と、
現在位置を取得可能な複数のユーザ端末と、
前記複数のユーザ端末のいずれかからのデータに基づいていずれかのユーザが前記空気清浄機の配置エリアから離れたことを検知すると、前記複数のユーザ端末を介して前記空気清浄機の出力を上げてもよいか確認してから前記空気清浄機の出力を上げるためのサーバと、を備えるネットワークシステム。
【請求項2】
空気清浄機と、
現在位置を取得可能なユーザ端末と、
前記ユーザ端末からのデータに基づいてユーザが前記空気清浄機の配置エリアから離れたことを検知すると、前記空気清浄機の出力を上げるためのサーバと、を備え
前記サーバは、前記空気清浄機の出力を上げてから所定の時間が経過すると、前記空気清浄機の出力をユーザが前記空気清浄機の配置エリアから離れる直前に戻し、
前記サーバは、前記ユーザが前記空気清浄機から所定の距離内に戻ると、前記空気清浄機の出力を上げる、ネットワークシステム。
【請求項3】
空気清浄機と、
現在位置を取得可能な複数のユーザ端末と、
前記複数のユーザ端末からのデータに基づいてグループに属する全てのユーザが前記空気清浄機の配置エリアから離れたことを検知すると、前記空気清浄機の出力を上げるためのサーバと、を備え
前記サーバは、前記空気清浄機の出力を上げてから所定の時間が経過すると、前記空気清浄機の出力をユーザが前記空気清浄機の配置エリアから離れる直前に戻し、
前記サーバは、前記ユーザが前記空気清浄機から所定の距離内に戻ると、前記空気清浄機の出力を上げる、ネットワークシステム。
【請求項4】
前記サーバは、前記ユーザが前記空気清浄機の配置エリア内に戻ると、前記空気清浄機の出力をユーザが前記空気清浄機の配置エリアから離れる直前に戻す、請求項1から3のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄機能を有する装置を効率的に利用するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、空気清浄機などの空気調和機に関する様々な技術が提案されている。たとえば、特開平6-71125号公報(特許文献1)には、空気清浄器が開示されている。特許文献1によると、室内空気の汚染度を検出してその出力で空気清浄運転を開始させる汚染度センサーを備えている空気清浄器において、人体検知用の人感センサーと、この人感センサーによる人体検知出力で汚染度センサーに空気流を流す検出運転を行わせる制御回路とを備えたものとし、室内空気が汚染される可能性が高い時である人体が室内にいる時にのみ、検出運転が行われるものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-71125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、空気清浄機能を有する装置を効率的に利用するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様に従うと、空気清浄機と、現在位置を取得可能なユーザ端末と、ユーザ端末からのデータに基づいてユーザが空気清浄機の配置エリアから離れたことを検知すると、空気清浄機の出力を上げるためのサーバと、を備えるネットワークシステムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明によれば、空気清浄機能を有する装置を効率的に利用するための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成と動作概要を示すイメージ図である。
図2】第1の実施の形態にかかるサーバ100の構成の一態様について説明する。
図3】第1の実施の形態にかかるユーザ情報データ121を示すイメージ図である。
図4】第1の実施の形態にかかる機器情報データ122を示すイメージ図である。
図5】第1の実施の形態にかかる端末情報データ123を示すイメージ図である。
図6】第1の実施の形態にかかるサーバ100における情報処理を示すフローチャートである。
図7】第1の実施の形態にかかる空気清浄機200の構成の一態様について説明する。
図8】第1の実施の形態にかかるユーザ端末300の構成の一態様について説明する。
図9】第2の実施の形態にかかるサーバ100における情報処理を示すフローチャートである。
図10】第4の実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成と動作概要を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<ネットワークシステム1の全体構成と動作概要>
