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特許7370389棚の上の商品を宣伝するためのスマートデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】棚の上の商品を宣伝するためのスマートデバイス
(51)【国際特許分類】
   G09F 19/02 20060101AFI20231020BHJP
   H05B 47/125 20200101ALI20231020BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20231020BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20231020BHJP
   G09F 19/00 20060101ALI20231020BHJP
   G09F 27/00 20060101ALI20231020BHJP
【FI】
G09F19/02 Z
H05B47/125
H05B47/19
H05B45/10
G09F19/00 J
G09F27/00 G
G09F27/00 L
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021544735
(86)(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(86)【国際出願番号】 RO2020000003
(87)【国際公開番号】W WO2020159393
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2023-01-31
(31)【優先権主張番号】A201900056
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RO
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521338477
【氏名又は名称】トキノモ マーケティング エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラッド クリューヴ,ミルチア イオアン
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-1291(JP,A)
【文献】国際公開第2011/126002(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 19/02
H05B 47/125
H05B 47/19
H05B 45/10
G09F 19/00
G09F 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚の商品の宣伝のためのスマートデバイスであって、
-商品を移動させるために、振動ダンパ(4)を有する電動モータ(3)を含むボックス(1)内に設置された動き伝達システム(T)と、
-金属又はプラスチック製のモジュラー式汎用商品把持システム(32)と、
-制御及びコマンド構成要素が取り付けられた前記ボックス(1)内に設置されたマイクロプロセッサ(39)に基づく集積電子回路基板(35)と、
-電子制御式磁石ランプから成るLEDランプ(24)と、
-前記ボックス(1)の外側に設置された電子制御式の匂いディスペンサシステム(28)と、
-前記ボックス(1)内に設置されたスピーカ(34)及びオーディオ増幅器(37)で構成されるオーディオシステムと、
-消費者を検知するモーションセンサ又はビデオカメラ(29)と、
-動きの種類のコマンド、照明の種類及び頻度、匂いのトリガの頻度、前記スマートデバイスの動作寿命、消費者の特性に応じた音声/光パーソナライズメッセージ、さらに前記スマートデバイスが設置されている棚の前の通行量及び前記消費者とのやり取りの回数についてのレポートの、双方向送信/受信のために前記集積電子回路基板(35)上に設置された通信手段(C)であって、この情報がウェブプラットフォームにアップロードされ、顧客にレポートとして送信される、通信手段(C)と、
を備え、
前記集積電子回路基板(35)が、
- 5Vで動作する構成要素、すなわち、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ファンに電力を供給するために12Vから5Vに電圧を下げる電圧調整器(38)と、
- マイクロプロセッサ(39)であって、前記ボックスの外側に設置されたモーションセンサ/ビデオカメラ(29)から信号を受信し、前記LEDランプ(24)、前記電動モータ(3)及び匂いディスペンサ(28)にコマンドを与えることによって起動を開始することを決定し、音声ファイルを実行し、専用のソフトウェアを使用してウェブサーバに接続する、マイクロプロセッサ(39)と、
