(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】ポリガラクトマナンを含むヘアスタイリング組成物およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/73 20060101AFI20231020BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20231020BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20231020BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20231020BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20231020BHJP
A61Q 5/04 20060101ALI20231020BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20231020BHJP
【FI】
A61K8/73
A61K8/41
A61K8/81
A61K8/31
A61K8/34
A61Q5/04
A61Q5/06
(21)【出願番号】P 2020552859
(86)(22)【出願日】2019-04-01
(86)【国際出願番号】 US2019025101
(87)【国際公開番号】W WO2019191747
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-31
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596121138
【氏名又は名称】アイエスピー インヴェストメンツ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100181847
【氏名又は名称】大島 かおり
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド シー ストレウリ
(72)【発明者】
【氏名】ギズバート クルーン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ ラエ ヴェントゥーラ
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-532651(JP,A)
【文献】特表2013-525579(JP,A)
【文献】特表2010-509218(JP,A)
【文献】特表2014-520943(JP,A)
【文献】特表2014-523456(JP,A)
【文献】特表2005-525372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐湿性、保持の持続性、およびカール保持性を増強するためのヘアスタイリング組成物であって、
(i)40~1100KDaの範囲の重量平均分子量を有する少なくとも1つのカチオン変性ポリガラクトマンナンと、
(ii)
ポリクオタニウム-69、ポリクオタニウム-55、および、ポリクオタニウム-11からなる群より選択される、少なくとも1つの第4級アンモニウム化合物と、
(iii)ビニルピロリドンのコポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)のコポリマー、無水マレイン酸のコポリマー、およびポリイミドのうちの少なくとも1つと、
(iv)
脂肪性物質、ゲル化剤、増粘剤、界面活性剤、保湿剤、軟化剤、親水性または親油性の活性剤、酸化防止剤、封鎖剤、保存剤、酸性化剤または塩基性化剤、フレグランス、フィラー、染料、乳化剤、溶剤、UV‐AまたはUV‐Bブロッカー/フィルタ、植物抽出物、保湿剤、タンパク質、ペプチド、中和剤、シリコン、酸化剤、推進剤、スタイリングポリマー、機能性ポリマー、オルガノシリコン、ふけ防止剤、ビタミン、脱イオン水、有機酸、α‐ヒドロキシカルボン酸、および還元剤からなる群より選択される、少なくとも1つの化粧品成分と、
を含
み、
前記少なくとも1つのカチオン変性ポリガラクトマンナンを0.1重量%~2重量%含み、
前記少なくとも1つのカチオン変性ポリガラクトマンナンが、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドであり、
前記少なくとも1つの第4級アンモニウム化合物を0.1重量%~10重量%含み、
前記少なくとも1つの化粧品成分を0.1重量%~25重量%含み、および
ポリビニルピロリドン(PVP)のコポリマー、ビニルピロリドンのコポリマー、無水マレイン酸およびポリイミドのコポリマーの少なくとも1つを0.1重量%~10重量%含む、ヘアスタイリング組成物。
【請求項2】
前記カチオン変性ポリガラクトマンナンが、150~700KDaの範囲の重量平均分子量(Mw)を有する、請求項
1に記載のヘアスタイリング組成物。
【請求項3】
前記カチオン変性ポリガラクトマンナンが、200~400KDaの範囲の重量平均分子量(Mw)を有する、請求項1
または2に記載のヘアスタイリング組成物。
【請求項4】
前記
グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが、0.001単位を超えるカチオン置換度(Cat-DS)を有する、請求項
1に記載のヘアスタイリング組成物。
【請求項5】
前記ビニルピロリドンのコポリマーがビニルピロリドン/2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートであり、前記ポリビニルピロリドン(PVP)のコポリマーがポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマーであり、前記無水マレイン酸のコポリマーがメチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーのエチルエステルであり、前記ポリイミドがポリイミド-1である、請求項1に記載のヘアスタイリング組成物。
【請求項6】
pHが3~13の範囲である、請求項1~
5のいずれか1項に記載のヘアスタイリング組成物。
【請求項7】
エアロゾル、乳剤、ローション、ジェル
、ペースト、クリーム、固形スティック、ムース
、またはスプレーとして配合される、請求項