【0009】
まず、図1(A)を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成について説明する。本実施の形態にかかるネットワークシステム1は、主に、サーバ100と、インターネットやルータなどを介してサーバ100に接続可能な空気清浄機200と、インターネットやルータなどを介してサーバ100に接続可能なユーザ端末300とを含む。
【0010】
なお、空気清浄機200は、空気を清浄するための機能を有すればよく、床に置く空気清浄専用の装置に限らず、加湿機能を有する空気清浄機や、空気清浄機能を有するエアコンなどであってもよい。また、ユーザ端末300も、スマートフォンに限らず、ユーザが持ち運び可能であって、通信機能を有すればよく、タブレット端末やウェアラブル端末やゲーム機やパーソナルコンピュータやスピーカなどであってもよい。
【0011】
次に、図1(A)~(C)を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の動作概要について説明する。図1(A)に示すように、ユーザが空気清浄機200の置かれている住居やオフィスなどに在宅中は、空気清浄機200はユーザからの操作命令に基づいて通常運転を実行する。図1(B)に示すように、ユーザが外出すると、サーバ100は、ユーザ端末300を介してユーザが外出したことを検知して、空気清浄機200の運転強度を強くする。図1(C)に示すように、ユーザが帰宅すると、サーバ100は、空気清浄機200を通常運転に戻す。以下、このような機能を実現するためのネットワークシステム1の具体的な構成について詳述する。
<サーバ100のハードウェア構成>
【0012】
図2を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成するサーバ100のハードウェア構成の一態様について説明する。サーバ100は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、操作部140と、通信インターフェイス160とを含む。
【0013】
CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ100の各部を制御する。たとえば、CPU110は、メモリ120に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、後述する各種の処理を実行する。
【0014】
メモリ120は、各種のRAM(Random Access Memory)、各種のROM(Read-Only Memory)などによって実現され、サーバ100に内包されているものであってもよいし、サーバ100の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ100からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行されるプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、ユーザ情報データ121、機器情報データ122、端末情報データ123、その他の本実施の形態にかかる遠隔制御サービスに利用されるデータベースなどを記憶する。
【0015】
図3を参照して、本実施の形態にかかるユーザ情報データ121は、本サービスに登録されているユーザ毎に、ユーザの識別情報と、ユーザ名と、ユーザが属するグループの識別情報と、ユーザの住所と、ユーザの有するユーザ端末300の識別情報と、ユーザが現在外出中であるか否かを示す情報と、ユーザが外出した時刻などの対応関係を含む。なお、ユーザが属するグループとは、ユーザの家族や、ユーザのルームメイトや、ユーザが属する部署などが上げられる。
【0016】
図4を参照して、本実施の形態にかかる機器情報データ122は、本サービスに登録されている空気清浄機200毎に、空気清浄機200の識別情報と、空気清浄機200のユーザの識別情報と、空気清浄機200の機種名や型番などの対応関係を含む。
【0017】
図5を参照して、本実施の形態にかかる端末情報データ123は、本サービスに登録されているユーザ端末300毎に、ユーザ端末300の識別情報と、ユーザ端末300のユーザの識別情報と、ユーザ端末300の現在位置情報などの対応関係を含む。
【0018】
図2に戻って、操作部140は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をCPU110に入力する。
【0019】