- 前記マイクロプロセッサ(39)から前記コマンドを受信し、前記電動モータ(3)、前記LEDランプ(24)、RGB制御光インジケータ(33)、前記ファン、及び電圧センサを順番に制御し、前記モーションセンサ/ビデオカメラ(29)から信号を受信し、それをさらに前記マイクロプロセッサ(39)に送信するマイクロコントローラ(40)と、
- 前記スマートデバイスの電源が切れているときに時間をカウントすることを可能にするバッテリ式クロックモジュール(41)と、
- 前記マイクロコントローラ(40)から前記コマンドを受信し、次いで前記電動モータの動き(3)を制御するモータドライバ(36)と、
- 前記マイクロプロセッサ(39)から受信した前記信号のパワーを増大させるオーディオ増幅器(37)と、
- 前記スマートデバイスが外部バッテリに接続されている場合、前記外部バッテリの電レベルを判定し、再充電が必要なときに前記ウェブプラットフォームに警告するように設計された電圧センサ(図示せず)と、
- 前記スマートデバイスの位置を検知し、この情報を前記マイクロコントローラ(40)を介して前記マイクロプロセッサ(39)に送信する赤外線位置センサ(図示せず)と、
- 前記専用のソフトウェアを介してインターネット上で通信するように、WiFiを介して無線信号を送受信するように設計された、又は前記専用のソフトウェアアプリケーションを介してBluetooth経由で携帯電話に前記デバイスを接続するように設計された、一体型WiFi/Bluetoothモジュール(30)と、
- WiFiネットワークが利用可能でない場合に使用され、前記スマートデバイスをインターネットに接続してデータを送受信することを可能にするセルラー伝送モジュール(31)であって、前記一体型WiFi/Bluetoothモジュール(30)及び前記セルラー伝送モジュール(31)が通信手段(C)を構成する、セルラー伝送モジュール(31)と、
を備えることを特徴とする、スマートデバイス。
【請求項2】
前記動き伝達システム(T)は、歯付きプーリ(5)に結合された前記振動ダンパ(4)を有する前記電動モータ(3)が取り付けられてその歯付きプーリ(5)の上に2/1の速度伝達比を有する別の歯付きプーリ(7)で構成されたアセンブリを回転させる同期伝達ベルト(6)が取り付けられているシャーシ(2)と、金属シャフト(10)が取り付けられ、ラジアル玉軸受(9)を備えたピストンロッド(8)とから成り、前記金属シャフトの他端が、複数の軸上での運動を可能にする球面軸受(11)上に載置され、玉軸受は特別に設計されたハウジング(12)内に配置され、消費者が前記商品を引っ張っても前記動き伝達システム(T)が故障することがないように、前記ピストンロッド(8)が前記シャーシ(2)の前記上部(13)によって機械的にブロックされていることを特徴とする、請求項1に記載のスマートデバイス。
【請求項3】
商品把持システム(32)は、
-汎用的な把持具をデバイスのシャフト(10)に接続し、必要に応じて、ワッシャによって、把持具の傾斜角を地面と平行になるように補正する「O」部品(14)と、
-「背骨」の機能を持ち、把持する目的で設けられた歯によって他の部品が把持される、「コーム」部品(15)と、
-薄い厚さの商品を収容し、商品の重量を支えるための小さなソール(16)と、
-より厚みのある商品を収容し、商品の重量を支えるための大きなソール(17)と、
-背の高い商品の場合に「コネクタ」(19)によって「コーム」部品に固定するための両側に歯が設けられている「エクステンダ」部品(18)と、
-2つの空洞を有する「S」部品(20)であって、第1の空洞は、それらの歯を介して所望の高さまで摺動することによって「コーム」(15)又は「エクステンダ」部品(18)に接続されるために使用され、第2の空洞は、面ファスナー又は両面テープ(21)を挿入するために使用される、「S」部品(20)と、
-2つの空洞を有する「E」部品(22)であって、第1の空洞は、それらの歯を介して所望の高さまで摺動することによって「コーム」(15)又は「エクステンダ」部品(18)に接続するために使用され、第2の空洞は、面ファスナー又は両面テープ(21)を挿入するために使用される、「E」部品(22)と、
-4つの空洞を有する「3本歯」部品(23)であって、最初の3つの空洞は、「コーム」又は「エクステンダ」部品に接続され、第4の空洞は面ファスナーストライプ又は両面テープ(21)を挿入するために使用される、「3本歯」部品(23)と、
-背の高い商品の場合に「コーム」部品を「エクステンダ」部品に接続するコネクタ(19)と、