6に記載のヘアスタイリング組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤が、両性界面活性剤,アニオン性界面活性剤,ノニオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項
1に記載のヘアスタイリング組成物。
【請求項9】
毛髪をスタイリングする方法であって、
(a)シャンプーにより毛髪を洗浄し、
(b)乾燥または湿った毛髪を得るために、工程(a)の毛髪の水分を除去または低減し、
(c)請求項1~
8のいずれか1項に記載のヘアスタイリング組成物を工程(b)の乾燥または湿った毛髪に適用することによって毛髪をトリートメントし、
(d)15~30分間、トリートメントした毛髪をそのままにし、
(e)工程(d)のトリートメントされた毛髪を機械的にスタイリング、カールまたはストレートにすることによりホットエアで乾燥し、
(f)375~450°Fに予熱したフラットアイロンを用いて、工程(e)の毛髪を4~8回アイロンし、
(g)工程(f)の毛髪を15~20分間そのままにして、ストレートにされた、またはスタイリングされた毛髪を得る、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ヘアスタイリング組成物、より具体的には、限定するものではないが、約40~約1100KDaの範囲の分子量を有するカチオン変性(修飾)ポリガラクトマンナンを含むヘアスタイリング組成物を提供する。
【背景技術】
【0002】
ガラクトマンナンポリマー(ポリガラクトマンナンとも呼ばれる)は、一般に、クラスタマメ(cyamopsis tetragonoloba)(グアーガム、マンノース:ガラクトース約2:1)、フェネグリーク(フェヌクリークガム、マンノース:ガラクトース約1:1)、セサラピニアスピノサ(cesalpinia spinosa)(タラガム、マンノース:ガラクトース約3:1)、イナゴマメ(ceratonia siliqua)(ローカストビーンガムまたはカロブガム、マンノース:ガラクトース約4:1)、およびエビスグサ(cassia tora)およびカワラケツメイ(cassia obtusifolia)(カシアガム、マンノース:ガラクトース、少なくとも約5:1)などのマメ科植物の種子の胚乳から得られる。ポリガラクトマンナンは、起点に応じて異なる特性を有する。例えば、グアーガムに含まれるポリガラクトマンナン(平均マンノース対ガラクトース比2:1)は、周囲温度ではほとんど水に溶けるが、カシアガムから得られるポリガラクトマンナン(平均マンノース対ガラクトース比5:1)は、周囲温度では水に溶けにくく、高温では非常に溶けにくい。
【0003】
ガラクトマンナンポリマーは、典型的には、パーソナルケア、ヘルスケア、家庭ケア、および工業ケア組成物などに使用される。このようなガラクトマンナンポリマーは、また、析出助剤、安定剤、乳化剤、効能を高めるための担体、並びに、化学的および生理学的に活性な成分の沈着および送達としても有用である。さらに、そのようなポリマーは、フィルム形成剤、毛髪固定剤、ヘアコンディショナー、析出助剤、およびスキンコンディショナーのようなパーソナルケア組成物中の活性成分として有用である。これらのポリマーはまた、パーソナルケア配合組成の精神感覚特性および美的特性を改善するのにも有用である。特に、カチオン変性ポリガラクトマンナンは、多くのパーソナルケア用途、例えば、シャンプー、シャワージェル、毛髪増粘組成物、スキンクリームおよびローションに広く使用されており、ここで、それらは、組成物にレオロジー特性を提供し、毛髪および皮膚に望ましい特性を提供する。
【0004】
Herculesに譲渡された米国特許第9,782,609号は、工業的用途、不織布洗濯、および個人用および家庭用のケアにおいて使用される、ジヒドロキシアルキル置換ポリガラクトマンナン、およびカチオン性および/または疎水性部分によるそのような任意の置換を開示している。
【0005】
Utzらに譲渡された米国特許第7,262,157号には、D-マンノシル対D-ガラクトシル残留分比率が5対1である繰り返し単位を有するカシアガラクトマンナンポリマーを含むパーソナルケア組成物が開示されている。
【0006】
Lubrizolに譲渡されたPCT出願第2012/170171号は、少なくとも5:1の平均マンノース対ガラクトース比を有する、カチオン性および両親媒性に変性カシアガラクトマンナンポリマーを含む毛髪固定剤組成物を開示している。
【0007】
RohmおよびHaasに譲渡されたPCT出願第2015/095677号は、グアーガム誘導体を含むパーソナルケア組成物を開示しており、ここで、グアーガム誘導体は、エトキシル、プロポキシル、またはヒドロキシプロポキシル結合基を介して第三級環状アミン化合物と化学的に修飾される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のことから、カチオン変性ガラクトマンナンを利用したヘアケア製品に対する需要が高まっている。毛髪および皮膚へのトリートメント送達におけるコンディショニングポリマーまたは増粘剤としてのカチオン変性ガラクトマンナンの周知の有用性にもかかわらず、顕著な水分溶解性性および潜在的に改良された粘性および重すぎることなく毛髪中に広がる性能を示し、ヘアスタイリング用途において顕著に良好な官能性能を持続的に付与する特異的分子量域を有するカチオン変性ガラクトマンナン組成物を提供する必要がある。このようなガラクトマンナン組成物は、強化されたカール形成および維持、並びにフォームの広がり(foam bloom)のさらなる向上およびエアロゾルムース配合組成の安定化を伴うスタイリング用途における向上された高湿度での保持を届けるような用途において広く利用されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願は、(i)約40~約1100KDaの範囲の分子量を有する少なくとも1つのカチオン変性ポリガラクトマンナンと、少なくとも1つの化粧品成分とを含むヘアスタイリング組成物を開示する。
【0010】
本出願の一態様は、ケラチン基質用のヘアスタイリング組成物を提供し、該組成物は、約150~約700KDaの範囲の分子量を有するカチオン変性ポリガラクトマンナンを含み、ここで、カチオン置換度(Cat-DS)は、0.001単位超である。
【0011】
本出願の別の態様は、約40~約1100KDaの範囲の分子量を有する少なくとも1つのカチオン変性ポリガラクトマンナンと、少なくとも1つの化粧品成分とを含む、ヘアジェル、ムースまたはエアロゾルスプレーベースのヘアスタイリング組成物を開示する。
【0012】