通信インターフェイス160は、CPU110からのデータを、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して、空気清浄機200やユーザ端末300などの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェイス160は、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して空気清浄機200やユーザ端末300などの他の装置からのデータを受信して、CPU110に受け渡す。
<サーバ100における情報処理>
【0020】
次に、図6を参照しながら、本実施の形態にかかるサーバ100における情報処理について説明する。サーバ100のCPU110は、通信インターフェイス160を介して、ユーザ端末300からデータを受信すると以下の処理を実行する。
【0021】
CPU110は、受信したデータからユーザ端末300の識別情報と現在位置情報とを取得する(ステップS102)。なお、現在位置情報は、ユーザ端末300自身が、GPS(Global Positioning System)機能や、基地局WiFi(登録商標)アクセスポイント等を利用して取得可能である。その他、端末の位置情報を推定できる手段であれば、他の機能を利用してもよい。CPU110は、ユーザ情報データ121を参照してユーザの住所すなわちユーザに対応する空気清浄機200が置かれている場所を読み出す。CPU110は、ユーザの住所と現在位置情報とから、ユーザすなわちユーザ端末300が外出しているか否か、すなわち自宅から離れているか否かを判断する(ステップS104)。
【0022】
ユーザが外出中である場合(ステップS104にてYESである場合)、CPU110は、ユーザ情報データ121においてユーザが外出している旨のフラグをONして外出時刻を記憶するとともに、機器情報データ122を参照してユーザに対応する空気清浄機200を特定し、通信インターフェイス160を介して当該空気清浄機200に空気清浄運転の強度を上げるように指示するためのデータを送信する(ステップS106)。CPU110は、通信インターフェイス160を介して、次のユーザ端末300からのデータを待ち受ける。
【0023】
ユーザが在宅中である場合(ステップS104にてNOである場合)、CPU110は、ユーザ情報データ121においてユーザが外出している旨のフラグをOFFするとともに、機器情報データ122を参照してユーザに対応する空気清浄機200を特定し、通信インターフェイス160を介して当該空気清浄機200に通常の空気清浄運転に戻るように指示するためのデータを送信する(ステップS108)。CPU110は、通信インターフェイス160を介して、次のユーザ端末300からのデータを待ち受ける。
<空気清浄機200のハードウェア構成>
【0024】
図7を参照して、ネットワークシステム1を構成する空気清浄機200のハードウェア構成の一態様について説明する。本実施の形態にかかる空気清浄機200は、主たる構成要素として、CPU210と、メモリ220と、ディスプレイ230と、操作部240と、通信インターフェイス260と、スピーカ270と、マイク280と、機器駆動部290とを含む。
【0025】
CPU210は、メモリ220あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、空気清浄機200の各部を制御する。
【0026】
メモリ220は、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリ220は、CPU210によって実行される調理プログラムまたは他のプログラムや、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータ、サーバ100やサーバ100から受信したデータ、操作部240を介して入力されたデータなどを記憶する。
【0027】
ディスプレイ230は、CPU110からの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。操作部240は、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、ユーザからの命令を受け付けて、当該命令をCPU210に入力する。なお、ディスプレイ230と操作部240とは、タッチパネル250を構成してもよい。
【0028】
通信インターフェイス260は、アンテナやコネクタなどの通信モジュールによって実現される。通信インターフェイス260は、ルータなどを介して有線通信あるいは無線通信によって他の装置との間でデータをやり取りする。本実施の形態においては、CPU210は、通信インターフェイス260を介して、サーバ100やユーザ端末300などの他の装置から各種の制御命令を受信したり、サーバ100やユーザ端末300などの他の装置に各種の情報を送信したりする。