-「S」、「E」又は「3本歯」部品に設けられた特別な空洞に挿入される面ファスナーストライプ又は両面テープ(21)であって、商品がこのテープに貼り付けられる、両面テープ(21)と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載のスマートデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費者が棚の隣を通過するときに、音、動き、光及び匂いを通して、スーパーマーケット、薬局、ガソリンスタンド、ホームセンターなどで展示される棚上の商品を宣伝するためのスマートデバイスであって、広告、マーケティングに使用されるスマートデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、棚の上の商品を宣伝するためのデバイスは、音と動きによるもののみ知られている(特許出願番号:RO130106A0、著者:MIRCEA-IOAN VLAD-CLUVE及びRADU BOGDAN)。RO130106A0によるデバイスは、ボックスから成り、そのボックスは、内部に、駆動輪に結合されたステッピングモータと、オーディオスピーカと、マイクロプロセッサと、MP3プレーヤーと、モータドライバと、電圧調整器とを有し、その駆動輪は、反対側の端部がいくつかの軸受に支持されて商品のクランプシステムを備えている可動シャフトの内端に係合している。ボックスの外側には、商品の近傍にリモートセンサが設けられ、消費者が商品の隣を通過すると、リモートセンサがマイクロプロセッサを自動的に制御する。車輪の動きは、車輪がどこにあるかを検知してモータに前後への移動の方向を変更するように命令する位置センサによって制御される。
【0003】
このデバイスの欠点は以下の通りである。
-商品に興味を持つ消費者についての情報を伝達するための通信手段を備えておらず、店舗に物理的に存在する人たちが商品を毎日監視する必要がある。
-設定変更が難しく、手間のかかるプロセスの後に各デバイスを個別に設定する必要がある。
-汎用的な商品把持具を有しておらず、商品ごとに特別な部品を作る必要があるため、キャンペーンの準備の時間及びコストが増加する。
-デバイスの稼働後に、伝達機構の信頼性が十分でないことと、比較的頻繁に故障していることが判明した。
-商品に照明を当てる機能、又は匂いを拡散させる機能を持たないため、消費者への潜在的な影響が制限される。
-モータ及び伝達システムの音がうるさく、店内の消費者に迷惑をかけている。
-棚固定システムが明確に確立されていないため、安定性に問題があり、損傷の危険性を増大させる。
-消費者が商品を引っ張ったときに、機構が故障することがないような保護システムが無い。
-消費者の検知と、棚の前に置かれた物理的対象物(ショッピングカート又は貨物パレットなど)とを区別することが不可能である。
-店舗が閉まっているときに電源を切ることができず、不必要なエネルギー消費につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】RO130106A0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明によって解決される技術的課題は、棚に陳列される商品を宣伝するための遠隔制御自動装置の実現にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、本発明に係る棚宣伝装置は、
-ボックス内に設置された動き伝達システムと、
-金属又はプラスチック製のモジュール式汎用商品把持システムと、
-コマンド及び制御構成要素が取り付けられたボックス内に設置されたマイクロプロセッサに基づく電子集積回路基板と、
-ボックスの外側に設置されたLEDランプと、
-ボックスの外側に設置された匂いディスペンサと、
-ボックスの内部に設置されたスピーカと、電子基板上のオーディオ増幅器とから成るオーディオシステムと、
-動きの種類、照明の種類及び頻度、匂いディスペンサの動作間隔、デバイスの動作時間、消費者の特性に応じてカスタマイズされた音声/光メッセージの送信、デバイスが設置されている棚の前の通行量及び消費者とのやり取りの回数についてのレポートに関するコマンドの双方向伝送のために基板上に取り付けられた通信構成要素であって、この情報がウェブプラットフォームにアップロードされ、顧客にレポートとして送信される、通信構成要素と、
から成る。
【0007】
本発明の別の態様によれば、モーションセンサはビデオカメラである。
【0008】
本発明の別の態様によれば、スマートデバイスは、動き伝達システムを有しており、その動き伝達システムは、歯付きプーリに結合された振動ダンパを有する電動モータに結合されてその歯付きプーリの上に2/1の速度伝達比を有する別の歯付きプーリから成るアセンブリを回転させる同期伝達ベルト6が取り付けられているシャーシと、金属シャフトが取り付けられていて、ラジアル玉軸受9を備えたピストンロッドとから成る。金属シャフトの他端が、複数の車軸上での運動を可能にする球面玉軸受上に載置され、そのような玉軸受はハウジング内に配置されている。ピストンロッドは、消費者が商品を引っ張っても機構が故障することがないように、シャーシ13の上部によって機械的にブロックされている。