本出願の別の態様は、約150~約700KDaの範囲の分子量を有するカチオン変性ポリガラクトマンナンを含み、カチオン置換度(Cat-DS)が0.001単位超である、フォーム促進性、剛性、耐湿性、保持の持続性、低滑り性、およびカール保持性を増大させるための使用のためのヘアスタイリング組成物を開示する。
【0013】
本出願の別の態様は、(i)約40~約1100KDaの範囲の重量平均分子量を有する約0.1重量%~約2重量%のグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドと、(ii)約0.1重量%~約25重量%の少なくとも1つの化粧品成分と、を含むエアロゾルヘアスタイリングムース組成物を開示する。
【0014】
本出願のさらに別の態様は、(i)約40~約1100KDaの範囲の分子量を有する少なくとも1つのカチオン変性ポリガラクトマンナン、(ii)少なくとも1つの4級アンモニウム化合物、(iii)ビニルピロリドンまたはポリビニルピロリドン(PVP)または無水マレイン酸またはポリイミドの少なくとも1つのコポリマー、および(iv)少なくとも1つの化粧品成分を含む、フォーム促進性、剛性、耐湿性、保持の持続性、低滑り性、およびカール保持性を増大させるための使用のためのヘアスタイリング組成物を開示する。
【0015】
本発明のさらに別の態様は、(i)約40~約1100KDaの範囲の重量平均分子量を有する約0.1重量%~約2重量%のグアルヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドと、(ii)約0.1重量%~約10重量%のポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーのエチルエステルまたはポリイミド-1と、(iii)保存剤、α-ヒドロキシカルボン酸およびそれらの混合物からなる、約0.1重量%~約25重量%の少なくとも1つの化粧品成分であって、保存剤がフェノキシエチルアルコール(フェノキシエタノール)、カプリロイルグリコールまたはそれらの混合物を含み、α-ヒドロキシカルボン酸が乳酸、クエン酸およびリンゴ酸からなる群から選択される化粧品成分と、を含むヘアスタイリングジェル組成物を開示する。
【0016】
本出願のさらに別の態様は、毛髪をスタイリングまたはストレートにする方法であって、(a)シャンプーにより毛髪を洗浄し、(b)乾燥または湿った毛髪を得るために、工程(a)の毛髪の水分を除去または低減し、(c)上記のヘアスタイリング組成物を工程(b)の乾燥または湿った毛髪に適用することによって毛髪をトリートメントし、(d)約15~約30分間、トリートメントした毛髪をそのままにし、(e)工程(d)のトリートメントされた毛髪を機械的にスタイリング、カールまたはストレートにすることによりホットエアで乾燥し、(f)約375~450°Fに予熱したフラットアイロンを用いて、工程(e)の毛髪を約4~8回アイロンし、(g)工程(f)の毛髪を約15~約20分間そのままにして、ストレートにされた、またはスタイリングされた毛髪を得る、
方法を提供する。
【0017】
本出願のさらなる実施形態は、添付の図で理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、カチオン変性グアーガムで処理された毛髪の強化されたカール形成および維持を示す。
【
図2】
図2は、VP/DMAEMA、PVP/VA、およびグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドで処置された毛髪の改良された高湿度での保持性を示す。
【
図3】
図3は、カチオン変性グアーで処置された毛髪のフォームの広がりおよび安定化の向上を示す。
【
図4】
図4は、カチオン変性グアーの種々の分子量を含むヘアスタイリングムース組成物のフォーム促進性、カール保持性、粘性、耐湿性および分布審美性を示す。
【
図5】
図5は、カチオン性ガラクトマンナンおよびポリクオタニウム-4の平均カールパーセントの耐湿性を時間の関数として示す。
【
図6】
図6は、カスタム設計装置を備えたテクスチャー(集合組織)分析装置を用いたカチオン性ガラクトマンナンおよびポリクオタニウム-4のカンチレバー曲げ技術-剛性定量化を示す。
【
図7】
図7は、摩擦係数によって決定されたカチオン性ガラクトマンナンおよびポリクオタニウム-4の分布審美性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
開示されたおよび/またはクレームされた発明概念の少なくとも1つの態様を詳細に説明する前に、開示されたおよび/またはクレームされた発明概念は、その適用において、以下の説明に記載されたまたは図面に示された成分または工程または方法論の構造および配置の詳細に限定されないことを理解されたい。開示されたおよび/またはクレームされた発明概念は、他の態様が可能であるか、または様々な方法で実施されまたは行われることが可能である。また、本明細書で使用される語句および用語は、説明のためのものであり、限定するものとみなされるべきではないことを理解されたい。
【0020】
本開示に基づいて使用される場合、以下の用語は、別段の指示がない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする。
【0021】
本明細書に別段の定義がない限り、開示されたおよび/または特許請求された発明の概念と関連して使用される技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈上別段の要求がない限り、単数の用語は複数を含み、複数の用語は単数を含むものとする。
【0022】
単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が、言及がなされる文脈により、別段の明示をしたり、反対に明示的に暗示されたりしない限り、複数形を含み、「含む」および「構成される」という用語は、「実質的にからなる」および「からなる」のようなより限定的な請求を含む。
【0023】
以下の詳細な説明の目的のために、任意の操作例以外で、または別段の指示がある場合には、例えば、明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量を表す数字は、すべての場合において、「約」という用語によって修正されるものとして理解されるべきである。明細書および付属の特許請求の範囲に記載されている数値パラメータは、発明を遂行する上で所望特性により異なる可能性がある概算値である。