【0029】
スピーカ270は、CPU210からの信号に基づいて、音声を出力する。マイク280は、外部からの音声に基づいて音声信号を作成し、CPU210に入力する。
【0030】
機器駆動部290は、CPU210からの信号に基づいて、電気機器の各部(モータやアクチュエータやヒータやリモコン用赤外線発信装置など)を制御することによって、空気を吸い込んだり吐き出したり、空気中のホコリや虫などをフィルタによって取り除いたり、イオンを放出したりするものである。
【0031】
本実施の形態においては、CPU210は、操作部240を介して通常の空気清浄運転を開始する命令や終了する命令や運転モードの設定命令や運転強度の設定命令を受け付けて、当該命令に基づいて機器駆動部290を制御する。あるいは、CPU210は、通信インターフェイス260を介してサーバ100から、通常の空気清浄運転を開始する命令や終了する命令や運転モードの設定命令や運転強度の設定命令を受け付けて、当該命令に基づいて機器駆動部290を制御する。
<ユーザ端末300の構成>
【0032】
次に、図8を参照して、ネットワークシステム1を構成するユーザ端末300の構成の一態様について説明する。本実施の形態にかかるユーザ端末300は、主たる構成要素として、CPU310と、メモリ320と、ディスプレイ330と、操作部340と、通信インターフェイス360と、スピーカ370と、マイク380と、GNSS(Global Navigation Satellite System)アンテナ390などを含む。
【0033】
CPU310は、メモリ320に記憶されているプログラムを実行することによって、ユーザ端末300の各部を制御する。
【0034】
メモリ320は、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリ320は、各種のアプリケーションプログラムなどのCPU310によって実行されるプログラムや、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、サーバ100や空気清浄機200から受信したデータ、操作部340を介して入力されたデータ、ユーザ端末300のユーザを特定するための情報などを記憶する。
【0035】
ディスプレイ330は、CPU310からのデータに基づいて、画像やテキストを表示する。たとえば、CPU310は、通信インターフェイス360を介してサーバ100からのテキストデータに基づいてディスプレイ330にメッセージを表示させる。操作部340は、ポインティングデバイスやスイッチなどから構成され、ユーザからの各種の命令をCPU310に入力する。なお、ユーザ端末300は、ディスプレイ330と操作部340とを含むタッチパネル350を有してもよい。
【0036】
通信インターフェイス360は、インターネットやキャリア網やルータなどを介して、サーバ100や空気清浄機200などの他の装置との間でデータを送受信する。たとえば、CPU310は、メモリ320のアプリケーションプログラムに従って、通信インターフェイス360を介して、サーバ100から各種のデータを受信したり、タッチパネル350を介してユーザから受け付けた各種命令をサーバ100や空気清浄機200などの他の装置に送信したりする。
【0037】
スピーカ370は、CPU310からのデータに基づいて音声を出力する。たとえば、CPU310は、通信インターフェイス360を介してサーバ100からの音声データをスピーカ370に出力させる。マイク380は、取得した音声信号をCPU310に入力する。たとえば、CPU310は、マイク380から取得した音声データは通信インターフェイス360を介してサーバ100に送信する。
【0038】
GNSSアンテナ390は、複数の衛星からの信号を受信して、CPU310に受け渡す。本実施の形態においては、CPU310は、定期的に、GNSSアンテナ390によって受信した複数の衛星からの信号に基づいて、ユーザ端末300の現在位置を計算して、通信インターフェイス360を介して現在位置情報をサーバ100に送信する。
【0039】
なお、GNSSアンテナ390に限らず、CPU310は、近距離通信やICタグなどを利用して、ユーザ端末300が空気清浄機200の近傍にいるか否かや、ユーザ端末300がユーザの自宅にいるか否かを判断してもよい。つまり、サーバ100は、ユーザ端末300に関するGNSSデータ以外の情報に基づいて、ユーザの外出や在宅を判断してもよい。