【0009】
本発明の別の態様によれば、把持システムは、
-汎用的な把持具をデバイスのシャフト10に接続し、必要に応じて、ワッシャによって、把持具の傾斜角を地面と平行になるように補正することができる「O」部品と、
-「背骨」の機能を持ち、把持する目的で設けられた歯によって他の部品が把持される、「コーム」部品と、
-薄い厚さの商品を収容し、商品の重量を支えるための小さなソールと、
-より厚みのある商品を収容し、商品の重量を支えるための大きなソールと、
-背の高い商品の場合に「コネクタ」19によって「コーム」部品に固定することができ、両側に歯が設けられている「エクステンダ」部品と、
-2つの空洞を有する「S」部品であって、第1の空洞は、それらの歯を介して所望の高さまで摺動することによって「コーム」又は「エクステンダ」部品に接続されるために使用され、第2の空洞は、面ファスナー又は両面テープを挿入するために使用される、「S」部品と、
-2つの空洞を有する「E」部品であって、第1の空洞は、それらの歯を通って所望の高さまで摺動することによって「コーム」又は「エクステンダ」部品に接続されるために使用され、第2の空洞は、面ファスナー又は両面テープを挿入するために使用される、「E」部品と、
-4つの空洞を有する「3本歯」部品であって、最初の3つの空洞は、「コーム」又は「エクステンダ」部品に接続されるために使用される、「3本歯」部品と、
-背の高い商品の場合に「コーム」部品を「エクステンダ」部品に接続するためのコネクタと、
-「S」、「E」又は「3本歯」部品に設けられた特別な空洞に挿入される面ファスナー又は両面テープであって、商品がこのテープに貼り付けられる、面ファスナー又は両面テープと
から成る。
【0010】
本発明の別の態様によれば、デバイスの取り付けは、ゴムもしくはプラスチック/シリコーンの吸盤によって、又は磁石もしくは両面テープによって行われる。
【0011】
本発明の別の態様によれば、集積回路基板は、
-マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ファンなど、5Vで動作する構成要素に電力を供給するために12Vから5Vに電圧を下げる電圧調整器と、
-専用プログラムがインストールされたマイクロプロセッサであって、ボックスの外側に設置されたモーションセンサ/ビデオカメラから信号を受信し、起動の開始を決定し、LEDランプ及びモータを制御し、音声ファイル及び/又は匂いディスペンサを実行し、ウェブプラットフォーム又はモバイルアプリケーションに接続する、マイクロプロセッサと、
-マイクロプロセッサからコマンドを受信し、モータ、LEDランプ、RGB光制御インジケータ、ファン、及び電圧センサを順番に制御し、モーションセンサから信号を受信し、それをさらにマイクロプロセッサに送信する、マイクロコントローラと、
-デバイスの電源が切れているときに時間をカウントすることを可能にするバッテリクロックモジュールと、
-マイクロコントローラからコマンドを受信し、次いでモータの動きを制御するモータドライバと、
-マイクロプロセッサから受信した信号強度を高めるオーディオ増幅器と、
-デバイスが外部バッテリに接続されている場合、バッテリの充電レベルを判定し、再充電が必要なときにウェブプラットフォームに警告するように設計された電圧センサと、
-機構の位置を検知し、この情報をマイクロコントローラを介してマイクロプロセッサに送信するように設計された赤外線位置センサと、
-専用アプリケーションを介してインターネット上で通信するために、WiFiを介して無線信号を送受信するように設計された、又は専用アプリケーションを介してBluetooth経由で携帯電話にデバイスを接続するように設計された、一体型WiFi/Bluetoothモジュールと、
-WiFiネットワークが利用可能でない場合、インターネットに接続してデータを送信/受信することを可能にするセルラー伝送モジュールと、を含む。
【0012】
本発明の別の態様によれば、WiFi/Bluetoothは、別々のWiFiモジュール及びBluetoothモジュールから成る。
【0013】
本発明の別の態様によれば、温度センサもボックス内に設置され、ハウジング内の温度を測定し、ボックス1内の温度が50℃を超えたときにファンを始動するかどうかを決定するマイクロプロセッサに送信する。
【0014】
新しい装置の利点は以下の通りである。
-寸法がはるかに小さいため、棚の片側しか占有しない。