【0024】
本明細書で使用される全てのパーセンテージ、部、割合および比率は、特に明記しない限り、全組成物の重量による。記載されている成分に関連する重量はすべてアクティブレベルに基づいているため、特に明記しない限り、市販材料に含まれる溶剤や副生成物は含まれない。
【0025】
本明細書中で引用される全ての出版物、論文、特許、特許出版物、および他の参考文献は、本明細書中の開示と一致する範囲で、全ての目的のためにその全体が本明細書中に組み込まれる。
【0026】
「少なくとも1つの」という用語の使用は、1つだけでなく、1つよりも多い任意の量、例えば、1、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、100などを含むが、これらに限定されない、を含むと理解され、「少なくとも1つの」という用語は、それが付加される用語に応じて、100または1000以上まで拡張することができる。加えて、100/1000の量は、より低いまたはより高い限界も満足な結果をもたらし得るので、限定的であると見なされるべきではない。
【0027】
本明細書で使用されるように、「備える(comprising)」(および「備える(comprise)」および「備える(comprises)」などの任意の形態を含む)、「有する(having)」(並びに「有する(have)」および「有する(has)」などの任意の形態を有する)、「含む(including)」(並びに「含む(include)」および「含む(includes)」などの任意の形態を含む)または「含む(containing)」(並びに「含む(contains)」および「含む(contain)」などの任意の形態を含む)という用語は、包括的またはオープンエンドであり、追加の、非記載の要素または方法ステップを除外しない。
【0028】
「からなる群からそれぞれ独立して選択される」という用語は、1つの群が1つの構造中に複数回現れる場合を意味し、その群は、現れるたびに独立して選択され得る。
【0029】
「ポリマー」という用語は、共有結合化学結合によって連結された繰り返し構造単位(モノマー)を含む化合物を指し、ポリマーは、さらに誘導体化、架橋、グラフト化または末端キャップ化されてもよい。ポリマーの非限定的な例は、コポリマー、ターポリマー、テトラポリマー、第四級ポリマー、および同族体を含み、「コポリマー」という用語は、前記コポリマーを得るために重合された2つ以上の異なるタイプのモノマーから本質的になるポリマーを指す。
【0030】
「化粧品成分」または「化粧品として許容される成分」という語句は、一般に安全とみなされる分子成分および組成物を指し、特に、本明細書で使用される場合、「化粧品成分」という語は、適切な政府機関の規制当局によって承認された、または米国薬局方もしくは動物、より詳細にはヒトでの使用のために一般的に認められている他の薬局方に列挙されたものを意味する。
【0031】
本明細書で使用される「ケラチン基質」または「ケラチン性基質」という語は、表皮、爪および「ケラチン繊維」を含み、「ケラチン繊維」は、頭部、まつ毛、まゆ毛および他の哺乳動物の体毛上の毛を意味する。
【0032】
用語「ヘアスタイリング組成物」は、太陽からの有害または望ましくない放射線からの保護のために人体上での使用を意図された任意の組成物を指す。
【0033】
本明細書に記載されるものは、約40~約1100KDaの範囲の重量平均分子量を有する少なくとも1つのカチオン変性ポリガラクトマンナンと、少なくとも1つの化粧品成分とを含むヘアスタイリング組成物である。
【0034】
本出願の一実施形態は、カチオン変性ガラクトマンナンを使用することを開示しており、ここで、本出願における用語「変性ガラクトマンナン」は、変性ガラクトマンナンポリマー、カチオン変性ガラクトマンナンおよびカチオン疎水性変性ガラクトマンナンの用語を包含する。さらに、用語「変性」は、本明細書において、ガラクトマンナンアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキルまたはアリールアルケニルエーテル、エステル、ウレタン、アミド、または炭酸塩、またはガラクトマンナン骨格への任意の他の結合を有するガラクトマンナンを包含するように使用される。変性ガラクトマンナンは、カチオン性であり得る追加の置換基を有することができ、任意に、アニオン性またはノニオン性ベースの官能基を含む。カチオン性置換基は、例えば、第4級アンモニウム基、ホスホニウム基が挙げられる。アニオン性置換基の例としては、カルボキシル、リン酸塩、硫酸塩、カルボキシアルキル、スルホアルキル、およびホスホアルキルが挙げられる。ノニオン性置換基としては、アルキル、アリール、ヒドロキシアルキル等が挙げられる。ポリガラクトマンナンは、当技術分野で公知であり、重合単位として、ガラクトースおよびマンノースを含むポリマーである。ポリガラクトマンナンは、とりわけガラクトース単位とマンノース単位の比が互いに異なっている。ガラクトース:マンノース比はガラクトマンナンの供給源によって部分的に決定される。ポリガラクトマンナンは、グアー、タラ、フェヌグリーク、およびイナゴマメガムを含むいくつかの供給源から得ることができる。本出願のためには、アルキルグアー、特にエチルグアーのようなグアーガム由来のカチオン変性ポリガラクトマンナンが特に有用である。しかしながら、他のカチオン変性ポリガラクトマンナンもまた、本出願の組成物および方法において有利に使用することができる。別の実施形態では、カチオン性ガラクトマンナンガムは、カチオン性グアーガム、カチオン性ローカストビーンおよびカチオン性フェヌグリークガムからなる群から選択することができる。
【0035】
一実施形態では、本願の変性ポリガラクトマンナンの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって決定され、約40~約1100KDa、または約250~約700KDa、または約150~約700KDaで変化させることができる。
【0036】
本出願で使用されるカチオン変性ポリガラクトマンナンは、0.001単位を超えるカチオン置換度(Cat-DS)を有する。1つの非限定的な実施形態において、カチオン変性ポリガラクトマンナンには、約0.001~約5.0のカチオン置換度が提供される。さらに、本出願のカチオン変性ポリガラクトマンナンは、約1meq/g~約8meq/g、または約3.5meq/g~約7meq/g、または約0.001meq/g~約0.7meq/gの範囲のカチオン電荷密度を有する。
【0037】