<第2の実施の形態>
【0040】
上記の実施の形態においては、ユーザが現在外出中であるか否かに基づいて空気清浄機200を制御するものであった。本実施の形態においては、図9に示すように、空気清浄機200の運転強度を自動的に上げる場合にユーザに確認を得たり、ユーザが外出して所定時間が経過すると元の通常の空気清浄運転に戻したりするものである。より詳細には、サーバ100のCPU110は、通信インターフェイス160を介して、ユーザ端末300からデータを受信すると以下の処理を実行する。
【0041】
図9を参照して、CPU110は、受信したデータからユーザ端末300の識別情報と現在位置情報とを取得する(ステップS102)。CPU110は、ユーザ情報データ121を参照してユーザの住所すなわちユーザに対応する空気清浄機200が置かれている場所を読み出す。CPU110は、ユーザすなわちユーザ端末300が外出しているか否かを判断する(ステップS104)。
【0042】
ユーザが外出中である場合(ステップS104にてYESである場合)、CPU110は、ユーザ情報データ121においてユーザが外出している旨のフラグをONして外出時刻を記憶するとともに、外出フラグが今回OFFからONに切り替わったか否かを判断する(ステップS212)。外出フラグが今回OFFからONに切り替わった場合(ステップS212にてYESである場合)、CPU110は、通信インターフェイス160を介してユーザ端末300に空気清浄機200の運転強度を上げてもよいか否かを問い合わせる(ステップS214)。これによって、ユーザ端末300のCPU310は、サーバ100からの問い合わせをディスプレイ330またはスピーカ370から出力して、操作部240を介してユーザの回答を受け付ける。
【0043】
CPU110は、ユーザの許可が得られると(ステップS216にてYESである場合)、機器情報データ122を参照してユーザに対応する空気清浄機200を特定し、通信インターフェイス160を介して当該空気清浄機200に空気清浄運転の強度を上げるように指示するためのデータを送信する(ステップS218)。CPU110は、通信インターフェイス160を介して、次のユーザ端末300からのデータを待ち受ける。
【0044】
CPU110は、ユーザの許可が得られなかった場合(ステップS216にてNOである場合)、機器情報データ122を参照してユーザに対応する空気清浄機200を特定し、通信インターフェイス160を介して当該空気清浄機200に通常の空気清浄運転に戻るように指示するためのデータを送信する(ステップS228)。CPU110は、通信インターフェイス160を介して、次のユーザ端末300からのデータを待ち受ける。
【0045】
外出フラグが今回OFFからONに切り替わらなかった場合(ステップS212にてNOである場合)、CPU110は、外出時刻から所定の時間、たとえば2時間など、が経過したか否かを判断する(ステップS222)。外出時刻から所定の時間が経過した場合(ステップS222にてYESである場合)、CPU110は、機器情報データ122を参照してユーザに対応する空気清浄機200を特定し、通信インターフェイス160を介して当該空気清浄機200に通常の空気清浄運転に戻るように指示するためのデータを送信する(ステップS228)。CPU110は、通信インターフェイス160を介して、次のユーザ端末300からのデータを待ち受ける。
【0046】
外出時刻から所定の時間が経過していない場合(ステップS222にてNOである場合)、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、次のユーザ端末300からのデータを待ち受ける。
【0047】
ユーザが在宅中である場合(ステップS104にてNOである場合)、CPU110は、ユーザ情報データ121においてユーザが外出している旨のフラグをOFFするとともに、外出フラグが今回ONからOFFに切り替わったか否かを判断する(ステップS232)。外出フラグが今回ONからOFFに切り替わった場合(ステップS232にてYESである場合)、CPU110は、機器情報データ122を参照してユーザに対応する空気清浄機200を特定し、通信インターフェイス160を介して当該空気清浄機200に通常の空気清浄運転に戻るように指示するためのデータを送信する(ステップS234)。CPU110は、通信インターフェイス160を介して、次のユーザ端末300からのデータを待ち受ける。
【0048】