-デバイスが正常に動作していないときに自動警告をサーバに送信することを可能にし、同時にすべてのデバイスのリモートセットアップを可能にするため、コストと時間を大幅に削減できる。
-設置時にデバイスが適切に機能するかどうかをテストできる。
-新しいWiFiネットワークへの接続を容易にする。
-デバイスの位置をサーバに送信し、デバイスが設置されている位置に合うオーディオ音量を設定することを可能にする。
-固定のために追加のツール(ドライバ、キーなど)を使用せず、多種多様な商品を収容することができ、操作コストを大幅に削減しながら、はるかに使いやすくすることができる。
-迅速に組み立てて製造できるため、コストを削減し、大量生産が可能になる。
-機構によって生じる騒音が大幅に低減される。
-デバイスは、最大1500グラムの重量を支えることができるため、宣伝できる商品の範囲が多様化する。
-店舗が閉店したときにデバイスの自動停止を可能にし、店舗が再び開いたときに自動始動を可能にする。
【0015】
本発明の実施形態の例を、以下の図1から図6を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明によるデバイスのブロック図である。
図2】本発明によるデバイスの動き伝達システムの側面概略図である。
図3】本発明によるデバイスの集積回路基板の上面概略図である。
図4】本発明による商品を固定/クランプするためのシステムの図である。
図5】本発明によるデバイスのボックスの外側の音、動き、光及び匂いの要素の概略図である。
図6】棚システムの底面図である。
図7】本発明によるデバイスの動作の簡略化された論理スキームである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
音、動き、光及び匂いによって棚の上の商品を宣伝するためのデバイス(図1)は、ボックス1内に設置された動き伝達システムTと、金属又はプラスチック製のモジュール式汎用把持システム32と、ボックス1内に設置されたマイクロプロセッサベースの電子回路基板35と、電子制御式磁石ランプ24と、電子制御式匂いディスペンサ28とから成り、ランプ24及びディスペンサ28は、ボックス1の外側に設置されている。デバイスは、ボックス1の内部に設置されたスピーカ34と回路基板35に設置されたオーディオ増幅器37とから成るオーディオシステムAと、動きの種類、光強度、匂いの種類/強度、デバイスの動作時間、消費者の特性に応じてカスタマイズされた音声メッセージの送信などに関するリモートコマンドをウェブプラットフォーム/携帯電話に送信するための通信モジュールCとをさらに備える。
【0018】
図2によれば、ボックス1には、動き伝達システムAが設置されており、そのシステムは、歯付きプーリ5に結合された振動ダンパ4を有する電動モータ3が取り付けられてその歯付きプーリの上に別の歯付きプーリ7(2/1の速度伝達比を有する)で構成されたアセンブリを回転させる同期伝達ベルト6が取り付けられているシャーシ2と、金属シャフト10がクランプされ、ラジアル玉軸受9を備えたピストンロッド8とから成る。金属シャフト10の他端が、複数の軸運動を可能にする玉軸受11上に載置され、軸受玉は、特別に設計されたハウジング12内に配置されている。消費者が商品を引っ張っても機構が故障することがないように、ピストンロッドは、シャーシ2の上部13によって機械的にブロックされている。
【0019】
本発明によるデバイス(図4)は、任意の種類の商品を収容するために、設置/分解が容易な部品のアセンブリから成るモジュール式汎用金属又はプラスチック把持システム32をさらに備えている。
【0020】
これらの部品は、次の通りである。
汎用的な把持具をデバイスのシャフト10に接続し、必要に応じて、ワッシャによって、把持具の傾斜角を地面と平行になるように補正することができる「O」部品14。
【0021】
他の部品が、このために設けられた歯によって把持される、「背骨」の機能を有する「コーム」部品15。
【0022】
薄い厚さの商品を収容する小さなソール16。この部品は、商品の重量を支える。
【0023】
より厚みのある商品を収容する大きなソール17。この部品は、商品の重量を支える。
【0024】
背の高い商品の場合に「コネクタ」19によって「コーム」部品に固定することができ、両側に歯が設けられている「エクステンダ」部品18。
【0025】
2つの空洞を有する「S」部品20。第1の空洞は、それらの歯を通って所望の高さまで摺動することによって「コーム」15又は「エクステンダ」18に接続されるために使用される。第2の空洞は、面ファスナーストライプ又は両面テープ21を挿入するために使用される。
【0026】