ヘアスタイリング組成物は、少なくとも1つの4級アンモニウム化合物をさらに含むことができる。本出願のための適切な第4級アンモニウム化合物は、ポリクオタニウム1、ポリクオタニウム2、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム5、ポリクオタニウム6、ポリクオタニウム7、ポリクオタニウム8、ポリクオタニウム9、ポリクオタニウム10、ポリクオタニウム11、ポリクオタニウム12、ポリクオタニウム13、ポリクオタニウム14、ポリクオタニウム15、ポリクオタニウム16、ポリクオタニウム17、ポリクオタニウム18、ポリクオタニウム19、ポリクオタニウム20、ポリクオタニウム22、ポリクオタニウム24、ポリクオタニウム27、ポリクオタニウム28、ポリクオタニウム29、ポリクオタニウム30、ポリクオタニウム31、ポリクオタニウム32、ポリクオタニウム33、ポリクオタニウム34、ポリクオタニウム35およびポリクオタニウム36、ポリクオタニウム-37、ポリクオタニウム39、ポリクオタニウム42、ポリクオタニウム43、ポリクオタニウム44、ポリクオタニウム45、ポリクオタニウム46、ポリクオタニウム47、ポリクオタニウム48、ポリクオタニウム-49、ポリクオタニウム50、ポリクオタニウム51、ポリクオタニウム52、ポリクオタニウム53、ポリクオタニウム54、ポリクオタニウム55、ポリクオタニウム56、ポリクオタニウム57、ポリクオタニウム58、ポリクオタニウム59、ポリクオタニウム60、ポリクオタニウム61、ポリクオタニウム62、ポリクオタニウム63、ポリクオタニウム64、ポリクオタニウム65、ポリクオタニウム66、ポリクオタニウム67、ポリクオタニウム68、ポリクオタニウム69、ポリクオタニウム-70、ポリクオタニウム71、ポリクオタニウム72、ポリクオタニウム73、ポリクオタニウム74、ポリクオタニウム75、ポリクオタニウム76、ポリクオタニウム77、ポリクオタニウム78、ポリクオタニウム-79、ポリクオタニウム80、ポリクオタニウム81、ポリクオタニウム82、ポリクオタニウム83、ポリクオタニウム84、ポリクオタニウム85、ポリクオタニウム86およびポリクオタニウム87、または擬クオタニウム化合物を含むことができるが、これらに限定されない。1つの非限定的な実施形態において、第4級アンモニウム化合物は、ポリクオタニウム-11またはポリクオタニウム-55である。式中、ヘアスタイリング組成物を調製するための使用範囲は、ヘアスタイリング組成物の総重量を基準として、約0.001~約10重量%、または約2.5~約10重量%を含むことができる。
【0038】
ヘアスタイリング組成物は、ポリビニルピロリドン(PVP)のコポリマー、ビニルピロリドンのコポリマー、無水マレイン酸のコポリマー、およびポリイミド-1のうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0039】
本出願のヘアスタイリング組成物を調製するための好適なコポリマーおよびポリマーとしては、ビニルピロリドン(VP)/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(DMAEMA)、酢酸ビニル(VA)/クロトン酸塩コポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)/酢酸ビニル(VA)コポリマー、PVP/アクリル酸塩コポリマー、ビニルピロリドン(VP)/ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)アクリル酸塩コポリマー、ビニルカプロラクタム/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドンコポリマー、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)のモノアルキルエステルのコポリマー、ポリビニルカプロラクタム、ポリウレタン、およびポリイミドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
別の実施形態は、ポリビニルピロリドン(PVP)/酢酸ビニル(VA)コポリマー、ビニルピロリドン(VP)/2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル(MVE)/無水マレイン酸(MA)コポリマーのエチルエステル、またはポリイミド-1を使用することを開示する。式中、ヘアスタイリング組成物を製造するためのコポリマーおよびポリマーの使用範囲は、ヘアスタイリング組成物の総重量を基準として、約0.001~約10重量%、または約2.5~約10重量%の範囲で変更することができる。
【0041】
本出願は、防腐剤、抗酸化剤、キレート剤、日焼け止め剤、タンパク質、アミノ酸、ビタミン、染料、染毛剤、植物抽出物、植物誘導体、植物組織抽出物、植物種子抽出物、植物油、植物、植物抽出物、保湿剤、フレグランス、香水、オイル、皮膚軟化剤、潤滑剤、バター、浸透剤、粘度調整剤、増粘剤、毛髪固定剤、フィルム形成剤、界面活性剤、洗剤、乳化剤、乳白剤、揮発性物質、推進剤、液体ビヒクル、担体、塩、pH調整剤、中和剤、緩衝剤、ヘアコンディショニング剤、帯電防止剤、縮れ防止剤、フケ防止剤、ヘアウェービング剤、縮毛矯正剤、リラクサー、吸収剤、脂肪性物質、ゲル化剤、保湿剤、親水性または親油性の活性剤、フィラー、還元剤、化粧用油、溶剤、シリコン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの化粧品成分を使用することを開示する。
【0042】
本出願のヘアスタイリング組成物に組み込むための適切な防腐剤の例は、微生物汚染および/または酸化を防止するための非ポリマー防腐剤であり得る。典型的な防腐剤としては、フェノキシエチルアルコール、パラベン、カプリルグリコール、ヨードプロピニルブチルカルバメート、ジアゾリジニル尿素および/またはプロピレングリコール、α-トコフェロールアセテート、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、メチルパラベン、エチルパラベン、n-プロピルパラベン、デヒドロ酢酸およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本出願において使用される保存剤の好適な範囲は、組成物の全重量を基準として、約0.01重量%から約2重量%、または約0.01重量%~約0.1重量%、または約0.1重量%~約1.0重量%、または約1.0重量%~約2.0重量%である。