外出フラグが今回ONからOFFに切り替わらなかった場合(ステップS232にてNOである場合)、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、次のユーザ端末300からのデータを待ち受ける。
<第3の実施の形態>
【0049】
サーバ100は、ユーザが外出したか帰宅したかの判断だけではなく、自宅やオフィスからの距離に応じて外出時の処理や帰宅時の処理を実行してもよい。
【0050】
たとえば、サーバ100は、ユーザが自宅やオフィスなどから第1の所定の距離、たとえば500mなど、以上離れた場合に、図9におけるステップS104のYESの場合の処理すなわちステップS212以降の外出時の処理を実行してもよい。
【0051】
そして、サーバ100は、ユーザが第2の所定距離、たとえば10kmなど、以上離れた場合には、ユーザが自宅やオフィスなどから第3の所定の距離、たとえば2kmなど、以内まで帰ってきた場合に、図9におけるステップS104のNOの場合の処理すなわちステップS232以降の帰宅時の処理を実行してもよい。なお、ユーザが第2の所定距離、たとえば10kmなど、以上離れることなく帰宅した場合は、サーバ100は、ユーザが自宅やオフィスなどから第1の所定の距離、たとえば500mなど、以内まで帰ってきた場合に、図9におけるステップS104のNOの場合の処理すなわちステップS232以降の帰宅時の処理を実行してもよい。
【0052】
なお、自宅やオフィスからの距離に限らず、自宅やオフィスからの移動時間を利用してもよい。たとえば、第1の所定距離の代わりに第1の所定時間、たとえば5分など、を利用したり、第2の所定距離の代わりに第2の所定時間、たとえば1時間など、を利用したり、第3の所定距離の代わりに第3の所定時間、たとえば20分など、を利用したりしてもよい。
<第4の実施の形態>
【0053】
さらには、空気清浄機200を利用する複数のユーザ、たとえば家族など、の現在位置に基づいて空気清浄機200を制御してもよい。本実施の形態にかかるネットワークシステム1は、たとえば図10に示すように、一人は外出したが、もう一人が在宅している場合などに対応できる。
【0054】
本実施の形態においては、ユーザ毎に生活サイクルや移動手段や移動速度などが異なるため、第1の所定距離、第2の所定距離、第3の所定距離などは、ユーザ毎に異なる値が設定されることが好ましい。同様に、第1の所定時間、第2の所定時間、第3の所定距離なども、ユーザ毎に異なる値が設定されることが好ましい。
【0055】
この場合は、ユーザが一人でも外出フラグがOFFからONに切り替わった場合(図9におけるステップS212にてYESである場合)、CPU110は、ユーザ情報データ121を参照して当該ユーザと同じ家族の全てのユーザを特定し、通信インターフェイス160を介して家族の全てのユーザのユーザ端末300に空気清浄機200の運転強度を上げてもよいか否かを問い合わせる(ステップS214)。そして、CPU110は、いずれかのユーザの許可が得られると(ステップS216にてYESである場合)、機器情報データ122を参照してユーザに対応する空気清浄機200を特定し、通信インターフェイス160を介して当該空気清浄機200に空気清浄運転の強度を上げるように指示するためのデータを送信する(ステップS218)。なお、CPU110は、全てのユーザの許可が得られた場合だけ(ステップS216にてYESである場合)、機器情報データ122を参照してユーザに対応する空気清浄機200を特定し、通信インターフェイス160を介して当該空気清浄機200に空気清浄運転の強度を上げるように指示するためのデータを送信してもよい(ステップS218)。
【0056】
そして、ユーザが一人でも外出フラグがOFFからONに切り替わった場合(ステップS232にてYESである場合)、CPU110は、機器情報データ122を参照してユーザに対応する空気清浄機200を特定し、通信インターフェイス160を介して当該空気清浄機200に通常の空気清浄運転に戻るように指示するためのデータを送信する(ステップS234)。
【0057】
なお、ステップS212に関しては、CPU110は、ユーザ情報データ121を参照して当該ユーザと同じ家族の全てのユーザの外出フラグがONになった場合に、ステップS214からの処理を実行してもよい。より詳細には、この実施の形態だけに限られないが、ユーザへの確認処理(ステップS214やステップS216)が行われない構成であってもよい。
<第5の実施の形態>
【0058】