2つの空洞を有する「E」部品22。第1の空洞は、それらの歯を通って所望の高さまで摺動することによって「コーム」15又は「エクステンダ」18に接続されるために使用される。第2の空洞は、面ファスナーストライプ又は両面テープ21を挿入するために使用される。「S」部品20及び「E」部品22は、反対方向に摺動するが、使用中に商品が誤って出てこないように、互いにロックされる。
【0027】
4つの空洞を有する「3本歯」部品23。最初の3つの空洞は、「コーム」又は「エクステンダ」部品に接続されるために使用される。この部品は、3つの空洞のうちのどれが接続に使用されるかによって、スペーサとして使用される。商品の形状によって、3つの空洞のうちのどれが「コーム」又は「エクステンダ」部品に接続されるかが決定する。
【0028】
コネクタ19は、背の高い商品の場合に「コーム」部品を「エクステンダ」部品に接続するためのものである。
【0029】
「S」、「E」又は「3本歯」部品に設けられた特別な空洞に挿入される二重ロックストライプ21又は両面テープ。商品は、このテープに貼り付けられる。このテープは柔軟性があるため、商品の形状を優しく成形し、商品をデバイスに固定した状態に保つ。
【0030】
棚装置は、ゴムもしくはプラスチック/シリコーンの吸盤によって、又は磁石もしくは両面テープによって取り付けられる。
【0031】
ボックス1は、金属又はプラスチックで作ることができる蓋27で保護されている。
【0032】
5Vで動作する構成要素(マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ファン)及びマイクロプロセッサ39に電力を供給するために、12Vから5Vに電圧を下げる電圧調整器38を組み込んだ集積回路基板35が、ボックス1に設けられている(図3)。マイクロプロセッサ39は、デバイスの頭脳となるものである。マイクロプロセッサ39には、オペレーティングシステムが設置されており、そのシステム上では、モーションセンサ/ビデオカメラ29から信号を受信し、LEDランプ24及びモータ3にコマンドを与えることによって起動を開始することを決定し、音声ファイル又は匂いスプレー28を実行し、ウェブプラットフォーム又はモバイルアプリケーションに接続する専用プログラムが受信される。電子基板35は、マイクロコントローラ40をさらに含んでもよい。マイクロコントローラ40は、マイクロプロセッサからコマンドを受信し、モータ、LEDランプ、RGB制御光インジケータ33、ファン38、電圧センサを順番に制御し、モーションセンサから信号を受信し、それをさらにマイクロプロセッサに送信する。また、電子基板上には、デバイスの電源が切れているときに時間をカウントすることを可能にするバッテリクロックモジュール41と、マイクロコントローラ40からのコマンドを受信してモータの動き3を制御するモータドライバ36と、マイクロプロセッサ39から受信した信号強度を高めるオーディオ増幅器37と、ボックス1内の温度を測定してファン38をオンにするかどうかを決定するマイクロプロセッサ39にそれを送信する温度センサ(図示せず)(通常は50℃以上)と、デバイスが外部バッテリに接続されている場合、バッテリの充電レベルを判定し、再充電が必要なときにウェブプラットフォームに警告するように意図された電圧センサ(図示せず)と、機構の位置を検知し、この情報をマイクロコントローラ40を介してマイクロプロセッサ39に送信するように意図された赤外線位置センサ(図示せず)と、マイクロプロセッサ39によってオーディオ増幅器を介して送信された音声ファイルを再生するオーディオスピーカ34と、デバイス内の温度が特定の値(50℃)を超えると起動するファン38とが設けられている。電子基板35には、専用アプリケーションを介してインターネット上で通信するために、WiFiを介して無線信号を送受信するように設計された、又は専用アプリケーションを介してBluetooth経由で携帯電話にデバイスを接続するように設計された、一体型WiFi/Bluetoothモジュールも設置されている。一般に、BluetoothモジュールはWiFiモジュールと一体化されているが、それらは2つの異なる技術であり、異なる方法で使用され、別々に設置することができる。通信手段Cは、WiFiネットワークが利用可能でない場合、インターネットに接続してデータを送受信することを可能にするセルラー伝送モジュール31をさらに備える。ボックスの背面には開始/停止ボタン42もある。
【0033】
図5によると、ボックス1は、見えている商品列の後ろの棚に配置されている。
【0034】
ボックス1の外側には、モーションセンサ29、LEDランプ24、及び匂いスプレー28が、USBポートを介してボックス1の背面に設置されている。ランプは、デバイスの金属ハウジング279又は金属棚に取り付けることを可能にする磁石26を有する。ボックス1の前にはRGB光インジケータ33が設置されており、信号の色又は周波数を変えることでデバイスの動作状態を示している。シャフト10の外端には、宣伝されるべき商品25が取り付けられる汎用把持システム32が設置される。