【0043】
別の実施形態は、本出願のヘアスタイリング組成物を調製するためのα-ヒドロキシカルボン酸を使用し、酸は、乳酸、クエン酸またはリンゴ酸、マンデル酸、グリコール酸、酒石酸、酒石酸、アコニット酸、トリアリールバリル酸、マロン酸、およびグルコン酸からなる群から選択される。α-ヒドロキシカルボン酸の量は、約0.001重量%~約2重量%の範囲で変化させることができる。本出願において使用される他の範囲の酸は、組成物の全重量を基準として、約0.001重量%~約0.1重量%、または約0.01重量%~約0.1重量%、または約0.1重量%~約1.0重量%、または約1.0重量%~約2.0重量%であり得る。
【0044】
1つの非限定的な実施形態において、界面活性剤はカチオン性界面活性剤である。本出願のヘアスタイリング組成物の製造に使用されるカチオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、塩化セトリモニウム、塩化ベヘントリモニウムおよびステアラミドプロピルジメチルアミンが挙げられる。ヘアスタイリング組成物中に存在するカチオン性界面活性剤の好適な範囲は、約0.001重量%~約0.01重量%、または約0.01重量%~約0.1重量%、または約0.1重量%~約0.5重量%であり、または組成物の総重量を基準として約0.5重量%~約1.0重量%である。本出願に適した他の界面活性剤を使用することが企図され、これは、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、およびそれらの組み合わせから選択することができる。
【0045】
現在開示されているおよび/またはクレームされた発明の概念によれば、ヘアスタイリング組成物に使用される溶媒は、開示された組成物の他の成分と適合するはずである。使用できる溶媒としては、例えば、水、水-低級アルカノール混合物、および3~6個の炭素原子および2~6個の水酸基を有する多価アルコールが挙げられる。他の適当な溶媒は、水、プロピレングリコール、水-グリセリン、ソルビトール-水、および水-エチルアルコール(エタノール)である。溶媒は、使用される場合、組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約99重量%のレベルで組成物中に存在する。
【0046】
現在開示されているおよび/またはクレームされた発明の概念によれば、推進剤は、ジメチルエーテルまたはC3-C5アルカン、特にプロパン、イソブタン、n-ブタンおよびこれらの混合物からなる群から選択されるものであり得る炭化水素の混合推進剤系である。1つの非限定的な実施形態において、プロパンとイソブタンの組合せは、A46(Aeropress Corporation)として市販されている製品のように使用される。推進剤の好適な範囲は、組成物の総重量に対して約0.5~約10重量%、または約1.5~約8重量%、または約6~約7.5重量%に変化させることができる。
【0047】
本出願のヘアスタイリング組成物は、以下の非限定的な機能、すなわち、毛髪および特徴の固定または処理、および/または、剥離、ウェット櫛通り性、ウェット感、乾燥櫛通り性、乾燥感、光沢、静的フライアウェイコントロール、疎水性、表面平滑化、改良された沈着、ビルドアップなし、カラー保護、および/またはカール保持などの特徴コンディショニングおよび/またはスタイリング特性に使用できることが開示されている。
【0048】
本出願のヘアスタイリング組成物は、細かい、中程度、粗くて未加工、損傷、着色、灰色、または漂白された髪と、波状、巻き毛、コイル状、またはねじれたパターンを有する、白人、ヨーロッパ、アジアおよびアフリカの起源からなる群から選択される以下の非限定的なタイプの毛髪に使用することができる。
【0049】
本出願のヘアスタイリング組成物は、シャンプー、ヘアコンディショナー、2イン1シャンプー、そのまままたは洗い流すコンディショナー、集中治療を含むヘアトリートメント、髪の組成物のスタイリングと処理、ヘアパーマ製品、縮毛矯正剤、毛髪弛緩薬、ヘアスプレーとラッカー、パーマネント染毛システム、ヘアスタイリングムース、ヘアジェル、半永久的な染毛システム、一時的な染毛システム、ヘアブリーチ剤、パーマネントヘアウェーブシステム、ヘアセッティング配合剤、ノンカラーヘア調整物、ヘアちぢれ(frizz)コントロールジェル、ヘアリーブインコンディショナー、ヘアポマード、髪のもつれをほどく製品、髪の固定剤、ヘアコンディショニングミスト、ヘアケアポンプスプレー、他の非エアゾールスプレー、ヘアキューティクルコートを含むがこれらに限定されない適切な製品形態で処方することができ、ヘアスタイリング組成物のpHは、約3~約13、または約5~約8の範囲である。
【0050】
本願のヘアスタイリング組成物は、乳剤、ローション、ジェル、ベシクル分散剤、ペースト、クリーム、固形スティック、ムース、シャンプー、スプレー、バルム、ワイプ、ミルク、フォーム、ゼリー、液状、トニック、および/またはエナメルを含むことができる種々の送達可能な形態に製剤化することができる。
【0051】
本出願の1つの実施形態によれば、本出願のヘアスタイリング組成物は、(1)カールの形成および維持が増強され、(2)高湿度での保持が改善され、(3)フォームの広がりおよび安定性が改善されたヘアスタイルを提供することができる。
【0052】
1つの非限定的な実施形態では、ヘアスタイリングまたは毛髪矯正目的のために使用される組成物量は、約0.01重量%~約10.0重量%、または約0.01重量%~約0.1重量%、または約0.1重量%~約1.0重量%、または約1.0重量%~約5.0重量%、または約5.0重量%~約10.0重量%の範囲である。
【0053】
本出願の一実施形態によれば、毛髪をスタイリングまたはストレートにする方法であって、(a)シャンプーにより毛髪を洗浄し、(b)乾燥または湿った毛髪を得るために、工程(a)の毛髪の水分を除去または低減し、(c)上記のヘアスタイリング組成物を工程(b)の乾燥または湿った毛髪に適用することによって毛髪をトリートメントし、(d)約15~約30分間、トリートメントした毛髪をそのままにし、(e)工程(d)のトリートメントされた毛髪を機械的にスタイリング、カールまたはストレートにすることによりホットエアで乾燥し、(f)約375~450°Fに予熱したフラットアイロンを用いて、工程(e)の毛髪を約4~8回アイロンし、(g)工程(f)の毛髪を約15~約20分間そのままにして、ストレートにされた、またはスタイリングされた毛髪を得る方法が提供される。