第1~第4の実施の形態のネットワークシステム1の各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。たとえば、サーバ100や空気清浄機200やユーザ端末300の各々の役割の一部または全部を別の装置が担ったり、サーバ100や空気清浄機200やユーザ端末300の各々の役割の一部または全部を複数の装置で担ったり、サーバ100や空気清浄機200やユーザ端末300のいずれかがサーバ100や空気清浄機200やユーザ端末300のいずれかの役割の一部または全部を担ったりしてもよい。
【0059】
たとえば、サーバ100の代わりに、空気清浄機200が、ユーザが外出したか否かを判断してもよい。具体的には、空気清浄機200のCPU210が、通信インターフェイス260を介してbluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)通信によって直接、あるいは、通信インターフェイス260を介してルータ経由でWiFi(登録商標)通信によって判断してもよい。CPU210は、ユーザ端末300と通信可能である場合に所定エリア内にユーザがいる、すなわち在宅中と判断し、通信が途絶するとユーザが所定エリア内にいない、すなわち外出中と判断してもよい。
<まとめ>
【0060】
上記の実施の形態においては、所定エリア内の通信端末との通信するための通信インターフェイスと、通信インターフェイスを介して、事前登録された複数のユーザの通信端末のすべてが所定エリアから離れたことを認識した場合に運転出力を上げる、空気清浄機が提供される。
【0061】
好ましくは、空気清浄機は、1つ以上のユーザ端末が所定エリア内に戻った場合に、所定エリアから離れる直前の出力に戻す。なお、1つ以上のユーザ端末が所定エリア内に戻った場合には、(1)事前登録された複数のユーザの通信端末の1つ(最初に所定エリア内に戻った通信端末)が所定エリアに戻った場合や、(2)事前登録された複数のユーザの通信端末のすべてが所定エリアに戻った場合や、(3)事前登録された複数のユーザの通信端末のうち、別途事前に設定しておいた1またはすべての通信端末が所定エリアに戻った場合、などが含まれる。
【0062】
上記の実施の形態においては、空気清浄機と、現在位置を取得可能なユーザ端末と、ユーザ端末からのデータに基づいてユーザが空気清浄機の配置エリアから離れたことを検知すると、空気清浄機の出力を上げるためのサーバと、を備えるネットワークシステムが提供される。
【0063】
好ましくは、サーバは、ユーザが外出したことを検知すると、ユーザ端末を介して空気清浄機の出力を上げてもよいか確認する。
【0064】
上記の実施の形態においては、空気清浄機と、現在位置を取得可能な複数のユーザ端末と、複数のユーザ端末のいずれかからのデータに基づいていずれかのユーザが空気清浄機の配置エリアから離れたことを検知すると、複数のユーザ端末を介して空気清浄機の出力を上げてもよいか確認してから空気清浄機の出力を上げるためのサーバと、を備えるネットワークシステムが提供される。
【0065】
上記の実施の形態においては、空気清浄機と、現在位置を取得可能な複数のユーザ端末と、複数のユーザ端末からのデータに基づいてグループに属する全てのユーザが空気清浄機の配置エリアから離れたことを検知すると、空気清浄機の出力を上げるためのサーバと、を備えるネットワークシステムが提供される。
【0066】
好ましくは、サーバは、空気清浄機の出力を上げてから所定の時間が経過すると、空気清浄機の出力をユーザが空気清浄機の配置エリアから離れる直前に戻す。
【0067】
好ましくは、サーバは、ユーザが空気清浄機から所定の距離内に戻ると、空気清浄機の出力を上げる。
【0068】
好ましくは、サーバは、ユーザが空気清浄機の配置エリア内に戻ると、空気清浄機の出力をユーザが空気清浄機の配置エリアから離れる直前に戻す。
【0069】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0070】
1 :ネットワークシステム
100 :サーバ
110 :CPU
120 :メモリ
121 :ユーザ情報データ
122 :機器情報データ
123 :端末情報データ
140 :操作部
160 :通信インターフェイス
200 :空気清浄機
210 :CPU
220 :メモリ
230 :ディスプレイ
240 :操作部
250 :タッチパネル
260 :通信インターフェイス
270 :スピーカ
280 :マイク
290 :機器駆動部
300 :ユーザ端末
310 :CPU
320 :メモリ
330 :ディスプレイ
340 :操作部
350 :タッチパネル
360 :通信インターフェイス
370 :スピーカ
380 :マイク
390 :GNSSアンテナ
図1
図2
図3
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図10