【0035】
別の実施形態によれば、モーションセンサ29は、ビデオカメラに置き換えられる。
【0036】
図6によれば、棚装置の取り付けは、ゴムもしくはプラスチック/シリコーンゴムの吸盤45によって、又は磁石44によって、又は面ファスナーストライプ43によって行うことができる。
【0037】
動作モードを図7に示す。モーションセンサ又はビデオカメラ29が近くの消費者の存在を検知するとすぐに、信号がマイクロプロセッサ39に送信される。これは、音声ファイル(プロモーションメッセージ又は曲であってもよい)を同期再生して商品をx-y軸上で前後に動かすこと、LEDランプ24を点灯させること、及び/又は匂いスプレー28により匂いを噴霧することから成る起動のトリガとなる。
【0038】
具体的には、商品を動かすために、マイクロプロセッサ39はマイクロコントローラ40にコマンドを送信し、マイクロコントローラ40は、次いでモータ3の動きを制御するモータドライバ36にコマンドを与える。モータ3は、プーリ5、7、ベルト6及びクランクロッド8から成る伝達システムTを介してシャフトを動かす。専用のソフトウェアを使用すると、遅い動き、速い動き、ランダムな前後の動き、一定の前後の動きなど、より多くの種類の動きを設定することができ、又は、音声ファイルに歌が含まれている場合は、音楽のリズムに合わせた動きの正確な制御を設定することができ、その結果、商品が踊っているように見える。専用オーディオソフトウェアを介して、オーディオ音量、並びに、LEDランプ24及び匂いスプレー28の点滅シーケンスを設定することもできる。
【0039】
同時に、起動の回数及びモーションセンサ又はビデオカメラのトリガ29の回数をカウントすることによって、専用サーバに転送されるレポートが生成される。
【0040】
ビデオカメラが検知に使用される場合、音声メッセージは、消費者プロファイルに従ってカスタマイズすることができる(例:若い女性に対するメッセージは、高齢男性に対するメッセージとは異なり得る)。
【0041】
各プロモーションキャンペーンの設定は、専用のウェブプラットフォーム上で行われ、インターネット経由でデバイスに送信される。
【0042】
新しいインターネット接続をセットアップするために、Bluetoothを介してデバイスに接続する専用のモバイルアプリケーションを使用することができる。また、デバイスが設置されている場所を送信し、音量を設定し、動き、LEDランプ24、モーションセンサ又はビデオカメラ29、ファン38及び匂いスプレー28のスムーズな動作をテストするために使用することもできる。
【0043】
商品25を照らすためのLEDランプ24の使用は、商品の動き及び音の再生と同期させることができる。このランプは、起動している間ずっと点灯させることができ、又は予め設定された間隔で点滅するように、もしくは顧客の要求に応じて点灯するようにプログラムすることができる。
【0044】
匂いディスペンサ28は、USBを介して接続され、店内の通行量に応じて予め設定された間隔で香りを噴霧する。このシステムのセットアップは、専用のウェブプラットフォームを介して行うこともできる。
【0045】
消費者を検知し、デバイスの起動を誘発するためにモーションセンサ又はビデオカメラ29を使用することによって、使用される検知の種類に応じて、デバイスが設置されているそれぞれの棚から通行量データ、及び、消費者とのやり取りの回数を抽出することが可能になる。ビデオカメラが使用される場合、音声メッセージは、消費者プロファイルに応じてカスタマイズすることができる(例:若い男性又は高齢男性、若い女性又は高齢女性)。この情報は、ウェブプラットフォームにアップロードされ、顧客にレポートとして送信される。
【0046】
情報送信は、通信手段、すなわちWiFi/Bluetoothモジュール30、セルラー伝送モジュール31によって行われ、モジュールは、ウェブプラットフォーム又は携帯電話アプリケーションと連携して、モータ動作パラメータ3、LEDランプ24のパラメータ、匂いディスペンサ28のパラメータを遠隔送信したり、新しい音声ファイルをアップロードしたり、デバイスの動作範囲を設定したり、デバイスの動作を遠隔監視したり、故障の場合には、故障の内容について表示したりすることを可能にする。
【0047】
本明細書に記載の対象物の様々な詳細は、範囲から逸脱することなく変更され得ることが理解されよう。さらに、前述の説明は、単に例示することを意図しており、限定するものではないので、本発明の主題は、以下に記載される特許請求の範囲によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7