【0054】
本出願のヘアスタイリング組成物はまた、約40~約1100KDaの範囲の分子量を有する約0.1重量%~約2重量%のカシアガムおよび/またはグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドと、約0.1重量%~約10重量%のポリクオタニウム-55(PQ-55)またはポリクオタニウム-11(PQ-11)と、約0.1重量%~約10重量%のポリビニルピロリドン(PVP)/酢酸ビニル(VA)コポリマーまたはビニルピロリドン(VP)/2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートコポリマーまたはメチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーのエチルエステルまたはポリイミド-1と、約0.1重量%~約25重量%の少なくとも1つの化粧品成分と、を含むことができる。
【0055】
別の実施形態は、(i)約40~約1100KDaの範囲の分子量を有する約0.1重量%~約2重量%のグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドと、(ii)約0.1重量%~約10重量%のポリクオタニウム-55(PQ-55)またはポリクオタニウム-11(PQ-11)と、(iii)約0.1重量%~約10重量%のポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマーまたはビニルピロリドン/2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートコポリマーまたはメチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーのエチルエステルまたはポリイミド-1と、(iv)約0.1重量%~約25重量%の少なくとも1つの化粧品成分と、を含むエアロゾルヘアスタイリングムース組成物を開示し、組成物が、90%湿度および80°Fで24時間にわたって約80%~約100%のカール保持を示すことができる。
【0056】
本出願の別の態様は、約150~約700KDaの範囲の分子量を有するカチオン変性ポリガラクトマンナンを含み、カチオン置換度(Cat-DS)が0.001単位超である、フォーム促進性およびカール維持性の増加に使用するためのヘアスタイリング組成物を開示する。
【0057】
本出願の非限定的実施形態は、
(i)約40~約1100KDaの範囲の分子量を有する約0.1重量%~約2重量%のグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;(ii)約0.1重量%~約10重量%のポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーのエチルエステルまたはポリイミド-1;および(iii)保存剤、α-ヒドロキシカルボン酸およびそれらの混合物からなる、約0.1重量%~約25重量%の少なくとも1つの化粧品成分を含み、保存剤がフェノキシエチルアルコール、カプリロイルグリコールまたはそれらの混合物を含み、α-ヒドロキシカルボン酸が乳酸、クエン酸およびリンゴ酸からなる群から選択される、ヘアスタイリングジェル組成物を提供する。
【0058】
非限定的な実施形態では、ヘアスタイリングジェル組成物は、90%湿度および80°Fで24時間にわたって約80%~約100%のカール保持を示す。
【0059】
耐湿性、剛性、保持の持続性、低滑り性、フォーム促進性、およびカール保持性を増大させるために使用されるヘアスタイリング組成物は、(i)約40~約1100KDaの範囲の分子量を有する少なくとも1つのカチオン変性ポリガラクトマンナンと、(ii)少なくとも1つの第4級アンモニウム化合物と、(iii)ビニルピロリドンの少なくとも1つのコポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)のコポリマー、コポリマー無水マレイン酸およびポリイミドと、(iv)少なくとも1つの化粧品成分を含む。
【0060】
以下の実施例は、ポリマーの調製および使用を実証する目的で提示されるが、限定するものではない。実施例では、以下の略語を使用する:
VP:ビニルピロリドン
PVP:ポリビニルピロリドン
VA:酢酸ビニル
DMAEMA:2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート
PQ-55:ポリクオタニウム-55
PQ-11:ポリクオタニウム-11(ビニルピロリドンと第4級ジメチルミノエチルメタクリレートのコポリマー)
【0061】
さらに、本出願の特定の態様は、以下の実施例によって詳細に説明される。実施例は、本出願の説明のために本明細書に記載されており、その限定を意図するものではない。
実施例
【0062】
実施例1:ヘアスタイリング組成物:伝統的なエアロゾルムース
【表1】
【0063】
実施例2:ヘアスタイリング組成物:スプレームース
【表2】
【0064】
実施例3:カールスプレー(非エアロゾル)
【表3】
【0065】
実施例4:スタイリングスプレー-非エチルアルコールエアロゾル
【表4】
【0066】
実施例5:種々の分子を有するヘアスタイリング組成物
【表5】
【0067】
実施例6:ヘアスタイリング組成物-グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド
【表6】
【0068】
実施例7:グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを含むヘアスタイリング組成物
【表7】
【0069】
実施例8:
実験は、実施例5で調製した組成物のフォーム促進性、カール保持性、粘性、耐湿性および分布審美性を試験するために実施した。その結果を
図4に示すが、試験データからは、300Kのカチオン変性グアーを含むヘアスタイリング組成物は、他の分子重量範囲に比べて著しく優れた結果をもたらすことが示された。
【0070】
実施例9:強化されたカールの形成と保持性
実施例1のムース0.5gを湿ったカーリーヘアトレス(International Hair Importers;Mulatto Type B、3.5g、幅1.75インチ、長さ6.5インチ)に適用し、スクランチしてカールを強調し、拡散乾燥し、カール形成について評価し、高湿度に60分間曝してカール保持性について評価した。トレスを高湿度(90%相対湿度、27oC)に60分間曝し、カール維持性(カールおよびフリッツ形成の幅/頻度の変化)を評価した。
図1およびテーブル1は、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを添加すると、より明確なカール(より小さな波数とより大きな幅によって目視で確認される)が得られ、高湿度への暴露でカールが維持されることを示す試験結果を示している。
【0071】
【0072】
実施例10:高湿度保持性、24時間評価
実施例1のムース0.30gを、清浄な湿ったトレス(International Hair Importers;暗褐色ヨーロッパ、2.0g、幅1.0インチ、長さ6.5インチ)に適用し、0.625インチローラーで斜めにロールし、拡散熱下で乾燥させ、40%相対湿度、25oCに平衡化し、ローラーを外し、トレスを0.25インチ区画に印をつけた水平線ボードに掛け、高湿度環境(90%相対湿度、27oC)に置いた。トレス長の開始時(初期)読み取り値をカールの底部で測定した。追加の測定値を24時間かけて測定し、
図2に示す。耐湿性は次の式で計算した:
(Lo-Lt/Lo-Li)×100時間t
ここで、
Lo=完全に伸びた髪の長さ
Li=曝す前の毛の長さ(開始時)
Lt=曝した時間後の毛の長さ(t)。
【0073】
実施例11:フォームの広がりと安定性の向上
実施例1のエアロゾルムース2.0グラムを並べて分注し、経時的に観察した。炭化水素、水QS、ポリマー1~5%、炭化水素6~15%などの推進剤を添加した単純な濃縮液から定性的評価を行った。マウス弁:精度マウス(Precision Mousse)弁、S90逆w/テールピース4スロット、標準スティックスパウト(Standard Stick Spout)。実験結果を
図3に示す。
【0074】
実施例12:グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドとヘアクリームをそのままにする組み合わせ
【表9】
【0075】
【0076】
実施例14:グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド対スタイリングポリマー(ポリクオタニウム-4‐第4級ヒドロキシエチルセルロース)Mw300~500KDaの比較例
耐湿性‐0.30gムースを清浄な湿ったトレス(International Hair Importers;ダークブラウン欧州、2.0g、1.0インチ幅、6.5インチ長)に適用し、0.625インチローラーで斜めにロールし、拡散熱下で乾燥し、40RH、25oC、に均衡させた。ローラーを外し、トレスを0.25インチ区画に印をつけた水平線付きボードに掛け、高湿度環境に置いた(90RH、27oC)。トレス長の開始時読み取り値をカールの底部で測定した。追加の測定値は24時間にわたって取得され、
図2に示されている。耐湿性は次の式で計算された。(
図5)
(Lo-Lt/Lo-Li)×100時間t
ここで、
Lo=完全に伸びた髪の長さ
Li=曝す前の毛の長さ(開始時)
Lt=曝した時間後の毛の長さ(t)。
【0077】
【0078】
剛性:カンチレバー曲げ実験は、特注設計の器具を装備したテクスチャー分析装置(Twxture Analyzer)で実施した。実験には低密度ヨーロッパブラウンヘアトレス(International Hair Importers and Products、Inc.)を用いた。各トレスは幅1インチ、長さ8.5インチ、3.65グラム(すべての測定にワックスタブ(wax tab)が含まれる)であった。トリートメントは、湿った(ペーパータオルで乾燥したヘアトレス)に、1%または2%のポリマー溶液を1gずつ、相対湿度を変えて処理することによって行った。テクスチャー分析装置試験は圧縮モードで行った。
F1およびF10-第1および第10変形における最大の力。
F10/F1-剛性の第10および第1変形表示耐久性における最大力の比率。
【0079】
【0080】
粘性:機能として評価された製品粘着性、または粘着持続時間、粘着の作用、および粘着力の大きさを、テクスチャー分析装置を用いて、2×2インチのPMMAプレート上に200mgのポリマー溶液を置くことによって実施した。ポリマーの評価は、イオン交換水中の2%(w/w)溶液を調製することによって行った。この試験には、計数まで繰り返し、試験前速度-30mm/s、試験速度-30mm/s、試験後速度-30mm/s、モード-距離、距離-0.1mm、計数-1200、タイプ-オートフォース、トリガーフォース-0.5g、アドバンストオプション-オフの計器パラメータを用いた。各試験の開始時に距離を10mmに較正した。
【0081】
【0082】
分布審美性:プレートトライボロジー上の3-Ballsを用いてレオメーター上で滑り持続性を測定した。摩擦係数によって決定される、美観の改善、または余剰滑りの低減。(
図6)
【0083】
カールの構築と保持性:実施例1のムース0.5gを湿ったカールヘアトレス(International Hair Importers;Mulatto Type B、3.5g、幅1.75インチ、長さ6.5インチ)に適用し、カールを強調するためにスクランチし、拡散乾燥し、カール形成について評価し、高湿度に60分間曝してカール保持性について評価した。トレスを高湿度(90%相対湿度、27oC)に60分間曝し、カール保持性(カールおよびフリッツ形成の幅/頻度の変化)を評価した。
図1および表1は、試験結果から、CCG-45の添加は、(より小さいウェーブの頻度およびより大きな幅によって視覚的に識別されるようである)より明確なカールをもたらし、高湿度に曝されることに対してカールを維持することを示している。
【0084】
カチオン性ガラクトマンナンおよびポリクオタニウム-4は、強化されたカール形成を示し、一方、カチオン性ガラクトマンナンは、毛髪の「かさ」の減少、並びに高湿度での「ちぢれ」およびカールの維持のさらなる利益を提供する(
図7)
【0085】
開示されたおよび/または請求された発明の概念の組成物および方法は、特定の態様に関して記載されているが、開示されたおよび/または特許請求された発明の概念、精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された方法の組成物および/または方法並びに工程または工程の配列に変更が適用され得ることは、当業者には明らかであろう。当業者にとって明白であるそのような同様の置換および変更はすべて、開示されたおよび/または特許請求された発明の概念の趣旨、範囲および概念内にあるとみなされる。